(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】使い捨ての熱伝達流体モジュールを備える加熱器および冷却器システム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/36 20060101AFI20240529BHJP
A61M 60/113 20210101ALI20240529BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20240529BHJP
【FI】
A61M1/36 175
A61M60/113
A61M60/216
(21)【出願番号】P 2022540639
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 IB2020062403
(87)【国際公開番号】W WO2021137116
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520121223
【氏名又は名称】リヴァノヴァ・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ボンチャール,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ボルフグラム,オリビアー
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-519328(JP,A)
【文献】特開平08-024333(JP,A)
【文献】国際公開第2019/068342(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/016542(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/026525(WO,A1)
【文献】特表2012-524626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
A61M 1/36
A61M 60/113
A61M 60/216
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的ユニットを加熱又は冷却するためのシステムであって、
前記システムは、
加熱器又は冷却器ユニットであり、
加熱器又は冷却器要素および加熱器又は冷却器ポンプを有する加熱器又は冷却器、ならびに、
熱交換要素を有する熱交換器、
を有し、前記加熱器又は冷却器ポンプが、前記加熱器又は冷却器要素および前記熱交換要素を通して前記加熱器又は冷却器ポンプに戻すように第1の流体を圧送する、加熱器又は冷却器ユニットと、
前記第1の流体と第2の流体との間で加熱又は冷却を伝達するために前記熱交換器までおよび前記熱交換器を通過するように圧送され、前記第2の流体と
前記標的ユニットとの間で加熱又は冷却を伝達するために前記標的ユニットまでおよび前記標的ユニットを通過するように圧送される、前記第2の流体を収容するように構成された、流体リザーバを画定する熱伝達流体タンクを有する熱伝達流体モジュールと、
を備
え、
前記熱伝達流体モジュール又は前記熱交換器が、可逆ポンプである熱伝達流体ポンプを有する、
システム。
【請求項2】
前記加熱器又は冷却器ポンプ、前記加熱器又は冷却器要素、および前記熱交換要素が、前記第1の流体を収容する閉回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記加熱器又は冷却器ポンプ、前記加熱器又は冷却器要素、および前記熱交換要素が、前記第2の流体の汚染を防止するように構成された、前記第1の流体を収容する気密密閉された閉回路である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記熱伝達流体モジュールが、使い捨ての熱伝達流体モジュールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱伝達流体モジュールが、前記流体リザーバと、前記流体リザーバから前記熱交換器および前記標的ユニットまでならびに前記流体リザーバに戻すように前記第2の流体を圧送するように構成された
前記熱伝達流体ポンプとを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
可逆の前記熱伝達流体ポンプが、前記第2の流体を前記熱交換器から排水して前記第2の流体を前記流体リザーバに戻すように構成され
ている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記熱交換器が、前記流体リザーバから前記熱交換器および前記標的ユニットまでならびに前記流体リザーバに戻すように前記第2の流体を圧送するように構成された
前記熱伝達流体ポンプを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
可逆の前記熱伝達流体ポンプが、前記第2の流体を前記熱交換器から排水して前記第2の流体を前記流体リザーバに戻すように構成され
ている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記熱交換器を消毒するための熱を提供するための一体型の熱消毒システムを前記熱交換器の周りに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記熱交換器から前記第2の流体が除去され、前記熱交換器を殺菌するためにおよび細菌増殖を防止するために、前記熱交換器が、前記熱消毒システムにより一定時間にわたって高温で高温消毒されるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱伝達流体タンクが、前記流体リザーバ内に延在する流体戻し管及び内部流体抽出管を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
標的ユニットを加熱又は冷却するためのシステムであって、
前記システムは、
第1の流体の温度を調整するように、および、前記第1の流体による汚染を防止する閉回路内で熱交換器を通過させるように前記第1の流体を圧送するように、構成された加熱器又は冷却器ユニットと、
ボディと前記ボディに対して密閉された頂部とを有する熱伝達流体タンクを有する熱伝達流体モジュールであって、前記熱伝達流体タンクは流体リザーバを画定し、前記熱伝達流体モジュールは、第2の流体および標的ユニットの温度を調整するために、前記流体リザーバから前記熱交換器および前記標的ユニットまでならびに前記流体リザーバに戻すように前記第2の流体を圧送するように構成された熱伝達流体ポンプを有し、前記熱伝達流体ポンプは前記熱伝達流体タンクの前記頂部に固定されている、熱伝達流体モジュールと、
を備
え、
前記熱伝達流体ポンプが可逆ポンプである、
システム。
【請求項13】
前記熱伝達流体モジュールが、前記流体リザーバ、前記熱伝達流体ポンプ、および前記第2の流体を前記熱交換器から前記標的ユニットまで通過させるように構成された通過管を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
可逆の前記熱伝達流体ポンプが、前記第2の流体を前記熱交換器から排水して前記第2の流体を前記流体リザーバに戻すように構成され
ている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
可逆の前記熱伝達流体ポンプが、可撓性ブレードを有
する可撓性インペラを有し、前記熱伝達流体ポンプの内部でインペラの方向に逆らって前記可撓性ブレードを曲げるように構成され
ている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記熱伝達流体モジュールが、使い捨ての熱伝達流体モジュールである、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記熱交換器を殺菌するために指定の時間にわたって高温で前記熱交換器を熱により消毒するように構成され、前記熱交換器の少なくとも一部を囲む一体型の熱消毒システムを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記加熱器又は冷却器ユニットが、前記熱伝達流体ポンプを駆動するように構成された駆動モーターを有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
第1の流体の温度を調整するように、および閉回路内で熱交換器を通過させるように前記第1の流体を圧送するように、構成された加熱器又は冷却器ユニットと、
流体リザーバを画定する熱伝達流体タンクと、
第2の流体および標的ユニットの温度を調整するために、前記流体リザーバから前記熱交換器および前記標的ユニットまでならびに前記流体リザーバに戻すように前記第2の流体を圧送する流体ポンプと、
を備え、
前記流体ポンプが、前記流体ポンプ内でのインペラのスピン方向の反対の方向に曲がっている可撓性ブレードを有するインペラを有する可逆ポンプである、
システム。
【請求項20】
