(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】電池、電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/531 20210101AFI20240529BHJP
H01M 50/102 20210101ALI20240529BHJP
H01M 50/147 20210101ALI20240529BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20240529BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240529BHJP
H01M 50/543 20210101ALI20240529BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/102
H01M50/147
H01M50/20
H01M50/50
H01M50/543
(21)【出願番号】P 2020539849
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2019071169
(87)【国際公開番号】W WO2019141129
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】201810050360.0
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼露霞
(72)【発明者】
【氏名】王信月
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼珂利
【合議体】
【審判長】岩間 直純
【審判官】渡辺 努
【審判官】須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-297413(JP,A)
【文献】特開2005-166571(JP,A)
【文献】国際公開第2012/057322(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014019505(DE,A1)
【文献】国際公開第2014/166142(WO,A1)
【文献】特開2005-259414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
H01M50/102
H01M50/147
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉チャンバ(100)を有するケース(10)と、
前記密閉チャンバ(100)内に封入されるセル(11)と、
前記ケース(10)にそれぞれ装着される第1の電極端子(12a)及び第2の電極端子(12b)とを含み、
前記セル(11)からそれぞれ引き出された第1のタブ(13a)及び第2のタブ(13b)をさらに含み、
前記第1の電極端子(12a)が前記ケース(10)と電気的に接続され、
前記第2の電極端子(12b)と前記ケース(10)とが絶縁され、
前記第1のタブ(13a)が前記ケース(10)と電気的に接続され、
前記ケース(10)により前記第1の電極端子(12a)と電気的に接続され、
前記第2のタブ(13b)が前記第2の電極端子(12b)と電気的に接続され、
前記第1のタブ(13a)は、第1の接続部材(14)により前記ケース(10)と電気的に接続され、
前記第1の接続部材(14)は第1のU字型板(140)を含み、前記第1のU字型板(140)の閉塞端が前記ケース(10)に設けられ、
かつ、前記第1のU字型板(140)の閉塞端が前記ケース(10)に接続されており、前記第1のU字型板(140)の開口端が前記密閉チャンバ(100)に向かっており、前記第1のU字型板(140)の、開口が形成される第1の壁が、前記セルの前記第1のタブ(13a)に接続され、前記第1のU字型板(140)の、開口が形成される第2の壁が、別のセルに接続される、
電池(1)。
【請求項2】
前記第1のタブ(13a)は、前記セル(11)の一端から引き出され、
前記第2のタブ(13b)は、前記セル(11)の他端から引き出される、
請求項1に記載の電池(1)。
【請求項3】
