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特許7496415汚染物質分離及び再ガス化システムの統合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】汚染物質分離及び再ガス化システムの統合
(51)【国際特許分類】
   F25J 3/02 20060101AFI20240530BHJP
   F25J 3/08 20060101ALI20240530BHJP
【FI】
F25J3/02 A
F25J3/08
F25J3/02 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022525240
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020054237
(87)【国際公開番号】W WO2021086547
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】62/927,757
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523025539
【氏名又は名称】エクソンモービル テクノロジー アンド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ExxonMobil Technology and Engineering Company
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】マヘル デヴィッド ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ラスムッセン チャド シー
(72)【発明者】
【氏名】コーネル リチャード ペリー
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-507703(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010917(US,A1)
【文献】特公昭40-016342(JP,B1)
【文献】特開昭47-038669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力フィードストリームから汚染物質を分離するための構成要素と、
第1のラインに結合された熱交換器であって、前記第1のラインが汚染物質を分離するための前記構成要素に結合され、前記熱交換器が前記第1のラインの第1のフィードストリームを冷却する熱交換器と、
気化器を備える液化天然ガス(「LNG」)再ガス化システムと、を備え、
前記汚染物質は二酸化炭素を含み、
汚染物質を分離するための前記構成要素は、
a)極低温蒸留塔、
または、
b)前記第1のラインが第1の二酸化炭素ラインを備え前記第1のフィードストリームが第1の二酸化炭素ストリームを備えているフィルタシステム、
を備え、
前記極低温蒸留塔は、
蒸気を上向きに上昇させる蒸留セクションと、
前記入力フィードストリームを前記極低温蒸留塔の中に向ける1又は2以上のラインと、
前記蒸留セクションの上方に位置する制御式凍結ゾーンセクションであって、前記入力フィードストリームから固体を形成するように構成かつ配置された制御式凍結ゾーンセクションと、を備え、
該制御式凍結ゾーンセクションが、
前記制御式凍結ゾーンの上側セクション内の噴霧アセンブリと、
前記制御式凍結ゾーンの下側セクション内の溶融トレイアセンブリであって、前記蒸留セクションからの前記蒸気を前記溶融トレイアセンブリによって保持された液体の中に向ける少なくとも1つの蒸気ストリーム上昇器、及び前記溶融トレイアセンブリによって保持された前記液体の一部分が前記制御式凍結ゾーンセクションを出ることを許すように位置決めされた1又は2以上の水はけ開口部を含む前記溶融トレイアセンブリと、を有し、
前記極低温蒸留塔は、さらに、
加熱流体との間接熱交換を通して前記液体の前記部分を加熱するように配置された塔熱交換器と、
前記液体の前記部分を該液体の該部分が前記塔熱交換器内で加熱された後で前記溶融トレイアセンブリに戻す1又は2以上の戻り入口と、を備え、
前記気化器が前記LNG再ガス化システムのLNGストリームを加熱し、前記熱交換器が前記気化器として機能する、
ことを特徴とする統合型システム。
【請求項2】
前記汚染物質を分離するための構成要素が、極低温蒸留塔を備え、
前記統合型システムは、第2のラインに結合された第2の熱交換器を更に備え、
前記第2のラインは、前記極低温蒸留塔に結合され、
前記第2の熱交換器は、前記第2のラインの第2のフィードストリームを冷却し、
前記LNG再ガス化システムは、第2の気化器を更に備え、
前記第2の気化器は、前記LNG再ガス化システムの第2のLNGストリームを加熱し、
前記第2の熱交換器は、前記第2の気化器として機能し、
前記第1のラインは、前記熱交換器からの前記第1のフィードストリームを前記極低温蒸留塔に向け、
前記第2のラインは、前記極低温蒸留塔からの前記第2のフィードストリームを前記第2の熱交換器に向ける、
請求項1に記載の統合型システム。
【請求項3】
前記LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクからの前記LNGストリームを前記気化器に向ける第1のLNGラインと、
前記貯蔵タンクからの前記第2のLNGストリームを前記第2の気化器に向ける第2のLNGラインと、を更に備えている、
請求項2に記載の統合型システム。
【請求項4】
前記LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクからの前記LNGストリームを前記気化器に向けるLNGラインと、を更に備えている、
請求項1に記載の統合型システム。
【請求項5】
分離器であって、前記気化器からの産出物が前記分離器に向けられ、前記熱交換器からの産出物が前記分離器に向けられる分離器と、
逆流ポンプであって、前記分離器からの非ガス状産出物が前記逆流ポンプに向けられ、前記逆流ポンプからの産出物が前記極低温蒸留塔に向けられ、前記分離器のガス状産出物が、産出生成物として産出ラインに向けられる逆流ポンプと、を更に備えている、
請求項1に記載の統合型システム。
【請求項6】
前記汚染物質を分離するための構成要素が、フィルタシステムを備え、
液体二酸化炭素ポンプと、
前記熱交換器と前記液体二酸化炭素ポンプとに結合する第2の二酸化炭素ラインと、を更に備えている、
請求項1に記載の統合型システム。
【請求項7】
前記LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクからの前記LNGストリームを前記気化器に向けるLNGラインと、
前記貯蔵タンクと前記気化器の間のLNGポンプと、を更に備えている、
請求項6に記載の統合型システム。
【請求項8】
前記フィルタシステムのガス状産出物が、産出生成物として産出ラインに向けられ、前記気化器のガス状産出物が、産出生成物として該産出ラインに向けられる、
請求項6又は7に記載の統合型システム。
【請求項9】
汚染物質を分離するための構成要素を用いて入力フィードストリームから汚染物質を分離するステップと、
汚染物質を分離するための前記構成要素に結合された熱交換器を用いて第1のフィードストリームを冷却するステップと、
前記熱交換器が気化器として機能するLNG再ガス化システムの該気化器を用いてLNGストリームを加熱するステップと、を備え、
前記汚染物質を分離するステップは、汚染物質を極低温で分離する段階を備え、
汚染物質を分離するための前記構成要素は、蒸留塔を備え、
前記汚染物質は、二酸化炭素を含み、
前記汚染物質を極低温で分離するステップは、
前記入力フィードストリームを前記蒸留塔の中に向けるステップと、
蒸気が前記蒸留塔の蒸留セクションから上向きに上昇することを許すステップと、
前記蒸留塔の制御式凍結ゾーンセクションに固体を形成するステップであって、該制御式凍結ゾーンセクションが、前記蒸留セクションの上方に位置し、該固体が、前記入力フィードストリーム内に汚染物質を備える前記形成するステップと、
少なくとも1つの蒸気ストリーム上昇器を使用して前記蒸留セクションからの前記蒸気を溶融トレイアセンブリによって保持された液体の中に向けるステップと、
前記溶融トレイアセンブリによって保持された前記液体を使用して前記固体を溶融するステップと、
前記溶融トレイアセンブリによって保持された前記液体の一部分が前記制御式凍結ゾーンセクションを出ることを許すステップと、
塔熱交換器内で加熱流体との間接熱交換を通して前記液体の前記部分を加熱するステップと、
前記液体の前記部分を該液体が前記塔熱交換器内で加熱された後で前記溶融トレイアセンブリに戻すステップと、を備え、
第2の熱交換器を用いて第2のフィードストリームを冷却するステップと、
前記LNG再ガス化システムの第2の気化器を用いて第2のLNGストリームを加熱するステップと、を更に備え、
前記第2の熱交換器は、前記蒸留塔に連結され、
前記第1のフィードストリームを前記冷却するステップは、前記汚染物質を前記極低温で分離するステップに先行し、
前記汚染物質を前記極低温で分離するステップは、前記第2のフィードストリームを前記冷却するステップに先行し、
前記第2の熱交換器は、前記第2の気化器として機能する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記気化器からの産出物及び前記熱交換器からの産出物を産出生成物ストリームと逆流ストリームとに分離するステップと、
前記逆流ストリームを前記蒸留塔に向けるステップと、を更に備え、
前記産出生成物ストリームは、1.5%から2.5%の範囲の少量のCO2を含む、
請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、「汚染物質分離と再ガス化システムの統合」という名称の2019年10月30日出願の米国仮特許出願第62/927757号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、流体操作及び分離を含む炭化水素処理の分野に関する。より具体的には、本発明の開示は、ガス状態の炭化水素を含む産出物を有する流体、及び/又は酸性ガス、不快ガス、及び/又は煙道ガスのような汚染物質の濃度を低減した流体の操作及び分離に関する。
【背景技術】
【0003】
この節は、本発明の開示に関連付けることができる当業技術の様々な態様を導入することを意図している。この議論は、本発明の開示の特定の態様のより良好な理解を容易にするフレームワークを提供することを意図している。従って、この節は、必ずしも従来技術の容認としてではなく、この観点から読まれるべきであることを理解しなければならない。
【0004】
リザーバからのメタン及びエタンのような天然ガス炭化水素の生成は、多くの場合にそれに伴って非炭化水素ガスを付帯的に生成する。そのようなガスは、二酸化炭素(CO2)、硫化水素(H2S)、硫化カルボニル、二硫化炭素、及び様々なメルカプタンのうちの少なくとも1つのような汚染物質を含む。リザーバから生成されているフィードストリームが、炭化水素と混合されたこれらの汚染物質を含む時に、ストリームは、多くの場合に「不快ガス」と呼ばれる。
【0005】
多くの天然ガスリザーバは、比較的低いパーセンテージの炭化水素及び比較的高いパーセンテージの汚染物を有する。汚染物質は、希釈剤として作用して炭化水素の熱容量を下げる場合がある。硫黄含有化合物のような一部の汚染物質は有毒であり、更に致死的である場合がある。これに加えて、水の存在下で一部の汚染物質は、かなり腐食性になる可能性がある。
【0006】
