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特許7496361符号化されたパッケージ及び装置のシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】符号化されたパッケージ及び装置のシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240530BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240530BHJP
   A23N 12/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G06K7/10 416
G06K7/14 017
G06K7/10 376
A23N12/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021543420
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2020051303
(87)【国際公開番号】W WO2020156861
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】19153911.3
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィアン, フローラン
(72)【発明者】
【氏名】チェカロリ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ピンドジュロヴ, リステ
(72)【発明者】
【氏名】ジャカール, サンドリーヌ
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531242(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0224051(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0130277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0089986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
A47J31/00-31/60
G06K 7/00-7/14
17/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を収容するパッケージ(2)と、前記製品を使用する装置(1)と、のシステム(10)であって、前記装置には、前記パッケージ内に収容された前記製品が再充填され、
前記収容された製品に関するコード(21)が、前記パッケージに関連付けられており、前記コードは2次元コードであり、前記コードは、所定の表面Scodeを有し、
前記装置は、前記パッケージに関連付けられた前記コードを読み取るためのコードリーダ(11)を備え、前記コードリーダは画像取り込みデバイスであり、前記画像取り込みデバイスは、
所定の焦点範囲と、
水平視野角α及び垂直視野角βと、
によって規定されており、
前記装置は、筐体構造体(16)と、前記筐体構造体の内部にある空洞(12)と、を備え、前記空洞は、前記筐体構造体の前記内部にある後面部(124)から前記筐体構造体の外面にある前面部(123)まで延び、かつ、前記空洞の前記後面部と前記前面部との間に延びる少なくとも1つの側壁部(122)を備え、
前記画像取り込みデバイスは、前記空洞の前記後面部に配置されており、前記画像取り込みデバイスの光軸が、前記空洞の前記前面部の中央の方向に延びており、
前記空洞の前記前面部は、前記筐体構造体の前記外面の孔(121)にあり、前記孔は、以下のような表面Sholeを有し、
1.2 Scode≦Shole≦6 Scode
前記空洞の前記後面部と前記空洞の前記前面部との間にわたる距離が、前記画像取り込みデバイスの前記焦点範囲に含まれており、
前記空洞の前記少なくとも1つの側壁部(122)は、前記画像取り込みデバイスの前記水平視野角α及び前記垂直視野角βを取り囲むように構成されている、
システム(10)。
【請求項2】
