(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】不平衡負荷を負う電気デバイスの接続部への、位相線の関連付けを識別するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01R 29/16 20060101AFI20240530BHJP
G01R 31/34 20200101ALI20240530BHJP
G01R 31/55 20200101ALI20240530BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240530BHJP
H02H 11/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01R29/16 D
G01R31/34 A
G01R31/55
H02J3/38 130
H02H11/00 140
(21)【出願番号】P 2021517296
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2019069519
(87)【国際公開番号】W WO2020064169
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】102018124124.0
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515078095
【氏名又は名称】エスエムエイ ソーラー テクノロジー アクティエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SMA Solar Technology AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ビューネマン
(72)【発明者】
【氏名】マッティアス グレーネ
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-28773(JP,A)
【文献】特開2013-113695(JP,A)
【文献】特開2016-125935(JP,A)
【文献】特開2000-162299(JP,A)
【文献】特開2003-57286(JP,A)
【文献】特開平8-289466(JP,A)
【文献】特開2017-135790(JP,A)
【文献】特開2008-43044(JP,A)
【文献】特開2015-76995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/16
G01R 29/18
G01R 31/34
G01R 31/55
G01R 31/66
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不平衡負荷動作が可能な電気デバイス(1)の接続部(U、V、W)への、配電グリッド(3)の位相線(L1、L2、L3)の割り当てを識別するための方法であって、前記デバイス(1)が、前記配電グリッド(3)の複数の位相線(L1、L2、L3)に接続された方法において、
-前記電気デバイス(1)の前記接続部(U、V、W)で不平衡負荷プロファイルに割り当てられる目標パラメータ(20a、20b、20c)を設定するステップであって、前記目標パラメータ(20a、20b、20c)を介して不平衡負荷動作が可能なデバイス(1)の前記接続部(U、V、W)で設定される特徴的な信号形式が、相互に区別できる形状であり、かつ、前記目標パラメータ(20a、20b、20c)と時間的に相関して、前記位相線(L1、L2、L3)上で検出される測定パラメータ(21a、21b、21c)内に存在するものである、設定するステップと、
-検出ユニット(2)を用いて、測定パラメータ(21a、21b、21c)、特に、前記複数の位相線(L1、L2、L3)のそれぞれで測定パラメータ(21a、21b、21c)の時間的なプロファイルを検出するステップと、
-前記検出された測定パラメータ(21a、21b、21c)を前記不平衡負荷プロファイルの前記目標パラメータ(20a、20b、20c)と比較するステップと、
-前記比較に基づいて、前記接続部(U、V、W)への、前記位相線(L1、L2、L3)の前記割り当てを識別するステップと、
を含み、
前記不平衡負荷プロファイルは、複数の送電周期にわたって時間的に平均した多相電力プロファイルであり、個々の位相線内
の正弦波電力の電力振幅に対応する方法。
【請求項2】
前記不平衡負荷プロファイルの前記目標パラメータ(20a、20b、20c)の前記設定の開始-任意に終了も-が、前記電気デバイス(1)によって合図されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標パラメータ(20a、20b、20c)及び/又は前記測定パラメータ(21a、21b、21c)がそれぞれ、電気的な性質のものであり、且つ、電流I(t)、電圧U(t)、電力P(t)、及び/又は、電流I(t)と電圧U(t)との間の位相差φを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較に基づいて、前記位相線(L1、L2、L3)の正しい割り当て、又は間違った割り当てを、前記それぞれの接続部(U、V、W)に合図することを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記不平衡負荷プロファイルの前記目標パラメータ(20a、20b、20c)が、前記デバイス(1)の通常動作の間に設定されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記不平衡負荷プロファイルの前記目標パラメータ(20a、20b、20c)が、前記デバイス(1)それ自体によって、又は前記デバイス(1)に接続されたコントローラによって事前定義されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