(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】エッジ算出システムを有する多回転翼輸送体
(51)【国際特許分類】
B64D 27/24 20240101AFI20240530BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20240530BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240530BHJP
B64D 45/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
B64D27/24
B64C27/08
B64C39/02
B64D45/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020037758
(22)【出願日】2020-03-05
【審査請求日】2023-02-27
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドン, ジョン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー, マイケル ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】キャメロン, ダグラス シー.
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, ナヴィード モエイド
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-516200(JP,A)
【文献】特開2018-011434(JP,A)
【文献】特開2010-252150(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045892(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 27/24
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(202)と、前記機体に連結された、
複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)であって、前記複数のロータのそれぞれを前記機体に対して回転させるよう構成された、複数の電動モータ(204)と、
前記複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、前記複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムは、前記複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、前記複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結され、各エッジ算出システムは、ロータ状況情報を特定するために、前記対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、前記対応する電動モータを制御することによって前記対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成される、複数のエッジ算出システム(208)とを備える、多回転翼輸送体(102、200)であって、
前記複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、前記モデルにおいて、前記複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、前記主要エッジ算出システム以外の前記複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、前記副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を、前記主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、前記主要エッジ算出システムは、前記副次的エッジ算出システムに前記モータコマンドを提供するよう構成さ
れ、
各エッジ算出システム(208)は、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成され、かつ、慣性測定ユニット(IMU)(324)及び磁力計(326)を含み、前記主要エッジ算出システム(208a)は、前記多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう、前記フライトコンピュータを実装すること、及び、前記複数のロータ(206)のそれぞれについての前記ロータ状況情報と、前記姿勢、位置、及び進路とに基づいて、前記モータコマンドを提供することを、行うよう構成され、
前記主要エッジ算出システム(208a)の前記IMU及び前記磁力計は、前記多回転翼輸送体(102、200)の前記姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成され、各エッジ算出システムの前記IMU(324)が、前記複数のロータ(206)のうちの前記対応するロータと共配置されている、多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項2】
各エッジ算出システム(208)が、
前記ロータ状況情報を特定するために、前記対応するロータ(206)に関する前記センサデータを取得し処理すること、及び、前記対応する電動モータ(204)を制御することによって、前記対応するロータを制御するために、前記モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路(310)と、
前記エッジ算出システムが前記複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェース(312)とを含む、請求項1に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項3】
各エッジ算出システム(208)が、前記エッジ算出システムがリモート局(316)と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース(314)を更に含み、前記複数のエッジ算出システムのうちの前記主要エッジ算出システム(208a)が、前記リモート局と通信するよう構成され
るか、又
は、
各エッジ算出システム(208)の前記処理回路(310)が、前記エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、前記副次的エッジ算出システム(208b)が、前記副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を前記主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介し
て前記主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される
、
請求項2に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項4】
各エッジ算出システム(208)が、前記フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、前記モータコントローラのための第2配電回路(320b)とを含み、各エッジ算出システム(208)が、前記第2配電回路(320b)に連結された電力インバータ回路(322)であって、前記エッジ算出システムの前記対応する電動モータ(204)に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路(322)を更に含む、請求項
1から3のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項5】
各エッジ算出システム(208)が、前記主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで前記副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る前記複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
前記主要エッジ算出システム(208a)が、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものが、前記健全性状況情報から前記主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、前記健全性状況が所定の閾値に到達している場合、前記主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成され
る、請求項1から
4のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項6】
各エッジ算出システム(208)の前記処理回路(310)が、前記エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、前記副次的エッジ算出システム(208b)が、前記副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を前記主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介して前記主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される、請求項2に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項7】
前記順序リストが、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものの後に、前記副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものが前記主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第2のものは、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものとしての役割を引き受ける、請求項5に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項8】
クアドコプター、トリコプター、ヘキサコプター、又はオクトコプターである、請求項1から7のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【請求項9】
