(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】抗線維化療法を投与する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/437 20060101AFI20240529BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240529BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240529BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240529BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240529BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240529BHJP
【FI】
A61K31/437
A61P11/00
A61P29/00
A61P37/02
A61K47/14
A61K47/44
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022015514
(22)【出願日】2022-02-03
(62)【分割の表示】P 2019524383の分割
【原出願日】2017-11-29
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】リン パン
(72)【発明者】
【氏名】ドロシー ジィー-ウィン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー マーク ハリス
(72)【発明者】
【氏名】インディアナ ストロンボム
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/153683(WO,A1)
【文献】岡山医学会雑誌,2015年,Vol. 127,pp. 245-249
【文献】耳展,1997年,Vol. 40, No. 3,pp. 347-352 (99-104)
【文献】岡山医学会雑誌,2009年,Vol. 121,pp. 49-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 47/00-47/69
A61P 11/00
A61P 29/00
A61P 37/02
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維性疾患の治療において使用するための組成物であって、前記組成物が化合物Iを含み、
前記組成物は経口送達のために製剤化され、前記治療が、治療有効量の化合物Iを対象に投与することと、胃酸低減薬の同時投与を避けることとを含
み、化合物Iでの前記治療中に、前記対象の24時間平均胃内pHが6.0以上とならない、組成物。
【請求項2】
線維性疾患の治療において使用するための組成物であって、前記組成物が化合物Iを含み、
前記治療が、胃酸低減薬を必要とする対象に、
(i)200mg BID;
(ii)525mg QD;または
(iii)275mg BID
の用量の化合物Iを投与することと、
胃酸低減薬の同時投与を避けることとを含
み、化合物Iでの前記治療中に、前記対象の24時間平均胃内pHが6.0以上とならない、組成物。
【請求項3】
前記胃酸低減薬が、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)、および制酸薬の群から1つ以上選択される、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記胃酸低減薬がPPIを含む、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記PPIがラベプラゾールを含む、請求項
3または4に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記治療が、化合物Iの服用前または服用後に胃酸低減薬の投与を避けることをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
前記治療が、化合物Iを食物と組み合わせて投与することをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
治療される前記対象が、4以下の胃内pHを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
治療される前記対象が、3未満の胃内pHを有する、請求項8に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
治療される前記対象が、胃酸低減薬を必要としている、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項11】
前記治療が、1日当たり1mg~5000mgの範囲の用量で、化合物Iを前記対象に提供することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/428,163号および2016年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/432,425号の35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張し、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、化合物Iを投与する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化合物Iは、以下の構造を有する経口利用可能な低分子である。
【化1】
化合物Iは、特発性肺線維症(IPF)などの線維性病態生理を示すいくつかの異なる適応症において治療的価値を有する。
【0004】
特発性肺線維症は、主に中年および高齢の患者に発生する病因不明の疾患であり、これは肺の進行性線維症を特徴とし、肺機能不全および死をもたらす。線維症は、臨床的に不可逆的な過程であると長い間考えられてきたので、治療は伝統的に症状および合併症を管理することに集中しており、その状態の進行を著しく遅らせる見込みはほとんどない。長年にわたり、主力の治療法は、典型的には、抗炎症剤、免疫抑制剤、および抗酸化剤であった。IPFおよび他の線維性状態の治療におけるこれらの治療法の有効性は、最小限かつ変動しやすいようであり、これらの副作用は、多くの場合、患者によってほとんど許容されない。
【0005】
新規の治療法の選択肢は、ごく最近利用可能になった。ピルフェニドンおよびニネタニブは、両方ともIPFの治療に使用することが承認されている。新規の抗線維化薬を開発するための現在の研究努力は、根底にある分子病原性プロセスに関連すると提唱されている複数のメカニズムを標的としている。この状況の変化により、新規の単一薬物または追加の経路を標的とする併用療法で達成可能であり得るものに対する希望および期待が高まっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
現在、予期せぬ食物効果が、化合物I療法で確認されている。本明細書に記載されているのは、食物と一緒に化合物Iを投与することが、薬物のバイオアベイラビリティを予想外に増加させ、好ましい食物効果を示すことを明らかにした臨床試験である。例えば、高脂肪食か低脂肪食のいずれかと一緒に化合物Iを投与することにより、薬物のCmaxおよびAUCが向上し、それによって治療の効果が向上する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、線維性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患に罹患している患者を治療するための化合物Iを投与する方法であって、治療有効量の化合物Iを食物と組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、線維性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患に罹患している対象を治療するための化合物I療法における薬物バイオアベイラビリティを増加させる方法であって、治療有効量の化合物Iを食物と一緒に対象に投与することを含み、化合物Iのバイオアベイラビリティが、食物なしで投与された同量の化合物Iのバイオアベイラビリティと比較して増加する、方法に関する。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態は、化合物I療法を対象に提供する方法であって、治療有効量の化合物Iを対象に提供することと、化合物Iと同時に胃酸低減薬を服用しないように対象に助言することと、を含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、胃酸低減薬は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)である。本開示のいくつかの実施形態は、化合物I療法を対象に提供する方法であって、治療有効量の化合物Iを対象に提供することと、化合物Iの用量調整を必要とし得る化合物Iと同時にPPIを服用することを対象に助言することと、を含む、方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、化合物I療法をPPIを服用している対象に提供する方法であって、治療有効量の化合物IをPPIを服用している対象に提供することを含み、PPIを服用している対象における化合物Iの治療有効量が、PPIを服用していない対象における化合物Iの治療有効量よりも多い、方法に関する。
【0010】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを、4以下の胃内pHを有する対象に投与することを含む、方法に関する。
【0011】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を対象に提供する方法であって、対象の腎機能を評価することと、治療有効量の化合物Iを対象に投与することと、を含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象の腎機能を評価することが、対象のクレアチニンクリアランス速度を決定することを含む。いくつかの実施形態では、対象の腎機能が、治療有効量の化合物Iを対象に投与する前に評価される。いくつかの実施形態では、対象の腎機能が、治療有効量の化合物Iを対象に投与した後に評価される。
