IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メタ システム エス.ピー.エー.の特許一覧

<>
  • 特許-車両のためのバッテリ充電器 図1
  • 特許-車両のためのバッテリ充電器 図2
  • 特許-車両のためのバッテリ充電器 図3
  • 特許-車両のためのバッテリ充電器 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】車両のためのバッテリ充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240530BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240530BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240530BHJP
   B60L 53/22 20190101ALI20240530BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 P
H02G3/16
H05K7/20 M
B60L53/22
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021502753
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 IB2019056170
(87)【国際公開番号】W WO2020016833
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】102018000007387
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516032517
【氏名又は名称】メタ システム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】META SYSTEM S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Tancredi Galimberti, 5, 42124 Reggio Emilia (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シモナッツィ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ラザーニ,チェーザレ
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2328392(EP,A2)
【文献】欧州特許出願公開第2006987(EP,A2)
【文献】欧州特許第2792045(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0078807(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055366(US,A1)
【文献】特表2005-516570(JP,A)
【文献】特開2010-12509(JP,A)
【文献】特開2011-124244(JP,A)
【文献】国際公開第2011/083578(WO,A1)
【文献】特開2017-218139(JP,A)
【文献】特開2018-26543(JP,A)
【文献】特開2015-154699(JP,A)
【文献】特開2012-33549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02G 3/16
H05K 7/20
B60L 53/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのバッテリ充電器(1)であって、少なくとも1つの外側容器(2)と、容器(2)の内側に収容され、車両の電気バッテリに動作可能に接続でき、バッテリを再充電するよう構成された、少なくとも1つの電子装置(3)と、前記電子装置(3)の少なくとも1つの冷却回路(4)とを備え、前記電子装置(3)は、少なくとも1枚の電子基板(5)を備え、前記電子基板(5)には、絶縁金属基体(5a)が設けられ、前記絶縁金属基体(5a)は、前記冷却回路(4)と、前記絶縁金属基体(5a)上の少なくとも一部の上に作られた電気絶縁材料の層(5b)と、前記電気絶縁材料の層(5b)の上に作られた少なくとも1つの電子回路(5c)とに関連付けられ、
前記電子基板(5)は、電流を搬送かつ分配するための少なくとも1つの導電性金属バー(7)を備え、前記導電性金属バー(7)は、前記電子回路(5c)に接続され、前記冷却回路(4)によって冷却するために、前記導電性金属バー(7)には、前記電子基板(5)の少なくとも表面の一部に直接接触して配置される、少なくとも一部分が設けられることを特徴とする、バッテリ充電器(1)。
【請求項2】
前記導電性金属バー(7)には、前記電子基板(5)の少なくとも表面の一部に直接接触して配置される、下面が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項3】
前記導電性金属バー(7)は、プレート形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項4】
