IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲ず▼博科微電子有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図1
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図2
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図3
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図4
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図5
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図6
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図7
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図8
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図9
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図10
  • 特許-変圧器ハウジング自動ピン挿入装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】変圧器ハウジング自動ピン挿入装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/00 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
H01F41/00 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023530921
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021099040
(87)【国際公開番号】W WO2022022083
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】202010755475.7
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523034427
【氏名又は名称】▲ず▼博科微電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZIBO KEWEI ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 10, Dinghong Road, Zibo High-tech Zone Zibo, Shandong 255000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 向東
(72)【発明者】
【氏名】馬 玉峰
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-500395(JP,A)
【文献】特開2020-004704(JP,A)
【文献】特開2009-170633(JP,A)
【文献】特開昭56-050075(JP,A)
【文献】特開昭46-000396(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105846278(CN,A)
【文献】米国特許第05115560(US,A)
【文献】中国特許出願公開第106128750(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102412494(CN,A)
【文献】中国実用新案第205911142(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器ハウジング自動ピン挿入装置であって、フレーム(100)を含み、
前記フレーム(100)には、供給端および排出端を有するピンレール(700)、供給端および排出端を有するハウジングレール(600)、ピンマニピュレータ(500)及びコントローラが設置されており、
前記ピンレール(700)の排出端には、緊密に配列されたL字状のピンを分散するためのピン排出装置が設置されており、
前記ハウジングレール(600)とピンレール(700)は平行に設置され、ハウジングレール(600)の出力端にはハウジング固定装置が設置されており、
前記ピンマニピュレータ(500)はピンレール(700)とハウジングレール(600)の排出端に設置され、
前記コントローラは、ピンマニピュレータ(500)、ピンレール(700)、ハウジングレール(600)に電気的に接続され、
前記ピンマニピュレータ(500)は、垂直に設置された2次元運動プラットフォームと、2次元運動プラットフォームに設置された把持機構と、を含み、前記ピンマニピュレータ(500)の把持機構は、ピン排出装置に分散されているL字状のピンを把持してから、ハウジング固定装置によってクランプされた変圧器ハウジング上部に移動して、L字状のピンを変圧器ハウジングの挿入孔に挿入する、
ことを特徴とする変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項2】
前記ピンレール(700)の前記排出端に設けられるピン排出装置は、下スライド部(710)、ピン積載板(720)及び、スライドテーブルおよび該スライドテーブルを案内するスライドレールを有する直線駆動モジュール(730)を含み、
前記下スライド部(710)は、前記ピンレール(700)の主体に沿って下方へ曲げており、且つその下端の端面は水平面であり、
前記直線駆動モジュール(730)の前記スライドテーブルに設けられる前記ピン積載板(720)の上部平面は、前記下スライド部(710)の下端の端面の一部に貼り合せ、且つ前記上部平面におけるピンマニピュレータに近い一端には、前記L字状のピンが係合されるピン係合溝(721)が設けられており、
前記直線駆動モジュール(730)は、ピン積載板(720)が前記スライドテーブルの移動方向に沿って往復直線運動するように駆動して、ピンレール(700)内の緊密に配列されたL字状のピンをピン係合溝(721)に分け入れ、
前記ハウジングレール(600)のハウジング固定装置は、第一クランプ装置(610)、第二クランプ装置(620)、第一選別装置(630)を含み、
前記第一クランプ装置(610)及び前記第二クランプ装置(620)は前記ハウジングレール(600)に沿って並んで設置され、且つ前記第二クランプ装置(620)は、前記ハウジングレール(600)における前記第一クランプ装置(610)の位置よりも前記ハウジングレール(600)の排出端の端部に近い位置に配され
前記第一選別装置(630)は、前記ハウジングレール(600)における前記第一クランプ装置(610)の位置よりも前記ハウジングレール(600)の排出端の端部から遠い位置に配され、前記変圧器ハウジングを第二クランプ装置(620)の対応する位置から移出し、
前記第二クランプ装置(620)が作動した後、前記変圧器ハウジングを前記ハウジングレール(600)に固定し、この時、前記変圧器ハウジングの挿入孔は、前記ピン係合溝(721)の延びる方向に対応して形成され
