(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】信号の立ち上がり-立ち下がりスキューを調整する回路
(51)【国際特許分類】
H03K 5/13 20140101AFI20240530BHJP
【FI】
H03K5/13
(21)【出願番号】P 2020505178
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(86)【国際出願番号】 US2018046711
(87)【国際公開番号】W WO2019040323
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-20
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ヴァクト、 ヤン パウル アントニー
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】千葉 輝久
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-228044(JP,A)
【文献】特開平5-37306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K5/04-5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の立ち上がり-立ち下がりスキューを調整する回路であって、
第1のラッチ入力部、第2のラッチ入力部、及びラッチ出力部を含むラッチであって、前記第1のラッチ入力部は第1の入力信号の立ち上がりエッジに応答するが前記第1の入力信号の立ち下りエッジには応答せず、前記第2のラッチ入力部は第2の入力信号の立ち上がりエッジに応答するが前記第2の入力信号の立ち下りエッジには応答せず、前記第1の入力信号の立ち上がりエッジ又は前記第2の入力信号の立ち上がりエッジが前記ラッチ出力部において論理レベルを与える、ラッチと、
第1の遅延を構成するように制御可能な第1の遅延回路であって、前記第1のラッチ入力部に電気的に接続され、信号の第1のバージョンのスキューの立ち上がり部分を調整して前記第1の入力信号を生成する第1の遅延回路と、
第2の遅延を構成するように制御可能な第2の遅延回路であって、前記第2のラッチ入力部に電気的に接続され、前記信号の第2のバージョンのスキューの
立ち上がり部分を調整して前記第2の入力信号を生成する第2の遅延回路と
を含み、
前記信号の第1のバージョン及び前記信号の第2のバージョンはそれぞれ前記信号の非反転状態及び反転状態の一方及び他方を言及する、回路。
【請求項2】
前記ラッチはセット・リセット(SR)型ラッチを含む、請求項1の回路。
【請求項3】
前記ラッチは、前記ラッチの出力が、前記ラッチへの最後にアサートされた入力に追従するSR型ラッチを含む、請求項2の回路。
【請求項4】
前記第1のラッチ入力部はセット入力に対応し、
前記第2のラッチ入力部はリセット入力に対応し、
前記セット入力と前記リセット入力とが重複した場合、前記ラッチの出力は、前記ラッチへの最後にアサートされた入力に追従する、請求項2の回路。
【請求項5】
前記第1の遅延と前記第2の遅延とは独立して制御可能である、請求項1の回路。
【請求項6】
前記信号の第1のバージョンは前記信号の非反転バージョンであり、
前記信号の第2のバージョンは前記信号の反転バージョンである、請求項1の回路。
【請求項7】
前記第1の遅延回路を含む第1の回路パスと、
前記第2の遅延回路を含む第2の回路パスと
をさらに含み、
前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとは共通のノードに接続され、
前記共通のノードは前記信号を受信するように構成される、請求項1の回路。
【請求項8】
前記第1の遅延回路は第1の回路入力部を含み、
前記第2の遅延回路は第2の回路入力部を含み、
前記第2の回路パスは、前記共通のノードと前記第2の回路入力部との間に電気的に接続されたインバータ回路を含み、
前記信号の第1のバージョンは前記信号の非反転バージョンであり、
前記信号の第2のバージョンは前記信号の反転バージョンであり、
前記信号の反転バージョンは、前記信号を前記インバータ回路に通すことにより生成される、請求項7の回路。
【請求項9】
前記第1の遅延回路は第1の回路入力部を含み、
前記第2の遅延回路は第2の回路入力部を含み、
前記第1の回路入力部と前記第2の回路入力部とは、前記共通のノードに電気的に接続され、前記信号の第1のバージョンが前記信号の非反転バージョンを含み、前記信号の第2のバージョンが前記信号の反転バージョンを含むように構成される、請求項7の回路。
【請求項10】
前記第1の入力信号は第1の差動信号であり、
前記第2の入力信号は、前記第1の差動信号の極性が反転された第2の差動信号であり、
前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とは前記第1の回路パスと前記第2の回路パスとの間の電圧差に基づき、
前記第1のラッチ入力部は前記第1の差動信号を搬送する前記第1の回路パスを受容するように構成され、
