(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】処理装置、プログラム、システム、および制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 9/48 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
G06F9/48 370
(21)【出願番号】P 2020097777
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】松山 貴紀
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0277182(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0173447(US,A1)
【文献】特開平06-325008(JP,A)
【文献】特開昭60-189040(JP,A)
【文献】特開2013-025692(JP,A)
【文献】特開2008-097403(JP,A)
【文献】特開2004-227528(JP,A)
【文献】特開2008-210089(JP,A)
【文献】特開2004-139586(JP,A)
【文献】特開2000-36823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め規定された処理である規定処理を実行する処理装置であって、
前記規定処理の実行を指示する実行指示を制御装置から受信し、前記実行指示に基づいて前記規定処理を実行する処理部と、
前記実行指示を少なくとも一つの他の処理装置に対して中継し、当該処理装置および少なくとも一つの前記他の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信し、
前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信
し、
前記制御部は、受信した一つの前記実行指示に対し、一つの前記実行完了報告または一つの前記実行エラー報告のいずれか一方を返送する、
処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生したことを認識した時点で、前記実行エラー報告を前記制御装置に対して送信する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記規定処理の実行においてエラーが発生した処理装置を示す情報を含む前記実行エラー報告を前記制御装置に対して送信する、
請求項1または請求項2のうちいずれかに記載の処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、規定のタイムスケジュールに従って複数の前記他の処理装置に対し前記実行指示を送信する、
請求項1から請求項3までのうちいずれかに記載の処理装置。
【請求項5】
前記規定の処理は、前記制御装置との協調動作を行うために必要な登録処理を含む、
請求項1から請求項4までのうちいずれかに記載の処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
予め規定された処理である規定処理を実行する処理装置、として機能させ、
前記処理装置に、
前記規定処理の実行を指示する実行指示を制御装置から受信し、前記実行指示に基づいて前記規定処理を実行する処理機能と、
前記実行指示を少なくとも一つの他の処理装置に対して中継し、当該処理装置および少なくとも一つの前記他の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信する制御機能と、
を実現させ、
前記制御機能に、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信させ、
前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信させる、
プログラム。
【請求項7】
予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を発行する制御装置と、
前記制御装置が発行する前記実行指示を受信し、前記規定処理を実行する第1の処理装置と、
前記第1の処理装置が中継する前記実行指示を受信し、前記規定処理を実行する少なくとも一つの第2の処理装置と、
を備え、
前記第1の処理装置は、前記第1の処理装置および少なくとも一つの前記第2の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信し、
前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信し、
前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信
し、
前記第1の処理装置は、受信した一つの前記実行指示に対し、一つの前記実行完了報告または一つの前記実行エラー報告のいずれか一方を返送する、
システム。
【請求項8】
制御装置であって、
予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を第1の処理装置に送信する制御部、
を備え、
前記制御部は、前記第1の処理装置、および前記第1の処理装置が中継する前記実行指示を受信する少なくとも一つの第2の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記第1の処理装置から受信し、
前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記第1の処理装置から受信し、
前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記第1の処理装置から受信
