(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】収穫量管理システム、収穫量管理方法、及び収穫量管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240529BHJP
A01D 41/127 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01D41/127 140
A01D41/127
(21)【出願番号】P 2020104148
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小島 右資
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-018220(JP,A)
【文献】特開2010-166851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0128734(US,A1)
【文献】国際公開第2016/147521(WO,A1)
【文献】特開2019-126287(JP,A)
【文献】国際公開第2019/111527(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01D 41/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場内で作物を収穫する収穫機か
ら収穫情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記収穫情報に基づいて、前記
圃場に含まれる複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる
第1区画の収穫量である第1収穫量を算出する算出処理部と、
前記作物の生育に関連する情報であって前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報
と、前記算出処理部により算出される前記第1収穫量とに基づいて、前記
複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられない第2区画の収穫量である第2収穫量を推定する推定処理部と、
前記算出処理部により算出される前記第1収穫量と前記推定処理部により推定される前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力する出力処理部と、
を備える収穫量管理システム。
【請求項2】
前記推定処理部は、前記第1収穫量と前記生育関連情報との相関関係に基づいて前記第2収穫量を推定する、
請求項1記載の収穫量管理システム。
【請求項3】
前記推定処理部は、前記第1収穫量と前記生育関連情報とに基づいて作成される検量線を用いて前記第2収穫量を推定する、
請求項2に記載の収穫量管理システム。
【請求項4】
前記生育関連情報は、前記収穫機により前記作物の収穫作業が行われる前に算出されるNDVI値である、
請求項1~3のいずれかに記載の収穫量管理システム。
【請求項5】
前記生育関連情報は、前記複数の区画に応じたNDVIマップである、
請求項4に記載の収穫量管理システム。
【請求項6】
前記生育関連情報は、収穫対象の前記作物に対する施肥量、又は、前記圃場の土壌状態に関する情報である、
請求項1~3のいずれかに記載の収穫量管理システム。
【請求項7】
前記第1収穫量と前記第2収穫量とに基づいて前記複数の区画に応じた収穫量マップを作成する作成処理部をさらに備え、
前記出力処理部は、前記作成処理部により作成される前記収穫量マップを出力する、
請求項1~6のいずれかに記載の収穫量管理システム。
【請求項8】
前記推定処理部は、前記
第2区画の位置に応じた一部の前記
第1区画に対応する、前記第1収穫量及び前記生育関連情報に基づいて、当該
第2区画の前記第2収穫量を推定する、
請求項1~7のいずれかに記載の収穫量管理システム。
【請求項9】
圃場内で作物を収穫する収穫機か
ら収穫情報を取得することと、
前記収穫情報に基づいて、前記
圃場に含まれる複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる
第1区画の収穫量である第1収穫量を算出することと、
前記作物の生育に関連する情報であって前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報
と、前記第1収穫量とに基づいて、前記
複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられない第2区画の収穫量である第2収穫量を推定することと、
前記第1収穫量と前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力することと、
を一又は複数のプロセッサー
が実行する収穫量管理方法。
【請求項10】
圃場内で作物を収穫する収穫機か
ら収穫情報を取得することと、
前記収穫情報に基づいて、前記
圃場に含まれる複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる
第1区画の収穫量である第1収穫量を算出することと、
前記作物の生育に関連する情報であって前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報
と、前記第1収穫量とに基づいて、前記
複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられない第2区画の収穫量である第2収穫量を推定することと、
前記第1収穫量と前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための収穫量管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場内で収穫機が収穫する収穫量を管理する収穫量管理システム、収穫量管理方法、及び収穫量管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圃場内の作物を収穫するコンバインなどの収穫機には、収穫した作物の収穫量を検出する収穫量検出部(収量センサー)と収穫機の位置を検出する位置検出部とを備えるものがある。前記収穫機によれば、例えば管理サーバーは、前記収穫機から収穫量及び位置情報を取得することにより圃場内の位置に応じた収穫量を把握することが可能になる。従来、このような収穫機により圃場内の収穫量の分布を表す収穫量マップを作成して圃場の収穫量の評価を行うことを可能にする技術が提案されている。例えば、特許文献1には、圃場内をメッシュ状に分割した複数の区画のそれぞれの収穫量を算出して、区画ごとの収穫量の分布を表す収穫量マップを作成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術では、前記収穫量検出部及び前記位置検出部を備える1台の収穫機により圃場全体の収穫作業を完遂することを前提にしているが、一般的には、機能及び性能などが異なる複数台の収穫機により収穫作業を行う場合もある。