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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ロケーションファインダー
(51)【国際特許分類】
   G10K 9/122 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
G10K9/122 140
G10K9/122 100
G10K9/122 152
G10K9/122 150
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022143309
(22)【出願日】2022-09-08
(65)【公開番号】P2023041038
(43)【公開日】2023-03-23
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】202111063066.1
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518409667
【氏名又は名称】李志堅
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】李 志堅
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第11043086(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 9/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションファインダーであって、ケーシング(1)を備え、前記ケーシング(1)の内部には上方に位置する第1共鳴室(a)、下方に位置する第2共鳴室(b)及び前記第1共鳴室(a)と前記第2共鳴室(b)を分離し、発音するための音響発生部材(2)が設けられ、前記ロケーションファインダーは前記音響発生部材(2)に接続され、前記音響発生部材(2)の電源オンとオフを制御するためのメインボード(3)と、前記メインボード(3)に接続され、前記メインボード(3)に電力を供給するための電源装置とをさらに備え、
前記第1共鳴室(a)及び前記第2共鳴室(b)は、一方が大きく、他方が小さい2つの空間を構成することを特徴とする、ロケーションファインダー。
【請求項2】
前記音響発生部材(2)の中央部に透過用スルーホール(21)が設けられ、前記透過用スルーホール(21)の上に前記メインボード(3)で制御される光源(31)が設けられ、前記第2共鳴室(b)の底部には外部と連通する光透過用通路(b1)が設けられ、前記光源(31)から発せられた光は、前記透過用スルーホール(21)、前記第2共鳴室(b)及び前記光透過用通路(b1)を順に通過して外部に投射されることを特徴とする、請求項1に記載のロケーションファインダー。
【請求項3】
前記光透過用通路(b1)内に光透過可能な投影部材(5)が取り付けられ、前記投影部材(5)に所定の投影パターンが設けられ、前記光源(31)は前記投影部材(5)に投射して前記投影パターンを外部に投射して表示することができることを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項4】
前記ケーシング(1)又は前記投影部材(5)には、発音に便利な発音貫通穴(51)がさらに設けられることを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項5】
前記投影部材(5)には前記透過用スルーホール(21)の中又は前記透過用スルーホール(21)の下方に延在する光透過性ポスト(52)が設けられることを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項6】
前記音響発生部材(2)の外径は、6.5mm~50mmの範囲で、前記音響発生部材(2)の厚さは0.15mm~0.85mmの範囲であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のロケーションファインダー。
【請求項7】
前記音響発生部材(2)は、基板と、基板に設けられた導電性セラミック媒体とを備え、前記基板は銅シート、ステンレスシート、ニッケル合金シート及び鉄片のうちいずれか又はこれらの任意の組み合わせを用いることを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項8】
