(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240530BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240530BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2023191539
(22)【出願日】2023-11-09
【審査請求日】2023-11-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322001864
【氏名又は名称】株式会社デイトナ・インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】目黒 希望
(72)【発明者】
【氏名】早川 瑠緒
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102016(JP,A)
【文献】特開2004-110534(JP,A)
【文献】特開2001-319105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECサイト及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、前記実店舗に設置される表示端末を管理する管理装置であって、
前記ECサイト及び実店舗で販売する商品に関する情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する商品情報記憶部と、
前記実店舗での前記商品の表示に関する指示を受け付ける受付部と、
前記指示に基づいて、前記ECサイト表示用の商品情報から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する加工部と、
前記実店舗表示用の商品情報を、前記実店舗に設置される表示端末に送信する送信部と、
を具備し、
前記
実店舗表示用の商品情報には、前記実店舗を訪れたユーザの端末によって読取可能な、前記商品の商品情報を前記ECサイトで閲覧するためのコード情報が含まれる、
管理装置。
【請求項2】
前記ECサイト表示用の商品情報には、前記商品の画像、製品名、価格を含む商品基本情報のほか、前記商品の評価情報を含み、
前記受付部は、前記商品基本情報のほか、前記商品の評価情報の表示の指示が受け付け可能となっている、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記ECサイト及び前記実店舗で取り扱っている商品ごとに、商品識別IDと商品情報が対応づけて登録されている商品管理データベースをさらに備え、
前記加工部は、前記表示に関する指示を受け付けた商品について、その時点で在庫を有する実店舗及び/又はECサイトを判別し、前記在庫を有する実店舗及び/又はECサイトの在庫情報を含めて、前記実店舗表示用の商品情報として加工する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
ECサイト及び実店舗で販売する商品を管理する管理装置であって、
前記ECサイト及び実店舗で販売する商品に関する情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する商品情報記憶部と、
前記実店舗での前記商品の表示に関する指示を受け付ける受付部と、
前記指示に基づいて、前記ECサイト表示用の商品情報から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する加工部と、
前記実店舗表示用の商品情報を、前記実店舗に設置される表示端末に送信する送信部と、
を具備する管理装置によって管理され、前記実店舗に設置される表示端末であって、
前記表示端末は、表示画面の縦横回転を検出するセンサを備えるとともに、前記表示画面の切り替え制御を行う表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記センサによって前記表示画面が縦から横へ回転されたことが検出された場合に、前記商品に関する設定を可能とする設定画面を表示する一方、その後に、前記センサによって前記表示画面が横から縦に回転されたことが検出されると、前記設定画面から前記実店舗表示用の商品情報に切り替える、表示端末。
【請求項5】
ECサイト及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、前記実店舗に設置される表示端末を管理するコンピュータであって、前記コンピュータは、前記ECサイト及び実店舗で販売する商品に関する情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する商品情報記憶部を備え、
前記コンピュータを、
前記実店舗での前記商品の表示に関する指示を受け付ける受付部と、
前記指示に基づいて、前記ECサイト表示用の商品情報から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する加工部と、
