(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む不織布から形成された洗浄ワイプ
(51)【国際特許分類】
D04H 3/007 20120101AFI20240529BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20240529BHJP
D01F 8/06 20060101ALI20240529BHJP
D01F 6/46 20060101ALI20240529BHJP
D01F 6/04 20060101ALI20240529BHJP
C08L 23/08 20060101ALI20240529BHJP
A47L 13/16 20060101ALI20240529BHJP
A47K 10/16 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
D04H3/007
D04H3/16
D01F8/06
D01F6/46 C
D01F6/04 Z
C08L23/08
A47L13/16 A
A47K10/16
(21)【出願番号】P 2022538056
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2019126868
(87)【国際公開番号】W WO2021120146
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、シン
(72)【発明者】
【氏名】レン、シーチエ
(72)【発明者】
【氏名】リン、イーチエン
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ジョゼフ ジェイ. アイ. ファン
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/169738(WO,A1)
【文献】特表2007-535623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0113706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H、D01F、C08L、A47L、A47K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布から形成された洗浄ワイプであって、
0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、
2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む、洗浄ワイプ。
【請求項2】
S
aM
bS
c構成を有する洗浄ワイプであって、式中、Sが、スパンボンド不織布であり、Mが、メルトブローン層であり、a及びcが、Sの層の数であり、0~5の範囲の独立した整数であり、bが、Mの層の数であり、1~5の範囲の独立した整数であり、
Mが、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む、洗浄ワイプ。
【請求項3】
二成分繊維を含む不織布から形成された洗浄ワイプであって、
前記二成分繊維が、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記第1の領域が、少なくとも75重量%のポリプロピレンを含む第1の組成物から形成されており、
前記第2の領域が、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む第2の組成物から形成されている、洗浄ワイプ。
【請求項4】
前記第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、0.850~0.890g/ccの密度及び10g/10分~600g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項5】
前記第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンブロックコポリマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項6】
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、
4.0未満のMz,cc/Mn,ccを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項7】
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、コンベンショナルゲル浸透クロマトグラフィで判定される際、前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量に基づいて、
2.5%未満の10
5g/モル超の分子量の重量分率(w)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項8】
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、
50%以上のコモノマー分布幅指数を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項9】
20分間吊り下げた後の前記洗浄ワイプの含水量(%)が、800%超である、請求項1、4~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【請求項10】
前記洗浄ワイプが、1つ以上のスパンボンド不織布を更に含む、請求項1、3~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、洗浄ワイプに関する。より具体的には、本発明は、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む不織布から形成された洗浄ワイプに関する。
序論
【0002】
不織ウェブ又は不織布は、様々なプロセス(例えば、スパンボンド又はメルトブローンプロセス)を介して接合されるフィラメントから製造される布のような材料である。不織布は、包帯材料及び洗浄ワイプなどの様々な製品で使用するために望ましく、改善されたレベルの強度、柔軟性、臭気除去、含水量保持、及び液体吸収性を有する不織布は、洗浄ワイプなどの使い捨て吸収材料に望ましい。
【0003】
洗浄ワイプは、ポリマー繊維及びセルロース繊維が混合され、不織布に形成され、スパンレース又は水流交絡プロセスを通して結合され得るスパンレースプロセスを介して形成され得る。スパンレースプロセスは、ステープル繊維の製造及び不織布の製造を含む複数のステップを含み、これは不織布を形成するために使用されるプロセスのコストを増加させる。
【0004】
洗浄ワイプはまた、スパンボンドプロセスを介して形成され得る。スパンボンドプロセスは、歴史的に、その機械的性能のために、ポリプロピレン単一成分繊維を形成するために使用されていた。スパンボンドプロセスを介してホモ-ポリプロピレン(homo-polypropylene、hPP)などのポリプロピレンから作製された不織布は、高い弾性率を示すが、弾性及び柔軟性を低下させる。これらの布は、多くの場合、例えば、おむつ、創傷包帯、及び女性用衛生製品を含む多構成要素の物品に組み込まれる。柔軟性は、ポリエチレンの導入によって改善することができる。例えば、スパンボンド層は、鞘にポリエチレン樹脂と、芯にポリプロピレン樹脂とを有する二成分繊維を含み得る。鞘中のポリエチレンは、柔軟性及び改善された触覚を提供し、芯中のポリプロピレンは、強度及び繊維紡糸性を提供する。
【0005】
洗浄ワイプはまた、メルトブローンプロセスを介して形成され得る。洗浄ワイプなどの不織布を形成するために使用されるメルトブローンプロセスは、より薄い繊維をもたらし、これは柔軟性を改善する。ポリプロピレン樹脂は、メルトブローンプロセスにおける優れた加工特性のため、メルトブローン不織布の形成に使用され得る。しかしながら、メルトブローンプロセスを介して不織布を形成することは、柔軟性、含水量保持、及び液体吸収性に問題を提示する。
【0006】
不織布を形成するために使用される異なるプロセス、繊維、及びポリマーに関連する利点及び欠点のために、多くの場合、特性の良好なバランスを達成するために、2つ以上の層を含む洗浄ワイプが形成される。洗浄ワイプの層は、内側メルトブローン(M)層及び外側スパンボンド(S)層を含む三層洗浄ワイプに対するSMSなどの文字によって識別され得る。洗浄ワイプの層は、洗浄ワイプの構造的完全性を維持するために一緒に結合され得る。結合の一般的な方法としては、点結合、接着剤ラミネーション、及び当業者に知られている他の方法が挙げられる。
【0007】
したがって、当該技術分野では、改善された柔軟性、触覚、含水量保持、及び液体吸収性を有する低コストで、より効率的に生産される洗浄ワイプが必要とされている。本明細書に開示される発明は、この必要性に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0008】
エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む不織布から形成された洗浄ワイプが本明細書に開示される。不織布から形成された洗浄ワイプは、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む。
【0009】
本明細書において、SaMbSc構成を有する洗浄ワイプも開示される。洗浄ワイプは、SaMbSc構成を有し、式中、Sは、スパンボンド不織布であり、Mは、メルトブローン層であり、「a」及び「c」は、Sの層の数であり、0~5の範囲の独立した整数であり、「b」は、Mの層の数であり、1~5の範囲の独立した整数であり、Mは、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む。
【0010】
二成分繊維を含む洗浄ワイプも本明細書に開示される。不織布から形成された洗浄ワイプは、二成分繊維を含み、二成分繊維は、第1の領域及び第2の領域を有し、第1の領域は、少なくとも75重量%のポリプロピレンを含む第1の組成物から形成され、第2の領域は、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む第2の組成物から形成される。
【0011】
1つ以上の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.850~0.890g/ccの密度及び10g/10分~600g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。1つ以上の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンブロックコポリマーである。1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、4.0未満、又は代替的に3.5未満のMz,cc/Mn,ccを有する。1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、コンベンショナルゲル浸透クロマトグラフィで判定される際、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量を基準として、2.5%未満、又は代替的に1.0%未満の105g/モル超の分子量の重量分率(w)を有する。1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、50%超、又は代替的に50%~98%、又は代替的に50%~85%のコモノマー分布幅指数を有する。1つ以上の実施形態では、20分間吊り下げた後の洗浄ワイプの含水量(%)は、800%超である。1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、1つ以上のスパンボンド不織布を更に含む。
