IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧

特許7496251部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法
<>
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図1
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図2
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図3
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図4
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図5
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6A
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6B
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6C
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6D
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6E
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6F
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6G
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図6H
  • 特許-部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 N
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020106221
(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022002242
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬介
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-056097(JP,A)
【文献】特開2009-176994(JP,A)
【文献】特開2015-050457(JP,A)
【文献】特開2004-247475(JP,A)
【文献】特開2006-147869(JP,A)
【文献】特開2012-015239(JP,A)
【文献】特開2019-175968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00-3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板と、
前記コア基板の2つの主面の一方に交互に積層されている絶縁層と導体層とによって構成されていて、前記コア基板に面する第1表面及び前記第1表面の反対面である第2表面を有する第1ビルドアップ層と、
前記コア基板の前記2つの主面の他方に積層されている第2ビルドアップ層と、
第1電極及び第2電極を備えていて前記第1ビルドアップ層に内蔵されている電気部品と、を備える部品内蔵配線基板であって、
前記第1ビルドアップ層は、前記電気部品よりも前記第1表面側に積層されていて導体パッドを含む第1導体層と、前記電気部品よりも前記第2表面側に積層されている第2導体層と、を含み、
前記電気部品は、絶縁性接合材を介して前記第1ビルドアップ層の中の導体層の上に置かれており、
前記第1電極は、めっき金属を含む第1接続導体によって前記第1導体層の前記導体パッドと接続されており、
前記第2電極は、めっき金属を含む第2接続導体によって前記第2導体層と接続されており、
前記第1接続導体は、前記電気部品及び前記接合材を貫通すると共に、前記第1電極と、前記導体パッドにおける前記電気部品側の表面とを接続している、部品内蔵配線基板
【請求項2】
記電気部品は、前記電気部品を貫通する貫通孔を有しており、
前記第1接続導体は前記貫通孔を通って前記電気部品を貫通している、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項3】
前記第1電極は、前記電気部品前記貫通孔の内壁上の金属膜によって構成されている、請求項2記載の部品内蔵配線基板
【請求項4】
記第1接続導体は、第1金属層と、前記第1金属層上にめっき金属によって形成されている第2金属層とを含んでいる、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項5】
第1ビルドアップ層は、前記第1導体層と前記第2導体層との間に介在する第1絶縁層、前記第1絶縁層における前記第2表面側の表面上に形成されている第3導体層、及び前記第3導体層と前記第2導体層との間に介在する第2絶縁層を含んでいる、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項6】
記第2導体層は、前記第2表面側の最外層の導体層であって部品実装パッドを含んでおり、
前記第2電極は、前記第2接続導体によって前記部品実装パッドに接続されている、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項7】
第1ビルドアップ層は、前記第1導体層と前記第2導体層との間に介在する第1絶縁層を含んでおり、
前記第1絶縁層は、前記第1導体層の一部を前記第2表面側に露出させる開口部を有し、
前記電気部品は、前記第1絶縁層の前記開口部内に配置されている、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項8】
第1ビルドアップ層は、前記第1絶縁層よりも前記第1表面側に設けられていて前記第2表面側の表面で前記第1導体層と接する第3絶縁層をさらに含み、
前記第1導体層の前記一部は、前記第3絶縁層における前記第1絶縁層の前記開口部と平面視で重なる領域を覆っている、請求項7記載の部品内蔵配線基板
【請求項9】
記第1導体層の前記一部は、前記導体パッドと、前記導体パッドと分離されていて、前記導体パッドに覆われていない前記第3絶縁層の前記領域を略覆う導体パッドとを含んでいる、請求項8記載の部品内蔵配線基板
【請求項10】
第1ビルドアップ層は、前記第1導体層と前記電気部品との間に介在する内層導体層を含み、
前記第1接続導体は、前記内層導体層を非接触で貫通している、請求項1記載の部品内蔵配線基板
【請求項11】
コア基板を用意することと、
前記コア基板の一方の表面に、電気部品を内蔵するビルドアップ層を形成することと、
前記コア基板の他方の表面に導体層と絶縁層とを交互に形成することと、
を含む、部品内蔵配線基板の製造方法であって、
前記ビルドアップ層を形成することは、
導体パッドを含む第1導体層を形成することと、
前記第1導体層の上に第1絶縁層を積層することと、
前記第1絶縁層を貫通する開口部を前記第1絶縁層に形成することと、
前記開口部内に絶縁性接合材を供給して、貫通孔を有する前記電気部品を前記絶縁性接合材の上に配置することと、
前記絶縁性接合材に、前記電気部品の前記貫通孔と平面視で重なる貫通孔を形成することと、
前記電気部品の前記貫通孔内に第1接続導体を形成することによって前記第1導体層の前記導体パッドと前記電気部品の第1電極とを接続することと、