炭化水素を含有するストリームから汚染物質を除去して快いかつ濃縮された炭化水素を生成することが望ましい。パイプライン品質の天然ガスのための仕様は、典型的に100scf(4ppmv)又は5mg/Nm3のH2S当たり最大で2から4%CO2及び1/4グレインH2Sを要求する。天然ガス液化プラント又は窒素除去ユニットのようなより低い温度工程に対する仕様は、典型的に50ppm未満のCO2を指定する。
【0007】
炭化水素からの汚染物質の分離は困難であり、結果的にかなりの労力が、炭化水素/汚染物質分離方法の開発に費やされてきた。これらの方法は、3つの一般的部類:溶媒による吸収(物理的、化学的、及び混成的)、固体による吸着、及び蒸留に分けることができる。
【0008】
一部の混合物の蒸留による分離は、比較的簡単であるとすることができ、従って、天然ガス業界で広く使用されている。しかし、主としてメタンである天然ガス炭化水素と天然ガス内の最も一般的な汚染物質の1つである二酸化炭素との混合物の蒸留は、かなりの困難を呈する可能性がある。従来の蒸留原理及び従来の蒸留機器は、蒸留塔全体を通して蒸気相及び液相のみの存在を想定している。蒸留によるメタンからのCO2の分離は、パイプライン又はより良好な品質の炭化水素生成物が望ましい場合に、CO2の凝固をもたらす温度及び圧力条件を伴うものである。示唆される温度は、典型的に極低温(すなわち、約-40℃(-40°F)及びそれよりも低いあらゆる温度)と呼ばれる低温である。
【0009】
ある一定の極低温蒸留は、上述の困難を克服することができる。これらの極低温蒸留は、炭化水素からの固体形成汚染物質の分離中に固体の形成及びその後の溶融を操作するための適した機構を提供する。温度及び圧力の特定の条件での炭化水素及び汚染物質の気液混合物と平衡状態にある固体汚染物質の形成は、蒸留塔の制御式凍結ゾーンセクションで行われる。蒸留塔の下側セクションは、炭化水素から汚染物質を分離することを補助することもできるが、下側セクションは、固体を形成しない温度及び圧力で作動される。
【0010】
制御式凍結ゾーンセクションを使用する公知の極低温蒸留用途では、フィードストリームは、制御式凍結ゾーンセクション及び溶融トレイの下の蒸留塔への導入の前に乾燥させて約-51℃(-60°F)の温度まで予冷却される。冷却されたフィードストリームの蒸気成分は、塔の回収セクションから上昇する蒸気と組み合わさって溶融トレイ上の液体を通して泡立つ。これは、上昇する蒸気ストリームが冷却され、CO2の一部分が凝縮され、制御式凍結ゾーン噴霧チャンバの開放部分に入るより冷たくかつより清浄なガスストリームをもたらすこと、上昇する蒸気ストリームが、このストリームが制御式凍結ゾーン噴霧チャンバに入る時に塔断面にわたって均等に分配されること、必要な溶融トレイ熱入力の殆どが、蒸気を冷却することからの顕熱及びガスストリーム内のCO2の一部分を凝縮することからの潜熱を通じて提供されること、及び溶融トレイ液体が激しく混合され、これが、CO2の融点よりも僅か2から3°F高いバルク液体温度で溶融トレイの中に落下する固体CO2粒子の溶融を容易にすることを含むいくつかの有益な目的に寄与する。しかし、制御式凍結ゾーンセクションを使用する極低温蒸留用途は、様々なフィードストリームの温度を下げるのにいくつかの異なる機構を利用する。より効率的な冷却機構を提供することは有益であると考えられる。
【0011】
汚染はまた、炭化水素の燃焼(例えば、発電所での)の後の課題である可能性がある。炭化水素の燃焼は、CO2、水蒸気、二酸化硫黄、及び窒素酸化物を含む「煙道ガス」を生成する。燃焼後再捕捉工程では、CO2は、燃焼から生じる煙道ガスから分離されて捕捉される。煙道ガスからCO2を再捕捉する手順は、不快ガスからCO2を分離するための溶媒による吸収手順と類似である。例えば、「フィルタ」は、CO2が煙突又は工場の大煙突を上に進む時にCO2を捕捉することを補助することができる。このフィルタは、CO2を吸収する溶媒を含む。溶媒は、次に、水蒸気とCO2の濃縮ストリームとを発生させるために加熱することができる。CO2の濃縮ストリームは圧縮することができ、及び/又はCO2の濃縮ストリームの温度は、熱交換器を使用して下げることができる。CO2の少なくとも一部分は、熱交換器内で凝縮し、固体又は液体凝縮相CO2成分及び軽質ガス成分を生じる。凝縮相CO2成分は、次に回収することができる。しかし、そのような技術を使用する煙道ガスからのCO2生成物の回収は、関与する場合がある高度の圧縮に起因して高価であると考えられる。
【0012】
CO2が不快ガスフィードから分離されるか又は煙道ガスフィードから再捕捉された状態で、CO2は、近くの井戸又は貯蔵地層の中に注入することができ、及び/又はCO2は、適した貯蔵場所まで搬送することができる(例えば、パイプラインを通して)。しかし、CO2は、貯蔵及び/又は搬送のために最初に冷却及び/又は圧縮しなければならず、これは、大量のエネルギを必要とする。より効率的なCO2冷却及び/又は圧縮器構を提供することは有益であると考えられる。
【0013】
天然ガスの多くのソースは、ガスに対するいずれの商業市場からも遠く離れた世界の各部分にある。パイプライン搬送が実際的でない時に、産出天然ガスは、市場への搬送のために多くの場合に液化天然ガス(LNGと呼ばれる)に加工される。天然ガスは、すなわち、LNGを暖房、発電、又は産業使用に関して使用することができる場所までLNGとして搬送される。LNGは、典型的に、約-162℃(-260°F)の温度で及び実質的に大気圧で貯蔵される及び/又は出荷される。しかし、LNGは、一般的に、非常に低温の液体形態では消費者によって利用することができない。従って、燃料として使用されるか又は市場パイプラインの中に挿入されるには、LNGは、消費者に流通するためにガス状態に変換し戻さなければならない。LNGは、再ガス化として公知の過程で暖められる及び/又は気化される。典型的に、LNG再ガス化プラントは、世界中からのLNGの受け入れを容易にするために陸上又は浮遊容器上のいずれかで海港の近くに位置付けられる。パイプライン温度及び/又は圧力で気化ガスを供給するために、極低温LNGストリームに最初に熱を追加することができる。熱は、(1)再ガス化LNGの燃焼(すなわち、消費されるガスの部分の市場価値の損失)、(2)温水、(3)温風、又は(4)工業発熱過程のような様々なソースから来る場合がある。他に廃棄される熱エネルギをより効率的に利用するために、LNGの再ガス化を1又は2以上の他の工業過程と統合することは有益であると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の開示の実施形態は、液化天然ガス(「LNG」)再ガス化工程を含む炭化水素精製工程の不快ガス及び/又は煙道ガスフィードストリームから汚染物質を分離するための工程との統合に関する。
【0015】
本発明の開示の実施形態は、汚染物質を極低温で分離するための工程及びLNGの再ガス化に関連し、この2つの工程は、共通冷凍機器及び/又は燃料ガス使用を利用するか又はその周囲で統合される。
【0016】
本発明の開示の実施形態は、汚染物質を分離するのに溶媒を使用するための工程に関連しており、2つの工程は、共通冷凍機器及び/又は燃料ガス使用を利用するか又は周囲に統合される。
【0017】
本発明の開示の実施形態は、入力フィードストリームから汚染物質を分離するための構成要素と、第1のラインに結合された熱交換器であって、第1のラインが、汚染物質を分離するための構成要素に結合され、熱交換器が、第1のラインの第1のフィードストリームを冷却する上記熱交換器と、気化器を備えるLNG再ガス化システムであって、気化器が、LNG再ガス化システムのLNGストリームを加熱し、熱交換器が気化器として機能する上記LNG再ガス化システムとを含む統合型システムに関する。
【0018】
本発明の開示の実施形態は、汚染物質を分離するための構成要素を用いて入力フィードストリームから汚染物質を分離する段階と、汚染物質を分離するための構成要素に結合された熱交換器を用いて第1のフィードストリームを冷却する段階と、熱交換器が気化器として機能するLNG再ガス化システムの気化器を用いてLNGストリームを加熱する段階とを含む工程に関する。
【0019】
以上は、以下の詳細説明をより良く理解することができるように本発明の開示の特徴を広く概説したものである。追加の特徴も、本明細書で以下に説明する。
【0020】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、付録の特許請求の範囲、及び以下に簡単に説明する添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】単一容器内のセクションを有する塔の概略図である。
図2】複数の容器内のセクションを有する塔の概略図である。
図3】単一容器内のセクションを有する塔の概略図である。
図4】複数の容器内のセクションを有する塔の概略図である。
図5】LNG再ガス化システムの概略図である。
図6】統合型分離及び再ガス化システムの概略図である。
図7】別の統合型分離及び再ガス化システムの概略図である。
図8】更に別の統合型分離及び再ガス化システムの概略図である。
【0022】
図は単に例であり、本発明の開示の範囲に対する制限をそれによって意図しないことに注意しなければならない。更に、図は、一般的に縮尺通りに描かれていないが、本発明の開示の様々な態様を例示する際の便宜性及び明確化の目的で起草したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の開示の原理の理解を容易にする目的のために、図面に例示する特徴をここで参照し、それを説明するのに特定の言語を以下で使用する。それにも関わらず、本発明の開示の範囲の制限をそれによって意図しないことは理解されるであろう。あらゆる変更及び更に別の修正、及び本明細書に説明するような本発明の開示の原理のあらゆる更に別の用途は、開示が関係する当業者に一般的に想起されるものとして考えている。本発明の開示と関連のない一部の特徴は、明確化のために図面に示さない場合があることは当業者には明らかであろう。
【0024】
この出願で参照する時に、用語「ストリーム」、「ガスストリーム」、「蒸気ストリーム」、及び「液体ストリーム」は、フィードストリームが処理される時の(例えば、天然ガス内の主炭化水素であるメタンを汚染物質から分離する蒸留塔での)1又は2以上のフィードストリームの異なる段を指す。語句「ガスストリーム」、「蒸気ストリーム」、及び「液体ストリーム」は、ガス、蒸気、又は液体がそれぞれストリームに主として存在する状況を指すことができ、ストリーム内に同じく存在する他の相がある場合もある。例えば、ガスはまた、「液体ストリーム」で存在することができる。一部の事例では、用語「ガスストリーム」及び「蒸気ストリーム」は、交換可能に使用することができる。
【0025】
用語「天然ガス」は、原油井から(随伴ガス)又は地下ガス含有地層から(非随伴ガス)得られる多成分ガスを指す。生天然ガスの組成及び圧力は、かなり異なる可能性がある。典型的な天然ガスストリームは、有意成分としてメタン(C1炭素含有量)を含有する。生天然ガスはまた、エタン(C2炭素含有量)と、より高分子量の炭化水素と、酸性ガス(二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、二硫化炭素、及びメルカプタンのような)と、水、窒素、硫化鉄、ワックス、及び原油のような少量の汚染物質とを含有する場合がある。本明細書に使用する時に、天然ガスは、水、酸性ガス、及び殆どのより高分子量の炭化水素のような汚染物質を除去するために精製された液化天然ガス(「LNG」)の再ガス化から生じるガスを含む。
【0026】
