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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】車両用操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240530BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G06F3/041 600
B60R16/02 630L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020562691
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2019061720
(87)【国際公開番号】W WO2019215177
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】102018110871.0
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】トラップ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュタインカンプ,ミヒャエル
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0320884(US,A1)
【文献】国際公開第2017/108896(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0277431(US,A1)
【文献】特開2017-162173(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03229117(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0037726(US,A1)
【文献】特表2004-518271(JP,A)
【文献】特開2018-036514(JP,A)
【文献】特表2016-500458(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025438(WO,A1)
【文献】特開2018-005889(JP,A)
【文献】特開2015-179779(JP,A)
【文献】特表2019-508777(JP,A)
【文献】特開2013-205917(JP,A)
【文献】特開2013-114316(JP,A)
【文献】特開2015-035132(JP,A)
【文献】特開2018-060571(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098181(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ(12)と、
前記ディスプレイ(12)に設けられ、設定可能な最小押圧で前記ディスプレイ(12)を命令の入力のため手動作動するためのタッチセンサシステム(36)と、
前記ディスプレイ(12)が保持されている保持装置(24)と、
手動作動の際に前記ディスプレイ(12)の曲げを検知するための複数の作動センサ(32)と、
前記タッチセンサシステム(36)及び前記複数の作動センサ(32)に接続され、手動作動の際に前記ディスプレイ(12)が少なくとも前記最小押圧で作用されるかを判断するため、前記タッチセンサシステム(36)及び前記複数の作動センサ(32)の信号を評価するための評価ユニット(38)と、
光射出面(44)を有するバックライトユニット(16)と
を有し、
前記保持装置(24)が、縁部を有する底面(25)と、前記底面(25)の少なくとも向かい合う縁部(26)から突出し、その間の自由空間(28)を定義する支持素子(22)と、この支持素子(22)の先端に設けられ前記自由空間(28)の反対側に延びるフランジ(34)とを有し、
前記ディスプレイ(12)が、表示ユニット(14)と、この表示ユニット(14)が固定接続され前記表示ユニット(14)よりも横方向に突出している突出領域(20)を含むカバープレート(18)とを有し、
前記カバープレート(18)は、前記突出領域(20)の少なくとも一部が前記フランジ(34)上に固定され前記底面(25)との距離を保ちながら、前記自由空間(28)を架橋し、
前記カバープレートの突出領域(20)は、手動作動の際に前記支持素子(22)と前記表示ユニット(14)との間の領域で屈曲し、
