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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】診療地点濃度分析器
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20240530BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240530BHJP
   G01N 33/49 20060101ALI20240530BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240530BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N33/483 E
G01N33/49 Z
G01N21/64 F
G01N37/00 101
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021555063
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 US2020022399
(87)【国際公開番号】W WO2020186062
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-13
(31)【優先権主張番号】62/817,433
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521412434
【氏名又は名称】ノヴィラクス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オルティン, ウィリアム イー.
(72)【発明者】
【氏名】ノーランド, ブライアン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ, ジェフリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リビングストン, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】オノラト, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート, ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ダニ
(72)【発明者】
【氏名】カイガー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー, ジョン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】モンサルベ, ルイス エイチ.
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特許第6434114(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0206701(US,A1)
【文献】特表平10-505672(JP,A)
【文献】特開2010-158235(JP,A)
【文献】国際公開第2018/102783(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
G01N 33/48-33/49
G01N 21/64
G01N 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、前記方法は、
カートリッジが分析器システムのモータに結合されるように、前記カートリッジを前記分析器システム内に受容することと、
前記サンプルの少なくとも一部を前記カートリッジ内の混合チャンバまで移動させるように、前記モータを使用して前記カートリッジを回転させることと、
前記標的被分析物および蛍光標識を常磁性捕捉ビーズに結合するように前記カートリッジをさらに回転させることによって、前記混合チャンバ内で前記サンプルの前記一部を混合することと、
前記混合チャンバ内に前記結合された標的被分析物および蛍光標識とともに前記常磁性捕捉ビーズを保持するように、磁石を前記カートリッジに隣接して移動させることと、
前記常磁性捕捉ビーズから非結合蛍光標識を洗い流すように、洗浄緩衝剤を前記カートリッジの中に導入し、前記常磁性捕捉ビーズが前記磁石によって保持されている間に前記混合チャンバを通して前記洗浄緩衝剤を圧送することと、
前記磁石を使用して前記常磁性捕捉ビーズを前記混合チャンバの外に移動させることと、
前記蛍光標識を前記常磁性捕捉ビーズから溶出するように溶出緩衝剤を前記カートリッジの中に導入することと、
電磁放射線源からの電磁放射線を指向し、前記カートリッジ内に照会空間を形成することと、
前記蛍光標識が前記照会空間内に存在する場合、検出器において、前記蛍光標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を受容することと、
コントローラを使用して、前記検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記カートリッジが回転させられる間に前記混合チャンバ内に流体を留めるように前記混合チャンバから半径方向内向きに延在する第1および第2のチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合チャンバ内で前記サンプルの前記一部を混合した後に前記カートリッジをマニホールドに結合することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記洗浄緩衝剤および前記溶出緩衝剤は、前記マニホールドを通して前記カートリッジに導入される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記洗浄緩衝剤は、第1のポンプを使用して前記カートリッジの中に導入される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記溶出緩衝剤は、第2のポンプを使用して前記カートリッジの中に導入される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マニホールドは、前記常磁性捕捉ビーズを移動させるために前記磁石に対して前記カートリッジを枢動させる位置付けモータに結合される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記磁石を使用して前記導入された洗浄緩衝剤を通して前記常磁性捕捉ビーズを移動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記磁石を使用して前記導入された溶出緩衝剤を通して前記常磁性捕捉ビーズを移動させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記混合チャンバ内で前記サンプルの前記一部を混合することは、前記混合チャンバを通して前後に混合ボールを移動させて前記常磁性捕捉ビーズおよび蛍光標識前記標的被分析物を混合するように、同一の円周方向に前記カートリッジを回転させ続けながら前記カートリッジの回転を断続的に加速および減速することによって、促進される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
サンプル内の標的被分析物の存在を検出するための分析器システムであって、前記分析器システムは、
モータと、
前記モータの作動によって回転させられるように前記モータに結合されるドックと、
カートリッジであって、前記カートリッジは、前記ドック内に保持され、流体システムを含み、前記流体システムは、サンプルを受容し、前記サンプルの標的被分析物を単離し、前記サンプル内の前記標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成され、前記流体システムは、
入口チャンバと、
混合チャンバであって、前記混合チャンバは、前記入口チャンバの下流にあり、前記標的被分析物を前記第1の標識と結合するように、前記サンプルの少なくとも一部を混合するように構成される、混合チャンバと
を含む、カートリッジと、
前記カートリッジの中への導入のために洗浄リザーバから洗浄緩衝剤を受容するように構成される洗浄緩衝剤ラインと、
前記カートリッジの中への導入のために溶出リザーバから溶出緩衝剤を受容するように構成される溶出ラインと、
前記カートリッジに係合し、前記洗浄緩衝剤および溶出緩衝剤を前記カートリッジの中に導入するように構成されるマニホールドと、
ステージ上に固着される磁石であって、前記磁石は、前記カートリッジに対して移動可能であり、前記カートリッジ内で常磁性捕捉ビーズを移動させるように構成される、磁石と、
前記マニホールドに結合される位置付けモータであって、前記位置付けモータは、前記カートリッジ内で前記常磁性捕捉ビーズを移動させるために前記磁石に対して前記カートリッジを枢動させるように構成される、位置付けモータと、
第1の電磁放射線源であって、前記第1の電磁放射線源は、電磁放射線を提供し、前記カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、第1の電磁放射線源と、
第1の検出器であって、前記第1の検出器は、標識が前記照会空間内に存在する場合、前記標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、第1の検出器と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記第1の検出器によって検出される前記電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別するように構成される、コントローラと
を備える、分析器システム。
【請求項12】
前記カートリッジは、前記カートリッジが回転させられる間に前記混合チャンバ内に流体を留めるように前記混合チャンバから半径方向内向きに延在する第1および第2のチャネルを含む、請求項11に記載の分析器システム。
【請求項13】
前記マニホールドを介して前記洗浄緩衝剤を前記カートリッジの中に導入するように構成されるポンプをさらに備える、請求項11に記載の分析器システム。
【請求項14】
前記マニホールドを介して前記溶出緩衝剤を前記カートリッジの中に導入するように構成される別のポンプをさらに備える、請求項13に記載の分析器システム。
【請求項15】
前記混合チャンバ内に配置される混合ボールをさらに備える、請求項11に記載の分析器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年3月12日に出願された、米国仮特許出願第62/817,433号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、非常に低い濃度で存在し得る具体的標的被分析物の量を単離、標識、検出、および決定するためのサンプルの自動サンプル処理、測定、ならびに分析に関する。
【背景技術】
【0003】
疾患の根本的原因および進行の多数の研究ならびに理解の進歩は、感染性病原体の検出または適切な治療に結び付けられる早期の障害の検出が、臨床転帰を実質的に改良することを示している。投与および解釈するために訓練を受けた専門家を要求する、解剖学的結像のような高価な症状の測定の使用をかつて要求した、多くの症状は、現在、具体的バイオマーカの存在および/または濃度を介して、細胞ならびに分子レベルで診断されることができる。これらのバイオマーは、病状または感染症に極めて特異的である、上方もしくは下方調整されたタンパク質、核酸、または他の分子を含む。
【0004】
多くの場合、正しい治療のタイミングおよび投与が患者転帰のために重要である、診療地点においてある症状を診断することが望ましい。これは、患者が、急性心筋梗塞(AMI)、急性非代償性心不全、肺塞栓症、敗血症、または適時の応答を要求する他の症状を被っている場合がある、外傷センターの救急処置設定で特に当てはまる。非救急設定では、迅速な所要時間もまた、特に、隔離が要求され得る、クロストリジウム・ディフィシレ感染症のような感染性の高い疾患の場合に望ましい。しかしながら、医師の診療室または小売店舗内の診療所でさえも、抗生物質を投与することに先立って、症状がウイルス性または細菌性であるかどうかを決定することは、極めて有益である。
【0005】
いくつかの病状では、バイオマーカまたは着目被分析物の濃度が、比較的に高く、単純な低コスト側方流デバイスが、サンプル処理および読出のために採用され得る。サンプルと相互作用する、これらのデバイスおよび消耗構成要素は、非常に低コストであり、診療地点における訓練を比較的に殆どまたは全く伴わずに迅速に使用されることができる。しかしながら、側方流型検査はまた、客観的リーダシステムがストリップを測定するために使用される場合でさえも、最低限度の品質の定量的測定を行う不良な精度に悩まされる傾向がある。また、疾患または感染症の段階に応じて、標的被分析物の濃度は、多くの場合、低すぎて、血液、尿、唾液、または他のサンプルタイプ内で側方流を用いて検出することができない。
【0006】
これらの場合において、サンプル処理および読出は、より複雑である。これは、多くの場合、濃度を査定するための精密な計測、標的被分析物の損失を回避するための高い効率、および精製プロセスにおける一次ステップとしての遠心分離を要求する。遠心分離以外に、付加的精製ステップは、典型的には、標的被分析物バイオマーカに結合するための相補配列または構造を伴う結合パートナまたは分子を含有する、試薬を用いたインキュベーションを含む。これらの結合パートナは、それらの表面上の相補分子または形質導入標識に共役した分子、もしくは両方を伴うマイクロまたはナノ粒子等の基質であってもよい。いったん結合が生じると、付加的プロセスステップが、次いで、標的被分析物を洗浄し、さらに単離し、測定に先立って、それを新鮮な緩衝溶液内に懸濁させる、またはそれを清潔な表面上に置くために、講じられなければならない。これらの処理ステップを実施するために、遠心分離機、ミキサ、インキュベータ、精密ピペッタ、および熱循環装置を含む、複数のデバイスが、使用され、サンプルは、多くの場合、複数の使い捨て先端、管、プレート、および他のサンプルコンテナ等を用いて、処理ステップの合間に移送および計測される。いったん処理が完了すると、極めて敏感かつ極めて精密な器具が、処理されたサンプルを測定し、標的被分析物の存在および/または存在量を決定するために使用される。
【0007】
低濃度バイオマーカの分析は、いくつかの形態をとり得るが、一般に、サンプルの処理および測定は、以下の主要な特性を有する。
1.他のサンプル成分からの標的被分析物の第1の単離を実施するための分離ステップ
2.結合パートナおよび試薬の導入
3.標的被分析物を標識し、基質に結合するための混合およびインキュベーション
4.緩衝剤の導入および非結合標識および他の汚染物質を洗い流すためのステップ
5.処理の間の精密な計測およびサンプル格納のための無菌コンテナ
6.サンプル移送の効率的かつ精密な手段
7.標的被分析物の存在および存在量を測定するための高い感度ならびに精度を提供する測定の手段
【0008】
現在、低濃度バイオマーカの処理および測定は、訓練を受けたスタッフによって、または集中的場所における極めて特殊な機器の使用により、行われなければならない。その結果として、サンプル入手から結果までの所要時間は、長く、計装コストは、高く、測定は、診療地点において行われることができない。
【0009】
故に、本発明者らは、低濃度バイオマーカ処理および測定に関して上記に列挙される主要な特性に対処し得る、改良された技法が望ましいことを認識している。本技法は、最小限の消耗品、精密な計測、速い所要時間を伴い、従来技術の限界を克服する感度を伴う診療地点環境のために好適なはずである。
【0010】
米国特許第8,264,684号および米国特許出願公開第2016/0178520号(それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、極めて敏感な検出を達成した、以前のシステムを説明している。本開示は、本分野内でさらなる開発を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示されるものは、サンプルの標的被分析物の検出のための分析器システム、カートリッジ、および方法である。有益なこととして、分析器システムの実施形態は、診療地点において提供され得るように、分析器が縮小されたサイズであることを可能にする、サンプルを処理および分析するためのコンパクトなカートリッジを使用する。
【0012】
したがって、第1の側面では、本開示は、
サンプルを受容するように構成される、カートリッジであって、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための複数のチャンバを含む、カートリッジと、
電磁放射線を提供し、カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、第1の電磁放射線源と、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、第1の検出器と、
第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するように構成される、コントローラと、
を備える、分析器システムを提供する。
【0013】
本側面ならびに他の側面、利点、および代替物が、以下の発明を実施するための形態を熟読することによって、当業者に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、前記分析器システムは、
モータと、
前記モータの作動によって回転されるように前記モータに結合されるドックと、
カートリッジであって、前記カートリッジは、前記ドック内に保持され、流体システムを含み、前記流体システムは、サンプルを受容し、前記サンプルの標的被分析物を単離し、前記サンプル内の前記標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成され、前記流体システムは、
入口チャンバと、
混合チャンバであって、前記混合チャンバは、前記入口チャンバの下流にあり、前記標的被分析物を前記第1の標識と結合するように、前記サンプルの少なくとも一部を混合するように構成される、混合チャンバと、
洗浄チャンバであって、前記洗浄チャンバは、前記混合チャンバの下流にあり、チャネルによって前記混合チャンバに接続され、前記洗浄チャンバは、前記混合チャンバ内で実行される混合プロセスの間に前記洗浄チャンバの中への前記サンプルの流動を妨げるように、前記混合チャンバから半径方向にオフセットされる、洗浄チャンバと
を含む、カートリッジと、
第1の電磁放射線源であって、前記第1の電磁放射線源は、電磁放射線を提供し、前記カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、第1の電磁放射線源と、
第1の検出器であって、前記第1の検出器は、前記第1の標識が前記照会空間内に存在する場合、前記第1の標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、第1の検出器と、
コントローラであって、前記コントローラは、前記第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別するように構成される、コントローラと
を備える、分析器システム。
(項目2)
前記混合チャンバから前記洗浄チャンバまで延在するチャネルは、毛細管中断を含み、前記毛細管中断は、前記混合チャンバから離れるように導く方向に拡張する断面積を有する、項目1に記載の分析器システム。
(項目3)
前記カートリッジの流体システムはさらに、前記入口チャンバと前記混合チャンバとの間に配置される分離面積を含み、前記分離面積は、縮径部によって接続される半径方向内側分離チャンバと、半径方向外側分離チャンバとを含む、項目1に記載の分析器システム。
(項目4)
サイフォンが、前記半径方向内側分離チャンバから前記混合チャンバまで延在する、項目3に記載の分析器システム。
(項目5)
平坦な円盤の形態のカートリッジ内で液体を混合する方法であって、前記方法は、
前記混合チャンバから半径方向内向きに延在するチャネルを通して、液体を前記カートリッジの混合チャンバに導入することであって、前記混合チャンバは、その中に混合ボールを含む、ことと、
半径方向外向きに前記液体を押勢し、前記混合チャンバ内に前記液体を留めるように、第1の円周方向に前記カートリッジを回転させることと、
前記混合チャンバを通して再帰的に前記混合ボールを前後に移動させるように、前記カートリッジの回転を断続的に加速および減速することと
を含む、方法。
(項目6)
前記混合チャンバは、前記液体の導入に先立って、凍結乾燥試薬を提供され、
前記混合チャンバを通した前記混合ボールの移動に起因する混合は、前記凍結乾燥試薬から前記液体の中にガスを放出する、
項目5に記載の方法。
(項目7)
前記放出されたガスは、半径方向内向きに前記混合チャンバから外に移動する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記混合ボールは、非磁性である、項目5に記載の方法。
(項目9)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、前記方法は、
前記サンプルをカートリッジの中に導入することであって、前記カートリッジは、前記サンプルの標的被分析物を単離し、前記サンプル内の前記標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、前記流体システムは、
流体ラインであって、前記流体ラインは、流体を受容するように構成される流体入口ポートと、第1のチャンバと、流体出口ポートとを含む、流体ラインと、
検出チャンバと、
前記第1のチャンバと前記検出チャンバとの間の接続通路と
を備える、ことと、
前記標的被分析物を前記第1のチャンバに移送することと、
前記接続通路内で空気の塊を維持しながら、前記流体ラインに沿って前記第1のチャンバの中に流体を圧送することと、
前記標的被分析物を前記検出チャンバに移送することと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、前記カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成することと、
前記第1の標識が前記照会空間内に存在する場合、前記第1の標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容することと、
コントローラを使用して、前記第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別することと
を含む、方法。
(項目10)