前記可逆ポンプが、前記第2の流体を前記熱交換器から排水して前記第2の流体を前記流体リザーバに戻すように構成される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、標的ユニットを加熱および/または冷却(加熱/冷却)するためのシステムに関する。より詳細には、本開示は、体外血液循環中に人工心肺装置の人工肺内において、直接に、または例えば熱交換器などの二次流体回路を通して、患者または臓器、あるいは血液のような他の流体を加熱/冷却するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]人工肺は血液の体外酸素供給のために使用されるデバイスである。しばしば、人工肺が、人工心肺装置、または、塞栓症をかなりの程度まで回避することができる膜型人工肺を有する体外膜型酸素供給(ECMO:extracorporeal membrane oxygenation)デバイス内で使用される。気体混合器および流量計の補助により、酸素および二酸化炭素の移送が高い信頼性で制御される。
【0003】
[0003]人工肺内で、患者の血液が加温または冷却され、酸素供給される。人工肺は、任意選択で、血液を加温または冷却するための熱交換器を有する。人工肺内で、熱交換媒体が熱交換器を通って流れ、血液を加温するために熱量を血液に伝達するかまたは血液を冷却するために血液から熱量を吸収する。熱交換媒体は、通常、ポンプユニットにより熱交換器に供給され、血液との熱交換が行われた後、熱交換媒体が、同じポンプユニットによりまたは別のポンプユニットにより、熱交換器から排出される。例えば、水、グリコール、あるいはこれらの流体または他の流体の組み合わせなどの、熱交換媒体が、熱交換器に導かれる前に、加熱器/冷却器内で予め加熱または冷却される。そのサイズおよび複雑な構造のために、加熱器/冷却器は人工心肺装置またはECMOから分離される。
【0004】
[0004]一部の状況では、加熱器/冷却器の熱交換媒体およびシステム構成が、加熱器/冷却器の流体または媒体を再使用することに頼るか、加熱器/冷却器の流体または媒体の意図されない再使用を可能にするか、あるいは適切な洗浄および保守管理の指示またはプロトコルに従うことにおいて使用者または操作者に依存する。操作者が適切な指示またはプロトコルに従わない場合、このような状況が、加熱器/冷却器の流体または媒体中での汚染物質および可能性として有害な微生物の増加の潜在性を作り出す可能性がある。さらに、加熱器/冷却器は多くの用途において過度に電力供給される可能性があり、電力消費および電力供給の整合性の問題を呈する可能性がある。加えて、そのサイズが大きいことにより、加熱器/冷却器は有用性が制限される可能性があり、移送可能とならない可能性がある。さらに、そのサイズ・パワー比のために、加熱器/冷却器は、集中治療室(ICU)の用途に適さない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]実施例に記載されるように、実施例1は、標的ユニットを加熱/冷却するためのシステムである。システムが、加熱器/冷却器ユニットおよび熱伝達流体モジュールを有する。加熱器/冷却器ユニットが、加熱器/冷却器要素および加熱器/冷却器ポンプを有する加熱器/冷却器、ならびに、熱交換要素を有する熱交換器を有する。加熱器/冷却器ポンプが、加熱器/冷却器要素および熱交換要素を通して加熱器/冷却器ポンプに戻すように第1の流体を圧送する。熱伝達流体モジュールが、第1の流体と第2の流体との間で加熱/冷却を伝達するために熱交換器までおよび熱交換器を通過するように圧送され、第2の流体と標的ユニットとの間で加熱/冷却を伝達するために標的ユニットまでおよび標的ユニットを通過するように圧送される、第2の流体を有する、流体リザーバを有する。
【0006】
[0006]実施例2は、加熱器/冷却器ポンプ、加熱器/冷却器要素、および熱交換要素が、第1の流体を収容する閉回路である、実施例1のシステムである。
【0007】
[0007]実施例3は、加熱器/冷却器ポンプ、加熱器/冷却器要素、および熱交換要素が、第2の流体および手術室の汚染を防止するように構成された、第1の流体を収容する気密密閉された閉回路である、実施例2または3のシステムである。
【0008】
[0008]実施例4は、熱伝達流体モジュールが、使い捨ての熱伝達流体モジュールである、実施例1~3のいずれかのシステムである。
【0009】
[0009]実施例5は、熱伝達流体モジュールが、流体リザーバと、流体リザーバから熱交換器および標的ユニットまでならびに流体リザーバに戻すように第2の流体を圧送するように構成された熱伝達流体ポンプとを有する、実施例1~4のいずれかのシステムである。
【0010】
[0010]実施例6は、熱伝達流体ポンプが、第2の流体を熱交換器から排水して第2の流体を流体リザーバに戻すように構成された可逆ポンプである、実施例1~5のいずれかのシステムである。
【0011】
[0011]実施例7は、熱交換器が、流体リザーバから熱交換器および標的ユニットまでならびに流体リザーバに戻すように第2の流体を圧送するように構成された熱伝達流体ポンプを有する、実施例1~6のいずれかのシステムである。
【0012】
[0012]実施例8は、熱伝達流体ポンプが、第2の流体を熱交換器から排水して第2の流体を流体リザーバに戻すように構成された可逆ポンプである、実施例1~7のいずれかのシステムである。
【0013】
[0013]実施例9は、熱交換器を消毒するための熱を提供するための一体型の熱消毒システムを熱交換器の周りに備える、実施例1~8のいずれかのシステムである。
【0014】
[0014]実施例10は、熱交換器から第2の流体が除去され、熱交換器を殺菌するためにおよび細菌増殖を防止するために、熱交換器が、熱消毒システムにより一定時間にわたって高温で高温消毒される、実施例1~9のいずれかのシステムである。
【0015】
[0015]実施例11は、標的ユニットを加熱/冷却するためのシステムである。システムが、加熱器/冷却器ユニットおよび熱伝達流体モジュールを有する。加熱器/冷却器ユニットが、第1の流体の温度を調整するように、および、第1の流体による汚染を防止する閉回路内で熱交換器を通過させるように第1の流体を圧送するように構成される。熱伝達流体モジュールが、流体リザーバと、第2の流体および標的ユニットの温度を調整するために、流体リザーバから熱交換器および標的ユニットまでならびに流体リザーバに戻すように第2の流体を圧送する熱伝達流体ポンプを有する。
【0016】
[0016]実施例12は、熱伝達流体モジュールが、流体リザーバ、熱伝達流体ポンプ、および第2の流体を熱交換器から標的ユニットまで通過させるように構成された通過管を有する、実施例11のシステムである。
【0017】
[0017]実施例13は、熱伝達流体ポンプが、第2の流体を熱交換器から排水して第2の流体を流体リザーバに戻すように構成された可逆ポンプである、実施例11または12のシステムである。
【0018】
[0018]実施例14は、熱伝達流体ポンプが、可撓性ブレードを有し、熱伝達流体ポンプの内部でインペラの方向に逆らって可撓性ブレードを曲げるように構成された、可撓性インペラを有する可逆ポンプである、実施例11~13のいずれかのシステムである。
【0019】
[0019]実施例15は、熱伝達流体モジュールが、使い捨ての熱伝達流体モジュールである、実施例11~14のいずれかのシステムである。
【0020】
[0020]実施例16は、熱交換器を殺菌するために指定の時間にわたって高温で熱交換器を熱により消毒するように構成され、熱交換器の少なくとも一部を囲む一体型の熱消毒システムを備える、実施例11~15のいずれかのシステムである。
【0021】
[0021]実施例17は、加熱器/冷却器ユニットが、熱伝達流体ポンプを駆動するように構成された駆動モーターを有する、実施例11~16のいずれかのシステムである。
【0022】
[0022]実施例18は、加熱器/冷却器ユニットおよび熱伝達流体モジュールを使用して標的ユニット内の標的流体を加熱/冷却する方法である。加熱器/冷却器ユニットが、加熱器/冷却器ポンプ、加熱器/冷却器要素、および熱交換器を有し、熱伝達流体モジュールが、流体リザーバを有する。本方法が、加熱器/冷却器ポンプを使用して、閉回路内で加熱器/冷却器要素および熱交換器を通して加熱器/冷却器ポンプに戻すように第1の流体を圧送するステップと、加熱器/冷却器要素を用いて第1の流体を加熱/冷却するステップと、第1の流体および第2の流体が別個の流体として維持されて、流体リザーバから熱交換器および標的ユニットを通して流体リザーバに戻すように、第2の流体を圧送するステップとを含み、第2の流体を圧送するステップが、熱交換器内での第1の流体と第2の流体との間の熱伝達および標的ユニット内での第2の流体と標的流体との間の熱伝達を促進する。
【0023】
[0023]実施例19は、第2の流体を圧送するステップが、熱伝達流体モジュール内に位置する熱伝達流体ポンプを使用して第2の流体を圧送することおよび熱交換器内に位置する熱伝達流体ポンプを使用して第2の流体を圧送することのうちの一方を含む、実施例18の方法である。
【0024】
