IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミネベア株式会社の特許一覧

特許7496231位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム
<>
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図1
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図2
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図3
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図4
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図5
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図6
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図7
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図8
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図9
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図10
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図11
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図12
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図13
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図14
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図15
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図16
  • 特許-位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/00 20060101AFI20240530BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01G23/00 A
G01G19/52 D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020076581
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021173594
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100179280
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 育郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 清
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-239113(JP,A)
【文献】特開2005-300368(JP,A)
【文献】特開2019-200148(JP,A)
【文献】特開2006-252540(JP,A)
【文献】特開2001-033300(JP,A)
【文献】特開2017-194393(JP,A)
【文献】特開2012-157390(JP,A)
【文献】米国特許第05994649(US,A)
【文献】米国特許第03961675(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0223625(US,A1)
【文献】中国実用新案第206019823(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/44-19/60,23/00
A61G 1/00-7/16
A47C 17/00-23/34,29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドのキャスターの下に設置されて荷重を検出する複数の荷重検出器を位置合わせする位置合わせユニットであって、
前記ベッドが置かれる床上に設置される複数のベース部と、
前記複数のベース部を、該複数のベース部が対向する対向方向に沿って相対移動可能に連結する連結部とを備え、
前記複数のベース部の各々が、
前記複数の荷重検出器の各々を受け入れる受け入れ部を有する本体部と、
前記受け入れ部内の前記荷重検出器に前記キャスターを案内する主スロープとを有し、
前記連結部が、前記対向方向において前記主スロープに隣設される連結部スロープを有し、
前記複数のベース部の少なくとも一つの主スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である補助スロープを更に備える位置合わせユニット。
【請求項2】
前記複数のベースが前記対向方向において互いに離間する方向に移動されることにより前記主スロープと前記連結部スロープとの間に隙間が生じるときに、前記補助スロープは、前記隙間を覆うように前記対向方向にスライド可能である請求項1に記載の位置合わせユニット。
【請求項3】
前記補助スロープが、前記主スロープ又は前記連結部スロープの下方に設けられ且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって開口する凹部に配置されている請求項1又は2に記載の位置合わせユニット。
【請求項4】
前記補助スロープが前記複数のベース部の少なくとも一つの主スロープに設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項5】
前記主スロープが、前記受け入れ部の一方側に配置される第1スロープと、前記受け入れ部と第1スロープとが並ぶ方向とは異なる方向において前記受け入れ部を挟む第2、第3スロープとを含む請求項1~4のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項6】
前記複数のベース部が、
一組の第1ベース部と、
一組の第2ベース部とを含み、
前記連結部が、
前記一組の第1ベース部を前記対向方向に相対移動可能に連結する第1連結部と、
前記一組の第2ベース部を前記対向方向に相対移動可能に連結する第2連結部と、
第1、第2連結部を前記対向方向に直交する直交方向に相対移動可能に連結する第3連結部とを含む請求項1~4のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項7】
前記複数のベース部の少なくとも一つの主スロープが、前記受け入れ部の一方側に配置される第1スロープと、前記受け入れ部と第1スロープとが並ぶ方向とは異なる方向において前記受け入れ部を挟む第2、第3スロープとを含み、
前記連結部スロープは前記主スロープの第2スロープと前記対向方向に隣設され、
前記補助スロープは、前記主スロープの第2スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は第2スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である第1補助スロープと、前記主スロープの第3スロープに設けられ、且つ第3連結部に向かって前記対向方向にスライド可能である第2補助スロープとを含む請求項6に記載の
位置合わせユニット。
【請求項8】
前記主スロープが前記本体部に対して着脱可能である請求項1~7のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項9】
前記主スロープの傾斜角度が10°以下である請求項1~8のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項10】
前記連結部が、前記複数の荷重検出器の少なくとも1つに接続された配線を収容する請求項1~のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項11】
前記補助スロープを前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって付勢する付勢部材を備える請求項1~10のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項12】
前記補助スロープの位置を、前記主スロープ又は前記連結部スロープに対して固定するロック機構を備える請求項1~11のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項13】
前記主スロープ及び前記連結部スロープの一方に設けられた前記補助スロープを、前記主スロープ及び前記連結部スロープの他方に接続する係止部を備える請求項1~12のいずれか一項に記載の位置合わせユニット。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の位置合わせユニットと、
前記位置合わせユニットの前記複数のベース部の前記受け入れ部にそれぞれ収容された複数の荷重検出器とを備える荷重検出ユニット。
【請求項15】
ベッドのキャスターの下に設置されて荷重を検出する複数の荷重検出と、
前記複数の荷重検出を、該複数の荷重検出が対向する対向方向に沿って相対移動可能に連結する連結部とを備え、
前記複数の荷重検出の各々が、前記キャスターが載置される載置部、及び該載置部に前記キャスターを案内する主スロープを有し、
前記連結部が、前記対向方向において前記主スロープに隣設される連結部スロープを有し、
前記複数の荷重検出の少なくとも一つの主スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である補助スロープを更に備える荷重検出ユニット。
