(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】二つのレベルのモビリティリファレンス信号設定
(51)【国際特許分類】
H04W 72/20 20230101AFI20240530BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240530BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20240530BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W24/10
H04W36/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021187281
(22)【出願日】2021-11-17
(62)【分割の表示】P 2019507183の分割
【原出願日】2016-08-12
【審査請求日】2021-12-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ユルマズ, オスマン ヌリ カン
(72)【発明者】
【氏名】アクセン, ラスムス
(72)【発明者】
【氏名】ウェイジャー, ステファン
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】中木 努
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524641(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021531(WO,A1)
【文献】特開2014-138395(JP,A)
【文献】特開2013-102302(JP,A)
【文献】国際公開第2016/072791(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムの一つ以上のネットワークノードにおける方法であって、前記方法は、
前記無線通信システムにおいて動作する無線デバイスに対して、
媒体アクセスコントロール(MAC)プロトコルを使用して、アクティベーションコマンドを送信することを有し、前記アクティベーションコマンドは、前記無線デバイスに対して
無線リソースコンフィギュレーション(RRC)プロトコルを使用して過去に
送信された複数の、モビリティまたは測定リファレンス信号(MRS)コンフィギュレーションのうちの第一の一つを識別し、かつ、前記MRSコンフィギュレーションのうちの前記識別された第一の一つが前記無線デバイスによって使用されるべきであることを示す
ものであり、前記MRSコンフィギュレーションのそれぞれは
、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行する際に前記無線デバイスによって使用される送信リソース領域を示すインジケーションを含む、方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の方法であって、前記アクティベーションコマンドを送信することに先立って、前記無線デバイスへ、前記複数のMRSコンフィギュレーションのうちの一つ以上のそれぞれについての
一つ以上のパラメータを特定するMRSコンフィギュレーション情報を、送信すること、をさらに有する、方法。
【請求項3】
請求項
2に記載の方法であっては、前記MRSコンフィギュレーション情報を送信することは、前記アクティベーションコマンドを送信するものとは異なるネットワークノードによって実行される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記無線デバイスに対して、前記複数のMRSコンフィギュレーションのうちのMRSコンフィギュレーションの第二の一つを識別するディアクティベーションコマンドを送信することを有し、前記ディアクティベーションコマンドは、前記MRSコンフィギュレーションの前記第二の一つを使用することを前記無線デバイスが停止すべきことを示す、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記無線デバイスから、前記一つ以上のネットワークノードのうちの一つにおいて、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されるMRSについての測定データを有する測定報告を、受信することを有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、前記無線デバイスによって測定されるべきである複数のMRSを特定し、各MRSはMRS識別情報に対応している、方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の方法であって、各MRS識別情報は予め定められたMRSシーケンスに対応している、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、サーチ空間識別情報を特定しており、前記サーチ空間識別情報は、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行するときに、前記無線デバイスによって使用されるべきである
前記送信リソース領域
を示している、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、測定ギャップと測定周期とのうちの一つ以上を特定する、方法。
【請求項10】
無線通信システムにおいて動作する無線デバイスにおける方法であって、前記方法は、
前記無線通信システムにおけるネットワークノードから、
媒体アクセスコントロール(MAC)プロトコルを使用して、アクティベーションコマンドを受信することであって、前記アクティベーションコマンドは、前記無線デバイスに対して
無線リソースコンフィギュレーション(RRC)プロトコルを使用して過去に
送信された複数の、モビリティまたは測定リファレンス信号(MRS)コンフィギュレーションのうちの第一の一つを識別し、かつ、前記MRSコンフィギュレーションのうちの前記識別された第一の一つが前記無線デバイスによって使用されるべきであることを示す
