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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】段ボール等の板の連結具
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240530BHJP
   B29C 65/56 20060101ALI20240530BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20240530BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
E04B2/74 561J
B29C65/56
F16B2/20 A
F16B5/06 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020153396
(22)【出願日】2020-09-12
(65)【公開番号】P2022047557
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】512031183
【氏名又は名称】有限会社スワニー
(74)【代理人】
【識別番号】100169188
【弁理士】
【氏名又は名称】寺岡 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 良博
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-132411(JP,U)
【文献】特開昭54-076339(JP,A)
【文献】実開昭54-086806(JP,U)
【文献】特開平09-228667(JP,A)
【文献】特開2008-297786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72- 2/82
A63H 33/10
B29C 65/56
F16B 2/20
F16B 5/00- 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台から実質的に直角に隆起する板材を有し、
前記板材、前記基台との実質的な直角を維持しつつ、さらに基台に沿って実質的に直角に曲げた形状とし、
前記板材は、前記隆起方向に伸びる溝を有し、
前記板材の、前記基台に沿って実質的に直角に曲げた位置に、前記隆起方向に分断するように伸びる溝を有する、段ボール等の板の連結具。
【請求項2】
請求項1に記載の段ボール等の板の連結具であって、
前記基台と前記板材との片端または両端を固定し、
前記基台と前記板材の裏側部の間は、隙間を有している、段ボール等の板の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール等の板の連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被災地の避難場所には、各家庭のプライバシーを守るためのパーティションが配置されていた。このパーティションは、ある程度の高さが必要とされ、その組立は、困難と手間を伴うものだった。このようなパーティションを組み立てるための連結具としては、特許文献1のようなものが提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第317322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の連結具は段ボールの側端部の全体を固定するものである。このような連結具は嵩張ってしまう。
【0005】
そこで本発明の目的は、コンパクトサイズの段ボール等の板の連結具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の段ボール等の板の連結具は、基台から実質的に直角に隆起する板材を有し、板材、基台との実質的な直角を維持しつつ、さらに基台に沿って実質的に直角に曲げた形状とし、板材は、隆起方向に伸びる溝を有し、板材の、基台に沿って実質的に直角に曲げた位置に、隆起方向に分断するように伸びる溝を有する。
【0007】
ここで、板材の、基台との実質的な直角を維持しつつ、さらに基台に沿って実質的に直角に曲げた位置に、隆起方向に分断するように伸びる溝を有することとしても良い。
【0008】
また、基台と板材との片端または両端を固定し、基台と板材の裏側部の間は、隙間を有しても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、コンパクトサイズの段ボール等の板の連結具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る連結具の斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る連結具の斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る連結具の斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る連結具の斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係る連結具で、2つの段ボール板材を直角に連結した斜視図である。