前記筐体構造体の前記外面の前記孔(121)は空である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空洞(12)は、前記空洞の前記後面部に保護透明壁部を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コードは、バーコード又はQRコードである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記画像取り込みデバイス(11)はカメラである、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コードの外形の形状と、前記空洞の前記前面部の前記孔の外形の形状とが、相似している、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コード(21)は、正方形又は長方形の外形を有するQRコードであり、前記空洞の前記前面部の前記孔(121)は、相似した正方形又は長方形の形状の外形を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記装置は光源(17)を備え、前記光源は、前記空洞の前記内部から前記孔(121)を照明するように向けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コードは、前記収容された製品に関する情報を提供し、前記情報は、前記製品の識別情報、前記製品の量、前記製品の性質、前記製品の原産地、前記製品の保存可能期間、及び/又は機械の内部で前記製品を処理する方法に関するパラメータ、のリストに含まれる、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記装置は、前記製品を処理するように動作可能な制御システムを備え、前記制御システムは、
前記コードの前記取り込まれた画像を解析し、
前記コードの前記取り込まれた画像に基づいて、前記製品に関する情報を取得し、
前記製品に関する前記取得された情報に基づいて、前記製品を処理する、
ように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記装置は、コーヒー豆焙煎装置であり、前記パッケージは、コーヒー生豆又は部分的に予め焙煎されたコーヒー豆を収容する、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を収容するパッケージと、当該製品を使用する装置と、を備えるシステムであって、装置には、パッケージ内に収容された製品が再充填される、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品の分野では、出発材料を処理して最終消費製品を製造する装置が流行している。例えば、飲料の分野では、焙煎装置は、コーヒー焙煎豆を製造するために生豆で充填され、淹出装置は、コーヒー飲料を製造するために焙煎して挽いたコーヒーで充填される。
【0003】
一貫した品質の最終製品を提供すること、及びこれらの装置の使用を操作者にとってより便利にすることを目的として、製品及びその処理レシピに関する符号化された情報を有する生豆又は焙煎して挽いた豆のパッケージを供給し、そのような情報を自動的に供給して製品を自動的に処理するコードリーダを装置に提供することが流行してきた。
【0004】
一般的なそのようなコードは、通常、製品のパッケージに印刷されたバーコード又はQRコード(登録商標)であり、対応するコードリーダは、カメラのような光学リーダである。製品のパッケージに提供されたコードを読み取る動作中、通常、コードの画像が取り込まれ、この画像が装置の制御ユニットによって処理されるように、パッケージはコードリーダの前方に保持される。
【0005】
多くの場合、コードの画像の取り込みは簡単ではなく、画像が取り込まれるまでコードリーダの前方に異なる向きでコードを何回か提示することを操作者に強いることが分かっている。特に、装置が、操作者によって一日中頻繁に使用される業務用装置である場合、これは便利ではない。
【0006】
加えて、コードリーダの前方でコードを提示するこの動作中、操作者は、パッケージのコードを保持している部分を、コードリーダの表面に沿って、通常は透明窓に沿って直感的に摺動させ、それにより、いくつかの領域に掻き傷がつき、その結果、読み取りは更により困難になり、時間と共に苛立つことがある。
【0007】
米国特許出願公開第2002/0100286号は、扉を開閉するために回転シャフトの反対側にある、開いている扉の縁部に配置されたバーコードリーダを有する冷凍室を開示している。食品用のバーコードは、扉の縁部に沿ってバーコードを通過させることによって、食品を出し入れする動作中にリーダによって読み取ることができ、この従来技術には、コードリーダ自体、及びバーコードを迅速かつ効率的に読み取る際の問題については記載されていない。
