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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20240529BHJP
   F25D 21/02 20060101ALI20240529BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240529BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D21/02 Z
F25D23/00 301G
F25D23/00 301J
F25B49/02 520M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020045401
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021148314
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】中田 萌子
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/085913(WO,A1)
【文献】特開2017-146039(JP,A)
【文献】特開2010-038442(JP,A)
【文献】特開2001-093039(JP,A)
【文献】特開2002-195720(JP,A)
【文献】特開2015-068510(JP,A)
【文献】特開2009-174795(JP,A)
【文献】特開2019-179300(JP,A)
【文献】特開平06-119068(JP,A)
【文献】特開2017-219278(JP,A)
【文献】特開2017-058114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体に設けられて前記貯蔵室を開閉する扉と、
前記冷蔵庫本体又は前記扉に設けられ外部機器を着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する接続部と、
前記冷蔵庫本体に設けられ、前記接続部を通して前記外部機器に電力を供給可能な電源装置と、
前記接続部への電力の供給を制御する制御装置と、
前記貯蔵室の外部の温度と前記貯蔵室の外部の湿度との一方又は両方を検知するための検知部と、を備え、
前記制御装置は、所定の条件に基づいて前記接続部への電力の供給の適否を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、
前記判定処理部が前記接続部への電力の供給を否と判定した場合に前記接続部への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理を実行可能な供給調整処理部と、を有し、
前記判定処理は、前記検知部による検知結果が所定の閾値以上である場合に、前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
冷蔵庫。
【請求項2】
貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体に設けられて前記貯蔵室を開閉する扉と、
前記冷蔵庫本体又は前記扉に設けられ外部機器を着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する接続部と、
前記冷蔵庫本体に設けられ、前記接続部を通して前記外部機器に電力を供給可能な電源装置と、
前記接続部への電力の供給を制御する制御装置と、
前記接続部に又は前記接続部の上方に設けられた水検知部と、を備え、
前記制御装置は、所定の条件に基づいて前記接続部への電力の供給の適否を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、
前記判定処理部が前記接続部への電力の供給を否と判定した場合に前記接続部への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理を実行可能な供給調整処理部と、を有し、
前記判定処理は、前記水検知部が水分を検知した場合に前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉の開閉を検知する開閉検知部を更に備え、
前記判定処理は、前記開閉検知部が前記扉の開状態を検知した場合に前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記電源装置と前記接続部とを接続して前記電源装置から前記接続部へ電力を供給する電気配線を備え、
前記電気配線は、前記扉が閉状態及び開状態の時に前記電源装置と前記接続部とを接続した状態である、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記接続部に又は前記接続部の上方に設けられた水検知部を更に備え、
前記判定処理は、
前記水検知部が水分を検知した場合に前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室を冷却する冷気を生成する冷凍サイクルと、
前記冷凍サイクルにおける冷媒漏れを検知する漏れ検知部と、を備え、
前記判定処理は、
前記漏れ検知部が冷媒漏れを検知した場合に前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記開閉検知部の故障を検知する故障検知部を更に備え、
前記判定処理は、前記故障検知部が前記開閉検知部の故障を検知した場合に、前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項3又は4に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記検知部の故障を検知する故障検知部を更に備え、
