IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノバ ケミカルズ(インターナショナル)ソシエテ アノニムの特許一覧

特許7496372増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂
<>
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図1
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図2
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図3
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図4
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図5
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図6
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図7
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図8
  • 特許-増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】増大したESCRおよび延性を有する二峰性回転成形樹脂
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20240530BHJP
   C08F 210/02 20060101ALI20240530BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
C08L23/08
C08F210/02
C08F4/6592
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021570741
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 IB2020054944
(87)【国際公開番号】W WO2020240401
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】62/855,373
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505382548
【氏名又は名称】ノバ ケミカルズ(インターナショナル)ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルユーミュール、セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】モロイ、ブライアン
【審査官】堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538413(JP,A)
【文献】特表2006-501351(JP,A)
【文献】特表2016-510349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0284552(US,A1)
【文献】特表2002-523531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/08
C08F 210/02
C08F 4/6592
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二峰性ポリエチレン組成物であって、0.934~0.940g/cmの密度、ASTM D1238(2.16kg 190℃、I)に従って測定された4.0~7.0g/10分のメルトインデックスI、ASTM D1238(21.6kg 190℃、I21)に従って測定された140~170g/10分のメルトインデックスI21、27~36のI21/I、条件Aおよび条件Bについて100%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された1000時間超のベントストリップESCR、条件B10について10%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された70時間超のベントストリップESCR、GPCによって測定された11,000~35,000の数平均分子量(Mn)、GPCによって測定された55,000~82,000の重量平均分子量(Mw)、2.2~2.6の全体的なMw/Mnを有し、FTIRによる測定で4~5重量%の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーを含み、2成分にデコンボリューションされたとき、(i)1~25重量%の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、20~45重量%の第1成分であって、ASTM D792に従って測定された0.915~0.925g/cmの密度、180,000~220,000g/molの重量平均分子量(Mw)、2~3のMw/Mnを有する第1成分と、(ii)1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、80~55重量%の第2成分であって、ASTM D792に従って測定された0.940~0.945g/cmの密度、30,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および2~3のMw/Mnを有する第2成分とからなる、二峰性ポリエチレン組成物。
【請求項2】
成分(i)が20~35重量%の量で存在する、請求項1に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
【請求項3】
前記1種以上のコモノマーが本質的に1-オクテンからなる、請求項1に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
【請求項4】
成分(ii)が80~65重量%の量で存在する、請求項1に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
【請求項5】
成分(ii)が、20,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および3未満の多分散度を有する、請求項1に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
【請求項6】
二峰性ポリエチレン組成物を調製するプロセスであって、
この二峰性ポリエチレン組成物は、0.934~0.940g/cmの密度、ASTM D1238(2.16kg 190℃、I)に従って測定された4.0~7.0g/10分のメルトインデックスI、ASTM D1238(21.6kg 190℃、I21)に従って測定された140~170g/10分のメルトインデックスI21、27~36のI21/I、条件Aおよび条件Bについて100%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された1000時間超のベントストリップESCR、条件B10について10%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された70時間超のベントストリップESCR、GPCによって測定された11,000~35,000の数平均分子量(Mn)、GPCによって測定された55,000~82,000の重量平均分子量(Mw)、2.2~2.6の全体的なMw/Mnを有し、FTIRによる測定で4~5重量%の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーを含み、2成分にデコンボリューションされたとき、(i)1~25重量%の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、20~45重量%の第1成分であって、ASTM D792に従って測定された0.915~0.925g/cmの密度、180,000~220,000g/molの重量平均分子量(Mw)、2~3のMw/Mnを有する第1成分と、(ii)1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、80~55重量%の第2成分であって、ASTM D792に従って測定された0.940~0.945g/cmの密度、30,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および2~3のMw/Mnを有する第2成分とからなり、