前記第1の接続部材(14)は第1のU字型板(140)及び第1のリード板(141)を含み、前記第1のU字型板(140)の閉塞端が前記ケース(10)に設けられ、前記第1のU字型板(140)の開口端が前記密閉チャンバ(100)に向かっており、前記第1のタブ(13a)が前記第1のリード板(141)により前記第1のU字型板(140)と電気的に接続され、前記第1のリード板(141)の一端が前記第1のタブ(13a)に接続され、前記第1のリード板(141)の他端が前記第1のU字型板(140)の、開口が形成される壁に接続される、
請求項1又は2に記載の電池(1)。
【請求項4】
前記第2のタブ(13b)は、第2の接続部材(15)により前記第2の電極端子(12b)と電気的に接続される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電池(1)。
【請求項5】
前記第2の接続部材(15)は第2のU字型板(150)を含み、前記第2のU字型板(150)の閉塞端が前記第2の電極端子(12b)に接続され、前記第2のU字型板(150)の開口端が前記密閉チャンバ(100)に向かっており、前記第2のタブ(13b)が前記第2のU字型板(150)の、開口が形成される壁に接続される、
請求項4に記載の電池(1)。
【請求項6】
前記第2の接続部材(15)は第2のU字型板(150)及び第2のリード板(151)を含み、前記第2のU字型板(150)の閉塞端が前記第2の電極端子(12b)に接続され、前記第2のU字型板(150)の開口端が前記密閉チャンバ(100)に向かっており、前記第2のタブ(13b)が前記第2のリード板(151)により前記第2のU字型板(150)と電気的に接続され、前記第2のリード板(151)の一端が前記第2のタブ(13b)に接続され、前記第2のリード板(151)の他端が前記第2のU字型板(150)の、開口が形成される壁に接続される、
請求項4又は5に記載の電池(1)。
【請求項7】
前記ケース(10)は、両端にそれぞれ開口が形成された筒体(101)と、
前記筒体(101)の下端に設けられた第1のシールカバー(102)と、
前記筒体(101)の上端に設けられた第2のシールカバー(103)とを含み、
前記第1のタブ(13a)は、前記セル(11)の下端に設けられ、
前記第2のタブ(13b)は、前記セル(11)の上端に設けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池(1)。
【請求項8】
前記第1の電極端子(12a)と前記第2の電極端子(12b)は、いずれも前記第2のシールカバー(103)に装着される、
請求項7に記載の電池(1)。
【請求項9】
前記第1の電極端子(12a)は、正電極端子であり、前記第2の電極端子(12b)は、負電極端子である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の電池(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の複数の電池(1)を含み、
複数の前記電池(1)の間を電気的に接続可能な外部接続部材(21)をさらに含む、
電池パック(2)。
【請求項11】
請求項10に記載の電池パック(2)が設けられている、
自動車(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年1月18日に提出された中国特許出願第201810050360.0号に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、電池、電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電池とは、一般的に電解質と金属電極とを入れて電流を発生するカップ、槽又は他の容器又は複合容器の部分空間を指し、化学エネルギーを電気エネルギーに変換できる装置であり、正極、負極を有する。
【0004】
一般的には、電池は、ケースと、ケース内に封入されるセルとを含み、ケースは、ケース本体と、ケース本体にカバーされるシールカバーとを含み、電池の電極端子は、シールカバーに設けられた穴によりシールカバーに接続され、また、セルから正極タブと負極タブとがそれぞれ引き出されている。
【0005】
従来の電池構造では、電池の正、負の2つの電極端子がいずれも電池のケースと絶縁接続されているため、電池の電流が正電極端子から正極タブに流れ、次に正極タブからセルに流れ、さらにセルから負電極端子に流れ、このように、電池の電流が不均一になり、電池の発熱も不均一になる。また、従来の電池における正、負の2つの電極端子がいずれも電池のケースと絶縁接続されているため、電極端子がケースに装着される構造が複雑であり、電池の製造コストの上昇を招いていた。また、電流がセルに繰り返し流れることにより、セルが発熱しやすくなるとともに、熱が放散しにくくなり、電池の耐用年数を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本願は、内部の電流が均一で、かつ発熱が均一である電池を提供することを目的とする。
