IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナビタイムジャパンの特許一覧

特許7496151情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法
<>
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図5A
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図5B
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図5C
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図7
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図8
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図9
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図10
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図11
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図12
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図13
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図14
  • 特許-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/00 20060101AFI20240530BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240530BHJP
   B61L 25/02 20060101ALI20240530BHJP
   G09D 1/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G09F19/00 Z
G06Q30/0251
B61L25/02 A
G09D1/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022186933
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2018077808の分割
【原出願日】2018-04-13
(65)【公開番号】P2023027110
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】森 雄大
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203873(JP,A)
【文献】特表2013-527939(JP,A)
【文献】特開2015-197778(JP,A)
【文献】特開2017-207976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 11/00 -11/34
G09F 19/00 -27/00
G09D 1/00 - 3/12
G06Q 10/00 -10/10
G06Q 30/00 -30/08
G06Q 50/00 -50/20
G06Q 50/26 -99/00
G16Z 99/00
B61L 1/00 -99/00
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G08G 1/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の表示手段に表示される交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報の時刻関連情報、または前記交通機関の時間的に変動し得る変動情報に基づいて広告情報を取得する広告取得手段と、
前記広告情報を前記時刻表とともに前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記時刻関連情報は、前記交通機関の発着時刻、および前記発着時刻を含む時間帯のうち少なくともいずれか1つの情報を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記変動情報は、前記交通機関の運行状況、予約状況、混雑度および天候のうち少なくともいずれか一つに関する情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示される時刻表の時刻または時間帯を変更するユーザ操作に伴って、前記表示手段に表示させる広告情報を切り替えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザ操作は、前記表示手段に表示される時刻表の時刻または時間帯を連続的に変化させるスクロール操作であり、
前記表示制御手段は、前記スクロール操作による前記時刻表のスクロールが停止してから、前記表示手段に前記広告情報を表示させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記広告情報とともに、前記変動情報の更新時刻を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記サーバは、前記端末装置の表示手段に表示される交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報の時刻関連情報、または前記交通機関の時間的に変動し得る変動情報に基づいて広告情報を取得する広告取得手段を有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、前記広告情報を前記時刻表とともに前記表示手段に表示させる表示制御手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
端末装置の表示手段に表示される交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報の時刻関連情報、または前記交通機関の時間的に変動し得る変動情報に基づいて広告情報を取得する広告取得手段、および
前記広告情報を前記時刻表とともに前記表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
広告取得手段が、端末装置の表示手段に表示される交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報の時刻関連情報、または前記交通機関の時間的に変動し得る変動情報に基づいて広告情報を取得するステップと、
