(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】娯楽アトラクションの付属品を迅速に変更するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/14 20060101AFI20240530BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20240530BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20240530BHJP
H02G 15/007 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H02G1/14
H02G3/06 025
A63G31/00
H02G15/007
(21)【出願番号】P 2021571031
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 US2020034541
(87)【国際公開番号】W WO2020243086
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】グラハム マーティン エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トルヒーヨ トマス マヌエル
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-56383(JP,U)
【文献】特開2013-105938(JP,A)
【文献】特開2018-108532(JP,A)
【文献】特開平10-284167(JP,A)
【文献】実開昭63-43587(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0078853(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/14
H02G 3/06
A63G 31/00
H02G 15/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
娯楽アトラクションのコンポーネントに電気的に結合された付属品のための迅速切断システムであって、
第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側と、前記第1の側
に位置する第1の開口部
を有するリリーフパススルーとを含む多部品電気エンクロージャを備え、
前記多部品電気エンクロージャは、
前記付属品に結合された第1の電気ケーブルを、
前記リリーフパススルーの前記第1の開口部を介して前記多部品電気エンクロージャに進入させ、
前記多部品電気エンクロージャの前記第2の側に第2の電気ケーブルを進入させて、前記第1及び第2のケーブルが前記多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にする、
ように構成され、前記リリーフパススルーは、前記第1の電気ケーブル及び前記第2の電気ケーブルの両方に張力緩和をもたらして前記多部品電気エンクロージャからの前記付属品の
不注意な切断を防ぐように構成され
、
前記多部品電気エンクロージャは、後壁及び前記後壁から離れて延びる第1の壁を含む第1のエンクロージャと、前記第2の電気ケーブルを受け取るための前記後壁に位置する第2の開口部とを含み、
前記多部品電気エンクロージャは、前記第1のエンクロージャに結合された第2のエンクロージャを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1のエンクロージャに結合された第2の壁を含み、前記第1の開口部は、前記第2のエンクロージャに位置し、
前記多部品電気エンクロージャは、前記第2の壁に結合された蓋を含み、
前記第2のエンクロージャは第1のフランジを含み、前記多部品電気エンクロージャは、前記第1のエンクロージャと前記第2のエンクロージャとの間に配置された第2のフランジを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1及び第2のフランジを通じて配置された複数の締結具を介して前記第1のエンクロージャに結合される、
迅速切断システム。
【請求項2】
前記第
1の開口部は、前記蓋及び前記第2の壁によって定められ、前記第2のエンクロージャの端部に配置され
る、請求項
1に記載の迅速切断システム。
【請求項3】
前記多部品電気エンクロージャは、さらなる付属品に結合されたさらなるケーブルに張力緩和をもたらすように構成されたさらなるストレインリリーフパススルーを含む、請求項
1に記載の迅速切断システム。
【請求項4】
前記蓋は、前記多部品電気エンクロージャの開放を防ぐように1又は2以上のロックピンを介して前記第2のエンクロージャにしっかりと結合される、請求項
1に記載の迅速切断システム。
【請求項5】
前記蓋に挿入されて前記1又は2以上のロックピンを解放し、前記蓋が前記第2のエンクロージャから取り外されることを可能にするように構成された解放ツールを備える、請求項
4に記載の迅速切断システム。
【請求項6】
蓋は、第1の方向にスライドすることによって前記第2のエンクロージャから取り外されるように構成される、請求項
5に記載の迅速切断システム。
【請求項7】
前記蓋は、前記第2のエンクロージャにスナップ嵌めされるように構成される、請求項
1に記載の迅速切断システム。
【請求項8】
前記多部品電気エンクロージャは、前記第1の電気ケーブルの前記第2の開口部への挿入方向に対して前記第1の電気ケーブルをある角度で維持するように構成される、請求項1に記載の迅速切断システム。
【請求項9】
前記コンポーネントを備え、
前記コンポーネントは乗り物車両又はキオスクを含む、請求項1に記載の迅速切断システム。
【請求項10】
前記多部品電気エンクロージャは、増幅信号又は拡張インライン能力を提供する接続点を提供するように構成された電子回路基板を含む、請求項1に記載の迅速切断システム。