接続部(U、V、W)への、前記位相線(L1、L2、L3)の間違った割り当てが、前記デバイス(1)それ自体のソフトウェア変更によって、又は前記デバイス(1)に接続されたコントローラのソフトウェア変更によって、対応されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記不平衡負荷プロファイルの前記目標パラメータ(20a、20b、20c)が、少なくとも30秒の期間△t内で時間とともに変化しないが、前記接続部(U、V、W)間で異なる電流振幅を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記電気デバイス(1)の前記接続部(U、V、W)で電気変数が測定され、場合によっては伝達され、前記目標パラメータ(20a、20b、20c)を確認するときに考慮に入れられることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
不平衡負荷動作が可能な電気デバイス(1)の接続部(U、V、W)への、配電グリッド(3)の位相線(L1、L2、L3)の割り当てを識別するための装置(10)であって、
前記デバイス(1)が接続されている前記配電グリッド(3)の前記複数の位相線(L1、L2、L3)のそれぞれで測定パラメータ(21a、21b、21c)を検出するための検出ユニット(2)に接続されるとともに、
制御ユニット(5)と、
前記制御ユニットに接続された評価ユニット(4)であって、前記位相線(L1、L2、L3)上で検出された前記測定パラメータ(21a、21b、21c)を、目標パラメータ(20a、20b、20c)であって、前記デバイス(1)の前記接続部(U、V、W)で設定され、不平衡負荷プロファイルに割り当てられた前記目標パラメータ(20a、20b、20c)と比較するための評価ユニット(4)と、を備える装置において、
前記目標パラメータ(20a、20b、20c)を介して不平衡負荷動作が可能なデバイス(1)の前記接続部(U、V、W)で設定される特徴的な信号形式が、相互に区別できる形状であり、かつ、前記目標パラメータ(20a、20b、20c)と時間的に相関して、前記位相線(L1、L2、L3)上で検出される測定パラメータ(21a、21b、21c)内に存在し、
前記検出ユニット(2)に接続された前記装置(10)が、制御およびデータ交換のために前記デバイス(1)に接続されており、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するように設計されていることを特徴とする装置(10)。
【請求項11】
不平衡負荷動作が可能な電気デバイス(1)であって、配電グリッド(3)の多数の位相線(L1、L2、L3)への接続を可能にするために経由する複数の接続部(U、V、W)を有するデバイス(1)において、前記接続部(U、V、W)への、前記配電グリッド(3)の前記位相線(L1、L2、L3)の割り当てを識別するための、請求項10に記載の装置(10)を備えるか、又はそれに接続されていることを特徴とする電気デバイス(1)。
【請求項12】
以下のデバイスクラス、すなわち、
-エネルギー送給デバイス、特に、光起電力(PV)インバータと、
-エネルギー消費電気デバイスと、
-エネルギー送給及びエネルギー消費の両方を行うバッテリインバータと、
を含んでいる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の電気デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部への、位相線の割り当てを識別するための方法に関する。本発明による方法は、特に、複数の位相線のうちのどれが、電気デバイスの複数の接続部のうちのどの接続部に接続されているかを確認するように意図されている。本発明は、同様に、本発明による方法を実行するように設計された装置、及びこのような装置を有する、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
配電グリッドの複数の位相線に接続された不平衡負荷動作が可能な電気デバイスは、大筋では既知である。このようなデバイスは、例えば、充電式バッテリに入力部で接続され、AC電圧を運ぶ、建物向けの配電グリッドの複数の位相線に出力部で接続された二方向に動作可能なバッテリインバータである。この場合、バッテリインバータを使用して、建物の配電グリッドが接続されている公共のエネルギー供給グリッド(ESG:energy supply grid)がたとえ故障した場合であっても、建物内のある特定の消費機器に電力を供給することができる。しかしながら、バッテリインバータは、建物の配電グリッドでのエネルギー管理の目的で使用してもまたよい。この場合、公共のESGから配電グリッドへの電力の流れに、バッテリインバータによって制御されるバッテリの充電及び/又は放電によって、的確に影響を及ぼすことができる。具体的には、課金期間内にグリッド接続点を介して公共のESGから引き出される電気エネルギーを最大値未満に保つことができる。
【0003】
グリッド接続点を介して引き出された電力にこのように影響を及ぼすことは、位相選択的に、すなわち、それぞれの位相線ごとに別々に実行しなければならない場合が多い。この目的のために、バッテリインバータの個々の接続部への、個々の位相線の割り当て又は接続が、既知であることだけでなく、正しく確立されていることもまた必要である。しかしながら、電気デバイスの配電グリッドへの接続が手動で確立される場合には、個々の位相線が、実際にそれらのために意図された接続部に接続されておらず、例えば、入れ替わって接続されている場合があり得る。これは、配電グリッドの電気デバイス(ここではバッテリインバータ)の誤動作、及び/又は配電グリッドの部分的な過負荷に結びつく場合があり、場合によっては、デバイス自体への損傷、又は配電グリッドに接続された他の消費機器への損傷に結びつく場合がある。
【0004】