このような場合に、例えば、前記収穫量検出部及び前記位置検出部を備える第1収穫機と、前記収穫量検出部及び前記位置検出部を備えない第2収穫機とより収穫作業を行うと、第2収穫機が収穫作業を行った領域の区画について収穫量を把握することができない。このため、圃場全体の収穫量マップを作成することができない問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、圃場のうち収穫機から収穫量を取得できない領域が存在する場合であっても圃場全体の収穫量を把握することが可能な収穫量管理システム、収穫量管理方法、及び収穫量管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る収穫量管理システムは、取得処理部と、判定処理部と、算出処理部と、推定処理部と、出力処理部とを備える。前記取得処理部は、圃場内で作物を収穫する収穫機から当該収穫機の位置情報と当該収穫機の位置に対応する収穫量とを含む収穫情報を取得する。前記判定処理部は、前記圃場を分割して設定された複数の区画に、前記取得処理部により取得される前記収穫情報が対応付けられない無効区画が含まれるか否かを判定する。前記算出処理部は、前記取得処理部により取得される前記収穫情報に基づいて、前記複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる有効区画の収穫量である第1収穫量を算出する。前記推定処理部は、前記複数の区画に前記無効区画が含まれる場合に、前記作物の生育に関連する情報であって、前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報に基づいて、前記無効区画の収穫量である第2収穫量を推定する。前記出力処理部は、前記算出処理部により算出される前記第1収穫量と前記推定処理部により推定される前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力する。
【0007】
本発明に係る収穫量管理方法は、圃場内で作物を収穫する収穫機から当該収穫機の位置情報と当該収穫機の位置に対応する収穫量とを含む収穫情報を取得することと、前記圃場を分割して設定された複数の区画に、前記収穫情報が対応付けられない無効区画が含まれるか否かを判定することと、前記収穫情報に基づいて、前記複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる有効区画の収穫量である第1収穫量を算出することと、前記作物の生育に関連する情報であって、前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報に基づいて、前記無効区画の収穫量である第2収穫量を推定することと、前記第1収穫量と前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力することと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する方法である。
【0008】
本発明に係る収穫量管理プログラムは、圃場内で作物を収穫する収穫機から当該収穫機の位置情報と当該収穫機の位置に対応する収穫量とを含む収穫情報を取得することと、前記圃場を分割して設定された複数の区画に、前記収穫情報が対応付けられない無効区画が含まれるか否かを判定することと、前記収穫情報に基づいて、前記複数の区画のうち前記収穫情報が対応付けられる有効区画の収穫量である第1収穫量を算出することと、前記作物の生育に関連する情報であって、前記複数の区画のそれぞれに対応して設定される情報である生育関連情報に基づいて、前記無効区画の収穫量である第2収穫量を推定することと、前記第1収穫量と前記第2収穫量とに対応する収穫量情報を出力することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圃場のうち収穫機から収穫量を取得できない領域が存在する場合であっても圃場全体の収穫量を把握することが可能な収穫量管理システム、収穫量管理方法、及び収穫量管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るコンバインの一例を示す側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るコンバインの一例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る情報記録装置によって記録される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る圃場の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る管理サーバーに記録される収穫量情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る圃場を複数の区画に分割した状態を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムにおいて作成されるNDVIマップの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムにおいて実測収穫量のみに基づいて作成される収穫量マップの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムにおいて作成される検量線の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムにおいて作成される収穫量マップの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係るユーザー端末に表示される収穫情報ページの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る収穫量管理システムで実行される収穫量管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る収穫量管理システム1は、管理サーバー2と、ユーザー端末3と、複数のコンバイン4とを備える。コンバイン4は、位置検出部494及び収穫量検出部495を備える第1コンバイン4Aと、位置検出部494及び収穫量検出部495を備えない第2コンバイン4Bとを含む。管理サーバー2、ユーザー端末3、及び第1コンバイン4Aは、通信網N1を介して通信可能である。例えば、管理サーバー2及び第1コンバイン4Aは、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。また、管理サーバー2及びユーザー端末3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線を介して通信可能である。第2コンバイン4Bは、例えば通信機能を備えておらず、管理サーバー2、ユーザー端末3などと通信網N1を介して通信することができない構成である。
図1では、便宜上、第2コンバイン4Bが通信網N1に接続されていない状態を示している。なお、第2コンバイン4Bは、通信機能を備え、位置情報及び収穫量を含む収穫情報を管理サーバー2などに送信する機能を備えていない構成であってもよい。また、第2コンバイン4Bは、通信機能及び位置検出部494を備え、収穫量検出部495を備えていない構成であってもよい。すなわち、第2コンバイン4Bは、収穫量の情報を管理サーバー2に送信する機能を備えていないコンバインである。