【0012】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、抗線維化療法を対象に提供する方法であって、対象の腎機能を評価することと、化合物Iを服用しないように対象に助言することと、化合物I以外の抗線維化療法を提供することと、を含む、方法に関する。
【0013】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、薬学的組成物、添付文書、および容器を含むキットであって、薬学的組成物が治療有効量の化合物Iを含む、キットに関する。
【0014】
本明細書に記載の方法またはキットの任意の実施形態では、1日当たりの化合物Iの有効量は、1日当たり約1mg~約5000mg、1日当たり約5mg~約2500mg、または1日当たり約10mg~約2000mgである。いくつかのさらなる実施形態では、投与される化合物Iの量は、1日当たり約25mg~約1600mgである。いくつかのさらなる実施形態では、投与される化合物Iの量は、1日当たり、約25mg、約75mg、約200mg、約275mg、約400mg、約550mg、約575mg、約800mg、約1150mg、もしくは約1600mg、または上記値のいずれか2つで定義される範囲内である。
【0015】
本明細書に記載の方法の任意の実施形態では、治療される対象は、線維性疾患、特に特発性肺線維症(IPF)に罹患している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書に記載されている臨床試験の多重上昇投与量(MAD)の部分におけるスクリーニングおよび投与前のベースラインの組み合わせからの血清クレアチニンの平均変化を示す。
【0017】
【
図2】本明細書に記載の臨床試験のMAD部分におけるスクリーニングレベルからのクレアチニン濃度の平均変化を示す。分析訪問は、1日目(D1)、5日目(D5)、7日目(D7)、10日目(D10)およびフォローアップ時(FU)に行った。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に記載の様々な実施形態は、化合物Iを食物と一緒に投与することによって化合物Iのバイオアベイラビリティを高める方法を提供する。化合物Iのバイオアベイラビリティを増加させることは様々な利点を有する。例えば、バイオアベイラビリティの増加はより効果的な投薬をもたらし得る。いくつかの実施形態では、より効果的な投与により、より低用量の化合物Iを個体に投与することが可能になる。いくつかの実施形態では、食物と一緒の化合物Iの投与はまた、化合物Iまたは他の薬物に関連する副作用の頻度および/または重症度を軽減することができる。
【0019】
本明細書で使用されている節の見出しは、組織化目的だけのためであり、記載されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0020】
本明細書で使用される場合、一般的な略語は以下のように定義される。
【表A】
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「食物と一緒に」は、一般に、化合物I投与の約1時間前から化合物I投与の約2時間後までの間の期間中に食物を摂取した状態を意味すると定義される。いくつかの実施形態では、食物は、胃の中で迅速に溶解して吸収されることのない、十分な嵩および脂肪含有量を有する固体の食物である。好ましくは、食物は、朝食、昼食、または夕食などの食事である。いくつかの実施形態では、食物は、少なくとも約100カロリー、約200カロリー、約250カロリー、約300カロリー、約400カロリー、約500カロリー、約600カロリー、約700カロリー、約800カロリー、約900カロリー、約1000カロリー、約1250カロリー、約1500カロリーである。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「高脂肪食」は、脂肪が食事の総カロリー含有量の約50%以上を占める食事を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「中脂肪食」は、脂肪が食事の総カロリー含有量の約26~49%を占める食事を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「低脂肪食」は、脂肪が食事の総カロリー含有量の約25%以下を占める食事を指す。
【0025】
「食物なし」、「絶食」、または「空腹時」という用語は、化合物I投与の約1時間前から化合物I投与の約2時間後までの期間内に食物を摂取しなかった状態を意味すると定義される。いくつかの実施形態では、食物は、化合物Iを投与する前の約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間摂取されなかった。
【0026】
本明細書で使用される場合、「経口剤形」という用語は、当業者によって理解されるその通常の意味を有し、したがって、非限定的な例として、ピル、タブレット、コア、カプセル、カプレット、ルースパウダー、溶液、および懸濁液を含む、ヒトに投与可能な形態の1つ以上の薬物の製剤を含む。
【0027】
本明細書で使用される場合、「食物効果」という用語は、投与後の薬物の吸収に影響を及ぼし得る現象を指す。食物効果は、吸収が減少した場合に「負」、または吸収が増加した場合に「正」と指定され得、バイオアベイラビリティの増加として現れ得る(例えば、AUCによって反映される通り)。食物効果はまた、全吸収とは無関係に、最高濃度(Cmax)または最高濃度に達するまでの時間(Tmax)の変化を指し得る。結果として、いくつかの薬物は、好ましくは、最適な所望の効果を達成するために、絶食状態か摂食状態のいずれかで服用され得る。本明細書で使用される場合、用語「食物と一緒に」および「摂食」は、互換的に使用され得る。本明細書で使用される場合、用語「食物なし」、「絶食」、および「空腹時」は、互換的に使用され得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、「腎機能障害」という用語は、以下の表にまとめられた、FDA Draft Guidance, Pharmacokinetics in Patients with Impaired Renal Function - Study Design, Data Analysis, and Impact on Dosing and Labeling(2010年3月22日)に定義された腎機能障害を指す。
【表B】
【0029】
本明細書で使用される場合、「薬物動態プロファイル」または「薬物動態」という用語は、当業者によって理解される通り、これらの通常の意味を有し、したがって、非限定的な例として、対象への薬物の投与後の、経時的な薬物の濃度プロット(例えば、血漿、血清または組織)から得られる曲線の特性が含まれる。したがって、薬物動態プロファイルは、適切な集団に投与された場合に特定の薬物または剤形の薬物動態を特徴付けるために使用することができる薬物動態パラメータまたは一連のパラメータを含む。いくつかの実施形態では、適切な集団は、腎機能障害のある患者、肝機能障害のある患者、老人、または小児などとして定義されてもよい。様々な薬物動態パラメータが当業者に知られており、濃度対時間曲線下面積(AUC)、時間ゼロから最後の定量可能なサンプル時間までの濃度時間曲線下面積(AUC0-t)、時間ゼロから無限まで外挿した濃度時間曲線下面積(AUC0-∞)、1日2回投与に関する定常状態の投与間隔での濃度時間曲線下面積(AUCss)または時間ゼロから12時間までの濃度時間曲線下面積(AUC0-12)、投与後の最高濃度(例えば、血漿/血清)(Cmax)、投与後の最低濃度(例えば、血漿/血清)(Cmin)、および投与後の最高濃度(例えば、血漿/血清)に達するまでの時間(Tmax)が含まれる。AUClastは、投与時から最後の定量可能な濃度時までの血漿濃度対時間曲線下面積を示す。薬物動態パラメータは、当業者に周知の様々な方法で、例えば、単回投与または定常状態で測定されてもよい。1つ以上の薬物動態パラメータ(例えば、Cmax)の違いは、2つの製剤間または2つの投与方法間の薬物動態学的差異を示し得る。
【0030】
用語「患者」または「対象」は、ヒト患者を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「提供する」という行為は、本明細書に記載の組成物を供給、獲得、または投与すること(自己投与を含む)を含む。
【0032】
本明細書で使用される場合、薬物を「投与する」という用語は、個人が自分自身で薬物を入手し、服用することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、個人が薬局から薬物を入手し、本明細書で提供される方法に従って薬物を自己投与する。
【0033】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、治療方法は、スイス型用途クレームなどの用途クレームを代替的に伴うことがある。例えば、組成物を用いて線維性疾患を治療する方法は、線維性疾患、特にIPFの治療のための薬剤の製造における組成物の使用、または線維性疾患、特にIPFの治療のための組成物の使用を代替的に伴うことがある。
【0034】
当業者には、例えば本明細書に記載の実施例に記載した通り、薬物動態パラメータが、当業者に周知であり、受け入れられている臨床試験方法を使用して対照標準と比較することによって決定され得ることが理解されるであろう。薬物の薬物動態は、患者によって変動し得るので、そのような臨床試験は、一般に、複数の患者および得られたデータの適切な統計分析(例えば、90%信頼度のANOVA)を含む。当業者には理解される通り、薬物動態パラメータの比較は用量調整ベースであり得る。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態は、線維性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患に罹患している対象を治療するための化合物Iを投与する方法であって、治療有効量の化合物Iを食物と組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
【0036】
