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特許7496446情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240530BHJP
【FI】
G06Q40/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023031040
(22)【出願日】2023-03-01
【審査請求日】2023-03-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和4年4月14日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001677.jsp https://www.ms-ins.com/news/fy2022/pdf/0414_1.pdf 掲載年月日:令和4年10月13日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001718.pdf 掲載年月日:令和4年10月13日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001717.pdf https://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/202210-13-news.pdf https://data.swcms.net/file/lifenet-seimei/ja/news/index/auto_20221013543862/pdfFile.pdf 掲載年月日:令和4年10月13日 掲載アドレス:https://www.smbc-card.com/company/news/news0001719.jsp https://www.sumitomolife.co.jp/about/newsrelease/pdf/2022/221013.pdf https://news.medicarelife.com/release/down2.php?attach_id=809&seq=12015&category=190&page=2
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(73)【特許権者】
【識別番号】399106192
【氏名又は名称】三井住友海上火災保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 雅人
(72)【発明者】
【氏名】福田 純
(72)【発明者】
【氏名】矢田 龍稔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悟志
(72)【発明者】
【氏名】安田 桂輔
(72)【発明者】
【氏名】中西 憂貴
(72)【発明者】
【氏名】神谷 航介
(72)【発明者】
【氏名】石垣 瑛玲
(72)【発明者】
【氏名】安藤 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】村田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 竜友
(72)【発明者】
【氏名】関口 英樹
(72)【発明者】
【氏名】大羽 恒彰
(72)【発明者】
【氏名】明平 圭司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 国穂
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-140277(JP,A)
【文献】特開2018-077729(JP,A)
【文献】特開2003-271881(JP,A)
【文献】特開2001-344534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード会員にペイメントカードの付帯保険を繰り返し選択可能にさせる情報処理装置であって、
外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備え、
前記制御部は、
前記付帯保険の選択及び/または更新についてのリクエストを前記通信部を介してユーザ端末に送信するステップと、
前記リクエストに応じてユーザ端末に表示された第1のユーザインターフェースに、前記ペイメントカードの券種ごとに、既契約の付帯保険及び/または新規申込可能な付帯保険を前記通信部を介して表示するステップであって、前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険の少なくとも一部には申込必要ポイントが関連付けられている、ステップと、
前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険のうち前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険を含む申込情報を受信するステップと、
前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険に関連付けられている申込必要ポイントの合計値とそれぞれのペイメントカードに関連付けられている付与ポイントの値を比較するステップと、