前記判定処理は、前記故障検知部が前記検知部の故障を検知した場合に、前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記水検知部の故障を検知する故障検知部を更に備え、
前記判定処理は、前記故障検知部が前記水検知部の故障を検知した場合に、前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項2又は5に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記漏れ検知部の故障を検知する故障検知部を更に備え、
前記判定処理は、前記故障検知部が前記漏れ検知部の故障を検知した場合に、前記接続部への電力の供給を否と判定する処理を含む、
請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記外部機器又は前記外部機器以外の第2の外部機器に通信可能に接続する通信部を備え、
前記通信部は、
前記判定処理部が判定した前記接続部への電力の供給の適否、及び前記判定処理部が前記接続部への電力の供給を否と判定した場合はその理由を、前記外部機器又は前記第2の外部機器に通知する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット等の携帯情報端末の普及に伴い、例えば携帯情報端末等の外部機器と接続可能な接続端子を有する電気装置を冷蔵庫に設け、冷蔵庫と外部機器とを電気的に接続して冷蔵庫から外部機器に給電を行うことができる構成が提案されている。
【0003】
外部機器と接続可能な接続端子は、ユーザの利便性の為に、ユーザの手が簡単に届く部位に設置される。一方、給電するためには一定の電圧が必要であるため、ユーザの感電に対する安全性を高める必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-188760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、簡便に外部機器に電力を供給可能な接続端子を備えながら、ユーザの安全性を高めた冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体に設けられて前記貯蔵室を開閉する扉と、前記冷蔵庫本体又は前記扉に設けられ外部機器を着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する接続部と、冷蔵庫本体に設けられ、前記接続部を通して前記外部機器に電力を供給可能な電源装置と、前記接続部への電力の供給を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、所定の条件に基づいて前記接続部への電力の供給の適否を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、前記判定処理部が前記接続部への電力の供給を否と判定した場合に前記接続部への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理を実行可能な供給調整処理部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による冷蔵庫の一例の外観を示す正面図
図2】一実施形態による冷蔵庫の一例について接続部周辺の構成を示す概略縦断図
図3】一実施形態による冷蔵庫の電気的構成の一例を示すブロック図
図4】一実施形態による冷蔵庫の一例について制御装置による制御内容を示すフローチャート
図5】一実施形態による冷蔵庫の一例について制御装置による判定処理の制御内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態による冷蔵庫について、図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、冷蔵庫1の概略構成について説明する。図1に示すように、冷蔵庫1は、前面が開口した縦長矩形箱状の冷蔵庫本体10内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。以下の説明では、冷蔵庫本体10の開口側を、冷蔵庫1の前側とし、開口とは反対側を、冷蔵庫1の後ろ側とする。また、冷蔵庫1を図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、冷蔵庫1の上下方向とする。また、図1の冷蔵庫1を前側から見た場合における左右方向を、冷蔵庫1の左右方向とする。
【0009】
図1に示すように、冷蔵庫1は、冷蔵庫本体10を主体として構成されている。冷蔵庫本体10は、前面が開口した断熱性を有する矩形の箱体で構成されている。この場合、詳細は図示しないが、冷蔵庫本体10は、例えば樹脂製の内箱と金属製の外箱との間に断熱材を設けて構成されている。
【0010】
冷蔵庫本体10は、貯蔵物を貯蔵するための複数の貯蔵室として、例えば冷蔵室11、野菜室12、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15を備えている。冷蔵室11、野菜室12は、冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15は、冷凍温度帯の貯蔵室である。
【0011】
冷蔵室11は、冷蔵庫本体10の最上部に設けられている。野菜室12は、冷蔵室11の下方に設けられている。製氷室13及び小冷凍室14は、野菜室12の下方にあって、左右に並べて設けられている。冷凍室15は、製氷室13及び小冷凍室14の下方、つまり冷蔵庫本体10の最下部に設けられている。
【0012】