前記第一選別装置(630)が作動する前に、第一クランプ装置(610)が作動し且つ、前記ハウジングレール(600)におけるピン挿入を完了した変圧器ハウジングの位置よりも、前記ハウジングレール(600)の供給端側に隣接した変圧器ハウジングを、第一クランプ装置(610)が固定し、
前記第一クランプ装置(610)は電気駆動プッシュロッド又は気体駆動プッシュロッドであり、その可動プッシュロッドとハウジングレール(600)は上下に重なり、可動プッシュロッドが落下して変圧器ハウジングを押圧することによりそれを固定し、
前記ピンマニピュレータ(500)の把持機構には真空吸着ヘッド(530)が設置されており、前記真空吸着ヘッド(530)は第二クランプ装置(620)に固定された変圧器ハウジングの挿入孔とピン係合溝(721)との間で移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項3】
前記ハウジングレール(600)における前記第二クランプ装置(620)の位置よりも前記ハウジングレール(600)の排出端の端部に近い位置に押圧装置(640)が設置されており、前記押圧装置(640)は、押圧ブロック固定ブラケット(641)、スライド押圧ブロック(642)、押圧ブロック駆動機構(643)、バッフル板(644)及び第二選別装置(645)を含み、
前記押圧ブロック固定ブラケット(641)はハウジングレール(600)に固定接続され、
前記スライド押圧ブロック(642)と前記押圧ブロック固定ブラケット(641)は垂直方向でスライド接続され、且つ前記スライド押圧ブロック(642)とハウジングレール(600)は上下重合し、
前記押圧ブロック駆動機構(643)はスライド押圧ブロック(642)が上下移動するように駆動し、
前記バッフル板(644)は、ハウジングレール(600)に接続されるか、又はスライド押圧ブロック(642)の側面にスライド接続され、前記側面とハウジングレール(600)は垂直し、
前記第二選別装置(645)は、前記スライド押圧ブロック(642)により押圧された変圧器ハウジングをハウジングレール(600)から移出する、
ことを特徴とする請求項に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項4】
前記ピン積載板(720)の上部平面には2つのピン係合溝(721)が設けられており、2つのピン係合溝(721)の間隔と変圧器ハウジングの挿入孔の間隔は同じであり、
これに対応して、前記ピンマニピュレータ(500)の把持機構には空吸着ヘッド(530)が設置されており、
前記ピンレール(700)の下部には塞き止め装置(750)が設置されており、前記塞き止め装置(750)は、前記下スライド部(710)の下端面の出口に対し近接または離隔可能に配される塞き止めストッパ(751)及び塞き止めストッパ駆動装置(752)を含み、
前記塞き止めストッパ(751)とピン積載板(720)は互いに平行に設置され、且つその側面はピン積載板(720)の側面に貼り合わせ、前記塞き止めストッパ(751)の上部平面と下スライド部(710)の底面の一部が貼り合わせて、L字状のピンの滑り落ちを防止し、
前記塞き止めストッパ駆動装置(752)は、前記塞き止めストッパ(751)が上下移動するように駆動し、前記塞き止めストッパ(751)が下へ移動するとき、その上端面と下スライド部(710)の下端面が離脱して、ピンレール(700)のポートに対する塞き止めを解除する、
ことを特徴とする請求項に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項5】
前記変圧器ハウジングは、前記ハウジングレール(600)の供給端から入り、第一クランプ装置(610)、第二クランプ装置(620)を経て前記排出端へ流れ、
前記ハウジングレール(600)における前記第一クランプ装置(610)の位置よりも前記ハウジングレール(600)の排出端の端部から遠い位置に配される第一選別装置(630)、前記第二選別装置(645)はジェットノズルであり、
前記第一選別装置(630)である前記ジェットノズルの管口は、前記第二クランプ装置(620)の下部に向いており
前記第二選別装置(645)は、前記第二クランプ装置(620)と前記押圧装置(640)との間に設置され、前記第二選別装置(645)である前記ジェットノズルの管口は、前記押圧装置(640)のスライド押圧ブロック(642)の下部に向いており、押圧を完了した変圧器ハウジングをハウジングレール(600)から吹き離すために用いられ、
又は、
前記第一選別装置(630)及び前記第二選別装置(645)は電気駆動プッシュロッド又は気体駆動プッシュロッドであり、前記第一選別装置(630)及び前記第二選別装置(645)は、ハウジングレール(600)の側面又は底面に設置される、
ことを特徴とする請求項に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項6】
コントローラに電気的に接続された検出装置をさらに含み、
前記検出装置は赤外対射モジュールであり、
前記検出装置は、ピンレール(700)、ハウジングレール(600)に沿って設置され、ピンレール(700)上のL字状のピン、ハウジングレール(600)上の変圧器ハウジングを検出して位置決めるために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項7】
振動機構(740)も設置されており、前記振動機構(740)はピンレール(700)が前後振動するように駆動し、ピンが排出端へ移動することを実現する、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項8】
前記ピンレール(700)は、矩形ロッドレールと、矩形ロッドレールの上部および側面の周りに、それぞれ、平行に設置されたカバープレートと、を含み、前記カバープレートと矩形ロッドレールとの間の隙間がレールを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項9】
前記矩形ロッドレールは、前記ピンレール(700)の前記供給端から前記排出端に向けて傾斜して設置される、
ことを特徴とする請求項8に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置。
【請求項10】
ピンレール(700)内のピンを取り出して、ピンマニピュレータ(500)が便利に把持する位置に放置するために、直線駆動モジュール(730)はピン積載板(720)が往復直線運動するように駆動し、
ピン積載板(720)に1つのピン係合溝(721)が設けられている場合、
ピン積載板(720)は下スライド部(710)の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板(720)は下スライド部(710)の端部の出口を塞き止め、
空いているピン係合溝(721)が下スライド部(710)のL字状のピンの出口位置に移動すると、ピンレール(700)の下スライド部(710)内部のL字状のピンはピン係合溝(721)内部に落ち、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板(720)をピンマニピュレータ(500)に近い位置に移動する、