【0012】
実施形態の追加の特徴及び利点は、後に続く詳細な説明で述べられ、その説明から当業者にとって容易に部分的に明らかになるか、又は後に続く発明を実施するための形態、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む本明細書に記載される実施形態を実践することによって、認識されるであろう。
【0013】
上記及び以下の説明の両方は、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】検出器信号(V)対保持容量(ml)のクロマトグラムプロットと、明確な別個の酸化防止剤のピークを呈する試料の適切なベースライン及び積分限界のセットと、を示す、グラフである。
【
図2】検出器信号(V)対保持容量(ml)のクロマトグラムプロットと、100のポリエチレン換算分子量への連続性を示す試料の適切なベースライン及び積分限界のセットと、を示す、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
開示された洗浄ワイプの態様は、以下でより詳細に説明される。ただし、これは、本発明の態様の単なる例示的な実現例であることに留意されたい。本発明の実施形態は、上述のものと類似した問題を起こしやすい他の技術にも応用可能である。
【0016】
本明細書で使用される場合、「洗浄ワイプ」という用語は、限定されないが、表面(例えば、皮膚)からの固体又は液体物質を含む、物質を洗浄又は除去するためのシートを指す。洗浄ワイプは、液体溶液で含浸され得る。「洗浄ワイプ」という用語は、例えば、ハンドワイプ、フェイスワイプ、化粧料ワイプ、美顔用マスク、家庭用ワイプ、及び工業用ワイプを含む。
【0017】
本明細書で使用される場合、「不織布(nonwoven)」、「不織ウェブ」、及び「不織布(nonwoven fabric)」という用語は、本明細書で互換的に使用される。「不織布」とは、編まれた布地の場合のように識別可能な方法ではなく、ランダムに挟まれた個々の繊維又は糸の構造を有するウェブ又は布地を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。「インターポリマー」という用語には、「コポリマー」(通常は、2つの異なるモノマーから調製されたポリマーを指すために使用される)という用語、及び「ターポリマー」(通常は、3つの異なるタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために使用される)という用語が含まれる。また、4つ以上のタイプのモノマーを重合させることによって製造されるポリマーも包含する。
洗浄ワイプのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー
【0019】
「エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー」という用語は、概して、エチレンと、3個以上の炭素原子を有するアルファ-オレフィンとを、含むポリマーを指す。本明細書の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの各々は、(重合性モノマーの総量を基準として)70重量%超のエチレンから誘導される単位及び30重量%未満の1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む。70重量%超のエチレンから誘導される単位及び30重量%未満の1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマーから誘導される単位の全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーのいずれか又は両方は、(a)75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、92重量%以上、95重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、99重量%以上、99.5重量%以上、70重量%~99重量%、70重量%~97重量%、70重量%~94重量%、70重量%~90重量%、70重量%~99.5重量%、70重量%~99重量%、70重量%~97重量%、70重量%~94重量%、80重量%~99.5重量%、80重量%~99重量%、80重量%~97重量%、80重量%~94重量%、80重量%~90重量%、85重量%~99.5重量%、85重量%~99重量%、85重量%~97重量%、88重量%~99.9重量%、88重量%~99.7重量%、88重量%~99.5重量%、88重量%~99重量%、88重量%~98重量%、88重量%~97重量%、88重量%~95重量%、88重量%~94重量%、90重量%~99.9重量%、90重量%~99.5重量%、90重量%~99重量%、90重量%~97重量%、90重量%~95重量%、93重量%~99.9重量%、93重量%~99.5重量%、93重量%~99重量%、又は93重量%~97重量%のエチレンから誘導される単位と、(b)30重量パーセント未満、例えば25重量パーセント未満、又は20重量パーセント未満、18重量%未満、15重量%未満、12重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.1~20重量%、0.1~15重量%、0.1~12重量%、0.1~10重量%、0.1~8重量%、0.1~5重量%、0.1~3重量%、0.1~2重量%、0.5~12重量%、0.5~10重量%、0.5~8重量%、0.5~5重量%、0.5~3重量%、0.5~2.5重量%、1~10重量%、1~8重量%、1~5重量%、1~3重量%、2~10重量%、2~8重量%、2~5重量%、3.5~12重量%、3.5~10重量%、3.5~8重量%、3.5~7重量%、又は4~12重量%、4~10重量%、4~8重量%、又は4~7重量%の1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマーから誘導される単位と、を含み得る。コモノマー含有量は、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術などの任意の好適な技術を使用して、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,498,282号に記載される13C NMR分析によって測定され得る。
【0020】
好適なアルファ-オレフィンコモノマーは、典型的には20個以下の炭素原子を有する。1つ以上のアルファ-オレフィンは、C3~C20アセチレン性不飽和モノマー及びC4~C18ジオレフィンからなる群から選択され得る。例えば、アルファ-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子又は3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なアルファ-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、及び4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されることはない。1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマーは、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択され得るか、又は代替的には、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から、又は代替的には、1-ヘキセン及び1-オクテンからなる群から選択され得る。1つ以上の実施形態では、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの各々は、1-オクテン、1-ヘキセン、又は1-ブテンコモノマーのうちの1つ以上から誘導される単位を0重量%超~30重量%未満含み得る。
【0021】
本明細書に記載される実施形態では、洗浄ワイプは、0.911~0.939グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。0.911~0.939g/ccの全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.911~0.935g/ccの密度を有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.913~0.939g/ccの密度を有する。更なる実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.913~0.935g/ccの密度を有する。密度は、ASTM D792に従って測定され得る。
【0022】
密度に加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、50,000センチポアズ(cP)以下のブルックフィールド粘度を有する。50,000cP以下の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、45,000cP以下、40,000cP以下、又は35,000cP以下のブルックフィールド粘度を有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、5,000cP~50,000cP、5,000cP~45,000cP、又は5,000cP~40,000cPのブルックフィールド粘度を有する。
【0023】
密度及びブルックフィールド粘度に加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する。分子量分布は、数平均分子量(Mn,cc)に対する重量平均分子量(Mw,cc)の比(すなわち、Mw,cc/Mn,cc)として説明することができ、ゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、GPC)技術によって測定することができる。1.8~3.5の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、1.9~3.5又は2.0~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、1.8~3.0、1.9~3.0、又は2.0~3.0の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する。更なる実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、1.8~2.8、1.9~2.8、又は2.0~2.8の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する。