前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を積層することと、
前記第2絶縁層上に第2導体層を形成すると共に、前記第2絶縁層内に第2接続導体を形成することによって前記第2導体層と前記電気部品の第2電極とを接続することと、
を含み、
前記第1接続導体及び前記第2接続導体はめっき金属を含んでおり、
前記第1接続導体は、前記電気部品及び前記絶縁性接合材それぞれの前記貫通孔の内部に形成されると共に、前記導体パッドにおける前記絶縁性接合材の前記貫通孔に露出する表面に形成される、
部品内蔵配線基板の製造方法
【請求項12】
記絶縁性接合材の前記貫通孔を形成することは、前記電気部品の前記貫通孔内を通過するレーザー光を前記絶縁性接合材に照射することを含んでいる、請求項11記載の部品内蔵配線基板の製造方法
【請求項13】
記第2絶縁層を積層することは、前記第1絶縁層の前記開口部を前記第2絶縁層の材料で充填することを含んでいる、請求項11記載の部品内蔵配線基板の製造方法
【請求項14】
前記第1接続導体を形成することは、無電解めっき及び電解めっきによって2層のめっき膜層を前記電気部品の前記貫通孔内に形成することを含んでいる、請求項11記載の部品内蔵配線基板の製造方法
【請求項15】
記第1接続導体を形成することは、前記電気部品の前記貫通孔内、前記電気部品の表面上、及び前記第1絶縁層の露出面上の全体に金属膜を形成することと、
前記貫通孔内以外の領域に形成されている前記金属膜を除去することと、を含んでいる、請求項14記載の部品内蔵配線基板の製造方法
【請求項16】
記開口部は、前記第1導体層の一部を前記開口部内に露出するように形成され、
前記電気部品は前記第1導体層の上に前記絶縁性接合材を介して配置される、請求項11記載の部品内蔵配線基板
【請求項17】
記第1絶縁層の積層の前に前記第1導体層の上に絶縁層を介して内層導体層を形成することをさらに含み、
前記第1接続導体は、前記内層導体層を非接触で貫通するように形成される、請求項11記載の部品内蔵配線基板の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品内蔵配線基板及び部品内蔵配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品内蔵基板が開示されている。特許文献1の電子部品内蔵基板では、電子部品がビルドアップ多層配線基板のコア基板に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-200389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の電子部品内蔵基板では、コア基板に電子部品が内蔵されているため、ビルドアップ層の積層数が多い場合に、内蔵される電子部品と最表層の導体層との距離が長くなると考えられる。電子部品内蔵基板において所望の電気的特性が得られないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の部品内蔵配線基板は、交互に積層されている絶縁層と導体層とによって構成されていて第1表面及び前記第1表面の反対面である第2表面を有するビルドアップ層と、第1電極及び第2電極を備えていて前記ビルドアップ層に内蔵されている電気部品と、を備えている。そして、前記第1電極は、めっき金属を含む第1接続導体によって前記電気部品よりも前記第1表面側に積層されている第1導体層と接続されており、前記第2電極は、めっき金属を含む第2接続導体によって前記電気部品よりも前記第2表面側に積層されている第2導体層と接続されている。
【0006】
本発明の部品内蔵配線基板の製造方法は、第1導体層を形成することと、前記第1導体層の上に第1絶縁層を積層することと、前記第1絶縁層を貫通する開口部を前記第1絶縁層に形成することと、前記開口部内に、貫通孔を有する電気部品を配置することと、前記電気部品の前記貫通孔内に第1接続導体を形成することによって前記第1導体層と前記電気部品の第1電極とを接続することと、前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を積層することと、前記第2絶縁層上に第2導体層を形成すると共に、前記第2絶縁層内に第2接続導体を形成することによって前記第2導体層と前記電気部品の第2電極とを接続することと、を含んでいる。そして、前記第1接続導体及び前記第2接続導体はめっき金属を含んでいる。
【0007】
本発明の実施形態によれば、短く且つ信頼性の高い経路で内蔵部品とその周囲の導電体とが接続されている、電気的特性及び信頼性の良好な部品内蔵配線基板を得ることができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の一例を示す断面図。
図2】本発明の一実施形態に含まれる電気部品の一例の平面図。
図3図1のIII部の拡大図。
図4】本発明の一実施形態に含まれる第1導体層の導体パッドの一例を示す平面図。
図5】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の他の例を示す断面図。
図6A】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6B】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6C】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6D】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6E】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6F】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6G】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図6H】本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
図7】本発明の他の実施形態の部品内蔵配線基板の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[一実施形態]
本発明の一実施形態の部品内蔵配線基板が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態の部品内蔵配線基板の一例である部品内蔵配線基板100の断面図が示されている。なお、一実施形態、及び後述される他の実施形態の部品内蔵配線基板は、単に「配線基板」とも称される。
【0010】
図1に示されるように、配線基板100は、コア基板3と、コア基板3の両面それぞれに形成されているビルドアップ層1(第1ビルドアップ層)と、ビルドアップ層2(第2ビルドアップ層)とを含んでいる。ビルドアップ層1は、コア基板3の2つの主面(厚さ方向と直交する表面)のうちの第1コア面3f上に形成されている。第1コア面3fに対向する主面である第2コア面3s上にはビルドアップ層2が形成されている。ビルドアップ層1、2は、それぞれ、コア基板3上に交互に積層されている絶縁層及び導体層によって構成されている。ビルドアップ層1、2それぞれに含まれる各絶縁層には、各絶縁層を貫通するビア導体7が形成されている。ビルドアップ層1、2それぞれのコア基板3と反対側の表面上にはソルダーレジスト8が形成されている。
【0011】
コア基板3は、絶縁層3aと、絶縁層3aにおける第1コア面3f側の表面に形成されている導体層31と、絶縁層3aにおける第2コア面3s側の表面に形成されている導体層32とを含んでいる。絶縁層3aには、絶縁層3aを貫通して導体層31と導体層32とを接続するスルーホール導体33が形成されている。
