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特許7496327機器管理サービスの提供方法、機器管理サービスを提供するプログラム、または、機器管理サービスの提供方法。
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  • 特許-機器管理サービスの提供方法、機器管理サービスを提供するプログラム、または、機器管理サービスの提供方法。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】機器管理サービスの提供方法、機器管理サービスを提供するプログラム、または、機器管理サービスの提供方法。
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240530BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20240530BHJP
【FI】
H04Q9/00 301C
F24F11/54
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021027708
(22)【出願日】2021-02-24
(62)【分割の表示】P 2019048833の分割
【原出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2021081183
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】北村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】喜多 健次
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-515317(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0013975(US,A1)
【文献】国際公開第2019/013316(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00- 9/16
F24F11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置される機器(21)と、
前記機器に接続される制御端末(30)と、
前記制御端末とネットワークを介して接続される管理装置(10)と、
ユーザが、前記制御端末または前記管理装置で共通に実行可能な制御指令を、前記制御端末または前記管理装置で共通に実行可能なスクリプト言語で記述し入力する、ユーザ端末(41a、41b、42)と、
を備えた機器管理システム(1)であって、
前記機器は、空気調和装置であり、
(a)前記制御端末および前記管理装置は、前記ユーザ端末で作成された制御指令を取得し、
(b)前記制御端末および前記管理装置は、前記(a)で取得された前記制御指令に基づいて、前記機器の制御を実行する、
機器管理システム。
【請求項2】
(c)前記制御端末および前記管理装置は、前記(a)で取得された前記制御指令を登録する、
請求項1に記載の機器管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
(d)前記(a)において取得された前記制御指令を、前記管理装置において実行するか、前記制御端末に実行させるか、を決定し、
(b1)前記(d)において、前記管理装置において前記制御指令を実行すると決定した場合は、前記管理装置において実行し、
(e)前記(d)において、前記制御端末において前記制御指令を実行させると決定した場合は、前記制御端末に、前記制御指令を送信し、
(b2)前記制御端末は、前記(e)で、前記管理装置より送信された、前記制御指令を実行する、
請求項2に記載の機器管理システム。
【請求項4】
前記機器管理システムは、
建物に設置される複数の機器と、
前記機器に接続される複数の制御端末と
を備え、
(d1)前記(d)において、前記管理装置は、前記制御指令が対象とする前記機器が単独の前記制御端末に属すると、判断するときは、前記制御端末に実行させると決定し、前記制御指令が対象とする前記機器が複数の前記制御端末に属すると、判断するときは、前記管理装置にて実行すると決定する、
請求項3に記載の機器管理システム。
【請求項5】
前記(b2)において、前記制御端末が、前記制御指令に基づいて、前記機器の制御を実行中に、前記制御の実行時間が所定時間よりも長いときは、
前記制御端末は、前記制御指令に基づく前記機器の制御の実行を停止し、
前記管理装置は、前記制御指令に基づく前記機器の制御を実行する、
請求項3または4に記載の機器管理システム。
【請求項6】
(d2)前記(d1)において、
前記管理装置は、前記制御指令が対象とする前記機器が単独の前記制御端末に属すると、判断するときであっても、
前記制御端末における前記制御指令に基づく制御の実行が所定の時間より長くなると予測するときは、前記制御指令に基づく制御を前記管理装置にて実行すると決定する、
請求項4に記載の機器管理システム。
【請求項7】
(g)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記機器のデータまたは前記機器に関連するデータを機器データとして取得し、
(h)前記機器データを取得した前記制御端末または/および前記管理装置は、前記機器データに基づいて、イベントが発生しているか否かを判断し、