【請求項16】
ベッド上の被験者の荷重を検出する荷重検出システムであって、
請求項14又は15に記載の荷重検出ユニットと、
前記荷重検出ユニットの複数の荷重検出に接続され、該複数の荷重検出の出力に基づいて前記被験者の荷重を求める制御部とを備える荷重検出システム。
【請求項17】
前記荷重検出ユニットの前記複数の荷重検出器の上に載置されるベッドを更に備え、
前記ベッドが前記複数の荷重検出器の上に載置された状態における平面視において、前記主スロープの下端部が前記ベッドの外側に位置する請求項16に記載の荷重検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合わせユニット、荷重検出ユニット、及び荷重検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療や介護の分野において、荷重検出器を用いてベッド上の被験者の荷重を検出し、検出した荷重に基づいて、被験者がベッド上に在床しているか否かの判定(在床判定)や、被験者の生体情報(呼吸数、心拍数等)の取得を行うことが提案されている。
【0003】
特許文献1は、ベッドの4つのキャスターの各々の下に荷重検出器を設置し、当該荷重検出器の出力に基づいてベッド上の被験者の在床位置を判定することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-252540
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベッドの複数のキャスターの下に複数の荷重検出器を設置する際には、まず複数の荷重検出器をベッドのキャスターの位置関係に応じた適切な位置関係で床面上に配置し、その後、ベッドを移動させて複数のキャスターを複数の荷重検出器上に同時に移動させる。ここで、複数の荷重検出器を適切に配置する作業、及び複数のキャスターを同時に移動させて重量物であるベッドを複数の荷重検出器上に移動させる作業のそれぞれが手間のかかる作業である。
【0006】
本発明は、複数の荷重検出器を容易に適切な位置関係で配置することができ、複数のキャスターを容易に複数の荷重検出器の上に移動させることができる位置合わせユニット、荷重検出ユニット、荷重検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、
ベッドのキャスターの下に設置されて荷重を検出する複数の荷重検出器を位置合わせする位置合わせユニットであって、
前記ベッドが置かれる床上に設置される複数のベース部と、
前記複数のベース部を、該複数のベース部が対向する対向方向に沿って相対移動可能に連結する連結部とを備え、
前記複数のベース部の各々が、
前記複数の荷重検出器の各々を受け入れる受け入れ部を有する本体部と、
前記受け入れ部内の前記荷重検出器に前記キャスターを案内する主スロープとを有し、
前記連結部が、前記対向方向において前記主スロープに隣設される連結部スロープを有し、
前記複数のベース部の少なくとも一つの主スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である補助スロープを更に備える位置合わせユニットが提供される。
【0008】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記複数のベースが前記対向方向において互いに離間する方向に移動されることにより前記主スロープと前記連結部スロープとの間
に隙間が生じるときに、前記補助スロープは、前記隙間を覆うように前記対向方向にスライド可能であってもよい。
【0009】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記補助スロープが、前記主スロープ又は前記連結部スロープの下方に設けられ且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって開口する凹部に配置されていてもよい。
【0010】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記補助スロープが前記複数の荷重検出器の少なくとも一方の主スロープに設けられていてもよい。
【0011】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記主スロープが、前記受け入れ部の一方側に配置される第1スロープと、前記受け入れ部と第1スロープとが並ぶ方向とは異なる方向において前記受け入れ部を挟む第2、第3スロープとを含んでもよい。
【0012】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記複数のベース部が、一組の第1ベース部と、一組の第2ベース部とを含んでもよく、前記連結部が、前記一組の第1ベース部を前記対向方向に相対移動可能に連結する第1連結部と、前記一組の第2ベース部を前記対向方向に相対移動可能に連結する第2連結部と、第1、第2連結部を前記対向方向に直交する直交方向に相対移動可能に連結する第3連結部とを含んでもよい。
【0013】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記複数のベース部の少なくとも一つの主スロープが、前記受け入れ部の一方側に配置される第1スロープと、前記受け入れ部と第1スロープとが並ぶ方向とは異なる方向において前記受け入れ部を挟む第2、第3スロープとを含んでもよく、前記連結部スロープは前記主スロープの第2スロープと前記対向方向に隣設されてもよく、前記補助スロープは、前記主スロープの第2スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は第2スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である第1補助スロープと、前記主スロープの第3スロープに設けられ、且つ第3連結部に向かって前記対向方向にスライド可能である第2補助スロープとを含んでもよい。
【0014】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記主スロープが前記本体部に対して着脱可能であってもよい。
【0015】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記主スロープの傾斜角度が10°以下であってもよい。
【0016】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記本体部に取り付けられた前記主スロープの下端部は、平面視において前記ベッドの外側に位置してもよい。
【0017】
第1の態様の位置合わせユニットにおいて、前記連結部が、前記複数の荷重検出器の少なくとも1つに接続された配線を収容してもよい。
【0018】
第1の態様の位置合わせユニットは、前記補助スロープを前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって付勢する付勢部材を備えてもよい。
【0019】
第1の態様の位置合わせユニットは、前記補助スロープの位置を、前記主スロープ又は前記連結部スロープに対して固定するロック機構を備えてもよい。
【0020】
第1の態様の位置合わせユニットは、前記主スロープ及び前記連結部スロープの一方に設けられた前記補助スロープを、前記主スロープ及び前記連結部スロープの他方に接続す
る係止部を備えてもよい。
【0021】
本発明の第2の態様に従えば、
第1の態様の位置合わせユニットと、
前記位置合わせユニットの前記複数のベース部の前記受け入れ部にそれぞれ収容された複数の荷重検出器とを備える荷重検出ユニットが提供される。
【0022】
本発明の第3の態様に従えば、
ベッドのキャスターの下に設置されて荷重を検出する複数の荷重検出部と、
前記複数の荷重検出部を、該複数の荷重検出部が対向する対向方向に沿って相対移動可能に連結する連結部とを備え、
前記複数の荷重検出部の各々が、前記キャスターが載置される載置部、及び該載置部に前記キャスターを案内する主スロープを有し、
前記連結部が、前記対向方向において前記主スロープに隣設される連結部スロープを有し、
前記複数の荷重検出部の少なくとも一つの主スロープ又は前記連結部スロープに設けられ、且つ前記連結部スロープ又は前記主スロープに向かって前記対向方向にスライド可能である補助スロープを更に備える荷重検出ユニットが提供される、
【0023】
本発明の第4の態様に従えば、
ベッド上の被験者の荷重を検出する荷重検出システムであって、
第2の態様又は第3の態様の荷重検出ユニットと、
前記荷重検出ユニットの複数の荷重検出部に接続され、該複数の荷重検出部の出力に基づいて前記被験者の荷重を求める制御部とを備える荷重検出システムが提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の位置合わせユニット、荷重検出ユニット、荷重検出システムは、複数の荷重検出器を容易に適切な位置関係で配置することができ、複数のキャスターを容易に複数の荷重検出器の上に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施形態に係る荷重検出ユニットの斜視図である。
図2図2は、荷重検出部、及び幅方向連結部の板部を上方から見た分解斜視図である。
図3図3は、荷重検出部のベース部の本体部、及び幅方向連結部の板部を下方から見た斜視図である。
図4図4は、荷重検出部のベース部の主スロープ部を下方から見た斜視図である。
図5図5(a)、図5(b)はそれぞれ、スロープ部が備える補助スロープ部の斜視図である。
図6図6(a)は、スロープ部の主スロープ部に補助スロープ部が収納された状態を示す斜視図である。図6(b)は、スロープ部の主スロープ部から補助スロープ部が突出した状態を示す斜視図である。
図7図7は、荷重検出部のひずみセンサユニットを上方から見た分解斜視図である。
図8図8は、荷重検出部のベース部の本体部、及び幅方向連結部の板部の下面図である。
図9図9(a)、図9(b)は、幅方向に並ぶ一組の荷重検出部と、当該一組の荷重検出部を相対移動可能に連結する幅方向連結部の側面図である。図9(a)は一組の荷重検出部が最も離間した状態(最大状態)を示し、図9(b)は一組の荷重検出部が最も接近した状態(最小状態)を示す。