【0012】
ビルドアップ層1は、第1コア面3f上に順に積層されている、第3絶縁層1c、第1導体層11、第1絶縁層1a、第3導体層13、第2絶縁層1b、及び、第2導体層12を含んでいる。ビルドアップ層1は電気部品4を内蔵している。
【0013】
ビルドアップ層1は、ビルドアップ層1の2つの主面の一方である第1表面1f、及び、2つの主面の他方であって第1表面1fの反対面である第2表面1sを有している。第1表面1fはコア基板3に面しており、第2表面1sはコア基板3と反対の方向を向いている。図1の例において、第1表面1fは、主に第3絶縁層1cにおけるビルドアップ層1の外側を向く表面によって構成されている。第2表面1sは、第2絶縁層1b及び第2導体層12それぞれにおけるビルドアップ層1の外側を向く表面によって構成されている。
【0014】
第1絶縁層1aは、第1導体層11と第2導体層12との間に介在すると共に、第1導体層11と第3導体層13との間に介在している。第2絶縁層1bは、第3導体層13と第2導体層12との間に介在している。第3導体層13は、第1絶縁層1aにおける第2表面1s側の表面上に形成されている。第3絶縁層1cは、第1絶縁層1aよりも第1表面1f側に設けられていて第2表面1s側の表面で第1導体層11と接している。第1~第3の導体層11~13は、それぞれ、任意の導体パターンを含み得る。
【0015】
ビルドアップ層1の第2表面1s側の最外層の導体層である第2導体層12は、部品実装パッド121を含んでいる。部品実装パッド121には、外部の電気部品(図示せず)が実装され得る。第2表面1sは、配線基板100の部品実装面である。外部の電気部品は、例えば、半導体集積回路装置、トランジスタ、又は、電気抵抗などである。
【0016】
ビルドアップ層2は、第2コア面3s上に交互に積層されているそれぞれ3つの導体層21及び絶縁層2aによって構成されている。各導体層21は、任意の導体パターンを含み得る。ビルドアップ層2におけるコア基板3と反対側の最外層の導体層21には、例えば外部のマザーボードなどに接続される接続パッド211が設けられている。
【0017】
なお、図1に示される配線基板100の積層構造は、本実施形態の配線基板が有し得る積層構造の一例に過ぎない。本実施形態の配線基板は、電気部品4を内蔵する少なくとも1つのビルドアップ層を含む任意の積層構造を有し得る。例えば、電気部品4を含むビルドアップ層1のようなビルドアップ層は、コア基板3の第1コア面3f及び第2コア面3sの少なくとも一方に形成され得る。すなわち、コア基板3は、電気部品4を内蔵するビルドアップ層を第2コア面3sに備えていてもよく、第1コア面3f及び第2コア面3sの両方に、電気部品4を内蔵するビルドアップ層を備えていてもよい。また、実施形態の配線基板に含まれる絶縁層及び導体層の層数は図1の例に限定されない。実施形態の配線基板は、2層以上の任意の数の絶縁層を含み得る。また、実施形態の配線基板は、2層以上の任意の数の導体層を含み得る。
【0018】
下記の説明において、配線基板100の厚さ方向において絶縁層3aから遠い側は「上側」もしくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層3aに近い側は「下側」もしくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各絶縁層において、絶縁層31と反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層3a側を向く表面は「下面」とも称される。
【0019】
絶縁層1a~1c、絶縁層2a、及び絶縁層3aそれぞれは、任意の絶縁性樹脂によって形成される。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。各絶縁層は、ガラス繊維やアラミド繊維で形成される芯材(補強材)を含んでいてもよい。図1の配線基板100では、絶縁層3aだけが芯材34を含み、絶縁層1a~1c及び絶縁層2aは芯材を含んでいない。絶縁層1a~1c、絶縁層2a、及び絶縁層3aそれぞれは、さらに無機フィラーを含んでいてもよい。無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ、又はムライトなどからなる微粒子が例示される。
【0020】
第1~第3の導体層11~13、導体層21、導体層31、導体層32、ビア導体7、及び、スルーホール導体33それぞれは、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。図1の例では、第1~第3の導体層11~13、導体層21、ビア導体7、及び、スルーホール導体33は、それぞれ、無電解めっき膜又はスパッタリング膜からなる金属膜層12aと、めっき膜層12bとを含んでいる(図1において符号12a、12bは、第2導体層12の金属膜層及びめっき膜層のみに付されている)。めっき膜層12bは、金属膜層12aを給電層として用いる電解めっきによって形成される。一方、導体層31、32は、金属膜層12a及びめっき膜層12bと同様の金属膜層及びめっき膜層に加えて、銅箔やニッケル箔などからなる金属箔層を含む3層構造を有している。
【0021】
ソルダーレジスト8は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの任意の絶縁性材料を用いて形成される。ソルダーレジスト8には、部品実装パッド121又は接続パッド211を露出させる開口81が設けられている。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態の配線基板100は、さらに、ビルドアップ層1に内蔵されている電気部品4を備えている。図2には、図1の配線基板100に内蔵される電気部品4の一例の平面図が示されており、図3には、図1の配線基板100のIII部の拡大図が示されている。
【0023】
図2及び図3に示されるように、電気部品4は、ビルドアップ層1の第2表面1sに向けられる表面4s、及び、表面4sと反対の表面であって、ビルドアップ層1の第1表面1fに向けられる表面4fを有している。電気部品4は、例えば、シリコン、ガラス、又はセラミックなどの絶縁体(誘電体)を基材として有している。電気部品4は、その基材の内部又は表面上に形成された、トランジスタなどの半導体素子、又はコンデンサなどの受動素子のような任意の電気素子を含み得る。電気部品4としては、半導体集積回路装置、個別半導体素子、電気抵抗、及び、コンデンサなどが例示されるが、電気部品4はこれらに限定されない。
【0024】
電気部品4は、電気部品4の外部の導電体にそれぞれ電気的に接続されるべき第1電極41及び第2電極42を備えている。第1電極41及び第2電極42は、例えば、銅、ニッケル、金、又はマグネシウムなどの任意の金属を用いて形成され、好ましくは銅で形成される。図示されていないが、第1及び第2電極41、42それぞれは、電気部品4に含まれる前述した電気素子と電気的に接続されている。
【0025】
さらに電気部品4は貫通孔43を有している。貫通孔43は、電気部品4の表面4sから表面4fに渡って電気部品4を貫通している。貫通孔43は、表面4s及び表面4fに略直交する方向に沿って電気部品4を貫通している。
【0026】
図2及び図3に示されるように、第2電極42は、電気部品4の表面4sに設けられている。図2の例において複数の第2電極42が、電気部品4の中央部分に形成されている。各第2電極42は、円形の平面形状を有する板状の形体を有している。
【0027】