【0013】
本実施形態では、収穫量管理システム1は、位置情報及び収穫量を含む収穫情報を外部に送信可能な第1コンバイン4Aと、位置情報及び収穫量を含む収穫情報を外部に送信不可能な第2コンバイン4Bとを含んで構成される。また、第1コンバイン4A及び第2コンバイン4Bは、同一の圃場F1において作物を収穫する収穫作業を分担して実行する。第1コンバイン4A及び第2コンバイン4Bは、それぞれ1台であってもよいし、複数台であってもよい。以下では、第1コンバイン4A及び第2コンバイン4Bを区別しない場合には、「コンバイン4」と称して説明する。コンバイン4は、本発明の収穫機の一例である。
【0014】
管理サーバー2は、複数のコンバイン4が収穫する作物の収穫量を管理する機器である。ユーザー端末3は、ユーザーが操作する操作端末である。例えば、ユーザーは、ユーザー端末3において、管理サーバー2が提供するサポートサービスのウェブサイトにアクセスして、コンバイン4の稼働状況、収穫量等の情報を含むウェブページを表示させることが可能である。
【0015】
[コンバイン4]
先ず、第1コンバイン4A及び第2コンバイン4Bに共通する構成について説明する。
図1、
図2及び
図3に示されるように、コンバイン4は、走行装置41、刈取装置42、脱穀装置43、選別装置44、貯留装置45、動力装置46、運転部47、及び車両制御装置48などを備える。
【0016】
車両制御装置48は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。そして、車両制御装置48は、コンバイン4に対する各種のユーザー操作に応じて当該コンバイン4の動作を制御する。
【0017】
走行装置41は、コンバイン4を前後方向及び左右方向に旋回させることができる。
【0018】
刈取装置42は、圃場F1の穀稈を刈り取る。刈取装置42は、リール421、カッター422、オーガ423、搬送コンベア424、及びロータ425などを備える。リール421は、回転することによって圃場F1の穀稈をカッター422へ案内する。カッター422は、リール421によって案内された穀稈を切断する。オーガ423は、カッター422によって切断された穀稈を所定の位置に集合させる横送りスクリューである。
【0019】
搬送コンベア424は、オーガ423によって集まった穀稈をロータ425まで搬送する。ロータ425は、搬送コンベア424により搬送されてくる穀稈を脱穀装置43へ送り込む。
【0020】
脱穀装置43は、刈取装置42により刈り取られた穀稈に対する脱穀処理を実行する。前記脱穀処理は、穀稈から穀粒を含む脱穀物を分離する。脱穀物は脱穀装置43から下方の選別装置44へ落下する。
【0021】
選別装置44は、脱穀装置43から落下する脱穀物から穀粒を選別する選別処理を実行する。選別装置44は、脱穀物に対して斜め下方から風を当てつつ脱穀物をふるいにかけることにより、脱穀物から穀粒を選別する。
【0022】
脱穀装置43は、穀稈を脱穀装置43の前部から後方へ搬送しつつ穀稈に対する脱穀処理を実行する。同様に、選別装置44は、脱穀物を選別装置44の前部から後方へ搬送しつつ脱穀物に対する選別処理を実行する。
【0023】
貯留装置45は、縦搬送ダクト451、縦搬送コンベア452、グレンタンク453及び排出オーガ454を備える。縦搬送ダクト451は、選別装置44とグレンタンク453の上部の入口とに連通するダクトである。縦搬送コンベア452は、縦搬送ダクト451内で回転することにより穀粒を選別装置44からグレンタンク453内へ搬送するスクリューコンベアである。排出オーガ454は、グレンタンク453内の穀粒をコンバイン4の周囲の任意の場所へ排出する。
【0024】
動力装置46は、走行装置41、刈取装置42、脱穀装置43、選別装置44、及び貯留装置45の駆動源である。動力装置46は、動力源として例えばディーゼルエンジンなどの不図示のエンジンを備える。また、動力装置46が、前記動力源として電動モータを備えてもよい。また、動力装置46が、前記エンジンと前記電動モータとを含むハイブリッド式の駆動源を備えていてもよい。
【0025】
運転部47には、ユーザーが着席する運転座席と、前記ユーザーにより操作されるハンドル、各種の操作レバー及び各種の操作スイッチなどの操作装置が設けられている。例えば、前記操作装置にはエンジンON/OFFキー(不図示)が含まれる。前記エンジンON/OFFキーは、コンバイン4に搭載されるエンジンの始動及び停止を切り替えるためのキースイッチ又はボタンスイッチなどである。車両制御装置48は、前記エンジンON/OFFキーがオンに切り替えられた場合に前記エンジンを始動させ、前記エンジンON/OFFキーがオフに切り替えられた場合に前記エンジンを停止させる。
【0026】
以上が第1コンバイン4A及び第2コンバイン4Bに共通する構成である。ここで、第1コンバイン4Aは、
図1に示すように、さらに情報記録装置49を備える。
【0027】
情報記録装置49は、制御部491、記憶部492、通信部493、位置検出部494、及び収穫量検出部495などを備える通信端末である。制御部491、記憶部492、通信部493、位置検出部494、及び収穫量検出部495は、第1コンバイン4Aにおいて異なる位置に分散して配置されていてもよい。
【0028】
制御部491は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部492は、制御部491に所定の処理を実行させるための制御プログラム、及び後述の位置情報及び収穫量などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。
【0029】
通信部493は、近距離無線通信又は有線通信により車両制御装置48との間で各種のデータの送受信が可能である。具体的に、制御部491は、通信部493により車両制御装置48から第1コンバイン4Aにおける各種の稼働状態を示す稼働情報を取得することが可能である。
【0030】
前記稼働情報には、ハンドルの操作角度を示すハンドル操作情報、及びシフトレバーの操作状態を示すシフト情報などが含まれる。また、前記稼働情報には、第1コンバイン4AのエンジンON/OFFキーのON/OFF状態を示すエンジン情報も含まれる。さらに、前記稼働情報には、エンジンの回転数を示す回転数情報、車速情報、ブレーキの操作状態を示すブレーキ情報が含まれていてもよい。
【0031】
また、通信部493は、通信網N1を介して管理サーバー2との間で各種のデータの送受信が可能である。管理サーバー2は、
図1に示されるように、制御部21及び記憶部22などを備えるコンピュータシステムである。管理サーバー2では、制御部21が、第1コンバイン4Aから通信網N1を介して受信する位置情報、収穫量などを記憶部22に蓄積して記憶する。また、制御部21は、ユーザー操作に応じて、記憶部22に記憶されている前記位置情報、前記収穫量などを表示又は送信することが可能である。
【0032】