【請求項11】
娯楽アトラクションに付属品を電気的に結合するための多部品電気エンクロージャであって、
後壁と、
前記後壁から離れて延びる第1の壁と、
前記後壁に位置して第1の電気ケーブルを受け取るように構成された第1の開口部と、
を含む第1のエンクロージャと、
前記第1のエンクロージャに結合された第2の壁と、
前記第2の壁に
結合された蓋と、
前記第2の壁及び前記蓋の両方によって定められる第2の開口部
を有するリリーフパススルーと、
を含む第2のエンクロージャと、
を備え、前記第2の開口部は、前記付属品に結合された第2の電気ケーブルを受け取って、前記第1及び第2のケーブルが前記多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にするように構成され、
前記
リリーフパススルーが、
前記第1及び第2の電気ケーブルに張力緩和をもたらして前記付属品が前記多部品電気エンクロージャから
不注意に切断されるのを防ぐように構成され
るように、前記蓋は前記第2の壁に結合されるように構成され、
前記蓋は、前記多部品電気エンクロージャの開放を防ぐように締結具を介して前記第2のエンクロージャにしっかりと結合され、前記締結具は、解放ツールを介して解放されるように構成された1又は2以上のロックピンを含む、
多部品電気エンクロージャ。
【請求項12】
前記第2のエンクロージャは第1のフランジを含み、前記多部品電気エンクロージャは、前記第1のエンクロージャと前記第2のエンクロージャとの間に配置された第2のフランジを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1及び第2のフランジを通じて配置された複数の締結具を介して前記第1のエンクロージャに結合される、請求項11に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項13】
前記第2のエンクロージャは、前記第1の電気ケーブルの前記第2の開口部への挿入方向に対して前記第2の電気ケーブルをある角度で維持するように構成される、請求項
11に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項14】
娯楽アトラクションのコンポーネント上の付属品を迅速に変更するための方法であって、
蓋を
多部品電気エンクロージャにしっかりと結合する1又は2以上のロックピンを解放する
ために前記多部品電気エンクロージャの蓋に解放ツールを挿入するステップであって、前記多部品電気エンクロージャの第1の側
のリリーフパススルーの第1の開口部を介して前記付属品に結合された第1の電気ケーブルが前記多部品電気エンクロージャに進入し、前記第1の電気ケーブルは、前記多部品電気エンクロージャの第2の側
の第2の開口部を通過する第2の電気ケーブル又は前記多部品電気エンクロージャ内の無線アダプタと互いに結合され、前記
リリーフパススルーは、少なくとも前記第1の電気ケーブルに張力緩和をもたらして前記付属品が前記多部品電気エンクロージャから
不注意に切断されるのを防ぐ
、ステップと、
前記蓋を前記多部品電気エンクロージャから取り外すステップと、
前記付属品に結合された前記第1の電気ケーブルを前記第2の電気ケーブル又は前記無線アダプタから切断するステップと、
を
含む、方法。
【請求項15】
別の付属品に結合された第3の電気ケーブルを前記第2の電気ケーブル又は前記無線アダプタに結合するステップと、
前記蓋を前記多部品電気エンクロージャにしっかりと結合するステップと、
を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
娯楽アトラクションのコンポーネントに電気的に結合された付属品のための迅速切断システムであって、
第1の側、前記第1の側に対向する第2の側、前記第1の側と前記第2の側との間に配置された一対のフランジ、及び前記第1の側に位置する第1の開口部を有するリリーフパススルーを含む多部品電気エンクロージャを備え、前記多部品電気エンクロージャは、
前記付属品に結合された第1の電気ケーブルを、前記リリーフパススルーの前記第1の開口部を介して前記多部品電気エンクロージャに進入させ、
前記第2の側の第2の開口部を通じて前記多部品電気エンクロージャの前記第2の側に第2の電気ケーブルを進入させて、前記第1及び第2の電気ケーブルが前記多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にする、
ように構成され、
前記第1の側は、前記一対のフランジを通じて1又は2以上の締結具を介して前記第2の側に結合され、
前記リリーフパススルーは、前記第1の電気ケーブル及び前記第2の電気ケーブルの両方に張力緩和をもたらして前記多部品電気エンクロージャからの前記付属品の不注意な切断を防ぐように構成される、
迅速切断システム。
【請求項17】
前記多部品電気エンクロージャは、後壁と、前記後壁から離れて延びる第1の壁とを含む第1のエンクロージャを含み、前記第2の開口部は、前記後壁に位置する、請求項16に記載の迅速切断システム。
【請求項18】
前記多部品電気エンクロージャは、
前記第1のエンクロージャに結合され、前記第1のエンクロージャに結合された第2の壁を含む第2のエンクロージャと、
前記第2の壁に結合された蓋と、
を含む、請求項17に記載の迅速切断システム。
【請求項19】
前記第1の開口部は、前記蓋のインターフェイス及び前記第2の壁によって定められ、前記第2のエンクロージャの端部に配置される、請求項18に記載の迅速切断システム。
【請求項20】
前記一対のフランジは第1のフランジ及び第2のフランジを含み、前記第2のエンクロージャは前記第1のフランジを含み、前記多部品電気エンクロージャは前記第2のフランジを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジを通じて配置された1又は2以上の締結具を介して前記第1のエンクロージャに結合される、請求項18に記載の迅速切断システム。
【請求項21】