表示制御手段が、前記広告情報を前記時刻表とともに前記表示手段に表示させるステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パソコンやスマートフォン等の情報処理端末に、鉄道やバス等の交通機関の時刻表を表示するソフトウェアないしアプリが知られている。例えば、スマートフォンにインストールされたナビゲーション・アプリの時刻表メニューを選択することにより、周辺駅の時刻表や事前登録された駅の時刻表が表示される。あるいは、経路探索結果の各移動区間に表示される時刻表アイコンを選択することにより、当該移動区間における出発駅の時刻表が表示される。
【0003】
なお、特許文献1には、鉄道の時刻表とともに広告を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-293535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
時刻表は、日常的によく利用される機能であり、表示回数も多い。しかしながら、広告の掲載エリアとしては、あまり利用されていないという状況にある。特許文献1には、鉄道の時刻表とともに広告を表示することが記載されているが、当該広告は時刻表の内容とは何ら関係がない。このため、ユーザの関心や潜在的欲求と広告内容とが適合せず、ユーザに対して効果的に訴求可能な広告を提示できていないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、時刻表を閲覧するユーザに対し効果的に訴求可能な広告を提示することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理システムは、
交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報または前記時刻表を特定する時刻表特定情報に基づいて広告情報を取得する広告取得手段と、
表示手段に表示される前記時刻表の表示内容に応じた広告情報を、前記時刻表とともに前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、時刻表を閲覧するユーザに対し効果的に訴求可能な広告を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る広告出稿システム1の概略的な構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る出稿情報データベースの一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る広告出稿システム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図4】第1の実施形態に係る情報処理システム5の概略的な構成を示す図である。
図5A】第1の実施形態に係る情報処理システム5の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図5B図5Aに続く、第1の実施形態に係る情報処理システム5の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図5C図5Aに続く、第1の実施形態の変形例に係る処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】第1の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第1の例である。
図7】第1の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第2の例である。
図8】第1の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第3の例である。
図9】第1の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第4の例である。
図10】第1の実施形態の変形例に係る画面遷移を説明するための図である。
図11】第2の実施形態に係る情報処理システム5Aの概略的な構成を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る情報処理システム5Aの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図13】第2の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第1の例である。
図14】第2の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第2の例である。
図15】第2の実施形態に係る端末装置6に表示される画面の第3の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
<広告出稿システム>
実施形態に係る広告出稿システム1について説明する。広告出稿システム1は、ユーザ端末(後述の端末装置6に相当。)に時刻表とともに表示する広告を出稿するための情報処理システムである。
【0012】
広告出稿システム1は、図1に示すように、出稿端末2と、サーバ3とを備えている。
出稿端末2とサーバ3とは、インターネット等の通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク4は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0013】
出稿端末2は、広告を出稿するために出稿者が使用するパソコン等の情報処理装置である。なお、出稿端末2は、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末であってもよい。また、出稿端末2は1台に限られず、複数台の出稿端末2がサーバ3に接続されてもよい。
【0014】
出稿端末2は、図1に示すように、通信部21と、制御部22と、入力部23と、表示部24とを有する。
【0015】
通信部21は、通信ネットワーク4を介して出稿端末2とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0016】
制御部22は、出稿情報を受け付ける出稿情報受付部221を有する。出稿情報受付部221については後ほど詳しく説明する。本実施形態では、出稿情報受付部221は、出稿端末2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0017】
入力部23は、出稿者が出稿端末2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばキーボードであるが、その他、タッチパネル、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)であってもよい。
【0018】
表示部24は、出稿端末2から出稿者に対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。なお、表示部24がタッチパネルの場合には、表示部24が入力部23を兼ねてもよい。
【0019】
ここで、出稿情報受付部221について説明する。
【0020】
