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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】膜厚分布測定装置及び膜厚分布測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20240530BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01B11/06 Z
H01L21/66 P
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023182131
(22)【出願日】2023-10-23
【審査請求日】2023-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300072587
【氏名又は名称】株式会社多聞
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】堀江 祥仙
(72)【発明者】
【氏名】関根 大輔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 登
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-254741(JP,A)
【文献】国際公開第2020/129453(WO,A1)
【文献】特開平10-76464(JP,A)
【文献】特開2005-30916(JP,A)
【文献】特開2014-99471(JP,A)
【文献】特開2000-292159(JP,A)
【文献】特開2015-17804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/06
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定するための膜厚分布測定装置であって、
前記膜厚分布測定装置は、前記ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、
前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものであり、
前記空間分解能は測定セルサイズの大きさで定義されるものであることを特徴とする膜厚分布測定装置。
【請求項2】
前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させる平行方向駆動部を備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の膜厚分布測定装置。
【請求項3】
前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転移動させる回転方向駆動部を備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の膜厚分布測定装置。
【請求項4】
前記ウェーハを載置する回転自在のウェーハ載置部を備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の膜厚分布測定装置。
【請求項5】
前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系は、ライン光学系を備えるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の膜厚分布測定装置。
【請求項6】
ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系を異なる空間分解能に設定可能な膜厚分布測定装置を用いて、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法であって、
前記空間分解能は測定セルサイズの大きさで定義されるものであり、
前記ウェーハ全面測定系を用いて前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、
前記ウェーハ外周部測定系を用いて前記ウェーハ全面測定系よりも高い空間分解能で前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定することを特徴とする膜厚分布測定方法。
【請求項7】
前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させながら、前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布の測定を行うことを特徴とする請求項6に記載の膜厚分布測定方法。
【請求項8】
前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転させながら、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布の測定を行うことを特徴とする請求項6に記載の膜厚分布測定方法。
【請求項9】
前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系による膜厚分布の測定を、前記ウェーハを回転させながら行うことを特徴とする請求項6に記載の膜厚分布測定方法。
【請求項10】