前記標的被分析物を前記検出チャンバに移送することをさらに含み、前記標的被分析物は、磁石を使用して運搬される常磁性ビーズによって前記検出チャンバの中に搬送される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記検出チャンバは、溶出入口ポートと、溶出出口ポートとを含む溶出ライン内に配置され、
前記方法はさらに、前記常磁性ビーズから前記標的被分析物を結合解除するように、溶出流体を前記溶出ラインの中に圧送することを含む、
項目10に記載の方法。
(項目12)
前記流体は、前記流体入口ポートにおいて流体を前記流体ラインの中に送給し、前記流体出口ポートにおいて前記流体ラインから流体を引き出すことによって、前記流体ラインに沿って圧送される、項目9に記載の方法。
(項目13)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、前記方法は、
前記サンプルをカートリッジの中に導入することであって、前記カートリッジは、前記サンプルの標的被分析物を単離し、前記サンプル内の前記標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、前記流体システムは、
第1のチャンバと、
第2のチャンバと、
前記第1のチャンバから前記第2のチャンバまで延在するチャネルと
を備える、ことと、
前記標的被分析物を常磁性ビーズから成る基質に結合することと、
前記カートリッジの第1の表面の近傍に、かつ前記第1のチャンバに隣接して第1の磁石を位置付けることと、
前記常磁性ビーズを懸濁液から外に、かつボーラスの中に引動するように、前記第1の磁石および前記カートリッジの相対移動を促進することであって、前記相対移動は、前記第1の表面を横断して前記第1の磁石を移動させること、または前記カートリッジを回転させることのうちの少なくとも1つによって促進される、ことと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、前記カートリッジ内に照会空間を形成することと、
前記第1の標識が前記照会空間内に存在する場合、前記第1の標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容することと、
コントローラを使用して、前記第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別することと
を含む、方法。
(項目14)
前記第1のチャンバから第2のチャンバに前記常磁性ビーズおよび前記標的被分析物を移送するように、前記第1の磁石および前記カートリッジの相対移動を促進することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記サンプルの他の構成成分から前記標的被分析物を単離するように、前記第2のチャンバ内で洗浄動作を実施することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記洗浄動作は、
前記常磁性ビーズが前記第2のチャンバ内で分散するように、前記カートリッジの第1の表面から離れるように前記第1の磁石を移動させることと、
前記常磁性ビーズが前記第2の磁石の近傍に集合するように、前記カートリッジの第2の表面に向かって第2の磁石を移動させることと、
前記常磁性ビーズが前記第2のチャンバ内で分散するように、前記カートリッジの第2の表面から離れるように前記第2の磁石を移動させることと、
前記常磁性ビーズが前記第1の磁石の近傍に集合するように、前記カートリッジの第1の表面に向かって前記第1の磁石を移動させることと
を含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、前記方法は、
サンプルをカートリッジの中に導入することであって、前記カートリッジは、前記サンプルの標的被分析物を単離し、前記サンプル内の前記標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、前記流体システムは、
入口チャンバと、
前記入口チャンバに接続される分離面積であって、前記分離面積は、内側分離チャンバと、外側分離チャンバとを含む、分離面積と
前記分離面積の下流の検出チャンバと
を備える、ことと、
前記入口チャンバから前記分離面積に前記血液サンプルを移送することと、
前記外側分離チャンバに向かって前記血液サンプルの赤血球を移動させ、前記内側分離チャンバに向かって血漿を移動させるように、遠心分離機を使用して、前記カートリッジを回転させることと、
カメラを使用して、前記分離面積内の前記血液サンプルの画像を捕捉することと、
コントローラを使用して、前記分離面積内の前記血液サンプルの画像を分析し、前記分離面積内の前記赤血球の位置を決定することと、
前記内側分離チャンバから混合チャンバに血漿を移送することと、
前記血漿から前記標的被分析物を単離することと、
前記標的被分析物を前記検出チャンバに移送することと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、前記カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成することと、
前記第1の標識が前記照会空間内に存在する場合、前記第1の標識によって前記照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容することと、
コントローラを使用して、前記第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、前記サンプル内の前記標的被分析物の存在を識別することと
を含む、方法。
(項目18)
前記赤血球の決定された位置に応答して、前記外側分離チャンバに向かって前記赤血球をさらに移動させるように、前記遠心分離機を使用して、前記カートリッジをさらに回転させることをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記遠心分離機を使用して、前記カートリッジを回転させた後に、前記コントローラを使用して、前記血液サンプルの画像を分析し、前記内側分離チャンバ内の血漿の透明度を決定することをさらに含み、前記分離面積から前記混合チャンバに前記サンプルの一部を移送することは、事前決定された値を上回る前記血漿の透明度に応答して実行される、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記混合チャンバ内の前記血漿の画像を捕捉することと、
前記コントローラを使用して、前記混合チャンバ内の前記血漿の画像を分析し、前記混合チャンバ内の前記血漿の体積を計算することと
をさらに含む、項目17に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
付随する図面は、本開示の方法およびデバイスのさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、種々の要素のサイズが、明確にするために歪曲され得る。図面は、本開示の1つまたはそれを上回る実施形態を図示し、説明とともに、本開示の原理および動作を解説する役割を果たす。
【0015】
図1図1は、本開示のある実施形態による、高感度分析器の概略斜視正面図である。
【0016】
図2図2は、図1の分析器の概略斜視後面図である。
【0017】
図3図3は、図1の分析器で使用される光学システムの概略斜視図である。
【0018】
図4図4は、遠心分離機を含む、図1の分析器の一部の概略斜視図である。
【0019】
図5図5は、マニホールド含む、図1の分析器の一部の概略斜視上面図である。
【0020】
図6図6は、図5のマニホールドの概略斜視底面図である。
【0021】
図7図7は、対物レンズを含む、図1の分析器の一部の概略側面図である。
【0022】
図8図8は、図1の分析器の流体システムの概略的描写である。
【0023】
図9図9は、本開示のある実施形態による、カートリッジの概略上面図である。
【0024】
図10図10は、本開示のある実施形態による方法の第1の事例における本開示のある実施形態による別のカートリッジの概略上面図である。
【0025】
図11図11は、本開示のある実施形態による方法の第2の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0026】
図12図12は、本開示のある実施形態による方法の第3の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0027】
図13図13は、本開示のある実施形態による方法の第4の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0028】
図14図14は、本開示のある実施形態による方法の第5の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0029】
図15図15は、本開示のある実施形態による方法の第6の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0030】
図16図16は、本開示のある実施形態による方法の第7の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0031】
図17図17は、本開示のある実施形態による方法の第8の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0032】
図18図18は、本開示のある実施形態による方法の第9の事例における図10のカートリッジの概略上面図である。
【0033】
図19図19は、本開示の別の実施形態による、カートリッジの概略上面図である。
【0034】
図20図20は、磁気ステージを含む、図1の分析器の一部の概略側面図である。
【0035】
図21図21は、本開示のある実施形態による、磁石を利用する洗浄動作における種々のステップの概略側面図である。
【0036】
図22図22は、本開示のある実施形態による、磁石を利用する別の洗浄動作における種々のステップの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の発明を実施するための形態は、本発明による、方法およびシステムの例示的実施形態の概観を提示する。本概観の後には、本発明に関連して、方法、システム、および装置の種々の例示的実施形態のさらなる説明が続く。
(例示的実施形態の概観)
分離および計測
【0038】
本発明は、標的被分析物を単離し、それらの濃度を決定するためのサンプル処理および分析システムを対象とする。図9-19に示されるような単一の消耗円盤150の形態のカートリッジが、測定の間に、結果として生じる処理されたサンプルの全てのサンプル処理、計測、および格納のために使用されてもよい。処理は、原サンプルに含有される濃厚要素を沈降させるための円盤の高速回転を伴う。図11に示されるような初期遠心分離ステップの間に、サンプル152は、サンプルチャンバ158から図12に示される分離チャンバ161、162に移送される。カートリッジ150は、次いで、分離面積162の中に濃厚要素を分離するように、より高速、例えば、7,000rpmにおいて回転される。分離面積161内の結果として生じる上清は、次いで、結合パートナから成る試薬を含有する混合チャンバ175に移送される。分離チャンバ161および混合チャンバ175の容積、ならびに上清の移送の方法は、精度を維持するために、処理で使用されるサンプルの量を計測するように作用する。沈降プロセスおよび移送は、処理品質制御カメラによって結像され、適切な分離および計測を確実にするように、処理の間に分析されてもよい。
試薬および結合パートナ
【0039】
結合パートナは、図13に示される乾燥試薬または凍結乾燥ペレット180の形態であり得る、いくつかの種を含み、混合チャンバ内に貯蔵されてもよい。第1の種は、標的被分析物に特異的な結合部位を有する分子で官能化される、常磁性ビーズ基質である。結合パートナの第2の種は、標的被分析物の別個かつ明確に異なる部分に特異的な結合部位を伴って分子に共役した蛍光標識を含む。試薬内の別の成分は、標的被分析物を含有する患者サンプルでは見出されないであろう、工学的タンパク質または他の分子から成る対照被分析物を含んでもよい。対照被分析物に関連するものは、常磁性捕捉ビーズおよび標識の第1のセットが標的被分析物に特異的である同一の様式で、対照被分析物上の結合部位に特異的である、常磁性捕捉ビーズおよび標識の別のセットである。対照は、標的被分析物と同一のプロセスおよび測定を受けるであろう。しかしながら、対照の量は、標的被分析物と異なり、プロセスの前に精密に把握される。したがって、対照が測定されるとき、濃度が先験的に把握されるため、サンプル処理およびプロセスの非精密度を正規化するための手段の有効性のモニタとしての役割を果たすことができる。
混合およびインキュベーション
【0040】
いったん上清および試薬が混合チャンバに入ると、円盤150が、ゆっくりであるが可変rpmにおいて回転するであろう、混合プロセスが生じるであろう。具体的には、円盤は、制御された率において回転して加速および減速し、回転の間に好ましい運動プロファイルを実行するであろう。図13に示されるように、真鍮またはガラス等のサンプルよりも高い密度の混合ボール176もまた、混合チャンバ内に組み込まれてもよい。有益なこととして、カートリッジの加速および減速は、上清を通して移動するようにボールを誘発し、乾燥試薬の溶解および分配を促進し、全ての試薬および標的被分析物の均質な混合物を確実にするであろう。混合チャンバ幾何学形状は、回転の中心から実質的に一定の半径に沿って構成されてもよい。さらに、本チャンバは、混合およびインキュベーションをさらに促進するため、かつ混合物が混合プロセスの間に混合チャンバ内に留まることを確実にするための種々の特徴を含有してもよい。混合プロセスの結果は、均質な懸濁液を助長し、常磁性捕捉ビーズおよび標識分子への標的被分析物の結合を促進するであろう。精度を確実にするために、混合プロセスは、制御された時間量にわたって実行されることができる。
【0041】
カートリッジ150はまた、チャネル173を通して混合チャンバに結合される、洗浄チャンバ181も含む。上清は、別様にチャネル173を介して洗浄チャンバの中に自由に流入し得るが、洗浄チャンバは、有利なこととして、遠心力が混合チャンバ内で上清および試薬を保つように、回転の中心からより小さい半径に位置付けられてもよい。図14に示されるような広口チャネル幅178、179の形態の毛細管中断が、毛管作用が、混合チャンバから洗浄チャンバの中に上清および混合懸濁液を引動しないようにさらに防止するために、存在し得る。毛細管中断178、179はまた、ペレットの製造の間に凍結乾燥ペレット内に捕捉される空気を変位させるであろう、上清を貯蔵する役割を果たすこともできる。
【0042】
いったん混合およびインキュベーションプロセスが完了すると、カートリッジ150は、4つのポート111、112、113、114と、移動してカートリッジと界面接触するであろう、関連付けられるシールとを有する、マニホールド108(図5)と整合するように回転されてもよい。マニホールドは、精密回転移動のためにモータ110に結合されてもよく、マニホールドはまた、カートリッジ上のポート111、112、113、114の接触およびシールを確実にするように懸垂システム上で保持されてもよい。マニホールドはまた、カートリッジまでマニホールドを下降させ、そこから上昇させるように、図1に示されるように可動アーム109上にあってもよい。マニホールドはまた、カートリッジに対してそれを精密に位置合わせし、十分な位置正確度で並んだ種々のポートを確実にするための特徴を含有してもよい。いったんマニホールドがカートリッジと位置合わせされ、接触すると、マニホールドモータは、遠心分離機モータの軸を中心としてカートリッジ150の精密回転運動を確実にする。本時点で、遠心分離機モータは、通電停止されてもよく、その軸受およびシャフトは、カートリッジのための精密回転ステージとしての役割を果たすことができる。マニホールドは、精密シリンジポンプを通した外部リザーバからカートリッジの中への緩衝剤の導入を可能にするように、一連のポンプおよび弁に接続される。緩衝剤は、優先的に、洗浄緩衝剤と、溶出緩衝剤と、清掃および貯蔵のための脱イオン水とを含む。同様に、本カートリッジ上のポートは、図9に示されるように、洗浄緩衝剤進入ポート154と、洗浄緩衝剤引込ポート156と、溶出緩衝剤進入ポート155と、溶出緩衝剤引込ポート157とを含んでもよい。
【0043】
マニホールド108がカートリッジ150上に位置合わせされた後、1つまたはそれを上回る磁石が、混合チャンバにわたって定位置まで移動される。磁石は、図20に示されるように、カートリッジの平坦な表面と垂直な運動の軸を伴って、Zステージ上のカートリッジの上方および下方に位置付けられる。これは、磁石130がカートリッジ150のより近くに移動することを可能にし、常磁性捕捉ビーズ上のその有効引動を増加させる一方、他方の磁石131は、カートリッジ150から離れるように移動し、その影響を減少させる。磁石Zステージ132もまた、半径方向ステージ133に結合される。半径方向ステージは、カートリッジの回転軸により近い、またはそこから離れた、磁石の移動を可能にする。後に議論されるように、カートリッジ上の種々のチャネルおよびチャンバが、半径方向または円周方向に配列される。種々のZおよび半径方向ステージは、マニホールドモータと組み合わせて、磁石が、カートリッジ150内に含有されるチャンバおよびチャネルに対して任意の所望の位置に設置されることを可能にする。
【0044】
磁石が導入された後、磁石Zおよび半径方向ステージは、所定の一連の移動を実行し、図15に示されるように、現在、標的被分析物および対象被分析物に結合している全ての常磁性捕捉ビーズを懸濁液から引き出すように、部分カートリッジ回転とともに制御される。カートリッジの底部側面上の磁石130は、厳密なボーラスの中にビーズを引動するように、好ましい場所でカートリッジの表面に近接させられる。ビーズボーラスは、処理品質制御カメラによって結像され、ビーズが懸濁液から適切に引動されていることを確実にするように分析されてもよい。
洗浄緩衝剤の導入および洗浄
【0045】
本時点で、洗浄弁は、洗浄ポンプをカートリッジ上の洗浄進入ポート154に接続し、引込ポンプは、洗浄引込ポート156に接続される。他のポートは、閉鎖されたままである。洗浄ポンプおよび引込ポンプは、定義された体積流率において、それぞれ、空にする、および引き込むように制御される。これは、洗浄緩衝剤に、洗浄チャンバおよび図16に示されるように混合チャンバに至るチャネルを充填させる。シーケンスは、上清が混合チャンバから押し出され、分離チャンバの中に戻るように押動されるまで継続する。これは、磁石によって定位置に保持されるビーズボーラスから非結合標識および汚染物質の大部分を洗い流す役割を果たす。いったん洗浄緩衝剤充填シーケンスが完了すると、洗浄チャンバの画像が、処理品質制御カメラから収集され、洗浄緩衝剤による洗浄チャンバ、チャネル、および混合チャンバの完全で適切な充填を確実にするように処理されてもよい。
洗浄のための磁気移送
【0046】
本時点で、磁石ステージおよびマニホールドモータは、一連の運動を実行し、混合インキュベーションチャンバから外に、洗浄チャンバの中に洗浄チャンバと混合チャンバとの間のチャネルに沿って半径方向に常磁性ビーズボーラスを引き出す。本プロセスにおける種々の時点で、画像が、捕捉され、ビーズボーラスが適切なサイズであり、ビーズボーラスの全てが洗浄チャンバの中に引動されていることを確実にする様式でプロセスが実行されていることを確実にするように処理されてもよい。
洗浄シーケンス
【0047】
ビーズボーラスが、洗浄チャンバに移送されたとき、マニホールドモータ、磁石Zステージ、および半径方向ステージは、一連の運動を実行し、ビーズを分散させ、洗浄チャンバの長さに沿って洗浄チャンバの異なる側面上で交互に磁石を使用してビーズボーラスを再凝結させるように、制御される。本プロセスは、ビーズボーラスに閉じ込められている場合がある、任意の残りの非結合標識または他の汚染物質を除去するように行われる。洗浄シーケンスが完了したとき、常磁性捕捉ビーズは、厳密なボーラスの中に再び引動される。清潔な洗浄緩衝剤が、次いで、洗浄チャンバの中に圧送される一方、汚染された緩衝剤が、混合チャンバを通して、本カートリッジ上に位置する洗浄廃棄物チャンバ166の中に押し出される。洗浄廃棄物チャンバ166は、汚染された洗浄、原サンプル、および上清が、決して洗浄廃棄物チャンバを完全に充填せず、洗浄廃棄物チャンバの遠端に位置する洗浄引込ポートを通して退出しないように定寸される。これは、マニホールドが、いずれのサンプルと、またはサンプルと混合している場合があるいずれの緩衝剤とも決して接触しないことを確実にする。
エアダム除去および溶出緩衝剤充填
【0048】
洗浄チャンバ181は、接続通路187を介して、混合チャンバの反対の端部において溶出チャンバ184に接続される。溶出チャンバ184はまた、溶出ポート155および溶出引込ポート157に接続される。洗浄チャンバが、前述で議論されたように充填されるとき、シーケンスは、洗浄緩衝剤がチャネルおよび溶出チャンバ184に進入しないように阻止する様式で実行される。これは、汚染された洗浄緩衝剤が、後続の測定の間に雑音源であり得る非結合標識および他の要素を含有するため、重要である。洗浄チャンバ181と溶出チャンバ184との間の十分な空隙が、各洗浄充填シーケンスの間に処理品質制御カメラによって撮影される画像の分析を介して、確認されてもよい。最後の磁気洗浄シーケンス後、および洗浄チャンバが清潔な洗浄緩衝剤で再び充填された後、シーケンスが、洗浄チャンバと溶出チャンバ184との間の接続通路187内の空隙(所望される場合)を洗浄緩衝剤で充填するように行われる。洗浄引込ポート弁は、閉鎖され、溶出引込ポートは、開放され、引込ポンプは、溶出引込ポート114に接続される。ポンプシーケンスが、洗浄チャンバと溶出チャンバとの間のチャネルを充填するように、所定の体積流率において洗浄および引込ポンプを用いて実行される。本プロセスは、画像収集および分析を介して確認されてもよい。
【0049】
完了したとき、溶出ポンプが溶出チャンバを溶出緩衝剤で充填する、別のシーケンスが、実行される。画像処理が、チャネルおよび溶出チャンバが正しく充填されることを確実にするように実施されてもよい。本時点で、溶出チャンバの中へのサンプル導入に先立った、純溶出緩衝剤の事前読取が、処理されたサンプルが検定のための陰性対照としての役割を果たすように読み取られるであろう、同一の様式で実施されてもよい。溶出緩衝剤は、下記に議論されるように、標的被分析物とその関連付けられる標識との間の結合を開裂するように設計される。本プロセスは、サンプルビーズボーラスが溶出チャンバの外側にあるときに回避されることが重要である。
検出チャンバへの磁気移送
【0050】
いったん溶出チャンバが溶出緩衝剤で充填されると、磁石ステージおよびマニホールドモータは、洗浄チャンバ181から接続通路187を通して溶出チャンバ184の中にビーズボーラスを引動するように、所定のシーケンスで制御される。
測定の準備
【0051】
