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特許7496174ロック手段を設けられた折り畳み式パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ロック手段を設けられた折り畳み式パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240530BHJP
   A45C 5/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B65D6/18 A
A45C5/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023504743
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2021070453
(87)【国際公開番号】W WO2022023149
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】2007901
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロナン アフレ ドゥ サン ローム
(72)【発明者】
【氏名】ヤニック フランク
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-018005(JP,A)
【文献】特開2002-255162(JP,A)
【文献】特表平08-510981(JP,A)
【文献】国際公開第2000/068099(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
A45C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(20)と、パネル(21、22、23、24)で構成された周縁部とを有するケース(2)と、
蓋(3)と、を備えるパッケージ(1)であって、
前記パッケージ(1)は、
前記パネル(21、22、23、24)及び前記蓋(3)が前記底部(20)と実質的に平行に延伸する扁平形態と、
前記ケース(2)が収納空間を定め、前記蓋(3)が収納空間アクセス位置と収納空間閉封位置の間で可動である使用形態と、の間で折り畳め、
前記パッケージ(1)は、
ロック機構と、
前記蓋(3)をその閉封位置でロックする第1ロック手段(51)と、
前記パッケージ(1)をその扁平形態でロックする第2ロック手段(52)と、を備え、
前記ロック機構は前記蓋(3)の前記閉封位置において前記第1ロック手段(51)と協働し、前記第1ロック手段(51)は、前記蓋(3)によって与えられる少なくとも1つのアンカー点(511)を備え、
前記ロック機構は前記パッケージ(1)の前記扁平形態において前記第2ロック手段(52)と協働し、前記第2ロック手段(52)は、前記底部(20)及び/又は前記周縁部の少なくとも一つのパネル(21、22、23、24)によって与えられる少なくとも一つのアンカー点(521)を備え、
前記ロック機構は、
ロック位置とロック解除位置の間で可動な少なくとも1つの作動装置(41、42)と、
前記アンカー点(511、521)のそれぞれのためのフッキング部材(441、442)と、を備え、
前記フッキング部材(441、442)は前記作動装置(41、42)によって可動に駆動され、
前記ロック機構は、
前記パッケージ(1)の前記扁平形態において前記第1ロック手段(51)と協働することはなく
前記パッケージ(1)の前記使用形態において前記第2ロック手段(52)と協働することはないことを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記ロック機構は、
前記パッケージ(1)の外面に位置するインターフェース(40)と、
2つの作動装置(41、42)と、を備え、
それぞれの作動装置(41、42)は、それぞれ、前記インターフェース(40)に位置する操作可能部分(410、420)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記操作可能部分(410、420)は、それらのロック位置からそれらのロック解除位置へ、またその逆に、互いに対して反対方向に可動であることを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記作動装置(41、42)の動きを阻止するためのロック(43)を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