(b3)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記(h)でイベントが発生していると判断した場合は、前記制御指令を実行する、
請求項2に記載の機器管理システム。
【請求項8】
(g)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記機器のデータまたは前記機器に関連するデータを機器データとして取得し、
(h)前記機器データを取得した前記制御端末または/および前記管理装置は、前記機器データに基づいて、イベントが発生しているか否かを判断し、
(d3)前記機器データを取得した前記制御端末または/および前記管理装置は、前記イベントが発生しているときに、前記制御指令を前記制御端末または前記管理装置のいずれで実行するかを決定し、
(b4)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記(d3)で実行すると決定された前記制御指令を実行する、
請求項7に記載の機器管理システム。
【請求項9】
(h2)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記(h)でのイベントの判断に続いて、前記制御端末または/および前記管理装置は、登録された前記制御指令もしくはシステムが定義したプログラムによって二次的イベントを発生させているか否かを判断し、
(b5)前記制御端末または/および前記管理装置は、前記(h2)で二次的イベントが発生していると判断した場合は、前記制御指令を実行する、
請求項7または8に記載の機器管理システム。
【請求項10】
(j)前記(h)において、前記制御端末において判定されたイベント、または、前記(h2)において、前記制御端末において、発生させた前記二次的イベントは、前記管理装置に送信し、
(h3)前記管理装置は、前記(j)において、前記制御端末より送信された前記イベントまたは前記二次的イベントに基づいて、登録された前記制御指令を前記管理装置で実行させるか否かを決定し、
(b6)前記管理装置は、前記(h3)で実行すると決定された前記制御指令を実行する、
請求項7~9のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項11】
前記管理装置は、データベースを有し、
(k)前記管理装置は、前記(b3)~(b6)で実行された前記制御指令に係わる前記イベントまたは前記二次的イベントを、前記データベースに記憶する、
請求項7~10のいずれか1項に記載の機器管理システム。
【請求項12】
建物に設置される機器のユーザへの機器管理サービスの提供方法であって、
前記機器と、前記機器に接続される制御端末と、前記制御端末とネットワークを介して接続される管理装置と、ユーザが、前記制御端末または前記管理装置で共通に実行可能な制御指令を、前記制御端末または前記管理装置で共通に実行可能なスクリプト言語で記述し入力する、ユーザ端末と、を備えた機器管理システムを用い、
前記機器は、空気調和装置であり、
(a)前記制御端末および前記管理装置は、前記ユーザ端末で入力された制御指令を取得し、
(b)前記制御端末および前記管理装置は、前記制御指令に基づいて、前記機器の制御を実行する、
機器管理サービスの提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建物内に設置される機器を、ネットワークを利用して管理する機器管理サービスの提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に設置された空気調和装置の空調機情報を、ネットワークを介して、管理するシステムが提案されている(たとえば、特許文献1(特許6160789号公報))。特許文献1においては、空気調和装置は、情報仲介機器に接続され、情報仲介機器は、ネットワークを介して、情報管理装置に接続され、情報管理装置は、空調機情報の管理を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネットワークを介して接続された管理装置は、他の建物に設置された機器や、他のユーザの機器の管理実績を活用でき、他の建物に配置された機器と一括して管理できるなど、多くのメリットがある。しかし、常に、ネットワークを介して管理装置から機器を制御すると、非効率な場合がある。極端な場合は、ネットワークが切断された場合で、この場合、機器制御ができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の機器管理システムは、機器と、制御端末と、管理装置とを有する。機器は、建物内に配置される。制御端末は、機器に接続される。「機器に接続される」には、機器に内蔵されて接続されている場合を含む。管理装置は、制御端末とネットワークを介して接続される。(a)制御端末および管理装置は、ユーザが作成する制御指令を取得する。制御端末および管理装置は、(a)で取得された制御指令に基づいて、機器の制御を実行する。
【0005】
第1観点の機器管理システムにおいては、制御端末および管理装置は、ともに制御指令を取得し、実行するので、ユーザは、制御端末と管理装置と両方で、制御指令を実行させることができる。
【0006】
第2観点の機器管理システムは、第1観点のシステムであって、(c)前記制御端末および前記管理装置は、(a)で取得された前記制御指令を登録する。
【0007】
