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特許7496153ハイヒールとローヒールとの変換を有する靴
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ハイヒールとローヒールとの変換を有する靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20240530BHJP
   A43B 21/52 20060101ALI20240530BHJP
   A43B 13/16 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A43B23/02 101Z
A43B21/52
A43B13/16
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022546624
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021017123
(87)【国際公開番号】W WO2021159100
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】16/785,192
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520278653
【氏名又は名称】ハイ-ロー ヒール,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バーバリアン,マリア メルセデス
(72)【発明者】
【氏名】ネジャー,アレン
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0010926(KR,A)
【文献】米国特許第05456026(US,A)
【文献】特開2016-101472(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0115380(US,A1)
【文献】特開2014-018559(JP,A)
【文献】米国特許第09510647(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0073725(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 23/02
A43B 13/14
A43B 13/28
A43B 13/38
A43B 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品であって、
インソール及びアウトソールと、前記アウトソールの後部にあり、前記アウトソールのトゥ部には存在せず、前記アウトソールよりも剛性が高い外層と、を有するソール;および
1つ以上のクランププレートによって前記ソールにクランプされたアッパー;
を備え、
前記1つ以上のクランププレートのそれぞれは、前記アッパーの対応する孔を介して前記ソールの対応する第2の嵌合特徴と嵌合するように構成された第1の嵌合特徴を含み、
前記1つ以上のクランププレートは、ヒールクランププレートの上面が前記ソールの上面と面一になるように、前記ソールのヒール端の対応するU形の凹部にフィットするように構成されたU形のヒールクランププレートを含み、
前記ソールのヒール端の凹部は、前記外層の後部輪郭が前記インソール及び前記アウトソールよりもさらに後方に延びるように、前記インソール及び前記アウトソールの後部輪郭のカーブアウトによって形成される
履物物品。
【請求項2】
前記外層は、固定フック部及び可動フック部を有するヒール受けを含み、前記履物物品は、前記固定フック部と係合するように構成された第1の凹部及び前記可動フック部と係合するように構成された第2の凹部をそれぞれ有する、第1のヒール部及び第2のヒール部をさらに備え、したがって、前記履物物品は、前記第1のヒール部が前記ソールのヒール受けに固定される第1の構成と、前記第2のヒール部が前記ソールのヒール受けに固定される第2の構成との間で移行可能である、請求項1に記載の履物物品。
【請求項3】
前記インソールは、前記アウトソールの外層の前方で前記アウトソールの相補的なリッジ付き部分に収まるリッジ付きクッションをさらに備える、請求項1に記載の履物物品。
【請求項4】
前記アウトソールと前記外層は、前記アウトソールを横断する向きの複数のピンによって互いに少なくとも部分的に結合される、請求項1に記載の履物物品。
【請求項5】
前記外層の前端は、前記アウトソールの対応するスロットに挿入される舌を含む、請求項1に記載の履物物品。
【請求項6】
前記外層は、90Dのショアデュロメータを有する材料を含み、前記アウトソールは80Aのショアデュロメータを有し、前記インソールは35Aのショアデュロメータを有する、請求項1に記載の履物物品。
【請求項7】
前記インソール及び前記アウトソールは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、請求項1に記載の履物物品。
【請求項8】
前記ソールは、前記ソールが概して平坦なトゥ部と概して平坦なヒール部に分割されるように鈍角に屈曲し、前記ソールは、前記鈍角に向けて弾性的に付勢される、請求項1に記載の履物物品。
【請求項9】
前記1つ以上のクランププレートは、一対の半月形のクランププレートが前記アッパーの前部を前記ソールに固定するように、前記ソールのトゥ端にある対応する横方向凹部にフィットするように構成された一対の半月形のクランププレートを含む、請求項1に記載の履物物品。
【請求項10】
前記第1の嵌合特徴は、前記1つ以上のクランププレートから突き出る複数のピンを含み、前記第2の嵌合特徴は、前記ソールの対応する数の穴を含む、請求項1に記載の履物物品。
