(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】生体情報取得システム、及びセンサ配置判定プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240530BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240530BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240530BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20240530BHJP
A61G 7/043 20060101ALI20240530BHJP
G01G 19/52 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A61B5/107 300
A61B5/00 101R
A61B5/11 100
A61G7/05
A61G7/043
G01G19/52 F
(21)【出願番号】P 2020122139
(22)【出願日】2020-07-16
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100179280
【氏名又は名称】河村 育郎
(72)【発明者】
【氏名】轟 真佑
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-081473(JP,A)
【文献】特開2015-123114(JP,A)
【文献】特開2008-264338(JP,A)
【文献】特開2016-214839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0146917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01、5/06-5/22
A61G 7/00-7/16
G01G 19/00-19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド上の被験者の荷重に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得システムであって、
前記ベッドの四隅に配置されて前記ベッド上の前記被験者の荷重を検出する4つの荷重センサと、
前記4つの荷重センサの検出値を用いて前記ベッドに対する前記4つの荷重センサの配置を判定するセンサ配置判定部と、
前記生体情報取得システムの使用者に情報を表示するインタフェース部とを備え、
前記センサ配置判定部は、
前記ベッドの長手方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第1情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記ベッドの幅方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第2情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定することを実行する生体情報取得システム。
【請求項2】
前記4つの荷重センサの検出値に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得部を更に備え、
前記センサ配置判定部は、
前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサの特定に基づいて前記4つの荷重センサの各々の前記ベッドに対する配置を特定することと、
前記特定した配置に応じて前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを実行する請求項1に記載の生体情報取得システム。
【請求項3】
前記4つの荷重センサの検出値は4つの検出値であり、
前記生体情報取得部は前記4つの検出値にそれぞれ対応する4つの入力値を受け取って該4つの入力値に基づいて前記被験者の生体情報を取得し、
前記センサ配置判定部は、前記4つの検出値と前記4つの入力値との対応関係を変更することにより、前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更する請求項2に記載の生体情報取得システム。
【請求項4】
前記センサ配置判定部は、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサと、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサとの間の整合性を判定し、整合性がある場合に前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更する請求項2又は3に記載の生体情報取得システム。
【請求項5】
前記センサ
配置判定部は、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみと前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみとが一致し、且つ前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量が、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量よりも大きい場合に、整合性があると判定する請求項4に記載の生体情報取得システム。
【請求項6】
第1情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの長手方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの幅方向の中央近傍であり、第2情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの幅方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの長手方向の中央近傍である請求項1~5のいずれか一項に記載の生体情報取得システム。
【請求項7】
前記センサ配置判定部は、
前記4つの荷重センサの内、第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの長手方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記4つの荷重センサの内、第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することを実行する請求項1~6のいずれか一項に記載の生体情報取得システム。
【請求項8】
前記センサ配置判定部は、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の合計値を基準値と比較し、前記合計値が前記基準値よりも大きい場合に前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び/又は前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサの特定を行う請求項1~7のいずれか一項に記載の生体情報取得システム。
【請求項9】
前記センサ配置判定部は、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっているか否かを判定し、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっている場合に、第1情報を前記インタフェース部に表示させること、及び/又は第2情報を前記インタフェース部に表示させることを行う請求項1~8のいずれか一項に記載の生体情報取得システム。
【請求項10】
前記センサ配置判定部は、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっている場合に、前記4つの荷重センサの各々の検出値について前記所定期間における平均値を算出し、
前記4つの荷重センサの各々について、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記検出値の前記平均値に対する増分が所定値を越える場合に、該荷重センサが前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定し、
前記4つの荷重センサの各々について、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記検出値の前記平均値に対する増分が所定値を越える場合に、該荷重センサが前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定する請求項9に記載の生体情報取得システム。
【請求項11】
前記使用者が、前記ベッド上の前記被験者であり、
前記使用者による前記ベッドへの荷重の付加は前記被験者が前記ベッド上において移動することによりなされる請求項1~10のいずれか一項に記載の生体情報取得システム。
【請求項12】
ベッドの四隅に配置されて前記ベッド上の被験者の荷重を検出する4つの荷重センサと、使用者に情報を表示するインタフェース部とを備え、前記ベッド上の前記被験者の荷重に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得システムにおいて、前記ベッドに対する前記4つの荷重センサの配置を判定するセンサ配置判定プログラムであって、
前記ベッドの長手方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第1情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記ベッドの幅方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第2情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定することを前記生体情報取得システムに実行させるセンサ配置判定プログラム。
【請求項13】
