(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】給電装置、プログラム、システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240529BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240529BHJP
G06T 7/70 20170101ALI20240529BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20240529BHJP
【FI】
H02J50/90
G06T7/00 350B
G06T7/70 A
H02J50/30
(21)【出願番号】P 2022138708
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘道
(72)【発明者】
【氏名】林 英誉
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112117835(CN,A)
【文献】特開2019-013063(JP,A)
【文献】特開2021-129409(JP,A)
【文献】特開2016-174514(JP,A)
【文献】特開2008-245404(JP,A)
【文献】特開2019-126198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/90
G06T 7/00
G06T 7/70
H02J 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体である給電対象に無線給電する給電装置であって、
レーザ光を出力する出力部と
、
前記出力部を搭載する搭載部と、
前記給電装置
の前記給電対象と、前記レーザ光が照射されている照射領域とを含む撮像画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された複数の前記撮像画像のそれぞれに含まれ
る、前記給電対
象、前記給電対象が有するターゲット部の中心、前記照射領
域、及び前記照射領域の中心を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記給電対象と前記照射領域とがより重複した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の出力方向を制御する制御部と
を備
え、
前記特定部は、前記撮像画像に含まれる前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心との差分を特定し、
前記制御部は、前記差分が予め定められた差分閾値より短い場合に前記撮像画像と前記撮像画像より前のフレームの撮像画像とに基づいて算出された第1回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の角度を制御し、前記差分が前記差分閾値より長い場合に前記第1回転量及び前記差分に対応する第2回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の前記角度を制御することにより、前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心とがより一致した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の前記出力方向を制御する、
給電装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記照射領域の前記中心として、前記照射領域内の輝度値が上限に達している輝度値飽和領域の中心を特定する、請求
項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記ターゲット部を含む撮像画像と、当該撮像画像に含まれる前記ターゲット部の領域を示すターゲット領域情報とを含む学習データを格納する学習データ格納部と、
前記学習データ格納部に格納されている複数の前記学習データを教師データとして用いて、撮像画像から前記ターゲット部を特定するモデルを機械学習により生成するモデル生成部と
をさらに備え、
前記特定部は、前記モデル生成部によって生成された前記モデルを用いて、前記撮像部によって撮像された前記撮像画像から前記ターゲット部を特定する、
請求
項1に記載の給電装置。
【請求項4】
前記レーザ光の波長及び出力パワー、並びに、前記撮像画像に含まれる前記照射領域内の輝度値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記撮像部のパラメータを設定するパラメータ設定部をさらに備える、請求項1に記載の給電装置。
【請求項5】
前記パラメータ設定部は、前記撮像部のホワイトバランスを設定する、請求
項4に記載の給電装置。
【請求項6】
前記パラメータ設定部は、前記撮像部のISO感度を設定する、請求
項4に記載の給電装置。
【請求項7】
前記出力部は、赤色領域の波長の前記レーザ光を出力し、
前記撮像部は、可視光カメラである、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記出力部が第1出力パワーで前記レーザ光を出力している場合において、予め定められた期間の間、前記差分が前記差分閾値より短い状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングしている場合に、前記レーザ光の出力パワーを、前記第1出力パワーから前記第1出力パワーより大きい第2出力パワーに変更する、請求項1に記載の給電装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記出力部が第2出力パワーで前記レーザ光を出力している場合において、予め定められた期間の間、前記差分が前記差分閾値より長い状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングしている場合に、前記レーザ光の出力パワーを、前記第2出力パワーから前記第2出力パワーより小さい第1出力パワーに変更する、請求項1に記載の給電装置。
【請求項10】
前記給電対象のバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を受信する情報取得部
をさらに備え、
前記制御部は、前記給電対象の前記バッテリ残量が少ないほど大きい出力パワーで前記レーザ光を出力するように、前記レーザ光の出力パワーを制御する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項11】
前記給電対象のバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を受信する情報取得部
をさらに備え、
前記制御部は、前記給電対象の前記バッテリ残量が予め定められたバッテリ残量閾値より高い場合に第1出力パワーで前記レーザ光を出力し、前記給電対象の前記バッテリ残量が前記バッテリ残量閾値より低い場合に前記第1出力パワーより大きい第2出力パワーで前記レーザ光を出力するように、前記レーザ光の出力パワーを制御する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1か
ら11のいずれか一項に記載の給電装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1か
ら11のいずれか一項に記載の給電装置と、
前記給電対象と
を備える、システム。
【請求項14】
コンピュータによって実行される
、移動体である給電対象に無線給電する給電装置を制御する制御方法であって
、
前記給電装置
の前記給電対象と、前記給電装
置の搭載部に搭載された出力部によって出力されたレーザ光が照射されている照射領域とを含む撮像画像を撮像する撮像段階と、
前記撮像段階で撮像された複数の前記撮像画像のそれぞれに含まれ
る、前記給電対
象、前記給電対象が有するターゲット部の中心、前記照射領
域、及び前記照射領域の中心を特定する特定段階と、
前記特定段階で特定された前記給電対象と前記照射領域とがより重複した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の出力方向を制御する制御段階と
を備
え、
前記特定段階は、前記撮像画像に含まれる前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心との差分を特定する段階を有し、