ことを特徴とする請求項2に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置の制御方法。
【請求項11】
ピンレール(700)内のピンを取り出して、ピンマニピュレータ(500)が便利に把持する位置に放置するために、直線駆動モジュール(730)はピン積載板(720)が往復直線運動するように駆動し、
ピン積載板(720)に2つのピン係合溝(721)が設けられている場合、
ピン積載板(720)は下スライド部(710)の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板(720)及び塞き止め装置(750)は下スライド部(710)の端部の出口を塞き止め、
2つの空いているピン係合溝(721)が全て下スライド部(710)のL字状のピンの出口位置の他側に移動すると、塞き止め装置(750)の塞き止めストッパ(751)は下へ移動して、下スライド部(710)の下端面出口の塞き止めを解除し、この時、ピン積載板(720)のみが下スライド部(710)の端部の出口を塞き止め、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板(720)をピンマニピュレータ(500)に近い位置に移動し、移動過程で、2つのピン係合溝(721)が下スライド部(710)のL字状のピンの出口位置を経る時、L字状のピンが順次に2つのピン係合溝(721)の内部に落ちる、
ことを特徴とする請求項4に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置の制御方法。
【請求項12】
コントローラは検出装置によって変圧器ハウジングの位置を検出し、変圧器ハウジングの挿入孔の位置とL字状のピンの位置が重なると、コントローラは第二クランプ装置(620)を制御して変圧器ハウジングを固定し、
コントローラは把持機構がピン係合溝(721)の位置の上部に水平移動するように制御し、コントローラは把持機構が下へ移動するように制御して、真空吸着ヘッド(530)にピンを吸着させ、
コントローラは把持機構が変圧器ハウジングの位置の上方に移動するように制御し、且つL字状のピンと変圧器ハウジングの挿入孔は垂直方向で重なり、
コントローラは把持機構が下へ移動するように制御し、L字状のピンを変圧器ハウジングの挿入孔に挿入し、
ピン挿入が完了すると、コントローラは、第一クランプ装置(610)が、前記ハウジングレール(600)におけるピン挿入を完了した変圧器ハウジングの位置よりも、前記ハウジングレール(600)の供給端側に隣接した変圧器ハウジングをクランプするように制御し、そして第二クランプ装置(620)を制御してピン挿入を完了したハウジングに対するクランプを解除し、最後に、コントローラは前記第一選別装置(630)を起動して、ジェットノズルによって変圧器ハウジングを前記第二クランプ装置(620)のクランプ位置から吐出する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置の制御方法。
【請求項13】
第一選別装置(630)であるジェットノズルは、ピン挿入を完成した変圧器ハウジングにガスを吹き付け、押圧装置(640)の下部に該変圧器ハウジングを移出し、コントローラは、前記押圧装置(640)が前記変圧器ハウジングのL字状のピンを圧するように制御し、その後、第二選別装置(645)であるジェットノズルを制御して、前記押圧装置(640)のスライド押圧ブロック(642)により押圧された変圧器ハウジングを前記ハウジングレール(600)からガスで吹き出す、
ことを特徴とする請求項12に記載の変圧器ハウジング自動ピン挿入装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化装置の分野に関するものであり、具体的には変圧器ハウジング自動ピン挿入装置である。
【背景技術】
【0002】
小型電流変圧器の生産過程において、変圧器ハウジング内部のコイル導線を引き出して外部接続を容易にするために、変圧器のハウジングにピンを挿入する必要がある。現在の生産プロセスにおいて、主に人工的に挿入する方式で取り付ける。ピンは微小であり、よく見られるL字状のピンは両側の長さが約1cmであり、作用及び両側の長さは異なる。ピンは小さく、変圧器ハウジングの挿入孔も同様に小さいので、生産過程で、非常に精力を費やし、特にピンと挿入孔に長時間没頭していると、目に対して視覚疲労を形成し、視力を損害する。同時に、変圧器のハウジングの挿入孔内部にピンを挿入するために、一定の力を加えることを必要とするので、純粋な手動操作又は硬い材質の補助器具に頼る操作も、同様に従業員の手を傷害する。労働者に傷害を与えるだけではなく、挿入力が不足であり、挿入した辺が間違っているなどのような問題が出現し易く、効率が低く、歩留まりも高くない。そのため、変圧器の挿入孔にピンを自動的に挿入する自動化装置は切実な需要になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術問題は、高速、高効率、人力コストを節約する変圧器ハウジング自動ピン挿入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が解決しようとする技術問題の技術方案は、変圧器ハウジング自動ピン挿入装置であって、フレームを含み、フレームには、ピンレール、ハウジングレール、ピンマニピュレータ及びコントローラが設置されていることを特徴とする。
【0005】
ピンレールの排出端には、緊密に配列されたL字状のピンを分散するためのピン排出装置が設置されており、ハウジングレールとピンレールは平行に設置され、ハウジングレールの出力端にはハウジング固定装置が設置されており、ピンマニピュレータはピンレールとハウジングレールの排出端に設置され、コントローラはピンマニピュレータ、ピンレール、ハウジングレールに電気的に接続され、ピンマニピュレータは、垂直に設置された2次元運動プラットフォームと、2次元運動プラットフォームに設置された把持機構と、を含み、ピンマニピュレータの把持機構は、ピン排出装置に分散されているL字状のピンを把持してから、ハウジング固定装置によってクランプされた変圧器ハウジング上部に移動して、状のピンを変圧器ハウジングの挿入孔に挿入する。
【0006】
さらに好ましくは、ピンレールのピン排出装置は、下スライド部、ピン積載板及び直線駆動モジュールを含む。下スライド部はピンレールの主体に沿って下方へ曲げており、且つその下端の端面は水平面である。ピン積載板の上部平面は、下スライド部の下端の端面の一部に貼り合せ、且つ上部平面におけるピンマニピュレータに近い一端にはピン係合溝が設けられている。直線駆動モジュールはピン積載板がその長さ方向で往復直線運動するように駆動して、ピンレール内の緊密に配列されたL字状のピンをピン係合溝に分け入れる。ハウジングレールのハウジング固定装置は、第一クランプ装置、第二クランプ装置、第一選別装置を含む。第一クランプ装置及び第二クランプ装置はハウジングレールに沿って並んで設置され、且つ第二クランプ装置はハウジングレールの排出端の端部に近い。第一選別装置は、変圧器ハウジングを第二クランプ装置の対応する位置から移出する。第二クランプ装置が作動した後、変圧器ハウジングをハウジングレールに固定し、この時、変圧器ハウジングの挿入孔はピン係合溝の長さ方向の延長線に位置する。第一選別装置が作動する前に、第一クランプ装置が作動し且つピン挿入を完了した変圧器ハウジングの前の変圧器ハウジングを固定する。第一クランプ装置は電気駆動プッシュロッド又は気体駆動プッシュロッドであり、その可動プッシュロッドとハウジングレールは上下に重なり、可動プッシュロッドが落下して変圧器ハウジングを押圧することによりそれを固定する。ピンマニピュレータの把持機構には真空吸着ヘッドが設置されており、真空吸着ヘッドは第二クランプ装置に固定された変圧器ハウジングの挿入孔とピン係合溝との間で移動する。