複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)と、前記複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、前記複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、前記複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、前記複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結される、複数のエッジ算出システム(208)とを含む、多回転翼輸送体(102、200)を動作させる方法(400)であって、前記方法は、各エッジ算出システムが、
ロータ状況情報を特定するために、前記対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること(402)と、
前記対応する電動モータを制御することによって、前記対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行すること(408)とを含み、
前記複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、前記モデルにおいて、前記複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、前記主要エッジ算出システム以外の前記複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、前記方法は更に、前記副次的エッジ算出システムが、それぞれのロータ状況情報を、前記主要エッジ算出システムに通信すること(404)と、前記主要エッジ算出システムが、前記副次的エッジ算出システムに前記モータコマンドを提供すること(406)とを含
み、
各エッジ算出システム(208)は、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成され、かつ、慣性測定ユニット(IMU)(324)及び磁力計(326)を含み、前記主要エッジ算出システム(208a)は、前記多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう、前記フライトコンピュータを実装すること、及び、前記複数のロータ(206)のそれぞれについての前記ロータ状況情報と、前記姿勢、位置、及び進路とに基づいて、前記モータコマンドを提供することを、行うよう構成され、
前記主要エッジ算出システム(208a)の前記IMU及び前記磁力計は、前記多回転翼輸送体(102、200)の前記姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成され、各エッジ算出システムの前記IMU(324)が、前記複数のロータ(206)のうちの前記対応するロータと共配置されている、方法(400)。
【請求項10】
各エッジ算出システム(208)は、リモート局(316)と通信することが可能であり、前記方法は更に、前記複数のエッジ算出システムのうちの前記主要エッジ算出システム(208a)が、前記リモート局と通信することを含
むか、又
は、
各エッジ算出システム(208)が、前記エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を含み、前記方法は更に、前記副次的エッジ算出システム(208b)が、前記副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を前記主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、前記主要エッジ算出システム(208a)と通信することを含む、請求項9
に記載の方法(400)。
【請求項11】
各エッジ算出システム(208)が、
前記フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、前記モータコントローラのための第2配電回路(320b)と、前記第2配電回路に連結された電力インバータ回路(322)とを含み、前記方法は更に、前記電力インバータ回路(322)が、前記エッジ算出システム(208)の前記対応する電動モータ(204)に電力を供給することを含む、請求項
9に記載の方法(400)。
【請求項12】
各エッジ算出システム(208)が、前記主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで前記副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る前記複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
前記方法は更に、前記主要エッジ算出システムが、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものに健全性状況情報を通信することと、これに応じて、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものが、前記健全性状況情報から前記主要エッジ算出システムの健全性状況を特定することと、前記健全性状況が所定の閾値に到達している場合、前記主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることとを含む、請求項9から
11のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項13】
前記順序リストが、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものの後に、前記副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
前記方法は更に、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものが前記主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第2のものが、前記副次的エッジ算出システムのうちの前記第1のものとしての役割を引き受けることを含む、請求項
12に記載の方法(400)
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して輸送体に関し、詳細には、多回転翼輸送体に関する。
【背景技術】
【0002】
多回転翼輸送体とは、一般に、1を上回る数のロータ、典型的には2を上回る数のロータを有する輸送体である。多回転翼輸送体の主な例は、非固定翼航空機(回転翼航空機と称される)である。この多回転翼輸送体は、柱の周りで回る翼又はプロペラ(回転翼、ロータブレード、又はよりシンプルにロータと称される)によって生成される揚力を使用する、航空機である。回転翼航空機は、単一の又は複数の柱に装着された一又は複数のロータを含みうる。例えば、クアドコプター(quadcopter)は、4つのロータによって揚力を生成する、多回転翼の回転翼航空機である。その他の例には、トリコプター、ヘキサコプター、及びオクトコプター(それぞれ3つ、6つ、及び8つのロータを含む)が含まれる。回転翼航空機は、リモート通信局及び/又はプログラムされた命令を通じて制御される無人回転翼航空機でありうるが、他の例では、有人輸送体であることもある。
【0003】
多回転翼の回転翼航空機は、典型的には、中央に配置されたフライトコントローラを含むが、これにより、このフライトコントローラは単一障害点となる。フライト制御のコンピュータ及びセンサの大部分は、耐飛行性を向上させるために三重冗長になっている。しかし、これによって制御力(制御ロッド)が必要になり、アクチュエータ通信及びセンサ通信は、中央フライトコントローラから回転翼航空機上の各アクチュエータまでルーティングされなくてはならなくなる。これは、重量及び複雑性が追加されるのと同じことである。
【0004】
したがって、上述の問題の少なくとも一部だけでなく、起こりうるその他の問題も考慮した、システム及び方法を有することができれば、それが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実行形態は、分散型モジュールベースのエッジ算出システムを有する多回転翼輸送体であって、各ロータのための統合型フライト・モータ制御システムを伴って具現化されうる、多回転翼輸送体を対象としている。エッジ算出システムは、エッジ算出システムのうちの他のもの及び/又はリモート局と通信するための、一又は複数の通信インターフェースも含みうる。例示的な実行形態のモジュールベースのエッジ算出システムは、多回転翼輸送体の信頼性及び残存可能性(survivability)を増大させうる。
【0006】
ゆえに、本開示は、以下の例示的な実行形態を含むが、それらに限定されるわけではない。
【0007】
一部の例示的な実行形態は、多回転翼輸送体を提供する。この多回転翼輸送体は、機体と、この機体に連結された、複数のロータのそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータであって、複数のロータのそれぞれを、機体に対して回転させるよう構成された、複数の電動モータと、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システムであって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることによって、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結されており、各エッジ算出システムは、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成される、複数のエッジ算出システムとを備え、複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システムとして選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムとして動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される。
【0008】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路と、エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェースとを、含む。
【0009】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、エッジ算出システムがリモート局と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェースを更に含み、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システムが、リモート局と通信するよう構成される。