記ロック機構は、前記作動装置(41、42)をそのロック解除位置からそのロック位置に戻す傾向にある、前記作動装置(41、42)を弾性的に戻す手段を備えることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記ロック機構は前記ケース(2)又は前記蓋(3)に配置されたハウジングにまとめられることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記パッケージ(1)の前記使用形態において、前記第2ロック手段(52)の前記又は各アンカー点(521)は、前記ケース(2)又は前記蓋(3)に配置されたキャビティ(6)に格納されることを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記パッケージ(1)の前記扁平形態において、
第1フレーム要素と呼ばれる、前記パネル(21、22、23、24)、前記底部(20)、及び前記蓋(3)のうちの1つと、
第2フレーム要素と呼ばれる、前記パネル(21、22、23、24)、前記底部(20)、及び前記蓋(3)のうちの別のものとは、
前記パネル(21、22、23、24)、前記底部(20)、及び前記蓋(3)のうちの残りの周りにフレームを少なくとも部分的に作り、
前記ロック機構は前記第1フレーム要素に位置し、前記第2ロック手段(52)の前記又は各アンカー点(521)は前記第2フレーム要素に位置することを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記周縁部は、前記底部(20)に回転可能に取り付けられた4つのパネル(21、22、23、24)を備え、前記4つのパネル(21、22、23、24)は、
第1パネル(21)と、
前記第1パネル(21)に対向する第2パネル(22)と、
第3パネル(23)と、
前記第3パネル(23)に対向する第4パネル(24)と、を含み、
前記パッケージの前記扁平形態において、
前記第3パネル(23)及び前記第4パネル(24)は前記底部(20)の上に折り畳まれ、
前記第1パネル(21)は前記第3パネル(23)及び前記第4パネル(24)の上に折り畳まれ、
前記第2パネル(22)は前記底部(20)の延長上に折り返され、
前記蓋(3)は、前記第3パネル(23)、前記第4パネル(24)、及び前記第2パネル(22)上に、かつ前記第1パネル(21)の延長上に置かれることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記蓋(3)は前記第2パネル(22)に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項9に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、物体を2つの目的地の間で送付するための、梱包手段とも呼ばれるパッケージ、即ち容器に関する。
【背景技術】
【0003】
物体を安全に運送するために、プラスチック材料及び段ボールで作られた箱のようなパッケージが知られている。
【0004】
一般に、パッケージは、少なくとも1つの運送される物体が収容される収納空間を一緒に定める底部及び周縁部を有するケースを備える。
【0005】
また、パッケージは、ケースに対して可動である、又はケースに取り付けられた蓋を備え、この蓋は、特に、蓋がケースの収納空間を閉じる収納空間の閉封位置を取り得る。
【0006】
従来、これらのパッケージは折り畳み式である。従って、それらは、ケースが形成されて収納空間を定める使用形態と、パッケージがそれ自体折り畳まれてより小さな嵩を生じさせる扁平形態との間で可動である。
【0007】
特に、周縁部は、
-第1パネルと、
-第2パネルと、
-第1パネルと対向する第3パネルと、
-第2パネルと対向する第4パネルと、を備える。
【0008】
従って、それぞれのパネルは、
-それが底部と実質的に平行に延伸する収納位置と、
-それが底部と実質的に垂直に延伸する使用位置と、を取り得る。
【0009】
物体を運送するために、ユーザは扁平形態にあるパッケージを手に取る。実際、ほとんどの場合、周縁部のパネルはそれらの収納位置にあり、それはパッケージが扁平形態にあることを暗に意味する。
【0010】
そして、ユーザは、ケースを成形しなければならず、即ち周縁部のそれぞれのパネルをその使用位置に置くことで収納空間を定めなければならない。
【0011】
そして、ユーザは、物体を収納空間に挿入し、蓋を収納空間の閉封位置に置き得る。
【0012】
従来、パッケージの蓋は接着ストリップによって閉封位置に固定される。