前記複数の作動センサ(32)が、前記ディスプレイ(12)と基準面との距離の変化を検知し、前記距離の変化が、設定可能な前記最小押圧での手動作動の際の前記ディスプレイの曲げにより生じ、
前記複数の作動センサ(32)は、複数の指による複数の加力を測定可能であり、
前記ディスプレイ(12)の前記表示ユニット(14)が、前記保持装置(24)の前記底面(25)に対向する背面(42)を有し、
前記バックライトユニット(16)が、前記保持装置(24)の前記底面(25)上に配置され、前記光射出面(44)が、前記表示ユニット(14)の前記背面(42)に対向し、
間隙(46)が、前記バックライトユニット(16)の前記光射出面(44)と、前記表示ユニット(14)の前記背面(42)との間に存在し、前記間隙(46)が、バックライト光が漏れるのを防ぐための弾性の封止バンド(48)により外部に対して封止され、
前記作動センサ(32)が、前記封止バンド(48)に組み込まれ、前記ディスプレイ(12)の手動作動の際の前記封止バンド(48)の圧縮を利用して、前記表示ユニット(14)の前記背面(42)と前記バックライトユニット(16)の前記光射出面(44)との間の距離の変化を検知する車両用操作装置(10)。
【請求項2】
前記作動センサ(32)が、前記カバープレート(18)及び/又は前記表示ユニット(14)の曲げを検知することを特徴とする請求項1に記載の操作装置(10)。
【請求項3】
前記作動センサ(32)が、経路センサ又は力センサである及び/又は光学式、容量式、誘導式及び/又は抵抗式センサである及び/又は微小電気機械素子又は微小光電気機械素子として構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作装置(10)。
【請求項4】
電気的又は電気機械的又は電磁的に機能するフィードバックユニットであって、前記ディスプレイ(12)の有効な手動作動の触覚フィードバックのためのフィードバックユニットを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用、例えば、空調設備、インフォテインメントシステム又はナビゲーションシステム等の車両部品用の操作装置に関し、一般的にはヒューマンマシンインターフェースに関する。
【0002】
本願出願は、2018年5月7日の独国特許出願第102018110871.0号の優先権を主張し、その内容を本願出願の対象を構成するものとして援用する。
【背景技術】
【0003】
タッチスクリーン型の入力素子でもあるディスプレイを車両に用いることが、ますます普及している。このような軽い接触で起動するタッチディスプレイは、予期せず作動してしまうことがある。これにより安全性に関わる機能が起動したり、車両機能が意図せず調整されたりすると、問題となる恐れがある。そのような場合、操作者が操作パネルの対応する領域を押す力を検知又は測定可能な追加のセンサシステムが必要になる。このようにして、単なる接触による起動が回避される。しばしば操作面は固いことが求められるため、センサシステムとして、ここでは基本的に感力抵抗、ひずみゲージ、光学式又は容量式センサが用いられる。ここで、センサは通例、操作面が部品の固い部分に対してばね素子のたわみを介して移動する経路を測定する。そのため、ディスプレイ表面は通例、筐体内で可動に保持される。
【0004】
上述の原理では、固い筐体部分に対しディスプレイを可動にする複雑な機構が必要である。また、1つ又は複数のばね素子が必要となり、システム全体の価格が高くなる。
【0005】
国際公開第2017/172461号から、ディスプレイが一定の押圧で手動作動される際、ディスプレイの局所的な変形が光電気的に検知される操作装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2017/172461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ディスプレイの手動作動の際のトリガー力を測定するための構成が簡略化されている車両用操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題の解決に寄与するのは、
ディスプレイと、
ディスプレイに設けられ、設定可能な最小押圧でディスプレイを命令の入力のため手動作動するためのタッチセンサシステムと、
ディスプレイが保持されている保持装置と、
手動作動の際にディスプレイの曲げを検知するための少なくとも1つの作動センサと、
タッチセンサシステム及び少なくとも1つの作動センサに接続され、手動作動の際にディスプレイが少なくとも最小押圧で作用されるかを判断するため、タッチセンサシステム及び少なくとも1つの作動センサの信号を評価するための評価ユニットとを有し、