し、
前記制御部は、送信した一つの前記実行指示に対し、一つの前記実行完了報告または一つの前記実行エラー報告のいずれか一方を受信する、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、プログラム、システム、および制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の装置の協調により動作するシステムが多く開発されている。例えば、特許文献1では、マスターと複数のスレーブを備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなシステムでは、複数の装置が順に処理を実行する場合において、装置ごとの処理の結果に係る情報が複数回にわたり別途の制御装置等に送信される場合がある。この場合、通信時間に時間を要することや、上記別途の制御装置等の処理負担が増加する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の装置による一連の処理をより効率的に管理することにある。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、予め規定された処理である規定処理を実行する処理装置であって、前記規定処理の実行を指示する実行指示を制御装置から受信し、前記実行指示に基づいて前記規定処理を実行する処理部と、前記実行指示を少なくとも一つの他の処理装置に対して中継し、当該処理装置および少なくとも一つの前記他の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信する制御部と、を備え、前記制御部は、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信し、前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信する、処理装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、予め規定された処理である規定処理を実行する処理装置、として機能させ、前記処理装置に、前記規定処理の実行を指示する実行指示を制御装置から受信し、前記実行指示に基づいて前記規定処理を実行する処理機能と、前記実行指示を少なくとも一つの他の処理装置に対して中継し、当該処理装置および少なくとも一つの前記他の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信する制御機能と、を実現させ、前記制御機能に、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信させ、前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信させる、プログラムが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を発行する制御装置と、前記制御装置が発行する前記実行指示を受信し、前記規定処理を実行する第1の処理装置と、前記第1の処理装置が中継する前記実行指示を受信し、前記規定処理を実行する少なくとも一つの第2の処理装置と、を備え、前記第1の処理装置は、前記第1の処理装置および少なくとも一つの前記第2の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記制御装置に対して送信し、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信し、前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記制御装置に対し送信する、システムが提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、制御装置であって、予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を第1の処理装置に送信する制御部、を備え、前記制御部は、前記第1の処理装置、および前記第1の処理装置が中継する前記実行指示を受信する少なくとも一つの第2の処理装置に係る前記規定処理の実行結果を前記第1の処理装置から受信し、前記実行指示に基づく前記規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を前記実行結果として前記第1の処理装置から受信し、前記実行指示に基づく前記規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を前記実行結果として前記第1の処理装置から受信する、制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、複数の装置による一連の処理をより効率的に管理することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態に係る制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】比較対象システム7による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るシステム1が備える各処理装置による規定処理がすべて正常に完了する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】同実施形態に係るシステム1が備える各処理装置による規定処理のいずれかにおいてエラーが発生する場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べる。
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、制御装置10、第1の処理装置20、および複数の第2の処理装置30を備える。なお、
