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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】苔玉スタンド
(51)【国際特許分類】
   A01G 22/30 20180101AFI20240530BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20240530BHJP
【FI】
A01G22/30
A01G9/02 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024023324
(22)【出願日】2024-02-20
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724002117
【氏名又は名称】大西 海里
(73)【特許権者】
【識別番号】724001659
【氏名又は名称】金本 泰秀
(73)【特許権者】
【識別番号】724001660
【氏名又は名称】金本 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】大西 海里
(72)【発明者】
【氏名】金本 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】金本 泰秀
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-110034(JP,A)
【文献】登録実用新案第3130111(JP,U)
【文献】登録実用新案第3140984(JP,U)
【文献】米国特許第6564509(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0231173(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0325951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 2/00-33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
苔玉を支持する苔玉スタンドであって、
前記苔玉を吊り下げた状態で前記苔玉の重量を支えるスタンド本体と、
一端が前記スタンド本体に接続されると共に他端が前記苔玉に接続され、前記苔玉を引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材と、
前記苔玉の下に固定された底板と、
前記底板に向かい合って配置された位置確認板と、を備え、
前記苔玉の水分量に応じて、前記底板の前記位置確認板に対する距離が変化することを特徴とする苔玉スタンド。
【請求項2】
前記スタンド本体は、アクリル板で構成され、机に置くことが可能な土台と、当該土台から立ち上がる立ち上がり部と、当該立ち上がり部の上端から下側に湾曲した湾曲部と、当該湾曲部と前記弾性部材の前記一端とを繋げるフック部とを有し、
前記土台の一部は、平面視において前記苔玉の周囲からはみ出ていることを特徴とする請求項1に記載の苔玉スタンド。
【請求項3】
L字状の前記位置確認板の基端に固定された第一磁石と、前記立ち上がり部に沿って移動自在な第二磁石とを更に備え、
前記第二磁石を移動させることにより、前記第一磁石と前記第二磁石とが吸着して高さを調整することを特徴とする請求項2に記載の苔玉スタンド。
【請求項4】
前記底板は、中央から前記苔玉の内部に向けて立ち上がる棒部を有しており、当該棒部の先端を前記弾性部材の前記他端に引っ掛けていることを特徴とする請求項1に記載の苔玉スタンド。
【請求項5】
前記底板は、平面視において前記苔玉に隠れていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の苔玉スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苔玉の鑑賞と育成を同時に達成するための苔玉スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、苔玉はインテリアとして人気があり、この苔玉を支持するスタンドが一体となった苔玉スタンドが注目されている。特許文献1~2に記載の苔玉スタンドでは、苔玉を支持するために様々な工夫が施されている。