【0008】
本発明の目的は、コードリーダを使用する従来技術のシステムの欠点のうちの少なくとも一部に対処するか、又は少なくとも、それらのシステムの代替案を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様では、製品を収容するパッケージと、当該製品を使用する装置と、のシステムであって、装置には、パッケージ内に収容された製品が再充填され、
収容された製品に関するコードが、パッケージに関連付けられており、当該コードは2次元コードであり、当該コードは、所定の表面Scodeを有し、
かつ
装置は、パッケージに関連付けられたコードを読み取るためのコードリーダを備え、当該コードリーダは画像取り込みデバイスであり、当該画像取り込みデバイスは、
所定の焦点範囲と、
水平視野角α及び垂直視野角βと、
によって規定されており、
装置は、筐体構造体と、筐体構造体の内部の空洞とを備え、当該空洞は、筐体構造体の内部にある後面部から筐体の外面にある前面部まで延び、かつ、空洞の後面部と前面部との間に延びる少なくとも1つの側壁部を備え、
画像取り込みデバイスは、空洞の後面部に配置されており、画像取り込みデバイスの光軸が、空洞の前面部の中央の方向に延びており、
空洞の前面部は、筐体構造体の外面の孔にあり、当該孔は、以下のような表面Scavityを有し、
1.2 Scode≦Scavity≦6 Scode
空洞の後面部と空洞の前面部との間にわたる距離は、画像取り込みデバイスの焦点範囲に含まれており、
空洞の少なくとも1つの側壁部は、画像取り込みデバイスの水平視野角α及び垂直視野角βを取り囲むように構成されている、
システムが提供される。
【0010】
コードをコードリーダに提示する動作は、コードリーダの前方でコードを保持することで構成される。通常、コードは、バーコード又はQRコード(登録商標)である。好ましくは、コードはQRコードである。
【0011】
一般に、画像取り込みデバイスはカメラである。
【0012】
装置の筐体構造体は、空洞を備える。この空洞は、筐体構造体の内部にある後面部と、筐体の外面にある前面部と、空洞の後面部と前面部との間に延びる少なくとも1つの側壁部とによって画定される。
【0013】
画像取り込みデバイスは、空洞の後面部に配置され、画像取り込みデバイスの光軸が、空洞の前面部の中央の方向に延びている。空洞の少なくとも1つの側壁部は、画像取り込みデバイスの水平視野角α及び垂直視野角βを取り囲むように構成されている。その結果、画像取り込みデバイスの視野ゾーンは、筐体構造体の内部の空洞の少なくとも1つの側壁部によって取り囲まれる。
【0014】
この空洞は、有利なことに、装置の筐体の内部に存在する塵埃及び汚れから画像取り込みデバイスを保護する。更に、取り込まれるコードの画像との空洞の横方向壁の相互作用を回避するために、空洞の少なくとも1つの側壁部は、画像取り込みデバイスの水平視野角α及び垂直視野角βを取り囲むように構成されている。「取り囲む」とは、壁部が、視野角の周囲に、視野角から一定の距離に配置されていることを意味する。したがって、少なくとも1つの側壁部は、視野角に衝突しない。一般に、空洞の少なくとも1つの側壁部は、0よりも大きい距離、通常は少なくとも1mmの距離で、画像取り込みデバイスの水平視野角α及び垂直視野角βを取り囲むように構成されている。
【0015】
少なくとも1つの側壁部は、壁部が視野角を取り囲む限り、任意の形状を有することができる。一実施形態では、空洞は、長方形断面領域を有する側壁部全体を規定する4つの横方向平面壁部を備えることができる。あるいは、側壁部は、空洞の後面部から前面部へと広がる円錐の形状を有することができる。
【0016】
空洞の前面部は、筐体構造体の外面の孔である。好ましくは、この孔は空である。「空」とは、この孔が、ガラスのように透明であるとしても、任意の材料を備えない、あるいはそのような任意の材料で覆われていないことを意味する。ガラスが存在しないことに起因して、この表面が損傷する、例えば掻き傷がつけられるリスクがない。操作者が、コードを読み取るために、この孔の前方にコードを配置するとき、この孔を通る視野は常に透明なままである。
【0017】
好ましい実施形態では、筐体構造体の外面の孔が空である場合、空洞は、空洞の後面部に保護透明壁部を備えることができる。この壁部は、空洞の内部に指を入れた人がいる場合に画像取り込みデバイスを保護する。
【0018】