【0013】
そのような接着ストリップは、蓋がその閉封位置から収納空間アクセス位置へ自由に移動することを防ぐ。
【0014】
これらの接着ストリップの使用は特に容易であり、それらの開封は一般に切断又は引き剥がしによって行われ得る。
【0015】
それにもかかわらず、接着ストリップを設けられたパッケージを開くための方法は、破壊的である。実際、接着ストリップ自体は再使用できず、パッケージは接着ストリップに加えられる切断(パッケージを構成する材料上に延伸する切断)の影響で損傷することが大いにあり得、又は、接着ストリップを引き剥がす場合、この引き剥がしによって、接着ストリップを有するパッケージのコーティングの一部が取り去られ得る。
【0016】
より一般に、段ボール製のパッケージは、一般に、たった1回の発送、又は特に限られた回数の発送に使用されるだけである。
【0017】
これらの段ボール製のパッケージは、これらのパッケージが取り扱われる条件、及びそれらが晒されるだろう環境条件によって、特にはやく劣化する傾向にある。
【0018】
その結果、物流運送中に使用される段ボールの量を考慮に入れると、この型のパッケージの製造の簡単で容易な性質を考慮した場合でさえ、これらの段ボールの使用は、環境に優しくなく、特に多量の資源を必要とすると考えられ得る。
【0019】
最近、再使用できるパッケージの計画が現れている。これらの再使用できるパッケージは、それらを再生利用又は修理することが必要となる前に何度も使用できる能力を有する。結局、それは段ボール製のパッケージより複雑で費用のかかる設計又は製造をもたらすが、そのような再使用できるパッケージのエコロジカル・フットプリントはより優れている。
【0020】
しかし、再使用できるパッケージの使用によって、幾つかの問題が起こる。
【0021】
実際、既に使用されたパッケージ、即ち、受取人によって受け取られ、再使用又は返送される前に収納されるパッケージの収納に関する問題が存在する。
【0022】
実際、ユーザは、パッケージを受け取ったとき、必ずしもそのパッケージを直接に返送又は再使用できるとは限らず、それを脇に置いておかなければならない。その使用形態において、段ボール製のパッケージはかなり嵩張る。その結果、この嵩張りを低減することを目指す解決策が必要である。
【0023】
段ボール製のパッケージはその形態に関して戻すことができる。しかし、扁平形態にあり、かつ、既に使用された、即ち既に少なくとも一度成形されたパッケージの嵩張りが、大抵、それがその最初の使用前にその扁平形態で示すものより大きいことが実施によって示されている。
【0024】
例えば、既に使用され、扁平形態に戻されたパッケージが、容積を持つ形態に戻る傾向にあることが観察されている。勿論、これらのパッケージは強制的な方法で平らに保たれ得るが、この影響は外部応力がない場合にまだ残り得る。
【発明の概要】
【0025】
本発明の目的は、特に、従来技術の欠点を克服することにある。
【0026】
より具体的に、本発明の目的は、以前の使用から生じるどんな跡も示さずに再使用されるだろう、又は以前の使用から生じる最小の跡を示す傾向にあるパッケージを提案することにある。
【0027】
本発明の別の目的は、2回の使用の間で容易に収納され得るそのようなパッケージを提供することにある。
【0028】
これらの目的、及び後で現れる他の目的は、パッケージに関する本発明のおかげで達成され、そのパッケージは、
-底部と、パネルで構成された周縁部とを有するケースと、
-蓋と、を備え、
パッケージは、
-パネル及び蓋が底部と実質的に平行に延伸する扁平形態と、
-ケースが収納空間を定め、蓋が収納空間アクセス位置と収納空間閉封位置の間で可動である使用形態と、の間で折り畳め、
パッケージは、
-ロック位置とロック解除位置の間で可動な少なくとも1つの作動装置を備えるロック機構と、
-蓋をその閉封位置でロックする第1手段と、
-パッケージをその扁平形態でロックする第2手段と、を備え、
ロック機構は蓋の閉封位置において第1ロック手段と協働し、
ロック機構はパッケージの扁平形態において第2ロック手段と協働し、
ロック機構は、
-パッケージの扁平形態において第1ロック手段に対して、
-パッケージの使用形態において第2ロック手段に対して、
非アクティブであることを特徴とする。
【0029】
本発明によるパッケージは、再使用できる能力をそれに与える傾向にある特性を有する。
【0030】
従って、実際、ロック手段はパッケージに直接に統合されることで再使用できる。それ故、より具体的に、ロック解除位置からロック位置へのその移行は、そのような取扱い中に劣化する接着ストリップの使用とは比べものにならない。
【0031】