【0003】
従来の苔玉スタンドとして、例えば特許文献1に記載の貯水容器がある。この貯水容器は、給水口と内部に溜まった水を苔玉まで吸い上げる自然灌水装置とを備えた球体型であり、重量や音により水の残量を把握して、給水口から水を補充するものである。つまり、重量や音により水の管理をしている状態であり、苔玉自体に直接的に水やりをするわけではない。
【0004】
従来の苔玉スタンドの外装として、例えば特許文献2に記載の瓦型の苔玉スタンドが開示されている。この瓦型の苔玉スタンドは、瓦の表面また裏面に球形状を呈する苔玉の底部に合致する円形状の窪みを形成しており、苔玉を安定して載置するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-110034号公報
【文献】登録実用新案第3130111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~2記載の発明は、重量や音により水の管理をしているため水やりのタイミングが分からず枯れることや、瓦型の苔玉スタンド自体が大きく場所をとってしまう問題があった。さらに、苔玉の大きさが変わってしまうと特許文献2記載の瓦型スタンドは安定感を損なってしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであって、苔玉を適切に育成するための水やりのタイミングが分かることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る苔玉スタンドの特徴構成は、苔玉を支持する苔玉スタンドであって、前記苔玉を吊り下げた状態で前記苔玉の重量を支えるスタンド本体と、一端が前記スタンド本体に接続されると共に他端が前記苔玉に接続され、前記苔玉を引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材と、前記苔玉の下に固定された底板と、前記底板に向かい合って配置された位置確認板と、を備え、前記苔玉の水分量に応じて、前記底板の前記位置確認板に対する距離が変化することを特徴とする点にある。
【0009】
本構成は、苔玉を吊り下げた状態で苔玉の重量を支えるスタンド本体と、一端がスタンド本体に接続されると共に他端が苔玉に接続され苔玉を引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材とを備えているため、苔玉吊り下げ型スタンドとなっており、瓦型スタンドのような従来のスタンドよりスタンド自体がスペースを取らない仕組みになっている。この苔玉吊り下げ型スタンドは、苔玉の大きさに応じて弾性部材が伸縮するだけなので、瓦型スタンドのように苔玉の大きさが変わって安定感が損なわれない。
【0010】
また、苔玉を引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材を使用することによって、苔玉の重さで弾性部材が伸縮し高さの変化を出しやすくしている。これによって、苔玉自体の重量によって苔玉の位置が変化し、苔玉を飼育している実感がわく。
【0011】
さらに、本構成では、苔玉の下に固定された底板と、底板に向かい合って配置された位置確認板とを備え、苔玉の水分量に応じて、底板の位置確認板に対する距離が変化する。その結果、従来のスタンドにはない底板と位置確認板とが一定の距離離れることによって水やりのタイミングが分かる仕組みになっている。例えば、苔玉が湿潤状態にあるときには底板と位置確認板とが接触し、苔玉が乾燥状態にあるときには底板と位置確認板とが離れるため、底板と位置確認板との離れた距離に応じて水やりの量やタイミングが見て分かる。よって、苔玉を枯らすことなく、適切な育成を図ることができる。
【0012】
このように、コンパクトで実用的な苔玉スタンドでありながら、苔玉を適切に育成するための水やりのタイミングを直感的に把握可能な発明となっている。
【0013】
他の特徴構成は、前記スタンド本体は、アクリル板で構成され、机に置くことが可能な土台と、当該土台から立ち上がる立ち上がり部と、当該立ち上がり部の上端から下側に湾曲した湾曲部と、当該湾曲部と前記弾性部材の前記一端とを繋げるフック部とを有し、前記土台の一部は、平面視において前記苔玉の周囲からはみ出ていることを特徴とする点にある。
【0014】