図1においては、システム1が、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bの2つを少なくとも備える場合が例示されている。
【0014】
(制御装置10)
本実施形態に係る制御装置10は、システム1が適用される筐体に搭載される装置を統合的に制御する。
【0015】
制御装置10が制御対象とする装置の一例としては、システム1に備えられる第1の処理装置20や第2の処理装置30が挙げられる。
【0016】
例えば、本実施形態に係る制御装置10は、予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を生成し、当該実行指示を第1の処理装置20に送信する。
【0017】
また、本実施形態に係る制御装置10は、システム1に備えられる装置以外を制御対象としてもよい。例えば、上記筐体が車両等の移動体であり、システム1が当該移動体に無線通信機能を実現させるためのシステムである場合を想定する。この場合、制御装置10は、上記無線通信の結果に基づいて移動体が備えるドアの開閉やエンジンの始動などに係る制御を行ってもよい。
【0018】
(第1の処理装置20)
本実施形態に係る第1の処理装置20は、制御装置10から受信した実行指示に基づいて予め規定された規定処理を実行する装置である。
【0019】
また、本実施形態に係る第1の処理装置20は、制御装置10から受信した実行指示を中継する機能を有する。具体的には、第1の処理装置20は、制御装置10から受信した実行指示を、ネットワークを介して第2の処理装置30に中継する。
【0020】
また、本実施形態に係る第1の処理装置20は、第2の処理装置30から規定処理の実行結果を受信し、第1の処理装置20および第2の処理装置30による規定処理の実行結果を制御装置10に送信する。
【0021】
本実施形態に係る第1の処理装置20は、スレーブとして動作する少なくとも一つの第2の処理装置30を制御するマスターとして動作してもよい。
【0022】
(第2の処理装置30)
本実施形態に係る第2の処理装置30は、受信した実行指示に基づいて予め規定された規定処理を実行する装置である。
【0023】
例えば、
図1に示す一例の場合、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bのそれぞれは、第1の処理装置20が中継する実行指示を受信し、当該実行指示に基づいて規定処理を実行する。
【0024】
また、本実施形態に係る第2の処理装置30は、規定処理の実行結果を、当該第2の処理装置30に実行指示を送信した装置に返送する。
【0025】
例えば、
図1に示す一例の場合、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bのそれぞれは、規定処理の実行結果を第1の処理装置20に返送してよい。
【0026】
一方、
図1に示す情報の伝達関係はあくまで一例である。例えば、本実施形態に係る第2の処理装置30は、他の第2の処理装置30により中継された実行指示に基づいて規定処理を実行してもよい。
【0027】
具体的な例としては、本実施形態に係るシステム1は、
図1に示す各構成に加え、データの流れに沿って、第2の処理装置30aを介して制御装置10からの情報を受け取る第2の処理装置30cを備えてもよい。
【0028】
この場合、制御装置10が発行する実行指示は、第1の処理装置20と第2の処理装置30aとに順に中継され、第2の処理装置30cに入力される。また、第2の処理装置30cは、第2の処理装置30aから受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する。
【0029】
また、この場合、第2の処理装置30cは、規定処理の実行結果を、第2の処理装置30aに返送する。第2の処理装置30aは、第2の処理装置30cから受信した実行結果を第1の処理装置20に中継する。
【0030】
上記のような情報伝達の流れによれば、制御装置10が生成した実行指示に基づいて、第1の処理装置20および第2の処理装置30の各々が規定処理を実行することができる。また、制御装置10は、第1の処理装置20および第2の処理装置30の各々による規定処理の実行結果を受信することができる。
【0031】
一方、第1の処理装置20が、自身による規定処理の実行結果や、第2の処理装置30による規定処理の実行結果を都度複数回にわたり制御装置10に送信する場合、通信回数が増えるほど制御装置10の負荷が増大することとなる。
【0032】
本発明の技術思想は上記の点に着目して発想されたものであり、複数の装置による一連の処理をより効率的に管理することを可能とする。
【0033】
以下、上記を実現する各装置の構成について、より詳細に説明する。
【0034】
<<1.2.制御装置10の機能構成例>>
まず、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例について述べる。
図2は、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る制御装置10は、制御部110および通信部120を備えてもよい。
【0035】
(制御部110)
本実施形態に係る制御部110は、システム1が搭載される筐体が備える各装置の動作を制御する。
【0036】
特に、システム1に関し、本実施形態に係る制御部110は、通信部120に、予め規定された処理である規定処理の実行を指示する実行指示を第1の処理装置に対し送信させることで、第1の処理装置20、および第1の処理装置20が中継する実行指示を受信する少なくとも一つの第2の処理装置30に規定処理を実行させる。
【0037】