[0024]実施例20は、第2の流体を圧送することが、可逆ポンプを使用して第2の流体を圧送することを含み、本方法が、熱交換器から排水するために可逆ポンプを逆転させること、および排水された熱交換器を熱消毒システムを使用して消毒することをさらに含む、実施例18または19の方法である。
【0025】
[0025]実施例21は、加熱器/冷却器ユニット、流体リザーバ、および流体ポンプを有するシステムである。加熱器/冷却器ユニットが、第1の流体の温度を調整するように、および閉回路内で熱交換器を通過させるように第1の流体を圧送するように構成される。流体ポンプが、第2の流体および標的ユニットの温度を調整するために、流体リザーバから熱交換器および標的ユニットまでならびに流体リザーバに戻すように第2の流体を圧送する。流体ポンプが、流体ポンプ内でインペラのスピン方向の反対の方向に曲がっている可撓性ブレードを有するインペラを有する可逆ポンプである。
【0026】
[0026]実施例22は、可逆ポンプが、第2の流体を熱交換器から排水して第2の流体を流体リザーバに戻すように構成される、実施例21のシステムである。
【0027】
[0027]複数の実施形態が開示されるが、本開示の例示の実施形態を示して説明する以下の詳細な説明から本開示の他の実施形態が当業者には明らかとなろう。したがって、図面および詳細な説明は本質的に例示であるとみなされ、限定的であるとみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】[0028]本開示の実施形態による、モジュール型の加熱/冷却システムを示す図である。
【
図2】[0029]本開示の実施形態による、別のモジュール型の加熱/冷却システムを示す図である。
【
図3】[0030]本開示の実施形態による、加熱器/冷却器および一体型の熱交換器を有する加熱器/冷却器ユニットを示す図である。
【
図4】[0031]本開示の実施形態による、熱伝達流体タンクを示す斜視図である。
【
図5】[0032]本開示の実施形態による、熱伝達流体タンクを示す正面図である。
【
図6】[0033]本開示の実施形態による、熱伝達流体タンクを示す背面図である。
【
図7】[0034]本開示の実施形態による、熱伝達流体タンクを示す側面図である。
【
図8】[0035]本開示の実施形態による、熱伝達流体タンクを示す上面図である。
【
図9】[0036]本開示の実施形態による、
図8の線A-Aに沿う、熱伝達流体タンクを示す断面図である。
【
図10】[0037]本開示の実施形態による、
図8の線B-Bに沿う、熱伝達流体タンクを示す断面図である。
【
図11】[0038]本開示の実施形態による、熱伝達流体ポンプのインペラを示す図である。
【
図12】[0039]本開示の実施形態による、ポンプケーシング内で反時計回りにスピンするインペラを示す図である。
【
図13】[0040]本開示の実施形態による、ポンプケーシング内で時計回りにスピンするインペラを示す図である。
【
図14】[0041]本開示の実施形態による、流体タンクを標的ユニットに接続するためのチューブに接続された熱伝達流体タンクを示す図である。
【
図15】[0042]本開示の実施形態による、閉位置にあるチューブ上のクランプを示す図である。
【
図16】[0043]本開示の実施形態による、開位置にあるクランプを示す図である。
【
図17】[0044]本開示の実施形態による、
図1および2の加熱/冷却システムを使用して標的ユニット内の血液などの標的流体を加熱/冷却する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[0045]本開示は種々の修正形態および代替の形態を受け入れることができるが、特定の実施形態が図面に例として示されており、以下で詳細に説明される。しかし、説明される特定の実施形態のみに本開示を限定することは意図されない。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲内にあるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含することを意図される。
【0030】
[0046]
図1は、本開示の実施形態による、モジュール型の加熱/冷却システム100を示す図である。加熱/冷却システム100が、加熱器/冷却器ユニット102、使い捨ての熱伝達流体モジュール104、および標的ユニット106を有する。
【0031】
[0047]使い捨ての熱伝達流体モジュール104が使い捨てであるという利点を提供し、その結果、システム内の汚染物質および可能性として有害な微生物の増加を排除または低減するために、熱伝達流体モジュール104内に熱伝達流体を有する熱伝達流体モジュール104が廃棄される。実施形態では、使い捨ての熱伝達流体モジュール104は1回使用のモジュールである。実施形態では、熱伝達流体モジュール104は、システム100に対して熱伝達流体モジュール104を特定する、後で考察されるトランスポンダ308などのトランスポンダまたは無線周波識別(RFID)タグを有する。トランスポンダまたはRFIDタグが、熱伝達流体を有する熱伝達流体モジュール104の使用回数を制限するのに使用され得る。
【0032】
[0048]標的ユニット106が熱交換器を有し、いくつかの実施形態では、標的ユニット106が、熱交換器を有する人工肺を有する。さらに、実施形態では、標的ユニット106が、熱伝達流体モジュール104に隣接してよく、熱伝達流体モジュール104から離れていてよく、および/または熱伝達流体モジュール104から分離していてよい、標的箇所に位置する。いくつかの実施形態では、標的ユニット106が、熱伝達流体モジュール104に隣接する標的箇所にある。いくつかの実施形態では、標的ユニット106が、熱伝達流体モジュール104から離れている標的箇所にある。標的ユニット106が熱伝達流体モジュール104から離れている標的箇所にある実施形態では、システムが、例えば
図14に示されるような、チューブを使用することができる。
【0033】
[0049]加熱器/冷却器ユニット102、熱伝達流体モジュール104、および/または標的ユニット106を含めた、システム100の多様な部品が、システム100の加熱/冷却能力を増大させるためにおよび/または加熱/冷却チャネルの数を増加させるために他の同様の部品に結合され得る。加熱/冷却能力を増大させるためにおよび/または加熱/冷却チャネルを増加させるために、例えば、複数の加熱器/冷却器ユニット102が直列にもしくは並列に接続され得、および/または、複数の熱伝達流体モジュール104が直列にもしくは並列に接続され得、ならびに/あるいは、複数の標的ユニット106が直列にまたは並列に接続され得る。さらに、複数の同様の部品を有することにより、部品のうちの任意の部品の故障に備えての冗長性が実現され、モジュール性により、多様な用途において必要となるように、多様な電力消費要求に適合するようにおよび最適化された加熱/冷却能力を提供するようにシステム100をカスタマイズすることが可能となる。
【0034】
[0050]多くの用途において、システム100は、加熱器/冷却器ユニット102、熱伝達流体モジュール104、および/または標的ユニット106の各々1つを有する。これらの実施形態では、システム100が500~600ワットを消費し、それにより、システム100を、救急車、航空機、およびヘリコプターの用途などの、運搬可能な用途に適合させることになる。さらに、低電力消費により、システム100を、バッテリー作動および無停電電源装置(UPS)の使用に適合させることになる。加えて、低電力消費により、システム100を複数の国の電気システムに適合させることになり、システム100が、単一のコンセントに過度に電力供給することなく1つのコンセントにプラグ接続され得る。したがって、システム100は、1つの電気コンセントで最大3.5キロワットを供給することができるヨーロッパにおいて、1つの電気コンセントで1.8キロワットを供給することができる米国において、および1つの電気コンセントで最大1.5キロワットしか供給することができない日本において、使用され得る。
【0035】
[0051]さらに、加熱/冷却システム100は、システム100またはシステム100の構成要素を人工心肺装置(HLM)の近くに配置するなどの、小さいエリアでの用途に適合させるサイズの利点を有する。いくつかの実施形態では、システム100が、0.5×0.5×0.5メートルの面積または体積しか占有しない。このことによって、低電力消費と相まって、病院環境内での患者の搬送を含めた、運搬可能な用途においてシステム100を利用可能にする。
【0036】
[0052]システム100は、医療分野での多様な加熱/冷却用途で使用され得る。これらの医療分野の用途には、人工肺内の血液の加熱/冷却、心臓麻痺での薬物の加熱/冷却、衣類、またはブランケットなどの他のアイテムの加熱/冷却、高熱療法および低体温法の手技、ならびに臓器潅流での流体の加熱/冷却が含まれる。加えて、加熱/冷却システム100は、集中治療室(ICU)の中などでの、心肺バイパス法(CPB:cardiopulmonary bypass)および体外膜型酸素供給(ECMO)で使用され得る。
【0037】