図10図10(a)は幅方向連結部の連結台の上面図であり、図10(b)は連結台の下面図である。
図11図11(a)は長手方向連結部の上面図である。図11(b)は図11(a)のB-B線に沿った断面図であり、図11(c)は図11(a)のC-C線に沿った断面図である。
図12図12(a)、図12(b)は、荷重検出ユニットの使用方法を説明するための説明図である。図12(a)は、幅方向に並ぶ一対の荷重検出部が最も接近した最小状態を示す。図12(b)は、幅方向に並ぶ一対の荷重検出部が最も離間した最大状態を示す。
図13図13(a)、図13(b)は荷重検出ユニットの使用方法を説明するための説明図である。図13(a)は本体部にスロープ部が取り付けられた荷重検出ユニットにベッドが設置された状態を示し、図13(b)は本体部からスロープ部が取り外された荷重検出ユニットにベッドが設置された状態を示す。
図14図14(a)は、引手を備える変形例の補助スロープ部の平面図である。図14(b)は、付勢部材を備える変形例の補助スロープ部の平面図である。図14(c)は係止部材を備える変形例の補助スロープ部の平面図である。
図15図15は、変形例の主スロープ部の平面図である。
図16図16は荷重検出ユニットの変形例の上面図である。
図17図17は、荷重検出部に変えて用い得るベース部、及びベース部に収容される荷重検出器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態>
本発明の実施形態の荷重検出ユニット1000について、荷重検出ユニット1000を、病院において、様々な寸法のベッドBDとともに使用する場合を例として説明する。
【0027】
以下の説明においては、図1に示す荷重検出ユニット1000の長手方向、短手方向をそれぞれ、荷重検出ユニット1000の長手方向、幅方向と呼ぶ。ベッドBD(図13)は、ベッドBDの長手方向、幅方向を荷重検出ユニット1000の長手方向、幅方向にそれぞれ一致させた状態で、荷重検出ユニット1000の上に設置される。
【0028】
荷重検出ユニット1000は、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2と、2つの幅方向連結部20a、20bと、1つの長手方向連結部30とを主に有する。
【0029】
<荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2>
4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々には、ベッドBDのキャスターCTが載置される(図13)。4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2は互いに同一の構造を有するため、ここでは荷重検出部10b2について説明する。
【0030】
図2に示す通り、荷重検出部10b2は、ベース部11と、ベース部11の下面側に取り付けられた4つのひずみセンサユニット12と、4つのひずみセンサユニット12に支持された載置板13とを主に有する。
【0031】
ベース部11は、本体部111と、本体部111に対して着脱可能なスロープ部112とを有する。
【0032】
本体部111は、平面視略正方形である直方体状の部材であり、一例としてABSやP
C等の樹脂により形成されている。また、耐薬品性を備えることが望ましい場合はPPSやPOM等の樹脂を使用してもよい。POMの使用によりキャスターとの摺動性が向上する。
【0033】
本体部111の上面111uの中央部には、平面視正方形の開口111Aが設けられている。本体部111の下面111d(図3)の中央部には、平面視正方形の凹部111Rが設けられている。開口111Aが凹部111Rに連通している。下面111dには、凹部111Rに連通する溝G11が形成されている。溝G11には、ひずみセンサユニット12と外部とを繋ぐ配線Wが通される(詳細後述)。
【0034】
本体部111の4つの側面111sはそれぞれ、上面111uの四辺から垂直下方に延びている。4つの側面111sの一つには、幅方向連結部20bの板部222が固定されている(詳細後述)。側面111sの高さは一例として5~25mm程度とし得る。
【0035】
スロープ部112は、本体部111の3つの側面111sを覆うように本体部111に取り付けられて、本体部111にキャスターCTを案内するスロープを与える。スロープ部112は、主スロープ部112Mと、一対の補助スロープ部112Sa、112Sbとを有する。
【0036】
主スロープ部112Mは、中心O112を囲んで平面視コ字状(U字状)に連結された第1部分M1、第2部分M2、第3部分M3により構成されている。第1~第3部分M1~M3の各々は、断面が略三角形の長手部材である。主スロープ部112Mの材質は、一例としてエラストマー樹脂とし得る。
【0037】
第1部分M1は、中心O112の一方側に配置されている。第1部分M1の上面には、中心O112に向かって上昇する第1スロープS1が画定されている。第2部分M2、第3部分M3は、第1部分M1と中心O112とが並ぶ方向に直交する方向において中心O112を挟むように配置されている。第2部分M2、第3部分M3の上面にはそれぞれ、中心O112に向かって上昇する第2スロープS2、第3スロープS3が画定されている。
【0038】
第1部分M1の一端部に第2部分M2の一端部が接続されており、第1部分M1の他端部に第3部分M3の一端部が接続されている。これにより、第1~第3スロープS1~S3が接続され、中心O112に向かって上昇する平面視コ字(U字)状の主スロープSMが画定されている。
【0039】
本実施形態においては第1スロープS1、第2スロープS2、第3スロープS3の各々の傾斜角(床面とスロープ上面との間の角度)はそれぞれ7.6度である。しかしながら、第1~第3スロープS1~S3の各々の傾斜角は任意であり、10度以下とすることが望ましく、7度~9度程度とすることがより望ましいがこれには限られない。
【0040】
第1~第3スロープS1~S3の傾斜角を小さい値とすることにより、キャスターCT、ひいてはベッドBDの本体部111に対する上げ下げを、容易に且つベッドBD上の患者に与える衝撃を軽減して行うことができる。一方で、第1~第3スロープS1~S3の傾斜角を小さくすることは、各スロープの傾斜方向の寸法(即ち、スロープの長さ)が大きくなってしまうことを意味する。上記の望ましい傾斜角の範囲は、これらの観点のバランスを考慮したものである。
【0041】
図4に示す通り、第2部分M2、第3部分M3の下面にはそれぞれ、第1部分M1に接続された端部とは反対側の端部Eに、凹部ra、rbが設けられている。凹部raは、第
2部分M2の長手方向に沿って延びる主部mpと、第2部分M2の端部Eにおいて主部mpから中心O112側へと延びる連通部cpとを含む。凹部rbも同様に、第3部分M3の長手方向に沿って延びる主部mpと、第3部分M3の端部Eにおいて主部mpから中心O112側へと延びる連通部cpとを含む。凹部ra、rbの各々において、主部mp、連通部cpは、中心O112に近づくにしたがって深くなるように構成されている。
【0042】
補助スロープ部112Saは、主スロープ部112Mの第2部分M2の端部Eにおいて主スロープSMを延長する部材である。補助スロープ部112Sbは、主スロープ部112Mの第3部分M3の端部Eにおいて主スロープSMを延長する部材である。補助スロープ部112Sa、112Sbは、一例としてABS、PC、POM等の樹脂により形成し得る。POMを用いることで摺動性を高めることができる。
【0043】
図5(a)に示す通り、補助スロープ部112Saは端部e1、e2を有する略くさび形であり、上面には、端部e1と端部e2との間に渡る端部間方向に直交する方向に傾斜する補助スロープSSが画定されている。補助スロープ部112Saの端部e2には、補助スロープSSの傾斜方向に突出する突出部prが設けられている。
【0044】
補助スロープ部112Sb(図5(b))は、補助スロープ部112Saに類似の形状を有する。具体的には、補助スロープ部112Saと補助スロープ部112Sbとは、補助スロープ部112Saの傾斜方向に直交する面を基準として、互いに鏡面対象である。以下の説明においては、補助スロープ部112Saの各要素と鏡面対象の関係にある補助スロープ部112Sbの各要素には、補助スロープ部112Saの当該要素と同一の符号により言及する。
【0045】
本実施形態においては、補助スロープ部112Sa、112Sbの補助スロープSSの傾斜角(床面とスロープ上面との間の角度)はそれぞれ7.6度であり、第1スロープS1~第3スロープS3の各々の傾斜角に等しい。補助スロープSSの傾斜角は、第1スロープS1~第3スロープS3の傾斜角と同様の観点により設定し得る。補助スロープSSの傾斜角は、第1スロープS1~第3スロープS3の傾斜角と必ずしも同一でなくてもよい。
【0046】
図6(a)、図6(b)に示すように、補助スロープ部112Saは、主スロープ部112Mの第2部分M2の凹部raに、着脱自在にはめ込まれている。この状態において、補助スロープ部112Saは、主スロープ部112Mに相対して、第2部材M2の長手方向(補助スロープ部112Saの端部間方向)にスライド移動可能である。荷重検出部10b2を第2部材M2の長手方向に沿って補助スロープ部112Saから離れる方向に移動させた際には、補助スロープ112Saは床面との摩擦力により定位置に留まり、結果として、荷重検出部10b2の主スロープ部112Mに対してスライド移動して主スロープSMから突出する。
【0047】
補助スロープ部112Saの全体が凹部ra内に配置された収納状態(図6(a))では、第2部分M2の端部Eと補助スロープ部112Saの端部e2とが面一であり、凹部raの連通部cpには補助スロープ部112Saの突出部prが配置されている。補助スロープ部112Saの補助スロープSSは凹部raの底面に対向している。
【0048】
補助スロープ部112Saの一部又は全部が凹部raから端部E側に引き出された使用状態(図6(b))では、主スロープ部112Mの主スロープSMと補助スロープ部112Saの補助スロープSSとにより、一連のスロープが構成される。
【0049】