図6】本発明の実施の形態に係る連結具で、2つの段ボール板材を直角に連結した斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係る連結具で、2つの段ボール板材を直角に連結した斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係る連結具で、2つの段ボール板材を連結した斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係る連結具で、3つの段ボール板材をT字状に連結した斜視図である。
図10】本発明の実施の形態に係る連結具で、2つの段ボール板材を略45°に連結した斜視図の図面代用写真である。
図11】本発明の実施の形態に係る連結具で、複数の段ボール板材を連結し、組み立てたパーティションの斜視図である。
図12】本発明の実施の形態に係る連結具で、看板立てを作った例を示す図である。
図13】本発明の実施の形態に係る連結具で、カーテンレールを支える部材を作った例を示す図である。
図14】本発明の実施の形態に係るパーティションにドアのようなものを作った例を示す図である。
図15】本発明の実施の形態に係る連結具を床に固定する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(連結具の構成)
以下、本実施の形態の連結具1の構成について、図1から4に基づいて説明する。本実施の形態に係る連結具1は、樹脂を成形型で成形して形作る。連結具1は、基台10から実質的に直角に隆起する板材11,12を有している。ここで、板材11に付したアルファベットの部位をすべて含む部位を「板材11」ということとする。これは「板材12」についても同様である。板材11,12の、基台10との実質的な直角を維持しつつ、さらに基台10に沿って実質的に直角に曲げた形状とし、板材は11,12、隆起方向に伸びる溝11c,12cを有する。
【0012】
ここで、溝11cを構成するのは、板部11a,11bと、底部11dと、壁11eである。また、溝12cを構成するのは、板部12a,12bと、底部12dと、壁12e,裏側部11f,12fと、リブ11g,12gである。なお、底部11d,底部12の厚みは、図3に示すように、全てが略一定である。
【0013】
溝11c,12cの、板部11a,11b,板部12a,12bの内壁には、板材11,12の隆起方向に沿って延びる、高さ0.5mm程度のリブ11g,12gが設けられている。
【0014】
ここで、板材11,12の、基台10との実質的な直角を維持しつつ、さらに基台10に沿って実質的に直角に曲げた位置に、隆起方向に分断するように伸びる溝13aを有している。溝13aの底部13bから裏側部13cにかけては、約5mmの厚みの連結部となり、板材11,12を繋げている。また、板材11,12のそれぞれは、溝11c,12cの向かい合う側に、壁11e,12eを有している。この壁11e,12eの厚みはそれぞれ約5mmである。
【0015】
また、基台10と板材11,12との両端14a,14bを固定し、基台10と板材11,12の裏側部11f,12fの間は、隙間15を有している。板材11,12の裏側部11f,12fと底部11d,12dの間は、約5mmの厚みをなしている。この隙間15は、基台10と、板材11,12の裏側部11f,12fの間に、図3の矢印M方向に離れる(基台10が板材11,12から離れる)ように段差があることにより、形成されている。
【0016】
基台10と、板材11,12の裏側部11f,12fの間に、図3の矢印M方向に離れることで、基台10と板材11,12との両端14a,14bが形成される。両端14a,14bを結ぶ帯状部14は、基台10を支えている。
【0017】
略直角二等辺三角形の、基台10の直角(頂角)の点から対辺(底辺)に下ろした垂線(対称軸)には、リブ16が設けられている。リブ16は、基台10の板材11,12側の面に設けられている。また、リブ16は基台10の頂角から約5mmの範囲は、頂角側に向かうに従って高さが低くなり、頂角から約5mm以上離れると一定の高さになる。
【0018】
また、帯状部14の中央部には、四角い板状の凹部17が、板材11,12の隆起方向と同じ方向に突出している。
【0019】
(連結具1の連結方法)
まず、図5図6および図7は、直角に配置された2枚の段ボール板20,21を、連結具1で連結した状態を示している。一方の段ボール板21の端を溝11cに挿入し、他方の段ボール板20の端を溝12cに挿入して、2枚の段ボール板20,21を、連結する。図5および図6は、2枚の段ボール板20,21の上側を連結している図で、図7は、2枚の段ボール板20,21の下側を、図5および図6と同様に連結している図である。