いったんビーズボーラスが溶出チャンバに入ると、洗浄プロセスに類似するプロセスが、溶出チャンバ内で行われる。洗浄ステップは、汚染物質を懸濁され、洗い流されるべき状態で残したが、溶出プロセスは、標的被分析物(および対照被分析物)にかつて結合された標識を、解離された状態で懸濁液内に残すように設計される。カートリッジの精密な回転移動と組み合わせられる、上側および下側磁石の複合移動は、チャネルの長さを横断して、ビーズボーラスを繰り返して分散および再凝結させる。溶出緩衝剤は、標的被分析物と常磁性捕捉ビーズとの間の非共有結合、ならびに溶出チャンバ内に溶出標識の均質な溶液をもたらす、標的被分析物とその標識との間の結合を開裂する。同一の開裂が、対照分析物に関して生じる。本明細書に簡潔に説明される精製プロセス全体は、1対1の関係で単離された標的被分析物およびその標的被分析物にかつて結合された標識のみを含有する、懸濁液を生成するように設計される。標的被分析物を捕捉するために使用される常磁性捕捉ビーズは、読取プロセスにとって雑音源である。標的被分析物結合が開裂される溶出シーケンス後、解離された常磁性捕捉ビーズは、磁石を介して、溶出チャンバ内の好ましい場所まで、かつ処理されたサンプルが読み取られるであろう場所から離れるように引動されてもよい。
測定
【0052】
測定ステップでは、共焦点レーザベースの光学システムが、溶出チャンバ内で、例えば、チャンバの壁、上面、および下面から離れた溶出チャンバ内の点において集束される。被分析物の測定、および検出は、溶出チャンバ184内で生じ、したがって、チャンバ184は、溶出チャンバおよび検出チャンバの両方の役割を果たし、両方の用語が、チャンバ184を指すために本開示の全体を通して使用される。カートリッジ自体は、超低自己蛍光材料から作製されてもよく、溶出緩衝剤、ポンプ材料、弁、流体ライン等は、溶出チャンバの中に搬送された場合、自己蛍光を発し得る材料を噴出または浸出させないように、選択されてもよい。小さい照会空間が、マニホールドモータを介して前後に所定のrpmにおいてカートリッジを回転させることによって、溶出チャンバ内の液体を通して走査される。照会空間は、レーザスポットの側方範囲およびレーザスポットを形成する光の円錐角の側方範囲によって画定される。照会空間はさらに、光学システム内の場に共役して位置付けられる共焦点停止のサイズによって光軸に沿って画定される。当業者が理解するであろうように、共焦点アーキテクチャが、焦点面から離れた位置から光を除去するために使用される。焦点面からさらに離れ、共焦点停止が小さいほど、遠隔位置から生じる、より多くの光が減衰される。結像用途では、本焦点外光の低減は、雑音を低減させ、鮮明な画像スライスを提供する。焦点面(または画像スライス)から離れた場所から生じる光は、画像スライス内の構造を表さず、したがって、雑音である。雑音低減の同一のプロセスが、本発明で採用されてもよいが、しかしながら、この場合、共焦点システムは、結像のために使用されない。レーザスポットが流体を通して走査するにつれて、これは、標的被分析物からの蛍光標識に遭遇し得る。そうするとき、レーザは、標識から蛍光を励起させ、個々の光子が、標識から放出され、光学システムによって、それらが計数される検出器上に指向される。焦点面に向かう途中で、かつ焦点面を越えて、レーザ光は、光学システムと、カートリッジ上の窓と、溶出チャンバの裏側と、溶出緩衝剤と、溶出チャンバの中にそれを進ませ得る任意の他の材料とを備える、ガラスおよび結合材料を含む、自己蛍光を発する要素に遭遇し得る。それらの構成要素からの任意の蛍光は、標的被分析物標識に由来しないため、雑音である。共焦点アーキテクチャは、焦点面内または近傍で標的被分析物標識からの信号を優先的に可能にすることによって、それらの信号を減衰させる。結果として、レーザが、標的標識にわたって通過するとき、検出器によって受光および計数される光子の流れは、背景光子レベルと比べて増加する。処理アルゴリズムは、上昇した光子計数を着目分子として検出および分類する。このように、標的被分析物からの個々の分子が、原サンプル内の標的被分析物の濃度を決定するように計数されることができる。
【0053】
本明細書に説明される本発明は、サンプル内の標的被分析物の濃度が低い、サンプル内の標的被分析物の数を精密に検出および定量化するための従来技術に優る実質的な利点を可能にする。さらに、本発明の方法および装置は、診療地点設定におっける展開のために好適な特性を有する。本明細書に開示される本発明の他の側面は、標的被分析物を単離し、それらの濃度を決定するように、サンプル処理および分析の方法を対象とする。これらの方法は、概して、上記のサンプル処理および測定と一致する、ステップを実装する。
(例示的実施形態)
【0054】
実施例およびシステムが、本明細書に説明される。用語「実施例」および「例示的」は、「実施例、事例、または例証としての役割を果たすこと」を意味するために本明細書で使用されることを理解されたい。「実施例」または「例示的」であるものとして本明細書に説明される、任意の実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴と比べて好ましい、もしくは有利として解釈されるものではない。以下の詳細な説明では、その一部を形成する、付随する図が参照される。図では、類似記号が、典型的には、文脈が別様に決定付けない限り、類似構成要素を識別する。他の実施形態も、利用されてもよく、他の変更も、本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく行われてもよい。
【0055】
本明細書に説明される例示的実施形態は、限定的であるように意図されていない。概して本明細書に説明され、図に図示されるような本開示の側面は、その全てが本明細書で明示的に検討される、多種多様な異なる構成で、配列され、代用され、組み合わせられ、分離され、設計され得ることを容易に理解されたい。
【0056】
別様に示されない限り、用語「第1の」、「第2の」等は、単に標識として本明細書で使用され、これらの用語が指す項目に序数、位置、または階層要件を課すことを意図していない。さらに、例えば、「第2の」項目の言及は、例えば、「第1の」もしくはより低い番号の項目、および/または、例えば、「第3の」もしくはより高い番号の項目の存在を要求または除外しない。
【0057】
本明細書の「一実施形態」、「実施形態」、「一実施例」、または「実施例」の言及は、実施例に関連して説明される、1つまたはそれを上回る特徴、構造、もしくは特性が、少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。本明細書内の種々の場所における語句「一実施形態」または「一実施例」は、同一の実施例を指している場合とそうではない場合がある。
【0058】
本明細書で使用されるように、規定機能を実施する「ように構成される」、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらなる修正後に規定機能を実施する潜在性を単に有するのではなく、いずれの改変も伴わずに規定機能を実施することが実際に可能である。換言すると、規定機能を実施する「ように構成される」、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、規定機能を実施する目的のために具体的に選択、生成、実装、利用、プログラム、および/または設計される。本明細書で使用されるように、「~するように構成される」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアが、さらなる修正を伴わずに規定機能を実施することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特性を表す。本開示の目的のために、特定の機能を実施する「ように構成される」ものとして説明される、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、加えて、もしくは代替として、その機能を実施する「ように適合される」ものとして、および/または「ように動作可能である」ものとして説明され得る。
【0059】
以下の説明では、多数の具体的詳細が、これらの詳細のうちのいくつかまたは全てを伴わずに実践され得る、開示される概念の徹底的な理解を提供するために記載される。他の事例では、公知のデバイスおよび/またはプロセスの詳細が、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するように省略されている。いくつかの概念が、具体的実施例と併せて説明されるであろうが、これらの実施例は、限定的であることを意図していないことを理解されたい。
例示的分析器システム
【0060】
一側面では、本開示は、分析器100と、カートリッジ150とを含む、図1に示される分析器システムを提供する。カートリッジ150は、サンプルを受容するように構成され、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための複数のチャンバを含む。分析器100は、図2の分析器100の後面図でより明確に見られる、光学システム120を含む。さらに、光学システム120の構成要素が、明確にするために、図3では分析器の他の部分と別個に示される。示されるように、光学システム120は、電磁放射線を提供し、カートリッジ150の検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、電磁放射線源121を含む。光学システム120はまた、第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、検出器122も含む。光学システム120の他の構成要素も、下記により詳細に説明される。
【0061】
分析器100はまた、図1に図式的に表される、コントローラ140も含む。コントローラ140は、分析器100によって行われるステップを実行するためのその上に記憶されたプログラム命令を伴う非一過性のコンピュータ可読媒体を含み、検出器122によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別する。コントローラ140は、プロセッサ141と、メモリ142と、ネットワークインターフェース143とを含む。
【0062】
コントローラ140のプロセッサ141は、コンピュータ処理要素、例えば、中央処理ユニット(CPU)、プロセッサ動作を実施する集積回路、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはネットワークプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、実行されている命令および対応するデータを一時的に記憶するレジスタメモリ、ならびに実施された命令を一時的に記憶するキャッシュメモリを含む。メモリ142は、コンピュータ使用可能メモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、もしくはハードディスクドライブ等の不揮発性メモリである。いくつかの実施形態では、メモリ142は、本開示の方法および動作を実行するためにコントローラ140によって実行可能である、プログラム命令を記憶する。ネットワークインターフェース143は、コントローラ140と他のコンピューティングシステムまたはデバイスとの間のデジタル通信を提供する。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェースは、イーサネット(登録商標)接続等の物理的有線接続を介して動作する。他の実施形態では、ネットワークインターフェースは、無線接続、例えば、IEEE 802.11(Wifi)またはBLUETOOTH(登録商標)を介して通信する。他の通信慣例もまた、可能性として考えられる。
【0063】
いくつかの実施形態では、分析器100は、カートリッジ内に設置された任意のサンプルを操作するため、かつ分析器に対してカートリッジを整合させるために、カートリッジを回転させるように構成される、少なくとも1つのモータを含む。いくつかの実施形態では、モータは、遠心分離機駆動モータであり、他の実施形態では、モータは、位置付けモータである。さらに、いくつかの実施形態では、分析器は、遠心分離機および位置付けモータの両方を含む。例えば、図1に示される分析器100は、遠心分離機101および位置付けモータ110の両方を含む。
【0064】
分析器100では、遠心分離機101は、少なくとも100rpmの速度においてカートリッジを回転させるために、カートリッジ150に結合される。遠心分離機101の詳細が、図4により明確に示される。図示されるように、遠心分離機駆動モータ103は、ドック102を使用して、カートリッジに結合するように構成される。ドック102は、(図9に示される)カートリッジ150の搭載開口153と噛合する、複数の位置合わせピン105およびカンチレバー型クリップ104等の保定機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カンチレバー型クリップ104は、カートリッジ150がドック102内に受容されるときに、カートリッジにわたって締め付ける、板ばねの端部にある。カンチレバー型クリップ104は、外向き方向にカートリッジ150に係合するように構成されてもよい。遠心分離機101が回転するにつれて、カンチレバー型クリップ104は、カートリッジ150上の保持力を増加させる遠心力によって外向きに押勢される。故に、カートリッジ150は、分析器100の中に挿入されたときに、ドック102内でしっかりと保持されてもよい。
【0065】
ドック102は、ドック102およびそれに取り付けられるカートリッジ150を回転させるために、遠心分離機駆動モータ103に接続される。さらに、遠心分離機駆動モータ103は、動作の間の遠心分離機101の高速精密制御のために、電子駆動位相センサ106と、フラグホイール107とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ドック102が、遠心分離機駆動モータ103によって直接駆動される一方、他の実施形態では、ギヤボックスまたはベルト駆動等の電力移送システムが、ドック102を遠心分離機駆動モータ103に結合するために使用されてもよい。下記に解説されるように、ドック102はまた、マニホールド108(図1参照)によって駆動されてもよい。遠心分離機101の動作の具体的実施形態が、下記により詳細に説明される。
【0066】
いくつかの実施形態では、分析器は、それぞれ、カートリッジの個別のポートに結合するように構成される、複数のポートを伴うマニホールド108を含む。カートリッジ150に結合されるマニホールド108の描写が、図5に示される。さらに、マニホールド108の底面図が、ポート111-114を図示するように図6に示される。いくつかの実施形態では、マニホールドは、流体をカートリッジ150に供給するための供給ポート111、112と、カートリッジ150から流体を引き込むための引込ポート113、114とを含む。いくつかの実施形態では、供給ポート111、112が、1つまたはそれを上回る液体をカートリッジ150に提供するために使用される一方、引込ポート113、114は、カートリッジ150からガスを抽出することによってカートリッジ150の中に液体を引き込む。他の実施形態では、引込ポートは、カートリッジ150から液体または液体およびガスの両方を抽出する。流体をカートリッジへおよびそれから移送するために、マニホールド108は、ポート111-114に接続される流体ライン115を含む。
【0067】
マニホールド108のポートはそれぞれ、マニホールド108とカートリッジ150との間の流体移送を単離するために、カートリッジ150の個別の対応するポートを被覆するシールを含んでもよい。例えば、ポート111-114はそれぞれ、カートリッジ150の個別のポートを囲繞する、マニホールドとカートリッジポートとの間のシールを生成するためのOリングまたは他の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ150のポートは、カートリッジ150が分析器内に設置されるときにすでに開放している。他の実施形態では、マニホールドは、カートリッジ150のポートのそれぞれを開放するように、カートリッジ150を穿刺するように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、マニホールド108は、カートリッジ150が遠心分離機101によって高速で回転されるときに、マニホールド108がカートリッジ150から分断されることを可能にする、可動アーム109(図1に示される)上に配置される。カートリッジ150へのマニホールド108の結合が、整合構造によって可能にされ得る。例えば、マニホールド108は、カートリッジの搭載開口153内に受容されるピンを含んでもよい(図9参照)。他の実施形態では、ドック102のピン104は、カートリッジ150の搭載開口153を通してマニホールド108内の受容孔の中に通過してもよい。そのような構造は、マニホールド108、カートリッジ150、およびドック102の間に確実な接続を提供する。他の搭載構造も、当業者によって理解されるであろうように可能性として考えられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、分析器100は、カートリッジ150に結合される、位置付けモータ110を含む。いくつかの実施形態では、位置付けモータ110は、カートリッジ150に結合する、マニホールド108に結合されてもよい。位置付けモータ110は、カートリッジ150の検出チャンバ184(図9参照)を第1の電磁放射線源121からの電磁放射線と整合させるように、カートリッジ150を枢動させるように構成されてもよい。さらに、位置付けモータ110は、1つまたはそれを上回る磁石と協調して、もしくはサンプルの流体動力学によって、下記により詳細に説明されるように、カートリッジ150のチャンバを通して標的被分析物を循環させるためにさらに使用されてもよい。位置付けモータ110は、ステッピングモータまたは具体的位置付け制御を伴う別のアクチュエータであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、位置付けモータ110の場所は、2°の回転以内に、または1°の回転以内に、もしくは1°増分よりも小さく規定されてもよい。位置付けモータ110を使用することの実施形態の具体的実施例が、下記により詳細に説明される。
【0070】
いくつかの実施形態では、位置付けモータ110が、マニホールド108に直接結合される一方、他の実施形態では、ギヤボックスまたはベルト駆動等の電力移送システムが、位置付けモータ110とマニホールド108との間に配置されてもよい。図1に示される分析器100では、位置付けモータ110は、マニホールド108を介してカートリッジ150に結合される。特に、マニホールド108は、位置付けモータ110のシャフト上に配置される。故に、マニホールド108およびカートリッジ150は、その間の閉鎖流体接続を維持しながら、同期して移動してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、分析器100は、第1の電磁放射線源121からの電磁放射線をカートリッジ150の検出チャンバ184に指向し、標識によって放出される電磁放射線を第1の検出器122に指向する、光学システム120(図2-3)を含む。光学システム120は、電磁放射線を操作し、照会空間へおよびそれから指向するための1つまたはそれを上回るミラーならびにレンズを含んでもよい。加えて、光学システムは、第1の電磁放射線源からの電磁放射線をカートリッジ150内の照会空間に集束させるための図7に示されるような対物レンズ123を含んでもよい。いくつかの実施形態では、対物レンズ123は、カートリッジ150に対する対物レンズの移動を可能にする、可動ステージ124に結合される。
【0072】
いくつかの実施形態では、光学システム120は、共焦点システムである。例えば、電磁放射線源121は、検出チャンバ184内の対物レンズレンズ123の焦点面内のスポットとして結像される。電磁放射線源121によって励起される、検出チャンバ184内の標識から放出される光は、対物レンズレンズ123によって収集され、図3に示されるように、光学システム120によって光学システム120内の共焦点停止125上に指向される。共焦点停止125は、次いで、検出器122上に結像される。共焦点配列は、焦点面を越える光を除外しながら、対物レンズ123の焦点面内の標識からの光を優先的に通過させる。このように、配列は、標識から生じていない、液体懸濁液、カートリッジ、および光学システム内の要素からの光を除外しながら、標識からの信号を通過させることによって、信号対雑音比を増加させる。当業者に公知であるように、本配列はまた、ダイクロイックフィルタ126を使用し、レーザ光を反射させ、標識によって放出される光を通過させ、レーザ光が検出器に到達しないように禁止しながら、標識からの光のみが、検出器に到達することを可能にし得る。さらに、1つを上回る放射線源が、付加的標識の検出のために使用される場合、1つまたはそれを上回る付加的ダイクロイックフィルタ126が、図2および図3に示されるように、第2の電磁放射線源および第2の標識からの電磁放射線を通過させながら、第1の電磁放射線源および標識からのレーザおよび標識電磁放射線を反射するために使用されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、分析器100の構成要素の全ては、共通筐体内に配置される。共通筐体は、カウンタートップ上に嵌合するように、サイズが小さくあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、共通筐体の寸法は、任意の方向に1メートルと同程度である。さらに、いくつかの実施形態では、共通筐体は、30インチ×30インチ×30インチの立方体内に嵌合する。
【0074】
いくつかの実施形態では、コントローラ140は、ユーザから制御情報を受信するため、かつ分析データをユーザに出力するためのネットワークインターフェース143を含む。例えば、いくつかの実施形態では、分析器は、スマートフォン、テーブル、ノートブック,コンピュータ、またはデスクトップコンピュータ等の外部デバイス上のソフトウェアを介して、ユーザと通信する。分析器は、ネットワークインターフェースを介して外部デバイスと通信することによって、外部デバイスのユーザから情報を受信し、ユーザに情報を出力する。そのような通信は、USBまたは他のバス等の無線もしくは有線接続を通してもよい。いくつかの実施形態では、分析器100は、入力を受信するためのキーボード等のユーザと直接通信するための入力および/または出力デバイスと、情報を出力するためのディスプレイとを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ディスプレイは、情報の出力およびユーザからの情報の受信の両方のためのタッチスクリーンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、分析器は、ネットワークインターフェースと、入力と、ディスプレイとを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、任意の弁を含むカートリッジ150を伴わずに、カートリッジ150のチャンバを通してサンプルの一部を指向するステップを含む。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、いずれの弁も含まない。