冷蔵庫1は、右側冷蔵室扉21、左側冷蔵室扉22、野菜室扉23、製氷室扉24、小冷凍室扉25、及び冷凍室扉26を備えている。右側冷蔵室扉21及び左側冷蔵室扉22は、例えば観音開きのヒンジ開閉式の扉であって、冷蔵室11の前側の開口を開閉する。右側冷蔵室扉21の幅と左側冷蔵室扉22の幅とは同一でも良いし、異なっていても良い。本実施形態の場合、右側冷蔵室扉21は、左側冷蔵室扉22よりも幅広に構成されている。
【0013】
また、右側冷蔵室扉21は右側ヒンジ211を有し、左側冷蔵室扉22は左側ヒンジ221を有している。各ヒンジ211、221は、それぞれ冷蔵室扉21、22の外側端部の上下部分に設けられており、各冷蔵室扉21、22を回転可能に支持する。野菜室扉23、製氷室扉24、小冷凍室扉25、及び冷凍室扉26は、いずれも引き出し式であって、それぞれ野菜室12、製氷室13、小冷凍室14、及び冷凍室15の前側の開口を開閉する。
【0014】
冷蔵庫1は、図3に示すように電源装置70を備えている。本実施形態の場合、電源装置70は、冷蔵庫本体10の天井の奥寄り部分に埋め込まれるようにして設けられている。電源装置70には、図1及び図2に示す電気配線71が接続されている。
【0015】
冷蔵庫1は、図3に示すように、各貯蔵室11、12、13、14、15を冷却する機能を有する冷凍サイクル60を備えている。冷凍サイクル60は、詳細は図示しないが、冷媒を循環させて圧縮、凝縮、膨張、蒸発させることで、各貯蔵室11、12、13、14、15を冷却する冷気を発生させる。冷凍サイクル60は、冷媒の流れ順に、図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を環状に接続して構成されている。
【0016】
冷蔵庫1は、図3に示すように、制御装置40を備える。制御装置40は、例えばCPU401や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリなどの記憶領域402を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、冷蔵庫1の全体の駆動を制御する。また、制御装置40には、検知部として、温度検知部52と、湿度検知部53と、開閉検知部54と、水検知部55と、漏れ検知部56と、故障検知部57と、が接続されている。また、制御装置40には、制御対象として、冷凍サイクル60の図示しない圧縮機と、スイッチング部34と、通信部51と、操作装置222と、表示灯214と、等が接続されている。
【0017】
冷蔵庫1は、操作装置222を備える。操作装置222は、ユーザからの操作を受け付けて、冷蔵庫1の運転内容等の各種の設定の変更や表示等を行う機能を有する。本実施形態の場合、操作装置222は、例えば静電タッチ式の操作装置で構成されている。そして、操作装置222は、例えば冷蔵室扉21、22のいずれか一方又は両方に内蔵されている。本実施形態の場合、操作装置222は、左側冷蔵室扉22に設置されている。この場合、ユーザは、左側冷蔵室扉22の表面のうち操作装置222が設けられている領域をタッチすることで、操作装置222に対して入力操作を行うことができる。なお、操作装置222は、静電タッチ式に限られず、ボタン式であっても良い。
【0018】
また、冷蔵庫1は、接続部30を備えている。接続部30は、図1及び図2に示す電気配線71を介して電源装置70に接続されている。接続部30は、図1及び図2に示すように、スマートフォンやタブレット等の外部機器80を直接又はケーブル81を介して着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する。そして、電源装置70は、接続部30を介して接続された外部機器80に給電する。外部機器80に供給される電力は、この場合、例えば電圧5V、電流0.5~2.0Aであっても良い。
【0019】
接続部30は、各扉21、22、23、25、26、又は冷蔵庫本体10に設けられている。本実施形態の場合、接続部30は、右側冷蔵室扉21に設けられている。接続部30は、図1に示すように、右側冷蔵室扉21の下端部付近に設けられている。この場合、右側冷蔵室扉21は、図1及び図2に示すように、窪み部212及び収容部213を有している。収容部213は、内部に接続部30を収容する。
【0020】
窪み部212は、右側冷蔵室扉21の周縁部、この場合、下端部に設けられている。窪み部212は、右側冷蔵室扉21の表面部分を扉21の厚み方向に関して窪ませて形成されている。つまり、窪み部212は、右側冷蔵室扉21において、ユーザ側へ向かって開放されている。窪み部212は、外部機器80又はコネクタ82を、少なくとも一部が扉21から前方に突出しない態様で接続部30に接続することを許す。
【0021】
図2に示すように、収容部213は、右側冷蔵室扉21の内部に形成された空間であり、窪み部212の周囲に隣接して設けられている。収容部213には、電気配線71が引き込まれている。電源装置70に接続された電気配線71は、例えば図1に示すように右側冷蔵室扉21の上部に設けられたヒンジ211から右側冷蔵室扉21内に引き込まれて、右側冷蔵室扉21内部を通って収容部213に至る。電気配線71は、右側冷蔵室扉21が開状態の時と閉状態の時とのいずれも電源装置70と接続部30とを接続可能である。
【0022】
接続部30は、図2に示すように、回路基板31と、電源側ソケット32と、機器側ソケット33と、スイッチング部34と、を有する。回路基板31は、概ね長方形の板状に形成されたプリント基板であり、柔軟性の低いいわゆるリジッド基板である。回路基板31は、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を滲み込ませたガラスエポキシ基板である。回路基板31は、電源側ソケット32と、機器側ソケット33と、スイッチング部34と、を実装している。電源側ソケット32と、機器側ソケット33と、スイッチング部34とは、回路基板31に例えばはんだ付け等の手法によって固定されている。
【0023】
