(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】香味吸引器具等の吸い方を確認するためのプログラム、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20240530BHJP
【FI】
A24F40/53
(21)【出願番号】P 2021541893
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2019033883
(87)【国際公開番号】W WO2021038784
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 賢太郎
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/207887(WO,A1)
【文献】特表2019-518441(JP,A)
【文献】特開2007-328394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0255878(US,A1)
【文献】特表2019-508026(JP,A)
【文献】特表2016-521356(JP,A)
【文献】特表2011-518638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる検知部により検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、
前記所定の変化の検知に基づき情報を前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる表示部に表示するステップと
を、前記検知部を含むか又は前記検知部に接続され、前記表示部を含むコンピュータに実行させるプログラムであって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記コンピュータに記憶されている所定時間に基づき、情報の表示を制御するステップ
であって、前記所定時間は、前記ユーザが吸引する動作が前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に相当する、ステップ
を含む、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、前記相違
に相当する前記所定時間は、前記ユーザが吸引する動作の終了が前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において検知されてから前記所定の変化が終了するまでの第1所定時間を含む、プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップ
を更に含み、情報の表示を制御する前記ステップは、
前記所定の変化の終了を検知したときに、時間を表す前記1以上の情報のうちの少なくとも1つを、前記第1所定時間前の表示に戻すステップ
を含む、プログラム。
【請求項4】
請求項2に記載のプログラムであって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す第1の1以上の情報を表示するステップ
を更に含み、情報の表示を制御する前記ステップは、
前記所定の変化の終了を検知したときに、前記第1の1以上の情報が表す時間から前記第1所定時間を減算した時間を表す第2の1以上の情報を表示するステップ
を含む、プログラム。
【請求項5】
請求項2に記載のプログラムであって、情報の表示を制御する前記ステップは、
前記第1所定時間以上、前記所定の変化を検知し続けているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップ
を含む、プログラム。
【請求項6】
請求項1から5のうちの何れか一項に記載のプログラムであって、前記相違
に相当する前記所定時間は、前記ユーザが吸引する動作の開始が前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において検知されてから前記所定の変化が開始されるまでの第2所定時間を含む、プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムであって、情報の表示を制御する前記ステップは、
前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように、且つ、前記所定の変化の開始を実際に検知したときから前記第2所定時間前から前記所定の変化の開始が検知されていたかのように時間を表す1以上の情報を表示するステップ
を含む、プログラム。
【請求項8】
請求項3に記載のプログラムであって、
時間を表す前記1以上の情報は、文字及びゲージを含み、
時間を表す前記1以上の情報のうちの前記少なくとも1つは、前記ゲージを含む、
プログラム。
【請求項9】
請求項4に記載のプログラムであって、
時間を表す第1の前記1以上の情報は、ゲージを含み、
時間を表す第2の前記1以上の情報は、文字を含む、
プログラム。
【請求項10】
請求項5又は7に記載のプログラムであって、時間を表す前記1以上の情報は、文字及びゲージの一方又は双方を含む、プログラム。
【請求項11】
香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる検知部により検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、
前記所定の変化の検知に基づき情報を前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる表示部に表示するステップと
を含む、前記検知部を含むか又は前記検知部に接続され、前記表示部を含むコンピュータが実行する方法であって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記コンピュータに記憶されている所定時間に基づき、情報の表示を制御するステップ
であって、前記所定時間は、前記ユーザが吸引する動作が前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に相当する、ステップ
を含む、コンピュータが実行する方法。
【請求項12】
香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる検知部と、
前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる表示部と、
前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置とは別個に設けられる制御部であって、
前記検知部からの出力に基づき、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知し、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じ、
前記表示部に、前記所定の変化の検知に基づく情報を表示する
ように構成された制御部と
を備えたシステムであって、前記制御部は、
前記システムに記憶されている所定時間に基づき、情報の表示を制御する
ように更に構成され
、前記所定時間は、前記ユーザが吸引する動作が前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に相当する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置に関する。より詳細には、本発明は、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の吸い方を確認することに関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、電子たばこなどの喫煙デバイスに関する技術が開発されてきている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子たばこなどの喫煙デバイスは、吸い方が確立されておらず、その吸い方は個人によって様々である。そのため、ユーザの吸い方が当該ユーザにとって必ずしも適していると言えない場合がある。また、現状、吸い方については、文章で説明することに加えてイラストや動画などで他人が吸っている様子を示しているが、これらはあくまでも他人の吸っている様子を示しているにすぎず、ユーザにとって分かりにくい場合もある。そのため、電子たばこなどの喫煙デバイスを初めて使用するユーザは、戸惑う可能性がある。
【0005】
従って、ユーザが体感しながら、電子たばこなどの喫煙デバイスの吸い方を確認することができれば、便利である。なお、吸い方の確認は、電子たばこだけでなく、加熱式たばこ(たばこの燃焼を伴わないもの)や従来のたばこ(たばこの燃焼を伴うもの)、医療用のネブライザー等に対しても有用であろう。
【0006】