前記導電性金属バー(7)は、前記電子基板(5)に関連付けられた下面の反対側に上面を備えることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか一項に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項5】
前記導電性金属バー(7)は、細長い形状であることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項6】
前記導電性金属バー(7)は、前記電気絶縁材料の層(5b)上で、前記電子基板(5)の少なくとも一部にわたって延びることを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項7】
前記導電性金属バー(7)は、少なくとも1つの電気接続要素の、電気継手及び接続手段(8)を備えることを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項8】
前記電気継手及び接続手段(8)は、前記導電性金属バー(7)の少なくとも一部に作られた、少なくとも1つの電気端子を備えることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの前記電気端子(8)は、前記導電性金属バー(7)の上面から延びることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリ充電器(1)。
【請求項10】
電子基板(5)であって、冷却回路(4)に関連付けられた絶縁金属基体(5a)と、前記絶縁金属基体(5a)の少なくとも一部の上に作られた電気絶縁材料の層(5b)と、前記電気絶縁材料の層(5b)の上に作られた少なくとも1つの電子回路(5c)とを備え、
前記電子基板(5)は、電流を搬送かつ分配するための少なくとも1つの導電性金属バー(7)を備え、前記導電性金属バー(7)は、前記電子回路(5c)に接続され、前記冷却回路(4)によって冷却するために、前記導電性金属バー(7)には、前記電子基板(5)の少なくとも表面の一部に直接接触して配置される、少なくとも一部分が設けられることを特徴とする、電子基板(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のためのバッテリ充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両またはハイブリッド車両の分野を詳細に参照すると、入力電圧/電流を好適な出力電圧/電流に変換するための、OBC(車載型充電器)バッテリ充電器またはDC-DC変換器など、車両の車内に設定された電力電子装置を利用することが必須である。
【0003】
車両のための、公知のタイプのバッテリ充電器は、一般的に1枚または複数の印刷回路基板から成る、1つまたは複数の動力基板または制御基板を備える。
【0004】
印刷回路基板は、エポキシガラスなどの電気絶縁材料で作られた支持部の上、またはIMS(絶縁金属基体)タイプの金属支持部の上に作ることができる。
【0005】
特に、車両のためのバッテリ充電器を実現する分野において、金属支持部を伴う印刷回路基板を使用することが好ましいことに、留意すべきである。なぜならそれは、使用する金属(一般的にアルミニウム)の熱分散特性のために、高い熱効率を実現させるからである。
【0006】
この使用は、公知のタイプのバッテリ充電器における電子基板上の、所謂「バスバー」としてよく知られており、これらのバスバーは、電子基板の様々なポイントに接続され、好適にサイズが決められた特別の金属バーで構成され、高電流を搬送かつ分配するのを可能にする。
【0007】
しかし公知のタイプの解決策は、いくつかの欠点を有する。
【0008】
実際、公知のタイプのバッテリ充電器に適応されたバスバーは、電子基板の様々なポイント間で高電流を搬送することができなければならず、したがってバスバーは、基板上に適応された残りの電子機器と比較して、必然的に大きいサイズでなければならない。
【0009】
その結果、これは、小さいバッテリ充電器の必要性が増加している状況において、使用されるバスバーの無視できない空間量に関わり、バッテリ充電器の内部の電子機器における設計及び配置に、いくらかの複雑性を生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主な目的は、小さいサイズで、同時に組立が簡単かつ迅速な、車両のためのバッテリ充電器を考案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、理想的な作動温度を効果的に維持することができる、車両のためのバッテリ充電器を考案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、使用が簡単、合理的、容易、効果的で、低コストの解決策内で、先行技術の前述の欠点を克服できる、車両のためのバッテリ充電器を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の目的は、特許請求項1の特徴による、車両のための本バッテリ充電器によって実現される。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表において表示による非限定の例を例示した、好ましいが排他的ではない、車両のためのバッテリ充電器における実施形態の説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による、可能なバッテリ充電器の全体図である。
