(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】アミノ酸をヒドロキシル化するための融合タンパク質及び生成物
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20240530BHJP
C12N 9/02 20060101ALI20240530BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240530BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240530BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240530BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240530BHJP
C12N 15/53 20060101ALI20240530BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C12N9/02
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N15/62 Z
C12N15/53
C12P21/02 B
(21)【出願番号】P 2021507833
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019046883
(87)【国際公開番号】W WO2020037243
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517239441
【氏名又は名称】モダン メドウ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100217663
【氏名又は名称】末広 尚也
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,リキシン
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァスタヴァ,プーナム
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/019472(WO,A1)
【文献】国際公開第2003/025162(WO,A2)
【文献】Biochemical Journal,2017年,Vol.474, pp.751-769
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、
プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質であって、
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、前記融合タンパク質のN末端にあり、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、前記融合タンパク質のC末端にある、融合タンパク質。
【請求項2】
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット
-1は、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる、請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、微生物。
【請求項5】
N末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、C末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を含む、微生物。
【請求項6】
N末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1、及びC末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットを含む融合タンパク質と、
ヒドロキシル化される第2のタンパク質と、を含む、微生物。
【請求項7】
前記微生物は、桿菌、大腸菌、及び糸状菌からなる群から選択される、請求項4~6のいずれか一項に記載の微生物。
【請求項8】
前記微生物は、酵母である、請求項4~6のいずれか一項に記載の微生物。
【請求項9】
前記第2のタンパク質は、コラーゲン、組換えコラーゲン、
およびコラーゲン様タンパク
質からなる群から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載の微生物。
【請求項10】
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる、請求項4~9のいずれか一項に記載の微生物。
【請求項11】
タンパク質をヒドロキシル化するためのインビトロの方法であって、ヒドロキシル化されるタンパク質を含有する微生物を溶解して溶解物を生成することと、請求項1~3のいずれか一項に記載の前記融合タンパク質を前記溶解物に添加することと、前記融合タンパク質によってヒドロキシル化される前記タンパク質のヒドロキシル化を促進する反応条件下で、前記溶解物及び前記融合タンパク質をインキュベートすることと、を含む、方法。
【請求項12】
前記溶解物は、前記融合タンパク質を添加する前に精製される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドロキシル化は
、5~12の範囲のpHで起こる、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒドロキシル化は
、16℃
~40℃の範囲の温度で起こる、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒドロキシル化は
、30分
~1時間にわたって起こる、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ヒドロキシル化タンパク質を作製するための方法であって、請求項
6に記載の微生物を提供することと、前記微生物を、前記第2のタンパク質をヒドロキシル化するのに十分な時間、培地中で増殖させることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記微生物は、酵母である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記酵母は、ピキア・パストリスである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記微生物は
、50時間
~72時間増殖させる、請求項16~18のいずれか一項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、電子的に提出され、その全体が参照により組み込まれる配列表を含む。
【0002】
(発明の分野)
本明細書では、操作されたタンパク質及び発酵におけるそれらの使用、タンパク質の産生方法、並びにインビトロ及びインビボでのタンパク質のヒドロキシル化のための方法が記載されている。
【背景技術】
【0003】
微生物を使用して、商業的用途のための化合物を作製する業界全体がある。微生物は、一般的に、この化合物を作製するために必要なDNAで操作される。これらの微生物の例としては、酵母及び細菌が挙げられる。作製される化合物としては、薬物、芳香剤、香料、タンパク質などが挙げられる。
【0004】
融合タンパク質は、別個のタンパク質を最初に作製した2つ以上の遺伝子の連結を通して生成される。薬物開発における融合タンパク質を作製する1つの目的は、それぞれの「親」タンパク質から得られる融合タンパク質に特性を付与することである。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットと、可溶性タンパク質パートナーと、を含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、可溶性タンパク質パートナーをコードするDNA配列と、によってコードされる融合タンパク質を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-2、及びプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、可溶性タンパク質パートナーは、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット、マルトース結合タンパク質、低分子ユビキチン様修飾因子、カルモジュリン結合タンパク質、及びグルタチオンS-トランスフェラーゼからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットをコードするDNA配列と、を含む融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、融合タンパク質のN末端にある。特定の実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、融合タンパク質のC末端にある。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を提供し、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、融合タンパク質のN末端にあり、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、融合タンパク質のC末端にある。
【0009】
ある特定の実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である。いくつかの実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示される任意の融合タンパク質を含む微生物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を含む微生物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、N末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、C末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を含む微生物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1、及びプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットを含む融合タンパク質と、ヒドロキシル化される第2のタンパク質と、を含む微生物を提供する。ある特定の実施形態では、微生物は、桿菌、大腸菌、及び糸状菌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、微生物は、酵母である。具体的な実施形態では、第2のタンパク質は、コラーゲン、組換えコラーゲン、コラーゲン様タンパク質などからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、皮膚に本明細書に開示される融合タンパク質を適用すること、を含む個体の皮膚へスキンケアの有益性を提供するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、クリーム、ローション、軟膏剤、ゲル、セラム及びこれらの組み合わせからなる群から選択される組成物に配合される。いくつかの実施形態では、スキンケアの有益性は、しわ予防、皮膚色素沈着の改善、水分補給、挫瘡の低減、挫瘡の予防、黒色面皰の低減、黒色面皰の予防、皮膚線条の低減、皮膚線条の予防、セルライトの予防、セルライトの低減及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、サリチル酸、レチノール、過酸化ベンゾイル、ビタミンC、グリセリン、α-ヒドロキシ酸、ヒドロキノン、コウジ酸、ヒアルロン酸及びこれらの組み合わせからなる群から選択される他のスキンケア有益性成分と組み合わされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒドロキシル化されるタンパク質を含有する微生物を提供することと、本明細書に開示される融合タンパク質を提供することと、微生物を溶解して溶解物を生成することと、特定の濃度の融合タンパク質を溶解物に添加することと、融合タンパク質によってタンパク質のヒドロキシル化を促進する反応条件下で、溶解物及び融合タンパク質をインキュベートすることと、を含むタンパク質のヒドロキシル化のためのインビトロでの方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶解物は、融合タンパク質を添加する前に精製される。ある特定の実施形態では、融合タンパク質濃度は、約1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、約0.05uM~約5uMの範囲である。特定の実施形態では、ヒドロキシル化は、約5~約12の範囲のpHで起こる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化は、約16℃~約40℃の範囲の温度で起こる。ある特定の実施形態では、ヒドロキシル化は、約30分~約1時間にわたって起こる。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書で開示される微生物を提供することと、微生物を、第2のタンパク質をヒドロキシル化するのに十分な時間、培地中で増殖させることと、を含むヒドロキシル化タンパク質を作製するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、微生物は、酵母である。特定の実施形態では、酵母は、ピキア・パストリスである。いくつかの実施形態では、微生物は、約50時間~約72時間増殖させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、可溶性タンパク質パートナーをコードするDNA配列と、を含む微生物を提供する。