前記生体情報取得システムは前記4つの荷重センサの検出値に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得部を更に備え、
前記センサ配置判定プログラムは、
前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサの特定に基づいて前記4つの荷重センサの各々の前記ベッドに対する配置を特定することと、
前記特定した配置に応じて前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させる請求項12に記載のセンサ配置判定プログラム。
【請求項14】
前記4つの荷重センサの検出値は4つの検出値であり、
前記生体情報取得部は前記4つの検出値にそれぞれ対応する4つの入力値を受け取って該4つの入力値に基づいて前記被験者の生体情報を取得し、
前記センサ配置判定プログラムは、前記4つの検出値と前記4つの入力値との対応関係を変更することにより、前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させる請求項13に記載のセンサ配置判定プログラム。
【請求項15】
前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサと、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサとの間の整合性を判定することと、
整合性がある場合に前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させる請求項13又は14に記載のセンサ配置判定プログラム。
【請求項16】
前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみと前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみとが一致し、且つ前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量が、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量よりも大きい場合に、整合性があるとの判定を前記生体情報取得システムに実行させる請求項15に記載のセンサ配置判定プログラム。
【請求項17】
第1情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの長手方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの幅方向の中央近傍であり、第2情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの幅方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの長手方向の中央近傍である請求項12~16のいずれか一項に記載のセンサ配置判定プログラム。
【請求項18】
前記4つの荷重センサの内、第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの長手方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記4つの荷重センサの内、第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することを前記生体情報取得システムに実行させる請求項12~17のいずれか一項に記載のセンサ配置判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報取得システム、及びセンサ配置判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療や介護の分野において、荷重センサを介してベッド上の被験者の荷重を検出し、検出した荷重に基づいて被験者の生体情報を取得することが提案されている。具体的には例えば、4つの荷重センサをベッドの四隅の脚の下にそれぞれ配置し、4つの荷重センサの出力に基づいて被験者の生体情報(呼吸数等)を算出するシステムが使用されている。
【0003】
このようなシステムにおいては、4つの荷重センサがベッドに対して適切に配置されていない場合に、算出される生体情報の信頼性が低下し得る。特許文献1は、ベッドの4つの脚の下に4つの荷重センサを設置し、ベッドへのテスト荷重の付加に応じた4つの荷重センサの応答のタイミングに基づいて、4つの荷重センサの配置を判定する装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
荷重センサがベッドに対して適切に配置されていない場合は、荷重センサの出力に基づいて求められる生体情報の信頼性が大きく損なわれる。そのため、荷重センサの配置を判定する装置には、高い精度(信頼性)が求められる。この点、特許文献1の装置を用いた判定は、ベッドに付加されたテスト荷重がベッド内で一様に伝達されない場合、例えば柔軟であり荷重が複雑に伝達されるマットレスがベッド上に設置されている場合には、信頼性が高いとは言い難い。
【0006】
本発明は、複数の荷重センサのベッドに対する配置を容易且つ高精度に判定することのできる生体情報取得システム、及びセンサ配置判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、
ベッド上の被験者の荷重に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得システムであって、
前記ベッドの四隅に配置されて前記ベッド上の前記被験者の荷重を検出する4つの荷重センサと、
前記4つの荷重センサの検出値を用いて前記ベッドに対する前記4つの荷重センサの配置を判定するセンサ配置判定部と、
前記生体情報取得システムの使用者に情報を表示するインタフェース部とを備え、
前記センサ配置判定部は、
前記ベッドの長手方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第1情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記ベッドの幅方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第2情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定することを実行する生体情報取得システムが提供される。
【0008】
第1の態様の生体情報取得システムは、前記4つの荷重センサの検出値に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得部を更に備えてもよく、前記センサ配置判定部は、前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサの特定に基づいて前記4つの荷重センサの各々の前記ベッドに対する配置を特定することと、前記特定した配置に応じて前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを実行してもよい。
【0009】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記4つの荷重センサの検出値は4つの検出値であってもよく、前記生体情報取得部は前記4つの検出値にそれぞれ対応する4つの入力値を受け取って該4つの入力値に基づいて前記被験者の生体情報を取得してもよく、前記センサ配置判定部は、前記4つの検出値と前記4つの入力値との対応関係を変更することにより、前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更してもよい。
【0010】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ配置判定部は、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサと、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサとの間の整合性を判定し、整合性がある場合に前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更してもよい。
【0011】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ判定部は、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみと前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみとが一致し、且つ前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量が、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量よりも大きい場合に、整合性があると判定してもよい。
【0012】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、第1情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの長手方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの幅方向の中央近傍であってよく、第2情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの幅方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの長手方向の中央近傍であってよい。
【0013】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ配置判定部は、前記4つの荷重センサの内、第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの長手方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することと、前記4つの荷重センサの内、第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することを実行してもよい。