保持装置が、縁部を有する底面と、底面の少なくとも向かい合う縁部から突出し、その間の自由空間を定義する支持素子とを有し、
ディスプレイが、保持装置の支持素子のみにより保持されており、保持装置の底面との距離を保ちながら、自由空間を架橋し、
少なくとも1つの作動センサ(32)が、ディスプレイ(12)と基準面との距離の変化又はディスプレイ(12)の一部と基準面との距離の変化を検知し、距離の変化が、設定可能な最小押圧での手動作動の際のディスプレイの曲げにより生じる車両用操作装置である。
【0009】
つまり、本発明により、操作装置の保持装置にディスプレイを曲げられるように配置することが提案される。つまり、ディスプレイを可逆的に曲げて保持することにより、手動作動の際、すなわち手動で押圧がディスプレイに作用すると、ディスプレイが動く。比較的強固でありつつ弾性的にディスプレイが保持される場合も、ディスプレイの操作面に押圧がかかると、「曲げ」、すなわちディスプレイ又はディスプレイの部品と基準面又は基準点との距離の局所的な変化が生じる。つまり、保持装置に弾性的に取り付けられることでディスプレイが移動する距離が長いほど、ディスプレイに作用する押圧も大きい。ディスプレイの曲げ時に最短経路が検出されれば、命令の入力のためのディスプレイの作動が有効、すなわち意図的であると判断できる。本発明のように距離の測定により押圧の大きさを求めることは、背景技術のように光電気センサシステムによりディスプレイの曲げを判定することほど複雑ではない。
【0010】
ディスプレイが、表示ユニットの他に、表示ユニットが固定接続され少なくとも支持素子の領域において表示ユニットよりも横方向に突出しているカバープレートを備え、カバープレートが、突出領域において支持素子上にあり、(例えば、接着により)固定されていると好適である。カバープレートの厚さ及び材料並びに突出領域の長さ及び幅により、ディスプレイが弾性的に保持装置に保持されている剛性を決定することができる。つまり、一般にディスプレイの表示ユニットを機械的に保護する役割をするカバープレートが、手動作動の際ディスプレイに力がかかると曲がり、上述したように、この曲げを作動センサが、例えば、曲げによりディスプレイが移動した経路として検知する。カバープレートは、少なくともディスプレイが支持素子に支持されている領域において、表示ユニットよりも横方向に突出している。支持する支持素子は、ディスプレイを四方から囲む保持装置のフレームの縁部を構成してもよい。その場合、カバープレートが、周縁全体において、保持装置もしくは支持素子上に(例えば、接着により)固定されて配置されていることになる。しかし、カバープレートが、ディスプレイの表示ユニットの特に向かい合う2つの縁のみにおいて、表示ユニットよりも突出し、保持装置に保持されていることも考えられる。
【0011】
本発明の別の有用な形態において、作動センサが、カバープレート及び/又は表示ユニットの曲げを検知してもよい。
【0012】
作動センサが、経路センサ又は力センサであると有用である。経路センサを利用することで、手動作動の際ディスプレイに作用する力を導出することができる。ディスプレイが保持装置に取り付けられている剛性、すなわちばね弾性が既知であると、ディスプレイがずらされる経路の長さから、力を導出することができる。本発明によれば、1つ又は複数のひずみゲージ又は感力抵抗を用いることも可能である。
【0013】
さらに、本発明の好適な形態において、ディスプレイが、保持装置の底面に対向する背面を有し、作動センサが、ディスプレイの背面と底面との距離を検知してもよい。
【0014】
作動センサとして、特に光学式、容量式、誘導式及び/又は抵抗式センサが好適である。好ましくは、作動センサが、微小電気機械素子又は微小光電気機械素子(MEMS、MOEMS)として構成されている。
【0015】
別の有用な形態において、ディスプレイの複数箇所で、手動作動の際の曲げの結果としてディスプレイの動きを検知する複数の作動センサが設けられていてもよい。
【0016】
また、ディスプレイが、互いに角度をつけて延伸する複数の縁部のある区切り壁を有する背面を有し、複数の作動センサが設けられており、複数の作動センサが、2つの隣接する縁部が互いに接する背面の領域において、ディスプレイの動きを検知すると有用である。
【0017】
