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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】仕切装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/04 20060101AFI20240530BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
A47B96/04 B
A47G5/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020149030
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043647
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ りほ
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05375641(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0305924(US,A1)
【文献】特開平10-326122(JP,A)
【文献】実公昭49-027295(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/04
A47G 5/00
A47B 97/04
A47B 17/00
A47B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の仕切部、及び前記仕切部の外周縁に設けられた連結部をそれぞれ有し、互いの前記連結部が取り外し可能に連結される複数のパネル体を備え、
前記複数のパネル体のうち、少なくとも何れかのパネル体は、前記複数のパネル体によって仕切られた第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間を利用する利用者の執務を補助する執務補助部を備え
前記連結部は、前記仕切部の外周縁から張り出すとともに、前記仕切部の厚さ方向に折り曲げ可能な帯状部を備えている仕切装置。
【請求項2】
前記執務補助部は、前記仕切部のうち前記第1空間又は前記第2空間に面する部分に設けられた物品収納部である請求項1に記載の仕切装置。
【請求項3】
前記執務補助部は、前記仕切部のうち前記第1空間又は前記第2空間に面する部分に設けられた表示部である請求項1又は請求項2に記載の仕切装置。
【請求項4】
前記仕切部は、厚さ方向から見て長方形状に形成され、
前記連結部は、前記仕切部の外周縁のうち長辺部及び短辺部にそれぞれ設けられている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の仕切装置。
【請求項5】
前記連結部は、磁石を含んでいる請求項1から請求項4の何れか1項に記載の仕切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等の各種施設の共有スペースでは、什器における天板の上方空間を水平方向に仕切る仕切装置が設置される場合がある。この種の仕切装置として、例えば下記特許文献1,2には、複数のパネル体の組み合わせにより上方空間を仕切る構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-213265号公報
【文献】特許第4724285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近時では、フリーアドレスやABW(Activity Based Working)等、利用者毎の働き方や好み等に柔軟に対応するために、収納性やカスタマイズ性に優れた仕切装置が求められている。
しかしながら、特許文献1の構成にあっては、外形の異なる複数のパネル体が折り曲げ部分を介して組み合わされた構成であるため、仕切装置として利用する際のレイアウトが一義的であり、カスタマイズ性が低いという課題がある。また、特許文献1の構成にあっては、複数のパネル体同士が常に接続されているため、例えば不使用時における収納性が低いという課題がある。
一方、特許文献2の構成にあっては、パネル体の外周部に設けられた縁巻を介して、隣り合うパネル体同士を組み合わせる構成であるため、特許文献1の構成に比べて不使用時の収納性は優れているとも考えられる。しかしながら、特許文献1,2何れの構成にあっても、従来の仕切装置は、空間を仕切る機能しか有していないため、カスタマイズ性の観点では未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、収納性やカスタマイズ性に優れた仕切装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る仕切装置は、板状の仕切部、及び前記仕切部の外周縁に設けられた連結部をそれぞれ有し、互いの前記連結部が取り外し可能に連結される複数のパネル体を備え、前記複数のパネル体のうち、少なくとも何れかのパネル体は、前記複数のパネル体によって仕切られた第1空間及び第2空間のうち少なくとも一方の空間を利用する利用者の執務を補助する執務補助部を備えている。
【0007】