【0014】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ配置判定部は、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の合計値を基準値と比較し、前記合計値が前記基準値よりも大きい場合に前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び/又は前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサの特定を行ってもよい。
【0015】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ配置判定部は、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっているか否かを判定し、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっている場合に、第1情報を前記インタフェース部に表示させること、及び/又は第2情報を前記インタフェース部に表示させることを行ってもよい。
【0016】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記センサ配置判定部は、前記4つの荷重センサの各々の検出値が所定期間の間、所定範囲内に収まっている場合に、前記4つの荷重センサの各々の検出値について前記所定期間における平均値を算出してもよく、前記4つの荷重センサの各々について、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記検出値の前記平均値に対する増分が所定値を越える場合に、該荷重センサが前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定してもよく、前記4つの荷重センサの各々について、前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記検出値の前記平均値に対する増分が所定値を越える場合に、該荷重センサが前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定してもよい。
【0017】
第1の態様の生体情報取得システムにおいて、前記使用者が、前記ベッド上の前記被験者であってもよく、前記使用者による前記ベッドへの荷重の付加は前記被験者が前記ベッド上において移動することによりなされてもよい。
【0018】
本発明の第2の態様に従えば、
ベッドの四隅に配置されて前記ベッド上の被験者の荷重を検出する4つの荷重センサと、使用者に情報を表示するインタフェース部とを備え、前記ベッド上の前記被験者の荷重に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得システムにおいて、前記ベッドに対する前記4つの荷重センサの配置を判定するセンサ配置判定プログラムであって、
前記ベッドの長手方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第1情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサであると特定することと、
前記ベッドの幅方向一方側への荷重付加を前記使用者に指示する第2情報を前記インタフェース部に表示させることと、
第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の前記4つの荷重センサの検出値の変化に基づいて前記4つの荷重センサの内の2つを前記ベッドの幅方向一方側に配置された荷重センサであると特定することを前記生体情報取得システムに実行させるセンサ配置判定プログラムが提供される。
【0019】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムに関して、前記生体情報取得システムは前記4つの荷重センサの検出値に基づいて前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得部を更に備えてもよく、前記センサ配置判定プログラムは、前記ベッドの長手方向一方側に配置された荷重センサの特定、及び前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサの特定に基づいて前記4つの荷重センサの各々の前記ベッドに対する配置を特定することと、前記特定した配置に応じて前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させてもよい。
【0020】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムに関して、前記4つの荷重センサの検出値は4つの検出値であってもよく、前記生体情報取得部は前記4つの検出値にそれぞれ対応する4つの入力値を受け取って該4つの入力値に基づいて前記被験者の生体情報を取得してもよく、前記センサ配置判定プログラムは、前記4つの検出値と前記4つの入力値との対応関係を変更することにより、前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させてもよい。
【0021】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムは、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサと、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサとの間の整合性を判定することと、整合性がある場合に前記生体情報取得部における前記4つの荷重センサの検出値の用い方を変更することを前記生体情報取得システムに実行させてもよい。
【0022】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムは、前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみと前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの一方のみとが一致し、且つ前記ベッドの長手方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量が、前記ベッドの幅方向一方側に配置されていると決定した荷重センサの検出値の前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の変化量よりも大きい場合に、整合性があるとの判定を前記生体情報取得システムに実行させてもよい。
【0023】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムにおいて、第1情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの長手方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの幅方向の中央近傍であってよく、第2情報が指示する荷重付加の位置は前記ベッドの幅方向一方側の端部近傍且つ前記ベッドの長手方向の中央近傍であってよい。
【0024】
第2の態様のセンサ位置判定プログラムは、前記4つの荷重センサの内、第1情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの長手方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することと、前記4つの荷重センサの内、第2情報に応じて前記使用者が前記ベッドに荷重を付加した時の検出値の変化量が所定値よりも大きく且つ変化量が互いに同一又は略同一である2つの荷重センサを前記ベッドの幅方向の一方側に配置された荷重センサであると特定することを前記生体情報取得システムに実行させてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の生体情報取得システム、及びセンサ配置判定プログラムによれば、複数の荷重センサのベッドに対する配置を容易且つ高精度に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る生体情報取得システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、荷重センサのベッドに対する適切な配置を示す説明図である。
【
図3】
図3は、生体情報取得システムを用いた生体情報取得方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、4つの荷重センサがベッドに対して正しく配置されている場合の、4つの荷重センサからの出力と生体情報取得部への入力との対応関係を示す説明図である。
【
図5】
図5は、4つの荷重センサがベッドに対して誤配置されている場合の、4つの荷重センサからの出力と生体情報取得部への入力との対応関係を示す説明図である。
【
図6】
図6は、センサ配置判定部の具体的な構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、センサ配置判定工程の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)は、荷重センサが誤配置されたベッド上に被験者が仰臥する様子を示す説明図である。
図8(b)の上のグラフは、
図8(a)に示す状態においてベッド下の4つの荷重センサからの出力の様子を示し、
図8(c)の下のグラフは、
図8(a)に示す状態において生体情報取得部に入力される荷重情報の様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態>
本発明の実施形態の生体情報取得システム100(
図1)について、これをベッドBD(
図2)と共に使用する場合を例として説明する。
【0028】