補助スロープ部112Sbは、主スロープ部112Mの第3部分M3の凹部rbに、補助スロープ部112Saと同様の態様で配置されている。
【0050】
第1、第2、第3スロープS1、S2、S3の上端UE側の、中心O112を含む領域には、第1、第2、第3部材M1、M2、M3によって三方を囲まれた空間SP1が画成される。スロープ部112は、空間SP1内に本体部111を収めることにより、本体部111に取り付けられる。本体部111の側面111sに垂直方向に延びる畝状のガイドレールを設け、スロープ部112の対応する位置に当該ガイドレールがはめ込まれる案内溝を設けてもよい。これにより、スロープ部112がキャスターCTを案内する際に、スロープ部112の本体部111に対する移動(ずれ)を抑制できる。
【0051】
スロープ部112が本体部111に取り付けられた状態においては、第1~第3スロープS1~S3の上端UEが本体部111の上面111uに段差なく接続する。第1スロープS1は本体部111の開口部111Aの一方側に位置し、第2スロープS2、第3スロープS3は、第1スロープS1と本体部111とが並ぶ方向に直交する方向において開口部111Aを挟む。
【0052】
図7に示す通り、ひずみセンサユニット12は、起歪部121と、荷重伝達部122とを主に有する。
【0053】
起歪部121は、第1のU字部材121U1と、第1のU字部材121U1に対向する第2のU字部材121U2と、第1のU字部材121U1の中央部と第2のU字部材121U2の中央部とを繋ぐI字部材121Iとを含む。第1のU字部材121U1、第2のU字部材121U2、I字部材121Iはそれぞれ、ステンレス鋼(SUS304)等の金属で形成されている。
【0054】
第1のU字部材121U1の両端近傍にはねじ穴h1が設けられている。第2のU字部材121U2の両端近傍には連結穴h2が設けられている。2つのねじ穴h1と2つの連結穴h2とは、I字部材121Iの延在方向に直交する方向に沿って一直線状に並んでいる。
【0055】
I字部材121Iの中央部には、ひずみゲージSGが張り付けられている。ひずみゲージSGは、2つのねじ穴h1と2つの連結穴h2とを結ぶ直線上に位置するように配置されている。
【0056】
荷重伝達部122は、略菱形であり、ステンレス鋼(SUS304)等の金属で形成されている。
【0057】
荷重伝達部122の中央部には、上方に半球状に突起した支持台122sが形成されている。荷重伝達部122の長手方向の両端近傍には、連結穴h3が形成されている。支持台122sと2つの連結穴h3とは、荷重伝達部122の長手方向に沿って一直線状に並んでいる。
【0058】
起歪部121と荷重伝達部122とは、起歪部121の2つの連結穴h2の各々と、荷重伝達部122の2つの連結穴h3の各々とをスペーサ(不図示)を介してピン(不図示)で連結することにより、互いに対して固定的に連結されている。起歪部121と荷重伝達部122とが連結された状態において、荷重伝達部122の下面と起歪部121の上面とは、スペーサ(不図示)の厚さ分だけ離間している。また、ひずみゲージSGは支持台122sの真下に位置する。
【0059】
ねじ穴h1の下方から起歪部121を支持した状態で荷重伝達部122の支持台122sに上方から荷重を加えると、起歪部121の第2のU字部材121U2が下方に移動し、I字部材121Iにひずみが生じる。このひずみの量をひずみゲージSGが検出する。ねじ穴h1と支持台122sが一直線上に配置されているため、モーメントの影響を抑制した精度の高いひずみ検出を行うことができる。
【0060】
図8に示す通り、ひずみセンサユニット12は、ベース部11の本体部111の凹部111R内において、開口111Aの四隅に1つずつ固定されている。具体的には、ひずみセンサユニット12の各々は、荷重伝達部122の支持台122sを上方に向けた状態で、第1のU字部材121U1のねじ穴h1を介して、凹部111Rの天面にねじ止めされている。この状態において、各ひずみセンサユニット12の支持台122sは、開口111Aの内側において、開口111Aの四隅に位置する。
【0061】
載置板13は、正方形の平板であり、一例としてアルミダイカスト材(ADC12)等により形成されている。載置板13は、四隅において4つのひずみセンサユニット12の支持台122sに支持されて、本体部111の開口111Aの内部に配置される。載置板13の上面13uは、本体部111の上面111uと面一となる。
【0062】
図8に示すように、本体部111に、開口111Aの内側に向かって突出し且つ開口Aを有する固定片Fを設け、開口Aよりも小径のねじを、開口Aを介して載置板13の下面にねじ込んでもよい。これにより、載置板13の上下移動を阻害することなく、載置板13を本体部111に分離不能に接続することができる。
【0063】
<幅方向連結部20a、20b>
図1に示す通り、幅方向連結部20aは荷重検出部10a1、10a2を幅方向に相対移動可能に連結し、幅方向連結部20bは荷重検出部10b1、10b2を幅方向に相対移動可能に連結する。幅方向連結部20a、20bは互いに同一の構造を有するため、ここでは幅方向連結部20bについて説明する。
【0064】
図9(a)、図9(b)に示す通り、幅方向連結部20bは、連結台21と、荷重検出部10b1のベース部11の本体部111に固定された板部221と、荷重検出部10b2のベース部11の本体部111に固定された板部222とを含む。
【0065】
連結台21は、一例としてABSやPC等の樹脂で形成されている。また、耐薬品性を備えることが望ましい場合はPPSやPOM等の樹脂を使用してもよい。POMの使用によりキャスターとの摺動性が向上する。図10(a)に示す通り、連結台21は、平面視矩形の天板21tと、天板21tの四辺から下方へと垂直に延びる壁部21wとを有する。
【0066】
天板21tには、天板21tを貫通して天板21tの短手方向に延びるスリットSLが、天板21tの長手方向に2つ並んで形成されている。
【0067】
壁部21wは、天板21tの短手方向両側に位置する第1、第2壁部21w1、21w2と、天板21tの長手方向両側に位置する第3、第4壁部21w3、21w4とを有する。第1~第4壁部21w1~21w4の各々の下端の中央部には、溝G21が設けられている(図10(b))。溝G21には、ひずみセンサユニット12と外部とを繋ぐ配線Wが通される(詳細後述)。
【0068】
天板21tの下側の、天板21tと壁部21wとによって囲まれた空間が、ひずみセンサユニット12と外部とを繋ぐ配線Wを収容する収容空間R21となる。
【0069】
第3壁部21w3には、スロープ21Sが設けられている。スロープ21Sは、荷重検出部10b1、10b2の主スロープSM、補助スロープSSと一連のスロープを形成する(詳細後述)。本実施形態においては、スロープ21Sの傾斜角(床面とスロープ上面との間の角度)はそれぞれ7.6度であり、第1スロープS1~第3スロープS3の各々の傾斜角に等しい。スロープ21Sの傾斜角は、第1スロープS1~第3スロープS3の傾斜角と同様の観点により設定し得る。スロープ21Sの傾斜角は、第1スロープS1~第3スロープS3の傾斜角と必ずしも同一でなくてもよい。
【0070】
板部221、板部222はそれぞれ、平面視矩形の平板(図1図2)である。
【0071】
図9(a)、図9(b)に示す通り、連結台21と、板部221、222の各々とは、連結台21の下側から板部221、222の下面に、スリットSLを介してピンPNを取り付けることにより、摺動可能に連結されている。
【0072】
<長手方向連結部30>
図11(a)~図11(c)に示す通り、長手方向連結部30は、下側部分31と、下側部分31の一部を覆って下側部分31に接続された上側部分32とを有する。
【0073】
下側部分31は、長尺の板部311と、板部311の幅方向の両側に接続された一対のスロープ312とにより構成されている。板部311には、板部311の長手方向に延びるスロットSLが板部311の幅方向に並んで2つ形成されている。図11(c)に示す通り、板部311の長手方向の一端部の近傍において、スロットSLの間に開口Aが形成されており、上方に突出する凸部pを有する板バネSPが、凸部pが開口Aを通って上方に突出するように配置され板部311に固定されている。なお、開口A及び板バネSPは、図面の煩雑化を避けるため図11(a)、図11(b)では図示を省略している。
【0074】
上側部分32は、長尺の板部321と、板部321の幅方向の両側に接続された一対のスロープ322とにより構成されている。板部321の下面には、複数の凹部rが、板部321の長手方向に沿って一定の間隔で形成されている。
【0075】
下側部分31と上側部分32とは、板部311の下側から、スリットSLを介してピンPNを板部321の下面に取り付けることにより、互いに対して摺動可能に連結されている。下側部材31と上側部材32とを相対移動させることにより、長手方向連結部30の長さが変更される。また、板バネSPの凸部pを複数の凹部rに選択的に篏合させることにより、長手方向連結部30の長さを段階的に調整し、且つ調整した長さに維持することができる。
【0076】
下側部材31、上側部材32の下側の空間が、ひずみセンサユニット12と外部とを繋ぐ配線Wを収容する収容空間R30となる。
【0077】
<荷重検出ユニット1000の全体配置>
ここで、図1を参照して4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2と、2つの幅方向連結部20a、20bと、1つの長手方向連結部30の配置を整理する。
【0078】
荷重検出ユニット1000の長手方向の一方側には、荷重検出部10a1と荷重検出器10a2とが幅方向に並んで(対向して)配置されている。荷重検出部10a1、10a2はそれぞれ、主スロープSMの第1スロープS1が幅方向の外側に位置し、第2、第3スロープS2、S3が長手方向に対向するように配置されている。本体部111の、第1スロープS1が設けられる側面111sとは反対側の側面111sは幅方向内側に配置さ
れており、当該側面111sに幅方向連結部20aの板部221、222が固定されている。これにより、幅方向連結部20aが荷重検出部10a1、10a2を幅方向(対向方向)に相対移動可能に連結している。
【0079】