前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系としてライン光学系を備えたものを用いることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の膜厚分布測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜厚分布測定装置及び膜厚分布測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路装置などの半導体装置の製造においては、半導体基板(ウェーハ)上に複数のチップ(DIE)を形成する。1枚のウェーハから得られるチップの数が多いほど歩留まりが高くなりコストダウンにつながる。1枚のウェーハから得られるチップの数に影響を与える要因の一つに、ウェーハ外周部の有効チップ数がある。ウェーハ外周では、ウェーハ上に設けられた膜の膜厚不均一などの不良要因が存在するため、不良チップになりやすい傾向がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-208212号公報
【文献】特開2017-146288号公報
【文献】特開2015-017804号公報
【文献】特開2013-137205号公報
【文献】特開2000-314612号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】K. Nakazawa et. al., 3D Sequential Process Integration for CMOS Image Sensor, 2021 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), 653-656, 09 March 2022
【文献】Eric Beyne et. al., Nano-Through Silicon Vias (nTSV) for Backside Power Delivery Networks (BSPDN), 2023 Symposium on VLSI Technology and Circuits Digest of Technical Papers, 1-2, 24 July 2023
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高品質のデバイスを高歩留まりで製造する上では、ウェーハ上に設けられた膜の膜厚分布を全面に渡って測定・評価することが必要である。デバイスの製造工程において、ウェーハ外周部の膜厚の変化による、デバイスの歩留まりの低下(特許文献1)を抑制するためには、このような領域の膜厚調整をより正確に行うことが特に重要である。そして、このようなウェーハ外周部領域の膜厚調整を行うためには、ウェーハ外周部の膜厚分布を高い空間分解能で高精度に測定して膜厚分布を把握する必要がある。特に、ウェーハボンディング等の積層により形成する3Dデバイス、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー(非特許文献1参照)、近年注目されているトランジスタへの裏面電源供給ネットワーク(BSPDN:Backside Power Delivery Network、非特許文献2参照)におけるSi層など、ウェーハの外周部のチップ(DIE)の不良を抑制して歩留まりを向上するために、外周部の高精度な膜厚分布測定がますます重要となっている。
【0006】
ウェーハ上に設けられた膜の膜厚分布を測定する装置、方法は、これまでに数多く提案されている(例えば、特許文献2-5)。しかしながら、従来の測定装置を用いてウェーハ全面を高い空間分解能で測定する場合、スループットが低下したり、データが大きくなり扱いにくくなったりするなどの問題がある。
【0007】
そこで、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制可能であり、膜厚の変化が大きい外周部の膜厚分布を高い空間分解能で高精度に測定することが可能な膜厚分布測定装置及び膜厚分布測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定するための膜厚分布測定装置であって、前記膜厚分布測定装置は、前記ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものである膜厚分布測定装置を提供する。
【0009】
このような膜厚分布測定装置によれば、ウェーハの全面及び外周部の領域に応じて分解能を変えた測定が可能なものであるため、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うことが可能なものであり、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制することができる膜厚分布測定装置となる。また、膜厚分布測定装置のフットプリント(装置設置に係る占有面積)を増大させることもない。
【0010】
このとき、前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させる平行方向駆動部を備えるものである膜厚分布測定装置とすることができる。
【0011】
これにより、より簡便なXY座標系での全面の膜厚分布測定を行うことができ、測定データ量を少なくすることができる。
【0012】
このとき、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転移動させる回転方向駆動部を備えるものである膜厚分布測定装置とすることができる。
【0013】
これにより、より簡便に必要なウェーハ外周部のみの膜厚分布測定を行うことができるものとなる。
【0014】
このとき、前記ウェーハを載置する回転自在のウェーハ載置部を備えるものである膜厚分布測定装置とすることができる。
【0015】
これにより、より容易に全面及びウェーハ外周部のみの測定を同時に行うことができ、スループットを上げることが可能になる。また、回転駆動系のみで測定が行えるため装置の構造を簡略化できる。
【0016】
このとき、前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系は、ライン光学系を備えるものである膜厚分布測定装置とすることができる。
【0017】