つまり、別言すると、本発明の一態様の対象は、指圧により起動されるディスプレイアセンブリの曲げを、1点又は複数点で測定するシステムである。このために、ディスプレイアセンブリの曲げを複数箇所で測定する1つ又は複数のセンサが、例えば、部品支持体に取り付けられる。ディスプレイアセンブリの剛性から、設定可能な数のディスプレイの局所領域について(例えば、ディスプレイの操作パネルについて)、ディスプレイ表面に作用する力を導出することができるため、ディスプレイ上のほぼ任意の数の位置について、それぞれの「経路パターン」を、センサに関連づけられたディスプレイアセンブリの個々の最小移動経路から、予め決めることができる。「経路パターン」は、後のディスプレイの手動作動の際に、作動が有効な操作として検出されるように与えられなければならない。
【0018】
ここで、ディスプレイアセンブリは、実ディスプレイを保護し筐体に接続されているカバーガラスからなる。接続は通例、接着により行われる。ディスプレイが、カバーガラスの背面に光透過接着(所謂オプティカルボンディング)により取り付けられている。このディスプレイは通例、液晶層の素子及びバックライト(バックライトユニット)からなる。
【0019】
この配置においてカバーガラスに圧力がかかると、カバーガラスがわずかに変形する。この変形が、一定程度まで残りの構成要素に伝わる。これにより、筐体に対しずれが生じ、このずれをセンサにより測定できる。この変形は、カバーガラスに力が加わった場所及び当該力の強さに大きく依存する。力が加わった位置は、ディスプレイの部品である又は別体のセンサ層としてディスプレイとカバーガラスとの間に取り付けられているタッチセンサにより特定される。異なる力や位置について、ディスプレイの変形がわかると、1つ又は複数の経路測定センサにより、力を導出することができる。ディスプレイの構成要素及びカバーガラスはある程度の剛性を有するため、変形はごくわずかであり、使用者に気づかれることはない。そのため、センサは、高い感受性を有していなければならない。力センサの数に応じて、複数の指による複数の加力を測定することもできる。
【0020】
本発明の別の態様において、ディスプレイのバックライトユニットが、動かないように固定されて保持装置内に配置されているとする。これは、弾性的に取り付けられる部分の質量が少なくなり、実質的にディスプレイ自体、つまり表示装置、タッチパネル及びカバーガラスの質量からなるという利点がある。
【0021】
バックライトユニット(バックライトともいう)は、上述の本発明の第1の態様で一般的な場合として挙げたように、オプティカルボンディングによりディスプレイに取り付けられていてもよい。しかし、オプティカルボンディングではなく、バックライトユニットは一般的に、弾性の周縁封止バンドによりディスプレイもしくはディスプレイの背面に接続されている。この周縁封止バンドにより、バックライト光が漏れるのを防ぐため、バックライトユニットの光射出面とディスプレイの背面との間の間隙が、外部に対して封止される。
【0022】
ここで、バックライトユニットが、保持装置内に固定されて配置されていると、ディスプレイの手動作動の場合と同様に、ディスプレイに機械的圧力がかかったときに、弾性の封止バンドにより、ディスプレイがさらに曲がることが可能になる。このとき、第1の態様で述べたように、作動センサは、基準面となる保持装置の底面に対するディスプレイのずれもしくは曲げをさらに検知することができる。しかし、作動センサが、ディスプレイとバックライトユニットとの間の距離の変化を検知することも可能である。この場合、作動センサを封止バンドの組み込み部品とし、封止バンドの延長上の複数箇所で検知される封止バンドの圧縮を利用して、ディスプレイが曲がっていると結論づけることが可能である。ここでも、ディスプレイの作動の際に封止バンドが受ける圧縮パターンが、ディスプレイ表面上のどこに、どのような力がかかったかについての情報となる。
【0023】
本発明の2つの態様の別の好適な形態において、操作装置が触覚フィードバックを備えていてもよい。これにより、操作パネルの有効な操作が検出されたことを使用者に知らせるときの操作性が向上する。これは、好適には、特に触覚フィードバックにより行われる。このような触覚フィードバックは、例えば、機械的、電気機械的又は電気的に実現できる。本発明によれば、ディスプレイが、保持装置に弾性的に接続されている。したがって、機械的な触覚フィードバックは、ディスプレイをアクチュエータにより弾性取り付けの方向に機械的に励起することにより実現できる。これは、例えば、ディスプレイをアクチュエータによりパルス的に保持装置の底面の方向及び/又は逆方向に動かすことにより行うことができる。また、ディスプレイもしくはディスプレイのカバーガラスに、屈曲波を与えることにより触覚フィードバックを実現することもできる。さらに、触覚フィードバックは、局所的に生成された電界により純粋に電気的に機能するものとして実現することもできる。
【0024】
最も一般的な形態において、本発明は、
ディスプレイと、