第3観点の機器管理システムは、第1観点又は第2観点のシステムであって、管理装置は、(d)(a)において取得された制御指令を、管理装置において実行するか、制御端末に実行させるか、を決定する。(b1)(d)において、管理装置において制御指令を実行する場合すると決定した場合は、管理装置において実行する。(e)(d)において、制御端末において制御指令を実行させると決定した場合は、制御端末に、制御指令を送信する。(b2)制御端末は、(e)で、管理装置より送信された制御指令を実行する。
【0008】
第3観点の機器管理システムは、制御指令を管理装置と制御端末とで振り分けて実行するので、効率よく制御指令を実行することができる。
【0009】
第4観点の機器管理システムは、第3観点のシステムであって、複数の機器と、複数の制御端末とを備えている。複数の機器は、建物に設置される。複数の制御端末は、機器に接続されている。(d1)(d)において、管理装置は、制御指令が対象とする機器が単独の制御端末に属すると、判断するときは、制御端末に実行させると決定し、制御指令が対象とする機器が複数の制御端末に属すると判断するときは、管理装置にて実行すると決定する。
【0010】
第4観点の機器管理システムは、単独の制御端末に関する制御指令は、その制御端末に実行させ、複数の制御端末に関する制御指令は管理装置で実行するため、制御指令を円滑に実行することができる。
【0011】
第5観点の機器管理システムは、第3観点または第4観点のシステムであって、制御端末が、制御指令に基づいて、機器の制御を実行中に、制御の実行時間が所定時間よりも長いときは、制御端末は、制御指令に基づく機器の制御の実行を停止する。そして、管理装置は、制御指令に基づく機器の制御を実行する。
【0012】
第5観点の機器管理システムは、制御端末での制御指令の実行に時間がかかりすぎているときに、管理装置で制御指令を実行するので、制御指令を実行する時間を短縮できる。
【0013】
第6観点の機器管理システムは、第4観点のシステムであって、(d2)管理装置は、(d1)において、管理装置は、制御指令が対象とする機器が単独の制御端末に属すると判断するときであっても、制御端末における制御指令に基づく制御の実行が所定の時間より長くなると予測するときは、制御指令に基づく制御を管理装置にて実行すると決定する。
【0014】
第6観点の機器管理システムは、単独の制御端末に属する制御指令であっても、管理装置で実行することで、制御指令の実行に時間がかかりすぎるのを防止する。
【0015】
第7観点の機器管理システムは、第2観点のシステムであって、(g)制御端末または/および管理装置は、機器のデータまたは機器に関連するデータを機器データとして取得する。(h)機器データを取得した制御端末または/および管理装置は、機器データに基づいて、イベントが発生しているか否かを判断する。(b3)制御端末または/および管理装置は、(h)でイベントが発生していると判断した場合は、制御指令を実行する。
【0016】
第7観点の機器管理システムは、機器データの取得に伴って発生するイベントによって、制御指令を実行することができる。
【0017】
第8観点の機器管理システムは、第7観点のシステムであって、(g)制御端末または/および管理装置は、機器のデータまたは機器に関連するデータを機器データとして取得する。(h)機器データを取得した制御端末または/および管理装置は、機器データに基づいて、イベントが発生しているか否かを判断する。(d3)機器データを取得した制御端末または/および管理装置は、イベントが発生しているときに、制御指令を制御端末または管理装置のいずれで実行するかを決定する。(b4)制御端末または/および管理装置は、(d3)で実行すると決定された制御指令を実行する。
【0018】
第8観点の機器管理システムは、イベントが発生しているときに、制御指令を管理装置と制御端末とで振り分けて実行するので、効率よく制御指令を実行することができる。
【0019】
第9観点の機器管理システムは、第7観点または第8観点のシステムであって、(h2)制御端末または/および前記管理装置は、(h)でのイベントの判断に続いて、登録された制御指令もしくはシステムが定義したプログラムによって二次的イベントを発生させているか否かを判断する。(b5)制御端末または/および管理装置は、(h2)で二次的イベントが発生していると判断した場合は、制御指令を実行する。
【0020】
第9観点の機器管理システムは、二次的イベントの発生によって制御指令を実行することができる。
【0021】
第10観点の機器管理システムは、第7観点~第9観点のいずれかのシステムであって、(j)()において、制御端末において判定されたイベント、または、(h2)において、制御端末において、発生させた二次的イベントは、管理装置に送信する。(h3)管理装置は、(j)において、制御端末より送信されたイベントまたは二次的イベントに基づいて、登録された制御指令を管理装置で実行させるか否かを決定する。(b6)管理装置は、(h3)で実行すると決定された制御指令を実行する。
【0022】
第10観点の機器管理システムは、制御端末で発生したイベントまたは二次的イベントの発生によって管理装置で制御指令を実行することができる。
【0023】
第11観点の機器管理システムは、第7観点~第10観点のいずれかのシステムであって、管理装置は、データベースを有する。(k)管理装置は、(b3)~(b6)で実行された制御指令に係わるイベントまたは二次的イベントを、データベースに記憶する。
【0024】