また、本発明によるこのパッケージロック手段はパッケージを扁平形態で維持するように働くことができる能力を有する。
【0032】
その結果、パッケージは、パッケージのユーザの自発的な行動の後でのみ、その扁平形態を離れ得る。
【0033】
このようにして、以前に使用されたパッケージは、その扁平形態に再び移され、その位置でロックされ得る。
【0034】
それ故、その扁平形態において、この位置でロックされることで、パッケージは、それが、その扁平形態にあり、使用されていなかったときに生じさせた嵩張りと同等のものを維持する。
【0035】
加えて、ユーザは、扁平位置にあり、この位置にロックされた複数のパッケージが、時間と共に、開き、より重大な嵩張りを形成することがないと疑いなく確信し得る。
【0036】
好ましい解決策によれば、ロック機構は、
-パッケージの外面に位置するインターフェースと、
-2つの作動装置と、を備え、
それぞれの作動装置は、それぞれ、インターフェースに位置する操作可能部分を含む。
【0037】
この解決策のおかげで、ロック機構は、パッケージの外面に対して行われる動作によってロックを解除され得る。
【0038】
そして、2つの作動装置の実施のために、ロックが偶然に解除されることは起こりそうもない。
【0039】
従って、パッケージはより有効なロック機構を有する。
【0040】
この場合、有利に、操作可能部分は、それらのロック位置からそれらのロック解除位置へ、またその逆に、互いに対して反対方向に可動である。
【0041】
従って、操作可能部分の動きは逆になる。例えば、第2作動装置を右方にスライドさせ得るとき、第1作動装置を左方にスライドさせなければならない。
【0042】
別の例によれば、第2作動装置を下方にスライドさせなければならないとき、第1作動装置を上方にスライドさせなければならない。
【0043】
この設計によって、ロック解除機構の安全をさらに強化することが可能になる。実際、この場合、ロック解除は自発的に行われた動作の後でのみ起こり得、偶然のロック解除は起こりそうもない。
【0044】
特に、例えば衣類によってパッケージ上で意図せず生じた摩擦によって、作動装置が引っ掛かったまま同じ方向にスライドする結果、2つの作動装置のロックが解除されることは回避される。
【0045】
有利に、ロック機構は、1つ又は複数の作動装置の動きを阻止するためのロックを備える。
【0046】
この場合、ロック機構は、動きを阻止され得、鍵、又は数字、文字等の組合せによってのみ動きの阻止を解除され得る。
【0047】
そのようなロックは、パッケージが、権限を与えられた人によってのみ、開かれ、又はその扁平形態を離れ得ることを保証する。
【0048】
想定できる一実施形態によれば、動きを阻止するロックは、電子式であり、従って例えばコンピューサーバ又は適合する電子機器によって送られる命令によって制御され得る。
【0049】
そのような状況において、パッケージはオンボード電子装置を備える。オンボード電子装置は、それが、そのような命令を処理し、コンピューサーバ及び/又は電子機器と遠隔で通信することを可能にする。
【0050】
1つの有利な特徴によれば、ロック機構は、1つ又は複数の作動装置をそのロック解除位置からそのロック位置に戻す傾向にある、1つ又は複数の作動装置を弾性的に戻す手段を備える。
【0051】
従って、作動装置はそのロック位置を維持する傾向にある。
【0052】
有利に、ロック機構はケース又は蓋に配置されたハウジングにまとめられる。
【0053】
従って、このロック機構は、パッケージの外側でもパッケージの内側でも、見えることも嵩張ることもない。
【0054】
1つの好ましい設計によれば、
-第1ロック手段は、蓋によって与えられる少なくとも1つのアンカー点を備え、
-第2ロック手段は、底部及び/又は周縁部の少なくとも1つのパネルによって与えられる少なくとも1つのアンカー点を備え、
-ロック機構は、アンカー点のそれぞれのためのフッキング部材を備え、フッキング部材は1つ又は複数の作動装置によって可動に駆動される。
【0055】
この設計によって、特に信頼できるロック機構が提供される。
【0056】
好ましい一解決策によれば、パッケージの使用形態において、第2ロック手段の前記又は各アンカー点は、ケース又は蓋に配置されたキャビティに格納される。
【0057】
このようにして、第2ロック手段のアンカー点はパッケージにその使用形態でどんな嵩張りも生じさせない。換言すれば、このアンカー点は、パッケージの使用形態において、ケースによって定められた収納空間内に突出部を形成しない。
【0058】
好ましい一実施形態によれば、パッケージの扁平形態において、
