(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】触媒再生装置および触媒再生確認方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/96 20060101AFI20240529BHJP
B01J 38/04 20060101ALI20240529BHJP
F23J 15/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B01D53/96 500
B01J38/04 A
F23J15/00 A
(21)【出願番号】P 2020167016
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000133032
【氏名又は名称】株式会社タクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 全一
(72)【発明者】
【氏名】大山 譲
(72)【発明者】
【氏名】倉田 昌明
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-058067(JP,A)
【文献】特開2008-073665(JP,A)
【文献】特開平07-088332(JP,A)
【文献】特開2015-116520(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159657(WO,A1)
【文献】特開2011-036736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/73,53/86-53/90,53/94,53/96
B01D 53/34-53/73,53/74-53/85,53/92,53/96
B01J 21/00-38/74
B01D 53/14-53/18
F23J 13/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排ガスが導入され、触媒反応を起こさせる触媒反応塔と、
前記触媒反応塔に貯留されている触媒の加温再生に使用される触媒再生用ヒータと、
前記触媒反応塔から導出され、前記触媒再生用ヒータを介して、前記触媒反応塔へ戻す再生空気循環ラインと、
前記再生空気循環ラインに設けられる循環用送風機と、
前記再生空気循環ラインの前記循環用送風機の下流側に設けられる再生空気吸収部と、
前記再生空気吸収部で再生空気が吸収された吸収液のpHを測定するpH測定部と、
を備える、触媒再生装置。
【請求項2】
前記再生空気循環ラインの前記循環用送風機より下流側から分岐され、前記循環用送風機より上流側で合流する分岐ラインを設け、
前記再生空気吸収部は、
吸収液を貯留する吸収瓶と、
前記分岐ラインから前記再生空気を前記吸収瓶の吸収液の液相へ送り込む送込ラインと、
前記吸収瓶の気相から再生空気を導出し、前記分岐ラインへ送る、導出ラインと、
前記導出ラインに設けられる、流量制御弁と、
備える、請求項1に記載の触媒再生装置。
【請求項3】
前記再生空気吸収部は、
前記吸収瓶から、廃液が導出される廃液導出ラインと、
前記廃液導出ラインを介して送られる廃液を貯留する廃液タンクと、
前記吸収瓶より上流側の前記送込ラインに設けられる三方弁と、
前記三方弁へ導かれ、前記吸収瓶へ送られる吸収液を貯留する吸収液タンクと、
前記吸収液タンクから前記三方弁へ至る吸収液補充ラインと、
前記吸収液補充ラインに設けられ、吸収液を液送する送液ポンプと、
をさらに備える、請求項2に記載の触媒再生装置。
【請求項4】
前記再生空気吸収部は、
再生中は、分岐ラインの弁を開け、再生空気を前記吸収瓶へ送り、吸収処理済みの再生空気を分岐ラインから再生空気循環ラインへ戻すように、三方弁を切り替えおよび分岐ラインの弁を制御する、吸収処理モードと、
吸収瓶から廃液タンクへ廃液を排出するように、廃液排出弁を制御する廃液排出モードと、
廃液を排出した後で、吸収液を吸収瓶へ補充するように、三方弁の切り替えおよび送液ポンプを制御する、吸収液補充モードと、