【請求項11】
履物物品の製造方法であって、
アッパーの第1の孔をソールの対応する第1の嵌合特徴と位置合わせすることと、
1つ以上のクランププレートを使用して前記アッパーを前記ソールにクランプすることと、
を含み、
前記1つ以上のクランププレートは、前記アッパーの前記孔を通して前記第1の嵌合特徴と嵌合するように構成された第2の嵌合特徴を含み、
前記1つ以上のクランププレートは、ヒールクランププレートの上面がソールの上面と面一になるように、前記ソールのヒール端の対応するU形の凹部にフィットするように構成されたU形のヒールクランププレートを含み、
前記ソールは、インソール及びアウトソールと、前記アウトソールの後部にあり前記アウトソールのトゥ部には存在しない外層と、を有し、
前記ソールのヒール端の凹部は、前記外層の後部輪郭が前記インソール及び前記アウトソールよりもさらに後方に延びるように、前記インソール及び前記アウトソールの後部輪郭のカーブアウトによって形成される
方法。
【請求項12】
前記第1の嵌合特徴は雌であり、前記第2の嵌合特徴は雄である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の嵌合特徴はいくつかの凹部を含み、前記第2の嵌合特徴は同じ数のピンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
接着剤を使用して前記第1及び第2の嵌合特徴を互いに固定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のクランププレートのそれぞれは、前記1つ以上のクランププレートのそれぞれの各上面が前記ソールの上面と面一になるように、前記ソールのそれぞれの凹部にフィットする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のクランププレートは、前記ソールのトゥ端にある対応する横方向凹部にフィットするように構成された一対の半月形のクランププレートをさらに含み、
前記アッパーはヒール部及びトゥストラップ部を備え、前記方法は、前記ヒールクランププレートを使用して前記ヒール部を前記ソールに、及び、前記一対の半月形のクランププレートを使用して前記トゥストラップ部を前記ソールにクランプすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の嵌合特徴は、摩擦嵌合で嵌合するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の嵌合特徴は、互いに間隔をおいて配置され、前記ソールのヒール端の周囲に延びる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は履物に関する。より詳細には、開示される実施形態は、特にハイヒール構成とローヒール構成との間で変換可能な靴及び他の履物に関する、靴の構築のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流行と快適さは必ずしも両立しない。これは女性の履物に関しては特に当てはまる。ハイヒールは、ほとんどの女性のクローゼットの主力であるが、合理的に設計された履物ではない。これらの履物の前後の高低差は、装飾のない平坦面上でもぐらつきや滑りを引き起こす。それにもかかわらず、女性は、騎手が馬上からより効果的に矢を放つことができるように鐙で自分の体勢を保つのを助けるというハイヒールの本来の目的がもはや存在しないにもかかわらず、これらのファッション哲学を着用し続けている。長年の間に、ハイヒールはスティレットヒールやパンプスに進化し、多くの人がそのような履物を成功やおそらく女性らしさのステータスシンボルとみなすような象徴的ブランディングに屈してきた。
【0003】
残念なことに、高さのある履物を履き続けると、足底筋膜炎や神経腫などの身体的問題が多発し、ふくらはぎ、膝、及び腰などの身体の他の領域にも影響が及ぶ。米国足病医学会は、女性は男性の4倍の足の問題を抱えていると報告している。ハイヒールは歩くのが危険であり、下水の格子蓋などとすぐに摩擦係合が生じる。ハイヒールに関する最も一般的な不満は、歩くのが遅くなること、快適ではないことである。この理由のため、多くの働く女性は、通勤のために、ローヒールの履物又はウォーキング/ランニング用の履物といった替えの履物を持ち歩いている。履物は使用中に汚れが蓄積するため、この対策では、替えの履物を持ち歩く必要があるだけでなく、それを入れて運ぶためのバッグも必要になる。ハンドバッグを持ち歩くほとんどの女性にとって、これは両腕がふさがることを意味する。ラップトップコンピュータ又はタブレットなどのパーソナルコンピューティングデバイスがあって、それも毎日仕事に持っていかなければならない場合、状況はさらに悪化する。
【0004】
したがって、ファッショナブルなハイヒールと快適なローヒールの間で変換することができる履物は、履物業界で長い間感じられてきたニーズを満たすであろう。この新しい発明は、前述の問題を克服し、一般的な職場のジレンマの解決策を提供する変換可能な靴を開発するべく、既知の技術と新しい技術とを独自の新規な構成で使用する及び組み合わせるものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、変換可能な履物を含む履物の構築に関するシステム、装置、及び方法を提供する。
【0006】
特徴、機能、及び利点は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することができ、又はさらに他の実施形態において組み合わせることができ、そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照すると理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的な変換可能な靴の部分分解図である。