-第1フレーム要素と呼ばれる、パネル、底部、及び蓋のうちの1つと、
-第2フレーム要素と呼ばれる、パネル、底部、及び蓋のうちの別のものとは、
パネル、底部、及び蓋のうちの残りの周りにフレームを少なくとも部分的に作り、
ロック機構は第1フレーム要素に位置し、第2ロック手段の前記又は各アンカー点は第2フレーム要素に位置する。
【0059】
このようにして、ロック機構及び第2ロック手段は、第1フレーム要素と第2フレーム要素を互いに対して適所に保持し、フレーム要素によって保持されたパネル、底部、及び蓋のうちの残りを維持することを可能にする。
【0060】
一変形例によれば、周縁部は、底部に回転可能に取り付けられた4つのパネルを備え、4つのパネルは、
-第1パネルと、
-第1パネルに対向する第2パネルと、
-第3パネルと、
-第3パネルに対向する第4パネルと、を含み、
パッケージの扁平形態において、
-第3パネル及び第4パネルは底部の上に折り畳まれ、
-第1パネルは第3パネル及び第4パネルの上に折り畳まれ、
-第2パネルは底部の延長上に折り返され、
-蓋は、第3パネル、第4パネル、及び第2パネル上に、かつ第1パネルの延長上に置かれる。
【0061】
この変形例は場所を取らないパッケージの扁平形態を提供する。
【0062】
有利に、第3パネルと第4パネルは底部に格納されることで底部の上に折り畳まれる。
【0063】
1つの有利な特徴によれば、蓋は第2パネルに回転可能に取り付けられる。
【0064】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい一実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭に見えてくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1図1は、扁平形態にある、本発明によるパッケージの概略上面斜視図である。
図2図2は、パッケージのケースが形成されて蓋によって閉じられる収納空間を定める使用形態に従う、本発明によるパッケージの概略上面斜視図である。
図3図3は、パッケージの蓋によって与えられたアンカー点を示す円形の詳細図の付いた、扁平形態と使用形態の間の中間状態にある、本発明によるパッケージの概略上面斜視図ある。
図4図4は、図3と比較して別の角度から見られ、パッケージの底部によって与えられたアンカー点を示す円形の詳細図を含む、概略上面斜視図である。
図5図5は、パッケージのケースのパネルの後面の概略上面斜視図である。パネルはパッケージをロックするための機構を含む。
図6図6は、特に底部と蓋とパッケージのケースのパネルとの間の結合部を示す円形の詳細図の付いた、扁平形態にあるパッケージ1の概略上面斜視図である。
図7図7は、ロック位置にある作動装置を示す概略斜視図である。
図8図8は、図7と類似し、ロック解除位置にある作動装置を示す概略斜視図である。
図9図9は、作動装置のロック解除位置及びロック位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1から7に関連して、本発明によるパッケージ1が以下に説明される。
【0067】
パッケージ1は、
-ケース2と、
-蓋3と、を備える。
【0068】
図1、2、3、4、及び6を参照して、ケース2は底部20及び周縁部を備える。
【0069】
周縁部は、特に、パネル21、22、23、24から構成される。
【0070】
より具体的に、周縁部は、
-第1パネル21と、
-第2パネル22と、
-第3パネル23と、
-第4パネル24と、を含む4つのパネルを備える。
【0071】
本実施形態によれば、これらの4つのパネル21、22、23、24は底部20に回転可能に取り付けられ、蓋3は第2パネル22に回転可能に取り付けられる。
【0072】
別の想定できる実施形態によれば、蓋3は、取り外し可能であり得、収納空間が閉じられるときにケース2上に置かれなければならない。
【0073】
本発明の1つの原理に従って、パッケージ1は折り畳み式である。
【0074】
特に、このパッケージは、
-パネル21、22、23、24、及び蓋3が底部20と実質的に平行に延伸する扁平形態(図1及び6)と、
-ケース2が収納空間を定める使用形態(図2)と、の間で折り畳める。
【0075】
扁平形態は、特にパッケージ1の収納形態に相当する。
【0076】
使用形態において、蓋3は収納空間アクセス位置と収納空間閉封位置の間で可動である。
【0077】
図2に示されるように、パッケージ1はその使用形態にあり、蓋3はその収納空間閉封位置にある。
【0078】
