(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0211 20230101AFI20240529BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
G06Q30/0211
G07G1/12 341Z
(21)【出願番号】P 2023120259
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2023-07-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】亀山 直起
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046991(JP,A)
【文献】特開2015-156180(JP,A)
【文献】特開2010-102685(JP,A)
【文献】特開2011-013727(JP,A)
【文献】特開2003-167880(JP,A)
【文献】特開2008-004130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、
ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得する取得部と、
前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せて、
所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出する処理部と、
学習データの前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像を入力すると、閾値以上のスコアを出力するように、学習された学習済モデルと、を備え、
前記学習データは、前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像と、前記指標が閾値以上であることを示すラベルと、が対応付けられたデータであり、
前記学習済モデルは、前記学習データを学習したモデルであり、
前記処理部は、作成された電子チラシの画像を前記学習済モデルに入力し、学習済モデルが出力したスコアに基づいて前記電子チラシを評価する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記電子チラシは、前記電子決済サービスを利用するために利用される決済アプリで閲覧される電子チラシである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電子チラシは、前記決済アプリが電子チラシの一覧のコンテンツに表示させる電子チラシである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記一覧のコンテンツにおいて、前記電子チラシに着目する操作を行って前記電子チラシを前記一覧における態様とは異なる態様で表示させた場合に、前記電子チラシを閲覧したと判定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、
前記突合せを行って、
所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に前記所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す前記効用に関する第1指標と、
前記所定の加盟店の第2の電子チラシが閲覧された後に前記所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す前記効用に関する第2指標と、を導出し、
前記第1指標と前記第2指標とを比較可能に表示部に表示させる、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの識別情報には前記ユーザの属性が対応付けられ、
前記処理部は、
所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に前記所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す前記効用に関する第1指標を導出し、
更に、前記第1指標における所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に前記所定の加盟店で電子決済がされた利用者の属性ごとの指標を導出する、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの識別情報には前記ユーザの属性が対応付けられ、
前記処理部は、
所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に前記所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す前記効用に関する第1指標を導出し、
更に、前記所定の加盟店の第1の電子チラシを閲覧せずに前記所定の加盟店で電子決済がされた度合が閾値以上の利用者の属性と、前記所定の加盟店の第1の電子チラシを閲覧して前記所定の加盟店で電子決済がされた度合が閾値以上の利用者の属性とを導出する、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、
複数の店舗を有する所定の加盟店の所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する複数の店舗に含まれる店舗で前記電子決済を行ったユーザを特定し、