【0076】
いくつかの実施形態では、カートリッジ150内の液体は、下記により詳細に説明されるように、カートリッジの供給および引込ポートに結合されるポンプ116-118ならびに弁を使用して、カートリッジを通して少なくとも部分的に移動される。分析器100の流体移送構成要素の概略図が、図8に示される。カートリッジ150内のサンプルの一部の操作もまた、磁石等の外部原動力を使用して、またはカートリッジ150の移動によって、かつカートリッジの周囲にサンプルの一部を移動させるために慣性および流体動力学を利用して、促進されてもよい。
【0077】
図8に示されるように、いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、カートリッジ150から流体を導入および抽出するための複数のポート154-157を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、入口ポート154、155と、出口ポート156、157とを含む。入口ポート154、155は、マニホールド108の供給ポート111、112と整合するように構成されてもよい。同様に、カートリッジ150の出口ポート156、157は、マニホールド108の引込ポート113、114と整合するように構成されてもよい。カートリッジ150の入口および出口ポートの使用が、下記にさらに詳細に説明される。
【0078】
別の側面では、本開示は、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための複数のチャンバを提供する。
【0079】
いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、平面的であり、カートリッジのチャンバは、単一の平面内に位置する。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、平坦なカートリッジであり、カートリッジのチャンバは、カートリッジの周囲に円周方向に位置付けられる。本明細書で使用されるような用語「円周方向に」は、半径方向または軸方向と対照的に、角度または円周方向を指す。別様に記述されない限り、用語「円周方向に」は、カートリッジの円周全体を中心として延在することを意味せず、むしろ、回転面内の円周方向を表すことを意図する。いくつかの実施形態では、少なくともチャンバの群が、カートリッジの一部の周囲に円周方向に連続的に接続されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、基部と、基部にわたって配置される本体と、本体にわたって配置されるカバーとを含んでもよく、本体は、カートリッジ150の複数のチャンバを画定する、それを通して延在する開放経路を含む。いくつかの実施形態では、本体は、単一の一体部品であってもよい。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジのチャンバおよび相互接続チャネルの全ての側壁は、本体を形成する単一の一体部品によって形成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、本体および基部はともに、単一の一体部品を形成し、カバーは、それに取り付けられる。同様に、他の実施形態では、本体およびカバーは、単一の一体部品を形成し、基部は、それに取り付けられる。例えば、本実施形態では、本体および基部は、厚さ5mmである環状オレフィンポリマーの単一の成型部品であってもよく、カバーは、厚さ188ミクロンである環状オレフィンポリマーの積層であってもよい。積層は、ともに接合されている材料と同程度に頑丈である接合を提供するように、レーザ溶接または超音波溶接を使用して本体に接合されてもよい。いくつかの実施形態では、基部、本体、およびカバーは、積層構造の層であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基部およびカバーは両方とも、本体の対向側にわたって積層される。いくつかの実施形態では、カートリッジ150のカバーおよび基部は、カートリッジのチャンバおよびマイクロ流体チャネルにわたって延在し、それを閉鎖するが、それらは、カートリッジから流体を供給または抽出するための上記に説明されるようなポートを含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、50マイクロリットル~1ミリリットルの範囲内のサンプルを受容するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジは、100~300マイクロリットルの範囲内のサンプルを受容するように構成される。特に、カートリッジは、サンプルを受容するための計測チャンバを含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、複数のチャンバのうちの少なくとも1つ内に貯蔵される試薬を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジは、安定しており、カートリッジが分析器の中に挿入される前に乾燥される、試薬を含む。例えば、試薬は、カートリッジの1つまたはそれを上回るチャンバの表面上に凍結乾燥または乾燥されてもよい。またはそれらは、チャンバまたはカートリッジのうちの1つまたはそれを上回るものの中に設置される、凍結乾燥ペレットの形態であってもよい。
【0083】
カートリッジが、分析器内で回転する円盤の形態で本明細書に示され、説明されるが、他の実施形態では、カートリッジは、円盤ではない。さらに、本開示のいくつかの側面が、カートリッジを全く使用することなく実行される。例えば、いくつかの実施形態では、本開示の側面は、異なるチャンバを形成する離散的な別個の要素内で実行される。
処理品質制御カメラ
【0084】
いくつかの実施形態では、分析器100は、カートリッジ150を通した物質の移動を監視するための処理品質制御カメラを含む。例えば、処理品質制御カメラは、カートリッジ150の内側の物質を視認するように、カートリッジ150にわたって搭載されてもよい。いくつかの実施形態では、処理品質制御カメラは、可視波長スペクトル内で検出される光のみの表現を出力するように構成される、すなわち、カメラは、赤外線または紫外線光を検出することを可能にされない。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、サンプル処理が期待通りに生じることを確認するように、または任意の予期しない状況を検出するように、処理品質制御カメラからの画像を分析するように構成される。例えば、コントローラ140は、カートリッジ内の望ましくない気泡の存在を検出するように構成されてもよい。処理品質制御カメラを使用することの他の例示的実施形態が、下記に説明される。
【0085】
いくつかの実施形態では、分析器は、処理品質制御カメラの視野を照明するように位置付けられる、ストロボを含む。例えば、ストロボは、回転されるにつれてカートリッジ150の具体的領域を監視するために、カートリッジ150の回転速度に対応する周波数においてアクティブ化するように構成されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、ストロボは、遠心分離機101がカートリッジ150を回転させているときに使用されてもよい。
光学品質制御カメラ
【0086】
いくつかの実施形態では、分析器100は、光学システム120の性能を監視するための光学品質制御カメラを含む。例えば、光学品質制御カメラは、電磁放射線が適切な強度を有する、正しい場所で集束される、および/または正しい強度プロファイルを有することを可視化するために、スライド上のミラーを使用して、共焦点停止が共焦点停止においてレーザを結像する前および後に光学経路を妨害してもよい。共焦点停止においてレーザを結像するために、対物レンズは、電磁放射線源がカートリッジ150上の窓の表面上に結像されるように、位置付けられてもよい。これが行われるとき、放射線の一部は、窓および窓の反対側の媒体の屈折率の差異に起因して、対物レンズに向かって戻るように窓から反射するであろう。本放射線は、光学システムによって共焦点停止上に結像されるであろう。カートリッジ上の窓は、検出チャンバの窓の厚さおよび窓と電磁放射線の集束スポットとの間の流体層の高さをシミュレートするように、正しい厚さで定寸されてもよい。共焦点停止における電磁放射線の画像は、コントローラ140によって分析されることができる。コントローラ140は、光学品質制御カメラからの画像を分析し、電磁スポットが、共焦点停止に対して正しいサイズ、形状、強度、および位置であることを検証し、光学システムに異常がないことを確実にするために使用されてもよい。測定されたサイズ、形状、強度、および位置は、これらのパラメータに関する既知の許容値と比較されることができる。測定値が、許容値外である、または許容値の限界に接近している場合、コントローラは、分析器のユーザに通知する、または分析器の使用を防止することができる。
例示的方法
【0087】
図10-18は、サンプルが血液である、本開示の種々の実施形態を利用する例示的カートリッジおよび方法を図示する。他の実施形態では、使用されるカートリッジおよび方法のチャンバは、他のサンプルタイプにも適し得る。例えば、本開示の分析器、方法、およびカートリッジは、尿、希釈便、または口腔液等の他の生物学的流体と併用するために適し得る。他のタイプのサンプルもまた、可能性として考えられる。さらに、サンプルは、純正である、または希釈されてもよい。
装填およびサンプル分離
【0088】
図10に示されるように、カートリッジ150は、最初に、入口チャンバ158内のサンプル152を装填される。入口チャンバ158は、分析に先立ってサンプル152を受容する、入力ポート151を含む。いくつかの実施形態では、サンプル152は、例えば、シリンジを使用する医療専門家またはロボットによって、分析器100内の挿入に先立って、カートリッジ150内に受容される。他の実施形態では、入口チャンバ158は、カートリッジ150が分析器100内に受容された後に、サンプル152を装填される。上記に述べられるように、いくつかの実施形態では、入力ポート151は、サンプル152の挿入に先立って、シールされることができ、シールは、サンプル152の挿入を可能にするように、穿刺されるか、または除去されるかのいずれかであり得る。他の実施形態では、入力ポート151は、「開放される」ことなく、サンプル152を受容するために利用可能である、単純な開口部であり得る。いくつかの実施形態では、入力ポート151は、サンプルが入力された後にシールされることができる。他の実施形態では、マニホールド108は、マニホールドがカートリッジと接触しているときにポートを被覆するためのシールを含有する。いくつかの実施形態では、入口チャンバ158が、具体的な量のサンプルを受容するように構成される計測チャンバである一方、他の実施形態では、入口チャンバ158は、大きく定寸され、分析で使用されるよりも多くのサンプルを収容することができる。図9-18の図示される実施例における入口チャンバ158は、約200μlの液体を受容するように構成される。
【0089】
いったんサンプル152が図10に示されるように入口チャンバ158の中に装填され、カートリッジ150が分析器100の中に挿入されると、カートリッジ150は、遠心分離機101がカートリッジ150内で回転し得るように、遠心分離機101に結合される。下記により詳細に解説されるように、カートリッジ150内のチャンバおよびチャネルの幾何学形状は、カートリッジ150を通した流体の移送に影響を及ぼすように設計される。これらの幾何学形状の理解を促進するために、以下の説明は、円筒/極性方向を参照する。特に、用語「内側」、「内向き」、「外側」、「外向き」、および類似記述子の使用は、典型的には、カートリッジの幾何学中心の近傍に位置する、カートリッジの回転の中心に対して半径方向内側および半径方向外側方向を指す。説明はまた、カートリッジが第1の円周方向に回転されるように構成される、カートリッジが遠心分離機によって回転されるように構成される方向に関連する、第1の円周方向および第2の円周方向も参照する。例えば、チャンバの第1の円周端における面積が、同一のチャンバの第2の円周端における面積の前に定常参照位置を通過するであろう。図9-18に示される実施形態では、第1の円周方向方向は、時計回りであるが、しかしながら、カートリッジの他の実施形態は、これらの実施形態では、第1の円周方向が反時計回りであるように、反対方向に回転するように構成されてもよい。
【0090】
カートリッジ150が分析器100内に装填されると、遠心分離機101は、図11に示されるように、入口チャンバ158から入口チャネル159を通して分離面積160の中にサンプル152を移動させるために、カートリッジ150を回転させるようにアクティブ化される。カートリッジ150の回転は、「遠心力」、すなわち、回転されたときに物体を外向きに移動させる慣性現象の結果として、サンプル152を半径方向外向きに移動させる。サンプル体積が、分析のために必要とされる量を上回る場合、任意の過剰分が、溢流チャネル165を通して分離面積160から流出してもよい。いくつかの実施形態では、入口チャンバ158は、分離面積160へのサンプルの移送を促進するように、カートリッジ150の中心からオフセットされてもよい。他の実施形態では、入口チャンバ158は、いったんサンプルを装填されると、円盤形カートリッジ150の回転が、カートリッジ150内に受容されるサンプルおよび任意の他の液体を入力ポート151から離して保つであろうように、カートリッジ150の中心に位置する。さらに、いくつかの実施形態では、入力ポート151は、カートリッジ150上に心合されてもよい。いくつかの実施形態では、入口チャンバ158から分離面積160までサンプルを移動させるために、カートリッジは、例えば、2,000rpm/秒の率において0rpm~1,000rpm回転され、数秒、例えば、2~10秒にわたってその速度において保持されてもよい。したがって、サンプル移送は、非常に迅速に生じ得る。提供される回転率および加速度は、例示的であり、選定される実際の率は、処理されているサンプルに依存し、100rpm/秒~8,000rpm/秒の間で変動する加速度を伴って回転が100~10,000rpmに変動し得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、分離面積は、分離された後にサンプルの異なる構成成分を保持するように構成される、内側分離チャンバ161と、外側分離チャンバ162とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、内側分離チャンバの中心は、回転の中心から19mmに位置してもよく、外側分離チャンバの中心は、回転の中心から28mmに位置してもよい。遠心分離機がカートリッジ150を回転させるにつれて、サンプルのより濃厚な構成成分が、外側分離チャンバ162の中に半径方向外向きに押動される一方、あまり濃厚ではない構成成分は、内側分離チャンバ161の中に半径方向内向きに移動する。いくつかの実施形態では、分離面積160の内側および外側分離チャンバ161、162は、例えば、回転の中心から22mmに位置する縮径部163によって分離される。縮径部163は、チャンバのいずれかよりも小さい断面積を有する。例えば、いくつかの実施形態では、縮径部163が、3mmの断面積を有してもよい一方、内側分離面積162は、12mmの平均断面積を有し、外側分離面積162は、30mmの平均断面積を有する。本例示的実施形態では、径部163が、より濃厚な構成成分が下向きに移動することを容易に可能にするように定寸される一方、あまり濃厚ではない構成成分は、径部163を通して迅速に上向きに移動する。しかしながら、下記に議論されるように、縮径部163は、カートリッジが急速に減速されるときに、内側分離面積161の中へのより濃厚な構成成分の移動を限定する。
【0092】
さらなる処理のために、サンプルの正確な濃度値を発生させるために、サンプルの精密な体積が、把握されるべきである。サンプルが、分離面積160を充填することができず、非意図的に無駄にされる場合、または分離面積が、サンプル体積を上回るものを受け入れるように定寸される場合、正確な濃度値は、取得することが困難であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、カートリッジ150は、分離面積160の中への流体の精密な量を計測するための種々の特徴を含んでもよい。
【0093】
例えば、カートリッジ150のいくつかの実施形態は、特に、入口チャンバ158から後続のチャンバまでのサンプルの移送の間に、カートリッジ内の空気の閉じ込めを回避するための1つまたはそれを上回る特徴を含んでもよい。サンプルがその中に装填されるにつれて、空気が分離面積160内に閉じ込められる場合、サンプルの一部が、溢流チャネル165を通して時期尚早に流動し得、分離面積160の中へのサンプルの精密な計測が、失敗し得る。故に、装填の間にカートリッジ内の閉じ込められた空気の形成を回避することが、有益である。
【0094】
いくつかの実施形態では、入口チャネル159は、内側分離チャンバ161の第1の円周端に結合される。サンプルが入口チャンバ158から外向きに、入口チャネル159を通して分離面積160の中に移動するにつれて、遠心分離機101による第1の円周方向へのカートリッジ150の回転および/または加速は、サンプルを第2の円周方向に流動させることができる。故に、入口チャネル159が、内側分離チャンバ161の中央に結合される場合、付加的予防措置が、内側分離チャンバ161の内側に向かった第1の円周端における角の中の閉じ込められた空気の形成を回避するために必要であり得る。しかしながら、入口チャネル159が、図9-18のカートリッジ150に示されるように、内側分離チャンバ161の第1の円周端に結合される場合、第1の円周方向に入口チャネル159開口部よりも遠くにある内側角の包含が、回避される。同様に、そのような角に閉じ込められ得る空気もまた、回避される。
【0095】
さらに、いくつかの実施形態では、入口チャネル159は、分離面積160と比較して、サイズおよび深度が縮小されてもよい。そのような縮小は、分離面積160の中へのサンプルの流動を減速し、空気が、充填している間に分離面積160からパージされることを可能にすることができる。さらに、縮小されたサイズおよび深度はまた、同様に閉じ込められた空気を形成し得る、分離面積160の断面を横断した液体のシートの形成を回避することにも役立ち得る。例えば、一実施形態では、入口チャネル159の深度が、0.5mmであってもよい一方、内側分離チャンバ161の深度は、2mmである。故に、入口チャネル159から内側分離チャンバ161の中に流入するサンプルの流れは、内側分離チャンバ161の深度全体に跨架せず、空気が、流れの周囲に流動し、分離面積160から流出することを可能にするであろう。
【0096】
さらに、いくつかの実施形態では、入口チャネル159の断面積は、内側分離チャンバ161と外側分離チャンバ162との間の縮径部163の断面積よりも狭くあり得る。例えば、入口チャネル159が、0.5mmの断面積を有してもよい一方、縮径部163は、3mmの断面積を有する。故に、分離面積160の中へのサンプルの体積流率は、縮径部163を圧倒し、外側分離チャンバ内に空気を閉じ込める可能性が低い。
【0097】
外側分離チャンバ162内の空気の閉じ込めを防止するために、いくつかの実施形態では、外側分離チャンバ162の内縁164は、内縁164が外側分離チャンバ162から内側分離チャンバ161を分離する縮径部163に接近するにつれて、内向きに突出する角度において延在する。故に、外側分離チャンバ162がカートリッジの回転に起因してサンプルで充填されるにつれて、外側分離チャンバ162内の空気は、内縁164まで内向きに「浮動」し、次いで、縮径部163まで内縁164を辿るであろう。空気は、次いで、縮径部163を通して、内側分離チャンバ161を通して、分離面積160から外に通過するであろう。
【0098】
いくつかの実施形態では、コントローラ140は、分離面積160が充填された後に、処理品質制御カメラを使用して、分離面積160またはその一部の画像を捕捉するように構成される。コントローラはさらに、画像を分析し、分離面積160内の任意の気泡の体積にいずれの気泡もないこと、または分離面積内の空気の体積が事前決定された閾値を下回ることを確認するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、分離面積160内の任意の気泡の形状を計算し、分離面積160内の空気の全体的体積を計算するように構成されてもよい。空気の計算された体積が、事前決定された閾値を上回る場合、コントローラは、分析を中断するように構成されてもよい。同様に、コントローラは、空気の計算された体積が事前決定された閾値を下回る、またはゼロである場合、分析を継続するように構成されてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、分離面積160および周辺チャネルは、サンプルの精密な計測およびサンプルの成分の制御された分離のための1つまたはそれを上回る特徴を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、溢流チャネル165は、分離面積160の中へのサンプル152の量の精密な計測を可能にするように位置付けられてもよい。カートリッジ150内に受容されるサンプル152の量が、分析のために必要とされるものを上回る場合、過剰分が、溢流チャネル165を通して排出するであろう。いくつかの実施形態では、溢流チャネル165は、過剰な液体が貯蔵され得る、廃棄物チャンバ166に至る。
【0100】
カートリッジ150の回転およびサンプル上の遠心力に起因して、分離面積160は、内側端に向かって外側端から充填される。故に、溢流チャネル165の開口部を内側分離チャンバ161内の特定の半径方向位置に位置付けることは、分離面積160の中に装填され得るサンプルの数量を決定付ける。例えば、遠心分離機101がカートリッジ150を回転させるにつれて、サンプルは、外側分離チャンバ162の外側端に向かって移動し、分離面積160が充填されるにつれて内向きに移動する充填線を生成するであろう。いったん充填線が、例えば、17mmの半径方向距離において、溢流チャネル165の半径方向位置に到達すると、分離面積160に進入するサンプルの任意の付加的体積が、溢流チャネル165を通して分離面積160から退出するであろう。したがって、分析されるであろうサンプルの数量は、溢流チャネル165の半径方向位置に基づいて、精密に計測されることができる。
サンプル構成成分の分離
【0101】