【0008】
本願は、電池パックを提供することを別の目的とする。
【0009】
本願は、自動車を提供することをさらに別の目的とする。
【0010】
本願の第1の態様の実施例は、密閉チャンバを有するケースと、前記密閉チャンバ内に封入されるセルと、前記ケースにそれぞれ装着される第1の電極端子及び第2の電極端子とを含み、前記セルからそれぞれ引き出された第1のタブ及び第2のタブをさらに含み、前記第1の電極端子が前記ケースと電気的に接続され、前記第2の電極端子と前記ケースとが絶縁され、前記第1のタブが前記ケースと電気的に接続され、前記ケースにより前記第1の電極端子と電気的に接続され、前記第2のタブが前記第2の電極端子と電気的に接続される電池を提供する。
【0011】
本願の電池によれば、第1の電極端子と、セルから引き出された第1のタブとがいずれもケースと電気的に接続され、すなわち、第1のタブがケースにより第1の電極端子と電気的に接続されることにより、電池の電流を均一にするだけでなく、電池の発熱も均一にする。また、第1のタブを流れる電流が電池のケースを介して第1の電極端子に流れるため、ケースにより電池の熱を放散し、電池の放熱面積を向上させ、これに応じて電池の耐用年数及び使用安全性を向上させることができる。また、第1の電極端子がケースと電気的に接続され、例えば、第1の電極端子がケースに直接溶接され得るため、全体的には、電極端子のケースへの取付構造が簡単であり、このように、電池の製造コストを低減する。つまり、該電池内部の電流が均一で、電池の発熱も均一であり、かつ電池内部で発生した熱が電池のケースにより外へ放散することができるため、電池の耐用年数を向上させ、同時に電池の電極端子と電池のケースとの接続構造全体が簡単になるため、電池の製造コストを低減する。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記第1のタブは、前記セルの一端から引き出され、前記第2のタブは、前記セルの他端から引き出される。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記第1のタブは、第1の接続部材により前記ケースと電気的に接続される。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の接続部材は第1のU字型板を含み、前記第1のU字型板の閉塞端が前記ケースに設けられ、前記第1のU字型板の開口端が前記密閉チャンバに向かっており、前記第1のタブが前記第1のU字型板の、開口が形成される壁に接続される。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の接続部材は第1のU字型板及び第1のリード板を含み、前記第1のU字型板の閉塞端が前記ケースに設けられ、前記第1のU字型板の開口端が前記密閉チャンバに向かっており、前記第1のタブが前記第1のリード板により前記第1のU字型板と電気的に接続され、前記第1のリード板の一端が前記第1のタブに接続され、前記第1のリード板の他端が前記第1のU字型板の、開口が形成される壁に接続される。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記第2のタブは、第2の接続部材により前記第2の電極端子と電気的に接続される。
【0017】
本願のいくつかの実施例では、前記第2の接続部材は第2のU字型板を含み、前記第2のU字型板の閉塞端が前記第2の電極端子に接続され、前記第2のU字型板の開口端が前記密閉チャンバに向かっており、前記第2のタブが前記第2のU字型板の、開口が形成される壁に接続される。
【0018】