使用形態において、図3及び4に示されるように、第2パネル22は第1パネル21に対向し、第4パネル24は第3パネル23に対向する。そして、パネル21、22、23、24は展開される。
【0079】
それらの展開位置において、第1パネル21、第2パネル22、第3パネル23、及び第4パネル24は、底部20と実質的に垂直に延伸し、帯を定める。そして、周縁部は、連続し、底部20と共に収納空間の範囲を定める。
【0080】
図に示されるように、パッケージ1の扁平形態において、
-第3パネル23及び第4パネルは底部20の上に折り畳まれ、
-第1パネル21は第3パネル23及び第4パネル24の上に折り畳まれ、
-第2パネル22は底部20の延長上に折り畳まれ、
-蓋3は、第1パネル21の延長上のみならず、第3パネル23、第4パネル24、及び第2パネル22上に置かれる。
【0081】
まだ本実施形態によれば、底部20は、それ自体、収納空間に開いたキャビティを定める。パッケージ1の扁平形態において、第3パネル23及び第4パネル24は底部20のキャビティ内に格納されることで底部20の上に折り畳まれる。
【0082】
このようにして、第3パネル23及び第4パネル24は、底部20の上に折り畳まれるとき、底部20の上に突出しない。
【0083】
その結果、パッケージ1の扁平形態において、パッケージ1は底部20の厚さと蓋3の厚さのみから生じる全高を有する。
【0084】
また、図1から7に関連して、本発明の原理に従って、パッケージ1は、
-ロック機構と、
-蓋3をその閉封位置でロックする第1手段51と、
-パッケージ1をその扁平形態でロックする第2手段52と、を備える。
【0085】
ロック機構は、ロック位置とロック解除位置の間で可動である少なくとも1つの作動装置41、42を備える。
【0086】
このロック機構は蓋3の閉封位置において第1ロック手段51と協働する。加えて、ロック機構はパッケージ1の扁平形態において第2ロック手段52と協働する。
【0087】
ロック機構は、パッケージ1の扁平形態において第1ロック手段51に対して、パッケージ1の使用形態において第2ロック手段52に対して非アクティブである。
【0088】
換言すれば、パッケージ1の扁平形態において、ロック機構は、パッケージ1をロックする第2手段52と協働し、パッケージをその扁平形態に維持するが、第1ロック手段51とは協働しない(非アクティブ状態)。
【0089】
他方、パッケージ1の使用形態において、ロック機構と第1ロック手段51は互いに協働して蓋3をその閉封位置でロックするが、ロック機構は第ロック手段52とは協働しない(非アクティブ状態)。
【0090】
本実施形態によれば、ロック機構は、
-パッケージ1の外面に位置するインターフェース40と、
-第1作動装置41及び第2作動装置42を含む2つの作動装置41、42と、
-ロック43と、
-作動装置41、42を弾性的に戻す手段と、を備える。
【0091】
第1作動装置41及び第2作動装置42は、それぞれ、インターフェース40上に位置する操作可能部分410、420を含む。図6に、特に円形の詳細図によって示されるように、作動装置41、42はスライドする(矢印F)操作可能部分410、420を有する。
【0092】
より具体的に、図6に示される第1作動装置41はロック位置にある。この作動装置41の操作可能部分410をパッケージ1の外側の方へスライドさせ、それをそのロック解除位置に動かし得る。
【0093】
本実施形態によれば、操作可能部分410、420はそれらのロック位置からそれらのロック解除位置へ互いに対して反対方向に可動である。
【0094】
逆に、これらの操作可能部分410、420は、それらのロック解除位置からそれらのロック位置へ互いに対して同じ方向に可動であることが理解される。
【0095】
換言すれば、操作可能部分410、420の動きを逆にし、そのため、第1作動装置41を右方にスライドさせなければならないとき、第2作動装置42を左方にスライドさせなければならず、それにより作動装置のロック解除が可能になる。
【0096】
作動装置41、42を弾性的に戻す手段は、これらの作動装置41、42をそれらのロック解除位置からそれらのロック位置に戻す傾向にある。
【0097】
この弾性戻し手段は例えばバネで形成される。
【0098】
このようにして、作動装置41、42は常にそれらのロック位置を取る傾向にある。
【0099】
図2に関連して、ロック43は作動装置41、42の動きを阻止することを可能にする。
【0100】
適合する鍵によって、作動装置41、42の動きの阻止及びその解除が可能になる。
【0101】
例えば、このロックは、旅行中の税関管理を容易にするように設計されたスーツケース又はラゲッジのロックシステムで採用されている型のものでもよい。