第11観点の機器管理システムは、イベントまたは二次的イベントの履歴をデータベースに蓄積するので、データベースを利用して二次的イベントを発生させるなどの制御を行うことができる。
【0025】
第12観点の機器管理システムは、第1観点~第11観点のいずれかのシステムであって、制御指令は、管理装置でも、制御端末でも同一の形式のものを実行可能である。
【0026】
第12観点の機器管理システムは、管理装置でも、制御端末でも同一の形式の制御指令を実行可能であるので、ユーザは、同一の形式で入力すれば足りる。
【0027】
第13観点の機器管理サービスの提供方法は、機器管理システムを用いる。機器管理システムは、機器と、制御端末と、管理装置とを備える。制御端末は機器に接続される。管理装置は、制御端末とネットワークを介して接続される。(a)制御端末および管理装置は、ユーザが作成する制御指令を取得する。(b)制御端末および管理装置は、制御指令に基づいて、機器の制御を実行する。
【0028】
第14観点の機器管理サービスの提供方法は、第13観点のシステムであって、制御指令は、管理装置でも、制御端末でも同一の形式のものを実行可能である。
【0029】
第14観点の機器管理システムは、管理装置でも、制御端末でも同一の形式の制御指令を実行可能であるので、ユーザは、同一の形式で入力すれば足りる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】機器管理システム1の全体構成を示す図である。
図2】機器管理システム1が制御指令を実行するフローチャートである。
図3】機器管理装置が、イベントが発生した場合に自動制御をどう実行するかを説明するフローチャートである。
図4】機器管理装置が、二次的イベントが発生した場合に自動制御をどう実行するかを説明するフローチャートである。
図5】制御端末が制御指令の実行に所定時間以上要した場合の処理を説明するフローチャートである。
図6】システム1が第1実行モードで処理を実行に所定時間以上要した場合の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
(1)全体構成
本実施形態の機器管理システム1は、図1に示すように、機器21と、制御端末30と、管理装置10と、ユーザ端末41と、を有している。機器21は、建物20に設置されている。機器21の例としては、空気調和装置である。制御端末30は、機器21に接続されている。制御端末30は、機器21の1つに内蔵されていても良い。管理装置10は、ネットワーク15を介して、制御端末30、および、ユーザ端末41に接続されている。管理装置10は、ネットワークを介して機器21を制御できる。ユーザ端末41は、ユーザと、システム1のインターフェースである。ユーザ端末41は、ネットワーク15を介して、管理装置10に接続されている。
【0032】
本実施形態の機器管理サービスは、機器管理システム1を用いて、機器21の管理サービスを提供する。
【0033】
(2)機器管理システム1の各構成要素の説明
(2-1)機器21
機器21は、建物に設置される機器である。建物とは、建物内に限らず、建物の屋上、建物の周囲なども含まれる。建物は、商業ビル、居住用アパート、マンション、公共建物、戸建て住宅など、特に限定されない。
【0034】
機器21の例としては、空気調和装置、照明機器、換気扇などである。空気調和装置としては、室外機と、室外機と接続された複数の室内機を一つの機器として扱っても良いし、室外機と、各室内機を個別の機器と見なしてもよい。
【0035】
本実施形態における機器21は、空調室外機21aと、複数の空調室内機21b、21cである。空調室外機21aは、複数の空調室内機21b、21cと、冷媒配管で接続されている。建物20には、複数の部屋がある(図示せず)。各部屋には、通常、1台以上の空調室内機21b、21cが配置されている。
【0036】
機器21に関連して、各種の機器関連情報、言い換えると機器データが存在する。機器データは、各機器21が収集するものと、それ以外のセンサ22a、22bが収集するものとがある。各機器21が収集するものには、運転のオンオフ、圧縮機の回転数、熱交換器の温度、消費電力などが含まれる。センサとは、たとえば、室内温度センサ22a、室外温度センサ22bなどである。室内温度センサ22aは、空調室内機21bの配置された室内の温度を測定する。室外温度センサ22bは、建物20の外、かつ、周辺で、室外の気温を測定する。機器関連情報のうち、機器21以外のセンサ22a、22bが収集するデータとしては、室内温度、室外温度、などがある。
【0037】
機器データは、各機器21、または、センサ22a、センサ22bから、制御端末30に送られる。制御端末30は、ネットワーク15を介して、機器データを管理装置10に送信する。
【0038】
(2-2)制御端末30
制御端末30は、機器21に内蔵又は、機器21の外部に配置されている。制御端末30は、機器21および機器データを収集するセンサ22に接続されている。
【0039】
本実施形態においては、制御端末30は、空気調和装置の室外機21aに内蔵されている。室外機21a、室内機21b、21c、センサ22a、22bは、制御端末30に、有線、または、無線で、接続されている。この接続によって、機器データは、機器21または、センサ22a、22bより、制御端末に送られる。
【0040】
制御端末は、後述するように、制御指令をアプリケーション上で実行する。
【0041】
(2-3)ユーザ端末41
ユーザ端末41は、制御部413と、出力部と、入力部412と、を有している。
【0042】