【0007】
さらに好ましくは、第二クランプ装置の後部に押圧装置が設置されており、押圧装置は、押圧ブロック固定ブラケット、スライド押圧ブロック、押圧ブロック駆動機構、バッフル板及び第二選別装置を含む。押圧ブロック固定ブラケットはハウジングレールに固定接続される。スライド押圧ブロックと押圧ブロック固定ブラケットは垂直方向でスライド接続され、スライド押圧ブロックとハウジングレールは上下重合する。押圧ブロック駆動機構はスライド押圧ブロックが上下移動するように駆動する。バッフル板は、ハウジングレールに接続されるか、又はスライド押圧ブロックの側面にスライド接続され、前記側面とハウジングレールは垂直する。第二選別装置は、再び圧着後の変圧器ハウジングをハウジングレールから移出する。
【0008】
さらに好ましくは、ピン積載板の上部平面には2つのピン係合溝が設けられており、2つのピン係合溝の間隔と変圧器ハウジングの挿入孔の間隔は同じである。これに対応して、ピンマニピュレータの把持機構には2つの真空吸着ヘッド又は2組の真空吸着ヘッドが設置されており、ピンレールの下部には塞き止め装置が設置されており、塞き止め装置は塞き止めストッパ及び塞き止めストッパ駆動装置を含む。塞き止めストッパとピン積載板は長さ方向で平行に設置され、且つその側面はピン積載板の側面に貼り合わせ、塞き止めストッパの上部平面と下スライド部の底面の一部が貼り合わせて、L字状のピンの滑り落ちを防止する。塞き止めストッパ駆動装置は、塞き止めストッパが上下移動するように駆動する。塞き止めストッパが下へ移動するとき、その上端面と下スライド部の下端面が離脱して、ピンレールのポートに対する塞き止めを解除する。
【0009】
さらに好ましくは、変圧器ハウジングは、ハウジングレールの供給端から入り、第一クランプ装置、第二クランプ装置を経て排出端へ流れ、排出端は前方であり、供給端は後方である。第一選別装置、第二選別装置はジェットノズルである。第一選別装置は第二クランプ装置の後に設置され、ジェットノズルの長さ方向は第二クランプ装置の下部を指す。第二選別装置は押圧装置の後に設置され、ジェットノズルの長さ方向は押圧装置のスライド押圧ブロックの下部を指し、押圧を完了した変圧器ハウジングをハウジングレールから吹き離すために用いられる。又は、第一選別装置及び第二選別装置は電気駆動プッシュロッド又は気体駆動プッシュロッドであり、第一選別装置及び第二選別装置は、ハウジングレールの側面又は底面に設置される。
【0010】
さらに好ましくは、コントローラに電気的に接続された検出装置をさらに含み、検出装置は対射格子である。検出装置は、ピンレール、ハウジングレールに沿って設置され、ピンレール上のL字状のピン、ハウジングレール上の変圧器ハウジングを検出して位置決めるために用いられる。
【0011】
さらに好ましくは、振動機構も設置されており、振動機構はピンレールが前後振動するように駆動し、ピンが排出端へ移動することを実現する。
【0012】
さらに好ましくは、ピンレールは矩形ロッドと、矩形ロッドの周りに平行に設置されたカバープレートと、を含み、バッフル板と矩形ロッドとの間の隙間がレールを形成する。
【0013】
さらに好ましくは、矩形ロッドは断面方向で傾斜して設置される。
【0014】
変圧器ハウジング自動ピン挿入装置の制御方法であって、
ピンレール内のピンを取り出して、ピンマニピュレータが便利に把持する位置に放置するために、直線駆動モジュールはピン積載板が往復直線運動するように駆動し、
ピン積載板に1つのピン係合溝が設けられている場合、
ピン積載板は下スライド部の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板は下スライド部の端部の出口を塞き止め、
空いているピン係合溝が下スライド部のL字状のピンの出口位置に移動すると、ピンレールの下スライド部内部のL字状のピンはピン係合溝内部に落ち、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板をピンマニピュレータに近い位置に移動する。
【0015】
さらに好ましくは、ピンレール内のピンを取り出して、ピンマニピュレータが便利に把持する位置に放置するために、直線駆動モジュールはピン積載板が往復直線運動するように駆動し、
ピン積載板に2つのピン係合溝が設けられている場合、
ピン積載板は下スライド部の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板及び塞き止め装置は下スライド部の端部の出口を塞き止め、
2つの空いているピン係合溝が全て下スライド部のL字状のピンの出口位置の他側に移動すると、塞き止め装置の塞き止めストッパは下へ移動して、下スライド部の下端面出口の塞き止めを解除し、この時、ピン積載板のみが下スライド部の端部の出口を塞き止め、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板をピンマニピュレータに近い位置に移動し、移動過程で、2つのピン係合溝が下スライド部のL字状のピンの出口位置を経る時、L字状のピンが順次に2つのピン係合溝の内部に落ちる。
【0016】
さらに好ましくは、コントローラは検出装置によって変圧器ハウジングの位置を検出し、変圧器ハウジングの挿入孔の位置とL字状のピンの位置が重なると、コントローラは第二クランプ装置を制御して変圧器ハウジングを固定し、
コントローラは把持機構がピン係合溝の位置の上部に水平移動するように制御し、コントローラは把持機構が下へ移動するように制御して、真空吸着ヘッドにピンを吸着させ、
コントローラは把持機構が変圧器ハウジングの位置の上方に移動するように制御し、且つL字状のピンと変圧器ハウジングの挿入孔は垂直方向で重なり、
コントローラは把持機構が下へ移動するように制御し、L字状のピンを変圧器ハウジングの挿入孔に挿入し、
ピン挿入が完了すると、コントローラは、第一クランプ装置がピン挿入を完了した変圧器ハウジングの後側に隣接する変圧器ハウジングをクランプするように制御し、そして第二クランプ装置を制御してピン挿入を完了したハウジングに対するクランプを解除し、最後に、コントローラは第一選別装置を起動して、ジェットノズルによってハウジングを第二クランプ装置のクランプ位置から吐出する。
【0017】
さらに好ましくは、第一選別装置は、ピン挿入を完成した変圧器ハウジングを押圧装置の下部に吹き付け、コントローラは押圧装置がL字状のピンを再び押圧するように制御し、その後、第二選別装置を制御して変圧器ハウジングをハウジングレールから吹き出す。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、
* 人力の投入を減少し、同時に従業員の健康に対する損害を下げ、
2、ピン挿入効率を高める
ことである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例の概略図である。