前記プロセスは、1種以上の活性化剤と共にホスフィンイミン配位子を含むシングルサイト触媒の存在下で、エチレンおよび1種以上のC4-8コモノマーを2つの連続した液相重合反応器に供給することを含む、プロセス。
【請求項7】
前記触媒が、下記式:
【化1】

(式中、Mは、Ti、ZrおよびHfからなる群から選択され;Plは、下記式:
【化2】

(式中、各R21は、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロカルビル基、典型的には置換されていないか、またはハロゲン原子によってさらに置換されているC1-10;C1-8アルコキシ基;C6-10アリールまたはアリールオキシ基;アミド基;式:-Si-(R22のシリル基(各R22は、水素、C1-8アルキルまたはアルコキシ基、およびC6-10アリールまたはアリールオキシ基から独立に選択される);ならびに、式:-Ge-(R22のゲルマニル基(R22は上で定義されているとおりである)から独立に選択される)のホスフィンイミン配位子であり;Lは、シクロペンタジエニル型配位子からなる群から独立して選択されるモノアニオン性シクロペンタジエニル型配位子であり;Yは、活性化可能な配位子からなる群から独立して選択され;mは1または2であり;nは0または1であり;pは整数であり、m+n+pの合計はMの原子価状態に等しい。)によって定義される、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記1種以上の活性化剤が、アルモキサンおよびイオン活性化剤を含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
120~250℃の間の温度で行われる、請求項6に記載のプロセス。
【請求項10】
水素が、0.05~1.5重量ppmの量で第1の反応器に、および1.5~3.0重量ppmの量で第2の反応器に加えられる、請求項6に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転成形品に使用するためのポリエチレン組成物に関する。本組成物は、並外れた環境応力亀裂抵抗(ESCR)および延性を有する。本組成物はまた、特に、より大きな部品の成形を容易にする高いフローインデックスを有する。
【背景技術】
【0002】
回転成形製造での使用に適した樹脂の製造には、多くの考慮事項がある。樹脂は次のものである必要がある:商業的に許容できる生産速度で生産できること;回転成形プロセスでの使用に適していること(例えば、適切な焼結温度および金型から除去される適切な冷却速度を有すること);そして最後に、最終的な用途に適した特性を有すること。求められる重要な特性の1つは、環境応力亀裂抵抗(ESCR)である。例えば、農業用タンク噴霧器、貯水槽、小型の回転成形部品などの用途で、化学薬品や日光などへの曝露に起因して樹脂に亀裂が生じないようにする必要がある。
【0003】
1995年1月17日にStehlingに発行され、Exxonに譲渡された米国特許第5,382,630号および第5,382,631号は、優れた物性を有する二峰性樹脂を教示している。当該特許は、ブレンドがそれぞれ3未満の多分散度(Mw/Mn)を有する2つ以上の成分を有し、このブレンドが3を超える多分散度を有し、ブレンド中に比較的高分子量の成分を含まず、より低いコモノマー含有量を有する(すなわちコモノマー取込みの逆である)ことを必須事項とする。この参照文献は、ESCRの改善を示唆していない。
【0004】
Lustigerらに2005年11月29日に発行され、ExxonMobilに譲渡されたた米国特許第6,969,741号は、回転成形に適したポリエチレンのブレンドを教示している。この特許は、各成分の密度の差が0.030g/cm以上であることを教示している。本願の組成物中の構成ポリマーの密度の差は、0.030g/cm未満である。
【0005】
Davisの名で2013年7月16日に発行され、Dow Global technologies Inc.に譲渡された米国特許第8,486,323号は、回転成形品に使用され、高い耐衝撃性を有するポリマーブレンドを教示している。これらのブレンドは、炭素原子1000個あたり0.06未満の残留不飽和度を有する。
【0006】
Buckらの名前で2011年2月21日に出願された特許出願から2013年7月23日に発行され、Chevron Phillipsに譲渡された米国特許第8,492,498号は、100%IGEPAL(登録商標)CO-630中でASTM D1693によって測定された1000時間を超えるベントストリップESCR条件Aを有する、回転成形に適した高密度ポリマーを開示している。
【0007】
両方共、Yangらの名前にて2008年12月18日の優先日を主張し、Chevron Phillipsに譲渡された、2012年2月14日発行の米国特許第8,114,946号、および2013年7月2日発行の米国特許第8,475,899号は、架橋メタロセン触媒を使用して調製され、1000炭素原子あたり0.008未満の長鎖分岐(LCB)含量を有する(これによってポリマー中にLCBが存在することが示唆されている)ポリマーを教示している。本開示の組成物を製造するために使用される触媒およびプロセスは、検出可能な長鎖分岐を生成しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、要約すると、高いフローレート(成形が容易になる)および良好なESCRの両方を有する回転成形樹脂を調製することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
一実施形態によれば、以下が提供される:
二峰性ポリエチレン組成物であって、0.934~0.940g/cmの密度、ASTM D1238(2.16kg 190℃、I)に従って測定された4.0~7.0g/10分のメルトインデックスI、ASTM D1238(21.6kg 190℃、I21)に従って測定された140~170g/10分のメルトインデックスI21、27~36のI21/I、条件Aおよび条件Bについて100%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された1000時間超のベントストリップESCR、条件B10について10%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された70時間超のベントストリップESCR、GPCによって測定された11,000~35,000の数平均分子量(Mn)、GPCによって測定された55,000~82,000の重量平均分子量(Mw)、2.2~2.6の全体的なMw/Mnを有し、FTIRによる測定で4~5重量%(wt%)の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーを含み、2成分にデコンボリューションされたとき、(i)1~25重量%の1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、20~45重量%の第1成分であって、ASTM D792に従って測定された0.915~0.925g/cmの密度、180,000~220,000g/molの重量平均分子量(Mw)、2~3のMw/Mnを有する第1成分と、(ii)1種以上のC4-8アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、80~55重量%の第2成分であって、ASTM D792に従って測定された0.940~0.945g/cmの密度、30,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および2~3のMw/Mnを有する第2成分とからなる、二峰性ポリエチレン組成物。