[0053]加熱器/冷却器ユニット102は、加熱器/冷却器108、および、加熱器/冷却器チューブ112により加熱器/冷却器108に流体的に結合された一体型の熱交換器110を有する。加熱器/冷却器108が、加熱器/冷却器チューブ112を介して加熱器/冷却器ポンプ116に流体的に結合された加熱器/冷却器要素114を有する。一体型の熱交換器110が、加熱器/冷却器チューブ112を介して加熱器/冷却器要素114および加熱器/冷却器ポンプ116に流体的に結合された加熱器/冷却器熱交換要素118を有する。加熱器/冷却器ポンプ116が、加熱器/冷却器要素114および加熱器/冷却器チューブ112を通して、一体型の熱交換器110内の熱交換要素118までおよび熱交換要素118から、第1の流体を圧送する。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器要素114が、ヒートポンプ、抵抗加熱要素、または熱電加熱要素のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器ポンプ116が、HLMのポンプおよび/または独立型のポンプを含む。いくつかの実施形態では、第1の流体が、水、グリコール、またはこれらの流体もしくは他の流体の組み合わせであるか、あるいは、水、グリコール、またはこれらの流体もしくは他の流体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器108が、加熱器/冷却器ユニット102の永久的な一部である。
【0038】
[0054]他の実施形態では、加熱器/冷却器108が、他方のユニット上の受け部に嵌合する一方のユニットの上にあるフランジまたは拡張部分によってなど、一体型の熱交換器110に直接に接続され得る。実施形態では、これらの直接の接続が、システムのサイズおよび設置面積を低減することができる。さらに、いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器108が、熱伝導プレートまたは熱放射などにより、第1の流体およびチューブを通さずに、一体型の熱交換器110に熱的に接続され得る。
【0039】
[0055]いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器チューブ112、加熱器/冷却器要素114、加熱器/冷却器ポンプ116、および熱交換要素118が、加熱器/冷却器108および一体型の熱交換器110内の熱交換要素118を通って流れる第1の流体を収容する閉回路である。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器チューブ112、加熱器/冷却器要素114、加熱器/冷却器ポンプ116、および熱交換要素118が、第1の流体を収容する気密密閉された閉回路である。加熱器/冷却器チューブ112、加熱器/冷却器要素114、加熱器/冷却器ポンプ116、および熱交換要素118が閉回路である実施形態では、システム100が、第1の流体を保持する開放空気タンクによるORの汚染を防止する。さらに、これらの実施形態は、加熱器/冷却器チューブ112、加熱器/冷却器要素114、加熱器/冷却器ポンプ116、および一体型の熱交換器110内の熱交換要素118を消毒するための必要性を低減または排除する。
【0040】
[0056]熱伝達流体モジュール104は、熱伝達流体リザーバ122、熱伝達流体ポンプ124、および熱伝達流体通過管126を有する熱伝達流体タンク120を有する。いくつかの実施形態では、熱伝達流体モジュール104が1回使用の使い捨てのモジュールである。いくつかの実施形態では、熱伝達流体ポンプ124がHLMのポンプおよび/または独立型のポンプを有する。いくつかの実施形態では、熱伝達流体ポンプ124が可逆ポンプである。いくつかの実施形態では、熱伝達流体ポンプ124が、加熱器/冷却器ユニット102内の一体型の熱交換器110の一部である。いくつかの実施形態では、熱伝達流体通過管126が、熱伝達流体タンク120の一部ではない。
【0041】
[0057]熱伝達流体モジュール104が、クイック接続/切断部128aおよび128bにより加熱器/冷却器ユニット102に流体的に結合され、その結果、熱伝達流体通過管126が、チューブ130およびクイック接続/切断部128aを通して一体型の熱交換器110に流体的に結合され、熱伝達流体ポンプ124が、チューブ132およびクイック接続/切断部128bにより一体型の熱交換器110に流体的に結合される。
【0042】
[0058]他の実施形態では、熱伝達流体モジュール104が、加熱器/冷却器ユニット102および一体型の熱交換器110に直接に接続され得る。いくつかの実施形態では、熱伝達流体モジュール104が、クイック接続/切断部128aおよび128bなどにより、加熱器/冷却器ユニット102および一体型の熱交換器110に直接に接続され得る。いくつかの実施形態では、熱伝達流体モジュール104が、他方のユニット上の受け部に嵌合する一方のユニット上にあるフランジまたは拡張部分などにより、加熱器/冷却器ユニット102および一体型の熱交換器110に直接に接続され得る。いくつかの実施形態では、クイック接続/切断部128aおよび128bが、熱伝達流体モジュール104を一体型の熱交換器110に解除可能に接続するための解除ボタンを有するスナップ嵌合機構であってよい。熱伝達流体モジュール104がクイック接続/切断部134aおよび134bにより標的ユニット106に流体的に結合され、その結果、熱伝達流体通過管126が、チューブ136およびクイック接続/切断部134aを通して標的ユニット106に流体的に結合され、熱伝達流体リザーバ122が、チューブ138およびクイック接続/切断部134bを通して標的ユニット106に流体的に結合される。
【0043】
[0059]他の実施形態では、熱伝達流体モジュール104が、クイック接続/切断部128aおよび128bなどにより、あるいは他方のユニット上の受け部に嵌合する一方のユニットの上にあるフランジまたは拡張部分などにより、標的ユニット106に直接に接続され得る。いくつかの実施形態では、クイック接続/切断部128aおよび128bが、熱伝達流体モジュール104を標的ユニット106に解除可能に接続するための解除ボタンを有するスナップ嵌合機構であってよい。
【0044】
[0060]熱伝達流体リザーバ122が、熱伝達流体ポンプ124により、一体型の熱交換器110、熱伝達流体通過管126、標的ユニット106を通り熱伝達流体リザーバ122に戻るように圧送される第2の熱伝達流体を収容し、つまり、このような第2の熱伝達流体が熱伝達流体リザーバ122に充填される。実施形態では、熱伝達流体ポンプ124が可逆ポンプであり、その結果、第2の流体が、一体型の熱交換器110および/または標的ユニット106から排水され得、熱伝達流体リザーバ122に戻され得る。したがって、熱伝達流体モジュール104が切断されて廃棄され得、それにより、第2の流体を保持する開放空気タンクによるORの汚染を防止する。いくつかの実施形態では、第2の流体が、水、グリコール、またはこれらの流体もしくは他の流体の組み合わせであるか、あるいは、水、グリコール、またはこれらの流体もしくは他の流体の組み合わせを含む。
【0045】
[0061]実施形態では、一体型の熱消毒システム140が一体型の熱交換器110を囲み、一体型の熱交換器110を消毒するための熱を提供する。消毒中、一体型の熱交換器110からすべての残留する第2の流体が除去され、細菌増殖を防止することを含めて、一体型の熱交換器110を殺菌するために、一体型の熱交換器110が、95℃などの温度で、特定の時間にわたって、高温消毒される。
【0046】
[0062]動作中、加熱器/冷却器ポンプ116が、加熱器/冷却器要素114および加熱器/冷却器チューブ112を通して、一体型の熱交換器110内の熱交換要素118までおよび熱交換要素118から、第1の流体を圧送する。加熱器/冷却器要素114が、第1の流体を加熱/冷却するために制御される。さらに、いくつかの実施形態において加熱器/冷却器ユニット102内の一体型の熱交換器110の一部である熱伝達流体ポンプ124が、熱伝達流体リザーバ122から、一体型の熱交換器110、熱伝達流体通過管126、標的ユニット106を通して、熱伝達流体リザーバ122に戻すように、第2の流体を圧送する。
【0047】
[0063]第1の流体および第2の流体がシステム100内で分離した状態を維持し、第2の流体の温度が第1の流体の温度によって調整される。第2の流体が熱交換要素118によって加熱/冷却され、ここでは、第1の流体が熱交換要素118を通って流れる。実施形態では、第2の流体が、熱交換要素118に物理的に接触している一体型の熱交換器110を通って流れる。実施形態では、第1の流体から第2の流体へ加熱/冷却を伝達するのに、および第1および第2の流体を分離状態で維持するのに、異なる種類の一体型の熱交換器110が使用され得る。
【0048】
[0064]いくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2017年10月6日に出願された、「MODULAR HEATER COOLER WITH DISPOSABLE HEAT TRANSFER FLUID CIRCUIT」と題される、国際特許出願番号PCT/EP2017/075473を有する公開番号WO/2019/068342で説明される熱交換器のうちの1つまたは複数の熱交換器などの、異なる種類の一体型の熱交換器110が使用され得る。