位置検出部494は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、情報記録装置49が搭載された第1コンバイン4Aの位置情報を検出する。前記位置情報には、第1コンバイン4Aの位置を示す緯度及び経度の情報が含まれる。なお、位置検出部494による第1コンバイン4Aの位置情報の取得手法は特に限定されない。また、前記位置情報は、緯度及び経度に限らず、第1コンバイン4Aの位置を特定可能な他の形式の情報であってもよい。他の実施形態として、前記位置情報は、第1コンバイン4Aの作業開始位置又はエンジン始動位置などの特定の位置を基準位置として、当該基準位置に対する相対的な位置を示す情報であってもよい。
【0033】
収穫量検出部495は、第1コンバイン4Aで収穫された作物の収穫量(穀粒量)を検出するセンサー(穀粒センサー)である。収穫量検出部495は、例えばグレンタンク453の上面に取り付けられている(
図3参照)。脱穀装置43及び選別装置44によって得られた穀粒は、縦搬送コンベア452によってグレンタンク453へ向けて搬送される。収穫量検出部495は、歪みゲージ又は圧電素子等の衝撃検出部を備えており、搬送された穀粒が衝突した際の衝撃力を検出する。収穫量検出部495は、この衝撃力に基づいて、収穫量(検出値)を検出する。なお、収穫量検出部495による第1コンバイン4Aの収穫量の取得手法は特に限定されない。
【0034】
制御部491は、以下の種々の処理を実行する。具体的には、制御部491は、現在の時刻を計時するための計時処理を実行する。前記時刻には、年、月、日、時、分、秒が含まれる。情報記録装置49は、前記バッテリーに接続されており、制御部491は、第1コンバイン4AのエンジンがOFF状態でも、前記バッテリーから供給される電力により計時処理を実行することが可能である。
【0035】
また、制御部491は、第1コンバイン4Aの前記位置情報、前記収穫量、及び前記稼働情報を取得する情報取得処理を実行する。具体的に、制御部491は、計時する時刻に基づいて、予め設定された情報取得間隔で、前記位置情報を位置検出部494から取得し、前記収穫量を収穫量検出部495から取得し、前記稼働情報を車両制御装置48から取得する。
【0036】
制御部491は、取得する前記位置情報のうち、予め設定されたサンプリング間隔の位置情報を記憶部492に記録する。また制御部491は、取得する前記収穫量のうち、予め設定されたサンプリング間隔の収穫量を記憶部492に記録する。
図4は、記憶部492に記録される前記位置情報、前記収穫量、前記稼働情報、及び前記時刻情報の一例を示す図である。
図4では、前記位置情報がX1~X9及びY1~Y9で示されているが、実際の前記位置情報には、X1~X9及びY1~Y9に代えて第1コンバイン4Aの位置を示す数値(緯度及び経度)などが含まれる。また
図4では、前記収穫量がE1~E9で示されているが、実際の前記収穫量には、E1~E9に代えて収穫量検出部495が検出した検出値を示す数値(重量)などが含まれる。制御部491は、第1コンバイン4AのエンジンON/OFFキーがON状態でエンジンがON状態である間、前記位置情報、前記収穫量、及び前記稼働情報を取得して記憶部492に記録する処理を実行する。
【0037】
また、制御部491は、第1コンバイン4AのエンジンON/OFFキーがオフに切り替えられ、エンジンがOFF状態になると、記憶部492に記録された前記位置情報、前記収穫量、前記稼働情報、及び前記時刻情報を含む収穫情報を管理サーバー2に送信し、前記情報記録処理を終了する。なお、制御部491は、管理サーバー2から前記収穫情報の受信確認信号を受信すると、当該収穫情報を記憶部492から消去する。
【0038】
このように、第1コンバイン4Aは、情報記録装置49を備え、収穫作業に応じた前記位置情報、前記収穫量、及び前記稼働情報を取得して記憶部492に記録し、記憶部492に蓄積された各情報(収穫情報)をエンジンがオフに切り替えられたタイミングで管理サーバー2に送信する。なお、前記収穫情報の管理サーバー2への送信タイミングは特に限定されない。
【0039】
ここで、本実施形態では、第1コンバイン4Aと第2コンバイン4Bとが、同一の圃場F1において作業領域を分担して協働で作業を行う。
図5は、圃場F1の一例を示す図である。例えば、第1コンバイン4Aは、圃場F1の第1領域R1において収穫作業を行い、第2コンバイン4Bは、圃場F1の第2領域R2において収穫作業を行う。この場合、従来のシステムでは、管理サーバー2は、第1コンバイン4Aから第1領域R1に対応する前記位置情報及び前記収穫量を含む収穫情報を取得するため、第1領域R1の収穫量を把握ことができるが、第2コンバイン4Bから第2領域R2に対応する前記位置情報及び前記収穫量を含む収穫情報を取得できないため、第2領域R2の収穫量を把握ことができない。このため、圃場F1全体の収穫量マップを作成することができない問題が生じる(
図9参照)。これに対して、本実施形態に係る収穫量管理システム1によれば、圃場F1のうち第2コンバイン4Bから収穫量を取得できない領域(第2領域R2)が存在する場合であっても圃場F1全体の収穫量を把握することが可能である。以下、管理サーバー2の具体的な構成を説明する。
【0040】
[管理サーバー2]
図1に示されるように、管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備えるサーバーである。なお、管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、管理サーバー2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0041】
通信部24は、管理サーバー2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数のコンバイン4(第1コンバイン4A)、ユーザー端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0042】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0043】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御部21に後述の収穫量管理処理(
図13参照)を実行させるための収穫量管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記収穫量管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記収穫量管理プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して管理サーバー2にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0044】
また、記憶部22は、圃場F1においてコンバイン4により収穫される収穫量に関する収穫量情報D1(
図6参照)等のデータを記憶する。制御部21は、第1コンバイン4Aから取得する前記位置情報及び前記収穫量に基づいて算出される第1領域R1に対応する収穫量(実測収穫量)と、後述する推定処理により算出される第2領域R2に対応する収穫量(推定収穫量)とを含む収穫量情報D1を記憶部22に記憶する。
【0045】