前記第2のラッチ入力部は前記第2の差動信号を搬送する前記第2の回路パスを受容するように構成される、請求項9の回路。
【請求項11】
前記第1の遅延は前記第2の遅延と異なり、
前記第1の遅延は、前記信号の第1のバージョンの信号パルスの第1のエッジのタイミングを調整するために存在し、
前記第2の遅延は、前記信号の第2のバージョンの信号パルスの第2のエッジのタイミングを調整するために存在する、請求項1の回路。
【請求項12】
前記第1のエッジのタイミングの調整は、前記第1のエッジに前記第1の遅延を追加することを含み、
前記第2のエッジのタイミングの調整は、前記第2のエッジに前記第2の遅延を追加することを含む、請求項11の回路。
【請求項13】
前記ラッチは、前記ラッチ出力部における前記論理レベルが、最後にアサートされた第1の入力信号又は第2の入力信号に追従するように構成される、請求項1の回路。
【請求項14】
前記最後にアサートされた第1の入力信号又は第2の入力信号は、前記第1の入力信号の立ち上がりエッジ又は前記第2の入力信号の立ち上がりエッジを含む、請求項13の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に信号タイミングを調整するため、例えば信号のスキューを低減させるために使用可能な回路構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ある文脈において、スキューとは、ある信号の予想タイミングとその信号の実際のタイミングとの差を指す。立ち上がりエッジスキューは、信号の立ち上がりエッジの遅延から生じる信号パルスの歪みであり、立ち下がりエッジスキューは、信号の立ち下がりエッジの遅延から生じる信号パルスの歪みであり、立ち上がり/立ち下がりスキュー(RFS)は、信号の立ち上がりエッジと信号の立ち下がりエッジの両方における遅延から生じる信号パルスの歪みである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
信号の立ち上がり-立ち下がりスキューを調整するための例示的回路構成は、第1のラッチ入力、第2のラッチ入力、及びラッチ出力を含み、第1のラッチ入力と第2のラッチ入力の各々は信号のあるバージョンの立ち上がりエッジに応答してラッチ出力において所定の論理レベルを与えるラッチと、第1の遅延を構成するように制御可能な第1の遅延回路であって、第1のラッチ入力に電気的に接続され、その信号の第1のバージョンのスキューの立ち上がり部分を調整するための第1の遅延回路と、第2の遅延を構成するように制御可能な第2の遅延回路であって、第2のラッチ入力に電気的に接続され、その信号の第2のバージョンのスキューの立ち下がり部分を調整するための第2の遅延回路と、を含む。例示的回路構成は、以下のうちの1つ又は複数を単独で、又は組み合わせて含み得る。
【0004】
ラッチは、セット・リセット(SR)型ラッチを含み得る。ラッチは、ラッチの出力がラッチへの最後にアサートされた入力に追従するSR型ラッチを含み得る。第1のラッチ入力はセット入力であり得、第2のラッチ入力はリセット入力である。セット入力とリセット入力が重複した場合、ラッチの出力はラッチへの最後にアサートされた入力に追従し得る。第1の遅延と第2の遅延は、独立して構成可能であり得る。信号の第1のバージョンは信号の非反転バージョンであり得、信号の第2のバージョンは信号の反転バージョンであり得る。
【0005】
例示的回路構成は、第1の遅延回路を含む第1の回路パスと、第2の遅延回路を含む第2の回路パスと、を含み得、第1の回路パスと第2の回路パスは共通のノードに接続され、共通のノードは信号を受信するように構成される。第1の遅延回路は第1の回路入力を含み得、第2の遅延回路は第2の回路入力を含み得、第2の回路パスは共通のノードと第2の回路入力との間に電気的に接続されたインバータ回路を含む。信号の第1のバージョンは信号の非反転バージョンであり得、信号の第2のバージョンは入力信号の反転バージョンであり得、信号の反転バージョンは、信号をインバータ回路に通すことにより生成される。第1の遅延回路は第1の回路入力を含み得、第2の遅延回路は第2の回路入力を含み得、第1の回路入力と第2の回路入力は共通のノードに電気的に接続され、信号の第1のバージョンが信号の非反転バージョンを含み、信号の第2のバージョンが信号の反転バージョンを含むように構成される。第1の回路入力と第2の回路入力は各々、信号に基づく差動信号を受信するように構成され得る。
【0006】
第1の遅延は第2の遅延と異なり得、第1の遅延は、信号の第1のバージョンの信号パルスの第1のエッジのタイミングを調整するためのものであり、第2の遅延は信号の第2のバージョンの信号パルスの第2のエッジのタイミングを調整するためのものである。第1のエッジのタイミングの調整は、第1のエッジに第1の遅延を追加することを含み得、第2のエッジのタイミングの調整は、第2のエッジに第2の遅延を追加することを含み得る。ラッチは、ラッチ出力における所定の論理レベルが第1のラッチ入力又は第2のラッチ入力への最後にアサートされた入力に追従するように構成され得る。最後にアサートされた入力は、信号の立ち上がりエッジを含み得る。
【0007】