本願のいくつかの実施例では、前記第2の接続部材は第2のU字型板及び第2のリード板を含み、前記第2のU字型板の閉塞端が前記第2の電極端子に接続され、前記第2のU字型板の開口端が前記密閉チャンバに向かっており、前記第2のタブが前記第2のリード板により前記第2のU字型板と電気的に接続され、前記第2のリード板の一端が前記第2のタブに接続され、前記第2のリード板の他端が前記第2のU字型板の、開口が形成される壁に接続される。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記ケースは、両端にそれぞれ開口が形成された筒体と、前記筒体の下端に設けられた第1のシールカバーと、前記筒体の上端に設けられた第2のシールカバーとを含み、前記第1のタブは、前記セルの下端に設けられ、前記第2のタブは、前記セルの上端に設けられる。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子は、いずれも前記第2のシールカバーに装着される。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記第1の電極端子は、正電極端子であり、前記第2の電極端子は、負電極端子である。
【0022】
本願の第2の態様の実施例は、本願に係る電池を含み、複数の前記電池の間を電気的に接続可能な外部接続部材をさらに含む電池パックを提供する。本願に係る複数の電池を電気的に接続して電池パックを組み立てることにより、電池パックにおける電流を均一にし、電池パック全体の発熱を均一にするとともに、電池パックの熱が放散しやすくなり、電池パックの耐用年数及び使用安全性を向上させることができる。
【0023】
本願の第3の態様の実施例は、本願に係る電池パックが設けられていることを特徴とする自動車を提供する。本願に係る電池パックを自動車に適用することにより、自動車に均一な電流を供給し、自動車の使用安全性を向上させることができる。
【0024】
本願の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本願の一実施例に係る電池の全体構成概略図である。
【
図3】
図2のA-A線に沿った断面構成概略図である。
【
図4】
図1に示す電池の第1のシールカバーの部分構成概略図である。
【
図5】
図1に示す電池のセルの部分構成概略図であり、セルの2つのタブにそれぞれ第1のリード板及び第2のリード板が接続される。
【
図6】本願の一実施例に係る自動車の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願では、逆に説明しない場合に、使用される「上、下、左、右」のような方位詞は、一般的に、図面に示す方位と実際の応用における方位を組み合わせて理解され、「内、外」とは、部材輪郭の内と外を意味する。
【0027】
図1、
図2及び
図3に示すように、本願は、密閉チャンバ100を有するケース10と、密閉チャンバ100内に封入されるセル11と、ケース10にそれぞれ装着される第1の電極端子12a及び第2の電極端子12bとを含み、セル11からそれぞれ引き出された第1のタブ13a及び第2のタブ13bをさらに含み、第1の電極端子12aがケース10と電気的に接続され、第2の電極端子12bとケース10とが絶縁され、第1のタブ13aがケース10と電気的に接続され、ケース10により第1の電極端子12aと電気的に接続され、第2のタブ13bが第2の電極端子12bと電気的に接続される電池1を提供する。
【0028】
第1の電極端子12aと、セル11から引き出された第1のタブ13aとがいずれもケース10と電気的に接続され、すなわち、第1のタブ13aがケース10により第1の電極端子12aと電気的に接続されることにより、一実施例では、電池1における電流の流れ方向は、第1の電極端子12a→ケース10→第1のタブ13a→セル11→第2のタブ13b→第2の電極端子12bであり得ることにより、電池1における電流を均一にしつつ、電池の発熱を均一にする。
【0029】
また、電流がケース10を介して第1の電極端子12aから第1のタブ13aに流れるため、ケース10により電池1の熱を放散し、電池1の放熱面積を向上させ、これに応じて電池1の耐用年数及び使用安全性を向上させることができる。
【0030】
また、第1の電極端子12aがケース10と電気的に接続され、例えば、第1の電極端子12aがケース10に直接溶接され得るため、全体的には、第1の電極端子12aのケース10への取付構造が簡単であり、このように、電池1の製造コストを低減する。なお、第2の電極端子12bは、絶縁シール部材によりケース10にシール絶縁して装着されてよい。電池1は、直方体であってよく、セル11は、扁平な巻回セルや積層セルなどであってよい。
【0031】