【0010】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムの処理回路は、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計を更に含み、副次的エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェースを介して、主要エッジ算出システムと通信するよう構成される。
【0011】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される。
【0012】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、フライトコンピュータのための第1配電回路と、モータコントローラのための第2配電回路とを含む。
【0013】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、第2配電回路に連結された電力インバータ回路であって、エッジ算出システムの対応する電動モータに電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に含む。
【0014】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、主要エッジ算出システムは、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータのそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される。
【0015】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、慣性測定ユニット(IMU)及び磁力計を含み、主要エッジ算出システムのIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される。
【0016】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、主要エッジ算出システムで始まり、次いで副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものは、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される。
【0017】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、多回転翼輸送体の例示的な実行形態の一部においては、順序リストは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に副次的エッジ算出システムのうちの第2のものを含み、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける。
【0018】
一部の例示的な実行形態は、複数のロータのそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータであって、複数のロータのそれぞれを機体に対して回転させるよう構成された複数の電動モータを含む多回転翼輸送体上で使用されるよう構成された、複数のエッジ算出システムのうちの1つのエッジ算出システムを提供し、複数のエッジ算出システムは、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されており、エッジ算出システムは、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結可能であることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結可能な処理回路であって、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路と、エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェースとを備え、エッジ算出システムは、モデルにしたがって複数エッジ算出システムのうちの他のものと通信するよう構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システムとして選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムとして動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を、主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される。
【0019】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、エッジ算出システムがリモート局と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェースを更に含み、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システムが、リモート局と通信するよう構成される。
【0020】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムの処理回路は、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計を更に含み、副次的エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェースを介して、主要エッジ算出システムと通信するよう構成される。
【0021】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される。
【0022】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、フライトコンピュータのための第1配電回路と、モータコントローラのための第2配電回路とを更に備える。
【0023】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、第2配電回路に連結された電力インバータ回路であって、エッジ算出システムの対応する電動モータに電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に備える。
【0024】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、主要エッジ算出システムは、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータのそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される。
【0025】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、慣性測定ユニット(IMU)及び磁力計を更に備え、主要エッジ算出システムのIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される。
【0026】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、エッジ算出システムは、主要エッジ算出システムから始まり、次いで副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものは、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される。
【0027】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、エッジ算出システムの例示的な実行形態の一部においては、順序リストは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に副次的エッジ算出システムのうちの第2のものを含み、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける。
【0028】
一部の例示的な実行形態は、複数のロータのそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータと、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システムであって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることによって、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結されている、複数のエッジ算出システムとを含む多回転翼輸送体を、動作させる方法を提供する。この方法は、各エッジ算出システムが、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを含み、複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システムとして選択可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムとして動作可能である。方法は、副次的エッジ算出システムが、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信することと、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供することとを、更に含む。
【0029】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、リモート局と通信することが可能であり、方法は、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システムが、リモート局と通信することを更に含む。
【0030】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計を含み、方法は、副次的エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、主要エッジ算出システムと通信することを更に含む。
【0031】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される。
【0032】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、フライトコンピュータのための第1配電回路と、モータコントローラのための第2配電回路と、2配電回路に連結された電力インバータ回路とを含み、方法は、電力インバータ回路が、エッジ算出システムの対応する電動モータに電力を供給することを更に含む。
【0033】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、方法は、主要エッジ算出システムが、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び複数のロータのそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、更に含む。