図1に示す通り、本実施形態の生体情報取得システム100は、荷重検出部1、データ記録部(データロガー)3、制御部4、表示部(インターフェイス部)6を主に有する。本実施形態の生体情報取得システム100は、更に、A/D変換部2、記憶部5、報知部7、及び入力部8を備える。
【0029】
荷重検出部1は、4つの荷重センサLS1、LS2、LS3、LS4を備える。荷重センサLS1~LS4の各々は、例えばビーム形のロードセルを用いて荷重を検出する荷重センサである。このような荷重センサは例えば、特許第4829020号や特許第4002905号に記載されている。
【0030】
A/D変換部2は、荷重センサLS1~LS4からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備える。
【0031】
データ記録部3は、荷重センサLS1~LS4から受け取ったデータを一旦記録した後、制御部4に出力するデータ記録装置であり、一例として多チャンネルタイプのデータロガーを用いることができる。データ記録部3は、記録領域A1~A4と、記録領域A1~A4にデータを入力するための入力端子T1~T4を有する。
【0032】
制御部4は、専用又は汎用のコンピュータであり、内部に生体情報取得部41、センサ配置判定部42が構築されている。
【0033】
記憶部5は、生体情報取得システム100において使用されるデータを記憶する記憶装置であり、例えばハードディスク(磁気ディスク)を用いることができる。
【0034】
表示部6は、制御部4の指示を受けて種々の表示を行う表示装置である。表示部6は、種々の情報を画像として表示するモニタ61と、モニタ61の表示内容を制御する表示制御部62と、制御部4との通信を行う通信部63とを主に備える。
【0035】
報知部7は、制御部4からの情報に基づいて所定の報知を聴覚的に行う装置、例えばスピーカを備える。入力部8は、制御部4に対して所定の入力を行うための装置であり、キーボード及びマウスにし得る。
【0036】
荷重検出部1の荷重センサLS1~LS4はそれぞれ、A/D変換部2を介してデータ記録部3の入力端子T1~T4に接続されている。データ記録部3、記憶部5、表示部6、報知部7、及び入力部8はそれぞれ、制御部4に接続されている。各構成部分の接続は配線を用いた接続であってもよく、無線による接続であってもよい。
【0037】
生体情報取得システム100の使用時には、
図2に示す通り、荷重検出部1の荷重センサLS1~LS4を、被験者Sが使用するベッドBDの四隅の脚の下に配置する。
【0038】
以下の説明においては、
図2に示す通り、ベッドBDの幅方向をX方向とし、平面視の右側を正側、左側を負側とする。また、ベッドBDの長手方向をY方向とし、平面視の上側を正側、下側を負側とする。
【0039】
また、ベッドBDの幅方向中央部に頭部をY方向正側に向けて仰臥している被験者Sを基準とすると、ベッドBDのX方向正側且つY方向負側は被験者Sの左足側、ベッドBDのX方向負側且つY方向負側は被験者Sの右足側、ベッドBDのX方向負側且つY方向正側は被験者Sの右肩側、ベッドBDのX方向正側且つY方向正側は被験者Sの左肩側にそれぞれ相当する。したがって、以下の説明においては、ベッドBDのX方向正側且つY方向負側を被験者Sの左足側、ベッドBDのX方向負側且つY方向負側を被験者Sの右足側、ベッドBDのX方向負側且つY方向正側を被験者Sの右肩側、ベッドBDのX方向正側且つY方向正側を被験者Sの左肩側とも呼ぶ。
【0040】
荷重センサLS1~LS4は、具体的には次のように配置される。即ち、荷重センサLS1はベッドBDのX方向正側且つY方向負側の脚BL1の下端部のキャスターC1の下に配置され、荷重センサLS2はベッドBDのX方向負側且つY方向負側の脚BL2の下端部のキャスターC2の下に配置され、荷重センサLS3はベッドBDのX方向負側且つY方向正側のベッド脚BL3の下端部のキャスターC3の下に配置され、荷重センサLS4はベッドBDのX方向正側且つY方向正側の脚BL4の下端部のキャスターC4の下に配置される。
【0041】
本実施形態の生体情報取得システム100は、生体情報取得部41を主に用いて、被験者Sの生体情報を取得する。また、本実施形態の生体情報取得システム100は、センサ配置判定部42と表示部6とを主に用いて、荷重センサLS1~LS4のベッドBDに対する配置を判定し、必要に応じて荷重センサLS1~LS4から出力されて生体情報取得部41に入力される信号の調整を行う。
【0042】
[生体情報の取得]
生体情報取得システム100による、ベッド上の被験者の生体情報(呼吸数、在床/離床等)の取得について説明する。
【0043】
生体情報取得システム100による生体情報の取得は、
図3のフローチャートに示す通り、被験者の荷重を検出する荷重検出工程S1と、検出した荷重(荷重値)に基づいて被験者の重心の位置を算出する重心位置算出工程S2と、被験者の荷重及び/又は被験者の重心位置に基づいて被験者の生体情報(呼吸数等)を求める生体情報取得工程S3と、取得した被験者Sの生体情報をモニタ61に表示する表示工程S4とを主に含む。
【0044】
[荷重検出工程S1]
荷重検出工程S1では、荷重センサLS1~LS4を用いてベッドBD上の被験者Sの荷重を検出する。ベッドBD上の被験者Sの荷重は、ベッドBDの四隅のベッド脚BL1~BL4の下に配置された荷重センサLS1~LS4に分散して付与され、これらによって分散して検出される。
【0045】
荷重センサLS1~LS4はそれぞれ、荷重(荷重変化)を検出してアナログ信号としてA/D変換部2に出力する。A/D変換部2は、サンプリング周期を例えば5ミリ秒として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号(以下「荷重信号」)としてデータ記録部3に出力する。以下では、荷重センサLS1、LS2、LS3、LS4から出力されたアナログ信号をA/D変換部2においてデジタル変換して得られる荷重信号を、それぞれ荷重信号s1、s2、s3、s4と呼ぶ。
【0046】
荷重信号s1~s4はそれぞれ、データ記録部3の入力端子T1~T4を介してデータ記録部3に入力され、データ記憶部3の記録領域A1~A4に記録される。
【0047】
[重心位置算出工程S2]
重心位置算出工程S2では、生体情報取得部41が、記憶領域A1~A4に記憶された荷重信号s1~s4に基づいてベッドBD上の被験者Sの重心Gの、各サンプリング時刻における位置を算出し、被験者Sの重心Gの時間的変動(重心軌跡GT)を求める。
【0048】
重心Gの位置の算出にあたり、まず、データ記録部3が生体情報取得部41に荷重情報を出力する。具体的にはデータ記録部3は、
図4に示す通り、記録領域A1に記録された荷重信号s1を、被験者Sの左足側(ベッドBDのX方向正側且つY方向負側)に配置された荷重センサに基づく荷重情報W
LFとして出力する。データ記録部3は同様に、記録領域A2に記録された荷重信号s2を被験者Sの右足側(ベッドBDのX方向負側且つY方向負側)に配置された荷重センサに基づく荷重情報W
RFとして、記録領域A3に記録された荷重信号s3を被験者Sの右肩側(ベッドBDのX方向負側且つY方向正側)に配置された荷重センサに基づく荷重情報W
RSとして、記録領域A4に記録された荷重信号s4を被験者Sの左肩側(ベッドBDのX方向正側且つY方向正側)に配置された荷重センサに基づく荷重情報W
LSとして、それぞれ出力する。荷重情報W
LF、W
RF、W
RS、W
LSはそれぞれ、荷重センサLS1、LS2、LS3、LS4により検出された荷重値の各サンプリング時刻における値である。
【0049】
生体情報取得部41は、荷重センサLS1、LS2、LS3、LS4の座標をそれぞれ(X1、Y1)、(X2、Y2)、(X3、Y3)、(X4、Y4)として、被験者Sの重心Gの位置(
図2に示すXY座標内での位置(X、Y))を、次式により算出する。
【数1】
【数2】
【0050】
生体情報取得部41は、上記の数式1、数式2に基づいて各サンプリング時刻における重心Gの位置を算出して、重心Gの位置、及びその時間的変動、即ち重心軌跡GTを、例えば記憶部5に記憶させる。
【0051】
[生体情報取得工程S3]
生体情報取得工程S3では、生体情報取得部41が、データ記録部3から受け取る荷重情報WLF、WRF、WRS、WLS、重心位置算出工程S2で算出した重心Gの位置、重心軌跡GT等を用いて被験者Sの生体情報を取得する。
【0052】
取得される生体情報の一例は下記の通りである。
【0053】
(1)呼吸数、心拍数
人間の呼吸は、1分間に約12~20回程度行われるため、人間の呼吸の周波数は0.2~0.33Hz程度である。したがって、荷重信号s1~s4のいずれか1つについてフーリエ解析等の周波数解析を行えば、0.2~0.33Hzの周波数帯域において、被験者Sの呼吸の周波数に対応する位置に周波数ピークが現れる。生体情報取得部41は、当該周波数帯域に現れた周波数ピークの位置に基づいて被験者Sの呼吸数を取得してもよい。
【0054】
同様に、人間の心拍は、1分間に30~200回程度行われるため、人間の心拍の周波数は0.5~3.3Hz程度である。したがって、荷重信号s1~s4のいずれか1つについてフーリエ解析等の周波数解析を行えば、0.5~3.3Hzの周波数帯域において、被験者Sの呼吸の周波数に対応する位置に周波数ピークが現れる。生体情報取得部41は、当該周波数帯域に現れた周波数ピークの位置に基づいて被験者Sの心拍数を取得してもよい。
【0055】
人間の呼吸は、胸郭及び横隔膜を移動させて、肺を膨張及び収縮させることにより行われる。ここで吸気時、すなわち肺が膨張する時には横隔膜は下方に下がり、内臓も下方に移動する。一方で呼気時、すなわち肺が収縮する時には横隔膜は上方に上がり、内臓も上方に移動する。本件の出願人に付与された特許第6105703号の明細書に記載されている通り、この内臓移動に伴って重心Gはわずかに振動(以下、「呼吸振動」と呼ぶ)し、その振動方向は背骨の延在方向(体軸方向)にほぼ沿っている。
【0056】
したがって、生体情報取得部41は、重心軌跡GTに含まれる重心Gの呼吸振動の軌跡を特定し、特定された軌跡に含まれる極値点の数に基づいて被験者Sの呼吸数を取得してもよい。
【0057】
(2)在床/離床判定
生体情報取得部41は、被験者Sの重心GがベッドBD上に存在するか否かに基づいて、被験者SがベッドBD上に在床しているか否かの判定(在床/離床判定)を行ってもよい。