図12に示されるように、サンプルが分離面積160の中に装填された後、遠心分離機101は、サンプル152を異なる構成成分に分離するために、カートリッジ150を回転させ続けてもよい。例えば、遠心分離機101は、サンプルのより濃厚な構成成分を外向きに送り、あまり濃厚ではない構成成分を半径方向内向きに残すように、カートリッジ150を回転させてもよい。いくつかの実施形態では、遠心分離機101の速度は、サンプル152の構成成分を分離するように増加されてもよい。例えば、一実施形態では、サンプルを装填した後、遠心分離機101は、カートリッジ150を2,000rpm/秒の加速度において1,000rpmの速度まで加速してもよい。1,000rpmに到達することに応じて、遠心分離機101はさらに、5,000rpm/秒においてカートリッジ150を7,000rpmの率まで加速し、90秒にわたってその率を保持し、構成成分を分離してもよい。別の実施形態では、遠心分離機101は、初期移送回転速度を省き、2,000rpm/秒の加速度において0rpmから10,000rpmの分離速度に直接進んでもよい。分離ステップは、分析されているサンプル、回転の中心からの分離チャンバの半径、および破砕に抵抗するためのカートリッジ150の強度に応じて、1,000rpm~20,000rpmの回転速度において生じてもよい。分離の持続時間は、10秒~5分の範囲内で実行されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、サンプル152は、全血であってもよく、カートリッジ150の継続的回転が、図12に描写されるように、血漿から赤血球を分離してもよい。例えば、図示される実施形態の分離面積160では、内側分離チャンバ161は、血漿コンパートメントとして作用してもよく、外側分離チャンバ162は、赤血球トラップとして作用してもよい。カートリッジ150の高速回転に応答して、より濃厚な赤血球が、半径方向外向きに押動される一方、あまり濃厚ではない血漿は、血漿コンパートメント161の中に半径方向内向きに移動する。
【0103】
外側分離チャンバ162の角度付き内縁164は、上記に説明されるように、外側分離チャンバ162からの空気の除去を助長したことと類似する様式で、サンプルの構成成分を分離することを支援し得る。遠心分離機101がカートリッジ150を回転させるにつれて、より濃厚な構成成分は、外向きに移動し、あまり濃厚ではない構成成分は、内向きに移動するであろう。故に、充填プロセスの間の外側分離チャンバ162内の空気の流路と同様に、サンプルの軽い構成成分は、内向きに移動し、次いで、縮径部163に到達し、内側分離チャンバ161に通過するまで、外側分離チャンバ162の角度付き内縁164を辿るであろう。
【0104】
いくつかの実施形態では、コントローラ140は、分離プロセス後に、処理品質制御カメラを使用して、分離面積またはその一部の画像を捕捉するように構成されてもよい。コントローラ140はさらに、画像を分析し、分離面積160内のサンプルのより濃厚な構成成分の充填レベルを決定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、サンプルのあるより濃厚な構成成分が事前決定された充填レベルから外向きに移動したことを確認するように構成される。コントローラは、同様に、そのような確認に応答して、分析を継続するように構成されてもよい。
【0105】
例えば、サンプルが全血である場合、コントローラ140は、画像を分析し、分離面積内の赤血球の充填レベルを決定するように構成されてもよい。赤血球の充填レベルが、事前決定された半径の外側にある場合、コントローラ140は、分析を継続するように構成されてもよい。他方では、赤血球の充填レベルが、事前決定された半径の内側にある場合、コントローラ140は、血液サンプルの構成成分をさらに分離するために、制御信号を遠心分離機101に送信し、カートリッジを回転させ続けるように構成されてもよい。例えば、画像が、分離時間の90秒において捕捉および分析されてもよい。赤血球のレベルが、例えば、回転の中心から22mmの閾値距離の内向きにある場合、コントローラ140は、付加的画像を捕捉し、赤血球のレベルを再評価する前に、制御信号を送信し、さらに30秒にわたって回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本付加的制御信号の持続時間または速度は、赤血球の識別された充填レベルに基づいてもよい。代替として、コントローラ140は、分析を中断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、赤血球を除外するサンプルの一部を移送するように構成される。赤血球の包含は、分析に影響を及ぼし得る、ヘモグロビンを血漿に添加し得る。故に、赤血球の充填レベルを識別することは、さらなる分析のために移送される血漿の品質が決定されることを可能にする。
【0106】
同様に、いくつかの実施形態では、分離プロセス後の分離面積160の画像は、内側分離チャンバ内の血漿の透明度を決定するように、コントローラによって分析されてもよい。さらに、コントローラ140は、血漿が閾値透明度を満たすことを確認することに応答して、分析を進めるように構成されてもよい。
【0107】
さらに依然として、いくつかの実施形態では、コントローラ140は、分離された血液サンプルの画像を分析し、赤血球線の半径方向距離および回転の時間に基づいて、血液のヘマトクリットレベルを決定するように構成されてもよい。当業者は、所与のチャンバ幾何学形状、回転率、および回転時間に関して、より低いヘマトクリットレベルの血液が、より高いヘマトクリットレベルを伴う血液よりも大きい半径において分離線を呈するであろうことを容易に理解するであろう。所与のカートリッジ幾何学形状および回転パラメータに関して、異なるヘマトクリットレベルが、コントローラ140内に記憶される較正テーブルを決定するように起動および評価されることができる。未知のヘマトクリットのサンプルが起動されるとき、分離線が、所定の回転時間後に、起動されているサンプルのヘマトクリットレベルを決定するように、コントローラ内に記憶された値と比較されることができる。さらに、コントローラ140は、ヘマトクリットレベルが事前決定された閾値を下回ることを確認することに応答して、分析を進めるように構成されてもよい。
上清の移送
【0108】
図13に示されるように、サンプル152の一部が、分離面積160から延在するサイフォン167を通して、分離面積160から除去されてもよい。サイフォン167は、混合チャンバ175等の第2のチャンバに至る、1mmの断面積を伴うマイクロ流体チャネルの形態であってもよい。サイフォン167は、分離面積160から延在する第1の区分168と、頂点169と、頂点169から混合チャンバ175まで延在する第2の区分170とを含んでもよい。サイフォン167の第1の区分168は、半径方向内向きの構成要素を有する方向に、頂点169に向かって内側分離チャンバ161から離れるように、サイフォン入口171から延在する。さらに、第2の区分170は、頂点169から、サイフォンのサイフォン入口171よりもさらに半径方向外向きにあるサイフォン出口172まで延在する。例えば、サイフォン入口171が、回転の中心から21mmの半径方向位置にあってもよい一方、サイフォン頂点は、回転の中心から16mmにあってもよく、サイフォン出口172は、回転の中心から30mmの半径方向距離にあってもよい。他の半径方向距離も、サイフォン出口172がサイフォン入口171よりも大きい半径方向距離にあり、頂点169がサイフォン入口171およびサイフォン出口171の両方未満の半径方向距離にある限り、用途の必要性に合うように選定されてもよい。したがって、頂点169は、サイフォン167の半径方向最内点であり、サイフォン出口172は、サイフォン入口171と比較して半径方向外向きである。故に、遠心分離機の回転が、概して、サンプルを半径方向外向きに駆動するため、いったんサンプルの一部が頂点169にわたって通過すると、サイフォン167は、内側分離チャンバ161から混合チャンバ175までサンプルの一部を駆動するであろう。
【0109】
いくつかの実施形態では、サイフォンは、プライミングされてもよい、すなわち、サンプルの一部が、毛管作用を通して吸い上げ作用を開始するように、頂点を越えて強く動かされてもよい。換言すると、吸い上げ作用が内側分離チャンバ161からさらなる流体を引き込むまで、毛管力が、サイフォン167の第1の区分168の中に、かつ頂点169を越えてサンプルを引き込んでもよい。サイフォン167の断面積は、毛管作用を促進するように、より小さい、例えば、約0.1mm~約0.3mm、または約0.2mmであってもよい。他の実施形態では、サイフォン167は、サンプルが頂点を通過するまでサイフォン167の中にサンプルを引き込む、ポンプの使用を通して、プライミングされてもよい。
【0110】
さらに、いくつかの実施形態では、サイフォンは、加速によってプライミングされてもよい。例えば、一実施形態では、カートリッジ150が7,000rpmにおいて分離ステップを完了した後、これは、サイフォンステップを準備するように、遠心分離機101によって2,000rpm/秒において3,000rpmまで減速される。カートリッジ150が、第1の円周方向に回転している間に、慣性が、サンプルを推進させ、その方向に移動し続けさせるであろう。故に、カートリッジ150が、例えば、8,000rpm/秒において3,000rpmから0rpmまで迅速に減速される場合、慣性が、サンプル152を第1の円周方向に移動し続けさせ、サンプルは、第1の円周方向に沿ったその延在に起因して、サイフォン167の第1の区分168を通して、かつ分離面積160の充填レベルの半径方向外向きにある頂点169を通して流動するであろう。本時点で、遠心分離機101は、回転方向を2,000rpm/秒の加速度において-1,000rpmに逆転させ、その速度を保持してもよい。遠心力が、チャネル170内の流体を、サイフォン入口171の半径方向に外向きにあるサイフォン出口172に向かって半径方向外向きに移動させるであろう。分離面積160は、充填レベルが、サイフォン167の第1の区分168が内側分離チャンバ161の中に開放する接続の半径方向外向きになる(または「それを下回って下降する」)まで、排出し続けるであろう。プライミングおよびサイフォンの本方法は、プロセス全体が数秒で生じ得るため、毛管作用および/またはポンプベースのプライミングならびにサイフォンよりも有意に高速である。いくつかの実施形態では、頂点169は、溢流チャネル165の半径方向内向きにあり、これは、分離面積160が充填されている間に、サンプルがサイフォン167を通して流動しないように防止する。他の回転速度および加速度も、加速度がサイフォン頂点168にわたって流体を押進させるために十分であり、カートリッジ150が回転し続け、分離面積160から流体を引き出す限り、使用されることができる。
【0111】
上記に記述されるように、サイフォン167の第1の区分168は、第1の円周方向に、かつ半径方向内向きに延在する。さらに、いくつかの実施形態では、サイフォン167の第1の区分168の形状は、特に、サイフォン167のプライミングを助長するように成形される。例えば、いくつかの実施形態では、内側分離チャンバ161に接続される端部における第1の区分168の一部は、第1の円周方向と略平行、例えば、平行の10度以内である。第1の区分168は、頂点169に向かって延在するにつれて、徐々に内向きに湾曲する。上記に記述されるように、カートリッジ150の減速に応じて、サンプルは、第1の円周方向に押勢される。故に、第1の区分168の第1の部分が第1の円周方向と実質的に整合されると、サンプルは、さらなる運動量を伴ってサイフォン167の中に流入する。本運動量の結果として、サンプルは、頂点169に到達し、それを越えて流動し、それによって、サイフォン167をプライミングすることができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、サイフォン167の第1の区分168と内側分離チャンバ161との間の接続の位置は、サイフォン167を通して計測された量のサンプルを移送するように選択される。例えば、図13の描写される実施形態では、サイフォン167は、半径方向への溢流チャネル165の開口部とサイフォン167の第1の区分168の開口部との間の距離に基づいて、精密な量のサンプル、例えば、50マイクロリットルを移送するであろう。サンプルがサイフォン167を通して移送されるにつれて、内側分離チャンバ161内の充填レベルは、降下し(すなわち、半径方向外向きに移動し)、入口チャネル159または溢流チャネル165からの空気によって置換されるであろう。いったんサンプルと空気との間の界面がサイフォン167の第1の区分168に到達すると、いずれの付加的な量のサンプルも、内側分離チャンバ161から引動されないであろう。故に、第1の区分168が内側分離チャンバ161の中に開放する位置が、下流チャンバに移送される、計測された量のサンプルを定義するために使用されてもよい。
【0113】
内側分離チャンバ161の中へのサイフォン167の第1の区分168の開口部の位置はまた、サンプルのある構成成分のみのサイフォン167を通した移送を限定するように選択されてもよい。例えば、サンプルが、全血であり、分離チャンバ162、161が、血漿から赤血球を分離するために使用される、実施形態では、第1の区分168の開口部は、分離された赤血球から半径方向内向きに位置付けられてもよい。混合チャンバに移送されるサンプル内の赤血球の意図的ではない包含が、混合プロセスの間にヘモグロビン汚染をもたらし得る。故に、サイフォン167を通して移送されるサンプル内の赤血球の包含を回避するように、第1の区分168の開口部を設置することが有利である。したがって、外側分離チャンバ162が、分離プロセス後に赤血球を受容するように構成される赤血球トラップである場合、第1の区分168の開口部は、赤血球トラップから半径方向内向きに、かつ血漿コンテナ内に位置付けられてもよい。同様に、外側分離チャンバ162の容積は、赤血球トラップの容積が殆どの全血サンプルに存在する赤血球の体積に適応し得ることを確実にするように、典型的赤血球体積、例えば、52%のヘマトクリットレベルに基づいて、選択されてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、外側分離チャンバ162は、第1の円周方向に縮径部163から離れるように延在する。故に、カートリッジ150が減速され、サンプルのあまり濃厚ではない構成成分がサイフォン167を通して押勢されるにつれて、より濃厚な構成成分は、同様に、外側分離チャンバ162の閉鎖端に向かって、縮径部163およびサイフォン入口171から離れるように押勢される。例えば、全血を使用する実施形態では、縮径部163の上方にある血漿が、サイフォン167を通して移送され、赤血球が、外側分離チャンバ162によって形成される赤血球の閉鎖端に向かって押勢される。
【0115】
議論されるように、大きな減速が、サイフォンをプライミングするために使用されてもよい。カートリッジが減速していると、外側分離チャンバ内の濃厚成分は、閉鎖端に向かって、縮径部163から離れるように移動する。しかしながら、流体密度が、外側分離チャンバ162のより半径方向外向きの部分に向かってより高い、密度勾配が外側分離チャンバ内に存在し得る。この場合、チャンバの上部における分離された成分が縮径部163に向かって移動する、ある程度の逆流が、外側分離チャンバの上部に存在し得る。それらの成分が、径部163に向かって十分遠く移動する場合、それらは、上側分離チャンバ161の中に上方に搬送され、混合チャンバ176の中に上側分離チャンバ162から吸い出されてもよい。これは、より長く回転し、濃厚成分をさらに充塞することによって、またはより低い率において減速することによって、制御されることができるが、図14に示されるように、下側分離チャンバ内にバッフル191を追加することが有利であり得る。バッフル191は、実質的に外側分離チャンバ162の深度を通して延在し、外側分離チャンバ内の濃厚構成成分の運動を妨げるように位置付けられてもよい。下側分離チャンバの初期充填の間に空気の除去を促進するため、かつ下側分離チャンバ内の分離を促進するために、バッフル191は、外側分離チャンバ162の外壁から離間されてもよい。バッフルは、円形、卵形、正方形、または長方形であり得る。さらに、グリッドを形成するように異なる半径方向距離に複数列のバッフルが存在し得る。さらに、列は、円周方向にオフセットされ得る。
【0116】
図19は、屈曲169の頂点に通気チャネル174を含む、サイフォン167の代替実施形態を示す。通気チャネル174は、屈曲169の頂点からカートリッジの中心に向かって内向きに延在し、分離面積160から混合チャンバ175までのサンプルのポンプベースの移送を促進するために使用される。マニホールド108が、係合されないとき、通気チャネル174は、大気に開放している。マニホールド108が、カートリッジ150上で位置合わせするとき、通気口は、シールによって被覆され、閉鎖されてもよい。通気チャネル174を含む、サイフォン167を動作させる例示的方法では、血漿の分離後、マニホールド108は、カートリッジ150と位置合わせおよび接触させられる。引込ポンプ118は、出口ポート156を通してカートリッジ150からガスを引き込み、分離面積160からサイフォンライン167を通して混合チャンバ175の中にサンプルを引動する。精密な所定の引込体積後、マニホールド108は、上昇され、カートリッジ150から接続解除され、通気チャネル174は、大気に開放される。遠心分離機101は、次いで、サイフォンライン167内に残留するサンプルが、遠心力に起因してサイフォンラインの両側を辿って、かつ通気チャネル174から離れるように移動するように、カートリッジ150を回転させる。通気チャネル174は、サンプルが回転の中心から離れるように混合チャンバ175に向かって、かつ分離面積160に向かって移動するにつれて、通気チャネルを通して引動される空気がサイフォンライン167内のサンプルを変位させることを可能にすることによって、サンプルの移動を可能にする。カートリッジの回転に応じて、通気チャネル174がない場合、サイフォン作用が、空気が前述で議論されたようにサイフォンラインへの入口に到達する点まで、分離面積160を排出するであろう。サイフォンライン167の通気式実施形態では、混合チャンバに移送されるサンプルの量は、分離面積およびサイフォンラインの幾何学形状ではなく、ポンプ引込体積によって決定されることができる。したがって、移送されるサンプルの体積は、固定されるのではなく、選択可能である。
サンプル混合
【0117】
分離面積160から、血漿は、その中に試薬を有し得る、混合チャンバ175まで移動する。例えば、混合チャンバ175は、凍結乾燥常磁性捕捉ビーズ177、検出標識、対照被分析物、および対照標識を含んでもよい。いったん混合チャンバ175に入ると、血漿は、全て図14に示されるように第1の円周方向に回転し続けながら、カートリッジ150の急速な加速および減速によって試薬と混合される。
【0118】
いくつかの実施形態では、試薬との血漿の混合は、混合チャンバ175内に配置される混合ボール176によって促進される。カートリッジ150の加速および減速は、第1の円周方向に回転するにつれて、混合ボール176を、混合チャンバ175を通して前後に移動させ、その壁から跳ね返らせる。例えば、一実施形態では、遠心分離機101は、1,500rpm/秒において加速および減速する、200rpm~500rpmの回転速度においてカートリッジ150を移動させてもよい。これは、5Hzの混合周波数に対応する。混合ボール176の乱流移動は、最初に、常磁性捕捉ビーズ、検出標識、対照被分析物、および対照標識を再水和し、血漿の中に放出する。混合ボール176は、さらに、常磁性捕捉ビーズ177および検出標識への標的被分析物の結合反応速度を促進することに役立つ。混合ステップ後に、標的被分析物および検出標識は、ともに、および血漿の全体を通して分散される常磁性捕捉ビーズに付着されてもよい。いくつかの実施形態では、試薬の再水和および標的被分析物のインキュベーションは、20分未満、例えば、10分未満または5分未満で生じる。
【0119】
いくつかの実施形態では、混合チャンバ175は、混合ボール176の方向を変動させることによって混合ボール176の混合能力を向上させる、幾何学的特徴を有する。例えば、いくつかの実施形態では、混合チャンバ175の外側表面は、前後に転がるにつれて混合ボールの跳ね返りを助長するための粗面またはテクスチャ加工表面を含む。同様に、いくつかの実施形態では、混合チャンバ175の外側表面は、突起にわたって通過するにつれて混合ボールを「ジャンプ」させるように、半径方向内向きの突起を含んでもよい。さらに、いくつかの他の実施形態では、混合チャンバ175の端部は、半径方向内向きの方向に傾斜し、混合チャンバの端部において混合ボールを内向きに押動し、混合ボールに方向を逆転させ、混合チャンバの半径方向内側の近傍で混合チャンバを通して戻るように通過させる。例えば、両端が、そのような傾斜を有し、カートリッジが前後に回転して移動されるにつれて、混合ボールの8の字パターンを可能にすることができる。
【0120】
用語「混合ボール」は、いずれの特定の形状にも関するのではなく、本特徴の移動を参照して本明細書で使用される。したがって、混合ボール176は、いくつかの実施形態では、球形であり得るが、他の実施形態では、別の形状を有してもよい。実施例として、混合ボール176は、卵形、立方体、または星形であり得る。いくつかの実施形態では、混合ボールの表面は、磁性である。本明細書で使用されるような用語「非磁性」は、磁性でも常磁性でもない、それらの材料を含む。さらに、いくつかの実施形態では、混合ボールの表面は、低い反応性を有する物質を含む。例えば、いくつかの実施形態では、混合ボール176は、真鍮、ガラス、またはテフロン(登録商標)を含んでもよい。プラスチック、セラミック、サンプルよりも高い密度を伴う他の硬質材料もまた、混合ボールのために使用されてもよい。他の実施形態、特に、常磁性捕捉ビーズが使用されないものでは、混合ボール176は、鋼鉄等の強磁性材料を含んでもよい。同様に、いくつかの実施形態では、混合ボールは、低い反応性を有する物質でコーティングされる。
【0121】
いくつかの実施形態では、混合チャンバおよび周辺チャネルは、混合プロセスの間に混合チャンバ内にサンプルを留めるための1つまたはそれを上回る特徴を含む。例えば、図9-19に示されるカートリッジ150では、サイフォン167によって形成される事前混合チャンバチャネルおよび事後混合チャンバチャネル173は両方とも、混合チャンバ175から半径方向内向きに延在する。故に、遠心力は、カートリッジ150が遠心分離機101によって回転されるにつれて、サンプルを外向きに混合チャンバ175の中に押勢する。
【0122】