前記吸収処理モードの際の一部に重複して、または吸収処理モードの後で、pH測定部でpH測定を行う、pH測定モードと、
を制御するモード制御部をさらに備える、請求項3に記載の触媒再生装置。
【請求項5】
触媒反応塔から導出された再生空気を、再生空気吸収部で吸収液に吸収させ、再生空気が吸収された吸収液のpHを連続的または非連続的に測定するpH測定ステップと、
前記pH測定ステップで測定されたpH値が、所定範囲であれば、触媒再生が完了したと判断する判断ステップを含む、触媒再生確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒再生装置および触媒再生確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒の被毒物質である硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムを加熱分解した際にSOxとNH3が発生する。NH3の一部は、触媒で酸化されてNOxとなり、触媒上で分解除去される。SOxの濃度低下をもって再生完了と判断している。
その確認方法として、(1)SOx濃度をSO2連続分析計で測定する、(2)手動分析でSOx濃度をバッチ測定する、(3)従来のプラントの実績をもとに再生時間を予め設定する。
【0003】
特許文献1または2は、再生時間を予め設定して運転しており、再生時間の完了を判断する方法については開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-253754号公報
【文献】特開2017-215083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記(1)から(3)に対応して以下の課題がある。
(1A)発生したSO2は触媒で酸化されてSO3となる。SO3は、SO2連続分析計では測定できず、SO3濃度の低下については確認することができない。
(2A)再生空気を吸収させた吸収液を、現場でなく分析機関などで、イオンクロマトグラフを用いてSOx濃度を分析する。もしくは、現地で中和滴定によりSOx濃度を分析する方法もあるが、いずれも専門の分析業者による作業が数日にわたって必要となる。
(3A)プラントごとに運転条件が異なり、また同じプラントでもごみ質は変動するため、実績ベースで再生時間を決定すると、触媒の再生が不十分となる可能性がある。また、再生時間に十分余裕をみる方法もあるが、休炉時間を長く設定する必要が生じ、かつ過剰に熱量を加えることはLCC(ライフサイクルコスト)の観点から避けるべきである。
【0006】
本発明は、触媒再生空気を吸収させた吸収液のpHを測定することで、再生完了の確認を可能とする触媒再生装置および触媒再生完了確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の触媒再生装置は、
(燃焼炉から排出された)燃焼排ガスが導入され、触媒反応を起こさせる触媒反応塔(1)と、
前記触媒反応塔(1)に貯留されている触媒の加温再生に使用される触媒再生用ヒータ(2)と、
前記触媒反応塔(1)から導出され、前記触媒再生用ヒータ(2)を介して、前記触媒反応塔(1)へ戻す再生空気循環ライン(L1)と、
前記再生空気循環ライン(L1)に設けられる循環用送風機(3)と、
前記再生空気循環ライン(L1)の前記循環用送風機(3)の下流側(かつ触媒再生用ヒータ(2)の上流側)に設けられる再生空気吸収部(5)と、
前記再生空気吸収部(5)で、再生空気が吸収された吸収液のpHを測定するpH測定部(6)と、
を備える。
【0008】
前記再生空気吸収部(5)は、再生空気循環ライン(L1)の循環用送風機(3)より下流側から分岐された分岐ライン(L11)に設けられ、当該分岐ライン(L11)が再生空気循環ライン(L1)の循環用送風機(3)より上流側で合流してもよい。分岐ライン(L11)には、前記再生空気吸収部(5)の上流および/または下流に弁(V2、V3、例えば、ON/OFF仕切弁、流量制御弁など)が設けられていてもよい。なお、再生空気吸収部(5)に、再生空気を導入および/または導出するための弁が別に設けられていてもよい。