本明細書で参照される時に「熱交換器」は、特にあらゆる構造、例えば一般的に熱交換器と呼ばれるあらゆるデバイスを含む1つの媒体から別の媒体に熱を伝達することができるあらゆるデバイスを広く意味する。熱交換器は、「直接熱交換器」及び「間接熱交換器」を含む。すなわち、熱交換器は、プレート-アンド-フレーム、シェル-アンド-チューブ、スパイラル、ヘアピン、コア、コア-アンド-ケトル、二重パイプ、又はあらゆる他のタイプの公知の熱交換器とすることができる。「熱交換器」はまた、それを通る1又は2以上のストリームを可能にし、かつ1又は2以上の冷媒ラインと1又は2以上のフィードストリームの間の直接又は間接熱交換に影響を与えるようになったあらゆる円柱、塔、ユニット、又は他の配置を指すことができる。
【0027】
本明細書で利用される時に用語「近似的に」、「約」、「実質的に」、及び類似の用語は、本発明の開示の主題が関連する当業者によって一般的に受け入れられる使用と調和して広い意味を有するように意図している。これらの用語が、これらの特徴の範囲を提供される正確な数値範囲に限定することなく、説明して特許請求するある一定の特徴の説明を可能にするように意図していることは、本発明の開示を精査する当業者によって理解されなければならない。従って、これらの用語は、説明する主題の非実質的又は非結論的修正又は変更が本発明の開示の範囲内であると考えられることを示すと解釈されなければならない。
【0028】
単数形の名詞は、必ずしも単数を意味するように限定されるものでなく、むしろ任意的に複数のそのような要素を含むように包括的かつ無制限である。
【0029】
本発明の開示の実施形態の多くの潜在的利点のうちの1つは、温度制御リソースを複数の工程によって共有することができることであり、費用及び環境への影響の両方を低減する。他の潜在的な利点は、取りわけ本発明の開示の利益を有する熟練技術者に明らかになるものの中でも、制御式凍結ゾーンセクションを使用する極低温蒸留用途のための独立冷凍機器の低減及び/又は排除、溶媒吸収用途のための独立冷凍機器の低減及び/又は排除、及びLNG再ガス化システムのための独立気化機器の低減及び/又は排除のうちの1又は2以上を含む。本発明の開示の実施形態は、それにより、地下地層からの炭化水素の回収及び/又は精製に有用とすることができる。
【0030】
本発明の開示の各部分は、蒸留塔内でフィードストリームを分離するためのシステム及び方法に関する。そのようなシステム及び方法は、エネルギ効率を改善する及び/又は蒸留塔を最適なサイズにするようにフィードストリーム内の成分の濃度に基づいてフィードストリームがどこで蒸留塔に入るかを最適に適合させることを補助する。システム及び方法はまた、蒸留塔の制御式凍結ゾーンセクションでの固体の望ましくない蓄積を防止することを補助することができる。本発明の開示の図1図4は、そのようなシステム及び方法の様々な態様を表示している。
【0031】
システム及び方法は、不快ガス及び/又は煙道ガスフィードストリーム(例えば、約10%から約80%のCO2濃度を有するガス)内の汚染物質からメタンを分離することができる。例示的分離システム101、201、301、401は、蒸留塔104、204(図1図4)を備えることができる。分離システム101、201、301、401は、フィードストリーム(例えば、不快ガス及び/又は煙道ガスフィードストリーム)を調製することができ、蒸留塔104、204は、次に、汚染物質をメタンから分離することができる。
【0032】
蒸留塔104、204は、3つの機能セクション:下側セクション106、中間制御式凍結ゾーンセクション108、及び上側セクション110に分離することができる。蒸留塔104、204は、上側セクション110が必要である及び/又は望ましい時に3つの機能セクションを組み込むことができる。
【0033】
蒸留塔104、204は、上側セクション110が必要ではない及び/又は望ましくない時に2つの機能セクションのみを組み込むことができる。蒸留塔が上側セクション110を含まない時に、中間制御式凍結ゾーンセクション108を離れる蒸気の一部分は、凝縮器122で凝縮されて噴霧アセンブリ129を通って液体ストリームとして戻ることができる。更に、ライン18及び20を排除することができ、要素124及び126は全く同一とすることができ、要素150及び128は全く同一とすることができる。ここで中間制御式凍結セクション108を離れる蒸気を取るライン14内のストリームは、これらの蒸気を凝縮器122に向ける。
【0034】
下側セクション106はまた、回収セクションと呼ばれる場合がある。中間制御式凍結ゾーンセクション108はまた、制御式凍結ゾーンセクションと呼ばれる場合がある。上側セクション110はまた、整流セクションと呼ばれる場合がある。
【0035】
蒸留塔104の各セクションは、単一容器に収容することができる(図1及び図3)。例えば、下側セクション106、中間制御式凍結ゾーンセクション108、及び上側セクション110は、単一容器164に収容することができる。
【0036】
蒸留塔204の各セクションは、複数の容器に収容されて分割塔構成を形成することができる(図2及び4)。容器の各々は、他の容器から分離することができる。配管及び/又は別の適した機構は、一方の容器を別の容器に接続することができる。この場合に、下側セクション106、中間制御式凍結ゾーンセクション108、及び上側セクション110は、2又は3以上の容器に収容することができる。例えば、図2及び4に示すように、上側セクション110は、単一容器254に収容することができ、下側セクション及び中間制御式凍結ゾーンセクション106、108は、単一容器164に収容することができる。この場合に、上側セクション110を出た液体ストリームは、液体出口底部260を通って出ることができる。液体出口底部260は、上側セクション110の底部にある。図示していないが、セクションの各々は、それ自体の個別容器内に収容することができ、1又は2以上のセクションは、個別の容器に収容することができ、又は上側セクション及び中間制御式凍結ゾーンセクションは、単一容器に収容することができ、一方で下側セクションは、単一容器に収容することができるなどである。蒸留塔の各セクションが容器に収容される時に、容器は、水平ラインに沿って横並びであり、及び/又は垂直ラインに沿って互いの上とすることができる。
【0037】
分割塔構成は、遠隔地に対するもののような蒸留塔の高さ、運動の配慮、及び/又は搬送上の問題を考察すべき状況では有益である場合がある。この分割塔構成は、1又は2以上のセクションの独立作動を可能にする。例えば、上側セクションが単一容器に収容され、下側セクション及び中間制御式凍結ゾーンセクションが単一容器に収容される時に、充填ガスパイプライン又は隣接炭化水素ラインからの実質的に汚染物質を含まない主として炭化水素ストリームを使用する逆流液体の独立発生は、上側セクションで行うことができる。逆流を使用して上側セクションを冷却し、上側セクション内で適した温度プロファイルを確立し、及び/又は上側セクションの底部に液体在庫を構成して中間制御式凍結ゾーンセクションに対する噴霧液体の初期ソースとして機能することができる。更に、中間制御式凍結ゾーン及び下側セクションは、フィードストリームを冷やし、フィードストリームを最適な場所(下側セクション又は中間制御式凍結ゾーンセクション内であるとして)にフィードし、下側セクション及び中間制御式凍結ゾーンセクションに対する液体を発生させ、かつ蒸気が高すぎる汚染物質含有量で仕様から外れる間に蒸気を中間制御式凍結ゾーンセクションから処分することによって独立に調製することができる。同じく、上側セクションからの液体は、断続的又は連続的に噴霧することができ、2つの容器を接続して中間制御式凍結ゾーンセクションから上側セクションに蒸気ストリームを送ることができるように中間制御式凍結ゾーンセクションの底部に液体レベルを構築し、中間制御式凍結ゾーンセクション内の汚染物質含有量をほぼ定常状態レベルにもたらし、上側セクションの底部から中間制御式凍結ゾーンセクションの中に液体を連続的に噴霧し、かつ作動を定常条件に安定化させる。分割塔構成は、上側セクションの汚水槽をポンプ128のための液体受け入れ器として利用することができ、従って、図1及び3の保持容器126に対する必要性を取り除く。
【0038】
システムはまた、熱交換器100(図1図4)を含む場合がある。フィードストリーム10(例えば、不快ガスフィードストリーム、煙道ガスフィードストリーム)は、蒸留塔104、204に入る前に熱交換器100に入ることができる。例えば、フィードストリーム10は、リザーバからのフィードストリームとすることができ、又はフィードストリーム10は、ガスプラントの出口からのものとすることができる。フィードストリーム10は、熱交換器100内で冷却することができる。熱交換器100は、フィードストリーム10の温度を蒸留塔104、204への導入に適するレベルまで低減することを補助する。
【0039】
システムは、膨張器デバイス102(図1図4)を含むことができる。フィードストリーム10は、蒸留塔104、204に入る前に膨張器デバイス102に入ることができる。フィードストリーム10は、熱交換器100を出た後で膨張器デバイス102内で膨張し、それによって更に冷却することができる。膨張器デバイス102は、フィードストリーム10の温度を蒸留塔104、204への導入に適するレベルまで下げることを補助する。膨張器デバイス102は、バルブのようなあらゆる適したデバイスとすることができる。膨張器デバイス102がバルブである場合に、バルブは、フィードストリームが蒸留塔104、204に入る前にフィードストリーム10を冷却することを補助することができるあらゆる適したバルブとすることができる。例えば、バルブは、「ジュール-トンプソン」(J-T)バルブを備えることができる。
【0040】
システムは、フィード分離器103(図3図4)を含むことができる。フィードストリームは、蒸留塔104、204に入る前にフィード分離器に入ることができる。フィード分離器は、混合液体と蒸気ストリームとを有するフィードストリームを液体ストリームと蒸気ストリームに分離することができる。ライン12は、フィード分離器から蒸留塔104、204まで延びることができる。ライン12のうちの1つは、フィード分離器から蒸気ストリームを受け入れることができる。ライン12のうちの別の1つは、フィード分離器から液体ストリームを受け入れることができる。ライン12の各々は、蒸留塔104、204の同じ及び/又は異なるセクション(すなわち、中間制御式凍結ゾーンセクション及び下側セクション)まで延びることができる。膨張器デバイス102は、フィード分離器103の下流にある場合がある又はそうでない場合がある。膨張器デバイス102は、各ライン12が膨張器デバイス102を有するように複数の膨張器デバイス102を備えることができる。
【0041】
システムは、脱水ユニット261(図1図4)を含むことができる。フィードストリーム10は、蒸留塔104、204に入る前に脱水ユニット261に入ることができる。フィードストリーム10は、熱交換器100及び/又は膨張器デバイス102に入る前に脱水ユニット261に入る。脱水ユニット261は、フィードストリーム10から水を除去し、水が熱交換器100、膨張器デバイス102、フィード分離器103、又は蒸留塔104、204内で後で問題を呈することを防止する。水は、ライン又は機器を塞ぐか又は蒸留工程に悪い影響を与える個別の水相(すなわち、氷及び/又は水和物)を形成することによる問題を呈する可能性がある。脱水ユニット261は、フィードストリームを露点まで十分に低く脱水し、個別の水相が工程の残余中に下流のいずれの点でも形成しないことを保証する。脱水ユニットは、分子篩又はグリコール脱水ユニットのようなあらゆる適した脱水機構とすることができる。
【0042】