ユーザ端末41は、ユーザインターフェースの役割を含んでいる。出力部は、表示部411であってもよい。表示部411は、ユーザに視認可能に情報を表示する。入力部412は、ユーザの操作により、情報を入力することができる。入力部412は、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、である。制御部413は、プロセッサと、メモリとを含んでいる。制御部413は、表示部411と、入力部412とを制御する。
【0043】
ユーザ端末41は、ネットワーク15を介して、管理装置10に接続されている。ユーザ端末41は、管理装置10と、情報を交換する。
【0044】
ユーザ端末41は、機器21の配置されている建物20の中であっても良いし、外でも良い。本実施形態においては、ユーザ端末41のユーザは、建物20の機器21の管理者である。ユーザは、ユーザ端末41を介して、機器21の管理の要望を、管理装置10に伝える。また、管理装置10は、必要に応じて、管理サービスに関する情報を、ユーザ端末41を利用して、ユーザに伝達する。
【0045】
本実施形態においては、制御指令は、スクリプト言語で記述された制御プログラムである。制御指令は、ユーザによって、ユーザ端末で作成される。あるいは、入力される。制御指令は、管理装置に送られて、実行される。
【0046】
(2-4)管理装置10
管理装置10は、サーバー11と、データベース12と、を有している。管理装置は、仮想化されたものであっても良い。サーバー11は、プロセッサとメモリを有している。サーバー11は、機器21を制御するアプリケーションを実行することができる。データベース12は、メモリを有している。データベース12は、機器データ、アプリケーション、後述するイベント等を蓄積し、取り出すことができる。
【0047】
管理装置10は、本開示の管理サービスの提供者とは別の、クラウドサービス提供事業者によって、提供されたものであっても良い。クラウドサービス提供事業者が提供するものは、インフラストラクチャーだけであってもよい。インフラストラクチャーは、ハードウエアを含む。クラウドサービス提供事業者が提供するものは、インフラストラクチャーに加えて、プラットフォームであってもよい。プラットフォームは、オペレーティングシステムを含む。
【0048】
管理装置10は、ネットワーク15を介して、制御端末30およびユーザ端末41に接続されている。管理装置10と制御端末30、ユーザ端末41を接続する回線は、専用回線であってもよいし、公衆回線であっても良い。専用回線は、仮想専用回線(VPN)であってもよい。回線は、クラウドサービス事業者によって提供されたものであっても良い。
【0049】
管理装置10のサーバー11は、制御端末30より、機器データを取得する。サーバー11は、取得した機器データや制御指令を、データベース12に送る。データベース12は、機器関連情報を蓄積する。管理装置は、データベースに蓄積された機器関連情報を呼び出して、機器の管理サービスを決定して、実行する。
【0050】
サーバー11は、ユーザ端末41より、制御指令を取得する。サーバー11は制御指令をアプリケーション上で実行することにより、ひとつ、または複数の制御端末に属する機器の制御を行うことができる。
【0051】
(3)機器管理システム1による機器制御
(3-1)制御指令が登録された場合
次に制御指令が登録された場合の機器管理システムによる機器制御について、図2を用いて、説明する。
【0052】
ユーザは、ユーザ端末41において、制御指令(スクリプト言語で記述された制御プログラム)を作成する(S101)。本実施形態においては、ユーザ端末は、単にブラウザとして機能しており、スクリプト登録のためのアプリケーションは、管理装置において実行されている。入力された制御指令は、管理装置10に、登録される(S102)。
【0053】
次に、管理装置10は、制御指令を管理装置10で実行するか、制御端末で実行するかを判断する(S103)。本実施形態では、複数の制御端末30にまたがって、制御指令を実行する場合には、管理装置で実行され、単一の制御端末で実行する場合は、制御端末で実行すると判断する。複数の制御端末30にまたがって、制御指令を実行する場合とは、たとえば、次のような場合がある。複数のコンビニ店舗を有するオーナーが、全体の電力消費量を一定以下に抑制したいと考えた場合である。
【0054】
ステップS103のほかの判断する場合としては、制御端末における制御指令に基づく制御の実行が所定の時間より長くなると予測する場合である。
【0055】
ステップS103で、管理装置10が管理装置10で実行すると判断した場合は、管理装置10は、制御指令を実行する(S104)。なお、本明細書において、制御指令を実行するとは、制御指令に基づいて、機器の制御を実行する、と同等である。
【0056】
一方、ステップS103で、管理装置10が、制御指令を、制御端末で実行すると判断した場合には、管理装置は、制御指令を制御端末に送信する(S111)。制御端末は、制御指令を登録し、制御指令を実行する(S112)。
【0057】
(3-2)イベントが発生する場合
次に、イベントが発生した場合の機器制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0058】
まず、制御端末30は、各機器21や機器周辺のセンサ22a、22bから、機器データを取得する(S201)。なお、本明細書における機器データとは、必ずしも機器21やセンサ22a、22bだけでなく、他から収集されるデータも含む。たとえば、時刻などのデータも機器データに含める。
