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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】炭化物処理装置及び炭化物処理方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 53/00 20060101AFI20240530BHJP
   C10L 9/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
C10B53/00 A
C10L9/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021159382
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049577
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】竹田 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】坂井 義広
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-012061(JP,A)
【文献】特開2014-077032(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143433(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 1/00-57/18
C10L 5/40-46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留部と、
酸素を含有する養生ガスを前記貯留部に供給する通気部と、
前記養生ガスの通気量を制御する制御部と、を備え、
前記貯留部は、
前記炭化物を貯留する第一貯留槽と、
前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を貯留する第二貯留槽と、を有し、
前記通気部は、前記第一貯留槽から排気されたガスを前記第二貯留槽に供給し、
前記制御部は、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物の酸素消費特性に基づいて前記第二貯留槽に供給する前記ガスの通気量を制御する炭化物処理装置。
【請求項2】
自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留部と、
酸素を含有する養生ガスを前記貯留部に供給する通気部と、を備え、
前記貯留部は、
前記炭化物を貯留する第一貯留槽と、
前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を貯留する第二貯留槽と、を有し、
前記第一貯留槽は、前記炭化物を収容する第一本体部と、当該第一本体部から当該炭化物を排出する第一排出口とを有し、
前記第二貯留槽は、前記炭化物を収容する第二本体部と、当該第二本体部から当該炭化物を排出する第二排出口とを有し、
前記第一排出口の流路断面積は、前記第二排出口の流路断面積よりも大きく、
前記通気部は、前記第一貯留槽から排気されたガスを前記第二貯留槽に供給する炭化物処理装置。
【請求項3】
前記第一貯留槽と前記第二貯留槽との間に、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を冷却可能な冷却部を更に備えた請求項1又は2に記載の炭化物処理装置。
【請求項4】
自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップおいて酸素を含有する養生ガスを前記炭化物の堆積層に通気する通気ステップと、を含み、
前記貯留ステップは、
前記炭化物を第一所定期間貯留する第一貯留ステップと、
前記第一貯留ステップを経た前記炭化物を第二所定期間貯留する第二貯留ステップと、を含み、
前記通気ステップは、前記第一貯留ステップを経て排気されたガスであって、前記第一貯留ステップを経た前記炭化物の酸素消費特性に基づいて通気量を制御された前記ガスを前記第二貯留ステップで使用する炭化物処理方法。
【請求項5】
自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップにおいて酸素を含有する養生ガスを前記炭化物の堆積層に通気する通気ステップと、を含み、
前記貯留ステップは、
前記炭化物を第一貯留槽にて第一所定期間貯留する第一貯留ステップと、
前記第一貯留ステップを経て前記第一貯留槽の第一排出口から排出された前記炭化物を第二貯留槽にて第二所定期間貯留する第二貯留ステップと、を含み、前記第一排出口の流路断面積が、前記第二貯留槽において前記炭化物を排出する第二排出口の流路断面積よりも大きく構成されており、
前記通気ステップは、前記第一貯留ステップを経て排気されたガスを前記第二貯留ステップで使用する炭化物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化物処理装置及び炭化物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥などの有機性廃棄物は、例えば加熱により炭化処理されて、燃料として再利用されている。このようにして得た有機性廃棄物の炭化物は、炭化処理直後はその粒子表面に活性の高い表面官能基を有しており、そのままでは自己発熱性を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。そのため、貯蔵時の安全性を確保すべく、自己発熱性を低下させる処理(いわゆる、エージング処理、以下では、単に「炭化物処理」と称する場合がある)がされている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1には、排水処理などで生じた有機物含有汚泥を炭化炉で炭化処理した炭化物の処理方法が記載されている。この処理方法は、炭化処理により得た炭化物を低温酸化雰囲気中で酸化処理することで、炭化物の表面酸化反応を予め収束させている。これにより、貯蔵された炭化物が低温酸化反応による自己発熱によって燃焼を誘発するのを未然に防止している。
【0004】
特許文献2には、酸素不足下で木質系バイオマスを炭化する炭化炉、当該炭化炉で生成された炭化物を貯留する貯留ホッパ、及び当該炭化炉より排出された炭化物を酸素不足下で冷却しながら貯留ホッパまで搬送する冷却手段を有する炭化物搬送系を備えた炭化物貯留搬送装置が記載されている。炭化物貯留搬送装置は、炭化物処理において炭化物を発火させることなく搬送可能とし、かつ、炭化物を微粉炭として利用することを目的として提供されたものである。この炭化物貯留搬送装置では、利用可能な貯留ホッパの一例として、貯留ホッパの貯留槽の内部に設けられた仕切り壁と、仕切り壁により形成された2層の仕切り空間と、それぞれの仕切り空間内の炭化物を正逆転可能に排出する払出コンベアと、仕切り壁上に形成される空間に設けられた炭化物の流路を切り替える流路切替手段と、不活性ガスを注入可能に構成した不活性ガス注入手段とで構成されたものが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-267950号公報