前記実店舗表示用の商品情報を、前記実店舗に設置される表示端末に送信する送信部と、
して機能させるためのプログラムであって、
前記
実店舗表示用の商品情報には、前記実店舗を訪れたユーザの端末によって読取可能な、前記商品の商品情報を前記ECサイトで閲覧するためのコード情報が含まれる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実店舗に設置されるタブレット端末などの表示端末を利用して、商品販売を行う際の支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットショップ(いわゆる、ECサイト)を利用して様々な商品を販売するシステムが広く普及している。例えば、特許文献1には、商品販売サイトサーバが、商品の購入を検討しているユーザのユーザ端末に対して、商品の画像や価格などの商品情報を提供する販売支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ECサイトではなく実店舗で商品の購入を検討するユーザは、現状、自身の五感を通じて実際の商品を確認するか、接客する担当スタッフへ尋ねる以外に商品の詳細を知る術はない。このため、実店舗においては、ユーザが欲する商品の詳細な情報を十分に提供できずに商品販売の機会を逸してしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、実店舗で商品の購入を検討するユーザの満足度を向上させることが可能な商品販売の支援技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る管理装置は、ECサイト及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、実店舗に設置される表示端末を管理する管理装置であって、ECサイト及び実店舗で販売する商品に関する情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する商品情報記憶部と、実店舗での商品の表示に関する指示を受け付ける受付部と、指示に基づいて、ECサイト表示用の商品情報から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する加工部と、実店舗表示用の商品情報を、実店舗に設置される表示端末に送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、実店舗で商品の購入を検討するユーザの満足度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る商品販売支援システム1000の概略構成を示す図である。
【
図3】管理サーバ40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】管理サーバ40の機能モジュールを示すブロック図である。
【
図5A】ECサイト30の商品画面P1を例示した図である。
【
図5B】情報提供端末20に表示される商品画面P2を例示した図である。
【
図6】情報提供端末20に表示される設定画面P10の遷移状態を示すイメージ図である。
【
図7】情報提供端末20に表示される設定画面P10の遷移状態を示すイメージ図である。
【
図8】管理サーバ40による実店舗表示用の商品情報の加工・送信動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、商品としてファッションアイテムを販売する場合を例に説明する。ファッションアイテムには、衣料品、コスメ商品、ジュエリーなど、ファッションに関わるあらゆるものが含まれる。また、以下では同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
A.本実施形態
図1は、本実施形態に係る商品販売支援システム1000の概略構成を示す図である。商品販売支援システム1000は、各ユーザが所持するユーザ端末10と、商品を販売する実店舗に設置される情報提供端末(表示端末)20と、実店舗と同様な商品を販売するECサイト30と、ECサイト30及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、各情報提供端末20を管理する管理サーバ40とを含んで構成される。
【0011】
ユーザ端末10と情報提供端末20とECサイト30と管理サーバ40は、通信ネットワークNを介して相互通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0012】
情報提供端末20は、各実店舗に少なくとも1台以上設置される場合を想定するが、これに限る趣旨ではない。多数の店舗が入居するショッピングモールなどの場合には、フロアごとに情報提供端末20を1台ずつ設置し、複数の実店舗で共用してもよい。また、ユーザ端末10や情報提供端末20の数は、本システム1000を利用する実店舗やユーザの数などに応じて任意に設定することができる。
【0013】
