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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】捕虫器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/04 20060101AFI20240530BHJP
   A01M 1/14 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A01M1/04 A
A01M1/14 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022056277
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023148325
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2023-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.フードセーフティジャパン2021(令和3年10月21日~10月29日) 2.FOODEX JAPAN 2022(令和4年3月7日~3月11日) 3.第9回ナレッジイノベーションアワード(令和4年3月20日) 4.株式会社フジ環境サービス(令和4年3月3日)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520034509
【氏名又は名称】株式会社ペストビジョンソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】片山 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】川竹 友志
(72)【発明者】
【氏名】田之江 崇文
(72)【発明者】
【氏名】亀本 達也
(72)【発明者】
【氏名】武津 一輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 庸介
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-046657(JP,A)
【文献】特開2007-129944(JP,A)
【文献】登録実用新案第3136423(JP,U)
【文献】特開2019-162051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に捕獲対象の虫を収集する空間を有する収集部と、
前記虫を前記収集部内に誘引するための誘引媒体を発する誘引部と、
前記収集部内で前記虫を捕獲する捕獲部と、
前記捕獲部によって捕獲した虫を撮像するための撮像ユニットと、を備え、
前記収集部は、前記虫を前記収集部内に通すための入口を有し、
前記入口は、前記収集部内に連通する開口を有し、
前記収集部は、前記誘引部の周囲に形成される虫を飛翔させ続けるための空間であって、前記入口を基点にした空間を有
前記撮像ユニットは、前記誘引部よりも前記収集部の中心部側に配置される撮像装置を有し、
前記捕獲部は、前記誘引部の周囲に形成される空間よりも下側に配置される、
捕虫器。
【請求項2】
前記虫を前記捕獲部に案内する案内部であって、前記収集部の内部において前記捕獲部の周囲に配置される案内部を備え、
前記捕獲部は、前記撮像装置の下方に配置される捕虫紙を有し、
前記撮像装置は、前記捕虫紙を上方から撮像するように構成され、
前記案内部は、前記捕虫紙に近付くにつれて上方から下方に向かうように傾斜する傾斜面を有する、
請求項1に記載の捕虫器。
【請求項3】
前記収集部は、筒型であり、
前記入口は、前記収集部の筒面に形成される、
請求項1に記載の捕虫器。
【請求項4】
前記入口は、前記開口を部分的に塞ぎ且つ前記誘引媒体を前記収集部内から前記収集部外に通すように構成される閉塞部を有する、
請求項1に記載の捕虫器。
【請求項5】
前記誘引部は、前記誘引媒体として光を発するように構成され、
前記閉塞部は、透光性を有するように構成される、
請求項に記載の捕虫器。
【請求項6】
前記閉塞部は、前記開口の外周領域の少なくとも一部を閉塞し、且つ前記開口の中央部を開放するように構成される、