以上に鑑みて、体感しながら、ユーザが香味吸引器具又はエアロゾル生成装置(以下、「香味吸引器具等」ともいう。)の吸い方を確認するためのプログラム等が発明された。ここで、「香味吸引器具」とは、香味を吸引するための器具のことであり、限定するわけではないが、例えば、電子たばこや加熱式たばこ、従来のたばこを意図したものである。また、「エアロゾル生成装置」とは、生成されたエアロゾルを吸引するための装置のことであり、限定するわけではないが、例えば、電子たばこや加熱式たばこ、医療用のネブライザーを意図したものである。
【0007】
上記発明は、ユーザが吸引する動作に基づいて生じる、香味吸引器具等の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を利用するものであるが、これに関し、本願の発明者は、香味吸引器具等によっては、ユーザが吸引している期間と、外部観測可能な所定の変化が生じている期間とにズレがあることに気付いた。例えば、ある香味吸引器具においては、仕様上、ユーザが吸引する動作の開始を検知すると同時に外部観測可能な所定の変化を開始させる一方で、ユーザが吸引する動作の終了を検知した後、直ちに外部観測可能な所定の変化を終了させないことが判明した。このような香味吸引器具等に対して、上記所定の変化を単純に利用してユーザが吸引する動作を検知した場合、検知結果がユーザの体感と異なるものになってしまう。
【0008】
また、本願の発明者は、香味吸引器具等のデザインによっては、上記所定の変化の検知精度が低下することに気付いた。このことは、従来技術を用いてユーザが吸引する動作を検知しようとする場合、香味吸引器具等のデザインに制約が発生することを意味している。
【0009】
本発明は以上に鑑みてなされたものであり、その課題は、体感しながら、ユーザが香味吸引器具等の吸い方を確認するための改善されたプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態によれば、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示するステップとをコンピュータに実行させるプログラムであって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において前記ユーザが吸引する動作が検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に基づき、情報の表示を制御するステップを含む、プログラムが提供される。
【0011】
かかる構成によれば、ユーザが吸引している期間と、エアロゾル吸引器具等において所定の変化が生じている期間とに相違がある場合であっても、所定の変化の検知に基づきユーザに対して適切な情報を提供することができる。
【0012】
一実施形態において、前記相違は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において前記ユーザが吸引する動作の終了が検知されてから前記所定の変化が終了するまでの第1所定時間を含んでいてよい。
【0013】
かかる構成によれば、ユーザによる吸引の終了に対して、エアロゾル吸引器具等における所定の変化の終了が遅延する場合であっても、所定の変化の検知に基づきユーザに対して適切な情報を提供することができる。
【0014】
一実施形態において、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップを更に含み、情報の表示を制御する前記ステップは、前記所定の変化の終了を検知したときに、時間を表す前記1以上の情報のうちの少なくとも1つを、前記第1所定時間前の表示に戻すステップを含んでいてよい。
【0015】
一実施形態において、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、
前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す第1の1以上の情報を表示するステップを更に含み、情報の表示を制御する前記ステップは、前記所定の変化の終了を検知したときに、前記第1の1以上の情報が表す時間から前記第1所定時間を減算した時間を表す第2の1以上の情報を表示するステップを含んでいてよい。
【0016】
一実施形態において、情報の表示を制御する前記ステップは、前記第1所定時間以上、前記所定の変化を検知し続けているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップを含んでいてよい。
【0017】
かかる構成によれば、ユーザに対してより体感にあった吸い方を確認するための情報を提供することができる。
【0018】
一実施形態において、請求項1から5のうちの何れか一項に記載のプログラムであって、前記相違は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において前記ユーザが吸引する動作の開始が検知されてから前記所定の変化が開始されるまでの第2所定時間を含んでいてよい。
【0019】
かかる構成によれば、ユーザによる吸引の開始に対して、エアロゾル吸引器具等における所定の変化の開始が遅延する場合であっても、所定の変化の検知に基づきユーザに対して適切な情報を提供することができる。
【0020】
一実施形態において、情報の表示を制御する前記ステップは、前記所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように、且つ、前記所定の変化の開始を実際に検知したときから前記第2所定時間前から前記所定の変化の開始が検知されていたかのように時間を表す1以上の情報を表示するステップを含んでいてよい。
【0021】
かかる構成によれば、ユーザに対してより体感にあった吸い方を確認するための情報を提供することができる。
【0022】
一実施形態において、時間を表す前記1以上の情報は、文字及びゲージを含み、時間を表す前記1以上の情報のうちの前記少なくとも1つは、前記ゲージを含んでいてよい。
【0023】
一実施形態において、時間を表す第1の前記1以上の情報は、ゲージを含み、時間を表す第2の前記1以上の情報は、文字を含んでいてよい。
【0024】
一実施形態において、時間を表す前記1以上の情報は、文字及びゲージの一方又は双方を含んでいてよい。
【0025】
かかる構成によれば、ユーザに対してより分かりやすい吸い方を確認するための情報を提供することができる。
【0026】
また、本発明の実施形態によれば、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示するステップとを含む、コンピュータが実行する方法であって、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示する前記ステップは、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において前記ユーザが吸引する動作が検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に基づき、情報の表示を制御するステップを含む、コンピュータが実行する方法が提供される。
【0027】
更に、本発明の実施形態によれば、検知部と、表示部と、制御部であって、前記検知部からの出力に基づき、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知し、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じ、前記表示部に、前記所定の変化の検知に基づく情報を表示するように構成された制御部とを備えたシステムであって、前記制御部は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置において前記ユーザが吸引する動作が検知されている期間と、前記所定の変化が生じている期間との相違に基づき、情報の表示を制御するように更に構成された、システムが提供される。
【0028】
かかる構成によれば、ユーザが吸引している期間と、エアロゾル吸引器具等において所定の変化が生じている期間とに相違がある場合であっても、所定の変化の検知に基づきユーザに対して適切な情報を提供することができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、取得されたリアルタイム画像と、該リアルタイム画像上の枠であって、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の形状に対応した前記枠とを表示するステップと、前記リアルタイム画像内の所定位置又は所定範囲の画像に基づき、前記香味吸引具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示するステップとをコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0030】
一実施形態において、前記所定位置又は所定範囲は、前記枠内でありうる。
【0031】
一実施形態において、前記所定位置又は所定範囲は、前記枠外でありうる。
【0032】
かかる構成によれば、ユーザは、香味吸引器具等における所定の変化の検知のために、香味吸引器具等を容易に位置合わせすることができる。また、かかる構成によれば、リアルタイム画像内の限定された部分を用いて香味吸引器具等における所定の変化を検知するため、当該所定の変化と紛らわしいデザインを有する香味吸引器具等における当該所定の変化の検知精度が向上する。