また、本実施形態に係る制御部110は、第1の処理装置20、および第1の処理装置20が中継する実行指示を受信する少なくとも一つの第2の処理装置30に係る規定処理の実行結果を、通信部120を介して第1の処理装置20から受信する。
【0038】
この際、本実施形態に係る制御部110は、実行指示に基づく規定処理のすべてが正常に完了した場合には、その旨を示す実行完了報告を実行結果として第1の処理装置20から受信する。
【0039】
一方、本実施形態に係る制御部110は、実行指示に基づく規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、その旨を示す実行エラー報告を実行結果として第1の処理装置20から受信する。
【0040】
上記のような情報伝達によれば、制御装置10と第1の処理装置20との間における通信回数を効果的に低減するとともに、制御装置10の負荷を低減することができる。
【0041】
なお、制御部110の機能は、各種のプロセッサによって実現される。
【0042】
(通信部120)
本実施形態に係る通信部120は、制御部110による制御に基づいて第1の処理装置20との間における情報通信を行う。通信部120は、例えば、制御部110が生成する実行指示を第1の処理装置20に送信する。また、例えば、通信部120は、第1の処理装置20から、第1の処理装置20や第2の処理装置30による規定処理の実行結果を受信する。
【0043】
以上、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例について述べた。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る制御装置10の機能構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る制御装置10の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形され得る。
【0044】
<<1.3.第1の処理装置20の機能構成例>>
次に、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例について述べる。第1の処理装置20は、本発明における処理装置の一例である。
【0045】
図3は、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る第1の処理装置20は、制御部210、処理部220、および通信部230を備えてもよい。
【0046】
(制御部210)
本実施形態に係る制御部210は、第1の処理装置20が備える各構成を制御する。例えば、制御部210は、制御装置10から受信した実行指示に基づいて、処理部220に予め規定された規定処理を実行させる。
【0047】
また、本実施形態に係る制御部210は、第2の処理装置30を制御する。具体的には、本実施形態に係る制御部210は、通信部230を制御し、制御装置10から受信した実行指示を少なくとも一つの第2の処理装置30に中継させ、当該第2の処理装置30に規定処理を実行させる。
【0048】
また、本実施形態に係る制御部210は、通信部230を制御し、処理部220および少なくとも一つの第2の処理装置30に係る規定処理の実行結果を制御装置10に対して送信させる。
【0049】
また、この際、本実施形態に係る制御部210は、実行指示に基づく規定処理のすべてが正常に完了した場合には、通信部230に、その旨を示す実行完了報告を上記実行結果として制御装置10に対して送信させる。
【0050】
一方、本実施形態に係る制御部210は、実行指示に基づく規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生した場合には、通信部230に、その旨を示す実行エラー報告を上記実行結果として制御装置10に対して送信させる。
【0051】
上記のような情報伝達によれば、制御装置10と第1の処理装置20との間における通信回数を効果的に低減するとともに、制御装置10の負荷を低減することができる。
【0052】
(処理部220)
本実施形態に係る処理部220は、規定処理の実行を指示する実行指示を、通信部230を介して制御装置10から受信し、当該実行指示に基づいて規定処理を実行する。
【0053】
本実施形態に係る規定処理の一例としては、例えば、制御装置10との協調動作を子なうために必要な登録処理が含まれる。
【0054】
本実施形態に係る制御部210や処理部220が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。
【0055】
(通信部230)
本実施形態に係る通信部230は、制御部210による制御に基づいて、制御装置10や第2の処理装置30との間における情報通信を行う。
【0056】
本実施形態に係る通信部230と第2の処理装置30との間の情報通信には、規定のタイムスケジュールに従った情報送信を実行する所定の通信規格が採用されてもよい。この場合、制御部210は、通信部230を介し上記規定のタイムスケジュールに従って複数の第2の処理装置30に対し実行指示を送信する。
【0057】
上記所定の通信規格の一例としては、LIN(Local Interconnect Network)が挙げられる。
【0058】
なお、通信部230と制御装置10との間における情報通信には、上記所定の通信規格に限らず他の通信規格が採用されてもよい。
【0059】
以上、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例について述べた。なお、
図3を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形され得る。
【0060】
<<1.4.第2の処理装置30の構成例>>
次に、本実施形態に係る第2の処理装置30の構成例について述べる。