前記メインボード(3)は、前記ケーシング(1)内に設けられ、かつ前記音響発生部材(2)の上方に位置し、前記メインボード(3)と前記音響発生部材(2)との間はポゴピン(6)又は弾性屈曲部材(7)を介して接続されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のロケーションファインダー。
【請求項9】
前記ケーシング(1)は、下部ケーシング(11)と、上部ケーシング(12)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のロケーションファインダー。
【請求項10】
前記上部ケーシング(12)の上面には凹状の電池収納室(121)が設けられ、前記電源装置はボタン電池であり、前記電池収納室(121)に設置され、前記電池収納室(121)の頂部にも蓋体8で覆われることを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項11】
前記メインボード(3)には外部機器と接続可能な通信モジュールがさらに設けられることを特徴とする、請求項1に記載のロケーションファインダー。
【請求項12】
前記第2共鳴室(b)は、上の口径が大きく下の口径が小さい漏斗状を呈することを特徴とする、請求項1に記載のロケーションファインダー。
【請求項13】
前記第2共鳴室(b)と前記第1共鳴室(a)は、漏斗状の空気環流システムを構成することを特徴とする、請求項1に記載のロケーションファインダー。
【請求項14】
前記透過用スルーホール(21)の直径は、6mmを超えないことを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【請求項15】
前記発音に便利な発音貫通穴(51)の単穴直径は、10mmを超えないことを特徴とする、請求項に記載のロケーションファインダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位機器の分野に関し、特に、ロケーションファインダーに関する。
【背景技術】
【0002】
ロケーションファインダーは、位置の特定と追跡に用いられる機器である。登山やキャンプなどのアウトドア活動において、人々は一般的にリュックサックにロケーションファインダーを掛けるのが好きである。従来のロケーションファインダーは、主な機能が広範囲の測位用であり、GPS などの測位モジュールを搭載した電子ロケーションファインダーで、もう1つは使用者が物を探すのに便利な狭い範囲の測位用のロケーションファインダーに分けられる。ロケーションファインダーは、主に音で使用者にその場所を知らせる。従来の音声式ロケーションファインダーは、主にスピーカで知らせとアラームを発し、スピーカは使用中に多くの電力を消費し、一般的な使用期間はわずか3~5日で、電力を使い切った後、電池を交換する必要があるので、使い勝手は悪かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における上述の欠点の克服を意図しており、省電力で発音の音量が大きいロケーションファインダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。ロケーションファインダーであって、ケーシングを備え、前記ケーシングの内部には上方に位置する第1共鳴室、下方に位置する第2共鳴室及び第1共鳴室と第2共鳴室を分離し、発音するための音響発生部材が設けられ、前記ロケーションファインダーは音響発生部材に接続され、音響発生部材の電源オンとオフを制御するためのメインボードと、メインボードに接続され、メインボードに電力を供給するための電源装置とをさらに備えることを特徴とする。
【0005】
この技術的手段をより適切に実施するため、次のような最適化手段も提供する。
【0006】
好ましくは、前記第1共鳴室及び第2共鳴室は、一方が大きく、他方が小さい2つの空間を構成する。
【0007】
投光・測位を容易にするため、前記音響発生部材の中央部に光透過用スルーホールが設けられ、前記光透過用スルーホールの上にメインボードで制御される光源が設けられ、第2共鳴室の底部には外部と連通する光透過用通路が設けられ、前記光源から発せられた光は、光透過用スルーホール、第2共鳴室及び光透過用通路を順に通過して外部に投射される。
【0008】
好ましくは、光透過用通路内に光透過可能な投影部材が取り付けられ、前記投影部材に所定の投影パターンが設けられ、前記光源は投影部材に投射して前記投影パターンを外部に投射して表示することができる。
【0009】
さらに拡声するため、前記ケーシング又は投影部材には、発音に便利な発音貫通穴がさらに設けられる。
【0010】
好ましくは、前記音響発生部材の外径は、6.5mm~50mmの範囲で、前記音響発生部材の厚さは0.15mm~0.85mmの範囲である。