図2図2は、対応する受け部と位置合わせされたクリップ部を示す、図1の靴の部分分解図である。
図3図3は、受け部に挿入されたクリップ部を示す、図1の靴の部分組立図である。
図4図4は、図1の靴の第1の分解等角図である。
図5図5は、図1の靴の第2の分解等角図である。
図6図6は、本開示の靴での使用に適したアウトソール及びヒール受けの分解等角図である。
図7図7は、靴の2つの位置を示す、図1の靴の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ハイヒールモードとローヒールモードとの間で変換可能な靴の様々な態様及び例、並びに関連する方法が、以下で説明され、関連する図面に示される。特に明記しない限り、本発明の教示に係る変換可能な靴及び/又はその様々な構成要素は、説明された、図示された、及び/又は本明細書に組み込まれた構造、構成要素、機能、及び/又は変形例のうちの少なくとも1つを含むことができるが、必須ではない。さらに、特に除外されない限り、本発明の教示に関連して説明された、図示された、及び/又は本明細書に組み込まれたプロセスステップ、構造、構成要素、機能、及び/又は変形例は、開示された実施形態間で交換可能であることを含めて、他の同様の装置及び方法に含まれ得る。以下の様々な例の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その適用、又は使用を限定することを決して意図していない。さらに、以下に説明する例及び実施形態によって提供される利点は、本質的に例示的なものであり、すべての例及び実施形態が同じ利点又は同程度の利点を提供するわけではない。
【0009】
この詳細な説明には、以下のセクション:(1)定義、(2)概要、(3)例、構成要素、及び代替案、(4)例示的な組み合わせ及びさらなる例、(5)利点、特徴、及び恩恵、及び(6)結言、が含まれ、すぐ下に続く。
【0010】
定義
他に指定のない限り、以下の定義が本明細書に適用される。
「備える」、「含む」、及び「有する」(及びそれらの活用形)は、~を含むが必ずしもそれに限定されないことを意味するように交換可能に用いられ、さらなる列挙されていない要素又は方法ステップを除外することを意図していないオープンエンドの用語である。
【0011】
「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は、グループなどの様々なメンバーを区別又は識別するために用いられ、連続性又は数値の限定を示すことを意図していない。
【0012】
「反発性」とは、通常の動作負荷の下で(例えば、圧縮時に)弾性変形し、負荷がなくなると元の形状又は位置に戻るように構成された材料又は構造を表す。
【0013】
「硬質」とは、通常の動作条件下で硬い、非変形可能である、又は実質的に可撓性を欠くように構成された材料又は構造を表す。
【0014】
「別名」は、「~としても知られている」を意味し、所与の1つ又は複数の要素の代替又は対応する用語を示すために用いられる場合がある。
【0015】
「内側」、「外側」、「前部」、及び「後部」などの方向用語は、本明細書に記載の構成要素がマウントされ得る又は他の方法で取り付けられ得る履物物品に関連して理解されることを意図している。例えば、「外側」は、靴の中心線から横方向に遠い相対位置、又は靴の縦方向の中心線から離れる方向を示す場合がある。逆に、「内側」は、中心線に向かう方向、又は中心線により近い相対位置を示す場合がある。同様に、「前方」又は「前部」は、履物のトゥ部の方を意味し、「後部」又は「後方」は、履物のヒール部の方を意味する。同様に、「縦方向」という用語は、一般に履物のヒールからトゥ(長さ)方向を指し、一方、「横方向」という用語は、一般に、履物の左右(幅)方向を指す。履物のホスト物品が存在しない場合、物品が存在する場合と同じ方向用語が用いられ得る。例えば、単独で見たときでも、構成要素は、当該側が靴のトゥ部の方向に面するように構成要素が取り付けられることに基づいて「前方」側を有し得る。
【0016】
「結合される」は、直接に又は介在する構成要素を通じて間接的に、恒久的に又は取り外し可能に接続されることを意味する。
【0017】
以下の用語は、靴又は他の履物物品の部分に関係する:
a.ブレスト:ソールのアーチの下にある、ヒールの前方に面する部分。
b.フェザー:靴のアッパーの縁がソールと接する部分。
c.ヒール:靴の前部に対して後部を持ち上げるソールの部分。
d.ヒールキャップ:ヒールの地面と接触する部分。トップピースとも呼ばれる。
e.インソール:アウトソール(又は介在するソール、例えば、ミッドソール)と着用者の足との間の層となる、靴の内側にある材料の層。
f.アウトソール:地面と接触するソールの露出部分。
g.シート:靴の中で足の踵が着座する場所。
h.シャンク:ソールアセンブリが足の土踏まずに接するようにソールの外面とインソールの内面との間のどこかに挿入される一枚の硬質材料。
i.ソールアセンブリ:着用者の足の下にある靴の部分。アッパーと、ソールと、ヒールで、靴全体を構成している。
j.アッパー:靴の足を覆う部分。
k.ウェルト:アッパーをソールに接合する材料片。これは、ミッドソールである場合があり、又は特定の靴のデザインでは省略されている場合もある。
【0018】
概要