本態様によれば、複数のパネル体同士を色々な向きや数で連結することで、仕切装置として様々なレイアウトを採用することができる。これにより、カスタマイズ性を向上させることができる。しかも、仕切装置が取り外し可能な複数のパネル体の連結により構成されているため、不使用時には各パネル体同士を取り外して例えば重ね合わせる等することで、コンパクトに収納することができる。
特に、本態様では、複数のパネル体のうち、少なくとも何れかのパネル体は、第1空間及び第2空間の少なくとも一方の空間を利用する利用者の執務を補助する執務補助部を備える構成とした。
この構成によれば、一方の空間の利用者は仕切装置により仕切られた状態で、パネル体に設けられた執務補助部を利用することができる。すなわち、パネル体に仕切る機能とは別の機能を搭載することができる。この場合、利用者の好みに応じて例えば執務補助部の種類を変更等することで、仕切装置としてのカスタマイズ性を向上させることができる。
【0008】
上記態様の仕切装置において、前記執務補助部は、前記仕切部のうち前記第1空間又は前記第2空間に面する部分に設けられた物品収納部であることが好ましい。
本態様によれば、パネル体自体に物品を収納できるので、利用者の作業面上に物品を載置する場合に比べ、作業面上の利用可能面積を確保し易い。したがって、利用者の執務効率を向上させることができ、仕切装置の利便性を向上させることができる。
【0009】
上記態様の仕切装置において、前記執務補助部は、前記仕切部のうち前記第1空間又は前記第2空間に面する部分に設けられた表示部であることが好ましい。
本態様によれば、利用者は表示部に表示された情報を確認することができる。これにより、利用者の執務効率を向上させることができ、仕切装置の利便性を向上させることができる。
【0010】
上記態様の仕切装置において、前記仕切部は、厚さ方向から見て長方形状に形成され、前記連結部は、前記仕切部の外周縁のうち長辺部及び短辺部にそれぞれ設けられていることが好ましい。
本態様によれば、隣り合うパネル体同士を短辺部同士、長辺部同士又は短辺部及び長辺部同士で連結することができる。すなわち、各パネル体同士を利用者の好みの向きで連結させることができる。これにより、カスタマイズ性を向上させることができる。
【0011】
上記態様の仕切装置において、前記連結部は、磁石を含んでいることが好ましい。
本態様によれば、隣り合うパネル体同士を簡単に連結又は取り外しすることができる。また、パネル体が取り付けられる什器(例えば、天板や開閉扉等)が強磁性体で形成されている場合には、磁石を用いて什器にパネル体を連結させることができる。これにより、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記各態様によれば、収納性やカスタマイズ性に優れた仕切装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ポケット付きのパネル体を示す斜視図である。
図2】ベースパネルの一部を破断して示す平面図である。
図3】ベースパネルの変形例を示す部分斜視図である。
図4】ペンホルダ付きのパネル体を示す斜視図である。
図5】ホワイトボード付きのパネル体を示す斜視図である。
図6】天板付什器に仕切装置が設置された状態を示す斜視図である。
図7図6のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】複数のパネル体が重ね合わされた状態を示す斜視図である。
図9】仕切装置(パネル体)を収納した状態を示す斜視図である。
図10】仕切装置(パネル体)を収納した状態を示す斜視図である。
図11】変形例に係る仕切装置の斜視図である。
図12】変形例に係る仕切装置の斜視図である。
図13】第2実施形態に係るパネル体の平面図である。
図14】第2実施形態に係る仕切装置の斜視図である。
図15】第2実施形態に係る仕切装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態の仕切装置10(図9参照)は、複数のパネル体1が組み合わされることで、空間を仕切る。以下では、まずパネル体1の構成について説明し、その後パネル体1を用いた仕切装置10について説明する。
【0016】
[パネル体1]
図1は、ポケット付きのパネル体1を示す斜視図である。
図1に示すパネル体1は、ベースパネル15と、執務補助部16と、を備えている。
【0017】
<ベースパネル15>
ベースパネル15は、仕切部20と、連結部(第1連結部21及び第2連結部22)と、を備えている。
仕切部20は、矩形板状である。具体的に、仕切部20は、短辺部25a,25b同士及び長辺部26a,26b同士がそれぞれ対向する長方形状に形成されている。以下の説明では、パネル体1において、仕切部20の厚さ方向を単に厚さ方向といい、仕切部20の短辺部25a,25bに沿う方向を単に短辺方向といい、長辺部26a,26bに沿う方向を単に長辺方向という場合がある。すなわち、厚さ方向、短辺方向及び長辺方向は、互いに直交する方向である。
【0018】
図2は、ベースパネル15の一部を破断して示す平面図である。
図2に示すように、仕切部20は、芯材31と、芯材31を覆う表皮材32と、を備えている。
芯材31は、仕切部20の骨格を形成する部材である。芯材31は、仕切部20の外形と同様に矩形板状に形成されている。芯材31は、例えばプラスチック段ボールやフェルト等により形成されている。但し、芯材31は、金属材料、木材、紙材等により形成されていてもよい。なお、芯材31は、少なくとも仕切部20の外形を規定する形状であれば枠状等であってもよい。
表皮材32は、芯材31の全体を覆っている。表皮材32は、例えば織布や不織布等により形成されている。したがって、本実施形態の仕切部20は、透光性を有していない。