電源側ソケット32は、メスコネクタであり、図2に示すように、電気配線71の出力側の先端に設けられたオスコネクタである電源側コネクタ72を受け入れて電源装置70からの電力を回路基板31に供給する。機器側ソケット33は、メスコネクタであり、外部機器80に設けられた又は外部機器80に接続されたケーブル81の先端に設けられたオスコネクタであるコネクタ82を受け入れて着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する。機器側ソケット33の一部は、収容部213から窪み部212側に向けて露出している。つまり、機器側ソケット33の一部は、右側冷蔵室扉21の外部に露出しており、ユーザが触れることができる。
【0024】
スイッチング部34は、制御装置40からの指令を受けて、電源装置70からの電力の供給をONまたはOFFに切り替える機能を有する。これにより、電源装置70から接続部30への電力の供給の有無が切り替えられる。スイッチング部34は、例えばリレースイッチであってよい。
【0025】
本実施形態の場合、機器側ソケット33は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に基づくコネクタであり、例えばUSBメスコネクタで構成されている。なお、機器側ソケット33は、外部機器80と給電可能に接続できる規格に基づくものであれば、USBコネクタに限られない。
【0026】
窪み部212は、図2に示すように、表示灯214を有する。表示灯214は、発光の有無で接続部30への電力の供給状況をユーザに視覚的に報知する機能を有する。表示灯214は、例えば発光ダイオードやその他の豆電球を光源としている。表示灯214による報知は、本実施形態では、例えば接続部30への電力供給中であれば発光し、電力供給低減又は停止中であれば消灯するという方法による。別の実施形態では、接続部30への電力供給中であれば連続点灯し、電力供給低減又は停止中であれば点滅するという方法でも良い。更に別の実施形態では、表示灯214の、接続部30への電力供給中の発光色と電力供給低減又は停止中の発光色とを変更することにより、電力の供給状況を報知してもよい。
【0027】
冷蔵庫1は、図3に示すように、ネットワークシステム100の一部を構成する。冷蔵庫1は、ルータ101及び外部の通信回線102を介して外部のサーバ103に通信可能に接続されている。ルータ101は、いわゆる無線アクセスポイントであり、無線通信方式にて冷蔵庫1と通信可能に接続されている。通信回線102は、例えばインターネットや電話回線等である。冷蔵庫1は、外部機器80と直接、又はルータ101を介して、若しくはルータ101及び通信回線102を介して、通信可能に接続される。冷蔵庫1は、通信回線102に接続されている外部機器80との間で各種の情報をやり取り可能である。この場合、外部機器80は、冷蔵庫1が接続部30を介して電力供給をする対象であっても良いし、電力供給をする対象でなくても良い。
【0028】
冷蔵庫1は、図3に示すように、通信部51を備える。本実施形態では、通信部51は、いわゆる無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信方式により、ルータ101との間で通信を行う。通信部51は、制御装置40の制御を受けて、接続部30への電力の供給状況に関する情報をルータ101と外部の通信回線102を介してサーバ103にアップロードする。なお、通信部51とルータ101との間の通信は、有線通信方式であってもよい。また、外部の通信回線102を介さずに、通信部51と外部機器80とが直接無線通信する構成であっても良い。
【0029】
冷蔵庫1は、図3に示すように、検知部として温度検知部52及び湿度検知部53を備える。温度検知部52は、各貯蔵室11、12、13、14、15の外部の温度を検知する機能を有する。この場合各貯蔵室11、12、13、14、15の外部の温度とは、例えば、冷蔵庫1が設置されている部屋の室温である。温度検知部52は、各扉21、22、23、25、26、又は冷蔵庫本体10に設けられている。本実施形態の場合、温度検知部52は、図1に示すように、左側冷蔵室扉22に設けられている。具体的には、温度検知部52は、操作装置222の内面に埋め込まれている。
【0030】
湿度検知部53は、各貯蔵室11、12、13、14、15の外部の湿度を検知する機能を有する。この場合各貯蔵室11、12、13、14、15の外部の湿度とは、例えば、冷蔵庫1が設置されている部屋の湿度である。湿度検知部53は、各扉21、22、23、25、26、又は冷蔵庫本体10に設けられている。本実施形態の場合、湿度検知部53は、図1に示すように、左側冷蔵室扉22に設けられている。具体的には、湿度検知部53は、左側冷蔵室扉22の周縁部の下部に設けられている。
【0031】
冷蔵庫1は、図3に示すように、検知部として更に、開閉検知部54と、漏れ検知部56と、を備える。開閉検知部54は、各扉21、22、23、24、25、26のうち少なくとも1つの開閉を検知する機能を有する。本実施形態では、開閉検知部54は、冷蔵室扉21、22の開閉を検知する。開閉検知部54は、冷蔵室扉21、22と、冷蔵室11の内部との機械的な接触の有無によって冷蔵室扉21、22の開閉を検知する方式であっても良い。別の実施形態では、開閉検知部54は、ホールIC等を利用して、冷蔵室扉21、22と、冷蔵室11の内部との相対的な距離を検知することによって冷蔵室扉21、22の開閉を検知する方式であっても良い。
【0032】
水検知部55は、接続部30周辺の水分の存在を検知する機能を有する。水検知部55は、接続部30又は接続部30の上方に設けられる。本実施形態では、水検知部55は、接続部30に設けられている。具体的には、図2に示すように、水検知部55は回路基板31に実装されている。
【0033】