出稿情報受付部221は、入力部23を介して出稿者から出稿情報を受け付ける。この出稿情報受付部221は、広告を出力するための条件を示す広告出力条件情報と、この広告出力条件情報に基づいて時刻表に表示するための広告情報とを、出稿情報として受け付ける。出稿情報受付部221は、広告出力条件情報や広告情報のほか、広告の掲載期間、広告単価等の情報を受け付けてもよい。
【0021】
広告出力条件情報は、少なくとも、交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報を含む。なお、本実施形態では、交通機関が鉄道であるとして説明するが、バス、飛行機、船等であってもよい。
【0022】
時刻表情報は、交通機関の時刻表に含まれる情報であり、時刻関連情報と非時刻関連情報に大別される。
【0023】
時刻関連情報は、交通機関の発着時刻(発車時刻または到着時刻)、および/または発着時刻を含む時間帯を含む。時間帯は一日のうち鉄道が運行される期間が区分されたものであるが、区分の仕方は任意である。すなわち、所定時間単位で区分された時間帯であってもよいし(例えば1時間単位、2時間単位など)、運行期間をいくつかの時間帯に分けてもよい(例えば、朝、昼、夜など)。
【0024】
非時刻関連情報は、移動手段種別、駅、交通事業者、路線、方面、便、および日種別のうち少なくともいずれか一つが含まれる。「移動手段種別」は、例えば、鉄道、バス、飛行機、船等である。「便」は、例えば、特急、急行、終電、始発等である。「日種別」は、例えば、平日、土曜、休日等である。非時刻関連情報は季節(春、夏、秋、冬など)を含んでもよい。
【0025】
なお、本願発明で用いる「駅」の用語は、鉄道の駅に限らず、バスのバス停、飛行機の空港、船の港等、交通機関が発着する場所を意味する。
【0026】
また、非時刻関連情報の「駅」は、時刻表に係る駅に限られず、当該駅の周辺に存在する駅であってもよい。このように、時刻表情報は、時刻表に直接的に含まれる情報に限られず、間接的に含まれる情報であってもよい。
【0027】
広告出力条件情報は、前述の時刻表情報のほか、時間的に変動し得る変動情報を含んでもよい。変動情報は、例えば、交通機関の運行状況、予約状況、混雑度、天候であり、これらの情報のうち少なくともいずれか一つを含む。「運行状況」は、例えば、平常運転、遅延発生などである。遅延の場合は、遅延時間を広告出力条件に加えてもよい。「予約状況」は、例えば、特急の指定席の空き状況や、広告に係る店舗の空き状況などである。「混雑度」は、交通機関の混雑度や、広告に係る店舗の混雑度などである。「天候」は、晴れ、曇り、雨などである。
【0028】
広告出力条件情報は、地理的な隔たり、および/または時間的な隔たりを示す隔たり情報を含んでもよい。地理的な隔たりに係る隔たり情報は、時刻表に係る位置と、ユーザにより時刻表の表示要求がなされた位置との間の地理的な隔たりを示す。例えば、ユーザ端末に表示された時刻表がA駅に関するものであり、当該時刻表の表示要求がなされた位置が地点Bであるとしたとき、隔たり情報はA駅と地点Bとの間の距離、またはA駅と地点B間の移動に要する時間もしくは料金を示す。
【0029】
一方、時間的な隔たりに係る隔たり情報は、ユーザ端末(より詳しくは後述の表示部64)に現在表示されている時刻表の時刻(または時間帯)と、ユーザにより時刻表の表示要求がなされた時刻との間の時間的な隔たりを示す。なお、時間的な隔たりに係る隔たり情報は、時刻表の時刻(または時間帯)と、時刻表の閲覧時刻(すなわち、現在時刻)との間の時間的な隔たりを示す情報でもよい。
【0030】
例えば、閲覧時点よりも先の時刻表(来月の時刻表など)が表示されている場合、ホテル予約等、計画的に利用される商品・サービスに係る広告を提示する。反対に、閲覧時点と時刻表の表示時刻・時間帯が近い場合、スーパーのタイムセールや特急列車の指定席予約等、すぐに利用される商品・サービスに係る広告を提示する。また、地理的な隔たりを加味することでさらに効果的に広告を提示することができる。例えば、端末装置6(ユーザ)の位置が特急列車に乗車可能な駅を示す場合に、当該特急列車の指定席予約に係る広告をユーザに提示することで広告効果をさらに高めることができる。
【0031】
上記のような隔たり情報を広告出力条件に含めることで、より訴求力のある広告をユーザに提示することができるようになる。
【0032】
なお、広告出力条件情報は、時刻表が表示されるユーザ端末のユーザに係るユーザ関連情報を含んでもよい。ユーザ関連情報は、例えば、ユーザの性別、年齢、住所、勤務地、定期券区間などが挙げられる。その他、ユーザが登録したブックマーク情報、経路探索履歴、移動履歴等の情報をユーザ関連情報としてもよい。このようなユーザ関連情報を広告出力条件に含めることで、より訴求力のある広告をユーザに提示することができるようになる。本実施形態では、プライバシー保護の観点から、ユーザ関連情報として、ユーザから使用承認が得られた情報のみを用いる。
【0033】
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。
【0034】
通信部31は、通信ネットワーク4を介して出稿端末2と、サーバ3との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0035】
制御部32は、出稿情報データベース331を作成するデータベース作成部321を有する。本実施形態では、データベース作成部321は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
データベース作成部321は、出稿情報データベース331を記憶部33に作成する。
この出稿情報データベース331は、前述の広告出力条件情報と広告情報とを関連付けて記憶する。出稿情報データベース331の例については、後ほど図2を参照して説明する。出稿者が出稿端末2の入力部23から出稿情報を入力すると、出稿情報受付部221が出稿情報を受け付ける。その後、受け付けられた出稿情報がサーバ3に送信され、データベース作成部321が、入力された情報を出稿情報データベース331に格納する。
【0037】
記憶部33は、ハードディスクまたは不揮発性半導体メモリ等から構成される固定型データストレージであり、後述の出稿情報データベース331を記憶する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、通信ネットワークを介して通信可能に接続された別の情報処理装置内に設けられてもよい。
【0038】
出稿情報データベース331について図2を参照してより詳しく説明する。図2は、出稿情報データベース331の一例を示している。図2に示すように、出稿情報データベース331は、出稿者情報および出稿情報を有する。
【0039】
出稿者情報は、広告主、広告対象およびグループを含んでいる。なお、グループは、同一広告主の出稿情報のうち共通項を有する出稿情報をグループ化するために用いられる。
図2の例では、出稿情報は、駅名によりグループ化されている。具体的には、広告IDがC-3-01とC-3-02の2つの出稿情報がグループ化されている。
【0040】