前記申込必要ポイントの合計値が前記付与ポイントの値以下である場合、
前記既契約の付帯保険に関連付けられている第1のAPIを使用して前記通信部を介して第1の保険会社システムと通信を行い、前記既契約の付帯保険の更新手続を実行するステップと、及び/または
前記新規申込可能な付帯保険に関連付けられている第2のAPIを使用して前記通信部を介して第2の保険会社システムと通信を行い、前記新規申込可能な付帯保険の申込手続を実行するステップと
を実行するように構成されている情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記既契約の付帯保険のうち前記カード会員によって選択されなかった付帯保険に関連付けられている第3のAPIを使用して前記通信部を介して第3の保険会社システムと通信を行い、前記既契約の付帯保険の解約手続を実行するステップをさらに実行するように構成されている、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険の情報を前記記憶部に記憶し、及び/または前記カード会員によって選択されなかった付帯保険の情報を前記記憶部から削除し、あるいは解約済として前記記憶部に記憶するステップをさらに実行するように構成された、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
1つ以上の任意保険を前記第1のユーザインターフェースに表示するために前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信するステップと、
前記任意保険に対する申込情報を前記ユーザ端末から受信するステップと、
前記申込情報に含まれる前記任意保険に関連付けられる第4のAPIを使用して前記通信部を介して第4の保険会社システムと通信を行い、前記任意保険の申込手続を実行するステップと
をさらに実行するように構成された、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ペイメントカードの決済履歴情報から取得した加盟店情報に関連付けられる業種情報に関連付けられる第1の保険商品を特定するステップと、
前記カード会員の属性情報に少なくとも部分的に基づいて前記カード会員に必要な第2の保険商品を推定するステップと、
前記第1の保険商品及び/または前記第2の保険商品を含むレコメンド情報を生成し、前記第1のユーザインターフェースに表示するために前記通信部を介して前記ユーザ端末に前記レコメンド情報を送信するステップと
をさらに実行するように構成された、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ユーザ端末に表示された第2のユーザインターフェース上に、前記ペイメントカードの券種ごとに、既契約保険を前記通信部を介して表示するステップと、
前記既契約保険に対する保険金請求申請を受信するステップと、
保険金請求申請の対象となる前記既契約保険に関連付けられる第5のAPIを使用して前記通信部を介して第5の保険会社システムと通信を行い、保険金請求申請の対象となる前記既契約保険の保険金請求手続を実行するステップと
をさらに実行するように構成された、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記ユーザ端末に表示された第3のユーザインターフェース上に、前記ペイメントカードの券種ごとに、既契約保険を前記通信部を介して表示するステップと、
前記既契約保険に対する付保証明書発行指示を受信するステップと、
前記既契約保険に対する付保証明書を生成し、前記ユーザ端末に提供するステップと
をさらに実行するように構成された、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
カード会員にペイメントカードの付帯保険を繰り返し選択可能にさせる情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備え、
前記情報処理方法は、
前記制御部が、前記付帯保険の選択及び/または更新についてのリクエストを前記通信部を介してユーザ端末に送信するステップと、
前記制御部が、前記リクエストに応じてユーザ端末に表示された第1のユーザインターフェース上に、前記ペイメントカードの券種ごとに、既契約の付帯保険及び/または新規申込可能な付帯保険を前記通信部を介して表示するステップであって、前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険の少なくとも一部には申込必要ポイントが関連付けられている、ステップと、
前記制御部が、前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険のうち前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険を含む申込情報を受信するステップと、
前記制御部が、前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険に関連付けられている申込必要ポイントの合計値とそれぞれのペイメントカードに関連付けられている付与ポイントの値を比較するステップと、
前記申込必要ポイントの合計値が前記付与ポイントの値以下である場合、