【0015】
更なる態様及び実施形態は、以下の詳細な説明において見出される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ピキア・パストリス酵母株PP153を生成するように実施例1に記載されるように使用されたMMV-130を示す。
【0017】
【
図2】ピキア・パストリス酵母株PP154を生成するように実施例3に記載されるように使用されたMMV156を示す。
【0018】
【
図3】ピキア・パストリス酵母株PP268を生成するように実施例3に記載されるように使用されたMMV-191。
【0019】
【
図4】ピキア・パストリス酵母株PP336を生成して、「GSGSGS」のリンカー配列を有するN末端にP4HA1及びC末端にP4HBを有する融合タンパク質を発現するように、実施例1に記載されるように産生され、ピキア・パストリス酵母株PP153に形質転換されたMMV-290ベクターを示す。
【0020】
【
図5】ピキア・パストリス酵母株PP335を生成して、N末端にP4HB及びC末端にP4HA1を有する融合タンパク質を発現するように、実施例2に記載されるように産生され、ピキア・パストリス酵母株PP153に形質転換されたMMV-289ベクターを示す。
【0021】
【
図6】実施例4に記載されるように、AB融合タンパク質のDNA配列(すなわち、実施例3に記載されるようなN末端にP4HA1及びC末端にP4HBを有する融合タンパク質)を含むMMV-400ベクターを示す。
【0022】
【
図7】実施例5に記載されるように、AB融合タンパク質のDNA配列、6個の連続したヒスチジンのアミノ酸(Hisタグ)を表すヌクレオチド配列、2個の終止コドン、及びAOX1転写ターミネーターを含むMMV-502ベクターを示す。
【0023】
【
図8】実施例5に記載されるように、P4HBサブユニットタンパク質のC末端、6個の連続したヒスチジンのアミノ酸(Hisタグ)を表すヌクレオチド配列、2個の終止コドン、及びAOX1転写ターミネーターを含むMMV-503ベクターを示す。
【0024】
【
図9】実施例7に使用されるMMV411ベクターを示す。
【0025】
【
図10】実施例1に記載されるようなMMV-644ベクターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で記載されたものに類似するか、又は、本明細書で記載されたものと同等のすべての方法及び材料が、本開示の実施又は試験に使用され得るが、好適な方法及び材料が本明細書に記載される。本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、及ぶ他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合には、定義を含む本明細書が優先するものとする。更に、これらの材料、方法、及び例は、他に明示されない限り、単に例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットのDNA配列と、可溶性タンパク質パートナーのDNA配列と、によってコードされる融合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1(P4HA1)及びプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット(P4HB)を含む。ある特定の実施形態では、単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、本明細書に開示される融合タンパク質の代わりに、任意の実施形態で使用することができる。
【0028】
P4HA及びP4HB遺伝子は、プロリル4-ヒドロキシラーゼの成分、2つの同一のαサブユニット及び2つのβサブユニット(ヘテロ四量体)からなるコラーゲン合成の重要な酵素をコードする。P4HAコード化タンパク質は、いくつかの異なる型のαサブユニットの1つであり、活性酵素の触媒部位の大部分を提供する。例えば、Crit Rev Biochem Mol Biol.45(2):106-124(2010)を参照。P4HAは、二量体化ドメイン、基質結合ドメイン及び触媒ドメインの3つのドメインを含む。いくつかの実施形態では、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である。ある特定の実施形態では、単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、細菌、ウイルス、真菌類及び藻類なる群から選択される種由来である。ある特定の実施形態では、単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ミミウイルス(DNA配列:配列番号15、タンパク質配列:配列番号16)由来である。例えば、Rutschmann et al.,Appl.Microbiol Biotechnol.98:4445-4455(2014)及びShi et al.Protein J.36:322-331(2017)を参照。コラーゲン及び関連タンパク質において、プロリル4-ヒドロキシラーゼは、新しく合成されるプロコラーゲン鎖の適切な3次元フォールディングに重要である4-ヒドロキシプロリンの形成を触媒する。P4HBタンパク質は、ジスルフィド異性化酵素としても知られている。これは、P4HB遺伝子によってコードされるヒトにおける酵素である。ヒトP4HB遺伝子は、染色体17q25内に局在する。このタンパク質は、プロリル4-ヒドロキシラーゼファミリータンパク質とは異なって多機能性であり、ジスルフィド形成、切断、及び異性化のための酸化還元酵素として作用する。P4HBの活性は、厳密に制御され、二量体解離及び基質結合の両方は、触媒作用のプロセス中の酵素活性を増強する可能性がある。いくつかの実施形態では、P4HBは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である。
【0029】
P4HA(NCBI参照:XP_005226443.1、UNIPROT:Q1RMU3)、P4HB(Genbank:AAI46272.1、UNIPROT:P05307)、P4HA3(UNIPROT:P4HA3)、及びP4HA2(UNIPROT:G3N2F2)のDNA配列が知られており、市販されている。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、第1のタンパク質をコードするcDNA配列から終止コドンを除去し、その後、ライゲーション又はオーバーラップ伸長ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)を通して、フレーム内の第2のタンパク質のDNA配列を付加することによって作製される。その後、融合タンパク質のDNA配列は、単一タンパク質として細胞によって発現される。
【0030】
融合タンパク質を作製するための1つの技術は、ライゲーショであり、これは酵素の作用による2つの核酸断片の結合である。外来DNA断片をプラスミドに挿入する場合など、組換えDNA分子を生成するために、DNA断片は互いに結合される。DNA断片の末端は、1つのDNA末端の3’-ヒドロキシルと別のDNA末端の5’-ホスホリルとの間でのホスホジエステル結合の形成によって互いに結合される。融合タンパク質を作製するための別の技術は、オーバーラップ伸長PCRであり、オーバーラップ伸長によるスプライシングとしても知られている。オーバーラップ伸長PCRは、配列の特定の点に特定の変異を挿入するため、又はより小さなDNA断片をより大きいポリヌクレオチドにスプライスするために使用される。サッカロマイセスセレビシエα接合因子シグナルなどの分泌シグナル配列を、単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットの前に配置して、産生培地中の宿主からタンパク質を分泌することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質は、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1(P4HA1)のDNA配列又はプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-2(P4HA2)のDNA配列又はプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-3(P4HA3)のDNA配列及びプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット(P4HB)のDNA配列と、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1(P4HA1)のDNA配列又はプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-2(P4HA2)のDNA配列又はプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-3(P4HA3)のDNA配列及び、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット(P4HB)、マルトース結合タンパク質、低分子ユビキチン様修飾因子、カルモジュリン結合タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼなどから選択される可溶性タンパク質パートナーのDNA配列と、の組み合わせによってコードされ得る。活性プロリル4-ヒドロキシラーゼ複合体は、ウシ、ヒト、ラット、マウス、線虫などの種由来のP4Hサブユニットが含まれ得る。一実施形態では、融合タンパク質は、P4HA1及びP4HBを含む。
【0032】
本明細書に記載されている融合タンパク質を作製する場合、N末端にP4HA又はP4HBを有するタンパク質を作製することが可能である。驚くべきことに、N末端にP4HAを有する融合タンパク質は、遊離プロリンの存在下で、機能的ヒドロキシル化酵素を酵母に形成するが、N末端にP4HBを有する融合タンパク質は、機能的ヒドロキシル化酵素を酵母に形成しないことを見出した。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、N末端にP4HA及びC末端に第2のタンパク質を有する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、N末端にP4HA及びC末端にP4HBを有する。
【0033】