【0010】
別の実施形態によれば、成分(i)が約20~約35重量%の量で存在する前記二峰性ポリエチレン組成物が提供される。
【0011】
別の実施形態によれば、前記1種以上のコモノマーが本質的に1-オクテンからなる前記二峰性ポリエチレン組成物が提供される。
【0012】
更なる実施形態によれば、成分(ii)が約65~約80重量%の量で存在する前記二峰性ポリエチレン組成物が提供される。
【0013】
別の実施形態によれば、成分(ii)が、約30,000~約50,000の重量平均分子量(Mw)、および2.5未満の多分散度を有する前記二峰性ポリエチレン組成物が提供される。
【0014】
別の実施形態によれば、以下が提供される:
前記二峰性ポリエチレン組成物を製造するプロセスであって、1種以上の活性化剤と共にホスフィンイミン配位子を含むシングルサイト触媒の存在下で、エチレンおよび1種以上のC4-8コモノマーを2つの連続した液相反応器に供給することを含むプロセス。
一実施形態では、前記触媒が、下記式:
【化1】

(式中、Mは、Ti、ZrおよびHfからなる群から選択され;Plは、下記式:
【化2】

(式中、各R21は、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロカルビル基、典型的には置換されていないか、またはハロゲン原子によってさらに置換されているC1-10;C1-8アルコキシ基;C6-10アリールまたはアリールオキシ基;アミド基;式:-Si-(R22のシリル基(各R22は、水素、C1-8アルキルまたはアルコキシ基、およびC6-10アリールまたはアリールオキシ基から独立に選択される);ならびに、式:-Ge-(R22のゲルマニル基(R22は上で定義されているとおりである)から独立に選択される)のホスフィンイミン配位子であり;Lは、シクロペンタジエニル型配位子からなる群から独立して選択されるモノアニオン性シクロペンタジエニル型配位子であり;Yは、活性化可能な配位子からなる群から独立して選択され;mは1または2であり;nは0または1であり;pは整数であり、m+n+pの合計はMの原子価状態に等しい。)によって定義される。
【0015】
一実施形態において、水素は、両方の反応器に以下のように:(i)0.5~1.5重量ppmの量で第1の反応器に、および(ii)1.5~3.0ppmの量で第2の反応器に加えられる。
【0016】
更なる実施形態によれば、前記二峰性ポリエチレン組成物から本質的になる回転成形部品が提供される。別の実施形態においては、前記二峰性ポリエチレン組成物から形成された回転成形部品は、延性破壊(ductile failure)を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、例1および比較例の樹脂についてのゲル浸透クロマトグラフ(GPC)によって得られた分子量分布のプロットである。
図2図2は、GPCによって得られた分子量分布と、例1の樹脂のGPC-FTIRから測定された短鎖分岐分布のプロットである。
図3図3は、例1のポリマーのGPCによって得られた分子量分布、および例1のポリマーを構成する第1および第2のエチレンポリマーの分子量分布のコンピュータモデル予測のプロットである。
図4図4は、例1ならびに比較例3および4のポリマーの昇温溶出分別プロファイル(TREF)のプロットである。
図5図5は、比較例1、3および4のポリマーのTREFのプロットである。
図6図6は、比較例1のポリマーのTREFのプロットである。
図7図7は、本発明の例1および比較例2のポリマーで得られたクロス分別クロマトグラフィーの結果、80℃で得られた溶出画分についてのGPCから得られた分子量分布のプロットを示す。
図8図8は、本発明の例1および比較例2のポリマーで得られたクロス分別クロマトグラフィーの結果、89℃で得られた溶出画分についてのGPCから得られた分子量分布のプロットを示す。
図9図9は、本発明の例1および比較例2のポリマーで得られたクロス分別クロマトグラフィーの結果、ならびに94℃で得られた溶出画分についてのGPCから得られた分子量分布のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
数値範囲
実施例または他に示された場合を除き、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを指す全ての数字または表現は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、反対に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、開示された実施形態の所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0019】
本開示の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは概数であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。ただし、いずれの数値にも本質的に、それぞれの試験測定で見いだされた標準偏差に必然的に起因する特定の誤差が含まれている。
【0020】
また、本明細書に列挙されるいずれの数値範囲も、そこに含まれる全てのサブ範囲を包含することを意図していることを理解されたい。例えば、「1から10」の範囲は、記載されている最小値1と記載されている最大値10との間および両端を含む全てのサブ範囲を包含する、つまり最小値が1以上で、最大値が10以下であることを意図している。開示された数値範囲は連続的であるため、最小値と最大値との間の全ての値が包含される。特に明記されていない限り、本願で指定されているさまざまな数値範囲は概数である。
【0021】
本明細書で表現された全ての組成範囲は、実際には、合計で100パーセント(体積パーセントまたは重量パーセント)に制限され、それを超えない。複数成分が組成物中に存在し得る場合、各成分の最大量の合計は100パーセントを超えることがあるが、実際に使用される成分の量は100パーセントの最大量に適合することが把握され、これは当業者によって容易に理解され得る。
【0022】
本開示の組成物は、二峰性ポリエチレンであり、2つの別個の成分にデコンボリューションされ得る。通常、これは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)曲線(図1)の右側に「ショルダー」(“shoulder”)が存在することによって実証される。この場合、図2に示すように、GPC曲線の右側に小さいショルダーがあり、少量の高分子量低密度成分を示している。
【0023】
全体的なポリエチレン組成物は、コモノマー含有量に関して狭く定義され、約4~約5重量%の1種以上のC6-8アルファオレフィンおよび残りのエチレンを含む。一実施形態では、コモノマーは、1-オクテンまたは1-ヘキセン、特に1-オクテンである。
【0024】
一実施形態では、高分子量成分は、組成物全体の重量に基づいて、組成物全体の約20~約45重量%、特に約20~約35重量%、中でもとりわけ約25~約30重量%の量で存在する。低分子量成分は、組成物全体の重量に基づいて、組成物全体の約80~約55重量%、特に約80~約65重量%、中でもとりわけ約75~約70重量%の対応する量で存在する。
【0025】
高分子量成分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されるとき、約180,000~約220,000の重量平均分子量(Mw)を有する。高分子量成分は、2.5未満の多分散度(Mw/Mn:重量平均分子量/数平均分子量)を有する。組成物全体のメルトインデックスIは約4~7です。二峰性組成物が、このようなI値(比較的高い)を有しつつも、Mwが180,000を超える第1のブレンド成分を有することは、通常ではない。
【0026】
理論に拘束されることを望むものではないが、この組み合わせ(すなわち、4~7のIおよび180,000を超える第1のブレンド成分のMw)は、本発明にとって不可欠であると考えられる。