請求項又は請求項に記載の捕虫器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛翔する虫を捕らえるための捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記捕虫器として、例えば、前面に開口が形成されている筐体と、前記筐体の内部に取り付けられた状態で虫を誘引する光を発生させる光源と、前記筐体内に取り付けられている捕虫粘着シートとを備える捕虫装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記構成の捕虫装置では、光源の光に引き寄せられた虫が開口を通じて筐体の内部に入り込んで捕虫粘着シートに接触すると、虫が捕虫粘着シートに捕獲されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-93965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のような捕虫装置では、筐体内部に虫が入りやすくするためには開口が広い方が良いが、広い開口であると筐体の内部に入り込んだ虫が捕虫粘着シートに接触せずに開口を通じて筐体の外部に出してしまい、虫を取り逃がしてしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、捕虫性能を向上させることができる捕虫器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の捕虫器は、
内部に捕獲対象の虫を収集する空間を有する収集部と、
前記虫を前記収集部内に誘引するための誘引媒体を発する誘引部と、
前記収集部内で前記虫を捕獲する捕獲部と、を備え、
前記収集部は、前記虫を前記収集部内に通すための入口を有し、
前記入口は、
前記収集部内に連通する開口と、
前記開口を部分的に塞ぎ且つ前記誘引媒体を前記収集部内から前記収集部外に通すように構成される閉塞部と、を有する。
【0008】
上記構成の捕虫器によれば、虫の入り口となる開口を部分的に閉塞する閉塞部が収集部の内部から外部に向かう誘引媒体を通すようにも構成されているため、収集部の外部に向かう虫は閉塞部によって遮られる一方で誘引媒体は閉塞部を通って収集部の内部から外部に出るようになっている。
【0009】
従って、上記構成の捕虫器は、誘引媒体による虫の誘引効果を低下させずに虫を収集部内に留めやすくすることができ、これにより、捕虫性能が向上するようになっている。
【0010】
本発明の捕虫器において、
前記誘引部は、前記誘引媒体として光を発するように構成され、
前記閉塞部は、透光性を有するように構成されていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、閉塞部が誘引部によって誘引媒体として発生させた光を通すことができるため、捕虫性能が向上する。
【0012】
本発明の捕虫器において、
前記閉塞部は、前記開口の外周領域の少なくとも一部を閉塞し、且つ前記開口の中央部を開放するように構成されていてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、開口の外周領域を閉塞することで収集部の外部に出ようとする虫を遮るとともに、開口の中央部を開放させることで虫が開口を通じて収集部の内部に入り易くすることができる。
【0014】
本発明の捕虫器において、
前記収集部は、前記入口を基点にした循環ルートを有するように構成されていてもよい。
【0015】
このようにすれば、収集部内の虫を循環ルート内で飛翔させ続け易くなるため、収集部の内部に虫を留めやすくすることができる。
【0016】
本発明の捕虫器において、
前記収集部は、筒型であり、
前記入口は、前記収集部の筒面に形成されるようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、収集部の内壁に丸みを持たせることによっても、虫に飛翔させ続け易くなる。
【0018】
本発明の捕虫器において、
前記誘引部は、前記収集部の中央部に配置され、
前記循環ルートは、前記収集部の内部の空間のうち、前記誘引部の周囲の空間によって構成されるようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、虫が誘引媒体の作用を受けながら循環ルート内を飛び回り続けやすくなるため、虫が収集部の外部に出にくくなる。
【0020】
本発明の捕虫器において、
前記捕獲部は、前記収集部の下部に配置されるようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、収集部内での飛翔による疲労によって落下した虫を捕虫紙に落下させて捕獲することができる。
【0022】
本発明の捕虫器は、
前記収集部の内部において、前記捕獲部の周囲に配置されるガイド部を備え、
前記ガイド部は、前記捕獲部に近付くにつれて上方から下方に向かうように傾斜する傾斜面を有するようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、捕獲部の周囲に落下した虫をガイド部によって捕獲部に集めることができるため、捕獲部による虫の捕獲効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の捕虫器は、捕虫性能を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る捕虫器の正面図である。