ディスプレイに設けられ、設定可能な最小押圧でディスプレイを命令の入力のため手動作動するためのタッチセンサシステムと、
ディスプレイが保持されている保持装置と、
手動作動の際にディスプレイの曲げを検知するための少なくとも1つの作動センサと、
タッチセンサシステム及び少なくとも1つの作動センサに接続され、手動作動の際にディスプレイが少なくとも最小押圧で作用されるかを判断するため、タッチセンサシステム及び少なくとも1つの作動センサの信号を評価するための評価ユニットとを有し、
保持装置が、縁部を有する底面と、底面の少なくとも向かい合う縁部から突出し、その間の自由空間を定義する支持素子とを有し、
ディスプレイが、保持装置の支持素子のみにより保持されており、保持装置の底面との距離を保ちながら、自由空間を架橋する車両用操作装置に関する。
【0025】
本発明の個々の形態は、1つ又は複数の特徴を、単独もしくは以下に示すグループとして構成されるように、互いに適宜組み合わせて有する。
【0026】
1.ディスプレイ操作ユニットに対するトリガー力の算出用の力測定装置を実現するための装置であって、ディスプレイユニットが筐体に強固に接続されており、少なくとも1つのセンサを有する部品アセンブリが、筐体内に設置されており、センサが、ディスプレイアセンブリに力が加わったときに、筐体に対するディスプレイアセンブリの曲げを測定できる装置。
【0027】
2.センサが、光学式経路測定センサとして構成されている項目1に記載の装置。
【0028】
3.センサが、容量式経路センサとして構成される項目1又は項目2に記載の装置。
【0029】
4.センサが、誘導式経路測定センサとして構成されている項目1から項目3のいずれか1項に記載の装置。
【0030】
5.センサが、電子部品の形の所謂MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)として構成されている項目1から項目4のいずれか1項に記載の装置。
【0031】
6.センサがディスプレイの角の近傍(例えば、バックライトの角の近傍)に配置されている項目1から項目5のいずれか1項に記載の装置。
【0032】
以下、図面を用いて、本発明の2つの実施の形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】静止位置にある第1の実施の形態に係る操作装置のディスプレイを示す図。図中、本発明に従ってディスプレイが弾性的に保持されている。
図2】ディスプレイの作動時の曲がった状態の図1のディスプレイを示す図。図中、本発明の機能原理を明瞭にするため、曲がり具合を誇張して示す。
図3】静止位置にある第2の実施の形態に係る操作装置のディスプレイを示す図。図中、本発明に従ってディスプレイが弾性的に保持されている。
図4】ディスプレイの作動時の曲がった状態の図3のディスプレイを示す図。図中、本発明の機能原理を明瞭にするため、曲がり具合を誇張して示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、(例えば、中央制御盤内又は計器盤内に配置されている中央入力装置として使用される)車両用操作装置10の第1の実施の形態を模式的に示す。操作装置10は、ディスプレイ12を有し、ディスプレイ12は、例えば、LCD技術で構成された表示ユニット14と、バックライトユニット16とを有する。ディスプレイ12はさらに、図1に示すように、少なくとも2つの向かい合う縁又は端部で表示ユニット14よりも突出するカバープレート18を備える。この突出領域20において、カバープレート18が、本実施の形態において底面25である底壁を備える保持装置24の支持素子22上にあり、支持素子22が、少なくとも2つの向い合う縁部26で底壁から立ち上がっている。
【0035】
つまり、上述の構成により、ディスプレイが、保持装置24の支持素子22により定義された自由空間28に架かっている。
【0036】
保持装置24は、必ずしも連続的な底壁を必要とせず、底面25が開口として、すなわち保持装置24の開かれた底面として構成されていてもよい。
【0037】
いずれの場合も、ディスプレイ12の下方、例えば、回路基板等の支持板30上に、経路センサシステムもしくは力センサシステムが、好ましくは複数の作動センサ32として設けられている。作動センサ32は、特に光学式、容量式、誘導式及び/又は抵抗式センサである。
【0038】
カバープレート18は、例えば、支持素子22のフランジ34に(接着等により)固定されている。表示ユニット14は、適宜、透明の接着剤(所謂オプティカルボンディング)により、カバープレート18の下面に強固に接続されている。ディスプレイ12は、さらにタッチセンサシステム36(例えば、タッチパネル)を有する。
【0039】