【0024】
密度、ブルックフィールド粘度、及び分子量分布に加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、4.0未満のMz,cc/Mn,ccを有し得る。Mz,ccは、z平均分子量として説明することができる。4.0未満の全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、3.5未満のMz,cc/Mn,ccを有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、2.5~4.0、又は2.5~3.5のMz,cc/Mn,ccを有する。
【0025】
密度、ブルックフィールド粘度、分子量分布、及びMz,cc/Mn,ccに加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、コンベンショナルゲル浸透クロマトグラフィで判定される際、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量を基準として、2.5%未満の105g/モル超の分子量の重量分率(w)を有し得る。2.5%未満の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、コンベンショナルゲル浸透クロマトグラフィで判定される際、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量を基準として、1.0%未満の105g/モル超の分子量の重量分率(w)を有する。
【0026】
密度、ブルックフィールド粘度、分子量分布、Mz,cc/Mn,cc、及び105g/モル超の分子量の重量分率(w)に加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、50%以上のコモノマー分布幅指数(comonomer distribution breadth index、CDBI)を有し得る。50%以上の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、又は75%以上のCDBIを有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、50%~98%、50%~97%、55%~98%、55%~97%、60%~98%、60%~97%、70%~98%、70%~97%、75%~98%、又は75%~97%の範囲のCDBIを有する。更なる実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、50%~85%、55%~85%、60%~85%、60%~80%、65%~80%、又は70%~80%の範囲のCDBIを有する。
【0027】
密度、ブルックフィールド粘度、分子量分布、Mz,cc/Mn,cc、105g/モル超の分子量の重量分率(w)、及びCDBIに加えて、第1のチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、80℃~110℃の最高DSC温度結晶化ピークTcを有し得る。80℃~110℃の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、80℃~105℃、85℃~105℃、又は90℃~105℃のTcを有する。他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、95℃~105℃のTcを有する。最高DSC温度結晶化ピークは、以下に概説される示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)法を使用して判定される。
【0028】
密度、ブルックフィールド粘度、分子量分布、Mz,cc/Mn,cc、105g/モル超の分子量の重量分率(w)、CDBI、及びTcに加えて、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、16℃未満の、最高DSC温度融解ピーク(Tm)と最高DSC温度結晶化ピーク(Tc)との間の温度差であるΔTm-Tcを有し得る。16℃未満の全ての個々の値及び部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、15℃未満のΔTm-Tcを有し得る。他の実施形態において、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、12℃未満のΔTm-Tcを有し得る。最高DSC温度融解ピーク(Tm)は、以下に概説される示差走査熱量測定(DSC)法を使用して判定される。
【0029】
本明細書に記載される実施形態では、洗浄ワイプは、0.900グラム/立方センチメートル(g/cc)未満の密度を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。0.900g/cc未満の密度の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.895g/cc未満、0.890g/cc未満、0.885g/cc未満、又は0.880g/cc未満の密度を有する。他の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、0.850g/cc~0.890g/cc、0.850g/cc~0.880g/cc、0.850g/cc~0.870g/cc、0.860g/cc~0.890g/cc、0.860g/cc~0.880g/cc、0.860g/cc~0.870g/cc、0.870g/cc~0.900g/cc、0.875g/cc~0.900g/cc、又は0.870g/cc~0.890g/cc、又は0.870g/cc~0.880g/ccの密度を有する。密度は、ASTM D792に従って測定され得る。密度に加えて、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有し得る。少なくとも10g/10分のメルとインデックス(I2)の全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、少なくとも15g/10分、少なくとも20g/10分、又は少なくとも25g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。他の実施形態では、第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、10g/10分~20g/10分、10g/10分~40g/10分、10g/10分~400g/10分、10g/10分~600g/10分、20g/10分~40g/10分、20g/10分~100g/10分、20g/10分~1,000g/10分、20g/10分~1,200g/10分、20g/10分~1,500g/10分、200g/10分~400g/10分、200g/10分~600g/10分、200g/10分~1,000g/10分、200g/10分~1,200g/10分、200g/10分~1,500g/10分、500g/10分~600g/10分、500g/10分~800g/10分、500g/10分~1,000g/10分、500g/10分~1,200g/10分、500g/10分~1,500g/10分、800g/10分~1,500g/10分、800g/10分~1,200g/10分、800g/10分~1,000g/10分、1,000g/10分~1,500g/10分、又は1,000g/10分~1,200g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。メルトインデックス(I2)は、ASTM D1238(190℃/2.16kg)に従って判定され得る。
【0030】
本明細書の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、75重量%~97.5重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。75重量%~97.5重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、75重量%~95重量%、75重量%~90重量%、75重量%~85重量%、75重量%~80重量%、80重量%~95重量%、80重量%~90重量%、80重量%~85重量%、85重量%~95重量%、85重量%~90重量%、又は90重量%~95重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。本明細書に記載の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーに加えて、不織布から形成された洗浄ワイプは、2.5重量%~25重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。2.5重量%~25重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、2.5重量%~20重量%、5重量%~20重量%、7.5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、10重量%~17.5重量%、10重量%~15重量%、又は10重量%~12.5重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。
【0031】
本明細書の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー又は第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、1つ以上の従来の反応器、例えば、ループ反応器、等温反応器、プラグフロー反応器、及び/又は撹拌槽反応器を並列、直列、及び/又はこれらの任意の組み合わせで、連続モード又はバッチモードにおいて使用して、オレフィン系ポリマー、例えば、エチレンポリマー又はプロピレンポリマーを生成する溶液重合プロセスで調製され得る。溶液相重合プロセスは、1つ以上のループ反応器又は1つ以上の等温反応器などの1つ以上の十分に撹拌された反応器において、100~300℃、例えば、120~190℃の範囲の温度で、及び300~1,000psig、例えば、400~750psigの範囲の圧力で、生じ得る。溶液相重合プロセスにおける滞留時間は、典型的には、2~30分、例えば、5~20分の範囲である。エチレン(モノマー)、溶媒、水素、1つ以上の触媒システム、及び1つ以上のコモノマーが反応器に連続的に供給される。例示的な溶媒としては、イソパラフィン及びナフテン酸が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、そのような溶媒は、ExxonMobil Chemical Co.、ヒューストン、テキサス州からISOPAR Eの名称で、又はShell Chemicals EuropeからSBP100/140の名称で市販されている。重合反応器からの(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、反応器を出て、失活剤、並びに任意に、酸捕捉剤(ステアリン酸カルシウム、及び水和に付随する水など)と接触する区域に入って、その反応を停止し、塩化水素を除去する。