前記制御段階は、前記差分が予め定められた差分閾値より短い場合に前記撮像画像と前記撮像画像より前のフレームの撮像画像とに基づいて算出された第1回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の角度を制御し、前記差分が前記差分閾値より長い場合に前記第1回転量及び前記差分に対応する第2回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の前記角度を制御することにより、前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心とがより一致した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の前記出力方向を制御する段階を有する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電装置、プログラム、システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像内の光源を含む光源領域を特定する画像処理プログラムを実行する実行手段を備えた画像処理装置が記載されている。特許文献2には、撮影された映像から画像認識により追尾対象を認識し、自動で追尾する自動追尾カメラシステムが記載されている。特許文献3には、追尾被写体の周辺に追尾被写体の色と類似の色を有する被写体が存在しても、追尾被写体の追尾を継続できる追尾装置が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2008-305081号公報
[特許文献2]特開2013-106266号公報
[特許文献2]特開2013-157725号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、給電装置が提供されてよい。前記給電装置は、レーザ光を出力する出力部を備えてよい。前記給電装置は、前記給電装置の給電対象と、前記レーザ光が照射されている照射領域とを含む撮像画像を撮像する撮像部を備えてよい。前記給電装置は、前記撮像部によって撮像された複数の前記撮像画像のそれぞれに含まれる前記給電対象及び前記照射領域を特定する特定部を備えてよい。前記給電装置は、前記特定部によって特定された前記給電対象と前記照射領域とがより重複した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の出力方向を制御する制御部を備えてよい。
【0004】
前記特定部は、前記複数の撮像画像のそれぞれに含まれる、前記給電対象が有するターゲット部の中心及び前記照射領域の中心を特定し、前記制御部は、前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心とがより一致した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の前記出力方向を制御してよい。
【0005】
前記いずれかの情報処理装置において、前記特定部は、前記照射領域の前記中心として、前記照射領域内の輝度値が上限に達している輝度値飽和領域の中心を特定してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理装置は、前記出力部を搭載する搭載部をさらに備えてよい。前記特定部は、前記撮像画像に含まれる前記ターゲット部の前記中心と前記照射領域の前記中心との差分を特定し、前記制御部は、前記差分に応じて前記搭載部の角度を制御することによって、前記レーザ光の前記出力方向を制御してよい。
【0007】
前記いずれかの情報処理装置において、前記制御部は、前記差分が予め定められた差分閾値より短い場合に前記撮像画像と前記撮像画像より前のフレームの撮像画像とに基づいて算出された第1回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の角度を制御し、前記差分が前記差分閾値より長い場合に前記第1回転量及び前記差分に対応する第2回転量で前記搭載部を回転させることによって前記搭載部の前記角度を制御してよい。
【0008】
前記いずれかの情報処理装置は、前記ターゲット部を含む撮像画像と、当該撮像画像に含まれる前記ターゲット部の領域を示すターゲット領域情報とを含む学習データを格納する学習データ格納部と、前記学習データ格納部に格納されている複数の前記学習データを教師データとして用いて、撮像画像から前記ターゲット部を特定するモデルを機械学習により生成するモデル生成部とをさらに備えてよい。前記特定部は、前記モデル生成部によって生成された前記モデルを用いて、前記撮像部によって撮像された前記撮像画像から前記ターゲット部を特定してよい。
【0009】
前記いずれかの情報処理装置は、前記レーザ光の波長及び出力パワー、並びに、前記撮像画像に含まれる前記照射領域内の輝度値のうちの少なくとも1つに基づいて、前記撮像部のパラメータを設定するパラメータ設定部をさらに備えてよい。
【0010】
前記いずれかの情報処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記撮像部のホワイトバランスを設定してよい。
【0011】
前記いずれかの情報処理装置において、前記パラメータ設定部は、前記撮像部のISO感度を設定してよい。
【0012】
前記いずれかの情報処理装置において、前記出力部は、赤色領域の波長の前記レーザ光を出力し、前記撮像部は、可視光カメラであってよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記給電装置として機能させるためのプログラムが提供されてよい。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供されてよい。システムは、前記給電装置を備えてよい。システムは、前記給電対象を備えてよい。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される、給電装置を制御する制御方法が提供されてよい。前記制御方法は、前記給電装置の給電対象と、前記給電装置に搭載された出力部によって出力されたレーザ光が照射されている照射領域とを含む撮像画像を撮像する撮像段階を備えてよい。前記制御方法は、前記撮像段階で撮像された複数の前記撮像画像のそれぞれに含まれる前記給電対象及び前記照射領域を特定する特定段階を備えてよい。前記制御方法は、前記特定段階で特定された前記給電対象と前記照射領域とがより重複した状態で前記レーザ光が前記給電対象をトラッキングするように、前記レーザ光の出力方向を制御する制御段階を備えてよい。
【0016】
尚、前記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】撮像部160によって撮像された撮像画像の一例を概略的に示す。
【
図3】給電装置100が出力部120によって出力されるレーザ光の出力方向を特定する一例を説明するための説明図である。
【
図4】撮像部160によって撮像された撮像画像の他の一例を概略的に示す。
【
図5】給電装置100が出力部120によって出力されるレーザ光の出力方向を制御する一例を説明するための説明図である。
【
図6】給電装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】給電装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図8】給電装置100の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
【
図9】給電装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
レーザ光を用いて無線給電する場合において、無線給電を開始する前にレーザ光を出力する光源装置を設置する段階で光源装置が傾いている状態で設置された場合や光源装置の設置位置が適切に調整できていない場合等に、レーザ光が照射される照射位置にズレが発生する。一実施形態に係るシステム10は、例えば、画像認識技術を用いて撮像画像から可視領域の波長のレーザ光が照射されている照射位置の座標を取得し、ターゲット中心と照射位置の座標との間のズレが予め定められた閾値以上離れている場合に、当該ズレの分を加算して光源装置の角度を制御するモーターを回転させることによって、照射位置を補正する。
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、給電装置100及び給電対象200を備えてよい。
【0021】
給電装置100は、給電対象200に無線給電してよい。給電装置100は、例えば、給電対象200が有する光発電パネル220にレーザ光122を照射することによって、給電対象200に無線給電してよい。
【0022】
給電装置100は、例えば、出力部120及び搭載部140を有してよい。給電装置100は、撮像部160をさらに有してよい。
【0023】
出力部120は、レーザ光122を出力してよい。出力部120は、例えば、可視光領域の波長のレーザ光122を出力してよい。出力部120は、例えば、赤色領域の波長のレーザ光122を出力してよい。出力部120は、赤外線領域の波長のレーザ光122を出力してもよい。