これにより、より高密度かつより精度良く、より短時間、高スループットで、全面及びウェーハ外周部の膜厚分布測定を行うことができる。
【0018】
本発明は、また、ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系を異なる空間分解能に設定可能な膜厚分布測定装置を用いて、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法であって、前記ウェーハ全面測定系を用いて前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、前記ウェーハ外周部測定系を用いて前記ウェーハ全面測定系よりも高い空間分解能で前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法を提供する。
【0019】
このような膜厚分布測定方法によれば、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制しながら、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚分布測定を高い空間分解能で高精度に行うことができる。
【0020】
このとき、前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させながら、前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布の測定を行う膜厚分布測定方法とすることができる。
【0021】
これにより、より簡便なXY座標系での全面の膜厚分布測定を行うことができ、測定データ量を少なくすることができる
【0022】
このとき、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転させながら、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布の測定を行う膜厚分布測定方法とすることができる。
【0023】
これにより、より簡便に必要なウェーハ外周部のみの膜厚分布測定を行うことができる。
【0024】
このとき、前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系による膜厚分布の測定を、前記ウェーハを回転させながら行う膜厚分布測定方法とすることができる。
【0025】
これにより、より容易に全面及びウェーハ外周部のみの測定を同時に行うことができ、スループットを上げることが可能になる。また、回転駆動系のみで測定が行えるため装置の構造を簡略化できる。
【0026】
このとき、前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系としてライン光学系を備えたものを用いる膜厚分布測定方法とすることができる。
【0027】
これにより、より高密度かつより精度良く、より短時間、高スループットで、全面及びウェーハ外周部の膜厚分布測定を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明の膜厚分布測定装置によれば、ウェーハの全面及び外周部の領域に応じて分解能を変えた測定が可能なものであるため、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うことが可能なものであり、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制することができる膜厚分布測定装置となる。また、膜厚分布測定装置のフットプリントを増大させることもない。
【0029】
本発明の膜厚分布測定方法によれば、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制しながら、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部のみについては、必要な高い空間分解能で高精度に膜厚分布測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る膜厚分布測定装置の一例を示す概念図を示す。
図2】ライン光学系を説明する図である。
図3】本発明に係る膜厚分布測定装置におけるウェーハ全面測定系及びウェーハ外周部測定系を用いた膜厚分布測定の具体例を示す。
図4】比較例の膜厚分布測定結果を説明する図である。
図5】実施例の膜厚分布測定結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
上述のように、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制可能であり、膜厚の変化が大きい外周部の膜厚分布を高い空間分解能で高精度に測定することが可能な膜厚分布測定装置及び膜厚分布測定方法が求められていた。
【0033】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定するための膜厚分布測定装置であって、前記膜厚分布測定装置は、前記ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものである膜厚分布測定装置により、膜厚分布測定装置のフットプリントを増大させることなく、ウェーハの全面及び外周部の領域に応じて分解能を変えた測定が可能なものであるため、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うことが可能なものであり、スループットの低下や測定データが大きくなることや、フットプリントの増加を抑制することができる膜厚分布測定装置となることを見出し、本発明を完成した。
【0034】