【0019】
第1連結部21は、異なるパネル体1の第1連結部21又は第2連結部22に取り外し可能に連結される。具体的に、第1連結部21は、一対の短辺部25a,25bのうち、一方の短辺部25aに設けられた第1短辺連結部21aと、一対の長辺部26a,26bのうち、一方の長辺部26aに設けられた第1長辺連結部21bと、を備えている。
【0020】
第1短辺連結部21aは、帯状部41と、磁石(第1磁石42a及び第2磁石42b)と、を備えている。
帯状部41は、短辺部25aに沿って延びる袋状に形成されている。帯状部41の長さは、短辺部25aの長さよりも短くなっている。帯状部41は、例えば長辺方向(幅方向)の第1端部が仕切部20のうち厚さ方向の一方を向く面(以下、第1面20aという。)に対して縫製等によって取り付けられている。したがって、帯状部41における長辺方向の第2端部は、短辺部25aから張り出している。帯状部41の第2端部は、仕切部20に対して厚さ方向に折り曲げ可能に構成されている。帯状部41は、例えば表皮材32と同一材料により形成されていても、異種材料により形成されていてもよい。
【0021】
磁石42a,42bは、帯状部41内の第2端部において、短辺方向の両端部にそれぞれ設けられている。第1磁石42aは、他方の長辺部26bからの短辺方向に沿う距離がP1の位置に配置されている。第2磁石42bは、他方の長辺部26bからの短辺方向に沿う距離がP2の位置に配置されている。なお、磁石42a,42bは、例えば帯状部41内に設けられた芯材(不図示)等によって帯状部41内で位置決めされている。
【0022】
第1長辺連結部21bは、仕切部20の一対の長辺部26a,26bのうち、一方の長辺部26aに設けられている。第1長辺連結部21bは、帯状部51と、磁石(第1磁石52a及び第2磁石52b)と、を備えている。
【0023】
帯状部51は、長辺部26aに沿って延びる袋状に形成されている。帯状部51の長さは、短辺部25a,25bの長さよりも長く、長辺部26aの長さよりも短くなっている。帯状部51は、例えば短辺方向(幅方向)の第1端部が仕切部20の第1面20aに対して縫製等によって取り付けられている。したがって、帯状部51における短辺方向の第2端部は、長辺部26から張り出している。帯状部51の第2端部は、仕切部20に対して厚さ方向に折り曲げ可能に構成されている。
【0024】
磁石52a,52bは、帯状部51内の第2端部において、長辺方向に間隔をあけて配置されている。第1磁石52aは、短辺部25bからの長辺方向に沿う距離がQ1の位置に配置されている。距離Q1は、距離P1と同等に設定されている。第2磁石52bは、短辺部25bからの長辺方向に沿う距離がQ2の位置に配置されている。距離Q2は、距離P1と同等に設定されている。すなわち、第1磁石42a,52a同士、及び第2磁石42b,52b同士は、仕切部20の外周縁(短辺部25b又は長辺部26b)からの距離が同等に設定されている。
【0025】
第2連結部22は、異なるパネル体1の第1連結部21又は第2連結部22に取り外し可能に連結される。第2連結部22は、短辺部25bに設けられた第2短辺連結部22aと、長辺部26bに設けられた第2長辺連結部22bと、を備えている。
【0026】
第2短辺連結部22aは、芯材31に設けられた切欠き部(第1切欠き部61a及び第2切欠き部61b)と、切欠き部61a,61b内にそれぞれ保持された磁石(第1磁石62a及び第2磁石62b)と、を備えている。
切欠き部61a,61bは、芯材31の外周縁のうち短辺部25bに対応する部分における短辺方向の両端部に形成されている。
【0027】
第1磁石62aは、第1切欠き部61a内に保持されている。第1磁石62aは、長辺部26bからの短辺方向に沿う距離がP1の位置に配置されている。
第2磁石62bは、第2切欠き部61b内に保持されている。第2磁石62bは、長辺部26bからの短辺方向に沿う距離がP2の位置に配置されている。
【0028】
第2長辺連結部22bは、芯材31に設けられた切欠き部(第1切欠き部65a及び第2切欠き部65b)と、切欠き部65a,65b内にそれぞれ保持された磁石(第1磁石66a及び第2磁石66b)と、を備えている。
切欠き部65a,65bは、芯材31の外周縁のうち短辺部26bに対応する部分において長辺方向に間隔をあけて形成されている。
【0029】
第1磁石66aは、第1切欠き部65a内に保持されている。第1磁石66aは、短辺部25bからの長辺方向に沿う距離がQ1の位置に配置されている。
第2磁石66bは、第2切欠き部65b内に保持されている。第2磁石66bは、短辺部25bからの長辺方向に沿う距離がQ2の位置に配置されている。
【0030】
<ベースパネル15の変形例>
上述した説明では、仕切部20が芯材31と表皮材32とを備える構成について説明したが、仕切部20の材質等は適宜変更が可能である。例えば図3に示す仕切部20は、アクリル板等の光透過性を有する材料によって一体で形成されている。また、ベースパネル15は、仕切部20及び帯状部41,51が不織布等によって一体に形成されている。
【0031】
上述した説明では、第1連結部21が仕切部20に対して縫製によって取り付けられた構成について説明したが、この構成に限られない。第1連結部21は、例えば図3に示すようにビス67等で取り付けてもよい。また、第1連結部21は、仕切部20に接着等で取り付けてもよい。
【0032】