同様に、毛管作用による混合チャンバから外へのサンプルの移動を防止するために、混合チャンバ175に直接接続されるチャネル167、173のうちの少なくとも1つは、毛細管中断178、179を含んでもよい。例えば、図14に示されるようなカートリッジ150では、事前混合チャンバチャネル167および事後混合チャンバチャネル173は両方とも、個別の毛細管中断178、179を含む。毛細管中断178、179はそれぞれ、混合チャンバ175から離れるように導く方向に拡張する、個別のチャネル167、173の一区分によって形成される。毛細管中断178、179の拡張する断面積は、サンプルが混合チャンバ175から離れるように移動するにつれて、低減した毛管力をもたらす。毛細管中断178、179の使用は、毛管作用の効果を低減させ、常磁性捕捉ビーズ、検出標識、対照被分析物、および対照標識の混合ならびにインキュベーション後に、チャンバ内に培養流体を保つ。これは、下記により詳細に議論されるように、培養流体がチャンバ175から出て行くことなく、磁石130が懸濁液から常磁性ビーズを引き出すための時間を可能にする。図9-19に示される実施形態では、毛細管中断は、菱形の形態である。他の実施形態では、混合チャンバ175から離れるように突出するにつれて拡張する他の形状も、可能性として考えられる。
【0123】
さらに、2つの毛細管中断の使用が、サンプル上の力の平衡を保ち、混合チャンバ175内にサンプルを留めることに役立ち得る。例えば、混合チャンバ175は、充填ラインが毛細管中断178、179内の混合チャンバ175の両側に位置するような程度まで、充填されてもよい。故に、チャネルのうちの1つの中の充填ラインが、個別の毛細管中断(例えば、178)の広がった区分に向かって半径方向内向きに移動するように、サンプルが、混合チャンバの片側に向かって移動する場合、そのチャネル内の毛管力は、低減されるであろう。同時に、混合チャンバ175の対向側のチャネル内の充填ラインは、半径方向外向きに、かつ毛管力がより強いであろう、対向毛細管中断(例えば、179)のより小さい断面積の中に移動するべきである。したがって、両方の毛細管中断からのサンプル上の毛管力は、混合チャンバ内に残留するようにサンプルを押勢するであろう。本平衡効果を促進することに役立つために、いくつかの実施形態では、2つの毛細管中断178、179は、同一の半径方向位置にある。
【0124】
毛細管中断178、179はまた、リザーバとしての役割を果たし、混合プロセスの初期段階の間にサンプルの一部を保持してもよい。いくつかの実施形態では、試薬は、カートリッジ150内に安定した乾燥形態で貯蔵されてもよい。例えば、試薬は、本開示の分析方法に先立って、凍結乾燥されてもよい。そのような場合において、混合チャンバ175内で生じる、血漿および凍結乾燥試薬の混合は、凍結乾燥プロセスの間に捕捉された空気の放出をもたらし得る。再度、カートリッジの回転によって引き起こされる遠心力に起因して、本空気は、混合プロセスが起こるにつれて、半径方向内向きに、かつサンプルから外に移動するであろう。したがって、最初に混合チャンバに到達するときにサンプルによって占有される全体的容積は、空気が放出されたときの混合プロセスの後期よりも大きい。毛細管中断178、179は、空気が放出され、サンプルから逃散されることを可能にされるまで、リザーバとしての役割を果たし、サンプルの一部を保持することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、コントローラ140は、分離面積160からの移送後に、処理品質制御カメラを使用して、混合チャンバ175またはその一部の画像を捕捉するように構成されてもよい。コントローラ140はさらに、画像を分析し、混合チャンバ175の充填レベルを決定するように構成されてもよい。分析されるサンプルの精密な体積の知識は、標的被分析物の正確な濃度を決定することに有用であり得る。故に、コントローラ140は、混合チャンバ175内の体積が閾値を超えることを決定することに応答して、分析を進めるように構成されてもよい。さらに、コントローラ140は、分析に起因するデータを正規化するために分析される、サンプルの体積を使用するように構成されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、混合チャンバ175に移送されるサンプルの一部の体積は、サンプルの一部が、事前混合チャンバチャネル167および事後混合チャンバチャネル173内に残留するように、混合チャンバの容積よりも大きい。したがって、コントローラ140は、処理品質制御カメラによって捕捉される画像から両方のチャネル内のサンプルのメニスカス線を識別し、これらのメニスカス線の位置に基づいて、体積を計算するように構成されてもよい。
サンプルの磁気移動
【0127】
いくつかの実施形態では、分析器100は、下記により詳細に説明されるように、常磁性捕捉ビーズを移動させるように構成される、1つまたはそれを上回る磁石130(106)を含んでもよい。図20に示される分析器100の断面部分に図示されるように、それぞれは、可動ステージ132、133に結合されてもよい。磁石130、131は、カートリッジ150の外側からの常磁性捕捉ビーズ177の移動を可能にするために、カートリッジの上方または下方に位置付けられてもよい。半径方向および軸方向への磁石130の直線移動は、マニホールドの位置付けモータ110によるカートリッジ150の回転と組み合わせて、円周方向に磁石130を移動させる必要なく、磁石130が、カートリッジ150の任意の部分にわたって位置付けられることを可能にする。したがって、いくつかの実施形態では、ステージ133は、半径方向磁石ステージ133を使用して、カートリッジ150の半径方向に沿って前方および後方に、ならびに軸方向にカートリッジ150に向かって、かつそこから離れるように、磁石130、131を移動させ、軸方向磁石ステージ132を使用して、常磁性捕捉ビーズ177の磁気引力を導入または除去することを可能にされ得る。他の実施形態では、可動ステージは、カートリッジ150が回転される必要なく、カートリッジ150の任意の部分にわたって移動するように、3次元で移動するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、磁石が、電磁石であってもよい一方、他の実施形態では、磁石は、恒久磁石であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、電磁石は、常磁性ビーズの操作をさらに促進するように、ACまたは126電流を使用してアクティブ化されることができる。
【0128】
いったん混合チャンバ175の内容物が徹底的に混合され、標的被分析物が(図14に示されるように)分散された常磁性捕捉ビーズ177に付着されると、磁石130、131は、カートリッジ150を通して常磁性捕捉ビーズ177を移動させるように導入されてもよい。磁石130が混合チャンバ175に隣接して設置されると、カートリッジ150は、図16に示されるように、ボーラスの中に常磁性捕捉ビーズ177を収集するために、磁石130にわたって前後に回転されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、常磁性捕捉ビーズが磁石130を使用して収集された後のビーズボーラスの画像を捕捉するように構成される。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ140は、常磁性ビーズボーラスのサイズを測定し、ビーズボーラスのサイズが事前決定された範囲内である場合、分析を進めるように構成される。そうでなければ、コントローラ140は、エラーを識別し、分析を中断してもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、常磁性捕捉ビーズ177が磁石130によって固着された後、洗浄緩衝剤182が、図16に示されるように、そこから血漿を除去するように、混合チャンバ175を通して圧送されてもよい。いくつかの実施形態では、混合チャンバ175からの血漿のパージの間に、常磁性捕捉ビーズ177のボーラスは、ボーラスの分散を回避するように、混合チャンバ175上の特定の場所で保持されてもよい。例えば、ボーラスは、血漿のパージの間に、混合チャンバ175の角の中に位置付けられてもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、洗浄緩衝剤182は、洗浄チャンバ181を介して、混合チャンバ175に送達される。混合チャンバ175および洗浄チャンバ181は、相互から半径方向にオフセットされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、混合チャンバ175と洗浄チャンバ181との間のマイクロ流体チャネルは、半径方向線に沿って延在し、1mmの断面積を有してもよい。換言すると、混合チャンバ175と洗浄チャンバ181との間のマイクロ流体チャネルは、円周方向に沿って延在しない。故に、混合チャンバ内の流体は、混合ステップの間のカートリッジ150の加速または減速のいずれかの間に、混合チャンバ175から洗浄チャンバ181までのチャネルを通して流動するように強制されない。さらに、上記に解説されるように、事後混合チャンバチャネル171506は、混合チャンバ175内にサンプルを留めることに役立つ、毛細管中断178を含んでもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、洗浄緩衝剤182は、洗浄ポンプ116を使用して、マニホールド108を介してカートリッジ150の中に導入され、溶出緩衝剤185は、図8に示されるように、溶出ポンプ117を使用して、マニホールド108を介してカートリッジ150の中に圧送されてもよい。一実施形態では、150マイクロリットルの洗浄緩衝剤182が、洗浄チャンバを充填するように、洗浄ポンプ116によって、マニホールド108の洗浄供給ポート111を通して、かつ洗浄入口ポート154を通してカートリッジ150の中に圧送されてもよい。同様に、別の実施形態では、例えば、25マイクロリットルの溶出緩衝剤185が、溶出チャンバを充填するように、溶出ポンプ117によって、マニホールド108の溶出供給ポート112を通して、かつ溶出入口ポート155を通してカートリッジ150の中に圧送されてもよい。上記に解説されるように、供給ポート111、112はそれぞれ、シールされた接続を形成するように、個別の入口ポート154、155と係合するように慎重に位置付けられることができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、コントローラ140は、洗浄緩衝剤182で充填された後の洗浄チャンバ181の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成されてもよい。さらに、コントローラ140は、洗浄チャンバ181の画像を分析し、洗浄チャンバ181内の空気の非存在を確認するように、または洗浄チャンバ181内の任意の気泡の体積が事前決定された閾値を下回ることを確認するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、洗浄チャンバ181内の任意の気泡の形状を計算し、洗浄チャンバ181内の空気の全体的体積を計算するように構成されてもよい。空気の計算された体積が、事前決定された閾値を上回る場合、コントローラは、さらなる流体を中に圧送する、または分析を中断するように構成されてもよい。同様に、コントローラは、空気の計算された体積が事前決定された閾値を下回る、またはゼロである場合、分析を継続するように構成されてもよい。類似プロセスが、溶出チャンバ184内の空気に対して使用されることができる。具体的には、コントローラ140は、溶出チャンバ184の画像を分析し、溶出チャンバ184内の空気の非存在を確認するように、または溶出チャンバ184内の任意の気泡の体積が事前決定された閾値を下回ることを確認するように構成されてもよい。例えば、コントローラ140は、溶出チャンバ184内の任意の気泡の形状を計算し、溶出チャンバ184内の空気の全体的体積を計算するように構成されてもよい。空気の計算された体積が、事前決定された閾値を上回る場合、コントローラは、分析を中断するように構成されてもよい。同様に、コントローラは、溶出チャンバ184内の空気の計算された体積が事前決定された閾値を下回る、またはゼロである場合、分析を継続するように構成されてもよい。
【0133】
分析器100はまた、マニホールド108を介してカートリッジ150に結合される、引込ポンプ118を含んでもよい。特に、カートリッジ150は、マニホールド108を介して引込ポンプ118に接続される、洗浄出口ポート156および溶出出口ポート157を含んでもよい。特に、洗浄出口ポート156は、マニホールド108の洗浄引込ポート113に結合されてもよく、溶出出口ポート157は、マニホールド108の溶出引込ポート114に結合されてもよい。入口および出口ポートは、カートリッジ150を通して2つの個別の流体ラインを形成してもよい。特に、洗浄入口ポート154および洗浄出口ポート156は、洗浄ライン183を形成してもよい。同様に、溶出入口ポート155および溶出出口ポート157は、カートリッジ150を通して溶出ライン186を形成してもよい。洗浄ポンプ116および引込ポンプ118の動作が、洗浄ライン183を通して洗浄緩衝剤182の流動を制御してもよい一方、溶出ポンプ117および引込ポンプ118の動作は、溶出ライン186を通して溶出緩衝剤185の流動を制御してもよい。着目すべきこととして、いくつかの実施形態では、いずれの洗浄緩衝剤182または溶出緩衝剤185も、個別の洗浄出口ポート156および溶出出口ポート157を通して実際には引き込まれないが、代わりに、ガスのみが、洗浄ライン183および溶出ライン186を通して個別の流体の移動を制御する方法として、これらの出口ポートを通して除去される。例えば、カートリッジ内の廃棄物チャンバは、十分に大きくあり得るため、カートリッジから流体を除去するために必要ではない。さらに、いくつかの実施形態では、洗浄ライン183および溶出ライン186はそれぞれ、両方が単一の引込ポンプに結合されるのではなく、個別の引込ポンプに結合されてもよい。さらに、単一の引込ポンプが、ある時点で洗浄ライン183に接続され、代替として、異なる時点で溶出ライン186のみに接続されてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、洗浄ポンプ116および引込ポンプ118は、洗浄緩衝剤182が検出チャンバ184に進入しないように回避するために、慎重に制御される。さらに、いくつかの実施形態では、分析器は、洗浄ポンプ116および引込ポンプ118を動作させ、図16に示されるように、洗浄流体が洗浄チャンバの中に引き込まれるにつれて、接続通路187内で空気の塊を維持する。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、類似流率において洗浄ポンプ116および引込ポンプ118を動作させ、洗浄ラインに沿って洗浄緩衝剤を移送し、洗浄流体が洗浄ラインの外側に漂遊しないように回避する。同様に、いくつかの実施形態では、溶出ポンプ117および引込ポンプ118は、溶出緩衝剤185が洗浄チャンバ181に進入しないように回避するために制御される。
【0135】
さらに、いくつかの実施形態では、溶出緩衝剤および洗浄緩衝剤は、同時にカートリッジに導入され、二次汚染を回避するように制御される。例えば、いくつかの実施形態では、洗浄緩衝剤182および溶出緩衝剤185が、個別の洗浄ライン183および溶出ライン186の中に導入されるにつれて、洗浄ポンプ116、溶出ポンプ117、および引込ポンプ118は、洗浄ライン183および溶出ライン186を接続する接続通路187内に気泡を形成するように制御される。特に、いくつかの実施形態では、本接続通路187は、洗浄チャンバ181と検出チャンバ184との間に延在する。気泡は、洗浄緩衝剤182および溶出緩衝剤185の混合を防止し、「空気ばね」の役割を果たす、ダムを形成する。さらに、気泡は、下記により詳細に解説されるように、流体が混合していないことを検証するように、可視的に監視されることができる。いくつかの実施形態では、本気泡は、標的被分析物が検出チャンバ184の中に移動されるまで維持される。
【0136】
接続通路内の空気の塊または気泡の使用は、洗浄チャンバと溶出チャンバとの間の流動を制御する弁の必要性を回避する。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、その中の空気の塊の存在を確認するために、洗浄チャンバ181と溶出チャンバ184との間の接続通路187の画像を捕捉するように構成されてもよい。接続通路187の画像を分析した後、コントローラが、接続通路187内の空気の塊の存在を識別する場合、コントローラ140は、分析を進めるように構成されてもよい。他方では、コントローラ140が、接続通路187内の空気の塊を識別しない場合、コントローラは、本開示の分析を中断するように構成されてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、洗浄ラインまたは溶出ラインのうちの少なくとも1つは、空気トラップを含む。例えば、いくつかの実施形態では、洗浄ライン183の深度は、洗浄入口ポート154と洗浄チャンバとの間の面積内で増加される。洗浄ライン183の深度の本増加は、洗浄ラインの中に圧送される任意の空気が捕らえられるための空間を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、分析器は、深度方向が重力と平行であるように、カートリッジを水平に保持する。故に、洗浄ライン183内の任意の空気は、上方に、かつ洗浄ラインの本区分の増加した深度によって引き起こされる空気トラップの中に浮動するであろう。溶出ライン186は、溶出入口ポート155の近傍に類似空気トラップを有してもよい。
【0138】
常磁性捕捉ビーズ177が、図15に示されるように、混合チャンバ175内のボーラスの中に収集されると、磁石130は、洗浄チャンバ181の中に常磁性捕捉ビーズ177のボーラスを搬送するように、カートリッジ150の回転と併せて可動ステージ133によって移動されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ140は、常磁性捕捉ビーズ171のビーズボーラスが洗浄チャンバ181に移送された後に、洗浄チャンバ181の少なくとも一部の画像を捕捉するように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ140は、洗浄チャンバ181内の常磁性ビーズボーラスのサイズを測定し、洗浄チャンバ181内のビーズボーラスのサイズが事前決定された範囲内である場合、分析を進めるように構成される。そうでなければ、コントローラ140は、エラーを識別し、分析を中断してもよい。
【0139】
いったん常磁性捕捉ビーズ177が洗浄チャンバ181内に配置されると、カートリッジ150は、図17に図式的に示されるように、常磁性捕捉ビーズ177を効果的に洗浄し、本システムで使用される標的被分析物、検出標識、および任意の対照を除いて、サンプルから全ての汚染物質を除去するように、前後に回転されてもよい。いくつかの実施形態では、使用済み洗浄緩衝剤が、洗浄チャンバ181から外に掃引されてもよく、洗浄緩衝剤182の新しい体積が、洗浄ステップを繰り返す前に洗浄チャンバ181に添加されてもよい。洗浄ステップは、数回、例えば、3回またはそれを上回って実施されてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、第2の磁石131が、洗浄動作の一連のステップの間に常磁性捕捉ビーズ177を分散および再凝結させるように、洗浄ステップの間に導入されてもよい。特に、磁石130および第2の磁石131は、洗浄チャンバ181を横断して移動するにつれて、常磁性捕捉ビーズ177を分散および再凝結させるために、洗浄チャンバ181の反対側に配置されてもよい。常磁性捕捉ビーズ177を拡散することは、ビーズがボーラス内でともに保持された場合、それらが洗浄緩衝剤によってより効率的に洗浄されることを可能にする。故に、洗浄ステップのために必要とされる時間およびサイクルの数は、従来の洗浄方法と比較して、削減され得る。
【0141】
図21および22は、本発明による、洗浄動作の2つの例示的実施形態を図示する。図21は、2つの磁石130、131が鋸歯パターンで洗浄チャンバ181に対して移動される、洗浄動作を図示する。特に、図21は、第1の磁石130および第2の磁石131が鋸歯洗浄動作の間に占有する、5つの離散場所P1-P5を図示する。位置P1では、第2の磁石131が、洗浄チャンバ181から遠隔にある一方、第1の磁石130は、洗浄チャンバ181に隣接し、これは、常磁性捕捉ビーズに、第1の磁石130に隣接してボーラスを形成させる。磁石130、131は、次いで、第2の磁石131が、洗浄チャンバ181に近づく一方、第1の磁石130が、洗浄チャンバ181から離れるように移動するように、軸方向に移動される。本移動と協調して、カートリッジ150はまた、磁石130、131がまた、洗浄チャンバ181に対して側方に再配置されるように、回転されてもよい。第1の磁石130が常磁性捕捉ビーズ177から離れるように移動するにつれて、ボーラスは、血漿の不必要な構成成分が常磁性捕捉ビーズ177から分離および洗浄され得るように、洗浄溶液の中に分散される。常磁性捕捉ビーズ177の分散は、位置P1とP2との間で図21に図示される。第2の磁石131が洗浄チャンバ181に接近するにつれて、常磁性捕捉ビーズ177は、懸濁液から引き出され、再び厳密なボーラスの中に引き込まれる。分散および再凝結ステップは、次いで、磁石130、131が位置P2から位置P3まで移動するにつれて、反対方向に繰り返されることができる。同様に、本プロセスは、いくつかの付加的ステップに関して鋸歯パターンで継続されることができる。
【0142】
図22は、2つの磁石130、131が方形波パターンで洗浄チャンバ181に対して移動される、洗浄動作の別の実施形態を図示する。特に、図22は、第1の磁石130および第2の磁石131が鋸歯洗浄動作の間に占有する、9つの離散場所P1-P9を図示する。再度、位置P1では、第2の磁石131が、洗浄チャンバ181から遠隔にある一方、第1の磁石130は、洗浄チャンバ181に隣接し、これは、常磁性捕捉ビーズに、第2の磁石131に隣接してボーラスを形成させる。カートリッジ150は、次いで、磁石130、131が洗浄チャンバ181に対して移動するように、回転される。有利なこととして、カートリッジ150は、洗浄チャンバ181の表面に沿って常磁性捕捉ビーズ177を拡散し、それによって、洗浄溶液内でチャンバ181の表面に沿って常磁性捕捉ビーズを分散させるために十分な速度において回転されてもよい。磁石130、131は、次いで、第2の磁石131が、洗浄チャンバ181に近づく一方、第1の磁石130が、洗浄チャンバ181から離れるように移動するように、位置P3まで移動される。再度、第1の磁石130が常磁性捕捉ビーズ177から離れるように移動するにつれて、ボーラスは、血漿の不必要な構成成分が常磁性捕捉ビーズ177から分離および洗浄され得るように、洗浄溶液の中に分散される。同様に、第2の磁石131が、位置P3に示されるように、洗浄チャンバ181に接近するにつれて、常磁性捕捉ビーズ177は、洗浄チャンバ壁に対して懸濁液から引き出される。