加えて、酸化防止剤などの様々な添加剤を、この時点で添加することができる。次いで、流れは、Kenics螺旋状静的混合要素などの、別の静的混合要素のセットを通過して、触媒失活剤(catalyst kill)及び添加剤を均一に分散させる。(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、他のより低い沸点の反応成分からのポリマーの分離に備えて、熱交換器を通過して、流れ温度を上げる。次いで、流れは、反応器の圧力を特定の目標値に維持することを担う圧力降下制御弁を通過する。次いで、流れは、多段分離脱揮システムに入り、そこで溶媒、水素、並びに未反応モノマー及びコモノマーからポリマーが除去される。不純物は、反応器に再び入る前に、再循環されたより低い沸点の反応成分から除去される。分離され、揮発分除去されたポリマー溶融体は、熱交換器を通ってポンプ圧送されて、流れ温度を200℃未満、例えば、170℃未満の範囲で、又は50~110℃の範囲の温度に下げ、それによって、冷却されたポリマー溶融体を生成する。続いて、冷却されたポリマー溶融体は、水中ペレット化用に特別に設計されたダイを通ってポンプ圧送され、均一な固体ペレットに切断され、乾燥され、ホッパーに移される。初期ポリマー特性の確認後、固体ポリマーペレットを貯蔵装置に移す。揮発分除去ステップにおいて除去された部分は、再循環又は破壊されてもよい。例えば、溶媒の大部分は、精製床を通過した後に反応器に戻して再循環される。この再循環された溶媒は、その中に依然として未反応のコモノマーを有している可能性があり、反応器に再度入る前に新鮮なコモノマーで強化される。この再循環された溶媒はまた、若干の水素を有している可能性があり、次いで新鮮な水素で強化される。
【0032】
1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー又は第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、以下の手順に従って、ループ反応器内の液相重合プロセスを介して、触媒組成物を使用して調製され得る。全ての原料(エチレン、及びヘキセン又はオクテンなどの1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマー)及びプロセス溶媒(イソパラフィン溶媒、例えばISOPAR E)は、反応環境に導入される前に分子篩で精製される。水素は、高純度グレードとして供給され、更に精製されない。反応器モノマー供給(エチレン)流を、機械的圧縮機を介して反応圧力より高い圧力、例えば750psigに加圧する。溶媒及びコモノマー(ヘキセン又はオクテンなどの1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマー)供給物は、機械式容積式ポンプを介して、反応圧力、例えば750psigよりも高い圧力まで加圧される。個々の触媒成分は、精製された溶媒(ISOPAR E)を用いて指定された成分濃度まで手動でバッチ希釈することができ、反応圧力、例えば750psigよりも高い圧力まで加圧することができる。全ての反応供給流は、質量流量計で測定することができ、コンピュータ自動弁制御システムで独立して制御することができる。
【0033】
連続溶液重合反応器は、液体充填非断熱式等温循環ループからなり得る。全ての新鮮な溶媒、モノマー、コモノマー、水素、及び触媒成分供給物の独立した制御が可能である。溶媒、モノマー、コモノマー、及び水素の組み合わせ供給物は、供給流を熱交換器に通過させることによって、5℃~50℃の間のどこか、典型的には40℃に温度制御される。重合反応器への新鮮なコモノマー供給物を再循環溶媒にコモノマーを添加するように整列させる。重合反応器への全ての新鮮な供給物は、例えば、各注入場所の間でほぼ等しい反応器体積で、2つの場所において反応器に注入される。新鮮な供給物は、典型的には、例えば、全ての新鮮な供給物の質量流量の半分を受容する各注入器を用いて制御される。触媒成分は、例えば、特別に設計された注入入口装置を通って重合反応器に注入され、反応器に注入される前に、1つの混合プロ触媒/助触媒供給流に混合される。プロ触媒成分供給物は、コンピュータ制御され、反応モノマー濃度を特定の目標値に維持する。共触媒成分は、計算された特定のモル比を基準として、プロ触媒成分に供給される。各新鮮な注入の位置(供給物又は触媒のいずれか)の直後に、供給流を循環重合反応器の内容物と、Kenics螺旋状静的混合要素などの静的混合要素を用いて混合する。反応器の内容物を、反応熱の大部分を除去する役割を果たす熱交換器を通して、指定の温度で等温反応環境を維持する役割を果たす冷却剤側の温度で、連続的に循環させる。反応器ループの周りの循環は、スクリューポンプによって提供することができる。重合反応器からの(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、反応器を出て、失活剤及び任意に酸捕捉剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、及び水和に付随する水)と接触する区域に入って、その反応を停止し、塩化水素を除去する。加えて、酸化防止剤などの様々な添加剤を、この時点で添加することができる。次いで、流れは、Kenics螺旋状静的混合要素などの、別の静的混合要素のセットを通過して、触媒失活剤(catalyst kill)及び添加剤を均一に分散させる。(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、他のより低い沸点の反応成分からのポリマーの分離に備えて、熱交換器を通過して、流れ温度を上げる。次いで、流れは、反応器の圧力を特定の目標値に維持することを担う圧力降下制御弁を通過する。次いで、流れは、二段分離脱揮システムに入り、そこで溶媒、水素、並びに未反応モノマー及びコモノマーからポリマーが除去される。不純物は、反応器に再び入る前に、再循環された低沸点反応成分から除去される。分離され、揮発分除去されたポリマー溶融体は、熱交換器を通ってポンプ圧送されて、流れ温度を200℃未満、例えば、170℃未満の範囲で、又は50~110℃の範囲の温度に下げ、それによって、冷却されたポリマー溶融体を生成する。続いて、冷却されたポリマー溶融体は、水中ペレット化用に特別に設計されたダイを通ってポンプ圧送され、均一な固体ペレットに切断され、乾燥され、ホッパーに移される。初期ポリマー特性の確認後、固体ポリマーペレットを貯蔵装置に移す。揮発分除去ステップにおいて除去された部分は、再循環又は破壊されてもよい。例えば、溶媒の大部分は、精製床を通過した後に反応器に戻して再循環される。この再循環された溶媒は、その中に依然として未反応のコモノマーを有している可能性があり、反応器に再度入る前に新鮮なコモノマーで強化される。この再循環溶媒は、依然として若干の水素を有する可能性があり、次いで新鮮な水素で強化される。
【0034】
他の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー又は第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、エチレン及び1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマーの重合に好適な1つ以上の触媒システムを使用して、直列に連結された2つの断熱撹拌槽反応器内における液相重合プロセスを介して、以下の手順に従って調製され得る。エチレンモノマー及び1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマー、並びに水素は、溶媒、例えば、ISOPAR Eなどのイソパラフィン溶媒と組み合わされる。水、二酸化炭素、硫黄化合物などの不純物は、供給流から除去され、供給流は、反応器に入る前に、5℃~60℃の範囲、例えば約13℃の温度に冷却される。反応の大部分、約85~90パーセントは、第1の断熱撹拌槽反応器内で起こり得る。混合は、ポリマー/プロ触媒/助触媒/溶媒/エチレン/1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマー/水素溶液を、混合ブレードを備えた1つ以上の撹拌機で循環させることによって達成され得る。供給物(エチレン/1つ以上のアルファ-オレフィンコモノマー/溶媒/水素)は、例えば、底部から反応器に入ってもよく、プロ触媒/助触媒もまた、例えば、供給物とは別々に、底部から反応器に入ってもよい。第1の反応器温度は、120℃~190℃の範囲、例えば約175℃であり、反応器圧力は、400psig~1,000psigの範囲、例えば約500psigである。第1の反応器と直列の第2の反応器の温度は、175℃~210℃の範囲の温度、例えば約202℃まで上昇し、残りの反応の約10%~15%が起こり、追加の触媒やモノマーは添加されない。平均的な反応器滞留時間は、2~30分の範囲であり、例えば、その目的のために特別に設計された流体による、後反応器の終了前の断熱撹拌槽反応器に対して約8分である。
【0035】
重合反応器からの(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、反応器を出て、失活剤及び任意に酸捕捉剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、及び水和に付随する水)と接触する区域に入って、その反応を停止し、塩化水素を除去する。加えて、酸化防止剤などの様々な添加剤を、この時点で添加することができる。次いで、流れは、Kenics螺旋状静的混合要素などの、別の静的混合要素のセットを通過して、触媒失活剤(catalyst kill)及び添加剤を均一に分散させる。(溶媒、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有する)流出物は、他のより低い沸点の反応成分からのポリマーの分離に備えて、熱交換器を通過して、流れ温度を上げる。次いで、流れは、反応器の圧力を特定の目標値に維持することを担う圧力降下制御弁を通過する。次いで、流れは、二段分離脱揮システムに入り、そこで溶媒、水素、並びに未反応モノマー及びコモノマーからポリマーが除去される。不純物は、反応器に再び入る前に、再循環されたより低い沸点の反応成分から除去される。分離され、揮発分除去されたポリマー溶融体は、熱交換器を通ってポンプ圧送されて、流れ温度を200℃未満、例えば、170℃未満の範囲で、又は50~110℃の範囲の温度に下げ、それによって、冷却されたポリマー溶融体を生成する。続いて、冷却されたポリマー溶融体は、水中ペレット化用に特別に設計されたダイを通ってポンプ圧送され、均一な固体ペレットに切断され、乾燥され、ホッパーに移される。初期ポリマー特性の確認後、固体ポリマーペレットを貯蔵装置に移す。揮発分除去ステップにおいて除去された部分は、再循環又は破壊されてもよい。例えば、溶媒の大部分は、精製床を通過した後に反応器に戻して再循環される。この再循環された溶媒は、その中に依然として未反応のコモノマーを有している可能性があり、反応器に再度入る前に新鮮なコモノマーで強化される。この再循環溶媒は、依然として若干の水素を有する可能性があり、次いで新鮮な水素で強化される。
エチレン-α-オレフィンブロックコポリマー
【0036】
1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプの第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンブロックコポリマーである。