ベース部11の本体部111と板部221、222の各々とは一体に形成されていてもよい。また、本体部111の上面111uと板部221、222の各々の上面とは面一であってもよい。
【0080】
荷重検出部10a1と荷重検出部10a2とは、長手方向軸Xに関して対称な構造を有する。荷重検出部10a1、10a2の載置板13の長手方向の位置は互いに等しい。
【0081】
荷重検出ユニット1000の長手方向の他方側には、荷重検出部10b1と荷重検出器10b2とが幅方向に並んで配置されている。荷重検出部10b1、10b2はそれぞれ、主スロープSMの第1スロープS1が幅方向の外側に位置し、第2、第3スロープS2、S3が長手方向に対向するように配置されている。本体部111の、第1スロープS1が設けられる側面111sとは反対側の側面111sは幅方向内側に配置されており、当該側面111sに幅方向連結部20bの板部221、222が固定されている。これにより、幅方向連結部20bが荷重検出部10b1、10b2を幅方向に相対移動可能に連結している。
【0082】
荷重検出部10b1と荷重検出部10b2とは、長手方向軸Xに関して対称な構造を有する。荷重検出部10b1、10b2の載置板13の長手方向の位置は互いに等しい。
【0083】
また、荷重検出部10a1、10a2及び幅方向連結部20aと、荷重検出部10b1、10b2及び幅方向連結部20bとは、幅方向軸Yに関して対称な構造を有する。
【0084】
長手方向に離間して配置された幅方向連結部20a、20bの間には、長手方向連結部30が配置されている。長手方向連結部30の下側部材31が、上側部材32と接続された端部とは反対側の端部において幅方向連結部20aの連結台21の第4壁部21w4に固定されている。これにより、連結台21の収容空間R21と長手方向連結部30の収容空間R30とが、溝G21を介して連通する。
【0085】
同様に、長手方向連結部30の上側部材32が、下側部材31と接続された端部とは反対側の端部において連結台21の第4壁部21w4に固定されている。これにより、連結台21の収容空間R21と長手方向連結部30の収容空間R30とが、溝G21を介して連通する。
【0086】
荷重検出ユニット1000の長手方向一方側の端部においては、荷重検出部10a1の主スロープSM(第2スロープS2)、荷重検出部10a2の主スロープSM(第3スロープS3)、及び幅方向連結部20aの連結台21のスロープ21Sが幅方向に並んで隣設される。また、荷重検出部10a1、10a2の移動に応じて荷重検出部10a1の主スロープSM(第2スロープS2)とスロープ21Sとの間及び荷重検出部10a2の主スロープSM(第3スロープS3)とスロープ21Sとの間に生じる隙間には、補助スロープSSが配置される(図12(a)、(b))。なお、本明細書及び本発明において2つの部材が「隣設」されるとは、当該2つの部材が隙間なく隣り合って設置されている態様及び当該2つの部材が隙間を有して隣り合って設置されている態様の両方を含む。
【0087】
荷重検出ユニット1000の長手方向他方側の端部においては、荷重検出部10b1の主スロープSM(第3スロープS3)、荷重検出部10b2の主スロープSM(第2スロープS2)、及び幅方向連結部20bの連結台21のスロープ21Sとが幅方向に並んで
隣設される。また、荷重検出部10b1、10b2の移動に応じて荷重検出部10b1の主スロープSM(第3スロープS3)とスロープ21Sとの間及び荷重検出部10b2の主スロープSM(第2スロープS2)とスロープ21Sとの間に生じる隙間には、補助スロープSSが配置される(図12(a)、(b))。
【0088】
荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の溝G11図3)と、幅方向連結部20a、20bの溝G21及び収容空間R21図10(b))と、長手方向連結部30の収容空間R30図11(c))とが、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2から延びる配線W(図13)のための配線路CHを構成する。
【0089】
具体的には、荷重検出部10a1、10a2のひずみセンサユニット12から延びる配線Wは、荷重検出部10a1、10a2の溝G11、及び幅方向連結部20aの溝G21及び収容空間R21を通り、幅方向連結部20aの連結台21の長手方向外側の溝G21から外部へと延びる(図13(a)、図13(b))。荷重検出部10b1、10b2のひずみセンサユニット12から延びる配線Wは、荷重検出部10b1、10b2の溝G11、幅方向連結部20bの溝G21及び収容空間R21、長手方向連結部30の収容空間R30、幅方向連結部20aの溝G21及び収容空間R21を通り、幅方向連結部20aの連結台21の長手方向外側の溝G21から外部へと延びる。外部に延びた配線Wは、データロガー等を備える制御部CONTに接続される。
【0090】
即ち、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30は、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2から延びる配線Wを覆ってこれを保護する保護部材としての機能も有する。
【0091】
本実施形態の荷重検出ユニット1000を病院において使用する場合には、まず、スロープ部112を本体部111に取り付けた状態で荷重検出ユニット1000を病室や処置室等の床に設置する。そして、幅方向連結部20aの溝G21を介して外部に延びる配線Wを、制御部CONTに接続する(図13(a))。
【0092】
次に、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を、設置予定のベッドBDに応じた適切な位置関係で配置する。すなわち、設置予定のベッドBDが有するキャスターCTの位置関係に合わせて、荷重検出部10a1、10a2の幅方向の離間距離、荷重検出部10b1、10b2の幅方向の離間距離、及び荷重検出部10a1、10a2と荷重検出部10b1、10b2の長手方向の離間距離を調整する。この調整は、幅方向連結部20a、20b、及び長手方向連結部30を伸縮することにより行う。
【0093】
連結台21、板部221、222を互いに対して摺動させて幅方向連結部20aを伸縮することにより、荷重検出部10a1、10a2の長手方向の位置が一致した状態を保ったまま、荷重検出部10a1、10a2の幅方向の離間距離のみを容易に調整することができる。また、連結台21、板部221、222を互いに対して摺動させて幅方向連結部20bを伸縮することにより、荷重検出部10b1、10b2の長手方向の位置が一致した状態を保ったまま、荷重検出部10b1、10b2の幅方向の離間距離のみを容易に調整することができる。
また、下側部材31と上側部材32とを互いに対して摺動させて長手方向連結部30を伸縮することにより、荷重検出部10a1、10a2と荷重検出部10b1、10b2との幅方向における位置関係を保ったまま、荷重検出部10a1、10a2と荷重検出部10b1、10b2の長手方向の離間距離のみを容易に調整することができる。
【0094】
このように、荷重検出ユニット1000においては、ある荷重検出部の他の荷重検出部
に対する相対移動の自由度が制限されているため、互いに分離しており自在に移動することのできる4つの荷重検出器を個別に適切な位置に配置しようとする場合に比較して、4つの荷重検出部の適切な位置への配置が容易である。
【0095】
荷重検出部10a1、10a2を連結台21に最も接近させた最小状態においては、荷重検出部10a1、10a2の主スロープSMが連結台21のスロープ21Sに当接して、又はわずかな隙間のみを有して隣設される(図12(a))。また、荷重検出部10a1、10a2の主スロープSMは、長手方向連結部30の下側部分31のスロープ312に当接して、又はわずかな隙間のみを有して、隣設される。
【0096】
同様に、荷重検出部10b1、10b2を連結台21に最も接近させた最小状態においては、荷重検出部10b1、10b2の主スロープSMが連結台21のスロープ21Sに当接して、又はわずかな隙間のみを有して隣設される(図12(a))。また、荷重検出部10b1、10b2の主スロープSMは、長手方向連結部30の上側部分32のスロープ322に当接して、又はわずかな隙間のみを有して隣設される。
【0097】
荷重検出部10a1を最小状態から最大状態に向けて、荷重検出部10a2から離間する方向に向けて移動させると、主スロープSMの第2スロープS2に設けられた補助スロープSSが第2スロープS2に相対して幅方向にスライドし、スロープ21Sに向かって移動する。これにより、荷重検出部10a1の荷重検出器10a2から離間する方向への移動に応じて第2スロープS2とスロープ21Sとの間に生じる隙間に、当該隙間を覆うように補助スロープSSが配置される。この時補助スロープSSは、連結台21のスロープ21Sに当接して、又はわずかな隙間のみを有して隣設される(図12(b))。また、荷重検出部10a1を最大状態から最小状態に向けて、即ち荷重検出部10a2に接近する方向に向けて移動させると、補助スロープSSは主スロープSMに相対して幅方向にスライドし、第2スロープS2の下側の凹部raに収容される。荷重検出部10a2、10b1、10b2が幅方向に移動する際も同様である。
【0098】
荷重検出部10a1を最小状態から最大状態に向けて、荷重検出部10a2から離間する方向に向けて移動させると、主スロープSMの第3スロープS3に設けられた補助スロープSSが第3スロープS3に相対して幅方向にスライドし、下側部材31のスロープ312に向かって移動する。これにより、荷重検出部10a1の荷重検出器10a2から離間する方向への移動に応じて第2スロープS2とスロープ312との間に生じる隙間に、当該隙間を覆うように補助スロープSSが配置される。この時補助スロープSSは、下側部材31のスロープ312に当接して、又はわずかな隙間のみを有して隣設される(図12(b))。荷重検出部10a2、10b1、10b2が幅方向に移動する際も同様である。