【0034】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、慣性測定ユニット(IMU)及び磁力計を含み、方法は、主要エッジ算出システムのIMU及び磁力計が、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定することを更に含む。
【0035】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、各エッジ算出システムは、主要エッジ算出システムから始まり、次いで副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、方法は、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信することと、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定することと、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることとを、更に含む。
【0036】
前述した例示的な実行形態のいずれか、又は前述した例示的な実行形態のいずれかの何らかの組み合わせの、方法の例示的な実行形態の一部においては、順序リストは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に副次的エッジ算出システムのうちの第2のものを含み、方法は、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受けることを更に含む。
【0037】
本開示の、上記の特徴、態様、及び利点、及びその他の特徴、態様、及び利点は、添付の図と併せて以下の詳細説明を読むことで自明となろう。添付の図については下記で簡潔に説明する。本書に記載の具体的かつ例示的な実行形態において、この開示に明記している2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の数の特徴又は要素が、明示的に組み合わされるかどうか、又は別様に列挙されるかどうかにかかわらず、本開示は、かかる特徴又は要素の任意の組み合わせを含む。この開示は、全体論的に読まれることが意図されており、これにより、本開示の分離可能ないかなる特徴又は要素も、そのいかなる態様及び例示的な実行形態においても、本開示の文脈で明確に指示されない限りは、組み合わされることが可能であると見なされるはずである。
【0038】
したがって、この「発明の概要」は、本開示の一部の態様の基本的な理解を供するように、いくつかの例示的な実行形態を要約することのみを目的として提供されていることが、認識されよう。そのため、上述した例示的な実行形態は例に過ぎず、いかなる意味においても、本開示の範囲又は本質を狭めると解釈すべきではないことが、認識されよう。その他の例示的な実行形態、態様、及び利点は、添付の図と併せて以下の詳細説明を参照することで自明となろう。添付の図は、記載されているいくつかの例示的な実行形態の原理を、例を用いて示している。
【0039】
上記では、本開示の例示的な実行形態を一般的な用語で説明してきた。これより添付の図を参照するが、これらの図は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の例示的な実行形態による、多回転翼輸送体環境を示す。
【
図2】一部の例示的な実行形態による多回転翼輸送体を示す。
【
図3】例示的な実行形態によるエッジ算出システムを、より詳細に示す。
【
図4】例示的な実行形態による多回転翼輸送体を動作させる方法の、様々なステップを示すフロー図である。
【
図5】例示的な実行形態による、処理回路と、処理回路に連結されたエッジ算出システムの様々な構成要素とを含む、エッジ算出システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
添付の図を参照しつつ、本開示の一部の実行形態について、これより下記でより網羅的に説明する。添付の図には、本開示の実行形態の一部が示されているのであって、すべてが示されているわけではない。実際のところ、本開示の様々な実行形態は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本書に明記されている実行形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、かかる例示的な実行形態は、この開示が、包括的かつ完全なものになるように、かつ当業者にこの開示の範囲を十分に伝えるように、提供されている。例えば、特に明記されない限り、何かが「第1の」、「第2の」等のものであるという表現は、特定の順序を暗示していると解釈すべきではない。また、(特に明記されない限り)何か別のものの上にあると説明されうるものは、その代わりに下にあることもあり、逆もまた然りである。同様に、何か別の物の左にあると説明されうるものは、その代わりに右にあってもよく、逆もまた然りである。全体を通じて、類似の参照番号は類似の要素を表わしている。
【0042】
図1は、本開示の例示的な実行形態による、多回転翼輸送体環境100を示している。この多回転翼輸送体環境は、多回転翼輸送体102が動作しうる環境の一例である。多回転翼輸送体とは、一般に、1を上回る数のロータ、典型的には2を上回る数のロータを有する回転翼航空機といった、輸送体である。かかるロータは、翼、プロペラ、回転翼、回転ブレードなどと称されることもあり、その各々はモータに連結された柱の周りで回る。図示しているように、多回転翼輸送体はクアドコプターの形態をとり、このクアドコプターは、有人であることも、無人であることもある。好適な多回転翼輸送体の他の例は、有人又は無人のトリコプター、ヘキサコプター、オクトコプターなどを含む。
【0043】
多回転翼輸送体102は、飛行するものであり、多回転翼輸送体環境100において更なる動作を実施しうる。例えば、多回転翼輸送体は、監視ミッションのための動作を実施しうる。監視ミッションのための動作は、建造物104を含む対象物の画像を生成することを含みうる。かかる画像は、静止画像でも、動画でも、又はこれらの何らかの組み合わせでもありうる。加えて、監視ミッションは、道路106上の交通の画像を生成することも含みうる。例えば、多回転翼輸送体は、道路上を移動する乗り物108の画像を生成しうる。
【0044】
本開示の例示的な実行形態によると、多回転翼輸送体102は、多回転翼輸送体の信頼性及び残存可能性を増大させうる、分散型モジュールベースのエッジ算出システムを含む。
図2は、本開示の例示的な実行形態の一部による、多回転翼輸送体102に対応しうる多回転翼輸送体200を示している。図示しているように、多回転翼輸送体は、機体202と、機体に連結され、複数のロータ206のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ204とを含む。複数の電動モータは、複数のロータのそれぞれを機体に対して回転させるよう構成される。
【0045】
多回転翼輸送体200は、同じく機体202に連結された複数のエッジ算出システム(ECS)208(主要エッジ算出システムと副次的エッジ算出システム208a、208bを含むものとして動作可能であるように図示されている)であって、独立しており、別個であり、かつ複数の電動モータ(M)204に対して分散配置された、複数のエッジ算出システムも含む。複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムは、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、複数のロータ206のそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結される。各エッジ算出システムは、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成される。好適なセンサデータの例は、回転方向、回転スピード、ブレード角度、姿勢、風などといった、ロータ状況情報を含む。
【0046】
一部の例では、複数のエッジ算出システム208はモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム208aとして選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム208bとして動作可能である。副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される。
【0047】
一部の例では、各エッジ算出システム208は、主要エッジ算出システム208aで始まり、次いで副次的エッジ算出システム208bのうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成される。このような例では、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成される。これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものは、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される。
【0048】
一部の更なる例では、順序リストは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム208bのうちの第2のものを含む。このような例では、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム208aとしての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける。
【0049】
図3は、本開示の例示的な実行形態によるエッジ算出システム208を、より詳細に示している。図示しているように、エッジ算出システムは、処理回路310と、通信インターフェース312とを含む。処理回路は、ロータ状況情報を特定するために、複数のロータ206のうちの対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータ204を制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成される。また、通信インターフェースは、エッジ算出システムが、複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成される。
【0050】
一部の例では、エッジ算出システム208は、エッジ算出システムがリモート局316と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース314を更に含む。このような例では、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システム208aが、リモート局と通信するよう構成される。好適なリモート局の例は、据え置き型若しくは携帯型の地上局若しくは端末、又は、別の航空機や回転翼航空機といった他の輸送体などを含む。