前記多部品電気エンクロージャは、さらなる付属品に結合されたさらなるケーブルに張力緩和をもたらすように構成されたさらなるストレインリリーフパススルーを含む、請求項18に記載の迅速切断システム。
【請求項22】
前記蓋は、前記多部品電気エンクロージャの開放を防ぐように1又は2以上のロックピンを介して前記第2のエンクロージャにしっかりと結合される、請求項18に記載の迅速切断システム。
【請求項23】
前記蓋に挿入されて前記1又は2以上のロックピンを解放し、前記蓋が前記第2のエンクロージャから取り外されることを可能にするように構成された解放ツールを備える、請求項22に記載の迅速切断システム。
【請求項24】
蓋は、第1の方向にスライドすることによって前記第2のエンクロージャから取り外されるように構成される、請求項23に記載の迅速切断システム。
【請求項25】
前記蓋は、前記第2のエンクロージャにスナップ嵌めされるように構成される、請求項18に記載の迅速切断システム。
【請求項26】
前記多部品電気エンクロージャは、前記第1の電気ケーブルの前記第2の開口部への挿入方向に対して前記第1の電気ケーブルをある角度で維持するように構成される、請求項16に記載の迅速切断システム。
【請求項27】
前記コンポーネントを備え、前記コンポーネントは乗り物車両又はキオスクを含む、請求項16に記載の迅速切断システム。
【請求項28】
前記多部品電気エンクロージャは、増幅信号又は拡張インライン能力を提供する接続点を提供するように構成された電子回路基板を含む、請求項16に記載の迅速切断システム。
【請求項29】
娯楽アトラクションに付属品を電気的に結合するための多部品電気エンクロージャであって、
第1の電気ケーブルを受け取るように構成された第1の開口部を含む第1のエンクロージャと、
蓋と、
前記蓋によって部分的に定められる第2の開口部を有するリリーフパススルーと、
を含む第2のエンクロージャと、
を備え、前記第2の開口部は、前記付属品に結合された第2の電気ケーブルを受け取って、前記第1及び第2の電気ケーブルが前記多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にするように構成され、
前記リリーフパススルーが、前記第1及び第2の電気ケーブルに張力緩和をもたらして前記付属品が前記多部品電気エンクロージャから不注意に切断されるのを防ぐように構成されるように、前記蓋は前記第2のエンクロージャに結合されるように構成され、
前記蓋は、前記多部品電気エンクロージャの開放を防ぐように締結具を介して前記第2のエンクロージャにしっかりと結合され、前記締結具は、解放ツールを介して解放されるように構成された1又は2以上のロックピンを含む、
多部品電気エンクロージャ。
【請求項30】
前記第2のエンクロージャは第1のフランジを含み、前記多部品電気エンクロージャは第2のフランジを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1及び第2のフランジを通じて配置された1又は2以上の締結具を介して前記第1のエンクロージャに結合される、請求項29に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項31】
前記第1のエンクロージャは、後壁と、前記後壁から離れて延びる第1の壁とを含み、前記第2のエンクロージャは、前記第1のエンクロージャに結合された第2の壁を含む、請求項29に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項32】
前記第2の開口部は、前記第2の壁及び前記蓋の両方によって定められる、請求項31に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項33】
前記第2のエンクロージャは、前記第1の電気ケーブルの前記第2の開口部への挿入方向に対して前記第2の電気ケーブルをある角度で維持するように構成される、請求項29に記載の多部品電気エンクロージャ。
【請求項34】
娯楽アトラクションのコンポーネント上の付属品を迅速に変更するための方法であって、
蓋を多部品電気エンクロージャにしっかりと結合する締結具を解除又は解放するステップであって、前記多部品電気エンクロージャの第1の側のリリーフパススルーの第1の開口部を介して前記付属品に結合された第1の電気ケーブルが前記多部品電気エンクロージャに進入し、前記第1の電気ケーブルは、前記多部品電気エンクロージャの第2の側の第2の開口部を通過する第2の電気ケーブル又は前記多部品電気エンクロージャ内の無線アダプタと互いに結合され、前記リリーフパススルーは、少なくとも前記第1の電気ケーブルに張力緩和をもたらして前記付属品が前記多部品電気エンクロージャから不注意に切断されるのを防ぐ、ステップと、
前記多部品電気エンクロージャへのアクセスを提供するように前記蓋を動かすステップと、
前記付属品に結合された前記第1の電気ケーブルを前記第2の電気ケーブル又は前記無線アダプタから切断するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
前記第1の側は、前記第1の側と前記第2の側との間に配置された一対のフランジを通じて配置された1又は2以上の締結具を介して、前記第2の側に結合される、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年5月30日に出願された「娯楽アトラクションの付属品を迅速に変更するシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR RAPIDLY CHANGING AN ACCESSORY FOR AN AMUSEMENT ATTRACTION)」という名称の米国仮特許出願第62/854,376号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に娯楽アトラクションの分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、娯楽アトラクションのコンポーネントに結合された付属品の迅速な変更に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