出稿情報は、広告出力条件情報、広告情報、掲載期間および広告単価を含んでいる。図2の例では、広告出力条件情報は、時刻関連情報、非時刻関連情報および変動情報を含む。なお、各出稿情報にはユニークな広告IDが割り当てられる。
【0041】
図2において、広告出力条件情報内の“*”は任意であることを示している。例えば、広告IDがC-1-02の場合、ユーザ端末に現在表示されている時刻表の「時間帯」が「23:00-25:00」であることが広告情報を出力するための必要条件であり、「時刻」は問わない。即ち、時刻表のうち、ユーザ端末に表示されている時刻が23:01でもよいし、24:59でもよい。この広告IDの場合は、鉄道事業者MおよびO駅の各条件を満たす時刻表であって、そのうち「23:00-25:00」の時間帯がユーザ端末に表示されていることが、タクシー事業者Aのタクシーに係る広告を出力するための条件である。
【0042】
広告情報は、ユーザ端末に時刻表とともに表示する広告に係る情報である。広告情報には、広告のテキスト、画像、動画および音声のうち少なくともいずれか一つが含まれる。
なお、出稿情報データベース331には、広告情報そのものではなく、広告情報が保存された場所を示すリンク情報が格納されてもよい。
【0043】
掲載期間は、ユーザ端末に広告情報を掲載(表示)する期間を示す。掲載期間は、例えば、出稿情報がサーバ3に登録されてからの期間でもよいし(例えば3ヶ月など)、あるいは、日時で指定されてもよい(例えば2018年4月30日14時までなど)。
【0044】
出稿情報の広告単価は、出稿者が設定可能である。広告単価は、例えば、広告情報の表示回数当たりの単価(表示単価)である。あるいは、広告単価は、広告情報の選択回数当たりの単価(いわゆるクリック単価等)でもよいし、実際にユーザが広告に係る商品・サービスを購入した金額に応じて決められた単価(実績単価)でもよい。実績単価の場合、広告主の売り上げのうち所定の割合が広告単価として自動的に設定されるようにしてもよい。
【0045】
複数の広告主間で出稿情報の広告出力条件が衝突することが考えられる。同一の広告経路出力条件の設定については、一人の広告主にのみ認めるようにしてもよいし、あるいは複数の広告主に認めてもよい。後者の場合、例えば、設定された広告単価が最も高い広告をユーザ端末に掲載するようにしてもよい。
【0046】
なお、図2に示す出稿情報データベースは一例に過ぎず、交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報を含む広告出力条件情報と、時刻表に表示するための広告情報とが関連付けて記憶されたものであればこの例に限られない。例えば、広告出力条件情報として、前述のユーザ関連情報、隔たり情報を含めてもよい。
【0047】
<広告出稿システムの動作例>
次に、図3のフローチャートを参照して、広告出稿システム1の処理動作の一例について説明する。
【0048】
まず、出稿端末2の出稿情報受付部221が、出稿情報を受け付ける(ステップS11)。より詳しくは、出稿情報受付部221は、出稿者が出稿端末2の表示部24に表示されたユーザインタフェースを介して入力した出稿情報を受け付ける。なお、出稿情報のデータ入力を容易にするため、ユーザインタフェースとして、対話型インタフェース(ウィザード)が用いられてもよい。
【0049】
出稿情報が受け付けられた後、出稿端末2の通信部21が出稿情報をサーバ3に送信し(ステップS12)、サーバ3の通信部31が当該情報を受信する(ステップS21)。
【0050】
出稿端末2から出稿情報を受信すると、サーバ3のデータベース作成部321が、出稿端末2から受信した出稿情報に基づいて出稿情報データベース331を作成する(ステップS22)。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る広告出稿システム1では、出稿情報受付部221が出稿者(広告主)から出稿情報を受け付ける。この出稿情報には、交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報を含む広告出力条件情報と、広告出力条件情報に基づいて時刻表に表示するための広告情報とが含まれる。そして、出稿情報データベース331が、当該出稿情報に基づいて、ユーザ端末に時刻表とともに広告情報を表示するために利用可能な出稿情報データベース331を作成する。これにより、本実施形態に係る広告出稿システムによれば、時刻表を閲覧するユーザに対し効果的に訴求可能な広告を出稿することができる。
【0052】
次に、上記の広告出稿システムで得られた出稿情報データベースを用いてユーザに時刻表とともに広告を提示する情報処理システムについて、2つの実施形態を説明する。
【0053】
<情報処理システム(第1の実施形態)>
まず、第1の実施形態に係る情報処理システム5について説明する。
【0054】
情報処理システム5は、図4に示すように、端末装置6と、サーバ7とを備えている。
端末装置6とサーバ7とは、通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。サーバ7は、広告出稿システム1のサーバ3と通信ネットワーク4を介して通信可能に接続される。
【0055】
なお、複数の端末装置6がサーバ7に接続されてもよい。また、サーバ7はサーバ3と一体のサーバ装置として構成されてもよい。
【0056】
端末装置6は、モバイル端末(スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等)やパソコン等の情報処理端末である。端末装置6は、図4に示すように、通信部61と、制御部62と、入力部63と、表示部64とを有する。なお、端末装置6は、GPS受信機等の測位手段(図示せず)を有してもよい。
【0057】
通信部61は、通信ネットワーク4を介して端末装置6とサーバ7との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0058】
制御部62は、端末装置6のユーザから入力部63を介して情報を受け付ける情報受付部621と、表示部64に表示される内容を制御する表示制御部622とを有する。本実施形態では、情報受付部621、表示制御部622は、出稿端末2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0059】
入力部63は、ユーザが端末装置6に各種情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、タッチパネル、キーボード、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)である。
【0060】
表示部64は、端末装置6からユーザへ各種情報を出力するインターフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。なお、表示部64がタッチパネルの場合には、表示部64が入力部63を兼ねてもよい。
【0061】