【0099】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、このように、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を幅方向に移動させる際に生じ得る主スロープSMとスロープ21S、312、322との間の隙間に補助スロープSSを配置することで、ベッドBDのキャスターCTが嵌入するほどの大きな隙間が生じることを防止している。
【0100】
荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を、設置予定のベッドBDに応じた適切な位置に配置したのち、ベッドBDを荷重検出ユニット1000の上に設置する。ベッドBDの4つのキャスターCTの各々を、4つのベース部11の各々のスロープ部112を介して4つの載置板13の各々の中央部に至らせることにより、ベッドBDが荷重検出ユニット1000の上に設置される(図13(a))。
【0101】
ここで、上記の通り、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を幅方向に
移動させる際に生じ得る主スロープSMとスロープ21S、312、322との間の隙間に補助スロープSSが配置されている。そのため、キャスターCTの当該隙間への嵌入が防止され、キャスターCTを容易に荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2上に移動させることができる。
【0102】
また、スロープ部112の有する第1~第3スロープS1~S3の傾斜角が7.6度と小さいため、ベッドBDの重量が大きいにも関わらず、4つのキャスターCTを小さい力で載置板13の上に持ち上げることができる。また、ベッドBDの荷重検出ユニット1000への載置をなだらかな傾斜面を介して行うことは、ベッドBD上の患者(場合によっては非常に重篤な状態であり得る)に与える衝撃を最小限にできるという点においても好ましい。
【0103】
また、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々のスロープ部112が3つのスロープS1~S3を備えており、幅方向連結部20a、20bがそれぞれスロープ21Sを備えており、長手方向連結部30も、スロープ312、322を備えているため、ベッドBDを、荷重検出ユニット1000を乗り越える自在な経路に沿って移動させることができ、4つのキャスターCTを容易に4つの載置板13に載置することができる。
【0104】
ベッドBDを荷重検出ユニット1000上に設置する際、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2のひずみセンサユニット12から延びる配線Wは、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30によって画成された配線路CHの中に収容されている。そのため、ベッドBDのキャスターCTと配線Wとの接触が防止されており、当該接触による配線Wの損傷や、ひずみセンサユニット12や制御部CONTからの配線Wの脱落が防止されている。
【0105】
ベッドBDが荷重検出ユニット1000の上に設置された状態では、本体部111に取り付けられたスロープ部112の第1~第3スロープS1~S3の下端部LEは、平面視においてベッドBDの外側に位置する(図13(a))。換言すれば、本体部111に取り付けられたスロープ部112は、スロープ部112の少なくとも一部がベッドBDから水平方向に飛び出した位置に配置される(詳細後述)。
【0106】
したがって、ベッドBDを荷重検出ユニット1000の上に設置した後、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々のベース部11において、本体部111からスロープ部112を取り外す(図13(b))。これにより、ベース部11がベッドBDの下側に収まる。
【0107】
このように、スロープ部112を取り除いて各ベース部11をベッドBDの下側の領域(平面視においてベッドBDに重複する領域)に収めることで、ベッドBD上の患者に処置を施す医師や看護師等とベース部11、特にスロープ部112との接触を防止することができる。医療現場においては、医師等がベッドBDの周囲を忙しく動き回るため、医師等の足元には障害物が存在しないことが望ましい。特に、本実施形態においては、ベース部11の有するスロープ部112は、それぞれ、傾斜角が小さい第1~第3スロープS1~S3及び補助スロープSSを有しており、水平方向への飛び出し量は大きい。したがってスロープ部112を取り外せることは有利である。
【0108】
ベッドBDを入れ替える際には、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々のベース部11において、本体部111にスロープ部112を取り付けたのち、設置済のベッドBDを移動して荷重検出ユニット1000から降ろす。この時、スロープ部112の第1~第3スロープS1~S3等の傾斜角が7.6度と小さいため、より小さい
力で安全にベッドBDを降ろすことができ、ベッドBD上の患者に与える衝撃も最小限とし得る。
【0109】
ベッドBDを荷重検出ユニット1000から降ろした後、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を、次に設置予定のベッドBDに応じた適切な位置に再配置する。この再配置は、幅方向連結部20a、20bの長さ、長手方向連結部30の長さを調整するだけで容易に行うことができる。荷重検出部の再配置後、次に設置するベッドBDをスロープ部112を介して荷重検出ユニット1000の上に設置する。ベッドBDの設置後、各ベース部11において、スロープ部112を本体部111から取り外す。
【0110】
本実施形態の荷重検出ユニット1000の効果を以下にまとめる。
【0111】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々が主スロープSMに対して移動可能な補助スロープSSを備えている。そして、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を幅方向に移動させる際には、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の主スロープSMと他のスロープ21S、312、322との間に生じ得る隙間を覆うように補助スロープSSが配置される。これにより、主スロープSと他のスロープ21S、312、322との間に隙間が形成されることが防止され、当該隙間へのキャスターCTの嵌入が防止される。
【0112】
例えばベッド上に患者が乗っている場合などに、キャスターCTがスロープ間の隙間に嵌入すれば、嵌入時の衝撃や、キャスターCTを当該隙間から離脱させる際の衝撃など、不要な衝撃を患者に与えてしまうこととなる。また、ベッドBDの荷重検出ユニット1000上への載置に時間がかかり、患者に適切な処置を施すタイミングが遅くなってしまう。したがって、本実施形態の荷重検出ユニット1000のようにスロープ間に補助スロープSSを配置して隙間を埋めることは、病院等での使用において特に有利となり得る。
【0113】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2が幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30を介して、互いに対して相対移動可能に連結されている。したがって、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30の長さを調整することで、4つの荷重検出部を、容易に、ベッドBDの形状(キャスターCTの位置関係)に応じた適切な位置関係に配置することができる。この点は、例えば急患の受け入れ時など、次に設置するベッドに応じた配置調整を迅速且つ確実に行うことが求められる状況下において特に有利である。
【0114】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々がスロープ部112を有するため、複数のキャスターを容易に複数の荷重検出器の上に移動させることができる。また、本実施形態の荷重検出ユニット1000は、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の各々においてスロープ部112が本体部111に対して着脱可能であるため、ベッドの使用者等の邪魔にならない。
【0115】
特に、本実施形態の荷重検出ユニット1000においては、スロープ部112が有する第1~第3スロープS1~S3等の傾斜角度が7.6度と小さいため、ベッドBDを、小さい力で、ベッドBD上の患者に大きな衝撃を与えることなく、より容易に荷重検出ユニット1000上に設置することができる。その一方で、傾斜角度を小さくすることにより第1~第3スロープS1~S3の長さが大きくなりベッドBDから水平方向に飛び出して配置されてしまうが、スロープ部112を本体部111から取り外すことにより、スロープ部112とベッドBDの使用者等との接触を防止することができる。
【0116】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2のひずみセンサユニット12から延びる配線Wが、幅方向連結部20a、20b及び長手方向連結部30によって画成される配線路CHの内部に収容されている。したがって、ベッドBDを荷重検出ユニット1000の上に設置する際のキャスターCTと配線Wとの接触が解消され、当該接触による配線Wの損傷や、ひずみセンサユニット12や制御部CONTからの配線Wの脱落が防止される。また、ベッドBDの上の患者や、当該患者に対して処置を施す医師、看護師等の医療従事者と配線Wとの接触も解消され、当該接触による配線Wの損傷や、ひずみセンサユニット12や制御部CONTからの配線Wの脱落が防止される。その他、配線Wが視界から隠されるため病室、処置室等の美観を損なうことがない。
【0117】
本実施形態の荷重検出ユニット1000は、各ベース部11のスロープ部112が有する3つのスロープを含む多数のスロープを備えるため、キャスターCTを備えるベッドBDを、荷重検出ユニット1000の近傍において高い自由度で移動させることができる。そのため、荷重検出ユニット1000へのベッドBDの設置、及び荷重検出ユニット1000からのベッドBDの離脱を、多様な経路に沿ってベッドBDを移動させて容易に行うことができる。