図2図2は、同実施形態に係る捕虫器の左側面図である。
図3図3は、同実施形態に係る捕虫器の右側面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線における断面図である。
図5図5は、図2のV-V線における断面図である。
図6図6は、同実施形態に係る捕虫器の内部構造の説明図である。
図7図7は、同実施形態に係る捕虫器の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態にかかる捕虫器について、添付図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る捕虫器は、飛翔する虫を捕獲するためのものである。
【0027】
捕虫器1は、図1乃至図3に示すように、内部に捕獲対象の虫を収集する空間を有する収集部2と、虫を収集部2の内部に誘引するための誘引媒体を発する誘引部3と、図4に示すように、収集部2の内部で虫を捕獲する捕獲部4と、虫を捕獲部4に案内する案内部5と、捕獲部4によって捕獲した虫を撮像するための撮像ユニット6と、を備えている。
【0028】
収集部2は、内部に空間が形成され且つ内外に連通する開口200が形成されるハウジング20と、ハウジング20の開口200を部分的に塞ぐ閉塞部21と、を有する(図1乃至図3参照)ように構成されており、開口200と閉塞部21とによってハウジング20内に虫を通すための入口が構成されている。
【0029】
ハウジング20は、筒状の胴部201と、筒状の胴部201の軸線方向における一方の開口端を塞ぐ底部202と、筒状の胴部201の軸線方向における他方の開口端を塞ぐ天部203と、胴部201の内部の空間を底部202側の空間と天部203側の空間とに仕切る仕切部204と、を有する。
【0030】
ハウジング20の開口200は、胴部201に形成されている。また、胴部201には、複数の開口200が形成されており、本実施形態では、胴部201の正面と、左側面と、右側面の三カ所に開口200が形成されている。このように、開口200は、収集部2(ハウジング20)の筒面に形成されている。
【0031】
閉塞部21は、図1に示すように、開口200を部分的に塞ぐように形成されている。本実施形態の閉塞部21は、開口200の外周部を全周に亘って塞いでいる。そのため、開口200は、開口全域のうち、中央部側が開放された状態になっている。
【0032】
本実施形態の誘引部3は、誘引媒体として光(誘引光)を発するように構成されている。
【0033】
より具体的に説明すると、誘引部3は、図5に示すように、誘引光を発する光源30と、ハウジング20内に設けられ、光源30が取り付けられるベース31と、を有する。
【0034】
また、本実施形態のハウジング20内には、開口200の数に合わせて3つの誘引部3が配置されている。3つの誘引部3は、それぞれ、正面側の開口200と対向する位置、左側面側の開口200と対向する位置、右側面側の開口200と対向する位置に配置されている。
【0035】
光源30は、例えば、発光ダイオードや、蛍光灯等によって構成されていればよい。
【0036】
ここで、閉塞部21は、誘引部3が発生させた誘引媒体をハウジング20の内部からハウジング20の外部に通すように構成されている。本実施形態の誘引部3は誘引媒体として誘引光を発するように構成されているため、閉塞部21はメッシュによって構成されている。これにより、閉塞部21は、ハウジング20の内部から外に出ようとする虫を遮る一方で、誘引媒体はハウジング20の内部から外部に通すように構成されている。
【0037】
ベース31は、ハウジング20内の中央部側において仕切部204から垂下するように構成されている。ベース31は、胴部201の背面部201aからも、胴部201の前面部201bからも離れた位置に配置されている(図6参照)。そのため、3つの誘引部3とハウジング20における胴部201の内面との間には、3つの誘引部3を中心として周方向全周に連続する空間(循環ルート)が形成されている。
【0038】
捕獲部4は、粘着性を有する捕虫紙40と、捕虫紙40を配置するためのトレー41であって、ハウジング20の底部202に配置されるトレー41と、を備えている。
【0039】
トレー41は、ハウジング20に対して出入可能に構成されており、本実施形態では、胴部201に形成されている抜差口205(図1参照)を通じてハウジング20内に出入可能となるように構成されている。
【0040】
案内部5は、捕獲部4の周囲に配置されている。本実施形態の案内部5には、胴部201の内面に接する端部(外端部と称する)と、捕獲部4(トレー41)に隣接する位置に配置される端部(内端部と称する)とが含まれている。