前記制御部が、前記既契約の付帯保険に関連付けられている第1のAPIを使用して前記通信部を介して第1の保険会社システムと通信を行い、前記既契約の付帯保険の更新手続を実行するステップと、及び/または
前記制御部が、前記新規申込可能な付帯保険に関連付けられている第2のAPIを使用して前記通信部を介して第2の保険会社システムと通信を行い、前記新規申込可能な付帯保険の申込手続を実行するステップと
を備える情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード会員がカード付帯保険を自由に選択でき、さらにカード付帯保険以外の任意保険についても一箇所で手続き可能なポータルシステムを提供する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードやデビットカードなどのペイメントカードには、付帯保険と呼ばれる保障が付いている(特許文献1)。付帯保険は、カードに付随する保険であって、カードを持つことにより無料で利用できる保険のことである。例えば、カードで購入した商品の破損や盗難などを補償する買物保険や国内外の旅行時のトラブルに備える旅行傷害保険が代表的な付帯保険として知られている。
【0003】
カード会員が付帯保険以外の任意保険に加入しようと考えた場合、各保険会社の商品を比較し、選択した保険商品を扱う保険会社の営業担当者、代理店、あるいはWebサイトなどにアクセスして申込を行い、既契約保険の更新手続を行い、また、事故発生時などに保険金請求を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-140277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ペイメントカードの付帯保険は、カードを持つことにより自動的に利用可能になる保険であり、従来から、ゴールドカード、一般カードなどの券種ごとに全てのカード会員に対して一律に同じ保険が付与されていた。このため、あるカード会員にとっては自らのニーズに合わない保険が付与されていたため、カードに対するユーザ満足度の低下につながっており、カード会員にとって必要な保険は別途申込をしていた。
【0006】
近年、個人や家族のライフスタイルは多様化し、保険に対するニーズも多様化してきている。このような社会状況において、カード付帯保険に対するニーズも多様化してきており、個人ごとの事情やライフステージのイベント等に合わせて付帯保険をその都度自由に選択したいというニーズが高まってきている。
【0007】
また、個人が付帯保険以外の任意保険に加入しようとする場合、それぞれの保険を扱う会社の営業担当者、代理店、あるいはWebサイトなどを通じて手続きを行う必要があるが、一箇所で各種保険を比較し、各種手続きを行える仕組みに対するニーズが次第に増してきている。カード会員は、保険料をカード決済で支払うことが多いからカード会員のためのWebサイトあるいはアプリケーションを通じて各種保険手続きを行いたいというニーズを持っていた。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、カード会員がカード付帯保険を自由に選択でき、さらにカード付帯保険以外の任意保険についても一箇所で手続き可能なポータルシステムを提供する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である情報処理装置は、カード会員にペイメントカードの付帯保険を繰り返し選択可能にさせる情報処理装置であって、
外部ネットワークと通信するための通信部、記憶部、及び制御部を備え、
前記制御部は、
前記付帯保険の選択及び/または更新についてのリクエストを前記通信部を介してユーザ端末に送信するステップと、
前記リクエストに応じてユーザ端末に表示された第1のユーザインターフェース上に、前記ペイメントカードの券種ごとに、既契約の付帯保険及び/または新規申込可能な付帯保険を前記通信部を介して表示するステップであって、前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険の少なくとも一部には申込必要ポイントが関連付けられている、ステップと、
前記既契約の付帯保険及び/または前記新規申込可能な付帯保険のうち前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険を含む申込情報を受信するステップと、
前記カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険に関連付けられている申込必要ポイントの合計値とそれぞれのペイメントカードに関連付けられている付与ポイントの値を比較するステップと、
前記申込必要ポイントの合計値が前記付与ポイントの値以下である場合、
前記既契約の付帯保険に関連付けられている第1のAPIを使用して前記通信部を介して第1の保険会社システムと通信を行い、前記既契約の付帯保険の更新手続を実行するステップと、及び/または
前記新規申込可能な付帯保険に関連付けられている第2のAPIを使用して前記通信部を介して第2の保険会社システムと通信を行い、前記新規申込可能な付帯保険の申込手続を実行するステップと