漏れ検知部56は、冷凍サイクル60からの冷媒の漏れの有無を検知する機能を有する。この場合、漏れ検知部56は、例えば詳細は図示しない圧縮機の駆動電力を測定する。制御装置40は、漏れ検知部56が測定した圧縮機の駆動電力を記憶領域402に記憶する。判定処理部41は、記憶領域402に記憶した圧縮機の駆動電力の変化率を計算し、圧縮機の駆動電力の変化率に基づいて、冷媒漏れの有無を判定する判定処理を行う。判定処理部41は、例えば、圧縮機の駆動電力が正常値の範囲から逸脱しているか否かに基づいて、冷媒漏れの有無を判定する判定処理を行う。具体的には、判定処理部41は、例えば圧縮機の駆動電力の変化率が、所定の閾値Δ1よりも大きい場合、又は、所定の閾値Δ2よりも小さい場合、冷媒漏れが有りと判定する。
【0034】
故障検知部57は、それぞれ温度検知部52と、湿度検知部53と、開閉検知部54と、漏れ検知部56と、水検知部55と、の故障の有無を検知する機能を有する。故障検知部57は、例えば、各検知部からエラー信号を受け取った場合、各検知部の出力値が予め定めた正常値の範囲から逸脱している場合、又は各検知部からの信号が無い場合、等に故障を有りと検知する。
【0035】
記憶領域402は、例えば接続部30に対する電力供給を制御するための制御プログラムを記録している。制御装置40は、CPU401において制御プログラムを実行することにより、判定処理部41、供給調整処理部42、及び供給処理部43等を、ソフトウェアによって仮想的に実現する。なお、これら判定処理部41、供給調整処理部42、及び供給処理部43等は、例えば制御装置40と一体の集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
【0036】
判定処理部41は、所定の条件に基づいて接続部30への電力の供給の適否を判定する判定処理を実行する。供給調整処理部42は、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「否」と判定した場合に接続部30への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理を実行する。本実施形態では、供給調整処理部42は、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「否」と判定した場合に接続部30への電力の供給を停止する。供給処理部43は、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「適」と判定した場合に接続部30への電力の供給を開始する供給処理を実行する。
【0037】
次に、図4及び図5も参照して、制御装置40の制御内容について説明する。図4のフローチャートは、接続部30への電力の供給についての制御内容を示す。また、図5のフローチャートは、制御装置40の判定処理における制御内容を示す。電源装置70に外部から電力が供給されると(図4のスタート)、判定処理部41は、ステップS11において判定処理を実行する。判定処理部41は、図4のステップS11において判定処理が実行されると、図5に示す処理を実行する。
【0038】
判定処理部41は、ステップS21において、故障検知部57が温度検知部52、湿度検知部53、開閉検知部54、漏れ検知部56、及び水検知部55のうち少なくとも一つの故障を検知したか否かを判定する処理を実行する。故障が検知された場合(ステップS21でYes)、判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定する。温度検知部52、湿度検知部53、開閉検知部54、漏れ検知部56、及び水検知部55のいずれにも故障が検知されなかった場合(ステップS21でNo)、判定処理部41は、処理をステップS22に進める。
【0039】
判定処理部41は、ステップS22において、冷蔵室扉21、22の開状態が検知されたか否かを判定する。開閉検知部54が冷蔵室扉21又は22の少なくともいずれか一方の開状態を検知した場合(ステップS22でYes)、判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定する。開閉検知部54が冷蔵室扉21又は22のいずれの開状態も検知しなかった場合(ステップS22でNo)、判定処理部41は、処理をステップS23に進める。
【0040】
判定処理部41は、ステップS23において、温度検知部52が検知した貯蔵室の外部の温度が所定の温度T1以上であるか否かを判定する。所定の温度T1は、庫内との温度差によって結露がし易くなる温度に設定されており、例えば28度以上であって良い。所定の温度T1は、例えば30度である。温度検知部52が検知した貯蔵室の外部の温度が所定の温度T1以上である場合(ステップS23でYes)、判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定する。温度検知部52が検知した貯蔵室の外部の温度が所定の温度T1未満である場合(ステップS23でNo)、判定処理部41は、処理をステップS24に進める。
【0041】
判定処理部41は、ステップS24において、湿度検知部53が検知した貯蔵室の外部の湿度が所定の湿度U1以上であるか否かを判定する。所定の湿度U1は、結露がしやすくなる湿度に設定されており、例えば相対湿度80%以上であって良い。所定の湿度U1は、例えば相対湿度85%以であって良い。湿度検知部53が検知した貯蔵室の外部の湿度が所定の湿度U1以上である場合(ステップS24でYes)、判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定する。湿度検知部53が検知した貯蔵室の外部の湿度が所定の湿度U1未満である場合(ステップS24でNo)、判定処理部41は、処理をステップS25に進める。
【0042】
判定処理部41は、ステップS25において、水検知部55が水分を検知したか否かを判定する。水検知部55が水分を検知した場合(ステップS25でYes)、判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定する。水検知部55が水分を検知しなかった場合(ステップS25でNo)、判定処理部41は、処理をステップS26に進める。