表示制御部622は、時刻表情報に基づいて表示部64に時刻表を表示させる。なお、時刻表は、例えば、時刻表アプリもしくはウィジェットが起動されることにより表示されてもよいし、ナビゲーション・アプリから時刻表メニューが選択されることにより表示されてもよいし、あるいは、経路探索結果を示す画面内の所定のボタン(時刻表アイコンなど)が選択されることにより表示されてもよい。
【0062】
なお、ここで言う「選択」とは、例えば、タップ、タッチ、スワイプ、クリック、ダブルクリック、音声入力による判断等、ユーザが入力部63を介して行いうる操作のことである。
【0063】
表示制御部622は、表示部64に表示される時刻表の表示内容に応じた広告情報を、当該時刻表とともに表示部64に表示させる。より詳しくは、表示制御部622は、後述のようにサーバ7から受信した広告情報のうち、時刻表の表示内容に応じた広告情報を当該時刻表とともに表示部64に表示させる。
【0064】
ここで、「時刻表の表示内容」は、時間帯、発着時刻、日種別等、時刻表情報に含まれる情報である。なお、時刻表に交通機関の運行状況、混雑度、天候などが表示される場合は、「時刻表の表示内容」は、運行状況、混雑度、天候等、変動情報に含まれる情報であってもよい。表示制御部622は、表示部64に表示されている時刻表の表示内容を広告出力条件とする広告情報を表示部64に表示させる。
【0065】
なお、表示制御部622は、表示部64に表示される時刻表の時刻または時間帯を変更するユーザ操作に伴って、表示部64に表示させる広告情報を切り替えてもよい。ユーザ操作は、例えば、表示部64に表示される時刻表の時刻または時間帯を連続的に変化させるスクロール操作である。
【0066】
この場合、表示制御部622は、スクロール操作による時刻表のスクロールが停止してから、表示部64に広告情報を表示させるようにしてもよい。すなわち、表示制御部622は、スクロール中は表示部64に広告情報を表示させないようにしてもよい。これにより、スクロール中の、広告効果の低い広告表示に対して広告主に課金することを防止できる。スクロール停止時に表示される広告情報は、スクロール停止時に表示部64に表示される時刻表の時刻または時間帯に応じた広告である。
【0067】
なお、表示制御部622は、表示部64に表示される内容を制御する場合に限られず、端末装置6に有線または無線で接続された外付けの表示部に表示される内容を制御してもよい。
【0068】
また、表示制御部622は、広告情報を、時刻表の表示領域に隣接する領域に表示してもよいし、時刻表の表示領域内に表示してもよい。
【0069】
次に、サーバ7について説明する。図4に示すように、サーバ7は、通信部71と、制御部72と、記憶部73とを有する。
【0070】
通信部71は、通信ネットワーク4を介して端末装置6とサーバ7との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0071】
制御部72は、時刻表取得部721と、広告取得部722とを有する。時刻表取得部721および広告取得部722については後ほど詳しく説明する。本実施形態では、制御部72の各部は、サーバ7内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部72は、端末装置6から受信される経路探索条件に基づいて出発地から目的地までの移動経路を探索する経路探索部(図示せず)を有してもよい。
【0072】
記憶部73は、ハードディスクまたは不揮発性半導体メモリ等から構成される固定型データストレージであり、後述の各種データベースを格納する。なお、記憶部73は、必ずしもサーバ7内に設けられなくてもよく、通信ネットワークを介して通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0073】
記憶部73は、出稿情報データベース731と、時刻表データベース732とを有する。なお、出稿情報データベース731および時刻表データベース732は、同じ記憶装置に格納される場合に限られず、異なる記憶装置に別々に格納されてもよい。また、記憶部73は、経路探索を実行する際に使用される経路ネットワークデータベース(図示せず)を有してもよい。
【0074】
出稿情報データベース731は、前述のデータベース作成部321により作成されたデータベースであり、出稿情報データベース331と同じ内容を有するものである。
【0075】
時刻表データベース732は、交通機関の時刻表情報を有するデータベースである。例えば、時刻表データベース732は、移動手段種別および交通事業者ごとの複数の時刻表データベースを有する。各時刻表データベースは、例えば、駅、路線、方面および日種別ごとの発着時刻情報を有する。
【0076】
ここで、時刻表取得部721および広告取得部722について説明する。
【0077】
時刻表取得部721は、時刻表を特定するための時刻表特定情報を用いて時刻表データベース732を検索し、時刻表特定情報に対応する時刻表情報を取得する。例えば、鉄道事業者名、駅名、路線名および方面の情報を検索キーとして時刻表データベース732を検索し、検索条件に適合する時刻表情報を取得する。
【0078】
広告取得部722は、交通機関の時刻表に含まれる時刻表情報に基づいて広告情報を取得する。より詳しくは、広告取得部722は、時刻表取得部721により取得された時刻表情報を用いて出稿情報データベース731を検索し、出稿情報データベース731から少なくとも一つの広告情報を取得する。図2の出稿情報データベースの例で説明すると、時刻表情報に鉄道の交通事業者“J”、路線“S”、“赤羽”方面の情報が含まれているとき、広告取得部722は、広告ID:C-8-02の広告情報と、広告ID:C-9-01の広告情報を出稿情報データベース731から取得する。
【0079】
なお、広告取得部722は、時刻表取得部721が時刻表検索に用いる時刻表特定情報に基づいて出稿情報データベース731を検索して、広告情報を取得してもよい。また、出稿情報データベース731の広告情報に、広告情報が保存された場所を示すリンク情報が格納されている場合、広告取得部722は、当該リンク情報に基づいて広告保存場所にアクセスして広告情報を取得する。
【0080】
<情報処理システム(第1の実施形態)の動作>
次に、図5Aおよび図5Bのフローチャートを参照して、情報処理システム5の処理動作の一例について説明する。
【0081】
まず、端末装置6の情報受付部621が、時刻表を特定するための時刻表特定情報を受け付ける(ステップS31)。本ステップでは、例えば、ユーザが表示部64に表示されたユーザインタフェースに従って入力部63を介して駅、路線および方面を選択すると、情報受付部621は、ユーザが選択した駅、路線および方面を時刻表特定情報として受け付ける。
【0082】
時刻表特定情報が受け付けられた後、端末装置6の通信部61が、サーバ7に時刻表特定情報を送信し(ステップS32)、サーバ7の通信部71が時刻表特定情報を受信する(ステップS41)。
【0083】
時刻表特定情報が受信された後、サーバ7の時刻表取得部721が、時刻表データベース732から時刻表情報を取得する(ステップS42)。より詳しくは、時刻表取得部721は、時刻表特定情報を検索キーとして用いて時刻表データベース732を検索することにより、当該時刻表特定情報に対応する時刻表情報を取得する。
