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特許7496097カーテン取付具、カーテン取付具が設けられる車両及びカーテン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】カーテン取付具、カーテン取付具が設けられる車両及びカーテン
(51)【国際特許分類】
   B60J 3/00 20060101AFI20240530BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20240530BHJP
   B60N 3/02 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B60J3/00 G
B60N3/00 Z
B60N3/02 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023204717
(22)【出願日】2023-12-04
【審査請求日】2023-12-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715004265
【氏名又は名称】坂本 充
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 充
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-071743(JP,A)
【文献】実開平02-115017(JP,U)
【文献】実開平02-132514(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 3/00
B60N 3/00
B60N 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のアシストグリップに固定する留め部と、カーテンを吊り下げ可能なレール部と、前記アシストグリップを前記車両の本体から離れた所定位置に保持する保持部とを備え、
前記レール部は、前記留め部を接続可能な接続部を複数有するカーテン取付具。
【請求項2】
前記接続部は、前記レール部の面を貫通し、長手方向に複数設けられる孔である請求項1に記載のカーテン取付具。
【請求項3】
前記レール部は、前記接続部を有する長尺の接続板と、前記接続板と接合する長尺の摺動板と、を有し、
前記接続板は、端部が前記摺動板の面上で接合する請求項1に記載のカーテン取付具。
【請求項4】
前記カーテンのランナーは、前記レール部を挟み込んで摺動する摺動部を有する請求項3に記載のカーテン取付具。
【請求項5】
前記保持部は、前記車両を押圧する車両押圧部と、前記車両押圧部と回転可能に接続し、前記アシストグリップを押圧するグリップ押圧部と、を備える請求項1に記載のカーテン取付具。
【請求項6】
車両のアシストグリップに固定する留め部と、カーテンを吊り下げ可能なレール部と、前記アシストグリップを前記車両の本体から離れた所定位置に保持する保持部とを備え、
前記レール部は、前記留め部を接続可能な接続部を複数有する、カーテン取付具が設けられる車両。
【請求項7】
車両のアシストグリップに固定する留め部と、カーテンを吊り下げ可能なレール部と、前記アシストグリップを前記車両の本体から離れた所定位置に保持する保持部とを備え、
前記レール部は、前記留め部を接続可能な接続部を複数有するカーテン取付具に設けられるカーテンであって、
前記車両は、前記アシストグリップの下方に車両窓を有し、
前記カーテン取付具が前記アシストグリップに固定された状態において、
前記カーテンの下端は、前記車両窓の下端よりも上に位置するカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓を覆うカーテンを設置するための取付具とそれが設けられる車両とそれに設けられたカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
車両にカーテンを取り付けることで、横からの日差しによる熱を遮断できること、外部の光から車内の内装を保護するできること、断熱性の向上を通じて空調の効率を高められることなどの種々のメリットがある。
【0003】
このように、車両に取り付けられるカーテンとしては、例えば吸盤やマグネットを利用して設置するものが知られている。これらは多様な車種に対応できる一方で、窓に直接布が当たりやすいため視界が悪くなりやすく、走行中に使用すると危険であることや、窓の開閉時にカーテンが巻き込まれやすいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-106622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、アシストグリップをルーフの全周に渡って設けることで、カーテンの設置を可能としている。これによれば窓に直接当たりにくく、さらに取付けの強度を高められるが、対応車種が限られて取付けそのものが難しい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、多様な車種に対応可能で、窓にカーテンが当たりにくく取付を容易に行うことができる車両用のカーテン取付具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、車両のアシストグリップに固定する留め部と、カーテンを吊り下げ可能なレール部とを備え、前記レール部は、前記留め部を接続可能な接続部を複数有する。