遊園地は、各遊園地ゲストに固有の体験を提供する様々なアトラクションを含む。これらのアトラクションは、乗り物(rides)又はゲスト対面エリア(guest facing areas)(例えば、キオスク)を含むことができ、ここでは、ゲストが、アトラクションのコンポーネントに電気的に結合されてアトラクションとの相互作用を可能にする付属品(例えば、ヘッドセット、武器など)を利用する。これらの付属品は、たまに誤作動し又は壊れることがある。しかしながら、アトラクション(例えば、乗り物)の通常動作を停止又は遅延させることは望ましくない。そうでなければ、ゲスト体験が妨げられる恐れがある。従って、アトラクションの通常動作を停止させてゲスト体験を妨げることなく付属品を素早く交換する機構を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
ある実施形態では、娯楽アトラクションのコンポーネントに電気的に結合された付属品のための迅速切断システム(quick disconnect system)を提供する。迅速切断システムは、第1の側と、第1の側に対向する第2の側と、第1の側の第1の開口部と、リリーフパススルー(relief pass through)とを含む多部品電気エンクロージャ(multi-part electrical enclosure)を含む。多部品電気エンクロージャは、付属品に結合された第1の電気ケーブルを、第1の開口部を介して多部品電気エンクロージャに進入させ、多部品電気エンクロージャの第2の側に第2の電気ケーブルを進入させて、第1及び第2のケーブルが多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にするように構成される。リリーフパススルーは、第1の電気ケーブル及び第2の電気ケーブルの両方に張力緩和(strain relief)をもたらして多部品電気エンクロージャからの付属品の切断を防ぐように構成される。
【0007】
ある実施形態では、娯楽アトラクションに付属品を電気的に結合するための多部品電気エンクロージャを提供する。多部品電気エンクロージャは、後壁と、後壁から離れて延びる第1の壁と、後壁に位置して第1の電気ケーブルを受け取る(receive)ように構成された第1の開口部とを含む第1のエンクロージャを含む。多部品電気エンクロージャは、第1のエンクロージャに結合された第2の壁と、第2の壁に取り外し可能にしっかりと(securely)結合された蓋と、第2の壁及び蓋の両方によって定められる第2の開口部とを含む第2のエンクロージャをさらに含む。第2の開口部は、付属品に結合された第2の電気ケーブルを受け取って、第1及び第2のケーブルが多部品電気エンクロージャ内で互いに結合されることを可能にするように構成される。第2の開口部は、蓋が第2の壁に結合されたときに、第1及び第2の電気ケーブルに張力緩和をもたらして付属品が多部品電気エンクロージャから切断されるのを防ぐように構成されたリリーフパススルーを提供するように構成される。
【0008】
ある実施形態では、娯楽アトラクションのコンポーネント上の付属品を迅速に変更するための方法を提供する。この方法は、多部品電気エンクロージャの蓋に解放ツールを挿入して、蓋を多部品電気エンクロージャにしっかりと結合する1又は2以上のロックピンを解放するステップを含む。多部品電気エンクロージャは、多部品電気エンクロージャの第1の側上の第1の開口部を介して多部品電気エンクロージャに進入する、付属品に結合された第1の電気ケーブルを含み、第1の電気ケーブルは、多部品電気エンクロージャの第2の側を通過する第2の電気ケーブル又は多部品電気エンクロージャ内の無線アダプタと互いに結合され、多部品電気エンクロージャは、少なくとも第1の電気ケーブルに張力緩和をもたらして付属品が多部品電気エンクロージャから切断されるのを防ぐリリーフパススルーを含む。方法は、蓋を多部品電気エンクロージャから取り外すステップも含む。方法は、付属品に結合された第1の電気ケーブルを第2の電気ケーブル又は無線アダプタから切断するステップをさらに含む。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】娯楽アトラクションのコンポーネントに結合された付属品の迅速切断システムの実施形態の概略図である。
【
図2】
図1の迅速切断システムの多部品電気エンクロージャ及びツールの実施形態の側面図である。
【
図3】
図1の迅速切断システムの多部品電気エンクロージャ及びツールの実施形態の側面図である。
【
図4】
図3の多部品電気エンクロージャ及びツールの正面斜視図である。
【
図5】
図4の多部品電気エンクロージャ及びツールの後面斜視図である。
【
図6】
図4の多部品電気エンクロージャ及びツールの側面図である。
【
図7】娯楽アトラクションのコンポーネント(例えば、乗り物車両)の一部に結合された多部品電気エンクロージャの蓋にツールを挿入した斜視図である。
【
図8】
図7の多部品電気エンクロージャの蓋を除去した斜視図である。
【
図9】蓋がロックを有する多部品電気エンクロージャの鍵及び正面の実施形態の概略図である。
【
図10】多部品電気エンクロージャの一部内のケーブルの実施形態の概略図である。
【
図11】蓋がヒンジを介して結合された多部品電気エンクロージャの(例えば、蓋が開放位置及び閉鎖位置にある)実施形態の側面図である。
【
図12】蓋(例えば、スナップ式の蓋)が多部品電気エンクロージャから分離した多部品電気エンクロージャの実施形態の側面図である。
【
図13】蓋がテーマを有する多部品電気エンクロージャの実施形態の概略的正面図である。
【
図14】
図1の多部品電気エンクロージャを有する乗り物車両の実施形態の概略図である。
【
図15】
図1の多部品電気エンクロージャを有する乗り物車両の実施形態の概略図である。
【
図16】娯楽アトラクションのコンポーネント上の付属品を迅速に変更する方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実施の開発においては、実施によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0012】