【0037】
「エチレン-α-オレフィンブロックコポリマー」又は「OBC」という用語は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを意味し、エチレン及び重合形態の1つ以上の共重合可能なα-オレフィンコモノマーを含み、化学的又は物理的特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロック又はセグメントによって特徴付けられる。コポリマー中の「エチレン」又は「コモノマー」の量に言及する場合、これが、その重合単位を意味すると理解される。本明細書に記載される実施形態で使用されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、次の式で表すことができ、
(AB)n
式中、nは、少なくとも1であり、1つ以上の実施形態では、1より大きい整数、例えば2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100以上であり、「A」は、ハードブロック又はセグメントを表し、「B」は、ソフトブロック又はセグメントを表す。1つ以上の実施形態では、A及びBは、実質的に分枝状又は実質的に星形状の様式とは対照的に、実質的に直線状の様式で連結される。他の実施形態では、Aブロック及びBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布される。言い換えれば、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有していない。
AAA-AA-BBB-BB
【0038】
更に他の実施形態では、本明細書に記載されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、通常、異なるコモノマーを含む第3の種類のブロックを有さない。なお他の実施形態では、ブロックA及びブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマー又はコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、残りのブロックとは実質的に異なる組成物を有する先端セグメントなどの、別個の組成物の2つ以上の部分セグメント(又は部分ブロック)を含まない。
【0039】
本明細書の実施形態では、エチレンは、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマー全体の大部分のモル分率を構成し得、すなわち、エチレンは、ポリマー全体の少なくとも50モル%を構成する。1つ以上の実施形態では、エチレンは、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、又は少なくとも80モル%を構成する。ポリマー全体の実質的な残りは、3個以上の炭素原子を有するα-オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含む。1つ以上の実施形態では、本明細書に記載されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、50モル%~90モル%、60モル%~85モル%、又は65モル%~80モル%のエチレンを含んでもよい。コモノマー含有量は、核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術などの任意の好適な技術を使用して、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,498,282号に記載される13C NMR分析によって測定され得る。
【0040】
本明細書に記載されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、様々な量の「ハード」及び「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンがポリマーの重量を基準として95重量%を超える、又は100重量%までの98重量%を超える量で存在する重合単位のブロックである。換言すれば、ハードセグメント中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量を基準として5重量%未満、又は2重量%未満であり、ゼロまで低くてもよい。1つ以上の実施形態では、ハードセグメントは、エチレンに由来する全ての、又は実質的に全ての単位を含む。「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)がポリマーの重量を基準として5重量%を超える、又は8重量%を超える、10重量%を超える、又は15重量を超える重合単位のブロックである。1つ以上の実施形態では、ソフトセグメント中のコモノマー含有量は、20重量%を超える、25重量%を超える、30重量%を超える、35重量%を超える、40重量%を超える、45重量%を超える、50重量%を超えるか、又は60重量%を超えてもよく、最大で100重量%であり得る。
【0041】
ソフトセグメントは、本明細書に記載されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマー中に、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーの総重量の1重量%~99重量%、又はエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーの総重量の5重量%~95重量%、10重量%~90重量%、15重量%~85重量%、20重量%~80重量%、25重量%~75重量%、30重量%~70重量%、35重量%~65重量%、40重量%~60重量%、又は45重量%~55重量%で存在し得る。逆に、ハードセグメントは、同様の範囲で存在することができる。ソフトセグメントの重量百分率及びハードセグメントの重量百分率は、DSC又はNMRから得られたデータを基準として計算することができる。かかる方法及び計算は、例えば、「Ethylene/α-Olefin Block Inter-polymers」と題され、Colin L.P.Shan、Lonnie Hazlittらの名において2006年3月15日に出願され、Dow Global Technologies Inc.に譲渡された米国特許第7,608,668号に開示され、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特に、ハードセグメント及びソフトセグメントの重量百分率並びにコモノマー含有量は、米国特許第7,608,668号の第57欄~第63欄に記載されるように決定され得る。
【0042】
本明細書に記載されるエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、ペンダント又はグラフト状ではなく直線的に、結合され得る2つ以上の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と呼ばれる)、すなわち、重合されたエチレン性官能基に関してエンドツーエンド結合した化学的に区別された単位を含むポリマーを含む。
【0043】
本明細書に記載のエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,858,706号に記載されているような鎖シャトリングプロセスを介して生成され得る。具体的には、好適な鎖シャトリング剤及び関連情報については、第16欄39行目~第19欄44行目に列挙されている。好適な触媒については、第19欄45行目~第46欄19行目に、好適な共触媒については、第46欄20行目~第51欄28行目に記載されている。プロセスは、文書の全体にわたって記載されているが、特に、51欄29行目~54欄56行目に記載されている。このプロセスはまた、例えば、米国特許第7,608,668号、同第7,893,166号及び同第7,947,793号に記載されている。
【0044】
本明細書の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、0.900グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度を有する。0.900g/cc未満の密度の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、かつ本明細書に開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、0.895g/cc未満、0.890g/cc未満、0.885g/cc未満、又は0.880g/cc未満の密度を有する。他の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、0.850g/cc~0.890g/cc、0.850g/cc~0.880g/cc、0.850g/cc~0.870g/cc、0.860g/cc~0.890g/cc、0.860g/cc~0.880g/cc、0.860g/cc~0.870g/cc、0.870g/cc~0.900g/cc、0.875g/cc~0.900g/cc、又は0.870g/cc~0.890g/cc、又は0.870g/cc~0.880g/ccの密度を有する。密度は、ASTM D792に従って測定され得る。密度に加えて、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有し得る。少なくとも10g/10分のメルとインデックス(I2)の個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、少なくとも15g/10分、少なくとも20g/10分、又は少なくとも25g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。他の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーは、ASTM D1238(190℃/2.16kg)により測定される、10g/10分~600g/10分、10g/10分~400g/10分、10g/10分~200g/10分、10g/10分~100g/10分、10g/10分~50g/10分、10g/10分~40g/10分、10g/10分~20g/10分、20g/10分~500g/10分、20g/10分~300g/10分、20g/10分~100g/10分、20g/10分~40g/10分、50g/10分~500g/10分、50g/10分~400g/10分、50g/10分~200g/10分、50g/10分~100g/10分、100g/10分~500g/10分、100g/10分~300g/10分、100g/10分~200g/10分、200g/10分~500g/10分、200g/10分~400g/10分、300g/10分~500g/10分、300g/10分~400g/10分、又は400g/10分~500g/10分のメルとインデックス(I2)を有する。
【0045】