【0102】
図5並びに図1及び2に示されるように、ロック機構はケース2及び蓋3に配置されたハウジングにまとめられる。
【0103】
より具体的に、ロック機構は、第1パネル21に配置されたハウジングに生じるケーシング45内にまとめられる。
【0104】
従って、ロック機構のインターフェース40は第1パネル21に配置される。
【0105】
図3及び4を参照して、第1ロック手段51及び第2ロック手段52は、それぞれ、2つのアンカー点511、521を備える。
【0106】
第1ロック手段51のアンカー点511は蓋3によって与えられ、第2ロック手段52のアンカー点521は底部20によって与えられる。本実施形態によれば、第2ロック手段52のアンカー点521は底部20によって与えられる。変形例として、第2ロック手段52のアンカー点521は、周縁部の少なくとも1つのパネル21、22、24によって与えられる。
【0107】
これらのアンカー点511、521は特に突出部で形成され、突出部は、それぞれ、特に突出部を横に貫通する孔であるフック要素を有する。
【0108】
図5、7、8、及び9を参照して、ロック機構は、それに関する限り、アンカー点511、521のそれぞれのためのフッキング部材441、442を備える。
【0109】
これらのフッキング部材441、442は作動装置41、42によって可動に駆動される。
【0110】
特に、これらのフッキング部材441、442は、アンカー点511、521を受けるためのハウジングに、少なくとも部分的に位置する。
【0111】
図7から9は具体的に第1作動装置41を示す。この第1作動装置41の構造は第2作動装置42のものと同じである。但し、第2作動装置42はこの第2作動装置42の位置に適合している。その結果、第1作動装置41の以下の説明は第2作動装置42にも適用できる。
【0112】
図7から9に示される実施形態によれば、それぞれのフッキング部材441、442は、アンカー点の突出部によって与えられたフック要素と協働するように設計されたボルト4410、4420を含む。アンカー点は、特にそのためのフッキング部材に対応する受けハウジングに挿入されることを意図されている。
【0113】
想定できる一実施形態によれば、それぞれのフッキング部材441、442は、例えば、作動装置41、42の1つに並進するように固定され得る。
【0114】
図7から9に示される実施形態によれば、フッキング部材441、442は、回転可能であり、作動装置41の操作可能部分410のスライドの影響下で回転駆動される。
【0115】
より具体的に、操作可能部分410は基部400上で並進可能である。
【0116】
より具体的に図9に示されるように、フッキング部材441は、基部400によって保持された第1軸R1の周りに回転可能である。また、このフッキング部材441はアーム4412によって保持されたガイド面4411を備え、そのボルト4410はフックによって形成される。
【0117】
操作可能部分410は、円筒若しくは円柱状の要素又はローラーによって形成されたカム4101を有する。このカム4101は、図9に示されるように、ガイド面4411と相補的である。
【0118】
本実施形態によれば、フッキング部材441を弾性的に戻す手段によって、それをロック位置に戻すことが可能になる。
【0119】
従って、操作可能部分410、従ってカム4101の変位「d」によって、フッキング部材441を回転駆動することが可能になる。
【0120】
同様に、図7及び8に示されるように、フッキング部材442は、基部400によって保持された第2軸R2の周りに回転可能である。また、このフッキング部材442はアーム4422によって保持されたガイド面4421を備え、そのボルト4420はノッチによって形成される。
【0121】
操作可能部分410はピンによって形成されたカム4102を有する。このカム4102は、図7及び8に示されるように、ガイド面4421と相補的である。
【0122】
本実施形態によれば、フッキング部材442を弾性的に戻す手段によって、それをロック位置に戻すことが可能になる。
【0123】
従って、操作可能部分410、従ってカム4102の変位「d」によって、フッキング部材442を回転駆動することが可能になる。
【0124】
また、図7及び9を参照して、それぞれのボルトは斜面又は適切な曲面を有してもよく、それにより、アンカー点を受けハウジングに挿入する間、ボルトを押しのけることが可能になり、このアンカー部材を受けハウジングに十分に挿入すると、このアンカー部材の自動ロックが可能になる。
【0125】