【0041】
また、案内部5には、図4に示すように、外端部側よりも内端部側が下方側に位置するように傾斜した傾斜面50が含まれている。
【0042】
この傾斜面50は、外端部側が光源30よりも外側且つ上方側に位置し、内端部側が光源30よりも内側且つ下方側に位置し、外端部と内端部の間の中央部が光源30の下方側を通過するように形成されている。
【0043】
なお、本実施形態の案内部5では、横幅方向における捕獲部4の一方側と他方側とに傾斜面50が一つずつ形成されている。
【0044】
撮像ユニット6は、捕虫紙40を上方から撮像する撮像装置60と、捕虫紙40に光を照射するための照明装置61とを有する。
【0045】
撮像装置60は、ハウジング20の中央部(3つのベース31よりもハウジング20の中心側)に配置され、且つ下向きの状態(撮像方向を捕虫紙に向けた状態)で仕切部204に対して固定されている。
【0046】
本実施形態の撮像ユニット6は、複数(2つ)の照明装置61を有するように構成されており、この2つの照明装置61は、捕虫紙40を中心として対称となる位置に配置されている。
【0047】
各照明装置61は、捕虫紙40よりも上方且つ外側に配置されており、光軸方向を捕虫紙40に向けた状態で配置されている。これにより、捕虫紙40には、照明装置61によって両側の斜め上から光が照射されるようになっている。
【0048】
なお、照明装置61の長さは、捕虫紙40の長さと同一又は捕虫紙40の長さ以上となるように設定されることが好ましい。
【0049】
本実施形態に係る捕虫器1の構成は、以上の通りである。続いて、捕虫器1の使用状態の説明をする。
【0050】
各光源30で発生させた誘引光は、対面する開口200の開放されている領域を通って外部に出る。正面側の開口200は、閉塞部21によって外周部が全周に亘って塞がれているが、閉塞部21はハウジング20の内部から外部へと誘引光を通すことができるため、光源30で発生させた誘引光は、開口200の全域を通じてハウジング20の内部から外部に出るようになっている。
【0051】
光源30の誘引光に引き寄せられた虫は、開口200の開放されている領域を通ってハウジング20の内部に侵入する。
【0052】
ハウジング20内では、ハウジング20の外部に向かって飛翔する虫(I)を閉塞部21で遮ることができるため、虫(I)をハウジング20の内部に留め易くなる(図7参照)。
【0053】
また、ハウジング20内の空間は3つの誘引部3を中心として周方向全周に連続する循環ルートとなっているため、ハウジング20内の虫は循環ルートを飛翔し続け、力尽きると、捕虫紙40又は案内部5の傾斜面50上に落下する。
【0054】
捕虫紙40に直接落下した虫はそのまま捕虫紙40によって捕獲される。また、案内部5の傾斜面50上に落下した虫は、該傾斜面50上を滑って捕虫紙40上に落下する。ハウジング20内の虫は、このようにして捕虫紙40上に落下することによって捕獲される。
【0055】
そして、撮像装置60によって撮像を行うと、捕虫紙40で捕獲した虫を撮像した画像が得られる。
【0056】
本実施形態の捕虫紙40には、捕虫紙40を中心として対称配置された2つの照明装置61によって両側の上方外側から光が照射されるため、捕虫紙40に虫の影が落ちにくくなっており、これにより、良好な状態の虫が明瞭に写った画像が得られるようになっている。
【0057】
このように、本実施形態の捕虫器1は、虫の捕獲率を向上させることができ、さらに、良好な状態で捕獲した虫が明瞭に写った画像を得られるようになっている。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る捕虫器1では、虫の入り口となる開口200を部分的に閉塞する閉塞部21が誘引媒体としての誘引光をハウジング20の内部から外部に通せるようにも構成されているため、ハウジング20の外部に向かう虫は閉塞部21によって遮られる一方で誘引媒体は閉塞部21を通ってハウジング20の内部から外部に出るようになっている。
【0059】
従って、捕虫器1は、誘引媒体による虫の誘引効果を低下させずに虫をハウジング20内に留めやすくすることができ、これにより、捕虫性能を向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
【0060】
また、閉塞部21は開口200の外周部を閉塞し且つ開口200の中央部は開放するように構成されているため、開口200の中央部を開放させることで虫が開口200を通じてハウジング20の内部に入り易くなり、また、開口200の外周領域を閉塞することでハウジング20の外部に出ようとする虫を遮り易くなる。
【0061】
さらに、本実施形態の捕虫器1では、捕獲部4の捕虫紙40がハウジング20の下部に配置されているため、ハウジング20内での飛翔による疲労によって落下した虫を捕虫紙に落下させて捕獲することができる。