図2の例では、第2電極42の群の周囲に、第2電極42を囲むように複数の第1電極41が形成されている。第1電極41は、貫通孔43の内壁面上にその内壁面を覆うように形成されている。さらに第1電極41は、貫通孔43の周囲において電気部品4の表面4sを覆っている。第1電極41は、部分的に膜状の形体を有しており、貫通孔43内において全体としてリング状の形体を有している。すなわち、図2の例の電気部品4は、貫通孔43の内壁面上に、第1電極41を構成するリング状の金属膜を備えている。第1電極41を構成するリング状の金属膜は、後述するように、配線基板100の製造工程において用いられるレーザー光のガイドとして機能することがある。
【0028】
図3に示されるように、電気部品4は、ビルドアップ層1の厚さ方向に関して第1絶縁層1aに相当する位置に埋設されている。従って、第1導体層11は、電気部品4よりも、ビルドアップ層1の第1表面1f側に積層されている。一方、第2導体層12は、電気部品4よりも、ビルドアップ層1の第2表面1s側に積層されている。
【0029】
そして、電気部品4の第1電極41は第1接続導体51によって第1導体層11と接続されており、第2電極42は第2接続導体52によって第2導体層12に接続されている。図3の例では、第2電極42は、具体的には、第2接続導体52によって部品実装パッド121に接続されている。
【0030】
配線基板100では、電気部品4がビルドアップ層1に内蔵されているので、電気部品4と、配線基板100のビルドアップ層1側の表面(ビルドアップ層1の第2表面1s)の導体層(第2導体層12)とが短い経路で接続され得る。現に本実施形態では、第2電極42は、ビルドアップ層1の第2表面1sを構成する第2導体層12と接続されている。例えば電気部品4がコア基板3に内蔵される構造と比べて、電気部品4の第2電極42と、第2表面1sの部品実装パッド121に実装される外部の電気部品(図示せず)とが短い経路で接続される。そのため、電気部品4及び外部の電気部品の一方の作用が他方に適切にもたらされると考えられる。配線基板100が用いられる電子機器などにおいて良好な特性が得られ易いと考えられる。
【0031】
さらに、本実施形態では、電気部品4における第2電極42と異なる第1電極41は、電気部品4よりもビルドアップ層1の第1表面1f側に積層されている第1導体層11と接続されている。従って、第1電極41は、第2電極42とは対照的に、ビルドアップ層1の第2表面1sとは反対面である第1表面1f側の導電体と短い経路で接続され得る。第1電極41は、例えば第2導体層12を経由して第1表面1f側の導電体に接続される構造と比べて、第1表面1f側の導電体と短い経路で接続され得る。本実施形態では、電気部品4において、第2表面1s側の導電体と接続されるべき電極、及び第1表面1f側の導電体と接続されるべき電極それぞれが、接続されるべき目的の導電体と短い経路で接続され得る。配線基板100が用いられる電子機器などにおいて良好な特性が得られ易いと考えられる。
【0032】
また、本実施形態において第1接続導体51及び第2接続導体52は、めっき金属を含んでいる。第1接続導体51及び第2接続導体52は、めっき金属だけで形成されていてもよい。第1接続導体51及び第2接続導体52を構成するめっき金属としては、銅、ニッケル、又は、金などが例示される。第1電極41及び第2電極42も、前述したように、銅、ニッケル、又は金などによって形成されている。この第1電極41及び第2電極42の表面上に、第1及び第2の接続導体51、52それぞれを構成するめっき金属が析出される。そして、このめっき金属を少なくとも部分的に含む第1接続導体51又は第2接続導体52によって、第1電極41は第1導体層11に接続され、第2電極42は第2導体層12に接続されている。
【0033】
従って、樹脂成分を含む導電性ペーストやはんだなどで各電極と各導体層とが接続される場合と比べて、第1電極41及び第2電極42それぞれと第1接続導体51及び第2接続導体52それぞれとの間の接続強度が高いと考えられる。また、第1電極41及び第2電極42それぞれと第1接続導体51及び第2接続導体52それぞれとの間の接続においては経年劣化が進行し難いと考えられる。従って、電気部品4と各導体層との接続に関する信頼性は高いと考えられる。
【0034】
なお、第1電極41及び第2電極42それぞれの形体は、図2及び図3に示される形体に限定されない。例えば、第2電極42が、円形以外の平面形状を有する板状体であってもよい。また、第1電極41が、図2及び図3の第2電極42のように板状体の形体で電気部品4の表面4s上に設けられていてもよい。その場合、その板状体の形体の第1電極(図2において二点鎖線で示される第1電極41a)と、図2及び図3において第1電極41を構成すべく貫通孔43の内壁上に形成されている金属膜とが接続される。例えば、図2において二点鎖線で示されるめっき金属からなる配線44によって、表面4s上の第1電極41aと貫通孔43の内壁上の金属膜とが接続される。その結果、表面4s上の第1電極41aと第1導体層11とのめっき金属による接続が実現されてもよい。
【0035】
図3に示されるように、第1絶縁層1aは、開口部1a1を有している。開口部1a1は、第1絶縁層1aの構成物が第1絶縁層1aの厚さ方向全体に渡って存在しない部分である。開口部1a1は第1絶縁層1aを貫通しており、第1絶縁層1aに覆われないように第1導体層11の一部をビルドアップ層1の第2表面1s側に露出させている。電気部品4は、第1絶縁層1aの開口部1a1内に配置されている。電気部品4が開口部1a1内に配置されるので、ビルドアップ層1の第2表面1sを平坦性の高い面にすることが容易である。
【0036】
開口部1a1は、第3絶縁層1cにおけるビルドアップ層1の第2表面1sを向く表面1csの一部も、第1絶縁層1aに覆われないように露出させている。開口部1a1と、開口部1a1内に露出する第3絶縁層1cの表面1csとによってキャビティ1acが形成されており、キャビティ1ac内に電気部品4が配置されている。
【0037】
キャビティ1acの底面には、第1導体層11の一部である導体パッド111及び導体パッド112が露出している。導体パッド111及び導体パッド112は、第3絶縁層1cにおいて開口部1a1と平面視で重なる領域を覆っている。後述されるように、レーザー光の照射などによる開口部1a1の形成において、第3絶縁層1cに加わるストレスが、第3絶縁層1cを覆う第1導体層11の一部によって軽減されることがある。なお、「平面視」は、配線基板100の厚さ方向に沿う視線で配線基板100を見ることを意味している。
【0038】
図3の例において、第1接続導体51は導体パッド111に接続されている。導体パッド111は、第3絶縁層1cを貫通するビア導体7に対して設けられているビアパッドである。従って、電気部品4の第1電極41が、第1接続導体51及びビア導体7を介して、導体層31と短い経路で接続され得る。
【0039】
図3に示されるように、電気部品4は、絶縁性の接合材6を介して、キャビティ1acの底面に露出する第1導体層11の上に配置されている。接合材6によって、第1導体層11の上に電気部品4が固定されている。接合材6は、例えば、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、又はシリコーン系などの任意の樹脂を用いて構成される樹脂系接着材である。接合材6は、樹脂系接着材に限定されず、例えば、無機系接着材などの任意の接合材が接合材6として用いられ得る。
【0040】
図3の例では、接合材6は導体パッド111を覆っており、第1接続導体51は導体パッド111を覆う接合材6を貫通している。接合材6を貫通する第1接続導体51によって第1電極41と第1導体層11とが接続されるので、第1電極41と第1導体層11とが、内部に界面を有さないシームレスな単一の導電体で接続される。従って、第1電極41と第1導体層11との接続に関して高い信頼性が得られると考えられる。
【0041】