ここで、圃場F1の収穫状態を評価したり、次年度の収穫作業の計画を立てたりする目的で、圃場F1内の収穫量の分布を表す収穫量マップM1(収量マップともいう。)が利用される。ユーザーは、収穫量マップM1を確認することにより圃場F1全体の収穫状態を把握することが可能になる。
【0046】
収穫量マップM1は、圃場F1全体をメッシュ状に複数の区画Kに分割し、各区画Kの収穫量(平均収穫量など)を算出して作成される。
図7には、圃場F1を複数の区画Kに分割した状態を模式的に示している。例えば各区画Kは、5m×5mの矩形領域である。なお、各区画Kの形状、大きさは特に限定されない。
図7には、各区画Kの識別情報として、X方向及びY方向の座標情報(区画番号)を付している。また
図7には、
図5に示す圃場F1に対応する第1領域R1を示している。
【0047】
図6は、収穫量情報D1の一例を示す図である。
図6に示されるように、収穫量情報D1には、圃場F1の区画ごとに、対応する「区画番号」、「区画情報」、「実測収穫量」、「NDVI値」、「推定収穫量」などの情報が含まれる。前記区画番号は、区画K(
図7参照)の識別情報である。前記区画情報は、圃場F1内の区画Kのうち第1コンバイン4Aから送信される前記収穫情報(前記位置情報、前記収穫量)が対応付けられる有効区画と、圃場F1内の区画Kのうち前記収穫情報(前記位置情報、前記収穫量)が対応付けられない無効区画とのいずれかの情報を示す。すなわち、前記有効区画は第1領域R1に含まれる区画Kであり、前記無効区画は第2領域R2に含まれる区画Kである。
【0048】
前記実測収穫量は、第1コンバイン4Aから取得する前記収穫情報に含まれる収穫量に対応する情報である。前記実測収穫量は、前記有効区画ごとに登録される。制御部21は、有効区画ごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する収穫量を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m2)を算出して前記実測収穫量に記録する。前記無効区画については、第2コンバイン4Bから前記収穫情報を取得しないため前記実測収穫量は記録されない。
【0049】
前記NDVI値は、作物の生育に関連する情報であって、複数の区画Kのそれぞれに対応して設定される生育関連情報の一例である。一般に、植物の緑葉は、可視赤色光の領域の波長を吸収し、近赤外光の領域の波長を強く反射する特性を有することが知られている。NDVIはこれを利用した指数(正規化差植生指数:Normalized Difference Vegetation Index)であり、植物の有無や量及び活性度を示す指標である。前記NDVI値は、以下の計算式により算出される。ただし、「R」は可視赤色光の観測値、「IR」は近赤外光の観測値である。
NDVI=(IR-R)/(IR+R)
【0050】
例えば、ユーザーは、コンバイン4により対象の圃場F1において作物の収穫作業が行われる前に、圃場F1の上空にマルチコプターを飛行させ、マルチスペクトルカメラにより圃場F1を上空から撮影する。撮影により得られた複数のバンドの画像は、それぞれ、マルチスペクトルカメラに装着されたリムーバブル外部メモリに保存される。制御部21は、前記外部メモリに保存された画像を取得して、上記の計算式を用いて区画KごとにNDVI値を算出する。収穫量情報D1の前記NDVI値には、上記の計算式により算出される値が登録される。なお、前記NDVI値は、-1~1の値をとるように正規化された値であってもよい。
【0051】
また、算出されたNDVI値に対して例えば黒~白などの色を対応付けることで、圃場F1全体のNDVI値の分布を表すNDVI画像(
図8のNDVIマップM2)を作成することができる。
図8には、圃場F1に対応するNDVIマップM2の一例を示している。
【0052】
収穫量情報D1の前記推定収穫量は、前記無効区画ごとに登録される収穫量の情報である。制御部21は、前記無効区画ごとに、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m2)を推定して前記推定収穫量に記録する。前記推定収穫量の具体的な推定方法については後述する。
【0053】
制御部21は、圃場F1を分割した全ての区画Kに対応する収穫量を算出して収穫量情報D1を生成して記憶部22に記憶する。
【0054】
なお、他の実施形態として、収穫量情報D1の一部又は全部が、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の収穫量管理処理(
図13参照)などの各処理を実行してもよい。
【0055】
また、記憶部22には、ユーザー端末3に表示されるウェブサイト(例えばサポートサイト)に含まれる、収穫情報ページP1(
図12参照)、設定ページ(不図示)などの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、管理サーバー2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報をユーザー端末3に送信することにより、ユーザー端末3に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、管理サーバー2の制御部21は、ユーザー端末3に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、ユーザー端末3の制御部31に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0056】
収穫情報ページP1は、ユーザー端末3において前記サポートサイトにログインすることによりユーザー端末3に表示される。
【0057】
図1に示されるように、本実施形態に係る管理サーバー2の制御部21は、取得処理部211、判定処理部212、算出処理部213、推定処理部214、作成処理部215、出力処理部216などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記収穫量管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記収穫量管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0058】
取得処理部211は、圃場F1内で作物を収穫するコンバイン4から当該コンバイン4の位置情報と当該コンバイン4の位置に対応する収穫量とを含む収穫情報を取得する。ここでは、取得処理部211は、圃場F1の第1領域R1の収穫作業を行う第1コンバイン4Aから前記位置情報及び収穫量の情報を含む収穫情報を取得する。また、取得処理部211は、第1コンバイン4Aから各種の稼働状態を示す稼働情報を取得する。取得処理部211は、本発明の取得処理部の一例である。
【0059】
例えば、第1コンバイン4Aのエンジンが始動して停止するまでの間に第1コンバイン4Aに蓄積された前記収穫情報が、第1コンバイン4Aのエンジンがオフに切り替えられたタイミングで管理サーバー2に送信される。これにより、取得処理部211は、第1コンバイン4Aから前記収穫情報を取得する。
【0060】