【0059】
次に、制御端末30は、機器データを、管理装置10にネットワークを介して、送信する(S202)。以降は、制御端末30と、管理装置10のステップを分けて説明する。
【0060】
まず、制御端末30のステップを説明する。前提として、(3-1)で説明したように、制御端末30には、通常、いくつかの制御指令が登録され、蓄積されている。制御端末30のプロセッサは、制御端末のメモリから、このような、制御指令を呼び出し参照する。その上で、制御端末30のプロセッサは、取得した機器データが制御指令を実行する契機となっていないかを判断する(S211)。言い換えると、イベントが発生しているか否かを判断する。ここで、イベントとは、自動制御を実行するトリガーとなる事象のことである。
【0061】
ここで、イベントの発生をもう少し具体的に説明する。たとえば、機器データとして、現在時刻22:10に機器21の電源がONとなっているというデータを取得する。そして、制御指令として、22時~5時の間、機器の電源をOFFにするという制御指令が登録されていたとする。そこで、制御端末30は、上記機器データを上記制御指令に照らして、イベントが発生していると判断する(S211)。
【0062】
ステップS211でイベントが発生している場合は、ステップS212で、自動制御を実行する。上記例では、制御端末30は、機器21の電源をOFFにする。
【0063】
ステップS211でイベントが発生しない場合は、制御端末30は、処理を終了する。
【0064】
次に、ステップS202で、機器データを管理装置に送信した後で、管理装置で制御を行う場合について説明する。
【0065】
管理装置10は、管理装置10に登録されている管理装置で実行すべき制御指令を確認する。そうして、管理装置が実行する制御指令のトリガーとなるイベントが発生しているか否かを確認する(S203)。
【0066】
ステップ203で、イベントが発生している場合は、ステップ204に進み、管理装置は、自動制御を実行する。また、ステップS203で、イベントが発生していないときは、管理装置は、処理を終了する。
【0067】
なお、本実施形態においては、機器データは、制御端末30および管理装置10と両方で取得する。制御指令は内容によって、制御端末30、管理装置10のいずれかで実行するように登録されている。したがって、管理装置と制御端末のいずれかが、そのイベントを実行するかは、どちらに制御指令が登録されているかで決まる。なお、これについては、次に説明する二次的イベントについても同様である。
【0068】
(3-3)二次的イベントが発生する場合
次に二次的イベントについて、説明する。
【0069】
二次的イベントとは、機器の状態値を使用し、何らかの計算処理を行った結果発生するイベントである。これに対して、(3-2)で説明したイベントは、機器の状態値が変化した際に検知できるイベントである。本明細書において、このようなイベントを、二次的イベントと区別するときは、一次的イベントと呼ぶことにする。
【0070】
次に、システム1に、登録された制御指令に、一次的イベントに関する制御指令と、二次的イベントに関する制御指令がともに存在する場合について、説明する。
【0071】
二次的イベントが存在する場合の機器管理システム1の機器制御のフローを、図4に示す。
【0072】
まず、制御端末30は、各機器21や機器周辺のセンサ22a、22bから、機器データを取得する(S301)。次に、制御端末30は、機器データを、管理装置10にネットワークを介して、送信する(S302)。以降は、制御端末30と、管理装置10のステップを分けて説明する。
【0073】
まず、制御端末30のステップを説明する。制御端末30のプロセッサは、制御端末のメモリから、一次的イベントに関連する制御指令の呼び出し処理を行う(S311)。この処理は、(3-2)の場合と、全く同様である。次に、制御端末30は、二次的イベントに係わる制御指令の処理に移行する(S312)。
【0074】
ここで、二次的イベントの制御指令による処理の例示をする。たとえば、機器データとして、室内温度とする。そして、制御指令として、室内温度が閾値である28℃を上回ったときには、自動的に冷房運転を開始する、という内容とする。このような場合に、制御端末は、ステップS301で、機器データとして、たとえば、室内温度30℃を取得したとする。制御端末30は、引き続き、ステップS311で、一次的イベントの処理を行った後、S312で、二次的イベントの処理に移行する。そこで、制御端末は、現実の室内温度と、制御指令の処理条件である室内温度を比較する。この場合は、データの室内温度30℃が、処理条件である室内温度28℃を上回っているので、空気調和装置(機器)に、冷房運転の制御を行う(S313)。言い換えると、制御端末30は、自動制御を実行する。
【0075】
次に、ステップS302以降の管理装置での処理について説明する。S302の次に、管理装置10では、一次的イベントの処理を行う(S303)。この処理は、(3-2)の処理と全く同様である。
【0076】
次に、ステップS30では、管理装置10は、二次的イベントが発生しているか否かを判断する。二次的イベントが発生している場合は、S305に進み、管理装置は、自動制御を実行する。S304で二次的イベントが発生していない場合には、管理装置は、処理を終了する。
【0077】