【0027】
高分子量成分は、低分子量成分よりも低い密度を有する。組成物中の高分子量成分の密度は、約0.915~約0.925g/cmの範囲であり得る。当該成分の密度、または他のいずれかの成分もしくは全組成物の密度は、コモノマーの取り込みの程度の関数である。一実施形態では、高分子量成分は、長鎖分岐を全く有さない。
【0028】
低分子量成分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されるとき、約100,000未満、典型的には約30,000~約50,000の重量平均分子量(Mw)を有する。低分子量成分は、2.5未満の多分散度(Mw/Mn)を有する。
【0029】
低分子量成分は、高分子量成分よりも高い密度を有する。組成物中の低分子量成分の密度は、約0.940g/cmより大きく、典型的には、約0.940~約0.945g/cmである。一実施形態では、低分子量成分は、長鎖分岐を全く有さない。
【0030】
一実施形態では、二峰性ポリエチレン組成物を製造するために使用される触媒は、長鎖分岐を生成しない。
【0031】
二峰性ポリエチレン組成物の全体的な特性には、以下が含まれる:
約0.934~約0.940g/cmの密度;
ASTM 1238によって測定される、190℃の温度で2.16kgの負荷の下での約4~約7g/10分のメルトインデックス(I)、また場合によっては約4.5~約6g/10分のメルトインデックス(I);
ASTM 1238によって測定される、190℃の温度で21.6kgの負荷の下での約140~約170g/10分のメルトインデックス(I21)、また場合によっては約140~約160g/10分のメルトインデックス(I21);
約27~約36のメルトフロー比(I21/I);
10%IGEPAL(登録商標)CO-630を用いた条件Bでの70時間を超えるESCR;
100%IGEPAL CO-630(オクトキシノール-9)を用いた条件Aでの1000時間を超えるESCR;および
100%IGEPAL CO-630を用いた条件Bでの1000時間を超えるESCR。
【0032】
全体として、組成物は、約4~約5重量%の1種または複数種のC4-8コモノマーを含む。
【0033】
全体的な二峰性ポリエチレン組成物には、以下の分子的特徴が組み込まれている:
FTIRによる約5~約7の短鎖分岐頻度/1000炭素原子;
FTIRによる約4~約5のコモノマー含有量(重量%);
GPCによる約15,000~約35,000の数平均分子量(Mn)、また場合によっては約25,000~約30,000の数平均分子量(Mn);
GPCによる約55,000~約82,000の重量平均分子量(Mw)、また場合によっては約60,000~約75,000の重量平均分子量(Mw);および
約2.0~2.6の多分散度(Mn/Mw)。
【0034】
ポリマーは、溶液重合技術を使用して製造することができる。エチレンと1種または複数種のコモノマーとの溶液重合において、コモノマーの非限定的な例には、C3-8α-オレフィンが含まれ;場合によっては、1-ヘキセンまたは1-オクテン、特に1-オクテンが使用される。モノマーは通常、不活性炭化水素溶媒に溶解されるが、これは、典型的には、非置換またはC1-4アルキル基で置換されていてもよいC5-12炭化水素、例えば、ペンタン、メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、水素化ナフサなどである。市販されている適切な溶媒の例は、“Isopar E”(C8-12脂肪族溶媒、Exxon Chemical Co.)である。
【0035】
触媒および活性化剤もまた、溶媒に溶解されるか、または反応条件で溶媒と混和性のある希釈剤に懸濁される。
【0036】
触媒
一実施形態では、触媒は次式の化合物である:
【化3】

(式中、Mは、Ti、ZrおよびHfからなる群から選択され;Plは、下記式:
【化4】

(式中、各R21は、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロカルビル基、典型的には置換されていないか、またはハロゲン原子によってさらに置換されているC1-10;C1-8アルコキシ基;C6-10アリールまたはアリールオキシ基;アミド基;式:-Si-(R22のシリル基(各R22は、水素、C1-8アルキルまたはアルコキシ基、およびC6-10アリールまたはアリールオキシ基から独立に選択される);ならびに、式:-Ge-(R22のゲルマニル基(R22は上で定義されているとおりである)から独立に選択される)のホスフィンイミン配位子であり;Lは、シクロペンタジエニル型配位子からなる群から独立して選択されるモノアニオン性シクロペンタジエニル型配位子であり;Yは、活性化可能な配位子からなる群から独立して選択され;mは1または2であり;nは0または1であり;pは整数であり、m+n+pの合計はMの原子価状態に等しい。)。
【0037】
好適なホスフィンイミンは、各R21がヒドロカルビル基、特にC1-6ヒドロカルビル基、中でもとりわけC1-4ヒドロカルビル基であるホスフィンイミンである。
【0038】
「シクロペンタジエニル」という用語は、環内に非局在化結合を有し、典型的には、活性触媒部位、一般に、eta-5結合を介して第4族金属(M)に結合している5員炭素環を指す。シクロペンタジエニル配位子は、非置換であるか、または一部もしくは完全に以下の群から選択される1種以上の置換基によって置換されていてよい:非置換であるかまたはハロゲン原子およびC1-4アルキル基からなる群から選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されたC1-10ヒドロカルビル基;ハロゲン原子;C1-8アルコキシ基;C6-10アリールまたはアリールオキシ基;非置換であるか、または2つまでのC1-8アルキル基で置換されたアミド基;非置換であるか、または2つまでのC1-8アルキル基で置換されたホスフィド基;式-Si-(R)のシリル基(式中、各Rは、水素、C1-8アルキルまたはアルコキシ基、およびC6-10アリールまたはアリールオキシ基から独立に選択される);ならびに式:-Ge-(R)(Rは上で定義されているとおりである)。
【0039】
シクロペンタジエニル型配位子は、シクロペンタジエニル基、インデニル基およびフルオレニル基からなる群から選択することができ、これらの基は、非置換であるか、あるいは、フッ素原子、塩素原子;C1-4アルキル基;および、非置換であるか、もしくは1つ以上のフッ素原子によって置換されたフェニルまたはベンジル基からなる群から選択される1つ以上の置換基によって一部もしくは完全に置換されている。
【0040】
活性化可能な配位子Yは、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C6-20アリール基、C7-12アリールアルキル基、C6-10フェノキシ基、最大2つのC1-4アルキル基で置換されていてよいアミド基、およびC1-4アルコキシ基からなる群から選択され得る。場合によっては、Yは、塩素原子、メチル基、エチル基、およびベンジル基からなる群から選択される。
【0041】
好適なホスフィニミン触媒は、1つのホスフィニミン配位子(上記のもの)と1つのシクロペンタジエニル型(L)配位子と2つの活性化可能な配位子を含む第4族有機金属錯体である。触媒は架橋されていない。
【0042】
活性化剤
触媒の活性化剤は、典型的には、アルミノキサン(当業者にはアルモキサンとしても知られている)およびイオン活性化剤からなる群から選択される。
【0043】
アルモキサン
好適なアルモキサンは、式:(RAlO(RAlO)Al(Rであってよく、式中、各Rは、C1-20ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、mは、0~50である。一実施形態において、RはC1-4アルキル基であり、mは5~30である。好適なアルモキサンの非限定的な例は、各Rがメチルであるメチルアルモキサン(または「MAO」)である。
【0044】
アルモキサンは、助触媒として、特にメタロセン型触媒の助触媒として周知である。アルモキサンはまた、容易に入手可能な商品である。
【0045】