【0118】
本実施形態の荷重検出ユニット1000においては、4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2が幅方向連結部20a、20b、及び長手方向連結部30を介して互いに接続されている。したがって、仮に使用者等がいずれかの荷重検出部にぶつかった場合も、荷重検出部の位置ずれが生じにくい。この点は、荷重検出ユニット1000を用いた検出の精度を保つ上で有利である。
【0119】
<変形例>
上記の実施形態において、次の変形態様を使用することもできる。
【0120】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2においては、補助スロープ部112Sa、112Sbを凹部ra、rbの内部に配置する態様は様々であり得る。
【0121】
具体的には例えば、補助スロープ部112Sa、112Sbが凹部ra、rbの内部に緊密に(タイトに)嵌合されており、補助スロープ部112Sa、112Sbを主スロープ部112Mに対して移動させる際には、作業者が補助スロープ部112Sa、112Sbを一度凹部ra、rbから取り外した後、補助スロープ部112Sa、112Sbの一部が主スロープ部112Mから突出した適切な位置として凹部ra、rbに嵌め直す態様とし得る。このような態様も本発明の「スライド」に含まれる。
【0122】
上記実施形態の補助スロープ部112Sa、112Sbには、図14(a)に示す通り、作業者が補助スロープ部112Sa、112Sbのスライド移動を補助するための引手HDが設けられていてもよい。この場合は、引手は任意の態様であり得るが、補助スロープSS上を移動するキャスターCTとの干渉を避けるため凹孔とし得る。
【0123】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2において、図14(b)に示す通り、補助スロープ部112Sa、112Sbの端部e1と、端部e1に対向する凹部ra、rbの側面との間に圧縮ぱねSR等の付勢部材を配置し、補助スロープ部112Sa、112Sbを主スロープ部112Mから突出する方向に付勢してもよい。これにより、主スロープ部112Mを幅方向の外側に移動させた際に、容易に補助スロープ部112Sa、112Sbをスライド移動させることができる。
【0124】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2において、図14(c)に示す通り、補助スロープ部112Sa、112Sbの端部e2に、補助スロープ部112Sa、112Sbを連結台21のスロープ21Sに係止するための係止部HKを設けてもよい。
【0125】
係止部HKは、補助スロープ部112Sa、112Sbを連結台21に対して着脱可能に接続する任意の構造であってよく、具体的には例えば、補助スロープSSの面に沿った軸回りに回動可能なフックでありえる。当該フックは、連結台21のスロープ21Sに設けられた凹孔に係合して、補助スロープ部112Sa、112Sbをスロープ21Sに接続する。この状態で主スロープ部112Mを幅方向の外側に移動させれば、補助スロープ部112Sa、112Sbは係止部HKを介してスロープ21Sにより引き出される。よって、補助スロープ部112Sa、112Sbを容易且つ確実に主スロープ部112Mから突出させることができる。
【0126】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2は、補助スロープ部112Sa、112Sbを主スロープ部112Mに対して位置固定するためのロック機構を有してもよい。上記実施形態の荷重検出ユニット1000を同一寸法のベッドBDに対して継続的に使用する場合は、補助スロープ部112Sa、112Sbの意図しない移動を防ぐべく、このようなロック機構により、補助スロープ部112Sa、112Sbを主スロープ部112Mに固定し得る。
【0127】
このようなロック機構は、具体的には例えば、長手方向連結部30が有する板バネSPと凹部rとにより構成される位置調節機構と同様の機構とし得る。より具体的には、凹部ra、rbの中心O112側の側面に板ばねSPと同様の板バネを配置し、補助スロープ部112Sa、112Sbの対向する側面に凹部rと同様の複数の凹部を所定の間隔で配置する。他の例として、凹部ra、rbの中心O112側の側面に貫通孔を設けて芋ねじ(止めねじ)を埋めこみ、当該芋ねじを補助スロープ部112Sa、112Sbに圧接させて又は埋め込んで補助スロープ部112Sa、112Sbを固定してもよい。
【0128】
その他、補助スロープ部112Sa、112Sbの主スロープ部112Mに対する位置固定は、両面テープや接着剤によって行ってもよい。所望のタイミングで補助スロープ部112Sa、112Sbに貼り付けられるように剥離紙等によって覆われて設けられた両面テープや接着剤も本発明のロック機構に含まれる。
【0129】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の主スロープ部112Mに補助スロープ部112Sa、112Sbを設けているがこれには限られない。幅方向連結部20a、20bの連結台21のスロープ21Sの下側に、凹部ra、rbと同様の凹部を設け、当該凹部に補助スロープ部112Sa、112Sbを配置してもよい。
【0130】
この変形態様においては、作業者は、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の主スロープSMと連結台21のスロープ21Sとの間に隙間が生じた際に、補助スロープ部112Sa、112Sbをスロープ21Sから引き出して当該隙間に配置する。
【0131】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2の主スロープ部112Mにおいては、第1部材M1の両端面、及び第2部材M2、第3部材M3の第1部材M1に接続される端面を長手方向に対して45°傾斜させて、これらを額縁状に接続しているが、これには限られない。図15に示す通り、第1部材M1の両端面、及び第2部材M2、第3部材M3の第1部材M1に接続される端面を長手方向に直交する面とし、第1部材M1と第2部材M2、第1部材M1と第3部材M3をそれぞれ、四分円状のコーナー
部材MCを介して接続してもよい。コーナー部材MCの上面には円弧側から中心側に向かって上昇する傾斜面が画成されている。
【0132】
上記実施形態の荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2において、補助スロープ部112Sa、112Sbが有する突出部prの幅(端部e1と端部e2との間に渡る端部間方向の寸法)は任意である。突出部prが存在する領域では、補助スロープ部112Sa、112Sbを凹部ra、rbから引き出した際に、補助スロープSSと幅方向連結部20a、20bとの間に生じる隙間が小さくなる。したがって、突出部prの幅を大きくすることで、補助スロープSSと幅方向連結部20a、20bとの間に生じる隙間が小さい領域を広くすることができる。
【0133】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000の使用時には、主スロープ部112Mからの引き出し量の大きい補助スロープ部112Sa、112Sbが最大状態等にある場合に、より長い(端部e1と端部e2との間に渡る端部間方向の寸法が大きい)補助スロープ部に置き換えてもよい。
【0134】
主スロープ部112Mがエラストマーやゴム等で形成されている場合、凹部ra、rbの補助スロープ部112Sa、112Sbが存在しない領域の上方の主スロープSMにキャスターが位置すれば、主スロープSMにたわみが生じ得る。このようなたわみは、最大状態において補助スロープ部の引き出し量が大きく、凹部ra、rbの大部分に補助スロープ部が存在しない場合に生じ得る。
【0135】
したがって、主スロープ部112Mからの引き出し量の大きい補助スロープ部112Sa、112Sbが最大状態等となっている場合、これをより長い補助スロープ部に置き換えて凹部ra、rbの補助スロープ部が存在しない領域を小さくすることで、主スロープのたわみを抑制し得る。
【0136】
図12(b)に示す通り、荷重検出部10a1、10a2を最大状態とした場合、荷重検出部10a1の第3スロープS3から引き出される補助スロープ部112Sbの引き出し量と、荷重検出部10a2の第2スロープS2から引き出される補助スロープ部112Saの引き出し量とは、他の補助スロープ部の引き出し量に比較して大きくなる。これは、長手方向連結部30の下側部分31の幅が、スロープ21Sや上側部分32の幅よりも小さいためである。したがって、荷重検出部10a1、10a2が最大状態にある場合に、これらの補助スロープ部112Sa、112Sbをより長い補助スロープ部に置き換えてもよい。
【0137】
補助スロープSSを与えるための部材は、補助スロープ部材112Sa、112Sbのようなくさび状の部材に限られない。例えば三角筒状の部材を第2スロープS2、第3スロープS3に同軸状にはめ込んで、第2スロープS2、第3スロープS3に相対して入れ子状にスライドする補助スロープとしてもよい。
【0138】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2のベース部11のスロープ部112はそれぞれ、第1~第3スロープS1~S3を有しているがこれには限られない。スロープ部112の各々は、第1~第3スロープS1~S3のいずれか1つを有するのみでもよい。同様に、幅方向連結部20a、20bが有するスロープ21S、長手方向連結部30が有するスロープ312、322も省略可能である。
【0139】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を幅方向に相対移動可能に連結する幅方向連結部20a、20bを