【0084】
次に、広告取得部722が、出稿情報データベース731から、少なくとも一つの広告情報を取得する(ステップS43)。より詳しくは、広告取得部722は、時刻表情報または時刻表特定情報に含まれる検索キーを用いて出稿情報データベース731を検索することにより、少なくとも一つの広告情報を取得する。例えば、時刻表情報または時刻表特定情報がA路線、B駅、C方面との情報を含む場合、広告取得部722は、A路線、B駅およびC方面を広告出力条件とする広告情報を全て取得する。なお、時刻表特定情報を用いる場合は、ステップS43をステップS42より先に実行してもよい。
【0085】
広告情報が取得された後、サーバ7の制御部72が、通信部71を介して、時刻表取得部721により取得された時刻表情報と、広告取得部722により取得された少なくとも一つの広告情報とを端末装置6に送信する(ステップS44)。そして、端末装置6は、サーバ7から送信された時刻表情報と広告情報を受信する(ステップS33)。
【0086】
時刻表情報と広告情報が受信されると、表示制御部622が、表示部64に表示される時刻表の表示内容に応じた広告情報を、当該時刻表とともに表示部64に表示させる(ステップS34)。例えば、ユーザが時刻表の表示を要求した際、現在時刻が含まれる時間帯の時刻表を始めに表示する仕様となっている場合、表示制御部622は、サーバ7から受信した複数の広告情報のうち、現在時刻が含まれる時間帯を広告出力条件とする広告情報を表示部64に表示させる。なお、複数の広告情報が該当する場合、例えば順番に表示してもよいし、広告単価の高いものを表示してもよい。
【0087】
なお、本実施形態では、時刻表情報と広告情報がサーバ7から端末装置6に送信されたが、これらの情報がそれぞれ別のサーバから送信されるようにしてもよい。すなわち、時刻表取得部721を有する第1のサーバから時刻表情報が端末装置6に送信され、広告取得部722を有する第2のサーバから広告情報が端末装置6に送信されてもよい。
【0088】
第1の実施形態に係る広告情報の表示例について、図6図9を参照して説明する。
【0089】
図6の画面例では、現在時刻(19時7分)が含まれる時間帯(19時台)の時刻表が表示されるとともに、焼き鳥○○のO駅前店に係る広告AD1が表示される。この広告AD1は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-8-01に対応する。
【0090】
ここで、本実施形態の時刻表の表示画面について説明する。まず、表示領域R1には、駅名、路線名、方面名等が表示される。これにより、ユーザは表示部64に表示されている時刻表が、どの駅の、どの路線の、どの方面のものであるのかについて容易に認識できる。
【0091】
表示領域R2には、日種別を設定するためのタブT1,T2,T3が表示される。図6では、「平日」を示すタブT1が選択されている。タブT2は土曜日の時刻表を表示するためのタブであり、タブT3は休日(日曜、祝日)の時刻表を表示するためのタブである。なお、タブT3の右隣りにある「日時指定」を選択すると、表示される時刻表の日時を指定することが可能である。
【0092】
表示領域R3には、列車の発車時刻が表示されている。ユーザ操作により上下にスクロールさせて、他の時刻・時間帯を閲覧することができる。また、発車時刻の右隣りには列車の混雑度を示すアイコンが表示されている。急行や特急等、特定の便に係る情報も表示される。
【0093】
表示領域R4には、時間帯を示す数字(5,6~23,0)が縦方向に表示されている。数字を選択することで当該数字に対応する時間帯の時刻表が表示される。
【0094】
表示領域R5には、広告情報が表示される。なお、表示領域R5は、図6に示す位置(時刻表の下段)に限られず、任意の位置に設定可能である。また、表示領域R5は固定の領域ではなく、可動領域であってもよい(すなわち、表示される広告は動いてもよい)。
また、複数の広告が切り替わる場合、表示する広告に応じて表示領域R5を移動させてもよい。
【0095】
図7の画面例では、23時台の時刻表が表示されており、タクシー配車に係る広告AD2が表示されている。広告AD2は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-1-02に対応する。また、図8の画面例では、20時台の時刻表が表示されている。当該時刻表には特急(20時33分発)が含まれており、この特急の指定席予約に係る広告AD3が表示されている。広告AD3は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-3-01に対応する。図9の画面例では、バス停“MA二丁目”の時刻表が表示されるとともに、スーパーHのタイムセールに係る広告AD4が表示される。広告AD4は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-10-01に対応する。
【0096】
図6図9の例ではいずれも、表示部64に表示されている時刻表の時間帯と、広告に係る商品・サービスとの間の相関関係が強い。このように時刻表を閲覧するユーザが興味を持っている時刻・時間帯に合わせた広告を表示することで、端末装置6のユーザに行動の変化を促しやすい広告を提示することができる。
【0097】
<情報処理システムの動作(第1の実施形態の変形例)>
次に、図5Cのフローチャートを参照して、情報処理システム5の処理動作の変形例について説明する。本変形例では、ユーザが端末装置6に表示された時刻表をスクロールする等して表示時間帯等を変更した場合、それに連動して広告を切り替える。
【0098】
図5Aで説明したステップS44(時刻表情報と広告情報の送信)までの処理フローは同じなので説明を省略する。
【0099】
端末装置6は、サーバ7から送信された時刻表情報と広告情報を受信する(ステップS36)。本ステップでは、複数の広告情報が受信される。そして、表示制御部622が、時刻表情報に基づいて表示部64に時刻表を表示させる(ステップS37)。この際、本実施形態では、広告情報は表示部64に表示されない。これに限らず、表示制御部622は、所定の時刻または時間帯(例えば最初に表示される時刻、現在時刻が含まれる時間帯等)を広告出力条件とする広告情報を表示してもよい。
【0100】
その後、制御部62が、ユーザ操作により時刻表がスクロール中であるか否かを判定する(ステップS38)。本ステップは、制御部62が入力部63から受信する情報に基づいて行われる。判定の結果、スクロール中でなければ(S38:No)、すなわち、スクロールが停止していれば、表示制御部622は、その時点で表示部64に表示されている時刻または時間帯に応じた広告情報を表示させる(ステップS39)。一方、スクロール中であれば(S38:Yes)、表示制御部622は、表示部64に広告情報を表示させない(すなわち、何もしない)。
【0101】
図10は、本変形例に係る画面遷移例を示している。図10左側の画面には、12時台の時刻表とともに広告AD51(コーヒーショップの広告)が表示されている。ユーザ操作により時刻表がスクロールして18時台の時刻表が表示されると、図10中央の画面に示すように、広告AD52(サロンの広告)が表示される。さらに、ユーザ操作により時刻表がスクロールして23時台の時刻表が表示されると、広告AD53(ホテルの予約)が表示される。