アルモキサン助触媒の使用は、一般に、触媒中のアルミニウムの遷移金属に対するモル比が約20:1~約1000:1であることを必要とし、または他の場合には、約50:1~約250:1を必要とする。
【0046】
市販のMAOは、典型的には、触媒活性を低下させ、および/またはポリマーの分子量分布を広げる可能性がある遊離アルミニウムアルキル(例えば、トリメチルアルミニウムまたは「TMA」)を含む。狭い分子量分布のポリマーが必要な場合、そのような市販のMAOを、TMAと反応することができる添加剤で処理することが知られており、好適な添加剤の非限定的な例には、アルコールまたはヒンダードフェノールが含まれる。
【0047】
「イオン活性化剤」(“ionic activators”)助触媒
いわゆる「イオン活性化剤」は、メタロセン触媒についても周知である。例えば、その両方が参照により本願に組み込まれる米国特許第5,198,401号(HlatkyおよびTurner)ならびに米国特許第5,132,380号(StevensおよびNeithamer)を参照されたい。
【0048】
いかなる理論にも拘束されることを望まないが、「イオン活性化剤」は、最初に、触媒をカチオンにイオン化する方法で1つまたは複数の活性化可能な配位子(リガンド)の引き抜きを引き起こし、次に、嵩が大きく不安定な非配位性のアニオンを与え、これが触媒をカチオンの形で安定化するものと当業者に考えられている。この嵩が大きい非配位性のアニオンは、カチオン性触媒中心でオレフィン重合を進行させることができるが、これはおそらく、非配位性アニオンが、触媒に配位するモノマーによって置換される程度に十分に不安定であるためである。イオン活性化剤の非限定的な例は、以下のようなホウ素含有イオン活性化剤である:
式[R[B(Rの化合物(式中、Bはホウ素原子であり、Rは芳香族ヒドロカルビル(例えば、トリフェニルメチルカチオン)であり、各Rは、非置換であるフェニル基、あるいは、フッ素原子、置換されていないC1-4アルキルもしくはアルコキシ基、またはフッ素原子で置換されたC1-4アルキルもしくはアルコキシ基からなる群から選択される3~5個の置換基で置換されたフェニル基;ならびに、式-Si-(Rのシリル基(式中、各Rは、水素原子およびC1-4アルキル基からなる群から独立して選択される。)からなる群から独立に選択される。);
式[(RZH][B(Rの化合物(式中、Bはホウ素原子であり、Hは水素原子であり、Zは窒素原子またはリン原子であり、tは2または3であり、RはC1-8アルキル基、非置換もしくは3つまでのC1-4アルキル基で置換されたフェニル基からなる群から選択され、または、窒素原子が一緒に取り込まれた1つのRはアニリニウム基を形成してよく、Rは上で定義されたとおりである。);および
式B(Rの化合物(式中、Rは上で定義されたとおりである。)。
【0049】
上記の化合物のいくつかでは、Rはペンタフルオロフェニル基であり、Rはトリフェニルメチルカチオンであり、Zは窒素原子であり、RはC1-4アルキル基であるか、またはRは窒素原子と一緒になってアニリニウム基を形成し、これは2つのC1-4アルキル基によって置換される。
【0050】
「イオン活性化剤」は、1つまたは複数の活性化可能な配位子を引き抜いて、触媒中心をカチオンにイオン化し得るが、触媒と共有結合せず、触媒とイオン活性化剤(イオン化活性化剤)との間に十分な距離を提供して、結果として生じる活性部位に重合性オレフィンが入ることを可能にする。
【0051】
イオン活性化剤の例には、以下が含まれる:トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボロン;トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ボロン;トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボロン;トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボロン;トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ボロン;トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボロン;トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボロン;トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ボロン;N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボロン;N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボロン;N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)n-ブチルボロン;N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボロン;ジ-(イソプロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボロン;ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリフェニルホスホニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ボロン;トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ボロン;トロピリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート;トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキスペンタフルオロフェニルボラート;トロピリウムフェニルトリスペンタフルオロフェニルボラート;トリフェニルメチリウムフェニルトリスペンタフルオロフェニルボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)フェニルトリスペンタフルオロフェニルボラート;トロピリウムテトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5-トリフルオロフェニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(1,2,2-トリフルオロエテニル)ボラート;トリフェニルメチリウムテトラキス(1,2,2-トリフルオロエテニル)ボラート;ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(1,2,2-トリフルオロエテニル)ボラート;トロピリウムテトラキス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボラート;トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボラート;および、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)ボラート。
【0052】
市販品として容易に入手され得るイオン活性化剤には、次のものが含まれる:N,N-ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート;トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート;および、トリスペンタフルオロフェニルボラン。
【0053】
イオン活性化剤は、触媒中の第IV族金属に対してほぼモル当量のホウ素で使用することができる。触媒からの第IV族金属とホウ素との好適なモル比は、約1:1~約3:1の範囲であってよく、他の場合には約1:1~約1:2の範囲であってよい。
【0054】