システムは、濾過ユニット(図示せず)を含むことができる。フィードストリーム10は、蒸留塔104、204に入る前に濾過ユニットに入ることができる。濾過ユニットは、フィードストリームが蒸留塔104、204に入る前にフィードストリームから望ましくない汚染物質を除去することができる。どの汚染物質が除去されることになるかに応じて、濾過ユニットは、脱水ユニット261の前後及び/又は熱交換器100の前後とすることができる。
【0043】
システムは、ライン12を含むことができる。ラインの各々は、入口ライン12と呼ばれる場合がある。フィードストリームは、ライン12のうちの1つを通って蒸留塔104、204の中に導入される。1又は2以上のライン12は、蒸留塔104、204の下側セクション106又は中間制御式凍結ゾーンセクション108からライン12のうちの別のものまで延びることができる。例えば、ライン12は、フィードストリーム10が蒸留塔104、204の下側セクション106に入ることができるように下側セクション106まで延びることができる(図1図4)。各ライン12は、直接的又は間接的に下側セクション106又は中間制御式凍結ゾーンセクション108まで延びることができる。各ライン12は、蒸留塔に入る前に蒸留塔104、204の外面まで延びることができる。
【0044】
システムがフィード分離器103(図3図4)を含む場合に、ライン12は、複数のライン12を備えることができる。各ラインは、フィード分離器から蒸留塔104、204の特定の部分まで延びるラインのうちの1つと同じラインである場合がある。
【0045】
蒸留塔104、204に入る前に、フィードストリーム10のサンプルは、分析器(図示せず)に入ることができる。フィードストリーム10のサンプルは、フィードストリーム10の小さいサンプルとすることができる。フィードストリーム10は、複数のフィードソースからのフィード又は単一フィードソースからのフィードを備えることができる。各フィードソースは、例えば、個別のリザーバ、1又は2以上のリザーバ内の1又は2以上の裸孔、その他を含むことができる。分析器は、フィードストリーム10のサンプル内のCO2のパーセンテージ及び従ってフィードストリーム10内のCO2の含有量を決定することができる。分析器は、フィードストリーム10のサンプルが分析器を出た後にフィードストリーム10を蒸留塔104、204の1又は2以上のセクション106、108に送ることができるように複数のライン12に接続することができる。分析器が、CO2のパーセンテージが約20%よりも高い又は20%よりも高いと決定する場合に、分析器は、フィードストリームを下側セクション106から延びるライン12に向けることができる。解析器が、CO2のパーセンテージが約20%よりも低い又は20%よりも低いと決定する場合に、分析器は、フィードストリームを中間制御式凍結ゾーンセクション108から延びるライン12に向けることができる。分析器は、あらゆる適した分析器とすることができる。例えば、分析器は、ガスクロマトグラフ又は赤外線(IR)分析器とすることができる。分析器は、フィードストリーム10が熱交換器100に入る前に位置決めすることができる。分析器に入るフィードストリーム10は、単相とすることができる。
【0046】
フィードストリーム10は、フィードストリーム10内のCO2のパーセンテージに関係なく蒸留塔104、204のいずれのセクションの中にも導入することができるが、エネルギの最良使用を採用することになる蒸留塔104、204のセクションの中にフィードストリーム10を導入することがより効率的である。この理由のために、フィードストリーム内のCO2のパーセンテージが約20%又は20%よりも高いいずれかのパーセンテージよりも大きい時に下側セクション106に及びフィードストリーム内のCO2のパーセンテージが約20%よりも低い又は20%よりも低いいずれかのパーセンテージである時に中間凍結ゾーンセクション108にフィードストリームを導入することが好ましい。
【0047】
フィードストリームは、セクション106、108のうちの1つに直接的又は間接的にフィードすることができる。従って、エネルギの最良使用に関して、フィードストリーム内のCO2の関連のパーセンテージ又は含有量に適合する蒸留塔104、204の蒸留工程の時点で蒸留塔104、204の中にフィードストリームを導入することが最良であるとすることができる。
【0048】
フィードストリーム10は、フィード分離器103に入ることができる。フィード分離器103は、フィードストリームが蒸留塔104、204の中に導入される前に、フィードストリーム液体部分からフィードストリーム蒸気部分を分離する。フィードストリーム蒸気部分は、フィードストリーム液体部分とは異なる蒸留塔104、204のセクション内のセクション又は部分にフィードすることができる。例えば、フィードストリーム蒸気部分は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の上部制御式凍結ゾーンセクション39にフィードすることができ、及び/又はフィード蒸気液体部分は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の下部制御式凍結ゾーンセクション40又は蒸留塔の下側セクション106にフィードすることができる。
【0049】
下側セクション106は、フィードストリーム10を濃縮汚染物質底部液体ストリーム(すなわち、液体ストリーム)と凍結ゾーン蒸気ストリーム(すなわち、蒸気ストリーム)に分離するように構成され、かつそのように配置される。下側セクション106は、固体を形成しない温度及び圧力でフィードストリームを分離する。液体ストリームは、メタンのものよりも大量の汚染物質を備える場合がある。蒸気ストリームは、汚染物質のものよりも大量のメタンを備える場合がある。いずれの場合も、蒸気ストリームは液体ストリームよりも軽い。結果として蒸気ストリームは、下側セクション106から上昇し、液体ストリームは、下側セクション106の底部に落ちる。
【0050】
下側セクション106は、フィードストリームを分離する機器を含む及び/又はそれに接続することができる。機器は、1又は2以上の充填セクション181、又は穿孔、下降管、及び/又は堰を有する1又は2以上の蒸留トレイのような汚染物質からメタンを分離するためのあらゆる適した機器を備えることができる(図1図4)。
【0051】
機器は、熱をストリームに印加して蒸気ストリーム及び液体ストリームを形成する構成要素を含むことができる。例えば、機器は、熱をストリームに印加する第1の再沸器112を備えることができる。第1の再沸器112は、蒸留塔104、204の外側に位置付けることができる。機器はまた、熱をストリームに印加する第2の再沸器172を備えることができる。第2の再沸器172は、蒸留塔104、204の外側に位置付けることができる。ライン117は、蒸留塔から第2の再沸器172に至ることができる。ライン17は、第2の再沸器172から蒸留塔に至ることができる。上述の第2の再沸器に同様に設定された追加の再沸器も使用することができる。
【0052】
第1の再沸器112は、下側セクション106の液体出口160を通って下側セクション106を出る液体ストリームに熱を印加することができる。液体ストリームは、液体出口160からライン28を通って進み、第1の再沸器112に到達することができる(図1図4)。第1の再沸器112によって液体ストリームに印加される熱の量は、より多くのメタンを汚染物質から分離するように増加させることができる。再沸器112によってストリームに印加される熱が多いほど多くのメタンが液体汚染物質から分離されるが、より多くの汚染物質も気化されることになる。
【0053】
第1の再沸器112は、蒸留塔104、204内のストリームに熱を印加することができる。具体的には、第1の再沸器112によって印加される熱は、下側セクション106を暖める。この熱は、固体が液体混合物及び/又はスラリ混合物を形成するように下側セクション106を上方に移動し、中間制御式凍結ゾーンセクション108の溶融トレイアセンブリ139(図1図4)に入る暖かい固体に熱を供給する。
【0054】
第2の再沸器172は、下側セクション106内のストリームに熱を印加する。この熱は、第1の再沸器112によって印加される熱よりも中間制御式凍結ゾーンセクション108の近くに印加される。結果として第2の再沸器172によって印加される熱は、第1の再沸器112によって印加される熱よりも速く中間制御式凍結ゾーンセクション108に到達する。第2の再沸器172はまた、エネルギ統合を補助する。
【0055】
機器は、1又は2以上の煙突アセンブリ135を含むことができる(図1図4)。下側セクション106の底部に落ちる間に、液体ストリームは、煙突アセンブリ135のうちの1又は2以上に遭遇する場合がある。
【0056】
各煙突アセンブリ135は、下側セクション106内の液体ストリームを収集する煙突トレイ131を含む。煙突トレイ131上で収集される液体ストリームは、第2の再沸器172にフィードすることができる。液体ストリームが第2の再沸器172で加熱された後に、ストリームは、中間制御式凍結ゾーンセクション108に戻って中間制御式凍結ゾーンセクション108及び/又は溶融トレイアセンブリ139に熱を供給することができる。第2の再沸器172を出た未気化ストリームは、煙突トレイ131の下の蒸留塔104、204にフィードバックすることができる。第2の再沸器172を出た蒸気ストリームは、蒸気ストリームが蒸留塔104、204に入る時に煙突トレイ131の下又は上に送ることができる。
【0057】
煙突トレイ131は、1又は2以上の煙突137を含むことができる。煙突137は、下側セクション106内の蒸気ストリームが移動するチャネルとして機能する。蒸気ストリームは、煙突137の底部にある煙突トレイ131の開口部を通って煙突137の上部に進む。開口部は、それが中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部にあるというよりも下側セクション106の底部に近い。上部は、それが下側セクション106の底部にあるというよりも中間制御式凍結ゾーンセクションの底部に近い。
【0058】
各煙突137は、取り付けられた煙突キャップ133を有する。煙突キャップ133は、煙突137の煙突上部開口部138を覆う。煙突キャップ133は、液体ストリームが煙突137に入るのを防止する。蒸気ストリームは、煙突上部開口部138を通じて煙突アセンブリ135を出る。
【0059】
下側セクション106の底部に落下した後に、液体ストリームは、液体出口160を通って蒸留塔104、204を出る。液体出口160は、下側セクション106内である(図1図4)。液体出口160は、下側セクション106の底部に位置付けることができる。
【0060】
液体出口160を通って出た後に、フィードストリームは、ライン28を通って第1の再沸器112まで進むことができる。フィードストリームは、第1の再沸器112によって加熱することができ、次に、蒸気は、ライン30を通って下側セクション106に再び入ることができる。未気化液体は、ライン24を通って蒸留工程から外に続くことができる。
【0061】
システムは、膨張器デバイス114を含むことができる(図1図4)。ライン24に入った後に、加熱された液体ストリームは、膨張器デバイス114内で膨張することができる。膨張器デバイス114は、バルブのようなあらゆる適したデバイスとすることができる。バルブ114は、J-Tバルブのようなあらゆる適したバルブとすることができる。
【0062】
システムは、熱交換器116を含むことができる(図1図4)。第1の再沸器112によって加熱された液体ストリームは、熱交換器116によって冷却又は加熱することができる。熱交換器116は、直接熱交換器又は間接熱交換器とすることができる。熱交換器116は、あらゆる適した熱交換器を備えることができる。熱交換器116を出た後に、液体ストリームは、ライン26を通って蒸留工程を出る。
【0063】