【0033】
一実施形態であるプログラムは、前記枠内のリアルタイム画像に基づいて、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置が前記枠に重なったかを判定するステップと、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置が前記枠に重なったと判定した場合に、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知する前記ステップを実行するステップとをコンピュータに更に実行させてよい。
【0034】
かかる構成によれば、香味吸引器具等がリアルタイム画像内の適切な位置にある場合にのみ、当該リアルタイム画像内の限定された部分を用いて香味吸引器具等における所定の変化を検知するため、当該所定の変化と紛らわしいデザインを有する香味吸引器具等における当該所定の変化の検知精度が更に向上する。
【0035】
また、本発明の実施形態によれば、取得されたリアルタイム画像と、該リアルタイム画像上の枠であって、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の形状に対応した前記枠とを表示するステップと、前記リアルタイム画像内の所定位置又は所定範囲の画像に基づき、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知するステップであって、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じる、ステップと、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示するステップとを含む、コンピュータが実行する方法が提供される。
【0036】
更に、本発明の実施形態によれば、検知部と、表示部と、制御部であって、前記表示部に、前記検知部により取得されたリアルタイム画像と、該リアルタイム画像上の枠であって、香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の形状に対応した前記枠とを表示し、前記リアルタイム画像内の所定位置又は所定範囲の画像に基づき、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置の少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を検知し、前記所定の変化は、前記香味吸引器具又はエアロゾル生成装置をユーザが吸引する動作に基づいて生じ、前記表示部に、前記所定の変化の検知に基づき情報を表示するように構成された制御部とを備えたシステムが提供される。
【0037】
かかる構成によれば、ユーザは、香味吸引器具等における所定の変化の検知のために、香味吸引器具等を容易に位置合わせすることができる。また、かかる構成によれば、リアルタイム画像内の限定された部分を用いて香味吸引器具等における所定の変化を検知するため、当該所定の変化と紛らわしいデザインを有する香味吸引器具等における当該所定の変化の検知精度が向上する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、体感しながら、ユーザは香味吸引器具等の吸い方を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1A】本発明の一実施形態に係る香味吸引器具等100の例示構成のブロック図である。
【
図1B】香味吸引器具等100の例示の概略的な外観を表している。
【
図1C】香味吸引器具等100の例示の概略的な外観を表している。
【
図2】本発明の一実施形態に係るシステム200の例示構成のブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るシステム300の例示構成のブロック図である。
【
図4A】香味吸引器具等100の所定の変化の検知についてのテストを行うための例示画面400Aを表している。
【
図4B】香味吸引器具等100の所定の変化の検知についてのテストを行うための例示画面400Bを表している。
【
図5A】ユーザが香味吸引器具等100の吸い方を確認するための例示画面500を表している。
【
図5B】UI(ユーザ・インターフェース)コンポーネント520の例を表している。
【
図5C】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5D】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5E】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5F】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5G】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5H】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図5I】UIコンポーネント520の例を表している。
【
図6】ユーザによる香味吸引器具等100の吸い方を確認した結果を表示する例示画面600を表している。
【
図7】ユーザに対して参考情報を表示する例示画面700を表している。
【
図8A】システム200が実行する例示方法800のフローチャートを表している。
【
図8B】システム200が実行する例示方法800のフローチャートを表している。
【
図8C】システム200が実行する例示方法800のフローチャートを表している。
【
図9】ステップ820が含む例示のステップのフローチャートを表している。
【
図10A】ステップ855が含む例示のステップのフローチャートを表している。
【
図10B】ステップ855が含む例示のステップのフローチャートを表している。
【
図10C】ステップ855が含む例示のステップのフローチャートを表している。
【
図10D】ステップ855が含む例示のステップのフローチャートを表している。
【
図11】コンピュータのハードウエア構成の一例を表している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
1 本発明の一実施形態に係る香味吸引器具等の概要
図1Aは、本発明の一実施形態に係る香味吸引器具等100の例示構成のブロック図である。
図1Aは、香味吸引器具等100が備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及び香味吸引器具等100の厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。また、香味吸引器具等100は、図示しないコンポーネント、例えば、たばこカプセルやリキッドのカートリッジ等を含み得ることにも留意されたい。
【0041】
110は、ユーザの吸引する動作を検知するためのセンサを示している。センサ110は、流量センサや流速センサ、圧力センサ等の、ユーザの吸引する動作を検知するための任意の種類のセンサであってよい。また、センサ110は、ユーザが吸引する動作を行うために押下するボタンであってもよい。なお、センサ110は、例えば吸引センサであってもよく、香味吸引器具等100に対するユーザの吸引を検知してもよい。また、センサ110は、気流センサであってもよく、ユーザの吸引によって生じた気流を検知してもよい。
【0042】
120は、外部観測可能な所定の変化が生じる変化部を示している。変化部120は、所定の色に発光するLED(Light Emitting Diode)例えば青色LEDであってよく、所定の変化は、所定の色例えば青色の発光であってよい。なお、所定の色は、青色に限られず、どのような色であってもよい。また、所定の変化は、センサ110によって感知される、吸引の強さに応じた発光の色の変化や発光の強度の変化であってもよい。また、変化部120は、LEDに限られず、所定の色に発光する別の構成の光源であってもよい。
【0043】
変化部120の配置について、
図1B及び1Cを参照して説明する。
【0044】
図1Bは香味吸引器具等100の例示の概略的な外観を表している。
図1Bに表されているように、香味吸引器具等100は、限定するわけではないが、2つの端161及び162を含むスティック形状であることがある。ここで、ユーザは、その一方161を吸引するために咥えることになる。なお、ユーザは、その一方161に装着可能なマウスピースなどを介して、当該161を吸引するために咥えてもよい。
図1Bに表された香味吸引器具等100において、変化部120は、上記2つの端のうちの他方162に設けられており、略長方形状を有している。
【0045】
図1Cは香味吸引器具等100の別の例示の概略的な外観を表している。
図1Cに表された香味吸引器具等100の、
図1Bに表されたものとの相違点は、変化部120の位置及び形状である。即ち、
図1Cに表された香味吸引器具等100において、変化部120は、端161と端162とのおおよそ中間部分に設けられており、環状の形状を有している。