を実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カード会員は、ポータルサイトを介して、ペイメントカードの付帯保険を自らのニーズやライフステージに応じてその都度自由に選択し直すことができるようになり、さらに付帯保険以外の任意保険についても申込、契約更新、保険金請求などの各種手続きを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置10、ユーザ端末11及び保険会社システム12を含むシステム全体の構成図である。
図2】情報処理装置10のシステム構成図である。
図3】会員マスタ106のデータ構造の一例を示す図である。
図4】契約済保険情報107のデータ構造の一例を示す図である。
図5】保険商品108のデータ構造の一例を示す図である。
図6】決済履歴109のデータ構造の一例を示す図である。
図7】カード会員に付帯保険を選択させる、あるいは再選択させるリクエストを送信し、カード会員が選択した付帯保険をカード会員のカードに関連付けて登録する処理を説明するフロー図である。
図8】例示的な保険申込画面800において、付帯保険を選択する例を説明する図である。
図9】カード会員に対してレコメンド情報を送信し、任意保険の申込情報(または解約申込)を受信して申込処理(または解約処理)を実行する処理を説明する処理フロー図である。
図10】例示的な保険申込画面800において、任意保険を申し込む例を説明する図である。
図11】カード会員が契約済保険の中から選択した保険について保険金を請求する処理を説明する処理フロー図である。
図12】保険金請求画面1200の一例を説明する図である。
図13】選択された保険の付保証明書を発行する処理を説明するフロー図である。
図14】付保証明書発行画面1400の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(全体構成)
本明細書では、ペイメントカードの付帯保険をカード会員が自由に選択できること、及び付帯保険及び任意保険の選択、申込、更新、及び保険金請求などの各種手続きを実行可能なポータルシステムを提供する情報処理装置についての実施形態を説明する。「ペイメントカード」は、貨幣と同じように決済手段として使用され、その形状は、カード型に限定されず、物理的形状のないものもある。ペイメントカードの種類としては、前払式支払い手段、即時支払手段、及び後払式支払手段がある。「任意保険」は、カード付帯保険以外の有料の保険商品を指し示し、各保険会社によって販売され得る保険商品である。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10、ユーザ端末11及び保険会社システム12を含むシステム全体の構成図である。情報処理装置10及びユーザ端末11は、任意のネットワーク13を介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置10及び保険会社システム12は、任意のネットワーク14を介して相互に通信可能に接続されている。図1では、ユーザ端末11及び保険会社システム12は1つずつしか示されていないが、これらは複数存在し得る。ネットワーク13及びネットワーク14には、インターネット、イントラネット、専用線、任意のネットワークシステムなどが含まれるが、特定のネットワークに限定されることはない。
【0014】
情報処理装置10は、カード会員向けのポータルサイトをユーザ端末11に提供する。ポータルサイトは、ブラウザによりアクセス可能なWebサイト、またはスマートフォンやタブレット型端末などからアクセス可能なアプリケーションを通じて提供されてよい。情報処理装置10は、ポータルサイトを通じて、カード会員による付帯保険の選択申込手続、更新手続、保険金請求手続、解約手続などを実行することができ、任意保険の申込手続、更新手続、保険金請求手続、解約手続などを実行することができ、及び所定の保険に対する付保証明書の発行手続を実行することができる。
【0015】
情報処理装置10は、ユーザ端末11から、任意保険の申込手続、更新手続、または保険金請求手続、解約手続などを依頼されたことに応じて、保険会社システム12によって提供されるAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)を使用して、任意保険の申込手続、更新手続、保険金請求手続、解約手続などを実行できる。本発明の他の実施形態では、APIを提供できない保険会社については、情報処理装置10は、任意保険の申込手続、更新手続、保険金請求手続、解約手続などをユーザ端末11から依頼されたときに、保険の申込手続、更新手続、保険金請求手続、解約手続などに必要な情報をユーザ端末11から受信して対応する保険会社システム12に送信できる。かかる場合、情報処理装置10は、その手続完了後、保険会社システム12から当該カード会員に関連付けられる保険商品の情報を取得し、情報処理装置10内に記憶することができる。
【0016】
情報処理装置10は、カード会員の保険に関連付けられる情報、例えば、保険の更新期限の到来、手続上の留意点などをお知らせ情報としてユーザ端末11に提供することができる。情報処理装置10は、カード会員に関連付けられる属性情報及び/またはカード決済履歴から、カード会員のニーズやライフステージに適した保険商品を推定してレコメンド情報としてユーザ端末11に提供することができる。