【0024】
出力部120は、例えば、レーザであってよい。出力部120は、例えば、固体レーザであってよい。出力部120は、例えば、半導体レーザ(Laser Diode;LD)であってよい。出力部120は、液体レーザや気体レーザであってもよい。出力部120は、波長可変レーザであってもよい。
【0025】
搭載部140は、出力部120を搭載してよい。搭載部140は、例えば、出力部120を回転させる回転台であってよい。搭載部140は、例えば、ジンバルであってよい。
【0026】
搭載部140は、例えば、給電装置100のロール軸を中心に出力部120を回転させてよい。搭載部140は、例えば、給電装置100のピッチ軸を中心に出力部120を回転させてよい。
図1に示す給電装置100の一例において、給電装置100のロール軸、ピッチ軸、及びヨー軸は、それぞれ、x軸、y軸、及びz軸であってよい。
【0027】
撮像部160は、撮像画像を撮像してよい。撮像部160は、例えば、給電装置100の給電対象200と、レーザ光122が照射されている照射領域とを含む撮像画像を撮像してよい。
【0028】
撮像画像は、例えば、静止画像であってよい。撮像画像は、動画像であってもよい。
【0029】
撮像部160は、出力部120によって出力されたレーザ光122を撮像可能な撮像装置であれば、どのような撮像装置であってもよい。撮像部160は、例えば、可視光カメラであってよい。撮像部160は、赤外線カメラであってもよい。撮像部160は、広角カメラであってもよい。
【0030】
撮像部160は、例えば、給電装置100と有線接続で接続されてよい。撮像部160は、給電装置100と無線接続で接続されてもよい。撮像部160と給電装置100との間の無線接続は、Wi-Fi(登録商標)、マイクロ波、光通信、Bluetooth(登録商標)、及びZigBee(登録商標)等の無線通信システムに準拠してよい。
【0031】
撮像部160は、例えば、出力部120の周囲に設置されてよい。撮像部160は、例えば、出力部120と平行な状態で出力部120の周囲に設置されてよい。尚、出力部120の周囲とは、出力部120からの距離が予め定められた距離より短い領域であってよい。撮像部160は、例えば、出力部120と同一高度に設置されてよい。
【0032】
給電装置100は、例えば、出力部120を制御する機能を有してよい。給電装置100は、例えば、出力部120によって出力されるレーザ光122の出力方向を制御してよい。給電装置100は、例えば、不図示のモーターを用いて搭載部140の角度を制御することによって、レーザ光122の出力方向を制御してよい。モーターは、例えば、ステッピングモーターであってよい。
【0033】
給電装置100は、例えば、撮像部160によって撮像された撮像画像に基づいて、レーザ光122の出力方向を制御してよい。例えば、給電装置100は、撮像部160によって撮像された複数の撮像画像のそれぞれに含まれる給電対象200及びレーザ光122の照射領域を特定してよい。給電装置100は、特定した給電対象200とレーザ光122の照射領域とがより重複した状態でレーザ光122が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光122の出力方向を制御してよい。
【0034】
給電装置100は、例えば、撮像画像に基づいて搭載部140を回転させる回転量を算出し、算出した回転量で搭載部140を回転させることによって、レーザ光122の出力方向を制御してよい。給電装置100は、例えば、現フレームの撮像画像と現フレームより前のフレームの撮像画像とに基づいて第1回転量を算出し、算出した第1回転量で搭載部140を回転させてよい。給電装置100は、現フレームに含まれる給電対象200とレーザ光122の照射領域との差分を特定し、必要に応じて、当該差分に対応する第2回転量を算出し、算出した第2回転量で搭載部140をさらに回転させてもよい。
【0035】
給電装置100は、例えば、給電対象200と無線通信する機能を有してよい。給電装置100と給電対象200との間の無線通信は、例えば、Wi-Fi、マイクロ波、光通信、Bluetooth、及びZigBee等の無線通信システムに準拠してよい。
【0036】
給電装置100は、例えば、部屋やオフィス等の天井や側壁に設置されてよい。給電装置100は、その他の任意の場所に設置されてもよい。給電装置100は、ドローン等の移動体に搭載されてもよい。
【0037】
給電対象200は、給電装置100による無線給電を受電してよい。給電対象200は、光発電パネル220を有してよい。
【0038】
給電対象200は、例えば、車両、ドローン等の飛行体、又は、ロボット等の移動体であってよい。給電対象200は、例えば、IoT(Internet of Thing)デバイスであってもよい。給電対象200は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びウェアラブル端末等であってよい。給電対象200は、例えば、PC(Personal Computer)であってよい。給電対象200は、IoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。給電対象200は、光発電パネルであってもよい。
【0039】
光発電パネル220は、光エネルギーを電気エネルギーに変換してよい。光発電パネル220は、例えば、給電対象200の上面に搭載されてよい。光発電パネル220は、給電対象200のその他の任意の場所に搭載されてもよい。
【0040】
光発電パネル220は、例えば、ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、例えば、シリコン(Si)系ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、例えば、化合物系ソーラーパネルであってもよい。光発電パネル220は、例えば、ガリウム(Ga)及びヒ素(As)を用いて形成されたGaAs系ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、例えば、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及びセレン(Se)を用いて形成されたCIGS系ソーラーパネルであってもよい。
【0041】
光発電パネル220の形状は、例えば、円形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、楕円形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、矩形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、正方形であってよい。光発電パネル220の形状は、その他の任意の形状であってもよい。
【0042】
レーザ光を用いて給電対象に無線給電する場合において、無線給電を開始する前に光源を設置する段階で光源が傾いている状態で設置された場合や光源の設置位置が適切に調整できていない場合等に、光源が出力するレーザ光の照射領域にズレが発生する。レーザ光が給電対象をトラッキングするための機構であるトラッキング機構をさらに用いて無線給電する場合でも、同様にして、無線給電を開始する前に光源及び撮像装置を設置する段階で光源及び撮像装置が平行な状態で設置されていない場合や光源や撮像装置の設置位置が適切に調整できていない場合等に、光源が出力するレーザ光の照射領域にズレが発生する。レーザ光の指向性が高いので、レーザ光の照射領域にズレが発生した場合に、レーザ光がターゲットの受光面全体に照射されない恐れがある。特に、光源からターゲットまでの距離が長い場合に、当該ズレが僅かであってもレーザ光がターゲットの受光面全体に照射されない恐れがある。また、撮像装置が広角カメラである場合に、撮像装置によって撮像された撮像画像の歪みに起因して、ターゲットの正確な位置を特定することができず、レーザ光がターゲットの受光面全体に照射されない恐れがある。レーザ光がターゲットの受光面全体に照射されない場合、レーザ光を用いた無線給電の給電効率が大幅に低下する。以上より、レーザ光がターゲットの受光面全体に照射されるようにレーザ光の照射領域をリアルタイムで補正することによって、レーザ光を用いた無線給電の給電効率の低下を防ぐことが望ましい。
【0043】