記憶部に記憶された前記複数の店舗の位置と、前記電子決済が行われた前記店舗の位置と、地図情報とを対応付けた地図情報を表示部に表示させる、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、
ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得し、
前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せて、
所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出し、
作成された電子チラシの画像を学習済モデルに入力し、前記学習済モデルが出力したスコアに基づいて前記電子チラシを評価し、
前記学習済モデルは、学習データの前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像を入力すると、閾値以上のスコアを出力するように、学習された学習済モデルであり、前記学習データを学習したモデルであり、
前記学習データは、前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像と、前記指標が閾値以上であることを示すラベルと、が対応付けられたデータである、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、
ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得させ、
前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せて、
所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出させ、
作成された電子チラシの画像を学習済モデルに入力し、前記学習済モデルが出力したスコアに基づいて前記電子チラシを評価させ、
前記学習済モデルは、学習データの前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像を入力すると、閾値以上のスコアを出力するように、学習された学習済モデルであり、前記学習データを学習したモデルであり、
前記学習データは、前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像と、前記指標が閾値以上であることを示すラベルと、が対応付けられたデータである、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子チラシ配信サーバにより配信された電子チラシに掲載された商品を購入したユーザに、特典を付与することができるポイント付与システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、チラシの効用については考慮されていなかった。このため、電子チラシの効用について精度よく導出することができないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子チラシの効用を示す情報を精度よく導出することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得する取得部と、前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せて、所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出する処理部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子チラシの効用を示す情報を精度よく導出することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報182の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報186の内容の一例を示す図である。
【
図7】加盟店/店舗情報186の内容の一例を示す図である。
【
図8】チラシ情報188の内容の一例を示す図である。
【
図9】統計情報190の内容の一例を示す図である。
【
図10】決済アプリ20と決済サーバ100とにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】所定の店舗で作成された電子チラシに関する情報の一例を示す図である。
【
図12】電子決済が行われた度合の集計の結果を示す図である。
【
図13】利用者の属性が考慮された統計情報190の一例を示す図である。
【
図14】学習装置200が学習済モデル300を生成する処理の概要を示す図である。
【
図15】生成された学習済モデルに入力される情報と、学習済モデルが出力する情報とについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および情報処理システムの実施形態について説明する。以下に登場する「決済サーバ(情報提供装置)」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[概要]
情報処理装置は、端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店(店舗)の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得する取得部と、前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報(または加盟店の識別情報または店舗の識別情報のいずれでもよい)を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せる(照合する)。