ここで、図2に示唆されるように、カバープレート18に圧力がかかると、ディスプレイ12の手動作動の場合と同様に、カバープレート18の突出領域20が、支持素子22と表示ユニット14との間の領域で曲がる。その結果、ディスプレイ12が、保持装置24の底面25の方向に動くことで、ディスプレイ12の手動作動が、距離の変化(すなわち、ここでは距離の減少)によって検出される。この距離の変化は、手動で加えられる押圧及びカバープレート18上、すなわちディスプレイ12上の押圧がかかる場所によって、複数の作動センサ32により検知される複数箇所で異なる。
【0040】
タッチセンサシステム36及び作動センサ32は、データを評価ユニット38に供給する。評価ユニット38では、タッチセンサシステム36により特定された作動箇所(図2の40参照)において、ディスプレイ12の有効な作動、すなわち意図的な作動に必要な力が手動でディスプレイ12にかかったかを評価できる。そして、作動センサ32が、各々に関連づけられたディスプレイ12の「測定点」における対応する動きを検出すると、当該力に達したとされる。
【0041】
上述の実施の形態において、バックライトユニット16が、表示ユニット14の下、すなわち、ディスプレイ12の背面42に「ぶら下がっている」。バックライトユニット16は、背面42に対向する光射出面44を有する。光射出面44と背面42との間には、通例、弾性の封止バンド48により外部に対して光学的に封止されている間隙46が存在する。これにより、バックライトユニット16のバックライト光が、間隙46から横方向に漏れない。
【0042】
バックライトユニット16が保持装置24に支持されずにディスプレイ12の下にぶら下がっていると、このように封止バンド48を介してディスプレイ12に弾性的に取り付けられているバックライトユニット16が、外から作用する振動に起因して、意図せず動く恐れがある。
【0043】
よって、図3及び図4に示す第2の実施の形態において、操作装置10’は、バックライトユニット16の配置及び保持について変更されている。操作装置10’の構成要素が、図1及び図2の操作装置10の構成要素と、構造的もしくは機能的に同じ場合は、図3及び図4において、操作装置10の場合と同じ符号を付する。
【0044】
図3及び図4の操作装置10’の実施の形態において、バックライトユニット16は、保持装置24の底面25に保持されており、実質的に動かないようになっている。ここで、例えば、箇所40においてディスプレイ12に力がかかると、封止バンド48が圧縮され、ディスプレイ12がずれる。さらに、この保持装置24の底面25に対するずれを、作動センサ32により度量衡学的に検知することが可能である。しかし、同様に、バックライトユニット16の光射出面44に対するディスプレイ12のずれもしくは不整合を検知することも可能である。そして、作動センサ32は、ディスプレイ12の背面42とバックライトユニット16の光射出面44との間の間隙46に配置されており、2つの面の距離の変化を測定する。あるいは、作動センサシステムを、封止バンド48に組み込むことも可能である。これは、例えば、封止バンド48の圧縮(局所的な場合もある)の抵抗検知により実現できる。しかし、封止バンド48が、複数の測定点を備えていてもよい。ここで、抵抗式センサの代わりに、容量式センサ(この場合、封止バンド48が、例えば、圧縮の際に変化する誘導体として機能する)又は誘導式センサを用いてもよい。
【0045】
本発明の概念は、複雑なばね機構なしで機能する。カバープレート18によりディスプレイ12を「ぶら下げる」という単純な方法のみで、弾性的かつ強固に取り付けることができる。カバープレート18は、保持装置24の自由空間28に架かり、ディスプレイ12に力がかかったとき、横方向に表示ユニット14よりも突出する突出領域において曲がる。この曲げが検出され、働いた力をそこから導出することができる。最小押圧に達する、もしくは超えた場合、ディスプレイの意図的な作動が得られる。
【符号の説明】
【0046】
10 操作装置
12 ディスプレイ
14 ディスプレイの表示ユニット
16 バックライトユニット
18 ディスプレイのカバープレート
20 カバープレートの突出領域
22 保持装置の支持素子
24 保持装置
25 保持装置の底面
26 底面の縁部
28 保持装置内の自由空間
30 支持板
32 作動センサ
34 支持素子のフランジ
36 ディスプレイのタッチセンサシステム
38 評価ユニット
40 ディスプレイ上の圧力がかかる箇所
42 ディスプレイの背面
44 バックライトユニットの光射出面
46 ディスプレイとバックライトユニットとの間の間隙
48 封止バンド

図1
図2
図3
図4