【0051】
一部の例では、処理回路310は、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための、時計318を更に含む。このような例では、副次的エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェースを介して、主要エッジ算出システム208aと通信するよう構成される。
【0052】
一部の例では、各エッジ算出システム208は、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される。そのため、エッジ算出システムは、第1配電回路320a(例えば、フライトコンピュータ向けの低電圧配電回路)と、第2配電回路320b(例えば、モータコントローラ向けの高電圧配電回路)とを含みうる。一部の更なる例では、エッジ算出システムは、第2配電回路に連結された電力インバータ回路322であって、エッジ算出システムの対応する電動モータ204に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を含む。
【0053】
一部の例では、主要エッジ算出システム208aは、多回転翼輸送体200の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータ206のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される。このような例の一部では、各エッジ算出システム208は、慣性測定ユニット(IMU)324、及び一又は複数のナビゲーションセンサ326(磁力計など)を含む。主要エッジ算出システムのIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される。このような例では、エッジ算出システムのIMUは、複数のロータ206のうちの対応するロータと共配置される。これにより、複数のフライトコンピュータによる高帯域幅共有を必要とせずに(他のフライトコンピュータと高周波データを共有することを必要とせずに)、局所ダイナミックモータの弾性モードの高帯域幅位相安定化が可能になりうる。
【0054】
図4は、本開示の例示的な実行形態による多回転翼輸送体200を動作させる方法400の、様々なステップを示すフロー図である。402及び408に示しているように、方法は、各エッジ算出システム208が、ロータ状況情報を特定するために、複数のロータ206のうちの対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータ204を制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを含む。上述したように、複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム208aとして選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム208bとして動作可能である。方法は、404と406に示しているように、副次的エッジ算出システムが、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信すること、及び、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供することを、更に含む。
【0055】
本開示の例示的な実行形態によると、エッジ算出システム208及びその構成要素は、様々な手段によって実装されうる。エッジ算出システム及びその構成要素を実装するための手段は、単体のハードウェア、又はコンピュータ可読記憶媒体からの一又は複数のコンピュータプログラムの指示を受けるハードウェアを含みうる。
図5は、エッジ算出システムであって、エッジ算出システムの機能(本書に記載しているものなど)を実行するための、エッジ算出システムの処理回路310と、この処理回路に連結されたエッジ算出システムの様々な構成要素とを含む、エッジ算出システムを示している。図示しているように、エッジ算出システムは、例えば、メモリ528(記憶デバイスなど)に接続された処理回路310といった、いくつかの構成要素の各々のうちの一又は複数を含みうる。
【0056】
処理回路310は、単体の、又は一又は複数のメモリと組み合わされた、一又は複数のプロセッサを含みうる。処理回路とは、一般に、例えばデータ、コンピュータプログラム、及び/又は他の好適な電子情報といった情報を処理することが可能な、任意のコンピュータハードウェアである。処理回路は、電子回路の集合体で構成され、かかる電子回路の一部は、1つの集積回路又は相互接続された複数の集積回路としてパッケージングされうる(集積回路は、より一般的には「チップ(chip)」と称されることがある)。処理回路は、コンピュータプログラムを実行するよう構成されてよく、かかるコンピュータプログラムは、処理回路に搭載された状態で記憶されうるか、さもなければ(同じ又は別の装置の)メモリ528に記憶されうる。
【0057】
処理回路310は、特定の実行形態に応じて、いくつかのプロセッサ、1つのマルチプロセッサコア、又は他の何らかの種類のプロセッサでありうる。処理回路は、画像処理ユニット(GPU)、中央処理装置(CPU)、又はGPUとCPUとの組み合わせを含みうる。更に、処理回路は、いくつかのヘテロジニアスプロセッサシステム(メインプロセッサが、一又は複数の二次プロセッサと共に単一のチップ上に存在している)を使用して、実装されうる。別の実施例としては、処理回路は、複数の同種のプロセッサを包含する、対称型マルチプロセッサシステムでありうる。更に別の例では、処理回路は、一又は複数のASICやFPGAなどとして具現化されうるか、さもなければそれらを含みうる。ゆえに、処理回路は一又は複数の機能を実施するためのコンピュータプログラムを実行することが可能でありうるが、様々な例の処理回路は、コンピュータプログラムの支援がなくとも、一又は複数の機能を実施することが可能でありうる。いずれの事例においても、処理回路は、本開示の例示的な実行形態により機能又は動作を実施するよう、適切にプログラムされうる。
【0058】
メモリ528は一般に、一時的かつ/又は恒久的に、例えばデータ、コンピュータプログラム(コンピュータ可読プログラムコード530など)、及び/又はその他の好適な情報といった情報を記憶することが可能な、任意のコンピュータハードウェアである。メモリは、揮発性のメモリ及び/又は不揮発性のメモリを含んでよく、固定されていることも、取り外し可能であることもある。好適なメモリの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、ハードドライブ、フラッシュメモリ、サムドライブ、取り外し可能なコンピュータディスケット、光ディスク、磁気テープ、又は、これらの何らかの組み合わせを含む。光ディスクは、コンパクトディスク‐読取専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク‐読取/書込(CD-R/W)、DVDなどを含みうる。様々な事例において、メモリはコンピュータ可読記憶媒体と称されうる。コンピュータ可読記憶媒体は、情報を記憶することが可能な非一過性デバイスであり、コンピュータ可読伝送媒体(ある場所から別の場所へと情報を運ぶことが可能な一過性の電子信号など)とは区別されうる。本書に記載のコンピュータ可読媒体は、一般に、コンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ可読伝送媒体のことでありうる。
【0059】
上述したように、メモリ528に加えて処理回路310も、情報を表示し、送信し、かつ/又は受信するための一又は複数のインターフェースに接続されうる。このインターフェースは、通信インターフェース312を含んでよく、おそらく第2通信インターフェース314も含みうる。通信インターフェース(複数可)は、例えば、他のエッジ算出システム208やリモート局316などとの間で、情報を送信及び/又は受信するよう構成されうる。通信インターフェース(複数可)は、物理的な(有線の)及び/又は無線の通信リンクによって、情報を送信及び/又は受信するよう構成されうる。かかる物理的な(有線の)通信リンクは特に、いくつかの異なる技術(例えばRS-485やコントローラエリアネットワーク(CAN)バスなど)のいずれかを実装するよう構成されうる。同様に、無線通信リンクは特に、いくつかの3GPP若しくは4GPPの無線アクセス技術、UMTS UTRA、GSM無線アクセス技術、CDMA 2000無線アクセス技術、WLAN(例えば、802.11a、802.11b、802.11g、802.11nなどのIEEE 802.xx)、WiMAX、IEEE 802.16、無線PAN(WPAN)(例えば、IEEE 802.15、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)の低電力バージョン、IrDA、UWB、Wibree、Zigbee(登録商標))、近距離無線通信技術などのうちのいずれかといった、いくつかの異なる技術のうちのいずれかを実装するよう構成されうる。
【0060】
処理回路310は、IMU324、及び一又は複数のナビゲーションセンサ326にも接続されうる。IMUは、一又は複数のセンサ(加速度計やジャイロスコープなど)を含んでよく、磁力計も含みうる。上記で示したように、ナビゲーションセンサ(複数可)も、同様に磁力計を含みうる。好適なナビゲーションセンサの他の例は、気圧計、衛星ベースのナビゲーション受信器(例えばGPS、GLONASS)などを含む。
【0061】
上記で示したように、プログラムコード命令は、本書で説明しているシステム、サブシステム、ツール、及びこれらに対応する要素の機能を実装するために、メモリに保存され、処理回路(プログラムコード命令によりプログラムされている)によって実行されうる。認識されるであろうが、ある特定の機械を作製するために、任意の好適なプログラムコード命令が、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ又はその他のプログラマブル装置にローティングされてよく、これにより、この特定の機械は、本書で特定されている機能を実装するための手段となる。かかるプログラムコード命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、このコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置に、特定の方式で機能することにより特定の機械又は特定の製造品を作り出すよう、指令を下しうる。コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令は、製造品を作製可能であり、この製造品が、本書に記載の機能を実行するための手段となる。プログラムコード命令は、コンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置で又はコンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置によって実施されるべき動作を実行するよう、コンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置を設定するために、コンピュータ可読記憶媒体から読み出され、コンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置にローディングされうる。