【0058】
具体的には例えば、被験者Sの重心GがベッドBD上に存在する場合に被験者Sが在床状態であると判定してもよく、被験者Sの重心GがベッドBD上に存在し、且つ荷重信号s1~s4を加算して得られる総荷重が所定値以上である場合に被験者Sが在床状態であると判定してもよい。
【0059】
(3)姿勢の推定
生体情報取得部41は、重心Gの位置、及び/又は重心軌跡GTに基づいて、ベッドBD上における被験者Sの体位(姿勢)を推定してもよい。具体的には例えば、被験者Sの重心GがベッドBDのY方向の両端部近傍にあり、且つ荷重信号s1~s4を加算して得られる総荷重が所定値以下である場合は、被験者SがベッドBDの端部に座って足を床につけた端座位姿勢であると判定する。
【0060】
[表示工程S4]
表示工程S4においては、表示部6の表示制御部62が、生体情報取得部41からの出力に基づき、被験者Sの呼吸数、在床判定の結果等をモニタ61に表示する。
【0061】
また表示工程S4では、表示部6を用いた表示に加えて、又はこれに代えて、報知部7を用いた報知を行っても良い。この場合は例えば、被験者Sの呼吸数が所定値以下となった時に報知音を発し、被験者Sの呼吸の低下を生体情報取得システム100の使用者である看護師や介護士等に報せる。
【0062】
[センサ配置の判定]
生体情報取得システム100による、センサ配置の判定について説明する。
【0063】
本実施形態の生体情報取得システム100においては、所望のタイミングで、センサ配置判定部42を用いた荷重センサLS1~LS4の配置の判定、及び生体情報取得部41に入力される荷重情報の調整を行うことができる。
【0064】
荷重センサLS1~LS4の配置を判定し、生体情報取得部41に入力される荷重情報の調整を行う目的は次の通りである。
【0065】
生体情報取得部41を用いた被験者Sの生体情報の取得においては、生体情報取得部41は、上述の通り、データ記録部3の記録領域A1~A4に記録された荷重信号s1~s4を用いて被験者の重心Gの位置の算出、重心軌跡GTの算出等を行う。
【0066】
この時、データ記録部3は、荷重センサLS1~LS4がベッドBDに対して、
図2、
図4に示す通りに適切に配置されているという前提に基づき、記録領域A1に記録された荷重信号s1を被験者Sの左足側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
LFとして、記録領域A2に記録された荷重信号s2を被験者Sの右足側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
RFとして、記録領域A3に記録された荷重信号s3を被験者Sの右肩側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
RSとして、記録領域A4に記録された荷重信号s4をベッドBDの左肩側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
LSとして、生体情報取得部41に出力する。
【0067】
即ち、荷重センサLS1~LS4の実際の配置にかかわらず、荷重センサLS1、LS2、LS3、LS4からの荷重信号はそれぞれ、被験者Sの左足側、右足側、右肩側、左肩側に配置された荷重センサに応じた荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとして生体情報取得部41に送られる。生体情報取得部41は、荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSをそれぞれ、被験者Sの左足側、右足側、右肩側、左肩側に配置された荷重センサに応じた情報として用いて各種生体情報の算出等を行う。
【0068】
荷重センサLS1~LS4が
図2、
図4に示す通りに適切に配置されている場合にはこの前提が成立し、生体情報取得部41による被験者Sの各種生体情報の取得は正確に行われる。
【0069】
一方で、仮に荷重センサLS1~LS4が正しく配置されていない場合は、この前提が成立せず、生体情報取得部41が被験者Sの各種生体情報を正確に求め得ない場合が生じる。
【0070】
図5に示す具体例では、荷重センサLS2が誤ってX方向正側且つY方向正側に配置されており、荷重センサLS4が誤ってX方向負側且つY方向負側に配置されている。このような誤配置は、生体情報取得システム100の設置を行う作業者が、4つの荷重センサをデータ記録部3に接続した後、各センサのベッドに対する配置を誤った場合や、4つの荷重センサをベッドBDの4つの脚の下に配置した後、各センサとデータ記録部3の入力端子T1~T4との接続を誤った場合等に生じる。
【0071】
荷重センサがこのように誤って配置されている場合には、データ記録部3が依拠する上記前提が成立しないため、生体情報取得部41に入力される荷重情報の信頼性が損なわれる。
図5に示す具体例では、被験者Sの左肩側に配置された荷重検出器LS2からの荷重信号s2が被験者Sの右足側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
RFとして生体情報取得部41に入力されており、被験者Sの右足側に配置された荷重検出器LS4からの荷重信号s4が被験者Sの左肩側に配置された荷重センサに対応する荷重情報W
LSとして生体情報取得部41に入力されている。そのため、例えば
図5に示すように、被験者SがベッドBD上でX方向負側に移動した際に、生体情報取得部41が算出する被験者Sの重心GがベッドBDのY方向正側に移動するといった不正確な算出が行われてしまう。
【0072】
生体情報取得システム100の使用者(例えば、医師、看護師等)は、荷重センサLS1~LS4の誤配置に起因して正しい生体情報の取得がなされていないと判断した場合は、センサ配置判定部42を用いて荷重センサLS1~LS4の配置を判定し、荷重センサLS1~LS4からの荷重信号s1~s4と、生体情報取得部41に入力される荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係を調整(変更)する。
【0073】
センサ配置の判定、及び対応関係の調整は、具体的には、次の手順を用いて行われる。
【0074】
センサ配置判定部42は、
図6に示す通り、判定制御部421と、評価部422と、演算部423と、通信部424とを有する。センサ配置判定部42には、データ記録部3から、荷重信号s1~s4がそのまま入力されている(
図1)。
【0075】
センサ配置判定工程は、例えば、使用者が入力部8を介してセンサ配置判定工程を開始する旨の指示を判定制御部421に与えることにより開始される。
【0076】
センサ配置判定工程開始の指示を受けた判定制御部421は、具体的には例えば、
図7に示すフローチャートに従ってセンサ配置判定工程を実行する。
【0077】
判定制御部421は、まず、評価部422を用いて、荷重信号s1~s4の値(荷重値)が、安定しているか否かを判定する(安定判定工程S10)。評価部422は、具体的には例えば、荷重信号s1~s4のいずれもが、所定期間の間、所定範囲内に収まっているか否かに基づいて、荷重信号s1~s4の値が安定したか否かを判定する。
【0078】
評価部422が、荷重信号s1~s4の値が安定していないと判定した場合(S10:NO)、判定制御部421は、評価部422に再度、安定判定工程S10を実行させる。荷重信号s1~s4が安定しない場合とは、例えば被験者SがベッドBD上に存在して体動を生じている場合や、何らかの外乱により荷重センサLS1~LS4に変動する荷重が加えられている状況等である。このような場合には、センサ配置の判定を正しく行うことができない恐れがあるため、工程を先に進めない。
【0079】
評価部422が、荷重信号s1~s4の値が安定していると判定した場合(S10:YES)、判定制御部421は、演算部423に、荷重信号s1~s4が安定している期間内の所定期間(一例として1秒間)における、荷重信号s1~s4の平均値s1AV~s4AVを算出させて、算出された平均値s1AV~s4AVを記憶部5に記憶させる(平均値算出工程S20)。判定制御部421はまた、演算部423に、平均値s1AV~s4AVの合計を算出させて、算出された値を基準総荷重値stRefとして記憶部5に記憶させる。
【0080】
判定制御部421は、平均値s1AV~s4AV及び基準総荷重値stRefを記憶部5に記憶させた後、通信部424及び表示部6の通信部63を介して表示部6の表示制御部62に、平均値s1AV~s4AV及び基準総荷重値stRefが取得された旨を通知する。表示部6の表示制御部62は、当該通知を受けて、モニタ61に、ベッドBDに対して第1の荷重付与を行うよう使用者に指示する画像情報(第1指示情報)を表示する(第1指示情報表示工程S30)。
【0081】
第1指示情報は、使用者に対して、ベッドBDのX方向の中央部、且つY方向の負側の所定の位置(被験者Sの脚側。一例として、
図2の白丸P1により示される位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示するものである。第1指示情報は、荷重を加える位置及び方向を明示するイラストやアニメーションであってよく、或いは指示内容を文章化した文字情報であってもよい。
【0082】
使用者は、モニタ63の表示に従って、ベッドBDに荷重を付加する。荷重の付加は例えば、ベッドBDの上面を両手で下方に押すことによりなし得る。
【0083】
次いで、判定制御部421は、第1指示情報を受けて使用者によりベッドBDに付加される荷重の評価を行う。具体的にはまず、演算部423に、荷重信号s1~s4の値を合計した総荷重値stを算出させ、評価部422に総荷重値stと記憶部5に記憶した基準総荷重値stRefとを比較させる(総荷重増加確認工程S40)。総荷重値stが基準総荷重値stRefに比較して所定値を越える増加を示していない場合は(S40:NO)、判定制御部421は、評価部422及び演算部423に、再度、総荷重増加確認工程S40を実行させる。総荷重値stが基準総荷重値stRefに比較して所定値を越える増加を示していない場合とは、具体的には例えば、使用者によってベッドBDに付加された荷重が十分な大きさではなかった場合等に相当する。