【文献】特開2009-079118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来技術においても、炭化物処理による炭化物の安全性の向上や、炭化物処理時の安全性向上の工夫がなされていた。しかし、炭化物処理につき、依然として安全性向上の要請がある。
【0007】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、炭化物処理の安全性を向上させた炭化物処理装置及び炭化物処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る炭化物処理装置の特徴構成は、自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留部と、酸素を含有する養生ガスを前記貯留部に供給する通気部と、前記養生ガスの通気量を制御する制御部と、を備え、前記貯留部は、前記炭化物を貯留する第一貯留槽と、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を貯留する第二貯留槽と、を有し、前記通気部は、前記第一貯留槽から排気されたガスを前記第二貯留槽に供給し、前記制御部は、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物の酸素消費特性に基づいて前記第二貯留槽に供給する前記ガスの通気量を制御する点にある。
【0009】
上記構成によれば、貯留部において、例えば粒子状の炭化物を層状に堆積させて堆積層とした状態で、通気部が貯留部に酸素を含有するガスである養生ガスを供給することで、当該堆積層に養生ガスを通気させることができる。これにより、炭化物粒子表面の高活性な表面官能基を酸化させて、自己発熱性を低下させる炭化物処理を行える。当該炭化物処理の際、酸化によって炭化物は発熱するが、養生ガスの通気により炭化物は冷却される。
【0010】
上記構成によれば、貯留部は第一貯留槽と第二貯留槽とを有し、第一貯留槽から排出された炭化物を第二貯留槽で貯留すべく、第二貯留槽が第一貯留槽の下流側に直列に接続される。これにより、所定時間の間炭化物処理を行う場合に、貯留槽一つあたりの貯留量(滞留量)を少なくすることができる。また、第二貯留槽に貯留される炭化物を、第一貯留槽で貯留される炭化物よりも、自己発熱性の低下した安全なものとすることができる。その結果、より注意深く安全管理を行う対象を第一貯留槽とすることが可能となって、炭化物処理装置全体の安全管理に関する負担の軽減と安全性の向上とを両立できる。
【0011】
上記構成によれば、第二貯留槽での炭化物処理を促進できる。第二貯留槽に貯留されている炭化物は、第一貯留槽に貯留されている炭化物よりも自己発熱性が小さい。そのため、第二貯留槽の炭化物の温度を、炭化物処理を適切に進行させるために十分高い温度に維持できない場合もある。一方、第一貯留槽に貯留されている炭化物は、自己発熱性が大きいから、第一貯留槽からの排ガスの温度は高くなる。そこで、第一貯留槽を通過して温度が上昇した排ガスを第二貯留槽へ供給する養生ガスに混入させるなどして第二貯留槽に供給することで、第二貯留槽の炭化物の温度を、炭化物処理の促進に適切な温度に維持し、第二貯留槽での炭化物処理を促進して炭化物処理の処理効率を向上させることができる。
上記構成によれば、制御部は、第一貯留槽から排出された炭化物の酸素消費特性に基づいて第二貯留槽に供給するガスの通気量を制御する。これにより、例えば、第一貯留槽から排出された炭化物の自己発熱性が依然として高い(酸素消費特性が高い)場合、第二貯留槽に供給するガスの通気量を上昇させれば、ガスにより持ち去る熱量が多くなるので、第二貯留槽での炭化物処理を促進しながら炭化物の発火を防止することができる。一方、第一貯留槽から排出された炭化物の自己発熱性が低く(酸素消費特性が低く)、第二貯留槽に供給された炭化物が冷却され過ぎる場合でも、第二貯留槽に供給するガスの通気量を低下させれば、ガスにより持ち去る熱量が少なくなるので、第二貯留槽の炭化物の温度を、炭化物処理の促進に適切な温度に維持し、第二貯留槽での炭化物処理を促進して処理効率を向上させることができる。
【0012】
本発明に係る炭化物処理装置の更なる特徴構成は、前記第一貯留槽と前記第二貯留槽との間に、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を冷却可能な冷却部を更に備えた点にある。
【0013】
上記構成によれば、第一貯留槽から排出された炭化物の自己発熱性が依然として高い場合であっても、冷却部にて冷却された炭化物を第二貯留槽に投入すれば、第二貯留槽に貯留される炭化物を、第一貯留槽で貯留される炭化物よりも、自己発熱性の低下した安全なものとすることができる。
【0016】
本発明に係る炭化物処理装置の更なる特徴構成は、自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留部と、酸素を含有する養生ガスを前記貯留部に供給する通気部と、を備え、前記貯留部は、前記炭化物を貯留する第一貯留槽と、前記第一貯留槽から排出された前記炭化物を貯留する第二貯留槽と、を有し、前記第一貯留槽は、前記炭化物を収容する第一本体部と、当該第一本体部から当該炭化物を排出する第一排出口とを有し、前記第二貯留槽は、前記炭化物を収容する第二本体部と、当該第二本体部から当該炭化物を排出する第二排出口とを有し、前記第一排出口の流路断面積は、前記第二排出口の流路断面積よりも大きく、前記通気部は、前記第一貯留槽から排気されたガスを前記第二貯留槽に供給する点にある。
【0017】
上記構成によれば、第一排出口の流路断面積を、第二排出口の流路断面積よりも大きくすることで、第一貯留槽における第一本体部内を通過する炭化物の流れを、第二貯留槽における第二本体部内を通過する炭化物の流れよりも、相対的に均質なものとすることができる。ここで、均質とは、滞留時間分布が小さいことをいう。均質とは、換言すれば、プラグフローにより近い流れを形成している状態のことをいう。一方、第二貯留槽については、流路断面積の小さな第二排出口に設けられるロータリバルブ等の排出装置を小型化することが可能となり、第一貯留槽に比べて安価なものとすることができる。
【0018】
上述のように、第一貯留槽に貯留されている炭化物は、第二貯留槽に貯留されている炭化物よりも自己発熱性が大きい。そのため、第一本体部においてショートパスが生じ、第一貯留槽で予定した程度の炭化物処理がなされていないものが第二貯留槽に供給されると、第二貯留槽では予定していない局所的な発熱を生じたり、十分に自己発熱性が低減されていない炭化物が第二貯留槽から排出されたりする不具合の原因となる。しかし、第一本体部内を通過する炭化物の流れを均質なものとすることで、この不具合を回避できる。