上述した説明では、一つの連結部21,22に対して複数の磁石(丸型磁石)を用いる構成について説明したが、この構成に限られない。磁石は、例えば一つの連結部21,22に対して一枚の磁石68を用いてもよい。この場合、磁石68は、シート状に形成されていてもよい。また、連結部としては、磁石に限らず、例えばフックや面ファスナ、線ファスナ、ボタン等を採用してもよい。
【0033】
<執務補助部16>
続いて、ベースパネル15に取り付けられる執務補助部16について説明する。本実施形態のパネル体1は、ベースパネル15に取り付けられる執務補助部16の違いによって、複数種類のパネル体1を展開することが可能である。また、以下の説明では、仕切部20の第2面20b(第1面20aと反対側を向く面)に執務補助部16を設けた構成について説明するが、執務補助部16は仕切部20の両面20a,20bに設けてもよい。
【0034】
図1に示すパネル体1において、執務補助部16は例えばポケットである。本実施形態の執務補助部16は、第1ポケット(物品収納部)71及び第2ポケット(物品収納部)72を備えている。
第1ポケット71は、長辺方向に沿って延びるシート状の部材が両短辺部25a,25b及び長辺部26aの三辺で縫製等されることで、長辺部26bに向けて開放されている。第1ポケット71は、仕切部20の第2面20bとの間に物品等を収納可能に構成されている。
【0035】
第2ポケット72は、第1ポケット71に対して厚さ方向で重ね合わされている。第2ポケット72は、長辺方向及び短辺方向の寸法が第1ポケット71よりも短いシート状に形成されている。第2ポケット72は、短辺部25b及び長辺部26aにおいて縫製等されることで、短辺部25a及び長辺部26bに向けて開放されている。第2ポケット72は、第1ポケット71との間に物品等を収納可能に構成されている。但し、ポケットの位置や形状、大きさ等は適宜変更が可能である。例えば、ポケットは、三角形状や円形状等であってもよい。
【0036】
図4は、ペンホルダ付きのパネル体1を示す斜視図である。
図4に示すパネル体1において、執務補助部16は例えばペンホルダ(物品収納部)81である。ペンホルダ81は、長辺方向に沿って延びるシート状の部材が両短辺部25a,25b及び長辺方向に間隔をあけて複数箇所で縫製等されることで、仕切部20に取り付けられている。ペンホルダ81において、短辺方向で隣り合う縫製部分と仕切部20の第2面20bとの間には、短辺方向に貫通するペン差込部81aが形成される。ペン差込部81aには、短辺方向に沿ってペン等を差込可能に構成されている。なお、ペン差込部81aの位置や大きさ等は適宜変更が可能である。
【0037】
執務補助部16は例えばバンド(物品収納部)85であってもよい(図6図11参照)。バンド85は、伸縮性を有し、長辺方向に帯状の部材が両短辺部25a,25bに縫製等されることで、仕切部20に取り付けられている。バンド85は、仕切部20の第2面20bとの間に書類等を挟み込み可能に構成されている。なお、バンド85の位置や長さ等は適宜変更が可能である。
【0038】
図5は、ホワイトボード付きのパネル体1を示す斜視図である。
図5に示すパネル体1において、執務補助部16は例えばホワイトボード(表示部)91である。ホワイトボード91は、例えば仕切部20の第2面20bの全面に設けられている。但し、ホワイトボード91は、第2面20bの一部に設けられていてもよい。
【0039】
ホワイトボード91は、例えば利用者が文字等の情報を書き込むことで、情報を表示可能に構成されている。なお、ホワイトボード91は、表皮材32に代えて芯材31を覆うように設けられていればよい。また、執務補助部16として設ける表示部は、ホワイトボード91に代えて液晶や有機EL等のディスプレイであってもよい。
【0040】
なお、執務補助部16としては、上述した例の他、付箋等を仕切部20に貼付可能な掲示機能や、スマートフォンやタブレット等の携帯電子機器を保持する機能、面発光素子等による照明機能等を備えていてもよい。すなわち、執務補助部16とは、パネル体1の仕切機能とは別に、利用者が仕切空間S1を利用するにあたって、利用者自身が直接利用に供することで利用者の執務を直接補助するもの、又は仕切空間S1(図9参照)に対して快適性等を与え利用者の執務を間接的に補助するものであればよい。
【0041】
[仕切装置10]
次に、上述した種々のパネル体1を用いた仕切装置10について説明する。なお、以下の説明において、床面に直交する方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左側)とする。
【0042】
図6は、天板付什器100に仕切装置10が設置された状態を示す斜視図である。
まず、図6に基づき、仕切装置10が天板付什器100に設置された構成について説明する。天板付什器100は、天板101と、支持構造体102と、を備えている。
天板101は、平面視において前後方向を短手方向とし、左右方向を長手方向とする長方形状に形成されている。天板101の上面は、天板付什器100の利用者が執務等を行う作業面になっている。なお、天板101の平面視形状は、長方形状に限らず、円形状や長方形状以外の多角形状であってもよい。
【0043】
支持構造体102は、複数の脚103を備えている。複数の脚103は、天板101の下面のうち各角部から下方に延在する柱状に形成されている。脚103の下端は、床面に接地している。なお、脚103は、本数は任意に設定可能である。脚103は、上下方向に伸縮可能な伸縮脚であってもよい。また、脚103は、柱状に限らず、板状等であってもよい。
【0044】