ものであり、前記MRSコンフィギュレーションのそれぞれは
、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行する際に前記無線デバイスによって使用される送信リソース領域を示すインジケーションを含む、受信することと、
前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSで少なくとも一つの測定を実行することと、
を有する、方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の方法であって、前記アクティベーションコマンドを受信することに先立って、前記無線デバイスから、前記複数のMRSコンフィギュレーションのうちの一つ以上のそれぞれについての
一つ以上のパラメータを特定するMRSコンフィギュレーション情報を、受信すること、をさらに有する、方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の方法であっては、前記MRSコンフィギュレーション情報を受信することは、前記アクティベーションコマンドを受信するものとは異なるネットワークノードから、受信することである、方法。
【請求項13】
請求項
10に記載の方法であって、さらに、
前記複数のMRSコンフィギュレーションのうちの前記MRSコンフィギュレーションの第二の一つを識別するディアクティベーションコマンドを受信することであって、前記ディアクティベーションコマンドは、前記無線デバイスが使用することを停止すべきである前記MRSコンフィギュレーションの前記第二の一つを示すものである、受信することと、
前記MRSコンフィギュレーションの前記第二の一つによって特定される少なくとも一つのMRSの測定を中止することと、
を有する、方法。
【請求項14】
請求項
10に記載の方法であって、前記方法は、さらに、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されたMRSについての測定データを有する測定報告を送信することを有する、方法。
【請求項15】
請求項
10に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、前記無線デバイスによって測定されるべきである複数のMRSを特定しており、各MRSはMRS識別情報に対応している、方法。
【請求項16】
請求項
10に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、サーチ空間識別情報を特定し、前記サーチ空間識別情報は、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行するときに、前記無線デバイスによって使用されるべきである
前記送信リソース領域
を示しており、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つによって特定される前記少なくとも一つのMRSのサーチは、前記示された送信リソース領域を使用して実行される、方法。
【請求項17】
請求項
10に記載の方法であって、前記MRSコンフィギュレーションの前記第一の一つは、測定ギャップと測定周期とのうちの一つ以上を特定する、方法。
【請求項18】
無線通信システムの無線デバイスであって、請求項
10ないし
17のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合した、無線デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に無線通信システムの一つ以上のネットワークノードにおける方法、無線通信システムに置いて動作する無線デバイスにおける方法、無線通信システムの一つ以上のネットワークノードの構成、および、無線通信システムの無線デバイスに関し、とりわけ、モビリティリファレンス信号または測定リファレンス信号の設定の効率的にハンドリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
次世代(NG)アーキテクチャのための全体としての要件(TR 23.799、 Study on Architecture for Next Generation)、より具体的には、NGアクセステクノロジー(TR 38.913、 Study on Scenarios and Requirements for Next Generation Access Technologies)は、現在のロングタームエボリューション(LTE)のモビリティソリューションと比較して、新しいRAT(NR)(RP-160671、 New SID Proposal: Study on New Radio Access Technology、 DoCoMo)のためのアクティブモードモビリティソリューションに影響を与えるだろう。これらの要件のいくつかはネットワークエネルギーの効率化メカニズムをサポートすることの必要性と、将来の開発を見積もることの必要性と、非常にワイドレンジな周波数をサポートすることの必要性とを含む。
【0003】
隣接セル関係(NR)ハンドオーバのコンテキストにおいて、ダイナミックなネットワークトリガード・モビリティリファレンス信号(MRS)の測定とその報告、および/または、周期的なMRS測定、並びに、イベントベースでの報告(LTEと同様)をサポートするために、測定フレームワークが使用可能である。MRSは測定リファレンス信号の略称でもある。
図1は、ダウンリンク測定ベースのハンドオーバのコンテキストにおける、ソースアクセスノード70、ターゲットアクセスノード80、およびユーザ装置(UE)50を示している。通常の環境において、ユーザデータおよびMRS設定は、UE50とソースアクセスノード70との間で送受信されうる。