これにより、多様な車種に対応可能で、カーテンが窓に当たりにくく、取付を容易かつ強力に行うことができる車両用のカーテンの取付具を提供することができる。
【0008】
また、本願発明は、車両のアシストグリップに固定する留め部と、カーテンを吊り下げ可能なレール部と、を備え、前記レール部は、前記留め部を接続可能な接続部を複数有する、カーテン取付具が設けられる車両である。これにより、多様な車種に対応可能で、窓にカーテンが当たりにくく、取付を容易に行うことができる車両用のカーテンの設置具が設けられる車両を提供できる。
【0009】
また、本願発明は、前記カーテン取付具に設けられるカーテンであって、前記車両は車両窓を有し、前記カーテン取付具が前記アシストグリップに固定された状態において、前記カーテンの下端は、前記車両窓の下端よりも上に位置するカーテンである。これによれば、側方から入射する日差しを遮りながらも安全な運転ができるカーテンを提供できる。
【発明の効果】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、多様な車種に対応可能で、窓にカーテンが当たりにくく、取付を容易に行うことができる車両用のカーテンの取付具及びそれを利用した車両やカーテンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る、カーテン取付具及びカーテンの斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る、カーテン取付具及びカーテンの端面図である。
図3】本発明の実施形態に係る、レール部の斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る、レール部の端部とランナーの説明図である。
図5】本発明の実施形態に係る、保持部の斜視図及び分解斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る、保持部側面の説明図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る、カーテンの形状の説明図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る、保持部側面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る、車両Vに取付けるためのカーテン取付具Xについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施形態の順に詳述する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。また、出願書類中の「略」は、その後に続く形状に面取りや丸め加工がなされていること、また形状を構成する要素がその構成の目的を阻害しない範囲内で変形や長さ変更されているものを含むことを意味する概念である。
【0013】
実施形態において車両Vは、車両本体V0と、車両本体V0に設けられる内装用具の一つで、ルーフもしくはルーフに近接して配設され、使用者が安定のために把持するアシストグリップV1を備えている。アシストグリップV1の下に車両窓V2を備えている。
【0014】
アシストグリップV1は、図1に示すように、使用者が把持するグリップ本体V11と、グリップ本体V11と車両本体V0とを接続するための車両接続部V12と、を有する。また車両接続部V12は、回転可能な収納回転部V13を含んでいてもよい。
収納回転部V13は、車両接続部V12の端部に設けられ、グリップ本体V11が車両本体V0の方向に回転するように車両接続部V12を付勢することによって、アシストグリップV1の不使用時の収納を可能としている。
【0015】
≪第一の実施形態≫
カーテン取付具Xは、図1に示すようにアシストグリップV1に固定するための少なくとも2つの留め部1と、カーテン5を吊り下げ可能なレール部2と、を備える。また、留め部1とレール部2とは、接続部3を介して互いに接続されている。
【0016】
また、レール部2は、複数のランナー4を介してカーテン5の取付けを可能としており、ランナー4がレール部2の上を摺動することでカーテン5の開閉度合の調整を可能とする。
【0017】
