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  • 特許-キーボード装置 図1
  • 特許-キーボード装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】キーボード装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/705 20060101AFI20240530BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20240530BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
H01H13/705
H01H13/02 A
H01H9/16 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022044349
(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公開番号】P2023137912
(43)【公開日】2023-09-29
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正人
(72)【発明者】
【氏名】舟山 高弘
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-334825(JP,A)
【文献】特開2021-99960(JP,A)
【文献】特開2007-194092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/702
H01H 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、厚さ方向において押圧された際に電気信号を発生させるメンブレンシートと、
前記筐体の表面に露出するとともに、前記筐体に対し前記厚さ方向において移動可能に支持されたキーと、
前記メンブレンシート上に配置され、前記キーが押下された際に弾性的に変形して前記メンブレンシートを前記厚さ方向に押圧する金属製のメタルドームと、
粘着性を有する粘着層を含むとともに、前記厚さ方向における前記キーと前記メタルドームとの間に配されて前記メンブレンシートに固定された固定シートと、
前記メンブレンシート上に固定され、前記厚さ方向において前記固定シートと前記メンブレンシートとの間に位置するスペーサと、を備え、
前記粘着層が前記厚さ方向において前記メタルドームに粘着されていることにより、前記メタルドームは前記メンブレンシートに固定されており、
前記粘着層が前記スペーサに粘着されていることにより、前記固定シートは前記メンブレンシートに固定されている、キーボード装置。
【請求項2】
前記メンブレンシート上に配置される発光素子をさらに備え、
前記メンブレンシートは、前記発光素子に電流を供給する電流供給層を含む、請求項1に記載のキーボード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キーと、メンブレンシートと、メタルドームと、を備えるキーボード装置が開示されている。メタルドームは、キーが押下された際に、弾性的に変形してメンブレンシートを押圧する。これにより、メンブレンシートは、ユーザによるキーの押下操作を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-99960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メタルドームを有するキーボード装置(例えば、特許文献1)においては、メタルドームがメンブレンシートから脱落するのを抑制するために、メタルドームとキーとの間にシート状の固定部材(固定シート)が配置される場合がある。このような構成においては、ユーザがキーを押下した際に、固定シートとメタルドームとが摺動する可能性があった。この場合、ユーザがキーを押下した際にメタルドームの弾性変形が効率的に行われず、キーを押下する押下操作の快適性が損なわれる可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、キーを押下する押下操作の快適性を向上できるキーボード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るキーボード装置は、筐体と、前記筐体に収容され、厚さ方向において押圧された際に電気信号を発生させるメンブレンシートと、前記筐体の表面に露出するとともに、前記筐体に対し前記厚さ方向において移動可能に支持されたキーと、前記メンブレンシート上に配置され、前記キーが押下された際に弾性的に変形して前記メンブレンシートを前記厚さ方向に押圧する金属製のメタルドームと、粘着性を有する粘着層を含むとともに、前記厚さ方向における前記キーと前記メタルドームとの間に配されて前記メンブレンシートに固定された固定シートと、を備え、前記粘着層が前記厚さ方向において前記メタルドームに粘着されていることにより、前記メタルドームは前記メンブレンシートに固定されている。
【0007】
本発明の上記態様によれば、固定シートとメタルドームとが互いに固定されているため、ユーザがキーを押下した際に、メタルドームを確実に変形させることができる。したがって、キーの押下操作の快適性を向上させることができる。
【0008】
ここで、本発明の一態様に係るキーボード装置は、前記メンブレンシート上に固定され、前記厚さ方向において前記固定シートと前記メンブレンシートとの間に位置するスペーサをさらに備え、前記粘着層が前記スペーサに粘着されていることにより、前記固定シートは前記メンブレンシートに固定されていてもよい。