【0019】
逆に、第二貯留槽に貯留されている炭化物の自己発熱性は小さいから、多少のショートパスが生じたとしても、第二貯留槽の下流側の装置等における発熱等の原因とはならない。そこで、第二貯留槽については第二排出口の流路断面積を小さくすることを許容して設備のコストダウンを実現できる。このように、各貯留槽に貯留された炭化物の自己発熱性に応じてそれぞれの排出口の断面積を調整し、炭化物処理の品質(確実さ)と設備コストとのバランスを適切なものとすることができる。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る炭化物処理方法の特徴は、自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留ステップと、前記貯留ステップおいて酸素を含有する養生ガスを前記炭化物の堆積層に通気する通気ステップと、を含み、前記貯留ステップは、前記炭化物を第一所定期間貯留する第一貯留ステップと、前記第一貯留ステップを経た前記炭化物を第二所定期間貯留する第二貯留ステップと、を含み、前記通気ステップは、前記第一貯留ステップを経て排気されたガスであって、前記第一貯留ステップを経た前記炭化物の酸素消費特性に基づいて通気量を制御された前記ガスを前記第二貯留ステップで使用する点にある。
また、本発明に係る炭化物処理方法の更なる特徴構成は、自己発熱性を有する炭化物を層状に堆積させて貯留する貯留ステップと、前記貯留ステップにおいて酸素を含有する養生ガスを前記炭化物の堆積層に通気する通気ステップと、を含み、前記貯留ステップは、前記炭化物を第一貯留槽にて第一所定期間貯留する第一貯留ステップと、前記第一貯留ステップを経て前記第一貯留槽の第一排出口から排出された前記炭化物を第二貯留槽にて第二所定期間貯留する第二貯留ステップと、を含み、前記第一排出口の流路断面積が、前記第二貯留槽において前記炭化物を排出する第二排出口の流路断面積よりも大きく構成されており、前記通気ステップは、前記第一貯留ステップを経て排気されたガスを前記第二貯留ステップで使用する点にある。
【0021】
上記方法によれば、上述の炭化物処理装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理を行う炭化物処理装置、及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】有機汚泥リサイクルシステムの構成の説明図
図2】第一貯留槽の構成の説明図
図3】第二貯留槽の構成の説明図
図4】有機汚泥リサイクルシステムの変形例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面に基づいて、本発明の実施形態に係る炭化物処理装置及び炭化物処理方法について説明する。
【0025】
〔全体構成の説明〕
図1には、本実施形態に係る炭化物処理装置100を含む、有機汚泥リサイクルシステム200を示している。有機汚泥リサイクルシステム200は、例えば、下水汚泥などの有機汚泥の燃料としてのリサイクルを実現する。
【0026】
有機汚泥リサイクルシステム200は、下水汚泥をあらかじめ乾燥及び造粒した乾燥汚泥Lを炭化する炭化炉10、炭化炉10で炭化された炭化物Mを冷却する冷却装置11、炭化炉10で生じた可燃性ガスを燃焼処理する二次燃焼炉12、二次燃焼炉12で生じた排ガスを脱臭や集塵により浄化する排ガス処理設備13、炭化物Mの自己発熱性を低下させる処理(いわゆる、エージング処理ないし低温酸化処理、以下では、「炭化物処理」と称する)を行いリサイクル燃料Fを得る炭化物処理装置100、及び、リサイクル燃料Fを出荷に備えて貯留するストックタンク19を備える。
【0027】
乾燥汚泥Lは、リサイクル燃料Fの粒子形状、かさ密度などの粒子物性を所望の特性とし、また、炭化物処理時などのハンドリング性を向上させる目的で、例えば押し出し造粒法により円筒ペレット状に造粒されている。
【0028】
各装置間の炭化物Mの搬送(例えば冷却装置11から炭化物処理装置100への搬送)は、例えばフライトコンベアなどの搬送機構を用いたり、重力を用いた搬送機構を用いたりするなど、適宜適切な搬送機構を利用可能である。
【0029】
炭化物Mないしリサイクル燃料Fは、炭化炉10、冷却装置11、炭化物処理装置100及びストックタンク19の順に搬送される。以下では、この炭化物Mもしくはリサイクル燃料Fの搬送経路の上流側及び下流側をそれぞれ、単に「上流」ないし「上流側」及び「下流」ないし「下流側」と称する。
【0030】
炭化炉10は、乾燥汚泥Lを低酸素雰囲気下で加熱して炭化物Mを得る装置である。炭化炉10は、例えばロータリーキルン、流動床式、もしくはスクリュー式の加熱装置である。炭化炉10は、乾燥汚泥Lを温度250℃から600℃程度で加熱して炭化する。炭化物Mは、炭化炉10から排出された後、シュートなどの搬送機構を介して下流側の冷却装置11に搬送されて冷却される。冷却装置11では、冷却水を噴霧供給するなどして炭化物Mを冷却する。シュートや冷却装置11には窒素などの不活性ガスが下流から上流に向けて供給されており、炭化物Mの発火が防止されている。冷却装置11で冷却された炭化物Mは、フライトコンベアなどにより下流側の炭化物処理装置100へ搬送される。炭化物Mは、炭化物処理装置100で炭化物処理され、リサイクル燃料Fとしてフライトコンベアなどにより下流側のストックタンク19へ搬送される。リサイクル燃料Fは、出荷に備えてストックタンク19に貯留される。
【0031】
〔炭化物処理装置の説明〕
〔炭化物処理装置の全体構成〕
以下では炭化物処理装置100について詳述する。炭化物処理装置100は、上述のように、炭化物Mを炭化物処理して、リサイクル燃料Fを得る装置である。
【0032】
炭化物処理装置100について詳述する。炭化物処理装置100は、図1に示すように、炭化物Mを貯留して炭化物処理を行う貯留部H、酸素を含有する養生ガスG1,G2を貯留部Hに供給する通気部K、貯留部Hの酸素消費量を計測する酸素濃度計測部を構成するセンサS11,S12,S21,S22及び養生ガスG1,G2の通気量を検知する風量計U1,U2、及び、貯留部Hや通気部Kの動作を制御するCPUや、当該CPUの制御を実現するプログラムやパラメータを記憶した記憶装置を有する制御部9を備えている。
【0033】
貯留部Hは、炭化物処理装置100の上流側(冷却装置11)から供給された炭化物Mを貯留して炭化物処理を行う第一貯留槽4と、第一貯留槽4から排出された炭化物Mを貯留し、引き続いて炭化物処理をおこなってリサイクル燃料Fを得る第二貯留槽6とを備えている。第一貯留槽4及び第二貯留槽6の詳細は後述する。
【0034】
〔制御部〕
制御部9は、通気部Kを制御する通気制御部91と、第一貯留槽4や第二貯留槽6内の炭化物Mの滞留時間を制御する滞留時間制御部92とを含む。通気制御部91と滞留時間制御部92との動作については、通気部K、第一貯留槽4及び第二貯留槽6の説明と共に行う。
【0035】
〔通気部〕