場合によっては、イオン活性化剤は、アルキル化活性化剤(スカベンジャーとしても機能し得る)と組み合わせて使用され得る。イオン活性化剤は、以下からなる群から独立に選択されてよい:式(RMgX2-p(式中、Xはハロゲン化物であり、各Rは、C1-10アルキル基からなる群から独立に選択され、pは1または2である。);式RLi(式中、Rは上で定義されたとおりである。);式(RZnX2-q(式中、Rは上で定義されたとおりであり、Xはハロゲンであり、qは1または2である。);式(RAlX3-sここで、Rは上で定義されたとおりであり、Xはハロゲンであり、sは1~3の整数である。)。上記化合物のいくつかでは、RはC1-4アルキル基であり、Xは塩素である。市販の化合物には、トリエチルアルミニウム(TEAL)、ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)、ジブチルマグネシウム((Bu)Mg)、およびブチルエチルマグネシウム(BuEtMgまたはBuMgEt)が含まれる。
【0055】
ホスフィンイミン触媒がイオン活性化剤(例えば、ホウ素化合物)およびアルキル化剤の組み合わせで活性化される場合、触媒からの第IV族金属:イオン活性化剤からのメタロイド(ホウ素):アルキル化剤からの金属のモル比は、約1:1:1~約1:3:10、その他の場合は約1:1.3:5~約1:1.5:3の範囲であってよい。
【0056】
重合プロセス
高温溶液プロセスにおける反応器(単数または複数)の温度は、約80℃~約300℃であり、他の場合には、約120℃~250℃である。上限温度は、良好なポリマー特性をなおも維持しながら(溶液の粘度を下げるために)操作温度を最大にするという要求(重合温度を上げると一般にポリマーの分子量が低下する)などの当業者によく知られている考慮事項によって影響を受ける。一般に、重合上限温度は、約200~約300℃の間であり得る。2つの反応器を使用するプロセスは、第2の反応器の温度が第1の反応器の温度よりも高い2つの温度で実施することができる。特に好適な反応プロセスは「中圧プロセス」であり、これは、反応器(単数または複数)内の圧力が通常約6,000psi(約42,000キロパスカル、kPa)未満であることを意味する。中圧プロセスのいくつかの実施形態では、圧力は、約10,000~約40,000kPa(1,450~5,800psi)、特に約14,000~約22,000kPa(2,000psi~3,000psi)である。
【0057】
いくつかの反応スキームでは、反応器システム(反応器系)内の圧力は、重合溶液を単相溶液として維持し、ポリマー溶液を反応器システムから熱交換器システムを介して揮発分除去システムに供給するために必要な上流圧力を提供するのに十分高くなければならない。他のシステムは、溶媒をポリマー富化ストリームとポリマー欠乏ストリームとに分離して、ポリマー分離の促進を可能にする。
【0058】
溶液重合プロセスは、1つもしくは複数の撹拌槽型反応器を含む撹拌「反応器システム」(“reactor system”)において、または1つもしくは複数のループ反応器において、または混合ループおよび撹拌槽型反応器システムにおいて実施することができる。反応器は、タンデム(tandem)または並列運転であってよい。デュアル(2段)タンデム反応器システムでは、第1の重合反応器はしばしばより低い温度で作動する。各反応器での滞留時間は、反応器の設計および容量に依存する。一般に、反応器は、反応物の完全な混合を達成するための条件下で操作されるべきである。一実施形態では、最終ポリマーの約20~約60重量%が第1の反応器で重合され、残りは第2の反応器で重合される。
【0059】
有用な溶液重合プロセスは、直列に少なくとも2つの重合反応器を使用する(「複数反応器プロセス」)。第1の反応器の重合温度は約80℃~約180℃(他の場合には約120℃~160℃)であり、第2の反応器は通常、より高い温度(最大約220℃)で操作される。一実施形態では、この複数反応器プロセスは「中圧プロセス」であり、これは、各反応器内の圧力が通常、約6,000psi(約42,000キロパスカル、kPa)未満、特に約2,000psi~約3,000psi(約14,000~22,000kPa)であることを意味する。
【実施例
【0060】
試験方法
ユニバーサルキャリブレーション(例えばASTM-D646-99)を使用した示差屈折率検出器を備えた高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、Mn、MwおよびMz(g/mol)を測定した。分子量分布(MWD)は、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比率である。
【0061】
GPC-FTIRを使用して、分子量の関数としてコモノマー含有量を測定した。GPCによるポリマーの分離後、オンラインFTIRによりポリマーおよびメチル末端基の濃度を測定する。メチル末端基は、分岐頻度の計算に使用される。従来のキャリブレーション(較正)により、分子量分布の計算が可能である。
【0062】
各ポリマー成分がFloryの分子量分布関数に従い、全分子量範囲にわたる均一なコモノマー分布を有すると仮定することによって、数学的デコンボリューションを実行して、各反応器内で得られた成分のポリマーの相対量、分子量、およびコモノマー含有量を測定した。シングルサイト触媒の使用の結果である各樹脂成分の均一なコモノマー分布により、第1および第2のエチレンポリマーの1000炭素原子あたりの分岐での短鎖分岐含有量(SCB)の見積もりが可能になった。これは、ポリエチレン組成物中の第1および第2のエチレンポリマー成分のデコンボリューションされた相対量、ならびに上記の手順からのそれらの推算された樹脂分子量パラメータに基づく。
【0063】
コポリマーのサンプルの短鎖分岐頻度(1000炭素原子あたりのSCB)を、ASTM D6645-01に従ってフーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって測定した。Thermo-Nicolet 750 Magna-IR分光光度計を測定のために使用した。FTIRを、内部、側鎖、および末端の不飽和度レベルを測定するためにも使用した。
【0064】
また、コモノマー含有量を、Randall Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3),p.285;米国特許第5,292,845号およびWO2005/121239にて論じられているように、13CNMR技法を使用して測定することができる。
【0065】
また、組成分布に関する情報を昇温溶出分別(TREF)から取得した。ポリマーサンプル(80~100mg)をPolymer Charクリスタル-TREFユニットの反応容器に導入した。反応容器を35mlの1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)で満たし、所望の溶解温度(例えば、150℃)で2時間加熱した。次に、この溶液(1.5ml)をステンレス鋼ビーズで満たしたTREFカラム内に入れた。所定の安定化温度(例えば、110℃)で45分間平衡化させた後、ポリマー溶液を安定化温度から30℃への温度低下(0.09℃/分)により結晶化させた。30℃にて30分間平衡化させた後、結晶化したサンプルをTCB(0.75mL/分)で30℃から安定化温度までの温度上昇(0.25℃/分)により溶出した。TREFカラムを、溶解温度で30分間、実験の最後に洗浄した。Polymer Charソフトウェア、Excelスプレッドシート、および社内で開発されたTREFソフトウェアを使用して、データを処理した。
【0066】
CDBIは、その組成がコモノマー組成の中央値(メディアン値)の50%以内にあるポリマーのパーセントとして定義される。これは、米国特許第5376439号に示されているように、組成分布硬化と組成分布曲線の正規化された累積積分とから計算される。
【0067】
TREFプロファイルから次の量を定義する(図6参照)。
T1:高溶出ピーク温度
I1:高温溶出ピークの強度
T2:低溶出ピーク温度
I2:低温溶出ピークの強度
T3:高温と低温の溶出ピーク間の分離を示す温度
I3:T3での溶出シグナルの強度
ピーク強度比:I1/I2
2つの主要ピーク間の傾きによるTREFプロファイルの特徴付け:
(I1-I2)/(T1-T2)
低溶出ピークの重量分率は、温度≦T3についての曲線下の面積として定義される。上記図では、ダッシュの領域として示されている。
【0068】