空洞の前面部の孔の表面Scavityは、以下のとおりである。
1.2 Scode≦Scavity≦6 Scode
したがって、孔の表面は、コードの表面よりも少なくともわずかに大きく、コードの表面Scode全体が孔に面し得ること、及び画像取り込みデバイスによって取り込まれ得ることが保証される。
【0019】
更に、孔の表面は、コードと比較して、さほど重要ではない。これにより、操作者が、画像取り込みデバイスの光軸から遠すぎることなく、この光軸の近くにコードを配置するように強いられることが利点である。
【0020】
最後に、空洞は、空洞の後面部と空洞の前面部との間にわたる距離が、画像取り込みデバイスの焦点範囲に含まれているように構成されている。
【0021】
その結果、操作者が、筐体の外面に沿って、かつ筐体構造体の外面の空洞の孔の前方でコードを摺動させると、コードは、即座に画像取り込みデバイスの焦点範囲に入り、操作者は正しい距離を見つけるまでコードを再配置する必要がない。
【0022】
好ましくは、コードの外形の形状と、空洞の前面部の孔の外形の形状とは相似している。
【0023】
この相似性に起因して、操作者はより直観的に、コードを正しく配置し、コードリーダによってコードの画像を即座に取り込むことができるようになる。
【0024】
好ましい実施形態によれば、コードは、正方形又は長方形の外形を有するQRコードであり、空洞の前面部の孔の外形の形状は、相似した正方形又は長方形の形状の外形を有する。
【0025】
好ましくは、装置は光源を備え、当該光源は、空洞の内部から孔を照明するように向けられている。光源は、通常、空洞の後面部に配置される。一実施形態では、光源は、画像取り込みデバイスの内部に一体化され得る。
【0026】
その結果、光源により、コードのより良好な取り込みが可能になる。
【0027】
光源は、発光ダイオード、電球、又は任意の他の光源であり得る。
【0028】
一般に、コードは、収容された製品に関する情報を提供し、当該情報は、製品の識別情報、製品の量、製品の性質、製品の原産地、製品の保存可能期間、及び/又は機械の内部で製品を処理する方法に関するパラメータ、のリストに含まれる。
【0029】
製品の識別情報は、SKU基準に対応することができる。
【0030】
製品の性質は、コーヒー豆コーヒーの場合には、コーヒーの焙煎レベル(生又は少なくとも部分的に焙煎)に、あるいは、可溶性飲料粉末の場合には、ミルク、コーヒー、茶、若しくはカカオの性質に関し得る。
【0031】
製品の原産地は、コーヒー豆の場合には、アラビカコーヒー若しくはロブスタコーヒーのような生産地、又は生産農家に関し得る。
【0032】
プロセスパラメータは、コーヒーロースターの場合には焙煎プロファイルを、淹出装置の場合には淹出パラメータを、あるいは、可溶性飲料ディスペンサの場合には、混合パラメータを提供し得る。
【0033】
一般に、装置は、製品を処理するように動作可能な制御システムを備え、当該制御システムは、
コードの取り込まれた画像を解析し、
取り込まれた画像に基づいて、製品に関する情報を取得し、
取得された情報に基づいて、製品を処理する、
ように構成されている。
【0034】
好ましくは、装置は、コーヒー豆焙煎装置であり、パッケージは、コーヒー生豆又は部分的に予め焙煎されたコーヒー豆を含む。
【0035】
一般に、コーヒー豆焙煎装置は、
コーヒー豆を収容する容器と、
容器内のコーヒー豆を加熱するための加熱器と、を備え、
装置の制御システムは、コードによって提供される情報に基づいて、加熱器を制御するように動作可能である。
【0036】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の特徴及び利点は、以下の図との関連で、より良好に理解されるであろう。
図1】本発明によるシステムの概略図である。
図2】コードリーダの空洞の後面部の図である。
図3】コードリーダの空洞の前面部の図である。
図4】コードの表面と空洞の孔との相対的なサイズを示す。
図5A】光軸に沿って取られたコードリーダ及びコードの概略水平断面図である。
図5B】光軸に沿って取られたコードリーダ及びコードの概略垂直断面図である。
図6】光源を備えるコードリーダの概略水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、装置1と、製品を収容するパッケージ2と、を備える、本発明によるシステムを概略的に示す。
【0039】