判定処理部212は、圃場F1を分割して設定された複数の区画Kに、取得処理部211により取得される前記収穫情報が対応付けられない前記無効区画が含まれるか否かを判定する。例えば、判定処理部212は、複数の区画Kのうち、前記収穫情報に含まれる前記位置情報に対応する位置を含む区画Kを前記有効区画と判定し、複数の区画Kのうち、前記収穫情報に含まれる前記位置情報に対応する位置を含まない区画Kを前記無効区画と判定する。前記有効区画で構成される領域は第1領域R1に相当し、前記無効区画で構成される領域は第2領域R2に相当する。このように、前記有効区画は、コンバイン4から位置情報及び収穫量のサンプリングデータ(実測データ)を得られる区画であり、前記無効区画は、コンバイン4から位置情報及び収穫量のサンプリングデータ(実測データ)を得られない区画である。判定処理部212は、本発明の判定処理部の一例である。
【0061】
算出処理部213は、取得処理部211により取得される前記収穫情報に基づいて、圃場F1内の複数の区画Kのうち前記収穫情報が対応付けられる前記有効区画の収穫量である実測収穫量(本発明の第1収穫量に相当)を算出する。算出処理部213は、前記有効区画ごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する収穫量を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m
2)を前記実測収穫量として算出する。算出処理部213は、算出した前記実測収穫量を収穫量情報D1(
図6参照)に登録する。これにより、前記有効区画(第1領域R1)の収穫量が算出される。算出処理部213は、本発明の算出処理部の一例である。
【0062】
推定処理部214は、圃場F1内の複数の区画Kに前記無効区画が含まれる場合に、収穫対象の作物の生育に関連する情報であって、複数の区画Kのそれぞれに対応して設定される情報であるNDVI値に基づいて、前記無効区画の収穫量である推定収穫量(本発明の第2収穫量に相当)を推定する。前記NDVI値は、コンバイン4により作物の収穫作業が行われる前に算出される。前記NDVI値は、本発明の生育関連情報の一例である。推定処理部214は、本発明の推定処理部の一例である。
【0063】
具体的には、制御部21、ユーザーの操作によりカメラで圃場F1を上空から撮影した画像に基づいて、上記の計算式を用いて区画KごとにNDVI値を算出する。また制御部21は、算出したNDVI値の分布を表すNDVIマップM2(
図8参照)を作成する。NDVIマップM2は、本発明の生育関連情報の一例である。NDVIマップM2の区画は、収穫量マップM1の区画Kに一致する。制御部21は、算出したNDVI値を収穫量情報D1に区画Kに対応付けて登録する。
【0064】
推定処理部214は、前記実測収穫量と前記NDVI値との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定する。具体的には、先ず、推定処理部214は、
図10に示すように、横軸を前記NDVI値、縦軸を前記収穫量としたグラフにおいて、収穫量情報D1(
図6参照)に登録された各有効区画に対応する前記NDVI値及び前記実測収穫量をプロットする。次に、推定処理部214は、
図10に示すグラフに基づいて、前記NDVI値及び前記実測収穫量の相関関係を表す検量線L1を作成する。
図10に示す例では、推定処理部214は、前記NDVI値の増加に伴って前記実測収穫量が線形的に増加する相関関係を表す検量線L1を作成することができる。推定処理部214は、検量線L1を作成すると、前記推定収穫量の算出対象である前記無効区画に対応する前記NDVI値(
図6参照)を、検量線L1を用いて前記収穫量に換算する。推定処理部214は、検量線L1を用いて換算した前記収穫量を前記推定収穫量として推定する。このように、推定処理部214は、前記実測収穫量と前記NDVI値とに基づいて作成される検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定する。このようにして、推定処理部214は、第2領域R2に含まれる前記無効区画ごとに、前記推定収穫量を推定する。推定処理部214は、推定した前記推定収穫量を収穫量情報D1(
図6参照)に登録する。これにより、前記無効区画(第2領域R2)の収穫量が算出される。なお、推定処理部214は、他の生育関連情報(後述の[他の実施形態]参照)を利用して前記推定収穫量を推定してもよい。
【0065】
作成処理部215は、前記実測収穫量と前記推定収穫量とに基づいて圃場F1内の複数の区画Kに応じた収穫量マップM1を作成する。
図9には、前記実測収穫量のみに基づいて作成される収穫量マップM1を例示している。
図9に示す収穫量マップM1では、前記無効区画に収穫量が含まれない。これに対して、
図11は、前記実測収穫量と前記推定収穫量とに基づいて作成される収穫量マップM1を例示している。作成処理部215は、収穫量情報D1(
図6参照)に登録される前記実測収穫量及び前記推定収穫量に基づいて、収穫量の値に対して例えば黒~白などの色を対応付けることで、収穫量画像(
図11の収穫量マップM1)を作成する。
図11に示す例では、各区画Kについて、色が薄い程、収穫量が少なく、色が濃い程、収穫量が多いことを表している。これにより、収穫量マップM1において、前記無効区画にも収穫量の情報を反映させることができるため、圃場F1全体の収穫量マップM1を作成することができる。作成処理部215は、本発明の作成処理部の一例である。
【0066】
出力処理部216は、算出処理部213により算出される前記実測収穫量と推定処理部214により推定される前記推定収穫量とに対応する収穫量情報を出力する。具体的には、出力処理部216は、作成処理部215により作成される収穫量マップM1(
図11参照)をユーザー端末3に出力する。例えば、
図12に示されるように、出力処理部216は、収穫情報ページP1に、対象となる圃場F1の収穫量マップM1を表示させる。例えば、出力処理部216は、圃場F1を含む所定のエリアを上空から撮影した画像(地図画像)に、収穫量マップM1の画像を重ね合わせて表示する。なお、出力処理部216は、収穫情報ページP1に、圃場情報、表示設定情報などを表示させてもよい。ユーザーは、収穫情報ページP1において、表示対象の圃場を選択する操作、表示状態を設定する操作などを行うことができる。出力処理部216は、本発明の出力処理部の一例である。
【0067】
他の実施形態として、出力処理部216は、収穫量情報D1(
図6参照)のデータをユーザー端末3に出力してもよい。また、出力処理部216は、収穫量情報D1から取得される各区画Kと収穫量とを対応付けた一覧データをユーザー端末3に出力してもよい。すなわち、出力処理部216による収穫量情報の出力態様は、収穫量マップM1に限定されない。
【0068】
[ユーザー端末3]
図1に示されるように、ユーザー端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。ユーザー端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0069】
通信部34は、ユーザー端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0070】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0071】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0072】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりユーザー端末3を制御する。