一実施形態に係るシステム10によれば、給電装置100は、撮像部160によって撮像された複数の撮像画像のそれぞれに含まれる給電対象200及びレーザ光122の照射領域を特定し、特定した給電対象200とレーザ光122の照射領域とがより重複した状態でレーザ光122が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光122の出力方向を制御してよい。給電装置100は、撮像部160によって撮像された複数の撮像画像から給電対象200の位置及びレーザ光122の照射領域の位置をリアルタイムに特定できるので、前述のようにレーザ光122の出力方向を制御することによって、レーザ光122が給電対象200の受光面全体に照射されるようにレーザ光122の照射領域をリアルタイムで補正できる。これにより、一実施形態に係るシステム10は、給電装置100がレーザ光122の照射位置をリアルタイムで補正することによって、給電効率の低下を防ぐことができる。
【0044】
図2は、撮像部160によって撮像された撮像画像の一例を概略的に示す。
図2では、給電装置100がレール50上を移動している車両である給電対象200に無線給電している間に撮像部160によって撮像された撮像画像の一例を主に説明する。
【0045】
図2によって示される撮像画像の一例において、撮像画像の中心が中心60であってよい。ここでは、撮像画像の座標系における中心60の座標が(X
C,Y
C)であるものとして、説明を続ける。
【0046】
図2によって示される撮像画像の一例において、出力部120によって出力されたレーザ光の照射領域が照射領域124であってよい。照射領域124の中心が中心128であってよい。
【0047】
給電対象200は、例えば、ターゲット部250を有してよい。ターゲット部250は、例えば、給電対象200が有する光発電パネル220の受光面の上方に設置されてよい。
【0048】
ターゲット部250は、例えば、ターゲット部250の中心255に拡散レンズを含んでよい。この場合、拡散レンズを通過したレーザ光が光発電パネル220に照射されてよい。ここでは、撮像画像の座標系における中心255の座標が(X1,Y1)であるものとして、説明を続ける。
【0049】
ターゲット部250は、例えば、拡散レンズの周囲にマークを含んでよい。当該マークは、ターゲット部250の視認性を高めるためのマークであってよい。
図2では、拡散レンズの周囲に4つの円形のマークを含むターゲット部250の一例を示している。
【0050】
給電装置100は、例えば、撮像画像に対して画像解析処理を実行することによって、中心60の座標(XC,YC)と中心255の座標(X1,Y1)との差分を特定してよい。給電装置100は、例えば、中心60の座標(XC,YC)と中心255の座標(X1,Y1)とのX軸方向の差分ΔX=X1-XC及びY軸方向の差分ΔY=Y1-YCをそれぞれ特定してよい。中心60の座標(XC,YC)と中心255の座標(X1,Y1)との差分は、ピクセル数によって表されてよい。
【0051】
図3は、給電装置100が出力部120によって出力されるレーザ光の出力方向を特定する一例を説明するための説明図である。
図3では、レーザ光の照射領域の中心が
図2のターゲット部250の中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向を給電装置100が特定する一例を主に説明する。
【0052】
図3の(a)によって示されるように、撮像部160のx座標がx
cである。x
cは、
図2の中心60のX座標であるX
Cに対応してよい。
図3の(b)によって示されるように、撮像部160のy座標がy
cである。y
cは、
図2の中心60のY座標であるY
Cに対応してよい。
図3の(a)及び
図3の(b)によって示されるように、出力部120及び撮像部160のz座標がhである。ここでは、撮像部160を設置した作業者が撮像部160を設置するときに撮像部160の設置位置の三次元座標(x
c,y
c,h)を給電装置100に登録したものとして、説明を続ける。
【0053】
図3の(a)によって示されるように、中心255のx座標がx
1である。x
1は、
図2の中心255のX座標であるX
1に対応してよい。
図3の(b)によって示されるように、中心255のy座標がy
1である。y
1は、
図2の中心255のY座標であるY
1に対応してよい。また、
図3の(a)及び
図3の(b)によって示されるように、中心255のz座標が0である。ここでは、給電対象200がz=0の平面内を移動するものとして、説明を続ける。
【0054】
給電装置100は、例えば、撮像画像から距離を算出する算出処理を実行することによって、
図2によって示される中心60の座標(X
C,Y
C)と中心255の座標(X
1,Y
1)との差分から、撮像部160と中心255との間のx軸方向の距離及びy軸方向の距離をそれぞれ算出してよい。給電装置100は、例えば、中心60の座標と中心255の座標とのX軸方向の差分ΔX=X
1-X
Cから撮像部160と中心255との間のx軸方向の距離Δx=x
1-x
c算出し、中心60の座標と中心255の座標とのY軸方向の差分ΔY=Y
1-Y
Cから撮像部160と中心255との間のy軸方向の距離Δy=y
1-y
cを算出してよい。
【0055】
撮像画像から距離を算出する算出処理は、(距離)=(1ピクセル当たりの距離)×(ピクセル数)であってよい。ここでは、撮像部160を設置した作業者が撮像部160を設置するときに1ピクセル当たりの距離を計測して給電装置100に登録したものとして、説明を続ける。
【0056】
給電装置100は、例えば、撮像部160と中心255との間のx軸方向の距離Δxと、出力部120と撮像部160との間のx軸方向の距離dxと、撮像部160のz座標hとに基づいて、レーザ光の照射領域の中心が中心255と一致する場合の出力部120の角度θxを算出してよい。給電装置100は、例えば、下記の数式によって、角度θxを算出してよい。
【0057】
【0058】
ここで、角度θxは、y軸を中心とした出力部120の回転角であり、-90°<θx<90°であってよい。
【0059】
給電装置100は、例えば、撮像部160と中心255との間のy軸方向の距離Δyと、出力部120と撮像部160との間のy軸方向の距離dyと、撮像部160のz座標hとに基づいて、レーザ光の照射領域の中心が中心255と一致する場合の出力部120の角度θyを算出してよい。給電装置100は、例えば、下記の数式によって、角度θyを算出してよい。
【0060】
【0061】
ここで、角度θyは、x軸を中心とした出力部120の回転角であり、-90°<θy<90°であってよい。
【0062】
給電装置100は、レーザ光の照射領域の中心が中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向が(θx,θy)であると特定してよい。給電装置100は、(θx,θy)に基づいて、レーザ光の出力方向を制御してよい。
【0063】
図4は、撮像部160によって撮像された撮像画像の他の一例を概略的に示す。
図4では、給電装置100が、撮像画像に対して画像解析処理を実行することによって、出力部120によって出力されるレーザ光の照射領域124の中心128を特定する場合の一例を主に説明する。
【0064】
図4の(a)は、
図2によって示される撮像画像の照射領域124を拡大した撮像画像である。
図4の(a)に示されるように、照射領域124は、輝度値が上限に達している領域である輝度値飽和領域126を含む。輝度値飽和領域126は、例えば、撮像画像において白飛びしている領域であってよい。
【0065】
給電装置100は、例えば、
図4の(a)の撮像画像に対して二値化処理を実行してよい。二値化処理は、例えば、撮像画像のうち、輝度値が予め定められた輝度値条件を満たす領域を白色で表示し、輝度値条件を満たさない領域を黒色で表示する画像処理であってよい。輝度値条件は、例えば、輝度値が上限に達していることであってよい。輝度値条件は、輝度値が予め定められた輝度値閾値より高いことであってもよい。
【0066】
図4の(b)は、輝度値が上限に達していることを輝度値条件として、給電装置100が
図4の(a)の撮像画像に対して二値化処理を実行した後の撮像画像である。
図4の(b)に示されるように、撮像画像のうち、輝度値飽和領域126が白色で表示され、輝度値飽和領域126以外の領域を黒色で表示される。
【0067】
給電装置100は、例えば、
図4の(b)によって示される二値化処理後の撮像画像に基づいて、照射領域124の中心として、輝度値飽和領域126の中心を特定してよい。尚、給電装置100は、
図4の(a)によって示される撮像画像に基づいて、照射領域124の中心を特定してもよい。
【0068】
図5は、給電装置100が出力部120によって出力されるレーザ光の出力方向を制御する一例を説明するための説明図である。
図5では、ターゲット部250の中心255とレーザ光の照射領域の中心128とがより一致した状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、給電装置100がレーザ光の出力方向を制御する場合の一例を主に説明する。
【0069】
図5の(a)は、撮像部160によって撮像された撮像画像の他の一例である。ここでは、