装置1は、パッケージの製品を使用するように構成されており、一般的には、この製品を処理して、装置の内部の製品の導入へと更にこの製品を処理するように構成されている。図示した実施形態では、装置は、梱包材料内に収容された製品を受け取り、それを処理するように構成された容器14を備える。例えば、装置は、コーヒー豆焙煎装置であってもよく、容器14は焙煎チャンバであり得る。この焙煎容器は、パッケージ2に収容されたコーヒー豆を内部に充填することができるように、焙煎装置から取り外し可能であり得る。焙煎装置に取り付けられると、焙煎容器は、コーヒー豆を焙煎するために熱気で加熱され得る。
【0040】
あるいは、容器14は、焙煎して挽いたコーヒー、茶葉、インスタント可溶性コーヒー、又は任意の他の可溶性飲料原材料のような飲料原材料を受け取り、この原材料を希釈液、通常は水と接触させるように構成された飲料調製チャンバであってもよい。容器は、操作者が梱包材料から製品を導入することを可能にするために取り外し可能であってもよく、あるいは、装置は、製品が装置によって処理される前にパッケージ2の製品で充填することができる中間貯蔵容器を備えることができる。
【0041】
パッケージは、(食品原材料の一食分のパケットのような)装置が1度に使用する1回量の製品を収容することができ、あるいは、(複数食分のパウチ、又は食品若しくは飲料原材料の可撓性バッグのような)装置が複数回使用するためのより多量の製品を収容してもよい。
【0042】
コード21は、製品のパッケージ2に関連付けられる。好ましくは、このコード21は、図示されるように、コードバー又はQRコードのような2次元コードである。
【0043】
コードは、任意の形状(円形、正方形、など)の形状であってもよく、どのような形状であっても、この2次元コードは、所定の表面Scodeを有する。好ましくは、コードは、正方形又は長方形の形状を有するQRコードである。
【0044】
好ましくは、コードはパッケージの外面に印刷される。あるいは、コードは、パッケージとは異なる支持体に提供されてもよいが、パッケージを包装するパッケージ状の梱包材料、又はパッケージと共に供給されるユーザ通知に関連付けられてもよい。また、スマートフォン又はスマートタブレットのようなモバイルデバイスのディスプレイから供給することもできる。
【0045】
装置1は、パッケージに関連付けられたコードを読み取るためのコードリーダ11を備える。このコードリーダアセンブリは、操作者がコード21を装置の前方に容易に配置することができるように装置内に配置される。好ましくは、装置の前面、例えば装置のユーザインターフェース又はディスプレイ13に近接して配置される。したがって、コードによって提供される情報は、傍らに配置されたディスプレイ13を介して即座に表示され得る。
【0046】
図1は、コードリーダ11の拡大正面図を提供する。コードリーダは、装置の筐体構造体16の空の空洞12の後面部に配置される。筐体構造体の内部のこの空洞は、筐体構造体の外面にある孔121から、筐体構造体の内部まで延びている。図示した実施形態では、この空洞は、空洞の前面部123と空洞の後面部との間に延びる4つの側壁部122を備える。図1には、これらの壁部のうちの3つが見えており、最後の1つは、筐体から隔離して空洞12を示す図3に示されている。通常、空洞の断面は、正方形、長方形、楕円形、又は円形のような形状を規定する。
【0047】
図2は、この空洞12の後面部の図を提供し、空洞の後面部124を示している。コードリーダ11は、空洞のこの後面部124に配置される。
【0048】
コードリーダは、カメラのような画像取り込みデバイスである。
【0049】
コードリーダは、好ましくは、そのレンズが空洞の後面部に配置され、かつ、視野角が空洞の後面部から開くように配置される。コードリーダ11は、(以下の図5A図5Bに示すように)その光軸が空洞の前面部の中央の方向に延びるように配置される。
【0050】
正しく配置するために、画像取り込みデバイス11は、空洞の後面部124から水平に延びる支持プレート125上に取り付けることができる。
【0051】
好ましい実施形態では、孔121は空であり、ユーザは、孔に配置されたガラス材料の表面に掻き傷がつけられるリスクなしに、孔に沿ってコードを摺動させることができる。通常、この好ましい実施形態では、透明壁部は、画像取り込みデバイス11のレンズを保護するために、空洞の後面部かつ画像取り込みデバイス11の前方に配置される。この透明壁部は、操作者が、画像取り込みデバイスに触れることなく自分の指を空洞12の内部に入れることによって、優しく掃除することができる。リスクこの透明壁部は、孔121に配置される透明壁部と比較して低い。