遊園地は、遊園地乗り物、実演ショー及びゲームなどの幅広い娯楽を呼び物としている。本開示の実施形態は、娯楽アトラクションのコンポーネントに電気的に結合された付属品((例えば、仮想現実又は拡張現実体験のための)ヘッドセット、武器(例えば、銃、クロスボウなど)、又はアトラクションに電気的に結合された他のいずれかのユーザ用付属品)を(例えば、付属品が誤作動している時又は壊れた時に)別の付属品と素早く交換できるようにする迅速切断システムに関する。迅速切断システムは、多部品電気エンクロージャ(例えば、低電圧電気エンクロージャ又はボックス)を含むことができる。多部品電気エンクロージャは、娯楽アトラクションのコンポーネント(例えば、乗り物車両又はキオスク)内に配置されて(例えば、電源、コンピュータ又はその他の設備からの)1又は2以上の電気ケーブルが多部品電気エンクロージャ内に入り込むことを可能にするエンクロージャを含むことができる。多部品電気エンクロージャは、娯楽アトラクションのコンポーネント内に配置されたエンクロージャに結合する別のエンクロージャ(例えば、ストレインリリーフエンクロージャ(strain relief enclosure))を含むこともできる。ストレインリリーフエンクロージャは、付属品との電気ケーブルをコンポーネント内の他のエンクロージャから延びる1又は2以上の電気ケーブルに結合できるように、付属品に結合された電気ケーブルが内部を延びるストレインリリーフパススルーを含む。ストレインリリーフエンクロージャは、多部品電気エンクロージャ内の電気ケーブルに、ゲストからの特定の引張力に耐えて電気ケーブルを作動状態に保つことができる張力緩和をもたらす。ストレインリリーフエンクロージャは、多部品電気エンクロージャ内のコンポーネントへのアクセスを制限するように締結具を介して固定できる蓋(例えば、不正開封防止用の蓋)を含む。この蓋は、盗難、データ回線への悪意あるアクセス、又は別のゲストを傷付ける恐れがある飛翔体の形成を避けるために、ゲストが多部品電気エンクロージャに手を加えるのを防ぐ。いくつかの実施形態では、締結具が1又は2以上のロックピンを含む。ロックピンは、蓋が多部品電気エンクロージャから素早く取り外される(例えば、上向きにスライドして外れる)ことを可能にする解放ツールを介して解放することができる。蓋が取り外されると、付属品に結合された電気ケーブルを切断して1又は2以上の電気ケーブルに別の付属品を結合することができ、この時点で蓋を多部品電気エンクロージャに固定することができる。これにより、娯楽アトラクションの通常動作を妨げることなく付属品を素早く(例えば、15~20秒以内で)交換することができる。
【0013】
以下では、迅速切断システムを電気ケーブルと共に利用する文脈で説明するが、迅速切断システムは、他のタイプのコンポーネントと共に利用することもできる。例えば、迅速切断システムは、気送管(pneumatic tubes)と共に利用することができる。他の実施形態では、迅速切断システムを機械ケーブル(例えば、ワイヤケーブル)と共に利用することができる。
【0014】
図を参照すると、
図1に、娯楽アトラクションのコンポーネント14に結合された付属品12の迅速切断システム10の実施形態を示す。迅速切断システム10は、娯楽アトラクションのコンポーネント14(例えば、乗り物車両、キオスクなど)に電気的に結合された付属品12を(例えば、付属品12が誤作動している時又は壊れた時に)別の付属品と素早く交換できるようにする。付属品12は、電気ケーブル16を介して多部品電気エンクロージャ18(例えば、低電圧電気エンクロージャ又はボックス)に結合される。以下でさらに詳細に説明するように、電気ケーブル16は、ストレインリリーフパススルー20を通過する。いくつかの実施形態では、エンクロージャ18が、単一のストレインリリーフパススルー20のみを含むことができる。多部品電気エンクロージャ18には、1又は2以上の電気ケーブル24を介して1又は2以上の他の電気装置22(例えば、電源、コンピュータ、他の電気設備など)が結合される。1又は2以上の電気ケーブル24は、開口部を通じて多部品電気エンクロージャ18に入り込む。ケーブル16、24は、多部品電気エンクロージャ18内で互いに結合される。いくつかの実施形態では、多部品エンクロージャ18が、増幅信号又は拡張インライン能力(expanded in line capabilities)を提供する何らかの最小限の処理の電子回路基板(ECB)25を含むことができる。電子回路基板25は、処理回路、メモリ回路及び/又は他のタイプの回路を含むことができる。電子回路基板25は、後述する多部品エンクロージャ18の後部エンクロージャ又はストレインリリーフエンクロージャ内に配置することができる。電子回路基板25は、コンピュータからの信号が劣化する恐れがある、又は認証製品(certifications)(HDMI(登録商標)、USBなど)を維持するためにデータ信号を強化する必要がある、コンピュータ(又は同様の装置)から大きく離れた距離に存在し得る周辺機器のための接続点を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、娯楽アトラクション(例えば、乗り物アトラクションの乗り物車両)を改造して、他の電気装置22と通信するための無線オプションを組み込むことができる。いくつかの実施形態では、電気ケーブル18を、電気ケーブル24に結合する代わりに、他の電気装置22と通信するエンクロージャ18内の(例えば、ストレインリリーフエンクロージャ内の)無線アダプタに結合することができる。
【0016】