通気部Kは、第一貯留槽4に養生ガスG1を通気(一例として送風)するファンやブロワなどの第一送風機31、第二貯留槽6に養生ガスG2を通気(一例として送風)するファンやブロワなどの第二送風機32、第一送風機31、第一貯留槽4、第二送風機32及び第二貯留槽6に接続された送風管などの配管に設けられた弁51~56を有する。弁51~56は、バタフライバルブなどの開度調整可能な開度調整弁である。第一送風機31、第二送風機32、及び弁51~56は、例えば制御部9の通気制御部91の動作指令に基づいて回転数や開度が調整されて、第一貯留槽4や第二貯留槽6の養生ガスG1,G2の通気量を調整するようになっている。以下では、第一貯留槽4から排気された養生ガスG1を排ガスE1、第二貯留槽6から排気された養生ガスG2を排ガスE2と称する。
【0036】
養生ガスG1,G2は、炭化物Mを炭化物処理するための酸素を含有するガスである。養生ガスG1,G2は、炭化物処理によって生じた反応熱で加熱された炭化物Mの冷却にも寄与する。養生ガスG1,G2の酸素濃度は、第一貯留槽4や第二貯留槽6内の炭化物Mの酸化反応の速度を緩やかなものとして発火を回避すべく、空気中の酸素濃度以下に調整されている。養生ガスG1,G2は、空気と低酸素ガス(例えば、窒素ガスや排ガスE1ないし排ガスE2、本実施形態では排ガスE1)を混和して、空気よりも酸素濃度が低くなるように調整されている。
【0037】
排ガスE1,E2は、第一貯留槽4及び第二貯留槽6からの排気ガスである。第一貯留槽4や第二貯留槽6では、炭化物処理によって養生ガスG1,G2に含まれる酸素が消費される。そのため、排ガスE1の酸素濃度は、養生ガスG1の酸素濃度未満である。また、排ガスE2の酸素濃度は、養生ガスG2の酸素濃度未満である。
【0038】
第一送風機31は、後述するように、外気Aと排ガスE2とを吸気し、これを混和して養生ガスG1として第一貯留槽4に送風する。第一送風機31による外気Aの吸気量は、一端が第一送風機31に接続され、他端が外部に開放された吸気管に設けられた弁55の開度調整により制御される。なお、第一送風機31に吸気される外気Aや排ガスE2は、必要に応じて水(霧化された水)などにより、冷却や加湿される。本実施形態では、養生ガスG1の温度が40℃以下となるように、養生ガスG1、もしくは第一送風機31に吸気される外気Aや排ガスE2が冷却される場合がある。また、第一送風機31に吸気される外気Aや排ガスE2は、必要に応じて水(霧化された水)などにより、加湿される場合がある。
【0039】
弁51は、第一送風機31と第一貯留槽4との間の送風管に設けられ、その開度調整により第一送風機31から第一貯留槽4に送風される養生ガスG1の流量を制御する。
【0040】
弁53は、第一貯留槽4から排ガスE1を排気する排気管に設けられ、その開度調整により第一貯留槽4の内部圧力を正圧(陽圧)に制御する。弁53の下流側の排気管は外部に連通しており、排ガスE1を外部に放出可能である。
【0041】
第二送風機32は、後述するように、外気Aと、必要に応じて排ガスE1とを吸引し、これを混和して養生ガスG2として第二貯留槽6に送風する。第二送風機32による排ガスE1の吸気量は、第二送風機32が外気Aを吸引する吸気管にその一端が接続され、他端が弁53の下流側に接続されたバイパス管に設けられた弁56の開度調整により制御される。本実施形態では、養生ガスG2の温度が40℃以下となるように、養生ガスG2、もしくは第二送風機32に吸気される外気Aや排ガスE1が冷却される場合がある。また、第二送風機32に吸気される外気Aや排ガスE1は、必要に応じて水(霧化された水)などにより、加湿される場合がある。なお、一端が弁56と第二送風機32との間に接続され、他端が外部に開放された吸気管には、第二送風機32による外気Aの吸気量を制御する開度調整弁を設けても良い。また、第一貯留槽4から排ガスE1を排気する排気管において、弁53の下流側に接続されたバイパス管に分岐した後、系外に排ガスE1を排出する排気ラインに開度調整弁を設けても良い。
【0042】
弁52は、第二送風機32と第二貯留槽6との間の送風管に設けられ、その開度調整により第二送風機32から第二貯留槽6に通気される養生ガスG2の流量を制御する。
【0043】
弁54は、第二貯留槽6から排ガスE2を排気する排気管に設けられ、その開度調整により第二貯留槽6の内部圧力を正圧(陽圧)に制御する。弁54の下流側の排気管は外部に連通しており、排ガスE2を外部に放出可能である。なお、上述の第一送風機31は、弁54の下流側から排ガスE2を吸引しているが、第一送風機31が外気Aを吸引する吸気管にその一端が接続され、他端が弁54の下流側に接続されたバイパス管には、第一送風機31による排ガスE2の吸気量を制御する開度調整弁を設けても良い。また、第二貯留槽6から排ガスE2を排気する排気管において、弁54の下流側に接続されたバイパス管に分岐した後、系外に排ガスE2を排出する排気ラインに開度調整弁を設けても良い。
【0044】
〔酸素濃度計測部〕
センサS11は、弁51と第一貯留槽4との間の送風管に設けられ、養生ガスG1の酸素濃度を検知する。センサS12は、第一貯留槽4と弁53との間の排気管に設けられ、排ガスE1の酸素濃度を検知する。通気制御部91は、センサS11,S12が検出した酸素濃度(本実施例では濃度差)又は中間体Nのサンプリングにより演算又は計測された、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素消費特性に基づいて、後述するように、第二貯留槽6に供給する養生ガスG2の通気量を制御する。
【0045】
センサS21は、弁52と第二貯留槽6との間の送風管に設けられ、養生ガスG2の酸素濃度を検知する。センサS22は、第二貯留槽6と弁54との間の排気管に設けられ、排ガスE2の酸素濃度を検知する。滞留時間制御部92は、センサS21,S22が検出した酸素濃度(本実施例では濃度差)に基づいて、後述するように、第二貯留槽6の目標とする滞留時間を決定しても良い。
【0046】
〔風量計〕
風量計U1,U2は、ピトー管(総静圧管)や熱線式風速計などを有する通気量の計測装置である。風量計U1は、弁51と第一貯留槽4との間の送風管に設けられ、養生ガスG1の通気量を検知する。風量計U2は、弁52と第二貯留槽6との間の送風管に設けられ、養生ガスG2の通気量を検知する。
【0047】
〔貯留部〕
〔第一貯留槽〕
第一貯留槽4は、図2に示すように、炭化物Mを層状に積層して貯留(貯留ステップの一例、第一貯留ステップの一例)する収容容器である。「層状に積層」とは、上流側から供給される炭化物Mを順次、第一貯留槽4内に堆積させた状態であって、炭化物Mが静止層として貯留されている状態のことを言う。
【0048】