P4HA1及びP4HBをコードする融合タンパク質のDNA、又は単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットのDNAは、生物に形質転換又はトランスフェクトされ得る。好適な生物としては、酵母、細菌、真菌などが挙げられる。いくつかの実施形態では、細菌は、桿菌又は大腸菌であり得る。いくつかの実施形態では、微生物は、糸状菌であり得る。いくつかの実施形態では、生物は、酵母であり得る。ある特定の実施形態では、酵母は、ピキア・パストリスであり得る。一般的に、機能的ヒドロキシル化酵素にとって、複数のトランスフェクション/形質転換反応が必要である。本明細書に記載されている融合タンパク質により、より効率的なプロセスを可能にする。本明細書に記載されている融合タンパク質により、形質転換反応数が、2つ(例えば、P4HA1において1つ及びP4HBにおいて1つ)の代わりに1つに低減する。酵素が別々に形質転換される場合、酵素は3つの反応を経て、有効な酵素であるために四量体を形成する。四量体は、例えば、2つのP4HAサブユニット及び2つのP4HBサブユニットからなる。3つの反応とは、以下のように、1)第1の二量体を形成するように第1のP4HA及び第1のP4HBを組み合わせることと、2)第2の二量体を形成するように第2のP4HA及び第2のP4HBを組み合わせることと、3)この2つの二量体が四量体を形成することと、である。酵素が別々に形質転換される場合、すべてのP4HA及びP4HBが、四量体を形成するように反応するわけではない。融合タンパク質は、有効な四量体を形成するために、別の融合タンパク質との1つの反応が必要である。本開示の有益性は、融合タンパク質(2つの分子)が、別個のタンパク質(4つのタンパク質)よりも効率よく四量体を形成することである。2つの融合タンパク質は、1つの四量体を形成する。したがって、本明細書に記載の融合タンパク質は、より効率的かつ有効なヒドロキシル化酵素を提供する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、タンパク質のインビトロヒドロキシル化のための方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、タンパク質のインビボヒドロキシル化のための方法で使用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、インビトロでタンパク質をヒドロキシル化するために使用できる。コラーゲンなどのタンパク質を含む微生物を溶解させて、溶解物を生成することができる。溶解物をプロセシングして、精製タンパク質を生成することができる。融合タンパク質を、タンパク質の精製サンプルに添加することでき、又は溶解物に添加することができる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化反応のための補助因子としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、又は鉄(II)(例えばFeSO4)のうちの1つ以上を挙げることができる。ある特定の実施形態では、ヒドロキシル化反応のための基質は、AKG、分子コラーゲン及び分子酸素から選択することができる。いくつかの実施形態では、効率的なヒドロキシル化を助けるために、ウシ血清アルブミン及び/又はカタラーゼを反応物に添加することができる。ヒドロキシル化反応は、約16℃~約40℃(例えば約32℃)の範囲の温度で実施されてよい。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化反応は、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、29℃、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃又は約40℃で実施することができる。溶解物を添加される融合タンパク質の量は、1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、約0.05uM~約5uM(例えば約2.5uM)の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、溶解物を添加される融合タンパク質の量は、1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、約0.05uM、約0.1uM、約0.15uM、約0.2uM、約0.25uM、約0.3uM、約0.35uM、約0.4uM、約0.5uM、約0.6uM、約0.7uM、約0.8uM、約0.9uM、約1.0uM、約1.1uM、約1.2uM、約1.3uM、約1.4uM、約1.5uM、約1.6uM、約1.7uM、約1.8uM、約1.9uM、約2.0uM、約2.5uM、約3.0uM、約3.5uM、約4.0uM、約4.5uM又は約5uMであり得る。精製タンパク質に添加される融合タンパク質の量は、1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、0.05uM~5uM(例えば2.5uM)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、精製タンパク質に添加される融合タンパク質の量は、1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、約0.05uM、約0.1uM、約0.15uM、約0.2uM、約0.25uM、約0.3uM、約0.35uM、約0.4uM、約0.5uM、約0.6uM、約0.7uM、約0.8uM、約0.9uM、約1.0uM、約1.1uM、約1.2uM、約1.3uM、約1.4uM、約1.5uM、約1.6uM、約1.7uM、約1.8uM、約1.9uM、約2.0uM、約2.5uM、約3.0uM、約3.5uM、約4.0uM、約4.5uM又は約5uMであり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化は、約5~約12(例えば約7.5)の範囲のpHで起こる。いくつかの実施形態では、pHは、約5.0、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0、約10.5、約11、約11.5又は約12であり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化は、約30分~約5時間(例えば約1時間)にわたって起こる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化は、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約3.5時間、約4時間、約4.5時間又は約5時間にわたって起こる。反応後、融合タンパク質は、酸を添加して溶液のpHを4に下げること、又は50%~80%メタノールを添加することによって不活性化されてよい。実施形態では、インビトロヒドロキシル化は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,932,053号の任意の方法開示を使用して実施することができる。
【0035】
あるいは、融合タンパク質のDNA配列を、微生物にトランスフェクトし、細胞内/インビボでタンパク質をヒドロキシル化するために利用することができる。トランスフェクトされた微生物は、当業者に周知の条件下で、特定の微生物に適した培地中で増殖させることができる。いくつかの実施形態では、反応に好適な培地は、例えば、E.coliのためのLB(Lysogeny broth、溶原性ブロス)、ピキアのためのBMGY(緩衝グリセロール複合培地)、ピキアのためのYPD(酵母抽出ペプトンデキストロース)、又はピキアのためのHMP(ヘキサメタリン酸ナトリウム)であり得る。培地の温度は、約16℃~約42℃の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、培地の温度は、約16℃、約18℃、約20℃、約22℃、約24℃、約26℃、約28℃、約29℃、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約38℃、約40℃又は約42℃であり得る。いくつかの実施形態では、微生物はピキアであり、培地の温度は、約28℃~約36℃(例えば約32℃)の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、培地の温度は、約28℃、約29℃、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃又は約36℃であり得る。微生物は、約50時間~約72時間(例えば約68時間)の範囲の時間、増殖させることができる。いくつかの実施形態では、微生物は、約50時間、約51時間、約52時間、約53時間、約54時間、約55時間、約56時間、約57時間、約58時間、約59時間、約60時間、約61時間、約62時間、約63時間、約64時間、約65時間、約66時間、約67時間、約68時間、約69時間、約70時間、約71時間又は約72時間、増殖させることができる。ある特定の実施形態では、ヒドロキシル化反応のための基質は、AKG、分子コラーゲン及び分子酸素からなる群から選択することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のDNA配列は、融合タンパク質プロモーターのDNA配列;融合タンパク質ターミネーターのDNA配列;選択マーカーのDNA配列、選択マーカーのプロモーターのDNA配列;選択マーカーのターミネーターのDNA配列;細菌の1つ及び酵母の1つから選択される複製起点のDNA配列;並びに/又は酵母ゲノムと相同性を含有するDNA配列(酵母に形質転換するときに効率よく改善するための任意の)と共に、ベクターに配置することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、生物に挿入されている(又はエピソームである)。いくつかの実施形態では、その後、ベクターは、エレクトロポレーションなどの当技術分野で既知の方法によって微生物に形質転換することができる。
【0037】
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1(P4HA1)及びプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット(P4HB)をコードする融合タンパク質のDNA、並びにヒドロキシル化される第2のタンパク質をコードするDNAは、微生物に形質転換され得る。ヒドロキシル化修飾は、プロリン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸及びヒスチジンを含むが、これらに限定されない様々なアミノ酸で起こることができる。ヒドロキシル化され得る好適なタンパク質としては、コラーゲンなどが挙げられる。本明細書に記載の任意の実施形態、任意の方法、及び/又は任意の反応では、単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、融合タンパク質の代わりに使用することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質のDNA配列は、融合タンパク質プロモーターのDNA配列;融合タンパク質ターミネーターのDNA配列;選択マーカーのDNA配列、選択マーカーのプロモーターのDNA配列;選択マーカーのターミネーターのDNA配列;細菌の1つ及び酵母の1つから選択される複製起点のDNA配列;並びに/又は宿主生物のゲノムと相同性を含有するDNA配列と共に、ベクターに配置することができる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシル化される第2のタンパク質のDNA配列は、第2のタンパク質プロモーターのDNA配列;第2のタンパク質ターミネーターのDNA配列;選択マーカーのDNA配列、選択マーカーのプロモーターのDNA配列;選択マーカーのターミネーターのDNA配列;細菌の1つ及び酵母の1つから選択される複製起点のDNA配列;並びに/又は宿主生物のゲノムと相同性を含有するDNA配列と共に、ベクターに配置することができる。いくつかの実施形態では、その後、2つのベクターは、エレクトロポレーションなどの当技術分野で既知の方法によって微生物に形質転換される。
【0039】
あるいは、いくつかの実施形態では、オールインワンベクターを使用することができ、プロモーター及びターミネーターを含む、融合タンパク質のDNA;プロモーター及びターミネーターを含む、第2のタンパク質のDNA;プロモーター及びターミネーターを含む、選択マーカーのDNA;並びに/又はゲノムに組み込むための生物のゲノムと相同性を有するDNAは、オールインワンベクターに含まれる。その後、オールインワンベクターは、エレクトロポレーションなどの当技術分野で既知の方法によって微生物に形質転換することができる。