【0084】
総荷重値stが基準総荷重値stRefに比較して所定値を越える増加を示している場合は(S40:YES)、判定制御部421は、評価部422に、荷重信号s1と平均値s1AVとの比較、荷重信号s2と平均値s2AVとの比較、荷重信号s3と平均値s3AVとの比較、及び荷重信号s4と平均値s4AVとの比較をそれぞれ行わせ、平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の2つの信号のみにおいて生じているか否かを判定する(増加信号値確認工程S50)。
【0085】
平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の1つ以下の信号、又は3つ以上の信号において生じている場合は(S50:NO)、判定制御部421は、評価部422及び演算部423に、再度、総荷重増加確認工程S40を実行させる。平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の1つ以下の信号、又は3つ以上の信号において生じている場合とは、具体的には例えば、使用者がベッドBDの適切な位置に荷重付加を行わなかった場合等に相当する。
【0086】
平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の2つの信号のみにおいて生じている場合は(S50:YES)、判定制御部421は、当該増加を示す2つの信号に足側ラベルを付す(第1ラベル付与工程S60)。即ち判定制御部421は、Y方向負側に荷重を付与した際に所定値を越える増加を示した2つの荷重信号に対して、当該2つの荷重信号の各々が、被験者Sの左足側又は右足側に配置された荷重センサからの荷重信号である旨のラベリングを行う。
【0087】
その後、判定制御部421は、通信部424及び表示部6の通信部63を介して表示部6の表示制御部62に足側ラベルの付与が完了した旨を通知する。表示部6の表示制御部62は、当該通知を受けて、モニタ61に、ベッドBDに対して第2の荷重付与を行うよう使用者に指示する画像情報(第2指示情報)を表示する(第2指示情報表示工程S70)。
【0088】
第2指示情報は、使用者に対して、ベッドBDのX方向の負側、且つY方向の中央の所定の位置(被験者Sの右側。一例として、
図2の白丸P2により示される位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示するものである。第2指示情報は、第1指示情報と同様に、荷重を加える位置及び方向を明示するイラストやアニメーションであってよく、或いは指示内容を文章化した文字情報であってもよい。使用者は、モニタ63の表示に従って、ベッドBDに荷重を付加する。
【0089】
次いで、判定制御部421は、第2指示情報を受けて使用者によりベッドBDに付加される荷重の評価を行う。具体的にはまず、評価部422及び演算部423に、総荷重増加確認工程S80を実行させる。総荷重増加確認工程S80の内容は、総荷重増加確認工程S40の内容と同一である。総荷重値stが基準総荷重値stRefに比較して所定値を越える増加を示していない場合は(S80:NO)、判定制御部421は、評価部422及び演算部423に、再度、総荷重増加確認工程S80を実行させる。
【0090】
総荷重値stが基準総荷重値stRefに比較して所定値を越える増加を示している場合は(S80:YES)、判定制御部421は、評価部422に、増加信号値確認工程S90を実行させる。増加信号値確認工程S90の内容は、増加信号値確認工程S50の内容と同一である。
【0091】
平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の1つ以下の信号、又は3つ以上の信号において生じている場合は(S90:NO)、判定制御部421は、評価部422及び演算部423に、再度、総荷重増加確認工程S80を実行させる。
【0092】
平均値に対する所定値を越える増加が、荷重信号s1~s4の内の2つの信号のみにおいて生じている場合は(S90:YES)、判定制御部421は、当該増加を示す2つの荷重信号に右側ラベルを付す(第2ラベル付与工程S100)。即ち判定制御部421は、X方向負側に荷重を付与した際に所定値を越える増加を示した2つの荷重信号に対して、当該2つの荷重信号の各々が、被験者Sの右足側又は右肩側に配置された荷重センサからの荷重信号である旨のラベリングを行う。
【0093】
次に、判定制御部421は、第1ラベル付与工程S60において足側ラベルが付された2つの荷重信号と、第2ラベル付与工程S100において右側ラベルが付された2つの荷重信号との間の整合性を確認する(整合性確認工程S110)。
【0094】
判定制御部421は、具体的には例えば、足側ラベルが付された2つの荷重信号の一方が、右側ラベルが付された2つの荷重信号の一方に一致するか否かを判定する。
【0095】
判定結果が否である場合(S110:NO)、判定制御部421は、表示制御部62を介してモニタ61に、エラー発生を伝える画像情報(エラー情報)を表示させる(エラー表示工程S130)。判定結果が否となる場合とは、具体的には例えば、足側ラベルが付された2つの荷重信号が右側ラベルが付された2つの荷重信号に完全に一致する場合や、足側ラベルが付された2つの信号が右側ラベルが付された2つの信号と完全に排他的である場合である。
【0096】
このような場合は、ベッドBDに対する荷重センサLC1~LC4の配置を判定できないため、エラー情報を表示し、工程を終了する。
【0097】
判定結果が正である場合(S110:YES)、判定制御部421は、荷重信号s1~s4と、生体情報取得部41に入力される荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係を調整(変更、又は再設定)する(荷重情報調整工程S120)。
【0098】
具体的には例えば、足側ラベル及び右側ラベルの両方が付された荷重信号を被験者Sの右足側に配置された荷重センサからの信号であるとみなし、当該信号が被験者Sの右足側に配置された荷重センサに応じた荷重情報WRFとして生体情報取得部41に入力されるように調整する。同様に、右側ラベルのみが付された荷重信号が被験者Sの右肩側に配置された荷重センサに応じた荷重情報WRSとして生体情報取得部41に入力され、足側ラベルのみが付された荷重信号が被験者Sの左足側に配置された荷重センサに応じた荷重情報WLFとして生体情報取得部41に入力され、いずれのラベルも付されていない荷重信号が被験者Sの左肩側に配置された荷重センサに応じた荷重情報WLSとして生体情報取得部41に入力されるように調整する。
【0099】
判定制御部421は、その後、表示制御部62を介して、センサ配置の判定及び生体情報取得部41に入力される荷重情報の調整が正常に完了したことを示す画像情報(完了情報)をモニタ61に表示し、センサ配置判定工程を終了する。
【0100】
センサ配置判定工程の終了後は、生体情報取得部41は、荷重センサLS1~LS4の実際の配置に応じた適切な内容とされた荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSを用いて、被験者Sの生体情報を正確に取得することができる。
【0101】
センサ配置判定工程による、荷重情報W
LF、W
RF、W
RS、W
LSの調整の一例を
図8に示す。
【0102】
図8(a)は、被験者Sの右足側に配置されるべき荷重センサLS2が被験者Sの右肩側に配置され、被験者Sの右肩側に配置されるべき荷重センサLS3が被験者Sの右足側に配置された誤配置状態を示す。荷重センサLS2、LS3はデータ記録部3の入力端子T2、T3にそれぞれ接続されている。
【0103】
図8(b)の上のグラフは、
図8(a)に示すように荷重センサLS1~LS4が配置されたベッドBD上で、被験者Sが体軸をほぼY軸に一致させて、Y方向正側に頭部を配置して仰臥している場合に、荷重センサLS1~LS4から出力される荷重信号s1~s4の様子を示す。人間の重心は上半身側に位置するため、被験者Sの頭側に配置された荷重センサLS2、LS4から出力される荷重信号s2、s4が、被験者Sの足側に配置された荷重センサLS1、LS3から出力される荷重信号s1、s3よりも大きい値を示している。
【0104】
図8(b)の下のグラフは、
図8(b)の上のグラフに示された荷重信号s1~s4に応じて生体情報取得部41に入力される荷重情報W
LF、W
RF、W
RS、W
LSの様子である。このグラフから読み取れる通り、時刻t1に荷重情報の調整が行われる前は、荷重情報W
RFの値は荷重信号s2に対応する値となっており、荷重情報W
LSの値とほぼ同じ大きさである。即ち、生体情報取得部41が被験者Sの足側のセンサに応じた荷重情報として用いる荷重情報W
RFと、生体情報取得部41が被験者Sの頭側のセンサに応じた荷重情報として用いる荷重情報W
LSとが略同一であり、この期間に生体情報取得部41が行う被験者Sの生体情報の算出等の信頼性は高くない。
【0105】
これに対して、時刻t1に荷重情報の調整が行われた後には、生体情報取得部41が被験者Sの右足側のセンサに応じた荷重情報として用いる荷重情報WRFの値は荷重信号s3に対応する値に調整されており、生体情報取得部41が被験者Sの右肩側のセンサに応じた荷重情報として用いる荷重情報WRSの値は荷重信号s2に対応する値に調整されている。これにより、荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSの内容が荷重センサLS1~LS4の実際の配置に応じたものとなっており、生体情報取得部41は被験者Sの生体情報の算出等を正確に行うことができる。
【0106】
ここで、本実施形態の生体情報取得システム100が、使用者による2回の荷重付加に基づいてセンサ配置の判定を行うことの意義を説明する。
【0107】
特許文献1に記載のように、使用者によるベッドへの荷重付加を一回のみとし、当該荷重の付加に応じた4つの荷重センサの応答のタイミングに基づいて、4つの荷重センサの配置を判定することも考えられる。或いは、当該荷重の付加に応じた4つの荷重センサの出力の変動量の大小に基づいて4つの荷重センサの配置を判定することも考えられる。しかしながら、ベッドに付加された荷重がベッド内で一様に伝達されない場合、例えば柔軟であり荷重が複雑に伝達されるマットレスがベッド上に設置されている場合などには、これらの方法により判定された配置の信頼性が高いとは言い難い。