【0046】
なお、変化部120は、香味吸引器具等100の外面の少なくとも一部分であり、例えば、
図1Bや1Cに表されているように略長方形状や環状の形状の他、香味吸引器具等100の外周に沿った環状(図示せず)など、どのような形状であってもよい。
【0047】
図1B及び1Cにおける121は、香味吸引器具等100に付された、所定の変化と紛らわしいデザインを示している。デザイン121は、例えば、所定の変化が所定の色の発光である場合に、当該所定の色の模様でありうる。
図1B及び1Cにおいて、デザイン121は変化部120に近接しているが、デザイン121は、香味吸引器具等100の任意の部分に存在する場合がある。また、デザイン121の形状は任意であり、不連続な1以上のデザイン121が存在する場合がある。なお、香味吸引器具等100において、デザイン121は存在しない場合もある。
【0048】
図1Aに戻ると、130は、少なくとも、センサ110からの信号に基づき、ユーザによる香味吸引器具等100の吸引を検知し、当該吸引を検知した場合に変化部120に所定の変化を生じさせる制御部を示している。制御部130は、例えば、センサ110からの信号の大きさ又は当該信号に基づき決定される吸引の強さ(以下、『センサ信号等』という。)が所定の閾値以上であることに基づきユーザによる香味吸引器具等100の吸引を検知し、当該吸引を検知した場合に、変化部120において所定の色の発光を生じさせてよい。また、制御部130は、例えば、センサからの信号の大きさ又は当該信号に基づき決定される吸引の強さに応じて、変化部120における発光の色や発光の強度を変化させてよい。制御部130は、例えば、吸引が強い場合に発光の強度を強くし、吸引が弱い場合に発光の強度を弱くしてもよい。また、制御部130は、例えば、吸引の強さを複数の段階に分け、当該複数の段階ごとに所定の色を設定し、吸引の強さに対応する所定の色を発光させてもよい。なお、制御部130は、香味吸引器具等100のユーザによる吸引の終了を検知し、当該吸引の終了を検知した場合に変化部120における所定の変化を終了させることができる。制御部130は、例えば、センサ信号等が所定の閾値以下となったことに基づきユーザによる香味吸引器具等100の吸引の終了を検知し、当該吸引の終了を検知した場合に、変化部120における所定の変化を終了させてよい。また、制御部130は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってよい。
【0049】
なお、理想的には、香味吸引器具等100をユーザが吸引している期間と、所定の変化が生じている期間とは一致していることが好ましい。しかしながら、様々な理由により、実際には前者の期間と後者の期間とは相違する場合がある。具体的には、ユーザによる吸引が終了と判定されてから所定の変化が終了するまでに遅延が存在する場合がある。また、当該遅延に代えて又は加えて、ユーザによる吸引が開始したと判定されてから所定の変化が開始するまでに遅延が存在する場合がある。
【0050】
2 本発明の一実施形態に係るシステムの概要
図2は、本発明の一実施形態に係るシステム200の例示構成のブロック図である。
図2は、システム200が備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及びシステム200の厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。また、システム200は、図示しないコンポーネントを含み得ることに留意されたい。なお、システム200の例は、スマートフォンやタブレット、パーソナル・コンピュータ等の1つのコンピュータであるが、これに限定されるわけではない。例えば、後述する検知部210は、コンピュータに外部接続されたデジタル・カメラによって実現されてもよい。
【0051】
210は、香味吸引器具等100の少なくとも一部例えば変化部120に生じる外部観測可能な所定の変化を検知するための検知部を示している。検知部210は、少なくともハードウエア資源としての一般的なデジタル・カメラや温度センサ等を用いて実現されてよい。なお、温度センサは、一般的なデジタル・カメラと同様に2次元画像が出力されるサーモグラフィーカメラを含む。
【0052】
220は、上記所定の変化の検知に基づく情報を表示するための表示部を示している。表示部220は、少なくともハードウエア資源としてのディスプレイ(タッチパネル・ディスプレイを含む)等を用いて実現されてよい。
【0053】
230は、ユーザからの入力を受けるための入力部を示している。入力部230は、少なくともハードウエア資源としてのキーボードやマウス、タッチパネル・ディスプレイ等を用いて実現されてよい。
【0054】
240は、プログラムやデータ等を記憶するための記憶部を示している。記憶部240は、少なくともハードウエア資源としてのHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、メモリ等を用いて実現されてよい。記憶部240は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として参照されることがある。
【0055】
250は、別のコンピュータと通信するための通信部を示している。通信部250は、少なくともハードウエア資源としてのネットワーク・インターフェース等を用いて実現されてよい。
【0056】
260は、各種制御を行なうための制御部を示している。制御部260は、少なくともハードウエア資源としてのプロセッサ等を用いて実現されてよい。
【0057】
制御部260は、ユーザの吸い方に係る判定を行うように構成されていてよい。なお、ユーザの吸い方に係る判定は、香味吸引器具等100の変化部120に生じている所定の変化の検知と、所定の変化の検知に基づく情報の表示とを行うことを含む。表示部220は、判定の結果を更に表示することができる。また、制御部260は、入力部230を介して、複数の吸い方のうちの1つをユーザが選択することを可能にするように構成されていてよい。なお、表示部220は、選択された吸い方に基づく情報を更に表示することができる。更に、制御部260は、通信部250を介して、データを送受信するように構成されていてよい。なお、表示部220は、受信したデータに基づく情報を更に表示することができる。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態に係るシステム300の例示構成のブロック図である。
図3は、システム300が備える各コンポーネントを概略的且つ概念的に示すものであり、各コンポーネント及びシステム300の厳密な配置、形状、寸法、位置関係等を示すものではないことに留意されたい。また、システム300は、図示しないコンポーネントを含み得ることに留意されたい。なお、システム300は、香味吸引器具等100及びシステム200をそのコンポーネントとして含むものである。
【0059】
100A及び100Bは、香味吸引器具等100に相当するものである。
【0060】
200A及び200Bは、システム200に相当するものである。
【0061】
310A及び310Bは、それぞれ、香味吸引器具等100A及び100Bの少なくとも一部に生じる外部観測可能な所定の変化を、システム200A及び200Bが検知することを示している。
【0062】
320は、インターネットを含む1以上のネットワークを示している。なお、システム200A及び200Bは、有線又はワイヤレスでネットワーク320に接続することができる。
【0063】
330は、各々が1以上のコンピュータから構成された1以上のサーバを示している。サーバ330の少なくとも一部は、後述する方法をシステム200A及び200Bに実行させるためのプログラムやデータ等を、システム200A及び200Bに提供するものであってよい。なお、プログラムは、システム200A及び200Bにおいてインストールされる形態(いわゆる「アプリ」)で提供されてもよいし、システム200A及び200Bにおいて実行されるウェブブラウザを介して実行される形態(例えば、HTML(Hypertext Markup Language)やJavaScript(登録商標)等により構成されたウェブページ)で提供されてもよい。このような形態には、PWA(Progressive Web Apps)を含んでいてもよい。
【0064】
3 表示部220において表示される画面
以下、表示部220において表示される例示画面について説明する。なお、以下の説明では検知部210はハードウエア資源としてのカメラを用いて実現されているものとする。
【0065】
3-1 テスト画面
図4Aは、香味吸引器具等100の上記所定の変化の検知に係るテストを行うための例示画面(以下、「第1テスト画面」という。)400Aを表している。
【0066】
410は、検知部210からのリアルタイム画像を示している。411Aは、リアルタイム画像410のうちの所定の領域に描かれた枠を示している。
【0067】
