(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】ターボ機械のコンポーネンを作動させるためのシステムを監視するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
F01D 17/10 20060101AFI20240530BHJP
【FI】
F01D17/10 G
F01D17/10 L
(21)【出願番号】P 2021559157
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 EP2020059599
(87)【国際公開番号】W WO2020201522
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-06
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スーリエ,セバスティアン,ジャック,フランソワ,ミシェル
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-274205(JP,A)
【文献】特表2017-503959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0135527(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0040550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械の可動コンポーネントの作動システムを監視するための方法であって、前記作動システムは、第1のシリンダ及び第2のシリンダに位置指令を送るように構成された制御装置を有し、各前記シリンダは、前記位置指令に応答して位置フィードバック測定値を送るように構成され、前記方法は監視システムにおいて実施され、前記方法は、以下のステップ:
- 2つの前記シリンダの前記位置フィードバック測定値の間のずれが検出される第1の監視モードと;
- 前記2つのシリンダの前記位置フィードバック測定値の間のずれが検出されない第2の監視モードと;を含み、
前記第2の監視モードは、2つの前記位置フィードバック測定値のうちの少なくとも1つが過渡フェーズにある場合に選択される、
方法。
【請求項2】
測定電圧の勾配を閾値と比較することからなる位置フィードバック測定値の前記過渡フェーズの検出を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定電圧の勾配が前記閾値より大きい場合、前記測定電圧は過渡フェーズにある、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記過渡フェーズの検出は、確認期間と呼ばれる、所定期間の間前記測定電圧の過渡フェーズを検出することからなる前記過渡フェーズを確認するステップを含む、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定期間は、60~100msの間、典型的には80msを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ターボ機械の可動コンポーネントの作動システムの監視システムであって、前記作動システムは、第1のシリンダ及び第2のシリンダに位置指令を送るように構成された制御装置を有し、各前記シリンダは、前記位置指令に応じて位置フィードバック測定値を送るように構成され、前記監視システムは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法を実装するように構成される、
監視システム。
【請求項7】
請求項6に記載の監視システムによって監視される作動システムによって作動されるように構成されるターボ機械のコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダによるターボ機械コンポーネントの作動システムに関する。本発明は、より詳細には、このタイプの作動システムの監視に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターボ機械は、ノズルなどブレードなどの可動コンポーネントを有するモジュールを備えている。これらのコンポーネントは、指令に応じて動くことができなければならず、それらの動きは、1つ又は複数のシリンダによって制御される。これらの可動コンポーネントは、検討中のモジュールの運動学を形成し、従来はシリンダによって作動される。安全及び冗長性の理由から、位置フィードバックを示すシステムを用いて、シリンダ(複数可)に対する2つの位置測定を行うことが標準である。
【0003】
コストの理由で、各シリンダにこのタイプの位置フィードバックシステムを装備することは不可能である。従って、2つのシリンダよりも多数のシリンダが存在する場合、マスターシリンダと呼ばれる2つのシリンダのみが、このタイプの位置フィードバックを従来から装備している。
【0004】
このような位置フィードバックは、実際には、シリンダに適用される位置指令に応答するシリンダの測定された位置である。実際、シリンダ位置は、モジュールの運動学の運動の程度、例えば、ノズルの位置又はブレードの枢動の程度を知ることを可能にする。