【0040】
プロモーターは、タンパク質の産生を改善することができることが当該技術分野で知られている。プロモーターは、ベクターに含まれるDNA配列である。本開示での使用に好適なプロモーターとしては、AOX1メタノール誘発プロモーター、pDF脱抑制プロモーター、pCAT脱抑制プロモーター、Das1-Das2メタノール誘発双方向プロモーター、pHTX1構成的双方向プロモーター、pGCW14-pGAP1構成的双方向性プロモーター及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
ターミネーターは、酵母に組み込まれたベクターに利用される各オープンリーディングフレームの末端で必要とされる。いくつかの実施形態では、ターミネーターのDNA配列をベクターに挿入することができる。
【0042】
複製起点は、複製を開始するために必要である。いくつかの実施形態では、複製起点のDNA配列をベクターに挿入することができる。
【0043】
酵母が微生物である場合、酵母ゲノムと相同性を含有するDNA配列が必要であり、ベクターに組み込むことができる。
【0044】
選択マーカーは、首尾よく形質転換されている酵母生物を選択するために使用される。マーカーは、抗生物質耐性に関連することがある。マーカーはまた、ある特定のアミノ酸(栄養要求性マーカー)の有無にかかわらず増殖する能力に関連し得る。好適な栄養要求性マーカーとしては、ADE、HIS、URA、LEU、LYS、TRP及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、選択マーカーのDNA配列をベクターに組み込むことができる。本開示は、融合タンパク質を発現する細胞を増殖させる方法、融合タンパク質を発現させる方法、融合タンパク質を単離及び精製する方法を含む。本開示はまた、本明細書に記載されるような融合タンパク質の使用を含む。
【0045】
具体的には、本明細書に記載の融合タンパク質は、パーソナルケア組成物に有用であり得る。パーソナルケア組成物の場合、融合タンパク質は皮膚に適用され得る。融合タンパク質は、完全に若しくはある程度に、単離又は精製され得る(例えば、少なくとも25%精製される、少なくとも50%精製される、少なくとも65%精製される、少なくとも75%精製される、少なくとも85%精製される、少なくとも90%精製される、少なくとも95%精製される、少なくとも96%精製される、少なくとも97%精製される、少なくとも98%精製される、少なくとも99%精製される、又は100%精製される)。言い換えると、融合タンパク質は、精製タンパク質としてパーソナルケア製品に添加されてもよく、タンパク質から見つけられる画分の一部として添加することができる。融合タンパク質は、クリーム、ローション、軟膏剤、ゲル、セラムなどに作製され得る。
【0046】
パーソナルケア組成物は、皮膚へ局所適用するのに好適な製剤を提供し得る。組成物は、化粧品的に許容可能な担体を更に含み得る。化粧品的に許容可能な担体は、組成物の約50重量%~約99重量%(例えば、組成物の約80重量%~約95%)を含み得る。いくつかの実施形態では、担体は、組成物の約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%又は約99重量%であり得る。組成物は、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、シェービングクリーム、軟膏剤、クレンジング液体ウォッシュ及び固形バー、ペースト、粉末、ムース、マスク、ピール、メーキャップ、並びに拭き取りなどの液体組成物が挙げられるが、これらに限定されない多種多様な製品タイプに作製され得る。これらの製品タイプは、溶液、エマルジョン(例えば、マイクロエマルジョン及びナノエマルジョン)、ゲル、固形物及びリポソームが挙げられるが、これらに限定されない数タイプの化粧品的に許容可能な担体を含み得る。以下は、このような担体の非限定的な例である。他の担体は、当業者によって配合され得る。
【0047】
本開示で有用な局所用組成物は、溶液として配合することができる。溶液は、一般的に、水性溶媒(例えば、化粧品的に許容可能な水性溶媒の約50%~約99%又は約90%~約95%)を含む。いくつかの実施形態では、溶液は、化粧品的に許容可能な水性溶媒の約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99であり得る。局所用組成物は、皮膚軟化剤を含む溶液として配合されてもよい。このような組成物は、好ましくは、約2%~約50%の皮膚軟化剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約12%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%又は約50%の皮膚軟化剤(複数可)を含むことができる。本明細書で使用されるように、「皮膚軟化剤」は、乾燥の予防又は軽減のために、並びに皮膚の保護のために使用される材料を指す。多種多様な好適な皮膚軟化剤が知られており、パーソナルケア組成物において有用であり得る。好適な材料の多数の例を含む、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,eds.Wenninger and McEwen,(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Assoc.,Washington,D.C.,7.sup.th Edition,1997)(以下、「CTFA Handbook」)を参照。
【0048】
ローションは、このような溶液から作製することができる。ローションは、一般的に、約1%~約20%(例えば、約5%~約10%)の皮膚軟化剤(複数可)、及び約50%~約90%(例えば、約60%~約80%)の水を含む。いくつかの実施形態では、ローションは、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、又は約20%の皮膚軟化剤(複数可)であり得る。いくつかの実施形態では、ローションは、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、又は約80%の水であり得る。
【0049】
溶液から配合され得る別のタイプの製品は、クリームであり得る。クリームは、一般的に、約5%~約50%(例えば、約10%~約20%)の皮膚軟化剤(複数可)及び約45%~約85%(例えば、約50%~約75%)の水を含む。いくつかの実施形態では、クリームは、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は約50%の皮膚軟化剤(複数可)であり得る。いくつかの実施形態では、クリームは、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、又は約85%の水であり得る。
【0050】
更に溶液から配合され得る別のタイプの製品は、軟膏剤であり得る。軟骨剤は、動物又は植物油又は半固体炭化水素の単純な塩基を含み得る。軟膏剤は、約2%~約10%の皮膚軟化剤(複数可)に加えて、約0.1%~約2%の増粘剤(複数可)を含み得る。いくつかの実施形態では、軟膏剤は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%の皮膚軟化剤(複数可)であり得る。いくつかの実施形態では、軟膏剤は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.6%、約0.8%、約1.0%、約1.2%、約1.4%、約1.6%、約1.8%又は約2.0%の増粘剤(複数可)であり得る。本明細書で有用な増粘剤又は粘度増加剤のより完全な開示は、CTFA Handbookに見出すことができる。
【0051】
パーソナルケア組成物は、エマルジョンとして配合されてもよい。担体がエマルジョンであり得る場合、約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の担体は、乳化剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10%の担体は、乳化剤(複数可)を含む。乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、又は陽イオン性であってもよい。好適な乳化剤は、例えば、CTFA Handbookに開示されている。
【0052】
ローション及びクリームは、エマルジョンとして配合することができる。一般的には、このようなローションは、0.5%~約5%の乳化剤(複数可)を含む。このようなクリームは、一般的に、約1%~約20%(例えば、約5%~約10%)の皮膚軟化剤(複数可);約20%~約80%(例えば、30%~約70%)の水;及び約1%~約10%(例えば、約2%~約5%)の乳化剤(複数可)を含む。
【0053】
ローション及びクリームなどの、水中油型及び油中水型の単一のエマルジョンスキンケア組成物は、化粧品分野で周知であり、パーソナルケア組成物に有用である。油中水中水型などの多相エマルジョン組成物も有用である。一般に、このような単相又は多相エマルジョンは、必須成分として、水、皮膚軟化剤及び乳化剤を含む。
【0054】
本開示のパーソナルケア組成物はまた、ゲル(例えば、好適なゲル化剤(複数可)を使用した水溶性ゲル)として配合することができる。水溶性ゲルに好適なゲル化剤としては、天然ゴム、アクリル酸及びアクリレートポリマー及びコポリマー、並びにセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。油(鉱油など)に好適なゲル化剤としては、水素化ブチレン/エチレン/スチレンコポリマー及び水素化エチレン/プロピレン/スチレンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。このようなゲルは、一般的に、約0.1重量%~5重量%のこのようなゲル化剤を含む。いくつかの実施形態では、ゲルは、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、又は約5.0重量%のこのようなゲル化剤を含む。
【0055】
本開示の対象において有用なパーソナルケア組成物は、前述の成分に加えて、技術確立したレベルで皮膚に使用するための組成物に従来使用される多種多様な更なる油溶性材料及び/又は水溶性材料を含み得る。
【0056】
パーソナルケア組成物は、必要に応じて及び/又は週1回以上~1日1回以上(例えば、1日2回)の適用の範囲の定期的レジメンの一部として、皮膚に適用され得る。使用される量は、エンドユーザーの年齢及び物理的条件、治療の期間、使用される特定の化合物、製品、又は組成物、利用される特定の化粧品的に許容される担体、並びに同様の要因によって変化する。
【0057】
本明細書に記載の融合タンパク質は、しわ予防、皮膚色素沈着の改善、水分補給、挫瘡の低減、挫瘡の予防、黒色面皰の低減、黒色面皰の予防、皮膚線条の低減、皮膚線条の予防、セルライトの予防、セルライトの低減などのパーソナルケア用途におけるスキンケアの有益性に有用であり得る。改善された皮膚色素沈着とは、皮膚色素沈着を均等にするか、又は皮膚色素沈着を低減し、色白の皮膚を提供するかのいずれかを意味する。
【0058】
本明細書に記載の融合タンパク質は、サリチル酸、レチノール、過酸化ベンゾイル、ビタミンC、グリセリン、α-ヒドロキシ酸、ヒドロキノン、コウジ酸、ヒアルロン酸などであるが、これらに限定されない他のスキンケア有益性成分と組み合わされ得る。
【0059】
コラーゲンプロリル4ヒドロキシラーゼは、PHD1、PHD2、PHD3、PHD4などを含むプロリルヒドロキシラーゼドメインタンパク質(prolyl hydroxylase domain、PHD)と同様の保存ドメインを含有する。これらのPHDは、低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor、HIF)のヒドロキシル化を調節する重要な役割を果たす。HIFは、低酸素下で特定の核補助因子と相互作用するDNA結合転写因子であり、一連の低酸素関連遺伝子をトランス活性化し、適応応答を作動させる。細胞内のこの役割により、HIFは、ホメオスタシス、血管新生及び嫌気代謝などの多くの細胞機能に関連している。細胞内のHIFの上方制御及び下方制御は、癌性細胞の血管新生又は増殖を引き起こし得るため、HIF及びプロリルヒドロキシラーゼは、それらの治療可能性のためにますます研究されている。したがって、本明細書に記載の融合タンパク質は、プロリルヒドロキシラーゼドメインタンパク質に適用可能であり得る。