単一のストレインリリーフパススルー20は、付属品12に結合された電気ケーブル16、及び電気ケーブル16に結合された1又は2以上の電気ケーブル24の両方に張力緩和をもたらす。いくつかの実施形態では、エンクロージャ18のストレインリリーフ部分が、多部品電気エンクロージャ18内の電気ケーブル16、24に、ゲストからの特定の引張力に耐えて電気ケーブル16、24を保持することができる張力緩和をもたらす。特定の引張力は変動することができる。いくつかの実施形態では、引張力を約100ポンドの引張力(例えば、約445ニュートン(N))又はそれ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、ストレインリリーフが、電気ケーブル16、24が多部品電気エンクロージャ18から完全に切断されるのを防ぐようにさらに大きな引張力に耐えることができる。ケーブル16、24は、張力緩和を促す柔軟なものとすることができる。ケーブル16、24がストレインリリーフを含むこともできる。例えば、ケーブル16は、付属品に結合する箇所に又はケーブル16の別の部分に沿ってストレインリリーフを含むことができる。ケーブル24も、多部品電気エンクロージャ18を通過する箇所に又はケーブル24の別の部分に沿ってストレインリリーフを含むことができる。また、多部品電気エンクロージャ18は、エンクロージャ18にしっかりと固定された蓋50(例えば、不正開封防止用の蓋)を含むことができる。この蓋は、盗難、データ回線への悪意あるアクセス、又は別のゲストを傷付ける恐れがある飛翔体の形成を避けるために、ゲストが多部品電気エンクロージャ18に手を加えるのを防ぐ。以下でさらに詳細に説明するように、この蓋は、蓋を多部品電気エンクロージャ18にしっかりと結合する締結具を解除又は解放した時点で取り外し、付属品12を素早く交換して蓋を多部品電気エンクロージャ18に素早く(例えば、15~20秒で)再固定することができる。いくつかの実施形態では、多部品電気エンクロージャ18に、それぞれのストレインリリーフパススルー30を通過するそれぞれのケーブル28を介して1又は2以上のさらなる付属品26を結合することができる。換言すれば、多部品電気エンクロージャ18は、複数のストレインリリーフパススルーを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、多部品電気エンクロージャ18が、2つ、3つ、4つ又は5つ以上のストレインリリーフパススルーを含むことができる。
【0017】
図2は、
図1の迅速切断システム10の多部品電気エンクロージャ18及びツール30の実施形態の側面図である。多部品電気エンクロージャ18は、第2のエンクロージャ34(例えば、ストレインリリーフエンクロージャ)に結合された第1のエンクロージャ32(例えば、後部エンクロージャ)を含む。いくつかの実施形態では、多部品電気エンクロージャ18を繊維強化プラスチックで形成することができる。第1のエンクロージャ32は、コンポーネント10(例えば、乗り物車両、キオスクなど)内に配置することができる。第1のエンクロージャ32は、後壁36と、後壁36から離れて延びる壁38とを含む。壁38は、上壁部分40、側壁部分42及び底壁部分44を含むことができる。壁38の壁部分の数は、壁38の形状に応じて異なることができる。いくつかの実施形態では、壁38が、直線形状、楕円形状、又は他のいずれかの形状を定めることができる。後壁36は、第1のエンクロージャ32の後部に向かって、1又は2以上の電気装置22からの1又は2以上のケーブルを受け取る開口部46を含む。図示のように、開口部46は、底壁部分44に隣接することができる。いくつかの実施形態では、開口部46を、後壁36の異なる部分又は他の壁部分40、42、44のうちの1つに配置することができる。
【0018】
第2のエンクロージャ(ストレインリリーフエンクロージャ)34は、壁48及び蓋50(例えば、不正開封防止用の蓋)を含む。ストレインリリーフエンクロージャ34は、コンポーネント14の外部に配置される。いくつかの実施形態では、蓋50をテーマ設定可能なものとすることができる。壁48は、上壁部分52、側壁部分54及び底壁部分56を含む。壁48の壁部分の数は、壁48の形状に応じて異なることができる。いくつかの実施形態では、壁48が、直線形状、楕円形状又は他のいずれかの形状を定めることができる。蓋50は、ゲストが多部品電気エンクロージャ18内のコンポーネントにアクセスするのを防ぐように、ストレインリリーフエンクロージャ34の前部57に結合されてこれを覆うことができる。蓋50の形状は、
図2に示す湾曲形状とは異なることもできる。壁48(例えば、底壁部分56)及び蓋50は、共にストレインリリーフエンクロージャ34の端部62(例えば、底部)にストレインリリーフパススルー60(例えば、オーバーモールディングパススルー)のための開口部58を定める。いくつかの実施形態では、開口部58(及びストレインリリーフパススルー)を、ストレインリリーフエンクロージャ34の上部に配置することができる。ストレインリリーフパススルー60は、付属品12に結合されたケーブル16を受け取る。ケーブル16は、ストレインリリーフパススルー60に入り込む(そして蓋50が固定される)と、(例えば、第1のエンクロージャ32に向かう)ストレインリリーフパススルー60内へのケーブル16の挿入方向に対してある角度で旋回する。いくつかの実施形態では、ケーブル16が、約0~180度の角度で旋回することができる。ストレインリリーフエンクロージャ34は単一のストレインリリーフパススルー60を含んでいるが、いくつかの実施形態では、ストレインリリーフエンクロージャ34が、別の付属品の別のケーブルを受け取る複数のストレインリリーフパススルーを含むこともできる。張力緩和は、蓋50が下方にスライドして壁48に固定されることによってもたらすことができる。蓋50は、ケーブル16と連動してケーブル16の旋回を促す表面又は突出部(例えば、L字形表面又はその他の形状)を含むことができる。ケーブル16は、多部品電気エンクロージャ18内で1又は2以上のケーブル24に結合することができる。ストレインリリーフパススルー60によってもたらされる張力緩和は、多部品電気エンクロージャ18の両側の両ケーブル16、24に対してもたらすことができる。上述したように、ケーブル16、24は、この張力緩和によってゲストからの大きな引張力に耐えることができる。
【0019】