信号の立ち上がり-立ち下がりスキューを調整する例示的方法は、信号の第1のバージョンの第1の遅延を第1のスキューに基づいて制御して、第1の遅延信号を生成するステップと、信号の第2のバージョンの第2の遅延を第2のスキューに基づいて制御して、第2の遅延信号を生成するステップと、第1の遅延信号と第2の遅延信号を使って、時間的に調整された1つ又は複数の特徴を有する出力信号を生成するステップと、を含む。この例示的方法は、以下のうちの1つ又は複数を単独で、又は組み合わせて含み得る。
【0008】
1つ又は複数の特徴は、信号のパルスの立ち上がりエッジとパルスの立ち下がりエッジを含み得る。出力信号において、立ち上がりエッジは第1の遅延だけ前方に移動され得、立ち下がりエッジは第2の遅延だけ前方に移動され得る。第1のスキューは、信号の立ち上がりエッジに関連し得、第2のスキューは信号の立ち下がりエッジに関連し得、第1のスキューと第2のスキューは、信号のパルス幅に、その信号のもとになる原信号のパルス幅に関して影響を与え得る。出力信号の1つ又は複数の特徴は、出力信号の立ち上がりエッジと出力信号の立ち下がりエッジが原信号のパルス幅に対応するパルス幅を生成するように時間的に調整され得る。出力信号の立ち上がりエッジと出力信号の立ち下がりエッジは、原信号のパルス幅と等しいパルス幅を生成し得る。出力信号の立ち上がりエッジと出力信号の立ち下がりエッジは、原信号のパルス幅との差が所定の量より小さいパルス幅を生成し得る。
【0009】
例示的方法は、信号のパス上の回路構成を使って実行され得、回路構成は立ち上がり-立ち下がりスキューを調整するように構成される。第1のスキューは、信号パス上の、その回路構成の前後にある2つの参照点間で生じる立ち上がりエッジスキューを考慮し得、第2のスキューは、信号パス上の、その回路構成の前後にあるその2つの参照点間で生じる立ち下がりエッジスキューを考慮し得る。出力信号の1つ又は複数の特徴は、出力信号の立ち上がりエッジと出力信号の立ち下がりエッジが、立ち上がりエッジスキューと立ち下がりエッジスキューを補正するために調整されたパルス幅を生成するように時間的に調整され得る。
【0010】
例示的方法は、信号のパス上の回路構成を使って実行され得、回路構成は立ち上がり-立ち下がりスキューを調整するように構成される。第1のスキューは、信号パス上の、その回路構成の前後にある2つの参照点間で生じる立ち上がりエッジスキューを考慮し得、第2のスキューは、信号パス上の、その回路構成の前後にあるその2つの参照点間で生じる立ち下がりエッジスキューを考慮し得る。出力信号の1つ又は複数の特徴は、出力信号の立ち上がりエッジと出力信号の立ち下がりエッジが、立ち上がりエッジスキューと立ち下がりエッジスキューに対する調整に基づく所定の量のスキューを有するパルス幅を生成するように時間的に調整され得る。
【0011】
信号の第1のバージョンは信号の非反転バージョンであり得、信号の第2のバージョンは信号の反転バージョンであり得る。
【0012】
第1の遅延を制御するステップは、信号の第1のバージョンが通過する第1の遅延回路を構成するステップを含み得る。第2の遅延を制御するステップは、信号の第2のバージョンが通過する第2の遅延回路を構成するステップを含み得る。第1の遅延信号と第2の遅延信号を使って出力信号を生成するステップは、第1の遅延信号をラッチの第1のラッチ入力に印加するステップと、第2の遅延信号をラッチの第2のラッチ入力に印加するステップを含み得、第1のラッチ入力と第2のラッチ入力の各々は、信号の立ち上がりエッジに応答して、ラッチのラッチ出力において所定の論理レベルを与える。
【0013】
ラッチは、ラッチ出力における所定の論理レベルが、第1のラッチ入力又は第2のラッチ入力への最後にアサートされた入力に追従するように構成され得る。第1の遅延は第2の遅延とは異なり得、それは第1のスキューが第2のスキューと異なるからである。時間的に調整される1つ又は複数の特徴は、信号エッジであり得る。信号エッジは、ピコ秒で測定される精密さで調整され得る。
【0014】
本明細書において具体的に述べられない実施形態を形成するために、この概要章内を含む本明細書で述べる特徴のうちの任意の2つ以上が組み合わせられ得る。
【0015】
本明細書で述べるシステム及び技術、又はその一部は、1つ又は複数の非一時的機械可読記憶媒体上に格納される命令であって本明細書で述べる動作を制御(例えば、調整)するために1つ又は複数の処理装置上で実行可能である命令を含むコンピュータプログラム製品として実現され得る、又は上記コンピュータプログラム製品により制御され得る。本明細書で述べるシステム及び技術、又はその一部は、1つ又は複数の処理装置と、様々な動作を実施するための実行可能命令を格納するメモリとを含み得る装置、方法又は電子システムとして実現され得る。
【0016】
一つ又は複数の実施態様の詳細について、添附図面と以下の明細書において述べる。他の機能、対象及び利点は、本明細書と添付図面と特許請求の範囲から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】例えばスキューを低減させるために、信号のタイミングを調整するように構成可能な例示的回路構成の部品のブロック図である。
【
図2】
図1の回路構成の例示的入力と
図1の回路構成の例示的出力を示すタイミング図である。