図2】本発明の実施例がピン振動盤及びハウジング振動盤に接続された概略図である。
図3】本発明の実施例の平面図である。
図4】本発明の実施例のピンレール排出端の概略図である。
図5】本発明の実施例のピンレール排出端の概略図である。
図6】本発明の実施例のピンレール排出端の側面図である。
図7】本発明の実施例のピンレール排出端の概略図である。
図8】本発明の実施例のハウジングレール排出端の概略図である。
図9】本発明の実施例のハウジングレール排出端の概略図である。
図10】本発明の実施例のハウジングレール排出端とピンレール排出端の拡大図である。
図11】本発明の実施例のハウジングレールのハウジング固定装置及び押圧装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術方案及び有益な効果をより明確にするために、以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0021】
図1に示されたように、変圧器ハウジング自動ピン挿入装置は、フレーム100と、ピン振動盤900と、ハウジング振動盤800と、を含む。フレーム100は、各部品の取り付けを実現するために用いられ、アルミニウムプラスチック形材を用いて構築することができる。振動盤は回転振動盤とも呼ばれ、自動組立機械の補助装置であり、いろいろな製品を順序良く排出することができる。振動盤は自動組立装置に協同して一緒に製品の各部位を組み立てて、完全な製品になることができる。本発明では、回転振動盤を用いてピンとハウジングの順序付けを行い、その後、本装置のピンレール700とハウジングレール600に入力する。
【0022】
フレーム100の上部には操作プラットフォームが設置されており、フレーム100の操作プラットフォームにはピンレール700とハウジングレール600が設置されている。ピンレール700は供給端と排出端を備え、ピンレール700の供給端はピン振動盤900の出力端に接続される。ハウジングレール600とピンレール700は平行に設置され、ハウジングレール600は同様に供給端と排出端を含む。ハウジングレール600の供給端はハウジング振動盤800の出力端に接続される。ピンマニピュレータ500は、ピンレール700及びハウジングレール600の排出端に設置される。L字状のピンと変圧器ハウジングがそれぞれピンレール700の排出端とハウジングレール600の排出端に到達したとき、ピンマニピュレータ500はL字状のピンを把持して変圧器ハウジングの挿入孔に挿入する。自動制御を実現するために、コントローラ及び検出装置も設置されており、検出装置はピン及び変圧器ハウジングが設定された位置に達したか否かを検出するために用いられ、設定された位置に達した場合、コントローラは設定されたプログラムに基づいて対応する操作を行う。ハウジングレール600に設置されたシュートは、その幅が変圧器ハウジングの長さと同じであり、変圧器ハウジングのレールとする。
【0023】
自動制御を実現するために、ピン振動盤900、ハウジング振動盤800、ピンマニピュレータ500、ピンレール700及びハウジングレール600はコントローラに電気的に接続される。本実施例において、さらに、シリンダ、真空吸込ヘッド、気体駆動プッシュロッドなどの気体駆動機構(pneumatic machanism)を採用する。上述した装置は、気体駆動バルブによってガス源又は負圧ガス源に接続される。本実施例において、さらにガス源又は負圧ガス源を設置することができ、コントローラはガス源又は負圧ガス源に電気的に接続されるとともに気体駆動バルブに電気的に接続されて、気体駆動制御を実現する。又は、本実施例において、ガス源又は負圧ガス源の総インターフェースが設置されており、総インターフェースによって外部のガス源と負圧ガス源と接続される。
【0024】
ピンレール700はフレーム100に設置される。ピンレール700には、L字状のピンのレールとするL字状の貫通孔が設けられている。
【0025】
維持保護と点検修理を容易にするために、ピンレール700は組合式に設置され、矩形ロッドレールと、矩形ロッドの上部に設置されたカバープレートと、ハウジングレール600に近い矩形ロッドの側面に設置されたカバープレートと、を含む。上部のカバープレート及び側面のカバープレートと矩形ロッドとの間にL字状の隙間が形成されて、L字状のピンの活動範囲を便利に限定する。ピンの運行状況、ピンが引っかかることを便利に検出するために、上部のカバープレートと側面のカバープレートとの間には切欠口が設けられている。ピンレール700の矩形ロッド、カバープレートは、ブラケットを介してフレームに取り付けることができる。
【0026】
L字状のピンは直角形であり、1つの辺は矩形ロッドの上部平面に当接され、他の1つの辺はハウジングレール600に近い矩形ロッドの側面に当接される。さらに好ましくは、L字状のピンを積載し、L字状のピンが滑り落ちることを防止するために、図面に示されたように、レールは傾斜状態に設置される。矩形ロッドの断面から見ると、矩形断面の上辺は傾斜辺であり、この時、矩形ロッドにおける最上部に位置する一辺がL字状のピンの中部に当接して、L字状のピンの安定を効果的に保証することができる。
【0027】
ピンの走行を実現するために、ピンレール700は供給端から排出端へ傾斜し、同時に振動機構740を設置し、ピンレール700のカバープレートは振動機構の固定部分に接続されることができ、矩形ロッドは振動機構の振動部分に接続される。
【0028】
図面に示されたように、振動機構740はフレームに設置され、振動機構740には運動機構が設置されているので、安全を確保するために、その外部には保護ハウジングが設置されている。振動機構はカムによって駆動することができ、電気駆動又は気体駆動の伸縮機構によって駆動することもできる。カム機構を設置するとき、振動機構には駆動モータが設置されており、カムの外周は振動軸に当接し、又はカムはフィレット処理された正多角形である。振動軸は振動滑り孔又は振動レールに挿着され、振動軸と振動滑り孔又は振動レールの端部との間には振動軸のリセットを実現するためのバネが設置されている。カムは駆動モータの回転軸に接続され、カムが回転すると、振動軸を駆動して、振動軸が往復直線運動するようにする。振動機構740が伸縮機構を採用する場合、電気駆動又はシリンダの駆動によって振動軸がイジェクトされ、バネ駆動によって振動軸が回復し、このように往復運動を実現する。
【0029】
電動駆動を採用すると、通常電磁コイルを有するので、電源オン/オフ過程で電流に大きな変化が生じるともに、多い高調波が生じ、従って設備に対する要求が高い。本実施例において、直線運動部品を採用し、且つ気体駆動を採用する。コントローラは圧縮ポンプの作動を制御するか、又は設備には負圧ガス源、正圧ガス源のインターフェースが設置されている。
【0030】
振動機構740の振動軸の長手方向とピンレール700の長手方向は同じであり、且つ振動方向と長手方向は同じである。矩形ロッドの振動を実現するために、振動機構740の振動軸はピンレール700の矩形ロッドに接続されている。同時に矩形ロッドの振動範囲を保証するために、ピンレール700とピン振動盤900の出力レールの端部との間に隙間が設けられている。両者が当接すると、ピン振動盤900上のピンはピンレール700上にスライドすることができ、両者が離れると、振動によってピンの前向き運動を実現することができる。