【0011】
好ましくは、前記音響発生部材は、基板と、基板に設けられた導電性セラミック媒体とを備え、前記基板は銅シート、ステンレスシート、ニッケル合金シート及び鉄片のうちいずれか又はこれらの任意の組み合わせを用いる。
【0012】
光が拡散するのを防止するため、前記投影部材には光透過用スルーホールの中又は光透過用スルーホールの下方に延在する光透過性ポストが設けられる。
【0013】
好ましくは、前記メインボードは、ケーシング内に設けられ、かつ音響発生部材の上方に位置し、前記メインボードと音響発生部材との間はポゴピン又は弾性屈曲部材を介して接続される。
【0014】
取り付けを容易にするため、前記ケーシングは、下部ケーシングと、上部ケーシングとを備える。
【0015】
好ましくは、前記上部ケーシングの上面には凹状の電池収納室が設けられ、前記電源装置はボタン電池であり、電池収納室に設置され、電池収納室の頂部にも蓋体で覆われる。
【0016】
好ましくは、前記メインボードには外部機器と接続可能な通信モジュールがさらに設けられる。
【0017】
音をより集中させ、散乱させないようにするため、前記発音に便利な発音貫通穴の単穴直径は、10mmを超えない。
【0018】
その中の空気の回転によって音が増幅されるのを助けるため、前記第2共鳴室は、上の口径が大きく下の口径が小さい漏斗状を呈する。
【0019】
さらにその中の空気の回転によって音が増幅されるのを助けるため、前記第2共鳴室と第1共鳴室は、漏斗状の空気環流システムを構成する。
【0020】
好ましくは、前記光透過用スルーホールの直径は、6mmを超えない。
【発明の効果】
【0021】
従来技術と比較して、本発明の有利な効果としては、
1.本発明のロケーションファインダーは、音響発生部材で発音し、ブザー又はスピーカなどの発音部品に比べて消費電力が少なく、ボタン電池を併用する場合において、使用期間を2倍以上延長でき、かつケーシング内に2つの共鳴室を設け、2つの共鳴室の協働により音響発生部材から発せられる音を増幅することができる。
【0022】
2.本発明のロケーションファインダーは、音響発生部材にも光透過用スルーホールが穿設され、光源から発せられた光が光透過用スルーホールを経由して投影部材に投射することで、所定のマーク・パターンを外部に投射することができ、使用者が暗い環境で探すのに便利である。
【0023】
3.本発明のロケーションファインダーの構造は、軽薄で、取り付けに便利であり、デザインが合理化であるため、普及と使用を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例1の概略構成図である。
図2】本発明の実施例1の上面図である。
図3図2内のA-A線に沿った断面図である。
図4】本発明の実施例1の立体分解図である。
図5】本発明の実施例1の上部ケーシング部分を除いた上面図である。
図6図5内のB-B線に沿った断面図である。
図7図5内のC-C線に沿った断面図である。
図8】本発明の実施例1における投影部材の概略構成図である。
図9】本発明の実施例2の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1図8に示すように、ロケーションファインダーであって、ケーシング1を備え、前記ケーシング1の内部には上方に位置する第1共鳴室a、下方に位置する第2共鳴室b及び第1共鳴室aと第2共鳴室bを分離し、発音するための音響発生部材2が設けられ、前記ロケーションファインダーは音響発生部材2に接続され、音響発生部材2の電源オンとオフを制御するためのメインボード3と、メインボード3に接続され、メインボード3に電力を供給するための電源装置とをさらに備えることを特徴とする。
【0027】
本発明のロケーションファインダーは、音響発生部材2で発音し、ブザー又はスピーカなどの発音部品に比べて消費電力が少なく、使用期間がより長く、ボタン電池を用いることで、使用要件を満たすことができる。音響発生部材2は、主に両面に電極を印刷した圧電セラミック板と真鍮又はステンレス鋼などの金属板で構成されている。圧電振動板と金属板を接着剤で接着し、圧電振動板の2つの電極間に直流電圧を印加すると、圧電効果により機械的な変形が生じて、発音することができ、音響発生部材2が発する音は小さいため、前記ロケーションファインダーは音響発生部材2の下方と上方に共鳴室を設け、音響発生部材2が発する音は、第1共鳴室a及び第2共鳴室bと共振することで、両端での拡声効果を奏する。
【0028】
好ましくは、前記第1共鳴室a及び第2共鳴室bは、一方が大きく、他方が小さい2つの空間を構成する。
【0029】