蓋50は、締結具を介して壁48にしっかりと固定することができる。いくつかの実施形態では、締結具を、鍵を介して解除できるロックとすることができる。他の実施形態では、締結具を1又は2以上のロックピンとすることができる。1又は2以上のロックピンは、蓋50に挿入されて1又は2以上のロックピンを押して蓋50を壁48から解放する(ハンドル65から延びる)1又は2以上のピン64を含むツール30(例えば、解放ツール)によって解放することができる。蓋50を解除又は解放すると、蓋50は上向き66にスライドして第2のエンクロージャ34から外れることができる。これにより、付属品12に結合されたケーブル16を1又は2以上のケーブル24から切断し、別の付属品のケーブルを介して1又は2以上のケーブル24に別の付属品を結合することができる。付属品を交換すると、蓋50を下向き方向68に固定することができる。いくつかの実施形態では、蓋50をヒンジを介して壁48(壁48の上部又は側部)に結合することもでき、この場合、蓋50は、解除又は解放されると揺動して開くことができる。
【0020】
第2のエンクロージャ34は、第1のフランジ70(例えば、前部美的フランジ(front aesthetic flange))を含む。壁48は、第1のフランジ70に結合される。第2のエンクロージャ34は、第1のフランジ70及び第2のフランジ72(例えば、表面共形フランジ(surface conforming flange))を介して第1のエンクロージャ32に結合される。第2のフランジ72の一部は壁38に接触する一方で、第2のフランジ72の別の部分はコンポーネント14の外面に接触することができる。第1のエンクロージャ32及び第2のエンクロージャ34は、第1のエンクロージャ32の前部78から(例えば、後方に)延びるそれぞれのマウント76(例えば、ねじ付きボス)内に第1のフランジ70及び第2のフランジ72の開口部を通じて延びる1又は2以上の締結具74を介して互いに結合される。これらの締結具は、ねじ、ナット及びボルト、又は別のタイプの締結具を含むことができる。
【0021】
図3は、多部品電気エンクロージャ18の実施形態である。
図3の多部品電気エンクロージャ18は、
図2の多部品電気エンクロージャ18に類似するが、いくつかの点が異なる。例えば、
図3では(第1及び第2のフランジ70、72が同じ長さである
図2とは対照的に)第1のフランジ70の長さ80が第2のフランジ72の長さ82よりも短い。また、
図3の第1のフランジ70は
図2の第1のフランジ70よりも厚い。さらに、
図3では壁38の長さ82又は深さ84が
図2よりも大きいのに対し、
図3の壁48の長さ82又は深さ86は
図2よりも小さい。
【0022】
図4~
図6は、多部品電気エンクロージャ18の実施形態の異なるビューである。このエンクロージャは、
図2及び
図3の多部品電気エンクロージャ18に類似するが、いくつかの点が異なる。例えば、
図4~
図6の後部エンクロージャ32の底部88は、第1のエンクロージャ32の前部78から後壁36への方向92、及び側部42間の方向94の両方において上部90よりも狭い。また、1又は2以上のケーブル24を受け取る開口部46が底壁部分44に配置される。
図4に示すように、蓋50は複数の凹部96を含み、これらの複数の凹部96は、複数のロックピン98が多部品電気エンクロージャ18内から部分的に凹部96内に延びて蓋を第2のエンクロージャ34に固定することを可能にする。説明したように、ツール30を利用してそれぞれのピン64をそれぞれの凹部に挿入し、それぞれのロックピン98に割り込ませてロックピン98を解放し、これによって蓋50を第2のエンクロージャ34から(例えば、上向きに)スライドさせて外すことができる。いくつかの実施形態では、
図2~
図6で説明した多部品電気エンクロージャ18を挿入時に反対方向に向けることができ、従ってストレインリリーフパススルー60は底部ではなく上部に配置される。
【0023】
図7には、それぞれのピン64に割り込んでロックピン98を解放することによって蓋50をスライドさせて外すことができるように蓋50上の凹部96に挿入されたツール30のピン64を示す。
図8には、蓋50を取り外した多部品電気エンクロージャ18を示す。図示のように、ロックピン98は、壁48(例えば、側壁部分54)の内面100に結合されて開口部46の側面に位置する。ロックピン98の数及び位置は異なることもできる。
【0024】
上述したように、他の機構を利用して蓋50を多部品電気エンクロージャ18に固定することもできる。
図9に、ロック102を有する蓋50を示す。鍵104を利用して蓋50を解除し、多部品電気エンクロージャ18から取り外すことができる。
【0025】
図10は、多部品電気エンクロージャ18の一部内のケーブル16の実施形態の概略図である。具体的には、蓋50の内部又は内面が、蓋50を第2のエンクロージャ34に固定した時にケーブル16と連動して第2のエンクロージャ34内のケーブル16の旋回を促すL字形部分又は突出部106を含む。ケーブル16の旋回は、約0~180度とすることができる。図示のように、ケーブル16は約90度旋回している。いくつかの実施形態では、蓋50が、ケーブル16の旋回を促すL字形部分106とは異なる形状の部分を含むことができる。例えば、蓋50上のこの部分は、直線形状、湾曲形状、不規則形状、又はケーブル16の旋回を促すいずれかのタイプの形状を含むことができる。
【0026】
図11は、ヒンジ108を介して蓋50が結合された多部品電気エンクロージャ18の一部の、蓋50が開放位置及び閉鎖位置にある実施形態の側面図である。上述したように、蓋50は、ヒンジ108を介して第2のエンクロージャ34に結合することができる。図示のように、ヒンジ108は、蓋100及び壁48の上部110に隣接して配置される。蓋50を解除又は解放すると、蓋50は閉鎖位置から開放位置に、及びその逆に揺動することができる。いくつかの実施形態では、ヒンジ108を、蓋50と壁48との間の境界面の側部に配置することもできる。
【0027】