米国特許出願公開第2010/0164473A1号明細書は、変電所を含む多相電気エネルギー送電グリッドの消費機器側電力メータの位相を識別するための方法を開示している。この方法では、信号発生器が、変電所から出る複数の位相のそれぞれに異なる信号を供給する。信号弁別器が、電気エネルギーを消費している消費機器において様々な信号をそれぞれ検出する。
【0005】
特許文献米国出願公開第2010/0164473A1号明細書は、変電所と、変電所から出る複数の位相のそれぞれに異なる信号を供給するための信号発生器と、信号弁別器と、を有する多相配電グリッドを開示している。信号弁別器を使用して、電力を消費している消費機器において様々な信号をそれぞれ検出する。
【0006】
特許文献墺国特許出願公開第517620A1号明細書は、エネルギーシステムにおける装置を開示している。この装置は、少なくとも1つの電流コンバータ、及び少なくとも1つの電圧コンバータに導電的に接続することが可能な入力部を有する。少なくとも1つの電流コンバータ及び少なくとも1つの電圧コンバータの配線を試験するための試験装置が、第1の試験信号を電圧コンバータの2次側に印加するように、そして同時に、第2の試験信号を電流コンバータの1次側に印加するように設計されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、方法であって、使用することにより、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部への位相線の割り当て、特に、割り当てが正しいか正しくないか、又は、接続部への位相線の接続、特に、接続が正しいか正しくないかを識別することが可能になる方法を開示するという目的に基づく。この場合、方法は、可能な限り単純に、且つ、安価に実装できるものとする。方法を適用する場合、既存の不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの構成部品が最大限に活用されるものとする。加えて本発明は、本発明による方法を実行するように設計された装置、及びこのような装置を有する、電気デバイスを開示するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、独立特許請求項1に記載の特徴を有する電気デバイスの接続部への、位相線の割り当てを識別するための方法によって実現される。従属特許請求項2~9は、方法の好適な実施形態を対象としている。特許請求項10は、方法を実行するための装置に関する。従属特許請求項11及び12は、本発明による装置を有する、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスを対象としている。
【0009】
不平衡負荷動作が可能な電気デバイスであって、配電グリッドの複数の位相線に接続されたデバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の割り当てを識別するための本発明による方法は、
-電気デバイスの接続部で不平衡負荷プロファイルに割り当てられる目標パラメータを設定するステップと、
-検出ユニットを用いて、電気デバイスが接続された複数の位相線のそれぞれで測定パラメータ、特に、測定パラメータの時間的なプロファイルを検出するステップと、
-検出された測定パラメータを不平衡負荷プロファイルの目標パラメータと比較するステップと、
-この比較に基づいて、接続部への位相線の割り当てを識別するステップと、
を含む。
【0010】
本発明によれば、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の割り当てを識別するステップは、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の接続を識別するという意味でもあると理解されたい。この方法を使用して、特に、電気デバイスの接続部への位相線の正しい割り当て又は間違った割り当てを識別することができる。配電グリッドは、特に、AC電圧配電グリッドを意味すると理解されたい。「不平衡負荷動作が可能な電気デバイス」とは、動作時に、少なくとも2つの異なる接続部を介する、したがって、電気デバイスに接続された位相線に異なる電力の流れを生成するように設計された電気デバイスを意味すると理解されたい。この場合、「不平衡負荷動作が可能な」という用語は、特に、電力の流れが、1つの時点においてだけでなく、ある時間にわたって平均しても、例えば、複数のグリッド期間にわたって平均しても、接続された位相線で異なることを意味する。それに応じて、「不平衡負荷プロファイル」という用語もまた、本出願内で、複数のグリッド期間にわたって時間的に平均した多相電力プロファイルという意味合いで、各場合において個々の位相線内の包絡曲線、又はそれ以外の正弦波電力の電力振幅という意味合いで理解されたい。この代わりとして、不平衡負荷プロファイルは、例えば、個々の位相線の電力間の差の時間的なプロファイルを含んでもよい。
【0011】
デバイスの接続部への位相線の割り当てを識別するために、方法は、不平衡負荷動作が可能なデバイスは、その接続部で異なる目標パラメータに従って電力を設定することができるという事実を利用する。電気デバイスのそれぞれの接続部で異なる目標パラメータを設定することによって、デバイスのそれぞれの接続部を介して異なる電力の流れが生成され、したがって、それぞれの接続部に接続された位相線で異なる電力の流れもまた生成される。言うまでもなく、これは、対応する接続部もまた位相線に接続されている場合、それぞれの各接続部にのみ当てはまる。一方、ある接続部が位相線に接続されていない場合、すなわち、開放された接続部である場合、そこで、又はそこを通る電力の流れを生成することができない。検出ユニットを介して位相線内で、又は位相線上で検出された測定パラメータは、同様に、位相線内の電力の流れが異なるために異なっている。特に、目標パラメータを介して不平衡負荷動作が可能なデバイスの接続部で設定される特徴的な信号形式もまた、少なくとも相互に区別できる形状で、且つ、位相線上で検出される測定パラメータの目標パラメータと時間的に相関するように存在する。