【0060】
本明細書の文脈において、すべての刊行物、特許出願、特許、及び本明細書で言及される他の参考文献は、別途記載されていない場合には、すべての目的のために参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれ、その全体が本開示の一部とみなされるものとする。
【0061】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野における当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾が生じた場合には、定義を含む本明細書が優先するものとする。
【0062】
量、濃度、又は他の値若しくはパラメーターが範囲として与えられる場合、又は上限値及び下限値のリストとして与えられる場合、これは、範囲が別々に開示されているかにかかわらず、任意の上限及び下限範囲の任意の対から形成されるすべての範囲を具体的に開示するものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に記載されている場合、特段明記しない限り、その範囲は、その端点、並びに範囲内のすべての整数及び分画を含むことが意図される。本開示の範囲は、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。
【0063】
更に、別途明示的に記載されない限り、項目の1つ若しくは複数の範囲又はリストが提供される場合、これは、このような範囲若しくはリスト内の任意の単一の記述された値又は項目を明示的に開示するものとして理解されるべきであり、それらの任意の組み合わせは、同じ若しくは任意の他のリスト内の任意の他の個々の値又は項目を明示的に開示するものとして理解されるべきである。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、「有する(has)」、「有すること(having)」又はこれらの任意の他の変形は、排他的ではない包含を網羅することを意図するものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、このようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に明示的に列挙されていない、又は固有の他の要素を含むことができる。
【0065】
更に、別途明示的に記載されない限り、「又は」及び「及び/又は」は包括的であり、排他的ではないことを指す。例えば、条件A又はB、又はA及び/又はBは、Aは真であり(又は存在し)、Bは偽である(又は存在しない)、Aは偽であり(又は存在しない)、Bは真である(又は存在しない)、並びにA及びBの両方は真である(又は存在する)のいずれかを満たしている。
【0066】
本明細書の様々な要件及び成分を説明するための「a」又は「an」の使用は、単に便宜上であり、本開示の一般的な意味を与えるものである。本明細書は、1つ又は少なくとも1つを含むように読み取られるべきであり、単数形はまた、別途意味するものではない限り、複数を含むものとする。
【0067】
上記の説明は、当業者がその製造及び使用を可能にするように、それを製造及び使用する方法及びプロセスを提供し、この実施可能性は、具体的には、添付の特許請求の範囲の主題に提供され、これは元の説明の一部を構成する。
【0068】
本明細書で使用される場合、語句「からなる群から選択される」、「から選択される」などは、指定された材料の混合物を含む。
【0069】
本明細書では、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「上」と呼ばれる場合、それは、他の特徴若しくは要素又は介在する特徴及び/若しくは要素上に直接存在することができる。対照的に、特徴又は要素が、別の特徴又は要素の「~の上に直接」と呼ばれる場合、介在する特徴又は要素は存在しない。特徴若しくは要素が別の特徴若しくは要素に「接続された」、「取り付けられた」又は「結合された」と呼ばれる場合、他の特徴若しくは要素又は介在する特徴若しくは要素に直接接続、取り付け、又は結合され得ることも理解されるであろう。対照的に、特徴若しくは要素が、別の特徴若しくは要素に「直接接続された」、「直接に取り付けられた」又は「直接結合された」と呼ばれる場合、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して記載又は示されているが、記載又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。「隣接する」別の特徴に配置された構造又は特徴を参照することは、隣接する特徴と重なり合う又は下にある部分を有し得ることも当業者に理解されるであろう。
【0070】
「~の下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような別の要素(複数可)又は特徴(複数可)に対するある要素又は特徴の関係を説明するために記述を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対する用語は、図に示される向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転された場合、他の要素又は特徴の「~の下」又は真下」と記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向される。したがって、「~の下」という例示的用語は、「上方」」及び「~の下」の配向の両方を包含することができる。デバイスは、別途配向され(90度又は他の向きで回転させる)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈することができる。同様に、用語「上向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」などは、特段の指示がない限り、説明の目的のために本明細書で使用される。
【0071】
用語「第1」及び「第2」は、様々な特徴/要素を説明するために本明細書で使用することができるが、文脈に特段の指示がない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素と区別するために使用することができる。したがって、以下に説明する第1の特徴/要素は第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様、以下に説明する第2の特徴/要素は本開示の教示から逸脱することなく第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0072】
用語「約」が使用される場合、特定の効果又は結果を特定の許容差内で得ることができ、当業者は、許容差を得る方法を知っている。用語「約」が、範囲の値又は端点を説明する際に使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は端点を含むと理解されるべきである。実施形態では、「約」は、最大10%(すなわち、±10%)の範囲を意味することができる。
【0073】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図する。
【0074】
本明細書に含まれる実施例及び図は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る具体的な実施形態を示す。上述したように、他の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更を行うことができるように、利用され、そしてそこから誘導することができる。本発明の主題のこのような実施形態は、実際に複数の発明が開示されている場合、本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜的に個々に又は集合的に言及されてもよい。したがって、具体的な実施形態を本明細書に図示し説明してきたが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、示された具体的な実施形態に置き換えてもよい。本開示は、様々な実施形態における任意の及びすべての適合又は変形を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討することにより当業者には明らかであろう。
【0075】
上記の説明は、当業者が本明細書に開示されるすべての融合タンパク質を作製及び使用することを可能にするために提示され、特定の用途及びその要件の文脈において提供される。好ましい実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用されてもよい。したがって、本開示は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。
【0076】
本開示を概して説明してきたが、ある特定の実施例を参照することにより、更なる理解を得ることができ、これは、例示のみを目的として本明細書に提供され、特段明記しない限り、限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0077】
実施例1:
ウシP4HA1(配列番号1)及びP4HB(配列番号2)のDNA配列を、DNA2.0から取得した。プライマーMM-1090(配列番号3);MM-750(配列番号4);MM-0782(配列番号5)、MM-0783(配列番号6);MM-0784(配列番号7);MM-0785(配列番号8)及びベクターMMV290(配列番号9)にアセンブルされたGibsonを有するテンプレートとしてDNA配列を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応を行った(Gibson DG,Young L,Chuang RY,Venter JC,Hutchison CA,Smith HO.Enzymatic assembly of DNA molecules up to several hundred kilobases.NatMethods.2009;6:343-5.)。最終ベクターMMV290(
図4)を配列決定により確認し、ピキア・パストリス酵母株PP153に形質転換して、N末端にP4HA1及びC末端にP4HBを有するPP336株を生成した。
【0078】
MMV-130(
図1)をPme Iで消化し、PP1に形質転換して、PP153を生成させた。PP153は、pDFプロモーターによって駆動される野生型コラーゲンを含有する。
【0079】
単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼα(配列番号15)のDNA配列をIDTから取得した。プライマーMM-0579(配列番号18);MM-0580(配列番号19);MM-1569(配列番号20)、MM-1570(配列番号21);MM-0784(配列番号7)及びベクターMMV-644(配列番号17)にアセンブルされたGibsonを有するテンプレートとしてDNA配列を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応を行った。最終ベクターMMV-644(
図10)を配列決定により確認し、ピキア・パストリス酵母株PP97に形質転換して、PP765株を生成した。
【0080】
MMV-644(
図10)をSwa Iで消化し、PP97に形質転換して、PP765を生成させた。PP765は、pDFプロモーターによって駆動されるC末端に6X Hisタグを有する単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼ、及び酵母α接合因子からの分泌シグナルを含有する。
実施例2:
【0081】
ウシP4HA1及びP4HBのDNA配列を、DNA2.0から取得した。MM-1090;MM-750;MM-779;MM-780;MM-781;MM-369及びベクターMMV289(配列番号10)にアセンブルされたGibsonを有するテンプレートとしてDNA配列を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応を行った。最終ベクターMMV289(
図5)を配列決定により確認し、酵母株PP153に形質転換して、N末端にP4HB及びC末端にP4HA1を有するPP335株を生成した。
実施例3:
【0082】