本構成では、スタンド本体に透明なアクリル板を使用することにより、見た目がカジュアルになり、周りの背景に溶け込むことができる。また、本構成のスタンド本体は、土台と立ち上がり部と湾曲部とフック部とを有することで機能性に優れ、土台の一部が苔玉の周囲からはみ出していることで、安定感もある。
【0015】
他の特徴構成は、L字状の前記位置確認板の基端に固定された第一磁石と、前記立ち上がり部に沿って移動自在な第二磁石とを更に備え、前記第二磁石を移動させることにより、前記第一磁石と前記第二磁石とが吸着して高さを調整することを特徴とする点にある。
【0016】
本構成では第一磁石と第二磁石との吸着力を利用して底板及び位置確認板の相対位置の調整が可能となるため、苔玉に対して水やりタイミングが直感的にわかる底板と位置確認板との初期設定操作も簡単で、双方の微調整もできる。その結果、本構成の苔玉スタンドは、様々な大きさの苔玉に対応することができる。
【0017】
他の特徴構成は、前記底板は、中央から前記苔玉の内部に向けて立ち上がる棒部を有しており、当該棒部の先端を前記弾性部材の前記他端に引っ掛けていることを特徴とする点にある。
【0018】
本構成では、苔玉の内部に向けて立ち上がる棒部の先端を弾性部材に引っ掛ける構造であるため、苔玉の外形を傷つけることなく棒を通すことができている。その結果、苔玉自体の美しさを損なうことなく鑑賞することができる。
【0019】
他の特徴構成は、前記底板は、平面視において前記苔玉に隠れていることを特徴とする点にある。
【0020】
本構成では、苔玉に底板が隠れていることにより、苔玉自体の見た目の変化を最小限に抑えることが可能となり、苔玉の美しさを保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】苔玉スタンドの左側面図である。
図2】苔玉スタンドの正面図である。
図3】苔玉スタンドの平面図である。
図4図2のA-A断面図である。
図5】苔玉スタンドの斜視図である。
図6】苔玉に水分を与えた時の概念図である。
図7】苔玉の水分が乾いた時の概念図である。
図8】苔玉スタンドのその他の実施形態(1)を示す斜視図である。
図9】苔玉スタンドのその他の実施形態(2)を示す左側面図である。
図10】苔玉スタンドのその他の実施形態(3)を示す左側面図である。
図11】苔玉スタンドのその他の実施形態(3)を示すA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明に係る苔玉スタンドの実施形態について、図面を参照して説明する。苔玉スタンド100は、観賞,育成用の苔玉Kを支持するものである。図1図5に示すように、苔玉スタンド100は、スタンド本体1と弾性部材2と底板3と位置確認板4と苔玉引っ掛け部5とを備えている。
【0023】
スタンド本体1は、苔玉Kを吊り下げた状態で苔玉Kの重量を支える。弾性部材2は、苔玉Kを引っ張る方向に弾性力を与える。底板3は、苔玉Kの下に固定されている。位置確認板4は、底板3に向かい合って配置されている。苔玉引っ掛け部5は、底板3から苔玉Kを通して弾性部材2に向かって引っ掛けられている。本実施形態では、苔玉Kの水分量に応じて、底板3の位置確認板4に対する距離が変化する。
【0024】
このように、苔玉Kを吊り下げた状態で苔玉Kの重量を支えるスタンド本体1と、一端がスタンド本体1に接続されると共に他端が苔玉Kに接続され苔玉Kを引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材2とを備えているため、苔玉吊り下げ型スタンドとなっており、瓦型スタンドのような従来のスタンドよりスタンド自体がスペースを取らない仕組みになっている。
【0025】
また、苔玉Kを引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材2を使用することによって、苔玉Kの重さで弾性部材2が伸縮し高さの変化を出しやすくしている。この苔玉スタンド100は、苔玉Kの大きさに応じて弾性部材2が伸縮するだけなので、瓦型スタンドのように苔玉Kの大きさが変わって安定感が損なわれない。これによって、苔玉自体の重量によって苔玉Kの位置が変化し、苔玉Kを飼育している実感がわく。
【0026】