測定パラメータの信号形式の形状は、電気デバイスの接続部に存在し、目標パラメータによって事前定義されている信号形式ほど顕著でないことを証明し得る。これは、とりわけ、信号形式が、位相線のいくつかに接続されている他の消費機器の電力の流れと重ね合わされるという事実に起因している。これは、信号形式が影響を受けること、特に、減衰されることにつながる。にもかかわらず、位相線の信号形式の形状は、信号形式が他の消費機器の電力の流れと重ね合わされている場合であっても、位相線を互いに区別するのに十分な程度に存在し続けていることが示されている。信号形式の形状はまた、時間的な相関を考慮に入れて、それぞれの目標パラメータに測定パラメータを割り当てるためにも十分であり、したがって、デバイスの接続部への位相線を追跡することが可能である。したがって、測定パラメータを目標パラメータと比較することによって、複数の位相線が、電気デバイスの複数の接続部に正しく接続されているかどうかを最初に識別することが可能である。接続部への位相線の割り当て又は接続が、間違って確立されている場合、この方法を使用して、デバイスの接続部に位相線を正しく接続するために必要な変更がどれか、言いかえれば、どの接続部にどの位相線を正しく接続する必要があるかを確認してもまたよい。この場合の利点の1つは、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスそれ自体が、デバイスのそれぞれの接続部を介して異なる電力の流れを、したがって、それぞれの接続部に接続された位相線で異なる電力の流れも同様に、生成することがすでに可能であることである。したがって、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスそれ自体が該当する機能性を有するので、不平衡負荷プロファイルを生成するために別個の信号発生器を必要としない。
【0012】
本発明による装置に関連してより詳細に説明するように、本発明による方法を実行するために必要な多くの構成部品、例えば、制御ユニット及び評価ユニットは、通常、電気デバイスにすでに存在している。それらの容量は多くの場合十分であり、これは、電気デバイスにすでに存在する構成部品によって必要な機能性が実行可能であることを意味する。この場合、装置は、少なくともその大部分は、デバイス自体に一体化している部分である。したがって、方法は、単に制御ソフトウェア内で対応プログラムを適合させることによって、したがって、安価で、且つ、多大な労力なしに実装することができる。しかしながら、本発明による方法を実行するための装置が、特に、検出ユニットの一部でもあり得る別個のユニットとして設計されている場合であっても、多数の異なる不平衡負荷動作が可能なデバイスに使用することができる。具体的には、多くの場合、不平衡負荷動作が可能なデバイスで一度だけ、例えば、設置後に、言わば最終試験として、本発明による方法を実行するのに十分である。この場合、装置のコストは、一度だけ発生するが、多数の不平衡負荷動作が可能なデバイスに使用することができる。したがって、要約するに、この場合、この方法を比較的少ない労力で、且つ、比較的安価に実行することもまた可能である。
【0013】
この方法の有利な実施形態の1つでは、不平衡負荷プロファイルの目標パラメータの設定の開始、場合によっては終了も、電気デバイスによって合図される。この合図のおかげで、不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部で不平衡負荷プロファイルを設定するときに特徴的な時点が、位相線での測定パラメータの検出の開始と、場合によっては検出の終了とも、時間的に同期される。測定パラメータを目標パラメータと比較するときに、それぞれの信号形式間の時間的な相関を調べるためには、これは有利である。
【0014】
大筋で、測定パラメータは、場合によっては目標パラメータも、非電気的パラメータの形をしていることがあり得る。具体的には、例えば、測定パラメータだけでなく目標パラメータも、熱に関するパラメータである場合がある。しかしながら、この方法の有利な実施形態の1つでは、目標パラメータ及び/又は測定パラメータは、電気的な性質のものであり、すなわち、各場合において、電気的パラメータの形をしている。この場合、電気デバイスの接続部で不平衡負荷プロファイルを設定するのに用いられる電気的目標パラメータ、及び/又は、位相線内で、若しくは位相線上で検出される電気的測定パラメータは、電流I(t)、電圧U(t)、電力P(t)、及び/又は、電流I(t)と電圧U(t)との間の位相差φを含むことができる。不平衡負荷プロファイルは、接続部で設定される異なる有効電力だけを意味するのではないと理解されたい。それどころか、目標パラメータを使用して、デバイスの接続部で異なる無効電力、及び/又は、異なる比率の有効電力及び無効電力を設定することもまた可能である。同様に、測定パラメータを使用して、異なる無効電力、又は異なる比率の有効電力及び無効電力もまた、位相線上で検出することができる。
【0015】