本明細書の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、2.5重量%~25重量%のエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーを含む。2.5重量%~25重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、不織布から形成された洗浄ワイプは、2.5重量%~20重量%、5重量%~20重量%、7.5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、10重量%~17.5重量%、10重量%~15重量%、又は10重量%~12.5重量%のエチレン-α-オレフィンブロックコポリマーを含む。エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーに加えて、不織布から形成された洗浄ワイプは、75重量%~97.5重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。75重量%~97.5重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマーに加えて、不織布から形成された洗浄ワイプは、75重量%~95重量%、75重量%~90重量%、75重量%~85重量%、75重量%~80重量%、80重量%~95重量%、80重量%~90重量%、80重量%~85重量%、85重量%~95重量%、85重量%~90重量%、又は90重量%~95重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。
【0046】
実施形態では、洗浄ワイプはまた、1つ以上の他のポリマー及び/又は1つ以上の添加剤などの追加の成分を含んでもよい。そのような添加剤としては、帯電防止剤、カラーエンハンサ、染料、潤滑剤、充填剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気低減剤、抗真菌剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
洗浄ワイプ層及び二成分繊維
【0047】
1つ以上の実施形態では、第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーは、洗浄ワイプの不織布(例えば、スパンボンド不織布又はメルトブローン不織布)を形成するために使用され得る。1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、1つ以上のスパンボンド不織布を含み得る。1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、1つ以上のメルトブローン不織布を含み得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「スパンボンド」とは、フィラメントとして溶融熱可塑性ポリマー組成物を、押し出されるフィラメントの直径の紡糸口金の複数の微細な通常円形のダイ毛細管を通して押し出し、次いで、迅速に還元し、その後、フィラメントを収集表面上に堆積させて、概して約7~約30ミクロンの平均直径を有するランダムに分散されたスパンボンド繊維のウェブ又は布を形成することによって形成される繊維を指す。
【0049】
本明細書で使用される際、「メルトブローン」とは、溶融熱可塑性ポリマー組成物を、溶融糸又はフィラメントとして、複数の微細な通常円形のダイ毛細管を通して、糸又はフィラメントを細くして、縮径させるために機能する、収束する高速ガス流(例えば空気)に押出することによって形成される繊維を指す。その後、フィラメント又は糸は、高速ガス流によって運ばれ、収集表面上に堆積して、概して10ミクロンより小さい平均直径を有するランダムに分散されたメルトブローン繊維の不織ウェブを形成する。
【0050】
1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、SaMbSc構成を有し、式中、Sは、スパンボンド不織布であり、Mは、メルトブローン層であり、「a」及び「c」は、Sの層の数であり、0~5の範囲の独立した整数であり、「b」は、Mの層の数であり、1~5の範囲の独立した整数であり、Mは、上記の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。例えば、洗浄ワイプは、「a」、「b」、「c」は、互いに独立して、SMS(式中、a=1、b=1、及びc=1)、SMMS(式中、a=1、b=2、及びc=1)、SSMSS(式中、a=2、b=1、及びc=2)、SMMMS(式中、a=1、b=3、及びc=1)、SMMSS(式中、a=1、b=3、及びc=2)、SM(式中、a=1、b=1、及びc=0)、又は他の構成を有してもよい。上記の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの全ての特徴、値、及び部分範囲は、メルトブローン層(M)に関して本明細書に含まれる。例えば、1つ以上の実施形態では、メルトブローン層(M)は、75重量%~97.5重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。75重量%~97.5重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。1つ以上の実施形態では、メルトブローン層(M)は、75重量%~95重量%、75重量%~90重量%、75重量%~85重量%、75重量%~80重量%、80重量%~95重量%、80重量%~90重量%、80重量%~85重量%、85重量%~95重量%、85重量%~90重量%、又は90重量%~95重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーに加えて、メルトブローン層(M)は、2.5重量%~25重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。2.5重量%~25重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。1つ以上の実施形態では、メルトブローン層(M)は、2.5重量%~20重量%、5重量%~20重量%、7.5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、10重量%~17.5重量%、10重量%~15重量%、又は10重量%~12.5重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。
【0051】
1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、二成分繊維を含む不織布(例えば、メルトブローン不織布又はスパンボンド不織布)から形成される。1つ以上の実施形態では、洗浄ワイプは、二成分繊維を含み、二成分繊維は、第1の領域及び第2の領域を有する。第1の領域は、少なくとも75重量%のポリプロピレンを含む第1の組成物から形成されている。少なくとも75重量%の全ての個々の値及び部分範囲のポリプロピレンが、本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、第1の組成物が、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも99重量%、又は100重量%のポリプロピレンを含む。本明細書で使用される際、「ポリプロピレン」は、50重量%超のプロピレンモノマーから誘導され単位を含むポリマーを意味するものとする。これは、ホモポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、並びにプロピレンベースのプラストマー及びエラストマーを含む。これらのポリプロピレン材料は、概して、当該技術分野において既知である。
【0052】
第1の組成物はまた、1つ以上の他のポリマー及び/又は1つ以上の添加剤などの追加の成分を含み得る。そのような添加剤としては、帯電防止剤、カラーエンハンサ、染料、潤滑剤、充填剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気低減剤、抗真菌剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。1つ以上の実施形態では、第1の組成物は、最大25重量%のプロピレンベースのプラストマー又はプロピレンベースのエラストマー(Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFY(商標)ポリマー及びExxonMobil Chemical Co.から入手可能なVISTAMAXX(商標)ポリマーなど)、低弾性率又は/及び低分子量ポリプロピレン(Idemitsu製のL-MODU(商標)ポリマーなど)、ランダムコポリプロピレン、又はプロピレンベースのオレフィンブロックコポリマー(Intuneなど)を含み得る。
【0053】
第2の領域は、上記の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む第2の組成物から形成される。上記の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの全ての特徴、値、及び部分範囲は、第2の組成物に関して本明細書に含まれる。例えば、1つ以上の実施形態では、第2の組成物は、75重量%~97.5重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。75重量%~97.5重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。1つ以上の実施形態では、第2の組成物は、75重量%~95重量%、75重量%~90重量%、75重量%~85重量%、75重量%~80重量%、80重量%~95重量%、80重量%~90重量%、80重量%~85重量%、85重量%~95重量%、85重量%~90重量%、又は90重量%~95重量%の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーに加えて、第2の組成物は、2.5重量%~25重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。2.5重量%~25重量%の全ての個々の値及び部分範囲が含まれ、本明細書で開示される。1つ以上の実施形態では、第2の組成物は、2.5重量%~20重量%、5重量%~20重量%、7.5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、10重量%~17.5重量%、10重量%~15重量%、又は10重量%~12.5重量%の第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含む。
【0054】
第2の組成物はまた、1つ以上の他のポリマー及び/又は1つ以上の添加剤などの追加の成分を含み得る。そのような添加剤としては、帯電防止剤、カラーエンハンサ、染料、潤滑剤、充填剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気低減剤、抗真菌剤、及びそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0055】