下側セクション106内の蒸気ストリームは、下側セクション106から中間制御式凍結ゾーンセクション108に上昇する。中間凍結ゾーンセクション108は、中間制御式凍結ゾーンセクションの中に又は下側セクション106の上部の中に導入されたフィードストリーム10を固体と蒸気ストリームに分離するように構成され、かつそのように配置される。中間制御式凍結ゾーンセクション108は、メタンのものよりも多い汚染物質を備える場合がある固体を形成する。蒸気ストリーム(すなわち、メタン濃縮蒸気ストリーム)は、汚染物質よりも多いメタンを備える場合がある。
【0064】
中間制御式凍結ゾーンセクション108は、下側セクション40及び上側セクション39を含む。下側セクション40は、上側セクション39の下方である。下側セクション40は、上側セクション39に直接当接する。下側セクション40は、専らではないが主として中間制御式凍結ゾーンセクション108の加熱セクションである。上側セクション39は、専らではないが主として中間制御式凍結ゾーンセクション108の冷却セクションである。上側セクション39の温度及び圧力は、固体を中間制御式凍結ゾーンセクション108で形成することができるように選択される。
【0065】
中間制御式凍結ゾーンセクション108は、中間制御式凍結ゾーンセクション108に維持された溶融トレイアセンブリ139を備えることができる(図1図4)。溶融トレイアセンブリ139は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の下側セクション40内である。溶融トレイアセンブリ139は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の上側セクション39内ではない。
【0066】
溶融トレイアセンブリ139は、中間制御式凍結ゾーンセクション108に形成された固体を溶融するように構成され、かつそのように配置される。暖かい蒸気ストリームが下側セクション106から中間制御式凍結ゾーンセクション108に上昇する時に、蒸気ストリームは、溶融トレイアセンブリ139に直ちに遭遇して熱を供給し、固体を溶融する。図1図4に示すように、溶融トレイアセンブリ139は、溶融トレイ118、バブルキャップ132、液体130、1又は2以上の水はけ開口部、1又は2以上の戻り入口のうちの少なくとも1つを備えることができ、かつ任意的に加熱機構134を含むことができる。
【0067】
溶融トレイ118は、液体混合物及び/又はスラリ混合物を収集することができる。溶融トレイ118は、下側セクション106から中間制御式凍結ゾーンセクション108の少なくとも一部分を分ける。溶融トレイ118は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部45にある。
【0068】
1又は2以上のバブルキャップ132は、下側セクション106から中間制御式凍結ゾーンセクション108に上昇する蒸気ストリームのためのチャネルとして作用する。バブルキャップ132は、蒸気ストリームが上昇器140まで上がり、次に上昇器140を下って及びそれを回って溶融トレイ118までの経路を提供することができる。上昇器140は、キャップ141によって覆われる。キャップ141は、液体130が上昇器に移動することを防ぎ、また固体が上昇器140に移動することを防止することを補助する。バブルキャップ132を通る蒸気ストリームの横断は、蒸気ストリームが溶融トレイアセンブリ139内の液体130に熱を伝達することを可能にする。
【0069】
1又は2以上の加熱機構134は、液体130を更に加熱して固体の液体混合物及び/又はスラリ混合物への溶融を容易にすることができる。加熱機構134は、溶融トレイアセンブリ139内のどこにでも位置付けることができる。例えば、図1図4に示すように、加熱機構134は、バブルキャップ132の周りに位置付けることができる。加熱機構134は、加熱コイルのようなあらゆる適した機構とすることができる。加熱機構134の熱源は、あらゆる適した熱源とすることができる。
【0070】
溶融トレイアセンブリ内の液体130は、蒸気ストリームによって加熱される。液体130はまた、1又は2以上の加熱機構134によって加熱することができる。液体130は、中間制御式凍結ゾーンセクション108に形成された固体を液体混合物及び/又はスラリ混合物の中に溶融することを補助する。具体的には、蒸気ストリームによって伝達される熱は液体を加熱し、それによって熱が固体を溶融することを可能にする。液体130の温度は、固体を溶融するのに十分なレベルとすることができる。
【0071】
熱交換器100のための熱負荷サイクルは、最も効率的な作動を提供するように最大にすることができる。予防措置として、フィードガスバイパスライン147及びバイパスバルブ148を使用して、フィードガス10が熱交換器100を迂回することを可能にとすることができ、それによってフィードガスの温度を上昇させる。このオプションは、液体130の液体レベルよりも上方にフィードガスを導入するフィードガス上昇器が低CO2環境で固体CO2から汚染を受ける場合に使用することができる。
【0072】
中間制御式凍結ゾーンセクション108はまた、噴霧アセンブリ129を備えることができる。噴霧アセンブリ129は、下側セクション40から上昇する蒸気ストリームを冷却する。噴霧アセンブリ129は、蒸気ストリームよりも冷たい液体を蒸気ストリームに噴霧して蒸気ストリームを冷却する。噴霧アセンブリ129は、上側セクション39内である。噴霧アセンブリ129は、下側セクション40内ではない。噴霧アセンブリ129は、溶融トレイアセンブリ139の上方である。換言すると、溶融トレイアセンブリ139は、噴霧アセンブリ129の下方である。
【0073】
噴霧アセンブリ129は、1又は2以上の噴霧ノズル120(図1図4)を含む。各噴霧ノズル120は、蒸気ストリームに液体を噴霧する。噴霧アセンブリ129はまた、液体をポンピングする噴霧ポンプ128(図1図4)を含むことができる。噴霧ポンプ128の代わりに、重力が、液体内に流れを誘導することができる。
【0074】
噴霧アセンブリ129によって噴霧された液体は、固体を形成する温度及び圧力で蒸気ストリームと接触する。主として汚染物質を含有する固体は、噴霧液体が蒸気ストリームと接触する時に形成される。固体は、溶融トレイアセンブリ139に向けて落下する。
【0075】
中間制御式凍結ゾーンセクション108内の温度は、蒸気ストリームが中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部から中間制御式凍結ゾーンセクション108の上部まで移動する時に冷やされる。蒸気ストリーム内のメタンは、中間制御式凍結ゾーンセクション108から上側セクション110まで上昇する。一部の汚染物質は、メタン内に留まり、同じく上昇する場合がある。蒸気ストリーム内の汚染物質は、より低温で凝縮又は凝固する傾向があり、中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部に落下する。
【0076】
固体は、液体130内である時に液体混合物及び/又はスラリ混合物を形成する。液体混合物及び/又はスラリ混合物は、中間制御式凍結ゾーンセクション108から下側セクション106に流れる。液体混合物及び/又はスラリ混合物の少なくとも一部は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部からライン22を通って下側セクション106の上部まで流れる(図1図4)。ライン22は、蒸留塔104、204から延びることができる。ライン22は、中間制御式凍結ゾーンセクション108から延びることができる。ラインは、下側セクション106まで延びることができる。ライン22は、蒸留塔104、204の外面から延びることができる。
【0077】
図1図4に示すように、中間制御式凍結ゾーンセクション108内で上昇し、かつ固体を形成せず、又は他に中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部に落下する蒸気ストリームは、上側セクション110まで上昇する。上側セクション110は、固体を形成しない温度、圧力、及び汚染物質濃度で作動する。上側セクション110は、蒸気ストリームを冷却してメタンを汚染物質から分離するように構成され、かつそのように配置される。上側セクション110内の逆流は、蒸気ストリームを冷却する。逆流は、ライン18を通って上側セクション110の中に導入される。ライン18は、上側セクション110まで延びることができる。ライン18は、蒸留塔104、204の外面から延びることができる。
【0078】
上側セクション110内で逆流と接触した後に、フィードストリームは、蒸気ストリーム及び液体ストリームを形成する。蒸気ストリームは、主としてメタンを備える。液体ストリームは、比較的多くの汚染物質を備える。蒸気ストリームは、上側セクション110内で上昇し、液体は、上側セクション110の底部に落下する。
【0079】
ストリームが逆流と接触する時に汚染物質からのメタンの分離を容易にするために、上側セクション110は、1又は2以上の物質移動デバイス176を含むことができる。各物質移動デバイス176は、メタンを汚染物質から分離することを補助する。各物質移動デバイス176は、穿孔を有するトレイ又はランダム又は構造化された充填セクションのようなあらゆる適した分離デバイスを含み、蒸気相及び液相の接触を容易にすることができる。
【0080】
上昇した後に、蒸気ストリームは、ライン14を通って蒸留塔104、204を出ることができる。ライン14は、上側セクション110の上部から発することができる。ライン14は、上側セクション110の外面から延びることができる。ライン14から蒸気ストリームは、凝縮器122(例えば、熱交換器)に入ることができる。凝縮器122は、蒸気ストリームを冷却して冷却ストリームを形成する。凝縮器122は、ストリームを少なくとも部分的に凝縮する。凝縮器122を出た後に、冷却ストリームは、分離器124に入ることができる。分離器124は、蒸気ストリームを液体と蒸気ストリームに分離する。分離器は、ストリームを液体と蒸気ストリームに分離することができる逆流ドラムのようなあらゆる適した分離器とすることができる。分離された状態で、蒸気ストリームは、産出生成物として分離器124を出ることができる。産出生成物は、パイプラインへのその後の販売及び/又はLNGへの凝縮のためにライン16を通って移動することができる。分離された状態で、液体ストリームは、逆流としてライン18を通って上側セクション110に戻ることができる。逆流は、逆流ポンプ150(図1及び図3)又は重力(図2及び図4)のようなあらゆる適した機構を通じて上側セクション110に移動することができる。
【0081】
上側セクション110の底部に落下する液体ストリーム(すなわち、凍結ゾーン液体ストリーム)は、上側セクション110の底部に集まる。液体は、トレイ183上(図1及び図3)に又は上側セクション110の最下部分(図2及び図4)に集まることができる。収集された液体は、ライン20(図1及び図3)又は液体出口底部260(図2及び図4)を通って蒸留塔104、204を出ることができる。ライン20は、上側セクション110から発することができる。ライン20は、上側セクション110の底端から発することができる。ライン20は、上側セクション110の外面から延びることができる。
【0082】
ライン20及び/又は液体出口底部260は、ライン41に接続する。ライン41は、中間制御式凍結ゾーンセクション108内で噴霧アセンブリ129に至る。ライン41は、保持容器126から発する(図1及び図3)。ライン41は、中間制御式凍結ゾーンセクション108の外面まで延びることができる。
【0083】