【0011】
情報処理装置は、所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出する処理部と、を備える。例えば、電子チラシを見た後から所定期間の間に前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザが指標の導出の対象とされてもよい。
【0012】
効用に関する指標とは、電子決済サービスの電子決済の履歴から得られる指標であればよい。効用に関する指標は、例えば、電子決済における決済額や、電子決済の利用回数、これらから導出可能な指標などである。
【0013】
加盟店の識別情報は、複数の店舗に対して共通に付与される識別情報(加盟店ID)であってもよいし、店舗ごとに付与される識別情報(店舗ID)であってもよい。
【0014】
上記の例では、電子チラシ識別情報が利用されるものとして説明したが、電子チラシ識別情報に代えて加盟店(または店舗)の識別情報が利用されてもよい。例えば、閲覧履歴情報には、電子チラシ識別情報に代えて加盟店の識別情報が利用されてもよい。この場合、対応情報は省略されてもよい。
【0015】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0016】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0017】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0018】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0019】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0020】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0021】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0022】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0023】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0024】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、閲覧判定部150と、情報処理部(取得部)160と、統計処理部170と、記憶部180とを備える。通信部110および記憶部180以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0025】
記憶部180は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部180は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部180には、利用者情報182、決済コンテンツ情報184、加盟店/店舗情報186、チラシ情報188、統計情報190などの情報が格納される。
【0026】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0027】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報184から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。また、コンテンツ提供部120は、チラシ情報188の電子チラシを決済アプリ20に提供する。更に、コンテンツ提供部120は、加盟店向けインターフェース72に決済サーバ100が生成したコンテンツまたは保持するコンテンツを提供する。コンテンツ提供部120は、後述する統計情報を加盟店向けインターフェース72に提供する。
【0028】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報182を参照しながら決済処理を行う。
【0029】
図5は、利用者情報182の内容の一例を示す図である。利用者情報182は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報182は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、チラシ閲覧情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0030】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。
【0031】
決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID(または加盟店ID)、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0032】
チラシ閲覧情報は、例えば、チラシを閲覧した時刻と電子チラシの識別情報(電子チラシID)とが対応付けられた情報である。チラシを閲覧した閲覧時刻は、当該利用者がチラシを閲覧した時刻であり、電子チラシIDは、当該時刻に閲覧された電子チラシの電子チラシIDである。
【0033】
閲覧判定部150が、決済アプリ20に対する利用者の操作に基づいて、チラシ閲覧情報を生成する。