【0043】
判定処理部41は、ステップS26において、判定を「適」と判定する。そして、処理を図4のステップS12に進める(リターン)。判定処理部41は、ステップS27において判定を「否」と判定した場合も、処理を図4のステップS12に進める(リターン)。
【0044】
なお、本実施形態では、検知した貯蔵室外部の温度が所定の温度T1以上であるかと、検知した貯蔵室外部の湿度が所定の湿度U1以上であるかと、を個別の判定処理としたが、検知した貯蔵室外部の温度が所定の温度T1以上であってかつ検知した貯蔵室外部の湿度が所定の湿度U1以上である場合に、ステップS27において「否」と判定する処理を実行する方式であっても良い。その場合、より冷蔵庫1の表面やとりわけ機器側ソケット33表面の、結露の有無の予測の精度を上げることができる。
【0045】
また、本実施形態では、ステップS21からステップS25までの判定処理を順次実行し、判定処理中にいずれか一つの判定にYesがあると、その後の判定処理は経由しないで図4のステップS12に処理を進める方式であるが、故障の有無、温度が所定の閾値T1以上であるか、湿度が所定の閾値U1以上であるか、扉の開閉の有無、水分の有無、冷媒漏れの有無、といった一連の判定処理を全て実行した後、そのうち一つ以上にYesがあれば「否」と判定し、全てがNoであれば「適」と判定する方式であっても良い。また、ステップS21からステップS25の判定処理の順番は本実施形態の順番に限らず、異なる順番で判定処理を進めても良い。その場合であっても、故障検知部57が故障を検知した場合には、それ以外の判定処理の信頼度が劣る虞れがあるため、故障検知の有無を始めに行っても良い。
【0046】
判定処理部41は、ステップS12において、電力の供給の適否を設定する。判定処理の結果が「適」である場合、判定処理部41は、接続部30に対する通常の電力供給が許可されていると判断し、処理をステップS16に進める。一方、判定処理の結果が「否」である場合、判定処理部41は、接続部30に対する通常の電力供給が禁止されていると判断し、処理をステップS13に進める。
【0047】
供給調整処理部42は、ステップS13において、電源装置70から接続部30への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理を実行する。本実施形態では、供給調整処理部42は、ステップS13において、電源装置70から接続部30への電力の供給を停止する停止処理を実行する。具体的には、供給調整処理部42は、スイッチング部34にOFFとする指令を送る。この停止処理は、電力供給が停止されていて供給を開始する処理と、電力供給がされていて継続して電力供給をする場合との両方を含む。
【0048】
制御装置40は、ステップS14において、通信部51が外部機器80に接続部30への電力の供給が「供給調整中」である旨及びその供給調整の理由を通知するように制御する。実施形態では、制御装置40は、ステップS14において、通信部51が外部機器80に接続部30への電力の供給が「停止中」である旨及びその停止の理由を通知するように制御する。この場合停止の理由とは、ステップS11で判定した温度検知部52、湿度検知部53、開閉検知部54、漏れ検知部56、及び水検知部55のうちの少なくともいずれか一つの故障の検知、冷蔵室扉21、22の開状態の検知、温度検知部52が検知した温度が所定の温度T1以上であること、湿度検知部53が検知した湿度が所定の湿度U1以上であること、水検知部55が水分を検知したこと、のうちの少なくとも一つである。
【0049】
本制御装置40は、ステップS15において、表示灯214をOFFつまり消灯する。表示灯214を消灯する処理には、発光状態であった表示灯214を消灯する処理と、消灯状態であった表示灯214を継続する処理との両方を含む。ユーザは、表示灯214が消灯状態である場合、接続部30からの電力の供給が低減又は停止中であることを視覚的に認識することができる。
【0050】
次に、電力の供給が「適」である場合、供給処理部43は、ステップS16において、電源装置70から接続部30への電力の供給を行う供給処理を実行する。具体的には、供給処理部43は、スイッチング部34にONの信号を送る。この供給処理は、電力が供給されていて継続して供給する処理と、電力供給が停止されていて電力供給を開始する処理とのいずれをも含む。
【0051】
制御装置40は、ステップS17において、通信部51が外部機器80に接続部30へ電力を「供給中」である旨及びその停止の理由を通知するように制御する。制御装置40は、ステップS18において、表示灯214をONつまり発光させる。表示灯214を発光させる処理には、消灯状態であった表示灯214を発光させる処理と、発光状態であった表示灯214を継続して発光させる処理との両方を含む。ユーザは、表示灯214が発光状態である場合、接続部30からの電力が供給されていることを視覚的に認識することができる。
【0052】
ステップS15又はステップS18の後、制御装置40は、処理を再びステップS11の判定処理に戻す。
【0053】
以上説明した実施形態によれば、冷蔵庫1は、各貯蔵室11、12、13、14、15を有する冷蔵庫本体10と、冷蔵庫本体10に設けられて各貯蔵室11、12、13、14、15を開閉する各扉21、22、23、24、25、26を備える。冷蔵庫1は、冷蔵庫本体10又は各扉21、22、23、24、25、26に設けられて外部機器80を着脱可能でかつ電力を供給可能に接続する接続部30と、冷蔵庫本体10に設けられ、接続部30を通して外部機器80に電力を供給可能な電源装置70と、接続部30への電力の供給を制御する制御装置40と、を備える。制御装置40は、所定の条件に基づいて接続部30への電力の供給の適否を判定する判定処理ステップS11を実行可能な判定処理部41と、判定処理部41が接続部30への電力の供給を否と判定した場合に接続部30への電力の供給を低減又は停止する供給調整処理ステップS13を実行可能な供給調整処理部42と、を有する。