【0073】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、ユーザー端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0074】
具体的に、ユーザー端末3では、管理サーバー2で提供されるサポートサービスのウェブサイト(サポートサイト)に対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、管理サーバー2から前記サポートサイトのウェブページ(収穫情報ページP1)のデータを取得して、操作表示部33に前記ウェブサイトの収穫情報ページP1(
図12参照)を表示させる。
【0075】
なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、ユーザー端末3に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、ユーザー端末3のユーザーが当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に前記サポートサイトの収穫情報ページP1が表示される。
【0076】
ユーザーは、コンバイン4から離れた場所において、ユーザー端末3に表示される収穫情報ページP1により圃場F1の収穫状態を把握することができる。
【0077】
[収穫量管理処理]
以下、
図13を参照しつつ、管理サーバー2の制御部21によって実行される前記収穫量管理処理の一例について説明する。例えば、前記収穫量管理処理は、制御部21が第1コンバイン4Aから前記有効区画の第1領域R1に対応する前記位置情報及び前記収穫量の情報を含む収穫情報を取得した場合に制御部21によって開始される。また、前記収穫量管理処理は、管理サーバー2に対する所定のユーザー操作に応じて開始されてもよい。
【0078】
なお、本願発明は、制御部21により前記収穫量管理処理の一部又は全部を実行する収穫量管理方法の発明、又は、当該収穫量管理方法の一部又は全部を制御部21に実行させるための収穫量管理プログラムの発明として捉えてもよい。また、前記収穫量管理処理は、一又は複数のプロセッサーによって実行されてもよい。例えば、前記収穫量管理処理は、管理サーバー2の制御部21及びコンバイン4の制御部491によって協働して実行されてもよい。
【0079】
ステップS1において、制御部21は、第1コンバイン4Aから、前記有効区画の第1領域R1に対応する前記位置情報及び前記収穫量の情報を含む収穫情報を取得したか否かを判定する。前記収穫情報が取得されたと判定された場合(S1:Yes)、処理がステップS2に移行する。制御部21は、前記収穫情報を取得するまで待機する(S1:No)。
【0080】
ステップS2において、制御部21(算出処理部213)は、前記有効区画の収穫量(実測収穫量)を算出する。具体的には、制御部21は、前記収穫情報に基づいて、前記有効区画ごとに、区画K内の複数のサンプリング位置に対応する収穫量を取得して、例えば単位面積当たりの収穫量(g/m
2)を前記実測収穫量として算出する。制御部21は、算出した前記実測収穫量を収穫量情報D1(
図6参照)に登録する。これにより、第1領域R1の収穫量が算出される。
【0081】
ステップS3において、制御部21(判定処理部212)は、圃場F1を分割して設定された複数の区画Kに、前記収穫情報が対応付けられない前記無効区画が含まれるか否かを判定する。例えば制御部21は、前記収穫情報に基づいて、区画K内の位置(緯度及び経度)に対応する位置情報が存在する区画Kを前記有効区画と判定し、区画K内の位置(緯度及び経度)に対応する位置情報が存在しない区画Kを前記無効区画と判定する。圃場F1に前記無効区画が存在すると判定された場合(S3:Yes)、処理はステップS4に移行する。圃場F1に前記無効区画が存在しないと判定された場合(S3:No)、処理はステップS6に移行する。
【0082】
ステップS4において、制御部21は、圃場F1における収穫対象の作物の生育関連情報を取得する。具体的には、制御部21は、ユーザーの操作によりカメラで圃場F1を上空から撮影した画像に基づいて、上記の計算式を用いて区画KごとにNDVI値を算出し、算出したNDVI値の分布を表すNDVIマップM2(
図8参照)を作成する。また、制御部21は、算出したNDVI値を収穫量情報D1(
図6参照)に区画Kに対応付けて登録する。
【0083】
ステップS5において、制御部21(推定処理部214)は、前記生育関連情報に基づいて前記無効区画の収穫量(推定収穫量)を推定する。具体的には、制御部21は、前記実測収穫量と前記NDVI値との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定する。例えば、制御部21は、収穫量情報D1(
図6参照)に登録された各有効区画に対応する前記NDVI値及び前記実測収穫量の関係に基づいて、検量線L1を作成する(
図10参照)。制御部21は、検量線L1を作成すると、前記推定収穫量の算出対象である前記無効区画に対応する前記NDVI値を、検量線L1を用いて前記収穫量に換算する。制御部21は、検量線L1を用いて換算した前記収穫量を前記推定収穫量として推定する。制御部21は、第2領域R2に含まれる前記無効区画ごとに前記推定収穫量を推定し、推定した前記推定収穫量を収穫量情報D1(
図6参照)に登録する。これにより、前記無効区画(第2領域R2)の収穫量が算出される。
【0084】
次にステップS6において、制御部21(作成処理部215)は、前記実測収穫量と前記推定収穫量とに基づいて圃場F1内の複数の区画Kに応じた収穫量マップM1を作成する。圃場F1に前記無効区画が存在しない場合(S3:No)には、制御部21は、前記実測収穫量のみに基づいて圃場F1全体の収穫量マップM1を作成する。一方、圃場F1に前記無効区画が存在する場合(S3:Yes)には、制御部21は、前記実測収穫量と前記推定収穫量とに基づいて圃場F1全体の収穫量マップM1を作成する(
図11参照)。なお、制御部21は、収穫量マップM1の各区画Kに、収穫量の数値データを表示してもよいし表示しなくてもよい。
【0085】
次にステップS7において、制御部21(出力処理部216)は、ステップS6において作成した収穫量マップM1をユーザー端末3に出力する。例えば、
図12に示されるように、制御部21は、収穫情報ページP1に、収穫量マップM1を表示させる。
【0086】
前記収穫量管理処理により、圃場F1全体の収穫量マップM1を作成することが可能になる。なお、
図13に示す前記収穫量管理処理は、第1コンバイン4Aが担当する領域(第1領域R1)全体の収穫作業が完了した時点で開始される。すなわち、制御部21は、第1コンバイン4Aのエンジンが始動して第1領域R1の収穫作業が開始され、第1領域R1全体の収穫作業が完了してエンジンが停止した場合に、第1領域R1全体の前記収穫情報をまとめて取得して前記収穫量管理処理を実行する。
【0087】