第一貯留槽4は、上端に天板を有し、胴部分が円筒状の上部容器41と、上部容器41の下部に連続し、下端に向かうにつれてやや窄まったすり鉢状に形成された下部容器42とを有し、断面が円形状の槽本体40(第一本体部の一例)を備えた金属製(例えばステンレスなどの鉄合金)の容器である。また、第一貯留槽4は、槽本体40の槽内雰囲気と外部の雰囲気とを縁切りした状態で、上部容器41の上部から槽内に炭化物Mを導入(供給)する供給部43と、槽本体40の槽内雰囲気と外部の雰囲気とを縁切りした状態で、上部容器41の下部(本実施形態では下端)から炭化物Mを排出(下流側へ供給)する排出部44と、弁51と接続されており、下部容器42の下端(第一排出口の一例)から養生ガスG1を槽本体40の槽内に導入(通気ステップの一例)する給気部48と、弁53に接続されており、上部容器41の上部(本実施形態では天板)から、槽本体40内部の排ガスE1を排気する開口を有する排気部49とを備えている。以下では、第一貯留槽4の槽本体40内に層状に貯留された炭化物Mを単に堆積層B1と称する場合がある。
【0049】
図2中、上部容器41の水平断面の直径を直径D11、下部容器42の下端の水平断面の直径を直径D12で示している。直径D12は、直径D11に対して4割以上10割未満の直径にするとよい。
【0050】
供給部43は、例えばロータリバルブのような粉粒体の定量供給機構であって、前後の雰囲気を縁切りする機能を有する粉粒体の供給装置である。供給部43は、上部容器41の天板に設けられ、上流側から供給される炭化物Mを槽本体40の上部から槽内へ供給する。これにより、槽本体40の槽内において、炭化物Mが層状に積層される。供給部43は、ロータリバルブの上流に、第一貯留槽4の上流側から供給される炭化物Mを一次貯留するバッファタンクを備えてもよい。
【0051】
排出部44は、例えば供給部43のものよりも水平断面の直径の大きな、ロータリバルブやテーブルフィーダなどの粉粒体の排出(供給)装置である。排出部44は、堆積層B1の層状態をできるだけ維持しながら、堆積層B1の下部から炭化物Mを切り出して槽本体40から排出し、下流側に供給する。本実施形態では、排出部44のケーシング44aは、円筒状であり、全体的に同一の直径D12となっている。排出部44が、堆積層B1の層状態をできるだけ維持しながら堆積層B1の下部から炭化物Mを切り出して槽本体40から排出するためには、直径D12の直径は極力大きく設定されることが好ましい。以下では、槽本体40から排出された炭化物Mを、特に中間体Nと称する。中間体Nは、例えば重力落下やフライトコンベアによる搬送により第二貯留槽6(図1図3参照)へ搬送される。
【0052】
給気部48は、例えば下部容器42の下端部分から槽本体40内に連通する短管を有し、養生ガスG1を槽本体40内に導入することで、堆積層B1に下端に養生ガスG1を供給する。養生ガスG1は堆積層B1を通過し、堆積層B1の上端から槽本体40内の上部空間に放出される。養生ガスG1は、堆積層B1を通過する際に、炭化物Mと固気接触し、粒子表面における表面官能基などを酸化する。槽本体40内の上部空間に放出された養生ガスG1は、排ガスE1として排気部49から槽本体40の外部へ排気される。
【0053】
本実施形態では、槽本体40の側部に、堆積層B1の温度を計測する温度センサT1が設けられている。温度センサT1は、槽本体40内部(堆積層B1)の内、最も温度が高くなる箇所(炭化物Mの温度)の温度検知が少なくとも可能となるように取り付けられる。
【0054】
なお、本実施形態では通気制御部91は、センサS12で検知した酸素濃度に基づいて、養生ガスG1に含まれる酸素が所定範囲(例えば、17体積%~19体積%)となるように、養生ガスG1の酸素濃度(センサS11で検知される酸素濃度)と供給量とを調整する。この所定範囲は、堆積層B1の上部でも酸化反応が緩やかに進行するように排ガスE1中に酸素を残留させておくように設定される。
【0055】
第一貯留槽4に貯留されている炭化物Mは、発火性があり、また、後述する第二貯留槽6(図1参照)に貯留されている炭化物Mに比べて自己発熱性が高いため、炭化物Mの温度管理と養生ガスG1の酸素濃度の管理とが重要である。堆積層B1(炭化物M)の温度が高くなりすぎると発火のリスクが高まる。養生ガスG1の酸素濃度が高くなる場合でも、炭化物処理による発熱量が増加し、その結果、炭化物Mの温度が高くなって発火の危険が生じる場合もある。一方、堆積層B1の温度が低くなると、炭化物処理の反応速度が低下するため不経済である。そこで、通気制御部91は、後述するように養生ガスG1の酸素濃度、温度、及び供給量を適宜調整している。
【0056】
〔第二貯留槽〕
第二貯留槽6は、図3に示すように、また、第一貯留槽4の場合と同様に、炭化物Mを層状に積層して貯留(貯留ステップの一例、第二貯留ステップの一例)する収容容器である。
【0057】
第二貯留槽6は、上端に天板を有し、胴部分が円筒状の上部容器61と、上部容器61の下部に連続し、下端に向かうにつれて窄まったすり鉢状に形成された下部容器62とを有し、断面が円形状の槽本体60(第二本体部の一例)を備えた金属製(例えばステンレスなどの鉄合金)の容器である。また、第二貯留槽6は、槽本体60の槽内雰囲気と外部の雰囲気とを縁切りした状態で、上部容器61の上部から槽内に中間体Nとしての炭化物Mを導入(供給)する供給部63と、槽本体60の槽内雰囲気と外部の雰囲気とを縁切りした状態で、上部容器61の下部(本実施形態では下端)からリサイクル燃料Fとなった炭化物Mを排出(下流側へ供給)する排出部64と、弁52と接続されており、下部容器62の下端(第二排出口の一例)から養生ガスG2を槽本体60の槽内に導入(通気ステップの一例)する給気部68と、弁54に接続されており、上部容器61の上部(本実施形態では天板)から、槽本体60内部の排ガスE1を排気する開口を有する排気部69とを備えている。以下では、第二貯留槽6の槽本体60内に層状に貯留された炭化物Mを単に堆積層B2と称する場合がある。
【0058】
図3中、上部容器61の水平断面の直径を直径D21、下部容器62の下端の水平断面の直径を直径D22で示している。直径D22は、直径D21に対して2割以上4割未満の直径にするとよい。このようにすれば、第二貯留槽6のイニシャルコストをコストダウンできる。本実施形態では、直径D22は直径D12よりも小さくてもよい。換言すれば、下部容器42の下端の流路断面積(水平断面の面積)は、下部容器62の下端の流路断面積(水平断面の面積)よりも大きい。このようにすれば、第二貯留槽6のイニシャルコストを、第一貯留槽4のそれらに比べてコストダウンできる。
【0059】
なお、本実施形態では、第二貯留槽6の槽本体60の槽高は、第一貯留槽4の槽本体40(図2参照)の槽高と等しい。また、本実施形態では、第二貯留槽6の上部容器61の直径D21は第一貯留槽4の上部容器41の直径D11と等しい。このようにすることで、装置設計を共通化し、槽本体40,60の製造コストを低減できる。なお、第二貯留槽6の上部容器61の直径D21と第一貯留槽4の上部容器41の直径D11とを異ならせても良い。この場合、D12/D11>D22/D21とすることにより、第一貯留槽4内を通過する炭化物Mの流れを、第二貯留槽6内を通過する中間体N(炭化物M)の流れよりも、相対的に均質なものとすることができる。
【0060】