【0062】
プログラムコード命令の読み出し、ローディング、及び実行は、一度に1つの命令が読み出され、ローディングされ、かつ実行されるように、順次実施されうる。一部の例示的な実行形態では、複数の命令をまとめて読み出し、ローディングし、かつ/又は実行するように、読み出し、ローディング、及び/又は実行が、並行して実施されることもある。プログラムコード命令を実行することで、コンピュータ、処理回路、又はその他のプログラマブル装置によって実行される命令が本書に記載の機能を実装するための工程を提供するように、コンピュータにより実装されるプロセスが生成されうる。
【0063】
処理回路による命令の実行、又はコンピュータ可読記憶媒体における命令の記憶は、具体的な機能を実施するための工程の組み合わせをサポートしている。この場合、エッジ算出システム208は、処理回路310と、処理回路に連結されたコンピュータ可読記憶媒体又はメモリ528とを含んでよく、処理回路は、メモリに保存されたコンピュータ可読プログラムコード530を実行するよう構成される。一又は複数の機能及び機能の組み合わせは、具体的な機能を実施する特殊用途ハードウェアベースの装置及び/若しくは処理回路、又は特殊用途ハードウェアとプログラムコード命令との組み合わせによって実装されうることも、理解されよう。
【0064】
更に、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0065】
条項1.
機体(202)と、この機体に連結された、
複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)であって、複数のロータのそれぞれを機体に対して回転させるよう構成された、複数の電動モータと、
複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結され、各エッジ算出システムが、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成される、複数のエッジ算出システムとを備える、多回転翼輸送体(102、200)であって、
複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される、
多回転翼輸送体(102、200)。
【0066】
条項2.各エッジ算出システム(208)が、
ロータ状況情報を特定するために、対応するロータ(206)に関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータ(204)を制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路(310)と、
エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェース(312)とを含む、条項1に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0067】
条項3.各エッジ算出システム(208)は、エッジ算出システムがリモート局(316)と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース(314)を更に含み、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信するよう構成される、条項2に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0068】
条項4.各エッジ算出システム(208)の処理回路(310)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介して、主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される、条項2に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0069】
条項5.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、条項1から4のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0070】
条項6.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)とを含む、条項5に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0071】
条項7.各エッジ算出システム(208)が、第2配電回路(320b)に連結された電力インバータ回路(322)であって、エッジ算出システムの対応する電動モータ(204)に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に含む、条項6に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0072】
条項8.主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される、条項5に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0073】
条項9.各エッジ算出システム(208)が、慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を含み、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される、条項8に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0074】
条項10.各エッジ算出システム(208)が、主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
主要エッジ算出システム(208a)が、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される、条項1から9のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0075】
条項11.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける、条項10に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0076】
条項12.複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)であって、複数のロータのそれぞれを機体(202)に対して回転させるよう構成された複数の電動モータを含む多回転翼輸送体(102、200)上で使用されるよう構成された、複数のエッジ算出システムのうちの1つのエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムは、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されており、このエッジ算出システムは、
複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結可能であることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結可能な処理回路(310)であって、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路と、
エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェース(312)とを備え、
エッジ算出システムは、モデルにしたがって複数エッジ算出システムのうちの他のものと通信するよう構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を、主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される、
エッジ算出システム(208)。
【0077】
条項13.主要エッジ算出システムがリモート局(316)と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース(314)を更に含み、複数のエッジ算出システム(208)のうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信するよう構成される、条項12に記載のエッジ算出システム(208)。
【0078】
条項14.エッジ算出システムの処理回路(310)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システム(208a)の時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介して、主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される、条項12又は13に記載のエッジ算出システム(208)。
【0079】
条項15.フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、条項12から14のいずれか一項に記載のエッジ算出システム(208)。
【0080】
条項16.フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)とを更に備える、条項15に記載のエッジ算出システム(208)。
【0081】
条項17.第2配電回路(320b)に連結された電力インバータ回路(322)であって、エッジ算出システムの対応する電動モータ(204)に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に備える、条項16に記載のエッジ算出システム(208)。
【0082】
条項18.主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される、条項15に記載のエッジ算出システム(208)。
【0083】
条項19.慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を更に備え、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される、条項18に記載のエッジ算出システム(208)。
【0084】