一般に、本明細書で開示される変換可能な履物は、ユーザがヒール部を容易に交換することを可能にするヒール取り付け機構を含み、これにより、履物をハイヒールとローヒールの構成又はモード間で変換することができる。本開示の履物は、1つ以上のクランププレートを介してソールに取り付けられたアッパーを含み得る。例えば、トゥストラップが、ソールのトゥ端にある凹部に収まる1つ以上の半月形のクランププレートを介してソールに取り付けられ得る。ヒールストラップが、ソールのヒール端にある凹部に収まるU形のクランププレートを介してソールに取り付けられ得る。いくつかの例では、凹部は、クランププレートを収めると、クランププレートの上面がソールの上面と面一になるように構成される。
【0019】
例、構成要素、及び代替案
以下のセクションでは、例示的な変換可能な靴、並びに関連するシステム及び/又は方法の選択された態様を説明する。これらのセクションでの例は、例示を意図しており、本開示の全範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。各セクションは、1つ又は複数の別個の実施形態又は例、及び/又は文脈上の又は関連する情報、機能、及び/又は構造を含み得る。
【0020】
A.例示的な靴
図1図7に示すように、このセクションでは、例示的な変換可能な靴500を説明する。靴500は、上記の概要で説明した変換可能な靴の別の例である。
【0021】
図1は、靴500の部分分解等角図である。靴500は、ソール502と、ソールに取り外し可能に固定することができるいくつかの交換可能なヒール部とを含む。この例では、靴500は、ハイヒール部504及びローヒール部506(図4図6参照)を含み、これらはそれぞれ、長ヒール部及び短ヒール部とも呼ばれる。靴500はまた、ユーザの足に靴を保持するように構成された適切な部分を有するアッパーを含み得る。例えば、靴500は、トゥストラップ508及びヒールストラップ510を含み得る。
【0022】
ソール502は、概してアウトソール部分514の上の層をなす、インソール部分512を含む(図4参照)。インソール部分とアウトソール部分はそれぞれ、種々の熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの任意の適切な材料を含み得る。一般に、アウトソール部分514は、例えば耐摩耗性のために、インソール部分512よりも丈夫で反発性の低い材料を含み得る。インソール部分512は、例えば快適さのために、アウトソール部分514よりも柔らかくてより反発性の高い材料を含み得る。いくつかの例では、アウトソール部分514は、インソール部分512よりも剛性の高いTPUを含み、ゆえに、化学的に言えば、アウトソールのTPUは、インソールのTPUよりも硬いセグメントの柔らかいセグメントに対する比が大きい。インソール部分512は、ソフトソールと呼ぶことができる。いくつかの例では、ソール502は、この例で説明した2つの層よりも多い又は少ない層を含む。靴500の様々な部分の硬度の例を、以下でより詳細に述べる。
【0023】
アッパーの部分は、1つ以上のクランププレートによってソール502に固定される。例えば、トゥストラップ508、ヒールストラップ510、及び/又は他の構成要素が、1つ以上のクランププレートによってソール502に固定される。図1に示すように、クランププレート580、582及び対応する凹クランププレート受け584、586が、ソールの前(すなわち、トゥ)端で使用される。各クランププレート580、582は、トゥストラップ508の対応する孔に通されるように構成された、複数のピン及び/又は他の適切な突起を含む。いくつかの例では、クランププレート580及び582は半月形である。ピンはさらに、対応するクランププレート受け584及び586の受入穴と嵌合してトゥストラップを靴に固定するように構成される。
【0024】
同様に、クランププレート588及び対応する凹クランププレート受け590が、ソールの後(すなわち、ヒール)端で使用される。クランププレート588は、ヒールストラップ510の対応する孔に通されるように構成された、複数のピン及び/又は他の適切な突起を含む。ピンはさらに、ソールのヒール端に配置されたクランププレート受け590の受入穴と嵌合するように構成される。
【0025】
この例では、クランププレート588は、実質的にU形又はC形であり、ソールのヒール端の少なくとも一部に、周方向に適合するように構成される。この構成により、クローズドバックアッパー(例えば、ヒールストラップ510)の取り付けが可能となる。
【0026】
クランププレート及びクランププレート受けに加えて、ソール502へのアッパーの取り付けは、結合、接着剤、及び/又は任意の他の適切なファスナの使用を含み得る。例えば、クランププレートのうちの1つ以上が、接着剤によって並びに前述のピン及び受入穴によって、対応するクランププレート受け(単数又は複数)に取り付けられてもよい。
【0027】
アッパーをソール502に固定することに加えて、クランププレートとクランププレート受けは、層の互いに対する横方向移動を防ぐことによって、層をなすソールの安定性を高める。言い換えれば、例えば、クランププレート受けの穴の中に延びて摩擦嵌合することで、クランププレートのピンは、ピンの長さと直交する方向の移動を防ぐ。
【0028】
いくつかの例では、靴のトゥ部に、単一のクランププレート及び/又は単一のクランププレート受けが配置される。すなわち、プレート580、582のペアの代わりに単一のプレートを使用することができ、及び/又はクランププレート受け584、586の代わりに単一のクランププレート受けを使用することができる。加えて又は代替的に、靴のヒール部で、プレート588及びプレート受け590の代わりに2つ以上のクランププレート及び/又は2つ以上のクランププレート受けを使用することができる。
【0029】