本明細書で開示される方法は、化合物Iを食物と一緒に患者または対象に投与することを含む。化合物Iは、1日のいつでも、食物と一緒に投与することができる。例えば、いくつかの実施形態では、食物は、化合物I投与の約1時間前から化合物I投与の約2時間後までの期間中のいつでも摂取することができる。いくつかの実施形態では、食物は、化合物I投与の前の約1時間、約45分、約30分、約15分、約10分、または約5分という期間内に摂取することができる。いくつかの実施形態では、食物は、化合物I投与の後の約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、または約2時間という期間内に摂取することができる。いくつかの実施形態では、患者への化合物Iの投与は、食物摂取の直後(例えば、食物摂取後約1分以内)から食物摂取後約1時間までである。いくつかの実施形態では、化合物Iは、食物の摂取と実質的に同時に投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、投与される化合物Iの量は、1日当たり約1mg~約5000mg、1日当たり約5mg~約2500mg、または1日当たり約10mg~約2000mgである。いくつかのさらなる実施形態では、投与される化合物Iの量は、1日当たり約25mg~約1600mgである。いくつかのさらなる実施形態では、投与される化合物Iの量は、1日当たり、約25mg、約75mg、約200mg、約275mg、約400mg、約550mg、約575mg、約800mg、約1150mg、もしくは約1600mg、または上記値のいずれか2つで定義される範囲内である。一実施形態では、化合物Iは、1日当たり400mg投与される。別の実施形態では、化合物Iは、1日当たり550mg投与される。さらに別の実施形態では、化合物Iは、1日当たり800mg投与される。
【0038】
投薬は、1日当たり1回または2回または3回であってもよく、1回に1つ以上の単位を投与する。いくつかの実施形態では、1日当たりの化合物Iの有効摂取量は、1日を通して適切な間隔をあけて別々に投与される、1用量、2用量、3用量、4用量、5用量、6用量、またはそれ以上の用量として投与される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、化合物Iは1日1回投与される。いくつかの他の実施形態では、化合物Iは1日2回以上投与される。一実施形態では、化合物Iは1日2回投与される。別の実施形態では、化合物Iは1日3回投与される。いくつかの実施形態では、各用量は、1、2、3またはそれ以上の単位剤形を含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の単位を、1日に1回以上対象に投与する。いくつかの実施形態では、化合物Iは、1日を通して間隔をあけて複数の用量として投与され、各用量は治療有効量の化合物Iを含む。いくつかの実施形態では、化合物Iは1日当たり1回食物と一緒に投与される。
【0039】
いくつかの実施形態では、化合物Iは、1単位当たり約25mg~約500mg、または約50mg~約400mg、または約100mg~約200mgの化合物Iを含む単位剤形で対象に投与される。一実施形態では、化合物Iは、1カプセル剤または1錠剤当たり約25mgの化合物Iを含む単位剤形で対象に投与される。別の実施形態では、化合物Iは、1カプセル剤または1錠剤当たり約200mgの化合物Iを含む単位剤形で対象に投与される。本明細書で使用される場合、用語「単位剤形」は、ヒトおよび動物の対象のための単位投与量として適切な物理的に別々の単位であって、各単位が、薬学的に許容される希釈剤、担体またはビヒクルと共に、所望の効果を生じるのに十分な量の計算された所定量の化合物Iを含有する単位を指す。いくつかの実施形態では、単位剤形は、例えば、丸剤、カプセル剤、または錠剤である。一実施形態では、単位剤形は、錠剤である。
【0040】
いくつかの実施形態では、方法は、治療上許容される量の化合物Iを投与することを含む。本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、確認された疾患もしくは状態を治療、緩和、もしくは予防するのに十分か、または検出可能な治療効果を示すのに十分な化合物Iの量を指す。この効果は、当該技術分野で周知の任意の手段により検出されてもよい。いくつかの実施形態では、対象に対する正確な有効量は、対象の体重、サイズ、および健康状態;状態の性質および程度;ならびに投与のために選択された治療薬または治療薬の組み合わせに依存し得る。所与の状況に対する治療有効量は、臨床医の技量および判断の範囲内にある慣用実験により決定されてもよい。
【0041】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、食物は、低脂肪食、中脂肪食または高脂肪食から選択される。一実施形態では、食物は高脂肪食である。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、胃酸低減治療薬の同時投与を避けることを含む。いくつかの実施形態では、胃酸低減治療薬は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)、および/または制酸薬である。いくつかの実施形態では、胃酸低減治療薬は、PPIである。いくつかの実施形態では、PPIは、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾール、およびデクスランソプラゾールから選択される。いくつかの実施形態では、胃酸低減治療薬は、H2RAである。いくつかの実施形態では、H2RAは、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、およびラニチジンから選択される。いくつかの実施形態では、胃酸低減治療薬は、制酸薬である。いくつかの実施形態では、制酸薬は、水酸化アルミニウム/炭酸アルミニウム、水酸化カルシウム/炭酸カルシウム、および次サリチル酸ビスマスから選択される。いくつかの実施形態では、方法は、胃酸低減薬を服用している患者に、再酸性化化合物および化合物Iを投与することを含む。いくつかの実施形態では、再酸性化化合物は、ベタイン塩酸塩およびグルタミン酸塩酸塩から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の同時投与を避けること、例えば、約6.0、5.0、4.0、3.0、2.0、もしくは1.0以上の、または上記値のいずれか2つで定義される範囲の24時間平均胃内pHを引き起こすPPIの同時投与を避けることを含む。一実施形態では、4以上の24時間平均胃内pHを引き起こすPPIを避ける必要がある。別の実施形態では、3以上の24時間平均胃内pHを引き起こすPPIを避ける必要がある。いくつかのさらなる実施形態では、方法は、化合物Iの投与の前または後に、プロトンポンプ阻害薬の投与を避けることを含む。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態は、線維性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患に罹患している対象を治療するための化合物I療法における薬物バイオアベイラビリティを増加させる方法であって、治療有効量の化合物Iを食物と一緒に対象に投与することを含み、化合物Iのバイオアベイラビリティが、食物なしで投与された同量の化合物Iのバイオアベイラビリティと比較して増加する、方法に関する。
【0044】
バイオアベイラビリティの増加は、AUCまたはCmaxの増加などの、当業者に周知の1つ以上の測定値を使用して決定することができ、これらはそれぞれ独立して、約、少なくとも、または少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%もしくはそれ以上の増加、またはこれらの値のいずれか2つで定義される範囲内(例えば、5%~500%、10%~400%、または20%~300%)の増加であり得、これらの増加は、対照の治療(例えば、絶食状態または異なる摂食状態)と比較した場合のものである。いくつかの実施形態では、化合物Iのバイオアベイラビリティを増加させることは、化合物Iの最高血漿中濃度(Cmax)または吸収の程度(AUC0-tもしくはAUC0-∞)を増加させることを含む。
【0045】
いくつかのそのような実施形態では、バイオアベイラビリティの増加は、化合物Iを食物と一緒に服用した場合に、絶食状態で服用した同量の化合物Iと比較して約10%~約400%、約15%~約300%、または約20%~約250%の範囲の化合物IのCmaxの増加を含む。いくつかのさらなる実施形態では、化合物IのCmaxの増加は、約20%~約200%、約40%~約150%、または約60%~約125%の範囲である。一実施形態では、化合物IのCmaxの増加は、約64%である。別の実施形態では、Cmaxの増加は、約69%である。さらに別の実施形態では、Cmaxの増加は、約126%である。
【0046】
いくつかのそのような実施形態では、バイオアベイラビリティの増加は、化合物Iを食物と一緒に服用した場合に、絶食状態で服用した同量の化合物Iと比較して約10%~約400%、約15%~約300%、または約20%~約250%の範囲の化合物IのAUC0-tの増加を含む。いくつかのさらなる実施形態では、化合物IのAUC0-tの増加は、20%~約200%、約25%~約150%、または約30%~約125%の範囲である。一実施形態では、化合物IのAUC0-tの増加は、約37%である。別の実施形態では、AUC0-tの増加は、約49%である。さらに別の実施形態では、AUC0-tの増加は、約114%である。
【0047】