クロス分別クロマトグラフィー(CFC)を選択した例で実行した。ポリマーサンプル(100~150mg)をPolymer Char crystal-TREFユニットの反応容器に導入した。反応容器を35mlの1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)で満たし、所望の溶解温度(例えば、150℃)に2時間加熱した。次に、溶液(1.0ml)をステンレス鋼ビーズで満たされたTREFカラムに装填した。所定の安定化温度(例えば110℃)で45分間平衡化させた後、ポリマー溶液を、安定化温度から30℃(0.2℃/分)への温度低下により結晶化させた。30℃で90分間平衡化させた後、結晶化したサンプルをTCBにより30~110℃で溶出し、15~20の画分に分割した。それぞれの画分について、TREFカラムを特定の溶解温度まで加熱し、その温度で55分間維持した後、画分の溶液を溶出し、加熱された移送ラインを介してGPCシステムに導入した。流速1.0mL/分の移動相としてTCBを使用し、濃度検出器として示差屈折率検出器(DRI)を用いて、4つのSHODEX(登録商標)カラム(HT803、HT804、HT805、およびHT806)を備えたPL220高温クロマトグラフィーユニットにて140℃で、ポリマー画分をクロマトグラフィーにかけた。SECカラムを、狭い分布のポリスチレン標準でキャリブレーション(較正)した。ポリスチレンの分子量は、ASTM標準試験法D6474に記載されているように、Mark-Houwinkの式を使用してポリエチレンの分子量に変換した。データをCIRRUS(登録商標)GPCソフトウェアおよびExcelスプレッドシートを使用して処理した。
【0069】
ポリエチレン組成物の密度(g/cm)をASTM D792に従って測定した。
【0070】
ポリエチレン組成物のメルトインデックスI、IおよびI21を、ASTM D1238に従って測定した。
【0071】
ポリエチレン組成物を含む第1および第2のエチレンポリマーの密度およびメルトインデックスを、組成物モデルに基づいて決定した。以下の式を用いて密度およびメルトインデックスIを計算した(参考文献:NOVA Chemicalsに譲渡され、2011年9月20日に公開されたWangによる米国特許第8,022,143B2号)。
【数1】

式中、Mn、Mw、MzおよびSCB/1000Cは、上記デコンボリューションの結果から得られた、個々のエチレンポリマー成分のデコンボリューションされた値である。
【0072】
一次融解ピーク(℃)、融解熱(J/g)、および結晶化度(%)を、示差走査熱量測定(DSC)を用いて次のように測定した。最初に装置をインジウムでキャリブレーション(較正)し;その後、ポリマー試料を0℃で平衡化させ;10℃/分の加熱速度で温度を200℃に上げ;次に、溶融物をその温度で5分間保持し;次に、溶融物を10℃/分の冷却速度で0℃に冷却して、0℃で5分間維持し;試料を10℃/分の加熱速度で2回目に200℃に加熱した。報告する融解ピーク(Tm)、融解熱、および結晶化度を、2番目の加熱サイクルに基づいて計算する。
【0073】
ポリエチレン組成物から成形されたプラークを、次のASTM法に従って試験した。ベントストリップ環境応力亀裂耐性(ESCR)、ASTM D1693;曲げ特性、ASTM D790;引張特性、ASTM D638。ASTM D1693の「B」条件下でのESCR試験を、オクトキシノール-9(IGEPAL(登録商標)CO360の商標で販売)の100%溶液およびオクトキシノール-9の10%溶液を用いて実施した。10%溶液(“B10”)を使用した試験が100%溶液を使用した試験よりも厳しいものである、すなわち、B10の値が通常B100よりも低くなることは、当業者によって認識されるであろう。
【0074】
回転成形部品を、Ferry Industries Inc.からROTOSPEED(登録商標)RS3-160の商品名で販売されている回転成形機で調製した。この機械は、密閉されたオーブン内で中心軸を中心に回転する2つのアームを有する。アームには、アームの回転軸にほぼ垂直な軸で回転するプレートが取り付けられている。各アームには、12.5インチ(31.8cm)×12.5インチ×12.5インチの寸法のプラスチック製キューブを生成する6つの鋳造アルミニウムの金型が取り付けられている。アームの回転を毎分約8回転(rpm)に設定し、プレートの回転を約2rpmに設定した。これらの金型により、粉末状のポリエチレン樹脂(35USメッシュサイズ)の標準的装填量約3.7kgを最初に装填したときに、約0.25インチ(0.64cm)の公称厚みを有する部品が製造される。密閉オーブン内の温度を560°F(293℃)の温度に維持した。金型とその内容物を、完全な粉末の高密度化が達成されるまで、所定の時間加熱した。続いて、部品を取り外す前に、制御された環境で金型を冷却した。密度および色の測定のために成形部品から試料を収集した。ASTM D5628に従って-40℃の試験温度でARM衝撃試験を実施した。
【0075】
衝撃試験を受ける試料は、回転成形部品から得るものとする。試験試料を、試料の断面が-40°F±3.5°F(-40℃±2℃)以上に均一に冷却されるように状態調整する必要がある。
【0076】
回転成形部品の衝撃試験技法は、一般にブルーストン階段法(Bruceton Staircase Method)または上下法(Up-and-Down Method)と呼ばれている。この手順により、試料の50%が破損する(fail)ことを引き起こす特定のダーツ(dart)の高さを確立する。延性のパーセンテージは、延性の特性を示した破損(failure)のパーセンテージを表す。サンプルに対して、落下重量衝撃試験機を使用して衝撃試験を行った。サンプルが所定の高さ/重量で破損しなかった場合、破損が発生するまで高さまたは重量のいずれかを段階的に増大させる。いったん破損が発生すると高さ/重量を同じ増分で減少させ、全てのサンプルが利用されるまでこのプロセスを繰り返す。落下するダーツは、成形時に金型と接触していた部品の表面に影響を与えるはずである。ポリエチレンの場合、延性破壊は、適切に処理されたサンプルで一般的に発生する破壊の望ましい形態である。脆性破壊または粉砕による破壊は、一般に、使用される処理パラメータによって最適な特性が得られていないことを示す。
【0077】
延性(ductile):ダーツが試料を貫通し、破損点から外側にひびが入るのではなく、破損点で糸状の繊維を伴う穴を残す状態になることによって示される。ダーツの下の領域は、破損点で細長くなり、薄くなった。
【0078】
脆性(brittle):衝撃点で部品が物理的にバラバラになったり、ひびが入ったりすることによって示される。サンプルの伸びは全くないか、ほとんどない。
【0079】
樹脂
二峰性ポリエチレン組成物を、二段反応器パイロットプラントで調製した。この二段反応器プロセスでは、最初の反応器の内容物が2番目の反応器に流れ込み、その両方が十分に混合される。このプロセスは、連続フィードストリームを使用して操作される。活性化剤と合わせて触媒(シクロペンタジエニルトリ(タ-シャリーブチル)ホスフィンイミンチタンジクロリド)を両方の反応器に供給した。全体の製造速度は約90kg/時であった。
【0080】
重合条件を表1に示す。
【0081】
プラーク試験トライアルを実施する前に、パイロットプラントで調製されたポリマー組成物を、回転成形用途向けの従来の添加剤パッケージを使用して安定化した。
【0082】
得られた樹脂の特性を、それぞれ比較例1~4と番号付けされた社内入手であるNOVA Chemicalsの実験用樹脂と比較する。結果を表2に示す。ポリエチレン組成物から作製された回転成形部品およびプレスされたプラークの特性を、表3に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0086】
成形を容易にするために望ましい、高いフローインデックスを有するポリエチレン組成物が開示される。当該組成物から得られた回転成形部品は、良好な環境応力亀裂耐性および良好な延性を示す。当該組成物は、カヤック、おもちゃ、貯蔵タンクなどの多種多様な成形品を製造するために使用することができる。
本発明に包含され得る諸態様または諸実施形態は、以下のとおり要約される。
[1].