PP336株を2mLのBMGY培地を有する24ウェルプレートに接種し、900rpmで振とうしながら30℃で48時間増殖させた。細胞を、沈降させ、800uLの溶解緩衝液中でQiagen tissue lyserを使用して溶解させた。溶解緩衝液は、2.5mLの1MのHEPES;最終濃度50mM、438.3mgのNaCl;最終濃度150mM、5mLのグリセロール;最終濃度10%、0.5mLのTriton X-100;最終濃度1%、及び42mLのMillipure水で作製した。上清は、N末端にP4HA1及びC末端にP4HBを有する融合タンパク質(AB融合タンパク質)を含有し、SDS PAGEゲル上にロードし、PVDFメンブレンに移した。融合タンパク質は、ウエスタンブロットにおいてP4HB抗体によって探索された。
【0083】
PP765株を2mLのBMGY培地を有する24ウェルプレートに接種し、900rpmで振とうしながら30℃で48時間増殖させた。細胞を沈降させ、培地を回収した。単量体のプロリル4-ヒドロキシラーゼを含有する上清をSDS PAGEゲル上にロードし、PVDFメンブレンに移した。融合タンパク質は、ウエスタンブロットにおいてHisタグ抗体によって探索された。
【0084】
PP335株を使用して同様の手順を行い、N末端にP4HB及びC末端にP4HA1を有する融合タンパク質(BA融合タンパク質)を生成した。
【0085】
AB22融合タンパク質において、クマシー染色及びウエスタンブロットの両方によって分子量が約120kDaの融合タンパク質を検出した。BA融合タンパク質において、両方の方法によって融合タンパク質を検出することはできなかった。
【0086】
PP336株を2mLのBMGY発酵培地を有する24ウェルプレートに接種し、900rpmで振とうしながら30℃で48時間増殖させた。同時に、コラーゲン、P4HA及びP4HBのDNA配列を有するベンチマーク酵母株PP268を、同じ条件下で別々に増殖させた。
【0087】
MMV156(
図2)をBam HIで消化し、PP153に形質転換して、PP154を生成し、その後、MMV-191(
図3)をBam HIで消化し、PP154に形質転換して、PP268を生成した。
【0088】
サンプルPP336及びPP268を、以下の手順に従ってペプシンアッセイによって分析し、ペプシンに対するコラーゲン三量体の感受性を評価した。PP336は、PP268と同様のペプシン耐性を有する。
【0089】
PP336及びPP268のプロリンヒドロキシル化をアミノ酸分析により分析した。PP336は、PP268について観察されたものと同様の又はより良好なプロリンヒドロキシル化を有する。
【0090】
ペプシンアッセイは以下の手順で行った:
1.ペプシン処理の前に、Thermo Scientificプロトコルあたりの各サンプルの全タンパク質を得るためにビシンコニン酸(BCA)アッセイを行う。総タンパク質をすべてのサンプルの最低濃度に標準化する。
2.100uLの溶解物をマイクロ遠心チューブに入れる。
3.以下を含むマスターミックスを作製する:
a.37%HCl(100mLあたり0.6mLの酸)及び
b.ペプシン(ストックは脱イオン水中に1mg/mLであり、ペプシンの最終添加によりペプシン:全タンパク質(重量:重量)が1:25の比にならなければならない。
c.全タンパク質のステップ#1の標準化に基づいて、ペプシンの量は最終的な添加で変化するため、作製されたスプレッドシートを用いて調節する。
4.ペプシンを加えた後、ピペットで3回混合し、サンプルを室温で1時間インキュベートしてペプシン反応を起こさせる。
5.1時間後、1:1容量のβ-メルカプトエタノールを含むLDSローディング緩衝液を各サンプルに加え、70℃で7分間インキュベートする。β
6.その後、14,000rpmで1分間回転させて濁りを除去する。
実施例4:
【0091】
コラーゲン及び融合タンパク質のDNAを含まない酵母株PP97を、YPD培地及び80mMプロリンで一晩増殖させ、増殖培養物を生成した。20mLのYPD培地及び80mMプロリンに、5mLの増殖培養物を接種し、300rpmで30℃で1時間インキュベートした。細胞を5000rpmで4℃で5分間採取し、滅菌水で2回洗浄し、その後10mLの形質転換用緩衝液と混合し、10mM DDTで25℃で25分間インキュベートした。細胞を採取し、冷たいソルビトールで2回洗浄し、その後AB融合タンパク質のDNA配列を含有するMMV400(配列番号11及び
図6))をエレクトロポレーションで形質転換した。細胞を、全持続時間にわたって存在する80mMプロリンを有するゼオシン500プレートで3時間インキュベートした後、細胞を播種した。プレートを2日間30℃でインキュベートし、実施例3に記載の手順に従って、コロニーをスクリーニングした。結果は、融合タンパク質がプロリンの存在下で空の宿主細胞に形質転換されたことを示した。
【0092】
YPD培地にプロリンが存在しない場合、コロニーは存在しないか又は形成されたコロニーはほとんど存在しなかった。これらのコロニーをウエスタンブロットによって分析すると、すべてのコロニーはAB融合タンパク質に対して陰性であった。YPD培地に添加した80mMプロリンを用いた実験では、6/6コロニーをウエスタンブロットによって分析し、それらのすべてはAB融合タンパク質に対して陽性であった。
実施例5:
【0093】
ベクターMMV290(
図4)(配列番号9)を、BglII及びMluI及びインサートとアセンブルされたGibson(配列番号12)で消化し、AB融合タンパク質のC末端に、6個の連続したヒスチジンのアミノ酸(Hisタグ)を表すヌクレオチド配列、2個の終止コドン、及びAOX1転写ターミネーターを包含し、ベクターMMV502(
図7)を生成した。
【0094】
ベクターMMV156(
図2)(配列番号13)を、BglII及びMluI及びインサートとアセンブルされたGibson(配列番号12)で消化し、P4HBサブユニットタンパク質のC末端に、6個の連続したヒスチジンのアミノ酸(Hisタグ)を表すヌクレオチド配列、2個の終止コドン、及びAOX1転写ターミネーターを包含し、ベクターMMV503(
図8)を生成した。
【0095】
MMV502をPP153に形質転換して、PP548株を生成した。この株を、ウエスタンブロット及びクマシー染色ゲルを含む様々な方法を使用して、タンパク質含量について培養、溶解、及びアッセイした。ウエスタンブロットによって、AB融合タンパク質の存在を確認した。クマシー染色ゲルによって、Hisタグ(119kDa)を有するAB融合タンパク質の分子量を確認した。PP548株の高発現変異体を、振とうフラスコ及び発酵槽中で増殖させた。コンフルエントになれば、細胞を遠心分離してペレット化し、洗浄した。その後、細胞を、800uLの溶解緩衝液中でQiagen tissue lyserを使用して溶解させた。溶解緩衝液は、2.5mLの1MのHEPES;最終濃度50mM、438.3mgのNaCl;最終濃度150mM、5mLのグリセロール;最終濃度10%、0.5mLのTriton X-100;最終濃度1%、及び42mLのMillipure水で作製した。溶解物を遠心分離し、可溶性画分をNickel-NTAアガロースビーズと共にインキュベートした。清澄化した溶解物-ビーズ混合物を、ビーズを保持するカラムに適用した。続いて、Nickel-NTAビーズを、異なる濃度のイミダゾールで洗浄し、場合によっては、1,10-フェナントロリン及びEDTAなどの他の化学物質を含む。その後、プラスミドMMV502によりコードされたHisタグを有するAB融合タンパク質を、300mMイミダゾールで洗浄することによって溶出させた。これらの溶出液を組み合わせ、又は分離したままにし、Amico Ultra-15フィルタカラムを使用して緩衝液交換を行って、残留イミダゾールを除去した。その後、AB融合タンパク質を次のアッセイに使用した。
【0096】
MMV503をPP153に形質転換し、PP549株を生成した。この株を、ウエスタンブロット及びクマシー染色ゲルを含む様々な方法を使用して、タンパク質含量について培養、溶解、及びアッセイした。ウエスタンブロットによって、P4HA及びP4HB酵素の存在を確認した。クマシー染色ゲルによって、P4HA(61kDa)及びP4HB(57kDa)酵素の分子量を確認した。PP549株の高発現変異体を、振とうフラスコ及び発酵槽中で増殖させた。コンフルエントになれば、細胞を遠心分離してペレット化し、洗浄した。その後、細胞を、800uLの溶解緩衝液中でQiagen tissue lyserを使用して溶解させた。溶解緩衝液は、2.5mLの1MのHEPES;最終濃度50mM、438.3mgのNaCl;最終濃度150mM、5mLのグリセロール;最終濃度10%、0.5mLのTriton X-100;最終濃度1%、及び42mLのMillipure水で作製した。溶解物を遠心分離し、可溶性画分をNickel-NTAアガロースビーズと共にインキュベートした。清澄化した溶解物-ビーズ混合物を、ビーズを保持するカラムに適用した。続いて、Nickel-NTAビーズを、異なる濃度のイミダゾールで洗浄し、場合によっては、1,10-フェナントロリン及びEDTAなどの他の化学物質を含む。その後、プラスミドMMV503によりコードされたHisタグを有するP4HA及びP4HBを、300mMイミダゾールで洗浄することによって溶出させた。溶離を組み合わせ、又は分離したまま維持し、Amico Ultra-15フィルタカラムを使用して緩衝液交換を行って、残留イミダゾールを除去した。その後、P4HA及びP4HBタンパク質を、その後のアッセイに使用した。
実施例6:
【0097】
αケトグルタル酸のヒドロキシル化結合脱炭酸に基づく方法での修飾によって、PP548からの融合タンパク質酵素活性を確認した(Kivirikko,K.I.and Myllyla,R.(1982)Post-translational enzymes in the biosynthesis of collagen:intracellular enzymes.Methods Enzymol.,82,245-304;Kivirikko,K.I.and Myllyla,R.(1997)Characterization of the iron- and 2-oxoglutarate-binding sites of human prolyl 4-hydroxylase.The EMBO Journal,16,1173-1180)。活性測定は、(Pro-Pro-Gly)10ペプチドモデル基質上のヒドロキシル化反応におけるAB融合タンパク質による経時的なαケトグルタル酸消費に基づくものであった。AB融合タンパク質量は、反応毎に0.12~0.4nmolの範囲である。0~10分の範囲の異なる時点で選択されたサンプル50μlを、0.5M HCl中の150μlの30mM o-フェニレンジアミンに、96ディープウェルプレート中で混合することによって反応を停止させた。プレートを95℃に設定されたヒートブロックに10分間置き、色形成を停止し、その後、氷上で2分間冷却した。その後、50ulのサンプルを黒色96ウェルプレート中で30μl 1.25M NaOHと混合した。サンプルの蛍光を、プレートリーダー上の発光420、励起340で読み取った。αケトグルタル酸濃度は、同じアッセイ条件下で実施されたαケトグルタル酸標準サンプルから誘導した。時間ゼロ濃度からサンプル濃度を減算することにより、αケトグルタル酸消費を計算した。
【0098】
PP548からのP4HA及びP4HB酵素活性は、上記と同じアッセイによって確認した。
【0099】
結果は、天然P4HA及びP4HBタンパク質を有するサンプルよりもAB融合タンパク質を有するサンプル中には、αケトグルタル酸が少ないことが示された。これは、AB融合タンパク質が天然P4HA及びP4HBタンパク質よりも活性であることを示す。
実施例7:
【0100】
MMV411(配列番号14及び
図9)をPme Iで消化し、PP97に形質転換して、PP434を生成させた。
【0101】
単一コロニーを、250rpm及び30℃で一晩一定振とうしながら、50mLのBMGY培地に接種した。翌日、500mLの新鮮なBMGY培地に、1Lの三角フラスコに一晩増殖させた培養物を接種し、250rpm及び30℃で2日間一定振とうしながら増殖させた。
【0102】