図5の(a)に示される撮像画像における中心255の座標及び中心128の座標がそれぞれ(X
Tn,Y
Tn)及び(X
Ln,Y
Ln)であり、当該撮像画像より1フレーム前の撮像画像における中心255の座標が(X
Tn-1,Y
Tn-1)であるものとして、説明を続ける。
【0070】
給電装置100は、例えば、レーザ光の照射領域の中心が
図5の(a)に示される撮像画像が撮像されたときの中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向(θ
xTn,θ
yTn)を特定してよい。給電装置100は、例えば、
図3で前述された方法と同様の方法で、当該撮像画像における中心255の座標(X
Tn,Y
Tn)から(θ
xTn,θ
yTn)を特定してよい。
【0071】
給電装置100は、例えば、レーザ光の照射領域の中心が
図5の(a)に示される撮像画像より1フレーム前の撮像画像が撮像されたときの中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向(θ
xTn-1,θ
yTn-1)を特定してよい。給電装置100は、例えば、
図3で前述された方法と同様の方法で、当該撮像画像における中心255の座標(X
Tn-1,Y
Tn-1)から(θ
xTn-1,θ
yTn-1)を特定してよい。
【0072】
給電装置100は、例えば、特定した(θxTn,θyTn)と(θxTn-1,θyTn-1)とに基づいて、第1回転量を算出してよい。給電装置100は、例えば、第1回転量のうちy軸を中心とした回転量がθxTn-θxTn-1であると算出し、第1回転量のうちx軸を中心とした回転量がθyTn-θyTn-1であると算出してよい。
【0073】
その後、給電装置100は、
図5の(a)に示される撮像画像における中心255の座標(X
Tn,Y
Tn)と中心128の座標(X
Ln,Y
Ln)との差分ΔDを特定してよい。ここで、中心255のX座標X
Tnと中心128のX座標X
Lnとの差分X
Ln-X
TnをΔD
Xとし、中心255のY座標Y
Tnと中心128のY座標Y
Lnとの差分Y
Ln-Y
TnをΔD
Yとすると、ΔD
2=ΔD
X
2+ΔD
Y
2の関係が成り立つ。ここでは、ΔDが予め定められた差分閾値より短いものとして、説明を続ける。
【0074】
給電装置100は、ΔDが差分閾値より短いので、搭載部140を第1回転量からさらに回転させないと決定してよい。したがって、給電装置100が
図5の(a)に示される撮像画像に基づいてレーザ光の出力方向を制御する場合、給電装置100は、中心255と中心128とがより一致した状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、第1回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0075】
図5の(b)は、撮像部160によって撮像された撮像画像の他の一例である。ここでは、
図5の(b)に示される撮像画像における中心255の座標及び中心128の座標がそれぞれ(X'
Tn,Y'
Tn)及び(X'
Ln,Y'
Ln)であり、当該撮像画像より1フレーム前に撮像された撮像画像における中心255の座標が(X'
Tn-1,Y'
Tn-1)であるものとして、説明を続ける。
【0076】
給電装置100は、例えば、レーザ光の照射領域の中心が
図5の(b)に示される撮像画像が撮像されたときの中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向(θ'
xTn,θ'
yTn)を特定してよい。給電装置100は、例えば、
図3で前述された方法と同様の方法で、当該撮像画像における中心255の座標(X'
Tn,Y'
Tn)から(θ'
xTn,θ'
yTn)を特定してよい。
【0077】
給電装置100は、例えば、レーザ光の照射領域の中心が
図5の(b)に示される撮像画像より1フレーム前の撮像画像が撮像されたときの中心255と一致する場合のレーザ光の出力方向(θ'
xTn-1,θ'
yTn-1)を特定してよい。給電装置100は、例えば、
図3で前述された方法と同様の方法で、当該撮像画像における中心255の座標(X'
Tn-1,Y'
Tn-1)から(θ'
xTn-1,θ'
yTn-1)を特定してよい。
【0078】
給電装置100は、例えば、特定した(θ'xTn,θ'yTn)と(θ'xTn-1,θ'yTn-1)とに基づいて、第1回転量を算出してよい。給電装置100は、例えば、第1回転量のうちy軸を中心とした回転量がθ'xTn-θ'xTn-1であると算出し、第1回転量のうちx軸を中心とした回転量がθ'yTn-θ'yTn-1であると算出してよい。
【0079】
その後、給電装置100は、
図5の(b)に示される撮像画像における中心255の座標(X'
Tn,Y'
Tn)と中心128の座標(X'
Ln,Y'
Ln)との差分ΔD'を特定してよい。ここで、中心255のX座標X'
Tnと中心128のX座標X'
Lnとの差分X'
Ln-X'
TnをΔD'
Xとし、中心255のY座標Y'
Tnと中心128のY座標Y'
Lnとの差分Y'
Ln-Y'
TnをΔD'
Yとすると、ΔD'
2=ΔD'
X
2+ΔD'
Y
2の関係が成り立つ。ここでは、ΔD'が差分閾値より長いものとして、説明を続ける。
【0080】
給電装置100は、ΔD'が差分閾値より長いので、搭載部140を第1回転量からさらに回転させると決定してよい。この場合、給電装置100は、ΔD'に対応する第2回転量を算出してよい。
【0081】
給電装置100は、例えば、第2回転量を算出すべく、
図5の(b)に示される撮像画像が撮像されたときのレーザ光の出力方向(θ'
xLn,θ'
yLn)を特定してよい。給電装置100は、例えば、
図3で前述された方法と同様の方法で、当該撮像画像における中心128の座標(X'
Ln,Y'
Ln)から(θ'
xLn,θ'
yLn)を特定してよい。
【0082】
給電装置100は、例えば、特定した(θ'xTn,θ'yTn)と(θ'xLn,θ'yLn)とに基づいて、ΔD'に対応する第2回転量を算出してよい。給電装置100は、例えば、第2回転量のうちΔD'Xに対応するy軸を中心とした回転量がθ'xLn-θ'xTnであると算出し、第2回転量のうちΔD'Yに対応するx軸を中心とした回転量がθ'yLn-θ'yTnであると算出してよい。
【0083】
給電装置100は、算出した第1回転量及び第2回転量で搭載部140を回転させてよい。したがって、給電装置100が
図5の(b)に示される撮像画像に基づいてレーザ光の出力方向を制御する場合、給電装置100は、ターゲット部250の中心255と照射領域124の中心128とがより一致した状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、第1回転量及び第2回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0084】
図6は、給電装置100の機能構成の一例を概略的に示す。給電装置100は、情報格納部102、情報取得部104、特定部106、制御部108、学習データ格納部110、モデル生成部112、モデル格納部114、モデル取得部116、パラメータ設定部118、出力部120、及び撮像部160を備えてよい。尚、給電装置100がこれらの全ての構成を有することが必須とは限らない。
【0085】
情報格納部102は、各種情報を格納してよい。情報格納部102は、例えば、撮像部160の設置位置を示す設置位置情報を格納してよい。撮像部160の設置位置は、例えば、三次元座標によって表されてよい。情報格納部102は、例えば、撮像部160によって撮像された撮像画像における1ピクセル当たりの距離を示すピクセル距離情報を格納してよい。情報格納部102は、輝度値条件を格納してもよい。
【0086】
情報取得部104は、各種情報を取得してよい。情報取得部104は、例えば、外部装置から各種情報を受信することによって、各種情報を取得してよい。情報取得部104は、給電装置100が備える入力部が給電装置100のユーザによる各種情報の入力を受け付けることによって、各種情報を取得してもよい。情報取得部104は、取得した各種情報を情報格納部102に格納してよい。
【0087】
情報取得部104は、例えば、給電対象200から、各種情報を受信してよい。情報取得部104は、例えば、給電対象200から、給電装置100と給電対象200との間に確立されている無線通信接続を介して、各種情報を受信してよい。情報取得部104は、例えば、給電対象200から、給電対象200のバッテリ残量を示すバッテリ残量情報を受信してもよい。
【0088】