テスト画面400において、ユーザは、香味吸引器具等100を吸引しようとする状態での動画撮影を促される。より詳細には、ユーザは、香味吸引器具等100の変化部120が枠411に入るように、好ましくは、変化部120のみが枠411Aに入るように、自身と検知部210との相対距離や姿勢を調整するように促される。そして、ユーザが吸引動作を行い、システム200により枠411A内で変化部120において生じた変化が検知されると、システム200は検知に成功したと判定することになる。
【0068】
枠411Aを用いて検知を行う技術的意義について説明する。変化部120において生じる変化の一例は、上述したように所定の色の発光である。ここで、所定の色が例えば青である場合に、ユーザが青い服を着用していたとき、リアルタイム画像410全体からの検知では、ユーザが着用する青い服を青色の発光と誤検知する可能性がある。即ち、枠411Aを用いた検知は、所定の変化の検知精度を向上させることを目的とするものである。
【0069】
なお、所定の変化の検知は、任意の画像認識アルゴリズムを用いて実施してよい。そのため、用いる画像認識アルゴリズムの性能が良く、所定の変化とそれ以外とを十分に区別できるのであれば、枠411Aは必ずしも必要なく、リアルタイム画像410全体から所定の変化を検知してもよい。
【0070】
図4Bは、香味吸引器具等100の上記所定の変化の検知に係るテストを行うための別の例示画面(以下、「第2テスト画面」という。)400Bを表している。第2テスト画面400Bの第1テスト画面400Aとの相違点は、リアルタイム画像410のうちの所定の領域に描かれた枠の形状及び技術的意義である。
【0071】
即ち、枠411Bは、枠411Aがそうでないのに対して、香味吸引器具等100の形状に対応した形状を有している。香味吸引器具等100に対応した形状とは、例えば、ユーザと検知部210との相対距離や姿勢を調整することにより、香味吸引器具等100の全部を枠411Bと一致させることができる形状(以下、「第1形状」という。)である。あるいは、香味吸引器具等100に対応した形状とは、例えば、ユーザと検知部210との相対距離や姿勢を調整することにより、香味吸引器具等100の特定の一部のみを枠411Bと一致させることができる形状(以下、「第2形状」という。)である。あるいは、香味吸引器具等100に対応した形状とは、例えば、ユーザと検知部210との相対距離や姿勢を調整することにより、香味吸引器具等100に付された模様等の特定のデザインのみを枠411Bと一致させることができる形状(以下、「第3形状」という。)である。
【0072】
また、枠411Bを用いて検知を行う技術的意義について説明する。上述したように、香味吸引器具等100は所定の変化と紛らわしいデザイン121が付されている場合がある。そのような場合、特に、変化部120とデザイン121とが近接している場合、枠411Aを用いて検知を行うと、デザイン121が枠411Aに入ったことを所定の変化が生じたと誤検知する可能性がある。一方、枠411Bを用いて、当該枠と香味吸引器具等100とが重なったときに変化部120が存在するであろうリアルタイム画像410内の所定位置又は所定範囲412(リアルタイム画像410上に示す必要はない。)の画像、より詳細には当該画像が含む1以上の画素に基づき所定の変化を検知することによって、上記誤検知を少なくとも低減させることができる。
【0073】
上記所定位置又は所定範囲は、枠411Bが第1形状である場合には、枠411B内に存在する。しかしながら、上記所定位置又は所定範囲は、枠411Bが第2形状又は第3形状である場合には、枠411B内に存在するときも、枠411B外に存在するときもある。
【0074】
所定の変化の検知は、枠411Bと香味吸引器具等100とが重なったと判定されたときにのみ試みられてもよい。なお、「枠411Bと香味吸引器具等100とが重なった」とは、枠411Bが第2形状である場合には、枠411Bと香味吸引器具等100の特定の一部が重なったことであり、枠411Bが第3形状である場合には、枠411Bと香味吸引器具等100に付された特定のデザインが重なったことである。また、この判定は、任意の画像認識アルゴリズムを用いて実施してよく、枠411Bと香味吸引器具等100(又は香味吸引器具等100の特定の一部若しくは特定のデザイン)が完全に重なることを要さず、所定の誤差又はズレを考慮して行われてよいことに留意されたい。
【0075】
以下、第1テスト画面400Aと第2テスト画面400Bとを総称して「テスト画面400」といい。枠411Aと411Bとを総称して「枠411」という。
【0076】
3-2 吸い方確認画面
図5Aは、ユーザが香味吸引器具等100の吸い方を確認するための例示画面(以下、「吸い方確認画面」という。)500を表している。なお、
図5Aは、枠411Bを利用した場合のものであるが、吸い方確認画面500は、枠411Aを利用してもよい。
【0077】
510は、吸い方の確認を実行するための6つのUIコンポーネント(以下、左から511~516によって参照する。)を示している。UIコンポーネント511及び512、UIコンポーネント513及び514並びにUIコンポーネント515及び516は、それぞれ、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方に関する確認を実行するためのものである。なお、吸い方に関する確認は、3つの吸い方に関する確認に限られず、いくつであってもよい。1つの吸い方に関する確認は、複数回実行されることが想定されている。なお、1つの吸い方に関する確認は、1回実行されればよく、必ずしも複数回実行されなくてもよい。各回の確認は、UIコンポーネント511~516の各々を選択することによって開始する。なお、
図5Aに表された吸い方確認画面500は、第1の吸い方に関する1回目の確認が終了し、第1の吸い方に関する2回目の確認が実行中であり、第2の吸い方及び第3の吸い方に関する確認は未実行であるときのものである。
【0078】
520は、香味吸引器具等100の少なくとも一部例えば変化部120に生じる外部観測可能な所定の変化の検知に基づき情報を表示するためのUIコンポーネントを示している。521及び522は、それぞれ、時間を表す1以上の情報としての、上記所定の変化の検知に基づき更新される時間(以下、便宜上「検知時間」という。)を表す文字及びゲージを示している。
図5A~5Iに表されたゲージ522は、ゼロの値の位置と最大値の位置とが隣接している円形のものであるが、これに限定されるわけではない。523は、吸い方の確認の実行が開始されてからの経過時間を表す文字を示している。
【0079】
以下、
図5B~
図5Iを参照して、UIコンポーネント520の例について説明する。
【0080】
図5Bは、UIコンポーネント510を選択した直後のUIコンポーネント520の例を表している。
図5Bにおいて、文字521が表す検知時間はゼロであり、ゲージ522の現在値530もゼロである。また、
図5Bにおいて、文字523が表す経過時間もゼロである。
【0081】
図5Cは、UIコンポーネント510を選択してから0.52秒経過したときのUIコンポーネント520の例を表している。
図5Cにおいて、文字523が表す経過時間は0.52秒である。一方、文字521が表す検知時間は0.35秒であり、ゲージ522の現在値530も0.35秒に対応する値となっている。即ち、
図5Cは、UIコンポーネント510を選択してから経過した0.52秒のうち、検知時間は0.35秒であることを表している。
【0082】
なお、この検知時間は、原則的には上記所定の変化の検知に基づきカウントされるものであるが、上記所定の変化を検知している時間と一致するとは限らない。また、UIコンポーネント520に含まれる検知時間を表す1以上の情報のうちの少なくとも1つは、他の情報と異なる検知時間を表すことがある。
図5Iは、そのようなUIコンポーネント520の例を表しており、文字521が表す検知時間が0.15秒である一方で、ゲージ522の現在値530は0.35秒に対応する値となっている。
【0083】
ユーザによる1回の吸引の動作は、断続的であることがある。例えば、ユーザは、1回の吸引の動作の途中で、息切れ等の理由により息を止めることがある。システム200は、所定の時間以上、上記所定の変化が検知されていないときに、吸引の中断が起きたと判定することができる。
【0084】
図5Dは、吸引の中断が起きた後のUIコンポーネント520の例を表している。なお、この例では、UIコンポーネント520が
図5Cに表された状態となったときに、吸引の中断が生じたものと仮定している。
図5Dにおいて、文字523が表す経過時間は0.98秒である。一方、文字521が表す検知時間は0.43秒であり、ゲージ522の現在値530も0.43秒に対応する値となっている。即ち、
図5Dは、吸引の中断によって検知時間を一旦リセットする場合のUIコンポーネント520を表しており、吸引の中断が起きた後の検知時間は0.43秒であることを示している。なお、UIコンポーネント520は、吸引の中断が起きたことを示すことができ、その一例として、吸引の中断が起きた後の
図5Dにおけるゲージ522は、吸引の中断が起きる前の
図5Cにおけるゲージ522とは異なるように表示されている。
【0085】
図5Eは、吸引の中断が起きた後のUIコンポーネント520の別例を表している。なお、この例では、UIコンポーネント520が
図5Cに表された状態となったときに、吸引の中断が生じたものと仮定している。