【0052】
前面部の空洞の孔121は、コード21の表面のサイズに依存する表面Sholeを有する。具体的には、下記のとおりである。
1.2 Scode≦Shole≦6 Scode
【0053】
これらの比率を尊重することにより、コードの表面全体を孔121の前方に配置することができ、かつ、コード21をコードリーダの光軸に近接した孔の中央付近に比較的容易に配置できることが保証される。
【0054】
図4は、コードの表面Scodeのサイズ及び空洞の孔の表面Sholeのサイズを点線で示す。
【0055】
図4は、コード21が正方形又は長方形の外形を有するQRコードである、1つの好ましい実施形態を示す。この実施形態では、空洞の前面部の孔121は、好ましくは、相似した形状の外形を有する。1辺が長さcであり、他辺が長さcである正方形又は長方形の外形である所定の形状を有するコード21の場合、孔121の外形の形状は、1辺が長さhであり、他辺が長さhである正方形又は長方形として規定することができ、
=f×c、かつ、
=f×c
であり、
式中、f及びfは、同一の係数又は異なる係数のいずれかであり、1.2~2.5である。
【0056】
図5Aは、操作者が孔121の前方にコード21を配置するときの、光軸画像取り込みデバイスに沿って取られた画像取り込みデバイス11、空洞12、及びコード21の水平断面図を概略的に示す。
【0057】
図5Bは、垂直断面図に沿った同じ図を提供する。
【0058】
空洞の後面部124と空洞の前面部123との間にわたる距離は、画像取り込みデバイス11の焦点範囲に含まれている。画像取り込みデバイス11のこの焦点範囲dは、図5A及び図5Bの斜線のゾーンによって示されており、これにより、操作者がコードを孔121の前方に近接して配置したときに、画像取り込みデバイス11がコード21の正確な画像を取り込むことができることが保証される。
【0059】
加えて、図5A及び図5Bに示されるように、空洞の側壁部122は、画像取り込みデバイス11の水平視野角α及び垂直視野角βを、距離gで取り囲んでいる。したがって、これらの側壁部122は、装置の筐体の内部のあらゆる背景光又は塵埃から画像取り込みデバイスを保護しながら、取り込まれるコードの画像に衝突しない。距離gは、側壁部が視野角の直ぐ傍らに配置されるように規定することができ、例えば、間隙は約1mm以上とすることができる。
【0060】
側壁部の断面の形状は、図2及び図3に示されるような正方形又は長方形であってもよく、楕円形又は円形の形状のように、更に他の形状を使用することができ、側壁部は、視野角の周りに円錐を設計する。
【0061】
図6は、光源17を備える装置を概略的に示しており、当該光源は、空洞の後面部124に配置され、空洞の前面部で孔121を、その結果、孔の前方に配置されたときにコード21を照明するように向けられている。
【0062】
装置は、コード21によって供給される情報に基づいて、導入された製品を処理するように動作可能な制御システム(図示せず)を備える。
【0063】
コード21の画像がカメラ11によって取り込まれると、取り込まれた画像が解析され、製品に関する情報が、制御システムのプログラムコードによって抽出又は推定される。
【0064】
制御システムは、コード上に直接符号化された情報を使用して、及び/又はコード上に符号化された情報から間接的に製品を処理することができ、そのような製品識別情報は、装置の制御システムのメモリユニット上にデータとして記憶され得る他の情報への、又は装置の通信インターフェースを介してリモートソースからのアクセスを提供する。
【0065】
本発明のシステムは、空洞の前面部の孔の前方でのコードの直感的な配置を可能にする利点を提供し、コードの全領域の簡単な取り込みを保証する。
【0066】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0067】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0068】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0069】
10 システム
1 装置
11 コードリーダ
12 空洞
121 孔
122 横方向壁部
123 前部
124 後部
125 プレート
13 ディスプレイ
14 容器
15 カメラ
16 筐体構造体
17 光源
2 パッケージ
21 コード
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6