特定部106は、情報格納部102に格納されている、撮像部160によって撮像された撮像画像に含まれる特定対象を特定してよい。特定部106は、例えば、撮像画像に含まれる給電対象200及び出力部120によって出力されたレーザ光の照射領域を特定してよい。特定部106は、例えば、撮像画像に対して画像解析処理を実行することによって、撮像画像に含まれる給電対象200及びレーザ光の照射領域を特定してよい。特定部106は、例えば、複数の撮像画像のそれぞれに含まれる給電対象200及びレーザ光の照射領域を特定してよい。
【0089】
特定部106は、例えば、撮像画像に含まれる、給電対象200が有するターゲット部250の中心及びレーザ光の照射領域の中心を特定してよい。特定部106は、例えば、撮像画像に対して画像解析処理を実行することによって、ターゲット部250の中心及びレーザ光の照射領域の中心を特定してよい。特定部106は、例えば、複数の撮像画像のそれぞれに含まれる、ターゲット部250の中心及びレーザ光の照射領域の中心を特定してよい。
【0090】
特定部106は、例えば、撮像画像に含まれるターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との差分を特定してよい。特定部106は、例えば、ターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との撮像画像の座標系における第1軸方向の差分及びターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との第1軸に対して垂直な撮像画像の座標系における第2軸方向の差分を特定することによって、ターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との差分を特定してよい。
【0091】
特定部106は、例えば、レーザ光の照射領域内の輝度値飽和領域を特定してよい。特定部106は、例えば、情報格納部102に格納されている輝度値条件に基づいて撮像画像に対して二値化処理を実行することによって、レーザ光の照射領域内の輝度値飽和領域を特定してよい。特定部106は、例えば、レーザ光の照射領域の中心として、レーザ光の照射領域内の輝度値飽和領域の中心を特定してよい。
【0092】
特定部106は、例えば、撮像画像と、情報格納部102に格納されている設置位置情報及びピクセル距離情報とに基づいて、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向を特定してよい。例えば、特定部106は、設置位置情報によって示される撮像部160の設置位置に対応する当該撮像画像の中心と当該撮像画像に含まれるターゲット部250の中心との差分と、ピクセル距離情報によって示される当該撮像画像における1ピクセル当たりの距離とから、撮像部160とターゲット部250の中心との間の、給電装置100のロール軸方向の距離及び給電装置100のピッチ軸方向の距離をそれぞれ算出してよい。特定部106は、例えば、当該撮像画像の中心と当該撮像画像に含まれるターゲット部250の中心との第1方向の差分と、ピクセル距離情報によって示される当該撮像画像における1ピクセル当たりの距離とから、第1軸方向に対応する、撮像部160とターゲット部250の中心との間の給電装置100のロール軸方向の距離を算出してよい。特定部106は、同様にして、当該撮像画像の中心と当該撮像画像に含まれるターゲット部250の中心との第2方向の差分と、ピクセル距離情報によって示される当該撮像画像における1ピクセル当たりの距離とから、第2軸方向に対応する、撮像部160とターゲット部250の中心との間の給電装置100のピッチ軸方向の距離を算出してよい。
【0093】
その後、特定部106は、撮像部160とターゲット部250の中心との間の給電装置100のロール軸方向の距離と、出力部120と撮像部160との間の給電装置100のロール軸方向の距離と、撮像部160の設置高度とに基づいて、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合の、給電装置100のピッチ軸を中心とした出力部120のピッチ軸回転角を算出してよい。特定部106は、同様にして、撮像部160とターゲット部250の中心との間の給電装置100のピッチ軸方向の距離と、出力部120と撮像部160との間の給電装置100のピッチ軸方向の距離と、撮像部160の設置高度とに基づいて、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合の、給電装置100のロール軸を中心とした出力部120のロール軸回転角を算出してよい。特定部106は、出力部120のピッチ軸回転角及びロール軸回転角から、レーザ光の照射領域の中心がターゲット部250の中心と一致するときのレーザ光の出力方向を特定してよい。
【0094】
特定部106は、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向を特定する場合と同様にして、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときの給電対象200の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向を特定してもよい。特定部106は、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向を特定する場合と同様にして、当該撮像画像が撮像されたときのレーザ光の出力方向を特定してもよい。
【0095】
制御部108は、出力部120を制御してよい。制御部108は、例えば、出力部120を定期的に制御してよい。制御部108は、例えば、撮像部160のフレーム毎に出力部120を制御してよい。例えば、撮像部160のフレームレートが30fps(frames per second)である場合、制御部108は、出力部120を1秒間に30回制御してよい。
【0096】
制御部108は、例えば、出力部120によって出力されるレーザ光の出力方向を制御してよい。制御部108は、例えば、出力部120を搭載した搭載部140の角度を制御することによって、レーザ光の出力方向を制御してよい。
【0097】
制御部108は、例えば、出力部120によって出力されたレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光の出力方向を制御してよい。制御部108は、例えば、特定部106によって特定された給電対象200とレーザ光の照射領域とがより重複した状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光の出力方向を制御してよい。制御部108は、例えば、特定部106によって特定されたターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心とがより一致した状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光の出力方向を制御してよい。
【0098】
制御部108は、例えば、レーザ光の出力方向を制御すべく、第1回転量を算出してよい。制御部108は、例えば、特定部106によって特定された、レーザ光の照射領域の中心が、撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像より前のフレームの撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向とに基づいて、第1回転量を算出してよい。制御部108は、例えば、給電装置100のピッチ軸と中心としたピッチ軸回転量及び給電装置100のロール軸と中心としたロール軸回転量をそれぞれ算出することによって、第1回転量を算出してよい。制御部108は、同様にして、特定部106によって特定された、レーザ光の照射領域の中心が、撮像画像が撮像されたときの給電対象200の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像より前のフレームの撮像画像が撮像されたときの給電対象200の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向とに基づいて、第1回転量を算出してよい。制御部108は、算出した第1回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0099】
当該撮像画像より前のフレームの撮像画像は、例えば、当該撮像画像より1フレーム前の撮像画像であってよい。当該撮像画像より前のフレームの撮像画像は、当該撮像画像より2フレーム以上前の撮像画像であってもよい。
【0100】
制御部108は、例えば、特定部106によって特定された、撮像部160によって撮像された撮像画像に含まれるターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との差分に応じて搭載部140の角度を制御することによって、レーザ光の出力方向を制御してよい。例えば、制御部108は、当該差分が情報格納部102に格納されている差分閾値より短い場合に当該撮像画像と当該撮像画像より前のフレームの撮像画像とに基づいて算出された第1回転量で搭載部140を回転させることによって搭載部140の角度を制御してよい。一方で、制御部108は、当該差分が差分閾値より長い場合に第1回転量及び当該差分に対応する第2回転量で搭載部140を回転させることによって搭載部140の角度を制御してよい。