二峰性ポリエチレン組成物であって、0.934~0.940g/cm の密度、ASTM D1238(2.16kg 190℃、I )に従って測定された4.0~7.0g/10分のメルトインデックスI 、ASTM D1238(21.6kg 190℃、I 21 )に従って測定された140~170g/10分のメルトインデックスI 21 、27~36のI 21 /I 、条件Aおよび条件Bについて100%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された1000時間超のベントストリップESCR、条件B10について10%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された70時間超のベントストリップESCR、GPCによって測定された11,000~35,000の数平均分子量(Mn)、GPCによって測定された55,000~82,000の重量平均分子量(Mw)、2.2~2.6の全体的なMw/Mnを有し、FTIRによる測定で4~5重量%の1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーを含み、2成分にデコンボリューションされたとき、(i)1~25重量%の1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、20~45重量%の第1成分であって、ASTM D792に従って測定された0.915~0.925g/cm の密度、180,000~220,000g/molの重量平均分子量(Mw)、2~3のMw/Mnを有する第1成分と、(ii)1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、80~55重量%の第2成分であって、ASTM D792に従って測定された0.940~0.945g/cm の密度、30,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および2~3のMw/Mnを有する第2成分とからなる、二峰性ポリエチレン組成物。
[2].
成分(i)が20~35重量%の量で存在する、上記項目2に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
[3].
前記1種以上のコモノマーが本質的に1-オクテンからなる、上記項目3に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
[4].
成分(ii)が80~65重量%の量で存在する、上記項目4に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
[5].
成分(ii)が、20,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および3未満の多分散度を有する、上記項目5に記載の二峰性ポリエチレン組成物。
[6].
二峰性ポリエチレン組成物を調製するプロセスであって、
この二峰性ポリエチレン組成物は、0.934~0.940g/cm の密度、ASTM D1238(2.16kg 190℃、I )に従って測定された4.0~7.0g/10分のメルトインデックスI 、ASTM D1238(21.6kg 190℃、I 21 )に従って測定された140~170g/10分のメルトインデックスI 21 、27~36のI 21 /I 、条件Aおよび条件Bについて100%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された1000時間超のベントストリップESCR、条件B10について10%オクトキシノール-9中でASTM D1693に従って測定された70時間超のベントストリップESCR、GPCによって測定された11,000~35,000の数平均分子量(Mn)、GPCによって測定された55,000~82,000の重量平均分子量(Mw)、2.2~2.6の全体的なMw/Mnを有し、FTIRによる測定で4~5重量%の1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーを含み、2成分にデコンボリューションされたとき、(i)1~25重量%の1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、20~45重量%の第1成分であって、ASTM D792に従って測定された0.915~0.925g/cm の密度、180,000~220,000g/molの重量平均分子量(Mw)、2~3のMw/Mnを有する第1成分と、(ii)1種以上のC 4-8 アルファオレフィンコモノマーと残量のエチレンとからなる、80~55重量%の第2成分であって、ASTM D792に従って測定された0.940~0.945g/cm の密度、30,000~50,000の重量平均分子量(Mw)、および2~3のMw/Mnを有する第2成分とからなり、
前記プロセスは、1種以上の活性化剤と共にホスフィンイミン配位子を含むシングルサイト触媒の存在下で、エチレンおよび1種以上のC 4-8 コモノマーを2つの連続した液相重合反応器に供給することを含む、プロセス。
[7].
前記触媒が、下記式:
[化1]

(式中、Mは、Ti、ZrおよびHfからなる群から選択され;Plは、下記式:
[化2]

(式中、各R 21 は、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロカルビル基、典型的には置換されていないか、またはハロゲン原子によってさらに置換されているC 1-10 ;C 1-8 アルコキシ基;C 6-10 アリールまたはアリールオキシ基;アミド基;式:-Si-(R 22 のシリル基(各R 22 は、水素、C 1-8 アルキルまたはアルコキシ基、およびC 6-10 アリールまたはアリールオキシ基から独立に選択される);ならびに、式:-Ge-(R 22 のゲルマニル基(R 22 は上で定義されているとおりである)から独立に選択される)のホスフィンイミン配位子であり;Lは、シクロペンタジエニル型配位子からなる群から独立して選択されるモノアニオン性シクロペンタジエニル型配位子であり;Yは、活性化可能な配位子からなる群から独立して選択され;mは1または2であり;nは0または1であり;pは整数であり、m+n+pの合計はMの原子価状態に等しい。)によって定義される、上記項目6に記載のプロセス。
[8].
前記1種以上の活性化剤が、アルモキサンおよびイオン活性化剤を含む、上記項目6に記載のプロセス。
[9].
120~250℃の間の温度で行われる、上記項目6に記載のプロセス。
[10].
水素が、0.05~1.5重量ppmの量で第1の反応器に、および1.5~3.0重量ppmの量で第2の反応器に加えられる、上記項目6に記載のプロセス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9