ライン20及び/又は液体出口底部260は、直接的又は間接的にライン41に接続することができる(図1図4)。ライン20及び/又は液体出口底部260がライン41に直接に接続する時に、液体噴霧は、噴霧ポンプ128又は重力のようなあらゆる適した機構を通じて噴霧ノズル120までポンピングすることができる。ライン20及び/又は液体出口底部260が間接的にライン41に接続する時に、ライン20、41及び/又は液体出口底部260及びライン41は、保持容器126に直接に接続することができる(図1及び図3)。保持容器126は、液体がノズルによって噴霧される前に、液体噴霧の少なくとも一部を収容することができる。液体噴霧は、噴霧ポンプ128(図1図4)又は重力のようなあらゆる適した機構を通じて保持容器126から噴霧ノズル120までポンピングすることができる。保持容器126は、上側セクション110の底部で十分な量の液体ストリームがない時に噴霧ノズル120にフィードするのに必要である場合がある。
【0084】
分離システム101、201、301、401の様々な構成要素は、そのフィードストリームの温度を低減するように作用することが分かる。そのような構成要素は、熱交換器100及び凝縮器122を含む。例えば、熱交換器100は、フィードストリーム10が蒸留塔104、204に入る前にフィードストリーム10の温度を低減することができる。別の例としてライン14からの蒸気ストリームは、蒸気ストリームを冷却して少なくとも部分的にストリームを凝縮する凝縮器122に入ることができる。凝縮器122を出た後に、冷却蒸気ストリームは、分離器124に入ることができる。各そのような温度低下構成要素は、冷却流体ストリームを利用してヒートシンクを提供し、それぞれのフィードストリームの温度を低減することができる。
【0085】
本発明の開示の各部分は、LNGの再ガス化シのためのシステム及び方法に関する。LNG再ガス化システム502の簡易図は図5に示されている。一般的に、再ガス化は、LNGを液体状態からガス状態に変換する。図示のように、再ガス化システム502は、貯蔵タンク510(例えば、陸上、船上、又は鉄道車両上のタンク)、ポンプ520(例えば、高圧ポンプ)、及び気化器530を含む。再ガス化工程は、一般的に、ポンプ520の作用によって液体状態LNGを貯蔵タンク510から気化器530に移送する。例えば、ポンプ520は、ライン51を通じて貯蔵タンク510から液体状態LNGを引き出す。ライン51内の液体状態LNGは、約-270°Fから約-250°Fの範囲の温度、又は特に約-162℃(-260°F)の温度とすることができる。次に、ポンプ520は、ライン52を通じて液体状態LNGを気化器530に向ける。気化器530では、熱のソース(例えば、熱交換器)を使用して液体状態LNGを再ガス化する。気化器530は、約-100℃よりも高い又は場合によっては約-50℃よりも高い温度で加熱することによってLNGをガス状態に変換する。例えば、周囲空気又は海水は、LNGをガス状態に加熱するのに利用することができる。ガス状態LNG(又は単に「天然ガス」)は、約-100℃よりも高い又は場合によっては約-45.5℃(-50°F)の温度とすることができる。天然ガスは、消費又は貯蔵されるようにライン53を通して送出することができる。
【0086】
一部の実施形態は、ガスフィードストリーム(例えば、不快ガス、煙道ガス)から汚染物質を分離するための及びLNGの再ガス化のための統合型システム及び方法を提供する。統合は、コストを低減し、複雑さを軽減し、地理的占有面積を低減し、無駄を低減し、全体的な投資収益率を改善し、拡張容易性を改善し、及び/又は炭化水素処理作動の冗長性及び回復力を提供することができる。制御式凍結ゾーンセクションを使用する極低温蒸留塔を運用するコストは、冷凍システムをLNG再ガス化システムと統合することによって約25%から約75%低減することができると現在考えられている。
【0087】
図6は、例示的統合型分離及び再ガス化システム603を示している。図示のように、システム603は、一般的に、LNG再ガス化システム502の構成要素及び分離システム201の構成要素を含む。以下の説明は、分離システム101、201、301、401のいずれかを含むあらゆる分離システムに同様に適用可能であることを認めなければならない。しかし、簡単にするために、分離システム201のみを詳細に説明する。分離システム201と同様に、統合型システム603は、脱水ユニット261を含むことができる。フィードストリーム10(例えば、不快ガスフィードストリーム)は、フィードストリーム11として熱交換器600に入る前に脱水ユニット261に入ることができる。脱水ユニット261は、フィードストリーム10を露点まで十分に低く脱水し、個別の水相が残りの工程中に下流のいずれの点でも形成しないことを保証する。脱水ユニット261は、分子篩又はグリコール脱水ユニットのようなあらゆる適した脱水機構とすることができる。一部の実施形態では、脱水ユニット261は、例えば、フィードストリーム10が既に十分に低い露点を有する時には省略することができる。
【0088】
分離システム201と同様に、統合型システム603は、熱交換器600を含むことができる。フィードストリーム11は、蒸留塔204に入る前に熱交換器600に入ることができる。フィードストリーム11は、熱交換器600内で蒸留塔204の中への導入に適する温度レベル(例えば、約-62℃から約-35℃(約-80°Fから約-30°F)、又は特に約-51℃(-60°F))まで冷却することができる。熱交換器600を出ると、フィードストリームライン12は、蒸留塔に入る前に蒸留塔204の外面まで延びることができる。熱交換器600のための冷却流体ストリームは、再ガス化システム502によって提供することができる。例えば、液体状態LNG(約-170℃から約-30℃、又は特に約-162℃の温度での)は、ライン64を通して熱交換器600に送出することができる。貯蔵タンク510からのライン64内の液体状態LNGは、フィードストリーム11のための冷却流体ストリームとして作用することができる。別の言い方をすれば、フィードストリーム11は、熱源として作用してライン64内の液体状態LNGを気化することを補助することができる。従って、熱交換器600はまた、気化器631として機能し、及び/又は気化器631と呼ばれる場合がある。液体状態LNGは、気化器631内で部分的にガス状態LNGに変換することができる。一部の実施形態では、ライン65は、液体状態LNG及びガス状態LNGの両方を貯蔵タンク510に戻す。一部の実施形態では、貯蔵タンク510及び/又はその関連構成要素は、ライン65からのいずれのガス状態LNGも燃料として利用することができる。例えば、貯蔵タンク510は、船上に位置付けることができ、ライン65からのガス状態LNGは、船のエンジンのための燃料として利用することができる。別の例として貯蔵タンク510は、関連のポンプ、圧縮器、及び/又は凝縮器を利用することができ、ライン65からのガス状態LNGは、関連のポンプ、圧縮器、及び/又は凝縮器のための燃料として利用することができる。
【0089】
一部の実施形態では、ライン64及び65内の液体状態LNGは、中間冷却媒体(例えば、エタン、プロパン、R-134Aのようなクロロフルオロカーボン冷媒)を冷却することができ、次に、中間冷却媒体は、熱交換器600内で冷却流体として作用することができる。例えば、中間冷却媒体は、ライン64及び65内で液体状態LNGと中間冷却媒体の間に中間熱交換器を有する閉冷媒ループに閉じ込めることができる。一部の実施形態では、ライン64内の液体状態LNGは、熱交換器/気化器600/631に送出される前に送出圧力までポンピングすることができる。
【0090】
分離システム201と同様に、統合型システム603は、蒸気ストリームが蒸留塔204の上側セクション110を出るためのライン14を含むことができる。ライン14は、上側セクション110の上部から発することができる。ライン14は、上側セクション110の外面から延びることができる。ライン14から蒸気ストリームは、熱交換器622に入ることができる。熱交換器622は、蒸気ストリームを冷却して冷却ストリームを形成し、ライン15を通って熱交換器622を出る。熱交換器622は、蒸気ストリームを少なくとも部分的に凝縮する。熱交換器622のための冷却流体ストリームは、再ガス化システム502によって提供することができる。例えば、液体状態LNG(約-170℃から約-30℃、又は特に約-162度の温度での)は、ライン62を通して熱交換器622に送出することができる。ライン62内の液体状態LNGは、ライン14内の蒸気ストリームのための冷却流体ストリームとして作用することができる。別の言い方をすれば、ライン14内の蒸気ストリームは、熱源として作用してライン62内の液体状態LNGを気化させることを補助することができる。従って、熱交換器622はまた、気化器632として機能し、及び/又は気化器632と呼ばれる場合がある。液体状態LNGは、気化器632内で少なくとも部分的にガス状態LNGに変換することができる。一部の実施形態では、ライン63は、液体状態LNG及びガス状態LNGの両方を気化器632からライン15に搬送して熱交換器622からの冷却ストリームと組み合わせる。一部の実施形態(図示せず)では、ライン63は、液体状態LNG及びガス状態LNGの両方を気化器632からライン16内の産出生成物まで搬送して分離器124から分離された蒸気ストリームと組み合わせる。
【0091】
熱交換器622からの冷却ストリーム及び気化器632からの液体状態LNG及びガス状態LNGを含む組合せストリームは、ライン15を通って移動して分離器124に入ることができる。分離器124は、組合せストリームを液体ストリームと蒸気ストリームに分離する。分離器は、組合せストリームを液体ストリームと蒸気ストリームに分離することができる逆流ドラムのようなあらゆる適した分離器とすることができる。分離された状態で、分離された蒸気ストリームは、産出生成物として分離器124を出ることができる。産出生成物は、その後のガス搬送及び/又はLNGへの凝縮のためにライン16を通って(例えば、パイプラインを通って)移動することができる。分離された状態で、分離された液体ストリームは、逆流としてライン18を通って上側セクション110に戻ることができる。逆流は、逆流ポンプ150及び/又は重力のようなあらゆる適した機構を通じて上側セクション110まで移動することができる。分離システム201のそれとは異なり、統合型システム603の逆流は、貯蔵タンク510からのLNGに由来する液体を含むことができる。一部の実施形態では、分離器124及び/又はその関連構成要素は、燃料としてライン15からのあらゆるガス状態LNGを利用することができる。例えば、分離器124は、関連のポンプ、圧縮器、及び/又は凝縮器を利用することができ、ライン15からのガス状態LNGは、関連のポンプ(例えば、逆流ポンプ150)、圧縮器、及び/又は凝縮器のための燃料として利用することができる。
【0092】
一部の実施形態では、ライン16内の産出生成物は、指定範囲の少量のCO2(例えば、約1.5%から約2.5%、又は特に約1.9%から約2.1%)を含有することができる。例えば、熱交換器/気化器622/632及び/又は分離器124は、ライン14内の蒸気ストリーム及びライン63内の液体状態/ガス状態LNGの混合物を生成するように作用して指定範囲の少量のCO2を有するライン16内の産出生成物をもたらすことができる。例えば、蒸留塔204の設定値及び/又は作動パラメータを指定して分離効率を制御し、ライン14内の蒸気ストリーム内のCO2の量に影響を与えることができる。別の例としてライン62内の液体状態LNGの流量を制御してライン14内の蒸気ストリーム内のCO2の量に影響を与えることができる。別の例としてLNGのスリップストリームを貯蔵タンク510から取り除き、気化させ、かつライン16内の産出生成物と混合してCO2内容物を希釈することができる。これらの技術のいずれか又は全ては、ライン16内の産出生成物内の少量のCO2に影響を与えるように様々な実施形態に利用することができる。