、連結台と一対の板部とにより構成していたがこれには限られない。幅方向連結部20a、20bに変えて、荷重検出部を相対移動可能に連結する任意の連結部を用いることができ、例えば長手方向連結部30のような入れ子式の連結部を用いることができる。同様に、長手方向連結部30に変えて幅方向連結部20a、20bのような連結部、即ち中央の台座と当該台座に摺動可能に連結された一対の摺動部とを有する連結部を用いてもよい。また、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30等の連結部は、任意の長さで仮止め可能な構成であってもよい。長手方向連結部30を例に挙げると、例えば、下側部材31、上側部材32のそれぞれに、長手方向に延びる仮止め用スリットを、互いに重複するように形成する。そして、長手方向連結部30が伸縮されて荷重検出部の位置合わせが完了した後、下側部材31の仮止め用スリットと上側部材32の仮止め用スリットとを上下に貫通するねじを回してナットを締め付け、下側部材31、上側部材32を互いに対して固定(仮止め)する。同様の仮止め用スリットを他の連結部に設け得る。
【0140】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、幅方向連結部20a、20bの溝G21及び収容空間R21と、長手方向連結部30の収容空間R30により配線路CHを画成しているがこれには限られない。幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30に凹溝などを所定の配置で設けることにより、配線Wの保護に適した任意の通路を画成することができる。例えば、収容空間R21、R30に変えて、配線Wの経路に沿ったより幅の狭い配線路を形成してもよい。
【0141】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000において、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30の少なくとも1つに変えて、配線路CHを画成しない連結部を用いてもよい。具体的には例えば、2本の円管を入れ子式に接続した伸縮式の連結棒を使用し得る。
【0142】
上記実施形態の幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30、及び各変形例の連結部の表面には、両端部の荷重検出部間の距離を示す目盛りや、ベッドの種類に応じた印が表示されていてもよい。目盛りを有する場合には、例えば、互いに対して摺動する一対の部材の一方の表面に目盛りを表示し、他方の部材の端部の位置で目盛りを読み取ることにより連結部の全体の長さや、連結部の両端部の荷重検出部間の距離を読み取れる構成とし得る。ベッドの種類に応じた印を有する場合には、例えば、互いに対して摺動する一対の部材の一方の表面に各種のベッドの型番や名称を表示し、他方の部材の端部を当該表示の位置に合わせることにより当該ベッドに応じた最適位置に荷重検出部が配置される構成とし得る。この態様によれば、複数の荷重検出部をより容易に最適位置に配置することができる。
【0143】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000において、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2は、制御部CONTに無線で検出値を送るよう構成されていてもよい。この場合は、配線Wを省略してもよい。
【0144】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1と荷重検出部10a2、荷重検出部10b1と荷重検出部10b2をそれぞれ幅方向連結部20a、20bにより連結し、幅方向連結部20a、20bを長手方向連結部30により連結している。しかしながらこれには限られず、例えば図16の荷重検出ユニット1001のように、長手方向連結部30を幅方向において荷重検出部10a2、10b2の外側に配置し、荷重検出部10a2、10b2に長手方向連結部30を固定してもよい。
【0145】
この態様は、荷重検出ユニット1001を、病室、処置室等の壁沿いに設置する場合に有利である。すなわち、長手方向連結部30が壁の近傍に位置するように荷重検出ユニット1001を設置すれば、ベッドBDの荷重検出ユニット1001への設置、及びベッド
BDの荷重検出ユニット1001からの離脱の際に、ベッドBDのキャスターCTが長手方向連結部30を乗り越える必要がない。また、長手方向連結部30はベッドBDの壁側に位置するため、ベッドBDの使用時に患者や医療従事者の邪魔にはならない。
【0146】
荷重検出ユニット1000は、幅方向連結部20a、20bや、長手方向連結部30の位置を変更可能な構成であってもよい。例えば、長手方向連結部30を、荷重検出ユニット1000のような幅方向中央部と、荷重検出ユニット1001のような幅方向の一端部との間で変更可能(付け替え可能)な構成とし得る。
【0147】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000は、幅方向のみにおいて荷重検出部間の離間距離を調整可能な構成であってもよい。具体的には例えば、長手方向連結部30を、伸縮しない連結部、例えば棒材や板材に置き換えてもよい。
【0148】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000は4つの荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を備えているがこれには限られない。例えば、荷重検出器10a1、10a2と、これらを相対移動可能に連結する幅方向連結部のみにより荷重検出ユニットを構成してもよい。また、複数の荷重検出部のすべてが上記実施形態の補助スロープを備える必要はなく、いずれか一つの荷重検出部が補助スロープを備えるのみでもよい。
【0149】
その他、荷重検出ユニット1000が備える荷重検出部の数は、複数であれば限定はされない。また、複数の荷重検出部を相対移動可能に又は固定的に連結する態様としては、様々な態様を採用し得る。
【0150】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2は平面視略正方形のベース部11と載置板13とを有し、載置板13の四隅にひずみセンサユニット12を設けているが、これには限られない。ベース部11及び載置板13の形状は任意であり、例えば円形とし得る。この場合、ベース部11は、円形の本体部111と、幅方向連結部との接続部を除く略全域を囲む略C字状のスロープ部材112とを有し得る。またひずみセンサユニット12の数は任意であり、例えば3つにし得る。
【0151】
上記実施形態の荷重検出ユニット1000においては、ベース部材11にひずみセンサユニット12が固定された荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2を用いているが、これには限られない。荷重検出部10a1、10a2、10b1、10b2に変えて、図17に示すベース部材11’を用いることもできる。
【0152】
ベース部材11’は、本体部111’と、本体部111’に対して着脱可能なスロープ部112’とを有する。スロープ部112’は、スロープ部112と同一の構造を有する。
【0153】
本体部111’は本体部111と類似の形状を有するが、上面111u’の上面には、載置板13を収容する開口111Aに変えて、荷重検出器50を受け入れる受け入れ部111H’を有する。
【0154】
この変形態様によれば、各々が荷重検出器を受け入れる受け入れ部111H’を有する本体部111’を備えた4つのベース部材11’を相対移動可能に連結した位置合わせユニットが得られる。
【0155】
ベース部材111’の受け入れ部111H’に受け入れられる荷重検出器50は、一例として、上記実施形態の荷重検出部10b2からスロープ部112を除いた構造と同一の
構造とし得る。
【0156】
この変形態様の位置合わせユニットを使用する際には、まず本体部111’の各々の受け入れ部111H’に荷重検出器50を収容したのち、上記実施形態の荷重検出ユニット1000と同様に使用してもよい。或いは、幅方向連結部20a、20b、長手方向連結部30を用いたベース部材11’の位置調整を先に行ったうえで、適切な位置関係で配置された4つのベース部材11’の本体部111’の受け入れ部111H’の各々に荷重検出器50を収容してもよい。いずれの方法においても、4つの荷重検出器50を容易且つ適切に配置できる。受け入れ部111H’に収容された荷重検出器50は、本体部111’に固定されてもよい。
【0157】
なお、上記実施形態及び変形例の荷重検出ユニット1000を、変形例の位置合わせユニットの受け入れ部に荷重検出器を予め収容した態様とみなすこともできる。
【0158】
上記実施形態及び変形例の荷重検出ユニット1000と制御部CONTとを組み合わせて荷重検出システムを構成することもできる。この場合、制御部CONTは、荷重検出部10a1~10b2からの出力に基づいてベッドBD上の被験者の荷重を求めてもよい。
【0159】
上記の実施形態及び変形例の説明は、荷重検出ユニット1000を医療現場で使用する場合を例として説明したが、これには限られない。荷重検出ユニット1000は、介護の現場や一般家庭等、様々な状況で使用し得る。
【0160】
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明の荷重検出ユニットは、複数の荷重検出器を容易に適切な位置関係で配置することができ、複数のキャスターを容易に複数の荷重検出器の上に移動させることができ、且つベッドの使用者等の邪魔になりにくい。そのため本発明の荷重検出ユニットは医療、介護等の質の向上に資することができる。
【符号の説明】
【0162】
10a1,10a2,10b1,10b2 荷重検出部、11,11’ ベース部、111,111’ 本体部、112,112’,212 スロープ部、112M 主スロープ部、112Sa,112Sb 補助スロープ部、12 ひずみセンサユニット、13 載置板、20a、20b 幅方向連結部、210 荷重検出器、30 長手方向連結部、1000 荷重検出ユニット、G11,G21 溝、R21,R30 収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17