本発明者らは、また、ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系を異なる空間分解能に設定可能な膜厚分布測定装置を用いて、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法であって、前記ウェーハ全面測定系を用いて前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、前記ウェーハ外周部測定系を用いて前記ウェーハ全面測定系よりも高い空間分解能で前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法により、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制しながら、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うことができることを見出し、本発明を完成した。
【0035】
以下、図面を参照して説明する。
【0036】
[膜厚分布測定装置]
まず、本発明に係る膜厚分布測定装置について説明する。図1は本発明に係る膜厚分布測定装置の一例を示す概念図である。本発明に係る膜厚分布測定装置100はウェーハWの表面に形成された膜Fの膜厚分布を測定するためのものであり、図1に示されるように、ウェーハWの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系1と、ウェーハWの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系2とを備えている。なお、ウェーハWの表面に形成された膜Fは1層(単層膜)でも、2層以上の多層膜であってもよい。また、ウェーハWの表面の中央部を除いた外周部の範囲は特に限定されず、ウェーハWの直径や膜Fの膜厚分布特性に応じて適宜設定できるが、例えば、ウェーハのエッジ(外周端)部から半径方向内方に10mm、20mm又は30mmの領域とすることができる。
【0037】
また、ウェーハ外周部測定系2とウェーハ全面測定系1は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものである。このようなものとしては、ウェーハ外周部測定系2とウェーハ全面測定系1の少なくとも一方が、他方と独立して空間分解能を調整して設定可能なものであってもよい。
【0038】
このような本発明に係る膜厚分布測定装置100は、ウェーハWの全面及び外周部の領域に応じて空間分解能(精度)を変えることが可能なものであるため、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うように空間分解能を設定することで、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制することができる膜厚分布測定装置である。また、本発明に係る膜厚分布測定装置は一つの膜厚分布測定装置に2つの測定系を備えているため、測定装置のフットプリントを増大させることがない。
【0039】
膜厚分布測定装置100において、図1に示すようにウェーハ全面測定系1とウェーハ外周部測定系2を1つの測定室の中でウェーハ載置部5の上方に配置し、ウェーハ載置部5上に載置されたウェーハWに対してウェーハ全面測定とウェーハ外周部測定とを順次又は同時に行うものであってもよい。
【0040】
また、1つの測定室の中にウェーハ載置部5を複数設け、一のウェーハ載置部に対してウェーハ全面測定系1のみを配置し、他のウェーハ載置部に対してウェーハ外周部測定系2のみを配置したものとしてもよい。さらに、1つの測定室の中にウェーハ載置部5とウェーハの位置決めを行うアライナーを設け、ウェーハ載置部5でウェーハ全面測定系1による測定、アライナーでウェーハ外周部測定系2による測定を行うように構成してもよい。このようなものであれば、複数のウェーハを同時並行して測定可能なものとなる。
【0041】
さらに、本発明に係る膜厚分布測定装置では、測定室を複数設け、一の測定室にウェーハ全面測定系1のみを配置し、他の測定室にウェーハ外周部測定系2のみを配置し、搬送系を共通としてもよい。このようなものでも、複数のウェーハを同時並行して測定可能なものとなる。
【0042】
(ウェーハ全面測定系)
次に、ウェーハ全面測定系1について説明する。本発明に係るウェーハ全面測定系1は、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するものであれば特に限定されない。分光エリプソメトリー法や、反射分光法など、測定方法(測定手段)も特に限定されない。本発明に係るウェーハ全面測定系1は、特に、ライン光学系を備えるものであることが好ましい。このようなものであれば、より高密度かつより精度良い測定を、より短時間で行うことができるものとなる。ライン光学系の詳細については後述する。
【0043】
(ウェーハ外周部測定系)
次に、ウェーハ外周部測定系2について説明する。本発明に係るウェーハ外周部測定系2は、ウェーハ外周部の膜厚分布を測定するものであれば特に限定されない。分光エリプソメトリー法や、反射分光法など、測定方法(測定手段)も特に限定されない。また、ウェーハ外周部測定系2は1つに限らず、複数個備えていてもよい。また、本発明に係るウェーハ外周部測定系2はライン光学系を備えるものであることが好ましい。このようなものであれば、より高密度かつより精度良い測定を、より短時間で行うことができるものとなる。ライン光学系の詳細については後述する。
【0044】
(平行方向駆動部)
本発明に係る膜厚分布測定装置100は、平行方向駆動部3を備えたものとすることができる。平行方向駆動部3は、ウェーハ全面測定系1とウェーハWとを、ウェーハWの表面方向に相対的に平行移動させるものである。これにより、より簡便にウェーハ全面の膜厚分布測定を行うことができるものとなる。図1では、平行方向駆動部3がウェーハ全面測定系1をウェーハWに対して平行移動させる形態を示しているが、平行方向駆動部3がウェーハWをウェーハ全面測定系1に対して平行移動させるものであってもよく、ウェーハWとウェーハ全面測定系1のそれぞれ(両方)を移動可能とするものであってもよい。