<ユーザ端末10>
ユーザ端末10は、各ユーザが利用する端末であり、スマートフォン、タブレット端末、ハンドヘルドコンピュータデバイス、ウェアラブル端末、携帯電話などによって構成されている。また、ユーザ端末10には、汎用のソフトウェアやブラウザ等が搭載されており、本システム1000を利用するために特別なソフトウェアやブラウザ等のインストールは必要としない。ユーザは、汎用のソフトウェアやブラウザ等を動作させることで、本システム1000が提供する各種サービスを享受する。
【0014】
<情報提供端末20>
情報提供端末(表示端末)20は、例えばタブレット端末などにより構成され、各実店舗の陳列棚やレジカウンター(会計する場所)などに複数設置されている。各実店舗には、1台以上の情報提供端末20が設置されるほか、商品販売の支援、管理、分析などが可能なPOSシステムなどが設置されてもよい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る情報提供端末20の構成を示す図である。
図2に示すように、情報提供端末20は、表示パネル210、カメラ220、回転検出センサ230、及びコンピュータ240を備えて構成されている。
【0016】
表示パネル210は、例えばタッチ操作可能なタッチパネルディスプレイであり、様々な表示画面を表示する。表示パネル210は、例えば有機ELディスプレイパネル等の自発光型ディスプレイパネルによって構成される。自発光型のディスプレイパネルの代わりに、バックライト型や反射型のディスプレイパネルを用いてもよい。
【0017】
カメラ(撮像部)220は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いたカメラであり、例えば情報提供端末20の上方などに埋め込んで設けられている。カメラ220の活用例として、例えば情報提供端末20をタッチ操作するユーザなど、情報提供端末20の前方に位置するユーザ等を撮像してもよい。ユーザ等を撮像した画像(ユーザ画像)は、コンピュータ240に出力してもよい。
【0018】
回転検出センサ230は、例えば加速度センサやジャイロセンサ等によって構成され、情報提供端末20の縦横回転を検出し、検出結果をコンピュータ240に出力する。詳細は後述するが、コンピュータ240は、回転検出センサ230から得られる検出結果に基づき、情報提供端末20が縦方向から横方向へ所定角度以上(例えば、60°以上)回転したことが検出されると、商品に関する様々な設定を可能とする設定画面を表示パネル210に表示する。一方、コンピュータ240は、回転検出センサ230から得られる検出結果に基づき、情報提供端末20が横方向から縦方向へ所定角度以上(例えば、60°以上)回転したことが検出されると、設定画面から、様々な商品情報を表示する情報提供画面へ切り替える。
【0019】
コンピュータ240は、CPU等を備えた制御部241と、光ディスク装置、半導体メモリ、ハードディスク装置等からなる記憶装置242と、タッチパネル等からなる入力部243と、各種の通信インタフェース等からなる通信部244とを備えている。制御部241は、記憶装置242に格納された様々のプログラムを実行することにより、コンピュータ240の各部を中枢的に制御する。
【0020】
記憶装置242には、本システム1000を利用するために必要なソフトウェアやブラウザアプリ等が格納されるほか、カメラ220によって撮影された各ユーザのユーザ画像や、各種コンテンツ(広告など)が格納されている。ソフトウェアの一例として、例えば当該情報提供端末20に表示する商品情報などを切り替えるためのソフトウェアなどが挙げられるが、もちろんこれに限られない。また、記憶装置242には、管理サーバ40から提供(送信)される、各商品に関する商品情報(例えば、商品画像、商品名、価格、スタイリング画像など)が格納されている。なお、管理サーバ40から情報提供端末20に送信される商品情報は、情報提供端末20のリソース(メモリ容量、表示画面の大きさなど)を考慮し、実店舗向けに編集・加工されているが、この点については後述する。
【0021】
<ECサイト30>
ECサイト30は、実店舗と同様な商品をオンラインで販売するWebサイトであり、例えば各実店舗を管理する企業などによって運営される。ECサイト30で販売される商品に関する商品情報は、管理サーバ40によって管理される。
【0022】
<管理サーバ40>
管理サーバ(管理装置)40は、例えばサーバコンピュータ等によって構成され、ECサイト30及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、各実店舗に設置されている情報提供端末20を管理する。管理サーバ40は、本システム1000を運営する事業者など(以下、運営者)によって保守・管理される。
【0023】
図3は、管理サーバ40のハードウェア構成を示すブロック図である。
管理サーバ40は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ41と、通信インタフェース42と、記憶装置43とを備える。