図12は、蓋50(例えば、スナップ式の蓋)を多部品電気エンクロージャ18から分離した多部品電気エンクロージャ18の実施形態の側面図である。図示のように、蓋50は、矢印109で示すように第2のエンクロージャ34にスナップ嵌めする(snapped)ことができる。蓋50は、第2のエンクロージャ34上のレセプタクル113に挿入又はスナップ嵌めされるように構成された突出部又はスナップ111を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のエンクロージャ34がスナップ又は突出部を含み、蓋50がレセプタクルを含むこともできる。
【0028】
上述したように、多部品電気エンクロージャ18の蓋50はテーマ設定可能なものとすることができる。
図13は、蓋50がテーマ112を有する多部品電気エンクロージャ18の実施形態の概略的正面図である。テーマ112は、アトラクションに対応することができる。テーマ112は、色、形状、質感、印刷、又は他のいずれかの特性を介して実現することができる。蓋50は、テーマ112を含むように形成(例えば、成形)することができる。いくつかの実施形態では、テーマ122を蓋112に別個に取り付け又は結合することもできる。
【0029】
多部品電気エンクロージャ18は、娯楽アトラクションの異なるタイプのコンポーネント14に結合することができる。
図14に示すように、付属品12に結合された多部品電気エンクロージャ18が乗り物車両114内に配置されている。例えば、第1のエンクロージャ32を乗り物車両114内に配置する一方で、第2のストレインリリーフエンクロージャ34を外部に配置することができる。図示のように、多部品電気エンクロージャ18は、乗り物車両114の足下空間(footwell)116の一部に配置される。いくつかの実施形態では、多部品電気エンクロージャ18を、乗り物車両114の背もたれ領域(back support region)118に配置することができる。多部品電気エンクロージャ18は、ユーザによる付属品12の利用を可能にする乗り物車両114の他の領域配置することもできる。図示のように、付属品12は(例えば、仮想現実又は拡張現実体験のための)ヘッドセット119である。他の実施形態では、付属品12を、乗り物車両114に電気的に結合されてユーザとアトラクションとの相互作用を可能にする他のいずれかの付属品とすることもできる。
【0030】
図15に示すように、多部品電気エンクロージャ18は、キオスク120又はゲスト対面エリアの一部である。例えば、第1のエンクロージャ32をキオスク120内に配置する一方で、ストレインリリーフエンクロージャ34を外部に配置することができる。図示のように、付属品12は銃122である。上述したように、付属品12は、キオスク120に電気的に結合されてユーザとアトラクションとの連動を可能にする他のいずれかの付属品とすることもできる。例えば、ゲストは、付属品12を利用してゲストインターフェイス124(例えば、画面、アニマトロニックセットなど)と連動することができる。
【0031】
図16は、娯楽アトラクションのコンポーネント14上の付属品12を迅速に変更する方法126の実施形態のフローチャートである。方法126は、上述したような付属品に結合された多部品電気エンクロージャの蓋にツール又は鍵を挿入して蓋を解放又は解除するステップを含む(ブロック128)。例えば、解放ツールは、蓋の1又は2以上の凹部に挿入されて1又は2以上の対応するロックピンに割り込んで蓋を解放することができる1又は2以上のピンを含む。いくつかの実施形態では、蓋が、鍵を使用して解除されるロックを含むことができる。方法126は、多部品電気エンクロージャのストレインリリーフエンクロージャから蓋を取り外し又は移動させて多部品電気エンクロージャの内部にアクセスするステップも含む(ブロック130)。いくつかの実施形態では、多部品電気エンクロージャから蓋を取り外すために、蓋を上向き方向にスライドさせて外すことができる。(例えば、蓋がヒンジを介してストレインリリーフエンクロージャに結合された)他の実施形態では、蓋を多部品電気エンクロージャから移動させる(例えば、上向き又は横向きに揺動させる)ことができる。方法126は、付属品(例えば、誤作動している又は壊れた付属品)に結合された電気ケーブルを多部品電気エンクロージャ内の(例えば、アトラクションのコンポーネント内の電源、コンピュータ又は別の電気装置に結合された)別の電気ケーブルから切断するステップをさらに含む(ブロック132)。上述したように、いくつかの実施形態では、付属品に結合された電気ケーブルを多部品エンクロージャ内の(例えば、ストレインリリーフエンクロージャ内の)無線アダプタに結合することもできる。従って、付属品に結合された電気ケーブルを無線アダプタから切断することができる。方法126は、付属品(例えば、機能的付属品)に結合された異なるケーブルを、多部品電気エンクロージャ内の(例えば、アトラクションの電気部品に結合された)電気ケーブル又は無線アダプタに結合するステップをさらに含む(ブロック134)。方法126は、蓋を再び多部品電気エンクロージャに結合し、固定して多部品電気エンクロージャ内の電気ケーブルに張力緩和をもたらすステップをさらに含む(ブロック136)。方法126は、乗り物の通常動作又はゲスト対面エリアの通常利用を維持するように数秒(例えば、約15~20秒)以内で実行することができる。
【0032】
本明細書では、本発明のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。
【0033】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0034】
30 ストレインリリーフパススルー
32 第1のエンクロージャ
34 第2のエンクロージャ
36 後壁
38 壁
40 上壁部分
42 側壁部分
44 底壁部分
46 開口部
48 壁
50 蓋
52 上壁部分
54 側壁部分
56 底壁部分
57 前部
58 開口部
60 ストレインリリーフパススルー
62 端部
64 ピン
65 ハンドル
66 上向き方向
68 下向き方向
70 第1のフランジ
72 第2のフランジ
74 締結具
76 マウント
78 前部