【
図3】信号タイミングを調整するために
図1の回路構成により実行され得る例示的プロセスのフローチャートである。
【
図4】スキューを低減させるように制御可能な回路パスを含み得る例示的な自動試験装置(ATE)の部品のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
異なる図面内の同様な参照符号は同様な要素を示す。
【0019】
本明細書で述べるのは、信号のタイミングを調整するための回路構成の例である。例えば、回路構成は信号中の立ち上がり-立ち下がりスキュー(RFS:rise-fall skew)を補正することができ得る。提示する例はRFSの補正について述べているが、例示的回路構成は、立ち上がりエッジスキューのみ若しくは立ち下がりエッジスキューのみを補正するため、又は他の適当な種類のタイミングエラーを補正するために信号のタイミングを調整するためにも使用され得る。前述のように、RFSは、信号中の立ち上がりエッジと信号中の立ち下がりエッジの両方の遅延から生じる信号パルスの歪みである。回路構成の例は、
図1に関して説明するセット・リセット(SR)型ラッチ5などのラッチを含む。この例示的ラッチは、第1のラッチ入力、第2のラッチ入力、及びラッチ出力を含む。第1のラッチ入力と第2のラッチ入力は各々、信号の立ち上がりエッジに応答して、ラッチ出力において所定の論理レベル、例えば論理HIGH(すなわち「1」)又は論理LOW(すなわち「0」)を与える。この例では、ラッチ5は、信号の立ち下がりエッジ等の信号のその他の特徴には応答しないが、いくつかの実施形態では、異なる信号の特徴に応答する異なる種類のラッチが使用され得る。
【0020】
例示的回路構成はまた、ラッチ入力に信号を与えるための制御可能遅延回路、すなわちいくつかの実施形態では各ラッチ入力に接続される1つの遅延回路も含む。例えば、後述のように、遅延回路は共通の入力ノードに電気的に接続され、それらの出力においてそれぞれのラッチ入力に接続され得る。いくつかの実施形態では、遅延回路は、第1の遅延を構成するように制御可能な第1の遅延回路と、第2の遅延を構成するように制御可能な第2の遅延回路を含む。第2の遅延は第1の遅延とは無関係であり得、第1の遅延とは異なっていてよい。第2の遅延は第1の遅延とは無関係であり得、いくつかの実施形態では(例えば、補正すべきスキューがない場合)、第1の遅延と同じであり得る。この例では、第1の遅延回路は第1のラッチ入力に電気的に接続され、信号の第1のバージョン(例えば、信号の非反転バージョン)中の遅延を調整して、ラッチに入力される第1の遅延信号を生成するためのものである。この例では、第2の遅延回路は第2のラッチ入力に電気的に接続され、信号の第2のバージョン(例えば、信号の反転バージョン)中の遅延を調整して、ラッチに入力される第2の遅延信号を生成するためのものである。
【0021】
RFSは、いくつかの実施形態では、第1の遅延の大きさを制御することによって、及び/又は第2の遅延の大きさを制御することによって低減され得る。結果として得られる遅延信号は、ラッチを制御して、時間的に調整された1つ又は複数の特徴(例えば、エッジ)を有する出力信号を生成する。例えば、いくつかの実施形態では、信号(入力信号とも呼ばれる)には、例えばオンチップ又はオフチップバッファを含む1つ又は複数の回路素子を通過することによってRFSが生じている可能性がある。その結果、入力信号のパルス幅は所期のパルス幅とは異なり得る。本明細書で述べる回路構成を使用すれば、このスキューを少なくとも部分的に修復するために、第1の遅延又は第2の遅延の一方又は両方を制御(例えば、プログラム)し得る。例えば、第1の遅延は立ち上がりエッジの信号タイミングを変化させるために制御され得、第2の遅延は立ち下がり信号エッジタイミングを変化させるために制御され得る。一方又は両方のタイミングを変化させることにより、入力信号のパルス幅が変化されて、例えば補正されて、所期のパルス幅が生成され得る。パルス幅のこの補正は1種のRFSデスキューである。
【0022】
図1は、RFSデスキュー回路構成8の例示的実施形態を示す。回路構成8は、この例では、セット・リセット(SR)型ラッチ5を含む。いくつかの実施形態では、その他の種類のラッチ又は遅延制御回路構成が使用され得る。ラッチ5はS(セット)及びR(リセット)の入力パルスに応答して、出力Q 9で信号を与える。例えば、S入力10での論理HIGH信号の立ち上がりエッジにより、出力Q 9で論理HIGH信号への遷移が起こる。同様に、R入力11での論理HIGH信号の立ち上がりエッジにより、出力Q 9で論理LOW信号への遷移が起こる。したがって、この例では、ラッチ5はSRM型ラッチの機能を含み、「M」はメモリを指す。SRMラッチにおいて、出力Qの状態はS入力又はR入力の何れかで最後に受信した立ち上がりエッジによって決まる。実際のS及びRパルスはあらゆる適当な幅を持っている可能性があり、これらは少なくとも部分的に重複する可能性さえあり、これはSRMラッチの動作に不利な影響を与えない。そのため、ある例では、S入力で受信した立ち上がりエッジは出力Qにおいて論理HIGHを生成し、R入力で受信した立ち上がりエッジ入力は出力Qにおいて論理LOWを生成する。いくつかの実施形態では、S及びR入力における立ち上がりエッジを含まない信号の状態への変化は出力Q 9における値に影響を与えない。