条項20.主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成されており、
主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される、条項12から19のいずれか一項に記載のエッジ算出システム(208)。
【0085】
条項21.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける、条項20に記載のエッジ算出システム(208)。
【0086】
条項22.複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)と、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結される、複数のエッジ算出システムとを含む、多回転翼輸送体(102、200)を動作させる方法(400)であって、方法は、各エッジ算出システムが、
ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること(402)と、
対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行すること(408)とを含み、
複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、方法は更に、副次的エッジ算出システムが、それぞれのロータ状況情報を主要エッジ算出システムに通信すること(404)と、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供すること(406)とを含む、
方法(400)。
【0087】
条項23.各エッジ算出システム(208)は、リモート局(316)と通信することが可能であり、方法は更に、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信することを含む、条項22に記載の方法(400)
【0088】
条項24.各エッジ算出システム(208)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を含み、方法は更に、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、主要エッジ算出システム(208a)と通信することを含む、条項22又は23に記載の方法(400)。
【0089】
条項25.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、条項22から24のいずれか一項に記載の方法(400)。
【0090】
条項26.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)と、第2配電回路に連結された電力インバータ回路(322)とを含み、方法は更に、電力インバータ回路が、エッジ算出システムの対応する電動モータ(204)に電力を供給することを含む、条項25に記載の方法(400)。
【0091】
条項27.方法は更に、主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装することと、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することとを含む、条項25に記載の方法(400)。
【0092】
条項28.各エッジ算出システム(208)が、慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を含み、方法は更に、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定ことを含む、条項27に記載の方法(400)。
【0093】
条項29.各エッジ算出システム(208)が、主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
方法は更に、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信することと、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定することと、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを含む、条項22から28のいずれか一項に記載の方法(400)。
【0094】
条項30.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
方法は更に、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受けることを含む、条項29に記載の方法(400)。
【0095】
条項31.
機体(202)と、この機体に連結された、
複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)であって、複数のロータのそれぞれを機体に対して回転させるよう構成された、複数の電動モータと、
複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムは、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結され、各エッジ算出システムが、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することとを行うよう構成される、複数のエッジ算出システムとを備える、多回転翼輸送体(102、200)であって、
各エッジ算出システムは、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、
多回転翼輸送体(102、200)。
【0096】
条項32.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)とを含む、条項31に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0097】
条項33.各エッジ算出システム(208)が、第2配電回路(320b)に連結された電力インバータ回路(322)であって、エッジ算出システムの対応する電動モータ(204)に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に含む、条項32に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0098】
条項34.各エッジ算出システム(208)が、
ロータ状況情報を特定するために、対応するロータ(206)に関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータ(204)を制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路(310)と、
エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェース(312)とを含む、条項31から33のいずれか一項に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0099】
条項35.複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を、主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される、条項34に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0100】
条項36.各エッジ算出システム(208)は、エッジ算出システムがリモート局(316)と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース(314)を更に含み、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信するよう構成される、条項35に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0101】
条項37.各エッジ算出システム(208)の処理回路(310)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介して、主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される、条項35に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0102】
条項38.主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装することと、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することとを、行うよう構成される、条項35に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0103】
条項39.各エッジ算出システム(208)が、慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を含み、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される、条項38に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0104】
条項40.各エッジ算出システム(208)が、主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
主要エッジ算出システム(208a)が、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される、条項35に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0105】
条項41.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける、条項40に記載の多回転翼輸送体(102、200)。
【0106】
条項42.複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)であって、複数のロータのそれぞれを機体(202)に対して回転させるよう構成された複数の電動モータを含む多回転翼輸送体(102、200)上で使用されるよう構成された、複数のエッジ算出システムのうちの1つのエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムは、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されており、このエッジ算出システムは、
