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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】断熱コンテナ用の換気蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/16 20060101AFI20240530BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B65D51/16 300
B65D81/38 L
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021576179
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020039923
(87)【国際公開番号】W WO2020264372
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】62/867,045
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511006166
【氏名又は名称】クリーン カンティーン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダムス, リチャード ジョン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】バークル, ジョシュア ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】オズグッド, ジェイムズ エム.
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-136475(JP,A)
【文献】特開2018-002162(JP,A)
【文献】特表2017-512136(JP,A)
【文献】特開2013-220173(JP,A)
【文献】特開2000-245607(JP,A)
【文献】特開2013-237487(JP,A)
【文献】米国特許第08991643(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0074143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/16
B65D 81/38
A47J 41/00-41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱コンテナの蓋であって、
蓋と断熱コンテナの内壁との間のシールを容易にするように構成され、さらに、内部区画で発生する真空に対応して断熱コンテナの内部区画内に拡張するように構成された可撓性のガスケットと、
蓋が断熱コンテナと完全に係合しているときに、内部区画から可撓性のガスケットの反対側に配置されたダイヤフラムチャンバであって、該ダイヤフラムチャンバは、前記蓋を前記断熱コンテナに結合するように構成された嵌合スリーブの内側に位置し、前記嵌合スリーブは、前記蓋を前記断熱コンテナの内壁上に位置するコンテナ嵌合補完体に結合するように構成された嵌合ねじを備える、ダイヤフラムチャンバと、
ダイヤフラムチャンバを蓋の外側に繋げる1つ以上の空気通路と、を備えた蓋。
【請求項2】
前記嵌合スリーブは、結合リングを介して前記可撓性のガスケットに結合される、請求項に記載の蓋。
【請求項3】
前記結合リングが分割リングとして構成されており、該結合リングにおける割れ目を通して、空気通路が蓋の外側に繋がっている、請求項に記載の蓋。
【請求項4】
前記結合リングは、前記可撓性のガスケットに対して回転した位置に固定されている、請求項に記載の蓋。
【請求項5】
前記結合リング及び前記可撓性のガスケットは、前記嵌合スリーブに対して自由に回転する、請求項に記載の蓋。
【請求項6】
前記嵌合スリーブは、連続しない2つ以上の嵌合ねじを含む、請求項に記載の蓋。
【請求項7】
前記蓋が前記断熱コンテナに嵌合されたときに、前記嵌合スリーブは上側シールを形成するOリングを受け入れるように構成される、請求項に記載の蓋。
【請求項8】
前記嵌合スリーブは、1つ以上のOリング通路を含み、該Oリング通路は蓋の外側からOリングを通る空気流れを容易にする、請求項に記載の蓋。
【請求項9】
断熱コンテナアセンブリであって、
内壁及び外壁を含むコンテナ本体であって、該内壁及び外壁はコンテナ本体の頂部で結合されて、真空ギャップによって分離されるコンテナ本体と、
コンテナ本体に可逆的に取り付けることのできる蓋を備え、該蓋は、
蓋と断熱コンテナの内壁との間のシールを容易にするように構成され、更に内部区画内で発生した真空に応答して断熱コンテナの内部区画内に拡張するように構成された可撓性のガスケットと、