また、第1の電極端子12aは正電極端子であってよく、第2の電極端子12bは負電極端子であってよく、第1のタブ13aは正極タブであってよく、第2のタブ13bは負極タブであってよく、このように、ケース10が負に帯電しにくく、ケース10の腐食リスクを低減し、電池1の使用安全性及び耐用年数を向上させる。第1のタブ13aが正極タブである場合、アルミケースをケースとして用いることにより、ケース10の腐食リスクを低減し、電池1の安全性や耐用年数を向上させ、同様に、第1のタブ13aが負極タブである場合、真鍮ケースをケースとして用いることにより、腐食を低減し、安全性や耐用年数を向上させることができる。当然のことながら、現在市販されているほとんどの電池に基づいて、基本的にアルミケースを電池のケースとして用いるため、本願のより多くの実施例では、アルミケースを電池1のケース10として用い、これに応じて第1のタブ13aを正極タブとして用いることができる。
【0032】
本願の一実施例では、第1のタブ13aは、セル11の一端から引き出され、第2のタブ13bは、セル11の他端から引き出され、
図3における方向に示すように、第1のタブ13aがセル11の下端から引き出されてよく、第2のタブ13bがセル11の上端から引き出されてよい。第1のタブ13aと第2のタブ13bとをセル11の両端に設け、いくつかの実施例では、第1のタブ13aと第2のタブ13bとを上下対称に設けてよく、このように、さらに電流の均一性を向上させ、発熱の均一性を向上させ、ひいては電池1の安全性や耐用年数を向上させることができる。
【0033】
第1のタブ13a及び第2のタブ13bがセルの両端から引き出された上で、ケース10の放熱効果と、電池1の省スペース化とを良好にするために、第1の電極端子12a及び第2の電極端子12bをケース10の、セル11の両端のいずれかに対応する端部カバー(例えば、以下の具体的な一実施例における第2のシールカバー103)に共通に設け、このように、底部に位置する第1のタブ13aが引き出された後に第1のシールカバー102と電気的に接続され、ケース10の本体部である後述の筒体101により第2のシールカバー103と電気的に接続され、このとき、第1の電極端子12aが第2のシールカバー103に溶接(電気的に接続)される。電流が底部から引き出され、ケース10の上下方向に沿って伝達して、ケース10の頂部に到達し、ケース10により効果的に放熱することができる。同時に、従来の技術手段では、第1のタブ13a及び第2のタブ13bがセル11の両端からそれぞれ引き出される場合、一般的には、ケース10の上端及び下端にそれぞれ1つの電極端子が設けられ、上記技術手段に比べて、本願に係る技術手段では、第1の電極端子12a及び第2の電極端子12bは、いずれもケース10の上端に位置し、上下方向に1つの電極端子のスペースを省いて、スペース効率を向上させるとともに、ケース10により電流ガイド及び放熱を最大限に行うことができ、電池1の安全性及び耐用年数をさらに向上させる。
【0034】
また、ケース10は、両端にそれぞれ開口が形成された筒体101と、筒体101の下端に設けられた第1のシールカバー102と、筒体101の上端に設けられた第2のシールカバー103とを含んでよく、このように、セル11のような電池1の内部部材の装着を容易にする。
図3に示す方位から見て、第1のシールカバー102は、ケース10の底壁を形成してよく、第2のシールカバー103は、ケース10の天井壁を形成してよい。第1のタブ13aがセル11の下端に設けられ、第2のタブ13bがセル11の上端に設けられることにより、第2の電極端子12bと第2のタブ13bとの電気的接続、及びケース10による第1の電極端子12aと第1のタブ13aとの電気的接続を実現しやすくて、第1の電極端子12aと第2の電極端子12bとがいずれもケース10の同一端に装着されることをより容易にする。
【0035】
一般的には、筒体101と第1のシールカバー102、第2のシールカバー103との間は、いずれも溶接接続であり、ケース10は導電部材に成形され、電流は、少なくとも第1のシールカバー102から筒体101に伝達され、第2のシールカバー103を介して第1の電極端子12aに伝達されてよい。一方、第2の電極端子12bとケース10とが絶縁され、一具体例では、
図3に示すように、第2の電極端子12bと第2のシールカバー103とが絶縁され、具体的には、第2の電極端子12bと第2のシールカバー103との間に絶縁部材を設けてもよいし、第2のシールカバー103上に積層シートを設けて、絶縁部材を積層シート内に取り付けてもよいし、積層シートと第2のシールカバー103との間を絶縁して、第2の電極端子12bを積層シート内に設けてもよい。
【0036】