【0031】
図4に示されたように、ピンレール700の入力端の端部には検出装置が設置されており、検出装置はピン不足検出装置400aである。検出装置は、対射格子又は赤外対射モジュールである。図4において、矩形ロッド上部のカバープレートには光線を通過させる隙間が設けられている。空隙の上部と下部に対向格子が取り付けて検出を行う。矩形ロッドレール上のピン不足が検出された場合、矩形ロッドレールとピン振動盤の出力レールがドッキングするように制御して、ピンを受け取る。
【0032】
L字状のピンは矩形ロッドの上部にあるとき緊密に配列されており、マニピュレータで把持することは設備の精度に対する要求が高く、製品のコストを高め、従ってピンレール700の出力端にピン排出装置を設置した。
【0033】
ピン排出装置は、下スライド部710、ピン積載板720及び直線駆動モジュール730を含む。
【0034】
図面に示されたように、下スライド部には、ピンレール700の主体が下方へ延びる部分がある。下スライド部710はピンレール700の主体に沿って下方へ曲げており、且つその端面は水平面である。下スライド部710の内部にはL字状のスロットホールが設けられており、又は矩形ロッド、上部カバープレート及び側面カバープレートが設置されている。さらに好ましくは、ピンの安定した配列を容易にするために、下スライド部の端部はL字状のシュートを採用してレールとする。下スライド部710の水平部分のL字状のシュートはピンレール700の主体の矩形ロッドとカバープレートとで囲まれた隙間にドッキングすして、レールの接続を実現する。下スライド部710の下端の端面は平面である。
【0035】
直線駆動モジュール730は、シリンダ駆動を採用し、シリンダ、スライドレール、スライドテーブルを含む。シリンダはフレーム上部のプラットフォームに設置され、シリンダはフレームに固定接続される。スライドレールは、シリンダプッシュロッドの方向に沿ってフレーム上部のプラットフォームに設置される。スライドテーブルはスライドレールにスライド接続され、シリンダプッシュロッドの自由端はスライドテーブルに固定接続される。ピン積載板720は、スライドテーブルに設置される。ピン積載板720は細長く扁平な立方体であり、その長さ方向とスライドレールの長手方向は同じである。ピン積載板720の扁平面は垂直面であり、上部面は矩形の狭いストリップである。ピン積載板720の上部平面は、下スライド部の下端の端面に貼り合わせ、両者の間は相対的にスライド可能である。
【0036】
ピン積載板720の上部平面は、ピンの放置を容易にするために、ピン積載板720の上部平面にピン係合溝721が設けられている。ピン係合溝721が下スライド部の下端面にスライドすると、ピン係合溝と下スライド部の下端面のL字状の凹溝は重なり、L字状の凹溝内部のピンはピン係合溝に落ちる。
【0037】
下スライド部710に十分なピンがあるか否かを検出するために、スライド部の両側に検出装置が設置されており、ここの検出装置はピン排出検出装置400bである。ピン不足を検出した場合、直ちに振動装置を起動して供給を行うか、又は停止操作を行って、ピンを挿入しなかった変圧器ハウジングが完成品領域に入ることを防止する。
【0038】
直線駆動モジュール730のスライダの運動軌跡は限定されているので、その停止位置は固定されている。即ち、端点位置は固定されているので、ピン係合溝721の位置を確定することができる。しかし、装置自体の運転や外部要因の影響によって、その位置が変更され、位置が変更されてピンを把持できなくなり、さらにピンを挿入しなかった変圧器ハウジングが完成品領域に入ることを防止するために、スライダにおけるピンマニピュレータ500に近い箇所にはスライダ位置検出装置400cが設置されており、スライダが正確な位置に到着することを保証する。スライダに位置ずれが発生した場合、校正するように即時に提示する。
【0039】
従来技術において、変圧器ハウジングには通常2つの挿入孔が設けられているので、1つのピン係合溝を設けることができ、ピン係合溝721の停止位置と変圧器ハウジングの挿入孔の位置を対応させて、ピンマニピュレータ500の操作を実現することができる。
【0040】
さらに好ましくは、2つのピン係合溝を設計し、2つのピン係合溝721の間隔と変圧器ハウジングの2つの挿入孔の間隔は同じである。このとき、ピン係合溝721が下スライド部710の下端出口の位置を通っている時、ピンを含むピン係合溝721が通ると、ピンが引っかかる問題が出現し易く、従って塞き止め装置750を設計する必要があり、ピン積載板720の2つのピン係合溝がピンマニピュレータ500に向ってスライドする単方向運動軌跡でピンの滑り落ちを実現する。逆方向運転する時、下スライド部710の下端のピン出口を塞ぐ。従って、ピンレール700の下部に塞き止め装置750を設置する。図面に示されたように、塞き止め装置750は、塞き止めストッパ751及び塞き止めストッパ駆動装置752を含む。塞き止めストッパ751は平板構造であり、且つ矩形長尺状であり、ピン積載板720の幅と塞き止めストッパ751の幅はいずれもピンの1つの辺の長さより小さい。塞き止めストッパ751とピン積載板720は長さ方向で平行に設置され、且つその側面はピン積載板720の側面に貼り合わせる。塞き止めストッパ751の上部平面と下スライド部710の底面の一部が貼り合わせて、L字状のピンの滑り落ちを防止する。塞き止めストッパ751とピン積載板720の上端面は同じ平面に位置し、且つ並んで設置されて同時に下スライド部710の下端面の出口を塞ぐ。塞き止めストッパ駆動装置752は、塞き止めストッパ751が上下移動するように駆動する。塞き止めストッパ751が下へ移動するとき、その上端面と下スライド部710の下端面が離脱して、ピンレール700のポートに対する塞き止めを解除する。ピン積載板720のピン係合溝721にピンが落ちると、ピンの1つの辺はピン積載板720の側面に貼り合せ、他の1つの辺はピン係合溝721に嵌め込まれる。ピンの他の1つの辺はピン係合溝の外部に突出している。ピン積載板720の幅と塞き止めストッパ751は並列に設置され、両者の間は相対的に上下にスライドすることができる。塞き止めストッパ751の上部平面は下スライド部710の底面に貼り合わせ、このとき、ピン係合溝721が下スライド部710の底部にスライドし、且つ下スライド部710の出口に対応しても、塞き止めストッパの作用によって、ピンはピン係合溝内部に落ちない。ピン積載板720がピンマニピュレータからピンレール700に向って移動する時、塞き止めストッパ駆動装置752は塞き止めストッパ751が下スライド部710から離脱するように駆動する。塞き止めストッパ751は下スライド部710の下端面に貼り合わせて、ピンの塞き止めを実現し、その落下を防止し、2つのピン係合溝が全て通過した後も依然として塞き止め状態を保持する。ピン積載板720がピンレール700からピンマニピュレータ500に向って移動する時、塞き止めストッパ751が下降し、塞き止めストッパ751の上部平面と下スライド部710の下端面が分離し、この時、2つのピンが下スライド部710の下端面を順次通過して、順次にピン係合溝721に落ちる。この時、元の位置に戻る過程で、ピンが落ちた後、再びピンマニピュレータ500に向って移動する時、ピン係合溝内部にピンがあるので、下スライド部710内のピンが続いて落ちる可能性があり、しかし完全に落ちなく、従ってピンが引っかかる問題を防止することができる。塞き止め装置750の塞き止めストッパ駆動装置752は、依然としてシリンダを採用する。シリンダはフレーム又はピンレールに固定接続され、シリンダのプッシュロッドのスライド方向は上下方向であり、シリンダのプッシュロッドの端部は塞き止めストッパ751に固定接続される。