蓋が断熱コンテナに完全に係合している場合、内部区画から可撓性のガスケットの反対側にあるダイヤフラムチャンバであって、該ダイヤフラムチャンバは、前記蓋を前記断熱コンテナに結合するように構成された嵌合スリーブの内側に位置し、前記嵌合スリーブは、前記蓋を前記断熱コンテナの内壁上に位置するコンテナ嵌合補完体に結合するように構成された嵌合ねじを備える、ダイヤフラムチャンバと、
該ダイヤフラムチャンバを蓋の外側に繋ぐ1つ以上の空気通路を含む、断熱コンテナアセンブリ。
【請求項10】
前記嵌合スリーブは、結合リングを介して前記可撓性のガスケットに結合される、請求項に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項11】
前記結合リングは分割リングとして構成されており、該結合リングにおける割れ目を通して空気通路が蓋の外側に繋がっている、請求項10に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項12】
前記結合リングは、前記可撓性のガスケットに対して回転された位置に固定される、請求項10に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項13】
前記結合リング及び前記可撓性のガスケットは、前記嵌合スリーブに対して自由に回転する、請求項12に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項14】
前記嵌合スリーブは2つ以上の隣接していないねじを含む、請求項に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項15】
前記嵌合スリーブは、前記蓋が前記断熱コンテナに嵌合されたときに上側シールを形成するOリングを受け入れるように構成される、請求項に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項16】
前記嵌合スリーブは、1つ以上のOリング通路を含み、該Oリング通路は蓋の外側からOリングを通る空気流れを容易にする、請求項15に記載の断熱コンテナアセンブリ。
【請求項17】
断熱コンテナアセンブリであって、
内壁及び外壁を含むコンテナ本体であって、該内壁及び外壁はコンテナ本体の頂部で結合されて、真空ギャップによって分離され、該内壁は、複数の嵌合突起部を含む、コンテナ本体と、
コンテナ本体に可逆的に取り付けることのできる蓋を備え、該蓋は、
蓋と断熱コンテナの内壁との間のシールを容易にするように構成された可撓性のガスケットであって、該可撓性のガスケットは更に、前記内部区画内で発生する真空に応答して、前記断熱コンテナの内部区画内に拡張するように構成される可撓性のガスケットと、
結合リングを介して可撓性のガスケットに結合された嵌合スリーブであって、可撓性のガスケットは結合リングに対して所定の位置に固定され、結合リングが嵌合スリーブの周囲で自由に回転するように構成され、蓋がコンテナ本体から取り外されているときに可撓性のガスケットが内壁に対して回転しないように構成された嵌合スリーブと、を備える断熱コンテナアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月26日に出願された米国仮特許出願62/867,045号に基づく優先権を主張するものであり、その全てを本文書では、全ての目的のために、参照を以って記載加入とする。
【背景技術】
【0002】
コンテナは、液体など様々な内容物を保存するために使用することができる。コンテナの中には、内容物の温度を高温又は低温に維持するように構成されているものもある。断熱貯蔵コンテナとしては、真空フラスコが一般的に使用されている。真空フラスコは典型的には、2つの同心の容器が首で結合され、その間のギャップからは少なくとも部分的に空気が排出される。真空ギャップは、コンテナの内容物と周囲環境との間の熱伝達を減少させる。しかし、真空フラスコは、依然としてそれらの蓋またはシール機構を介して熱移動する傾向がある。貯蔵が長期間にわたると、加熱された内容物は冷えやすい。容器内の空間も冷却されて、真空を発生させ、コンテナの蓋の取り外しを困難にする可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
この概要は、詳細な説明の中でさらに詳しく説明する概念の選択を、簡略形式で紹介するために付与されている。本要約は、請求の範囲に記載されている主題事項の主要な特徴や本質的特徴を識別することを意図したものではなく、また、請求の範囲に記載されている主題事項の範囲を制限するために使用されることを意図したものでもない。さらに、請求の範囲に記載されている主題事項は、本開示のいかなる部分でも指摘されているいかなる又は全ての不利益も解決する実施に限定されるものではない。
【0004】