【0045】
(回転方向駆動部)
本発明に係る膜厚分布測定装置100は、回転方向駆動部4を備えたものとすることができる。回転方向駆動部4は、ウェーハ外周部測定系2とウェーハWとを、ウェーハWの中心を軸として相対的に回転移動させるものである。これにより、より簡便にウェーハ外周部の膜厚分布測定を行うことができるものとなる。図1ではウェーハ外周部測定系2をウェーハWに対して回転移動させる形態を示しているが、ウェーハWをウェーハ外周部測定系2に対して回転移動させる回転方向駆動部4’であってもよく、ウェーハWとウェーハ外周部測定系2のそれぞれ(両方)を回転可能とするものであってもよい。
【0046】
(ウェーハ載置部)
本発明に係る膜厚分布測定装置100は、ウェーハWを載置する回転自在のウェーハ載置部5を備えるものとすることができる。このようなウェーハ載置部5を備えた膜厚分布測定装置100を用いれば、ウェーハを回転させることで、ウェーハ全面測定系1とウェーハ外周部測定系2とによる膜厚分布の測定を同時に行うこともできる。したがって、より短時間で膜厚分布を測定できる膜厚分布測定装置となる。なお、本発明に係るウェーハ載置部5は、上述の回転方向駆動部4’を具備することも可能である。
【0047】
(ライン光学系)
本発明に係るウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2は、上述のようにライン光学系を備えるものであることが好ましい。
【0048】
ライン光学系の例を図2を用いて説明する。図2はウェーハ全面測定系のライン光学系を説明する図である。図2に示すように、ライン光学系6は、ライン光源10からウェーハW上の膜に入射角度θでライン状の光L1を照射する。そして、ウェーハW表面で反射したライン状の光を検出器13で検出しスペクトル解析することで、1ライン上の膜厚(分布)を測定することができる。なお、図2はウェーハ全面測定系1のライン光学系を例として説明する図であるが、ウェーハ外周部測定系2に備えられる場合であっても測定原理は同様である。
【0049】
ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2がライン光学系を備えたものであれば、より高密度でより精度良い膜厚分布の測定を、より短時間でできるものとなる。
【0050】
特に、ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2がライン光学系6を備えるものとし、平行方向駆動部3及び/又は回転方向駆動部4を備えたものや、回転方向駆動部4’により回転自在のウェーハ載置部5を備えたものとすれば、ライン光学系6を用いたより高密度でより精度の良い膜厚分布の測定を、より短時間でできるという効果と、より簡便にウェーハ全面及び外周部の膜厚分布測定を行うことができるという効果とにより、より高密度でより高精度の膜厚分布の測定を、より簡便に短時間でできるものとなる。
【0051】
(その他)
なお、本発明に係る膜厚分布測定装置は、図示しない制御部によって各部及び/又は全体の制御が行われるものであってもよい。また、ウェーハ全面測定系及びウェーハ外周部測定系においては、カメラと測定対象に合わせて適切なレンズを選択して使用することができる。
【0052】
次に、本発明に係る膜厚分布測定装置について、ウェーハ全面測定系1とウェーハ外周部測定系2の組み合わせ例について、図3を用いて説明する。
【0053】
図3(A)の例では、ウェーハ全面測定系は、ウェーハWの直径方向の全範囲をカバーするライン状の光L1を照射してウェーハ全面の膜厚分布を測定する。また、ウェーハ外周部測定系は、ウェーハWの外周部をカバーするライン状の光L2を照射してウェーハ外周部の膜厚分布をウェーハ全面測定系による測定より高空間分解能(高精度)で測定する。ウェーハWを回転させることで、ウェーハ全面測定系とウェーハ外周部測定系とによりウェーハW全面及び外周部の膜厚分布の測定を行う。図3(A)に示す例では膜厚分布測定装置がウェーハ外周部測定系を2つ備えたものとして異なる2カ所にライン状の光L2を照射するよう構成されており、ウェーハWを半回転するだけでウェーハW全面の膜厚分布全面の膜厚部を測定することができる。
【0054】
図3(B)の例では、ウェーハ全面測定系は、ウェーハWの半径に相当する範囲をカバーするライン状の光L1を照射してウェーハ全面の膜厚分布を測定する。また、ウェーハ外周部測定系は、ウェーハWの外周部をカバーするライン状の光L2を照射してウェーハ外周部の膜厚分布をウェーハ全面測定系による測定より高空間分解能(高精度)で測定する。図3(B)に示す例では、ウェーハWを1回転することでウェーハW全面の膜厚分布全面の膜厚部を測定することができる。
【0055】
図3(C)の例では、ウェーハ全面測定系は、ウェーハWの直径方向の全範囲をカバーするライン状の光L1を照射してウェーハ全面の膜厚分布を測定する。また、ウェーハ外周部測定系としてウェーハWの外周部をカバーするライン状の光L2を照射してウェーハ外周部の膜厚分布をウェーハ全面測定系による測定より高空間分解能(高精度)で測定する。ウェーハWをウェーハ全面測定系に対して相対的に平行移動(直線的に移動)させることで、ウェーハW全面の膜厚分布の測定を行う。また、ウェーハWを回転させることで、ウェーハ外周部測定系によりウェーハWの外周部の膜厚分布の測定を行う。
【0056】
また、上述のようにウェーハ全面測定系による測定とウェーハ外周部測定系による測定とを、別の場所で行うことも可能である。この場合、ウェーハ全面測定系による測定における駆動とウェーハ外周部測定系による測定における駆動については、上述の平行方向駆動部、回転方向駆動部を適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0057】