【0009】
この場合、粘着層がメタルドームの側面に粘着してメタルドームの弾性変形を阻害することが抑制される。したがって、キーの押下操作の快適性をより確実に向上させることができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係るキーボード装置は、前記メンブレンシート上に配置される発光素子をさらに備え、前記メンブレンシートは、前記発光素子に電流を供給する電流供給層を含んでもよい。
【0011】
この場合、発光素子に電流を供給する構成を単純化し、キーボード装置の小型化に寄与することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、キーを押下する押下操作の快適性を向上可能なキーボード装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るキーボード装置を示す斜視図である。
図2図1に示すII-II線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るキーボード装置について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るキーボード装置1を示す斜視図である。図1の例に示すキーボード装置1は、PCやタブレット端末とは別体に設けられるキーボードであるが、キーボード装置1の例はこれに限られない。キーボード装置1は、ノートPC等に組み込まれたキーボードであってもよい。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態に係るキーボード装置1は、筐体10と、メンブレンシート20と、複数のキー30と、複数のメタルドーム40と、固定シート50と、スペーサ60と、複数の発光素子70と、支持部材80と、を備える。メンブレンシート20、複数のキー30、複数のメタルドーム40、固定シート50、スペーサ60、複数の発光素子70、および支持部材80は、筐体10に収容されている。キー30は、筐体10の表面に露出している。
【0016】
(方向定義)
ここで、本実施形態では、メンブレンシート20の厚さ方向(メンブレンシート20に垂直な方向)を単に厚さ方向Zと称する。厚さ方向Zから見ることを、平面視と称する。厚さ方向Zに直交する一方向を、第1方向Xと称する。厚さ方向Zおよび第1方向Xの双方に直交する方向を、第2方向Yと称する。厚さ方向Zに沿って、メンブレンシート20から複数のキー30に向かう向きを、+Zの向きまたは上方と称する。+Zの向きとは反対の向きを、-Zの向きまたは下方と称する。第1方向Xに沿う一つの向きを、+Xの向きまたは右方と称する。+Xの向きとは反対の向きを、-Xの向きまたは左方と称する。第2方向Yに沿う一つの向きを、+Yの向きまたは奥側と称する。+Yの向きとは反対の向きを、-Yの向きまたは手前側と称する。
【0017】
本実施形態に係る筐体10は、平面視において略長方形形状を有する(図1参照)。なお、文言「略長方形形状」には、角取り、面取り、および製造誤差等を取り除けば長方形形状とみなせる場合も含まれる。本実施形態において、筐体10の長辺は、第1方向Xと平行に延びており、筐体10の短辺は第2方向Yと平行に延びている。図1および図2に示すように、筐体10の上面には、複数のキー孔11が開口している。各キー孔11は、筐体10の内部の空間に連通している。
【0018】
図1および図2に示すように、複数のキー30は、複数のキー孔11の内部に各々配置されており、筐体10の上面に各々露出している。また、各キー30は、筐体10に対して厚さ方向Zにおいて移動可能に支持されている。なお、キー30を厚さ方向Zにおいて移動可能に支持する構成(不図示)については、公知の構成(シリンダ、パンダグラフ等)から適宜選択される。
【0019】
ここで、本実施形態に係るキーボード装置1が備える複数のキー30は、図1に示すように、複数のモード切替キー30Aと、複数の入力キー30Bと、を含む。モード切替キー30Aは、キーボード装置1が備える各種のモード(Num lock、Caps lock等)を切り替えるために用いられるキーである。入力キー30Bは、文字入力等のために用いられるキーである。以下、特段の言及がない限り、キー30についての説明を行う際にはモード切替キー30Aについての説明を行うものとする。また、「モード切替キー30A」を単に「キー30」と言及する場合がある。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係るキー30は、筐体10の上面に露出する基部32と、基部32から下方に向けて突出する凸部31と、を有する。また、本実施形態に係る基部32は、光を透過する材料によって形成された透光部33を有する。透光部33は、基部32の下面から基部32の上面まで延びている。
【0021】
本実施形態に係るメンブレンシート20は、筐体10に固定された支持部材80の上に載置されている。本実施形態に係るメンブレンシート20は、検知層21および電流供給層22を含む。
【0022】
検知層21は、厚さ方向Zにおいて押圧された際に電気信号を発生する層である。より具体的に、検知層21は、一対の接点層21aと、シート用スペーサ21cと、を含む。一対の接点層21aは、厚さ方向Zにおいて間隔をあけて配されている。シート用スペーサ21cは、厚さ方向Zにおける一対の接点層21aの間に位置し、接点層21a同士の間隔を保っている。シート用スペーサ21cには、複数の孔21caが形成されている。各孔21caは、シート用スペーサ21cを厚さ方向Zに貫通している。各孔21caの内部には、一対の接点(電極)21bが配置されている。一対の接点21bは、厚さ方向Zにおいて互いに対向するように、一対の接点層21aに対し各々固定されている。検知層21が厚さ方向Zにおいて押圧されると、各孔21caにおいて接点層21aが湾曲し、接点21b同士が接触する。接点21b同士が接触すると、電気信号が発生する。