【0108】
一方で、使用者によるベッドへの荷重付加を3回以上とすることも考えられる。例えば、ベッドの四隅に1回ずつ、合計4回の荷重付加を行い、各荷重付加に応じた出力の変動が最も大きい荷重センサを、当該荷重が付加された隅部に配置されたセンサであると決定することもできる。しかしながら、ベッドへの荷重付加は使用者がある程度の力をベッドに作用させることにより行うものであり、これを3回以上行うことは使用者にとって負担である。また、重りを用いて荷重付加を行う場合は、重りを何度も移動させる必要があり、同様に使用者にとって負担である。
【0109】
また、病院等の現場に設置されたベッドは、必ずしもその四方が開放されているとは限らず、ベッドの幅方向一方側及び/又は長手方向一方側に壁や医療機器等が存在する場合も多い。したがって例えば、ベッドが病室の角に設置されており、ベッドの幅方向一方側且つ長手方向一方側に壁が存在する場合は、当該ベッドの幅方向一方側且つ長手方向一方側の隅部に、センサ配置を判定するための荷重付加を行うことは容易ではない。
【0110】
更に、使用者による、ベッド外部からの、ベッドへの荷重付加を行わない態様も考えられる。即ち、使用者によるベッドへの荷重付加を行うことなく、ベッド上の被験者の生体活動に応じた荷重センサの出力の変動に基づいてセンサ配置の判定を行う態様である。例えば、本出願人に発行された特許6122188号に記載の通り、ベッド上に横たわる被験者の頭側に位置する荷重センサからの信号と、足側に位置する荷重センサからの信号とは、被験者の呼吸に応じた変動の様子が異なる。したがって、荷重センサからの信号の様子を観察することで、当該荷重センサが被験者に対していずれの方向に配置されているかを推定することは可能である。或いは、人間の重心が上半身側にあるとの知見に基づき、被験者がベッド上に横たわった状態において、出力値の大きい2つの荷重センサを、被験者の頭側に配置された荷重センサであると推定し得る。しかしながら、このような推定は、ベッド上での被験者の姿勢を推定した上で初めてなし得るものであり、配置判定の精度低下につながり得る。
【0111】
これに対し、使用者によるベッドに対する荷重付加の回数を2回とすることで、使用者の作業負担が増加することを抑制することができ、且つ配置判定の精度を高めることができる。また、ベッドに対する荷重付加を、使用者が、システムの指示に従ってベッドの外側から行うことで、配置判定の精度をより高めることができる。
【0112】
本実施形態の生体情報取得システム100の効果を以下にまとめる。
【0113】
本実施形態の生体情報取得システム100は、センサ配置判定部42を用いて荷重センサLS1~LS4の配置を判定し、荷重センサLS1~LS4からの出力と、生体情報取得部41に入力される荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係を調整することができる。したがって、荷重センサLS1~LS4のベッドBDに対する配置が誤っている場合でも、ベッドBDを移動させて荷重センサの配置を修正したり、ベッドBDとデータ記録部3との間の配線を繋ぎ直したりする手間を要することなく、誤配置を実質的に修正することができ、生体情報取得部により取得される生体情報の信頼性を高めることができる。
【0114】
本実施形態の生体情報取得システム100のセンサ配置判定部42は、ベッドBDに二度行われる荷重付加に対する荷重センサLS1~LS4の応答に基づいて、荷重センサLS1~LS4の配置を判定し、荷重信号s1~s4と荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係を調整する。このように、ベッドBDに対する荷重付加を二回とすることで、センサ配置の判定及び荷重情報の調整に要する使用者の手間を大きくすることなく、判定及び調整の精度を高めることができる。また、ベッドBDに対する荷重付加を、使用者が、システムの指示に従ってベッドの外側から行うことで、配置判定の精度をより高めることができる。
【0115】
本実施形態の生体情報取得システム100のセンサ配置判定部42は、センサ配置判定工程において安定判定工程S10を行い、荷重信号s1~s4が安定している場合にのみ、工程を進める。したがって、センサ配置の判定、及び荷重情報の調整を高い精度で行うことができる。
【0116】
本実施形態の生体情報取得システム100のセンサ配置判定部42は、センサ配置判定工程において総荷重増加判定工程S40、S80を行い、使用者による荷重付加が十分な大きさで行われた場合にのみ、工程を進める。したがって、センサ配置の判定、及び荷重情報の調整を高い精度で行うことができる。
【0117】
本実施形態の生体情報取得システム100のセンサ配置判定部42は、センサ配置判定工程の整合性確認工程S110において、第1ラベル付与工程S60において足側ラベルが付された2つの信号と、第2ラベル付与工程S100において右側ラベルが付された2つの信号との間の整合性を確認し、整合性がある場合にのみ、荷重情報の調整を行う。したがって、調整された荷重情報の信頼性が高い。
【0118】
[変形例]
上記実施形態の生体情報取得システム100において、次の変形態様を用いることもできる。
【0119】
上記実施形態のセンサ配置判定部42は、第1指示情報表示工程S30において、ベッドBDのX方向の中央部且つY方向の負側の所定の位置(被験者Sの脚側の所定の位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示する第1指示情報を表示し、第2指示情報表示工程S70において、ベッドBDのY方向の中央部且つX方向の負側の所定の位置(被験者Sの右側の所定の位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示する第2指示情報を表示している。しかしながら、第1指示情報、及び第2指示情報の内容はこれには限られない。
【0120】
具体的には例えば、第1指示情報をベッドBDのX方向の正側且つY方向の中央部の所定の位置(被験者Sの左側の所定の位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示する情報とし、第2指示情報をベッドBDのX方向の中央部且つY方向の正側の所定の位置(被験者Sの頭側の所定の位置)に垂直方向下向きの荷重を付加するよう指示する情報としてもよい。
【0121】
その他、第1指示情報の内容と第2指示情報の内容は、一方がX方向の中央よりも一方側に荷重を付加するよう指示する情報であり、他方がY方向の中央よりも一方側に荷重を付加するよう指示する情報であれば、任意である。このような指示に応じたベッドBDへの荷重付加が使用者等により適切になされれば、センサ配置判定部42は、2回の荷重付加において共に増加を示した荷重信号がX方向一方側且つY方向一方側に配置された荷重センサからの荷重信号であり、X方向の中央よりも一方側に荷重を付加した時にのみ増加を示した荷重信号がX方向一方側且つY方向他方側に配置された荷重センサからの荷重信号であり、Y方向の中央よりも一方側に荷重を付加した時にのみ増加を示した荷重信号がY方向一方側且つX方向他方側に配置された荷重センサからの荷重信号であり、2回の荷重付加において共に増加を示さなかった荷重信号がX方向他方側且つY方向他方側に配置された荷重センサからの荷重信号であると特定することができ、ひいてはベッドBDに対する荷重センサの配置を特定することができる。
【0122】
なお、X方向(ベッドBDの幅方向)一方側における荷重付加位置は、X方向一方側の端部近傍且つY方向(ベッドBDの長手方向)におけるベッドBDの中央近傍の位置とすることが望ましい。同様に、Y方向一方側における荷重付加位置は、Y方向一方側の端部近傍且つX方向におけるベッドBDの中央近傍の位置とすることが望ましい。ここで、各方向における端部近傍とは、各方向におけるベッド端部から当該方向におけるベッド寸法の10%以内の領域を意味し、各方向における中央近傍とは、各方向におけるベッド中央から、当該方向の両側に、当該方向におけるベッド寸法の10%以内の領域を意味する。
【0123】
病室等におけるベッドBDの配置によっては、センサ配置判定部42により指定された位置に荷重を付加することが、使用者にとって容易ではない場合が生じ得る。具体的には例えば、指定された位置の近傍に壁や医療機器が存在する場合等である。したがって、上記実施形態の生体情報取得システム100は、第1、第2指示情報が指示する荷重付与位置を、使用者が指定し得るように構成されていてもよい。あるいは、上記実施形態の生体情報取得システム100は、第1、第2指示情報が表示されたのちに、使用者の指定により荷重付与位置を変更し得るように構成されていてもよい。使用者による荷重付与位置の指定は、具体的には例えば、入力部8を介して、長手方向における荷重付与位置が足側、頭側のいずれであるかを指定し、幅方向における荷重付与位置が右側、左側のいずれであるかを指定することにより行う。
【0124】
上記実施形態の生体情報取得システム100において、第1指示情報及び第2指示情報をモニタ61に画像表示しているが、これには限られない。具体的には例えば、表示部6にスピーカを設けて、第1指示情報及び/又は第2指示情報を音声により表示してもよい。
【0125】
上記実施形態の生体情報取得システム100においては、生体情報取得部41が取得した生体情報を表示する表示部6を、センサ位置判定工程で第1指示情報及び第2指示情報を表示する表示部として用いているが、これには限られない。生体情報取得システム100は、生体情報取得部41が取得する生体情報を表示するための表示部と、センサ位置判定工程で使用する表示部とを、互いに異なる表示部として備えてもよい。表示部は例えば、汎用の携帯端末を、生体情報取得システム100用の表示端末として、専用的に又は兼用的に転用したものであってもよい。
【0126】
上記実施形態の生体情報取得システム100において、センサ配置判定部42は、
図7に示すフローチャートに沿ってセンサ配置判定工程を実行している。ここで、