1つ以上の実施形態では、二成分繊維は、シースが、上記の第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー及び第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含み、コアが、少なくとも75重量%のポリプロピレンを含む、シース/コア構造を有する。もちろん、並列配置、パイ配置、又は「海に浮かぶ島」配置など、二成分繊維の他の構成を使用してもよい。
試験方法
密度
【0056】
密度は、ASTM D-792に従って測定し、グラム/立方センチメートル(g/cc)で表す。
メルトインデックス(I2)
【0057】
メルトインデックスは、摂氏190度及び2.16kgでASTM D1238に従って測定され、溶出グラム/10分(g/10分)で表される。
ブルックフィールド粘度
ブルックフィールド粘度は、DV-II Pro Extra Viscometerを用いて測定される。この測定器は、粘度計の優れた制御と精度を提供するRheocalc V3.3ソフトウェアを使用する。SC4-31スピンドルサイズを使用する場合、8グラムの試料が使用される。試験温度は、350F°である。トルクが40%~70%の間のレベルになるように、適切なスピンドル速度が適用される。粘度データは、安定した粘度読み取り値が得られた20分後に記録され、センチポアズ(cP)で報告される。
コンベンショナルGPC
【0058】
コンベンショナルGPCは、高温ゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、GPC)機器(PolymerChar、スペイン)によって得られる。IR5検出器(「測定チャネル」)は、濃度検出器として使用される。GPCOneソフトウェア(PolymerChar、スペイン)を使用して、ポリマーのz平均(Mz)、重量平均(Mw)、及び数平均(Mn)分子量を計算し、MWD(=Mw/Mn)を判定する。方法は、150℃のシステム温度で動作する、3つの10ミクロンPLゲル混合Bカラム(Agilent Technologies、カラム寸法100×7.6mm)、又は4つの20ミクロンPLゲル混合Aカラム(Agilent Technologies、カラム寸法100×7.6mm)を使用する。試料は、200百万分率の酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する1,2,4-トリクロロベンゼン溶媒中で、160℃で3時間、オートサンプラ(PolymerChar、Spain)による穏やかな振とうで、2mg/mLの濃度で調製される。流量は、1.0mL/分であり、注入サイズは、200マイクロリットルである。GPCOneソフトウェアを使用して、プレート数を計算する。クロマトグラフィシステムには、最低22,000枚のプレートが必要である。
【0059】
GPCカラムセットは、少なくとも20つの狭分子量分布ポリスチレン標準物質を流すことによって較正される。較正では、3つの10ミクロンPLゲル混合Bカラムを備えたシステムへの三次フィット、又は4つの20ミクロンPLゲル混合Aカラムを備えたシステムへの五次フィットが使用される。標準物質の分子量(molecular weight、MW)は、580g/mol~8,400,000g/molの範囲であり、標準物質は、6つの「カクテル」混合物に含まれている。各標準混合物には、個々の分子量間に概ね10年の分離が存在する。標準混合物は、Agilent Technologiesから購入される。ポリスチレン標準物質は、1,000,000g/mol以上の分子量については「50mLの溶媒中0.025g」で調製され、1,000,000g/mol未満の分子量については「50mLの溶媒中0.05g」で調製される。80℃で穏やかに30分間撹拌しながら、ポリスチレン標準物質を溶解する。狭い標準物質混合物を、最初に、かつ最高分子量成分を減少させる順序で実行して、分解を最小限に抑える。ポリスチレン標準ピーク分子量を、式1を使用してポリエチレン分子量に変換する(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Letters,6,621(1968)に記載の通り)。
【数1】
式中、MWは、示されるようにポリエチレン(polyethylene、PE)又はポリスチレン(PS)の分子量であり、Bは、1.0に等しい。A値が標準基準材料(Standard Reference Materials、SRM)1475aについて52,000MWPEを生じるように、Aは約0.38~約0.44の範囲であり得ることが、当業者には既知である。分子量分布(MWD又はMw/Mn)、及び関連する統計値等の分子量値を得るためのこのポリエチレン較正法の使用は、本明細書においてWilliams及びWardの修正された方法として定義される。数平均分子量、重量平均分子量、及びz平均分子量は、以下の式から計算される。
【数2】
式中、M
n,cc、M
w,cc、及びM
z,cc(g/モル)は、それぞれコンベンショナル較正から得られる数平均分子量、重量平均分子量、及びz平均分子量である。w
iは、保持容量V
iで溶出されるポリエチレン分子の重量分率である。M
cc,iは、コンベンショナル較正(式(1)を参照されたい)を使用して得られる保持容量V
iで溶出されるポリエチレン分子の分子量(g/モル)である。
【0060】
クロマトグラフのピークは、クロマトグラムが20%のピーク高さで表示される場合に、ベースラインからの有意な目に見える逸脱を示す面積を含むように設定する必要がある。ベースラインは、100未満のポリエチレン換算分子量に統合されるべきではなく、調製された試料及びクロマトグラフ移動相からの酸化防止剤の不一致の説明には注意が必要である。
図1を参照すると、明確な別個の酸化防止剤のピークを呈する試料の適切なベースライン及び積分限界セットが示されている。
【0061】
デカン流量マーカーの使用が、IR5クロマトグラムに示されている(
図1及び2を参照されたい)。ベースラインの開始と終了の間のベースライン(応答)Y値の差は、クロマトグラムの積分ピーク高さの3%を超えてはならない。そのような場合、クロマトグラフ試料は、試料と移動相の酸化防止剤を適切に一致させて処理する必要がある。
【0062】
図2を参照すると、100のポリエチレン換算分子量への連続性を示す試料の適切なベースライン及び積分限界セットが示されている。積分限界の終了は、100のポリエチレン換算分子量未満に設定されてはならない。
【0063】
w(10
5g/モル超の重量分率)は、式(5)に従ってGPCOneソフトウェアから得られるMWD曲線(w
i対log M
cc,i)に従って計算される。
【数3】
示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry、DSC)
【0064】
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融及び結晶化挙動を測定する。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)及びオートサンプラを備えたTA Instruments Q1000DSCを使用して、この分析を実行する。試験中、50ml/分の窒素パージガス流量が使用される。各試料を約175℃で薄フィルムに溶融圧縮する。その後、溶融した試料を室温(約25℃)まで空冷する。フィルム試料は、「0.1~0.2グラム」の試料を175℃、1,500psi、及び30秒でプレスすることによって形成されて、「0.1~0.2ミル厚」のフィルムを形成する。冷却されたポリマーから3~10mg、直径6mmの試験片が抽出され、それが重量測定され、軽い(約50mg)アルミニウムパンに入れられ、圧着されて閉じられる。次いで、その熱特性を決定するために分析が行われる。
【0065】
試料の熱挙動は、試料温度を昇降して熱流量対温度のプロファイルを作成することにより決定される。まず、試料を、180℃に急速に加熱し、5分間等温に保持して熱履歴を除去する。次に、試料を、10℃/分の冷却速度で-40℃に冷却し、-40℃で5分間等温に保持する。次いで、試料を10℃/分の加熱速度で150℃に加熱する(これが「第2の加熱」傾斜である)。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録する。冷却曲線は、結晶化の開始~-20℃にベースラインエンドポイントを設定することによって分析される。加熱曲線は、-20℃~融解終了にベースラインエンドポイントを設定することによって分析される。判定される値は、最高ピーク溶融温度(Tm)、最高ピーク結晶化温度(Tc)、融解熱(Hf)(ジュール/グラム)、及び結晶化度%=((Hf)/(292J/g))×100を使用するポリエチレン試料についての算出された結晶化度%であった。融解熱(Hf)及び最高ピーク溶融温度は、第2の熱曲線から報告する。最高のピーク結晶化温度は、冷却曲線から決定した。
コモノマー分布幅指数(Comonomer Distribution Breadth Index、CDBI)
【0066】
CDBIは、コモノマー総含有量の中央値の50パーセント以内のコモノマー含有量を有するポリマー分子の重量パーセントとして定義される(参照により本明細書に組み込まれる国際公開第93/03093号に報告されている)。ポリオレフィンのCDBIは、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、Wild,et al.,Journal of Polymer Science,Poly.Phys.Ed.,Vol.20,441(1982);L.D.Cady,”The Role of Comonomer Type and Distribution in LLDPE Product Performance,”SPE Regional Technical Conference,Quaker Square Hilton,Akron,OH,107-119(Oct.1-2,1985)により、又は米国特許第4,798,081号(Hazlitt,et al.)及び米国特許第5,008,204号(Stehlink)に記載されている、例えば昇温溶離分別(temperature rising elution fractionation(「TREF」))などの当該技術分野において既知の技術から得られる短鎖分岐分布(short chain branching distribution、SCBD)データから好都合に計算することができる。
【0067】
本明細書では、CDBIは、CEFによって測定されるSCBDを用いて、次のステップに従って計算される。
【0068】
(A)式
【数4】
に従って、CEFから0.200℃の温度の段階的増加に伴い、20.0℃~119.0℃の各温度(T)(wT(T))における重量分率を得る。
【0069】
(B)可溶性画分を含む累積重量分率0.500(50%)における温度中央値(T中央値)を計算する。溶出温度範囲全体(概して20.0~120.0℃の間)の累積重量分率は、1.00として正規化される。
【0070】
(C)溶出温度に対するコモノマー含有量の較正を使用して温度中央値(T中央値)におけるモル%(C中央値)における対応する全コモノマー含有率の中央値を計算する。
【0071】