【0023】
非SRMラッチの場合、重複する、例えば同時に高いS及びRの値により不定の出力結果が生成され得る。これはSRMラッチの場合には当てはまらず、その理由は、SRMラッチが、入力の論理状態そのものではなく、立ち上がりエッジに応答して出力信号の状態を変化させるからである。それゆえ、SRMラッチによってセット及びリセットを同時にHIGHにすることができ、例えばS及びRパルスは重複し得る。出力が不定であるか、デフォルト値をとるかではなく、出力は最後にアサートされた入力に追従する。すなわち、SがRの後に受信されると、ラッチはセットされ、RがSの後に受信されると、ラッチはリセットされる。
【0024】
回路構成8はまた、制御可能遅延回路14(R delay)及び15(S delay)を含む。これらの制御可能遅延回路は、何れの適当なプログラム可能な回路構成も含み得、これにはバッファ及び/又は論理回路が含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、遅延回路14及び15の各々は、同じ種類の回路を使って実装され得る。いくつかの実施形態では、遅延回路14及び15の各々は異なる種類の回路を使って実装され得る。
図1において、遅延回路14はその入力にインバータ16を有する。インバータを実装するには何れの適当な回路構成でも使用され得る。動作中、インバータ16は、入力信号(「IN」)18の反転を生成し、入力信号のその反転バージョンを遅延回路14に供給し、それによって遅延回路14が入力信号INの原(非反転)バージョンではなく、入力信号INの反転バージョンを遅延させるようにする。
【0025】
図1の例では、制御可能遅延回路14及び15の入力は、共通の回路点又はノード20に電気的に接続される。
図1の例では、制御可能遅延回路14のケースでは、インバータ16は制御可能遅延回路14の入力と共通のノード20との間にある。共通のノード20は入力信号IN 18を受け取り、これはその後、制御可能遅延回路14及び15の各々に向けられる。制御可能遅延回路15はそれゆえ、その入力信号の非反転バージョンを受信し、その入力信号の非反転バージョンを遅延させ、遅延信号をラッチ5のS入力10に出力する。制御可能遅延回路14は、その入力信号の反転バージョンを受信し(入力信号はまずインバータ16を通過しているため)、その入力信号の反転バージョンを遅延させ、遅延信号をラッチ5のR入力11に出力する。
【0026】
この例では、共通のノード20で受け取られる入力信号INには、1つ又は複数の例示的回路素子21、例えばオンチップ及びオフチップ分散/バッファリング回路構成を通ることによってスキューが生じており、それはこの例ではRFSである(ただし、スキューは立ち上がり又は立ち下がりエッジスキューのみであり得る)。すなわち、RFSは2つ、すなわち回路素子21の前の1つと回路素子21の後の1つの参照点間で発生する。何れの回路素子、遅延ライン、回路素子と遅延ラインの組合せなどもRFSを生成し得る。入力信号INはそれゆえ、その原信号(「INX」)22の歪曲バージョンであり、これは1つ又は複数の回路素子21を通り、RFSを生じ、その結果、入力信号INとなっている。例えば、INのパルス幅はINXのパルス幅とは異なり得る(INXのパルス幅は本明細書では所期のパルス幅の例として使用される)。回路構成8は、例えばINをデスキューするために、出力9の信号がINXに似たものとなるようにINのパルス幅を調整するのに使用され得る。例えば、回路構成8は、出力9における信号が、パルス幅を含めてINXと同じ形状を有するようにINのパルス幅を補正するために使用され得る。いくつかの実施形態では、回路構成8はINのスキューを何れの適当な、又は所望のスキューにプログラム又は変更し得、出力9の信号は、INXと同じ形状を有していても、そうでなくてもよい。いくつかの実施形態では、回路構成8は、出力9の信号がINXに関して所定の量より少ないスキューを有するように、INのスキューをプログラム又は変更し得る。以下の例では、出力9の信号(「OUT」)はINXと同じパルス幅、又は容認可能な所定の誤差範囲でINXと同じパルス幅を有するように生成される。いくつかの実施形態では、その誤差は1ピコ秒(ps)のオーダであり得る。いくつかの実施形態では、その誤差は1ピコ秒を超え得る。
【0027】
図2も参照すると、INX 22とIN 18は、1つ又は複数の回路素子21(これは例えば、信号バッファであり得る)により分離され、それがINXの立ち上がり及び立ち下がり信号エッジの両方の遅延の原因となる。これらの2つの遅延は等しくない場合がある。いくつかの実施形態では、例示的遅延は数ナノ秒(ns)のオーダであり得、立ち上がり及び立ち下がりエッジ遅延間の差、すなわちRFSスキューは、約100ピコ秒(ps)であり得る。その結果、
図2では、信号INX 22はパルス幅PWを有し、信号IN 18は異なるパルス幅PW’を有する。パルス幅の差は、INXが1つ又は複数の回路素子21を通ることに起因するRFSの結果である。
【0028】