いくつかのそのような実施形態では、バイオアベイラビリティの増加は、化合物Iを食物と一緒に服用した場合に、絶食状態で服用した同量の化合物Iと比較して約10%~約400%、約15%~約300%、または約20%~約250%の範囲の化合物IのAUC0-∞の増加を含む。いくつかのさらなる実施形態では、化合物IのAUC0-∞の増加は、20%~約200%、約25%~約150%、または約30%~約125%の範囲である。一実施形態では、化合物IのAUC0-∞の増加は、約35%である。別の実施形態では、AUC0-∞の増加は、約46%である。さらに別の実施形態では、AUC0-∞の増加は、約103%である。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態は、対象に化合物I療法を提供する方法であって、対象に治療有効量の化合物Iを提供することと、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を化合物Iと同時に服用しないように対象に助言することと、を含む、方法に関する。本開示のいくつかの他の実施形態は、対象に化合物I治療を提供する方法であって、対象に治療有効量の化合物Iを提供することと、化合物Iの服用の前または後にプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用しないように対象に助言することと、を含む、方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、対象に化合物I治療を提供する方法であって、対象に治療有効量の化合物Iを提供することと、4以上の24時間平均胃内pHを引き起こすプロトンポンプ阻害薬(PPI)を化合物Iと同時に服用しないように対象に助言することと、を含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、化合物I療法中に、約6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5.0、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3.0、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、もしくは1.0以上の、または上記値のいずれか2つで定義される範囲の24時間平均胃内pHを引き起こすものを含む、PPIを避ける必要がある。一実施形態では、4.0以上の24時間平均胃内pHを引き起こすPPIを避ける必要がある。別の実施形態では、3.0以上の24時間平均胃内pHを引き起こすPPIを避ける必要がある。一実施形態では、PPIは、ラベプラゾールである。いくつかの実施形態では、方法は、化合物Iを食物と一緒に服用するように対象に助言することをさらに含む。
【0049】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.5、もしくは1.0以下の、または上記値のいずれか2つで定義される範囲の胃内pHを有する対象に投与することを含む、方法に関する。本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを、3.0以下の胃内pHを有する対象に投与することを含む、方法に関する。本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを、2.0以下の胃内pHを有する対象に投与することを含む、方法に関する。いくつかのそのような実施形態では、胃内pHは、24時間平均胃内pHである。いくつかの他の実施形態では、胃内pHは、12時間平均胃内pH、8時間平均胃内pH、6時間平均胃内pH、または4時間平均胃内pHとして測定される。本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、化合物Iを食物と一緒に投与してもよい。
【0050】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、化合物I療法を対象に提供する方法であって、対象の腎機能を評価することと、治療有効量の化合物Iを対象に投与することと、を含む、方法に関する。この評価の目的は、化合物Iの腎作用、例えば、化合物I療法が任意の腎機能障害を引き起こす可能性があるかどうかを決定することである。
【0051】
急性腎機能障害(AKI)は、48時間以内に≧0.3mg/dL(≧26.5μmol/L) の血清クレアチニン(SCr)の増加、ベースラインの1.5倍以上のSCrの増加、これは7日前以内に発生したと知られるかもしくは推定される、または尿量が6時間で<0.5mL/kg/hとして、Kidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)(Kidney International Supplements(2012)2、8-12)によって定義されている。AKIは、以下の基準に従って重症度が段階分けされている。
【表C】
【0052】
いくつかの実施形態では、対象の腎機能を評価することが、対象のクレアチニンクリアランス速度を決定することを含む。いくつかの実施形態では、対象のクレアチニンクリアランス速度が、治療有効量の化合物Iを対象に投与する前に評価される。いくつかの実施形態では、対象のクレアチニンクリアランス速度が、治療有効量の化合物Iを対象に投与した後に評価される。いくつかの実施形態では、対象のクレアチニンクリアランス速度が、治療有効量の化合物Iを対象に投与する前および後に評価される。いくつかのそのような実施形態では、対象は、≧90mL/分のクレアチニンクリアランスを有する。いくつかの他の実施形態では、対象は、60~89mL/分のクレアチニンクリアランスを有する。いくつかのさらなる実施形態では、対象は、30~59mL/分のクレアチニンクリアランスを有する。さらにいくつかのさらなる実施形態では、対象は、15~29mL/分のクレアチニンクリアランスを有する。いくつかの実施形態では、対象は、透析を必要とする末期腎疾患(ESRD)または腎不全を有さない。いくつかの実施形態では、方法は、化合物Iの投与後に、対象の血清クレアチニン(Scr)濃度の変化を監視することをさらに含む。いくつかのさらなる実施形態では、化合物Iの投与後に、対象のScrの増加が監視される。特定の一実施形態では、対象のScrは、ベースラインから≧0.3mg/dLの増加が測定される。別の実施形態では、対象のScrは、ベースラインから≧30%の増加率が測定される。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、対象のScrのベースラインからの変化率が、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、または200%を超える場合は、化合物Iの量を調整すること、または化合物I療法を中止することをさらに含む。あるいは、対象のScrのベースラインからの増加が、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、または4.0mg/dLを超える場合は、化合物Iの量を調整すること、または化合物I療法を中止することが必要とされ得る。いくつかの実施形態では、方法は、化合物I療法を中止するように対象に助言することをさらに含む。
【0053】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、抗線維化療法を対象に提供する方法であって、対象の腎機能を評価することと、化合物Iを服用しないように対象に助言することと、化合物I以外の抗線維化療法を提供することと、を含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象の腎機能が、抗線維化療法を対象に提供する前に評価される。いくつかの実施形態では、対象の腎機能が、抗線維化療法を対象に提供した後に評価される。いくつかの実施形態では、対象の腎機能が、抗線維化療法を対象に提供する前および後に評価される。
【0054】
本明細書に記載の方法の任意の実施形態では、対象は線維性疾患に罹患している。特定の一実施形態では、対象は特発性肺線維症(IPF)に罹患している。
【0055】
本開示のいくつかのさらなる実施形態は、薬学的組成物、添付文書、および容器を含むキットであって、薬学的組成物が治療有効量の化合物Iを含む、キットに関する。いくつかの実施形態では、添付文書が、薬学的組成物を食物と一緒に服用するように対象に助言する。いくつかのさらなる実施形態では、添付文書が、化合物Iと同時にプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用しないように対象に助言する。一実施形態では、添付文書が、PPIが4.0以上の24時間平均胃内pHを引き起こすことを避けるように助言する。別の実施形態では、添付文書が、PPIが3.0以上の24時間平均胃内pHを引き起こすことを避けるように助言する。一実施形態では、PPIは、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾール、およびデクスランソプラゾールから選択される。一実施形態では、PPIは、ラベプラゾールである。キットは、化合物Iを含む1つ以上の単位剤形を含んでもよい。単位剤形は経口製剤であってもよい。例えば、単位剤形は、丸剤、錠剤、またはカプセル剤を含んでもよい。キットは、複数の単位剤形を含んでもよい。いくつかの実施形態では、単位剤形は容器内にある。いくつかの実施形態では、剤形は、化合物Iまたはその薬学的に許容される塩を含む単一の経口剤形である。いくつかのさらなる実施形態では、添付文書が、医療提供者に、異常および/または副作用を監視し、腎機能障害を有する対象において必要に応じて投与量の変更を検討するか、または中止するように助言する。いくつかの実施形態では、異常および/または副作用は、正常範囲外の臨床検査値を含む。いくつかの実施形態では、正常範囲外の臨床検査値は、クレアチニンクリアランスである。いくつかの実施形態では、正常範囲外の臨床検査値は、血清クレアチニンである。いくつかのさらなる実施形態では、添付文書が、医療提供者に、薬学的組成物を、透析を必要とする末期腎疾患を有する対象に投与しないように助言する。いくつかのさらなる追加の実施形態では、添付文書が、軽度の腎機能障害を有する患者において用量調整が必要でないことを医療提供者に助言する。いくつかのさらなる追加の実施形態では、添付文書が、中等度から重度の腎機能障害を有する患者において薬学的組成物を慎重に使用する必要があることを医療提供者に助言する。いくつかのさらなる追加の実施形態では、添付文書が、中等度の腎機能障害を有する患者において薬学的組成物を慎重に使用する必要があることを医療提供者に助言する。いくつかのさらなる追加の実施形態では、添付文書が、重度の腎機能障害を有する対象に薬学的組成物を投与しないように医療提供者に助言する。
【0056】