【0005】
既知の方法では、2つのシリンダは、同じ命令に応答して同じ位置フィードバックを有しなければならない。2つのシリンダの測定された位置の間にずれ(deviation)がある場合、作動システムの摩耗による「シリンダ間の位置ずれ」の問題が存在し、これは故障の原因となることがある。累積稼働時間の多い作動システムでは「シリンダ間の測定ずれ」メンテナンスメッセージが繰り返し指摘されている。これらの「シリンダ間の測定ずれ」は、作動システムの著しい摩耗と関連があり、これは、位置フィードバックを備えた2つのシリンダ間の位置オフセットを発生させるが、必ずしも故障の特徴ではない。
【0006】
この故障の急増(本当であろうとなかろうと)は、翼下(作動システムを取り外す必要なく、航空機上で直接修理する)及び作業場修理を必要とする。これらの修理は、人件費と時間(故障の探索、シリンダの交換)で非常にコストがかかる。
【0007】
これらのメンテナンス作業を回避し、かつ取り外し前の翼下寿命を延ばすために、シリンダ間の測定ずれの検出を改善する必要があり、これの欠如は、作動システムが古くなる間に、シリンダ間の測定ずれの観測の増加を引き起こす可能性がある。このようなずれメッセージの増加は、エンジンの利用可能性を低下させ、メンテナンス作業に関連するコストを増加させる。
【0008】
従って、作動システムの通常の摩耗による特異性を考慮しながら、「シリンダ間の測定ずれ」の検出を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一つの目的は、従来技術の欠点を持たない監視システムを提案することである。
【0010】
この理由から、第1の態様によれば、可動コンポーネント、特に、ノズル又はブレードなどのターボ機械の可動コンポーネントの作動システムを監視するための方法が提案され、作動システムは、第1のシリンダ及び第2のシリンダに位置指令を送るように構成された制御装置を有し、各シリンダは、前記位置指令に応答して位置フィードバック測定値を送るように構成され、この方法は、監視システムにおいて実装されており、以下の:
- 2つのシリンダの位置フィードバック測定値の間のずれが検出される第1の監視モードと;
- 2つのシリンダの位置フィードバック測定値の間のずれが検出されない第2の監視モードと;を含み、
2つの位置フィードバック測定値の少なくとも1つが過渡フェーズ(transient phase)にあるという条件で、第2のモードが選択される方法。
【0011】
本発明は、有利には、単独で又は技術的に可能な組み合わせのいずれかで、以下の特徴によって完成される:
- この方法は、(E3)測定電圧の勾配を閾値と比較することからなる位置フィードバック測定値(12,22)の過渡フェーズの検出(T1,T2)を含む。
- 測定電圧の勾配が前記閾値よりも大きい場合、測定電圧は過渡フェーズにある。
- 過渡フェーズの検出は、確認期間と呼ばれる所定の期間にわたって前記測定電圧の過渡フェーズを検出することからなる過渡フェーズを確認するステップを含む。
- 所定の期間は、60~100msの間、典型的には80msを含む。
【0012】
第2の態様によれば、本発明は、可動コンポーネントの作動システム、特に、ノズル又はブレードなどのターボ機械の可動コンポーネントの作動システムに関し、前記作動システムは、第1のシリンダ及び第2のシリンダに位置指令を送るように構成された制御装置を有し、各シリンダは、前記位置指令に応じて位置フィードバック測定値を送るように構成され、前記監視システムは、本発明の第1の態様による方法を実装するように構成される。
【0013】
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第2の態様による監視システムによって監視される作動システムによって作動されるように構成されたターボ機械に関する。
【0014】
本発明の利点は多岐にわたる。
【0015】
各シリンダ間の位置フィードバック測定値のずれの検出は、位置フィードバック取得チェーンのコンポーネントの電気的ドリフトを検出することを可能にする。位置フィードバックを各々備えた2つのマスターシリンダによって制御される運動学の場合、2つのシリンダ間に見られるずれは電気的であるが、起源は機械的でもある。その結果、バックラッシュ調整又は摩耗の過渡現象が、ずれ監視にロバスト性の喪失をもたらし、ずれが誤って検出される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の説明によって明らかにされ、これは、純粋に例示的であり、限定的ではなく、添付の図面を参照して読み取らなければならない:
【0017】
【
図2】本発明の一実施形態による方法のステップのフローチャートである。
【
図4】本発明によって識別される可視及び不可視の過渡状態を示す。
【
図5】本発明の一実施形態による方法のサブステップのフローチャートである。
【0018】