回路構成8の動作中、立ち上がりエッジ遅延(制御可能遅延回路15の「S delay」)と立ち下がりエッジ遅延(制御可能遅延回路14の「R delay」)の両方が所定の値(例えば、所定の最小値)となるように制御(例えば、プログラム)されて、それらの出力においてそれぞれ信号S 24及びR 26を生成する。較正中、1つ又は複数の回路素子21の信号パスの不完全性によってINX 22の立ち上がりエッジ27又は立ち下がりエッジ28のどちらのほうがより大きく遅延されているかが特定される。
図2の例では、立ち下がりエッジ遅延tx,fallのほうが立ち上がりエッジ遅延tx,riseより大きい。したがって、この例では、回路構成8において、RFS立ち下がりエッジ遅延(「R delay」)trfd,resetは所定の最小値のままであるように制御(例えば、プログラム)され、RFS立ち上がりエッジ遅延(「S delay」)trfd,setはINからINXへとスキューを補償するための値となるように(例えば適当なステップ分解能以内で)制御(例えば、プログラム)される。例えば、trfd,setは、出力(OUT Q)9においてパルス幅PWを生成する値にプログラムされる。本明細書で述べるプログラミングは、例えば測定されたスキュー又は使用者の入力に応答して、
図4のコンピュータ等の何れの適当なコンピューティングシステム、1つ又は複数の処理装置、制御回路構成などにより実行され得る。
【0029】
この例では、SRMラッチの動作によって上記の動作が可能となる。例えば、S 25の立ち上がりエッジ29は、出力Q 9における立ち上がりエッジ30をトリガし、ラッチ5を通るためのセット遅延31を含む。R入力の立ち下がりエッジ37は、ラッチ5の動作に影響を与えず、そのため出力Q 9の信号に影響を与えない。そのため、このエッジには「考慮不要」と表示されている。同様にS 25の立ち下がりエッジ32は、ラッチ5の動作に影響を与えず、そのため出力Q 9に影響を与えない。したがって、立ち下がりエッジ32には「考慮不要」と表示されている。R 26の立ち上がりエッジ34は、出力Q 9における立ち下がりエッジ35をトリガし、ラッチ5を通るためのセット遅延36を含む。trfd,set及びtrfd,resetの値は、前述のように、INX 22のパルス幅と同じ、又はその範囲内である出力Q 9の信号(OUT)の信号のパルス幅PWを生成するように制御され得る。前述のように、trfd,set及びtrfd,resetの値は、出力Q 9において何れの適当なパルス幅を生成するようにも制御され得、INXのパルス幅の複製に限定されない。さらに、trfd,set及びtrfd,resetの値は、RFS、立ち上がりエッジスキューのみ、又は立ち下がりエッジスキューのみを補正するように制御され得る。いくつかの実施形態では、trfd,set又はtrfd,resetのうちの一方は、調整が不要であるであろう。例えば、一方の値は所定の最小値のままであり得、他方の値は調整される。いくつかの実施形態では、trfd,set及びtrfd,resetの両方が調整され得る。
【0030】
図3は、
図1の回路構成8を使って実装され得るプロセス40の例を示す。プロセス40によれば、信号の第1のバージョンの第1の遅延は第1のスキューに基づいて制御され(41)、第1の遅延信号を生成する。例えば、信号の第1のバージョンはIN 18の非反転バージョンであり得る。S delayは、最小値又は、IN 18の非反転バージョンに基づくラッチ5のS入力への遅延入力信号を生成するための他の値になるように制御され得る。信号の第2のバージョンの第2の遅延は、第2のスキューに基づいて制御され(42)、第2の遅延信号を生成する。例えば、信号の第2のバージョンは、インバータ16により生成されるIN 18の反転バージョンであり得る。R delayは、最小値又は、IN 18の反転バージョンに基づくラッチ5のR入力への遅延入力信号を生成するための他の値になるように制御され得る。第1の遅延信号と第2の遅延信号は、ラッチ5を制御して、出力Q 9において時間的に調整された1つ又は複数の特徴を有する出力信号を生成する(43)。例えば、
図2に関して示されるように、ラッチ5へのS及びR入力の立ち上がりエッジは、ラッチ5を制御して、所望のパルス幅又はその他の適当な特徴を有する出力を生成し得る。例えば、出力Q 9におけるパルス幅は、RFSが生じていないINX信号22のパルス幅と同じであり得る。いくつかの実施形態では、出力Q 9におけるパルス幅のINX信号22のパルス幅との差は所定の量より小さくてよい。これは、いくつかの実施形態で、すべてのスキューを完全に排除することは不可能であり得るが、スキューはある所定の容認可能なレベル未満まで低減され得るとの認識である。
【0031】
いくつかの実施形態では、出力9における測定装置へのストローブ遅延が、全体的な遅延を補償するために調整できる。いくつかの実施形態では、この遅延は、最小でtrfd,resetで立ち下がりエッジについて正しくなるように調整され得る。その後、trfd,setは立ち上がりエッジも較正されるまで増大され得る。
【0032】
差動回路を利用する回路パスでは、インバータ16を使用する必要がない。この種の実施形態では、反転は、単純にその回路パス内の正及び負の極性ワイヤの役割を反転させることによって実装できる。したがって、いくつかの実施形態では、(例えば、遅延素子14への入力として)回路パス内で信号を反転させることは、その回路パス内で使用される差動信号のワイヤパスを切り替えることによって実行される。差動のケースでは、