第2の電極端子12bを第2のシールカバー103にどのように取り付けても、第2の電極端子12bと第2のシールカバー103との間を絶縁することができればよく、同時に、ケース10による第1の電極端子12aと第1のタブ13aとの電気的接続に影響を及ぼさない。
【0037】
図3に示すように、第1の電極端子12aと第2の電極端子12bとがいずれも第2のシールカバー103に装着されてよく、すなわち、1の電極端子12aと第2の電極端子12bとがいずれもケース10の同一端に位置することにより、スペースを省いて、スペース効率を向上させ、電池1の限られた寸法条件下で密閉チャンバ100のスペースをできるだけ大きくし、セル11の容量を向上させ、電池1の構造をよりコンパクト化、軽量化する。
【0038】
理解されるように、第1のタブ13aは、ケース10に直接電気的に接続されてよい。いくつかの実施例では、第1のタブ13aは、第1の接続部材14によりケース10と電気的に接続されてよく、第1の接続部材14は、ケース10に設けられてよく、すなわち、第1のタブ13aは、ケース10に設けられた第1の接続部材14によりケース10と電気的に接続されてよく、第1の接続部材14を設けることにより第1のタブ13aとケース10との電気的接続を容易にする。第1の接続部材14の構造形式は、複数種類であってよく、第1のタブ13aとケース10との電気的接続を実現すればよい。また、第1の接続部材14は、溶接によりケース10に接続されてよく、具体的には、第1のシールカバー102に接続されてよい。
【0039】
いくつかの実施例では、第1の接続部材14は、ケース10に設けられた第1のリード板141を含んでよく、例えば、第1のリード板141として可撓性接続片を用いてもよく、第1のリード板141は、溶接によりケース10に接続されてよく、第1のリード板141は、溶接によりケース10の底部カバーである第1のシールカバー102に接続されることにより、第1のタブ13aの設置を容易にし、また、第1のタブ13aは、溶接により第1のリード板141と電気的に接続されてよい。
【0040】
また、
図4に示すように、第1の接続部材14は、第1のU字型板140を含んでよく、第1のU字型板140の閉塞端は、ケース10に設けられ、例えば、該閉塞端が溶接によりケース10に接続されてよく、該閉塞端は、ケース10の底部カバーである第1のシールカバー102に溶接されることにより、第1のタブ13aの設置を容易にし、第1のU字型板140の開口端が密閉チャンバ100に向かっており、第1のタブ13aが第1のU字型板140の、開口が形成される壁に接続される。ケース10内に複数のセル11が封入されると、第1のU字型板140を設けることにより複数のセル11からそれぞれ引き出される第1のタブ13aの設置を容易にし、例えば、それぞれの第1のタブ13aは、1つの第1のU字型板140の、開口が形成される1つの壁に対応して接続されてよい。
【0041】
また、
図4及び
図5に示すように、第1の接続部材14は第1のU字型板140及び第1のリード板141を含んでよく、第1のU字型板140の閉塞端がケース10に設けられ、第1のU字型板140の開口端が密閉チャンバ100に向かっており、第1のタブ13aが第1のリード板141により第1のU字型板140と電気的に接続され、第1のリード板141の一端が第1のタブ13aに接続され、第1のリード板141の他端が第1のU字型板140の、開口が形成される壁に接続される。すなわち、第1のタブ13aは、第1のU字型板140及び第1のリード板141によりケースと電気的に接続される。
【0042】
第2のタブ13bと第2の電極端子12bとの電気的接続を容易にするために、
図3に示すように、第2のタブ13bは、第2の接続部材15により第2の電極端子12bと電気的に接続されてよく、具体的には、第2の接続部材15は、ケース10に設けられてよく、すなわち、第2のタブ13bは、ケース10に設けられた第2の接続部材15により第2の電極端子12bと電気的に接続されてよい。第2の接続部材15の構造形式は、複数種類であってよく、第2のタブ13bと第2の電極端子12bとの電気的接続を実現すればよい。また、第2の接続部材15は、溶接によりケース10に接続されてよく、具体的には、第2のシールカバー103に接続されてよい。なお、第2の接続部材15は、第2のシールカバー103に絶縁されて設けられる。
【0043】