【0093】
図7は、別の例示的統合型分離及び再ガス化システム703を示している。統合型システム603と同様に、統合型システム703は、脱水ユニット261を含むことができる。フィードストリーム10(例えば、不快ガスフィードストリーム)は、フィードストリーム11として熱交換器600に入る前に脱水ユニット261に入ることができる。脱水ユニット261は、フィードストリーム10を露点まで十分に低く脱水し、個別の水相が工程の残余中に下流のいずれの点でも形成しないことを保証する。脱水ユニット261は、分子篩又はグリコール脱水ユニットのようなあらゆる適した脱水機構とすることができる。一部の実施形態では、脱水ユニット261は、例えばフィードストリーム10が既に十分に低い露点を有する時に省略することができる。
【0094】
統合型システム603と同様に、統合型システム703は、熱交換器600を含むことができる。フィードストリーム11は、蒸留塔204に入る前に熱交換器600に入ることができる。フィードストリーム11は、熱交換器600内で蒸留塔204の中への導入に適する温度レベル(例えば、約-62℃から約-35℃(約-80°Fから約-30°F)、又は特に約-51℃(-60°F))まで冷却することができる。熱交換器600を出ると、フィードストリームライン12は、蒸留塔に入る前に蒸留塔204の外面まで延びることができる。熱交換器600のための冷却流体ストリームは、液体状態LNGによって提供することができる。例えば、液体状態LNG(約-170℃から約-30℃、又は特に約-162℃の温度での)は、ライン72を通して貯蔵タンク510から熱交換器600に送出することができる。ライン72内の液体状態LNGは、フィードストリーム11のための冷却流体ストリームとして作用することができる。別の言い方をすれば、フィードストリーム11は、熱源として作用してライン72内の液体状態LNGを気化させることを補助することができる。従って、熱交換器600はまた、気化器631として機能し、及び/又は気化器631と呼ばれる場合がある。ポンプ520は、ライン71を通して貯蔵タンク510から液体状態LNGを引き出すことができる。次に、ポンプ520は、ライン72を通して液体状態LNGを気化器631に向けることができる。液体状態LNGは、気化器631内で少なくとも部分的にガス状態LNGに変換することができる。一部の実施形態では、ライン73は、液体状態LNG及びガス状態LNGの両方を蒸留塔204の上側セクション110に搬送する。ライン73からのLNGは、上側セクション110及びその内部のあらゆる流体を冷却することを補助することができる。例えば、ライン73からのLNGは、中間制御式凍結ゾーンセクション108内で上昇し、固体を形成せず、又は他に中間制御式凍結ゾーンセクション108の底部に落下する蒸気ストリームを冷却することができる。更に、ライン73からのLNGは、上側セクション110を冷却して汚染物質からメタンを分離することができる。分離システム201及び/又は統合型システム603と比較して、統合型システム703は、ライン73からのLNGのみを利用して上側セクション110を冷却することができ、それによって凝縮器122、熱交換器622、分離器124、逆流ポンプ150、及び/又はそれに関連付けられたあらゆるラインを排除する。一部の実施形態では、蒸留塔204及び/又はその関連構成要素は、あらゆるガス状態LNGを燃料として利用することができる。例えば、蒸留塔204は、関連のポンプ、圧縮器、及び/又は凝縮器を利用することができ、ライン73からのガス状態LNGは、関連のポンプ、圧縮器、及び/又は凝縮器のための燃料として利用することができる。
【0095】
図8は、別の例示的統合型分離及び再ガス化システム804を示している。統合型システム603及び703と同様に、統合型システム804は、ガスフィードストリーム内の汚染物質を分離してLNGを再ガス化するその両方を行うことができる。統合型システム804に対する入力ガスフィードストリーム80は、約2%から約70%のCO2濃度を有することができる。例えば、入力ガスフィードストリーム80は、煙道ガス(例えば、発電所の産出物)とすることができる。別の例として入力ガスフィードストリーム80は、統合型システム603及び703に対する入力フィードストリームに適用することができるものよりも幾分低いCO2濃度を有する随伴ガスとすることができる。フィルタシステム840(例えば、膜フィルタ又は溶媒フィルタを含む)は、フィードストリーム80を天然ガスストリーム81とCO2濃縮ストリーム82に分離することができる。
【0096】
天然ガスストリーム81は、水蒸気成分及び炭化水素成分(例えば、エタン、メタン)を含むことができる。脱水ユニット261は、天然ガスストリーム81を露点まで十分に低く脱水し、個別の水相が下流のいずれの点でも形成しないことを保証することができる。脱水ユニット261は、分子篩又はグリコール脱水ユニットのようなあらゆる適した脱水機構とすることができる。一部の実施形態では、脱水ユニット261は、例えば、天然ガスストリーム81が既に十分に低い露点を有する時に省略することができる。脱水ストリーム83は、産出生成物として脱水ユニット261を出ることができる。産出生成物は、パイプラインへのその後の販売及び/又はLNGへの凝縮のためにライン16を通して移動することができる。
【0097】
液体状態でのCO2のポンピングは、ガス状態でのCO2のポンピングよりも約50%から約80%小さい注入馬力を伴う場合があると現在考えられている。従って、貯蔵及び/又は搬送のために、CO2濃縮ストリーム82は、圧縮器850で圧縮されて圧縮フィードストリーム84を形成することができ、次に、フィードストリーム84は、熱交換器823で冷却されて冷却ストリーム85を形成することができる。冷却ストリーム85は、液体状態CO2を含むことができる。熱交換器823は、凝縮器とすることができる。熱交換器823は、約-57℃(-70°F)の温度及び約80psiaよりも高い圧力で冷却ストリーム85を産出することができる。次に、液体CO2ポンプ870は、ライン86を通して冷却ストリーム85を貯蔵器及び/又は搬送施設880(例えば、注入井)までポンピングすることができる。
【0098】
熱交換器823のための冷却流体ストリームは、液体状態LNGによって提供することができる。例えば、液体状態LNG(約-170℃から約-30℃、又は特に約-162℃の温度での)は、ライン72を通して貯蔵タンク510から熱交換器823に送出することができる。ライン72内の液体状態LNGは、フィードストリーム84のための冷却流体ストリームとして作用することができる。別の言い方をすれば、フィードストリーム84は、熱源として作用してライン72内の液体状態LNGを気化させることを補助することができる。従って、熱交換器823はまた、気化器833として機能し、及び/又は気化器833と呼ばれる場合がある。ポンプ520は、ライン71を通して貯蔵タンク510から液体状態LNGを引き出すことができる。次に、ポンプ520は、ライン72を通して液体状態LNGを気化器833に向けることができる。液体状態LNGは、気化器833内で少なくとも部分的にガス状態LNGに変換することができる。一部の実施形態では、ライン87は、液体状態LNG及びガス状態LNGの両方を気化器833からライン16に搬送して脱水ストリーム83と組み合わせる。脱水ユニット261からの脱水ストリーム、並びに気化器833からの液体状態LNG及びガス状態LNGを含む組合せストリームは、産出生成物としてライン16を通して移動することができる。産出生成物は、その後のガス搬送及び/又はLNGへの凝縮のためにライン16を通して(例えば、パイプラインを通して)移動することができる。
【0099】
一部の実施形態では、統合型分離及び再ガス化システムは、LNG再ガス化ターミナルに併設された蒸留塔を含むことができる。例えば、LNGの気化からの冷熱エネルギは、不快ガスフィードから汚染物質(例えば、CO2、H2S)を分離するための蒸留工程内で冷凍を置換して利用することができる。一部の実施形態では、LNGを気化するための熱交換器は、制御式凍結ゾーンシステムの冷却構成要素として共有することができる。一部の実施形態では、分離システムのための全ての独立した冷凍及び熱交換器は排除することができ、共有熱交換器によって置換される。一部の実施形態では、統合型システムは、陸上に位置付けることができる。例えば、統合型システムは、生産場所の約300kmから約500km内に位置付けることができる。別の例として統合型システムは、不快ガスを廃棄物として放出する燃焼プラントの約300kmから約500km内に位置付けることができる。一部の実施形態では、統合型システムは、沖合浮遊容器上に配備することができる。一部の実施形態では、統合型システムは、異なるCO2含有生産現場の間を移動するように構成することができる。
【0100】
開示した態様は、炭化水素管理活動に使用することができる。本明細書に使用する場合に、「炭化水素管理」又は「炭化水素を管理する」は、炭化水素抽出、炭化水素生成、炭化水素探査、潜在的な炭化水素リソースを識別すること、井戸の場所を識別すること、井戸注入及び/又は抽出率を決定すること、リザーバ接続性を識別すること、炭化水素リソースを取得、処分、及び/又は放棄すること、以前の炭化水素管理決定及びあらゆる他の炭化水素関連の行為又は活動を精査することを含む。用語「炭化水素管理」はまた、炭化水素又はCO2の注入又は貯蔵、例えば、リザーバ評価、開発計画、及びリザーバ管理のようなCO2の隔離に使用される。開示する方法及び技術は、例えば、地下領域から抽出されたフィードストリーム内で炭化水素を生成するのに使用することができる。抽出されたフィードストリームは、蒸留塔104、204内で処理されて炭化水素と汚染物質に分離することができる。分離された炭化水素は、蒸留塔の中間制御式凍結ゾーンセクション108又は上側セクション110を出ることができる。出る炭化水素の一部又は全ては生成される。炭化水素抽出は、例えば、地下領域からフィードストリームを除去するように行うことができ、これは、油井掘削機器を使用して井戸を掘削することによって達成することができる。井戸を掘削する及び/又は炭化水素を抽出するのに使用する機器及び技術は、当業者に公知である。他の炭化水素抽出活動及びより一般的に他の炭化水素管理活動は、公知の原理によって実行することができる。
【0101】
上述の開示に対する多数の変更、修正、及び代替は、本発明の開示の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解しなければならない。従って、以上の説明は、本発明の開示の範囲を限定するように意図していない。むしろ、本発明の開示の範囲は、特許請求の範囲及びこれらの均等物によってのみ決定しなければならない。実施例内の構造及び特徴は、互いに変更、再配置、置換、削除、複製、結合、又は追加することができるようにも考えられている。
【0102】
これに加えて又はこれに代えて、本発明は以下に関連する。
【0103】
実施形態1:入力フィードストリームから汚染物質を分離するための構成要素と、第1のラインに結合された熱交換器であって、第1のラインが、汚染物質を分離するための構成要素に結合され、熱交換器が、第1のラインの第1のフィードストリームを冷却するように構成された上記熱交換器と、気化器を備える液化天然ガス(「LNG」)再ガス化システムであって、気化器が、LNG再ガス化システムのLNGストリームを加熱するように構成され、熱交換器が、気化器として機能する上記液化天然ガス(「LNG」)再ガス化システムとを備える統合型システム。
【0104】
実施形態2:汚染物質を分離するための構成要素が極低温蒸留塔を備える実施形態1の統合型システム。