断熱コンテナ用の蓋は、蓋と断熱コンテナの内壁との間のシールを容易にするように構成された可撓性のガスケットを含み、可撓性のガスケットはさらに、内部区画で発生する真空に応答して断熱コンテナの内部区画内に拡張するように構成されている。蓋が断熱コンテナと完全に係合すると、内部区画から可撓性のガスケットの反対側にダイヤフラムチャンバが位置する。1つまたは複数の空気通路が、ダイヤフラムチャンバを蓋の外部に繋げる。断熱コンテナの内部区画に真空が発生すると、可撓性のガスケットに力がかかり、それによってダイヤフラムチャンバ内の圧力を減少させる。ダイアフラムチャンバ内の負圧は、、空気通路を介して蓋に入る外部空気で埋め戻される。その後、過度の真空力なしに蓋を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】例示的な断熱キャニスタアセンブリを示す図である。
図1B】更なる例示的な断熱キャニスタアセンブリを示す図である。
図1C】例示的な断熱キャニスタアセンブリの断面図を示す。
図2A】断熱キャニスタアセンブリ用の例示的な蓋の斜視図を示す。
図2B】断熱キャニスタアセンブリ用の例示的な蓋の断面図を示す。
図3A】例示的な断熱キャニスタアセンブリの分解図を示す。
図3B】断熱キャニスタアセンブリ用の例示的な蓋の分解図を示す図である。
図4】断熱キャニスタアセンブリ用の例示的な蓋の結合リングの拡大図を示す。
図5A】例示的な嵌合スリーブのベースの断面図である。
図5B図5Aの断面図の拡大図を示す図である。
図6A】断熱キャニスタアセンブリ用の例示的な蓋の嵌合スリーブの拡大図を示す。
図6B図6Aの嵌合スリーブの空気通路の拡大図を示す。 全ての図面はおおむねスケールに合わせて描かれているが、他の相対的な寸法は、この開示の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
真空フラスコのような断熱コンテナは、その内容物の温度を経時的に維持するように構成されている。しかし、このようなコンテナは、容器本体と蓋とのインターフェースを通して熱的危害を受けやすい。蓋はヒートシンクとして作用し、加熱された内容物が時間の経過とともに冷え込むことを許し、その結果、容器の他のシールされた内部区画に真空が発生することがある。結果として生じる真空は、コンテナの蓋の取り外しを困難にする可能性があり、最も極端な例ではベーパーロックを引き起こすことさえある。断熱コンテナの中には換気されているものもあるが、内容物の冷え込みを悪化させる可能性があるため、容器内への外気の流入を許容することは理想的な解決策には達しないものであり、また通常は、漏洩する可能性があり、かつ清掃が困難な比較的小さな通気口を必要とするからである。
【0007】
加えて、キャニスタのようなより広い断熱容器は、蓋と容器との間の表面積状態の増加の結果として、ガスケットの摩擦問題を発生させる可能性がある。通気及び/又は冷蔵の問題がない場合でも、キャニスタを開けるために必要なトルクは、単にガスケットの摩擦に基づいているだけで、大きい場合がある。
一般に本当の問題が摩擦の増加、または真空と摩擦の組み合わせである場合、人々は貯蔵キャニスタを開くのに伴う問題について誤って真空のせいにする可能性がある。いずれにせよ、結果は開封が困難または不可能なシールされた容器である。
【0008】
例えば、図1A及び図1Bは、断熱キャニスタアセンブリ100及び105の図を示す。断熱キャニスタアセンブリ100及び105は、液体又は他の内容物を貯蔵し、アセンブリ内に封止された内容物と周囲環境との間の温度差を維持するように構成される。
蓋110は、中心軸の周りに蓋110を回転させることにより、コンテナ本体112に可逆的に結合するように構成され、蓋110がコンテナ本体112に部分的に取り付けられたままになるように、断熱キャニスタアセンブリ100を開閉又は部分的に開くことができる。例えば、使用者は、蓋110を時計方向にねじ込んで断熱キャニスタアセンブリ100を閉じ、蓋110を反時計方向に回転させて、断熱キャニスタアセンブリ100を開くかまたは部分的に開くことができる。しかし、他の例では、他の開閉技術が用いられることもある。
【0009】
コンテナ本体112は、ステンレス鋼、又は断熱キャニスタアセンブリ用の他の何らかの適当な材料から作られることができる。コンテナ本体112は、ベース120と上部122を含む。上部122は、蓋110を受け入れるように構成され得る開口部125を含む。蓋110がコンテナ本体112に結合されていないときに、開口部125により、中央空洞部127へのアクセスができ、材料がコンテナ本体112に追加され、及び/又は材料がコンテナ本体112から引き出されることが可能になる。
【0010】