この方法は、有利な点として、比較に基づいて、それぞれの接続部への位相線の正しい割り当て又は間違った割り当てを合図することを含む。これにより、電気デバイスの設置者は、例えば、設置直後に、デバイスの接続部に位相線が正しく接続されているかどうかに関するフィードバックを受け取ることができる。電気デバイスの接続部の位相線への割り当てが間違っている場合には、位相線を接続部から遮断し、正しいやり方で再度接続することができる。当該の不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの場合には、複数の接続部をそれぞれ、それぞれの接続部に対して設けられた、ただ1つの特定の位相線に接続することが通常であるか、又は、接続するように意図されている場合が多い。接続部への位相線の正しい割り当ては、したがって、それぞれの接続部もまた、この接続部に対して設けられたその位相線に接続されていることを意味する。逆の言い方をすれば、これは、少なくとも1つの接続部が、その位相線に対して設けられたのではない位相線に接続されている場合、それぞれの接続部に位相線が間違って割り当てられていることを意味する。正しい割り当て又は間違った割り当ては、視覚的に、又は聴覚的に合図することができる。この代わりとして、この合図もまた、電気デバイスのオペレータ又は設置者の通信デバイス、例えば、スマートフォンに無線によって送信することができる。しかしながら、間違った割り当ては、ハードウェアに関して、必ずしも、デバイスの接続部への位相線の接続を変更することによって訂正する必要はない。この代わりとして、本発明の範囲内で、デバイス自体でのソフトウェア変更、又はデバイスに接続されたコントローラでのソフトウェア変更によって、接続部への位相線の間違った割り当てに対応することもまた可能である。具体的には、ある1つのソフトウェアで、電気デバイスの個々の接続部ごとに別個の接続名を提供することができる。この場合、各接続名は、対応する接続部に一意的に割り当てられる。方法の実行時に、万一間違った割り当て又は意図しない割り当てが生じた場合、ソフトウェア内での接続部への接続名の割り当ては、接続名が保持される場合には、もともと意図された位相線がアドレス指定されるように適合させることができる。ソフトウェアの変更は、言わば、追加の方法ステップとして、方法の実行時に自動的に実行することができ、間違った割り当ての合図によってトリガすることができる。
【0016】
この方法の一実施形態では、不平衡負荷プロファイルの目標パラメータは、デバイスそれ自体によって、又はデバイスに接続されたコントローラによって事前定義される。これらは、通常、特に顕著な信号形式を有するとともに、通常、接続部への位相線の割り当てを明示的に識別するように、すなわち、試験目的でのみ作成、及び保存された目標パラメータである。保存された目標パラメータは、次に、デバイス上で方法を実行しようとする際に取り出され、事前定義される。デバイスに接続されたコントローラは、建物のエネルギー管理用に設計されたコントローラとすることができる。この代わりとして、デバイスに接続されたコントローラは、方法を実行するために別個に形成された装置、特に、その制御ユニットを含んでもまたよい。
【0017】
この方法の代替的な一実施形態では、不平衡負荷プロファイルに割り当てられた目標パラメータは、デバイスの通常動作の間に接続部で設定される。例えば、デバイスの通常動作の間のある特定の時間に、顕著な不平衡負荷プロファイルがすでに存在するか、又は予測可能な場合、これが当てはまる。電気変数が電気デバイスの接続部で測定され、目標パラメータの決定に使用されることは、本発明の範囲内である。これは、例えば、接続部で設定される目標パラメータの追加のチェックとして好都合である。電気変数又は目標パラメータは、デバイスによって、例えば、方法を実行するために別個に形成され、デバイスに接続された装置に伝達することができる。
【0018】
方法の一実施形態では、不平衡負荷プロファイルの目標パラメータは、少なくとも30秒の期間△t内で時間とともに変化しないが、接続部間で異なる電流振幅を有する。これは、配電グリッドの位相線に接続された追加のエネルギー消費デバイス又はエネルギー発生デバイスの電力の流れが、電気デバイスによって引き起こされ、接続部のそれぞれを介して流れる電力の流れと比較して小さいときに起こり得る。このような場合では、時間とともに変化しないが、個々の接続部ごとに異なる電流振幅は、接続部におけるのと同じ電圧で不平衡負荷プロファイルを生成するのに十分であり、これにより、測定パラメータが目標パラメータまで遡って追跡可能であることが保証され、したがって、接続部への位相線の割り当ての識別が保証されるようになっている。
【0019】
不平衡負荷動作が可能な電気デバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の割り当てを識別するための本発明による装置は、デバイスが接続されている配電グリッドの複数の位相線のそれぞれで測定パラメータを検出するための検出ユニットに接続される。装置は、位相線上で検出された測定パラメータを目標パラメータと比較するための評価ユニットを備え、目標パラメータは、デバイスの接続部で設定され、不平衡負荷プロファイルに割り当てられる。目標パラメータを設定することによって、不平衡負荷プロファイルは、電気デバイスのそれぞれの接続部、及びそれぞれの接続部に接続された位相線で生成される。当然ながら、これは、対応する接続部もまた位相線に接続されている場合、それぞれの各接続部にのみ当てはまる。接続部が位相線に接続されていない場合、そこで電力の流れを生成することも、そこを通る電力の流れを生成することもできない。装置は、本発明による方法を実行するように構成され、設計された制御ユニットを有することを特徴とする。測定パラメータ、場合によっては目標パラメータもまた、それぞれ電気的な性質のものとすることができ、すなわち、それぞれ電気的パラメータの形をしている場合がある。これにより、方法に関連してすでに言及した利点が得られる。
【0020】
本発明による不平衡負荷動作が可能な電気デバイスは、デバイスへの接続を可能にするために経由される複数の接続部であって、特に、配電グリッドの多数の位相線に接続される複数の接続部を含んでいる。電気デバイスは、接続部への配電グリッドの位相線の割り当てを識別するための本発明による装置を備えること、又は、本発明によるこのような装置に接続されていることを特徴とする。これにより、方法に関連してすでに言及した利点がここでもまた得られる。電気デバイスはこの装置を含んでいるか、又はこの装置に接続されているので、装置の評価ユニット又は制御ユニット、場合によっては、これらの両方は、デバイスにすでに存在する少なくとも1つの対応するユニットによって形成することができる。このようなユニットは、例えば、いずれにせよデバイスに対して実行される制御機能及び評価機能を有する全負荷でまだ動作しておらず、したがって、このような機能に関してまだ空き容量を有するマイクロプロセッサとすることができる。