【0024】
プロセッサ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサである。
【0025】
通信インタフェース42は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の装置と通信する通信部として機能する。
【0026】
記憶装置43は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置43は、管理サーバ40の各種機能を実現するためのプログラム431及びそのプログラム431で使用される様々なデータなどを記憶するデータベース432を備えている。
【0027】
データベース432には、例えば、ユーザ管理データベース(DB)432a、情報提供端末管理データベース432b、商品管理データベース(DB)432cなどが含まれる。
【0028】
ユーザ管理DB432aには、本システム1000を利用してWebサイト及び/又は実店舗で商品を購入等する各ユーザに関わる様々な情報が登録されている。例えば、ユーザ管理DB432aには、ユーザごとに、ユーザ識別IDと個人情報が対応づけて登録されている。個人情報は、例えばユーザの氏名、年齢、性別、生年月日、居住所、電話番号、メールアドレスやSNSのアカウント名といった基本情報のほか、利用実績のある実店舗の店舗IDやメールアドレス、電話番号などのコンタクト情報、さらには、過去の利用履歴を示す履歴情報(例えば、購入した商品の場所、品名、品番、購入年月日など)等を含んでいてもよい。
【0029】
情報提供端末管理DB432bには、各実店舗に設置される情報提供端末20に関わる様々な情報が登録されている。例えば、情報提供端末管理DB432bには、設置される実店舗の店舗番号や端末識別ID(識別番号など)が登録されている。もちろん、これに限る趣旨ではなく、例えば情報提供端末20ごとに、端末識別IDと設定情報が対応づけて登録されていてもよい。設定情報は、例えば各商品に対して設定されているキャンペーン情報(例えば、〇×商品、30%オフなど)や、当該端末において表示可能な商品に関する商品情報(例えば、商品画像、商品名、価格、スタイリング画像など)、過去の表示履歴を示す履歴情報等を含んでいてもよい。なお、管理サーバ40は、所定のURLにアクセスすることで、各情報提供端末20の利用を一元管理できるようにしてもよい。
【0030】
商品管理DB432cには、実店舗及びWebサイトで取り扱っている商品ごとに、商品識別IDと商品情報が対応づけて登録されている。商品情報には、商品画像、商品名、商品の種類(例えば、トップス、パンツ、シューズ、アクセサリーなど)、色、柄、サイズ、素材、価格などのほか、在庫情報(例えば、実店舗及びECサイト30それぞれの在庫の有無、在庫数など)、評価情報(例えば、各商品について、ユーザからのレビュー内容、レビュー数など)、実店舗に在庫がある商品については棚位置情報(例えば、商品が陳列されている棚位置など)、おすすめのコーディネート情報(例えば、デニムコーディネートにおすすめのアイテムであれば「デニムコーデ」など)、当該商品を着用している様々な人のスナップ写真画像等を含んでいてもよい。
【0031】
図4は、プロセッサ41が記憶装置43に記憶されているプログラム431を実行することによって実現される機能モジュールを示すブロック図である。
図4に示すように、機能モジュールには、アカウント管理部410、サイト表示用記憶部411、受付部412、加工部413、送信部414が含まれる。
【0032】
アカウント管理部410は、管理サーバ40にアクセスするためのアカウント(例えば、ID、パスワードを含む情報など)を管理するとともに、各アカウントでのログインを受け付ける。
【0033】
サイト表示用記憶部411は、実店舗及びECサイト30で販売する商品(本実施形態では、様々なファッションアイテム)に関する商品情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する。
【0034】
図5Aは、ECサイト30の商品画面P1を例示した図である。
ECサイト30の商品画面P1は、ユーザがユーザ端末10を利用してECサイト30にアクセスすることで表示される画面である。ECサイト30の商品画面P1には、ECサイト表示用の商品情報IF01が表示される。
図5Aに示す例では、ECサイト表示用の商品情報として、商品画像IF1、商品名IF2、価格IF3、スタイリング画像IF4などの商品基本情報ほか、商品のアピールポイントなどをあらわす説明情報IF5、サイズや素材をあらわすサイズ・素材情報IF6、当該商品に対するユーザの評価や店舗スタッフの評価をあらわす評価情報IF7などが含まれるが、これに限る趣旨ではない。
【0035】
受付部412は、実店舗での商品の表示に関する様々な指示を受け付ける(詳細は後述)。指示入力には、例えばECサイト表示用の商品情報の中から、実店舗で表示する商品情報(すなわち、実店舗表示用の商品情報)を抽出する指示や、表示レイアウトに関する指示などが含まれる。実店舗表示用の商品情報として、例えば商品画像、商品名、価格、スタイリング画像などが挙げられるが、もちろんこれに限られない。