図3に示されるように、第1接続導体51は、貫通孔43を通って電気部品4も貫通している。従って第1接続導体51は、表面4s及び表面4fに略直交する方向に沿って電気部品4を貫通している。第1接続導体51が電気部品4を貫通しているので、前述したように第1電極41が電気部品4の表面4sに設けられる場合でも、第1電極41と第1導体層11とが、前述した配線44(図2参照)及び第1接続導体51だけを介して接続され得る。従って、第1電極41と第1導体層11との接続に関して比較的高い信頼性が得られると考えられる。
【0042】
電気部品4は、貫通孔43の内壁と第1接続導体51との間に、全体としてリング状の形体を有していて第1電極41を構成する金属膜を備えている。第1接続導体51は、この金属膜上に形成されている。めっき金属などからなる第1接続導体51が、シリコンなどからなる電気部品4の基材上に直接形成される構造と比べて、第1接続導体51と電気部品4との密着強度が高いと考えられる。図3などに例示される第1接続導体51は、貫通孔43の周囲の表面4s上において第1電極41を覆うランド部51cを有している。ランド部51cは、電気部品4と第1接続導体51との密着強度の向上に加え、第1接続導体51と第1電極41との接触の容易性向上にも寄与し得ると考えられる。
【0043】
図3の例において第1接続導体51は、第1金属層51aと、第1金属層51a上に形成されている第2金属層51bとを含んでいる。第1金属層51aは、例えば、無電解めっきによって形成されているめっき金属からなる。第1金属層51aは、スパッタリングなどによって形成されている金属膜であってもよい。
【0044】
第2金属層51bはめっき金属によって形成されている。第2金属層51bは、例えば、第1金属層51aを給電層として用いる電解めっきによって形成される。従って、第2金属層51bは電解めっき膜であってもよい。図3の例のような2層構造を有する第1接続導体51は、例えば無電解めっき及び電解めっきによって比較的短い時間で所望の厚さに形成され得る。なお、第1接続導体51は、図3に示されるような2層構造を有さなくてもよく、例えば、無電解めっきによって形成された単層の金属膜であってもよい。
【0045】
図3の例の第1接続導体51は、貫通孔43の内壁に沿って形成されており、貫通孔43の中軸付近に中空部511を有している。中空部511は第2絶縁層1bによって充填されている。中空部511によって、シリコンなどからなる電気部品4の基材と第1接続導体51との間に生じる熱応力などが緩和されることがある。しかし、第1接続導体51において中空部511が生じないように第2金属層51bが形成されてもよい。従って、貫通孔43が第1接続導体51によって完全に充填されていてもよい。
【0046】
図3の例では、第2接続導体52も、第1金属層52a、及び、第1金属層52a上に形成されている第2金属層52bを含んでいる。第2接続導体52は、電気部品4上の第2絶縁層1bを貫通する貫通孔1ba内に形成されている。貫通孔1baは第2接続導体52によって充填されている。
【0047】
第1金属層52aは、貫通孔1baの内壁面上に形成されている。第1金属層52aは、例えば、無電解めっきによって形成されているめっき金属からなる。第1金属層52aは、スパッタリングなどによって形成されている金属膜であってもよい。第2金属層52bは、例えば、第1金属層52aを給電層として用いる電解めっきによって形成される。従って、第2金属層52bは電解めっき膜であってもよい。
【0048】
第2接続導体52は、第2絶縁層1bを貫通するビア導体7(図1参照)と同様の構造を有し得る。従って第2接続導体52は、後述されるように、第2絶縁層1bを貫通するビア導体7と、好ましくは同時に形成される。
【0049】
図4には、第1絶縁層1aの開口部1a1に露出する第1導体層11の一部(導体パッド111及び導体パッド112)の平面図が示されている。図4は、開口部1a1及びその周辺部だけを示している。なお、接合材6、及び電気部品4よりも上側の要素の図示は省略されており、電気部品4については、その輪郭だけが二点鎖線で示されている。
【0050】
図4に示されるように、第1絶縁層1aの開口部1a1に露出する第1導体層11の一部の導体パターンは、導体パッド111と共に、導体パッド112を含んでいる。導体パッド112は、電気部品4がその上に搭載される搭載パッドである。導体パッド112を設けることによって、電気部品4の実装時の安定性が向上したり、キャビティ1acの底面のうねりが抑制されたりすることがある。導体パッド112は、各導体パッド111に接続される第1接続導体51同士が短絡しないように、導体パッド111と分離されている。導体パッド111と導体パッド112との間に第3絶縁層1cが露出している。
【0051】
図4に例示される導体パッド112は、開口部1a1によって構成されるキャビティ1acの底面の全体に渡って設けられている。導体パッド112の周縁部は、開口部1a1の外側にまで達していて第1絶縁層1aに覆われている。従って導体パッド112は、第3絶縁層1cにおける第1絶縁層1aの開口部1a1と平面視で重なる領域のうちの導体パッド111に覆われていない領域を略覆っている。すなわち、第1導体層11の一部の導体パターンによって、第3絶縁層1cにおける第1絶縁層1aの開口部1a1と平面視で重なる領域全体が略覆われている。従って、前述したように開口部1a1の形成時に第3絶縁層1cに加わり得るストレスが軽減されることがある。
【0052】
なお、導体パッド112及び導体パッド111によって、第3絶縁層1cにおける開口部1a1と平面視で重なる領域の略全部が覆われていなくてもよい。例えば、導体パッド112は、導体パッド111よりもキャビティ1acの中央部側の所定の範囲だけに形成されていてもよい。
【0053】
図5には、本実施形態の部品内蔵配線基板の他の例である配線基板100aが示されている。図5の例の配線基板100aは、コア基板3及びビルドアップ層2を備えていない点で、図1の例の配線基板100と異なる。従って、配線基板100aは、所謂コアレス配線基板である。
【0054】
図5の例の配線基板100aのビルドアップ層1は、第3絶縁層1cにおける第2表面1sと反対側に、さらに、交互に積層されている2つの導体層14及び2つの絶縁層1dを備えている。導体層14は、導体層11~13と同様の材料を用いて形成され、導体層11~13と同様の構造を有し得る。絶縁層1dは、絶縁層1a~1cと同様の材料を用いて形成され、同様の構造を有し得る。2つの絶縁層1dのち第2表面1sから遠い方の絶縁層1dの表面によって、ビルドアップ層1の第1表面1fが構成される。
【0055】
図5の例のビルドアップ層1は、さらに、第1表面1fに一面を露出するように絶縁層1d内に埋め込まれた導体層15を含んでいる。図5の例の導体層15は、電解めっき膜層からなる単層構造を有している。
【0056】
本実施形態の配線基板は、図5の例の配線基板100aのような、コアレス配線基板の構造を有し得る。その場合、実施形態の配線基板は1つのビルドアップ層だけを含み得る。図5の例の配線基板100aにおいて、第3絶縁層1cからビルドアップ層1の第2表面1s側の構造は、図1の例の配線基板100と同じである。図5において図1に示される構成要素と同一の構成要素については、図1に付された符号と同じ符号が付されるか、適宜符号が省略され、再度の説明は省略される。
【0057】
つぎに、一実施形態の配線基板の製造方法が、図1の配線基板100を例に用いて図6A図6Hを参照して説明される。
【0058】
図6Aに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、第1導体層11を形成することと、第1導体層11の上に第1絶縁層1aを積層することとを含んでいる。図6Aには、ビルドアップ層1を構成する導体層及び絶縁層のうち、第3絶縁層1c、第1導体層11、第1絶縁層1a、及び第3導体層13が形成された状態が示されている。