なお、一次的イベント、二次的イベントは、全て、制御指令と同様に、管理装置10のデータベース12に記憶される。記憶先は、サーバー11のメモリであっても良い。制御端末30のメモリであってもよい。管理装置10と、制御端末30の両方に記憶されても良い。そして、次に二次的イベントが発生したか否かの判断に活用される場合もある。
【0078】
(3-4)制御端末30が制御指令の実行に時間がかかりすぎた場合
ここで、図2のステップS112に戻り、制御端末30が制御指令を実行していた場合に、時間がかかりすぎたときのフローを、図5を用いて説明する。
【0079】
図5では、まず、ユーザが制御指令を登録するところに戻る(S401)。次に、図2のS103、S111、S112の場合では、管理装置10が、その制御指令を制御端末ですることを決定し、制御端末30は、制御指令を実行する(S402)。
【0080】
制御端末30が、制御指令を実行中に、時間がかかりすぎることが起こりうる。たとえば、管理装置10は、一つの制御端末30が制御する機器21が増加する前のデータで、制御端末30が制御指令を実行する時間を予測していた場合、管理装置の判断時の予測以上に時間がかかってしまうということが起こりうる。
【0081】
このような課題に対処するため、システム1は、制御端末の処理時間の上限を設定しておく。図5では、制御端末30の制御指令の処理時間が所定時間を越えると、制御端末は、制御指令の実行を中止する(S405)。次に、より処理能力の高い管理装置10が制御指令を実行する(S406)。
【0082】
ステップS403における、制御端末における制御指令の実行時間が所定時間よりも長いか否かは、実際に所定時間を越えた後で、判断しても良いし、越える前に、予測で判断しても良い。
【0083】
ステップS403において、制御指令の実行が所定時間内に終わる場合には、制御端末は、制御指令の実行を継続して、終了する。
【0084】
図5の制御フローをより一般化すると、図6のようになる。これを説明すると、システム1全体の中で、制御指令を実行する実行モードは複数考えられる。そして、処理能力の低い方を第1実行モードとよび、第1実行モードよりも処理能力の高い実行モードを第2実行モードと呼ぶ。第1実行モードを利用するのはデメリットばかりではなくて、たとえば、利用料金が安いなどのメリットが有る場合もある。図5の場合、制御端末での制御指令の実行は第1実行モードと捉えることができ、管理装置での制御指令の実行を第2実行モードと捉えることが出来る。そうすると、図5の制御フローは、図6の制御フローに書き換えることができる。言い換えると、ステップS503で、自動制御フローを第1実行モードで実行中に、実行時間が所定時間を越えるとき、あるいは、超えそうなときは、システムは、第1実行モードでの実行を中止し(S505)、第2実行モードで実行する(S506)。
【0085】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の機器管理システム1は、機器21と、制御端末30と、管理装置10とを有する。機器21は、建物20内に配置される。制御端末30は、機器21に接続される。管理装置10は、制御端末30とネットワーク15を介して接続される。機器管理システム1は、ネットワークを利用して、機器21の自動制御を行う。
【0086】
ユーザは、制御指令を作成する(S101)。管理装置10は、ユーザが作成した制御指令を取得する。管理装置10が取得した制御指令は、制御端末30に送信する(S111)。制御端末30は、制御指令を取得する。
【0087】
管理装置10または制御端末30は、制御指令を実行する(S104、S112)。ユーザは、管理装置10で実行される制御指令も、制御端末30で実行される制御指令も、共通の形式で入力することができる。言い換えると、両方の制御指令は、共通のスクリプトで記載されている。管理装置10と制御端末30は、共通のスクリプトで作成された制御指令を実行することができる。
【0088】
したがって、ユーザは、管理装置で実行させたい制御指令と、制御端末で実行させたい制御指令を、別々の形式で入力する必要がなく、入力の負担が軽減される。
【0089】
(4-2)
本実施形態においては、管理装置10に入力された制御指令は、管理装置10に登録される(S102)。管理装置に登録された制御指令は、管理装置または制御端末で実行される(S104、S112)。
【0090】
管理装置に登録された制御指令は、さらに、管理装置に記憶される。
【0091】
管理装置に登録され、記録された制御指令は、登録されたときはもちろん、時間が経過した後、たとえば、イベントが発生したときに実行することが可能である。
【0092】
制御指令は、制御端末に、登録されてもよい。登録された制御指令は、制御端末に、記録されてもよい。
【0093】
管理装置と制御端末の双方で制御指令を登録することにより、システムは、制御指令の内容に応じて、管理装置と制御端末を選択して実行させることができる。また、管理装置と制御端末で通信が途絶えても、制御端末で、制御指令を実行することができる。
【0094】
(4-3)
本実施形態においては、管理装置に制御指令を登録する(S102)。管理装置は、制御指令を管理装置で実行するか、制御端末で実行するかを判断し、振り分ける(S103)。
【0095】
管理装置で判断することにより、適切な振り分けが可能になる。
【0096】
(4-4)
本実施形態においては、(4-3)において、管理装置が制御指令を管理装置と制御端末に振り分ける(S103)基準は、その制御指令が、複数の制御端末にまたがるものであるか、単独の制御端末のものか、という点である。
【0097】