図1の信号ラインは、例えば、信号の正電圧用の1つと負電圧用の1つの2つの実際のワイヤを表すことに留意されたい(すると、信号は定義上、これら2つの電圧の差である)。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書で述べる技術とプロセスは、遅延ライン(例えば、回路パス)を含むタイミング発生器アナログ回路に関して使用され得る。現代のCMOS(相補型金属と酸化膜半導体)製造プロセスによれば、デバイスのミスマッチにより誘発される意図しないパルス幅のばらつきが生じ得るが、これは本明細書で述べる技術とプロセスを使って補正され得る。ある例では、本明細書で述べる技術とプロセスは、データ(DQ)及びストローブ(DQS)信号の両方について、長いソース同期信号パスに関連する遅延ライン上でRFSデスキューを実行するためにタイミング発生器と併用され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で述べる技術及びプロセスは比較的精密なスキュー低減を与え、例えば、RFSを例えばいくつかの実施形態では1ps又は2psまで低減し得る。しかしながら、本明細書で述べる技術とプロセスは、1ps又は2ps以外の値で適当なRFS低減を与えるために使用され得る。この点で、粗いスキュー低減技術が、本明細書で述べる、比較的精密なスキュー低減技術及びプロセスと共に実行され得る。
【0035】
図4は、本明細書で述べる技術とプロセスが実装され得る一般的なATE構成を示している。しかしながら、本明細書で述べる技術とプロセスは、
図4のそれを含め、何れの特定のATE構成にも限定されず、この技術と方法は、試験に関するもの以外の何れの適当なものに関しても使用され得ることが強調される。
【0036】
図4を参照すると、本明細書で述べるものなどのDUT58を試験するための例示的ATEシステム50はテスター(すなわち「試験装置」)52を含む。DUT58は、DIB61とインターフェースし得る。テスター52は多数のチャネルを含み得、その各々は、本明細書で述べる技術とプロセスを使って制御可能なRFSを有する回路パスであり得る。テスター52を制御するために、システム50はハードワイヤ接続56上でテスター52とインターフェースするコンピュータシステム54を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、必要に応じて、本明細書で述べる極性スイッチを制御してチャネルの1つ又は複数上でのRFS低減を実行し得る。
【0037】
例示的動作では、コンピュータシステム54は、DUT58を試験するためのルーチンの実行及び機能を開始するためにテスター52へ命令を送信する。このような実行試験ルーチンは、DUT58に対する試験信号の生成及び送信を開始し、DUTから応答を収集し得る。様々な種類のDUTがシステム50により試験され得る。いくつかの実施形態では、DUTは、集積回路(IC)チップ(例えばメモリチップ、マイクロプロセッサ、アナログディジタル変換器、D-A変換器など)又は他の装置などの、適切な半導体又は他の装置であり得る。
【0038】
試験信号を与えDUTから応答を収集するために、テスター52はDUT58の内部回路へのインターフェースへ接続される。例えば、DUTは、DUTとテスターとの電気的接続へのンターフェースを含み得るDIB61内のソケット内に挿入され得る。導体60(例えば1つ又は複数の導電性経路)がインターフェースへ接続され、試験信号(例えば、スイッチング又はDCテスト信号など)をDUT58の内部回路へ配送するために使用される。導体60はまた、テスター52により与えられる試験信号に応答して信号を感知する。例えば、電圧信号又は電流信号が、試験信号に応答してピン62において感知され、解析のために導体60上でテスター52へ送信され得る。このような単一ポート試験はまた、DUT58内に含まれる他のピンに対して行われ得る。例えば、テスター52は、試験信号を他のピンへ与える、(与えられた信号を配送する)導体上で後方へ反射された関連信号を収集し得る。反射信号を収集することにより、ピンの入力インピーダンスが他の信号ポート試験量と共に特徴付けられ得る。他の試験シナリオでは、ディジタル値をDUT58上に格納するためにディジタル信号が導体60上でピン62へ送信され得る。格納されると、DUT58は、格納されたディジタル値を導体60上で取り出しテスター52へ送信するためにアクセスされ得る。次に、取り出されたディジタル値は、適正値がDUT58上に格納されていたかどうかを判断するために識別され得る。
【0039】
単一ポート測定を行うと共に、2ポート又はマルチポート試験がまたテスター52により行われ得る。例えば、印加電圧モード中に電圧信号が導体60上でピン62内に注入され得、応答信号がDUT58の1つ又は複数の他のピンから収集され得る。この応答信号は、利得応答、位相特性及び他のスループット測定量などの量を判断するためにテスター52へ与えられ得る。その他の試験も実行され得る。テスター52は、必要な試験に基づいて、本明細書で述べるように印加電圧モード中にDUTに電流を供給し得る。