図6は、電子チラシの閲覧について説明するための図である。電子チラシは、例えば、決済アプリ20で閲覧可能な電子チラシである。例えば、利用者が決済アプリ20に対して所定の操作を行うと、コンテンツ提供部120が、電子チラシの一覧画面IF1を利用者端末装置10の表示部に表示させる。所定の操作とは、例えば、決済アプリ20に含まれる電子チラシのミニアプリを起動させる操作や、電子チラシの一覧画面IF1を表示させるボタンの操作などである。
【0034】
電子チラシの一覧画面IF1の所定の電子チラシに対する操作が利用者によって行われると、コンテンツ提供部120は、操作された電子チラシの画面IF2を表示部に表示させる。このように、コンテンツ提供部120が、利用者の操作に応じて画面IF2を表示させたことに応じて、閲覧判定部150は、ユーザが画面IF2の電子チラシを閲覧したと判定し、電子チラシを閲覧した時刻および閲覧した電子チラシID、電子チラシを作成した加盟店ID(または店舗ID)を利用者情報182に登録する。なお、画面IF2は、コンテンツ提供部120を介さずに、決済アプリ20が表示部に表示させてもよい。
【0035】
上記の一覧画面IFは「電子チラシの一覧のコンテンツ」の一例である。上記の画面IF2を表示させる操作は「着目する操作」の一例である。例えば、着目する操作は、上記の操作に代えて(加えて)他の操作であってもよい。例えば、電子チラシを拡大する操作や、電子チラシをダウンロードする操作など任意の操作で有ってもよい。
【0036】
図7は、加盟店/店舗情報186の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報186は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル186Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル186Bと、店舗IDに対して店舗名や、電子チラシIDが対応付けられた第3テーブル186Cとを含む。加盟店/店舗情報186には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0037】
電子チラシは、例えば、加盟店または店舗のスタッフが、第2店舗端末装置70を操作して作成可能である。電子チラシは、加盟店ごとに異なる電子チラシであってもよいし、店舗ごとに異なる電子チラシであってもよい。
【0038】
加盟店または店舗により作成された電子チラシは、チラシ情報188として管理される。
図8は、チラシ情報188の内容の一例を示す図である。チラシ情報188は、例えば、電子チラシIDに対して、加盟店IDや、店舗ID、掲載期間、電子チラシのタイトル、電子チラシの画像などの情報が対応付けられた情報である。電子チラシは、例えば、1つの加盟店または店舗が複数種類作成していることがある。
【0039】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報182および加盟店/店舗情報186を管理する。情報管理部140は、利用者情報182および加盟店/店舗情報186について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。また、情報管理部140は、作成された電子チラシに電子チラシIDを付与したり、電子チラシIDに各種情報を対応付けたりして、管理する。
【0040】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報182を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0041】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0042】
情報処理部160は、利用者端末装置10の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシを利用者が閲覧した履歴であるチラシ閲覧情報(閲覧履歴情報)と、利用者の電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報とを取得する。
【0043】
統計処理部170は、チラシ閲覧情報と、決済履歴情報とを用いてチラシの効用に関する指標を導出する。統計処理部170は、ユーザの識別情報および電子チラシを作成した加盟店の識別情報を含む閲覧履歴情報と、ユーザの識別情報および加盟店の識別情報を含む決済履歴情報と、記憶部180に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報(チラシ情報188)とを突合せて、所定の加盟店の電子チラシを見た後に、加盟店で電子決済を行ったユーザを特定し、特定の結果に基づいてチラシの効用に関する指標を導出する。
【0044】
指標とは、例えば、電子チラシの閲覧数や、電子チラシを閲覧したユーザが当該チラシの加盟店または店舗で電子決済を行ったことに関する指標、電子チラシを閲覧したユーザの加盟店または店舗の利用頻度や、利用回数、決済額の平均、合計など種々の統計情報である。
【0045】
統計処理部170は、例えば、統計情報190を生成する。統計情報190は、第2店舗端末装置70の表示部や所定の表示部に表示される。