図1の例におけるMRS設定のメッセージングは、RRCレベルまたはレベル3(L3)において実行される。ビームスイッチがトリガーされると、MRS測定がUE50によって実行される。オプションとして、MRS設定およびアクティブ測定コマンドは、ソースアクセスノード70からUE50に送信される。ダウンリンクリファレンス信号の測定結果がUE50によってソースアクセスノード70へ報告された後で、ハンドオーバ判定がソースアクセスノード70によって実行される。そして、ソードアクセスノード70から無線リソース制御(RRC)コネクション・リコンフィギュレーション(再設定)・メッセージとして、ハンドオーバコマンドが送信されうる。ハンドオーバコマンドは、ターゲットアクセスノード80からのアップリンクグラントメッセージによって黙示的に示されてもよい。
【0004】
RRCリコンフィギュレーションメッセージの受信またはベストビーム検知に伴い、UE50は、アップリンク同期信号(USS)を使用してターゲットアクセスノード80にコンタクトすることで選択されたUSSが検出されたベストビームを示すことが可能となるが、ここでUSSはターゲットビーム/セル/ノードのMRSシーケンスに結合されていてもよい。USSはアップリンクタイミングリファレンスとして機能するが、これはUE50がアクセスノードを変更するときにアップリンク時間同期を必要とするからである。USSはLTEにおける物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルと類似の設計を有しており、アップリンクタイミングアドバンス(TA)演算、アップリンク周波数オフセット推定およびアップリンクビーム識別のためのものである。USSに対するレスポンスまたは後続のメッセージとして、ターゲットアクセスノード80は、ターゲットアクセスノード80とアップリンク同期を確立するために、TAを含むアップリンクグラントを送信する。
【0005】
ダウンリンク測定ベースのハンドオーバの代替案として、
図2に示されたような同一の原理に依拠したアップリンク測定ベースのハンドオーバが提供されてもよいだろう。これは、オプションとしてUE50に対してUSS設定およびUSSアクティベーションコマンドを送信するソースアクセスノード70を関与させてもよい。USSは、検出されたテストビームを示すために使用されたり、アップリンクリファレンスとして機能したりするために、使用されてもよい。ソースアクセスノード70および/またはターゲットアクセスノード80は、信号についての測定を実行し、ベストビームを決定する。さらに、このケースでは、ビームスイッチコマンドはMRSであり、これはUSS設定メッセージにおいて示された時間/周波数リソース上で送信される。
【0006】
しかしながら、これらの事例におけるMRS設定の現在における使用は最適化されたものでないことを認識すべきであり、なぜならUE50は常に設定されたMRSのすべてを測定/報告することを必要とされてはいないからである。さらに、UE50は、MRSの修正または設定ごとに、RRCレベルで再設定されるための十分な時間的に余裕を有していないかもしれない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、第五世代のネットワーク(5G)を含む、NGネットワークに関連している。とりわけ、本実施形態は、MRSの設定を効率よく取り扱う方法に関連している。本実施形態は、2レベルのMRS設定により、より効率のよい、MRS設定プロシージャとシグナリングとを提供する。2レベルのMRS設定は、一つ以上のネットワークノードが無線デバイスに対して複数のMRS設定情報を送信することと、その後に、当該MRS設定のうちの一つを示すアクティベーションコマンドを送信することとを有する。効果があることには、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについてのパラメータを特定する。アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちから第一の一つのMRS設定を識別するインデックスを有することによって、無線デバイスによって少なくとも第一の一つのMRS設定が使用されるべきであることを、示す。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、無線通信システムの一つ以上のネットワークノードにおける方法であって、無線通信システムにおいて動作する無線デバイスに対してMRS設定情報を送信することを有する。MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。本方法は、無線デバイスに対して、無線デバイスによって使用されるべきであるMRS設定の少なくとも第一の一つを示すアクティベーションコマンドを続いて送信する。アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、無線通信システムにおいて動作する無線デバイスにおける方法であって、無線通信システムにおけるネットワークノードからMRS設定情報を受信することを有する。MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。本方法は、無線デバイスによって使用されるべきであるMRS設定の少なくとも第一の一つを示すアクティベーションコマンドを、無線通信システムにおけるネットワークノードから、続いて受信することを有する。アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。本方法は、さらに、アクティベーションコマンドを受信したことに応じて、MRS設定の第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチすることと、少なくとも一つのMRS上で少なくとも一回の測定を実行することと、を有する。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、無線通信システムにおけるアレンジメント(構成)の一つ以上のネットワークノードのそれぞれは、無線デバイスと通信可能に構成された通信回路と、通信回路と動作的に関連付けられた処理回路とを有する。一つ以上のネットワークノードにおける一つ以上の処理回路は、無線通信システムにおいて動作する無線デバイスに対してMRS設定情報を送信するように構成されている。MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。一つ以上の処理回路は、無線デバイスに対して、無線デバイスによって使用されるべきであるMRS設定の少なくとも第一の一つを示すアクティベーションコマンドを続いて送信するように構成されている。アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、無線通信システムにおける無線デバイスは、ネットワークノードと通信可能に構成された通信回路と、通信回路と動作的に関連付けられた処理回路とを有する。処理回路は、無線通信システムにおけるネットワークノードから、MRS設定情報を受信するように構成されている。MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。処理回路は、無線デバイスによって使用されるべきであるMRS設定の少なくとも第一の一つを示すアクティベーションコマンドを、無線通信システムにおけるネットワークノードから、続いて受信するように構成されている。アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。処理回路は、アクティベーションコマンドを受信したことに応じて、MRS設定の第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチし、少なくとも一つのMRS上で少なくとも一回の測定を実行するように構成されている。
【0012】
本発明の他の観点は、上述の要約された方法および上記の要約されたネットワークノードおよび無線デバイスの機能的な実装に対応する、装置、コンピュータプログラムプロダクト、またはコンピュータ可読記憶媒体に関連している。もちろん、本発明は上記の特徴や利点にのみ限定されることはない。当業者であれば以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ることで追加の特徴や利点を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ダウンリンク測定ベースのハンドオーバを示す図
【
図2】アップリンク測定ベースのハンドオーバを示す図
【
図3】本発明のいくつかの実施形態にしたがったネットワークノードのブロック図
【
図4】いくつかの実施形態にしたがった例示的な方法を示すフローチャート
【
図5】いくつかの実施形態にしたがった無線デバイスを示すブロック図
【
図6】いくつかの実施形態にしたがった他の例示的な方法を示すフローチャート
【
図7A】2レベルのMRS設定についての例示的な実施形態を示す図
【
図7B】2レベルのMRS設定についての例示的な実施形態を示す図
【
図8】いくつかの実施形態にしたがった一つ以上のネットワークノードの構成の機能的な実装を示すブロック図
【
図9】いくつかの実施形態にしたがった無線デバイスの機能的な実装を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は2レベル(段階)のシグナリングを使用してMRS設定とアクティベーションとを取り扱うための、より効率のよい、シグナリングプロシージャを提供する。2レベルのMRS設定は、(1)RRCプロトコルがMRSのセットと共にUEを設定するために使用される、低速(L3)設定と、(2)実際のMRS情報の使用に代えてインデックス化を使用することによってUEのためにRRC設定されたMRSセットのうちの特定の要素をアクティブ化/非アクティブ化するために媒体アクセス制御(MAC)プロトコルが使用される、高速(L2)設定とを有する。ネットワーク判定は、ベンダーにより実装される特定のアルゴリズムをベースとしていてもよい。たとえば、ネットワークは、省エネルギーまたはシグナリンの削減のために、不必要なMRS測定または測定報告を避けてもよい。
【0015】
ここで使用されている「モビリティリファレンス信号」、「測定リファレンス信号」および「MRS」という用語は、無線ネットワークにおいて送信される信号を指しており、とりわけ、無線デバイスによる測定のためのものであり、ここで測定は、たとえば、あるノードから他のノードへ、または、ある一つのビームから他のものへのハンドオーバなど、モビリティプロシージャにおける使用のためのものである。MRSは、LTEにおいて使用されているプライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)のような、セル固有の同期信号と、設計上および/または目的上、類似している。「MRSコンフィギュレーション(設定)」という用語は、送信されるMRSによって占有される物理リソース、つまり、時間周波数および/またはコードのリソースを定義し、および/または、MRSを形成しているシンボル値のシーケンスのように、信号シーケンスを定義するパラメータのセットを指している。ゆえに、たとえば、異なるMRS設定は異なるMRSのための異なる時間周波数リソースを特定しており、これは、直交周波数分割多重(OFDM)の時間周波数グリッドにおけるリソースエレメントについての異なるパラメータのようなものである。異なるMRS設定は、代替的に/または追加的に、たとえば、異なるシンボル値のシーケンスを特定するものであってもよい。いくつかのケースによれば、MRS設定は、サーチ空間、測定ギャップおよび/または測定周期を示していてもよい。
【0016】