【0009】
前記再生空気循環ライン(L1)は、前記触媒反応塔(1)の導出側(ライン入口側)および/または戻し側(ライン出口側)に弁(V1、例えば、ON/OFF仕切弁、流量制御弁など)が設けられていてもよい。
前記再生空気循環ライン(L1)の循環用送風機(3)より下流側から分岐され、集塵設備へ導く、排出分岐ライン(L12)が設けられていてもよい。排出分岐ライン(L12)には弁(V8、例えば、ON/OFF仕切弁、流量制御弁など)が設けられていてもよい。
【0010】
前記再生空気吸収部(5)は、
吸収液を貯留する吸収瓶(51)と、
前記分岐ライン(L11)から前記再生空気を前記吸収瓶(51)の吸収液の液相へ送り込む送込ライン(L51)と、
前記吸収瓶(51)の気相から(吸収処理済みの)再生空気を導出し、前記分岐ライン(L11)へ送る、導出ライン(L52)と、
前記導出ライン(L52)に設けられる、流量制御弁(52)(流量計およびその結果に応じて流量を調整する流量調節弁)と、
前記吸収瓶(51)から、廃液が導出される廃液導出ライン(L53)(廃液導出ラインに廃液排出弁(V53)が設けられ)と、
前記廃液導出ライン(L53)を介して送られる廃液を貯留する廃液タンク(53)と、
前記吸収瓶(51)より上流側の前記送込ライン(L51)に設けられる三方弁(55)と、
前記三方弁(55)へ導かれ、前記吸収瓶(51)へ送られる吸収液を貯留する吸収液タンク(56)と、
前記吸収液タンク(56)から前記三方弁(55)へ至る吸収液補充ライン(L54)と、
前記吸収液補充ライン(L54)に設けられ、吸収液を液送する送液ポンプ(57)と、
を、一部または複数を有していてもよい。
【0011】
前記再生空気吸収部(5)は、
再生中(もしくは、再生開始から所定期間(10から60分、1L/min流速)の間、タイマー運転する)は、分岐ライン(L11)の弁(V2、V3)を開け(および/または三方弁を切り替え)、再生空気を前記吸収瓶(51)へ送り、吸収処理済みの再生空気を分岐ライン(L11)から再生空気循環ライン(L1)へ戻すように、三方弁(55)を切り替えおよび弁(分岐ラインL11の弁)を制御する、吸収処理モードと、
吸収瓶(51)から廃液タンク(53)へ廃液(吸収液の使用ずみ)を排出するように、廃液排出弁(V53)を制御する廃液排出モードと、
廃液を排出した後で、吸収液を吸収瓶(51)へ補充するように、三方弁(55)の切り替えおよび送液ポンプ(57)を制御する、吸収液補充モードと、
前記吸収処理モードの際の一部に重複して、または吸収処理モードの後で、pH測定部(6)で自動的(連続測定またはバッチ測定として)にpH測定を行う、pH測定モードと、
を制御するモード制御部(501)を有していてもよい。
【0012】
前記pH測定部(6)は、前記吸収瓶(51)に取り付けられ、吸収瓶(51)の液相のpHを直接測定してもよい。
前記吸収瓶(51)は、着脱可能に設定されてもよい。かかる場合に、前記pH測定部(6)が、前記吸収瓶(51)の開口部から測定プローブを挿入し液相のpHを、自動でまたは手動で測定してもよい。
【0013】
他の発明の触媒再生確認方法は、
触媒反応塔(1)から導出された再生空気を、再生空気吸収部(5)で吸収液に吸収させ、再生空気が吸収された吸収液のpHを連続的または非連続的に測定するpH測定ステップと、
前記pH測定ステップで測定されたpH値が、所定範囲であれば、触媒再生が完了したと判断する判断ステップを含む。
触媒再生完了の判断は、例えば、pH値が6以上、pH値の変動がなくなった(安定した)(時間単位当たりの変化(傾き)が閾値以下の)場合に、再生完了したと判断してもよい。
吸収液は、例えば、純水、過酸化水素水であってもよい。
吸収瓶は、1つまたは複数であってもよい。
【0014】
[効果]
pH値を指標に触媒再生空気中のSOx濃度を監視することで、SO2連続分析計で測定監視するよりも正確に触媒再生完了のタイミングを把握することができる。
専門の分析者に現地での分析作業が不要となる。
外部分析機関へ頼ることなく、現地で簡単に分析を行える。