【0143】
図21および22に示される洗浄動作の実施形態は、常磁性捕捉ビーズを厳密なボーラスに再凝結させることを含むが、他の実施形態では、常磁性捕捉ビーズは、動作の間にボーラスに厳密に合体されることなく、洗浄チャンバを通して指向されてもよい。例えば、動作のステップの間に、ビーズは、洗浄流体内に比較的に分散されたが、磁石によって洗浄チャンバの長さに沿って前後に移動されたままであってもよい。
【0144】
上記に記述されるように、いくつかの実施形態では、磁石130および第2の磁石131は、カートリッジ150の反対側に、例えば、カートリッジ150の上方および下方に位置付けられる。他の実施形態では、磁石130、131は、カートリッジ150の同一側であるが、半径方向に対して洗浄チャンバ181の反対側に配置される。さらに、いくつかの実施形態では、磁石130、131は、洗浄チャンバ181の長さに沿って常磁性捕捉ビーズ177を拡散する。さらに、いくつかの実施形態では、第1の磁石130と第2の磁石131との間の距離は、洗浄ステップの間に可動ステージ132を使用して変動される。磁石130、131の本相対移動は、常磁性捕捉ビーズ177のボーラスの撹乱を助長し、洗浄動作を向上させ得る。
【0145】
洗浄動作後、常磁性捕捉ビーズ177は、図19に示されるように、第1の磁石130を用いて再び収集され、接続通路187を通して、溶出緩衝剤185で充填される検出チャンバ184の中に移動されてもよい。1つまたはそれを上回る磁石130、131を使用して、常磁性捕捉ビーズ177を保持しながら、カートリッジ150は、検出チャンバ184および溶出緩衝剤185を通して常磁性捕捉ビーズ177を通過させるように、前後に回転されてもよく、これは、常磁性捕捉ビーズ177と標的被分析物との間および標識と標的被分析物との間の結合を除去する。これは、検出チャンバ184内の溶出緩衝剤185の中に純蛍光色素共役懸濁液を残す。
【0146】
標的被分析物および標識の溶出を向上させるために、上記に解説される洗浄動作に類似する磁気溶出動作が、使用されてもよい。例えば、磁石130、131は、図21および22に示されるもの等の特定のパターンで検出チャンバ184に対して移動してもよい。洗浄動作のものに類似する制御された様式で常磁性ビーズを制御することは、磁気溶出動作を向上させる。
【0147】
溶出プロセスが実行された後、常磁性捕捉ビーズ177は、光学システム120に干渉することを回避するように、検出チャンバ184の外側に、または検出チャンバ184の一方の端部まで移動されてもよい。分析器100の光学システム120は、次いで、上記に解説されるように、検出チャンバ184内の流体の体積内の標的被分析物の存在または濃度を決定するように、検出チャンバ184内の溶液を分析するようにアクティブ化されてもよい。
【0148】
本開示の別の側面では、分析器100の光学システム120は、多重化動作のために、第2の電磁放射線源128と、第2の検出器129とを含む。いくつかの実施形態では、分析器の第2の電磁放射線源128および第2の検出器129は、サンプル内の第2の標的被分析物の存在を決定するために使用されてもよい。他の実施形態では、第2の電磁放射線源128および第2の検出器129は、カートリッジ150内の対照被分析物の濃度を測定するために使用されてもよい。例えば、カートリッジ150は、精密な既知の数量の対照被分析物を含んでもよい。故に、対照被分析物の測定された濃度は、標的被分析物のための比較基準として使用されてもよい。本測定された濃度は、次いで、標的被分析物の検出された濃度を適合させるために使用されることができる。
【0149】
例えば、対照被分析物の測定された濃度が、対照被分析物の実際の既知の濃度の95%のみである場合、コントローラ140は、本割合差を使用し、標的被分析物の検出された濃度を適合させることができる。例えば、コントローラ140は、分析器100がサンプル内の標的被分析物の95%のみを検出していることを決定し、それに応じて、計算された濃度を調節してもよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、第1の電磁放射線源121および第2の電磁放射線源128からの電磁放射線は、同一の対物レンズを使用して、カートリッジに指向される。実際に、いくつかの実施形態では、2つの源からの電磁放射線は、同一の照会空間に指向される。いくつかの実施形態では、第1の電磁放射線源121および第2の電磁放射線源128は、異なる波長、例えば、異なる色の電磁放射線を放出する。
【0151】
本開示は、生物学的状態に関するマーカ等の1つまたはそれを上回る標的被分析物の極めて敏感な検出および定量のためのシステムならびに方法を提供する。
シングルプレックスおよびマルチプレックス検定
【0152】
一側面では、本開示は、サンプルの「シングルプレックス」検定を実施し、サンプル内の単一のタイプの標的被分析物を検出および分析し得る、システムならびに方法を提供する。他の側面では、本開示は、サンプルの「マルチプレックス」検定を実施し、サンプル内の複数の(例えば、2つ、3つ、またはそれを上回る)異なるタイプの標的被分析物を検出および分析し得る、システムならびに方法を提供する。本明細書に説明される多重化システムおよび方法を使用することは、シングルプレックス検定を介したそれらの標的被分析物の類似分析を実施するために要求され得るよりも低減したサンプル体積および低減した試薬体積を使用して、複数の標的被分析物のより急速な検出および分析を提供し得る。さらに、本明細書に説明される多重化システムおよび方法は、標的被分析物を含むサンプルの分析が、既知の濃度の対照検定と比較されることを可能にすることができる。
【0153】
サンプル内の複数の異なるタイプの標的被分析物を検出および分析するために、多重化分析器システムは、1つのタイプの標的被分析物を他のものと区別することができる。これは、部分的に、相互と異なる励起波長帯域および/または発光波長帯域を有する、異なる標識を用いて異なる標的被分析物を標識することによって、達成されることができる。いくつかの実装では、異なる標識は、比較的にわずかな重複を伴う、もしくは重複を伴わない、励起波長帯域および/または発光波長帯域を有する。他の実装では、標識の励起波長帯域および/または発光波長帯域の間にある程度の重複が存在し得る。多重化はまた、各流体回路が空間的に明確に異なる、1つを上回る流体回路を同一のカートリッジ上に実装し、異なる標的被分析物のための試薬を搬送することによって、達成されることもできる。異なる流体回路を用いると、異なる標的標識が異なる励起および発光波長を有することは必要ではない。付加的回路が、同一のサンプルチャンバから、または異なるサンプルチャンバからサンプルを収集してもよい。
電磁放射電力およびビンサイズ
【0154】
光学システムでは、電磁放射線源121は、電磁放射線の波長が標的被分析物に付着された蛍光標識を励起させるために十分であるように、設定されてもよい。いくつかの実施形態では、電磁放射線源121は、可視スペクトル内で発光するレーザである。いくつかの実施形態では、レーザは、639nm、532nm、488nm、422nm、または405nmの波長を伴う連続波レーザである。本開示の方法および組成物で使用されるような蛍光性部分を励起させるために好適な波長を伴う任意の連続波レーザが、本開示の範囲から逸脱することなく使用されることができる。レーザのための電力設定は、概して、1mW~100mWである。しかしながら、当業者は、レーザ電力が測定の最適な信号対雑音比を達成するための任意の設定であり得ることを理解するであろう。そうするために、レーザ電力は、照会空間内の標識の滞留時間の間に、可能な限り多くの励起発光サイクルを達成するように設定されるべきである。検出器ビン時間もまた、それに応じて設定されるべきである。標識を光退色させるために要する時間よりも長い、および/または照会空間内の標識の滞留時間よりも長いビン時間は、単に、過剰な雑音の収集を可能にするであろう。低すぎる、または高すぎるレーザ電力設定、もしくは長すぎるビン時間設定は、可能な限り最高の信号対雑音比をもたらさないであろう。
【0155】
分析器100内の照会空間が標識標的被分析物にわたって通過するにつれて、蛍光粒子によって放出される光子が、照会空間が標識粒子にわたって通過するための時間を示す時間遅延を伴って、検出器122によって登録される。光子強度が、検出器122によって記録され、サンプリング時間が、ビンに分割され、ビンは、自由に選択可能な時間チャネル幅を伴う一様な恣意的時間区画である。各ビンに含有される信号の数が、評価される。いくつかの統計分析方法のうちの1つまたはそれを上回るものが、標識もしくは粒子が存在するとき、またはビンの一区分がアーチファクトを含有するときを決定するために、使用される。アーチファクトを含有するビンの区分が、破棄される一方、標識を含有する単一ビンまたはビンの区分が、計数される。計数される標識の数は、サンプルに存在する標的被分析物の数を示す。
照会体積
【0156】
照会体積は、存在するときに着目標的被分析物が検出され得る、サンプルの有効体積と考えられることができる。サンプルの照会体積を計算する種々の方法が存在するため、照会体積の有効体積(V)を決定するための最も単純な方法は、検出体積の有効断面を計算することである。検出体積が、典型的には、定常サンプルを通して検出体積を平行移動させることによって、サンプルを通して掃引されるため、体積は、典型的には、測定時間の間にある距離を通して掃引されている検出体積の断面積の結果である。前述で議論されたように、(サンプルに対するレーザの運動方向と垂直およびレーザ光の伝搬方向と垂直な)照会体積の断面積の側方範囲は、レーザ源がサンプル空間内で結像される開口数によって限定される。(レーザの伝搬方向に沿った)照会体積の縦方向サイズは、選定される共焦点停止のサイズによって決定される。サンプル濃度(C)が把握され、ある時間周期の間に検出される分子の数(N)が把握される場合、サンプル体積は、サンプルの濃度で除算された、検出される分子の数、すなわち、V=N/C(サンプル濃度は、単位体積あたりの分子の単位を有する)から成る。
【0157】
例えば、本明細書に説明されるシステムのいくつかの実施形態では、検出される全ての光子が、計数され、100マイクロ秒区画(光子計数ビン)で加算される。着目分子が、100マイクロ秒区画に存在する場合、検出される光子の計数は、典型的には、背景よりも有意に高い。したがって、検出体積がサンプルに対して移動した距離は、単一の区画内でサンプリングされる体積、すなわち、照会体積を計算するために使用するべき適切な距離である。本実施例では、サンプルが、60秒にわたって分析される場合、効果的に600,000個の区画が、走査される。有効体積が、区画の数によって除算される場合、結果として生じる体積は、本質的に、単一の区画の体積、すなわち、照会体積である。数学的に、単一の区画の体積、すなわち、照会体積(Vs)は、区画ビンの数によって乗算された、サンプルの濃度によって除算された検出される分子の数(N)に等しい(nは、分子の数Nが計数された時間の間の区画ビンの数を表す、C・n)。例示的目的のためのみに、1フェムトモル濃度の既知の標準が、600,000個の区画を通して起動され、標準の20個の分子が、検出されることを考慮されたい。故に、照会体積Vsは、N/(C・n)、または20/(602.214・6E5)、もしくは55.351μmに等しい。したがって、本実施例では、1つの光子計数ビンに対応する、1つのサンプルの有効体積である照会空間体積は、55.351μmである。
検出器
【0158】
いくつかの実施形態では、電磁放射線への暴露後に蛍光標識によって放出される光が、検出される。放出された光は、例えば、紫外線、可視、または赤外線であり得る。例えば、第1の検出器122は、蛍光性部分からの光子バーストの振幅および持続時間を捕捉し、光子バーストの振幅および持続時間を電気信号に変換してもよい。CCDカメラ、ビデオ入力モジュールカメラ、およびストリークカメラ等の検出デバイスが、連続信号を伴う画像を生成するために使用されることができる。他の実施形態は、順次信号を生成する、ボロメータ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、アバランシェフォトダイオード、および光電子増倍管等のデバイスを使用する。前述の検出器の任意の組み合わせが、使用されることができる。
濃度分析のための分子
【0159】
本開示の器具、キット、および方法は、生物学的状態のマーカ等のいくつかの異なるタイプの標的被分析物の濃度の敏感な検出および決定のために使用されることができる。
【0160】
本開示の分析器および関連方法を使用して検出され得る、分子または「被分析物」の実施例は、タンパク質、核酸、炭水化物、および有機ならびに無機の両方の小分子等のバイオポリマーを含む。特に、本明細書に説明される器具、キット、および方法は、生物学的サンプル内のタンパク質および小分子の標的被分析物の検出、ならびにサンプル内のそのような分子の濃度の決定において有用である。
【0161】
本システムおよび方法によって検出される分子は、複合体、例えば、抗体・抗原複合体、またはより一般的には、タンパク質・タンパク質複合体、例えば、トロポニンの複合体もしくは前立腺具体的抗原(PSA)の複合体がない状態であり得る、またはその一部であり得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、本開示は、生物学的マーカの敏感な検出のため、かつ診断、予後、および/または治療の方法の決定におけるそのようなマーカの使用のための組成物ならびに方法を提供する。
【0163】
マーカは、例えば、生物の生物学的状態(例えば、疾患または非疾患状態等の症状)と関連付けられる、任意の組成物および/または分子、もしくは組成物ならびに/もしくは分子の複合体であり得る。マーカは、例えば、小分子、ポリペプチド、DNAおよびRNA等の核酸、リン脂質またはミセル等の脂質、ミトコンドリアまたは葉緑体等の細胞成分等であり得る。本開示によって検討されるマーカは、以前から既知または未知であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、着目生物学的状態または着目症状に関するマーカとして使用され得る、新規のポリペプチドを識別することができる一方、他の実施形態では、既知のポリペプチドは、着目生物学的状態または症状に関するマーカとして識別される。本開示のシステムを使用して、生物の生物学的状態を決定する際に高い潜在的使用を伴うが、罹患組織から「浸出」されるもの等の低濃度のみにおいて存在する、それらのマーカ、例えば、ポリペプチドを観察し得ることが、可能性として考えられる。他の高い潜在的に有用なマーカまたはポリペプチドは、疾患に関連するもの、例えば、腫瘍宿主環境で発生されるものであり得る。生物学的状態に関する情報を提供する、任意の好適なマーカが、本開示の方法および組成物で使用されることができる。「マーカ」は、その用語が本明細書で使用されると、生物からのサンプル内で検出され得、その検出または定量が、生物の生物学的状態についての情報を提供する、任意の分子を包含する。
【0164】
生物学的状態は、限定ではないが、表現型状態、生物に影響を及ぼす症状、発達の状態、年齢、健康、病理、疾患検出、プロセス、もしくは病期分類、感染症、毒性、または化学、環境、もしくは薬物因子への応答(薬物応答表現型検査、薬物毒性表現型検査、または薬物有効性表現型検査等)を含む。
【0165】
本明細書で使用されるような用語「生物」は、少なくとも1つの細胞から成る、任意の生き物を指す。生物は、単細胞生物と同程度に単純または哺乳類と同程度に複雑であり得る。本開示の生物は、好ましくは、哺乳類である。そのような哺乳類は、例えば、ヒト、または霊長類(例えば、サル、チンパンジー等)、飼い慣らされた動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ等)、家畜(例えば、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ等)、もしくは実験動物(例えば、マウス、ラット等)等の動物であり得る。好ましくは、生物は、ヒトである。
標識
【0166】
いくつかの実施形態では、本開示は、分子、例えば、マーカの極めて敏感な検出および定量のための標識を含む、方法および組成物を提供する。
【0167】
多くの方略が、標的被分析物を標識し、粒子の混合物におけるそれらの検出または判別を可能にするために使用されることができる。標識は、標識および標的被分析物の非特異的または特異的相互作用を利用する方法を含む、任意の公知の手段によって付着されることができる。標識は、検出可能な信号を提供する、または電場内の粒子の移動度に影響を及ぼし得る。標識することは、直接、または結合パートナを通して遂行されることができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、標識は、着目分子への結合パートナから成り、結合パートナは、蛍光性部分に付着される。本開示の組成物および方法は、極めて蛍光性の部分を使用することができる。本開示の組成物および方法のために好適な部分が、下記により詳細に説明される。蛍光性分子が、直接共役等の任意の公知の手段によって、または間接的に(例えば、ビオチン/ストレプトアビジン)、結合パートナに付着されてもよい。
【0169】
蛍光性部分は、蛍光染料分子であり得る。蛍光性分子の実施例は、限定ではないが、ALEXA FLUOR(登録商標) 488、ALEXA FLUOR(登録商標) 532、ALEXA FLUOR(登録商標) 647、ALEXA FLUOR(登録商標) 680、またはBrilliant Violet 421TM、 Brilliant Violet 510TM、Brilliant Violet 570TM、Brilliant Violet 605等のALEXA FLUOR(登録商標) 700 Brilliant VioletTM分子(BD Biosciences)、およびATTOTM532等のATTOTM染料(ATTO TECH GmbH)を含む。いくつかの実施形態では、染料分子は、ALEXA FLUOR(登録商標) 647染料分子である。
結合パートナ
【0170】
いくつかの実施形態では、結合パートナは、抗体から成る。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。他の実施形態では、抗体は、ポリクローナル抗体である。
【0171】
抗体は、任意の好適なマーカに特異的であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、サイトカイン、成長因子、腫瘍マーカ、炎症のマーカ、内分泌マーカ、自己免疫マーカ、甲状腺マーカ、心臓血管マーカ、糖尿病のマーカ、感染症のマーカ、神経学的マーカ、呼吸マーカ、胃腸マーカ、筋骨格マーカ、皮膚疾患、および代謝マーカから成る群から選択される、マーカに特異的である。
【0172】
検出されるべき分子、例えば、マーカの形態に関して必要特異性を伴う任意の好適な結合パートナが、使用されることができる。分子、例えば、マーカが、いくつかの異なる形態を有する場合、結合パートナの種々の特異性が、可能性として考えられる。好適な結合パートナが、当技術分野で公知であり、抗体、アプタマ、レクチン、および受容体を含む。有用かつ万能なタイプの結合パートナは、抗体である。
【0173】
捕捉結合パートナおよび検出結合パートナペア、例えば、捕捉および検出抗体ペアが、本開示の実施形態で使用されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、典型的には、2つの結合パートナ、例えば、2つの抗体が使用される、異種検定プロトコルが、使用される。一方の結合パートナは、通常、固体支持体上で不動化される捕捉パートナであり、他方の結合パートナは、典型的には、検出可能な標識が付着された検出結合パートナである。抗体ペアは、当技術分野で周知の方法によって設計および調製されることができる。本開示の組成物は、抗体ペアの一方の要素が本明細書に説明されるような標識であり、他方の要素が捕捉抗体である、抗体ペアを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、捕捉抗体、検出抗体、または両方のいずれかとして、種々の種と交差反応する抗体を使用することが有用である。そのような実施形態は、例えば、心臓障害のマーカとして、血液の中への心臓トロポニンの放出を決定することによる、薬物毒性の測定を含む。交差反応抗体は、毒性の研究が、1つの種、例えば、非ヒト種において行われることを可能にし、検定の試薬内の同一の抗体または抗体ペアを使用して、別の種、例えば、ヒトの研究または臨床観察への結果の直接移送を可能にし、したがって、検定の間の変動性を減少させる。したがって、いくつかの実施形態では、着目分子のマーカ、例えば、心臓トロポニンI等の心臓トロポニンへの結合パートナとして使用するための抗体のうちの1つまたはそれを上回るものは、交差反応抗体であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト、サル、イヌ、およびマウスから成る群から選択される、少なくとも2つの種からのマーカ、例えば、心臓トロポニンと交差反応する。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト、サル、イヌ、およびマウスから成る群全体からのマーカ、例えば、心臓トロポニンと交差反応する。
【0175】
上記の発明を実施するための形態は、付随する図を参照して、開示されるステム、デバイス、および方法の種々の特徴ならびに機能を説明する。図では、類似記号は、典型的には、文脈が別様に決定付けない限り、類似構成要素を識別する。発明を実施するための形態、図、および請求項に説明される例証的実施形態は、限定的であるように意図されていない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も、利用されることができ、他の変更も、行われることができる。概して、本明細書に説明され、図に図示されるような、本開示の側面は、その全てが本明細書で明示的に検討される、多種多様な異なる構成で、配列され、代用され、組み合わせられ、分離され、設計され得ることを容易に理解されたい。
【0176】
種々の側面および実施形態が、本明細書に開示されているが、他の側面および実施形態も、当業者に明白であろう。本明細書に開示される種々の側面および実施形態は、例証の目的のためであり、限定的であることを意図しておらず、真の範囲がは、以下の請求項によって示される。
(実施形態)
(実施形態1)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、
モータと、
モータの作動によって回転されるようにモータに結合される、ドックと、
ドック内に保持され、サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムを含む、カートリッジであって、流体システムは、
入口チャンバと、
入口チャンバの下流にあり、標的被分析物を第1の標識と結合するように、サンプルの少なくとも一部を混合するように構成される、混合チャンバと、