ここに記述された技術は、MRS設定をアクセスノードに対して敵対的なものにすることを許容する。換言すれば、UEは、これらの設定されたMRS信号が物理的にどのアクセスノードにマッピングされているかを知る必要がない。したがって、これは、L3メッセージをUEに送信することなく、UEに対するトランスペアレントな手法によりMRSが修正されることを許容する。UEが、MRSの修正または新規のMRSの設定について、RRCレベルで再設定されるための十分な時間的余裕を有していないときに、これは特に有効であろう。ここに記載された実施形態は、UEがMRSの測定を必要とするときにだけMRSを測定し、特定のUEの位置において与えられたMRSについて興味がある場合にそのMRSを測定することをUEに可能ならしめる(つまり、UEは設定されたすべてのMRSを測定することを必要とされない)。この技術はモビリティのための削減されたシグナリングのオーバヘッドを使用し、より高速なプロシージャを提供するものであり、ゆえに、5Gにおける有用でシームレスなモビリティの要件に着目している。実施形態は、さらに、分離されたアーキテクチャをサポートしており、それによるとベースバンド処理機能間での遅延が非常に短くなるものの、BPFと無線制御機能(RCF)との間の遅延が顕著に増加してしまうが、これはBPFから離れたところに配置されるからである。
【0017】
図3は無線通信システムにおける構成の一つ以上のネットワークノードにおける各ネットワークノードを代表するネットワークノード30のブロック図である。ネットワークノード30は、たとえば、基地局またはeNodeBなどの、ネットワークアクセスノードである。ネットワークノード30は、たとえば、アンテナ37および通信回路36を介して実装される、ダウンリンク送信およびアップリンク受信のためのLTEエアインタフェースまたはWLANエアインタフェースなどの、無線デバイスに対するエアインタフェースを提供する。通信回路46は、送信回路、受信回路、および、関連する制御回路を有してもよく、これらは集団で、必要に応じてセルラー通信またはWLANサービスを提供する目的のために、無線アクセス技術にしたがって、信号を送信および受信するように構成されている。様々な実施形態によれば、セルラー通信サービスは、3GPPセルラー規格、GSM、GPRS、WCDMA(登録商標)、HSDPA、LTE、およびLTEアドバンスドのいずれか一つ以上にしたがって運用されていてもよい。ネットワークノード30は、コアネットワークにおけるノード、他のピアの無線ノード、および/または、ネットワークにおける他のタイプのノードと通信するための通信インタフェース回路38を有してもよい。
【0018】
さらに、ネットワークノード30は、通信インタフェース回路38および/または通信回路36に関連して動作するとともに制御するように構成された一つ以上の処理回路32を有している。処理回路32は、たとえば、一つ以上の、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、特定用途集積回路(ASIC)、または、これらのいずれかの組み合わせなどを、有する一つ以上のデジタルプロセッサ42を有している。より一般的には、処理回路32は、固定回路、または、ここで教示さえる機能を実装したプログラムインストラクションの実行を通じて特別に構成されたプログラマブル回路を有したり、固定およびプログラマブル回路のいくつかの組み合わせを有したりしてもよい。プロセッサ42はマルチコアであってもよい。
【0019】
処理回路32はさらにメモリ44を有する。いくつかの実施形態によれば、メモリ44は、一つ以上のコンピュータプログラム46と、オプションとして、設定データ48とを記憶する。メモリ44は、コンピュータプログラム46のための非一過性の記憶装置であり、これはディスク記憶装置、ソリッドステートメモリ記憶装置またはこれらのいずれかの組み合わせのような、一つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を有してもよい。非限定の例示によって、メモリ44は、いずれか一つ以上のSRAM、DRAM、EEPROMおよびFLASH(登録商標)メモリを有してもよく、これらは処理回路32に含まれていたり、および/または、処理回路32から分離されていたりしてもよい。一般に、メモリ44は、ノード33によって使用されるコンピュータプログラム46および設定データ48の非一過性の記憶装置を提供する一つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を有する。ここで「非一過性」とは、永久、半永久、または、少なくとも一時的に持続する記憶を意味し、不揮発性メモリにおける長期間の記憶と、たとえばプログラムの実行のためのワーキングメモリにおける記憶と、の両方を包含する。
【0020】
いくつか実施形態によれば、無線通信システムにおける構成の一つ以上のネットワークノードのそれぞれは、ネットワークノード30として機能するように構成されている。よって、いくつかの実施形態によれば、一つ以上のネットワークノード30の一つ以上の処理回路32は、無線通信システムにおいて動作する無線デバイス50に対して、MRS設定情報を送信するように構成されており、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。一つ以上のネットワークノード30の一つ以上の処理回路は、無線デバイス50に対して、MRS設定の少なくとも第一の一つが無線デバイス50によって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて送信するように構成されており、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。つまり、いくつかのケースによれば、一つのネットワークノードがMRS設定情報を送信してもよく、異なるネットワークノードがアクティベーションコマンドを送信してもよい。
【0021】
特定の実装の詳細にかかわらず、一つ以上のネットワークノード30の一つ以上の処理回路32は、
図4の方法400のように、上述された一つ以上の技術にしたがった方法を実行するように構成されている。方法400は、無線通信システムにおいて動作する無線デバイス50に、MRS設定情報を送信すること(ブロック402)を有し、ここで、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについて一つ以上のパラメータを特定する。方法400は、さらに、無線デバイス50に対して、MRS設定の少なくとも第一の一つが無線デバイスによって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて送信すること(ブロック404)を有し、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、MRS設定情報を送信すること402は、無線リソース設定(RRC)プロトコルを使用することで実行され、アクティベーションコマンドを送信すること404は媒体アクセス制御(MAC)プロトコルを使用して実行される。