【0041】
ハウジングレール600に設置されたシュートは、その幅が変圧器ハウジングの長さと同じであり、変圧器ハウジングのレールとする。変圧器ハウジングはシュートの内部に配列され且つシュートの内部でスライドする。挿入孔が設置されている変圧器ハウジングの一端はピンレール700に向う。図面に示されたように、ハウジングレール600はシュートであり、それはブラケットを介してフレームに取り付けられる。シュートの端部には、第一クランプ装置610、第二クランプ装置620及び押圧装置640が設置されている。
【0042】
第一クランプ装置610及び第二クランプ装置620は変圧器ハウジングの固定を実現するために用いられる。第一クランプ装置610及び第二クランプ装置620の構造は同じであり、いずれも電気駆動プッシュロッド又は気体駆動プッシュロッドの方式で実現することができる。本実施例において、第一クランプ装置610及び第二クランプ装置620は気体駆動プッシュロッドを採用し、クランプシリンダ621及びクランプブロック622を含む。クランプブロックはハウジングレール600のシュートの上部に位置し、クランプブロックはクランプシリンダのプッシュロッドの自由端に固定接続される。クランプシリンダのプッシュロッドの移動方向は上下方向である。変圧器が第一クランプ装置又は第二クランプ装置の下部に到達したとき、クランプシリンダのバルブが開き、プッシュロッドが押し出し、クランプブロックはその下部に位置する変圧器ハウジングを押圧し、この時、変圧器ハウジングの位置を固定して、ピン挿入操作が容易になる。挿入孔が設けられた変圧器ハウジングの一端はピンレールに向って、クランプブロックは挿入孔が設けられなかった変圧器ハウジングの一端を押圧する。クランプシリンダはブラケットによってフレームの上部に固定される。
【0043】
変圧器の位置を検出するために、図面に示されたように、第二クランプ装置620の前部には、挿入孔待機ハウジング検査装置400dが設置されており、上述した検出装置の構成と同じであり、格子対射のモジュールを採用して実現する。
【0044】
変圧器ハウジングが挿入孔待機位置に到達すると、第二クランプ装置620のクランプブロックが落下して変圧器ハウジングをクランプし、変圧器ハウジングがクランプされると、ハウジングレール600内部のハウジングは流れを停止し、この時、ピン挿入作業が行われる。ピン挿入が完了すると、ピン挿入が完了された変圧器ハウジングを移出し、完成品領域又は次の工程位置に移入することを必要とする。第一選別装置630の機能は、ピン挿入が完了された変圧器ハウジングを移出することであり、図面に示されたように、第一選別装置630はジェットノズルである。ジェットノズルは電気的に制御するガスバルブを介して正圧ガス源に接続されており、ジェットノズルは細長い管であり、ジェットノズルの管口は第二クランプ装置620の下部に向いている。変圧器ハウジングを移出する必要がある場合、ピン挿入が完了された変圧器ハウジングの前の変圧器ハウジングを第一クランプ装置610がクランプしてから、第二クランプ装置620を緩め、その後、ジェットノズルを起動して、第二クランプ装置620の下部の変圧器ハウジングを吹き離す。最後に、第一クランプ装置610を緩め、ピンを挿入するプロセスを持続する。
【0045】
図面に示されたように、第一、第二クランプ装置はハウジングレール600の長さ方向で並列に設置され、第一クランプ装置610は第二クランプ装置620の後に位置し、押圧装置640は第二クランプ装置620の前に位置する。
【0046】
押圧装置は、あってもなくてもよく、その主な機能は、変圧器ハウジングの挿入孔内部にピンが完全に挿入されることを保証することである。
【0047】
押圧装置640は、押圧ブロック固定ブラケット641、スライド押圧ブロック642及び押圧ブロック駆動機構643を含む。押圧ブロック固定ブラケット641はハウジングレール600に固定接続される。スライド押圧ブロック642と押圧ブロック固定ブラケット641は垂直方向でスライド接続され、スライド押圧ブロック642とハウジングレールに設置されたシュートは上下重合する。押圧ブロック駆動機構643はスライド押圧ブロック642が上下移動するように駆動する。
【0048】
バッフル板644は、ハウジングレール600に接続されるか、又はスライド押圧ブロック642の側面にスライド接続され、前記側面とハウジングレールは垂直する。図11に示されたように、バッフル板644はハウジングレール600の端部に固定接続され、バッフル板はシュートの中間に立て、変圧器ハウジングを隔てる。隔ててから、スライド押圧ブロック642が下降してピンを押圧する。
【0049】
バッフル板がスライド押圧ブロック642の側面にスライド接続される時、スライド押圧ブロック642が下降してピンを押圧し、スライド押圧ブロックとハウジングレール600が当接して、変圧器ハウジングを隔てる。その後、スライド押圧ブロック642を上昇させて、押圧工程を完了する。その後、上昇し続けて、バッフル板も上昇して変圧器ハウジングを隔てることを解除する。その後、第二選別装置645によって押圧された変圧器ハウジングを完成品領域に移動する。この時、スライド押圧ブロック642の側面に矩形リングを設置することができ、バッフル板644はT字状であり、且つ矩形リングの内部に挿着され、バッフル板の大頭端矩形リングの上部、スライド押圧ブロックが一定の高さまで上昇すると、バッフル板644は連動されて同時に上昇することができ、スライド押圧ブロック642が下降すると、バッフル板も下降し、バッフル板644の下端がハウジングレールに接触した後も、スライド押圧ブロック642は下降し続けて変圧器ハウジングを押圧することができる。
【0050】
又は、バッフル板644は独立した機構によってシュートの片側に設置されており、変圧器を押圧する必要がある場合、バッフル板644はイジェクトされ、シュートの中間に位置し変圧器を隔てる。
【0051】
第二選別装置645はジェットノズルであり、ジェットによって変圧器ハウジングを吹き離すことができる。変圧器ハウジングはプラスチック材質であるので、軽量であり、吹き離す方式に適している。又は、電動プッシュロッドでプッシュすることによりシュートから離す。
【0052】
図面に示されたように、ハウジングレール600の排出端の端部には排出カートリッジ646が接続されている。排出カートリッジ646は、ハウジングレール600から離脱した変圧器ハウジングを収集箱などの完成品収集装置に導入する。
【0053】