【0059】
図1の配線基板100が製造される場合、まず、コア基板3の絶縁層3aとなる絶縁層と、この絶縁層の両表面にそれぞれ積層された金属箔を含む出発基板(例えば両面銅張積層板)が用意され、例えばサブトラクティブ法を用いて、コア基板3の2つの導体層31、32、及びスルーホール導体33が形成される。
【0060】
さらに、図6Aに示されるように、コア基板3の第1コア面3f及び第2コア面3sそれぞれの上に、絶縁層と導体層とが交互に積層される。第1コア面3f上には、まず第3絶縁層1cが積層され、第3絶縁層1c上に第1導体層11が形成される。第2コア面3s上には絶縁層2aが積層され、絶縁層2a上に導体層21が形成される。
【0061】
第3絶縁層1c及び絶縁層2aは、それぞれ、絶縁性の樹脂を用いて形成される。例えばフィルム状に成形されたエポキシ樹脂やBT樹脂などの樹脂が、コア基板3の第1コア面3f及び第2コア面3s上に積層され、加熱及び加圧される。その結果、第3絶縁層1c及び絶縁層2aが形成される。第3絶縁層1c及び絶縁層2aには、ビア導体7を形成するための貫通孔が、例えば炭酸ガスレーザー光の照射などによって形成される。
【0062】
第1導体層11及び導体層21は、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて、例えばセミアディティブ法によって形成される。すなわち、第3絶縁層1c及び絶縁層2aそれぞれの表面の全面、並びに、各絶縁層の貫通孔内に無電解めっきやスパッタリングによって金属膜が形成される。その金属膜を給電層として用いるパターンめっきによって電解めっき膜が形成される。各絶縁層の貫通孔内にはビア導体7が形成される。その後、金属膜の不要部分が例えばエッチングなどで除去されることによって、所定の導体パターンを含む2層構造の第1導体層11及び導体層21がそれぞれ形成される。
【0063】
セミアディティブ法を用いる第1導体層11の形成では、導体パッド111、及び導体パッド112などの導体パターンの形成に適した開口を有するめっきレジストが形成され、このめっきレジストを用いてパターンめっきが行われる。導体パッド111は、後述する電気部品4の貫通孔43(図6C参照)に対応する位置に形成される。
【0064】
図6Aに示されるように、第3絶縁層1c及び第1導体層11上に第1絶縁層1aが積層される。図6Aでは、第1導体層11に接するように、すなわち第1導体層11上に直接、第1絶縁層1aが積層される。第1絶縁層1aは、第3絶縁層1cの積層方法と同様の方法で積層され得る。そして、第1絶縁層1a上に、例えば第1導体層11の形成方法と同様の方法で、第3導体層13が形成される。コア基板3の第2コア面3s側には、第1絶縁層1a及び第3導体層13の形成方法と同様の方法を用いて、さらに1組の絶縁層2a及び導体層21が設けられる。
【0065】
図6Bに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、第1絶縁層1aを貫通する開口部1a1を第1絶縁層1aに形成することを含んでいる。なお、図6B図6Fに示される工程では、コア基板3の第2コア面3s側に対する加工は略行われないので、図6B図6Fにはコア基板3の第1コア面3f側だけが示されている。
【0066】
例えば、炭酸ガスレーザー光が、開口部1a1が形成されるべき領域の全面に渡って第1絶縁層1aに照射される。炭酸ガスレーザー光の照射によって、第1絶縁層1aの一部が除去され、その結果、開口部1a1が形成される。図6Bの例では、開口部1a1は、第1導体層11の一部を開口部1a1内に露出するように形成されている。開口部1a1の形成に伴って、開口部1a1と、開口部1a1内に露出する第3絶縁層1cの表面1csによって構成されるキャビティ1acが形成される。開口部1a1は、ドリル加工などの機械的加工によって形成されてもよい。
【0067】
開口部1a1の形成によって、第1導体層11の導体パターン111及び導体パターン112が開口部1a1内に露出する。キャビティ1acの底面の略全体を覆う導体パターン111及び導体パターン112は、レーザー光の照射又はドリル加工によって第3絶縁層1cに加わり得るストレスの軽減に寄与することがある。なお、導体パターン111及び導体パターン112が形成されていない領域においても、レーザー光のパワー、又はドリル加工の深度を調整することによって、第3絶縁層1cへのストレスを許容範囲内に制御することができる。
【0068】
図6Cに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、第1絶縁層1aの開口部1a1内、すなわちキャビティ1ac内に、電気部品4を配置することを含んでいる。
【0069】
電気部品4は、図6Cの例では、開口部1a1内の第1導体層11の上に配置される。電気部品4は、第1電極41及び第2電極42を備えると共に、電気部品4を貫く貫通孔43を有している。貫通孔43は、第1導体層11上に配置された状態で第1導体層11及び第1絶縁層1aの積層方向において電気部品4を貫くように形成されている。第1電極41は、貫通孔43の内壁面上に形成されていて全体としてリング状の形体を有する部分と、表面4sにおける貫通孔43の周囲の部分とを含む金属膜によって構成されている。第2電極42は、電気部品4における第1導体層11と反対方向を向けられる表面4s上に設けられている。電気部品4は、第1導体層11の導体パッド111と貫通孔43とが平面視で重なるように、導体層13に含まれるアライメントマーク(図示しない)を基準に位置合わせされたうえで、キャビティ1ac内に配置される。
【0070】
図6Cの例では、電気部品4は、絶縁性の接合材6を介して、第1導体層11の導体パッド111及び導体パッド112の上に配置される。すなわち、電気部品4は、絶縁性の接合材6を用いて開口部1a1内に固定される。接合材6としては、エポキシ系又はアクリル系などの任意の樹脂を用いて構成される樹脂系接着材、及び無機系接着剤などが例示される。例えばペースト状に調製された接合材6が、ディスペンサを用いてキャビティ1acの底面に供給される。そして、供給された接合材6上に、例えば部品マウンタ(図示せず)を用いて電気部品4が載置される。必要に応じて、接合材6が加熱や紫外線照射などによって硬化される。
【0071】
図6D図6Fに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、電気部品4の貫通孔43内に第1接続導体51を形成することによって第1導体層11と電気部品4の第1電極41とを接続することを含んでいる。
【0072】
図6Dに示されるように、第1接続導体51を形成することは、接合材6の一部を除去することを含んでいてもよい。接合材6において電気部品4の貫通孔43、及び導体パッド111と平面視で重なる部分が除去される。接合材6の一部の除去によって、接合材6を貫く貫通孔6aが形成される。貫通孔6aの形成によって、導体パッド111の少なくとも一部が、接合材6の貫通孔6a内、及び電気部品4の貫通孔43内に露出する。
【0073】
接合材6の一部の除去による貫通孔6aの形成は、例えばレーザー加工によって行われる。レーザーとしては炭酸ガスレーザー又はYAGレーザーなどが例示されるが、貫通孔6aの形成に用いられるレーザーはこれらに限定されない。レーザー加工によって貫通孔6aが形成される場合、電気部品4の貫通孔43を通して、接合材6にレーザー光Rが照射される。接合材6に貫通孔6aを形成することは、このように電気部品4の貫通孔43内を通過するレーザー光Rを接合材6に照射することを含み得る。
【0074】