【0017】
情報処理装置10は、他の(例えば、本件特許出願人と同じグループに属する会社の)サーバ、システムと通信可能に接続可能であり、カード会員は、複数のシステムに共通でログイン可能なIDを使用して情報処理装置10及びそれらのサーバ、システムの両方にログインして様々なサービスを享受することができる。
【0018】
ユーザ端末11は、有線または無線環境において動作可能な任意のタイプのデバイス(例えば、PC、スマートフォン、タブレット型端末など)であり、情報処理装置10によって提供されるポータルサイトにアクセス可能な端末である。ユーザ端末11は、カード会員によって使用され得る。ユーザ端末11は、ネットワーク13を介して情報処理装置10にアクセスし、本明細書で説明するような操作を行うことができる。
【0019】
保険会社システム12は、保険商品の契約内容参照のためのAPI、及び保険商品の申込手続、更新手続、保険金請求手続、付保証明書発行手続などの各種手続のためのAPIを情報処理装置10に提供することができる。本発明の他の実施形態では、保険会社システム12は、保険の各種手続きのための情報を情報処理装置10から受信して対応する手続を行って処理結果を情報処理装置に送信することができ、及び契約済保険商品の情報を情報処理装置10に送信することができる。
【0020】
(システム構成)
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成図である。図2に示すように、情報処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104、及び出力部105を備える。情報処理装置10は、ファイル/データベースなどの形式で、会員マスタ106、契約済保険情報107、保険商品108、決済履歴109、及び加盟店マスタ110を備える。
【0021】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、情報処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行する。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令及び当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する。
【0022】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を同一のコンピュータの内部に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、情報処理装置10は、制御部101、主記憶部102及び補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、情報処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0023】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供する。
【0024】
会員マスタ106は、カード会員の情報を格納する。図3は、本発明の実施形態に係る会員マスタ106のデータ構造の一例を示す図である。会員マスタ106は、会員ID301、ユーザ情報302、属性情報303、カード種類304、券種305、カード番号306、及び付与ポイント307を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0025】
会員ID301は、カード会員を識別する識別子である。会員IDは、情報処理装置10によって提供されるポータルシステムの、及び情報処理装置10と関連付けられる他のサーバ、システムのログインID(共通ID)として利用される。本明細書では、会員IDと共通IDは、交換可能な用語として使用され得る。ユーザ情報302は、カード会員に関連付けられるユーザ情報を示す。ユーザ情報は、例えば、氏名、生年月日、パスワード、連絡先(電話、メール、SNSなど)、決済口座などの情報を示す。属性情報303は、カード会員に関連付けられる特性データを示す。特性データは、例えば、カード会員の性別、年齢、居住地、居住形態(持ち家/賃貸など)、家族構成、職業、収入などの情報であって、レコメンド情報を生成する際に使用可能な情報を示す。
【0026】
カード種類304は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどのカードの種類を示す。券種305は、カードの券種(例えば、クレジットカードの場合にはプラチナカード、ゴールドカード、一般カードなど)を示す。カード番号306は、所定の桁数のカード番号を示す。付与ポイント307は、ペイメントカードに付与されている付帯保険選択のためのポイントを示す。カード会員は、付与ポイントの値以下の付帯保険を選択することができる。例えば、カードの付与ポイントが2P(ポイント)である場合、2Pの付帯保険を1つ選択することもできるし、1Pの付帯保険を2つまで選択することもできる。
【0027】