投光・測位を容易にするため、前記音響発生部材2の中央部に光透過用スルーホール21が設けられ、前記光透過用スルーホール21の上にメインボード3で制御される光源31が設けられ、第2共鳴室bの底部には外部と連通する光透過用通路b1が設けられ、前記光源から発せられた光は、光透過用スルーホール21、第2共鳴室b及び光透過用通路b1を順に通過して外部に投射される。
【0030】
好ましくは、光透過用通路b1内に光透過可能な投影部材5が取り付けられ、前記投影部材5に所定の投影パターンが設けられ、該投影パターンは所定のマークとして設計することができ、前記光源31は投影部材5に投射して前記マークを外部に投射して表示することができる。
【0031】
前記マークの形状は、特に限定されないが、本実施例は十字形であることが好ましい。
【0032】
さらに拡声するため、前記ケーシング1又は投影部材5には、発音に便利な発音貫通穴51がさらに設けられる。
【0033】
前記投影部材5には光透過用スルーホール21の中又は光透過用スルーホール21の下方に延在する光透過性ポスト52が設けられる。光源31によって投射された光は、光透過性ポスト52を経由して投影部材5まで延びて、光の拡散を防止でき、かつ光透過性ポスト52は光透過用スルーホール21を部分的に遮断して、拡声の音量を増加させることができる。
【0034】
音響発生部材2は、薄いシート構造で、光を透過させるため、音響発生部材2の中央部に穿孔した後通電して振動発音する時割れやく、長期にわたる実験の結果、音響発生部材に特別に設計された厚さと直径を用いることで、この問題を解決できることが分かった。したがって、本実施例は、音響発生部材2の以下の好ましいデータを提供し、前記音響発生部材の外径は6.5mm~50mmの範囲で、前記音響発生部材の厚さは0.15mm~0.85mmの範囲である。
【0035】
好ましくは、前記音響発生部材2は、基板と、基板に設けられた導電性セラミック媒体とを備え、前記基板は銅シート、ステンレスシート、ニッケル合金シート及び鉄片のうちいずれか又はこれらの任意の組み合わせを用いる。
【0036】
好ましくは、前記メインボード3は、ケーシング1内に設けられ、かつ音響発生部材2の上方に位置し、前記メインボード3と音響発生部材2との間はポゴピン6を介して接続される。
【0037】
取り付けを容易にするため、前記ケーシング1は、下部ケーシング11と、上部ケーシング12とを備える。
【0038】
好ましくは、前記上部ケーシング12の上面には凹状の電池収納室121が設けられ、前記電源装置はボタン電池であり、電池収納室121に設置され、電池収納室121の頂部にも蓋体8で覆われる。ここで、ボタン電池とメインボードとの間の接続方法は、図4に示す接点4を用いて接続する。
【0039】
好ましくは、前記メインボード3には外部機器と接続可能な通信モジュールがさらに設けられる。
【0040】
音をより集中させ、散乱させないようにするため、前記発音に便利な発音貫通穴51の単穴直径は、10mmを超えない。
【0041】
その中の空気の回転によって音が増幅されるのを助けるため、前記第2共鳴室bは、上の口径が大きく下の口径が小さい漏斗状を呈する。
【0042】
さらにその中の空気の回転によって音が増幅されるのを助けるため、前記第2共鳴室bと第1共鳴室aは、漏斗状の空気環流システムを構成する。
【0043】
好ましくは、前記光透過用スルーホール21の直径は、6mmを超えない。
【実施例2】
【0044】
図9に示すように、本実施例と実施1との相違点は、前記メインボード3と音響発生部材2との間が弾性屈曲部材7で接続されていることである。弾性屈曲部材7を用いてメインボード3と音響発生部材2との間の接続はポゴピン6による接続方法に比べて、前記ロケーションファインダー全体の構造はより薄くされることができる。
【0045】
本発明は、具体的実施例及びその代替形態を用いて本発明を例示及び説明してきたが、本発明の精神範囲から逸脱することなく、多種多様な変化及び修正が実施され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に限定される場合を除き、いかなる意味においても限定されるべきではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0046】
1 ケーシング
11 下部ケーシング
12 上部ケーシング
121 電池収納室
2 音響発生部材
21 光透過用スルーホール
3 メインボード
31 光源
4 接点
5 投影部材
51 発音貫通穴
52 光透過性ポスト
6 ポゴピン
7 弾性屈曲部材
8 蓋体
a 第1共鳴室
b 第2共鳴室
b1 光透過用通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9