仕切装置10は、天板101の作業面上に設置された、いわゆるデスクトップパネルである。仕切装置10は、例えば4枚のパネル体1が順次連結されることで、天板101の上方空間を仕切っている。具体的に、仕切装置10は、天板101の上方空間を、天板101の利用者が前後方向に対向する仕切空間(第1空間、一方の空間)S1と、仕切空間S1の周囲に位置する外部空間(第2空間)S2と、に区画している。仕切装置10は、前後仕切部110と、左右仕切部111と、を備えている。以下、4枚のパネル体1を、第1パネル体1A、第2パネル体1B、第3パネル体1C及び第4パネル体1Dと称する場合がある。
【0045】
前後仕切部110は、天板101の上方空間を前後方向に仕切る。前後仕切部110は、第1パネル体1A及び第2パネル体1Bにより構成されている。第1パネル体1A及び第2パネル体1Bは、天板101上において前後方向の中央部に設置されている。第1パネル体1A及び第2パネル体1Bは、長辺方向を上下方向とし、短辺方向を左右方向として配置されている。
【0046】
図7は、図6のVII-VII線に沿う断面図である。
図7に示すように、第1パネル体1Aの第1長辺連結部21bは、第2パネル体1Bの第2長辺連結部22bに第2パネル体1Bの第1面20aから重ね合わせられている。これにより、第1パネル体1A及び第2パネル体1Bは、第1パネル体1Aの第1長辺連結部21bの磁石52a,52b(図2参照)と、第2パネル体1Bの第2長辺連結部22bの磁石66a,66b(図2参照)と、の磁力によって連結されている。
【0047】
左右仕切部111は、天板101の上方空間を左右方向に仕切る。左右仕切部111は、第3パネル体1C及び第4パネル体1Dにより構成されている。
第3パネル体1Cは、第1パネル体1Aに対して第2パネル体1Bとは反対側(右側)に連結されている。具体的に、第3パネル体1Cの第1短辺連結部21aは、第1パネル体1Aの第2長辺連結部22bに第1パネル体1Aの第1面20aから重ね合わせられている。これにより、第1パネル体1A及び第3パネル体1Cは、第3パネル体1Cの第1短辺連結部21aの磁石42a,42b(図2参照)と、第1パネル体1Aの第2長辺連結部22bの磁石66a,66b(図2参照)と、の磁力によって連結されている。本実施形態では、図2に示すように、第1磁石66aにおける短辺部25bからの長辺方向に沿う距離Q1と、第1磁石42aにおける長辺部26bからの短辺方向に沿う距離P1と、が同等に設定されている。また、第2磁石66bにおける短辺部25bからの長辺方向に沿う距離Q2と、第2磁石42bにおける長辺部26bからの短辺方向に沿う距離P2と、が同等に設定されている。したがって、第1パネル体1A及び第3パネル体1Cの第1磁石42a,66a同士、及び第2磁石42b,66b同士が重なり合う。これにより、第1パネル体1Aの長辺部26b及び第3パネル体1Cの短辺部25aを連結する際の連結強度を確保できる。
【0048】
第3パネル体1Cは、第1短辺連結部21aを起点に第1パネル体1Aに対して前方に折り曲げられている。これにより、第3パネル体1Cは、短辺方向を上下方向とし、かつ長辺方向が天板101の前端縁に向かうに従い左右方向の外側(右側)を向いた状態で配置されている。第3パネル体1Cは、天板101の上方空間を左右方向に仕切っている。
【0049】
第4パネル体1Dは、第2パネル体1Bに対して第1パネル体1Aとは反対側(左側)に連結されている。第2パネル体1Bの第1長辺連結部21bは、第4パネル体1Dの第2短辺連結部22aに第4パネル体1Dの第1面20aから重ね合わせられている。これにより、第2パネル体1B及び第4パネル体1Dは、第2パネル体1Bの第1長辺連結部21bの磁石52a,52b(図2参照)と、第4パネル体1Dの第2短辺連結部22aの磁石62a,62b(図2参照)と、の磁力によって連結されている。
【0050】
第4パネル体1Dは、第2パネル体1Bの第1長辺連結部21bを介して第2パネル体1Bに対して折り曲げられている。これにより、第4パネル体1Dは、短辺方向を上下方向とし、かつ長辺方向が天板101の前端縁に向かうに従い左右方向の外側(左側)を向いた状態で配置されている。第4パネル体1Dは、天板101の上方空間を左右方向に仕切っている。
【0051】
仕切装置10の利用者は、天板101の前端縁に正対した状態で、仕切空間S1内で執務を行うことができる。この場合、本実施形態の仕切装置10は、各パネル体1A~1Dの執務補助部16が仕切空間S1を向いて設置されている。これにより、仕切空間S1の利用者は、執務補助部16を利用しながら執務を行うことができるので、執務の効率化が図られる。図示の例において、第1パネル体1A及び第2パネル体1Bには、執務補助部16としてホワイトボード91を備えたパネル体が用いられている。第3パネル体1Cには、執務補助部16としてバンド85を備えたパネル体が用いられている。第4パネル体1Dには、執務補助部16としてポケット71,72を備えたパネル体が用いられている。但し、仕切装置10を構成するパネル体1において、執務補助部16の種類は適宜選択が可能である。また、仕切装置10を構成する複数のパネル体1は、少なくとも何れかが執務補助部16を備えていればよい。
【0052】
なお、仕切装置10は、例えば全てのパネル体1同士が短辺部25a,25bを介して連結される構成であってもよく、全てのパネル体1同士が長辺部26a,26b同士を介して連結される構成であってもよい。また、仕切装置10は、パネル体1同士が上下方向に連結される構成であってもよい。さらに、天板101の作業面が鉄等の強磁性体により形成されている場合には、パネル体1のうち連結部21を作業面に沿って折り曲げることで、連結部21を磁力によって天板101に連結してもよい。