【0021】
電気デバイスの一実施形態によれば、デバイスは、以下のデバイスクラス、すなわち、
-エネルギー送給デバイス、特に、光起電力(PV)インバータと、
-エネルギー消費電気デバイスと、
-エネルギー消費及びエネルギー送給の両方を行うデバイス、例えば、バッテリインバータと、
を含む群から選択される。
【0022】
以下の本文は、図示された好適な例示的な実施形態を参照しながら本発明をさらに説明及び記載する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、第1の実施形態における電気デバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の割り当てを識別するための本発明による装置を示す。
【
図2】
図2は、既知であると見なされる、時間の関数としての不平衡負荷プロファイルと比較した、測定パラメータの図を示す。
【
図3】
図3は、第2の実施形態における電気デバイスの接続部への、配電グリッドの位相線の割り当てを識別するための本発明による装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図の説明
図1は、第1の実施形態における電気デバイス1の接続部U、V、W、NLへの、配電グリッド3の位相線L1、L2、L3の割り当てを識別するための本発明による装置10を図示する。電気デバイス1は、例として、エネルギー送給及びエネルギー消費の両方を行うデバイス1であり、特に、二方向に動作可能なバッテリインバータである。デバイス1は、配電グリッド3の位相線L1、L2、L3に接続された複数の位相接続部U、V、Wを有する。デバイスは、接続部NLを追加で備え、それは配電グリッド3の中性線Nに接続されている。配電グリッド3は、例えば、建物の屋内配電グリッドとして設計されており、一方の側で公共のエネルギー供給グリッドESGに接続されている。デバイス1は、不平衡負荷プロファイルの形で電力を配電グリッド3に送給すること、及び配電グリッド3から電気エネルギーを引き出すこと、又は消費すること、の両方を行うように設計されている。配電グリッド3に送給された電気エネルギー、又は配電グリッド3から引き出された電気エネルギーを使用して、電気デバイス1は、特に、自身に接続されたバッテリ(
図1に示されない)を放電又は再充電することができる。電気消費機器11は、配電グリッド3に追加で接続されている。消費機器11は、例として、位相線L1、L2、L3のそれぞれに、及び中性線Nに接続された三相の消費機器として図示されている。しかしながら、消費機器11は、単相又は二相の消費機器である場合もあり得る。図示されている1つの消費機器11に加えて、さらなる単相又は多相の消費機器をさらに追加で配電グリッド3に接続されている場合がある。消費機器11の代わりに、又はこの消費機器に加えて、エネルギー送給デバイスを配電グリッド3に接続してもまたよい。
【0025】
電気デバイス1の場合には、接続部U、V、Wをそれぞれ、特定の位相線L1、L2、L3に一意的に接続するように意図されている。具体的には、第1の接続部Uが第1の位相線L1に接続され、第2の接続部Vが第2の位相線L2に接続され、第3の接続部Wが第3の位相線L3に接続されるように意図されている。しかしながら、
図1に図示されているように、接続部U、V、Wを有する電気デバイス1は、配電グリッド3の位相線L1、L2、L3に間違って接続されている。例として、第1の接続部Uは、自身に割り当てられた第1の位相線L1に今なお正しく接続されているが、第2の接続部Vは第3の位相線L3に間違って接続され、第3の接続部Wは第2の位相線L2に間違って接続されている。接続部NLは、配電グリッド3の中性線Nに正しく接続されている。
【0026】
デバイス1の接続部U、V、Wへの、位相線L1、L2、L3の割り当てを識別するために、制御及びデータ交換のための装置10がデバイス1に接続されている。制御及びデータ接続は、破線によって
図1に記号化して示されている。装置10は、制御ユニット5と、この制御ユニットに接続された評価ユニット4と、を備える。装置10は、それぞれの電気的パラメータ21a、21b、21c、特に、電気デバイス1もまたそこに接続されている複数の位相線L1、L2、L3のそれぞれの電気的パラメータ21a、21b、21cのそれぞれの時間的なプロファイルを検出するように設計された検出ユニット2に接続されている。例として、検出ユニット2は、位相線L1、L2、L3を通る電流I1、I2、I3を検出するための電流センサ2.1、2.2、2.3と、位相線L1、L2、L3の電圧を判定するための電圧センサ2.4、2.5、2.6と、を備える。
【0027】
位相線L1、L2、L3の割り当てを識別するために、すなわち、位相線L1、L2、L3のうちのどれが、デバイス1の接続部U、V、Wのうちのどれに接続されているのかを判定するために、装置10、特に、その制御ユニット5は、不平衡負荷プロファイルに割り当てられた目標パラメータ20a、20b、20cを、目標値としてデバイス1に送信する。これに応答して、デバイス1は、その接続部U、V、Wで事前定義された不平衡負荷プロファイルに割り当てられた目標パラメータ20a、20b、20cを設定する。言いかえれば、デバイス1は、このように接続部U、V、Wを介して電力の流れを生成し、これは、所定の不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cに対応する。この場合、デバイス1は、目標パラメータ20a、20b、20cを通して実行するための開始を装置10に合図する。この合図によってトリガされて、装置10は、検出ユニット2を駆動して、位相線L1、L2、L3のそれぞれで電流I1、I2、I3及び電圧U1、U2、U3の測定を実行する。検出ユニット2によって測定された値は、測定パラメータ21a、21b、21cの形で装置10に、特に、その評価ユニット4に送信される。