ピンマニピュレータ500は、垂直に設置された2次元運動プラットフォームと、2次元運動プラットフォームに設置された把持機構と、を含む。図面に示されたように、2次元運動プラットフォームは、フレームに設置された水平移動プラットフォームと、水平移動プラットフォームに設置された垂直移動プラットフォームと、を含む。把持機構は、垂直移動プラットフォームに設置される。水平移動プラットフォームと垂直移動プラットフォームは直線運動機構であり、従来技術の中のよく使われている技術に属する。ピンマニピュレータ500の把持機構には真空吸着ヘッド530が設置されている。本出願において、真空吸着によってピンを吸着してから、変圧器ハウジングの挿入孔に挿入する。第二クランプ装置620が変圧器ハウジングをクランプすると、変圧器ハウジングの挿入孔とピン係合溝721の接続線は、把持機構の水平移動方向と平行する。この時、真空吸着ヘッドはピン係合溝721の位置に移動し、下降してピンを吸着してから、変圧器ハウジングの挿入孔の上部に移動し、真空吸着ヘッド530の水平移動方向は、変圧器ハウジングの挿入孔とピン係合溝の接続線と平行するので、精度を設定することによりピンを挿入孔に挿入することができる。現在、ピンは1ミリメートルより大きく、挿入孔はピンよりやや小さく、現在の2次元運動プラットフォームの精度は正確な位置決めを実現し易い。
【0054】
さらに好ましくは、真空吸着ヘッド530を立方体に設置し、立方体の中部に吸着孔が設けられ、吸着孔の上端は電動バルブによって外部の負圧ガス源に接続される。立方体の下部吸着孔の両側にはシュートが設置されており、シュート内部には倒れ防止ブロックが設置されている。倒れ防止ブロックとシュートはスライド接続され、且つ上下方向でスライドする。シュートの内側の上下方向には位置決め溝が設けられ、倒れ防止ブロックの対応する箇所に位置限定突起を設置し、位置限定突起は位置決め溝の内部に挿着され、位置決め溝は倒れ防止ブロックが滑落することを限定するために用いられる。ピンを把持し、ピンを挿入する過程において、倒れ防止ブロックはピンの傾きを防止する機能を果たす。
【0055】
具体的には、倒れ防止ブロックはシュート内部に完全に挿入することができ、倒れ防止ブロックの下部平面と真空システムの下部平面は同じ平面に位置し、この時、吸着孔はピンを吸着することができる。2つの倒れ防止ブロックの間は吸着孔であり、2つの倒れ防止ブロックの間の隙間はL字状のピンの外部直径よりやや大きい。ピンを吸着してから、真空吸着ヘッド530が上昇し、重力作用によって、倒れ防止ブロックは下へ滑る。従って、L字状のピンの両側にバリア面を形成し、即ち、L字状のピンの傾斜を防止することができる。ピンを挿入する際、2つの倒れ防止ブロックの支持によって、L字状のピンは垂直な状態を維持することができ、同時に真空吸着ヘッドが下降する過程で、倒れ防止ブロックは変圧器ハウジングの阻みを受けて上昇するので、ピンの挿入を影響しない。同時に把持する過程で、ピン積載板720の阻みを受けて上昇するので、L字状のピンの吸着も影響しない。
【0056】
上述した構造に基づいて、本装置を使用する方法は、以下のステップを含む。
【0057】
ステップA:ピンレール700内のピンを取り出して、ピンマニピュレータ500が便利に把持する位置に放置するために、直線駆動モジュール730はピン積載板720が往復直線運動するように駆動し、
1つのピン係合溝721が設けられている場合、
ピン積載板720は下スライド部710の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板720は下スライド部710の端部の出口を塞き止め、
空いているピン係合溝721が下スライド部710のL字状のピンの出口位置に移動すると、ピンレール700の下スライド部710内部のL字状のピンはピン係合溝721内部に落ち、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板720をピンマニピュレータ500に近い位置に移動する。
【0058】
2つのピン係合溝721が設けられている場合、
ピン積載板720は下スライド部710の端部に向かって移動し、運動過程でピン積載板720及び塞き止め装置750は下スライド部710の端部の出口を塞き止め、
2つの空いているピン係合溝721が全て下スライド部710のL字状のピンの出口位置の他側に移動すると、塞き止め装置750の塞き止めストッパ751は下へ移動して、下スライド部710の下端面出口の塞き止めを解除し、この時、ピン積載板720のみが下スライド部710の端部の出口を塞き止め、
その後、逆方向に作動して、L字状のピンが放置されているピン積載板720をピンマニピュレータ500に近い位置に移動し、移動過程で、2つのピン係合溝721が下スライド部710のL字状のピンの出口位置を経る時、L字状のピンが順次に2つのピン係合溝721の内部に落ちる。
【0059】
ステップB:コントローラは検出装置によって変圧器ハウジングの位置を検出し、変圧器ハウジングの挿入孔の位置とL字状のピンの位置が重なると、コントローラは第二クランプ装置620を制御して変圧器ハウジングを固定し、
コントローラは把持機構がピン係合溝721の位置の上部に水平移動するように制御し、コントローラは把持機構が下へ移動するように制御して、真空吸着ヘッド530にピンを吸着させ、
コントローラは把持機構が変圧器ハウジングの位置の上方に移動するように制御し、且つL字状のピンと変圧器ハウジングの挿入孔は垂直方向で重なり、
コントローラは把持機構が下へ移動するように制御し、L字状のピンを変圧器ハウジングの挿入孔に挿入し、
ピン挿入が完了すると、コントローラは、第一クランプ装置610がピン挿入を完了した変圧器ハウジングの後側に隣接する変圧器ハウジングをクランプするように制御し、そして第二クランプ装置620を制御してピン挿入を完了したハウジングに対するクランプを解除し、最後に、コントローラは第一選別装置630を起動して、ジェットノズルによってハウジングを第二クランプ装置620のクランプ位置から吐出する。
【0060】
前記ステップBにおいて、第一選別装置630は、ピン挿入を完成した変圧器ハウジングを押圧装置640の下部に吹き付け、コントローラは押圧装置がピンを押圧するように制御し、押圧してから、第二選別装置を制御してハウジングをハウジングレールから吹き出す。
【0061】
上述したように、本発明の好適な実施例にすぎず、本発明の範囲を限定するために使用されるものではなく、上記の説明内容によって、当業者は本発明の技術思想から逸脱することなく、多様な変更及び修正を行うことができる。本発明の技術的範囲は明細書の内容に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づいて記載された形状、構造、特徴及び精神のいわゆる均等な変化と修飾は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0062】
622 クランプブロック
621 クランプシリンダ
400d 挿入孔待機ハウジング検査装置
400c スライダ位置検出装置
400b ピン排出検出装置
400a ピン不足検出装置
100 フレーム
752 塞き止めストッパ駆動装置
751 塞き止めストッパ
750 塞き止め装置
740 振動機構
645 第二選別装置
646 排出カートリッジ
643 押圧ブロック駆動機構
642 スライド押圧ブロック
641 押圧ブロック固定ブラケット
640 押圧装置
530 真空吸着ヘッド
520 挿入接続ロッド駆動装置
510 挿入接続ロッド
630 第一選別装置
620 第二クランプ装置
610 第一クランプ装置
730 直線駆動モジュール
721 ピン係合溝
720 ピン積載板
710 下スライド部
500 ピンマニピュレータ
600 ハウジングレール
700 ピンレール
800 ハウジング振動盤
644 バッフル板
900 ピン振動盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11