図9は、統計情報190の内容の一例を示す図である。統計情報190は、電子チラシIDに対して、電子チラシの画像や、タイトル、加盟店ID、店舗ID、ユニークユーザ閲覧数、ユニークユーザCVR(Conversion Rate)、ユーザ閲覧数、ユーザCVRなどの情報が対応付けられた情報である。ユニークユーザ閲覧数は、所定期間に固有のユーザが電子チラシを閲覧した回数である(同じユーザが複数回閲覧しても「1」とカウントされる)。ユニークユーザCVRは、ユニークユーザが電子チラシを作成した加盟店または店舗で電子決済を行ったことを示す指標である。ユーザ閲覧数は、所定期間にユーザが電子チラシを閲覧した回数である(同じユーザが複数回閲覧すると、閲覧した回数カウントされる)。ユーザCVRは、ユーザが電子チラシを作成した加盟店または店舗で電子決済を行ったことを示す指標である。統計情報190のうち、チラシID、加盟店ID、または店舗IDが利用され、他のIDは省略されてもよい。ユニークユーザ閲覧数、ユニークユーザCVR(Conversion Rate)、ユーザ閲覧数、またはユーザCVRの一部または全部は、「電子チラシの効用に関する指標」の一例である。
【0046】
図9において、例えば、「●」のインジゲータが左右にスライド可能である。スライドによって、例えば、優先的または選択的に表示させる電子チラシの順序を指定することができる。例えば、スライドによって、表示させる電子チラシの閲覧数、CVRの下限が設定される。例えば、スライドされた「●」の位置に応じた数よりも閲覧数またはCVRが大きい、電子チラシが表示部に表示される。また、下限に加え、上限を指定する機能が付与されていてもよい。
【0047】
上記のように、決済サーバ100は、電子チラシの効用を示す指標を導出し、導出した指標を表示部に表示させることができる。更に、決済サーバ100は、条件を指定することで所望の電子チラシを容易に閲覧することができる。これにより、効用の高い電子チラシを容易に認識することができる。
【0048】
[シーケンス図]
図10は、決済アプリ20と決済サーバ100とにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、決済アプリ20は、利用者の操作に応じて電子チラシに関するコンテンツを利用者端末装置10の表示部に表示させる(S100)。次に、利用者がコンテンツにおいて所定の電子チラシに着目して閲覧する操作を行うと、決済アプリ20は、上記の操作に応じて着目された電子チラシを拡大表示する(S102)。次に、決済アプリ20は、電子チラシが閲覧されたことを示す閲覧情報を決済サーバ100に送信する(S104)。閲覧情報は、例えば、閲覧されたチラシIDや、利用者IDやアカウントIDなどの利用者を特定するための情報、閲覧された時刻などの情報である。次に、閲覧判定部150が、閲覧情報に基づいてチラシ閲覧情報を生成する(S106)。
【0049】
利用者が電子決済サービスを利用して電子決済を行った場合、決済サーバ100は、電子決済の情報を取得する(S108)。次に、決済サーバ100は、当該利用者が電子決済を行った加盟店の電子チラシを閲覧していたか否かを判定して統計処理を行う(S110)。なお、S108およびS110は、所定のタイミングで実行されてもよい。
【0050】
上記のように、決済サーバ100は、電子チラシの効用に関する指標を導出することができる。本実施形態は、例えば、CVRなどの指標を用いて決済に紐づいた実績値や実測値などに基づく電子チラシの効果を容易に測定が可能である。
【0051】
[変形例1]
上述した例では、複数の加盟店の情報が表示部に表示されるものとして説明したが、これに代えて(加えて)、変形例1では、自店で作成した電子チラシの情報が閲覧可能である。
図11は、所定の店舗で作成された電子チラシに関する情報の一例を示す図である。この情報は、加盟店向けインターフェース72を介して第2店舗端末装置70の表示部に表示される。
図11は、所定の店舗IDの店舗X(または加盟店)が作成した電子チラシに対する統計情報190である。この統計情報190は、例えば、第2店舗端末装置70の表示部に表示される。例えば、電子チラシ011および電子チラシ012は、店舗Xが作成した内容が異なる電子チラシである。これらを利用者に提供した場合の利用者の電子決済に関する行動が統計情報190として店舗Xに提供される。例えば、上述したように電子チラシ011および電子チラシ012が閲覧された回数や、閲覧後の店舗Xにおける電子決済の状況、電子決済の結果が統計処理された結果などが提供される。電子チラシのいわゆるABテストの結果を店舗Xは取得することができる。例えば、一つの商品を載せたチラシや、複数の商品を載せたチラシ、単価の高い商品を載せたチラシ、単価の低い商品を載せたチラシなどを利用者が見た後の効果を示す指標(例えば閲覧数、CVR、決済額、利用者ごとの単価など)を導出することができる。
【0052】
チラシID「011」とチラシID「012」は、例えば、所定の加盟店(または所定の店舗)で生成された異なる種類の電子チラシの識別情報の一例である。チラシID「011」の指標は第1指標の一例であり、チラシID「012」の指標は第2指標の一例である。
【0053】
店舗Xは、上記の電子チラシの効用を確認することで、今後、よりよい電子チラシの作成を行うことができる。
【0054】
更に、統計処理部170は、電子チラシを閲覧した後に、電子チラシの店舗で電子決済が行われた度合(例えば金額)を、日ごとなど時間ごとに集計した結果を店舗に提供してもよい。
図12は、電子決済が行われた度合の集計の結果を示す図である。
図12は、電子チラシAを閲覧した後に電子チラシAを作成した店舗Xで電子決済が行われた決済額を日ごとに示したグラフと、電子チラシBを閲覧した後に電子チラシBを作成した店舗Xで電子決済が行われた決済額を日ごとに示したグラフとを示している。なお、決済額に代えて、ユーザの電子決済の単価や、電子決済の回数などが用いられてもよい。
【0055】