触媒再生完了を確認できるため、触媒再生処理時間に余裕を持たせる必要がなくなり、触媒再生処理にかかる時間を短縮できるので休炉期間の短縮ができ、また、触媒再生用ヒータの電力使用量の削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】自動化された再生空気吸収部およびpH測定部の一例である。
【
図3】手動における再生空気吸収部およびpH測定部の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
図1に、実施形態1の触媒再生装置100の例を示す。
触媒再生装置100は、触媒反応塔1と、触媒再生用ヒータ2と、循環用送風機3と、再生空気吸収部5と、pH測定部6を備える。
触媒反応塔1は、燃焼炉から排出された燃焼排ガスが導入され、触媒反応を起こさせる反応塔である。触媒反応塔1に配置されている触媒としては、例えば、脱硝触媒などが挙げられる。
触媒再生用ヒータ2は、触媒反応塔1に貯留されている触媒の加温再生に使用される。再生空気循環ラインL1は、触媒反応塔1から導出され、触媒再生用ヒータ2を介して、触媒反応塔1へ戻る配管である。再生空気循環ラインL1には、循環用送風機3が設けられる。
再生空気循環ラインL1は、触媒反応塔1の導出側(ライン入口側)に弁V1が設けられる。弁V1は、ON/OFF仕切弁である。
また、再生空気循環ラインL1の循環用送風機3より下流側から分岐され、集塵設備(不図示)へ導く、排出分岐ラインL12が設けられる。排出分岐ラインL12には弁V8が設けられる。弁V8は、ON/OFF仕切弁である。
【0017】
再生空気吸収部5は、再生空気循環ラインL1の循環用送風機3より下流側から分岐された分岐ラインL11に設けられる。分岐ラインL11は、再生空気循環ラインL1の循環用送風機3より上流側で合流する。
分岐ラインL11には、再生空気吸収部5の上流および下流に弁V2、弁V3が設けられる。弁V2、V3は、ON/OFF仕切弁である。pH測定部6は、再生空気吸収部5で再生空気が吸収された吸収液のpHを連続的にまたは所定のタイミングで測定する。本実施形態において、pH測定部6は、吸収瓶51に取り付けられ、吸収瓶51の液相のpHを直接測定する。
【0018】
図2に、自動化された再生空気吸収部5およびpH測定部6を示す。
再生空気吸収部5は、吸収液を貯留する吸収瓶51と、分岐ラインL11から再生空気を吸収瓶51の吸収液の液相へ送り込む送込ラインL51と、吸収瓶51の気相から吸収処理済みの再生空気を導出し、分岐ラインL11へ送る、導出ラインL52と、導出ラインL52に設けられる、流量制御弁52を備える。流量制御弁52は、流量計およびその結果に応じて流量を調整する流量調節弁で構成される。
また、再生空気吸収部5は、吸収瓶51から、廃液が導出される廃液導出ラインL53と、その廃液導出ラインL53に設けられる廃液排出弁V53と、廃液を貯留する廃液タンク53を備える。
また、送込ラインL51に三方弁55が設けられる。
また、再生空気吸収部5は、三方弁55へ導かれ、吸収瓶51へ送られる吸収液を貯留する吸収液タンク56と、吸収液タンク56から三方弁55へ至る吸収液補充ラインL54と、吸収液補充ラインL54に設けられ、吸収液を液送する送液ポンプ57を備える。
【0019】
本実施形態において、分岐ラインL11から吸収瓶51までの距離(または三方弁55から吸収瓶51までの送込ラインL51の距離)は、極力短く設定することが好ましく、例えば、200mm以内、100mm以内である。送込ラインL51に、SOx(特にSO3)が極力残留しないようにしたいからである。
【0020】
また、再生空気吸収部5は、モード制御部501を備える。
モード制御部501は、再生中(もしくは、再生開始から所定期間(10から60分、1L/min流速)の間のタイマー運転中)は、分岐ラインL11の弁V2を開けおよび三方弁55を吸収瓶51へ導入するライン切り替え、再生空気を吸収瓶51へ送り、吸収処理済みの再生空気を分岐ラインL11から再生空気循環ラインL1へ戻すように、三方弁55を切り替えおよび弁V2、V3(分岐ラインに設けられる弁)を制御する、吸収処理モードと、