上述の例のほかに、ウェーハ全面測定系を斜入射の測定光を用いるものとし、ウェーハ外周部測定系を垂直入射の測定光を用いるものとしてもよい。
【0058】
[膜厚分布測定方法]
次に、本発明に係る膜厚分布測定方法について説明する。なお、本発明に係る膜厚分布測定装置について説明した事項については、適宜説明を省略することがある。
【0059】
本発明に係る膜厚分布測定方法は、上述の本発明に係る膜厚分布測定装置を用いてウェーハWの表面に形成された膜Fの膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法である。そして、ウェーハ全面測定系1を用いてウェーハWの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、ウェーハ外周部測定系2を用いてウェーハ全面測定系1よりも高い空間分解能でウェーハWの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定する。本発明に係る膜厚分布測定方法によれば、ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制しながら、膜厚の変化が大きいウェーハ外周部の膜厚測定を高い空間分解能で高精度に行うことができる。膜厚のバラツキが比較的小さいウェーハの中央部の膜厚分布データはウェーハ全面測定系1を用いた膜厚分布測定結果を使用し、膜厚分布が急激に変化する傾向があり、より高精度に測定を行う必要のあるウェーハの外周部の膜厚分布データについてはウェーハ外周部測定系2を用いた膜厚分布測定結果を使用して、ウェーハ上に形成された膜の膜厚分布の評価を行うことができる。
【0060】
本発明に係る膜厚分布測定方法が測定対象とするウェーハWの表面に形成された膜Fは、特に限定されない。ウェーハW上に気相反応などにより成膜された膜、レジスト層などの塗布により形成された膜、ウェーハWの表面が酸化、窒化等により化学的に変換された膜、SOIウェーハのSOI層、BOX層など、どのような膜であってもよい。また、測定対象のウェーハWは、単層の膜だけでなく、2層以上の多層膜が形成されたものであってもよい。
【0061】
このとき、ウェーハ全面測定系1とウェーハWとを、ウェーハWの表面方向に相対的に平行移動させながら、ウェーハWの表面の全面にわたり膜厚分布の測定を行うことが好ましい。これにより、より容易にウェーハ全面の膜厚分布の測定ができる。
【0062】
また、ウェーハ外周部測定系2とウェーハWとを、ウェーハWの中心を軸として相対的に回転させながら、ウェーハWの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布の測定を行うことが好ましい。これにより、より容易にウェーハ外周部の膜厚分布の測定ができる。
【0063】
また、ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2による膜厚分布の測定を、ウェーハWを回転させながら行うことが好ましい。これにより、より短時間でウェーハ全面及び外周部の膜厚分布を測定することができる。
【0064】
また、ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2としてライン光学系6を備えたものを用いることが好ましい。より高密度かつより精度良い測定を、より短時間で行うことができる。
【0065】
特に、ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2がライン光学系6を備えるものを用いるとともに、ウェーハ全面測定系1とウェーハWとをウェーハWの表面方向に相対的に平行移動させながらウェーハWの表面の全面にわたり膜厚分布の測定を行い、及び/又は、ウェーハ外周部測定系2とウェーハWとを、ウェーハWの中心を軸として相対的に回転させながら、ウェーハWの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布の測定を行ったり、ウェーハ全面測定系1及びウェーハ外周部測定系2による膜厚分布の測定をウェーハWを回転させながら行ったりすれば、ライン光学系6を用いたときのより高密度かつより精度良い膜厚分布の測定を、より短時間でできるという効果と、より簡便にウェーハ全面及び/又は外周部の膜厚分布測定を行うことができるという効果とにより、より高密度かつより精度良い膜厚分布の測定を、より簡便に短時間でできる。
【実施例
【0066】
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0067】
(実施例)
直径300mmのシリコンウェーハ上に形成したSi膜の膜厚分布の評価を行った。図1に示す膜厚分布測定装置を用い、ウェーハ全面測定系1を用いてウェーハWの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、ウェーハ外周部測定系2を用いてウェーハ全面測定系1よりも高い空間分解能で、ウェーハWの最外周から半径方向内方に30mm(外周30mm)の範囲の外周部のみの膜厚分布を測定した。空間分解能(1つの測定セルサイズ)は、ウェーハ全面測定系1で200μm×769μm□、ウェーハ外周部測定系2で30μm×115μm□に設定した。この時、カメラと測定対象に合わせた適切なレンズをそれぞれの光学系に使用した。なお、長手方向のセルサイズがスキャンスピードを変えることで、必要な空間分解能に設定可能であり、短手方向は使用するカメラのピクセル数によって空間分解能を変えることができる。
【0068】
(比較例)
ウェーハ全面測定系1のみを備えた膜厚分布測定装置を用い、空間分解能を200μm×769μm□に設定(実施例のウェーハ全面測定系1と同じ)して、ウェーハWの表面の全面にわたり膜厚分布を測定した。
【0069】