アシストグリップV1が収納回転部V13を有する場合、カーテン取付具XはさらにアシストグリップV1を車両本体V0から離れた所定の位置に保持するための保持部6を備える。これにより、収納回転部V13が設けられる車種にも安定して取付けできる。
【0018】
留め部1は、図2に示すように、アシストグリップV1と当接して固定可能な留め部本体11と、留め部本体11の下方に延在する吊下部12と、を有する。吊下部12は、レール部2と接続するための接続部3の一部として、留め接続部31を有する。
【0019】
留め部本体11は、略半円形に湾曲する薄板部材であって、内周面でアシストグリップV1を支持する。この内周面の幅はアシストグリップV1の持ち手の幅と略同一又は少し小さく、内側の高さはアシストグリップV1の持ち手の幅よりも高く設けられることで、アシストグリップV1に容易に掛けて安定支持できる。留め部本体11は剛性であるが、内周面を拡幅する方向に曲げ変形が可能であり、前述の内周面の幅をアシストグリップV1の幅よりも大きく拡幅し、拡幅した状態でアシストグリップV1を挟んで支持する。これにより、留め部1の固定強度を高めることができる。また、留め部本体11の内周面には、アシストグリップV1との間の摩擦力を高めるための摩擦部111が設けられ、車両Vの揺動によってレール部2が振れることを防いでいる。
【0020】
摩擦部111は、実施形態では取り付ける方向に垂直に延在する突起を複数設けた凹凸面であって、取り付ける方向に等間隔に配列されている。留め部1の取り外し時に摩擦部111の凸部がアシストグリップV1に挟んで保持することによって、不意に外れることを防ぐ。一方、摩擦部111は、留め部本体11の内周面にゴムなどの摩擦力の高い薄板材を貼り付けする構成であってもよい。
【0021】
吊下部12は、留め部本体11の端面から延在する部分であり、レール部2を吊り下げて支持する。実施形態において吊下部12は、一方は平板材121であり、他方は湾曲する湾曲材122であり、平板材121の方が湾曲材122よりも長いことで、使用者が平板材121を持ってアシストグリップV1に掛けやすくしている。
【0022】
平板材121は、留め部本体11の高さよりも高く、下方には留め部1とレール部2とを接続するための留め接続部31が設けられている。
【0023】
湾曲材122は、留め部本体11の端部から、留め部本体11が湾曲する方向とは逆の方向に湾曲する薄板であって、留め部本体11の内周面にアシストグリップV1を誘導して取り付けやすくしている。
【0024】
なお、留め部1としては、アシストグリップV1を挟持可能なクリップと、このクリップの下方に延在する吊下部12とを有する構成としてもよい。また、このクリップはクランプや結束バンドとしてもよい。すなわち留め部1は、アシストグリップV1に一時固定可能なもので、留め接続部31を有していれば何を用いてもよい。
【0025】
レール部2は、図3に示すように、接続部3によって留め部1と接続する接続板21と、ランナー4が当接して摺動する摺動板22と、摺動板22の端面に設けられて、ランナー4の意図しない脱落を防ぐ端面板23と、を含む。
【0026】
接続板21は、長尺の薄板であって、留め部1に接続された状態において留め部1の平板材121と平行に設けられる。接続板21は後述するように、レール接続部32が長手方向に等間隔に配置されており、接続部3の任意の位置で留め部1と接続できるようにしている。これにより、窓に対するアシストグリップV1の位置が車両Vによって異なっても、適切に取り付けられる。
【0027】
摺動板22は、接続板21と同一長さの長尺の薄板であって、幅方向の端部が接続板21の面において垂直に、長手方向の全体で接合されている。この接続位置は、接続板21の幅方向の端部から離れた位置であり、好ましくは接続板21の幅方向の略中心で断面をT字とする。なお、二材の接合の方法は接着や溶接でも、一体成形されていてもよい。
また摺動板22の幅は、ランナー4の幅方向の長さよりも少し短く、ランナー4が干渉せずに摺動できるようにしている。
【0028】
また、摺動板22は、端部と近接する位置において、長軸の縁辺から外側に突出する摺動突起221を有する。摺動突起221は、ランナー4の厚み一つ分以上の幅をもち、その突出高さは、ランナー4の離間する長さと接続板21の厚みの差と略同一であり、これによりランナー4が不意に脱落することを防ぐ。
また、端面板23と摺動突起221の距離は、それぞれ少なくともランナー4の厚みよりも大きく設けられており、これらの間にランナー4を保持できるようにしている。
【0029】
端面板23は、接続板21ないし摺動板22の長手方向の端部を覆うように設けられる薄板である。実施形態において、端面板23の幅は接続板21の幅と等しく、長さは摺動板22の幅と等しい。また、端面板23の幅方向の端部は、摺動板22の長手方向の端部と接続し、端面板23の平面は接続板21の長手方向の端部と接続する。これにより、二材の接合強度を向上させるとともに、ランナー4の脱落を阻止する。
【0030】