PP434細胞を、5.667mLリン酸緩衝液(50mM、pH-7.4)中に再懸濁した(1gの湿潤細胞重量(wcw))。マトリックスDビーズを使用して、間に1分間の冷却を有する5サイクルで、細胞をビーズビーター内で溶解させて、全細胞溶解物を生成した。その後、細胞溶解物全体をいくつかの1.5mLのマイクロ遠心チューブに入れ、5分毎に静かに混合しながら70℃で30分間加熱した。その後、細胞溶解物全体を4℃で5分間21000×gで沈降させた。上清を氷上に10分間置いた。Ni-NTA樹脂(1gのwcwの0.5mLの床体積)を脱イオン水で3回平衡化し、800×gで2分間4℃で遠心分離することによってエタノールを除去した。清澄化した溶解物を平衡化されたNi-NTA樹脂に添加し、エンドオーバーエンド回転により、4℃で60分間インキュベートした。上清を、800×gで5分間4℃で遠心分離することによって回収した。樹脂を、10カラム体積の50mMリン酸緩衝液pH-7.4、20mMイミダゾールで、800×gで2分間4℃で遠心分離することによって洗浄した。その後、樹脂を、10カラム体積の50mMリン酸緩衝液pH-7.4、250mMイミダゾールで、800×gで2分間4℃で遠心分離することによって洗浄した。800×gで2分間4℃で遠心分離することによって、溶出緩衝液で、4℃で5分間(エンドオーバーエンド回転)インキュベートした後、タンパク質を、5mLの50mMリン酸緩衝液(pH7.4)、500mMイミダゾールで3回溶出させた。SDSPAGE上で、サンプルを分析した(上清及びペレットの両方を、細胞溶解物全体と共に)。その後、サンプルを、少なくとも1つの緩衝液交換(少なくとも100xのサンプル体積で透析)を用いて、50mM Tris、pH8.0、100mM NaCl中で透析した。
-PP547の作製
【0103】
ベクターMMV363を、22kD小型Pre-Pro-Col3及び関連するプロモーターpDF及びターミネーターAOX1TT、Flag及びHAタグ、マーカー発現及び関連するプロモーター及びターミネーターのDNA配列、細菌及び酵母の複製起点(複数可)のDNA配列、並びに組み込みのための酵母ゲノムと相同性を有するDNA(複数可)配列(複数可)を含むように改変した。ベクターMMV88は、Pre-Pro-Col3ドメインのソースDNAであった。ベクターMMV130は、Col3A1ドメイン+HA及びFlagタグのソースDNAであった。Col3A1ポリペプチドの全長は、190アミノ酸(aa)である。3つの断片を一緒にGibson化させ、得られたプラスミドをMMV383とした。
【0104】
MMV383を、組み込みのためにAoxランディングパッドを使用してPP97に形質転換した。得られたピキア株はPP414であった。その後のウエスタンブロットは、22kD小型Col3分子の分泌を示した。
【0105】
PP414をMMV502、MMV290のHisタグ付きバージョンで形質転換し、PP547を生成した。
-PP635及びPP636の作製
【0106】
PP97の単一コロニーを、80mMプロリンを有する15mLのYPD培地に接種し、振とうしながら(250rpm)30℃で一晩増殖させた。翌日、培地の体積を、80mMプロリンを有する新鮮なYPDで2倍にし、振とうしながら(250rpm)30℃で別時間増殖させた。細胞を3,500gで5分間沈降させた。滅菌水で2回洗浄し、10mLの形質転換緩衝液(10mM Tris-Cl pH7.5、100mM LiAc、0.6Mソルビトール)に再懸濁し、10mMジチオスレイトール(DTT)を添加し、十分に混合した。再懸濁液を室温で30分間インキュベートした。細胞を3,500xgで5分間沈降し、ペレットを5mLの氷冷1Mソルビトールに再懸濁し、再度3,500×gで5分間沈降した。5mLの1Mソルビトールを用いた洗浄を2回繰り返した。洗浄したペレットを、500μlの氷冷1Mソルビトール中に再懸濁し、100μlのこの再懸濁液を、予め冷却された0.2cmのエレクトロポレーションキュベットに等分した。MMV502(
図7)及びMMV503(
図8)の線状化DNA配列を、細胞(別個のキュベット内)に加え、ピペッティングにより混合した。また、線状化DNA配列の代わりに、水を細胞混合物に添加した陰性対照も設定した。混合物を氷上で10分間インキュベートした。インキュベーション後、ピキア-WUプロトコル(1500v、25uF、200W)を使用してパルスすることによってエレクトロポレーションを行い、Bio-Rad Gene Pulser Xcell(商標)はエレクトロポレーションに使用された。細胞を、YPD及び1Mソルビトール(1:1)の500μl混合物に直ちに移し、30℃で2時間インキュベートした。この2時間インキュベートした培養物の100μl分割量を、750μg/mLのG418抗生物質プレート上に播種した。プレートを30℃で2日間インキュベートした。
【0107】
2日間のインキュベーション後にプレート上に出現したコロニーを拾い、500μg/mLのG418を含有するBMGY培地に接種した。接種は、2mL培養及び24ウェルフォーマットで行った。プレートを振とうしながら30℃(900rpm)で2日間インキュベートした。各2mLの培養物を沈降させ、100mgのペレットを、1mLの溶解緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、5%グリセロール及び1%EDTA、pH-7.5)に再懸濁した。溶解は、Tissue Lyser及びYマトリックスビーズを使用して15分間行った。溶解物をSDS Licorローディング色素と5:1の比率で混合し、90℃で10分間加熱し、4~12%Bis-Trisゲル上にロードした。ゲルをPVDFメンブレンに移した。抗His及び抗コラーゲン抗体を使用してウエスタンブロットを展開した。P4HはHisタグ付けされているため、融合P4Hは、赤色チャネルにおいて110kDaタンパク質として示されるのに対し、双方向発現P4HA/Bは、赤色チャネルにおいて59kDaで示される。ブロットにおいてコラーゲンバンドは観察されず、P4Hプラスミドがコラーゲンを用いずに形質転換されたことを確認した。融合P4Hの高発現を示したクローンをPP635として確認し、双方向発現P4Hの高発現を示したクローンをPP636として確認した。
【0108】
各株の単一コロニーを、250rpm及び30℃で一晩一定振とうしながら、50mLのBMGY培地に別々に接種した。翌日、500mLの新鮮なBMGY培地に、1Lの三角フラスコに一晩増殖させた培養物を接種し、250rpm及び30℃で2日間一定振とうしながら増殖させた。
【0109】
細胞(0.45g wcw(湿潤細胞重量))を、0.65mLの溶解緩衝液(25mM Tris、pH7.5、50mM NaCl、20mMイミダゾール)中に再懸濁して、45%懸濁液を得た。マトリックスDビーズを使用して、5サイクル(間に1分間の冷却)で、細胞をビーズビーター内で溶解させて、溶解物を生成した。溶解物を沈降させ、上清及びペレットを清澄化した(4℃、10分、16000×g)。清澄化した溶解物を取り出し、氷上に置いた。ペレットを、溶解緩衝液のwcwの2倍で再懸濁し、16000×gで10分間遠心分離して、より清澄化した溶解物を回収した。清澄化した溶解物を一緒に組み合わせた。Ni-NTA樹脂(1gのwcwの0.025mL以上の床体積、及び適切にスケールアップ)を脱イオン水で3回平衡化し、800×gで2分間4℃で遠心分離することによってエタノールを除去した。清澄化した溶解物を平衡化されたNi-NTA樹脂に添加し、エンドオーバーエンド回転により、4℃で一晩インキュベートした。上清を、800×gで5分間4℃で遠心分離することによって回収した。樹脂を、50mMイミダゾールを含有する10カラム体積の溶解緩衝液で、800×gで2分間4℃で遠心分離することによって洗浄した。その後、樹脂を、10カラム体積の50mMリン酸緩衝液pH-7.4、250mMイミダゾールで、800×gで5分間4℃で遠心分離することによって洗浄した。タンパク質を、800×gで5分間4℃で遠心分離することによって、4℃で5分間溶出緩衝液でインキュベートした後(エンドオーバー回転)、300mMイミダゾールを含有する5mLの溶解緩衝液で溶出させた。溶出は2回以上実施した(合計3回)。SDSPAGE上で、サンプルを分析した(上清及びペレットの両方を、細胞溶解物全体と共に)。サンプルを、少なくとも1つの緩衝液交換(少なくとも100xのサンプル体積で透析)を用いて、50mM Tris、pH8.0、100mM NaCl中で透析して、精製されたコラーゲン溶解物を生成した。
-精製されたコラーゲンモノマーとのインビトロヒドロキシル化反応
1)以下の表に従って、40反応(反応毎に250ul)の反応混合物を調製した。
【表1】
2)250ulの反応物について、20ulの上記混合物を各チューブに等分した(各反応を3回行った)。
3)1g/LのBSA、0.1g/Lのカタラーゼ及び水を添加して最終体積を250uLにする。
4)5uMの融合タンパク質を添加する
5)2uMのコラーゲンサンプルを添加する
6)32℃で2分間反応物をインキュベートする
7)2.5ulの0.4M 2-オキソグルタレートを添加し、ウェルを混合する
8)32℃で1時間インキュベートする
9)100ulの各反応物を新しいチューブに移し、ヒドロキシプロリンアッセイのサンプルに引き継ぐ
-ヒドロキシプロリンアッセイ
1.以下の溶液を調製した:
A.クエン酸/酢酸緩衝液(100mL用)
5% クエン酸(5g)(Sigma Aldrich C1909、一水和物)
1.2% 氷酢酸(1.2mL)(Fisher Scientific A38-500)
7.24% 酢酸ナトリウム(7.24g)(Sigma Aldrich、S2889)
3.5% 水酸化ナトリウム(3.4g)(Sigma Aldrich、306576)
Milli-Q水で100mLにする
B.クロラミンT(20mL用)
1.41g クロラミンT
10mL イソプロパノール
10mL Milli-Q水
C.Ehrlich溶液(20mL用)
4g p-ジメチルベンズアルデヒド(DMAB)
6mL 塩酸
14mL イソプロパノール
D.クロラミンT/クエン酸-酢酸塩溶液(20mL用)
4mL クロラミンT(上記から)
16mL クエン酸/酢酸緩衝液(上記から)
2.サンプル調製:
a.コラーゲンを含有する100uLのインビトロヒドロキシル化反応物をガラスアンバーバイアル瓶に入れた。
b.500uLの濃縮HClを加え、バイアル瓶にしっかりと蓋をした。
c.バイアル瓶を、少なくとも18時間、ヒートブロックで125℃でインキュベートした。
d.サンプルをspeed vacを用いて乾燥させた。
e.乾燥サンプルを、225uLのMilli-Q水でバイアル瓶に再懸濁させた。
f.サンプルを遠心分離して、10,000Xgで5分間沈殿及び残渣を除去し、アッセイで使用する上清を除去した。
3.標準曲線調製:
a.1000ug/mLのヒドロキシプロリンの原液を調製した
b.原液を使用して、50ug/mLのトップの標準濃度を調製した
c.50ug/mL溶液を使用して、標準曲線について以下の濃度を作製した:25、18.75、12.5、6.25、3.125ug/mL
d.0ug/mL=水
e.これらの標準物を、ウェルA1~A7に、その複製B1~B7と共に、96ウェルプレート内に配置した
4.内部対照:
a.工程2a~dに続いて、コラージュを含有するインビトロヒドロキシル化反応の代わりに、400uLのIII型コラーゲン(Abcam、ab7528)を使用した
b.400uLのMilli-Q水に再懸濁させた
c.内部対照を96ウェルプレートのA8及びB8に配置した
5.内部対照定量:
a.III型コラーゲンのストックバイアル瓶から50uLの分割量を取り、qSDS上で実行した。
b.qSDSによって得られた濃度を使用して、内部対照のヒドロキシル化率を計算した。
6.ヒドロキシプロリンアッセイ:
a.50uLの標準物を添加し、4回サンプリングした(2つの複製物は、クロラミンTが添加されないブランクである)
b.分析される各反応物(標準曲線ウェルを含む)については、100uLのクロラミンT/クエン酸-酢酸塩溶液を添加した。
c.ブランクについては、100uLの水/クエン酸-酢酸塩溶液(これらのサンプル中に酸化が生じない)を添加した。
d.プレートに蓋をして、振とうしながら30℃で25分間インキュベートした。
e.100uLのErhlich溶液を添加し、ウェルが透明になるまで各ウェルを十分に混合した。
f.プレートに蓋をして、振とうしながら65℃で25分間インキュベートした。
g.熱源からプレート(複数可)を除去し、560nmですべてのサンプル/ブランクの吸光度を測定した。
h.使用されるコラーゲンの分子量を得ることによって、ヒドロキシル化率を計算した。また、上記の使用されるコラーゲンの螺旋領域におけるヒドロキシプロリン部位及びプロリンの数も必要とされる。
i.例示的なパーセント(%)ヒドロキシプロリン計算:
PP685コラーゲンの分子量=94,752g/mol
ヒドロキシプロリンの分子量=131.13g/mol
螺旋領域におけるヒドロキシプロリン部位の#=145
螺旋領域におけるプロリン部位の#=246
IVOH反応におけるPP685コラーゲン濃度=0.084g/L
a.IVOH反応の標準曲線から得られたヒドロキシプロリンの濃度
・3.91ug/mL