【0062】
さらに、ハウジング20内の空間は、開口200を基点にして周回するように形成された循環ルートとなっているため、ハウジング20内の虫を飛翔させ続け易くすることができる。
【0063】
また、ハウジング20を筒型にして内壁(ハウジング20の内壁)に丸みを持たせると、ハウジング20内に形成される内角部が減少するため、虫が滞留し易い場所を減らしておくことによって虫に飛翔させ続け易くなる。
【0064】
さらに、ハウジング20内の循環ルートは、誘引部3を中心とする周方向全周に亘って連続する空間であるため、ハウジング20内の虫に誘引部3による誘引作用を与えながら飛翔させ続けやすくなる。
【0065】
このように、本実施形態の捕虫器1は、ハウジング20内の虫を飛翔させ続けやすくすることによって、虫をハウジング20内に留めやすくすることができ、また、ハウジング20内の虫を効率よく疲労させることができるようになっており、これにより、効率よく虫を捕獲できるようになっている。
【0066】
なお、捕虫紙40の周囲には、捕虫紙40に近付くにつれて上方から下方に向かうように傾斜した傾斜面50を有するガイド部が設けられているため、ハウジング20内の虫が捕虫紙40に直接落下しなかった場合であっても、捕獲部4の周囲に落下した虫をガイド部によって捕獲部4に集めることができ、これにより、捕獲部4による虫の捕獲効率を高めることができるようにもなっている。
【0067】
なお、本発明に係る捕虫器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0068】
上記実施形態において、捕虫器1は、捕虫紙40で虫を捕獲する捕虫機能に加えて、捕虫紙40で捕獲した虫を捕獲する撮像機能を有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、捕虫器1は、前記捕虫機能と前記撮像機能のうち、前記捕虫機能のみを有するように構成されていてもよいし、捕虫機能と撮像機能に加えて、撮像した虫の画像の検査を行う検査機能を有するように構成されていてもよい。
【0069】
このようにする場合、捕虫器1は、例えば、撮像ユニットで撮像した画像を検査する検査装置を備えていればよい。検査装置は、捕虫器1に組み込まれていても良いし、有線通信又は無線通信によって捕虫器1と情報通信できるように構成されていてもよい。
【0070】
上記実施形態において、収集部2には、3つの開口200が形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、収集部2には、1つ又は2つの開口200が形成されていてもよいし、4つ以上の開口200が形成されていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、3つの開口200のうちの1つに閉塞部21が設けられていたが、例えば、3つの開口200の全てに閉塞部21が設けられていても良いし、3つの開口200のうちの2つに閉塞部21が設けられていても良い。すなわち、複数の開口200が収集部2に形成されている場合、少なくとも一つの開口200に閉塞部21が設けられていればよい。
【0072】
上記実施形態において、閉塞部21は、開口200の外周部を全周に亘って塞いでいたが、この構成に限定されない。例えば、閉塞部21は、開口200の外周部を部分的に塞ぐように構成されていてもよいし、開口200の中央部側を塞いで開口200の外周部を開放するように構成されていてもよい。
【0073】
上記実施形態において、誘引部3は、誘引媒体として光を発生させるように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、誘引部3は、誘引媒体として匂いや音を発生させるように構成されていてもよい。
【0074】
また、閉塞部21は、メッシュで構成されることで透光性を有するように構成されていたが、例えば、閉塞部21は、透明なものであれば、メッシュで構成されていなくてもよい。
【0075】
但し、誘引部3が発生させる誘引媒体が音やにおいの場合、閉塞部21は、メッシュで構成されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0076】
1…捕虫器、2…収集部、3…誘引部、4…捕獲部、5…案内部、6…撮像ユニット、20…ハウジング、21…閉塞部、30…光源、31…ベース、40…捕虫紙、41…トレー、50…傾斜面、60…撮像装置、61…照明装置、200…開口、201…胴部、201a…背面部、201b…前面部、202…底部、203…天部、204…仕切部、205…抜差口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7