レール部2は、長さの調整ができるように設けられていてもよい。例えば、レール部2は2材で構成され、一方の材が他方の材を摺動篏合し、任意の長さで固定できるようにしてもよい。
【0031】
接続部3は、留め部1とレール部2を固定する部分であって、吊下部12に設けられる留め接続部31と、接続板21に設けられるレール接続部32と、両部分を接続するための補助接続部33と、を有する。
【0032】
留め接続部31は、実施形態においては吊下部12の平板材121を貫通する孔である。留め接続部31の孔の大きさは、補助接続部33を貫通可能な大きさである。留め接続部31の内周面は、滑り止め加工や雌ネジによって補助接続部33の固定性能を向上させていてもよい。
【0033】
レール接続部32は、留め接続部31と略同一の性状の孔であり、接続板21の面を貫通し、等間隔に複数、長手方向で一列に配列されている。レール接続部32は、レール部2に2以上設けられることで、2か所でレール部2を固定し、カーテン5が傾くことを防ぐ。また、レール接続部32が3以上設けられることで、使用者が使用するレール接続部32を選択できるようにし、カーテン5の取付位置を調整することを可能としている。
また、摺動板22からレール接続部32までの距離は、少なくともランナー4の構成材の径よりも大きく設けられ、レール接続部32とランナー4が干渉するのを防いでいる。
【0034】
補助接続部33は、留め接続部31とレール接続部32とを接続するための部材であって、貫入することで取付強度を高めている。実施形態において補助接続部33は、一端が留め接続部31に貫入し、他端がレール接続部32に貫入するS字フックであり、これにより取付を容易とし、レール部2に係る衝撃を留め部1に伝達させずに逃がせる。このS字フックは、金属製であることが好ましい。一方、補助接続部33としては、ボルトと蝶ネジ等、強固に固定できるものを利用してもよく、紐や針金で結ぶこととしてもよい。また、留め接続部31は留め部1から水平に突出する弓形の部材であってもよく、この部材と径が略同一である棒状の補助接続部33をこの部材に貫入する構成でもよい。これによれば、取り外しの方向を一方向に限定し、取付強度を高められる。
【0035】
ランナー4は、図3、4に示すように、摺動板22の上に摺動可能に取り付けられる部材である。ランナー4は、カーテン取付具Xに複数設けられ、接続板21の左右の面及び摺動板22の上下の面を挟み込みながら摺動する摺動部41と、カーテン5を引掛けて保持するためのフック部42とが同一面上において一体に形成されている。
【0036】
摺動部41は、正面視C型の部材であって、内周面の最大長さは摺動板22の幅よりも長く設けられ、また部材の両端部が離間する長さは少なくとも接続板21の厚みよりも長く、摺動板22の幅よりも短い。また、摺動部41の内周面は、一部が直線状に設けられており、この部分が摺動板22の面と相対する。さらに摺動部41の内周面の幅は、端面板23の厚みの1.5倍よりも大きく、後述する方法で取付ができるようにしている。
【0037】
フック部42は、後述するカーテン孔51に貫入してカーテン本体50を吊り下げる部分であり、実施形態では鉤型である。フック部42の端部は、摺動部41の方向に向けてあり、吊り下げたカーテン5が容易に脱落しないようにしている。
【0038】
カーテン5は、複数のランナー4に吊り下げられ、車両V内部の遮光を行う。カーテン5は布材であるカーテン本体50と、カーテン本体50をフック部42に取り付けるためのカーテン孔51を有する。カーテン孔51の径は、少なくともフック部42の材の径よりも大きく、また内周面はハトメ等によって補強されていることが好ましい。
好ましくは、カーテン5は、アシストグリップV1の下方の窓よりも丈が短く、運転中の視界を妨げないようにしている。
【0039】
なお、ランナー4とカーテン5の取付方法は一例であって、摺動部41に孔が設けられ、その孔に下向きの開口を設けたカーテン5のフックが挿入される方式であってもよい。
【0040】
保持部6は、収納回転部V13を含むアシストグリップV1にカーテン取付具Xを取り付けるにあたって、アシストグリップV1を所定位置に保持するための部材である。すなわち保持部6は図5及び図6に示すように、車両を押圧する車両押圧部61と、グリップ本体V11を押圧するグリップ押圧部62とによって、グリップ本体V11を車両Vから離れた位置に保持する。なお、図5(a)は車両押圧部61と、グリップ押圧部62とが接続されている状態を表し、図5(b)は両者を分解した状態を表している。
また図6では、回転制限部613によって回転が制限された状態となっている。
【0041】
車両押圧部61は、実際に車両を押圧する車両押圧体611と、グリップ押圧部62を回転支持する回転支持部612と、グリップ押圧部62の回転を所定角度以内に制限する回転制限部613とを有する。
【0042】
グリップ押圧部62は、グリップ本体V11を挟んで保持するグリップ挟持部621と、グリップ本体V11を差し込んで保持するグリップ差込部623と、回転支持部612に篏合して回転可能に接続する回転部624と、を有する。