図4は、本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る第2の処理装置30は、処理部310および通信部320を備えてもよい。
【0061】
(処理部310)
本実施形態に係る処理部310は、第1の処理装置20または他の第2の処理装置30により中継される実行指示を、通信部320を介して受信し、当該実行指示に基づいて予め規定処理を実行する。
【0062】
また、本実施形態に係る処理部310は、上記実行指示を、通信部320を介して他の第2の処理装置30に中継してもよい。
【0063】
本実施形態に係る処理部310は、規定処理の実行結果を、通信部320を介して、当該第2の処理装置30に実行指示を中継した処理装置に送信する。通信部320を介して他の第2の処理装置30による規定処理の実行結果を受信した場合には、処理部310は、当該実行結果と自らによる規定処理の実行結果とを、通信部320を介して上記処理装置に送信する。
【0064】
(通信部320)
本実施形態に係る通信部320は、処理部310による制御に基づいて、第1の処理装置20や他の第2の処理装置30との間における情報通信を行う。通信部320による情報通信には、述した所定の通信規格が採用されてもよい。
【0065】
<<1.5.処理の流れ>>
次に、本実施形態に係るシステム1が実行する処理の流れについて詳細に説明する。まず、対比として、処理装置による規定処理の実行結果が制御装置に都度送信される比較対象システム7による処理の流れについて述べる。
【0066】
ここで、比較対象システム7は、本実施形態に係る制御装置10に対応する制御装置70、第1の処理装置20に対応する第1の処理装置80、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bにそれぞれ対応する第2の処理装置90aおよび第2の処理装置90bを備えるものとする。
【0067】
また、比較対象システム7において、第2の処理装置90aおよび第2の処理装置90bのそれぞれは、データの流れに沿って第1の処理装置80が中継する実行指示を受信するものとする。
【0068】
図5は、比較対象システム7による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5に示すように、比較対象システム7では、まず、制御装置70が第1の処理装置80に規定処理に係る実行指示を送信する(S102)。
【0069】
次に、ステップS102において実行指示を受信した第1の処理装置80が、第2の処理装置90aに対して当該実行指示を送信する(S104)。
【0070】
同様に、第1の処理装置80は、第2の処理装置90bに対しても実行指示を送信する(S106)。
【0071】
次に、第1の処理装置80は、ステップS102において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S108)。ここでは、当該規定処理が正常に完了したものとする。
【0072】
また、第1の処理装置80は、ステップS108において実行した規定処理の実行結果を制御装置70に対して送信する(S110)。
【0073】
同様に、第2の処理装置90aは、ステップS104において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S112)。ここでは、当該規定処理においてエラーが発生したものとする。
【0074】
また、第2の処理装置90aは、ステップS112において実行した規定処理の実行結果を第1の処理装置80に対して送信する(S114)。
【0075】
ステップS114において第2の処理装置90aによる規定処理の実行結果を受信した第1の処理装置80は、当該実行結果を制御装置70に対して送信する(S116)。
【0076】
同様に、第2の処理装置90bは、ステップS106において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S118)。ここでは、当該規定処理が正常に完了したものとする。
【0077】
また、第2の処理装置90bは、ステップS118において実行した規定処理の実行結果を第1の処理装置80に対して送信する(S120)。
【0078】
ステップS114において第2の処理装置90bによる規定処理の実行結果を受信した第1の処理装置80は、当該実行結果を制御装置70に対して送信する(S122)。
【0079】
以上、比較対象システム7による処理の流れについて一例を挙げて説明した。上述したように、比較対象システム7においては、各処理装置による規定処理の実行結果が、複数回にわたり、都度、制御装置70に送信される。
【0080】
このため、比較対象システム7のような処理の流れでは、処理装置の数が増加するほど通信回数が増加し、また制御装置70の負荷も増大してしまう。
【0081】
次に、本実施形態に係るシステム1による処理の流れについて述べる。ここでは、システム1は、制御装置10、第1の処理装置20、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bを備えるものとする。
【0082】
また、システム1において、第2の処理装置30aおよび第2の処理装置30bのそれぞれは、データの流れに沿って第1の処理装置20が中継する実行指示を受信するものとする。
【0083】
まず、システム1が備える各処理装置による規定処理がすべて正常に完了する場合の流れについて説明する。
【0084】
図6は、本実施形態に係るシステム1が備える各処理装置による規定処理がすべて正常に完了する場合の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0085】
まず、制御装置10が、第1の処理装置20に対して実行指示を送信する(S202)。
【0086】