貫通孔43内に入射したレーザー光Rの光軸は、貫通孔43の軸方向に対して傾いていることがある。しかし、そのようなレーザー光Rは、貫通孔43の内壁上で第1電極41を構成する金属膜によって反射され得る。すなわち、貫通孔43の内壁上の金属膜がレーザー光Rのガイドとして機能することがある。適切な光量で接合材6にレーザー光Rを照射し得ることがある。
【0075】
図6E及び図6Fに示されるように、電気部品4の貫通孔43内に第1接続導体51を形成することによって第1導体層11と第1電極41とが接続される。なお図6E及び図6Fは、電気部品4及びその周辺部分だけを、拡大して示している。
【0076】
図6Eに示されるように、まずコア基板3の第1面3f側の露出面全体に金属膜510が形成される。すなわち電気部品4の貫通孔43の内部、電気部品4の表面4s及び側面上、第1絶縁層1a及び第3導体層13それぞれの露出面上、並びにキャビティ1acの内壁面及び底面などの全体に金属膜510が形成される。接合材6の貫通孔6aの内部、及び貫通孔6a内に露出する導体パッド111の表面上にも、金属膜510が形成される。金属膜510は、銅、ニッケル、又は、金などの任意の金属を用いて、無電解めっき又はスパッタリングなどによって形成され得る。従って金属膜510は無電解めっき膜であってもよい。
【0077】
図6Fに示されるように、電気部品4の貫通孔43に対応する位置だけに開口Maを有するめっきレジストMが用意される。めっきレジストMは、電気部品4の上、並びに第1絶縁層1a及び第3導体層13上に設けられる。そして金属膜510を給電層として用いる電解めっきによって、電気部品4の貫通孔43の内部及び接合材6の貫通穴6aの内部に電解めっき膜51b(第2金属層)が形成される。電解めっき膜51bは、具体的には、金属膜510において、電気部品4の第1電極41、接合材6の貫通孔6aの内壁面、及び貫通孔6aに露出する導体パッド111の表面を覆っている部分の上に形成される。
【0078】
電解めっき膜51bの形成後、めっきレジストMが、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ性の剥離液を用いて除去される。めっきレジストMの除去後、電解めっき膜51bに覆われていない金属膜510が除去される。すなわち、電気部品4の貫通孔43内及び接合材6の貫通孔6a内のいずれでもない領域に形成されている金属膜510が除去される。
【0079】
電気部品4の貫通孔43内及び接合材6の貫通孔6a内には、電解めっき膜51bに覆われている金属膜51a(第1金属層)が残存する。その結果、金属膜51a及び電解めっき膜51bからなる第1接続導体51が、電気部品4の貫通孔43内及び接合材6の貫通孔6a内に形成される。電解めっき膜51bは導体パッド111の表面を覆っている金属膜51a上にも形成されるため、接合材6の除去された部分(貫通孔6a)を通って第1導体層11の導体パッド111に達する第1接続導体51が形成される。第1電極41と第1導体層11とが第1接続導体51によって接続される。
【0080】
第1接続導体51は、電解めっき膜51bを形成しているめっき金属を含んでいる。金属膜510の残存部分である金属膜51aは、無電解めっき膜であってもよい。第1接続導体51を形成することは、このように、無電解めっき及び電解めっきによって2層のめっき膜層を電気部品4の貫通孔43内に形成することを含み得る。比較的短い時間で所望の厚さの第1接続導体51を形成し得ることがある。また、めっき金属を含む第1接続導体51は、導電ペーストやはんだなどと比べて、例えば銅などの金属で形成される導体パッド111及び第1電極41との密着強度が高いと考えられる。
【0081】
さらに、第1接続導体51では、電気部品4の貫通孔43内の部分と接合材6の貫通孔6a内の部分とが一体的に形成されている。従って、第1接続導体51は、内部に界面などを有さない、従ってクラックなどの発生の少ない信頼性の高い接続手段になり得ると考えられる。
【0082】
図6Gに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、第1絶縁層1a及び第3導体層13の上に第2絶縁層1bを積層することを含んでいる。コア基板3の第2コア面3s側には、既に積層されている絶縁層2aの積層方法と同様の方法で、さらに絶縁層2aが積層される。
【0083】
第2絶縁層1bは、第1及び第3の絶縁層1a、1cの積層方法と同様に、例えばフィルム状のエポキシ樹脂を、第1絶縁層1aなどの上に配置することによって積層される。第2絶縁層1bの積層の際に、第1絶縁層1aの開口部1a1が第2絶縁層1bの材料で充填される。例えば、第2絶縁層1bの積層に用いられるフィルム状のエポキシ樹脂が加熱によって軟化し、その一部が開口部1a1内に流下する。開口部1a1内に流下した第2絶縁層1bの材料によって開口部1a1が充填される。図6Gの例では、第1接続導体51の中空部511も、第2絶縁層1bの材料によって充填されている。ビルドアップ層1内におけるボイドの発生が防がれる。このように本実施形態において第2絶縁層1bを積層することは、第1絶縁層1aの開口部1a1を第2絶縁層1bの材料で充填することを含み得る。
【0084】
図6Hに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、第2絶縁層1b上に第2導体層12を形成すると共に、第2導体層12と電気部品4の第2電極42とを接続することを含んでいる。第2導体層12と電気部品4の第2電極42とは、第2絶縁層1b内にめっき金属を含む第2接続導体52を形成することによって接続される。コア基板3の第2コア面3s側には、第2導体層12の形成方法と同様の方法で、さらに導体層21が形成される。
【0085】
第2導体層12は、第1導体層11と同様に、例えばセミアディティブ法を用いて形成される。図6Hの例では、第2導体層12に部品実装パッド121が設けられる。セミアディティブ法による第2導体層12の形成に伴って第2絶縁層1b内にビア導体7が形成される。
【0086】
第2接続導体52は、第2絶縁層1b内に形成されるビア導体7と同様に、好ましくは、セミアディティブ法による第2導体層12の形成と同時に形成される。すなわち、第2絶縁層1bにおける電気部品4の第2電極42を覆っている部分に、例えば炭酸レーザー光の照射によって、第2電極42を露出させる貫通孔1baが形成される。そして貫通孔1ba内、及び第2絶縁層1bの表面上に、無電解めっきやスパッタリングによって金属膜52a(第1金属層)が形成される、そして、パターンめっきによって、貫通孔1ba内の金属膜52a上に電解めっき膜52b(第2金属層)が形成される。金属膜52a及び電解めっき膜52bからなる2層構造の第2接続導体52が形成される。その後、金属膜52aの不要部分が除去される。
【0087】
第2接続導体52は、電気部品4の第2電極42の上に、第2導体層12と一体的に形成される。めっき金属を含む第2接続導体52によって、第2電極42と第2導体層12とが強固に接続される。図6Hの例では、第2接続導体52の上に部品実装パッド121が形成されており、部品実装パッド121と第2電極42とが、第2接続導体52によって接続されている。
【0088】
第2導体層12の形成後、第2導体層12及び第2絶縁層1b上に、ソルダーレジスト8が形成される。コア基板3の第2コア面3s側の最表層の導体層21及び絶縁層2aの上にも、ソルダーレジスト8が形成される。ソルダーレジスト8には部品実装パッド121又は接続パッド211を露出させる開口が設けられる。ソルダーレジスト8、及びその開口は、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを含む樹脂層の形成と、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像とによって形成される。
【0089】