【0049】
[0065]第2の流体は、標的ユニット106を加熱/冷却するために標的ユニット106を通って流れる。いくつかの実施形態では、標的ユニット106が標的流体を有し、第2の流体が標的ユニット106を通って流れ、それにより、第2の流体と標的流体との間の熱伝達を促進する。実施形態では、標的ユニット106が、血液を加熱/冷却するための熱交換器を有する人工肺を有するかまたはこのような人工肺であり、その結果、第2の流体が人工肺の熱交換器を通って流れ、それにより、標的流体である血液を加熱/冷却する。
【0050】
[0066]いくつかの実施形態では、標的ユニット106が、血液流体ライン139aおよび139bにより患者137に流体的に接続された人工肺を有するかまたはこのような人工肺である。人工肺が、標的流体として患者137からの血液を受け取る、および第2の流体を受け取る、熱交換器を有する。実施形態では、血液が、患者137から、血液流体ライン139aを通って、人工肺内の熱交換器を含めて、人工肺まで流れ、血液が、血液流体ライン139bを通って、人工肺および熱交換器から、患者137に戻るように流れる。血液の温度が、第2の流体と人工肺の熱交換器内の血液との間の熱伝達によって調整される。
【0051】
[0067]
図2は、本開示の実施形態による、別のモジュール型の加熱/冷却システム100’を示す図である。加熱/冷却システム100’は、使い捨ての熱伝達流体モジュール104内の熱伝達流体タンク120から加熱器/冷却器ユニット102内の一体型の熱交換器110に熱伝達流体ポンプ124が移動させられていることを除いて、加熱/冷却システム100と同じである。したがって、加熱/冷却システム100’が、熱伝達流体ポンプ124を含まない使い捨ての熱伝達流体モジュール104’内にある熱伝達流体タンク120’、および熱伝達流体ポンプ124を含む加熱器/冷却器ユニット102’内にある一体型の熱交換器110’を有する。
図2内の他の参照番号を付される構成要素は、
図1内の同様の参照符号を付された構成要素と同じ形態および機能であり、加熱/冷却システム100’は加熱/冷却システム100と同じように機能および動作する。
【0052】
[0068]
図3は、本開示の実施形態による、加熱器/冷却器202および一体型の熱交換器206を有する加熱器/冷却器ユニット200を示す図である。実施形態では、加熱器/冷却器ユニット200は、加熱器/冷却器ユニット102(
図1に示される)または加熱器/冷却器ユニット102’(
図2に示される)と同様である。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器202は加熱器/冷却器108と同様であり、いくつかの実施形態では、熱交換器206は、一体型の熱交換器110(
図1に示される)または一体型の熱交換器110’(
図2に示される)と同様である。
【0053】
[0069]加熱器/冷却器202は、電子制御ユニット208および、一次回路210内の第1の流体を加熱および冷却するための一次回路210を有する。電子制御ユニット208は、制御装置、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、およびコンピュータのうちの1つまたは複数であってよい。さらに、電子制御ユニット208が、記憶装置、タッチスクリーンディスプレイなどの入出力部分を有するユーザーインターフェース、および、加熱器/冷却器202の構成要素を制御するために電子制御ユニット208によって実行される記憶装置に保存された実行可能コードを有することができる。一次回路210が、第1の流体を加熱するための加熱回路経路内にある、チューブ210a上にあるスラッシュによって示される加熱回路チューブ210a、および、第1の流体を冷却するための冷却回路経路内にある、スラッシュを有さないチューブ210bによって示される冷却回路チューブ210bを有する。いくつかの実施形態では、第1の流体が水を含む。いくつかの実施形態では、一次回路210が、加熱器/冷却器202の永久的な一部である。
【0054】
[0070]いくつかの実施形態では、加熱回路経路および冷却回路経路を有する一次回路210が、第1の流体を収容する閉回路である。いくつかの実施形態では、加熱回路経路および冷却回路経路を有する一次回路210が、第1の流体を収容する気密密閉された閉回路である。一次回路210が閉回路である実施形態では、加熱器/冷却器ユニット200が、第1の流体を保持する開放空気タンクによるORの汚染を防止する。さらに、これらの実施形態は、一次回路210を消毒するための必要性を排除する。
【0055】
[0071]一次回路210は、加熱器/冷却器要素212、加熱器/冷却器一次回路ポンプ214、熱交換器206の一部、および任意選択で補助熱交換器218を有する。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器要素212がヒートポンプを有する。いくつかの実施形態では、一次回路ポンプ214が、HLMのポンプ、および/または独立型のポンプを含む。いくつかの実施形態では、補助熱交換器218が220で熱交換器流体を受け取り、222で熱交換器流体を給送する。熱交換器流体が、熱交換器流体と第1の流体との間の熱伝達を促進するために補助熱交換器218を通して圧送される。
【0056】
[0072]一次回路経路210は、加熱回路弁224aおよび224bならびに冷却回路弁226aおよび226bをさらに有する。加えて、一次回路経路210は、加熱回路膨張弁228および冷却回路膨張弁230を有する。電子制御ユニット208は、加熱器/冷却器202の動作を制御するために、加熱器/冷却器要素212、一次回路ポンプ214、熱交換器206、補助熱交換器218、加熱回路弁224aおよび224b、冷却回路弁226aおよび226b、加熱回路膨張弁228、ならびに冷却回路膨張弁230に電気的に結合される。
【0057】
[0073]加熱回路経路内で、加熱回路チューブ210aが以下の構成要素を流体的に結合する。加熱器/冷却器要素212が加熱回路弁224aに流体的に結合され、加熱回路弁224aが一次回路ポンプ214に流体的に結合され、一次回路ポンプ214が加熱回路弁224bに流体的に結合され、加熱回路弁224bが熱交換器206に流体的に結合され、熱交換器206が加熱回路膨張弁228に流体的に結合され、加熱回路膨張弁228が補助熱交換器218に流体的に結合され、補助熱交換器218が加熱器/冷却器要素212に流体的に結合される。
【0058】
[0074]冷却回路経路内で、冷却回路チューブ210bが以下の構成要素を流体的に結合する。加熱器/冷却器要素212が冷却回路膨張弁230に流体的に結合され、冷却回路膨張弁230が熱交換器206に流体的に結合され、熱交換器206が冷却回路弁226aに流体的に結合され、冷却回路弁226aが一次回路ポンプ214に流体的に結合され、一次回路ポンプ214が冷却回路弁226bに流体的に結合され、冷却回路弁226bが補助熱交換器218に流体的に結合され、補助熱交換器218が加熱器/冷却器要素212に流体的に結合される。
【0059】
[0075]第1の流体の加熱中、一次回路ポンプ214は、加熱回路弁224bを有する加熱回路経路を通して、熱交換器206まで、加熱回路膨張弁228まで、補助熱交換器218まで、加熱器/冷却器要素212まで、加熱回路弁224aまで、および、一次回路ポンプ214に戻すように、第1の流体を圧送する。一次回路ポンプ214および加熱器/冷却器要素212は、第1の流体を加熱するために電子制御ユニット208によって制御される。さらに、任意選択で、補助熱交換器218が、第1の流体を加熱するために、電子制御ユニット208などによって制御される。
【0060】
[0076]第1の流体の冷却中、一次回路ポンプ214は、冷却回路弁226bを有する冷却回路経路を通して、補助熱交換器218まで、加熱器/冷却器要素212まで、冷却回路膨張弁230まで、熱交換器206まで、冷却回路弁226aまで、および一次回路ポンプ214に戻すように、第1の流体を圧送する。一次回路ポンプ214および加熱器/冷却器要素212は、第1の流体を冷却するために電子制御ユニット208によって制御される。さらに、任意選択で、補助熱交換器218が、第1の流体を冷却するために、電子制御ユニット208などにより、制御される。
【0061】
[0077]熱交換器206は、第1の流体がそこを通って流れる一次回路210の一部である、熱交換要素118などの、熱交換要素を有する。熱交換器206は、熱交換器206内で第1の流体と第2の流体との間の熱伝達を促進するために第2の流体がそこを通って流れる二次回路232の一部をさらに有する。第2の流体の温度は、第1の流体の温度によって調整される。いくつかの実施形態では、熱交換器206が、第1の流体および第2の流体の少なくとも一方を加熱および/または冷却するために熱交換器206に熱的に結合された熱電加熱器/冷却器234を有する。いくつかの実施形態では、熱電加熱器/冷却器234が、電子制御ユニット208によって制御される。いくつかの実施形態では、標的ユニット106などの、標的ユニットが標的流体を有し、第2の流体が、第2の流体と標的流体との間の熱伝達を促進するために標的ユニットを通って流れる。