次に、ステップS202において実行指示を受信した第1の処理装置20が、第2の処理装置30aに対して当該実行指示を送信する(S204)。
【0087】
同様に、第1の処理装置20は、第2の処理装置30bに対しても実行指示を送信する(S206)。
【0088】
この際、本実施形態に係る第1の処理装置20の制御部210は、通信部230を介し、規定のスケジュールに従って複数の第2の処理装置30に対し実行指示を送信してもよい。
【0089】
また、第1の処理装置20は、ステップS202において受信した実行指示に基づいて規定の処理を実行する(S208)。ここでは、当該規定処理が正常に完了したものとする。
【0090】
同様に、第2の処理装置30aは、ステップS204において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S210)。ここでは、当該規定処理が正常に完了したものとする。
【0091】
また、第2の処理装置30aは、ステップS212において実行した規定処理の実行結果を第1の処理装置20に対して送信する(S212)。
【0092】
同様に、第2の処理装置30bは、ステップS206において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S214)。ここでは、当該規定処理が正常に完了したものとする。
【0093】
また、第2の処理装置30bは、ステップS214において実行した規定処理の実行結果を第1の処理装置20に対して送信する(S216)。
【0094】
次に、第1の処理装置20の制御部210は、ステップS208における処理部220による規定処理の実行結果、ステップS212において受信した第2の処理装置30aによる規定処理の実行結果、およびステップS216において受信した第2の処理装置30bによる規定処理の実行結果に基づいて、通信部230を介し、制御装置10に対して実行結果を送信する。
【0095】
図6に示す一例の場合、第1の処理装置20の制御部210は、各処理装置による実行指示に基づく規定処理のすべてが正常に完了したことに基づいて、その旨を示す実行完了報告を、通信部230を介して制御装置10に対して送信する(S218)。
【0096】
上記のような処理の流れによれば、システム1が備える処理装置の数に依らず、制御装置10と第1の処理装置20との間における通信回数を1回に抑えることができ、制御装置10の負荷を効果的に低減することが可能となる。
【0097】
続いて、システム1が備える各処理装置による規定処理のいずれかにおいてエラーが発生する場合の処理の流れについて述べる。各処理装置による規定処理のいずれかにおいてエラーが発生した場合、制御装置10が、エラーの発生をより早く認識し、エラーに応じた対応を行うことが重要となる。
【0098】
このため、本実施形態に係る第1の処理装置20の制御部210は、実行指示に基づく規定処理のうち少なくとも一つにおいてエラーが発生したことを認識した時点で、通信部230を介し、エラーの発生を示す実行エラー報告を制御装置10に対して送信してもよい。
【0099】
図7は、本実施形態に係るシステム1が備える各処理装置による規定処理のいずれかにおいてエラーが発生する場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0100】
図7に示すステップS302~S308における処理は、
図6に示すステップS2020~S208における処理と同一であってよいため、詳細な説明を省略する。
【0101】
ステップS310において、第2の処理装置30aは、ステップS304において受信した実行指示に基づいて規定処理を実行する(S310)。ここでは、当該規定処理においてエラーXが発生したものとする。
【0102】
第2の処理装置30aは、ステップS310において実行した規定処理の実行結果を第1の処理装置20に対して送信する(S312)。
【0103】
この場合、ステップS312において実行結果(エラーX)を受信した第1の処理装置20は、第2の処理装置30bによる規定処理の実行(S316)、当該規定処理の実行結果の送信(S318)を待たずに、制御装置10に対して実行エラー報告を送信する(S314)。
【0104】
この際、第1の処理装置20の制御部210は、規定処理の実行においてエラーが発生した処理装置(第2の処理装置30a)を示す情報や、当該エラーの内容等を示す情報(エラーX)を含む実行エラー報告を、通信部230を介して制御装置10に送信してもよい。
【0105】
本実施形態に係る第1の処理装置20による上記のような制御によれば、制御装置10との間における通信回数を1回に抑えながら、エラーの発生をより早く制御装置10に通知することができる。
【0106】
これによれば、エラーの発生を認識した制御装置10が当該エラーに応じた対応をいち早く実行することが可能となる。
【0107】
以上、本実施形態に係るシステム1による処理の流れについて詳細に説明した。なお、
図6および
図7を用いて説明した処理の流れはあくまで一例である。
【0108】
例えば、本実施形態に係る第1の処理装置20は、制御装置10から受信した実行指示を第2の処理装置に中継する前に、当該実行指示に基づいて規定処理を実行してもよい。
【0109】
また、例えば、第2の処理装置30の各々による規定処理の実行、および実行結果の送信は、必ずしも図に例示した順に行われなくてよい。
【0110】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0111】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0112】
10:制御装置、110:制御部、120:通信部、20:第1の処理装置、210:制御部、220:処理部、230:通信部、30:第2の処理装置、310:処理部、320:通信部