図5Eにおいて、文字523が表す経過時間は0.98秒である。一方、文字521が表す検知時間は0.58秒であり、ゲージ522の現在値530は0.78秒に対応する値となっている。即ち、
図5Eは、吸引の中断によって検知時間を一旦リセットしない場合のUIコンポーネント520を表しており、吸引の中断の前後の検知時間の合計として、文字521は0.58秒を、ゲージ522は0.78秒を表している。なお、UIコンポーネント520は、吸引の中断が起きたことを示すことができ、その一例として、
図5Eでは、吸引の中断が起きたとき535の前後で、ゲージ522が異なるように表示されている。
【0086】
上述した第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方の各々には、パラメータとして、少なくとも、1回の吸引においてユーザが吸引すると想定される時間(例えば、それぞれ、1秒、2秒及び3秒。以下、「基準時間」という。)が定められている。
【0087】
図5F及び5Gは、UIコンポーネント510を選択してから0.90秒経過したときのUIコンポーネント520の例を表している。
図5F及び5Gにおいて、文字521及びゲージ522が表す検知時間は0.80秒であるが、ゲージ522の現在値530の見かけ上の位置が異なっている。これは、
図5F及び5Gにおけるゲージ522の最大値540をそれぞれ1.0秒及び2.0秒に対応する値と定めているためである。このように、吸い方の確認をする際に、当該吸い方において定められた基準時間に基づきゲージ522の最大値を定めることにより、ユーザは、吸引時間に関して、自身の吸い方が確認しようとしている吸い方に合ったものであるかを視覚的に理解できるようになる。例えば、
図5A~5Iにおいて表されているようなゲージ522において、その最大値を、確認しようとしている吸い方において定められた基準時間に基づき定めれば、ユーザは、ゲージの値の位置が丁度1周するように吸引すれば、基準時間に関して想定された吸い方をすることができるために、特に有利である。
【0088】
なお、UIコンポーネント520においては、経過時間を表す文字523に代えて又は加えて、吸い方の確認の実行が開始されてから基準時間が経過するまでの残り時間を表す情報を表示してもよい。また、UIコンポーネント520においては、基準時間自体を表す情報を表示してもよい。更に、UIコンポーネント520においては、検知時間を表す文字521及び経過時間を表す文字523を表示しなくてもよく、
図5Hは、そのような一例を表している。
また、吸い方において定められるパラメータは、吸引の強さを含んでいてもよい。
【0089】
3-3 結果表示画面
図6は、ユーザによる香味吸引器具等100の吸い方を確認した結果を表示する例示画面(以下、「結果表示画面」という。)600を表している。
【0090】
610は、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方の各々についての確認の結果を示している。より詳細には、吸い方の確認は、各吸い方について、当該吸い方において定められた基準時間と、検知時間とが、所定の誤差の範囲内で一致するかを判定することを含むことができる。この例における結果610は、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方の各々について2回当該判定を行い、各々の吸い方について1回だけ、当該吸い方において定められた基準時間と、検知時間とが、所定の誤差の範囲内で一致したことを示している。所定の誤差は、例えば0.2秒であるが、これに限定されず、ゼロを含む所定の別の値や、基準時間に所定の割合を乗じたもの等であってもよい。また、所定の誤差は、これに限定されるわけではない。なお、上記判定は、各吸い方について、当該吸い方において定められた吸引の強さと、検知部210からの出力に基づき推定されるユーザによる吸引の強さとが、所定の誤差の範囲内で一致するかを判定することを含んでいてよい。
【0091】
620は、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方のうちの1つを選択するためのUIコンポーネントの例を示している。UIコンポーネント620は、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方のうちの1以上を選択可能なように構成されていてもよい。
【0092】
UIコンポーネント620は、ユーザにとってよかった吸い方の選択を受けるためのものであってよく、システム200は、選択された吸い方をサーバ330に送信することができ、サーバ330は、受信した選択された吸い方に基づく任意の統計処理を行うことができる。ここで、UIコンポーネント620は、少なくとも1回、定められた基準時間と、検知時間とが、所定の誤差の範囲内で一致した吸い方のみを選択可能なように構成することができ、例えば、そのような吸い方についてのみ、対応したUIコンポーネント620を表示することができる。このようにすることで、サーバ330に送信される吸い方がユーザの体感を反映したものである可能性を高め、ひいてはサーバ330における統計処理の信頼性を向上させることができる。
【0093】
なお、結果表示画面600において用いる検知時間は、香味吸引器具等100においてユーザが吸引する動作が検知されている期間と、上記所定の変化が生じている期間との相違を考慮して補正された時間であることが好ましい。また、UIコンポーネント620は、ユーザにとってよくなかった吸い方や、吸いごたえがあった吸い方等の選択を受けるためのものであってもよい。
【0094】
3-4 参考表示画面
図7は、ユーザに対して参考情報を表示する例示画面(以下、「参考表示画面」という。)を表している。
【0095】
710は、第1の吸い方、第2の吸い方及び第3の吸い方の各々について、気に入ったユーザの割合を表すグラフを示している。グラフ710を表示するためのデータは、複数のシステム200から受信した、複数のユーザにより選択された吸い方に基づく統計処理により、サーバ330が生成することができる。グラフ710は、複数のユーザにより選択された吸い方を表す情報の一例である。
【0096】
参考表示画面700は、グラフ710に加えて又は代えて、選択された吸い方に基づく推奨情報を表示することもできる。そのような推奨情報の一例は、推奨するフレーバー(香味)についての情報である。詳細には、フレーバーごとに、好適な吸い方は異なる場合がある。例えば、基準時間が1秒である第1の吸い方が良かったとの選択をユーザから受けたときに、システム200は、好適な吸引時間が1秒であるフレーバーについての情報を推奨情報として表示することができる。なお、推奨情報を表示するためのデータは、システム200に予め記憶されたものを用いてもよいし、複数のシステム200から受信した、複数のユーザにより選択された吸い方に基づく統計処理により、サーバ330が生成したものを用いてもよい。後者の場合、システム200は、ユーザが現在香味吸引器具等100において使用しているフレーバーを選択することを可能にする画面(図示せず)を表示し、選択されたフレーバーをサーバ330に送信し、サーバ330は、複数のユーザにより選択されたフレーバーと、複数のユーザにより選択された吸い方とに基づく統計処理により、推奨するフレーバーについての情報を表示するためのデータを生成することができる。
【0097】
3-5 吸い方再確認又は練習画面
表示部220においては、選択された吸い方をユーザが再度確認又は練習するための吸い方再確認又は練習画面(図示せず)が表示されてもよい。吸い方再確認又は練習画面は、選択された吸い方に対応したUIコントロール510及びUIコントロール520を含むことができる。
【0098】
4 システム200が実行する方法
図8A~8Cは、システム200が実行する例示方法800のフローチャートを表している。より詳細には、例示方法800は、システム200の制御部260により実行されてよい。
【0099】
図8Aを参照すると、810は、表示部220にテスト画面400を表示するステップを示している。
【0100】
820は、検知部210からの出力に基づき、香味吸引器具等100の少なくとも一部に生じる所定の変化が検知されたかを判定するステップを示している。上記所定の変化が検知された場合、処理はステップ830に進み、そうでない場合、ステップ820を繰り返す。
【0101】
ステップ820においては、検知部210からの出力が含むリアルタイム画像410における枠411A内の画像に基づき、上記所定の変化が検知されたかを判定するステップを含むことができる。あるいは、ステップ820においては、枠411Bと香味吸引器具等100とが重なったときに変化部120が存在するであろうリアルタイム画像410内の所定位置又は所定範囲412の画像に基づき、上記所定の変化が検知されたかを判定するステップを含むことができる。しかしながら、ステップ820では、所定の変化とそうでない変化とを十分に区別できるのであれば、枠411は必ずしも必要なく、香味吸引器具等100の少なくとも一部に生じる所定の変化が、リアルタイム画像410全体で検知されたかを判定してもよい。
【0102】
図9には、ステップ820が含みうる別の例示のステップのフローチャートが記載されている。