さらに、苔玉Kの下に固定された底板3と、底板3に向かい合って配置された位置確認板4とを備え、苔玉Kの水分量に応じて、底板3の位置確認板4に対する距離が変化する。その結果、従来のスタンドにはない底板3と位置確認板4とが一定の距離離れることによって水やりのタイミングが分かる仕組みになっている。
【0027】
スタンド本体1は、土台11と立ち上がり部12と湾曲部13とフック部14とで構成されている。土台11の隅から立ち上がり部12が土台11に対して上部に向かって立っており、立ち上がり部12の上端からアーチ状に湾曲部13があり、湾曲部13の先端から下部に向かってフック部14が構成されている。
【0028】
スタンド本体1に透明なアクリル板を使用している。その結果、見た目がカジュアルになり、周りの背景に溶け込むことができる。また、スタンド本体1は、土台11と立ち上がり部12と湾曲部13とフック部14とを有することで機能性に優れ、土台11の一部が苔玉Kの周囲からはみ出していることで、安定感もある。また、スタンド本体1に透明なアクリル板を使用することで光を通すため、苔玉Kの観賞や飼育の妨げにならない。
【0029】
土台11は、苔玉Kの中心を通る断面積より表面積が大きく構成されているため、平面図で見たときに苔玉Kによって土台11が隠れることはなく、安定感も高い(図3参照)。また、土台11に形状の指定はなく、苔玉Kを支えられるのであればどのような形状をしていても良い。
【0030】
立ち上がり部12は、苔玉スタンド100において高さをつける役割を持っている。そのため、弾性部材2及び苔玉引っ掛け部5の長さを足した長さと底板3から土台11の高さをすべて足した高さが立ち上がり部12の長さになっている。
【0031】
湾曲部13は、立ち上がり部12とフック部14とを繋げる役割を担っている。湾曲部13の形状に指定はなく、湾曲部13は、アーチ状でも土台11に対して平行でも構わない。
【0032】
フック部14は、苔玉引っ掛け部5をスタンド本体1に吊るす役割があり、苔玉引っ掛け部5とフック部14の間には弾性部材2がある。フック部14は釣り針のような形や板に穴を開けて引っ掛けられるような形状であれば良い。
【0033】
弾性部材2は、フック部14と苔玉引っ掛け部5をつなぐために用いるゴムやバネ等の伸縮される材料で形成されている。また、苔玉Kの含水量によって重量が変化し、弾性部材2の伸縮性により苔玉Kが上下する。弾性部材2の一端はフック部14(スタンド本体1)に接続されており、弾性部材2の他端は苔玉引っ掛け部5(苔玉K)に接続されている。
【0034】
図4に示すように、底板3は苔玉引っ掛け部5(棒部の一例)と繋がっており、苔玉引っ掛け部5は、苔玉Kと一体化されている。苔玉Kの下に付属の底板3から苔玉引っ掛け部5を使い、弾性部材2に吊るす機構を持つ。苔玉Kが苔玉引っ掛け部5を介して吊り下げられているため、弾性部材2に苔玉Kの重量が伝わりやすい。
【0035】
このように、苔玉Kの内部に向けて立ち上がる苔玉引っ掛け部5の先端を弾性部材2に引っ掛ける構造であるため、苔玉Kの外形を傷つけることなく棒を通すことができている。その結果、苔玉自体の美しさを損なうことなく鑑賞することができる。
【0036】
底板3は、苔玉Kより下にあり、表面積が苔玉Kの中心を通る断面積より小さいため、平面視において苔玉Kに隠れており、鑑賞する際の邪魔になりづらい(図3参照)。また、苔玉Kに底板3が隠れていることにより、苔玉自体の見た目の変化を最小限に抑えることが可能となり、苔玉Kの美しさを保つことができる。なお、底板3は、鑑賞の邪魔にならなければ円形でなくても良い。
【0037】
苔玉引っ掛け部5は、苔玉Kを底板3に固定するためのものである。苔玉引っ掛け部5は、底板3の中央から苔玉Kの内部に向けて立ち上がり、苔玉引っ掛け部5の先端を弾性部材2の他端に引っ掛けている。苔玉引っ掛け部5は、苔玉Kを吊るすための構造であり、吊るすことができれば材料は問わない。なお、苔玉引っ掛け部5は、下端を曲げていない状態で苔玉Kの内部を介して底板3の貫通孔に通し、下端をU字状に折り曲げて底板3の別の貫通孔に引っ掛けて、苔玉Kと一体化している。
【0038】
図6及び図7に示すように、位置確認板4は、確認板41とスライド部42とを有している。苔玉Kを水につけ、スタンドに取り付けた後、位置確認板4を底板3に接触させることにより、確認板41と底板3との距離を確認して水やりのタイミングがわかる構造になっている。図6に示すように、苔玉Kが湿潤状態にあるときには底板3と位置確認板4とが接近或いは接触し、図7に示すように、苔玉Kが乾燥状態にあるときには底板3と位置確認板4とが離れるため、底板3と位置確認板4との離れた距離に応じて水やりの量やタイミングが見て分かる。よって、苔玉Kを枯らすことなく、適切な育成を図ることができる。