【0062】
[0078]いくつかの実施形態では、熱交換器206が、熱交換器206内で第1の流体を加熱するように構成された1つまたは複数の補助電気加熱器を有する。いくつかの実施形態では、熱交換器206が、熱交換器206内で第2の流体を加熱するように構成された1つまたは複数の補助電気加熱器を有する。いくつかの実施形態では、熱交換器206が、熱交換器206を乾燥させて熱により消毒するために熱消毒中に使用されるように構成された1つまたは複数の補助電気加熱器を有する。いくつかの実施形態では、熱交換器206内の1つまたは複数の補助電気加熱器が、電子制御ユニット208によって制御される。
【0063】
[0079]
図4~16は、本開示の実施形態による、例示の熱伝達流体タンク300を示す図である。流体タンク300は熱伝達流体モジュール104(
図1に示される)内で使用され得る。実施形態では、流体タンク300は熱伝達流体タンク120(
図1に示される)と同様である。
【0064】
[0080]
図4は、本開示の実施形態による、熱伝達流体タンク300の斜視図を示す図である。流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体タンク300は、流体タンク300を、加熱器/冷却器ユニット102および標的ユニット106などの他のモジュールに接続するための接続部をさらに有する。いくつかの実施形態では、熱伝達流体タンク300が、ベースシステムに対して流体タンク300を特定するために、および、例えば交換せずに流体タンク300を再使用するといったような、認可外使用を防止するために、ベースシステムに対して無線通信するためのトランスポンダ308を有する。いくつかの実施形態では、流体リザーバ302は熱伝達流体リザーバ122と同様である。いくつかの実施形態では、流体ポンプ304は熱伝達流体ポンプ124と同様である。いくつかの実施形態では、流体通過管306は熱伝達流体通過管126と同様である。
【0065】
[0081]図に示される熱伝達流体タンク300は、平坦な底部310を有する長方形角柱または長方形ボックスのように成形され、その結果、流体タンク300が安定して直立する。他の実施形態では、流体タンク300が、円筒形、立方体、または三角形角柱などの、別の適切な形状であってもよい。
【0066】
[0082]図に示される熱伝達流体リザーバ302は、流体タンク300の背面314から流体タンク300の前面316まで下方に角度を付けられたリザーバ底部312を備える長方形角柱または長方形ボックスのように成形される。この角度を付けられたリザーバ底部312が、流体リザーバ302内の流体を流体リザーバ302のより深い前方部分まで流すようにする。さらに、角度を付けられたリザーバ底部312が、熱伝達流体通過管306を流体タンク300に取り付けるための空間を流体リザーバ302の外部に作る。
【0067】
[0083]熱伝達流体リザーバ302は、ボディ318、およびボディ318に固定されてボディ318に対して密閉された頂部320を有する。流体タンク300は、充填キャップ322を頂部320内の充填キャップ箇所324の中にねじ込むことつまり充填キャップ322を回転させて頂部320内の充填キャップ箇所324の中に入れることなどにより、頂部320に取り外し可能に固定された充填キャップ322をさらに有する。頂部320内にある充填キャップ箇所324を通して流体リザーバ302に熱伝達流体が充填され、次いで、充填キャップ322が頂部320に固定される。
【0068】
[0084]頂部320は、標的ユニット106などの標的ユニットに流体タンク300を接続するための標的ユニット接続部326、および、加熱器/冷却器ユニット102などの加熱器/冷却器モジュールに流体タンク300を接続するための加熱器/冷却器接続部328をさらに有する。標的ユニット接続部326は、流体戻し管330に流体的に結合されるかまたは流体戻し管330に形成され、流体戻し管330が流体リザーバ302の内部にあり、流体リザーバ302の底部の方に延在する。
【0069】
[0085]熱伝達流体ポンプ304は、頂部320に固定され、加熱器/冷却器接続部328に流体的に結合される。さらに、流体ポンプ304が、熱伝達流体リザーバ302のより深い前方底部分まで延在する内部流体抽出管332に流体的に結合される。流体ポンプ304は、駆動モーターに結合されるように構成された駆動シャフト334を有し、駆動モーターが加熱器/冷却器ユニットの一部である駆動モーターであってよく、必要に応じて駆動シャフト334を順方向および逆方向に回転させる。
【0070】
[0086]実施形態では、熱伝達流体通過管306の一方の端部が、一体型の熱交換器110などの一体型の熱交換器に流体的に結合された加熱器/冷却器接続部336を有し、338に示される熱伝達流体通過管306のもう一方の端部が、標的ユニット106などの標的ユニットに流体的に結合される。熱伝達流体ポンプ304は、もう一方の加熱器/冷却器接続部328を通して一体型の熱交換器に流体的に結合され、標的ユニット接続部326は標的ユニットに流体的に結合される。
【0071】
[0087]動作中、熱伝達流体タンク300は、加熱器/冷却器ユニット102などの加熱器/冷却器ユニットに流体的に結合され、さらに、標的ユニット106などの標的ユニットに流体的に結合される。頂部320内にある充填キャップ箇所324を通して熱伝達流体リザーバ302に熱伝達流体が充填され、充填キャップ322が頂部320に固定される。内部流体抽出管332を通して熱伝達流体を吸引するためにおよび流体リザーバ302から加熱器/冷却器接続部328の外へおよび一体型の熱交換器および熱伝達流体通過管306を通して標的ユニットまで熱伝達流体を圧送するために、熱伝達流体ポンプ304が順方向に駆動される。熱伝達流体は、標的ユニット接続部326および流体戻し管330を通して標的ユニットから流体リザーバ302まで戻る。
【0072】
[0088]実施形態では、加熱器/冷却器ユニット102および標的ユニット106などの接続されたモジュールから熱伝達流体を排水または除去するために、標的ユニットが標的ユニット接続部326から切断され、熱伝達流体ポンプ304が、一体型の熱交換器および標的ユニットから内部流体抽出管332を通して流体リザーバ302の中に戻すように熱伝達流体を引き入れるために逆方向に駆動される。次いで、一体型の熱交換器110などの熱交換器が消毒され得る。
【0073】
[0089]
図5は、本開示の実施形態による、熱伝達流体タンク300の正面図を示す図であり、
図6は、本開示の実施形態による、熱伝達流体タンク300の背面図を示す図である。
図5に示される正面図が流体タンク300の正面316を示し、
図6に示される背面図が流体タンク300の背面314を示す。
【0074】
[0090]
図5および6を参照すると、熱伝達流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体リザーバ302はボディ318および頂部320を有し、流体タンク300は、充填キャップ箇所324で頂部320に取り外し可能に固定された充填キャップ322を有する。さらに、破線340まで、流体リザーバ302に熱伝達流体が充填される。
【0075】
[0091]頂部320は、流体タンク300を標的ユニットに接続するための標的ユニット接続部326、および流体タンク300を加熱器/冷却器ユニットに接続するための加熱器/冷却器接続部328を有する。標的ユニット接続部326は流体戻し管330に流体的に結合され、加熱器/冷却器接続部328は熱伝達流体ポンプ304に流体的に結合され、熱伝達流体ポンプ304は内部流体抽出管332に流体的に結合される。流体ポンプ304は駆動モーターに結合されるように構成された駆動シャフト334を有し、駆動モーターが駆動シャフト334を順方向および逆方向に回転させる。
【0076】
[0092]
図5および6をさらに参照すると、熱伝達流体タンク300は、長方形である正面輪郭および長方形である背面輪郭を有する。背面輪郭は、流体リザーバ302の外部に、熱伝達流体通過管306のための空間を作る角度を付けられたリザーバ底部312を有する。流体通過管306は、標的ユニット接続部338および加熱器/冷却器接続部336を有する。頂部320の標的ユニット接続部326および通過管306の標的ユニット接続部338は、各々、チューブ342に接続され、チューブ342が標的ユニットにさらに接続される。実施形態では、流体通過管306が、取り付け機構344により一方の端部で流体タンク300に取り付けられ、第2の取り付け機構346によりもう一方の端部で流体端部300に取り付けられる。他の実施形態では、管306を空洞を通して挿入して管306を定位置でクランプ固定することなどの、他の手法で、流体通過管306が流体タンク300に取り付けられ得る。
【0077】
[0093]
図7は、本開示の実施形態による、熱伝達流体タンク300の側面図を示す図であり、
図8は、本開示の実施形態による、熱伝達流体タンク300の上面図を示す図である。熱伝達流体タンク300が、長方形である側面輪郭および長方形である上面輪郭を有する。
図7および8の図の各々が、流体タンク300の正面316および背面314を示す。