図2でより詳細に説明しているように、評価ユニット4は、事前定義された不平衡負荷プロファイルの測定パラメータ21a、21b、21cを目標パラメータ20a、20b、20cと比較することによって、デバイス1の接続部U、V、Wへの、位相線L1、L2、L3の現在存在している割り当て、又はそれらの電気的接続を判定する。
【0028】
図2は、事前定義されているため既知であると見なされる、時間tの関数としての不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cと比較した、位相線L1、L2、L3上で測定された測定パラメータ21a、21b、21cのグラフを示す。例として、比較は、目標パラメータとしてだけでなく、測定パラメータとしての電力P(t)にもまた基づいて、実行される。電流I1、I2、I3の測定値から評価ユニット4によって確認された電力P(t)、及びそれぞれの位相線L1、L2、L3ごとの電圧U1、U2、U3が、個々のグラフで、各場合において実線の形で、測定パラメータ21a、21b、21cとして図示されている。それぞれの接続部U、V、Wごとに事前定義された電力P(t)、すなわち、不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cが、各場合において破線の形で図示されている。
図2では、目標パラメータ20a、20b、20cは、この場合、それらの位相線L1、L2、L3のグラフで示されており、位相線L1、L2、L3が接続部U、V、Wに正しく割り当てられていれば、それらが生じることになる。グラフに図示されている目標パラメータ20a、20b、20c及び測定パラメータ21a、21b、21cはそれぞれ、包絡関数の意味合いで、又はそれ以外の正弦波の瞬間電力の時間依存性の電力振幅として理解されたい。
【0029】
図2で例として図示されている不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cは、各接続部U、V、Wの信号形式として、異なる鋸歯状の電力増加又は電力低下を有する。具体的には、接続部Uを介してデバイス1によって生成された電力の流れ、すなわち、目標パラメータ20aは、時間間隔t
sta~t
endで繰り返される鋸歯状の電力低下を特徴とする。接続部Vを介してデバイス1によって生成された電力の流れ、すなわち、目標パラメータ20bは、2つの連続した鋸歯状の電力増加を有する。接続部Wを介してデバイス1によって生成された電力の流れ、すなわち、目標パラメータ20cは、2つの鋸歯状の電力低下が後続する鋸歯状の電力増加を含んでいる。目標パラメータ20b、20cとして接続部V及びWを介してデバイス1によって生成された電力の流れもまた、時間間隔t
sta~t
endの後に繰り返される。
【0030】
検出ユニット2を用いて位相線L1、L2、L3上で判定された測定パラメータ21a、21b、21c、ここでは測定された電力P(t)は、評価ユニット4によって、接続部U、V、Wで設定された目標パラメータ20a、20b、20cの時間的なプロファイルと比較される。例として、第1の位相線L1上で判定された測定パラメータ21aを第1の接続部Uで設定された目標パラメータ20aと比較すると、鋸歯状の電力低下の間の時間的合致が明らかである。したがって、第1の位相線L1は第1の接続部Uに正しく接続されていると仮定することができる。一方、第2の位相線L2上で判定された測定パラメータ21bを第2の接続部Vで設定された目標パラメータと比較すると、鋸歯状の電力低下、又は電力増加の間の合致が得られない。同じことが、第3の位相線L3上で判定された測定パラメータ21cの、第3の接続部Wで設定された目標パラメータ20cとの比較に当てはまる。したがって、第2の位相線L2は、第2の接続部Vに、正しく意図したように、接続されていないと結論付けることができる。同様に、第3の位相線L3は、自身に割り当てられた第3の接続部Wに、意図したように、接続されていないと結論付けることができる。しかしながら、第2の位相線L2上で測定された測定パラメータ21bの電力低下又は電力増加は、第3の接続部Wで設定された目標パラメータ20cの電力低下及び電力増加と合致する。第3の位相線L3上で判定された測定パラメータ21cを、第2の接続部Vで設定された目標パラメータ20bと比較すると、対応する合致もまた明らかである。そこから、第2の位相線L2が第3の接続部Wに間違って接続され、第3の位相線L3が第2の接続部Vに間違って接続されていると結論付けることができる。接続部V、Wへの位相線L2、L3の間違った割り当ては、装置10によって合図することができる。
【0031】
間違った割り当ては、一方では、例えば、有資格電気技師によって、接続部V、Wへの、位相線L2、L3の電気的接続を遮断させ、正しい割り当てと再度接続させることによって訂正することができる。しかしながら、この代わりとして、デバイス1自体でのソフトウェア変更、又はデバイス1の上流のコントローラでのソフトウェア変更によって、間違った割り当てを訂正してもまたよい。後者は、
図1に概略的に図示されている。したがって、ある特定の接続名R、S、Tが、ソフトウェア内のデバイス1の接続部U、V、Wに割り当てられている。具体的には、位相線L1、L2、L3が接続部U、V、Wに正しく接続されている場合であれば、接続名R(第1の接続部Uを介する)が第1の位相線L1に割り当てられ、接続名S(第2の接続部Vを介する)が第2の位相線L2に割り当てられ、接続名T(第3の接続部Wを介する)が第3の位相線L3に割り当てられている。
図1における、デバイス1のソフトウェア内の、接続部V、Wを介しての位相線L2、L3への、結果として生じている接続名S、Tの間違った割り当てを訂正するために、接続名Sが第3の接続部Wに、したがって第2の位相線L2に割り当てられるとともに、接続名Tが第2の接続部Vに、したがって第3の位相線L3に割り当てられる。これにより、もともとの計画通りに、そして接続部W、Vへの位相線L2、L3の間違った接続が続いているにもかかわらず、接続名Sも第2の位相線L2に連結され、接続名Tが第3の位相線L3に連結される。