膜厚のバラツキが比較的小さいウェーハの中央部の膜厚分布データはウェーハ全面測定系1を用いた膜厚分布測定結果を使用し、膜厚分布が急激に変化する傾向があり、より高精度に測定を行う必要のあるウェーハの外周部の膜厚分布データについてはウェーハ外周部測定系2を用いた膜厚分布測定結果を使用して、ウェーハ上に形成された膜の膜厚分布の評価を行った。評価結果を図4、5に示す。図4(A)、(B)は比較例の結果を示し、図4(A)はウェーハ全面の膜厚分布マップ、図4(B)は図4(A)の外周部(黒線で囲った矩形領域)を拡大した膜厚分布マップ(上図)及び断面膜厚分布(下図)である。図5は実施例の結果を示し、図4(B)と同じ領域の膜厚分布マップ(上図)及び断面膜厚分布(下図)である。なお、実施例におけるウェーハ全面測定系1を用いた測定によるウェーハ全面の膜厚分布マップは図4(A)と同様であった。
【0070】
図4(B)、図5を比較するとわかるように、実施例では膜厚分布が高精度に測定できたことがわかる。比較例では、図4(A)上図に見られる最外周近傍のスパイク状の膜厚分布や下図に示す外周3mmの範囲での膜厚値の上昇のように、ノイズによる影響がみられたが、実施例では最外周に至るまで精度高く膜厚分布が測定できた。また、実施例では外周30mmの範囲のみ高い空間分解能での測定を行っているため、高精度の測定を行いながらも測定時間の増大(スループットの低下)を抑制することができた。
【0071】
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]:ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定するための膜厚分布測定装置であって、前記膜厚分布測定装置は、前記ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものである膜厚分布測定装置。
[2]:前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させる平行方向駆動部を備えるものである上記[1]の膜厚分布測定装置。
[3]:前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転移動させる回転方向駆動部を備えるものである上記[1]又は上記[2]の膜厚分布測定装置。
[4]:前記ウェーハを載置する回転自在のウェーハ載置部を備えるものである上記[1]、上記[2]又は上記[3]の膜厚分布測定装置。
[5]:前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系は、ライン光学系を備えるものである上記[1]、上記[2]、上記[3]又は上記[4]の膜厚分布測定装置。
[6]:ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系を異なる空間分解能に設定可能な膜厚分布測定装置を用いて、ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法であって、前記ウェーハ全面測定系を用いて前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布を測定するとともに、前記ウェーハ外周部測定系を用いて前記ウェーハ全面測定系よりも高い空間分解能で前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定する膜厚分布測定方法。
[7]:前記ウェーハ全面測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの表面方向に相対的に平行移動させながら、前記ウェーハの表面の全面にわたり膜厚分布の測定を行う上記[6]の膜厚分布測定方法。
[8]:前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハとを、前記ウェーハの中心を軸として相対的に回転させながら、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布の測定を行う上記[6]又は上記[7]の膜厚分布測定方法。
[9]:前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系による膜厚分布の測定を、前記ウェーハを回転させながら行う上記[6]、上記[7]又は上記[8]の膜厚分布測定方法。
[10]:前記ウェーハ全面測定系及び前記ウェーハ外周部測定系としてライン光学系を備えたものを用いる上記[6]、上記[7]、上記[8]又は上記[9]の膜厚分布測定方法。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0073】
1…ウェーハ全面測定系、 2…ウェーハ外周部測定系、 3…平行方向駆動部、
4、4’…回転方向駆動部、 5…ウェーハ載置部、 6…ライン光学系、
10…ライン光源、 13…検出器、 100…膜厚分布測定装置。
L1、L2…ライン状の光、 F…膜(多層膜)、 W…ウェーハ。
【要約】
【課題】
ウェーハ全面の膜厚分布を測定するに際し、スループットの低下や測定データが大きくなることを抑制しつつ、膜厚の変化が大きい外周部の膜厚分布を高い空間分解能で高精度に測定することが可能な膜厚分布測定装置及び膜厚分布測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
ウェーハの表面に形成された膜の膜厚分布を測定するための膜厚分布測定装置であって、前記膜厚分布測定装置は、前記ウェーハの表面の全面にわたって膜厚分布を測定するウェーハ全面測定系と、前記ウェーハの表面の中央部を除いた外周部のみの膜厚分布を測定するウェーハ外周部測定系とを備え、前記ウェーハ外周部測定系と前記ウェーハ全面測定系は、互いに異なる空間分解能に設定可能なものである膜厚分布測定装置及びこれを用いた測定方法。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5