【0101】
制御部108は、当該差分が差分閾値より長い場合と判定したことに応じて、レーザ光の出力方向を制御すべく、第2回転量を算出してよい。制御部108は、例えば、特定部106によって特定された、レーザ光の照射領域の中心が、撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、当該撮像画像が撮像されたときのレーザ光の出力方向とに基づいて、第2回転量を算出してよい。制御部108は、例えば、給電装置100のピッチ軸回転量及びロール軸回転量をそれぞれ算出することによって、第2回転量を算出してよい。制御部108は、同様にして、特定部106によって特定された、レーザ光の照射領域の中心が、撮像画像が撮像されたときの給電対象200の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、当該撮像画像が撮像されたときのレーザ光の出力方向とに基づいて、第2回転量を算出してよい。制御部108は、算出した第2回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0102】
第2回転量のピッチ軸回転量の回転方向は、第1回転量のピッチ軸回転量の回転方向と同一であってもよく、第1回転量のピッチ軸回転量の回転方向と逆方向であってもよい。第2回転量のロール軸回転量の回転方向は、第1回転量のロール軸回転量の回転方向と同一であってもよく、第1回転量のロール軸回転量の回転方向と逆方向であってもよい。
【0103】
制御部108は、ミラーやプリズム等の光学素子を含み得る出力部120の光学系を制御することによって、レーザ光の出力方向を制御してもよい。この場合、制御部108は、搭載部140の角度を制御することによってレーザ光の出力方向を制御する場合と同様にして、出力部120によって出力されたレーザ光が給電対象200をトラッキングするように、レーザ光の出力方向を制御してよい。
【0104】
制御部108は、出力部120がレーザ光を出力する出力パワーを制御してもよい。制御部108は、例えば、情報格納部102に格納されているバッテリ残量情報によって示される給電対象200のバッテリ残量に基づいて、出力パワーを制御してよい。制御部108は、例えば、給電対象200のバッテリ残量が少ないほど大きい出力パワーでレーザ光を出力するように、出力パワーを制御してよい。制御部108は、例えば、給電対象200のバッテリ残量が情報格納部102に予め格納されているバッテリ残量閾値より高い場合に第1出力パワーでレーザ光を出力し、給電対象200のバッテリ残量がバッテリ残量閾値より低い場合に第1出力パワーより大きい第2出力パワーでレーザ光を出力するように、出力パワーを制御してよい。
【0105】
制御部108は、例えば、レーザ光が給電対象200をトラッキングしたトラッキング結果に基づいて、出力パワーを制御してもよい。制御部108は、例えば、出力部120が第1出力パワーでレーザ光を出力している場合において、予め定められた期間の間、撮像画像に含まれるターゲット部250の中心とレーザ光の照射領域の中心との差分が情報格納部102に予め格納されている差分閾値より短い状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングしている場合に、出力パワーを第1出力パワーから第2出力パワーに変更してよい。制御部108は、例えば、出力部120が第2出力パワーでレーザ光を出力している場合において、予め定められた期間の間、当該差分が差分閾値より長い状態でレーザ光が給電対象200をトラッキングしている場合に、出力パワーを第2出力パワーから第1出力パワーに変更してよい。
【0106】
制御部108は、出力部120が波長可変レーザである場合、出力部120によって出力されるレーザ光の波長を制御してもよい。この場合、制御部108は、例えば、撮像画像内のレーザ光の照射領域の視認性が高くなるように、レーザ光の波長を制御してよい。
【0107】
情報取得部104は、給電対象200のターゲット部250を含む撮像画像と、当該撮像画像に含まれるターゲット部250の領域を示すターゲット領域情報とを含む学習データを取得してもよい。学習データに含まれる撮像画像は、例えば、撮像部160によって撮像された撮像画像であってよい。学習データに含まれる撮像画像は、撮像部160以外の任意の撮像装置によって撮像された撮像画像であってもよい。情報取得部104は、取得した学習データを学習データ格納部110に格納してよい。
【0108】
モデル生成部112は、撮像画像から給電対象200のターゲット部250を特定するモデルを機械学習により生成してよい。モデル生成部112は、例えば、学習データ格納部110に格納されている複数の学習データを教師データとして用いて、撮像画像からターゲット部250を特定するモデルを機械学習により生成してよい。モデル生成部112は、生成したモデルをモデル格納部114に格納してよい。
【0109】
モデル取得部116は、撮像画像から給電対象200のターゲット部250を特定するモデルを取得してよい。モデル取得部116は、例えば、外部装置からインターネットや通信事業者によって提供されるコアネットワークを含み得るネットワークを介してモデルを受信することによって、モデルを取得してよい。モデル取得部116は、給電装置100が備える入力部が給電装置100のユーザによるモデルの入力を受け付けることによって、モデルを取得してよい。モデル取得部116は、取得したモデルをモデル格納部114に格納してよい。
【0110】
特定部106は、モデル生成部112によって生成されたモデルを用いて、撮像部160によって撮像された撮像画像からターゲット部250を特定してもよい。特定部106は、モデル取得部116によって取得されたモデルを用いて、撮像部160によって撮像された撮像画像からターゲット部250を特定してもよい。
【0111】
パラメータ設定部118は、撮像部160のパラメータを設定してよい。パラメータ設定部118は、例えば、出力部120によって出力されるレーザ光の波長及び出力パワー、並びに、撮像部160によって撮像された撮像画像に含まれる照射領域内の輝度値のうちの少なくとも1つに基づいて、撮像部160のパラメータを設定してよい。
【0112】
パラメータ設定部118は、例えば、撮像画像内のレーザ光の照射領域の視認性が高くなるように、撮像部160のパラメータを設定してよい。パラメータ設定部118は、レーザ光の照射領域内の輝度値飽和領域の視認性が高くなるように、撮像部160のパラメータを設定してもよい。
【0113】
パラメータ設定部118は、例えば、撮像部160のホワイトバランスを設定してよい。パラメータ設定部118は、例えば、撮像部160のISO感度を設定してよい。パラメータ設定部118は、撮像部160のその他の任意のパラメータを設定してもよい。
【0114】
図7は、給電装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
図7では、出力部120のレーザ光の出力方向を制御している状態を開始状態として説明する。
【0115】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、情報取得部104は、撮像部160によって撮像された撮像画像を取得してよい。S104において、制御部108は、レーザ光の照射領域の中心が、S102で情報取得部104が取得した撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像より前のフレームの撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向とに基づいて、第1回転量を算出してよい。
【0116】
S106において、特定部106は、S102で情報取得部104が取得した撮像画像に含まれる、給電対象200が有するターゲット部250の中心及びレーザ光の照射領域の中心を特定してよい。特定部106は、ターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分をさらに特定してよい。
【0117】
S108において、制御部108は、S106で特定部106が特定したターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分が情報格納部102に格納されている差分閾値より短いか否かを判定してよい。当該差分が差分閾値より短いと制御部108が判定した場合、S110に進んでよい。当該差分が差分閾値より長いと制御部108が判定した場合、S112に進んでよい。