(D)既知量のコモノマー含有量を有する一連の参照物質(エチレン-オクテンコポリマー)、すなわち、コモノマー含有量が0.0モル%~7.0モル%の範囲で、CEF実験項で指定される同じ実験条件でCEFで分析される、狭いコモノマー分布(35.0~119.0℃のCEFの単峰性コモノマー分布)を有し、35,000~115,000(コンベンショナルGPCで測定)の重量平均Mw(コンベンショナルGPCによる)を有する11の参照物質を使用することによって、コモノマー含有量検量曲線を作成する。参照材料のコモノマー含有量は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,292,845号(Kawasaki,et al.)及びJ.C.RandallのRev.Macromol.Chem.Phys.,C29,201-317に記載されている技術に従って、13C NMR分析を使用して決定する。
【0072】
(E)各参照材料及びそのコモノマー含有量のピーク温度(T
p)を使用することによってコモノマー含有量較正を計算する。較正は、以下の式に示される各参照材料から計算され、式中、R
2は相関定数である。
【数5】
(F)CDBIを、0.5
*C
中央値~1.5
*C
中央値の範囲のコモノマー含有量での総重量パーセンテージとして計算する。ポリマーの密度が0.94を超える場合、CDBIは、したがって100%と定義される(参照により本明細書に組み込まれる国際公開第1993/003093(A1)号を参照されたい)。
含水量試験
【0073】
洗浄ワイプは、不織布から形成される。4つの洗浄ワイプ、2つの比較例及び2つの本発明の実施例(以下に論じられる)を調製する。例示的な洗浄ワイプの各々の含水量(%)を、以下の試験方法に従って決定する:(1)1~2グラムの各例示的な洗浄ワイプを切断して試験用の試料を生成し、(2)各試料の重量を、W0として記録し、(3)各試料を、10重量%のグリコール、1重量%のポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、0.05重量%のエチレンジアミン三酢酸二ナトリウム塩(EDTA二ナトリウム)、及び88.95重量%の脱イオン水からなる溶液中で2時間浸漬し、(4)各試料を溶液から取り出し、周囲室温条件で20分間吊り下げ、(5)20分間吊り下げた後に、各試料の重量を、W1として記録し、(6)各例示的な洗浄ワイプの含水量(%)を、以下の式:[(W1-W0)/W0]*100%によって計算する。含水量試験の結果を、以下の表3に報告する。
【0074】
本明細書の1つ以上の実施形態では、上記試験方法によって決定された、20分間吊り下げた後の洗浄ワイプの含水量(%)は、800%超である。800%の全ての個々の値及び部分範囲が本明細書に含まれ、開示される。例えば、1つ以上の実施形態では、20分間吊り下げた後の洗浄ワイプの含水量(%)は、900%超、925%超、950%超、1,000%超、又は1,100%超である。他の実施形態では、20分間吊り下げた後の洗浄ワイプの含水量(%)は、801%~1,200%、801%~1,150%、801%~1,100%、801%~1,000%、801%~900%、900%~1,200%、900%~1,100%、900%~1,000%、又は1,000%~1,200%である。
【実施例】
【0075】
材料
ポリマー1(Poly.1)は、Cangzhou Tianyuan Plastics New Material Company,LLCによって製造されたポリプロピレンポリマーである。Poly.1は、0.900g/ccの密度を有する。
【0076】
ポリマー2(Poly.2)は、エチレンアルファ-オレフィンインターポリマーである。Poly.2を、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2018/169738(A1)号、段落75~87に提供される説明の発明の実施例5に提供されるプロセスに従って、かつその反応条件に基づいて調製した。Poly.2の特性を、以下の表1A及び表1Bに示す。
【表1】
【表2】
【0077】
ポリマー3(Poly.3)は、500g/10分のメルトインデックス(I2)及び0.874g/ccの密度を有するエチレンアルファ-オレフィンインターポリマーであり、Dow Chemical Company(Midland,MI,USA)からAFFINITY(商標)GA 1950の商品名で樹脂として市販されている。
【0078】
ポリマー4(Poly.4)は、30g/10分のメルトインデックス(I2)及び0.880g/ccの密度を有するエチレンアルファ-オレフィンブロックコポリマーであり、Dow Chemical Company(Midland,MI,USA)からINFUSE(商標)9900の商品名で樹脂として市販されている。
洗浄ワイプのプロセス条件及び実施例の調製
【0079】
不織布から形成された4つの洗浄ワイプ、2つの比較例及び2つの本発明の実施例を、表2に報告されるプロセス条件に従ってメルトブローン式ラインで製造する。メルトブローン式ラインは、450個の孔を有する紡糸口金ダイを備えている。孔径は、直径0.3mmであり、孔密度は、45個の孔/インチである。熱風流量を、0.8m
3/分に設定する。各試料の坪量は、70gsmである。
【表3】
【0080】
例示的な洗浄ワイプの各々の含水量(%)を、上記の試験方法に従って決定し、含水量試験からの結果を表3に報告する。
【表4】
【0081】
表3に示すように、本発明の実施例1及び本発明の実施例2は、20分間吊り下げた後、驚くほど高い含水量(%)を有する。比較例1及び比較例2は、本発明の実施例と比較した場合、含水量(%)に関して十分に機能しない。
【0082】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙されたまさにその数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わりに、別段明記されない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値を取り巻く機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0083】
本明細書で引用される文書は、存在する場合は、全て、いかなる相互参照された又は関連する特許若しくは出願、及び本出願がその優先権又は利益を主張するいかなる特許出願又は特許も含めて、明示的に除外又は別途制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。任意の文書の引用は、それが本明細書に開示又は特許請求された任意の発明に関する先行技術、又はそれ単独で、若しくは任意の他の参考文献との任意の組み合わせで、そのような発明を教示、示唆、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書における任意の用語の意味又は定義が、参照により組込まれた文書における同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合は、本文書においてその用語に割り当てられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0084】
本発明の特定の実施形態を図示し、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行い得ることは当業者には明らかであろう。そのため、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にあるそのような変更及び修正を全て網羅することが意図されている。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
不織布から形成された洗浄ワイプであって、
0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、
2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む、洗浄ワイプ。
項2.
SaMbSc構成を有する洗浄ワイプであって、式中、Sが、スパンボンド不織布であり、Mが、メルトブローン層であり、a及びcが、Sの層の数であり、0~5の範囲の独立した整数であり、bが、Mの層の数であり、1~5の範囲の独立した整数であり、
Mが、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む、洗浄ワイプ。
項3.
二成分繊維を含む不織布から形成された洗浄ワイプであって、
前記二成分繊維が、第1の領域及び第2の領域を有し、
前記第1の領域が、少なくとも75重量%のポリプロピレンを含む第1の組成物から形成されており、
前記第2の領域が、0.911~0.939g/ccの密度、50,000cP以下のブルックフィールド粘度、及び1.8~3.5の分子量分布(Mw,cc/Mn,cc)を有する第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、2.5重量%~25重量%の、0.900g/cc未満の密度及び少なくとも10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、を含む第2の組成物から形成されている、洗浄ワイプ。
項4.
前記第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、0.850~0.890g/ccの密度及び10g/10分~600g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、項1~3のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項5.
前記第2のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンブロックコポリマーである、項1~4のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項6.
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、4.0未満、又は代替的に3.5未満のMz,cc/Mn,ccを有する、項1~5のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項7.
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、コンベンショナルゲル浸透クロマトグラフィで判定される際、前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーの総重量に基づいて、2.5%未満、又は代替的に1.0%未満の105g/モル超の分子量の重量分率(w)を有する、項1~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項8.
前記第1のエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーが、50%超、又は代替的に50%~98%、又は代替的に50%~85%のコモノマー分布幅指数を有する、項1~7のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項9.
20分間吊り下げた後の前記洗浄ワイプの含水量(%)が、800%超である、項1、4~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。
項10.
前記洗浄ワイプが、1つ以上のスパンボンド不織布を更に含む、項1、3~6のいずれか一項に記載の洗浄ワイプ。