【0103】
910は、香味吸引器具等100が、リアルタイム画像410における枠411Bと重なったかを判定するステップを示している。香味吸引器具等100が枠411Bと重なったと判定した場合、処理はステップ920に進み、そうでない場合、ステップ910を繰り返す。
【0104】
920は、枠411Bと香味吸引器具等100とが重なったときに変化部120が存在するであろうリアルタイム画像410内の所定位置又は所定範囲412の画像に基づき、上記所定の変化が検知されたかを判定するステップを示している。上記所定の変化が検知された場合、ステップ820は終了し、そうでない場合、処理はステップ910に戻る。
【0105】
図8Bを参照すると、830は、表示部220に吸い方確認画面500を表示するステップを示している。
【0106】
840は、UIコンポーネント510が選択されたかを判定するステップを示している。このステップは、複数の吸い方のうち、選択されたUIコンポーネント510に対応した吸い方を選択として受けるステップを含む。UIコンポーネント510が選択されたと判定された場合、処理はステップ850に進み、そうでない場合、ステップ840を繰り返す。
【0107】
850は、UIコンポーネント520を初期化するステップを示している。このステップは、選択を受けた吸い方において定められた基準時間に基づき、ゲージ522の最大値540を定めるステップを含む。また、このステップは、吸い方についての指示(「強めに吸ってください」等。)や、「開始」等の吸い方の確認が開始したことを示すメッセージをユーザのために表示部220に表示するステップを含むことができる。
【0108】
855は、表示部220に、所定の変化を検知し、情報を表示するステップを示している。ステップ855は、後述するように、所定の変化の検知に基づき情報を表示するステップを含み、該ステップは、香味吸引器具等100においてーザが吸引する動作が検知されている期間と、所定の変化が生じている期間との相違に基づき、情報の表示を制御するステップを含む。ここで、香味吸引器具等100においてーザが吸引する動作が検知されている期間と、所定の変化が生じている期間との相違は、例えば、香味吸引器具等100において、ユーザが吸引する動作の終了が検知されてから所定の変化が終了するまでの遅延や、ユーザが吸引する動作の開始が検知されてから所定の変化が開始されるまでの遅延によるものである。従って、当該相違は、前者の遅延の長さである第1所定時間と、後者の遅延の長さである第2所定時間との一方又は双方を含んでいてよい。
【0109】
図10Aには、ステップ855が含みうる例示のステップのフローチャートが記載されている。
【0110】
1010は、表示部220に経過時間を表す文字523を表示するステップを示している。ステップ1010は、時間の経過に合わせて、経過時間を表す文字523の表示を更新するステップを含む。
【0111】
1020は、検知部210からの出力に基づき、上記所定の変化を検知したかを判定するステップを示している。ステップ1020は、ステップ820と同様のステップであってよい。上記所定の変化を検知していると判定された場合、処理はステップ1022に進み、そうでない場合、処理はステップ1030に進む。
【0112】
1022は、表示部220に検知時間を表す文字521及びゲージ522を表示するステップを示している。ステップ1022は、時間の経過に合わせて、検知時間を表す文字521及びゲージ522の表示を更新するステップを含む。ステップ1022は、所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップの一例である。
【0113】
1030は、上記所定の変化の終了を検知したかを判定するステップを示している。ステップ1030においては、検知部210からの出力に基づき、上記所定の変化の終了を検知したと判定してよい。あるいは、ステップ1030においては、フラグ等を用いて、直前の1つ前のステップ1020における判定は真であったが、直前のステップ1020における判定が偽であった場合に、上記所定の変化の終了を検知したと判定してよい。上記所定の変化の終了を検知した場合、処理はステップ1032に進み、そうでない場合、処理はステップ1090に進む。
【0114】
1032は、表示部210におけるゲージ522の表示を、第1所定時間前のものに戻すステップを示している。ステップ1032は、例えば、直前まで
図5Cの表示であったものを、
図5Iの表示に更新するステップに対応する。なお、この例における第1所定時間は、0.2秒である。なお、第1所定時間は0.2秒以外であってもよく、予め定められていても、任意に設定可能であってもよい。また、第1所定時間は、香味吸引器具等100の種類に応じて設定されてもよい。例えば、ある種類の香味吸引器具等100に関する第1所定時間は0.2秒と設定し、他の異なる種類の香味吸引器具等100に関する第1所定時間は0.15秒と設定してもよい。ステップ1032は、所定の変化の終了を検知したときに、時間を表す1以上の情報のうちの少なくとも1つを、第1所定時間前の表示に戻すステップの一例である。
【0115】
第1所定時間は、複数の香味吸引器具等100の各々に対してユーザが吸引する動作の終了が検知されてから所定の変化が終了するまでの時間を計測し、それらの平均値としてもよい。例えば、同じ種類の複数の香味吸引器具等100の各々に対して、ユーザが吸引する動作の終了が検知されてから所定の変化が終了するまでの時間を計測し、当該計測された時間の平均値を第1所定時間としてもよい。また、異なる種類の複数の香味吸引器具等100の各々に対して、ユーザが吸引する動作の終了が検知されてから所定の変化が終了するまでの時間を計測し、当該計測された時間の平均値を第1所定時間としてもよい。
【0116】
また、第1所定時間は、複数の香味吸引器具等100の各々に対して、個別に設定されていてもよい。この場合において、システム200の記憶部240は、例えば、複数の香味吸引器具等100ごとに、第1所定時間を記憶する。そして、システム200は、例えば検知部210により香味吸引器具等100に表示された識別子(例えばQRコード(登録商標)等)を読み取り、当該識別子に対応付けられた第1所定時間を用いて、表示部210におけるゲージ522の表示を第1所定時間前のものに戻すステップを実行する。
【0117】
また、第1所定時間は、香味吸引器具等100の種類ごとに、設定されていてもよい。この場合において、システム200の記憶部240は、例えば、香味吸引器具等100の種類ごとに、第1所定時間を記憶する。そして、システム200は、例えば検知部210により香味吸引器具等100に表示された識別子(例えばQRコード(登録商標)等)を読み取り、当該香味吸引器具100の種類を特定し、当該種類に対応付けられた第1所定時間を用いて、表示部210におけるゲージ522の表示を第1所定時間前のものに戻すステップを実行する。なお、システム200は、検知部210により香味吸引器具等100に表示された識別子(例えばQRコード(登録商標)等)を読み取る代わりに、ユーザ等が香味吸引器具等100の種類に応じて第1所定時間を選択可能な機能を備えていてもよい。
【0118】
1090は、経過時間が、基準時間+αより大きいかを判定するステップを示している。αは、例えば0.2秒であるが、これに限定されず、ゼロを含む所定の別の値や、基準時間に所定の割合を乗じたもの等であってもよい。経過時間が基準時間+αより大きい場合、ステップ855は終了し、そうでない場合、処理はステップ1010に戻る。
【0119】
図10Bには、ステップ855が含みうる別の例示のステップのフローチャートが記載されている。以下、
図10Aに記載されたフローチャートと、
図10Bに記載されたフローチャートとの主な相違点について説明する。
【0120】
1024は、表示部220に検知時間を表すゲージ522を表示するステップを示している。ステップ1024においては、ステップ1022とは異なり、検知時間を表す文字521は表示されない。ステップ1024は、時間の経過に合わせて、検知時間を表すゲージ522の表示を更新するステップを含む。ステップ1024は、所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように時間を表す第1の1以上の情報を表示するステップの一例である。
【0121】
1034は、第1所定時間により検知時間を補正して、表示部220に検知時間を表す文字521を表示するステップを示している。この補正は、香味吸引器具等100においてユーザが吸引する動作が検知されている期間と、上記所定の変化が生じている期間との相違を考慮したものであり、例えば、文字521が表す時間は、現在の検知時間から第1所定時間を減算することによって導出された時間であってよい。ステップ1034は、所定の変化の終了を検知したときに、上記第1の時間を表す1以上の情報が表す時間から第1所定時間を減算した時間を表す第2の1以上の情報を表示するステップの一例である。
【0122】
図10Cには、ステップ855が含みうるまた別の例示のステップのフローチャートが記載されている。以下、
図10A及び10Bに記載されたフローチャートと、
図10Cに記載されたフローチャートとの主な相違点について説明する。
【0123】