図2図1のバッテリ充電器の分解組立図である。
図3】本発明によるバッテリ充電器におけるIMS(絶縁金属基体)電子基板を示す図である。
図4図3のIMS電子基板の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの図面を詳細に参照すると、参照番号1は全体的に、詳細には電気、ハイブリッド、または同様の車両の車内に設定でき、車両のバッテリを再充電するよう適合され得るタイプの、車両のバッテリ充電器を示す。
【0017】
バッテリ充電器1は、バッテリ充電器自体の電子機器全体を収容し保護するよう適合され、かつそれらを車両の内側に設定し固定するのを可能にするよう適合された、外側容器2を備える。
【0018】
バッテリ充電器1は、図面において全体的に参照番号3で示される電子装置を備え、それらは、容器2の内側に収容され、車両の電気バッテリに動作可能に接続することができ、かつこのバッテリ自体を再充電するよう構成される。
【0019】
バッテリ充電器は冷却回路4も備え、バッテリ充電器1を使用する間に、電子装置3の温度を制限する。
【0020】
例えば冷却回路4は、従来の液体冷却回路で構成することができる。
【0021】
図面に示された、特定の、しかし非排他的な実施形態によると、冷却回路4は、容器2の底部に直接作られる。
【0022】
電子装置3は、冷却回路4に関連付けられた絶縁金属基体(IMS)5aが設けられた、少なくとも1枚の電子基板5を備える。
【0023】
電子基板5は、絶縁金属基体5aの少なくとも一部の上に作られた電気絶縁材料の層5b、及び電気絶縁材料の層5b上に作られた少なくとも1つの電子回路5cも備える。
【0024】
電子装置3は、いくつかの電子基板を備え得る。
【0025】
例えば図面に示される、特定の、しかし非限定の実施形態を参照すると、電子装置3は2枚の電子基板5及び6を備える。詳細には、電子基板5はIMSタイプである。
【0026】
電子基板5は、電流を搬送かつ分配するための、少なくとも1つの導電性金属バー7を備え、電子回路5cに電気的に接続される。
【0027】
この導電性金属バー7は、いわゆる「バスバー」のタイプであり、高電流を電子基板の様々なポイントへ搬送かつ分配するのを可能にするために使用される。
【0028】
有利には、導電性金属バー7には、電子基板5の少なくとも表面の一部に直接接触して配置される、少なくとも一部分が設けられる。
【0029】
このように、導電性金属バー7を冷却し、それによってバッテリ充電器1を使用する間、低い作動温度を維持することができる。実際、冷却回路4は、電子基板5の絶縁金属基体5aを冷却するのを可能にし、熱伝導によって導電性金属バー7を冷却することを可能にする。
【0030】
電子基板5上に導電性金属バー7を直接位置付けることは、導電性金属バー7が、電子基板自体の絶縁金属基体5aとの熱伝導で、冷却回路4によって冷却されるという事実と共に、公知のタイプのバーと比較して縮小されたサイズの導電性金属バー7の使用を可能にする。
【0031】
詳細には、導電性金属バー7には、電子基板5の少なくとも表面の一部に直接接触して配置される、下面が設けられる。
【0032】
好ましくは、導電性金属バー7は実質的にプレート形状であり、電子基板5に関連付けられた下面の反対側に、上面を備える。
【0033】
加えて、導電性金属バー7は、好ましくは実質的に細長い形状を有する。
【0034】
しかし、異なる形状の導電性金属バー7を排除することはできない。
【0035】
図面に示される特定の実施形態を参照すると、電子基板5は、電子基板自体の様々な箇所に配置され、様々なポイントを接続するよう適合された、複数の導電性金属バー7を備える。
【0036】
各導電性金属バー7は、電気絶縁材料の層5b上で、電子基板5の少なくとも一部にわたって延びる。
【0037】
有利には、各導電性金属バー7は、少なくとも1つの電気接続要素の、電気継手及び接続手段8を備える。電気接続要素は図示されないが、所定の電流を導電性金属バー7上で運ぶよう適合された、例えば特別のケーブルで構成することができる。
【0038】
例えば、電気継手及び接続手段8は、導電性金属バー7の少なくとも一部に作られた電気端子で構成される。
【0039】
図面に示されるように、端子は導電性金属バー7の上面から延びる。
【0040】
上述の電子基板5は、電気車両のためのバッテリ充電器1の内側で使用される。
【0041】
しかし、少なくとも1つの導電性金属バー7が設けられる限り、上述の電子基板5と同様の電子基板の異なる適用を排除することはできない。
【0042】
実際、説明した本発明は、意図した目的を実現することが確認された。
【0043】
特に、本発明によるバッテリ充電器はサイズが小さく、同時に組立が簡易かつ迅速であることが強調される。
【0044】
実際、電子基板上に導電性金属バーを直接位置付けることは、導電性金属バーが、電子基板自体の絶縁金属基体との熱伝導で、冷却回路によって冷却されるという事実と共に、公知のタイプのバーと比較して縮小されたサイズの導電性金属バーを使用することを可能にする。
【0045】
加えて、使用される導電性金属バーは、正確に冷却されるために、効率的な方法で理想的な作動温度を維持するのを可能にする。
図1
図2
図3
図4