・増倍係数を用いた補正=3.1X3.91ug/mL=12.1ug/mL
b.マイクログラム(ug)に換算したヒドロキシプロリンの濃度
・ウェルあたりに使用される50uLのサンプル
・(50uLX12.1ug/mL)は1000=0.607ugのヒドロキシプロリンで割る
c.IVOH反応で使用されるコラーゲンのマイクログラム
・ウェルあたり50uLのサンプル
・(50uLX0.084g/L)に1X10
6=4.2ugを掛ける
d.PP685コラーゲンのnmol
・(4.2ug/1X10
6ug)X1g=4.2X10
-6g
・(4.2X10
-6g)/(94752.76g/molのPP685コラーゲン)=4.4X10
-11mol
・4.4X10
-11molX(1X10
9nmol/1mol)=0.044nmol
e.ヒドロキシプロリンのnmol
・(0.607ug/131.13g/mol)X1000=4.6nmolヒドロキシプロリン
f.nmolプロリン
・0.044nmolコラーゲンX246=10.8nmolプロリン
g.ヒドロキシプロリンのパーセント%
・(4.6nmol/10.8nmol)X100=42%ヒドロキシル化
-結果
【表2】
【0110】
結果は、必要な補助因子及び適切な反応条件(温度及びpH)の存在下で、両方の株(PP547及びPP635)中の融合タンパク質は、非融合タンパク質を含有するPP636株よりも高い%までコラーゲン基質をヒドロキシ化することができたことが示された。PP547及びPP635は、当初は株並びにタンパク質安定性に必要とされると考えられた前者のコラーゲンの小断片の存在により異なった。これは、融合タンパク質が安定であり、非融合タンパク質と比較して、インビトロでより良好なジオキシゲナーゼとして機能することができ、それによって非融合対応物を上回る利点を提供することが示された。P4HA及びP4HBの両方の融合は、タンパク質構造及び安定性を助ける機能性四量体につながるタンパク質の化学量論的量をもたらした。ヒドロキシル化%の結果を質量分析により確認した。
実施例8
【0111】
NaPO4緩衝液を使用してpH12で溶解した細胞に対して、溶解物中のインビトロヒドロキシル化を行った後、0.1mM FeSO4、2mMアスコルビン酸、25mM DTT及び25mM αケトグルタル酸と混合した。混合物をpH7.5に調整し、反応を進行させるためにインキュベータ内で振とうすることにより、32℃で3時間インキュベートした。反応終了後、pHを4に落とし、反応物を25℃で一晩(~18時間)混合し、~7,000xgで遠心分離して上清を回収した。上清を水又は緩衝液に対して透析し、ヒドロキシプロリンアッセイで使用した。
実施例9
【0112】
インビボヒドロキシル化のために、いくつかのシャペロン及び酵素の助けを借りて、粗い小胞体でコラーゲンを合成した。コラーゲンのフォールディング機構は、本明細書で使用される株に存在するP4HA-B融合タンパク質の一部である、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)によって補助された。PDIは、タンパク質の非コラーゲンN及びC末端における正しいジスルフィド結合形成を助け、融合タンパク質のP4HA部分によるプロリン残基のヒドロキシル化が続く。ヒドロキシル化反応の形成に関与する補助因子は、ER(小胞体)中に存在し、インビボヒドロキシル化のために重要な細胞小器官を作製した。コラーゲンが合成されると、ER中に存在するシャペロンによって安定化され、P4HA-B融合タンパク質によってヒドロキシル化され、ここでBサブユニットは更に安定化し、及び又は三量体化に役立つ一方で、サブユニットは、そのジオキシゲナーゼ活性を使用してプロリン残基をヒドロキシ化する。
【0113】
本開示の多くの修正及び変形は、上記の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内では、本開示は、本明細書に具体的に記載されるものとは別の方法で実施されてもよいことを理解されたい。
本発明は以下の態様を包含する。
[1]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットと、
可溶性タンパク質パートナーと、を含む、融合タンパク質。
[2]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、
可溶性タンパク質パートナーをコードするDNA配列と、によってコードされる、融合タンパク質。
[3]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1、プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-2、及びプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-3からなる群から選択される、[1]又は[2]に記載の融合タンパク質。
[4]
前記可溶性タンパク質パートナーは、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニット、マルトース結合タンパク質、低分子ユビキチン様修飾因子、カルモジュリン結合タンパク質、及びグルタチオンS-トランスフェラーゼからなる群から選択される、[1]~[3]のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
[5]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
[6]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、
プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む、融合タンパク質。
[7]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、
プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットをコードするDNA配列と、を含む、融合タンパク質。
[8]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、前記融合タンパク質のN末端にある、[6]又は[7]に記載の融合タンパク質。
[9]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、前記融合タンパク質のC末端にある、[6]~[8]のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
[10]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、
プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質であって、
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、前記融合タンパク質のN末端にあり、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、前記融合タンパク質のC末端にある、融合タンパク質。
[11]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットは、ウシ、ヒト、ラット、マウス、細菌、ウイルス、魚及び線虫からなる群から選択される種由来である、[6]~[10]のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
[12]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる、[6]~[11]のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
[13]
[1]~[12]のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、微生物。
[14]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を含む、微生物。
[15]
N末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1と、C末端に位置するプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットと、を含む融合タンパク質を含む、微生物。
[16]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1、及びプロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットを含む融合タンパク質と、
ヒドロキシル化される第2のタンパク質と、を含む、微生物。
[17]
前記微生物は、桿菌、大腸菌、及び糸状菌からなる群から選択される、[13]~[16]のいずれか一項に記載の微生物。
[18]
前記微生物は、酵母である、[13]~[16]のいずれか一項に記載の微生物。
[19]
前記第2のタンパク質は、コラーゲン、組換えコラーゲン、コラーゲン様タンパク質などからなる群から選択される、[16]~[18]のいずれか一項に記載の微生物。
[20]
前記プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニット-1は、配列番号1の核酸によってコードされ、前記プロリル4-ヒドロキシラーゼβサブユニットは、配列番号2の核酸によってコードされる、[13]~[19]のいずれか一項に記載の微生物。
[21]
個体の皮膚へスキンケアの有益性を提供するための方法であって、前記皮膚に[1]~[12]のいずれか一項に記載の融合タンパク質を適用することを含む、方法。
[22]
前記融合タンパク質は、クリーム、ローション、軟膏剤、ゲル、セラム及びこれらの組み合わせからなる群から選択される組成物に配合される、[21]に記載の方法。
[23]
前記スキンケアの有益性は、しわ予防、皮膚色素沈着の改善、水分補給、挫瘡の低減、挫瘡の予防、黒色面皰の低減、黒色面皰の予防、皮膚線条の低減、皮膚線条の予防、セルライトの予防、セルライトの低減及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[21]又は[22]に記載の方法。
[24]
前記融合タンパク質は、サリチル酸、レチノール、過酸化ベンゾイル、ビタミンC、グリセリン、α-ヒドロキシ酸、ヒドロキノン、コウジ酸、ヒアルロン酸及びこれらの組み合わせからなる群から選択される他のスキンケア有益性成分と組み合わされる、[21]~[23]のいずれか一項に記載の方法。
[25]
タンパク質をヒドロキシル化するためのインビトロの方法であって、ヒドロキシル化されるタンパク質を含有する微生物を提供することと、[1]~[12]のいずれか一項に記載の融合タンパク質を提供することと、前記微生物を溶解して溶解物を生成することと、特定の濃度の前記融合タンパク質を前記溶解物に添加することと、前記融合タンパク質によって前記タンパク質の前記ヒドロキシル化を促進する反応条件下で、前記溶解物及び前記融合タンパク質をインキュベートすることと、を含む、方法。
[26]
前記溶解物は、前記融合タンパク質を添加する前に精製される、[25]に記載の方法。
[27]
前記融合タンパク質濃度は、約1uMのヒドロキシル化されるタンパク質に基づいて、約0.05uM~約5uMの範囲である、[25]又は[26]に記載の方法。
[28]
前記ヒドロキシル化は、約5~約12の範囲のpHで起こる、[25]~[27]のいずれか一項に記載の方法。
[29]
前記ヒドロキシル化は、約16℃~約40℃の範囲の温度で起こる、[25]~[28]のいずれか一項に記載の方法。
[30]
前記ヒドロキシル化は、約30分~約1時間にわたって起こる、[25]~[29]のいずれか一項に記載の方法。
[31]
ヒドロキシル化タンパク質を作製するための方法であって、[13]~[20]のいずれか一項に記載の微生物を提供することと、前記微生物を、前記第2のタンパク質をヒドロキシル化するのに十分な時間、培地中で増殖させることと、を含む、方法。
[32]
前記微生物は、酵母である、[31]に記載の方法。
[33]
前記酵母は、ピキア・パストリスである、[32]に記載の方法。
[34]
前記微生物は、約50時間~約72時間増殖させる、[31]~[33]のいずれか一項のいずれか一項に記載の方法。
[35]
プロリル4-ヒドロキシラーゼαサブユニットをコードするDNA配列と、
可溶性タンパク質パートナーをコードするDNA配列と、を含む、微生物。
【配列表】