1050は、第1所定時間以上、上記所定の変化を検知し続けているかを判定するステップを示している。ステップ1050においては、検知部210からの出力に基づき、且つ、フラグ等を用いて、後述するように上記所定の変化の開始を検知してから、第1所定時間以上上記所定の変化の終了を検知していない場合に、第1所定時間以上上記所定の変化を検知し続けていると判定してよい。
【0124】
図10Cにおけるステップ1032は、第1所定時間以上、上記所定の変化を検知し続けているときに、時間の経過を示すように時間を表す1以上の情報を表示するステップの一例である。
【0125】
図10Dには、ステップ855が含みうる更にまた別の例示のステップのフローチャートが記載されている。以下、
図10A~10Cに記載されたフローチャートと、
図10Dに記載されたフローチャートとの主な相違点について説明する。
【0126】
1060は、検知部210からの出力に基づき、上記所定の変化の開始を検知したかを判定するステップを示している。このステップにおいては、フラグ等を用いて、初めて上記所定の変化を検知したか、又は、上記所定の変化の終了を検知した後且つ上記所定の変化の開始を検知する前に上記所定の変化を検知した場合に、上記所定の変化の開始を検知したと判定してよい。
【0127】
1062は、第2所定時間により検知時間を補正するステップを示している。ステップ1062における補正は、例えば、現在の検知時間に第2所定時間を加算することであってよい。
【0128】
図10Dにおけるステップ1062及び1032は、所定の変化を検知しているときに、時間の経過を示すように、且つ、上記所定の変化の開始を実際に検知したときから第2所定時間前から所定の変化の開始が検知されていたかのように時間を表す1以上の情報を表示するステップの一例である。
【0129】
図10A~10Dにフローチャートが記載されたステップは、ステップ855が含む例示のステップに過ぎない。そのため、例えば、ステップ855は、
図10A~10Cの何れかに記載されたステップと、
図10Dに記載されたステップとを組み合わせたステップも含みうる。
【0130】
図8Bに戻ると、860は、ユーザの吸い方が、選択されたUIコンポーネント510に対応した吸い方と一致するかを判定するステップを示している。このステップは、選択されたUIコンポーネント510に対応した吸い方において定められた基準時間と、検知時間とが、所定の誤差の範囲内で一致するかを判定するステップを含むことができる。この検知時間は、香味吸引器具等100においてユーザが吸引する動作が検知されている期間と、上記所定の変化が生じている期間との相違を考慮して補正された時間であることが好ましい。また、所定の誤差は、上記αと同一であってよいが、これに限定されるわけではない。また、このステップは、ユーザによる吸引の強さと、選択されたUIコンポーネント510に対応した吸い方において定められた吸引の強さとが、所定の誤差の範囲内で一致するかを判定するステップを含んでいてよい。吸い方が一致する場合、処理はステップ862に進み、そうでない場合、処理はステップ864に進む。
【0131】
862及び864は、それぞれ、選択されたUIコンポーネント510の表示を第1の表示(この例では、「◎」)及び第2の表示(この例では、「△」)に更新するステップを示している。なお、これらステップは、「終了」等の吸い方の確認が終了したことを示すメッセージをユーザのために表示するステップを含むことができる。
【0132】
866は、未だ選択されていないUIコンポーネント510が存在するかを判定するステップを示している。存在する場合、処理はステップ840に戻り、そうでない場合、処理はステップ870に進む。
【0133】
図8Cを参照すると、870は、表示部220に結果表示画面600を表示するステップを示している。このステップは、結果表示画面600を介して選択される吸い方を選ぶ基準についてのメッセージ(例えば、「よかったと思う吸い方を選択してください」、「よくなかったと思う吸い方を選択してください」、「吸いごたえのあったと思う吸い方を選択してください」等)を表示部220に表示するステップを含むことができる。
【0134】
880は、UIコンポーネント620が選択されたかを判定するステップを示している。このステップは、複数の吸い方のうち、選択されたUIコンポーネント620に対応した吸い方を選択として受けるステップを含む。UIコンポーネント620が選択されたと判定された場合、処理はステップ882に進み、そうでない場合、ステップ880を繰り返す。
【0135】
882は、選択を受けた吸い方をサーバ330に送信するステップを示している。
【0136】
884は、サーバ330から、複数のユーザにより選択された吸い方を表す情報を表示するためのデータを受信するステップを示している。このステップは、サーバ330から、推奨情報を表示するためのデータを受信するステップを含むことができる。
【0137】
890は、表示部220に参考表示画面700を表示するステップを示している。ステップ890は、参考表示画面700に加えて又は代えて、吸い方再確認又は練習画面を表示するものであってもよい。
【0138】
5 コンピュータ
以下、システム200若しくはサーバ330として又はシステム200若しくはサーバ330を構成するのに用いることができるコンピュータのハードウエア構成の一例について説明する。
【0139】
図11は、コンピュータのハードウエア構成の一例を表している。同図に示すように、コンピュータ1100は、ハードウエア資源として、主に、プロセッサ1110と、主記憶装置1120と、補助記憶装置1130と、入出力インターフェース1140と、通信インターフェース1150とを備えており、これらはアドレスバス、データバス、コントロールバス等を含むバスライン1160を介して相互に接続されている。なお、バスライン1160と各ハードウエア資源との間には適宜インターフェース回路(図示せず)が介在している場合もある。
【0140】
プロセッサ1110は、コンピュータ全体の制御を行う。
【0141】
主記憶装置1120は、プロセッサ1110に対して作業領域を提供し、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic
Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【0142】
補助記憶装置1130は、ソフトウエアであるプログラム等やデータ等を格納する、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。当該プログラムやデータ等は、任意の時点で補助記憶装置1130からバスライン1160を介して主記憶装置1120へとロードされる。補助記憶装置1130は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として参照されることがある。
【0143】
入出力インターフェース1140は、情報を提示すること及び情報の入力を受けることの一方又は双方を行うものであり、デジタル・カメラ、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル・ディスプレイ、マイク、スピーカ、温度センサ等である。
【0144】
通信インターフェース1150は、ネットワーク320と接続されるものであり、ネットワーク320を介してデータを送受する。通信インターフェース1150とネットワーク320とは、有線又は無線で接続されうる。通信インターフェース1150は、ネットワークに係る情報、例えば、Wi-Fiのアクセスポイントに係る情報、通信キャリアの基地局に関する情報等も取得することがある。
【0145】
上に例示したハードウエア資源とソフトウエアとの協働により、コンピュータ1100は、所望の手段として機能し、所望のステップを実行し、所望の機能を実現させることできることは、当業者には明らかであろう。
【0146】
6 むすび
以上、本発明の実施形態の幾つかの例を説明してきたが、これらは例示にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施形態の変更、追加、改良などを適宜行うことができることが理解されるべきである。本発明の技術的範囲は、上述した実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるべきである。
【符号の説明】
【0147】
121…紛らわしいデザイン
161,162…端
310A,310B…外部観測可能な所定の変化の検知
320…ネットワーク
400…テスト画面
410…リアルタイム画像
411A、411B…枠
412…所定位置又は所定範囲
500…吸い方確認画面
510…吸い方の確認を実行するためのUIコンポーネント
520…外部観測可能な所定の変化の検知に基づき情報を表示するためのUIコンポーネント
521…検知時間を表す文字
522…検知時間を表すゲージ
523…経過時間を表す文字
530…ゲージ522の現在値
535…吸引の中断
540…ゲージ522の最大値
600…結果表示画面
610…結果
620…吸い方を選択するためのUIコンポーネント
700…参考表示画面
710…吸い方ごとの気に入ったユーザの割合を表すグラフ