図7に示される側面図が、流体タンク300の熱伝達流体ポンプ304を備える側を示しており、
図8に示される上面図が、流体タンク300の頂部320を示している。
【0078】
[0094]
図7および8を参照すると、熱伝達流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体リザーバ302はボディ318および頂部320を有し、流体タンク300は、頂部320に取り外し可能に固定された充填キャップ322を有する。さらに、破線340まで、流体リザーバ302に熱伝達流体が充填される。
【0079】
[0095]頂部320は、流体タンク300を標的ユニットに接続するための標的ユニット接続部326、および流体タンク300を加熱器/冷却器ユニットを接続するための加熱器/冷却器接続部328を有する。加熱器/冷却器接続部328は、内部流体抽出管332に流体的に接続された熱伝達流体ポンプ304に流体的に結合される。流体ポンプ304は駆動モーターに結合されるように構成された駆動シャフト334を有し、駆動モーターが駆動シャフト334を順方向および逆方向に回転させる。
【0080】
[0096]
図9は、本開示の実施形態による、
図8の線A-Aに沿う、熱伝達流体タンク300の断面図を示す図である。熱伝達流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体リザーバ302はボディ318および頂部320を有し、340の線まで、流体リザーバ302に熱伝達流体が充填される。
【0081】
[0097]頂部320は、流体タンク300を標的ユニットに接続するための標的ユニット接続部326、および流体タンク300を加熱器/冷却器ユニットに接続するための加熱器/冷却器接続部328を有する。標的ユニット接続部326はチューブ342および流体戻し管330に流体的に結合され、加熱器/冷却器接続部328は熱伝達流体ポンプ304に流体的に結合され、熱伝達流体結合ポンプ304は内部流体抽出管322に流体的に結合される。さらに、流体通過管306は、加熱器/冷却器接続部336、および標的ユニット接続部338(
図9に示されない)に接続されたチューブ342を有する。
【0082】
[0098]流体ポンプ304は、駆動モーターに結合されるように構成された駆動シャフト334を有し、駆動モーターが駆動シャフト334を順方向および逆方向に回転させる。断面で見ることができるように、流体ポンプ304は、ねじなどのデバイス354によりポンプケーシング352に固定されたポンプ正面350を有する。駆動シャフト334は、インペラ358に取り付けられた内部駆動シャフト部分356を有する。駆動シャフト部分356は、ポンプ正面350を通って駆動シャフト334の端部まで延在し、駆動シャフト334は、駆動モーターに結合されるように構成される。駆動シャフト334が駆動モーターによって回転させられ、流体リザーバ302の中へおよび流体リザーバ302の外へ熱伝達流体を圧送するためにインペラ358を回転させる。
【0083】
[0099]
図10は、本開示の実施形態による、
図8の線B-Bに沿う、熱伝達流体タンク300の断面図を示す図である。簡単に言うと、熱伝達流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体リザーバ302はボディ318および頂部320を有し、340の線まで、流体リザーバ302に熱伝達流体が充填される。
【0084】
[0100]頂部320は、流体タンク300を標的ユニットに接続するための標的ユニット接続部326、および充填キャップ322を有する。標的ユニット接続部326は、チューブ342および流体戻し管330に流体的に結合され、加熱器/冷却器接続部328(
図10には示されない)は、内部流体抽出管332に流体的に結合された熱伝達流体ポンプ304に流体的に結合される。さらに、流体通過管306は、チューブ342に接続された標的ユニット接続部338を有する。
【0085】
[0101]流体ポンプ304は、ポンプケーシング352、および内部駆動シャフト部分356に固定されたインペラ358を有する。インペラ358は、流体リザーバ302の中へおよび流体リザーバ302の外へ熱伝達流体を圧送するためにポンプケーシング352の内部で回転させられる可撓性インペラブレード360を有する。
【0086】
[0102]
図11は、本開示の実施形態による、熱伝達流体ポンプ304のインペラ358を示す図である。インペラ358は、可撓性インペラブレード360、インペラボディ362、およびインペラ歯364を有する。インペラ358は、ゴムまたはプラスチックなどの、可撓性材料を含む。実施形態では、インペラ358が、ゴムまたはプラスチックなどの、可撓性材料から作られる。いくつかの実施形態では、インペラブレード360、インペラボディ362、およびインペラ歯364を有するインペラ358が、成形プロセスで1つの一体ユニットとして形成される。
【0087】
[0103]インペラボディ362は、インペラボディ362に接続されるかまたはインペラボディ362と一体であってインペラボディ362の内周の周りで離間されたインペラ歯364を有する円形輪郭を有する。インペラ358は、駆動シャフト334の内部駆動シャフト部分356上に挿入され、その結果、インペラ歯364が内部駆動シャフト部分356上の対応する駆動シャフト歯366(
図10に示される)と嵌合する。したがって、インペラ358は駆動シャフト334およびインペラ歯364と共にスピンし、駆動シャフト歯366が駆動シャフト334上でインペラ358が滑るのを防止する。
【0088】
[0104]可撓性インペラブレード360は、インペラボディ362に接続されるかまたはインペラボディ362と一体であり、インペラボディ362の外周の周りで離間される。インペラブレード360が、流体リザーバ302の中へおよび流体リザーバ302の外へ熱伝達流体を圧送するために、ポンプケーシング352などのポンプケーシングの内部で回転する。
【0089】
[0105]
図12は、本開示の実施形態による、ポンプケーシング368内で反時計回りにスピンするインペラ358を示す図である。インペラ358は駆動シャフト370に固定的に嵌め込まれるかまたは駆動シャフト370上に設置され、駆動シャフト370が反時計回り方向にスピンする。
【0090】
[0106]ポンプケーシング368は、ポンプボディ372、第1のポート374、および第2のポート376を有する。ポンプボディ372は内部空洞378を有し、第1のポート374および第2のポート376の各々が貫通する孔を有し、この孔が、内部空洞378からポンプボディ372およびポート374および376の各々を通ってポンプケーシング368の外部まで延在する。内部空洞378は、第1のポート374および第2のポート376の近くに平坦部分380を有する概略円形の内周を有する。
【0091】
[0107]動作中、インペラ358が反時計回り方向にスピンするとき、インペラブレード360が平坦部分380で時計回りに曲げられ、それにより第2のポート376から外へ流体を放出するかまたは押し出す。さらに、インペラブレード360が反時計回り方向にスピンするとき、インペラブレード360が平坦部分380から離れ、ポンプケーシング368の円形の内周まで外へ延在し、それにより吸引力を発生させて流体を第1のポート374の中へ引き入れる。
【0092】
[0108]
図13は、本開示の実施形態による、ポンプケーシング368内で時計周りにスピンするインペラ358を示す図である。インペラ358は駆動シャフト370上に設置され、駆動シャフト370が時計回り方向にスピンする。
【0093】
[0109]動作中、インペラ358が時計回り方向にスピンするとき、インペラブレード360が平坦部分380で反時計回り方向に曲げられ、それにより第1のポート374から外へ流体を放出するかまたは押し出す。さらに、インペラブレード360が時計回り方向にスピンするとき、インペラブレード360が平坦部分380から離れ、ポンプケーシング368の円形の内周まで外へ延在し、それにより吸引力を発生させて流体を第2のポート376の中へ引き入れる。
【0094】
[0110]
図14は、本開示の実施形態による、流体タンク300を標的ユニットに接続するためにチューブ342に接続された熱伝達流体タンク300を示す図である。実施形態では、標的ユニットは標的ユニット106である(
図1に示される)。
【0095】
[0111]熱伝達流体タンク300は、熱伝達流体リザーバ302、可逆熱伝達流体ポンプ304、および熱伝達流体通過管306を有する。流体リザーバ302はボディ318および頂部320を有し、破線340まで、流体リザーバ302に熱伝達流体が充填される。
【0096】
[0112]頂部320は、流体タンク300を標的ユニットに接続するための標的ユニット接続部326、および流体タンク300を加熱器/冷却器ユニットに接続するための加熱器/冷却器接続部328を有する。標的ユニット接続部326は流体戻し管330に流体的に結合され、加熱器/冷却器接続部328は熱伝達流体ポンプ304に流体的に結合され、熱伝達流体ポンプ304は内部流体抽出管332に流体的に結合される。
【0097】