【0023】
電流供給層22は、メンブレンシート20上(メンブレンシート20の上面)に配置された発光素子70に対して電流を供給する層である。本実施形態において、電流供給層22は、検知層21の上面に配置されている。
【0024】
発光素子70は、電気を光に変化する素子である。発光素子70としては、例えばLED等を採用することができる。本実施形態に係る発光素子70は、キー30の透光部33と厚さ方向Zにおいて重なるように配されている。この構成により、ユーザは、発光素子70が発する光を、透光部33を介して視認することができる。発光素子70は、例えば、各モード切替キー30Aに対応するキーボード装置1の各種モードがオンであるかオフであるかに応じて、点灯と消灯とを切り替えるように構成されていてもよい。
【0025】
メタルドーム40は、ドーム状の形状を有する弾性変形可能な部材である。各メタルドーム40は、メンブレンシート20上に配置されている。より具体的に、メタルドーム40は、内周面40bがメンブレンシート20に向き、外周面40aが固定シート50に向くように配置されている。また、各メタルドーム40は、キー30の凸部31、および一対の接点21bと厚さ方向Zにおいて重なるようにメンブレンシート20上に配されている。
【0026】
ユーザがキー30を押下すると、当該キー30の凸部31が、固定シート50を介して、メタルドーム40を下方に向けて押圧する。これにより、メタルドーム40が弾性的に変形(屈曲)し、メタルドーム40の内周面40bがメンブレンシート20に接触する。さらにキー30が押下されると、メンブレンシート20が、メタルドーム40の内周面40bによって厚さ方向Zに押圧される。これにより、ユーザが押下したキー30に対応する(厚さ方向Zにおいて重なる)接点21b同士が接触し、電気信号が発生する。つまり、メタルドーム40がキー30に加えられた押下力をメンブレンシート20に伝達することにより、メンブレンシート20は、ユーザによる各キー30の押下操作を検知する。また、ユーザによるキー30の押下が終了すると、メタルドーム40の形状は、メタルドーム40の弾性復元力によりドーム状に戻る。これにより、接点21b同士が再び離反する。
【0027】
メタルドーム40は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料の薄板によって形成される。メタルドーム40は、金属製であることにより、ユーザがキー30を押下した際に、ユーザにクリック感を与える。
【0028】
なお、キーボード装置1が備える全てのキー30に対してメタルドーム40が設けられていてなくてもよい。つまり、キーボード装置1が備える複数のキー30のうち一部のキー30に対しては、メタルドーム40に代えて、当該キー30に加えられた押下力をメンブレンシート20に伝達する他の機構(ラバードーム等)が設けられてもよい。例えば、モード切替キー30Aに対してはメタルドーム40が設けられ、入力キー30Bに対してはラバードーム等が設けられた構成が採用されてもよい。
【0029】
固定シート50は、メタルドーム40を上方から覆い、メタルドーム40をメンブレンシート20に固定するシートである。本実施形態に係る固定シート50は、基層52および粘着層51を含む。粘着層51は、粘着性を有する。粘着層51は、基層52の下方に位置している。粘着層51は、厚さ方向Zにおいてメタルドーム40に粘着されている。言い換えれば、粘着層51は、メタルドーム40の外周面40a(天面、上面)に対して粘着されている。なお、固定シート50には、固定シート50と各発光素子70との干渉を避けるための複数の孔53が形成されている。
【0030】
また、固定シート50は、黒色の材料によって形成されていてもよい。あるいは、固定シート50は黒色に染色されていてもよい。これらの場合、発光素子70が発した光のうちキー30の透光部33に進入せず筐体10の内部に反射した光を、固定シート50が吸収することができる。これにより、当該反射光がキー30とキー孔11との間から筐体10の外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0031】
また、固定シート50(基層52)には、低摩擦材が用いられることが好ましい。これにより、キー30を押下した際に凸部31と基層52とが擦れることで生じる異音を抑制することができる。凸部31と基層52との間の摩擦係数は、例えば0.15以下程度であることが好ましい。固定シート50を構成する材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いることができる。
【0032】
スペーサ60は、厚さ方向Zにおいてメンブレンシート20と固定シート50との間に位置する部材である。スペーサ60を構成する材料としては、例えばPETを用いることができる。また、スペーサ60は、メンブレンシート20に対して固定されている。より具体的に、本実施形態に係るスペーサ60は、粘着層61および基部62を含む。粘着層61は、メンブレンシート20に粘着されている。先述した固定シート50の粘着層51は、粘着層61に対しても粘着されている。これにより、固定シート50がメタルドーム40に対して固定されるとともに、固定シート50はメタルドーム40をメンブレンシート20に固定している。また、スペーサ60には、スペーサ60と各メタルドーム40および各発光素子70との干渉を避けるための複数の孔63が形成されている。