【0053】
<仕切装置10の収納方法>
次に、上述した仕切装置10の収納方法について説明する。図8は、複数のパネル体1が重ね合わされた状態を示す斜視図である。
図8に示すように、仕切装置10の使用後は、各パネル体1同士の連結を解除する。その後、各パネル体1同士を厚さ方向に重ね合わせる。この際、厚さ方向で隣り合うパネル体1同士において、厚さ方向で重なり合う磁石同士が異極で対向することが好ましい。これにより、厚さ方向で隣り合うパネル体1同士が磁力によって連結された状態で重なり合う。なお、複数のパネル体1同士は、例えば結束部材やクリップ等によって束ねられていてもよい。
【0054】
図9図10は、仕切装置10(パネル体1)を収納した状態を示す斜視図である。
図9に示すように、パネル体1は、重ね合わせた状態で収納什器200に収納可能になっている。収納什器200は、例えばフリーアドレスを採用しているオフィス等に設置され、利用者毎の荷物を個別に収納可能なものである(いわゆる、個人ロッカー)。具体的に、収納什器200は、前方に開口する収納空間S3を上下方向及び左右方向に複数有する什器本体201と、収納空間S3の前端開口部を各別に開閉する開閉扉202と、を備えている。
【0055】
収納空間S3の寸法は、個人ロッカーとして一般的な寸法である、幅349mm、奥行き413mm、高さ324.5mm程度に設定されている。
開閉扉202は、上下方向に沿う軸線回りに回動可能に什器本体201に支持されている。
【0056】
パネル体1は、例えば短辺方向を上下方向に沿わせた状態で、前端開口部を通じて収納空間S3内に進入させる。これにより、パネル体1は、収納什器200の壁面や、収納空間S3内に収納された他の物品に立て掛けられた状態で、収納空間S3内に収納される。
【0057】
また、図10に示すように、開閉扉202が鉄等の強磁性体により形成されている場合、パネル体1は、開閉扉202の前面に磁力によって取り付けてもよい。この場合、執務補助部16を前方に向けた状態でパネル体1を開閉扉202に取り付けることで、収納時においても執務補助部16を利用することができる。なお、パネル体1は、複数枚重ね合わされた状態で、開閉扉202の前面に取り付けてもよい。
【0058】
このように、本実施形態の仕切装置10は、取り外し可能に連結される連結部21,22を介して複数のパネル体1が連結されることで、複数のパネル体1によって空間S1,S2を仕切る構成とした。
この構成によれば、複数のパネル体1同士を色々な向きや数で連結することで、仕切装置10として様々なレイアウトを採用することができる。これにより、カスタマイズ性を向上させることができる。しかも、仕切装置10が取り外し可能な複数のパネル体1の連結により構成されているため、不使用時には各パネル体1同士を取り外して例えば重ね合わせる等することで、コンパクトに収納することができる。
特に、本実施形態では、複数のパネル体1のうち、少なくとも何れかのパネル体1は、空間S1,S2を利用する利用者の執務を補助する執務補助部16を備える構成とした。
この構成によれば、仕切空間S1の利用者は仕切装置10により外部空間S2との間が仕切られた状態で、パネル体1に設けられた執務補助部16を利用することができる。すなわち、パネル体1に仕切る機能とは別の機能を搭載することができる。この場合、利用者の好みに応じて例えば執務補助部16の種類を変更等することで、仕切装置10としてのカスタマイズ性を向上させることができる。
【0059】
本実施形態では、執務補助部16がポケット71,72やペンホルダ81、バンド85等の物品収納部である構成とした。
この構成によれば、パネル体1自体に物品を収納できるので、仕切空間S1の作業面上に物品を載置する場合に比べ、作業面上の利用可能面積を確保し易い。したがって、利用者の執務効率を向上させることができ、仕切装置10の利便性を向上させることができる。
【0060】
本実施形態では、執務補助部16がホワイトボード91等の表示部である構成とした。
この構成によれば、仕切空間S1の利用者は表示部に表示された情報を確認することができる。これにより、利用者の執務効率を向上させることができ、仕切装置10の利便性を向上させることができる。
【0061】
本実施形態では、連結部21,22が仕切部20の外周縁のうち短辺部25a,25b及び長辺部26a,26bにそれぞれ設けられている構成とした。
この構成によれば、隣り合うパネル体1同士を短辺部25a,25b同士、長辺部26a,26b同士又は短辺部25a,25b及び長辺部26a,26b同士で連結することができる。すなわち、各パネル体1同士を利用者の好みの向きで連結させることができる。これにより、カスタマイズ性を向上させることができる。
【0062】
本実施形態では、連結部21,22が磁石を含んでいる構成とした。
この構成によれば、隣り合うパネル体1同士を簡単に連結又は取り外しすることができる。また、パネル体1が取り付けられる什器(例えば、天板101や開閉扉202等)が強磁性体で形成されている場合には、磁石を用いて什器にパネル体1を連結させることができる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0063】
(仕切装置10の変形例)
図11は、変形例に係る仕切装置10の斜視図である。上述した実施形態では、仕切装置10をデスクトップパネルに採用した場合について説明したが、この構成に限られない。仕切装置10は、例えば仕切スタンド300に取り付けることも可能である。