図2に再び戻って説明する。契約済保険情報107は、カード会員の契約済の保険商品の情報を格納する。図4は、本発明の実施形態に係る契約済保険情報107のデータ構造の一例を示す図である。契約済保険情報107は、会員ID301、カード番号306、会社ID401、保険区分402、証券番号403、申込年月日404、更新年月日405、API情報406、及び保険商品情報407を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0028】
会員ID301は、カード会員を識別する識別子である。カード番号306は、所定の桁数のカード番号を示す。会社ID401は、付帯保険及び/または任意保険を提供する保険会社を識別する識別子である。保険区分402は、契約済保険が付帯保険であるのか、あるいは任意保険であるのかを示す区分である。証券番号403は、契約済保険の証券番号を示す。
【0029】
申込年月日404は、保険契約の申込日を示す。更新年月日405は、保険契約の更新手続の期限を示す。API情報406は、保険会社システム12によって提供されるAPIを呼び出すための情報を示す。情報処理装置10は、APIを使用して保険会社システム12から情報を取得することができ、APIを使用して入力情報を保険会社システム12に登録することができるようになる。
【0030】
保険商品情報407は、契約済保険の契約者情報及び保険契約情報を含む。契約者情報は、以下の情報に限定されるわけではないが、保険を契約した個人の情報、例えば、氏名、生年月日(年齢)、性別、居住地、居住形態(持ち家/賃貸など)、家族構成、職業、収入、連絡先(電話番号、メール、SNSなど)などの個人情報を含むことができる。保険契約情報は、例えば、保険の種類、保険会社、実際の保障内容などを示す。
【0031】
保険の種類には、大分類と中分類があり、大分類は、生命保険、損害保険、自動車保険、海外旅行保険、及び火災保険などの分類を示し、中分類は、生命保険の中の定期保険、養老保険、及び終身保険などの分類を示す。保険商品情報407は、契約済保険が付帯保険である場合、申込(新規選択、再選択、継続)に必要なポイント数の情報も含むことができる。本発明では、情報処理装置10が、契約者情報及び保険契約情報のうちの多くの情報をAPIを使用して、その都度取得しても構わないし、あるいは、保険会社システム12からこれらの情報を取得して記憶するように構成されていても構わない。
【0032】
図2に再び戻って説明する。保険商品108は、各保険会社が扱う付帯保険及び任意保険の商品情報を格納する。図5は、本発明の実施形態に係る保険商品108のデータ構造の一例を示す図である。保険商品108は、会社ID401、保険区分402、商品ID501、申込必要ポイント502、商品内容503、API情報504、URL505、及び関連業種コード506を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0033】
会社ID401は、付帯保険及び/または任意保険を提供する保険会社を識別する識別子である。保険区分402は、保険が付帯保険であるのか、あるいは任意保険であるのかを示す区分である。商品ID501は、保険会社によって販売されている付帯保険または任意保険の保険商品を識別する識別子である。申込必要ポイント502は、付帯保険を申し込む際に必要なポイントを示す。例えば、申込ポイントが2Pの付帯保険を申し込むには、カードに付与されているポイントが少なくとも2P必要となる。
【0034】
商品内容503は、付帯保険または任意保険の保険商品の内容を示す。API情報504は、保険会社によって提供されるAPIを呼び出すための情報を示す。URL505は、保険会社によって提供される保険商品の紹介サイトのURLを示す。関連業種コード506は、保険商品と関連付けられる加盟店の業種コードを示す。例えば、保険商品が「スマホ保険」の場合、携帯電話ショップを意味する加盟店の業種コードは当該保険商品と関連付けられ得る。
【0035】
図2に再び戻って説明する。決済履歴109は、カード会員によって行われたカード決済の履歴情報を格納する。図6は、本発明の実施形態に係る決済履歴109のデータ構造の一例を示す図である。決済履歴109は、会員ID301、カード番号306、決済年月日601、加盟店ID602、決済金額603、及び決済情報604を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0036】
会員ID301は、カード会員を識別する識別子である。カード番号306は、所定の桁数のカード番号を示す。決済年月日601は、カード決済が行われた日付を示す。加盟店ID602は、カード決済が行われた加盟店を識別する識別子である。決済金額603は、カード決済の金額情報を示す。決済情報604は、カード決済がどのような場面で行われたかの区分、例えば、国内/海外、対面/非対面などの区分を示す。
【0037】
図2に再び戻って説明すると、加盟店マスタ110は、加盟店のマスタ情報を格納する。加盟店マスタ110は、加盟店ID602、加盟店名称、及び業種コードを含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことができる。
【0038】