【0033】
なお、キーボード装置1はスペーサ60を備えていなくてもよい。この場合、固定シート50の粘着層51はメンブレンシート20に対して粘着されていてもよい。スペーサ60は、粘着層51がメタルドーム40に対して第1方向Xまたは第2方向Yから粘着することを抑制する役割を有する。言い換えれば、スペーサ60は、粘着層51がメタルドーム40の側面に粘着することを抑制する役割を有する。ここで、粘着層51がメタルドーム40の側面に粘着すると、メタルドーム40の上述した弾性変形が阻害され、キー30の押下操作の快適性が低下する可能性がある。したがって、キーボード装置1はスペーサ60を備えていることが好ましい。
【0034】
次に、以上のように構成されたキーボード装置1の作用について説明する。
【0035】
従来、メタルドームを備えるキーボード装置が知られている。このようなキーボード装置においては、メタルドームがメンブレンシートから脱落するのを抑制するために、メタルドームとキーとの間にシート状の固定部材(固定シート)が配置される場合がある。このような構成においては、ユーザがキーを押下した際に、固定シートとメタルドームとが摺動する可能性があった。この場合、ユーザがキーを押下した際にメタルドームの弾性変形が効率的に行われず、キーを押下する押下操作の快適性が損なわれる可能性があった。
【0036】
これに対して本実施形態に係るキーボード装置1においては、固定シート50に粘着層51が設けられるとともに、粘着層51が厚さ方向Zにおいてメタルドーム40に粘着している。この構成により、固定シート50とメタルドーム40とが互いに固定され、ユーザがキー30を押下した際に、メタルドーム40をより確実に変形させることができる。したがって、キー30の押下操作の快適性を向上させることができる。また、固定シート50がメタルドーム40に固定されることにより、固定シート50とキー30とが互いに摺動しにくくなる。これにより、固定シート50とキー30とが擦れることで生じる異音を抑制することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係るキーボード装置1は、筐体10と、筐体10に収容され、厚さ方向Zにおいて押圧された際に電気信号を発生させるメンブレンシート20と、筐体10の表面に露出するとともに、筐体10に対し厚さ方向Zにおいて移動可能に支持されたキー30と、メンブレンシート20上に配置され、キー30が押下された際に弾性的に変形してメンブレンシート20を厚さ方向Zに押圧する金属製のメタルドーム40と、粘着性を有する粘着層51を含むとともに、厚さ方向Zにおけるキー30とメタルドーム40との間に配されてメンブレンシート20に固定された固定シート50と、を備え、粘着層51が厚さ方向Zにおいてメタルドーム40に粘着されていることにより、メタルドーム40はメンブレンシート20に固定されている。
【0038】
この構成により、固定シート50とメタルドーム40とが互いに固定され、ユーザがキー30を押下した際に、メタルドーム40をより確実に変形させることができる。したがって、キー30の押下操作の快適性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態に係るキーボード装置1は、メンブレンシート20上に固定され、厚さ方向Zにおいて固定シート50とメンブレンシート20との間に位置するスペーサ60をさらに備え、粘着層51がスペーサ60に粘着されていることにより、固定シート50はメタルドーム40に固定されている。この構成により、粘着層51がメタルドーム40の側面に粘着してメタルドーム40の弾性変形を阻害することが抑制される。したがって、キー30の押下操作の快適性をより確実に向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態に係るキーボード装置1は、メンブレンシート20上に配置される発光素子70をさらに備え、メンブレンシート20は、発光素子70に電流を供給する電流供給層22を含む。この構成により、発光素子に電流を供給する構成を単純化し、キーボード装置1の小型化に寄与することができる。特に、キーボード装置1の全体にわたって複数の発光素子70が設けられる場合には、発光素子70ごとに配線部材を設けなくてもよくなるため、電流供給層22を用いて発光素子70に電流を供給する構成を好適に用いることができる。
【0041】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0042】
例えば、前記実施形態では、キー30の一部が透光部33であったが、キー30の構成はこれに限られない。キー30の全体が光を透過する材料によって形成されていてもよい。
【0043】
また、発光素子70は厚さ方向Zにおいてキー30と重なるように配置されていなくてもよい。この場合、筐体10に透過部が設けられてもよい。あるいは、キーボード装置1は発光素子70を備えていなくてもよい。これらの場合、キー30は透光部33を有していなくてもよい。
【0044】
また、キー30(モード切替キー30A、入力キー30B)の数および発光素子70の数は図示の例に限られず、適宜変更可能である。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…キーボード装置 10…筐体 20…メンブレンシート 22…電流供給層 30…キー 40…メタルドーム 50…固定シート 51…粘着層 60…スペーサ 70…発光素子
図1
図2