図2は、クランププレート580、582、及び588が未取り付け構成の、靴500を示している。ソール502の各凹部にクランププレート受け584、586、及び590がそれぞれ配置されている。この例では、クランププレート受け584及び586は、アウトソール514の上面に配置されている。インソール512は、クランププレート580及び582がクランププレート受け584及び586と嵌合してクランププレートの上面がインソールの上面と面一(又は実質的に面一又は平ら)になる(図3参照)ように、インソールの周縁に形成された対応するカットアウトを有する。
【0030】
同様に、クランププレート受け590が、ソール502に凹状に形成される。この例では、クランププレート受け590は、以下でより詳細に説明され、図4及び図5に示される、ヒール取り付け機構544の一部として形成される。インソール512及びアウトソール514は、それぞれ、クランププレートがクランププレート受け590に取り付けられるときにクランププレート588の上面がインソール512の上面と面一(又は実質的に面一又は平ら)になるようにクランププレート588を収容するべく、ヒール側に辺縁カットアウト(別名、カーブアウト)を有する。
【0031】
図3に示すように、クランププレート580、582、及び588がそれらの対応するクランププレート受けに取り付けられるときに、アッパーの一部を収容するべく、クランププレートの底面と対応するクランププレート受けの上面との間にギャップが形成される。クランププレートの突起の長さは、所望の厚さ及び/又は材料のアッパーをギャップが収容するように構成されるように選択され得る。例えば、ギャップは、皮革、ビニル、布地、及び/又は任意の他の適切な材料を含むアッパーを収容するように構成され得る。いくつかの例では、突起は、対応する受けの穴の深さよりも短い。これにより、クランプ強度の増加が促進され得る。
【0032】
この例では、インソール部分512は、ユーザの中足趾節(MTP)関節(すなわち、中足骨の頭部)が典型的に圧力をかけるインソールの領域に配置された、リッジ付き又は歯付きクッション516の形態の延長部又は拡張部を含む。クッション516は、インソール部分512の比較的柔らかい及び/又は反発性材料を含み、インソール部分と一体であってもよい。この例に示すように、クッション516は、アウトソール部分514に配置された対応するクッション受け518と嵌合する(すなわち、収まる)。クッション受け518は、安全性及び反発性のためにクッション516の歯と係合するように構成された相補的なリッジ又は歯を含む。したがって、ユーザの中足指節関節に対応するソールの領域でインソールのより厚い部分がアウトソールの凹部内に延びている。
【0033】
図4図5に示すように、ヒール取り付け機構544が靴500に含まれる。ヒール取り付け機構544は、ソールにヒール部を取り外し可能に固定するように構成された任意の適切な構造及び/又はデバイスを含み得る。例えば、
【0034】
この例では、ヒール取り付け機構544は、ヒール受け546(別名、ハードソール又は硬質後部)を含む。ヒール受け546は、任意の適切なファスナを使用して(例えば、接着剤によって)ソール502に取り付けられる。ここで、ヒール受け546は、ヒール受け546に形成され、アウトソール514にある受入穴515と嵌合するように構成された複数のピン又は突起547によって、アウトソール514に取り付けられる。さらに、アウトソール514は、ヒール受け546にある受入穴551と嵌合するように構成された複数のピン又は突起517を有する。ヒール受け546及びアウトソール514に突起547及び517並びに穴551及び515を設けることで、ヒール取り付け機構544の堅牢性が増し、靴500は、ヒール部又はヒール受けが壊れることなく、長時間にわたって立つこと及び歩くことに伴う力に耐えることができるようになる。
【0035】
さらに、この例では、ヒール受け546の上面に凹部592が形成される。対応するブロック594が、アウトソール514の底面に形成又は結合される。ブロック594は、凹部592と嵌合するように構成され、これにより、ヒール受け546の安全性がさらに高まる。
【0036】
アウトソール及びヒール受けの代替的な実施形態、すなわち、ヒール受け546B及びアウトソール514Bが図6に示されている。アウトソール514B及びヒール受け546Bは、以下に説明する相違点を除いて、それぞれアウトソール514及びヒール受け546と実質的に同様であり得る。ヒール受け546B及びアウトソール514Bの特徴は、靴500の1つ以上の実施形態に含まれ得る。
【0037】
アウトソール514Bは、ヒール受け546Bの延長部又は舌部598を収容するように構成されたスロット又はスペース596を含む。アウトソール514Bは、アウトソール514Bとヒール受け546Bとの境界を覆うように構成された、スペース596の近傍の保護カバー597をさらに含む。この構成は、例えば、長時間にわたって立つこと及び歩くことに伴う力にさらに耐えるように、靴500の底の剛性の増加をもたらす。舌部598は、ユーザのMTP関節が典型的に圧力をかける領域の下で靴500の湾曲に従うように構成された湾曲区域を含む。この湾曲区域は、舌部598が靴500のトゥ端の方にさらに延びて、ソール502の全体的な湾曲に適応することを可能にする。
【0038】
組み立てられると、ヒール受け546Bは、舌部598がスペース596に収まる(収容される)ように、アウトソール514Bと噛み合う。
【0039】
図4及び図5に戻ると、ヒール受け546は、ヒール受けのベース549から延びる固定フック部548、固定フック部とは反対側に配置された可動フック部550、及び可動フック部を後退位置と伸長位置との間で移動させるように構成されたアクチュエータ552を含む。図面に示されているように、ウェッジ572が、固定フック部548と可動フック部550との間でヒール受け546から延びる。ウェッジ572は、剛性を高め、ヒール部の横方向移動を減らすために、(例えば、後述するように、ウェッジがヒール部の対応する凹部に収まるときに)ウェッジの外側に配置される三角柱として形成された1つ以上の突起を有し得る。