キャニスタアセンブリ100は、コンテナ本体112が蓋110から外れて示されており、コンテナ嵌合補完体130を見ることができる。この例では、コンテナ嵌合補完体130は、ねじではなくシール突起を含む。シール突起は、内側コンテナ面132の周囲の円周経路(例えば螺旋状経路)に配置されて示されている。具体的には、シール突起は、蓋110周りのねじ経路133に対応する内側コンテナ面周辺の経路を辿る。ねじではなく、シール突起を利用することによって、蓋110がコンテナ本体112から部分的にねじから外れたときに、中央空洞部127からキャニスタアセンブリの外側への経路が生成され得る。このようにして、中央空洞部127内の液体内容物は、蓋110を完全に取り外す必要なく、流出する。
【0011】
相補的なねじ経路は、蓋110がコンテナ本体112に取り付けられる(例えば、ねじ止めされる)とき、コンテナ本体112と蓋110との間の緊密かつ堅牢なシールを容易にする。閉じた状態では、キャニスタアセンブリ105に示されるように、コンテナ嵌合補完体は、ねじ経路123と嵌合し及びシールし、従って蓋110を容器本体140に結合する。このようにして、コンテナアセンブリ105内の液体又はその他の内容物は、コンテナアセンブリ105内にシールされる。
【0012】
コンテナ嵌合補完体130は、コンテナ本体112の中心軸に向かって内側に伸びるように上昇する。具体的には、一例において、シール突起は、ドームの形状(例えば、半球状、準半球状等)であってもよい。しかしながら、この開示の範囲から逸脱することなく、様々な突起の形状が使用され得る。
【0013】
図1Cは、更なる断熱キャニスタアセンブリ150の断面を示し、コンテナ本体154に取り外し可能に結合された蓋152を備える。コンテナ本体154は、二重壁コンテナとして示されている。コンテナ本体154は外壁160及び内壁162を含む。外壁160及び内壁162は、頂部164で一緒に結合されてもよい。蓋152が所定の位置にあるときに、真空ギャップ165により外壁160と内壁162、断熱性の中央空洞部166を周囲環境から分離することができる。
【0014】
蓋152は、真空インサート170と嵌合スリーブ172とを含む。嵌合スリーブ172は、真空インサート170を部分的に囲むように機能し、且つ蓋152がコンテナ本体154と嵌合し、かつシールを形成することを可能にする(例えば、ねじ係合を介して)。真空インサート170はステンレス鋼から、コンテナ本体154と同じ材料から、及び/又は他の適切な材料から製造することができる。
【0015】
嵌合スリーブ172は、ハンドル174を含む頂部173に連結される。ハンドル174は、蓋152の頂部から回転して離れるように構成されたベイルアーチの形態であってもよい。蓋152は、上側シール180及び下側シール182を含む。この例では、下側シール182が一次シールと考えられ、上側シール180は二次シールと考えられる。上側シール180は、嵌合スリーブ172の周囲に延在するOリングとして記載されている。下側シール182はガスケット185に含まれる。上側シール180は、シールを付与するのに加えて、頂部164の中央蓋152に作用することができる。また、上側シール180は、蓋152がコンテナ本体154と完全に係合したとき(例えば、回転摩擦を増加させることによって)についてのフィードバックを使用者に提供し、それによって、使用者が蓋152を締め過ぎる可能性を減少させることができる。
【0016】
前述の真空及び摩擦の問題に対処するために、蓋152は、ダイヤフラムチャンバ186を覆う蓋152のベースを横切って延在するガスケット185を含み得る。ダイヤフラムチャンバ186は、空気通路188を介して断熱キャニスタアセンブリ150の外側に繋がるように示されている。中央空洞部166内の材料が冷却されると、真空が中央空洞部166内に発生する。コンテナ本体154の中央空洞部166内の真空力によって、ガスケット185は中央空洞部166に向かって撓むことができる。ガスケット185の撓みは、空気通路188及び嵌合ねじ190の周囲を通して、外部空気を引き込むことによって、ダイヤフラムチャンバ186を膨張させる。
【0017】
従って、ダイヤフラムチャンバ186は、中央空洞部166内の空間の一部を充填するように膨張し、これにより、中央空洞部166の容積を減少させ、中央空洞部166内の内部圧力を維持する。これは、真空の発生を減少させ(及び/又は既存の真空状態の実質的な増加を防止し)、キャニスタアセンブリ150をより開け易くする。このアプローチは、このように、外側から密閉された中央空洞部166を維持しながら真空の減少を達成し、ガスケット185の撓みを利用して、実際に中央空洞部166を外部空気に曝すことなく、中央空洞部166内に空気を効果的に引き込むことにより換気機能を実行する。
本明細書でさらに説明するように、蓋152の要素は、シール機構を嵌合ねじ190の回転から切り離すことによって、蓋152とコンテナ本体154との間の摩擦を低減することもできる。蓋152のさらなる図は、図2A(斜視図)及び図2B(断面図)に示される。結合リング195及びガスケットタブ198のような付加的な構成要素が示され、図3A図3B及び図4に関してさらに詳しく議論される。