いくつかの実施例では、第2の接続部材15は、ケース10に設けられた第2のリード板151を含んでよく、例えば、第2のリード板151として可撓性接続片を用いてもよく、第2のリード板151は、溶接によりケース10に設けられてよく、第2のリード板151は、溶接によりケース10の天井壁である第2のシールカバー103に接続されることにより、第2のタブ13bの設置を容易にし、また、第2のタブ13bは、溶接により第2のリード板151と電気的に接続されてもよい。
【0044】
また、第2の接続部材15は、第2のU字型板150を含んでよく、第2のU字型板150の閉塞端は、ケース10に設けられ、例えば、該閉塞端が溶接により第2の電極端子12bに接続されてよく、第2のU字型板150の開口端が密閉チャンバ100に向かっており、第2のタブ13bが第2のU字型板150の、開口が形成される壁に接続される。ケース10内に複数のセル11が封入されると、第2のU字型板150を設けることにより複数のセル11からそれぞれ引き出される第2のタブ13bの設置を容易にし、例えば、それぞれの第2のタブ13bは、1つの第2のU字型板150の、開口が形成される1つの壁に対応して接続されてよい。なお、第2のU字型板150の構造は、第1のU字型板140とほぼ同様である。
【0045】
また、
図4及び
図5に示すように、第2の接続部材15は第2のU字型板150及び第2のリード板151を含んでよく、第2のU字型板150の閉塞端が第2の電極端子12bに接続され、第2のU字型板150の開口端が密閉チャンバ100に向かっており、第2のタブ13bが第2のリード板151により第2のU字型板150と電気的に接続され、前記第2のリード板151の一端が第2のタブ13bに接続され、第2のリード板151の他端が第2のU字型板150の、開口が形成される壁に接続される。すなわち、第2のタブ13bは、第2のU字型板150及び第2のリード板151により第2の電極端子12bと電気的に接続される。
【0046】
図6を参照して、本願は、本願に係る複数の電池1を含み、複数の前記電池1の間を電気的に接続可能な外部接続部材をさらに含む電池パック2をさらに提供する。本願に係る複数の電池1を電気的に接続して電池パック2を組み立てることにより、電池パック2における電流を均一にし、電池パック2全体の発熱を均一にするとともに、電池パック2の熱が放散しやすくなり、電池パック2の耐用年数及び使用安全性を向上させることができる。
【0047】
なお、第1の電極端子12a及び第2の電極端子12bに、対応する電極端子の厚さ方向に沿って延びるねじ穴120をそれぞれ開設し、対応する電極端子の、対応するシールカバーから離れた側の端面にねじ穴120を開設してよく、具体的には、第2の電極端子12bに第2の電極端子12bの厚さ方向に沿って延びるねじ穴120を開設し、第1の電極端子12aに第1の電極端子12aの厚さ方向に第1の電極端子12a延びるねじ穴120を開設し、外部接続部材21(例えば、接続片)を設置するとともに複数の固定部材、例えばボルトを接続片に挿通し、かつそれぞれ対応するねじ穴120にねじ込むことにより、外部接続部材21の作用下で複数の電池1を電池パック2に組み立てることができる。
【0048】
図6を参照して、本願は、本願に係る電池パック2が設けられている自動車3をさらに提供する。本願に係る電池パック2を自動車3に適用することにより、自動車3に均一な電流を供給し、自動車3の使用安全性を向上させることができる。
【0049】
以上、図面を参照しながら本願の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本願はこれに限定されない。本願の技術的思想の範囲内に、本願の技術手段に対して複数の簡単な変形を行うことができ、それぞれの具体的な技術的特徴は、任意適切な方式で組み合わせることができる。不要な重複を避けるために、本願は、可能なあらゆる組み合わせ方式を別途に説明しない。しかし、これらの簡単な変形や組み合わせは、同様に本願において開示される内容と見なされるべきであり、いずれも本願の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0050】
1 電池、10 ケース、100 密閉チャンバ、101 筒体、102?第1のシールカバー、103?第2のシールカバー、11 セル、12a 第1の電極端子、12b 第2の電極端子、13a 第1のタブ、120 ねじ穴、13b 第2のタブ、14 第1の接続部材、140 第1のU字型板、141 第1のリード板、15 第2の接続部材、151 第2のリード板、150 第2のU字型板、2 電池パック、21 外部接続部材、3 自動車