ソルダーレジスト8の開口に露出する部品実装パッド121及び接続パッド211上には、無電解めっき、半田レベラ、又はスプレーコーティングなどによって、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、はんだ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されてもよい。以上の工程を経る事によって配線基板100が完成する。
【0090】
図5の例の配線基板100aが製造される場合は、金属箔を備える支持板(図示せず)が用意され、その金属箔上に電解めっきによって所望の導体パターンを含む導体層15が形成される。そして、導体層15、及び導体層15に覆われていない金属箔上に、絶縁層1d及び導体層14が交互に積層される。2組の絶縁層1d及び導体層14の積層後、図6A図6Hを参照して説明された方法で各絶縁層及び各導体層が形成され、ビルドアップ層1に電気部品4が埋設される。その後、支持板、及び支持板上の金属箔が除去される。
【0091】
[他の実施形態]
図7には、本発明の他の実施形態の部品内蔵配線基板の一例である部品内蔵配線基板101が示されている。配線基板101は、図1の配線基板100と同様に、コア基板3、ビルドアップ層1、及び、ビルドアップ層2を含んでいる。ビルドアップ層1は第1表面1f及び第1表面1fの反対面である第2表面1sを有している。ビルドアップ層1には第1電極41及び第2電極42を備える電気部品4が内蔵されている。第2電極42は、図1の配線基板100と同様に、めっき金属を含む第2接続導体52によって、電気部品4よりも第2表面1s側に積層されている第2導体層12と接続されている。そして、第1電極41は、めっき金属を含む第1接続導体51によって、電気部品4よりも第1表面1f側に積層されている導体層31に接続されている。すなわち、配線基板101では、導体層31が、第1接続導体51によって電気部品4の第1電極41と接続される導体層(第1導体層)である。導体層31は、コア基板3を構成する2つの導体層のうちの第1コア面3f側に形成されている導体層であってビルドアップ層1に面している。
【0092】
配線基板101においてビルドアップ層1は、導体層31及び絶縁層3a上に順に積層されている、第3絶縁層1c、第4導体層114、第1絶縁層1a、第3導体層13、第2絶縁層1b、及び、第2導体層12を含んでいる。第1絶縁層1aを貫通する開口部1a1は、第1絶縁層1aに覆われないように第4導体層114の一部をビルドアップ層1の第2表面1s側に露出させている。そして、電気部品4は、導体層114において開口部1a1内に露出している導体パッド114pの上に絶縁性の接合材6を介して置かれている。電気部品4と導体層31(本実施形態における第1導体層)との間には、ビルドアップ層1内に形成されている内層導体層(第4導体層114)及び絶縁層(第3絶縁層1c)が介在している。従って、第1接続導体51は、電気部品4及び接合部材6を貫通すると共に、第4導体層114及び第3絶縁層1cを貫通している。
【0093】
第4導体層114に設けられている導体パッド114pには、第1接続導体51と平面視で重なる位置に開口114hが形成されている。従って、第1接続導体51は、第4接続導体114を非接触で貫通している。
【0094】
本実施形態の配線基板101のように、実施形態の配線基板では、電気部品4と、第1接続導体51によって第1電極41と接続される第1導体層(図7において導体層31)との間に、1以上の絶縁層及び1以上の導体層が介在していてもよい。その場合、第1接続導体51は、その1以上の絶縁層を貫通すると共に、その1以上の導体層を非接触で貫通して第1導体層に接続されてもよい。従って、電気部品4は、第1導体層以外のビルドアップ層1内の任意の導体層の上に置かれ得る。本実施形態の配線基板101は、第1接続導体51と接続される第1導体層(図7の導体層31)が、電気部品4が配置される導体層(図7の第4導体層114)よりも、第1表面1f側に位置している点を除いて、図1の配線基板100と同様の構造を有している。従って、図1の配線基板100と同様の構成要素には、図1に付されている符号と同じ符号が図7に付されるか又は省略され、繰り返しとなる説明は省略される。
【0095】
図7に例示される実施形態の配線基板101が製造される場合、図6Aを参照して説明された工程において、本実施形態の第1導体層となる導体層31が形成され、さらに図6Aと同様に第3絶縁層1cが積層される。そして導体層31の上に第3絶縁層1cを介して、図6Aの第1導体層11が、本実施形態の第4導体層(内層導体層)として形成される。しかし、図6Aに示される導体パッド111及び導体パッド111と一体のビア導体7は形成されず、導体パッド111の位置には図7の開口114hが設けられる。その後、第1絶縁層1aが積層される。
【0096】
そして図6Dを参照して説明された工程において、貫通孔6aが、接合材6と共に第3絶縁層1cを貫通するように形成される。貫通孔6aは、本実施形態の第1導体層(図6Dにおける導体層31)を露出させるように形成される。また貫通孔6aは、本実施形態の第4導体層(図6Dにおける第1導体層11)の導体パターンから離間するように形成される。その後、図6E及び図6Fを参照して説明された工程において、貫通孔6a内に第1接続導体51が形成される。第1接続導体51を形成することによって本実施形態の第1導体層(図6Fにおける導体層31)と電気部品4の第1電極41とが接続される。第1接続導体51は貫通孔6a内に形成されるので、図7に示されるような、第4導体層(内層導体層)を非接触で貫通して導体層31(第1導体層)と接する第1接続導体51が形成される。
【0097】
実施形態の部品内蔵配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。例えば、電気部品4は、2つの導体層に挟まれる任意の絶縁層内に内蔵され得る。電気部品4はビルドアップ層2内に内蔵されていてもよい。第1接続導体51は、第1導体層11のビアパッド以外の導体パッドに接続されていてもよい。第2接続導体52は、第2導体層12の部品実装パッド121以外の導体パッドに接続されていてもよい。第3導体層13は設けられていなくてもよい。第1接続導体51は、第1導体層だけでなく、図7に例示される実施形態のように電気部品4と第1導体層との間に介在する1以上の導体層の一部又は全部と、必要に応じて接触していてもよい。
【0098】
実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、金属から容易に剥離し得る剥離膜が、第1導体層11における第1絶縁層1aの開口部1a1の形成領域に配置されたうえで第1絶縁層1aが積層されてもよい。そして、第1絶縁層1aにおける剥離膜上の部分が周囲と分離されたうえで、その部分が剥離膜と共に除去されてもよい。そのようにして開口部1a1が形成されてもよい。また、導体層31、32以外の各導体層がサブトラクティブ法で形成されてもよい。実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0099】
100、100a、101 部品内蔵配線基板
1、2 ビルドアップ層
1f 第1表面
1s 第2表面
11 第1導体層
111、112 導体パッド
114 第4導体層(内層導体層)
12 第2導体層
121 部品実装パッド
13 第3導体層
1a 第1絶縁層
1a1 開口部
1b 第2絶縁層
1c 第3絶縁層
3 コア基板
4 電気部品
41 第1電極
42 第2電極
43 貫通孔
51 第1接続導体
51a 第1金属層
51b 第2金属層
52 第2接続導体
6 接合材
R レーザー光
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7