【0102】
なお、表示制御部622は、スクロール中であっても、その瞬間に表示部64に表示される時間または時間帯に応じた広告情報を表示部64に表示させてもよい。
【0103】
また、表示部64に表示される時刻表の時刻または時間帯を変更するユーザ操作は、スクロール操作に限られず、例えば、画面切換ボタンの選択、スワイプ操作等であってもよい。
【0104】
上記のように本変形例では、表示制御部622は、表示部64に表示される時刻表の時刻または時間帯を変更するユーザ操作に伴って、表示部64に表示させる広告情報を切り替える。すなわち、表示部64に表示される時刻表の時刻情報の変化に連動して、広告情報を変化させる。そして、表示部64に表示される広告情報は、表示されている時刻表の時間帯または時刻を広告出力条件とするものである。したがって、本変形例によれば、時刻表を閲覧するユーザに対して、訴求力のある広告を適切なタイミングで提示することができる。
【0105】
また、本変形例によれば、スクロールが停止した後に広告が表示されるようにすることで、広告効果の低い広告表示に対して広告主に課金することを防止できる。
【0106】
<情報処理システム(第2の実施形態)>
次に、第2の実施形態に係る情報処理システム5Aについて説明する。本実施形態では、時刻表情報だけでなく、前述の変動情報も広告出力条件とする広告情報を端末装置6のユーザに提示する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
【0107】
情報処理システム5Aは、図11に示すように、端末装置6と、サーバ7と、予約サーバ8と、を備えている。端末装置6、サーバ7および予約サーバ8は、通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0108】
端末装置6の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。ただし、表示制御部622は、広告情報とともに、変動情報の更新時刻を表示部64に表示させてもよい。
【0109】
サーバ7の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。ただし、広告取得部722は、変動情報に基づいて広告情報を取得する。より詳しくは、広告取得部722は、時刻表情報と変動情報(あるいは時刻表特定情報と変動情報)を用いて出稿情報データベース731を検索し、時刻表情報に係る第1の広告出力条件と、変動情報に係る第2の広告出力条件の両方を満たす広告情報を取得する。
【0110】
予約サーバ8は、図11に示すように、通信部81と、制御部82と、記憶部83とを有する。通信部81は、通信ネットワーク4を介して端末装置6やサーバ7との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0111】
制御部82は、外部の装置からの要求等を受け付ける受付部821と、当該要求に基づいて予約情報を予約情報データベース831から取得する予約情報取得部822と、を有する。本実施形態では、制御部82の各部は、予約サーバ8内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0112】
記憶部83は、ハードディスクまたは不揮発性半導体メモリ等から構成される固定型データストレージであり、後述の各種データベースを格納する。なお、記憶部83は、必ずしも予約サーバ8内に設けられなくてもよく、通信ネットワークを介して通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0113】
記憶部83は、予約情報データベース831を有する。予約情報データベース831は、例えば、特急列車、ホテルまたは飲食店等の予約情報が格納されたデータベースである。
【0114】
なお、予約サーバ8は、予約情報データベース831ごとに複数設けられ、各々の予約サーバ8がサーバ7と通信可能に接続されてもよい。
【0115】
<情報処理システム(第2の実施形態)の動作>
次に、図12のフローチャートを参照して、情報処理システム5Aの処理動作の一例について説明する。なお、図5Aおよび図5Bで説明した全体フローは本実施形態においても第1の実施形態と同じなので、相違点に係る広告情報の取得ステップ(ステップS43)について説明する。
【0116】
まず、広告取得部722は、ステップS42で取得された時刻表情報に基づいて少なくとも一つの候補広告情報を取得する(ステップS431)。候補広告情報の取得方法は、第1の実施形態で説明した広告情報の取得方法と同様である。候補広告情報は、時刻表特定情報に基づいて取得されてもよい。
【0117】
候補広告情報を取得した後、制御部72が、予約状況に係る広告出力条件があるか否かを判定する(ステップS432)。予約状況に係る広告出力条件がない場合は(S432:No)、候補広告情報を正式な広告情報とし(ステップS439A)、第1の実施形態で説明したステップS44に進む。
【0118】
一方、予約状況に係る広告出力条件がある場合は(S432:Yes)、制御部72が、予約サーバ8に予約情報リクエストを送信する(ステップS433)。例えば、図2に示す出稿情報データベースの広告ID:C-3-02のように、広告出力条件の一つとして予約状況に「空席有り」が設定されている場合、鉄道事業者Jの特急の指定席予約状況を入手するために予約情報リクエストが予約サーバ8に送信される。そして、予約サーバ8の受付部821が、通信部81を介して予約情報リクエストを受け付ける(ステップS434)。次に、予約情報取得部822が、予約情報データベース831を検索し、要求された予約情報を取得する(ステップS435)。その後、予約サーバ8は、取得された予約情報をサーバ7に送信する(ステップS436)。
【0119】
その後、サーバ7の制御部72が、予約サーバ8から予約情報する(ステップS437)。そして、制御部72は、受信した予約情報に基づいて、予約状況に係る広告出力条件を満たすか否か(すなわち、空席が有るかどうか)を判定する(ステップS438)。判定の結果、空席が有る場合(S438:Yes)、ステップS431で取得された候補広告情報を正式な広告情報とする(ステップS439A)。一方、空席が無い場合(S438:No)、当該候補広告情報を取り消す(ステップS439B)。ステップS439A,439Bの処理を行った後、ステップS431で取得された他の候補広告情報が存在する場合は、当該候補広告情報についてステップS432~S439A,Bの処理を行う。
【0120】
図12の処理フローに従って取得された広告情報はその後、端末装置6に送信される。
そして、第1の実施形態のステップS34で説明したように、表示制御部622が、表示部64に表示される時刻表の表示内容に応じた広告情報を、当該時刻表とともに表示部64に表示させる。
【0121】
第2の実施形態に係る広告情報の表示例について、図13図15を参照して説明する。