【0054】
これによれば、ユーザに感電等のリスクがあると判断される所定の条件が成立した場合に、ユーザの手に触れる可能性のある接続部30への電力の供給を低減又は停止し、ユーザの感電のリスクを抑制し、安全性を高めることができる。そのため、簡便に外部機器80に電力を供給可能な接続部30を備えながら、ユーザの安全性を高めた冷蔵庫を提供することができる。
【0055】
ここで、冷蔵庫1の各扉21、22、23、24、25、26のうちいずれか一つが開状態にある場合は、ユーザが冷蔵庫1に食品を出し入れしているつまりユーザが冷蔵庫1の付近にいる可能性が高い。そのため、そのような場合は、ユーザが無意識に接続部30に手等を触れる可能性がある。接続部30への電力供給中にユーザが接続部30に触ると、感電のリスクがゼロではない。
【0056】
また、冷蔵庫1は、各扉21、22、23、24、25、26の開閉を検知する開閉検知部54を更に備える。判定処理ステップS11は、開閉検知部54が各扉21、22、23、24、25、26のうち少なくともいずれか一つの開状態を検知した場合に接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。
【0057】
これによれば、各扉21、22、23、24、25、26のうち少なくともいずれか一つが開状態である場合には、接続部30への電力の供給が低減又は停止されるため、冷蔵庫1の付近にいるユーザが誤って接続部30に触れてしまっても、感電するリスクを抑制し、ユーザの安全性を高めることができる。
【0058】
更に、冷蔵庫1は、電源装置70と接続部30とを接続して電源装置70から接続部30へ電力を供給する電気配線71を備える。電気配線71は、各扉21、22、23、24、25、26が開状態の時に電源装置70と接続部30とを接続した状態である。
【0059】
これによれば、電気配線71は、各扉21、22、23、24、25、26の開閉に伴って接続と非接続とが切り替わる複雑な構成としなくても良いため、冷蔵庫1の製造コストを抑制することができる。
【0060】
ここで、貯蔵室の外部の温度が比較的高温であったり、貯蔵室の外部の湿度が比較的高湿であったりする場合、冷凍サイクル60によって内部が冷却されている冷蔵庫1の外表面は結露しやすくなる。接続部30の一部は右側冷蔵室扉21の外部に露出しているため、貯蔵室の外部が高温又は高湿である場合、接続部30の表面も結露しやすくなる。その場合、接続部30に電力が供給されていると、ユーザが接続部30の結露に気づかずに触れてしまった場合にユーザが感電してしまう可能性がゼロではない。
【0061】
本実施形態によれば、冷蔵庫1は、各貯蔵室11、12、13、14、15の外部の温度と質との一方又は両方を検知するための検知部として温度検知部52と湿度検知部53とを更に備える。判定処理ステップS11は、温度検知部52による検知温度が所定の閾値T1以上の温度である場合又は湿度検知部53による検知湿度が所定の閾値U1以上の湿度である場合に、接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。
【0062】
これによれば、冷蔵庫1の外部が高温又は高湿で接続部30の表面が結露している可能性が高い場合に、接続部30への電力の供給を低減又は停止し、感電のリスクを抑制することができる。
【0063】
ここで、接続部30の周辺に水分が存在している場合、接続部30自体の表面が濡れている可能性がある。接続部30やとりわけ機器側ソケット33が濡れている場合、ユーザが濡れていることを知らずに機器側ソケット33に手を触れてしまうと、感電するリスクがゼロではない。
【0064】
本実施形態によれば、冷蔵庫1は、接続部30上又は接続部30の上方に設けられた水検知部55を更に備える。判定処理ステップS11は、水検知部55が水分を検知した場合に接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。
【0065】
これによれば、機器側ソケット33の表面が濡れている可能がある場合つまり接続部30の周辺に水分が存在している場合には、接続部30への電力の供給が低減又は停止される。そのため、ユーザが濡れていることに気づかずに機器側ソケット33に触れてしまっても、ユーザが感電するリスクを抑制することができる。したがって、ユーザの安全性を向上することができる。
【0066】
ここで、冷蔵庫1の冷凍サイクル60に用いられる冷媒は、難燃性のものが採用されているが、引火する可能性がゼロではないこともある。そのため、仮に冷凍サイクル60から冷媒が漏れてしまった場合、接続部30へ電力が供給されていると、機器側ソケット33から冷媒に印加してしまうリスクがないとは言い切れない。
【0067】
本実施形態によれば、冷蔵庫1は、各貯蔵室11、12、13、14、15を冷却する冷気を生成する冷凍サイクル60と、冷凍サイクル60からの冷媒漏れを検出する漏れ検知部56と、を備える。判定処理ステップS11は、漏れ検知部56が冷媒漏れを検知した場合に接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。
【0068】
これによれば、冷媒が漏れている場合には、接続部30への電力の供給を低減又は停止するため、引火の可能性を抑制し、火災の発生のリスクを低減することができる。
【0069】
ここで、各検知部52、53、54、55、56のいずれかが故障している場合には、各検知部52、53、54、55、56の出力値の精度が下がるため、正確な判定処理が実行できない可能性がある。その場合、接続部30への電力の供給を継続すると、ユーザの感電のリスクや、引火のリスクがゼロではない。