このように、店舗は、電子チラシの閲覧と、決済額などの指標との関係が容易に理解できるため、電子チラシの効用を容易に認識することができる。
【0056】
[変形例2]
統計処理部170は、ユーザの属性を考慮した統計情報190を生成してもよい。利用者情報182のユーザの識別情報にはユーザの属性が対応付けられている。統計処理部170は、所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す効用に関する第1指標を導出し、更に、第1指標における所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に所定の加盟店で電子決済がされた利用者の属性ごとの指標を導出する。
【0057】
図13は、利用者の属性が考慮された統計情報190の一例を示す図である。
図12との相違点を中心に説明する。例えば、電子チラシAを閲覧した後の店舗Xで電子決済を行った利用者のうち属性Aの利用者の決済額を統計処理した結果を店舗Xに提供してもよい。属性とは、例えば、性別、年齢、職業、住所、位置情報の履歴、電子決済の履歴、またはこれらの組み合わせである。属性は店舗によって選択可能である。位置情報の履歴は、例えば、決済アプリ20から送信された位置情報の履歴である。位置情報の履歴の属性は、例えば、利用者がよく訪れる場所などによって分類される。電子決済の履歴は、利用者の電子決済の利用頻度や、電子決済の金額、電子決済を行う店舗の種別、またはこれらの組み合わせである。電子決済の履歴の属性は、上記の要素に基づいて分類される。
【0058】
図示するように、属性を加味しない全利用者の決済額と、特定の属性の利用者の決済額とが比較可能であるため、店舗は、電子チラシAがどの属性の利用者に対して効用がないか、効用があるかを容易に認識することができる。
【0059】
また、統計処理部170は、所定の加盟店の第1の電子チラシが閲覧された後に所定の加盟店で電子決済がされた度合を示す効用に関する第1指標を導出し、更に、所定の加盟店の第1の電子チラシを閲覧せずに所定の加盟店で電子決済がされた度合が閾値以上の利用者の属性と、所定の加盟店の第1の電子チラシを閲覧して所定の加盟店で電子決済がされた度合が閾値以上の利用者の属性とを導出してもよい。
【0060】
上記のように、決済サーバ100は、利用者の属性を加味することで、電子チラシの効用と、属性との関係を表示部に表示させる。これにより利用者は、属性に対する電子チラシの効用を容易に認識することができる。なお、
図13は、属性Aのみを示しているが、他の属性の情報も示されてもよい。
【0061】
[変形例3]
情報処理システム1は、学習装置200と、学習装置200により生成された学習済モデル300との一方または双方を備えてもよい。学習済モデルは、例えば、学習データを学習したモデルであって、学習データの前記効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像を入力すると、閾値以上のスコアを出力するように、学習されたモデルである。学習データは、効用を示す指標が閾値以上の電子チラシの画像と、指標が閾値以上であることを示すラベルと、が対応付けられたデータである。情報処理部160は、作成された電子チラシの画像を学習済モデルに入力し、学習済モデルが出力したスコアに基づいて電子チラシを評価してもよい。評価とは、電子チラシの効用を評価することである。
【0062】
図14は、学習装置200が学習済モデル300を生成する処理の概要を示す図である。学習装置200は、学習データを利用して学習済モデルを生成する。学習済モデルは、ニューラルネットワークなどを利用した機械学習モデルである。学習データは、評価の高い電子チラシの画像と、評価が高いことを示すラベルとが対応付けられた情報である。評価が高いとは、例えば、CVRが高いことなど予め定められた基準を満たすことである。学習装置200は、例えば評価が高い電子チラシの画像を入力すると、評価が高いことを示すスコアを出力するに、モデルのパラメータを調整して学習済モデル300を生成する。
【0063】
図15は、生成された学習済モデルに入力される情報と、学習済モデルが出力する情報とについて説明するための図である。学習済モデル300は、店舗により生成された電子チラシの画像がネットワークを介して送信され、電子チラシの画像が入力されると、学習済モデル300は、入力された電子チラシの画像の評価の結果を示すスコアを出力する。例えば、スコアが閾値以上の電子チラシは、CVRが閾値以上と推定される電子チラシである。
【0064】
このように、学習装置200が学習済モデル300を生成し、生成した学習済モデル300が出力した評価によって作成した電子チラシを事前に評価することができる。
【0065】
[変形例4]
決済サーバ100は、電子チラシを閲覧した後に当該電子チラシの店舗で電子決済を利用者が行った場合、当該店舗の位置を地図情報に対応付けた対応位置情報を、第2店舗端末装置70の表示部に表示させてもよい。
【0066】
図16は、対応位置情報の一例を示す図である。対応位置情報におけるプロットは、上述した当該店舗の位置である。決済サーバ100は、例えば、時間帯や、地域などを指定すると、その指定された条件に合致する当該店舗の位置にプロットを行った対応位置情報を生成して、表示部に表示させる。プロットは、例えば、電子決済が行われた数や金額などの指標に応じて表示態様が変更されてもよい。例えば、指標が大きいほど、プロットの円は大きく表示されてもよい。
【0067】