【0040】
本明細書で述べる技術とプロセスは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せにより実装され得、及び/又はこれを使って制御され得る。例えば、本明細書で述べるものと同様のシステムは、自動化された素子の動作を制御するために、システム内の様々な地点にある各種のコントローラ及び/又は処理装置を含み得る。中央コンピュータが、様々なコントローラ又は処理装置間の動作を調整し得る。中央コンピュータ、コントローラ、処理装置は、様々な自動化された素子の制御及び調整を行うために、様々なソフトウェアルーチンを実行し得る。
【0041】
本明細書で述べる技術及びプロセスは、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品(例えば、実行のために又は1つ又は複数のデータ処理装置(例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ及び/又はプログラマブルロジック部品)の動作を制御するために、1つ又は複数の非一時的機械可読媒体など1つ又は複数の情報キャリア内に明確に具現化された1つ又は複数のコンピュータプログラム)を使用することにより少なくとも部分的に制御され得る。
【0042】
コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタープリタ型言語を含み任意の様式のプログラミング言語で書かれ得、任意の様式(スタンドアロンプログラムとして又はモジュールとして、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピュータ環境の使用に好適な他のユニットを含む)で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおいて1つのコンピュータ又は複数のコンピュータ上で実行されるように配備され得る、又は複数のサイトにわたって分散されネットワークにより相互接続されるように配備され得る。
【0043】
試験のすべて又は一部を実施することに伴う行為は、本明細書で述べる機能を行うために1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能プロセッサにより行われ得る。試験のすべて又は一部は、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ:field programmable gate array)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路:application-specific integrated circuit)を使用することにより実施され得る。
【0044】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、一例として、汎用及び専用マイクロプロセッサと、任意のタイプのデジタルコンピュータからなる一つ又は複数のプロセッサとの両方を含む。通常、プロセッサは、読み取り専用記憶領域又はランダムアクセス記憶領域から又はその両方から命令とデータを受信する。コンピュータ(サーバを含む)の要素としては、命令を実行するための1つ又は複数のプロセッサと、命令とデータを格納するための一つ又は複数の記憶領域装置とが挙げられる。通常、コンピュータはまた、データを格納するための格納装置など1つ又は複数の機械可読記憶媒体(例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクなど)を含むことになる、又はそれらからデータを受信する又はそれらへデータを送信する又はその両方を行うように作動可能に結合されることになる。コンピュータプログラム命令とデータを具現化するのに好適な機械可読記憶媒体は、一例として半導体記憶領域装置、例えばEPROM、EEPROM、フラッシュ記憶領域;磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスク又は取り外し可能ディスク;光磁気ディスク;CD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むすべての様式の不揮発性記憶領域を含む。
【0045】
本明細書で使用されるような任意の「電気的接続」は、直接的物理的接続、又は介在部品を含むか若しくは含まない有線若しくは無線接続であるが、それにもかかわらず電気信号が接続部品間で流れるようにする接続を意味し得る。本明細書で述べる電気回路に関わる任意の「接続」は、別途記載のないかぎり、電気的接続であるが、用語「電気的」が「接続」を修正するために使用されるかどうかにかかわらず必ずしも直接的物理的接続ではない。
【0046】
本明細書で述べる異なる実施形態の要素は、上に具体的に記載されない他の実施形態を形成するために組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を与えることなく、本明細書で述べた構造から省かれ得る。さらに、様々な要素は、本明細書で述べた機能を行うために1つ又は複数の個々の要素に組み合わせられ得る。