混合チャンバの下流にあり、チャネルによって混合チャンバに接続される、洗浄チャンバであって、洗浄チャンバは、混合チャンバ内で実行される混合プロセスの間に洗浄チャンバの中へのサンプルの流動を妨げるように、混合チャンバから半径方向にオフセットされる、洗浄チャンバと、
を含む、カートリッジと、
電磁放射線を提供し、カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、第1の電磁放射線源と、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、第1の検出器と、
第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するように構成される、コントローラと、
を備える、分析器システム。
(実施形態2)
混合チャンバから洗浄チャンバまで延在するチャネルは、毛細管中断を含み、毛細管中断は、混合チャンバから離れるように導く方向に拡張する断面積を有する、実施形態1に記載の分析器システム。
(実施形態3)
カートリッジの流体システムはさらに、入口チャンバと混合チャンバとの間に配置される分離面積を含み、分離面積は、縮径部によって接続される、半径方向内側分離チャンバと、半径方向外側分離チャンバとを含む、実施形態1に記載の分析器システム。
(実施形態4)
サイフォンが、半径方向内側分離チャンバから混合チャンバまで延在する、実施形態3に記載の分析器システム。
(実施形態5)
サイフォン通気口が、サイフォンの頂点の近傍でサイフォンから延在する、実施形態4に記載の分析器システム。
(実施形態6)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、
モータと、
モータの作動によって回転されるようにモータに結合される、ドックと、
ドック内に保持され、サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムを含む、カートリッジであって、流体システムは、
入口チャンバと、
入口チャンバの下流にあり、標的被分析物を第1の標識と結合するように、サンプルの少なくとも一部を混合するように構成される、混合チャンバと、
を含む、カートリッジと、
プロセッサと、プロセッサによる実行に応じて、
カートリッジを回転させるように、モータを回転させるステップと、
混合チャンバを通して、再帰的に混合チャンバ内の混合ボールを前後に移動させるように、遠心分離機の回転を断続的に加速および減速するステップと、
を含む、動作のセットの実施を引き起こす、プログラム命令をその上に記憶している、非一過性のコンピュータ可読媒体とを含む、コントローラと、
を備える、分析器システム。
(実施形態7)
混合チャンバ内に配置される、凍結乾燥試薬をさらに備える、実施形態6に記載の分析器。
(実施形態8)
混合ボールは、非磁性である、実施形態6に記載の分析器。
(実施形態9)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、
モータと、
モータの作動によって回転されるようにモータに結合される、ドックと、
ドック内に保持され、サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムを含む、カートリッジであって、流体システムは、
流体を受容するように構成される流体入口ポートと、第1のチャンバと、流体出口ポートとを含む、流体ラインと、
検出チャンバと、
第1のチャンバと検出チャンバとの間の接続通路と、
を含む、カートリッジと、
プロセッサと、プロセッサによる実行に応じて、
接続通路内で空気の塊を維持しながら、流体ラインに沿って第1のチャンバの中に流体を圧送するステップを含む、
動作のセットの実施を引き起こす、プログラム命令をその上に記憶している、非一過性のコンピュータ可読媒体とを含む、コントローラと、
を備える、分析器システム。
(実施形態10)
流体ラインは、洗浄ラインである、実施形態9に記載の分析器システム。
(実施形態11)
接続通路は、第1のチャンバから直接延在する、実施形態9に記載の分析器システム。
(実施形態12)
接続通路は、検出チャンバまで直接延在する、実施形態9に記載の分析器システム。
(実施形態13)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、
モータと、
モータの作動によって回転されるようにモータに結合される、ドックと、
ドック内に保持され、サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムを含む、カートリッジであって、
流体を受容するように構成される流体入口ポートと、第1のチャンバと、流体出口ポートとを含む、流体ラインと、
検出チャンバと、
第1のチャンバと検出チャンバとの間の接続通路と、
を含む、カートリッジと、
第1のチャンバを用いて標的被分析物のための基質を提供するように構成される、複数の常磁性ビーズと、
可動ステージ上に配置される、第1の磁石と、
プロセッサと、プロセッサによる実行に応じて、
常磁性ビーズを懸濁液から外に、かつボーラスの中に引動するように、第1の磁石およびカートリッジの相対移動を促進するステップであって、相対移動は、第1の表面を横断して第1の磁石を移動させること、またはカートリッジを回転させることのうちの少なくとも1つによって促進される、ステップを含む、
動作のセットの実施を引き起こす、プログラム命令をその上に記憶している、非一過性のコンピュータ可読媒体とを含む、コントローラと、
を備える、分析器システム。
(実施形態14)
コントローラはさらに、第1のチャンバから第2のチャンバに常磁性ビーズおよび標的被分析物を移送するように、第1の磁石およびカートリッジの相対移動を促進するように構成される、実施形態13に記載の分析器システム。
(実施形態15)
第2の磁石をさらに備える、実施形態14に記載の分析器システム。
(実施形態16)
コントローラはさらに、洗浄動作を行うように構成され、洗浄動作は、
常磁性ビーズが第2のチャンバ内で分散するように、カートリッジの第1の表面から離れるように第1の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第2の磁石の近傍に集合するように、カートリッジの第2の表面に向かって第2の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第2のチャンバ内で分散するように、カートリッジの第2の表面から離れるように第2の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第1の磁石の近傍に集合するように、カートリッジの第1の表面に向かって第1の磁石を移動させるステップと、
を含む、実施形態15に記載の分析器システム。
(実施形態17)
サンプル内の標的被分析物の濃度を測定するための分析器システムであって、
モータと、
モータの作動によって回転されるように、モータに結合されるドックと、
ドック内に保持され、サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムを含む、カートリッジと、
分析動作の間にカートリッジの画像を捕捉するように構成される、品質制御カメラと、
電磁放射線を提供し、カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するように構成される、第1の電磁放射線源と、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を検出するように構成される、第1の検出器と、
品質制御カメラによって捕捉される画像を分析し、画像の分析に応答して、分析動作を継続し、
第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別する、
ように構成される、コントローラと、
を備える、分析器システム。
(実施形態18)
コントローラは、画像の分析に応答して、カートリッジをさらに回転させるように構成される、実施形態17に記載の分析器システム。
(実施形態19)
モータは、カートリッジに結合され、サンプルの成分を分離するように、少なくとも100rpmの速度においてカートリッジを回転させるように構成される、遠心分離機を含む、実施形態1-18のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態20)
複数のポートを含み、複数のポートのそれぞれをカートリッジの個別の対応するポートに結合するように構成される、マニホールドをさらに備える、施形態1-19のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態21)
モータは、カートリッジに結合され、カートリッジの検出ゾーンを第1の電磁放射線源からの電磁放射線と整合させるように、カートリッジを枢動させるように構成される、位置付けモータを含む、実施形態1-18のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態22)
第1の電磁放射線源からの電磁放射線をカートリッジの検出チャンバに指向するように、かつ標識によって放出される電磁放射線を検出器に指向するように構成される、光学システムをさらに備える、実施形態1-21のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態23)
光学システムは、共焦点システムである、実施形態22に記載の分析器システム。
(実施形態24)
分析器システムの構成要素の全ては、共通筐体内に配置され、共通筐体の寸法は、任意の方向に任意の方向に1メートルと同程度である、実施形態1-23のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態25)
コントローラは、ユーザから制御情報を受信するため、かつ分析データをユーザに出力するためのネットワークインターフェースを含む、実施形態1-24のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態26)
カートリッジは、平面的であり、カートリッジ内のチャンバは、単一の平面内に位置する、実施形態1-25のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態27)
カートリッジは、円盤であり、カートリッジのチャンバは、円盤の周囲に円周方向に位置付けられる、実施形態1-26のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態28)
カートリッジは、弁がない、実施形態1-27のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態29)
カートリッジは、50マイクロリットル~1ミリリットルの範囲内のサンプルを受容するように構成される、実施形態1-28のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態30)
カートリッジは、その中に貯蔵された試薬を含む、実施形態1-29のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態31)
標的被分析物の濃度を測定するためのサンプルを調製および含有するためのカートリッジであって、
サンプルを受容し、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するように構成される、流体システムであって、
混合チャンバと、
混合チャンバと連通する第1のチャネルと、
混合チャンバと連通する第2のチャネルと、
を含む、流体システムと、
混合チャンバ内に配置される、混合ボールであって、混合ボールは、第1のチャネルおよび第2のチャネルよりも大きい、混合ボールと、
を備える、カートリッジ。
(実施形態30)
カートリッジは、
基部と、
基部にわたって配置される、本体と、
本体にわたって配置される、カバーと、
を備え、本体は、カートリッジの複数のチャンバを画定する、それを通して延在する開放経路を含む、
実施形態25に記載のカートリッジ。
(実施形態31)
カートリッジは、平面的であり、カートリッジ内のチャンバは、単一の平面内に位置する、実施形態30に記載のカートリッジ。
(実施形態32)
カートリッジは、円盤であり、カートリッジのチャンバは、円盤の周囲に円周方向に位置付けられる、実施形態30または31のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態33)
カートリッジは、弁がない、実施形態30-32のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態34)
カートリッジは、50マイクロリットル~1ミリリットルの範囲内のサンプルを受容するように構成される、実施形態30-33のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態35)
カートリッジは、その中に貯蔵された試薬を含む、実施形態30-34のいずれかに記載の分析器システム。
(実施形態36)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、
サンプルをカートリッジの中に導入するステップであって、カートリッジは、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、流体システムは、
第1のチャンバと、
第2のチャンバと、
第1のチャンバから第2のチャンバまで延在するチャネルと、
を備える、ステップと、
標的被分析物を常磁性ビーズから成る基質に結合するステップと、
カートリッジの第1の表面の近傍に、かつ第1のチャンバに隣接して第1の磁石を位置付けるステップと、
常磁性ビーズを懸濁液から外に、かつボーラスの中に引動するように、第1の磁石およびカートリッジの相対移動を促進するステップであって、相対移動は、第1の表面を横断して第1の磁石を移動させること、またはカートリッジを回転させることのうちの少なくとも1つによって促進される、ステップと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、カートリッジ内に照会空間を形成するステップと、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容するステップと、
コントローラを使用して、第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するステップと、
を含む、方法。
(実施形態37)
平坦な円盤の形態のカートリッジ内で液体を混合する方法であって、
混合チャンバから半径方向内向きに延在するチャネルを通して、液体をカートリッジの混合チャンバに導入するステップであって、混合チャンバは、その中に混合ボールを含む、ステップと、
半径方向外向きに液体を押勢し、混合チャンバ内に液体を留めるように、第1の円周方向にカートリッジを回転させるステップと、
混合チャンバを通して再帰的に混合ボールを前後に移動させるように、カートリッジの回転を断続的に加速および減速するステップと、
を含む、方法。
(実施形態38)
混合チャンバは、液体の導入に先立って、凍結乾燥試薬を提供され、
混合チャンバを通した混合ボールの移動に起因する混合は、凍結乾燥試薬から液体の中にガスを放出する、
実施形態37に記載の方法。
(実施形態39)
放出されたガスは、半径方向内向きに混合チャンバから外に移動する、実施形態38に記載の方法。
(実施形態40)
混合ボールは、非磁性である、実施形態37-39のいずれかに記載の方法。
(実施形態41)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、
サンプルをカートリッジの中に導入するステップであって、カートリッジは、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、流体システムは、
流体を受容するように構成される流体入口ポートと、第1のチャンバと、流体出口ポートとを含む、流体ラインと、
検出チャンバと、
第1のチャンバと検出チャンバとの間の接続通路と、
を備える、ステップと、
標的被分析物を第1のチャンバに移送するステップと、
接続通路内で空気の塊を維持しながら、流体ラインに沿って第1のチャンバの中に流体を圧送するステップと、
標的被分析物を検出チャンバに移送するステップと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するステップと、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容するステップと、
コントローラを使用して、第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するステップと、
を含む、方法。
(実施形態42)
接続通路は、第1のチャンバから直接延在する、実施形態41に記載の方法。
(実施形態43)
接続通路は、検出チャンバまで直接延在する、実施形態41または42に記載の方法。
(実施形態44)
標的被分析物を検出チャンバに移送するステップをさらに含み、標的被分析物は、磁石を使用して運搬される常磁性ビーズによって検出チャンバの中に搬送される、実施形態41-43のいずれかに記載の方法。
(実施形態45)
検出チャンバは、溶出入口ポートと、溶出出口ポートとを含む、溶出ライン内に配置され、
本方法はさらに、常磁性ビーズから標的被分析物を結合解除するように、溶出流体を溶出ラインの中に圧送するステップを含む、
実施形態44に記載の方法。
(実施形態46)
流体は、流体入口ポートにおいて流体を流体ラインの中に送給し、流体出口ポートにおいて流体ラインから流体を引き出すことによって、流体ラインに沿って圧送される、実施形態41-45のいずれかに記載の方法。
(実施形態47)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、
サンプルをカートリッジの中に導入するステップであって、カートリッジは、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、流体システムは、
第1のチャンバと、
第2のチャンバと、
第1のチャンバから第2のチャンバまで延在するチャネルと、
を備える、ステップと、
標的被分析物を常磁性ビーズから成る基質に結合するステップと、
カートリッジの第1の表面の近傍に、かつ第1のチャンバに隣接して第1の磁石を位置付けるステップと、
常磁性ビーズを懸濁液から外に、かつボーラスの中に引動するように、第1の磁石およびカートリッジの相対移動を促進するステップであって、相対移動は、第1の表面を横断して第1の磁石を移動させること、またはカートリッジを回転させることのうちの少なくとも1つによって促進される、ステップと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、カートリッジ内に照会空間を形成するステップと、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容するステップと、
コントローラを使用して、第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するステップと、
を含む、方法。
(実施形態48)
第1のチャンバから第2のチャンバに常磁性ビーズおよび標的被分析物を移送するように、第1の磁石およびカートリッジの相対移動を促進するステップをさらに含む、実施形態47に記載の方法。
(実施形態49)
サンプルの他の構成成分から標的被分析物を単離するように、第2のチャンバ内で洗浄動作を実施するステップをさらに含む、実施形態47または48に記載の方法。
(実施形態50)
洗浄動作は、
常磁性ビーズが第2のチャンバ内で分散するように、カートリッジの第1の表面から離れるように第1の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第2の磁石の近傍に集合するように、カートリッジの第2の表面に向かって第2の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第2のチャンバ内で分散するように、カートリッジの第2の表面から離れるように第2の磁石を移動させるステップと、
常磁性ビーズが第1の磁石の近傍に集合するように、カートリッジの第1の表面に向かって第1の磁石を移動させるステップと、
を含む、実施形態49に記載の方法。
(実施形態51)
サンプル内の標的被分析物の存在を検出する方法であって、
サンプルをカートリッジの中に導入するステップであって、カートリッジは、サンプルの標的被分析物を単離し、サンプル内の標的被分析物の数量に比例する第1の標識の数量を収集するための流体システムを含み、流体システムは、
入口チャンバと、
入口チャンバに接続される、分離面積であって、内側分離チャンバと、外側分離チャンバとを含む、分離面積と、
分離面積の下流の検出チャンバと、
を備える、ステップと、
入口チャンバから分離面積に血液サンプルを移送するステップと、
外側分離チャンバに向かって血液サンプルの赤血球を移動させ、内側分離チャンバに向かって血漿を移動させるように、遠心分離機を使用して、カートリッジを回転させるステップと、
カメラを使用して、分離面積内の血液サンプルの画像を捕捉するステップと、
コントローラを使用して、分離面積内の血液サンプルの画像を分析し、分離面積内の赤血球の位置を決定するステップと、
内側分離チャンバから混合チャンバに血漿を移送するステップと、
血漿から標的被分析物を単離するステップと、
標的被分析物を検出チャンバに移送するステップと、
第1の電磁放射線源から電磁放射線を指向し、カートリッジの検出チャンバ内に照会空間を形成するステップと、
第1の標識が照会空間内に存在する場合、第1の標識によって照会空間内で放出される電磁放射線を第1の検出器内で受容するステップと、
コントローラを使用して、第1の検出器によって検出される電磁放射線に基づいて、サンプル内の標的被分析物の存在を識別するステップと、
を含む、方法。
(実施形態52)
赤血球の決定された位置に応答して、外側分離チャンバに向かって赤血球をさらに移動させるように、遠心分離機を使用して、カートリッジをさらに回転させるステップをさらに含む、実施形態51に記載の方法。
(実施形態53)
遠心分離機を使用して、カートリッジを回転させた後に、コントローラを使用して、血液サンプルの画像を分析し、内側分離チャンバ内の血漿の透明度を決定するステップをさらに含み、分離面積から混合チャンバにサンプルの一部を移送するステップは、事前決定された値を上回る血漿の透明度に応答して実行される、実施形態51または52に記載の方法。
(実施形態54)
混合チャンバ内の血漿の画像を捕捉するステップと、
コントローラを使用して、混合チャンバ内の血漿の画像を分析し、混合チャンバ内の血漿の体積を計算するステップと、
をさらに含む、実施形態53に記載の方法。
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