本明細書に開示される方法、組成物およびキットは情報を含んでもよい。情報は、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関により規定された形態であってもよく、その通知はヒトまたは動物への投与のための薬物の形態の政府機関による認可を反映する。そのような情報は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局により認可されたラベル、または認可された製品挿入物であってもよい。情報は、用量および剤形、投与スケジュールおよび投与経路、有害事象、禁忌、警告および事前注意、薬物相互作用、ならびに特定の集団における使用(例えば、全体が参照により本明細書に組込まれる21 C.F.R.§201.57を参照されたい)に関する必要な情報を含み得、いくつかの実施形態では、薬物の販売のために薬物上に存在させるか、またはそれと関連させることが必要である。いくつかの実施形態では、キットは、米国食品医薬品局などの政府機関の認可を必要とし、その規制を受ける処方薬の販売のためのものである。いくつかの実施形態では、キットは、例えば、米国における、消費者へのキットの販売のための、FDAなどの当局により要求されるラベルまたは製品挿入物を含む。好ましい実施形態では、情報は、化合物Iを、食物、好ましくは食事と一緒に服用するように個人に指示する。情報はまた、化合物Iを服用するのと同時または前または後に、プロトンポンプ阻害薬を服用することを避けるように個人に指示してもよい。いくつかの実施形態では、情報は、医療提供者に、異常および/または副作用を監視し、腎機能障害を有する対象において必要に応じて投与量の変更または中止を検討するように指示し、かつ/または透析を必要とする末期腎疾患を有する対象に化合物Iを投与しないように指示する。いくつかの実施形態では、情報は、医療提供者に、異常および/または副作用を監視するように指示し、かつ軽度の腎機能障害を有する患者において用量調整が不要であることを指示する。いくつかの実施形態では、情報は、医療提供者に、異常および/または副作用を監視するように指示し、かつ中等度から重度の腎機能障害を有する患者において化合物Iを慎重に使用する必要があることを指示する。いくつかの実施形態では、情報は、医療提供者に、異常および/または副作用を監視するように指示し、かつ中等度の腎機能障害を有する患者において化合物Iを慎重に使用する必要があることを指示する。いくつかの実施形態では、情報は、医療提供者に、異常および/または副作用を監視するように指示し、かつ重度の腎機能障害を有する対象に薬学的組成物を投与しないように指示する。
【0057】
いくつかの実施形態は、食物と一緒に同量の化合物Iまたはその薬学的に許容される塩を服用することと比較して、化合物Iを食物と一緒に服用すると化合物Iまたはその薬学的に許容される塩のバイオアベイラビリティが増加するという情報を含み、好ましくは印刷される。
【0058】
説明書および/または情報は、好適な媒体もしくは基質(例えば、情報が印刷された1つもしくは複数の紙片)に印刷された情報、コンピューターで読み取り可能な媒体(例えば、情報が記録されたディスケット、CD等)、またはインターネットを介して接続可能なウェブサイトアドレスを含む種々の形態で存在してもよい。印刷された情報は、例えば、薬物製品に伴うラベルで提供されてもよく、薬物製品のための容器上に提供されてもよく、薬物製品と共に包装されてもよく、もしくは薬物製品と分けて別で患者に与えられてもよく、または患者が自主的に情報を入手することができる様式(例えば、ウェブサイト)で提供されてもよい。印刷された情報はまた、患者の治療に関与する医療従事者に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、情報は口頭で人に提供される。
【0059】
いくつかの実施形態は、商業的販売に適した治療用パッケージを含む。いくつかの実施形態は、容器を含む。容器は、任意の従来の形状または薬学的に許容される材料から作られた当分野で周知の形態、例えば、紙もしくは段ボール箱、ガラス製もしくはプラスチック製のボトルもしくはジャー、再密閉可能な袋(例えば、異なる容器に入れるための錠剤の「リフィル」を保持するため)、または治療スケジュールに従ってパックから押し出すための個々の用量を含むブリスターパック中にあってもよい。使用される容器は、含まれる正確な剤形に依存してもよく、例えば、従来の段ボール箱は、一般には、液体懸濁液を保持するために使用されないであろう。単一の剤形を市販するために単一の包装中に一緒に、2つ以上の容器を使用することができることが実現可能である。例えば、錠剤をボトルに含有させ、次いで箱の中に含有させてもよい。
【0060】
情報は、例えば、本明細書に記載の剤形を含有するボトルに接着して添付されるラベル(例えば処方ラベルまたは別のラベル)に記載することによって、単位用量パケットを含む箱の内などの、文書による包装挿入物として容器内に含めることによって、箱面に印刷するなど容器に直接適用することによって、または例えば、ヒモ、コードもしくは他の線、飾りひももしくはテザー型デバイスを介してボトルの首に固定された指示カードとして結ぶか、またはテープで固定することにより付着させることによって、容器に伴ってもよい。情報は、単位用量パックまたはブリスターパックまたはブリスターカード上に直接印刷されてもよい。
【0061】
薬学的組成物
いくつかの実施形態は、以下を含む薬学的組成物を含む。(a)安全かつ治療有効量の本明細書に記載の化合物I(多形体、およびそれらの溶媒和物を含む)、またはその医薬上許容される塩。 (b)薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組み合わせ。
【0062】
上記の有用な化合物は、様々な状態または障害の治療に使用するための薬学的組成物に製剤化することができる。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams&Wilkins(2005)に開示されているものなどの、標準的な薬学的製剤化技術を使用し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
上記の有用な選択された化合物に加えて、いくつかの実施形態は、薬学的に許容される担体を含有する組成物を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、哺乳動物への投与に適した、1つ以上の適合性の固体もしくは液体の充填希釈剤またはカプセル化物質を意味する。本明細書で使用される場合、「適合性」という用語は、組成物のその成分が、本発明の化合物と、および互いに、通常の使用状態で組成物の薬学的有効性を実質的に低下させる相互作用がないような様式で、混合可能であることを意味する。薬学的に許容される担体は、当然のことながら、これらが治療される好ましくは動物、好ましくは哺乳動物への投与に適するように、十分に高純度で、十分に低毒性でなければならない。
【0064】
薬学的に許容される担体には、例えば、固体または液体の充填剤、希釈剤、水溶性増大物質(hydrotropies)、界面活性剤、およびカプセル化物質が含まれる。薬学的に許容される担体またはその成分として役立ち得る物質のいくつかの例は、乳糖、グルコース、およびショ糖などの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固体滑沢剤;硫酸カルシウム;落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;TWEENなどの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;着香剤;錠剤化剤、安定化剤;抗酸化剤;保存剤;発熱性物質を含まない水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝溶液である。
【0065】
化合物の阻害活性を実質的に妨害しない、薬学的に活性な物質が任意で含まれてもよい。化合物と共に使用される担体の量は、化合物の単位用量当たりの投与のための物質の実用量を提供するのに十分な量である。本明細書に記載の方法において有用な剤形を調製するための技法および組成物は、以下の引用文献に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる:Modern Pharmaceutics, 4th Ed., Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, editors, 2002)、Liebermanら、Pharmaceutical
Dosage Forms: Tablets (1989)、およびAnsel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 8th Edition (2004)。
【0066】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤および原薬粉末などの固体形態を含む、様々な経口剤形を使用することができる。錠剤は、適当な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動性誘導剤(flow-inducing agents)、および融解剤を含有する、圧縮錠剤、湿製錠剤、腸溶錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、または多重圧縮錠剤であり得る。液体経口剤形には、適当な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、融解剤、着色剤および着香剤を含有する、水溶液、エマルジョン、懸濁液、非発泡性顆粒剤から再構成された溶液および/または懸濁液、ならびに発泡性顆粒剤から再構成された発泡性製剤が含まれる。
【0067】
経口投与用の単位剤形の調製に適した薬学的に許容される担体は、当技術分野において周知である。錠剤は、典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、乳糖およびセルロースなどの不活性希釈剤、デンプン、ゼラチンおよびショ糖などの結合剤、デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどの滑沢剤としての従来の薬学的に適合性の補助剤を含む。混合粉末の流動特性を改善するために、二酸化ケイ素などの流動促進剤を使用することができる。外観のために、FD&C色素などの着色剤を加えることができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、およびフルーツ風味などの甘味料および着香剤は、チュアブル錠のための有用な補助剤である。カプセル剤は、典型的には、1つ以上の上記固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、味、費用、および貯蔵中の安定性などの二次的考察に依存するが、これは重大ではなく、当業者であれば容易に行うことができる。