以下、情報処理装置10によって提供されるWebサイトやアプリケーションのいくつかの機能を実行する処理を説明する。図7及び図8を参照しながら付帯保険を選択する処理フローを説明し、図9及び図10を参照しながらカード会員に対してレコメンド情報を送信し、任意保険を申し込む処理フローを説明する。また、図11及び図12を参照しながら保険金請求を行う処理フローを説明し、図13及び図14を参照しながら、付保証明書発行処理を行う処理フローを説明する。なお、これらの処理フロー実行の前提として、カード会員は、ユーザ端末11を介して情報処理装置10によって提供されるWebサイトやアプリケーションにアクセスして会員ID301を使用してログイン済であるものとする。
【0039】
(処理フロー:付帯保険を選択する処理フロー)
図7は、カード会員に付帯保険を選択させる、あるいは再選択させるリクエストを送信し、カード会員が選択した付帯保険をカード会員のカードに関連付けて登録する処理を説明するフロー図である。カード会員は、新規に付帯保険を選択し、一度選択した付帯保険を解約して別の付帯保険を選択することができる。
【0040】
S701にて、情報処理装置10は、会員ID301及び保険区分402(=付帯保険)に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行い、データ取得件数を特定する。データ取得件数が0件の場合、カード会員は付帯保険を申し込んでいない(すなわち、これから新規に選択する)。一方、データ取得件数が1件以上の場合、カード会員は既に付帯保険を契約済である(すなわち、一度選択した付帯保険を解約して別の付帯保険を選択し得る)。
【0041】
情報処理装置10は、データ取得件数が0件の場合、付帯保険の新規選択をカード会員に依頼するリクエストを生成し、リクエストをユーザ端末11に送信する。一方、情報処理装置10は、データ取得件数が1件以上の場合、付帯保険の再選択及び/または更新をカード会員に依頼するリクエストを生成し、リクエストをユーザ端末11に送信する。なお、情報処理装置10は、更新年月日405の日付まで所定の日数以内である付帯保険のデータが1件以上ある場合に限って、リクエストを生成するように構成されてもよい。
【0042】
情報処理装置10は、リクエストを、カード会員の連絡先(メール、SNSなど)宛てに送信してもよいし、ユーザ端末11に表示した保険申込画面800において表示してもよい。ユーザ端末11は、リクエストに応答して保険申込画面800を表示する。保険申込画面800は、付帯保険及び/または任意保険の各種手続を行うためのユーザインターフェースである。情報処理装置10は、カード会員に関連付けられるカードの情報、既契約の付帯保険、及び/または新規申込可能な付帯保険をカードの券種ごとに保険申込画面800に一覧表示することができる。なお、保険申込画面800は、任意保険の情報を表示し、任意保険の手続を行う機能を提供することもできる。本明細書では、保険申込画面800が、付帯保険と任意保険のそれぞれ一方の手続き画面を表示する例を説明するが、保険申込画面800の画面構成はこれに限定されることなく、付帯保険と任意保険の両方を一つの画面内に表示するように構成することも可能である。
【0043】
図8は、例示的な保険申込画面800において、付帯保険を選択する例を説明する図である。保険申込画面800は、表示切替801、お知らせ欄802、第1のカード情報表示欄803、第2のカード情報表示欄804、及び登録ボタン805を含んでいるが、これ以外の構成要素が含まれていてもよい。保険申込画面800の画面構成は、任意に変更可能であり、図8の実施形態に限定されることはなく、他の画面構成であってもよい。
【0044】
表示切替801は、保険申込画面800に付帯保険の申込画面を表示するのか、任意保険を表示するのかを切り替えるタブを示す。タブは、選択されていることを示すために強調表示されてよい。お知らせ欄802は、カード会員に提供するお知らせ情報を表示する領域である。情報処理装置10は、お知らせ欄802を使用して、例えば、保険の選択時期や更新時期、カード会員の属性情報や決済履歴から導出したレコメンド情報をカード会員に知らせることができる。
【0045】
第1のカード情報表示欄803は、カード会員に関連付けられる第1のカードの情報及び付帯保険を表示する。第2のカード情報表示欄804は、カード会員に関連付けられる第2のカードの情報及び付帯保険を表示する。カード会員は、複数のカードを保有することができるため、カード会員がN(Nは整数)のカードを保有している場合、第1~第Nのカード情報表示欄が保険申込画面800に表示され得る。登録ボタン805は、保険申込画面800上で選択されている付帯保険の申込処理を行うためのボタンである。
【0046】
さらに、図8を参照しながら、情報処理装置10の動作を説明する。情報処理装置10は、会員ID301に基づいて会員マスタ106に問い合わせを行い、カード種類304、券種305、カード番号306、及び付与ポイント307の情報を読み出し、第1のカード情報表示欄803にカード会員に関連付けられるこれらの情報(図8の例では、ゴールドカード(クレジットカード)と当該ゴールドカードに付与されているポイント2P)を表示する。
【0047】