図7に示すフローチャートにおいて、工程S10、S40、S50、S80、S90でNO判定がなされた場合に繰り返されるループ内の少なくとも一つにタイムアウト判定を組み込み、所定の期間が経過しても各工程の判定結果がYESにならない場合は、エラー表示工程S130を実行してもよい。
【0127】
または、総荷重増加判定工程S40及び/又は増加信号値確認工程S50の判定結果がNOであった場合に、再度第1指示情報表示工程S30を実行してもよく、総荷重増加判定工程S80及び/又は増加信号値確認工程S90の判定結果がNOであった場合に、再度第2指示情報表示工程S70を実行してもよい。総荷重増加判定工程S40、S80の判定結果がNOであった場合により強い力で荷重を付加するよう使用者に指示する情報をモニタ61に表示してもよく、増加信号値確認工程S50、S90の判定結果がNOであった場合に、荷重を付加する位置を変更するよう使用者に指示する情報をモニタ61に表示してもよい。
【0128】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、安定判定工程S10を省略してもよい。
【0129】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、平均値算出工程S20を省略してもよい。この場合は例えば、総荷重増加判定工程S40、S80、増加信号値確認工程S50、S90では、第1指示情報表示工程S30より前の任意の時刻における荷重センサLS1~LS4の出力との比較を行ってもよい。
【0130】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、増加信号確認工程S50、S90では、増加した2つの信号値の変化量(増加量)を比較し、当該2つの信号値の増加幅が同一又は略同一である場合にYES判定をし、当該2つの信号値にラベルを付してもよい(S60、S100)。これは次の理由による。
【0131】
例えば、使用者がベッドBDに対して荷重を付加する位置がX方向一方側且つY方向の中央近傍であれば、荷重付加位置と、X方向一方側に配置された2つの荷重センサの各々との間の距離は同一又は略同一である。したがって、X方向一方側に配置された2つの荷重センサの各々からの信号値の、使用者による荷重付加に応じた変化量も互いに同一又は略同一となる。この点に鑑み、第1、第2指示情報が指定する荷重付加位置をX方向、Y方向の中央近傍として、増加した2つの信号値の変化量が同一又は略同一である場合にのみラベル付けを行うことで、ラベル付けの精度、ひいては配置判定の精度をより高めることができる。
【0132】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、整合性判定工程S110では、足側ラベルが付された2つの信号値の変化量が、右側ラベルが付された2つの信号値の変化量より大きいか否かも判定してもよい。この場合は、足側ラベルが付された2つの信号値の変化量が、右側ラベルが付された2つの信号値の変化量よりも小さい場合には、整合性が取れていないと判断してもよい。これは次の理由による。
【0133】
第1、第2指示情報に応じて使用者がベッドBDの付加する荷重の大きさは、通常、使用者がその大きさを変化させようと特に意識しない限りは、ほぼ同程度の大きさとなる。これに対し、ベッドBDのY軸方向一方側に配置される2つの荷重センサ(例えば被験者の足側に配置される2つの荷重センサ)の各々とY軸方向一方側における荷重付加位置との間の距離は、ベッドBDのX軸方向一方側に配置される2つの荷重センサ(例えば被験者の右側に配置される2つの荷重センサ)の各々とX軸方向一方側における荷重付加位置との間の距離よりも小さい。したがって、使用者がベッドBDに荷重を付加した際の、足側ラベルが付される2つの信号値の変化量は、通常、右側ラベルが付される2つの信号値の変化量よりも大きくなる。足側ラベル(又はY軸方向一方側に対応することを示すラベル)が付された2つの信号値の変化量と右側ラベル(又はX軸方向一方側に対応することを示すラベル)が付された2つの信号値の変化量との大小関係も考慮に入れて整合性の判定を行うことで、整合性判定の精度、ひいては配置判定の精度をより高めることができる。
【0134】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、総荷重増加判定工程S40、S80を省略してもよく、整合性判定工程S110を省略してもよい。
【0135】
上記実施形態においては、センサ配置判定部42は、荷重情報調整工程S120において、荷重信号s1~s4と荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係を調整することにより、荷重情報の調整を行っている。しかしながら、これには限られない。
【0136】
具体的には例えば、荷重信号s1~s4と荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSとの対応関係は変更することなく、生体情報取得部41における荷重情報WLF、WRF、WRS、WLSの用い方を変更することにより、荷重情報の調整を行ってもよい。すなわち、荷重情報の調整は、生体情報取得部41における荷重信号s1~s4の用い方が実際の荷重センサLS1~LS4の配置に応じたものに変更されるよう、様々な方法でなされ得る。
【0137】
センサ配置判定部42が実行するセンサ配置判定工程(
図7)において、荷重情報調整工程S120を省略してもよい。この場合は例えば、センサ配置判定部42は、第1ラベル付与工程で足側ラベルが付された2つの荷重信号(ひいては2つの荷重センサ)を、第2ラベル付与工程で右側ラベルが付された2つの荷重信号(ひいては2つの荷重センサ)をそれぞれ特定して工程を終了してもよく、第1ラベル付与工程で足側ラベルが付された2つの荷重信号と、第2ラベル付与工程で右側ラベルが付された2つの荷重信号とに基づいて4つの荷重センサのベッドに対する配置を特定して、センサ配置判定工程を終了してもよい。また、センサ配置判定部42は、特定された荷重センサの配置を使用者に示すため、例えば、データ記録部3の各端子に接続された荷重センサが被験者Sに対してどの位置に配置されているのかを示す情報をモニタ61に表示させてもよい。
【0138】
上記実施形態の生体情報取得システム100の説明においては、ベッド上の被験者Sではなく、医師や看護師等がセンサ配置判定工程を実行する場合を例として説明したが、被験者Sがセンサ配置判定工程を実行してもよい。
【0139】
被験者SがベッドBDから降りてセンサ配置判定工程を実行する場合は、工程は実質的に医師等が実行する場合と同一である。一方で、被験者SがベッドBD上においてセンサ配置判定工程を実行する場合は、例えば、第1指示情報及び第2指示情報は、一方を、X方向の中央よりも一方側に向けた重心移動を伴う移動を行うよう被験者Sに指示する情報とし、他方を、Y方向の中央よりも一方側に向けた重心移動を伴う移動を行うよう被験者Sに指示する情報とし得る。
【0140】
上記実施形態の生体情報取得システム100を用いてセンサ配置判定工程を実行するタイミングは任意である。例えば、生体情報取得システム100を病室等に設置する際にセンサ配置判定工程を実行することとすれば、荷重センサLS1~LS4のベッドBDに対する配置は無作為に行い得る。
【0141】
上記実施形態の生体情報取得システム100においては、制御部4の内部にセンサ配置判定部42を構築しているがこれには限られない。具体的には例えば、データ記録部3の内部や、表示部6の内部にセンサ配置判定部42を構築してもよい。
【0142】
或いは、上記実施形態のセンサ配置判定工程を実行させるためのプログラムを任意の媒体に記録させておき、既存の生体情報取得システム100に当該プログラムを実行させて、センサ配置判定工程を行ってもよい。
【0143】
上記実施形態の生体情報取得システム100は、更に、被験者Sの体動の有無や、被験者Sの各種生体状態を判定する生体状態判定部を備えても良い。このような生体状態判定部は、例えば、被験者Sの呼吸数に基づいて、被験者Sの睡眠/覚醒判定、生死判定等を行う。
【0144】
上記実施形態の生体情報取得システム100において、荷重センサLS1~LS4は、ビーム形ロードセルを用いた荷重センサに限られず、例えばフォースセンサを使用することもできる。
【0145】
上記実施形態の生体情報取得システム100においては、荷重センサLS1~LS4の各々は、ベッドBDの脚の下端に取り付けられたキャスターCの下に配置されていたがこれには限られない。荷重センサLS1~LS4の各々は、ベッドBDの4本の脚とベッドBDの床板との間に設けられてもよいし、ベッドBDの4本の脚が上下に分割可能であれば、上部脚と下部脚との間に設けられても良い。本発明及び本明細書において、「ベッドの四隅」とは、ベッドの四隅の近傍も含む。
【0146】
上記実施形態の生体情報取得システム100において、荷重検出部1とA/D変換部2との間に、荷重検出部1からの荷重信号を増幅する信号増幅部や、荷重信号からノイズを取り除くフィルタリング部を設けても良い。
【0147】
上記実施形態の生体情報取得システム100において、表示部6は、モニタに代えて、又はこれに加えて、生体情報を表わす情報を印字して出力するプリンタや、生体情報を表示するランプ等の簡易な視覚表示手段を備えてもよい。報知部7はスピーカに代えて、又はこれに加えて、振動により報知を行う振動発生部を備えてもよい。表示部6、報知部7、及び入力部8の少なくとも2つが一体に構成されていてもよい。
【0148】
上記の各変形例は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いることができる。
【0149】
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明の生体情報取得システムによれば、複数の荷重センサのベッドに対する配置を容易且つ高精度に判定することができ、医療、介護等の質の向上に資することができる。
【符号の説明】
【0151】
1 荷重検出部、2 A/D変換部、3 データ記録部 4 制御部、41 生体情報取得部、42 センサ配置判定部、5 記憶部、6 表示部、61 モニタ、62 表示制御部、7 報知部、8 入力部、 100 生体情報取得システム、BD ベッド、LS1~LS4 荷重センサ、S 被験者