このような基準とすることにより、制御端末は、自らに属する機器のみの制御のときは単独の制御ができるというメリットを生ずる。また、制御指令実行にあたっての管理装置と制御端末間の通信量(=通信コスト)を削減することができる。
【0098】
(4-5)
本実施形態の機器管理システム1は、制御指令として、スクリプト言語で記述された制御プログラムをメモリに記録する。制御端末30が機器データを取得したとき(S201)に、システム1は、イベントが発生したか否かを判断し(S203、211)、イベントが発生したと判断した場合に、自動制御を実行する(S204、S212)。
【0099】
本実施形態の機器管理システム1は、このように、制御指令をシステムに登録して記録しているので、広く規格化されたシステムの構築がしやすい。
【0100】
(4-6)
本実施形態の機器管理システムは、機器の状態値を使用し、何らかの計算処理を行った結果発生する二次的イベントも利用することができる。
【0101】
二次的イベントの利用により、一次的イベントよりもさらに複雑な自動制御も実行できる。
【0102】
(4-7)
本実施形態の機器管理システムは、制御端末30が、制御指令に基づいて、機器の制御を実行中(S402)に、制御の実行時間が所定時間よりも長いときは(S403)、制御端末30は、制御指令に基づく機器の制御の実行を停止し(S405)、管理装置10は、制御指令に基づく機器21の制御を実行する。
【0103】
このようにすることにより、システム1が制御指令をタイムアウトで実行できない事態を回避する。また、原則、費用の安い制御端末30で処理を実行し、必要なときに、費用の高い管理装置10に処理を移すことにより、全体としてコストを抑制することができる。
【0104】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
第1実施形態の図5では、制御指令をシステムに登録して(S401)、制御端末30が制御指令を実行中に(S402)、実行時間が所定時間を越えるときは(S403)、一時、制御端末が実行を中止する(S405)制御について説明した。
【0105】
変形例1Aでは、機器データを制御端末30が取得し、イベントが発生して、制御指令を実行開始した場合である。この場合も、制御端末の実行に時間がかかりすぎたときは(S403)、図5の場合と同様に、制御端末は、制御指令の実行を中断してもよい(S405)。そして、その後は、管理装置10が制御指令を実行しても良い。
【0106】
以上は、イベントが一次的イベントの場合も、二次的イベントの場合も成り立つ。
【0107】
(5-2)変形例1B
第1実施形態では、制御端末30は、機器データを取得したあと、機器データを管理装置にも転送した。変形例1Bでは必ずしもそうしない。
【0108】
変形例1Bでは、制御端末30は、図3のステップS211で、イベントが発生しているか否かを確認した後、制御端末30で制御指令を実行するか、管理装置10で実行するかを判断する。制御端末30で実行すると判断した場合は、第1実施形態の図3と同様に、制御端末で制御指令を実行する(S212)。制御端末30が、管理装置10で制御指令を実行すると判断した場合は、制御端末30は、その制御指令を管理装置10におくり、管理装置10が制御指令を実行する。
【0109】
以上は、イベントが一次的イベントの場合も、二次的イベントの場合も成り立つ。
【0110】
(5-3)変形例1C
第1実施形態では、制御端末30は、機器データを取得したあと、機器データを管理装置にも転送した。変形例1Cでは、変形例1Bと同様に、必ずしもそうしない。
【0111】
変形例1Cでは、制御端末30は、図3のステップS211で、イベントが発生しているか否かを確認した後、イベントを管理装置に送信する。管理装置は、管理装置10で制御指令を実行するか否かを判断する。管理装置10で制御指令を実行すると判断した場合は、管理装置10が制御指令を実行する。
【0112】
以上は、イベントが一次的イベントの場合も、二次的イベントの場合も成り立つ。
【0113】
(5-4)変形例1D
変形例1B、1Cでは制御端末30でイベントを発生させた。管理装置10でイベントを発生させても良い。
【0114】
変形例1Dでは、制御端末30は、図3のステップS202で、機器データを管理装置に送る。ステップS203では、管理装置10にてイベントが発生しているか否かを確認する。ステップS203でイベントが発生した後、変形例1Dは、第1実施形態と異なる。管理装置は、制御指令を管理装置で実行するか、制御端末で実行するかを判断する。管理装置10で制御指令を実行すると判断した場合は、第1実施形態の図3と同様に、管理装置で制御指令を実行する(S204)。管理装置10が、制御端末30で制御指令を実行すると判断した場合は、管理装置10は、そのイベント(必要に応じて制御指令も)を制御端末30に送り、制御端末30が制御指令を実行する。
【0115】
以上は、イベントが一次的イベントの場合も、二次的イベントの場合も成り立つ。
【0116】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0117】
1 機器管理システム
10 管理装置
21 機器
30 制御端末
41 ユーザ端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【文献】特許6160789号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6