【0036】
加工部413は、入力される指示に基づいて、ECサイト表示用の商品情報の中から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する。
【0037】
送信部414は、実店舗表示用の商品情報を、対応する実店舗(例えば、実店舗A)に設置されている各情報提供端末20に送信する。一例として、管理サーバ40は、対応する端末識別IDを利用することで、所望の情報提供端末20に実店舗表示用の商品情報を送信する。情報提供端末20は、管理サーバ40から実店舗表示用の商品情報を受信すると、これを記憶装置242に格納するとともに、表示パネル210に表示する。
【0038】
図5Bは、情報提供端末20の表示パネル210に表示される商品画面P2を例示した図である。
商品画面(情報提供画面)P2には、実店舗表示用の商品情報IF02が表示される。
図5Bに示す例では、実店舗表示用の商品情報として、ECサイト表示用の一部の商品情報(商品基本情報)、具体的には商品画像IF1、商品名IF2、価格IF3、スタイリング画像IF4が含まれている。実店舗表示用の商品情報として、ECサイト表示用の商品情報の中のいずれの商品情報を抽出し、加工するかは、任意に設定・変更可能である。例えば、本システム1000の利用開始時に、どの商品情報を商品画面P2に表示したいか、実店舗の管理者からヒアリングして表示設計を行い、表示設計に従ってECサイト表示用の商品情報の中から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工するようにしてもよい。
【0039】
一例として、スタイリング画像IF4ではなく、評価情報IF7や、サイズ・素材情報IF6を含むように、実店舗表示用の商品情報を加工してもよい。また、これらの情報に代えて(または加えて)、商品管理DB432cに格納されている、当該商品のECサイト30の在庫情報や、当該実店舗(例えば、店舗A)の在庫情報を表示してもよい。さらに、当該商品について、その時点で在庫を有する実店舗(及び/又は)ECサイトを管理サーバ40(加工部)が自動判別し、在庫を有する実店舗(及び/又は)ECサイトの在庫情報も含むように、実店舗表示用の商品情報を加工してもよい。
【0040】
また、商品画面P2には、ECサイト30において当該商品の商品情報を確認するための2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))COが表示される。ユーザは、実店舗に当該商品の在庫がない場合でも、自身のユーザ端末10を操作して2次元コードCOを読み取り、ECサイト30にアクセスすることで当該商品を購入することが可能となる。このように、商品画面P2に表示される2次元コード(コード情報)COを利用することで、ユーザは、ECサイト経由で当該商品を購入したり、当該商品の詳細な商品情報(例えば、評価情報や、素材、製造国など)を確認したりすることが可能となる。なお、本実施形態では、コード情報として2次元コードを例示したが、1次元バーコードなどでもよい。
【0041】
以下、図面を参照しながら情報提供端末20による商品の様々な設定動作について説明する。
図6及び
図7は、情報提供端末20に表示される設定開始から設定完了までの設定画面P10の遷移状態を示すイメージ図である。
情報提供端末20は、回転検出センサ230から得られる検出結果に基づき、情報提供端末20が縦方向から横方向へ所定角度以上(例えば、60°以上)回転したことを検知すると、表示パネル210に表示する画面を、情報提供画面から設定画面P10に切り替える。
【0042】
実店舗のスタッフ(以下、店舗スタッフ)は、[アイテムを追加する]ボタンB1をタッチ操作することで、商品やキャンペーンの追加が可能となる。なお、
図6では図示していないが、[アイテムを削除する]ボタンなどを設定画面P10に設け、アイテムを追加するだけでなく、アイテムを削除できるようにしてもよい。
【0043】
店舗スタッフが[アイテムを追加する]ボタンB1をクリックすると、プルダウン操作によって商品かキャンペーンの選択が可能となる。例えば、商品を追加する場合(
図6参照)、店舗スタッフは、商品の識別番号を入力欄F1に入力した後、[設定する]ボタンB2をクリックする。一方、店舗スタッフは、[開く]ボタンB3をクリックすると、商品がどのように表示されるのか、設定画面上で確認することが可能となる。
【0044】
詳述すると、設定された商品の画像が画面上段から中段にかけて表示され、画面の下段には当該商品のコーディネート画像が表示される。なお、中段の商品の画像の直下には、当該商品の商品情報(商品名や価格など)をECサイトで確認するための2次元コードが表示される。また、当該商品がその店舗においてディスカウント・セールを行っている場合には、ディスカウント後の価格を表示するとともに、ディスカウントされている旨を表示してもよい。
【0045】
一方、キャンペーンを設定する場合(