【0020】
図8は、一直線上に配置された2枚の段ボール板21,22を、連結具1で連結した状態を示している。2枚の段ボール板21,22を共に隙間15に挿入して、連結する。図8では、2枚の段ボール板21,22の上側を連結しているが、下側も、上側と同様に連結できる。
【0021】
図9は、一直線上に2枚の段ボール板22,23が配置され、且つそれらの間に1枚の段ボール板24が、前記の一直線上に2枚の段ボール板22,23とそれぞれ直角となるように配置した、T字状の3枚の段ボール板22,23,24を、連結具1で連結した状態を示している。まず、一直線上に2枚の段ボール板22,23を共に隙間15に挿入して、連結する。そして残りの1枚の段ボール板24を溝13aに挿入して、連結する。図9では、3枚の段ボール板22,23,24の上側を連結しているが、下側も、上側と同様に連結できる。
【0022】
図10は、2枚の段ボール板26,27を略45°(135°)の角度に、連結具1で連結した状態を示している。まず、1枚の段ボール板26を溝13aに挿入する。そして残りの1枚の段ボール板27を溝11c(溝12cでも良い)に挿入する。溝13aに挿入した段ボール板26は、その面が、段ボール板27の端に接触し、四角い凹部17を突き刺したり、寄っかかるように連結する。
【0023】
(パーティションの構成)
図11は、図5から図9の手法で、段ボール板20,21,22,23,24,25を、連結具1を複数用いて連結したパーティション28の斜視図である。8つの連結具1で段ボール板20,21,22,23,24,25を、連結している。
【0024】
(本実施の形態によって得られる主な効果)
本実施の形態では、従来に比べコンパクトサイズの段ボール等の板の連結具1を提供することができる。
【0025】
パーティション28等のパーティションを組み立てるのに、多数種の連結具を用いることなく、連結具1のみを複数使うだけでパーティションを組み立てることができる。このことは、連結具1が樹脂製である場合のそれを形作る成形型の種類を少なくすることができる等、コスト面でのメリットが非常に大きい。
【0026】
溝11c,12cの、板部11a,11b,板部12a,12bの内壁には、板材11,12の隆起方向に沿って延びる、高さ0.5mm程度のリブ11g,12gが設けられている。リブ11g,12gは、溝11c,12cに挿入された段ボール等の板を、強力に締めつける役割をする。
【0027】
溝13aの底部13bから裏側部13cにかけては、約5mmの厚みの連結部となり、板材11,12を繋げている。溝13aの底部13bから裏側部13cにかけて、連結部としている理由は、連結具1全体の強度を高めるためである。
【0028】
基台10の直角(頂角)の点から対辺(底辺)に下ろした垂線(対称軸)には、リブ16が設けられている。リブ16は、隙間15に挿入された段ボール等の板を、強力に締めつける役割をする。また、リブ16は基台10の頂角から約5mmの範囲は、頂角側に向かうに従って高さが低くなり、頂角から約5mm以上離れると一定の高さになる。この構成によって、隙間15に挿入される際の入り口付近を広くして、段ボール等の板が挿入されやすくできる。
【0029】
また、帯状部14の中央部には、四角い板状の凹部17が、板材11,12の隆起方向と同じ方向に突出している。凹部17は、図10に示すように、溝13aに挿入した段ボール板26の面が、段ボール板27の端に接触し、四角い凹部17を突き刺したり、寄っかかるように連結する際に機能する。
【0030】
また、図5図6および図7に示すように、連結具1は、直角に配置された2枚の段ボール板20,21(たとえば)を、一方の段ボール板21の端を溝11cに挿入し、他方の段ボール板20の端を溝12cに挿入して、連結することができる。
【0031】
また、図8に示すように、連結具1は、一直線上に配置された2枚の段ボール板21,22(たとえば)を、共に隙間15に挿入して、連結することができる。
【0032】
また、図9に示すように、連結具1は、一直線上に2枚の段ボール板22,23(たとえば)、且つそれらの間に1枚の段ボール板24(たとえば)をそれぞれ直角となるように、T字状の3枚の段ボール板22,23,24を、連結することができる。そのためには、まず、一直線上に2枚の段ボール板22,23を共に隙間15に挿入して、連結する。そして残りの1枚の段ボール板24を溝13aに挿入して、連結する。
【0033】
また、図10に示すように、連結具1は、2枚の段ボール板26,27(たとえば)を略45°(135°)の角度に、連結具1で連結することができる。そのためには、まず、1枚の段ボール板26を溝13aに挿入する。そして残りの1枚の段ボール板27を溝11c(溝12cでも良い)に挿入する。溝13aに挿入した段ボール板26は、その面が、段ボール板27の端に四角い凹部17を突き刺したり、寄っかかるように連結する。