[0113]流体ポンプ304は、駆動モーター382に結合されるように構成された駆動シャフト334を有し、駆動モーター382が駆動シャフト334を順方向および逆方向に回転させる。実施形態では、駆動シャフト334が、モーター駆動シャフト接続部384内の対応する歯に係合される歯を有する。実施形態では、駆動モーター382は、加熱器/冷却器ユニット102などの加熱器/冷却器ユニットの一部である。
【0098】
[0114]標的ユニット接続部326は、締まり嵌めなどにより、チューブ342の第1の区間342a(例えば、チューブのコイル)に接続される。これにより、チューブ342の第1の区間342aを防水のまたは液密の嵌合により標的ユニット接続部326に固定する。さらに、通過管306の標的ユニット接続部338(
図14に示されない)は、締まり嵌めなどによりチューブ342の第2の区間324b(例えば、チューブのコイル)に接続され、それにより、チューブ432の第2の区間342bを防水のまたは液密の嵌合により標的ユニット接続部338に固定する。実施形態では、チューブの第1の区間342aおよびチューブの第2の区間342bの各々の区間が最大8メートルである。
【0099】
[0115]クランプ386は、チューブ342の第1のコイル342aおよび第2のコイル342bの各々まで摺動させられるかまたは取り付けられ、それにより、チューブ342を防水的にまたは液密的に標的ユニットにクランプ固定する。
【0100】
[0116]
図15は、本開示の実施形態による、閉位置にあるチューブ342上のクランプ386を示す図である。クランプ386は、チューブ342の端部に定位置でクランプ386をロックするために圧力を掛けられている。
【0101】
[0117]
図16は、本開示の実施形態による、開位置にあるクランプ386を示す図である。クランプ386は、円形部分388の一方の端部にある第1のクランプ部分390およびもう一方の端部にある第2のクランプ部分392を有する円形部分388を有する。第1のクランプ部分390および第2のクランプ部分392の各々は、もう一方のクランプ部分に係合されるように構成されたC形の爪である。第1のクランプ部分390は、鋸歯状のまたは歯形の頂部分394、および滑らかな底部分396を有し、第2のクランプ部分392は、滑らかな頂部分398、および鋸歯状のまたは歯形の底部分400を有する。
【0102】
[0118]クランプ386を閉じるために、第1のクランプ部分390の鋸歯状の頂部分394が、第2のクランプ部分392の頂部分398と底部分400との間を摺動させられ、第2のクランプ部分392の鋸歯状の底部分400が、第1のクランプ部分390の頂部分394と底部分396との間を摺動させられる。第1のクランプ部分390の鋸歯状のまたは歯形の頂部分394が、第2のクランプ部分392の鋸歯状のまたは歯形の底部分400と係合し、それによりクランプ386を閉位置で固定する。
【0103】
[0119]
図17は、本開示の実施形態による、
図1および2の加熱/冷却システム100および100’を使用して標的ユニット106内の血液などの標的流体を加熱/冷却する例示の方法を示すフローチャートである。
【0104】
[0120]420において、本方法は、加熱器/冷却器ポンプ116、加熱器/冷却器要素114、および熱交換器110/110’を有する加熱器/冷却器ユニット102/102’を用意することを含む。422において、本方法は、流体リザーバ122を有する使い捨ての熱伝達流体モジュール104/104’を用意することを含む。
【0105】
[0121]424において、本方法は、加熱器/冷却器ユニット102/102’の熱交換器110/110’を熱伝達流体モジュール104/104’の流体リザーバ122に流体的に結合することを含む。実施形態では、加熱器/冷却器ユニット102/102’の熱交換器110/110’が、チューブ132により、熱伝達流体104/104’の流体リザーバ122に接続される。実施形態では、加熱器/冷却器ユニット102/102’の熱交換器110/110’が、熱伝達流体モジュール104/104’の流体リザーバ122に直接に接続される。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器ユニット102/102’の熱交換器110/110’が、クイック接続/切断部128aおよび128bのうちの1つまたは複数のクイック接続/切断部などの、クイック接続/切断部により、熱伝達流体モジュール104/104’の流体リザーバ122に直接に接続される。いくつかの実施形態では、加熱器/冷却器ユニット102/102’の熱交換器110/110’が、もう一方のユニット上の受け部に嵌合する1つのユニットの上にあるフランジまたは拡張部分などにより、熱伝達流体モジュール104/104’の流体リザーバ122に直接に接続される。いくつかの実施形態では、クイック接続/切断部のうちの1つまたは複数のクイック接続/切断部が、加熱器/冷却器ユニット102および熱伝達流体モジュール104を解除可能に接続するための解除ボタンを有するスナップ嵌合機構である。
【0106】
[0122]426において、本方法は、加熱器/冷却器ユニット102内の加熱器/冷却器ポンプ116を使用して、加熱器/冷却器要素114を通して一体型の熱交換器110内の熱交換要素118までおよび加熱器/冷却器ポンプ116に戻すように第1の流体を圧送することを含む。加熱器/冷却器要素114は第1の流体を加熱/冷却するように制御される。
【0107】
[0123]428において、本方法は、熱伝達流体リザーバ122から、一体型の熱交換器110を通して、使い捨ての熱伝達流体モジュール104内の第2の流体を圧送することを含み、それにより、第1の流体と第2の流体との間での熱伝達を促進する。第2の流体はさらに、一体型の熱交換器110から通過管126を通して標的ユニット106までおよび熱伝達流体リザーバ122に戻るように、圧送される。
【0108】
[0124]第1の流体および第2の流体は一体型の熱交換器110内で分離した状態を維持し、第2の流体の温度が第1の流体の温度によって調整される。いくつかの実施形態では、第2の流体が、熱交換要素118に物理的に接触している一体型の熱交換器110を通って流れる。他の実施形態では、第1の液体から第2の流体までの加熱/冷却を伝達するのに、および第1および第2の流体を分離状態で維持するのに、異なる種類の一体型の熱交換器110が使用される。
【0109】
[0125]第2の流体は、標的ユニット106内の血液などの標的流体を加熱/冷却するために標的ユニット106を通って流れる。第2の流体が標的ユニット106を通って流れ、それにより、第2の流体と標的流体との間の熱伝達を促進する。実施形態では、標的ユニット106が、血液を加熱/冷却するための熱交換器を有する人工肺を有するかまたはこのような人工肺であり、第2の流体が血液を加熱/冷却するために人工肺の熱交換器を通って流れ、第2の流体が標的流体から分離された状態で維持される。
【0110】
[0126]430において、本方法は、第2の流体を少なくとも熱交換器110/110’から排水または除去するために熱伝達流体ポンプ124を逆転させることを含む。熱伝達流体ポンプ124を逆転させることにより、熱交換器110/110’および接続されている場合には標的ユニット106から第2の流体が引き入れられ、それにより、熱交換器110/110’および接続されている場合には標的ユニット106から第2の流体が排水または除去される。第2の流体が流体リザーバ122に戻される。実施形態では、熱伝達流体ポンプ124を逆転させる前に、標的ユニット106から流体リザーバ122への入口135が弁(図示せず)などにより閉鎖される。実施形態では、標的ユニット106がクイック接続/切断部134bで切断され、これにより、熱伝達流体ポンプ124を逆転させる前に切断部134bが閉鎖される。いくつかの実施形態では、ステップ430が実施されない。
【0111】
[0127]432において、本方法は、流体リザーバ122を熱交換器110/110’および加熱器/冷却器ユニット102/102’から切断することを含む。434において、本方法は、排水された一体型の熱交換器110/110’を、一体型の熱消毒システム140を使用して熱により消毒することを含む。ここでは、熱消毒システム140が一体型の熱交換器110/110’を囲み、一体型の熱交換器110/110’を消毒するために熱を提供する。実施形態では、細菌増殖を防止することを含めて、一体型の熱交換器110/110’を殺菌するために、排水されたつまり空になった一体型の熱交換器110/110が、指定された時間にわたって、95℃などの温度で、高温消毒される。
【0112】
[0128]本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示の実施形態に対して様々な修正および追加が行われ得る。例えば、上で説明される実施形態は特定の特徴を参照するが、本開示の範囲は、説明される特徴のすべてを有するわけではない特徴および実施形態の多様な組み合わせを有する実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、そのすべての均等物と共に、特許請求の範囲内にあるすべての代替形態、修正形態、および変形形態を包含することを意図される。