図7参照)、店舗スタッフは、プルダウン操作によってキャンペーンの選択を行った後、キャンペーンの識別番号を入力欄F1に入力し、[設定する]ボタンB2をクリックする。これにより、キャンペーンの設定が可能となる。設定されたキャンペーンは、[開く]ボタンB3をクリックすることで、キャンペーンの確認が可能となる。
【0046】
店舗スタッフは、右上の[キャンペーン一覧はこちら]ボタンB4をクリックすることで、現在設定可能なキャンペーン一覧の確認が可能となる。ここでは、キャンペーンの内容CC(例えば、10%オフ)と、対応するキャンペーンの識別情報CDとが確認可能となっている。なお、キャンペーンの内容などは、一例にすぎず、どのようなキャンペーンを設定するかは任意である。
【0047】
また、以上説明したアイテムの追加や削除、キャンペーンの設定は、情報提供端末20ごとに個別に設定することができる。すなわち、実店舗に複数の情報提供端末20が設置されている場合には、各情報提供端末の設置箇所(例えば、売り場)などに応じて、最適な情報が掲載されるように個別に設定することができる。
【0048】
店舗スタッフは、アイテムの追加や削除、キャンペーンの設定を完了すると、情報提供端末20を横方向から縦方向へ回転させる。情報提供端末20は、回転検出センサ230から得られる検出結果に基づき、情報提供端末20が横方向から縦方向へ所定角度以上回転したことを検知すると、表示パネル210に表示する画面を、設定画面P10から情報提供画面に切り替える。
【0049】
次に、管理サーバ40による実店舗表示用の商品情報の加工・送信動作について、
図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
前提として、情報提供端末20を導入するクライアント(例えば、実店舗Aの管理者)から、本システム1000の利用開始時に、表示設計に関するヒアリング(例えば、どの商品情報を商品画面P2に表示するかなど)が行われているものとする。
【0050】
本システム1000の運営者は、管理者からのヒアリング結果に基づき、当該クライアントの実店舗に設置されている情報提供端末20の表示設計を行い、管理サーバ40に表示に関する指示を入力する。
【0051】
管理サーバ40は、表示に関する指示を受け付けると、商品管理DB432cにアクセスし、入力された指示に従って、ECサイト表示用の商品情報の中から、必要な情報を抽出する(ステップS1)。管理サーバ40は、抽出した情報を、実店舗表示用の商品情報として加工する(ステップS2)。管理サーバ40は、当該クライアントの各情報提供端末20宛てに送信し(ステップS3)、処理を終了する。この結果、情報提供端末20の表示パネル210には、実店舗表示用の商品情報として、例えば
図5Bに示すような、商品画像、商品名、価格、スタイリング画像を含む商品情報が表示される。
【0052】
以上説明した本実施形態では、商品としてファッションアイテムを販売する場合を例に説明する場合について説明したが、もちろんこれに限る趣旨ではない。食料品や家電製品、室内装飾品など、商品として販売可能なあらゆる物に適用可能である。
【0053】
また、情報提供端末20に搭載されているカメラや人感センサ(以下、検知センサ)などを利用することで、様々な効果測定を行ってもよい。例えば、検知センサを利用して情報提供端末20の前方などで商品情報を閲覧するユーザの滞在時間を測定したり、情報提供端末20の操作履歴などを確認することで、ユーザにとって関心の高い商品や商品情報を特定できるようにしてもよい。また、測定されるユーザの滞在時間に応じて、情報提供端末20に表示されるおすすめの商品情報を切り替えるようにしてもよい。
【0054】
B.その他
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0055】
1000…商品販売支援システム、10…ユーザ端末、20…情報提供端末、210…表示パネル、220…カメラ、230…回転検出センサ、240…コンピュータ、241…制御部、242…記憶装置、243…入力部、244…通信部、30…ECサイト、40…管理サーバ、41…プロセッサ、42…通信インタフェース、43…記憶装置、410…アカウント管理部、411…サイト表示用記憶部、412…受付部、413…加工部、414…送信部、431…プログラム、432…データベース、432a…ユーザ管理DB、432b…情報提供端末管理DB、432c…商品管理DB
【要約】
【課題】実店舗で商品の購入を検討するユーザの満足度を向上させることが可能な商品販売の支援技術を提供する。
【解決手段】ECサイト及び実店舗で販売する商品を管理するとともに、実店舗に設置される表示端末を管理する管理装置であって、ECサイト及び実店舗で販売する商品に関する情報であって、ECサイト表示用の商品情報を格納する商品情報記憶部と、実店舗での商品の表示に関する指示を受け付ける受付部と、指示に基づいて、ECサイト表示用の商品情報から必要な情報を抽出し、実店舗表示用の商品情報として加工する加工部と、実店舗表示用の商品情報を、実店舗に設置される表示端末に送信する送信部とを具備する。
【選択図】
図4