【0118】
S110において、制御部108は、S104で算出された第1回転量で搭載部140を回転させてよい。S112において、制御部108は、S106で特定部106によって特定されたターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分に対応する第2回転量を算出してよい。S114において、制御部108は、S104で算出された第1回転量及びS112で算出された第2回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0119】
S116において、情報取得部104が終了指示を取得していない場合、S102に戻ってよい。S116において、情報取得部104が終了指示を取得した場合、給電装置100は、レーザ光の出力方向の制御を終了してよい。
【0120】
図7に示される給電装置100の処理の流れの一例において、S116の処理を、情報取得部104が給電対象200からバッテリ残量情報を受信する処理及びバッテリ残量情報によって示される給電対象200のバッテリ残量が情報格納部102に格納されているバッテリ残量閾値より多いか否かを制御部108が判定する処理に置き換えてもよい。この場合、給電対象200のバッテリ残量がバッテリ残量閾値より少ないと制御部108が判定した場合にS102戻り、給電対象200のバッテリ残量がバッテリ残量閾値より多いと制御部108が判定した場合に給電装置100はレーザ光の出力方向の制御を終了してよい。
【0121】
図8は、給電装置100の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
図8では、出力部120のレーザ光の出力方向を制御している状態を開始状態として説明する。
【0122】
S202において、情報取得部104は、撮像部160によって撮像された撮像画像を取得してよい。S204において、制御部108は、レーザ光の照射領域の中心が、S202で情報取得部104が取得した撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向と、レーザ光の照射領域の中心が、当該撮像画像より前のフレームの撮像画像が撮像されたときのターゲット部250の中心と一致する場合のレーザ光の出力方向とに基づいて、第1回転量を算出してよい。S206において、制御部108は、S204で算出された第1回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0123】
S208において、特定部106は、S202で情報取得部104が取得した撮像画像に含まれる、給電対象200が有するターゲット部250の中心及びレーザ光の照射領域の中心を特定してよい。特定部106は、ターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分をさらに特定してよい。
【0124】
S210において、制御部108は、S208で特定部106が特定したターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分が情報格納部102に格納されている差分閾値より短いか否かを判定してよい。当該差分が差分閾値より短いと制御部108が判定した場合、S216に進んでよい。当該差分が差分閾値より長いと制御部108が判定した場合、S212に進んでよい。
【0125】
S212において、制御部108は、S208で特定部106によって特定されたターゲット部250の中心と照射領域の中心との差分に対応する第2回転量を算出してよい。S214において、制御部108は、S212で算出された第2回転量で搭載部140を回転させてよい。
【0126】
S216において、情報取得部104が終了指示を取得していない場合、S202に戻ってよい。S216において、情報取得部104が終了指示を取得した場合、給電装置100は、レーザ光の出力方向の制御を終了してよい。
【0127】
図8に示される給電装置100の処理の流れの一例において、S216の処理を、情報取得部104が給電対象200からバッテリ残量情報を受信する処理及びバッテリ残量情報によって示される給電対象200のバッテリ残量が情報格納部102に格納されているバッテリ残量閾値より多いか否かを制御部108が判定する処理に置き換えてもよい。この場合、給電対象200のバッテリ残量がバッテリ残量閾値より少ないと制御部108が判定した場合にS202戻り、給電対象200のバッテリ残量がバッテリ残量閾値より多いと制御部108が判定した場合に給電装置100はレーザ光の出力方向の制御を終了してよい。
【0128】
図9は、給電装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0129】
一実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されてよい。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されてよい。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されてよい。
【0130】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御してよい。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにしてよい。
【0131】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信してよい。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供してよい。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込んでよい。
【0132】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納してよい。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0133】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供されてよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行されてよい。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらしてよい。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0134】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込んでよい。
【0135】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0136】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックしてよい。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0137】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供してよい。
【0138】
一実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0139】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0140】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0141】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含んでよい。
【0142】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0143】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0144】
10 システム、50 レール、60 中心、100 給電装置、102 情報格納部、104 情報取得部、106 特定部、108 制御部、110 学習データ格納部、112 モデル生成部、114 モデル格納部、116 モデル取得部、118 パラメータ設定部、120 出力部、122 レーザ光、124 照射領域、126 輝度値飽和領域、128 中心、140 搭載部、160 撮像部、200 給電対象、220 光発電パネル、250 ターゲット部、255 中心、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ、1242 キーボード