供給部63は、例えばロータリバルブを有する粉粒体の供給装置である。供給部63は、上部容器61の天板に設けられ、上流側から供給される中間体Nを槽本体60の上部から槽内へ供給する。これにより、槽本体40の槽内において、中間体Nが層状に積層される。供給部63は、ロータリバルブの上流に、第二貯留槽6の上流側から供給される炭化物Mを一次貯留するバッファタンクを備えてもよい。また、供給部63を省略して、第一貯留槽4の排出部44が第二貯留槽6の供給部63を兼ねていてもよい。
【0061】
排出部64は、例えば供給部63のものよりも水平断面の直径がやや大きい程度のロータリバルブや、供給部43に適したものよりも小型のテーブルフィーダなどの粉粒体の排出(供給)装置である。排出部64は、堆積層B2の層状態をある程度維持しながら、堆積層B2の下部からリサイクル燃料Fを切り出して槽本体60から排出し、下流側に供給する。本実施形態では、排出部64のケーシング64aは円筒状であり、全体的に同一の直径D22となっている。リサイクル燃料Fは、例えばフライトコンベアのコンベア上に自由落下し、当該フライトコンベアによりストックタンク19(図1参照)に搬送されて貯留される。
【0062】
給気部68は、例えば下部容器62の下端部分から槽本体60内に連通する短管を有し、養生ガスG2を槽本体60内に導入することで、堆積層B2に下端に養生ガスG2を供給する。養生ガスG2は堆積層B2を通過し、堆積層B2の上端から槽本体60内の上部空間に放出される。養生ガスG2は、堆積層B2を通過する際に、中間体Nと固気接触し、粒子表面における表面官能基などを酸化する。槽本体60内の上部空間に放出された養生ガスG2は、排ガスE2として排気部69から槽本体60の外部へ排気される。
【0063】
本実施形態では、槽本体60の側部に、堆積層B2の温度を計測する温度センサT2が設けられている。温度センサT2は、槽本体60内部(堆積層B2)の内、最も温度が高くなる箇所(中間体Nの温度)の温度検知が少なくとも可能となるように取り付けられる。
【0064】
なお、本実施形態では通気制御部91は、センサS22で検知した酸素濃度に基づいて、養生ガスG2に含まれる酸素が堆積層B2で消費し尽くされないように、養生ガスG2の酸素濃度(センサS21で検知される酸素濃度)と供給量とを調整する。ここで、酸素が堆積層B2で消費し尽くされない条件、とは、センサS22で検知される酸素濃度が1体積%以上であることを意味し、堆積層B2の上部でも酸化反応が進行するように排気ガスE中に酸素をある程度残留させておくことを言う。これにより排ガスE2は、空気と比べると比較的窒素及び二酸化炭素の割合が高く、酸化反応に対して活性が低下したガスとなる。
【0065】
第二貯留槽6に貯留されている中間体N(炭化物M)は、発火性があり、また、依然としてリサイクル燃料Fよりも高い自己発熱性を有するため、第一貯留槽4の場合と同様に、炭化物Mの温度管理と養生ガスG2の酸素濃度の管理とが重要である。しかし、中間体Nは、第一貯留槽4に貯留されている炭化物Mに比べて自己発熱性は低い。そのため、第一貯留槽4の場合に比べて、堆積層B2の温度が高くなり発火の危険が生じるようなリスクは減少する。したがって、第二貯留槽6の場合には通常、養生ガスG2の酸素濃度が高くなる場合でも(例えば後述する養生ガスG2による冷却作用が不足するなどして)炭化物Mの温度が高くなって発火の危険が生じることはなく、むしろ、炭化物処理の反応速度の低下を避けるべく、堆積層B2の温度が低くなりすぎないような制御が重要となる。そのため、通気制御部91は後述するように養生ガスG2の酸素濃度、温度、及び供給量を適宜調整している。
【0066】
〔制御部〕
〔通気制御部〕
図1に示すように、通気制御部91は、センサS12,S22が検知した酸素濃度、及び温度センサT1,T2が検知した堆積層B1,B2の温度に基づいて、通気部Kを制御して養生ガスG1,G2の酸素濃度、温度、及び供給量を制御する機能部である。
【0067】
通気制御部91は、排ガスE1の酸素濃度、すなわち、センサS12で検知される酸素濃度が1体積%から3体積%になるように養生ガスG1の酸素濃度を制御する。
【0068】
通気制御部91は、センサS12で検知される酸素濃度が減少して1体積%に近づいて、養生ガスG1の酸素濃度を増大させる必要が生じた場合は、弁55の開度を大きくし、排ガスE2に対して外気Aの混合割合を大きくする。通気制御部91は、センサS12で検知される酸素濃度が増大して3体積%に近づいて、養生ガスG1の酸素濃度を減少させる必要が生じた場合は、弁55の開度を小さくし、排ガスE2に対して外気Aの混合割合を小さくする。
【0069】
通気制御部91は、堆積層B1の温度、すなわち、温度センサT1が検知する温度が40℃以上60℃未満になるように養生ガスG1の供給量や温度を制御する。
【0070】
通気制御部91は、温度センサT1が検知する温度が上昇して60℃に近づくと、弁51の開度を増大させることで養生ガスG1の供給量を増大させて、堆積層B1を冷却する。これにより、炭化物Mの発火が防止される。通気制御部91は、温度センサT1が検知する温度が低下して40℃に近づくと、弁51の開度を減少させることで養生ガスG1の供給量を減少させて、堆積層B1の冷却を防止する。これにより、炭化物処理の反応速度の低下を防止する。
【0071】
通気制御部91は、排ガスE2の酸素濃度、すなわち、センサS22で検知される酸素濃度が1体積%以上になるように養生ガスG2の酸素濃度を制御する。
【0072】
通気制御部91はセンサS22で検知した酸素濃度が減少して所定範囲以下(例えば、17体積%以下)となり養生ガスG2の酸素濃度を増大させる場合は、弁56の開度を小さくし、排ガスE1に対して外気Aの混合割合を大きくする。
【0073】
通気制御部91は、温度センサT2が検知する温度が40℃以上60℃未満になるように養生ガスG2の供給量や温度を制御する。なお、第二貯留槽6にて炭化物処理される中間体Nが冷却される過ぎることを防止するため、第二貯留槽6に供給される養生ガスG2の通気量は、第一貯留槽4に供給される養生ガスG1の通気量よりも少ないほうが好ましい。
【0074】
通気制御部91は、温度センサT2が検知する温度が上昇して60℃に近づくと、弁56の開度を小さくし、排ガスE1に対して外気Aの混合割合を大きくすることで、養生ガスG2の温度を低下させつつ酸素濃度を増大させて、堆積層B2を冷却しつつ炭化物処理の反応速度の低下を防止/促進する。弁56が全閉である場合は、弁52の開度を大きくして養生ガスG2の供給量を増大させて、堆積層B2を冷却する。
【0075】
通気制御部91は、温度センサT2が検知する温度が低下して60℃から離れて40℃に近づくと、弁52の開度を減少させることで養生ガスG2の供給量を減少させて、堆積層B2の冷却を防止する。これにより、炭化物処理の反応速度の低下を防止する。
【0076】