実際、アンカー部材が受けハウジング内に完全に挿入されるとすぐに、ボルトは、弾性戻し手段の影響下、アンカー点のフック要素と協働することで、受けハウジング内に再び延伸し得る。
【0126】
図2、4及び6に示されるように、第2ロック手段52のアンカー点521はケース2に配置されたキャビティ6に格納される。従って、これらのアンカー点は、パッケージ1がその使用形態にあるとき、パッケージ1内にどんな嵩張りも生じさせない。
【0127】
より具体的に、第2ロック手段52のアンカー点521は、展開位置にある第3パネル23又は第4パネル24と整列するように底部20から延伸する。従って、キャビティ6は第3パネル23及び第4パネル24によって与えられる。
【0128】
キャビティ6を閉じるために、パッケージはそれぞれのキャビティ6のためのカバー60を有する。これらのカバー60は第2ロック手段52のアンカー点521を保護することを意図されている。カバー60は底部20に固定される。カバー60は展開位置にある第3パネル23及び第4パネル24の外面の延長上に延伸する。
【0129】
先に説明されたように、ロック機構の第2ロック手段52との協働によって、パッケージ1をその扁平形態で維持することが可能になる。
【0130】
実際、パッケージ1の扁平形態において、
-第1フレーム要素と呼ばれる、パネル21、22、23、24、底部20、及び蓋3のうちの1つと、
-第2フレーム要素と呼ばれる、パネル21、22、23、24、底部20、及び蓋3のうちの別のものとは、
パネル21、22、23、24、底部20、及び蓋3のうちの残りの周りにフレームを少なくとも部分的に作る。
【0131】
加えて、上記で説明されたように、ロック機構は第1パネル21に位置し、従って第1パネル21は第1フレーム要素を形成し、第2ロック手段52のそれぞれのアンカー点521は底部20に位置し、従って底部20は第2フレーム要素を形成する。
【0132】
思い出させるものとして、パッケージ1の扁平形態において、第3パネル23及び第4パネルは底部20の上に折り畳まれ、第1パネル21は第3パネル23及び第4パネル24の上に折り畳まれる。従って、第1パネル21に位置するロック機構の第2ロック手段52との協働によって、第3パネル23及び第4パネル24を折り畳み位置に保持することが可能になり、そして第1パネル21は底部20に固定される。
【0133】
さらに、第2パネル22は底部20の延長上に折り畳まれ、蓋3は、第1パネル21の延長上だけではなく、第3パネル23、第4パネル24、及び第2パネル22の上に置かれる。
【0134】
本実施形態によれば、図6に示されるように、第1パネル21は、パッケージ1の扁平形態において蓋3の前縁に部分的に重なるキャップ7を備える。
【0135】
その結果、第1パネル21に位置するロック機構の第2ロック手段52との協働は、キャップ7によって、ケース2を成形するユーザの意思なしに、蓋3及び第2パネル22がそれらの位置から離れることを防ぐことも可能にする。
【0136】
図1から6に関連して、パッケージ1の使用例が以下に説明される。
【0137】
パッケージ1の扁平形態から、ユーザは、インターフェース40の両側に手を置き、操作可能部分410、420に圧力を働かすことで、作動装置41、42をそれらのロック位置からそれらのロック解除位置にスライドさせ得る。
【0138】
それ以後、圧力を維持することで、ロック機構が解除される。
【0139】
ユーザは、第1パネル21をその展開位置に直接に傾け得る。
【0140】
そして、蓋3はキャップ7による保持から自由になる。
【0141】
そして、ユーザは蓋3を第2パネル22に対して後方に傾け得る。
【0142】
そして、第3パネル23及び第4パネル24も自由になり、ユーザはそれらを展開し得る。
【0143】
述べられていない一変形例において、第3パネル23及び第4パネル24の展開は、前記第3パネル23及び第4パネル24を展開位置に戻す手段を用いて自動的に行われる。
【0144】
そして、ユーザは、第2パネル22を前方にその展開位置へ傾け、そして形成されたケース2の上に蓋3を折り重ねなければならない。
【0145】
蓋3のその収納空間閉封位置への移動は蓋3のロックを直接にもたらす。
【0146】
実際、この位置へ動くことで、第1ロック手段51はフッキング部材441を受けるためのハウジングに直接に固定される。
【0147】
そして、パッケージ1は、蓋3がその閉封位置でロックされた状態で、その使用形態となる。
【0148】
パッケージ1の折り畳みは、先に説明されたパッケージ1の成形の方法と逆に行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9