【0039】
図4に示すように、確認板41は、立ち上がり部12にスライド部42が磁石43を利用して固定されていて、土台11と平行になる位置となっている。また、確認板41の長さは、土台11のおおよそ3分の2ほどあれば良い。
【0040】
スライド部42は、立ち上がり部12に磁石43を利用して固定されていて、確認板41を底板3の高さに合わせる機構を持つ。スライド部42と立ち上がり部12との固定方法は、上述した磁石43に代えて、スライド用のレールや溝などでも良い。
【0041】
磁石43は第一磁石43Aと第二磁石43Bとに分けられる。第一磁石43AはL字状の位置確認板4の基端となるスライド部42に固定されており、第二磁石43Bは立ち上がり部12に沿って移動自在である。磁石43は、位置確認板4とスタンド本体1とを繋げる役割があり、確認板41と第二磁石43Bを持って移動させることで、位置確認板4と底板3との距離を調整できる。つまり、第二磁石43Bを移動させることにより、第一磁石43Aと第二磁石43Bとが吸着して位置確認板4の高さを調整することができる。他にも磁石43を使うことで引っ掛かりがなく、あらゆる大きさの苔玉Kでも水分量が分かるようになっている。
【0042】
このように、第一磁石43Aと第二磁石43Bとの吸着力を利用して底板3及び位置確認板4の相対位置の調整が可能となるため、苔玉Kに対して水やりタイミングが直感的にわかる底板3と位置確認板4との初期設定操作も簡単で、双方の微調整もできる。その結果、本実施形態の苔玉スタンド100は、様々な大きさの苔玉Kに対応することができる。
【0043】
[その他の実施形態]
(1)図8に示すように、立ち上がり部12と磁石43がある部位に、レーンや溝15を設けて位置確認板4が左右にずれないようにしてもよい。
(2)図9に示すように、底板3に、水やりの指標となる水やり確認板51を取り付けてもよい。これにより、底板3と位置確認板4との離れた距離が分かりやすくなり、より水やりのタイミングを目で見て確認しやすくなる。水やり確認板51は三段階のメモリがあり、上から下に向かって順に緑色、青色、赤色の三色がある。苔玉Kの水分量が減少していくにつれ水やり確認板51が上昇し、水やり確認板51が位置確認板4の先端部と水平となる位置にある色によって水分量がわかるようになっている。色について、緑色は苔玉Kの水分量が十分である指標、青色は苔玉Kが少し乾いている指標、赤色は苔玉Kが乾燥している指標になっている。
(3)図10図11に示すように、苔玉引っ掛け部5は、他の形状でも良い。図10図11に示す例として、苔玉引っ掛け部5A(棒部の一例)に上端がリング状のワイヤーとなっている。この場合、苔玉引っ掛け部5Aは、上端を曲げていない状態で底板3の貫通孔を介して苔玉Kの内部に通し、上端を楕円状に折り曲げて結束バンド等で縛って苔玉Kと一体化している。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、苔玉を支持する苔玉スタンドに利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1:スタンド本体
2:弾性部材
3:底板
4:位置確認板
5:苔玉引っ掛け部(棒部)
5A:苔玉引っ掛け部(棒部)
11:土台
12:立ち上がり部
13:湾曲部
14:フック部
15:溝
41:確認版
42:スライド部
43:磁石
43A:第一磁石
43B:第二磁石
51:水やり確認板
K:苔玉
100:苔玉スタンド
【要約】
【課題】苔玉を適切に育成するための水やりのタイミングが分かる苔玉スタンドを提供する。
【解決手段】苔玉Kを支持する苔玉スタンド100であって、苔玉Kを吊り下げた状態で苔玉Kの重量を支えるスタンド本体1と、一端がスタンド本体1に接続されると共に他端が苔玉Kに接続され、苔玉Kを引っ張る方向に弾性力を与える弾性部材2と、苔玉Kの下に固定された底板3と、底板3に向かい合って配置された位置確認板4と、を備え、苔玉Kの水分量に応じて、底板3の位置確認板4に対する距離が変化することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11