【0105】
実施形態3:極低温蒸留塔が、蒸気がそこから上向きに上昇することを許す蒸留セクションと、入力フィードストリームを極低温蒸留塔の中に向けるための1又は2以上のラインと、蒸留セクションの上方に位置する制御式凍結ゾーンセクションであって、制御式凍結ゾーンが、入力フィードストリームから固体を形成するように構成され、かつそのように配置され、制御式凍結ゾーンセクションが、制御式凍結ゾーンの上側セクションに噴霧アセンブリを含む上記制御式凍結ゾーンセクションと、制御式凍結ゾーンの下側セクション内の溶融トレイアセンブリであって、溶融トレイアセンブリによって保持された液体の中に蒸留セクションからの蒸気を向ける少なくとも1つの蒸気ストリーム上昇器、及び溶融トレイアセンブリによって保持された液体の一部分が制御式凍結ゾーンセクションを出ることを許すように位置決めされた1又は2以上の水はけ開口部を含む上記溶融トレイアセンブリと、加熱流体との間接熱交換を通して液体のセクションを加熱するように配置された塔熱交換器と、液体の一部が塔熱交換器で加熱された後に液体の一部を溶融トレイアセンブリに戻す1又は2以上の戻り入口とを備える実施形態2の統合型システム。
【0106】
実施形態4:汚染物質が二酸化炭素を備える実施形態1-3のうちのいずれかの統合型システム。
【0107】
実施形態5:第1のラインが、第1のフィードストリームを熱交換器から極低温蒸留塔に向ける実施形態2-4のいずれかの統合型システム。
【0108】
実施形態6:第1のラインが、第1のフィードストリームを極低温蒸留塔から熱交換器に向ける実施形態2-4のうちのいずれかの統合型システム。
【0109】
実施形態7:第2のラインに結合された第2の熱交換器を更に備え、第2のラインが、極低温蒸留塔に結合され、第2の熱交換器が、第2のラインの第2のフィードストリームを冷却し、LNG再ガス化システムが、第2の気化器を更に備え、第2の気化器が、LNG再ガス化システムの第2のLNGストリームを加熱し、第2の熱交換器が、第2の気化器として機能し、第1のラインが、第1のフィードストリームを熱交換器から極低温蒸留塔に向け、第2のラインが、第2のフィードストリームを極低温蒸留塔から第2の熱交換器に向ける実施形態2-6のうちのいずれかの統合型システム。
【0110】
実施形態8:LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、LNGストリームを貯蔵タンクから気化器に向ける第1のLNGラインと、第2のLNGストリームを貯蔵タンクから第2の気化器に向ける第2のLNGラインとを更に備える実施形態7の統合型システム。
【0111】
実施形態9:LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、LNGストリームを貯蔵タンクから気化器に向けるLNGラインとを更に備える実施形態2-6のうちのいずれかの統合型システム。
【0112】
実施形態10:貯蔵タンクと気化器の間にポンプを更に備える実施形態9の統合型システム。
【0113】
実施形態11:産出物を気化器から貯蔵タンクに向ける第2のLNGラインを更に備える実施形態9又は10の統合型システム。
【0114】
実施形態12:分離器であって、気化器からの産出物が分離器に向けられ、熱交換器からの産出物が分離器に向けられる上記分離器と、逆流ポンプであって、分離器からの非ガス状産出物が逆流ポンプに向けられ、逆流ポンプからの産出物が極低温蒸留塔に向けられる上記逆流ポンプとを更に備える実施形態2の統合型システム。
【0115】
実施形態13:分離器のガス状産出物が産出生成物として産出ラインに向けられる実施形態12の統合型システム。
【0116】
実施形態14:第1のラインが、第1のフィードストリームを熱交換器から極低温蒸留塔に向け、気化器からの産出物が、極低温蒸留塔に向けられ、極低温蒸留塔のガス状産出物が、産出生成物として産出ラインに向けられる実施形態2-4のうちのいずれかの統合型システム。
【0117】
実施形態15:汚染物質を分離するための構成要素が、フィルタシステムを備え、汚染物質が、二酸化炭素を備え、第1のラインが、第1の二酸化炭素ラインを備え、第1のフィードストリームが、第1の二酸化炭素ストリームを備える実施形態1の統合型システム。
【0118】
実施形態16:第1の二酸化炭素ラインが、第1の二酸化炭素ストリームをフィルタシステムから熱交換器に向ける実施形態15の統合型システム。
【0119】
実施形態17:フィルタシステムと熱交換器の間の第1の二酸化炭素ラインに結合された圧縮器を更に備える実施形態15の統合型システム。
【0120】
実施形態18:液体二酸化炭素ポンプと、熱交換器及び液体二酸化炭素ポンプに結合する第2の二酸化炭素ラインとを更に備える実施形態15-17のうちのいずれかの統合型システム。
【0121】
実施形態19:LNG再ガス化システムの貯蔵タンクと、LNGストリームを貯蔵タンクから気化器に向けるLNGラインとを更に備える実施形態15-18のうちのいずれかの統合型システム。
【0122】
実施形態20:貯蔵タンクと気化器の間にLNGポンプを更に備える実施形態19の統合型システム。
【0123】
実施形態21:フィルタシステムのガス状産出物が、産出生成物として産出ラインに向けられる実施形態15-20のうちのいずれかの統合型システム。
【0124】
実施形態22:フィルタシステムと産出ラインの間に脱水ユニットを更に備える実施形態21の統合型システム。
【0125】
実施形態23:気化器のガス状産出物が、産出生成物として産出ラインに向けられる実施形態21又は22の統合型システム。
【0126】
実施形態24:汚染物質を分離するための構成要素を用いて入力フィードストリームから汚染物質を分離する段階と、汚染物質を分離するための構成要素に結合された熱交換器を用いて第1のフィードストリームを冷却する段階と、熱交換器が気化器として機能するLNG再ガス化システムの気化器を用いてLNGストリームを加熱する段階とを備える方法。
【0127】
実施形態25:汚染物質を分離する段階が、汚染物質を極低温で分離する段階を備え、汚染物質を分離するための構成要素が、蒸留塔を備える実施形態24の方法。
【0128】
実施形態26:汚染物質を極低温で分離する段階が、入力フィードストリームを蒸留塔の中に向ける段階と、蒸気が蒸留塔の蒸留セクションから上向きに上昇することを許す段階と、蒸留塔の制御式凍結ゾーンセクションに固体を形成する段階であって、制御式凍結ゾーンセクションが蒸留セクションの上方に位置し、固体が入力フィードストリーム内に汚染物質を備える上記形成する段階と、少なくとも1つの蒸気ストリーム上昇器を使用して蒸留セクションからの蒸気を溶融トレイアセンブリによって保持された液体の中に向ける段階と、溶融トレイアセンブリによって保持された液体を使用して固体を溶融する段階と、溶融トレイアセンブリによって保持された液体の一部分が制御式凍結ゾーンセクションを出ることを許す段階と、塔熱交換器内で加熱流体との間接熱交換を通して液体のその部分を加熱する段階と、液体が塔熱交換器内で加熱された後に液体のその部分を溶融トレイアセンブリに戻す段階とを備える実施形態25の方法。
【0129】
実施形態27:汚染物質が二酸化炭素を備える実施形態24-26のうちのいずれかの方法。
【0130】
実施形態28:第1のフィードストリームを冷却する段階が、汚染物質を極低温で分離する段階に先行する実施形態25-27のうちのいずれかの方法。
【0131】
実施形態29:汚染物質を極低温で分離する段階が、第1のフィードストリームを冷却する段階に先行する実施形態25-27のうちのいずれかの方法。
【0132】
実施形態30:第2の熱交換器を用いて第2のフィードストリームを冷却する段階と、LNG再ガス化システムの第2の気化器を用いて第2のLNGストリームを加熱する段階とを更に備え、第2の熱交換器が、蒸留塔に結合され、第1のフィードストリームを冷却する段階が、汚染物質を極低温で分離する段階に先行し、汚染物質を極低温で分離する段階が、第2のフィードストリームを冷却する段階に先行し、第2の熱交換器が、第2の気化器として機能する実施形態25-29のうちのいずれかの方法。
【0133】
実施形態31:LNGストリームをLNG再ガス化システムの貯蔵タンクから気化器に向ける段階と、第2のLNGストリームを貯蔵タンクから第2の気化器に向ける段階とを更に備える実施形態30の方法。
【0134】
実施形態32:LNGストリームをLNG再ガス化システムの貯蔵タンクから気化器に向ける段階を更に備える実施形態25-29のうちのいずれかの方法。
【0135】
実施形態33:LNGストリームを貯蔵タンクから気化器に向ける段階が、貯蔵タンクと気化器の間に結合されたポンプを用いてLNGストリームをポンピングする段階を備える実施形態32の方法。
【0136】
実施形態34:気化器からの産出物を貯蔵タンクに向ける段階を更に備える実施形態32又は33の方法。
【0137】
実施形態35:気化器からの産出物及び熱交換器からの産出物を産出生成物ストリームと逆流ストリームに分離する段階と、逆流ストリームを極低温蒸留塔に向ける段階とを更に備える実施形態25の方法。
【0138】
実施形態36:逆流ストリームを極低温蒸留塔に向ける段階が、逆流ポンプを用いて逆流ストリームをポンピングする段階を備える実施形態35の方法。
【0139】
実施形態37:逆流ストリームが、非ガス状ストリームを備える実施形態35又は36の方法。
【0140】
実施形態38:産出生成物ストリームが、1.5%から2.5%の範囲の少量のCO2を備える実施形態35-37のうちのいずれかの方法。
【0141】
実施形態39:第1のフィードストリームを冷却する段階が、汚染物質を極低温で分離する段階に先行し、方法が、産出物を気化器から極低温蒸留塔に向ける段階と、極低温蒸留塔のガス状産出物を備える産出生成物ストリームを発生させる段階とを更に備える実施形態25-27のうちのいずれかの方法。
【0142】
実施形態40:産出生成物ストリームが、1.5%から2.5%の範囲の少量のCO2を備える実施形態39の方法。
【0143】
実施形態41:汚染物質が二酸化炭素を備え、汚染物質を分離するための構成要素が、フィルタシステムを備え、第1のフィードストリームが、第1の二酸化炭素ストリームを備える実施形態24の方法。
【0144】
実施形態42:第1の二酸化炭素ストリームを圧縮する段階を更に備える実施形態41の方法。
【0145】
実施形態43:第1の二酸化炭素ストリームを冷却する段階が、液体二酸化炭素ストリームを発生し、方法が、液体二酸化炭素ポンプを用いて液体二酸化炭素ストリームをポンピングする段階を更に備える実施形態41又は42の方法。
【0146】
実施形態44:LNGストリームをLNG再ガス化システムの貯蔵タンクから気化器に向ける段階を更に備える実施形態41-43のうちのいずれかの方法。
【0147】
実施形態45:LNGストリームを貯蔵タンクから気化器に向ける段階が、貯蔵タンクと気化器の間に結合されたLNGポンプを用いてLNGストリームをポンピングする段階を備える実施形態44の方法。
【0148】
実施形態46:フィルタシステムのガス状産出物を備える産出生成物を発生させる段階を更に備える実施形態41から45のうちのいずれかの方法。
【0149】
実施形態47:産出生成物を発生させる段階が、フィルタシステムのガス状産出物を脱水する段階を備える実施形態46の方法。
【0150】
実施形態48:産出生成物が、気化器のガス状産出物を更に備える実施形態46又は47の方法。
【0151】
実施形態49:産出生成物が、1.5%から2.5%の範囲の少量のCO2を備える実施形態46-48のうちのいずれかの方法。
図1
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図8