【0122】
図13の画面例では、19時台の時刻表が表示されるとともに、O駅前の焼き鳥店に係る広告AD6が表示される。この広告AD6は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-12-01に対応する。広告AD6は、上記処理フローにより、「焼き鳥XX O駅前店」に空席があることが予約サーバ8で確認されたため、端末装置6に表示される。
広告AD6に「19時空きあり」が表示されることで、時刻表を閲覧するユーザの行動変化をさらに促すことできるようになる。
【0123】
図14に示す画面例では、19時台の時刻表が表示されるとともに、サロンに係る広告AD7が表示されている。広告AD7は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-11-01に対応する。広告AD7は、上記処理フローにより、「ABCサロン O駅前店」に空きがあり、予約可能であることが予約サーバ8で確認されたため、端末装置6に表示される。広告AD7に「19:30- 空きあり」が表示されることで、時刻表を閲覧するユーザの行動変化をさらに促すことできるようになる。
【0124】
図15に示す画面例では、18時台の時刻表が表示されるとともに、タクシーの配車に係る広告AD8が表示されている。広告AD8は、図2の出稿情報データベースの広告ID:C-1-01に対応する。広告AD8は、路線C線で遅延が発生していることが鉄道事業者Jのサーバ(前述の予約サーバ8に相当)で確認されたため、端末装置6に表示される。広告AD8には、C線が運転見合わせ中である旨が表示される。このように遅延情報とともに代替移動手段に係る広告を表示することで、端末装置6のユーザの行動変化をさらに促すことができるようになる。
【0125】
なお、広告AD8では最終更新時刻も表示される。これにより、ユーザは最新情報であるかどうかを容易に確認することができ、広告に係るサービスを利用するかどうかを判断し易くなる。
【0126】
以上、本発明に係る実施形態について説明した。上記の実施形態では、時刻表の表示内容に応じた広告情報を時刻表に表示したが、広告情報に代えてPOI(Point Of
Interest)情報を表示してもよい。この場合、サーバ7は、広告取得部722に代えてPOI情報取得部を備える。このPOI情報取得部は、時刻表情報または時刻表特定情報に含まれる検索キーを用いて、記憶部73に格納されたPOI情報データベースを検索することにより、少なくとも一つのPOI情報を取得する。取得されたPOI情報は端末装置6に送信される。そして、端末装置6の表示制御部622は、表示部64に表示される時刻表の表示内容に応じたPOI情報を、当該時刻表とともに表示部64に表示させる。
【0127】
このような実施形態によれば、端末装置6のユーザは、時刻表を閲覧しながら、時刻表に係る駅もしくはその周辺のスポット情報やイベント情報等を容易に把握することができるようになる。
【0128】
また、第1の実施形態の変形例のように、時刻表に表示される時刻もしくは時間帯を変更するユーザ操作に伴って、表示部64に表示させるPOI情報を切り替えてもよい。これにより、端末装置6のユーザは、時刻表に係る駅もしくはその周辺のスポット情報やイベント情報等を経時的に容易に把握できるようになる。その結果、例えば、ユーザは未知のスポットを発見したり、当該スポットへのユーザの立ち寄りを誘起することができる。
さらに、時刻表の付加価値を高めることができる。
【0129】
また、上記と同様の広告出力を時刻表以外の画面について行ってもよい。例えば、経路探索条件に基づいて経路探索された移動経路を示す移動経路情報(経路探索結果)が端末装置6の表示部64に表示されている際、移動経路情報に含まれる時刻情報に基づく広告情報を移動経路情報とともに表示部64に表示してもよい。時刻情報は、例えば、出発時刻、乗換時刻または到着時刻である。なお、時刻情報は、出発時刻、到着時刻等の時刻を含む時間帯であってもよい。
【0130】
出稿情報受付部221は、移動経路情報に含まれる時刻情報を含む広告出力条件情報と、広告出力条件情報に基づいて経路探索結果(移動経路情報)と一緒に表示するための広告情報とを受け付ける。データベース作成部321は、広告出力条件情報および広告情報を関連付けて記憶する。
【0131】
広告取得部722は、移動経路情報に含まれる時刻情報に基づいて広告情報を取得する。表示制御部622は、端末装置6の表示部64に表示される移動経路情報の表示内容に応じた広告情報を、経路情報とともに表示部64に表示させる。すなわち、端末装置6は、移動経路情報に含まれ且つ表示部64に表示されている時刻情報(時刻または時間帯)が、広告出力条件の時刻または時間帯に合致する広告を出力する。例えば、出発時刻が表示部64に表示されている場合は、出発時刻に応じた広告情報を表示し、到着時刻が表示部64に表示されている場合は、到着時刻に応じた広告情報を表示する。これにより、移動経路(経路探索結果)を閲覧するユーザに対して効果的に訴求可能な広告を提示することができる。
【0132】
なお、時刻表の場合と同様に、表示制御部622は、表示部64に表示される移動経路情報の時刻または時間帯を変更するユーザ操作に伴って、表示部64に表示させる広告情報を切り替えてもよい。例えば、ユーザがスクロール操作により、出発地から目的地に至る移動経路のうち表示部64に表示される部分を、出発地から目的地に向かって変化させた場合、表示制御部622は、始めは出発時刻に応じた広告情報を表示部64に表示させ、次に乗換時刻に応じた広告情報を表示させ、最後に到着時刻に応じた広告情報を表示させる。
【0133】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0134】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0135】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0136】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 広告出稿システム
2 出稿端末
21 通信部
22 制御部
221 出稿情報受付部
23 入力部
24 表示部
3 サーバ
31 通信部
32 制御部
321 データベース作成部
33 記憶部
331 出稿情報データベース
4 通信ネットワーク
5,5A 情報処理システム
6 端末装置
61 通信部
62 制御部
621 情報受付部
622 表示制御部
63 入力部
64 表示部
7 サーバ
71 通信部
72 制御部
721 時刻表取得部
722 広告取得部
73 記憶部
731 出稿情報データベース
732 時刻表データベース
8 予約サーバ
81 通信部
82 制御部
821 受付部
822 予約情報取得部
83 記憶部
831 予約情報データベース
AD1,AD2,AD3 広告
R1,R2,R3,R4,R5 表示領域
T1,T2,T3 タブ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15