【0043】
車両押圧体611は、車両Vと当接して押圧する板状部材であって、押圧する面はゴムやスポンジ等の緩衝性があり若干の変形が可能な部材である。車両Vを押圧面に相対する面には、回転支持部612が突出して設けられている。実施形態においては車両を押圧するウレタンフォーム部分が、回転支持部612と一体に形成されるプラスチック板と張り合わされて設けられている。
【0044】
回転支持部612は、車両押圧体611の面の略中心に接合されており、車両押圧体611の面から離れて回転部624を軸支する。また、回転支持部612の所定位置には、回転制限部613が一体に設けられている。
【0045】
回転制限部613は、回転支持部612に設けられる突起であり、グリップ押圧部62と干渉してグリップ押圧部62の回転角度を制限する。実施形態においてはグリップ挟持部621と回転部624とを接続する部分と干渉するが、グリップ押圧部62と直接干渉するように突起が付けられていてもよい。
【0046】
グリップ挟持部621は、図6(a)のように断面が円形に近いアシストグリップV1を挟持して保持する部分であって、U字に湾曲した薄板部材である。図6に示すように、グリップ挟持部621は、開口部分に向けて窄まるように湾曲しており、開口部分の広さは15mm~30mm程度で、一般的なアシストグリップV1の径よりも小さい。また、グリップ挟持部621の開口部分近傍の内周面には、取り付ける方向に垂直に延在する突起を複数設けた凹凸面である、グリップ摩擦部622を有し、摩擦部111と同様にして、アシストグリップV1を挟持しながら強力に支持できる。
【0047】
グリップ差込部623は、グリップ挟持部621の開口部分の近傍において、外周面で枝分かれして設けられ、図6(b)のようにグリップ挟持部621とグリップ差込部623の間に薄型のアシストグリップV1を差し込んで支持する。この枝分かれの始点からグリップ差込部623の端部までの距離は、枝分かれの始点からグリップ挟持部621の端部までの距離よりも長く設けられ、グリップ差込部623は開口部分よりも外側に延在する。これにより、グリップ差込部623の内側を摺動させてアシストグリップV1を差込みやすくしている。
【0048】
回転部624はグリップ挟持部621の開口部分と反対側の外周面から突出して設けられる部分であって、回転支持部612の軸支部分に端部の軸が貫入し、回転制限部613の範囲内で回転できるようにしている。
【0049】
以下、図1図6を用いて、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、カーテン取付具を取り付ける使用者によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
【0050】
アシストグリップV1が収納回転部V13を有していた場合、使用者は保持部6の取付を行う。使用者は、車両押圧部61を車両に押し付け、アシストグリップV1ないし車両押圧部61に対するグリップ押圧部62の角度を調整しながら、グリップ挟持部621またはグリップ差込部623にグリップ本体V11を保持させる。
【0051】
次に使用者は、留め部1をグリップ本体V11に嵌め込む。使用者は、留め部本体11をグリップ本体V11に掛けて、挟持する。留め部1は二つ設けられ、それぞれ離れた位置でアシストグリップV1を挟持している。
【0052】
次に使用者は、接続部3によって留め部1とレール部2とを接続する。使用者は、留め接続部31に補助接続部33を貫入して接続し、その後レール接続部32に補助接続部33を貫入して接続する。
【0053】
次に使用者はレール部2にランナー4を取り付ける。使用者は、図4に示すようにランナー4の摺動部41を端面板23の上面から挿入し、摺動板22の方向に回転させてから摺動板22の上を摺動させる。摺動部41の内周面が摺動突起221と当接したら、摺動突起221の方向にランナー4を摺動させて越す。これによって使用者はランナー4に意図しない脱落が無いようにして簡単に取り付けられる。また、カーテン5の終端に位置するランナー4が摺動突起221を超えないようにすれば、カーテン5を開いた状態で保持しやすくできる。
【0054】
最後に使用者は、ランナー4にカーテン5を取り付ける。すなわち、フック部42をカーテン孔51に貫入させることによって取付けを行う。
以上によって、車両VのアシストグリップV1に、カーテン取付具Xないしカーテン5を容易かつ強力に取り付けることができる。
【0055】
カーテン本体50の別の形態を図7に示す。図7に示すようにカーテン5は車両窓V2の全体を覆わず、上部分だけを覆う構造となっている。カーテン本体50は、レール部2に沿って延在する略長方形状の長方形部分と、一方の端部付近において、下方に向けて延びる延在部分を有する。長方形部分によって車両窓V2の視認性を確保し、延在部分に遮光性やデザイン性をもたせられるようにしている。また、長方形部分と延在部分はその端部において滑らかな曲線によって接続する。