複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結可能であることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結可能な処理回路(310)であって、ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること、及び、対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行することを、行うよう構成された処理回路と、
エッジ算出システムが複数のエッジ算出システムのうちの他のものと通信することを可能にするよう構成された、通信インターフェース(312)とを備え、
フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、
エッジ算出システム(208)。
【0107】
条項43.フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)とを更に備える、条項42に記載のエッジ算出システム(208)。
【0108】
条項44.第2配電回路(320b)に連結された電力インバータ回路(322)であって、エッジ算出システムの対応する電動モータ(204)に電力を供給するよう構成された、電力インバータ回路を更に備える、条項43に記載のエッジ算出システム(208)。
【0109】
条項45.モデルにしたがって複数エッジ算出システムのうちの他のものと通信するよう構成されており、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、副次的エッジ算出システムは、それぞれのロータ状況情報を、主要エッジ算出システムに通信するよう構成され、主要エッジ算出システムは、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供するよう構成される、条項42から44のいずれか一項に記載のエッジ算出システム(208)。
【0110】
条項46.リモート局(316)と通信することを可能にするよう構成された、第2通信インターフェース(314)を更に含み、複数のエッジ算出システム(208)のうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信するよう構成される、条項45に記載のエッジ算出システム(208)。
【0111】
条項47.エッジ算出システムの処理回路(310)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を更に含み、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システム(208a)の時計と同期させるために、それぞれの通信インターフェース(312)を介して、主要エッジ算出システム(208a)と通信するよう構成される、条項45に記載のエッジ算出システム(208)。
【0112】
条項48.主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装すること、及び、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することを、行うよう構成される、条項45に記載のエッジ算出システム(208)。
【0113】
条項49.慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を更に備え、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計は、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するよう構成される、条項48に記載のエッジ算出システム(208)。
【0114】
条項50.主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成されており、
主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信するよう構成され、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定すること、及び、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることを、行うよう構成される、条項45に記載のエッジ算出システム(208)。
【0115】
条項51.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものは、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受ける、条項50に記載のエッジ算出システム(208)。
【0116】
条項52.複数のロータ(206)のそれぞれに動作可能に連結された複数の電動モータ(204)と、複数の電動モータに対して、独立しており、固有であり、かつ分散配置されている、複数のエッジ算出システム(208)であって、複数のエッジ算出システムの各エッジ算出システムが、複数の電動モータのうちの対応する電動モータに動作可能に連結されることにより、複数のロータのそれぞれのうちの対応するロータに動作可能に連結される、複数のエッジ算出システムとを含む、多回転翼輸送体(102、200)を動作させる方法(400)であって、方法は、各エッジ算出システムが、
ロータ状況情報を特定するために、対応するロータに関するセンサデータを取得し処理すること(402)と、
対応する電動モータを制御することによって対応するロータを制御するために、モータコマンドを実行すること(408)とを含み、
各エッジ算出システム(208)は、フライトコンピュータとモータコントローラが統合されたものとして構成される、
方法(400)。
【0117】
条項53.各エッジ算出システム(208)が、フライトコンピュータのための第1配電回路(320a)と、モータコントローラのための第2配電回路(320b)と、第2配電回路に連結された電力インバータ回路(322)とを含み、方法は更に、電力インバータ回路が、エッジ算出システムの対応する電動モータ204に電力を供給することを含む、条項52に記載の方法(400)。
【0118】
条項54.複数のエッジ算出システムはモデルにしたがうように構成され、このモデルにおいて、複数のエッジ算出システムのうちのいずれかが、主要エッジ算出システム(208a)として選択されることが可能であり、主要エッジ算出システム以外の複数のエッジ算出システムは、副次的エッジ算出システム(208b)として動作可能であり、方法は更に、副次的エッジ算出システムが、それぞれのロータ状況情報を、主要エッジ算出システムに通信すること(404)と、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムにモータコマンドを提供すること(406)とを含む、条項52又は53に記載の方法(400)。
【0119】
条項55.各エッジ算出システム(208)は、リモート局(316)と通信することが可能であり、方法は更に、複数のエッジ算出システムのうちの主要エッジ算出システム(208a)が、リモート局と通信することを含む、条項54に記載の方法(400)
【0120】
条項56.各エッジ算出システム(208)が、エッジ算出システムにおいて時間を測定し、時間を合わせるための時計(318)を含み、方法は更に、副次的エッジ算出システム(208b)が、副次的エッジ算出システムのそれぞれの時計を主要エッジ算出システムの時計と同期させるために、主要エッジ算出システム(208a)と通信することを含む、条項54に記載の方法(400)。
【0121】
条項57.方法は更に、主要エッジ算出システム(208a)が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定するようフライトコンピュータを実装することと、複数のロータ(206)のそれぞれについてのロータ状況情報と、姿勢、位置、及び進路とに基づいて、モータコマンドを提供することとを含む、条項54に記載の方法(400)。
【0122】
条項58.各エッジ算出システム(208)が、慣性測定ユニット(IMU)(324)、及び磁力計(326)を含み、方法は更に、主要エッジ算出システム(208a)のIMU及び磁力計が、多回転翼輸送体(102、200)の姿勢、位置、及び進路を特定ことを含む、条項57に記載の方法(400)。
【0123】
条項59.各エッジ算出システム(208)が、主要エッジ算出システム(208a)で始まり、次いで副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第1のものが来る複数のエッジ算出システムの順序リストを有する、構成ファイルを記憶するよう構成され、
方法は更に、主要エッジ算出システムが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものに健全性状況情報を通信することと、これに応じて、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが、健全性状況情報から主要エッジ算出システムの健全性状況を特定することと、健全性状況が所定の閾値に到達している場合、主要エッジ算出システムとしての役割を引き受けることとを含む、条項54に記載の方法(400)。
【0124】
条項60.順序リストが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものの後に、副次的エッジ算出システム(208b)のうちの第2のものを含み、
方法は更に、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものが主要エッジ算出システム(208a)としての役割を引き受けた後に、副次的エッジ算出システムのうちの第2のものが、副次的エッジ算出システムのうちの第1のものとしての役割を引き受けることを含む、条項59に記載の方法(400)。
【0125】
上述の説明及び関連する図に提示されている教示から受益する、本開示に関連する当業者には、本書に明記された本開示の多数の改変例及びその他の実行形態が想起されよう。したがって、本開示は開示されている具体的な実行形態に限定されるものではないこと、及び、改変例及びその他の実行形態も付随する特許請求の範囲に含まれると意図されていることを、理解されたい。更に、上述の説明及び関連する図は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせに照らして例示的な実行形態を説明しているが、付随する特許請求の範囲から逸脱しなければ、代替的な実行形態によって、要素及び/又は機能の様々な組み合わせが提供されうることを、認識すべきである。つまり、付随する特許請求の範囲の一部に明記されうるように、例えば、明示的に上述されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせも想定される。本書では特定の用語が用いられているが、それらは、一般的かつ解説的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。