【0023】
方法400は、無線デバイス50に対して、無線デバイス50がMRS設定の第二の一つを使用することを停止すべきことを示すディアクティベーションコマンドを送信することを有し、ここで、ディアクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第二の一つを識別するインデックスを有する。方法400は、さらに、無線デバイス50から、一つ以上のネットワークノード30のうちの一つにおいて、MRS設定の第一の一つによって特定されたMRSのための測定データを有する測定報告を受信することを有する。
【0024】
MRS設定の第一の一つは、無線デバイス50によって測定されるべきである複数のMRSを特定してもよく、ここで各MRSはMRS識別情報に対応づけられている。各MRS識別情報は、所定のMRSシーケンスに対応づけられていてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、MRS設定の第一の一つは、サーチ空間識別情報を特定してもよく、ここでサーチ空間識別情報は、MRS設定の第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行するときに、無線デバイス50によって使用されるべきである複数の送信リソース領域の一つを示している。MRS設定の第一の一つは、測定ギャップおよび/または測定周期を特定してもよい。
【0026】
MRS設定情報を送信することは、アクティベーションコマンドを送信するネットワークノードとは異なるネットワークノードによって実行されてもよい。たとえば、ソースアクセスノード70は、UE50に対してMRS設定情報を送信してもよいが、UE50に対するインデックス化されたアクティベーションコマンドまたはディアクティベーションコマンドを送信するのはターゲットアクセスノード80であってもよい。
【0027】
図5は、
図5においてUE50として参照される例示的な無線デバイス50を示しており、これはここで記述される技術を実行するように構成されている。UE50は、さらに、ネットワークにおいて動作しうるいずれかの無線デバイスを代表するものとして考慮されてもよい。ここでのUE50は、無線信号を介してネットワークノードまたは他のUEと通信可能ないかなるタイプの無線デバイスであってもよい。UE50は、また、様々なコンテキストにおいて、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、デバイスツーデバイス(D2D)UE、マシンタイプUE、または、マシンツーマシン(M2M)通信可能なUE、UEに搭載されるセンサ、PDA(携帯情報端末)、無線タブレット、移動端末、スマートフォン、ラップトップ組み込み済み装置(LEE)、ラップトップ搭載済み装置(LME)、無線USBドングル、加入者宅内機器(CPE)、その他などと呼ばれてもよい。
【0028】
UE50は、アンテナ54と通信回路56とを介して、一つ以上のネットワークノード30のような、一つ以上の無線ノードまたは基地局と通信する。通信回路56は、送信機回路、受信機回路、および、関連する制御回路を有してもよく、これらは集団で、セルラー通信サービスを提供する目的のために、無線アクセス技術にしたがって、信号を送信および受信するように構成されていてもよい。
【0029】
さらに、UE50は、無線通信回路56に関連して動作するとともに制御する一つ以上の処理回路52を有している。処理回路52は、たとえば、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、FPGA、CPLD、ASICまたはこれらのいずれかの組み合わせなど、一つ以上のデジタル処理回路を有している。より一般的には、処理回路52は、固定回路、または、ここで教示される機能を実装したプログラムインストラクションの実行を通じて特別に適合されたプログラマブル回路を有したり、固定およびプログラムされた回路のいくつかの組み合わせを有したりしてもよい。処理回路52はマルチコアであってもよい。
【0030】
処理回路52はさらにメモリ64を有する。いくつかの実施形態によれば、メモリ64は、一つ以上のコンピュータプログラム66と、オプションとして、設定データ68とを記憶する。メモリ64は、コンピュータプログラム66のための非一過性の記憶装置であり、これはディスク記憶装置、ソリッドステートメモリ記憶装置またはこれらのいずれかの組み合わせのような、一つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を有してもよい。非限定の例示によって、メモリ64は、いずれか一つ以上のSRAM、DRAM、EEPROMおよびFLASH(登録商標)メモリを有してもよく、これらは処理回路52に含まれていたり、および/または、処理回路52から分離されていたりしてもよい。一般に、メモリ64は、ユーザ装置50によって使用されるコンピュータプログラム66およびいずれかの設定データ68の非一過性の記憶装置を提供する一つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を有する。
【0031】
よって、いくつかの実施形態によれば、UE50の処理回路52は、無線通信システムにおけるネットワークノード30からMRS設定情報を受信するように構成されており、MRS設定情報は、複数のMRS設定情報のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。処理回路52は、さらに、無線通信システムにおけるネットワークノードから、MRS設定の少なくとも第一の一つがUE50によって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて受信するように構成されており、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。アクティベーションコマンドは、MRS設定情報を送信するネットワークノード30とは異なるネットワークノードから受信されてもよい。処理回路52は、さらに、アクティベーションコマンドに応じて、MRS設定の第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチし、少なくとも一つのMRS上で少なくとも一回の測定を実行するように構成されている。