ここで、酸素消費特性について説明する。酸素消費特性とは、単位質量あたりの炭化物M(中間体N)が単位時間当たりに消費する酸素の質量である。酸素消費特性は、第一貯留槽4にて養生され排出された中間体Nの第二貯留槽6内における活性(酸素により酸化される活性)の度合いを意味する。酸素消費特性が大きいほど、中間体Nは酸素含有雰囲気下で発熱し、発火などの危険が増大する。したがって、中間体Nをリサイクル燃料Fとするためには、この酸素消費特性を規定値(例えば、5mgO2/g/day)以下に低下させることが要請される。酸素消費特性は、炭化物M(中間体N)の質量と、第一貯留槽4に供給される酸素量と、第一貯留槽4から排出される酸素量により求めることができる。また、第一貯留槽4から排出された中間体Nをサンプリングして、直接計測することもできる。本実施形態では、第一貯留槽4に供給される養生ガスG1に含まれる酸素濃度から、第一貯留槽4から排出される排ガスE1に含まれる酸素濃度を差し引いた濃度差に、養生ガスG1の単位時間当たりの通気量である通風速度を乗じた値に比例する値として求めることができる。第一貯留槽4に供給される養生ガスG1に含まれる酸素濃度および第一貯留槽4から排出される排ガスE1に含まれる酸素濃度はセンサS12,S22で計測される酸素濃度を用いればよい。例えば、第一貯留槽4にて養生され排出された中間体Nの酸素消費特性は、センサS11で計測される酸素濃度からセンサS12で計測される酸素濃度の差分に風量計U1が検知した養生ガスG1の通気量(通風速度)を乗じた値に比例する値として求められる。また、本実施形態では、第一貯留槽4から排出された中間体Nをサンプリングして、所定時間(例えば1時間)に亘って中間体Nを密閉容器に収容し、所定時間経過後に中間体Nの酸素消費特性を計測することができる。以下では、酸素消費特性および酸素消費特性に比例する値を包括して単に「酸素特性値」と称する場合がある。
【0077】
本実施形態における通気制御部91は、第一貯留槽4から排出された中間体N(炭化物の一例)の酸素消費特性に基づいて第二貯留槽6に供給する養生ガスG2の通気量を制御する。この通気制御部91は、中間体Nの酸素特性値が所定値より大きい場合又は中間体Nの酸素特性値の低減量が予め定められた低減閾値(第一貯留槽4で養生される炭化物Mにおける酸素特性値の目標低減量)よりも小さい場合、養生ガスG2の弁52の開度を増大させる及び/又は第二送風機32の駆動力を増大させることにより、養生ガスG2の供給量を増加させて、養生ガスG2により持ち去る熱量を多くして、第二貯留槽6での炭化物処理を促進しながら堆積層B2の発火を防止する。一方、通気制御部91は、中間体Nの酸素特性値が所定値以下の場合又は中間体Nの酸素特性値の低減量が予め定められた低減閾値よりも大きい場合、養生ガスG2の弁52の開度及び/又は第二送風機32の駆動力を維持又は低下させることにより、第二貯留槽6の堆積層B2の炭化物処理を実行する。その結果、第二貯留槽6に供給された中間体Nが冷却され過ぎる場合でも、第二貯留槽6に供給する養生ガスG2の通気量を低下させれば、養生ガスG2により持ち去る熱量が少なくなるので、第二貯留槽6の堆積層B2の温度を、炭化物処理の促進に適切な温度に維持し、第二貯留槽6での炭化物処理を促進して処理効率を向上させることができる。また、1つの貯留槽による養生処理ではリサイクル燃料Fの酸素特性値を出荷に適した規定値とすることは難しいが、第一貯留槽4の養生処理で中間体Nを得て、その中間体Nの酸素特性値(又は酸素特性値の低減量)に基づいて、第二貯留槽6での養生処理を制御することにより、リサイクル燃料Fの酸素特性値を出荷に適した規定値とすることができる。なお、判定閾値となる所定値又は低減閾値は、中間体Nを第二貯留槽6にて養生して生成されたリサイクル燃料Fの酸素特性値を、出荷に適した規定値とするために、第二貯留槽6のスペックを考慮して予め設定される。
【0078】
図4に示すように、中間体Nの酸素特性値が所定値より大きい場合又は中間体Nの酸素特性値の低減量が予め定められた低減閾値よりも小さい場合、第一貯留槽4から排出された中間体Nの発火を防止するために、第一貯留槽4と第二貯留槽6との間に、第一貯留槽4から排出された中間体N(炭化物の一例)を冷却可能な冷却部20を設けても良い。この冷却部20では、冷却水を噴霧供給する等して中間体Nを冷却する。なお、図示では第一貯留槽4と第二貯留槽6とを接続する経路に冷却部20を設けているが、「第一貯留槽4と第二貯留槽6との間」とは、第一貯留槽4及び/又は第二貯留槽6に冷却部20を設けることが含まれる。第一貯留槽4及び第二貯留槽6に冷却部20を設ければ、第一貯留槽4及び第二貯留槽6のいずれか一方で発火の危険性があって冷却部20にて炭化物M(中間体N)の含水率が上がって出荷出来ない状態となっても、第一貯留槽4及び第二貯留槽6のいずれか他方で養生された炭化物M(中間体N)を用いてリサイクル燃料Fを生成することができる。また、第一貯留槽4及び第二貯留槽6のいずれか一方で発火の危険性があった場合の運転条件を参考にして、第一貯留槽4及び第二貯留槽6のいずれか他方の運転条件を変更すれば、良好なリサイクル燃料Fを生成することができる。
【0079】
図4に示すように第一貯留槽4と第二貯留槽6との間に、第一貯留槽4から排出された炭化物M(中間体N)を冷却可能な冷却部20を設けることにより、第一貯留槽4から排出された中間体Nの自己発熱性が依然として高い場合であっても、冷却部20にて冷却された中間体Nを第二貯留槽6に投入すれば、第二貯留槽6に貯留される中間体Nを、第一貯留槽4で貯留される炭化物Mよりも、自己発熱性の低下した安全なものとすることができる。
【0080】
〔滞留時間制御部〕
滞留時間制御部92は、供給部43、排出部44、供給部63、及び排出部64の供給ないし排出速度を制御して、第一貯留槽4及び第二貯留槽6における炭化物Mの滞留時間を制御する機能部である。
【0081】
滞留時間制御部92は、通常、供給部43及び供給部63を所定の供給速度で動作させる。滞留時間制御部92は、第一貯留槽4や第二貯留槽6の炭化物Mの滞留量が所定の値(たとえば、槽容量の90%)を超える場合は、供給部43や供給部63の供給速度を減速し、もしくは供給を停止させる。
【0082】
滞留時間制御部92は、通常、第一貯留槽4における炭化物Mの滞留時間が所定の値(例えば1.5日間)に維持されるように、排出部44を所定の排出速度で動作させる。滞留時間制御部92は、第一貯留槽4の滞留量が所定の値(たとえば、槽容量の70%以上80%以下)を維持するように、排出部44の排出速度を増速ないし減速する場合がある。
【0083】
滞留時間制御部92は、まず、第二貯留槽6における炭化物Mの滞留時間が規定の値(例えば1.5日間、以下、「既定の滞留時間」と記載する場合がある)に維持されるように、排出部64を所定の排出速度で動作させる。
【0084】
滞留時間制御部92は、センサS11,S12が検知した養生ガスG1及び排ガスE1の酸素濃度と、風量計U1が検知した養生ガスG1の通気量とに基づいて、排出部64の排出速度を制御する。
【0085】
滞留時間制御部92は、冷却装置11から炭化物処理装置100へ供給される炭化物Mの物性が一定(例えば、原料とした乾燥汚泥Lが同一のロット)である場合、以下の制御を行う。
【0086】