【0032】
目標パラメータ20a、20b、20cの時間的なプロファイルで
図2に図示されている信号形式(ここでは、鋸歯状の電力増加及び電力低下)は、性質上、純粋に例示的なものであり、この代わりに他の信号形式が可能である。しかしながら、目標パラメータ20a、20b、20cの信号形式は、それらに割り当てられた接続部U、V、Wへの追跡可能性を保証するために、第1に、特に、それらの形状及び/又は信号形式が発生する時点に関して、互いに異なっていなければならない。第2に、それらは、測定パラメータ21a、21b、21c内で発生するように、特に、配電グリッド3の位相線L1、L2、L3に接続された他のデバイス、例えば、さらなる消費機器11によって生成され、したがって、識別することが可能なさらなる変動と重ね合わされるように、選択されなければならない。他のデバイスによって生成されたさらなる変動が、
図2に図示されているような、時間とともに変化しない信号形式(すなわち、重ね合わせ内のオフセットのみ)ではなく、時間とともに変化する変動でもある場合、これは特に重要である。目標パラメータ20a、20b、20cの信号形式が測定パラメータ21a、21b、21cで識別できるようにするために、位相線L1、L2、L3のいずれかの場合に検出されたさらなる変動に基づいて、目標パラメータを適応的に調節することが可能である。言いかえれば、測定パラメータ21a、21b、21cでさらなる変動が発生する程度が大きくなるほど、目標パラメータ20a、20b、20cの信号形式もまたより顕著になるように選択することができる。例として、目標パラメータ20a、20b、20cのある特定の信号形式が、それぞれの接続部U、V、Wに特徴的な周波数であり、且つ、配電グリッド3のグリッド周波数とは異なる周波数で繰り返されることが可能である。したがってこの信号形式もまた、接続部U、V、Wに接続された位相線L1、L2、L3の測定パラメータ21a、21b、21cで検出することができる。測定パラメータ21a、21b、21cは、フーリエ変換を用いて接続部U、V、Wに特徴的な周波数の存在について分析することができる。次に、測定パラメータ21a、21b、21cで確認された周波数を使用して、これらの周波数に対応する目標パラメータ20a、20b、20cを推測し、これにより、それぞれの接続部U、V、Wを推測することができる。
【0033】
図3は、第2の実施形態における電気デバイス1の接続部U、V、Wへの、配電グリッド3の位相線L1、L2、L3の割り当てを識別するための本発明による装置10を図示する。
図3は、その特徴の多くが
図1に対応しており、この理由で類似した特徴に関しては
図1の説明を参照する。したがって、以下では、この第2の実施形態と
図1による実施形態との間の違いだけを説明する。
【0034】
図1とは対照的に、
図3の電気デバイス1は、電流センサ9u、9v、9w、及び電圧センサ(わかり易くするために
図3には図示されていない)を有する検出装置9を有する。検出装置9は、出力部U、V、Wを通って流れる電流IU、IV、IW、及び出力部U、V、Wに存在する電圧UU、UV、UWを電気変数として検出し、このように検出された電気変数を装置10に伝達することができる。
図1とは対照的に、デバイス1は、その接続部U、V、Wで設定される不平衡負荷プロファイルに関する情報を受信しない。対照的に、
図3のデバイス1それ自体が、接続部U、V、Wへの、位相線L1、L2、L3の割り当てを識別するための方法を開始する時期を決定する。この場合、例えば、方法に適した不平衡負荷プロファイルがデバイス1の接続部U、V、Wに存在するか、又は存在が期待されるとき、デバイス1の通常動作の間に方法を実行することができる。これに該当する場合には、次に、デバイス1は、方法の開始時間t
staを装置10に合図する。次に、デバイス1は、その接続部U、V、Wで、接続部U、V、Wを通って流れる電流IU、IV、IW、及びそこで主流となっている電圧UU、UV、UWを電気変数の形で測定する。
図1でも説明したように、デバイス1は、電気変数の検出がそこで始まる、方法の開始時間t
staを合図する。デバイス1による開始時間t
staの合図によってトリガされて、装置10は、次に、位相線L1、L2、L3上で測定パラメータ21a、21b、21cを検出するために、装置に接続された検出ユニット2を駆動する。デバイス1の接続部U、V、Wでの電気変数の検出、及び位相線L1、L2、L3上での測定パラメータ21a、21b、21cの検出は、所定の期間の間、又は、デバイス1若しくは装置10によってこれが終了されるまで実行される。デバイス1は、有利な点として、接続部U、V、Wでの電気変数の検出、又は、位相線L1、L2、L3上での測定パラメータ21a、21b、21cの検出を終える終了時間t
endを装置10にも同様に合図する。デバイス1は、装置10に電気変数又はそれらの時間的なプロファイルを伝達する。装置の評価ユニット4は、伝達された電気変数を、場合によってはそれらをさらに処理した後に、設定された不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cとして解釈する。不平衡負荷プロファイルの目標パラメータ20a、20b、20cの、位相線L1、L2、L3上で確認された測定パラメータ21a、21b、21cとの比較、並びに必要な場合には、位相線L1、L2、L3及び接続部U、V、Wの間違った割り当ての訂正も同様に、次に、
図2で説明したやり方と類似したやり方で行われる。
【0035】
参照符号のリスト
1 デバイス
2 検出ユニット
2.1、2.2、2.3 電流センサ
2.4、2.5、2.6 電圧センサ
3 配電グリッド
4 評価ユニット
5 制御ユニット
9 検出装置
9u、9v、9w 電流センサ
10 装置
11 消費機器
20a、20b、20c 目標パラメータ
21a、21b、21c 測定パラメータ
U、V、W 接続部
L1、L2、L3 位相線
R、S、T 接続名