【0040】
フック部548及び550は、任意の適切な方向に向けられ得る。ここで、固定フック部548は靴の後方に面し、可動フック部550は靴の前方に面する。可動フック部550は、伸長(例えば前方)位置の方に付勢される。任意の適切な付勢装置を使用することができる(以下参照)。
【0041】
アクチュエータ552は、付勢装置の力に抗ってアクチュエータ552を操作(例えば、手動操作)することで可動フックが後退するように、可動フック部550に作動的に接続される。この実施形態では、アクチュエータ552は、可動フック部550を備えた単一部品である。具体的には、可動フック部550とアクチュエータ552との組み合わせには、把持性を高めるためにテクスチャ加工された概して三角形の手動ハンドル524、並びに、フック528及び一体のばね部材554が形成された細長い本体526が含まれる。手動ハンドル524は、靴の下側に露出しており、ユーザがアクセス可能である。
【0042】
本体526は、アウトソールの下側と接触した状態でスライドするように構成された概して平坦な上部を有する。本体526の後部は、ばね部材554がキャビティ530内に配置され、キャビティの壁と接触するように、ヒール受け546に形成されたキャビティ530内に収まる。この例では、ばね部材554は、ばね部材454に関して前述したのと実質的に同様である。例えば、ばね部材554は、反発性のあるフィンガの遠位端が本体の後部から間隔をおいて配置されるように、本体526の後部で概して側方に(例えば横方向に)延びる複数の反発性のあるフィンガ又は突起を含む。
【0043】
アクチュエータ552と可動フック550は、一対のサイドガイド556及びリテーナバー558によってアウトソール部分514に接してガイド及び保持されるが、任意の適切なリテーナ/ガイド機構が使用され得る。
【0044】
ヒール部504及び506は、それぞれのヒール部をヒール受け546に取り付けるために、上側マウント面560、562を含む。上側マウント面560は、固定フック部548と係合するように構成された第1の凹部564と、可動フック部550と係合するように構成された第2の凹部568を含む。同様に、上側マウント面562は、固定フック部548と係合するように構成された第1の凹部566と、可動フック部550と係合するように構成された第2の凹部570を含む。したがって、ヒール部504又は506は、可動フック部が伸長位置にあるとき、ヒール受けに固定される。ヒール部は、可動フック部が後退位置にあるとき、ヒール受けから取り外し可能である。
【0045】
上側マウント面560及び562は、それぞれウェッジ受け532、534をさらに含む。これらのウェッジ受けは、それぞれヒール受けのウェッジ572とぴったりと嵌合するように構成される。具体的には、ヒール部504又は506をヒール受けに取り付けることで、ウェッジ572が受け532又は534と嵌合し、ヒールと靴との接続の安全性及び安定性がさらに高まる。
【0046】
操作時に、靴500は、2つ以上の交換可能なヒール(例えば、ヒール部504、506)間で変換され得る。
【0047】
ここで図7に移ると、靴500の例は、第1の(ヒールが上がった)状態Aと第2の(ヒールが下がった)状態Bとの間で移行可能であるように構成される。第1の状態Aにおいて、靴500は第1の形状又は構成を有し、第2の状態Bにおいて、靴500は第2の形状又は構成を有する。第1の形状は、第2の形状よりも概してより湾曲又は屈曲している。図6に示すように、第1の形状(状態A)の靴500は、ソールの概して中足部に(例えば、ユーザのMTP関節の近くに隣接して、及び/又は靴の任意の他の適切な部分に)位置する屈曲領域で湾曲及び/又は屈曲する。第1の形状において、ソールは、ソールが概して平坦なトゥ部と概して平坦なヒール部に分割されるように鈍角に屈曲する。第2の形状(状態B)において、靴500は、図6の破線で示すように、湾曲が少ない及び/又は実質的に平坦な形状を有する。
【0048】
ソール502は、ソール502が状態Aの形状記憶を有するように、特に靴500を状態Aに向けて付勢するように形成される。言い換えれば、状態Aは、ソールのデフォルト状態又は形状であり、ソール502は、変位させた場合に靴を状態Aに又は状態Aに向けて強制するための適切な構成の適切な反発性材料を含む。例えば、ソール502の層は、状態Aの屈曲構成で、異なる硬度(したがって、異なる反発性)の材料で形成(例えば、3Dプリント、押し出しなど)され得る。いくつかの例では、以下の材料(など)を使用することができる:ヒール受け546は、90Dの硬度(すなわち、ショアデュロメータ)を有するTPUで形成され、アウトソール部分514は、80Aの硬度を有するTPUで形成され、インソール部分は、35Aの硬度を有するTPUで形成され得る。より硬い材料の上により柔らかい材料を層状に形成することで、ソール502全体に反発性が付与され、ソールが状態Aに向けて付勢される。
【0049】
下向きの力がソール502を状態Aに対して平たくする場合、反発性のある層の構成が、ソールを状態Aに戻るように強制する。さらに、ソール502の層を互いに固定する複数のピン又は突起が、層が互いに対してスライド又はシフトするのを制約し、これにより、ソールを状態Aから変形させたとき、複数のピン又は突起での張力(例えば、弾性歪み及び/又は剪断歪みの形態の)が増加する。複数のピン又は突起に生じた張力は、材料の反発性と相まって、靴500を状態Aに戻るようにさらに付勢する。
【0050】