【0034】
このように、2枚の段ボール板面を45°等に、連結することで、たとえば、図12に示すような段ボールの板30で、看板立て31等を作ることができる。
【0035】
連結具1は、単なる連結具ではなく、段ボール等の板を組み立てて遊ぶ知育玩具として機能することができる。隙間15には、2枚の段ボール等の板を、挿入して固定でき、溝13aには、1枚の段ボール等の板を、挿入して固定でき、溝11c,12cにはそれぞれ、1枚の段ボール等の板を、挿入して固定できるため、少なくとも5枚の段ボール等の板を、挿入して固定できる、知育玩具となる。
【0036】
また、図13に示すように、段ボール等の板34の上端に連結具1の隙間15を挿入し、板部11b,12bで囲われる箇所にカーテンレール35の両端を固定(載置)し、カーテン36を設置することができる。被災地の避難場所は、カーテン36のように、簡単に開閉できる仕切りが重宝される。もちろんカーテンレール35の方端の固定を連結具1により行い、もう方端を他の固定方法を採用しても良い。また、カーテンレール35に代えて物干し竿としてもよい。
【0037】
(他の形態)
上述した本実施の形態に係る連結具1は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これ限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施が可能である。
【0038】
パーティション28等のパーティションを組み立てるのに、多数種の連結具を用いることなく、連結具1のみを複数使うだけでパーティションを組み立てることができる。しかし、連結具1を用い、連結具1以外の連結具を混ぜてパーティションを組み立てても良い。
【0039】
また、溝11c,12cの、板部11a,11b,板部12a,12bの内壁には、板材11,12の隆起方向に沿って延びる、高さ0.5mm程度のリブ11g,12gが設けられている。しかし、リブ11g,12gは必須の構成要素ではないため、省略することができる。また、リブ11g,12gの高さ寸法は、適宜変更できる。
【0040】
また、溝13aの底部13bから裏側部13cにかけては、約5mmの厚みの連結部となり、板材11,12を繋げている。しかし、この連結部は、必須の構成要素ではないため、省略することができる。
【0041】
また、基台10の直角(頂角)の点から対辺(底辺)に下ろした垂線(対称軸)には、リブ16が設けられている。しかし、リブ16は必須の構成要素ではないため、省略することができる。また、リブ16の高さ寸法は、適宜変更できる。
【0042】
また、帯状部14の中央部には、四角い板状の凹部17が、板材11,12の隆起方向と同じ方向に突出している。しかし、四角い板状の凹部17は必須の構成要素ではないため、省略することができるし、四角い板状以外の形状とすることもできる。
【0043】
また、連結具1は、樹脂を成形型で成形して形作っているが、連結具1の材質は、木材、金属等でも良く、製造法も成形型を用いない方法を採用しても良い。
【0044】
また、連結具1の連結の対象は、段ボールの板であるが、木材からなる板、鉄板等を連結の対象とすることができる。
【0045】
また、四角い板状の凹部17の配置位置を、帯状部14の範囲で移動させることで、図10に示した、2枚の段ボール板26,27の角度を変えて、連結具1で連結することができる。
【0046】
また、基台10と、板材11,12の裏側部11f,12fの間に、図3の矢印M方向に離れることで、基台10と板材11,12との両端14a,14bが形成される。両端14a,14bを結ぶ帯状部14は、基台10を支えている。しかし、基台10を支えるのは、両端14a,14bの片端で十分である。
【0047】
また、図14に示すように、1枚の段ボール等の板40の両側を、別々の連結具1の溝11cに挿入し、折り目41をつけることで、その折り目41が蝶番になって、パーティション等にドアのようなものをつけることができる。
【0048】
また、図15は、連結具1を床に固定する方法を示す図である。まず段ボール等の板50を連結具1の隙間15等に挿入し、両者を固定する。次に、隙間15(基台10)と床51とを対向させ、段ボール等の板50の端部52,53,54,55を、ガムテープ56等で床51に固定する。ここで、段ボール等の板50の形状は四角形に限らない。
【0049】
また、溝13aと隙間15の一方または両者は、連結具1から省略することができる。溝13aを連結具1から省略する場合には、溝11cと溝12cを繋げることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 連結具
10 基台
20,21,22,23,24,25,26,27 段ボール板(板材)
13a 溝
14a,14b 両端
15 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15