【0068】
経口組成物には、液剤、エマルジョン、懸濁剤なども含まれる。そのような組成物の調製に適した薬学的に許容される担体は、当技術分野において周知である。シロップ剤、エリキシル剤、エマルジョンおよび懸濁剤のための典型的な担体成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液状ショ糖、ソルビトールおよび水が含まれる。懸濁剤のために、典型的な懸濁化剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが含まれ、典型的な湿潤剤には、レシチンおよびポリソルベート80が含まれ、典型的な保存剤には、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが含まれる。経口液体組成物は、上記の甘味料、着香剤および着色剤などの1つ以上の成分も含有してもよい。
【0069】
そのような組成物はまた、本発明の化合物が所望の局所適用の近くで、または所望の作用を延長するため様々な時間に、消化管内に放出されるように、従来の方法、典型的にはpHまたは時間依存的コーティングによりコーティングされてもよい。そのような剤形は、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギットコーティング、ワックスおよびセラックの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書に記載の組成物は、他の活性薬物を任意で含んでもよい。
【0071】
当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく多数の様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。したがって、本明細書に開示された本発明の実施形態は例示にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図していないことを明確に理解されたい。本明細書で言及されたいずれの参考文献も、本明細書で論じられた物質のために、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0072】
健常成人対象80人において、化合物Iの第1相無作為化盲検プラセボ対照安全性、忍容性、および薬物動態試験を実施した。
【0073】
方法論
この試験は、健常人における化合物Iの単回投与(パートA)および反復投与(パートB)の安全性、忍容性、および薬物動態(PK)を評価するための無作為化盲検プラセボ対照上昇用量試験であった。さらに、単回用量の化合物Iの忍容性およびPKに対する、標準的な高脂肪の朝食、標準的な低脂肪の朝食、ならびにプロトンポンプ阻害薬(PPI)の前処置および同時投与の効果を、パートAの2つのグループで調べた。全ての対象は、適切な数の25mgか200mg錠剤のいずれかとして投与される、化合物Iの全用量を受けた。高脂肪の朝食は、以下を含んでいた:総エネルギー:895キロカロリー、総脂肪量:61g、総タンパク質:41g、総炭水化物:46g。低脂肪の朝食は、以下を含んでいた:総エネルギー:611キロカロリー、総脂肪量:14.7g、総タンパク質:20.3g、総炭水化物:106.3g。
【0074】
パートA-単回漸増投与(SAD):
パートAでは、56人の対象が6つのグループ(グループA1からA6)で試験され、グループA1、A2、A3、A5およびA6はそれぞれ8人の対象(6人は化合物Iを受け、2人はプラセボを受けた)からなり、グループA4は16人の対象(12人は化合物Iを受け、4人はプラセボを受けた)からなる。第1の用量グループ(A1)は、残りのグループの48時間前に投薬された2人の対象(1人の対象は化合物Iを受け、1人の対象はプラセボを受けた)のセンチネルコホートを含んだ。
【0075】
グループA1からA6の全ての対象は、治療期間1に参加し、絶食治療レジメンを受けた。治療期間1では、対象は、-1日目(投与前日)から4日目(投与後72時間)まで臨床研究ユニット(CRU)に居住した。治療期間1では、全ての用量を、少なくとも8時間の一晩絶食後に、1日目の朝に投与した。グループA1、A2、A3、およびA6において、各対象は、試験中、単回用量の化合物I(グループA1に25mg、グループA2に75mg、グループA3に200mg、およびグループA6に1600mg)またはプラセボ(無作為化スケジュールに従って)のみを受けた。
【0076】
グループA4については、治療期間1中の用量(400mgの化合物Iまたはプラセボ)を1日目の朝に絶食状態で投与した。治療期間2の用量を、1日目の朝に、高脂肪標準朝食を開始して30分後に、また完了して約10分以内に投与した。治療期間3中の用量を、1日目の朝に、低脂肪標準食を開始して30分後に、また完了して約10分以内に投与した。治療期間4中の用量は、一晩の絶食後、およびPPI(ラベプラゾール20mg)の3日間の投与後(3日間[QD]投与として与えられ、最終PPI用量は1日目の試験薬投与の2時間前)に投与された。グループA4の対象は、各対象が最大4の単回投与量の化合物Iまたはプラセボを受けるように、全ての治療期間において同じ化合物Iまたはプラセボ治療を受けた。
【0077】
グループA5については、治療期間1中の用量(800mgの化合物Iまたはプラセボ)を1日目の朝に絶食状態で投与し、治療期間2中の用量を1日目の朝に低脂肪標準朝食を開始して30分後に投与し、治療期間3中の用量を、1日目に、低脂肪食後およびPPI(ラベプラゾール20mg)の3日間の投与後(3QD投与として与えられ、最終PPI用量は1日目の試験薬投与の2時間前)に投与した。グループA5の対象は、各対象が最大3の単回投与量の化合物Iまたはプラセボを受けるように、全ての治療期間において同じ化合物Iまたはプラセボ治療を受けた。
【0078】
グループA4については、各対象は、それぞれ最低7日間で隔てられた、3つの追加の治療期間に参加した。グループA4は、治療期間2、3、および4の-1日目から4日目までCRUに居住した。グループA5については、各対象は、それぞれ最低7日間で隔てられた、2つの追加の治療期間に参加した。グループA5は、治療期間2および3の-1日目から4日目までCRUに居住した。全ての対象は、試験治療の最終投与後5~14日の間に追跡検診のために戻った。
【0079】
パートAでは、治療期間1の全用量を、少なくとも8時間の一晩絶食後に投与した。A4コホートについては、治療期間2および3において、用量は、高脂肪朝食または低脂肪朝食を開始して30分後および完了して約10分後に投与された。治療期間4では、用量は、一晩の絶食後およびPPI投与後に投与された(PPIは、-2日目に開始して、最終用量が1日目の化合物I投与の2時間前で、ラベプラゾール20mgを3回で構成された)。グループA5については、治療期間2中の用量を、1日目の朝に、低脂肪標準朝食を開始して30分後および完了して約10分後に投与し、治療期間3中の用量を、1日目に、低脂肪食後およびPPIの3日間の投与後(3QD投与として与えられ、最終PPI用量は1日目の試験薬投与の2時間前)に投与した。
【0080】
絶食状態での単回投与後の化合物IのPKパラメータの概要を表1にまとめる。
【表1】
【0081】
全ての用量についての血漿濃度対時間のプロットは、急速な吸収相によって特徴付けられた。Tmax中央値の結果は、1.3~2.5時間の範囲で全用量にわたってほぼ同様であったが、より高い用量レベル(200~1600mg)では個々のtmax範囲が増加する傾向があり、tmaxは、25mg用量と75mg用量との間で観察された2.5時間という最も遅い時点と比較して6時間遅く発生する。t1/2の平均は、25mgおよび75mg用量について類似しており、それぞれ3.6時間および5.0時間の値(2.1~9.6時間の範囲)であり、200、400、および800mgの用量では、それぞれ10.2、11.7、および11.3時間(4.1~27.0時間の範囲)に増加した。最も多い用量の1600mgでは、t1/2の幾何平均は、19.8時間(13.8~24.0時間の範囲)であった。
【0082】
用量正規化PKパラメータをANOVAを使用して分析した。AUCおよびCmaxに基づく、2つの最低用量レベル(25mgと75mg)の間の全身曝露の増加は線形PKと一致し、用量の3倍の増加が、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxにおいて、それぞれ2.9倍、2.8倍、および2.5倍の増加をもたらす。より多い用量レベルの200~800mgの間では、AUCおよびCmaxの値が比例的ではない形で増加する傾向があった。800mgの用量レベルでは、用量の32.0倍の増加により、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxにおいて、それぞれ16.4倍、17.1倍、および6.5倍の増加という結果になった。1600mgの投与後、800mgの投与と比較して、AUCおよびCmaxの有意な増加は無かった。
【0083】
摂食状態および絶食状態において、またラベプラゾール(PPI)と共に、400mgおよび800mgを単回投与した後の化合物IのPKパラメータの概要を以下の表2に示す。
【表2】
【0084】
食物効果
高脂肪食摂食状態で400mgの化合物Iを投与した後、低脂肪食摂食状態および絶食状態(tmaxの中央値2.5時間、1.0~4.3時間の範囲)と比較して、tmaxが1.0時間遅れた(tmaxの中央値3.5時間、1.5~6.0時間の範囲)。表2を参照されたい。Cmaxの達成後、血漿化合物I濃度は、絶食状態と摂食状態の両方において二相性の様式で減少した。全身曝露は高脂肪食摂食状態でより高く、絶食に対する摂食の割合が、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxについては、それぞれ149.0%、145.8%、および168.9%であった(表3)。低脂肪食摂食状態で400mgの化合物Iを投与した後、全身曝露が増加し、絶食に対する摂食の割合が、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxでは、それぞれ137.1%、134.7%、および164.4%であった(表3)。400mgの化合物Iにおける高脂肪食摂食状態と低脂肪食摂食状態との統計的比較は、同様の曝露を示し、AUC0-t、AUC0-∞
、およびCmaxについて、それぞれ108.7%、108.2%、および102.7%の割合であった(表3)。