滞留時間制御部92は、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素特性値が所定値以下であれば、第一貯留槽4での炭化物処理が予め定めた目標値を超えて進行していると判定する。そして、当該判定結果に基づいて、滞留時間制御部92は、第二貯留槽6での炭化物Mの滞留時間が既定の滞留時間より短くなるように、排出部64の排出速度を増大させる。第一貯留槽4での炭化物処理が十分に進行していれば、第二貯留槽6での滞留時間を短くしても、所望の程度まで自己発熱性を低下させたリサイクル燃料Fを得ることができるためである。また、後述するような第二貯留槽6での炭化物Mの滞留時間を長くする場合に備えて第二貯留槽6の滞留量を減少させておくためである。
【0087】
これにより本実施形態における滞留時間制御部92は、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素消費特性がより小さくなれば、排出部64の排出速度をより増大させる。
【0088】
滞留時間制御部92は、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素特性値が所定値より大きければ、第一貯留槽4での炭化物処理が予め定めた目標値よりも進行していないと判定する。そして、第二貯留槽6での炭化物Mの滞留時間が既定の滞留時間より長くなるように、排出部64の排出速度を減少させる。第一貯留槽4での炭化物処理が十分に進行していない場合は、第二貯留槽6での滞留時間を長くすることで炭化物処理を進行させることで、所望の程度まで自己発熱性を低下させたリサイクル燃料Fを得ることができるためである。
【0089】
これにより本実施形態における滞留時間制御部92は、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素消費特性がより大きくなれば、排出部64の排出速度をより減少させる。
【0090】
なお、滞留時間制御部92は、第一貯留槽4の場合と同様に、第二貯留槽6の滞留量が所定の値(たとえば、槽容量の70%以上80%以下)を維持するように、排出部64の排出速度を増速ないし減速する場合がある。
【0091】
以上のようにして、炭化物処理の安全性を向上させた炭化物処理装置及び炭化物処理方法を提供することができる。
【0092】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第一送風機31は、外気Aと排ガスE2とを吸気し、これを養生ガスG1として第一貯留槽4に送風する場合を説明した。しかしながら、第一送風機31は排ガスE2を吸引しない場合もある。この場合、養生ガスG1に排ガスE2が混合されない場合もあるし、排ガスE2に代えて、排ガスE1を吸引したり、窒素などの不活性ガスを吸引したりする場合もある。
【0093】
(2)上記実施形態では、第二送風機32は、外気Aと排ガスE1とを吸気し、これを養生ガスG2として第二貯留槽6に送風する場合を説明した。しかしながら、第二送風機32は排ガスE1を吸引しない場合もある。この場合、養生ガスG2に排ガスE1が混合されない場合もあるし、排ガスE1に代えて、排ガスE2を吸引したり、窒素などの不活性ガスを吸引したりする場合もある。
【0094】
(3)上記実施形態では、滞留時間制御部92が、センサS11,S12が検知した養生ガスG1及び排ガスE1の酸素濃度と、風量計U1が検知した養生ガスG1の通気量とに基づいて、排出部64の排出速度を制御する場合を説明したが、このような排出部64の排出速度の制御は必須ではない。
【0095】
(4)上記実施形態では、滞留時間制御部92が、第一貯留槽4から排出された中間体Nの酸素消費特性に基づいて排出部64の排出速度を制御し、排出部44は所定の供給速度で動作させる場合を説明した。しかしながら、第二貯留槽6の排出部64の排出速度の制御に加えて、第一貯留槽4の排出部44の排出速度の制御が行われてもよい。滞留時間制御部92が、中間体Nの酸素消費特性に基づいて、第一貯留槽4での排出部44の排出速度の制御を行う場合もある。
【0096】
例えば滞留時間制御部92は、中間体Nの酸素特性値が所定値以下であれば、第一貯留槽4の排出部44の排出速度を増大させ、中間体Nの酸素特性値が所定値より大きければ、第一貯留槽4の排出部44の排出速度を減少させてもよい。このようにすれば、炭化物処理装置100の炭化物処理の処理効率(処理能力)を全体的に高めることができる。
【0097】
(5)上記実施形態では、冷却装置11から炭化物処理装置100へ供給される炭化物Mの物性が一定(例えば、原料とした乾燥汚泥Lが同一のロット)である場合、滞留時間制御部92は、中間体Nの酸素消費特性がより小さくなれば、第二貯留槽6の排出部64の排出速度をより増大させ、中間体Nの酸素消費特性がより大きくなれば、排出部64の排出速度をより減少させる場合を説明した。
【0098】
これに対し、冷却装置11から炭化物処理装置100へ供給される炭化物Mの物性が一定ではない(例えば、原料とした乾燥汚泥Lの物性が不明であったり、当該物性に大きなムラがあったりすることが予め把握されている)場合には、リサイクル燃料Fの自己発熱量を確実に所望の値とすべく、滞留時間制御部92は、第二貯留槽6の排出部64の排出速度を以下のように制御する場合もある。
【0099】
滞留時間制御部92は、中間体Nの酸素特性値が所定値以下でより大きければ、第二貯留槽6での滞留時間を長くすべく、第二貯留槽6の排出部64の排出速度をより減少させる場合がある。中間体Nの酸素消費特性が大きい場合は、冷却装置11から炭化物処理装置100へ供給される炭化物Mの初期の自己発熱量が大きい場合も想定される。この場合は、第二貯留槽6での滞留時間を長くして、炭化物処理を十分に行い、リサイクル燃料Fの自己発熱量を十分に低下させる。これにより、リサイクル燃料Fの安全性を確実ならしめることができる。
【0100】
(6)上記実施形態では、第一送風機31による外気Aの吸気量は、一端が第一送風機31に接続され、他端が外部に開放された吸気管に設けられた弁55の開度調整により制御される場合を説明した。しかし、弁55を省略し、弁51と弁54との開度調整により第一送風機31による外気Aの吸気量を調整してもよい。
【0101】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、炭化物処理装置及び炭化物処理方法に適用できる。
【符号の説明】
【0103】
4 :第一貯留槽
6 :第二貯留槽
9 :制御部
20 :冷却部
31 :第一送風機
32 :第二送風機
40 :槽本体(第一本体部)
41 :上部容器
42 :下部容器
60 :槽本体(第二本体部)
61 :上部容器
62 :下部容器
91 :通気制御部
92 :滞留時間制御部
100 :炭化物処理装置
200 :有機汚泥リサイクルシステム
A :外気
B1 :堆積層
B2 :堆積層
E1 :排ガス(養生ガス)
E2 :排ガス(養生ガス)
F :リサイクル燃料
G1 :養生ガス
G2 :養生ガス
H :貯留部
K :通気部
L :乾燥汚泥
M :炭化物
N :中間体(第一貯留槽から排出された炭化物)
S11 :センサ(酸素濃度計測部)
S12 :センサ(酸素濃度計測部)
S21 :センサ(酸素濃度計測部)
S22 :センサ(酸素濃度計測部)
U1 :風量計
U2 :風量計
図1
図2
図3
図4