ソール502の自然な静止状態(状態A)は、靴がローヒール構成のときでも、前述の靴500のハイヒール構成に対応する。言い換えれば、概して中足部でのソールの屈曲/湾曲は、ハイヒール構成でのソールの自然な形状に対応する。ハイヒール部504からの上向きの力が、ハイヒール構成でソールにかかる下向きの力に対抗し、これにより、靴500を状態Aに維持する。靴500がローヒール構成に移行するとき(すなわち、ローヒール部506が取り付けられるとき)、ソール502は、状態Aを維持するべく付勢されたままである。
【0051】
靴500は、適切な力又は圧力によって状態Aから状態Bに強制され得る。例えば、靴500のトゥ部が固定位置(例えば、着用者の足と地面との間)に保持される場合、(例えば、着用者の踵によって)屈曲領域の後方へソール502にかかる十分な下向きの力により、靴は状態Bをとる。このような下向きの力がなければ(例えば、着用者の踵が持ち上がっている場合)、ソール502の反発性(例えば付勢)が靴500を状態Bから状態Aに強制する。歩行に関連して、第1の状態Aは、歩行の遊脚期中(例えば、靴が地面から離れているとき)などの、ユーザが足の下向きの力を解放した後の靴500の状態に対応する。第2の状態Bは、歩行の立脚期中などの、ユーザが靴の後部又は中足部を押し下げている(すなわち、少なくとも踵で下向きの力をかけている)間の靴500の状態に対応する。ユーザが歩く際に、通常、各足は遊脚期と立脚期を交互に繰り返し、これにより、靴500が状態Aと状態Bを交互に繰り返す。
【0052】
通常の歩行では、歩行の最初の接地期(すなわち、踵の着地)は、踵が地面に着地し、立脚中期への回転遷移が始まるときに生じる。立脚中期において、靴500のヒールの底面及び地面に接触するアウトソール514のトゥ端の底面は地面と実質的に同一平面上にある。最初の接触期から立脚中期への移行中に、靴500のソール502は、状態Aから状態Bに移行する(例えば、少なくとも部分的に平らになる)。この移行中に、ユーザの足の裏は、(例えば、足がソールを地面に向けて押す際に)インソール512の上面と接触したままである。
【0053】
ユーザが歩行を続ける際に(すなわち、対側脚の遊脚期及び踵の着地中に)、立脚中期から立脚終期への対応する移行が生じる。立脚中期から立脚終期への移行は、ユーザが重心を前方にシフトし、踵を地面から持ち上げることに対応する。この移行中に、靴500は、ソール502の反発性に起因して、靴のヒールが地面から持ち上がる際に状態Bから状態Aに移行する。アウトソール514のトゥ端は地面に接地したままである。ソール502のばね付勢により、ユーザの足の裏はインソール512の上面と接触したままとなる。別の言い方をすれば、ソール502のばね付勢により、ヒンジ作用で単に上下にパタつくこととは対照的に、自動的にインソール512の上面がユーザの足と実質的に接触したままとなる。
【0054】
靴500は、踵が再び地面に着地する(すなわち、次の歩みの最初の接触期)まで、歩行の遊脚期全体(すなわち、ユーザの足が地面から持ち上げられている状態)にわたって、状態Aのままである。この歩行中の状態Aと状態Bとの間の移行は、有利なことに、ユーザの足の裏と靴500との継続的な接触をもたらす。ソール502の反発性に起因して、この継続的な接触は、ヒール端のアッパー、例えばヒールストラップ510がなくても生じる。トゥ端のアッパーのみを有する靴の一般的な例は、サンダル、ビーチサンダルなどである。ヒール端のアッパーがない履物の公知の例では、ユーザが歩く際に、前方に踏み出すときに靴のヒール端がユーザの足から離れ、その後、足の裏にパタつく。対照的に、靴500の状態Aに向けての付勢は、ヒール端アッパーがなくても、歩行中にユーザの足の裏が靴と継続的に接触し続けることを可能にする。
【0055】
B.例示的な組み合わせ及びさらなる例
このセクションは、一連のパラグラフとして限定ではなく提示される本発明の教示の変換可能な履物のさらなる態様及び特徴を説明し、それらのいくつか又はすべては、明確さと効率のために英数字で指定される場合がある。これらのパラグラフのそれぞれは、あらゆる適切な方法で、1つ又は複数の他のパラグラフと及び/又は本出願でのどこか別の場所からの開示と組み合わせることができる。以下のパラグラフのいくつかは、他のパラグラフを明示的に参照し、さらに制限し、適切な組み合わせのうちのいくつかの例を限定ではなく提供する。
【0056】
A0.履物物品であって、
インソール及びアウトソールと、前記アウトソールの後部にあり、前記アウトソールのトゥ部には存在せず、前記アウトソールよりも剛性が高い外層とを有するソールと、
1つ以上のクランププレートによって前記ソールにクランプされたアッパーと、
を備え、
前記1つ以上のクランププレートのそれぞれは、前記アッパーの対応する孔を介して前記ソールの対応する第2の嵌合特徴と嵌合するように構成された第1の嵌合特徴を含む、
履物物品。
【0057】
A1.前記外層は、固定フック部及び可動フック部を有するヒール受けを含み、前記履物物品は、前記固定フック部と係合するように構成された第1の凹部及び前記可動フック部と係合するように構成された第2の凹部をそれぞれ有する、第1のヒール部及び第2のヒール部をさらに備え、したがって、前記履物物品は、前記第1のヒール部が前記ソールのヒール受けに固定される第1の構成と、前記第2のヒール部が前記ソールのヒール受けに固定される第2の構成との間で移行可能である、A0に記載の履物物品。
【0058】
A2.前記インソールは、前記アウトソールの外層の前方で前記アウトソールの相補的なリッジ付き部分に収まるリッジ付きクッションをさらに備える、A0又はA1に記載の履物物品。
【0059】
A3.前記アウトソールと前記外層は、前記アウトソールを横断する向きの複数のピンによって互いに少なくとも部分的に結合される、パラグラフA0~パラグラフA2のいずれか1つに記載の履物物品。
【0060】
A4.前記外層の前端は、前記アウトソールの対応するスロットに挿入される舌を含む、パラグラフA0~パラグラフA3のいずれか1つに記載の履物物品。