【0070】
これに対し、本実施形態によれば、冷蔵庫1は、開閉検知部54の故障を検知する故障検知部57を備える。判定処理ステップS11は、故障検知部57が開閉検知部54の故障を検知した場合に、接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。
【0071】
これによれば、開閉検知部54の検知結果の精度が低くなる故障時には、接続部30への電力の供給を低減又は停止する。そのため、正確な判定処理が実行できない状態でも接続部30への電力の供給を低減又は停止するので、ユーザの感電のリスクや、引火による火災のリスク等を抑制することができる。
【0072】
また、冷蔵庫1は、検知部としての温度検知部52と、湿度検知部53と、のうちの少なくとも一つの故障を検知する故障検知部57を備える。判定処理ステップS11は、故障検知部57が温度検知部52と、湿度検知部53と、のうちの少なくとも一つの故障を検知した場合に、接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。これによっても、上記と同様の効果が奏される。
【0073】
また、冷蔵庫1は、水検知部55の故障を検知する故障検知部57を備える。判定処理ステップS11は、故障検知部57が水検知部55の故障を検知した場合に、接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。これによっても、上記と同様の効果が奏される。
【0074】
また、冷蔵庫1は、漏れ検知部56の故障を検知する故障検知部57を備える。判定処理ステップS11は、故障検知部57が漏れ検知部56の故障を検知した場合に、接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含む。これによっても、上記と同様の効果が奏される。
【0075】
更に、本実施形態によれば、冷蔵庫1は、外部機器80に通信可能に接続する通信部51を備える。制御装置40は、判定処理部41が判定した接続部30への電力の供給の適否、及び判定処理部41が接続部30への電力供給を否と判定した場合はその理由を、外部機器80に通知する。
【0076】
これによれば、ユーザは、外部機器80への電力の供給が低減又は停止中である場合に、当該外部機器80又は別の外部機器80によって電力供給が低減又は停止中である旨の通知を受信するため、電力の供給が可能か否かを知ることができる。そのため、接続部30への電力供給が低減又は停止されていることを知らずに、ユーザが外部機器80を接続部30に接続してしまうことを抑制し、ユーザの利便性を向上することができる。また、通信部51は、接続部30への電力供給が低減又は停止中である場合には、その理由を外部機器80に通知するため、ユーザは、その理由に応じて必要な対応を取ることができる。例えば、電力供給の低減又は停止の理由が、各検知部の故障や冷媒漏れであれば、それらを修理することができる。
【0077】
なお、上記実施形態において、機器側ソケット33の一例としてUSB規格による端子を開示したが、機器側ソケット33は給電可能な規格のものであればUSB規格による端子に限られない。また、接続部30に接続される外部機器80は、スマートフォンやタブレット等の携帯情報端末の他、例えばパソコン等も考えられる。
【0078】
また、上記実施形態において、接続部30に設けられている水検知部55を開示したが、水検知部55は接続部30の上方に設けられていても良い。つまり、水検知部55は接続部30自体に実装されていなくても良く、接続部30の上方に設けられ、接続部30の付近とりわけ上方に水分が存在することを検知できる構成となっていても良い。
【0079】
更に、検知部は操作装置222が操作を受けていることを検知する操作検知部を含み、判定処理は、操作検知部が操作装置222が操作を受けていることを検知した場合に接続部30への電力の供給を否と判定する処理を含んでも良い。これによれば、操作装置222が操作を受けている場合には、接続部30への電力の供給が低減又は停止されるため、冷蔵庫1の付近にいるユーザが誤って接続部30に触れてしまっても、感電するリスクを抑制し、ユーザの安全性を高めることができる。
【0080】
また、上記実施形態において、供給調整処理部42は、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「否」と判定した場合に接続部30への電力の供給を停止する構成としたが、別の実施形態では、供給調整処理部42は、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「否」と判定した場合に接続部30への電力の供給量を低減しても良い。この場合、例えば供給電流を誤って触れてしまってもユーザが感電や感知しない程度の微弱電流とすることができる。例えば、判定処理部41が接続部30への電力の供給の適否を「否」と判定した場合の供給電流を、0.5mA未満とすることができる。更にこの場合、制御装置40は、ステップS14において、通信部51が外部機器80に接続部30への電力の供給量が「低減中」である旨及びその低減の理由を通知するように制御しても良い。
【0081】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…冷蔵庫、10…冷蔵庫本体、11…冷蔵室(貯蔵室)、12…野菜室(貯蔵室)、13…製氷室(貯蔵室)、14…小冷凍室(貯蔵室)、15…冷凍室(貯蔵室)、21…右側冷蔵室扉(扉)、30…接続部、34…スイッチング部、40…制御装置、402…記憶領域、41…判定処理部、42…供給調整処理部、43…供給処理部、51…通信部、52…温度検知部(検知部)、53…湿度検知部(検知部)、54…開閉検知部、55…水検知部、56…漏れ検知部、57…故障検知部、60…冷凍サイクル、70…電源装置、71…電気配線、80…外部機器
図1
図2
図3
図4
図5