決済サーバ100は、複数の店舗を有する所定の加盟店の所定の電子チラシを見た後に、所定の電子チラシに対応する複数の店舗に含まれる店舗で電子決済を行ったユーザを特定し、記憶部180に記憶された複数の店舗の位置と、電子決済が行われた店舗の位置と、地図情報とを対応付けた地図情報を表示部に表示させてもよい。例えば、複数の店舗の位置と、電子決済が行われた店舗の位置とは区別可能に表示されてもよい。
【0068】
例えば、コンビニエンスストアや、飲食店、洋服店など複数の店舗を有する加盟店が、ある電子チラシを複数の店舗用の電子チラシとして利用者に提供した場合、加盟店は、対応位置情報を参照することで、電子チラシがどの店舗の決済に有効であったかを認識することができる。例えば、電子チラシを閲覧した後に地域Aの店舗で電子決済を行った利用者の数が、電子チラシを閲覧した後に地域Bの店舗で電子決済を行った利用者の数より多いことを直感的に認識することができる。
【0069】
また、対応位置情報は、地図情報にプロットすることに代えて(または加えて)、数値で電子チラシを閲覧した後に電子決済を行った指標を店舗ごとに集計した指標であってもよい。例えば、ある電子チラシを閲覧した後に、地域Aに含まれる店舗で電子決済を行った利用者の指標と、地域Bに含まれる店舗で電子決済を行った利用者の指標と、が比較可能に表示されてもよい。
【0070】
また、決済サーバ100は、利用者の位置情報を用いて各種情報を表示部に表示させてもよい。例えば、電子チラシを閲覧した後に当該電子チラシを作成した店舗で電子決済を行った利用者の自宅または職場の場所を地図情報にプロットした情報を表示部に表示させてもよい。利用者の自宅または職場の場所は、決済サーバ100が、決済アプリ20から取得した利用者の位置情報の履歴に基づいて推定された場所である。例えば、決済サーバ100は、位置情報の履歴において、滞在時間が長い位置情報を利用者の自宅または職場の場所と推定する。また、自宅または職場は、利用者が登録した場所であってもよい。なお、地図情報に代えて、例えば、利用者の位置情報を集計した結果が提供されてもよい。集計した結果とは、例えば店舗で電子決済を行った利用者を、利用者が属する地域ごとに集計した結果である。
【0071】
上記のように、決済サーバ100は、利用者の位置情報を提供するため、電子チラシを閲覧した後に店舗で電子決済を行った利用者の属性や、電子チラシの効用などを容易に認識することができる。
【0072】
[変形例4]
決済サーバ100は、電子チラシを閲覧した後の電子決済に関する指標をランキング形式で表示部に表示させてもよい。
図17は、ランキングの一例を示す図である。例えば、加盟店ごと(店舗ごと)の決済額(電子チラシを閲覧した利用者の決済額)の合計をランキングで示してもよいし、加盟店ごとの単価をランキングで示してもよい。例えば、管理者が選択した条件に応じたランキングが表示部に表示される。また、電子チラシが発行された後の決済額の増加度合に応じた加盟店のランキングが表示されてもよい。このようにランキング形式で電子チラシを閲覧した後に店舗で決済を行ったことに関する情報が表示されることで、有用な電子チラシや電子チラシを作成している加盟店(または店舗)を容易に認識することができる。
【0073】
上記のように、決済サーバ100は、所望の指標をランキング形式で表示部に表示させることができるため、利用者の利便性が向上する。例えば、利用者は、ランキングを参照することで、電子チラシの効果を分析することができる。
【0074】
[変形例5]
上記の例では、電子チラシを見たことを考慮して各種処理が実行されたが、これに代えて(加えて)、電子チラシの閲覧態様が加味されてもよい。例えば、利用者が電子チラシを閲覧した時間や、電子チラシを拡大したか否かを示す情報などの操作態様が加味されてもよい。決済サーバ100は、例えば決済アプリ20と連携して、利用者の操作態様を取得する。例えば、利用者の操作の内容や、操作された画面が表示されていた時間など種々の情報に基づいて、決済サーバ100は、操作態様を特定する。
【0075】
例えば、統計処理部170は、操作態様を類型化して、類型化した操作態様ごとに指標を導出する。これにより、閲覧時間が長い利用者が電子決済を行う度合や、閲覧時間が短い利用者が電子決済を行う度合などの情報が利用者に提供される。
【0076】
以上説明した実施形態によれば、決済サーバ100は、所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出することにより、電子チラシの効用を示す情報を精度よく導出することができる。
【0077】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0078】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 閲覧判定部
160 情報処理部
188 チラシ情報
190 統計情報
【要約】
【課題】電子チラシの効用を示す情報を精度よく導出すること。
【解決手段】端末装置の表示部に表示された電子決済サービスの加盟店の電子チラシをユーザが閲覧した履歴である閲覧履歴情報と、ユーザの電子決済サービスを利用した電子決済の決済履歴情報と、を取得する取得部と、前記ユーザの識別情報および前記電子チラシを特定するための電子チラシ識別情報を含む前記閲覧履歴情報と、前記ユーザの識別情報および前記加盟店の識別情報を含む前記決済履歴情報と、記憶部に記憶された前記電子チラシ識別情報と前記加盟店の識別情報との対応関係を示す対応情報とを突合せて、所定の電子チラシ識別情報の前記電子チラシを見た後に、前記所定の電子チラシ識別情報に対応する加盟店で前記電子決済を行ったユーザを特定し、前記特定の結果に基づいて前記所定の電子チラシ識別情報の電子チラシの効用に関する指標を導出する処理部と、を備える情報処理装置。
【選択図】
図4