【0085】
低脂肪食摂食状態で800mgの化合物Iを投与した後、tmaxの中央値は1.25時間遅延した。AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxによって測定される、低脂肪食摂食状態での化合物Iへの全身曝露は増加し、絶食に対する摂食の割合が、それぞれ214.0%、203.3%、および225.5%であった(表3)。
【0086】
400mgおよび800mgの化合物I両方の投与後、絶食状態において、わずかにより長いt1/2の傾向があり、t1/2の幾何平均値は、それぞれ11.7時間および11.3時間であった。これは、幾何平均が7.5~8.7時間の範囲である高脂肪食摂食状態および低脂肪食摂食状態との比較である。
【表3】
【0087】
プロトンポンプ阻害薬(PPI)効果
絶食状態で、20mgのラベプラゾール(QD×3)と組み合わせて400mgの化合物Iを単回投与後、化合物Iは、400mgの化合物Iを単独で投与した場合の結果(tmaxの中央値が2.5時間、1.0~4.3時間の範囲)と同様に、tmaxの中央値が2.5時間(1.5~4.0時間の範囲)となり急速に吸収された。Cmaxに達した後、化合物Iは、絶食状態単独で見られたものと同様の幾何平均t1/2で二相性低下を示し、それぞれ10.5時間および11.7時間であった。
【0088】
化合物I400mgの単回用量を、絶食状態でラベプラゾール(20mgQD×3)と組み合わせて投与した場合、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxが減少し、PPIを組み合わせない投与に対するPPIを組み合わせた投与の比が、それぞれ86.4%、87.2%、および83.6%であり、90%CIは全ての比較において100%を除いた(表4)。AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxに基づく対象間変動は、化合物Iを単独で投与した後および絶食状態でラベプラゾールと同時投与したときに低く、それぞれAUCについて19.0%~23.2%、Cmaxについて13.1%~19.3%の範囲であった(表2)。
【0089】
化合物I800mgの単回用量を、低脂肪食摂食状態でラベプラゾール(20mgQD×3)と組み合わせて投与した場合、AUC
0-t、AUC
0-∞、およびC
maxが減少し、PPIを組み合わせない投与に対するPPIを組み合わせた投与の比が、それぞれ76.5%、77.2%、および75.0%であった(表4)。これらの結果は、増加した胃のpH(胃酸の減少)が、化合物Iの吸収においていくつかの障害をもたらすことを示す。最高血漿中濃度までの時間は、ラベプラゾールとの同時投与後に遅延し、単独で投与した場合の1.8時間(1.5~4.0時間の範囲)と比較して、t
maxの中央値が3.0時間(2.5~4.0時間の範囲)であった。
【表4】
【0090】
パートB-反復漸増投与(MAD):
パートBでは、24人の対象が3つのグループ(グループB1からB3)で試験され、各グループは8人の対象からなった(6人は化合物Iを受け、2人はプラセボを受けた)。パートBの投与量、投与頻度、期間、および食事の状態は、パートAおよびBから入手可能なPK、安全性、および忍容性データの検討に基づいて決定された。
【0091】
パートBの全ての用量は、低脂肪食の投与後に投与された。グループB1およびグループB3では、化合物I(グループB1については200mg、グループB3については275mg)またはプラセボを、1~6日目に1日2回(BID)および7日目の朝に1回投与した。グループB2では、対象は、1~7日目に525mgの化合物IまたはプラセボのQD投与を受けた。
【0092】
パートBでは、各対象は1治療期間に参加した。対象は、-1日目(投与1日前)から10日目の朝(7日目の最終投与の72時間後)までCRUに居住した。全ての対象は、最終投与後5~14日の間に追跡検診のために戻った。
【0093】
パートBでは、全ての用量が、低脂肪食の後に投与された。1日目および7日目(投与後のPKサンプリングのある日)に、対象は投与の30分前に低脂肪朝食を開始し、食事を完了するために15分与えられ、投与は朝食終了後約15分で行われた。投与2~6日目に、対象は投与前1時間以内に朝食を完了させた。夕方の用量については、対象に標準的な食事を与え、投与の1~2時間前に食事を完了させた。
【0094】
200mg BID、275mg BID、および525mg QDで化合物Iを単回および反復投与した後、tmaxの中央値が投与後1日目に2.3~3.5時間、投与後7日目に2.8~4.0時間であり、化合物Iは容易に吸収された。7日目に、化合物Iの血漿濃度は、Cmaxの達成後に概ね二相性の様式で減少し、200mgおよび275mgのBID用量レベルでのt1/2幾何平均値は、それぞれ4.9時間(個々の値が3.5~6.3時間の範囲)および5.6時間(個々の値が3.6~12.1時間の範囲)であり、525mg QDでは6.3時間(個々の値が3.7~11.2時間の範囲)であった(表5)。
【0095】
200mg BIDおよび525mg QDの投与レジメンの間で、AUC
0-∞のほぼ用量比例的な増加があり、用量の2.6倍の増加が幾何平均AUC
0-∞の 2.5倍の増加をもたらした。200mgおよび275mgのBID用量では、用量の1.4倍の増加に対して幾何平均C
maxの1.2倍の増加があった。200mg BIDおよび275mg BIDならびに525mg QDの反復投与後、化合物Iの定常状態血漿濃度は、一般に2日以内に達成された。7日目に、反復BID投与後、化合物Iの蓄積のいくつかの証拠があり、200mg BID用量では幾何平均RA
AUC値が1.1(0.9~1.3の範囲)、275mgのBID用量レベルでは幾何平均RA
AUC値が1.5(1.1~1.9の範囲)、525mgのQD用量レベルでは幾何平均RA
AUC値が1.3(1.0~1.6の範囲)であった。異なる投与レジメンについて予想される通り、BID投与レジメンについてQDレジメンと比較して、より高いトラフ濃度が達成され、7日目の平均投与前化合物I濃度が、200mg BID、275mgBID、および525mg QD用量について、それぞれ1680、3260、および897ng/mLであった。
【表5】
【0096】
血清クレアチニン(Scr)の観察
試験の両方のパートにおける様々なPKパラメータの測定に加えて、対象の血清クレアチニン濃度の変化もまた、この試験において評価した。表6Aおよび表6Bは、該当する場合には、各処置グループにおけるSAD試験における対象についての平均のスクリーニングおよび投与前の値からの血清クレアチニンの濃度変化および変化率を要約する。表7Aおよび表7Bは、MAD試験における対象についての平均のスクリーニングおよび投与前の値からの血清クレアチニンの濃度変化および変化率を要約する。血清クレアチニンの正常の上限(ULN)を超える増加が、試験のパートA(SAD)およびパートB(MAD)の両方で観察された。試験のパートAでは、200mg以上の用量の曝露の約21%に変化が観察された。試験のパートBでは、全ての用量レベルにわたって対象の約56%に変化が観察された。MAD試験における対象の25%は、Scrにおいてベースラインからの≧0.3mg/dLの平均変化を有し、MAD試験における対象の50%は、ベースラインからの≧30%の平均変化率を有した。試験のパートBでは、2人の対象(275mg BID)が、5日目に臨床的に有意なクレアチニン増加のTEAEを経験した。試験のMADパートにおける、まとめたスクリーニングおよび投与前のベースラインからの血清クレアチニンの平均変化を
図1に示す。さらに、試験のMAD部分における、まとめたスクリーニングおよび投与前の濃度からのクレアチニン濃度の平均変化を
図2に示す。
【表6A】
【表6B】
【表7A】
【表7B】
【0097】
結論
化合物Iは、絶食状態において化合物Iの単回経口投与後に急速に吸収され、tmaxの中央値が1.3~2.5時間の範囲であった。幾何平均t1/2は、25mgおよび75mgの化合物Iの用量では同様であり、200mg用量レベルでの10.2時間から1600mg用量レベルでの19.8時間までの範囲の用量の増加で増加する傾向があった。
【0098】
全身曝露(CmaxおよびAUC)は、25~75mgでは用量比例的に増加し、その後200mg以上の用量では比例的増加よりも少ない増加が観察された。800~1600mgの用量では、AUCおよびCmaxの増加がなく、可飽和吸収を反映している。全身曝露における比例的増加よりも少ない増加は、尿中に排泄された化合物Iの割合の用量依存的減少(25mgでの76.9%から1600mgでの9.1%)によって反映されている。
【0099】
低脂肪食摂食状態では、化合物Iは、1.0~4.0時間の範囲のtmax値で急速に吸収された。高脂肪食摂食状態では、tmaxは増加し、1.5~6.0時間の範囲であった。高脂肪食摂食状態での化合物Iの投与は、絶食状態から、AUC0-∞およびAUC0-tにおいて、それぞれ45.8%および49.0%の増加、またCmaxにおいて68.9%の増加をもたらした。低脂肪食摂食状態での投与もまた全身曝露を増加させ、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxが、それぞれ37.1%、34.7%、および64.4%増加した。
【0100】
ラベプラゾールとの薬物-薬物相互作用が観察され、低脂肪食摂食状態でのラベプラゾール20mg(QD×3)の前処置および同時投与が、化合物I単独と比較して、AUC0-t、AUC0-∞、およびCmaxにおいて、それぞれ23.5%、22.8%、および25.0%の減少をもたらした。
【0101】
200mgおよび275mg BIDならびに525mg QDで化合物Iを反復投与した後、2日以内に定常状態に達した。7日目までに最小の蓄積の証拠があった(BIDレジメンについては1.1~1.5倍の蓄積、QDレジメンについては1.3倍の蓄積)。QD投与レジメンと比較して、BIDについては、より高いトラフおよびより低いピーク濃度が観察された。
【0102】
試験のパートBでは、2人の対象(275mg BID)が、5日目に臨床的に有意な血清クレアチニン濃度増加のTEAEを経験した。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
線維性疾患、炎症性疾患、または自己免疫疾患に罹患している対象を治療するための化合物Iを投与する方法であって、治療有効量の化合物Iを食物と組み合わせて投与することを含む、方法。
(項目2)