図11に示すように、仕切スタンド300は、例えばソファ301の前方に設置されている。具体的に、仕切スタンド300は、一対の支持部302と、パネル取付部303と、を備えている。
【0064】
一対の支持部302は、前後方向に向かい合って配置されている。各支持部302は、一対の脚310を備えている。一対の脚310は、上端部において互いに接続されるとともに、下方に向かうに従い左右方向に互いに離間する向きに延びている。一対の脚310は、キャスタ311を介して床面に接地している。これにより、仕切スタンド300は、床面上を走行可能に構成されている。なお、図示の例において、一対の支持部302の間には、バスケット312が架け渡されている。
【0065】
パネル取付部303は、枠状に形成されている。パネル取付部303は、縦杆320と、上杆321と、下杆322と、を備えている。
縦杆320は、各支持部302の上端部から上方に延びている。
上杆321は、各縦杆320の上端同士の間を架け渡している。
下杆322は、各縦杆320の下部同士の間を架け渡している。
【0066】
本変形例において、パネル体1は、縦杆320や上杆321、下杆322の間に架け渡されるようにパネル取付部303に取り付けられている。図示の例において、パネル体1は、短手方向を上下方向に沿わせた状態で上下方向に3枚並べられている。上下方向で隣り合うパネル体1同士は、長辺連結部21b,22b(図2参照)を介して互いに連結されていることが好ましい。各パネル体1は、短辺連結部21a,22a(図2参照)を介して縦杆320同士の間に架け渡されている。これにより、縦杆320、上杆321及び下杆322により形成された開口部325が、仕切装置10によって遮られている。その結果、ソファ301の前方空間が、第1仕切空間(第1空間)S4と第2仕切空間(第1空間)S5とに左右方向に仕切られている。
【0067】
本変形例においては、パネル体1が備える執務補助部16が少なくとも第1仕切空間S4を向いて設けられている。これにより、第1仕切空間S4の利用者は、執務補助部16を利用することで、利便性を向上させることができる。また、本変形例においても、仕切スタンド300に取り付けるパネル体1の種類を適宜選択することで、種々の執務補助部16を備えた仕切スタンド300を提供できる。これにより、カスタマイズ性を向上させることができる。
【0068】
なお、仕切スタンド300としては、例えば図15に示す構成も採用可能である。図12に示す仕切スタンド300において、支持部302は三又状に延在する複数の脚310を備えている。
【0069】
パネル取付部303は、支持部302の上端から上方に延びる縦杆320と、縦杆320の延在方向に交差する方向(前後方向)に向けて縦杆320から延びる横杆326と、を備えている。横杆326は、例えば縦杆320の上端、及び縦杆320における上下方向の中途部からそれぞれ延在している。
【0070】
パネル体1は、パネル取付部303のうち、横杆326を側方から覆う位置に少なくとも設けられている。この場合、上下方向で隣り合うパネル体1同士は、何れかの連結部21,22(図2参照)を介して連結されていることが好ましい。また、パネル体1は、連結部21,22又は別途の連結部によりパネル取付部303に連結されている。
【0071】
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係るパネル体500の平面図である。本実施形態では、ベースパネル501の形状が上述した実施形態と相違している。
図13に示すパネル体500において、ベースパネル501は、第1仕切部(仕切部)505と、第2仕切部(仕切部)506と、を備えている。
第1仕切部505は、厚さ方向から見て長方形状に形成されている。すなわち、第1仕切部505の外周縁は、一対の短辺部525及び一対の長辺部526を備えている。
第2仕切部506は、第1仕切部505のうち一方の長辺部526に、折り曲げ部507を介して連結されている。第2仕切部506は、第1仕切部505から離間するに従い漸次先細る等脚台形状に形成されている。具体的に、第2仕切部506は、互いに平行に延びる第1対向辺506a及び第2対向辺506bと、第1対向辺506a及び第2対向辺506b間を接続する一対の斜辺506cと、を備えている。
【0072】
本実施形態のベースパネル501において、第1仕切部505及び第2仕切部506は、それぞれの骨格を形成する芯材(不図示)が表皮材に覆われた構成である。一方、折り曲げ部507には芯材が内蔵されていない。これにより、ベースパネル501は、第1仕切部505及び第2仕切部506が展開された状態と、重ね合わされた状態(図16中の鎖線参照)と、の間で折り曲げ部507を起点に折り曲げ可能に構成されている。
【0073】
なお、第1仕切部505や第2仕切部506の外周縁には、適宜連結部(不図示)が設けられている。また、第1仕切部505や第2仕切部506の表面には、適宜執務補助部が設けられている。
【0074】
図14は、第2実施形態に係る仕切装置510の斜視図である。
図14に示すように、本実施形態の仕切装置510をデスクトップパネルに用いる場合には、天板101の上方空間を例えば3枚のパネル体500によって仕切空間(第1空間)S1と外部空間(第2空間)S2とを仕切っている。以下の説明では、3枚のパネル体500を、第1パネル体500A、第2パネル体500B及び第3パネル体500Cと称する場合がある。