【0032】
特定の実装の詳細にかかわらず、UE50の処理回路52は、
図6の方法600のように、記述された一つ以上の技術にしたがった方法を実行するように構成されている。方法600は、無線通信システムにおけるネットワークノード30からMRS設定情報を受信すること(ブロック602)を有し、ここで、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについて一つ以上のパラメータを特定する。方法600は、無線通信システムにおけるネットワークノードから、MRS設定の少なくとも第一の一つがUE50によって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて受信すること(ブロック604)を有し、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。方法600は、さらに、アクティベーションコマンドを受信したことに応じて、MRS設定の第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチすること(ブロック606)と、少なくとも一つのMRS上で少なくとも一回の測定を実行すること(ブロック608)と、を有する。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、MRS設定情報を受信することは、RRCプロトコルを使用することで実行され、アクティベーションコマンドを受信することはMACプロトコルを使用して実行される。
【0034】
方法600は、UE50がMRS設定の第二の一つを使用することを停止すべきことを示すディアクティベーションコマンドを受信することと、MRS設定の第二の一つによって特定された少なくとも一つのMRSの測定を中止することとを有してもよく、ここで、ディアクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第二の一つを識別するインデックスを有する。方法600は、MRS設定の第一の一つによって特定されたMRSについての測定データを有する測定報告を送信することを有してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、MRS設定の第一の一つは、UE50によって測定されるべきである複数のMRSを特定してもよく、ここで各MRSはMRS識別情報に対応している。MRS設定の第一の一つは、サーチ空間識別情報を特定してもよい。サーチ空間識別情報は、MRS設定の第一の一つによって特定されるMRSの測定を実行するときに、UE50によって使用されるべきである複数の送信リソース領域の一つを示している。MRSの第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチすることは、示された送信リソース領域を使用して、実行されてもよい。MRS設定の第一の一つは、測定ギャップおよび/または測定周期を特定してもよい。
【0036】
図7Aおよび
図7Bは無線通信システムにおける2レベルのMRS設定についての構成10の例示的な実施形態を示している。この例によれば、ソースアクセスノード70および/またはターゲットアクセスノード80はMRS設定およびアクティベーションを、二つのレイヤーL3およびL2を使用して実行するが、これは構成10の一つ以上のネットワークノード30について説明された通りである。L3コントロール90は、RANの集中制御部内に配置されてもよいが(例:5Gのコンテキストにおけるリモート制御部/無線制御機能(RCU/RCF))、MRSの設定とプランニング(計画)の責任を有している。
図7Aと
図7Bとの双方においてステップ1によって示されているように、L3コントロール90は、MRS設定のセットを用いてUE50を設定し、L3シグナリングによって(例:RRCプロトコルを使用して)MRS設定を搬送する。ステップ2またはその他で、ユーザデータはUE50とソースアクセスノード70との間でソースアクセスノード70内のベースバンド処理機能を用いて送受信されるが、ベースバンド処理機能はユーザデータをパケット処理機能(PPF)に転送したり、PPFからユーザデータを受信したりする。
【0037】
ステップ3および4でソースおよびターゲットアクセスノード70、80は、MRS割り当ておよびアクティベーションのリクエストとその確認とを実行する。プロシージャにおけるこの部分はUEに対してトランスペアレントである。
【0038】
ステップ5でL2シグナリング(MACプロトコル)がUE50のためのRRC設定されたMRSセットのうちの特定のMRS設定をアクティベート(開始)またはディアクティベート(停止)するために使用されるが、これは完全なMRS設定情報を呼び出す代わりに、各MRSのインデックスをインジケート(示す)することによって実行される。特定のMRS設定またはMRS設定のセットのアクティベーション(およびディアクティベーション)は、分散アーキテクチャを有するアクセスノードにおけるレイヤー2(L2)、つまり、MACレイヤーにおいて取り扱われ、これは、5Gのコンテキストにおけるアクセスノードのアンテナの近くに配置される分散ノード内に、たとえば、アクセスノードのベースバンド処理部/ベースバンド処理機能(BPU/BPF)内に実装されてもよい。これにより、比較的に遅いRRCベースの設定プロシージャと比較して、より高速なMRSアクティベーションおよびディアクティベーションが実現可能となる。これは高速化するだけでなく、制御情報ビットを節約することになる。
【0039】