【0018】
図3Aは、キャニスタアセンブリ150の分解図200を示し、外壁160、内壁162、頂部173、ハンドル174、真空インサート170、上側シール180、嵌合スリーブ172、ガスケット185、及び結合リング195を含む。
結合リング195は、ガスケット185と嵌合スリーブ172の両方に結合されてもよい。図3Bは、嵌合スリーブ172、ガスケット185、及び結合リング195を含む蓋152の分解図を示す。ガスケット185は、結合リング195に対して所定の位置に固定される。しかしながら、結合リング195は、嵌合スリーブ172の周囲で自由に回転するように構成され得る。例えば、結合リング195と嵌合スリーブ172の両方がポリカーボネート製であり得るので、結合リング195とガスケット185は、互いに本質的に静止している一方、結合リング195と嵌合スリーブ172は互いに円滑に回転する。
【0019】
図3A及び図3Bに示すように、嵌合スリーブ172は、内壁162の嵌合突起205に結合するための4分の1ターン嵌合ねじ190を含む。このようにして、蓋152が所定の位置にあるときに、各ねじの上部が係合される。かくして、嵌合ねじ190の下部は、嵌合突起205から嵌合スリーブを駆動する。
【0020】
結合リング195及びガスケット185は、嵌合スリーブ172から自由に回転するので、蓋152が取り外されているとき、ガスケット185は内壁162に対して回転しない。
むしろ、嵌合ねじ190は、回転力を軸力に変換し、ガスケット185が内壁162に沿って回転するように揺動することなく、ガスケット185をコンテナ本体154から効果的に持ち上げ、したがって、ガスケット185とコンテナ本体154の摩擦力を緩和する。むしろ、ガスケット185は、嵌合ねじ190が嵌合突起205に係合し、係合解除するにつれて、上下に移動する。
【0021】
図4は、結合リング195の拡大図を示す。図示のように、結合リング195は分割リングであり、ガスケット185の後ろに進む空気通路210を生成する。ガスケット185の弾性の性質により、結合リング195は所定の位置に維持される。結合リング195は、使用者が洗浄目的等のために結合リングを取り外し交換することを許容するのに十分な柔軟性を有している。ガスケット185及び結合リング195が嵌合スリーブ172の周りで自由に回転するので、ガスケット185及び結合リング195は洗浄のために取り外すことが困難である場合がある。このようにして、ガスケットタブ198が含まれて、これらの構成要素を除去する容易さを高める。
【0022】
分割リングにより、空気がダイヤフラムチャンバ186のキャップ側の空気通路188に入ることが可能になる。このように、これらの通路は、キャップが完全にねじ止めされているときでさえ露出されて使える状態である一方、ガスケット185が内壁162とのシール品質を維持することを可能にする。図5A及び図5Bは、嵌合スリーブ172の断面を示し、空気通路188を示す。空気通路188は、嵌合スリーブ172の成形部分のベースを横切る。しかしながら、蓋152を通る他の空気通路の経路が考慮されてきた。
【0023】
空気通路188への空気の進入を容易にするために、嵌合スリーブ172は、さらに、外気が上側シール180を横切ることを可能にするOリング通路220を含み得る。Oリング通路220の例を図6A図6Bに示す。
中央空洞部166内の真空の発生は、ガスケット185に引く力を与え、ダイヤフラムチャンバ186内の圧力を低下させる。従って、ダイヤフラムチャンバ186内の負圧は、外部空気で埋め戻され、該外部空気はOリング通路220を介してキャニスタアセンブリ150内に入り、嵌合突起205間のギャップを横切り、結合リング195内の割れ目によって作り出された空気通路210を介して空気通路188内に入る。その後、蓋152は、過度の真空または摩擦の力なしに除去されることができる。
【0024】
ここに記載されている形態及び/又はアプローチは本質的に例示的であり、これらの具体的な実施形態又は例は、多数の変形例が可能であるため、限定的な意味に考慮されるべきではないことが理解されるであろう。ここで説明した特定のルーチンまたは方法は、任意の数の処理戦略の1つ又は複数を表す。そのようなものとして、例示され、及び/又は記載されている様々な行為は、例示され、及び/又は、記載されている順序で実行され、他の順序で実行され、並行して、又は省略して実行されてもよい。同様に、上述の処理の順序も変更される可能性がある。
【0025】
本開示の主題事項は、本書で開示される様々なプロセス、システムおよび構成、ならびにその他の特徴、機能、行動及び/又は性質、ならびにそれらの全ての同等物の、新規性及び進歩性のある組合せ及びサブ組合せの全てである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B