【0075】
第1パネル体500Aは、第1仕切部505の短辺方向を上下方向とし、長辺方向を左右方向とした状態で設置される。第1パネル体500Aの第2仕切部506は、第1仕切部505に対して前方に折り曲げられていることで、上方に向かうに従い前方に向けて傾斜している。
【0076】
第2パネル体500Bは、第1パネル体500Aに対して左右方向の一方側に連結されている。第2パネル体500Bの第1仕切部505は、第1パネル体500Aの第1仕切部505に対して短辺部525同士で連結されている。第2パネル体500Bの第1仕切部505は、短辺方向を上下方向とし、かつ長辺方向が天板101の前端縁に向かうに従い左右方向の一方側に向けて延びている。
第2パネル体500Bの第2仕切部506は、第1パネル体500Aの第2仕切部506に対して斜辺506c同士で連結されている。第2パネル体500Bの第2仕切部506は、上方に向かうに従い前方かつ左右方向の他方側に向けて傾斜している。
【0077】
第3パネル体500Cは、第1パネル体500Aに対して左右方向の他方側に連結されている。第3パネル体500Cの第1仕切部505は、第1パネル体500Aの第1仕切部505に対して短辺部525同士で連結されている。第3パネル体500Cの第1仕切部505は、短辺方向を上下方向とし、かつ長辺方向が天板101の前端縁に向かうに従い左右方向の他方側に向けて延びている。
第3パネル体500Cの第2仕切部506は、第1パネル体500Aの第2仕切部506に対して斜辺506c同士で連結されている。第3パネル体500Cの第2仕切部506は、上方に向かうに従い前方かつ左右方向の一方側に向けて傾斜している。
【0078】
したがって、本実施形態の仕切装置510は、各パネル体500によって天板101の上方空間を前後方向及び左右方向に仕切っている。また、仕切装置510は、第2仕切部506によって仕切空間S1の一部を上下方向に仕切っている。
【0079】
この構成によれば、各パネル体500の第2仕切部506同士が互いに仕切空間S1側に傾いた状態で連結されるので、各パネル体500の第2仕切部506同士が互いに支え合う。これにより、仕切装置510の高さを確保した上で、仕切装置510を安定して自立させることができる。また、第2仕切部506によって仕切空間S1の一部を上方から遮ることができるので、仕切空間S1の上方を通じた音の伝播等を抑制できる。
【0080】
なお、上述した実施形態では、第1仕切部505及び第2仕切部506が上下方向に並んだ状態で、パネル体500を設置した構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、図15に示す仕切装置510のように、第1仕切部505及び第2仕切部506が水平方向に並んだ状態で、パネル体500を設置してもよい。仕切装置510において、左右方向で隣り合うパネル体500同士は、第2仕切部506の第2対向辺506bにおいて互いに連結されている。この場合、天板101の作業面と第2仕切部506の一方の斜辺506cとの間には、仕切空間S1と外部空間S2との間で配線等を通過させる挿通空間540として機能する。
【0081】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、ベースパネルの各辺に連結部が設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。連結部は、ベースパネルの外周縁の一部に設けられていればよい。また、連結部は、ベースパネルの中央部等に設けられていてもよい。
上述した実施形態では、仕切装置が天板付什器や仕切スタンドに設置された構成について説明したが、この構成に限られない。仕切装置は、棚等、その他の什器に設置することも可能である。
上述した実施形態では、仕切装置が水平方向(前後方向又は左右方向)に空間を仕切る構成について説明したが、この構成に限られない。仕切装置は、空間を上下方向に仕切ってもよい。
また、第1空間及び第2空間は、少なくとも床面の上方空間を含んでいればよく、一部が什器の上方空間を含んでいてもよい。
【0082】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…パネル体
1A…第1パネル体(パネル体)
1B…第2パネル体(パネル体)
1C…第3パネル体(パネル体)
1D…第4パネル体(パネル体)
10…仕切装置
16…執務補助部
20…仕切部
21…連結部
21…第1連結部
22…第2連結部
25a…短辺部
25b…短辺部
26a…長辺部
26b…長辺部
26b…短辺部
42a…第1磁石(磁石)
42b…第2磁石(磁石)
52a…第1磁石(磁石)
52b…第2磁石(磁石)
62a…第1磁石(磁石)
62b…第2磁石(磁石)
66a…第1磁石(磁石)
66b…第2磁石(磁石)
68…磁石
71…第1ポケット(物品収納部)
72…第2ポケット(物品収納部)
81…ペンホルダ(物品収納部)
85…バンド(物品収納部)
91…ホワイトボード(表示部)
500…パネル体
500A…第1パネル体(パネル体)
500B…第2パネル体
500C…第3パネル体(パネル体)
505…第1仕切部(仕切部)
506…第2仕切部(仕切部)
510…仕切装置
525…短辺部
526…長辺部
S1…仕切空間(第1空間)
S2…外部空間(第2空間)
S4…第1仕切空間(第1空間)
S5…第2仕切空間(第2空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15