BPUはモビリティを局所的に取り扱うことができるようになるため、事前にUEに対してMRS設定のセットを送信できるようになることと、UE50に対してどのMRSをサーチすべきかを選択的に通知できることは、有利であろう。BPUにこのような柔軟性がもたらされることで、MRSをどのように、いつ、利用するかについて決定するなど、モビリティを実行する際にスマートな方法で、MRSが設定可能となる。たとえば、一つ以上のネットワークノード30は、UE設定されたMRSのいずれかをアクティベートし、それをUE50にサーチするように指示しうるが、これにはRRCが関与することがなく、したがってそれによって生じうるラウンドトリップ遅延もなくなる。
【0040】
アクティベーションまたはディアクティベーションのためにMRSインデックスとともにより高速なL2シグナリングを使用することで、UE50は、さらに、すべての設定されたMRSを継続的にサーチすることが必要でなくなるため、エネルギーを節約できるようになる。さらに、UEによるコンスタントなサーチまたはアクティベートされたときに実行されるサーチだけのいずれかであるオプションは、より低速な(L3)MRS設定の一部だけでなく、RRCメッセージ内における設定オプションとなってもよい。
【0041】
ここに記述された技術にしたがって、ソースアクセスノード70は、L3MRS設定メッセージを用いてMRSのセットをUE50に対して積極的に設定することが可能となる。MRSの実際の割り当ておよびアクティベーションは、後に、ソースアクセスノード70とターゲットアクセスノード80との間でUE50に対してトランスペアレントな手法で、ネゴシエーションできるようになる。UE50によって使用されるべきである特定のMRSは、L3設定に再度関与させる代わりに、L2アクティベーションメッセージによって単純にインデックス化されるようになるため、UE50は、より高速に測定し、ターゲットアクセスノード80に対して同期を獲得できるようになろう。RRCに対してシグナリングされるMRS設定のリストは、たとえば、表1のようになってもよい。
【0042】
【0043】
いくつかの実施形態によれば、リスト内でMRS IDにより識別される標準化されたMRSシーケンスのセットが存在してもよい。同様に、リスト内でサーチ空間IDによって識別される、規格にしたがったサーチ空間のリストが存在してもよい。MACレベルでの測定のアクティベーションは、たとえば、表1内で示されたテーブルなどのように、UE50内で設定されたテーブルにおける所定の行を指し示すインデックス値を有していてもよい。テーブルは、MRS信号の多様な組み合わせや、オプションとしてサーチ空間を含むことができるように、適切な長さを有しているが、テーブルはハンドオーバの前にUE50へシグナリングできるものであるため、相対的なシグナリングのコストが少なくなるように、UE50がビームの中央で、かつ、信号が強いような位置にいるときに、テーブルがシグナリングされてもよい。
【0044】
詳細に上述されたように、ここで説明された技術、たとえば、
図4および
図6に示されたフローチャートに図示されたように、これらの技術は一つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムインストラクションを用いて、全体的にまたは部分的に実装されてもよい。これらの技術の機能的な実装は機能モジュールの観点化から表現されてもよく、ここで各機能モジュールは、適切なプロセッサによって実行されるソフトウエアの機能ユニット、または、機能的デジタルハードウエア回路、または、これらの両方の組み合わせのいくつかに、対応していてもよい。
【0045】
図8は、無線通信システムの一つ以上のネットワークノード30の構成10に実装されうる例示的な機能ジュールまたは回路のアーキテクチャを示している。当該実装は、無線通信システムにおいて動作する無線デバイスに、MRS設定情報を送信するMRS設定モジュール802を有し、ここで、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。実装は、さらに、無線デバイスに対して、MRS設定の少なくとも第一の一つが無線デバイスによって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて送信するアクティベーションモジュール804を有し、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。アクティベーションモジュール804はさらに他のネットワークノードに配置されてもよい。
【0046】
同様に、
図9は、UE50のような、無線通信システムの無線デバイスに実装されうる例示的な機能モジュールまたは回路のアーキテクチャを示している。当該実装は、無線通信システムにおけるネットワークノードからMRS設定情報を受信するMRS設定モジュール902を有し、ここで、MRS設定情報は、複数のMRS設定のそれぞれについての一つ以上のパラメータを特定する。当該実装は、さらに、無線通信システムのネットワークノードから、MRS設定の少なくとも第一の一つが無線デバイスによって使用されるべきことを示すアクティベーションコマンドを続いて受信するアクティベーションモジュール904を有し、ここで、アクティベーションコマンドは、複数のMRS設定のうちからのMRS設定の第一の一つを識別するインデックスを有する。当該実装は、アクティベーションコマンドを受信したことに応じて、MRS設定の第一の一つによって特定された少なくとも一つのMRSをサーチするサーチモジュール906と、少なくとも一つのMRS上で少なくとも一回の測定を実行する測定モジュール908とを有している。
【0047】
とりわけ、上述の説明や添付の図面に示された教示の利益を有した当業者であれば、ここに開示されたものの変形例や他の実施形態を理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されることはなく、変形例や他の実施形態についても本開示の範囲に含まれることが意図されている。ここでは特定の用語が使用されたものの、一般的で説明的なセンスでもって使用されており、限定の目的では使用されていない。