ここで、第1コンバイン4Aが第1領域R1の一部の収穫作業を行った後にユーザー操作によりエンジンが停止された場合には、制御部21は、第1領域R1の一部の前記収穫情報を取得して前記収穫量管理処理を実行することになる。この場合、制御部21は、第1コンバイン4Aから取得する前記実測収穫量の情報が少なくなるため、最適な検量線L1を作成することができず、前記無効区画の収穫量の推定精度が低下するおそれがある。
【0088】
そこで、他の実施形態として、制御部21は、ユーザー操作を受け付けた場合に前記収穫量管理処理を実行する構成としてもよい。例えば、ユーザーは、第1コンバイン4Aにより複数回に分けて第1領域R1の収穫作業を行った後に、ユーザー端末3に表示される設定ページおいて前記収穫量管理処理を開始させる操作を行う。なお、制御部21は、第1コンバイン4Aから収穫作業ごとに前記収穫情報を取得して、対応する区画Kに実測収穫量を登録していく。制御部21は、第1領域R1の全ての区画Kの実測収穫量を登録して、その後に前記ユーザー操作を受け付けると、複数回に分けて登録された第1領域R1に対応する前記収穫情報を取得して前記収穫量管理処理を実行する。これにより、一度に第1領域R1全体の収穫作業を行う場合と同様の検量線L1を作成することができるため、前記無効区画の収穫量の推定精度の低下を防ぐことができる。
【0089】
以上説明したように、管理サーバー2は、圃場F1内で作物を収穫する第1コンバイン4Aから当該第1コンバイン4Aの位置情報と当該第1コンバイン4Aの位置に対応する収穫量とを含む収穫情報を取得し、圃場F1を分割して設定された複数の区画Kに、前記収穫情報が対応付けられない無効区画が含まれるか否かを判定する。また、管理サーバー2は、前記収穫情報に基づいて、複数の区画Kのうち前記収穫情報が対応付けられる有効区画の収穫量(実測収穫量)を算出し、複数の区画Kに前記無効区画が含まれる場合に、前記作物の生育に関連する情報であって、複数の区画Kのそれぞれに対応して設定される生育関連情報に基づいて、前記無効区画の収穫量(推定収穫量)を推定する。そして、管理サーバー2は、前記実測収穫量と前記推定収穫量とに対応する収穫量情報を出力する。例えば、管理サーバー2は、前記実測収穫量と前記生育関連情報とに基づいて作成される検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定する。これにより、圃場F1のうちコンバイン4から収穫量を取得できない領域(第2領域R2)が存在する場合であっても、第1領域R1の実測収穫量と前記生育関連情報とに基づいて第2領域R2の収穫量を推定することができるため、圃場F1全体の収穫量を把握することが可能となる。
【0090】
[他の実施形態]
以下、本実施形態に係る収穫量管理システム1の他の実施形態について説明する。
【0091】
前記実施形態では、推定処理部214は、前記実測収穫量とNDVI値との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定している。これに対して、他の実施形態として、推定処理部214は、前記実測収穫量と施肥量との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定してもよい。前記施肥量は、例えば、圃場F1に、収穫対象の作物を植える際に作物に与えた肥料の量である。制御部21は、例えば区画Kごとに施肥量に対して例えば黒~白などの色を対応付けることで、圃場F1全体の施肥量の分布を表す施肥マップを作成してもよい。推定処理部214は、前記実測収穫量及び前記施肥量の相関関係を表す検量線L1を作成し、検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定する。
【0092】
また、推定処理部214は、前記実測収穫量と土壌状態(耕耘状態)との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定してもよい。前記土壌状態は、例えば、圃場F1の耕耘深さで表される。制御部21は、例えば区画Kごとに耕耘深さに対して例えば黒~白などの色を対応付けることで、圃場F1全体の耕耘深さの分布を表す土壌マップを作成してもよい。推定処理部214は、前記実測収穫量及び前記耕耘深さの相関関係を表す検量線L1を作成し、検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定する。このように、本発明の生育関連情報は、収穫対象の作物に対する施肥量、又は、圃場F1の土壌状態に関する情報であってもよい。
【0093】
他の実施形態として、推定処理部214は、上述のNDVI値、施肥量、及び耕耘深さのうち少なくともいずれかの情報と、前記実測収穫量との相関関係に基づいて前記推定収穫量を推定してもよい。例えば、推定処理部214は、NDVI値、施肥量、及び耕耘深さの情報と、前記実測収穫量との相関関係を表す検量線L1を作成し、検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定してもよい。これにより、信頼性の高い検量線L1を作成することができるため、前記推定収穫量の推定精度を高めることができる。
【0094】
また、他の実施形態として、推定処理部214は、前記実測収穫量及びNDVI値に基づいて作成した検量線L1と、前記実測収穫量及び施肥量に基づいて作成した検量線L1と、前記実測収穫量及び耕耘深さに基づいて作成した検量線L1とのうち、相関関係が最適な検量線L1を選択し、選択した検量線L1を用いて前記推定収穫量を推定してもよい。これにより、前記推定収穫量の推定精度を高めることができる。
【0095】
また、他の実施形態として、推定処理部214は、前記無効区画の位置に応じた一部の前記有効区画に対応する、前記実測収穫量及び前記生育関連情報に基づいて、当該無効区画の推定収穫量を推定してもよい。例えば、推定処理部214は、
図7に示す圃場F1の上端行の区画番号K11~K114(X方向)の無効区画に対応する推定収穫量を推定する場合に、当該無効区画に隣接する区画番号K22~K213及びK32~K313(X方向)の有効区画に対応する前記実測収穫量及び前記NDVI値に基づいて検量線L1を作成し、当該検量線L1を用いて区画番号K11~K114の無効区画の推定収穫量を推定する。同様に、推定処理部214は、
図7に示す圃場F1の左端列の区画番号K11~K81(Y方向)の無効区画に対応する推定収穫量を推定する場合に、当該無効区画に隣接する区画番号K22~K72及びK23~K73(Y方向)の有効区画に対応する前記実測収穫量及び前記NDVI値に基づいて検量線L1を作成し、当該検量線L1を用いて区画番号K11~K81の無効区画の推定収穫量を推定する。これにより、圃場F1内の場所の特性に応じた推定収穫量を推定することができるため、推定収穫量の推定精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 :収穫量管理システム
2 :管理サーバー
3 :ユーザー端末
4 :コンバイン
4A :第1コンバイン
4B :第2コンバイン
211 :取得処理部
212 :判定処理部
213 :算出処理部
214 :推定処理部
215 :作成処理部
216 :出力処理部
311 :ブラウザ処理部
494 :位置検出部
495 :収穫量検出部