吸収瓶51へ、廃液タンク53へ廃液(吸収液の使用ずみ)を排出するように、廃液排出弁V53を制御する廃液排出モードと、
廃液を排出した後で、吸収液を吸収瓶51へ補充するように、三方弁55の切り替えおよび送液ポンプ57を制御する、吸収液補充モードと、
吸収処理モードの際の一部に重複して、または吸収処理モードの後で、pH測定部6でバッチ測定としてpH測定を行う、pH測定モードと、をそれぞれ切り替えて制御する。
モード制御部501は、バッチ測定としてのpH測定後に、吸収瓶51から吸収液を廃液タンク53へ送り、その後に、廃液排出弁V53を閉じる(または廃液排出弁を開けたままとしてもよい)。三方弁55を切り替え、送液ポンプ57を駆動して吸収液タンク56から吸収液を吸収瓶51へ送り、送込ラインL51および吸収瓶51の残留SOxを洗浄する。一定量の吸収液で洗浄した後、廃液排出弁V53を開けて、洗浄した液を廃液タンク53へ排出する。その後に、廃液排出弁V53を閉じ、吸収瓶51に吸収液を所定量おくる。送液ポンプ57を停止し、三方弁55を切り替える。次の触媒再生完了を判断するまで待機する。
【0021】
再生空気吸収部5は、pH測定部6で測定されたpH値が、所定範囲内であれば、触媒再生が完了したと判断する判断部7を有していてもよい。判断部7と共に、pH測定値がモニターに表示され、オペレータが再生完了を判断してもよい。かかる場合、判断部7はオペレータの判断の支援として機能していてもよい。
判断部7は、例えば、pH値が6以上、pH値の変動がなくなった(安定した)(時間単位当たりの変化(傾き)が閾値以下の)場合に、再生完了したと判断してもよい。
【0022】
再生空気吸収部5は、触媒再生の開始、停止を制御する制御部10を有していてもよい。制御部10は、触媒再生開始の際に、循環用送風機3および触媒再生用ヒータ2を駆動し、再生空気循環ラインL1の弁V1を開ける。また、制御部10は、触媒再生開始の際に、触媒反応塔1の排ガス上流側および排ガス下流側のダンパーを閉じる。
判断部7で再生完了が判断された場合に、あるいはオペレータの判断などの手動介入の場合に、制御部10は、循環用送風機3および触媒再生用ヒータ2を停止し、再生空気循環ラインL1の弁V1を閉じる。
モード制御部501、制御部10および判断部7は、メモリ、プロセッサー、ソフトウエアプログラムを有する情報処理装置(例えば、コンピュータ、サーバ)や、専用回路、ファームウエアなどで構成してもよい。情報処理装置は、オンプレミスまたはクラウドのいずれか一方、あるいは両方の組み合わせであってもよい。
【0023】
(別実施形態)
図3に示す別実施形態では、手動でpH測定を行う方法である。
再生空気吸収部5は、吸収液を貯留する吸収瓶51と、分岐ラインL11から再生空気を吸収瓶51の吸収液の液相へ送り込む送込ラインL51と、吸収瓶51の気相から吸収処理済みの再生空気を導出し、分岐ラインL11へ送る、導出ラインL52と、導出ラインL52に設けられる、流量制御弁52を備える。
pH測定をする場合には、弁V2、V3を閉じて、分岐ラインL11から吸収瓶51を取り出し、吸収瓶51の開口部から測定プローブを挿入し液相のpHを、pH測定部6で、手動で測定することができる。
手動測定中には、替わりの吸収液入りの吸収瓶を分岐ラインL11にセットしていてもよい。
【0024】
(実施形態2)
触媒再生確認方法は、
触媒反応塔1から導出された再生空気を、再生空気吸収部5で吸収液に吸収させ、再生空気が吸収された吸収液のpHを連続的または非連続的に測定するpH測定ステップと、
pH測定ステップで測定されたpH値が、所定範囲であれば、触媒再生が完了したと判断する判断ステップを含む。
触媒再生完了の判断は、例えば、pH値が6以上、pH値の変動がなくなった(安定した)(時間単位当たりの変化(傾き)が閾値以下の)場合に、再生完了したと判断してもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 触媒反応塔
2 触媒再生用ヒータ
3 循環用送風機
5 再生空気吸収部
6 pH測定部