前記化合物Iの量が、1日当たり約10mg~約2000mgである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記化合物Iの量が、1日当たり約25mg~約1600mgである、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記化合物Iの量が、1日当たり、約25mg、約75mg、約200mg、約275mg、約400mg、約550mg、約575mg、約800mg、約1150mg、または約1600mgである、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
化合物Iが、1日1回投与される、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
化合物Iが、1日2回以上投与される、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記食物が、低脂肪食、中脂肪食または高脂肪食から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記食物が、高脂肪食である、項目7に記載の方法。
(項目9)
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の同時投与を避けることをさらに含む、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
化合物Iの投与前または投与後に、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の投与を避けることをさらに含む、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
化合物I療法における薬物バイオアベイラビリティを増加させる方法であって、
治療有効量の化合物Iを食物と一緒に対象に投与することを含み、化合物Iの前記バイオアベイラビリティが、食物なしで投与された同量の化合物Iのバイオアベイラビリティと比較して増加する、方法。
(項目12)
前記バイオアベイラビリティを増加させることが、化合物Iの最高血漿中濃度(Cmax)または吸収の程度(AUC0-tもしくはAUC0-∞)を増加させることを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記バイオアベイラビリティの増加が、化合物Iが食物と一緒に服用された場合、絶食状態の間に服用された同量の化合物Iと比較して、約20%~約250%の範囲のCmaxの増加を含む、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記Cmaxの増加が、約64%~約126%の範囲である、項目13に記載の方法。(項目15)
前記バイオアベイラビリティの増加が、化合物Iが食物と一緒に服用された場合、絶食状態の間に服用された同量の化合物Iと比較して、約20%~約250%の範囲のAUC0-tの増加を含む、項目11または12に記載の方法。
(項目16)
前記AUC0-tの増加が、約37%~約114%の範囲である、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記バイオアベイラビリティの増加が、化合物Iが食物と一緒に服用された場合、絶食状態の間に服用された同量の化合物Iと比較して、約20%~約250%の範囲のAUC0-∞の増加を含む、項目11または12に記載の方法。
(項目18)
前記AUC0-∞の増加が、約35%~約103%の範囲である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記化合物Iの量が、1日当たり約25mg~約1600mgである、項目11~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記化合物Iの量が、1日当たり、約25mg、約75mg、約200mg、約275mg、約400mg、約575mg、約800mg、または約1600mgである、項目11~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記化合物Iの量が、1日当たり約400mgまたは約800mgである、項目20に記載の方法。
(項目22)
化合物Iが、1日に少なくとも1回投与される、項目11~21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記食物が、低脂肪食、中脂肪食または高脂肪食から選択される、項目11~22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記食物が、高脂肪食である、項目23に記載の方法。
(項目25)
胃酸低減薬の同時投与を避けることをさらに含む、項目11~24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記胃酸低減薬が、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)、もしくは制酸薬、またはこれらの組み合わせから選択される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記胃酸低減薬が、PPIである、項目26に記載の方法。
(項目28)
化合物I療法を対象に提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを前記対象に提供することと、化合物Iと同時に胃酸低減薬を服用しないように前記対象に助言することと、を含む、方法。
(項目29)
前記胃酸低減薬が、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)、もしくは制酸薬、またはこれらの組み合わせから選択される、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記胃酸低減薬が、PPIである、項目29に記載の方法。
(項目31)
化合物Iを服用する前または後に前記胃酸低減薬を服用しないように前記対象に助言することをさらに含む、項目28~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
化合物Iを食物と一緒に服用するように前記対象に助言することをさらに含む、項目28~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記PPIが、ラベプラゾールである、項目29~32のいずれか一項に記載の方法。(項目34)
化合物I療法を提供するための方法であって、治療有効量の化合物Iを、4以下の胃内pHを有する対象に投与することを含む、方法。
(項目35)
前記対象が、3未満の胃内pHを有する、項目34に記載の方法。
(項目36)
化合物Iが、食物と一緒に投与される、項目34または35に記載の方法。
(項目37)
化合物I療法を対象に提供する方法であって、
前記対象の腎機能を評価することと、
治療有効量の化合物Iを前記対象に投与することと、を含む、方法。
(項目38)
前記対象の腎機能を評価することが、前記対象のクレアチニンクリアランス速度を決定することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記対象が、≧90mL/分のクレアチニンクリアランスを有する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記対象が、60~89mL/分のクレアチニンクリアランスを有する、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記対象が、30~59mL/分および<50mL/分のクレアチニンクリアランスを有する、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記対象が、15~29mL/分のクレアチニンクリアランスを有する、項目38に記載の方法。
(項目43)
前記対象が、透析を必要とする末期腎疾患を有していない、項目37~42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
化合物Iの前記投与後に、前記対象の血清クレアチニン(Scr)濃度の変化を監視することをさらに含む、項目37~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
化合物Iの前記量を調節すること、または化合物I療法を中止することをさらに含む、項目37~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記対象に化合物I療法を中止するように助言することをさらに含む、項目37~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
抗線維化療法を対象に提供する方法であって、
前記対象の腎機能を評価することと、
前記対象に化合物Iを服用しないように助言することと、
化合物I以外の抗線維化療法を提供することと、を含む、方法。
(項目48)
前記対象が、線維性疾患に罹患している、項目1~47のいずれか一項に記載の方法。(項目49)
前記対象が、特発性肺線維症(IPF)に罹患している、項目48に記載の方法。
(項目50)
薬学的組成物、添付文書、および容器を含むキットであって、前記薬学的組成物が治療有効量の化合物Iを含む、キット。
(項目51)
前記添付文書が、前記薬学的組成物を食物と一緒に服用するように対象に助言する、項目50に記載のキット。
(項目52)
前記添付文書が、化合物Iと同時に胃酸低減薬を服用しないように前記対象に助言する、項目50または51に記載のキット。
(項目53)
前記添付文書が、化合物Iと同時にプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用しないように前記対象に助言する、項目52に記載のキット。
(項目54)
前記添付文書が、医療提供者に、副作用を監視し、腎機能障害を有する対象において必要に応じて投与量の変更または中止を検討するように助言する、項目50に記載のキット。
(項目55)
前記添付文書が、医療提供者に、前記薬学的組成物を、透析を必要とする末期腎疾患を有する対象に投与しないように助言する、項目50に記載のキット。
(項目56)
前記薬学的組成物が、1単位当たり約25mg~約1600mgの化合物Iを含む単位剤形を含む、項目50~55のいずれか一項に記載のキット。