カーテン本体50がカーテン取付具Xに取り付けられた状態において、長方形部分及び延在部分の下端は、全体に渡って車両窓V2の下端よりも上側かつ車両窓V2の上端よりも下側に設けられることで、日差しを遮りつつも視認性を確保している。
【0056】
また、保持部6の別の形態を図8に示す。既述の事項については同じ符号を用いて説明を省略する。保持部6は、車両押圧部61と、グリップ押圧部62とを有する。車両押圧部61は、車両押圧体611と車両押圧体611に固定接続する回転雄ネジ614を有する。また、グリップ押圧部62は、アシストグリップV1を差込んで(はめ込んで)支持可能なグリップ差込部623と、グリップ差込部623及び回転雄ネジ614と回転可能に接続する回転雌ネジ625とを有する。
【0057】
回転雄ネジ614は、回転雌ネジ625に螺合貫入され、相対的に回転することによって全体の長さを自在に変更できるようにしている。また、回転雌ネジ625と、グリップ差込部623とは、上記ネジの回転軸を軸に回転自在に接続されている。
なお、回転雄ネジ614は、回転雌ネジ625は逆の部材に取り付けられてもよい。
【0058】
使用者は、保持部6を取り付ける際には、以下の手順で行う。使用者は、アシストグリップV1をグリップ差込部623に嵌め込んだ状態で車両押圧体611を車両に相対させる。その後、使用者は回転雌ネジ625を回転させ、回転雄ネジ614と接続する回転雌ネジ625の相対長さを長くし、保持部6をジャッキのようにしてアシストグリップV1を支持する。
【0059】
また、レール部2は、接続板21の下方に、下方に向けて溝が設けられた角柱状の摺動レールであり、摺動部41は、この溝に一部を嵌め込んだ状態で摺動するようにし、一般的なカーテンレ―ルと同一としてもよい。
【0060】
本発明は、車両VのアシストグリップV1に固定する留め部1と、カーテン5を吊り下げ可能なレール部2とを備え、レール部2は、留め部1を接続可能な接続部3を複数有する。
【0061】
好ましくは、接続部3は、レール部2の面を貫通し、長手方向に複数設けられる孔である。これにより、レール部2の長手方向で取付位置の調整ができるため多様な車種への取付を容易にできる。
【0062】
好ましくは、レール部2は、接続部3を有する長尺の接続板21と、接続板21と接合する長尺の摺動板22と、を有し、接続板21は、摺動板22の面上で接合する。接続板21とは別に摺動板22が接合して設けられることで、強度を維持しながらカーテン5の取付を容易にすることができる。
【0063】
好ましくは、カーテン5のランナー4は、レール部2を挟み込んで摺動する摺動部41を有する。これにより、接続部3とランナー4が干渉しにくくなり、カーテン5をスムーズに開閉できる。
【0064】
好ましくは、さらに、アシストグリップV1を車両Vの本体から離れた所定位置に保持する保持部6を備える。これにより、回転収納式のアシストグリップV1が設けられる車種であってもカーテン取付具Xを設置することができる。
【0065】
好ましくは、保持部6は、車両を押圧する車両押圧部61と、車両押圧部61と回転可能に接続し、アシストグリップV1を押圧するグリップ押圧部62と、を備える。これにより、保持部6が突っ張ることでアシストグリップV1を所定位置に支持できるようになり、取付性能が高められる。
【符号の説明】
【0066】
X カーテン取付具
V 車両
V0 車両本体
V1 アシストグリップ
V11 グリップ本体
V12 車両接続部
V13 収納回転部
V2 車両窓
1 留め部
11 留め部本体
111 摩擦部
12 吊下部
2 レール部
21 接続板
22 摺動板
221 摺動突起
23 端面板
3 接続部
31 留め接続部
32 レール接続部
33 補助接続部
4 ランナー
41 摺動部
42 フック部
5 カーテン
50 カーテン本体
51 カーテン孔
6 保持部
61 車両押圧部
611 車両押圧体
612 回転支持部
613 回転制限部
614 回転雄ネジ
62 グリップ押圧部
621 グリップ挟持部
622 グリップ摩擦部
623 グリップ差込部
624 回転部
625 回転雌ネジ
【要約】
【課題】
多様な車種に対応可能で、窓にカーテンが当たりにくく、取付を容易に行うことができる車両用のカーテンの取付具及びそれを利用した車両やカーテンを提供できる。
【解決手段】
上記課題を解決する本願発明は、車両VのアシストグリップV1に固定する留め部1と、カーテン5を吊り下げ可能なレール部2と、を備え、レール部2は、留め部1と接続可能な接続部3を複数有するカーテン取付具である。特に好ましい場合、接続部3は、レール部2の長手方向に設けられる孔である。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
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図8