全ての図において、類似のコンポーネントは、同一の参照符号を有する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、位置指令CONSを第1のシリンダ11及び第2のシリンダ21に送るように構成された制御装置1を有する、ノズル又はブレードなどのターボ機械のコンポーネントの作動システム10を示す。第1のシリンダ11及び第2のシリンダ21は、特に、作動システムの「マスター」と呼ばれるシリンダであり、これらの各々は、位置フィードバックモジュール12、22を備える。他のシリンダは、存在する場合、このタイプのモジュールを備えていない。
【0020】
位置指令CONSは、シリンダ11、21を制御するための指令電圧に変換される。位置指令CONSを各シリンダに適用した後、各シリンダ11、21は、前記指令CONSによって従って移動する。シリンダ11、21が位置指令によって移動したことを確認するために、各シリンダ11、21は、上述したように;シリンダ11、21の実際の移動を測定する位置フィードバックモジュール12、22(以下、位置フィードバック測定値12、22)を備えている。この場合、位置フィードバック測定値12、22が意味するものは、シリンダ11、21の実際の移動に比例した測定電圧である。また、当業者は、シリンダの位置フィードバックに対応する別のタイプの信号が考えられ得ることも理解するであろう。
【0021】
作動システムの正確な動作を検証するために、位置フィードバックモジュールから発する位置フィードバック測定値12、22は、特に各シリンダ11、21の位置フィードバック測定値12、22のずれを評価することを可能にする監視システム20に伝達される。この理由のために、監視システム20は、
図2に関連して、以下に説明する監視方法を実装するためのプロセッサなどの処理ユニットを有する。
【0022】
監視システム20は、位置フィードバックモジュールから発信される各位置フィードバック測定値12、22を入力として受け取る。
【0023】
各シリンダ11、21の位置フィードバック測定値12、22の過渡フェーズ(ステップT1、T2、それぞれ)の検出は、位置フィードバック測定値12、22に基づいて実装される。
【0024】
このタイプの検出T1、T2は、各シリンダ11、21に関連する位置フィードバック測定値12、22が過渡フェーズ、すなわち安定しておらず、したがって信頼性が低いかどうか、又は安定したフェーズであり、信頼性があると考えられるかどうかを評価することができる。
【0025】
実際、出願人は、シリンダ11、21間の位置フィードバック測定値のずれが、これらの測定値が過渡フェーズにあるときに増加することを観察した。運動学が動いている間のフェーズを過渡フェーズと呼ぶ。
【0026】
図3は、シリンダ11、21間の測定値間のずれが過渡フェーズの間に増加していたという事実を示している。これらの図には以下のものが示される:
- 第1のシリンダ11の位置フィードバック測定値の変動(曲線Mes1)
- 第2のシリンダ21の位置フィードバック測定値の変動(曲線Mes2)
- 2つの測定値間のずれの変動(曲線|Mes2-Mes1|)
- 第1の検出閾値S0及び第2の検出閾値S1。
【0027】
従って、検出閾値をS0からS1まで増加させることによっても、2つの測定値間のずれは、長い期間、常に閾値S1を超えており、従って、閾値及びずれ観察期間を設定することは困難であり(偏差が実際に閾値を超えたことを確実にするために)、信頼性の高い監視(高い検出閾値の定義によって影響を受ける)と、誤った故障を検出しないことの両方を可能にすることに留意されたい。
【0028】
従って、この観察を考慮に入れると、出願人は、この場合の監視がロバストではない、すなわち信頼性がないため、これらの過渡フェーズの間の位置フィードバック測定値のずれを監視しないことを提案する。
【0029】
従って、位置フィードバック測定値が過渡的な特性を有するか否かに応じて、監視システムによって実装される監視方法は、結果として選択されることができる(ステップSEL)2つの監視モードを含む。したがって次のように定義されている:
2つのシリンダ11、21の位置フィードバック測定値の間のずれが検出される間の第1の監視モードM1;
2つのシリンダ11、21の位置フィードバック測定値の間のずれが検出されない第2の監視モードM2。
【0030】
2つの位置フィードバック測定値12、22のうちの少なくとも1つが過渡フェーズにあるならば、第2の監視モードM2が選択される(ステップSEL)。
【0031】
したがって、2つの位置フィードバック測定値の一方が、第1又は第2の監視モードを選択する過渡フェーズであることを条件とする。
【0032】
第1のモードM1が選択されるとき、位置フィードバック測定値12、22のずれは、必要に応じて、メンテナンスをトリガする異常測定値ずれに関するアラームを生成することを可能にする(ステップALE)。この理由のため、トリガ閾値が、設定され、作動システム及びその作動システムのパラメータに依存する。
【0033】
エンジンの経年変化、及び/又は作動モード、及び/又は飛行エンベロープ、及び/又は操縦のタイプ(加速/減速、遅い又は速い)による過渡フェーズの変動を緩和するために、及びシリンダ11、21における過渡フェーズの検出を正確に管理するために、過渡フェーズの検出は、(エンジンの速度/温度/全体の圧力の変化、及び、考慮されているモジュールだけではない)エンジン自体の過渡フェーズではなく、位置測定値12、22の各々の勾配を監視することによって達成される。実際、