【0061】
A5.前記外層は、90Dのショアデュロメータを有する材料を含み、前記アウトソールは80Aのショアデュロメータを有し、前記インソールは35Aのショアデュロメータを有する、パラグラフA0~パラグラフA4のいずれか1つに記載の履物物品。
【0062】
A6.前記インソール及び前記アウトソールは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、パラグラフA0~パラグラフA5のいずれか1つに記載の履物物品。
【0063】
A7.前記ソールは、前記ソールが概して平坦なトゥ部と概して平坦なヒール部に分割されるように鈍角に屈曲し、前記ソールは、前記鈍角に向けて弾性的に付勢される、パラグラフA0~パラグラフA6のいずれか1つに記載の履物物品。
【0064】
A8.前記1つ以上のクランププレートは、ヒールクランププレートの上面が前記ソールの上面と面一になるように、前記ソールのヒール端の対応するU形の凹部にフィットするように構成されたU形のヒールクランププレートを含む、パラグラフA0~パラグラフA7のいずれか1つに記載の履物物品。
【0065】
A9.前記ソールのヒール端の凹部は、外層の後部輪郭がインソール及びアウトソールよりもさらに後方に延びるように、インソール及びアウトソールの後部輪郭のカーブアウトによって形成される、A8に記載の履物物品。
【0066】
A10.前記1つ以上のクランププレートは、一対の半月形のクランププレートがアッパーの前部をソールに固定するように、前記ソールのトゥ端にある対応する横方向凹部にフィットするように構成された一対の半月形のクランププレートを含む、パラグラフA0~パラグラフA9のいずれか1つに記載の履物物品。
【0067】
A11.前記第1の嵌合特徴は、前記1つ以上のクランププレートから突き出る複数のピンを含み、前記第2の嵌合特徴は、前記ソールの対応する数の穴を含む、パラグラフA0~パラグラフA10のいずれか1つに記載の履物物品。
【0068】
B0.履物物品の製造方法であって、
アッパーの第1の孔をソールの対応する第1の嵌合特徴と位置合わせすることと、
クランププレートを使用してアッパーをソールにクランプすることと、
を含み、前記クランププレートは、アッパーの孔を通して第1の嵌合特徴と嵌合するように構成された第2の嵌合特徴を含む、
方法。
【0069】
B1.前記第1の嵌合特徴は雌であり、前記第2の嵌合特徴は雄である、B0に記載の方法。
【0070】
B2.前記第1の嵌合特徴はいくつかの凹部を含み、前記第2の嵌合特徴は同じ数のピンを含む、B0又はB1に記載の方法。
【0071】
B3.接着剤を使用して前記第1及び第2の嵌合特徴を互いに固定することをさらに含む、パラグラフB0~パラグラフB2のいずれかに記載の方法。
【0072】
B4.前記クランププレートは、クランププレートの上面がソールの上面と面一になるように、クランププレートを受け入れるように形状設定されたソールの凹部にフィットする、パラグラフB0~パラグラフB3のいずれかに記載の方法。
【0073】
B5.アッパーはヒール部及びトゥストラップ部を備え、前記方法は、異なるクランププレートを使用してヒール部及びトゥストラップ部をソールにクランプすることをさらに含む、パラグラフB0~パラグラフB4のいずれかに記載の方法。
【0074】
B6.前記第1及び第2の嵌合特徴は、摩擦嵌合で嵌合するように構成される、パラグラフB0~パラグラフB5のいずれかに記載の方法。
【0075】
B7.前記クランププレートの第2の嵌合特徴は、互いに間隔をおいて配置され、ソールのヒール端の周囲に延びる、パラグラフB0~パラグラフB6のいずれかに記載の方法。
【0076】
利点、特徴、及び恩恵
本明細書に記載の変換可能な履物の異なる実施形態及び例は、公知の方策を上回るいくつかの利点を提供する。例えば、本明細書に記載の例示的な実施形態及び例は、異なる高さのヒールの簡単且つ安全な交換を可能にする。
【0077】
さらに、他の恩恵の中でも、本明細書に記載の例示的な実施形態及び例は、ヒール端固定機構が存在しなくても、歩行中のユーザの足の裏との接触を維持することによってユーザ体験を向上させる。
【0078】
さらに、他の恩恵の中でも、本明細書に記載の例示的な実施形態及び例は、ソールとアッパーとの単純であるが確実な接続と、靴の構築中にその確実な接続を提供するための方法を提供する。
【0079】
これらの機能を果たすことができる公知のシステム又は装置はない。しかしながら、本明細書に記載のすべての実施形態及び例が同じ利点又は同程度の利点を提供するわけではない。
【0080】
結言
上記の開示は、独立した有用性をもつ複数の別個の例を包含し得る。これらのそれぞれは、その好ましい形態で開示されているが、多くの変形が可能であるので、本明細書で開示及び例示されているその具体的な実施形態は、限定する意味で考えられるべきではない。本開示内でセクションの見出しが用いられる範囲内において、そのような見出しは、単にまとめ上げる目的のためである。本開示の主題は、本明細書で開示された様々な要素、特徴、機能、及び/又は特性のすべての新規且つ非自明な組み合わせ及びサブの組み合わせを含む。以下の請求項は、新規且つ非自明とみなされる特定の組み合わせ及びサブの組み合わせを特に取り上げている。特徴、機能、要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及びサブの組み合わせは、本出願又は関連出願からの優先権を主張する出願で特許請求され得る。そのような請求項は、オリジナルの請求項よりも範囲が広い、狭い、等しい、又は異なるかどうかに関係なく、本開示の主題内に含まれるとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7