図4に示すように、エンジンのレベルではなく、シリンダ11、21のレベルでは、特定の可視的な過渡フェーズが存在する。したがって、有利には、各位置フィードバック測定値12、22の過渡的な特性は、各測定の勾配を考慮しながら評価される。もちろん、測定値の過渡特性を得るための他の可能性が実装され得る。
【0034】
過渡特性の検出(ステップT1、T2)は、
図5に関連して説明される以下のステップを含む。
【0035】
所与のシリンダ11、21についての位置フィードバック測定値の勾配は、以下のようにして得られる(ステップE1):
勾配i=測定値i-測定値i-1、
ここで、i、i-1は測定が行われた時間である。したがって、時間iで計算された勾配は、2つの連続した測定値の間の差である。
【0036】
したがって、過渡フェーズの検出は、シリンダ11、21の位置指令CONSに対してではなく、位置フィードバック測定値12、22(シリンダ11、21の真の位置のイメージ)に対して行われる。実際には、命令CONSは、特に、命令CONSが安定化されるが、シリンダ11、21がそれらの運動を終了している過渡フェーズの終わりにおいて、シリンダ11、21の実際の挙動を常に代表するものではない。これは、電気的にノイズの多い位置フィードバック測定値12、22を表し、シリンダ11、21に加えられる力に起因する変動を有するという欠点を有する。従って、このタイプの測定値で作られた勾配は、依然としてより雑音が大きく、従って、フィルタリングされた位置フィードバック測定値12、22に対する過渡フェーズの検出の達成を課す。
【0037】
次いで、時間Iにおいて計算された勾配は、次のようにフィルタリングされる(ステップE2):
フィルタリングされた勾配i=フィルタリングされた_勾配i-1-CTE・(勾配i-フィルタリングされた_勾配i-1)
【0038】
フィルタリングでは、連続して計算された勾配の2つの値を考慮に入れる。
フィルタの定数CTEは、以下の要素を考慮して設定される:
- 大きい時定数は、電気的及び機械的摂動の大部分をフィルタリングすることを可能にするが、勾配の検出を大きく遅らせ、過渡フェーズ(複数可)の変動のレベルを強く減衰させる;
- 小さい時定数は、過渡フェーズの迅速な検出を可能にするが、もしそれらが閾値付近のレベルを読み取るならば、誤った過渡フェーズ検出を与える(これは、ハイドロメカニカルパワーが低いポイントでの運動学のダイナミクスに依存して、かなり低いことがある)。
【0039】
次に、時間Iにおけるフィルタリングされた勾配の値が閾値と比較される(ステップE3)。特に、検討中のシリンダ11、21の位置フィードバック測定値12、22の過渡特性を示すために、時間iにおけるフィルタリングされた勾配のこの値は、所定の閾値よりも大きくなければならない。
【0040】
監視を早期に停止状態にしないためには、確認ステップ(ステップE4)中にこの過渡的な特性を確認しなければならない。
【0041】
この目的のためには、フィルタリングされた勾配は、確認期間と呼ばれるあらかじめ定められた期間中、特定の閾値よりも大きくなければならない。このタイプの期間は、典型的には60~100ms、好ましくは80msを含む。確認期間は、ずれの監視の停止にあまり遅延を生じさせないように、高くなりすぎることなしにロバスト性に寄与するようにかなり長くなければならない。この理由のため、確認期間は、運動学における最短の既存の過渡フェーズの関数となる。したがって、確認期間は経験的に固定される。
【0042】
検討中のシリンダ11、21の位置フィードバック測定値の過渡特性が確認された場合、シリンダ11、21間の測定値ずれの監視は停止される。
【0043】
監視モードの選択が実装され、第2の監視モードM2が選択される。そうでない場合は、第1の監視モードM1が選択される。
【0044】
確認期間は以下の2つの理由のために有利である:
- 勾配のフィルタリングは、過渡的な特性の検出に遅延をもたらし、値の振幅の減衰をもたらし、これは、フィルタリングされていない値の検出と比較して、検出閾値の低下をもたらす。
- 検出閾値の低下は、意図しない過渡フェーズの検出を引き起こす可能性があり、その正当性が示されない場合には監視を停止させる。
【0045】
上述した本発明は、有利には、検討中のモジュールのシリンダ11、21に関する自己支持型過渡フェーズ検出を有する:。すなわち、エンジン条件(定常速度、過渡速度など)又はシリンダ11、21に適用される命令CONSに基づかずに、シリンダ11、21に固有のパラメータのみに依存する。その結果、監視システム20は、いかなる故障モード(電気的ドリフト測定の開始)及びエンジン間のいかなる変動からも独立して作られる。さらに、本発明は、位置フィードバック測定値12、22のフィルタリング及び過渡フェーズの開始及び終了の確認を導入することによって、未加工測定値の使用に関連する欠陥を緩和する手段を提案する。最後に、本発明は、閾値の拡大及び/又はタイムアウトの拡大に関連する制限を緩和しすることによって、シリンダ11、21の位置測定値ずれ12、22の検出をロバストにすることを可能にし、従って、ずれ故障の検出に関連するトラブルシューティング(監視)を改善する。