情報処理装置10はまた、会員ID301、カード番号306、及び保険区分402に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行い、当該カードに関連付けられている付帯保険の会社ID401、証券番号403及び保険商品情報407を取得して既契約の付帯保険の情報を第1のカード情報表示欄803に表示する。上述したように、保険商品情報407には、付帯保険の申込に必要なポイント数の情報が含まれている。また、情報処理装置10は、保険区分402及び付与ポイント307に基づいて保険商品108に問い合わせを行い、付与ポイント307のポイント数で選択可能な付帯保険の会社ID401、商品ID501、申込必要ポイント502、及び商品内容503を取得して選択可能な付帯保険の情報を第1のカード情報表示欄803に表示する。この処理により、第1のカード情報表示欄803には、既契約の付帯保険及び/または選択可能な付帯保険の情報がポイント数の情報とともに表示されることとなる。既契約の付帯保険は、以前から選択されていたことを示すために明示的に表示されてよい(例えば、デフォルトで強調表示)。
【0048】
なお、カードの種類によっては、一律で付与される付帯保険が存在する。図8の例では、第1のカード情報表示欄803に8つの付帯保険が表示されており、申込ポイント数が付加されている付帯保険と付加されていない付帯保険が表示されている。このうち、申込ポイント数が付加されていない付帯保険は、カードに一律で付帯されている保険であり、解除することができない。図8では「買い物安心」付帯保険が一律付帯の保険の例となっている。申込ポイント数が付加されている付帯保険を申し込むためにはそれぞれの保険に付加されているポイント数をカード会員が有している必要がある。図8では、カード会員は、第1のカード(この例ではゴールドカード)に付与されているポイント(2P)以内の付帯保険を申し込むことができる。例えば、スマホ保険2Pを申込可能、あるいは、スマホ保険1P及びスポーツ保険1Pの2つを申込可能である。
【0049】
カード会員は、複数のカードを保有することができるので、情報処理装置10は、カード会員が保有しているカードの数に等しい表示欄を保険申込画面800に表示することができる。情報処理装置10は、第1のカード情報表示欄803について述べたのと同様のやり方で、第2のカードの情報、付与ポイント数、既契約の付帯保険、並びに申込可能な付帯保険を第2のカード情報表示欄804に表示することができる。
【0050】
図7に戻って説明を続けると、S702にて、情報処理装置10は、登録ボタン805が押下されたことに応答して、カード会員によって選択された付帯保険の申込情報を受信する。申込情報は、図8に例示されている保険申込画面800上で選択されている少なくとも1つの付帯保険の情報(例えば、既契約の付帯保険のみ、新規申込可能な付帯保険のみ、あるいはその両方)を含む。
【0051】
S703にて、情報処理装置10は、申込情報に含まれているそれぞれのカードに関連付けられている1つ以上の付帯保険の申込必要ポイント数の合計値がそれぞれのカードの付与ポイント数以下であるかどうかを判定する。判定結果がYesであればS704に処理が進み、判定結果がNoであれば、情報処理装置10は、付帯保険を付与ポイント数の範囲内で再選択するように促すアラートを保険申込画面800上に表示し、S702に処理が戻る。
【0052】
S704にて、情報処理装置10は、既契約の付帯保険の更新手続、及び/または新たに選択した付帯保険の申込手続を行う。すなわち、情報処理装置10は、既契約の付帯保険を更新する場合は更新手続を行い、新規の付帯保険の申込手続を行う場合にはその保険の申込手続を行い、あるいはその両方を行うことができる。さらに、情報処理装置10は、既契約の付帯保険を更新せずに新規の付帯保険の申込手続を行う場合には既契約の付帯保険を解約する手続も行うことができる。
【0053】
情報処理装置10は、付帯保険の申込情報に含まれているそれぞれのカードに関連付けられているそれぞれの付帯保険の会員ID301、カード番号306、会社ID401、及び証券番号403に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行ってAPI情報406を取得する。情報処理装置10は、取得したAPI情報406を使用して対応する保険会社システム12と通信を行う。情報処理装置10は、証券番号403の保険を更新する手続きを、APIを介して実行する。
【0054】
既契約の付帯保険が付帯保険の申込情報に含まれていない場合、情報処理装置10は、当該既契約の付帯保険の会員ID301、カード番号306、会社ID401、及び証券番号403に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行って取得したAPI情報406を使用して対応する保険会社システム12と通信を行い、当該既契約の付帯保険の解約処理を実行する。情報処理装置10は、解約処理された付帯保険の情報を契約済保険情報107から削除する、あるいは当該付帯保険が解約済であることを示す情報を契約済保険情報107に登録する。
【0055】
情報処理装置10は、付帯保険の申込情報に含まれているそれぞれのカードに関連付けられているそれぞれの付帯保険の会社ID401及び商品ID501に基づいて保険商品108に問い合わせを行ってAPI情報504を取得する。情報処理装置10は、取得したAPI情報504を使用して対応する保険会社システム12と通信を行う。情報処理装置10は、商品ID501の付帯保険の申込処理を実行し、申込処理が完了すると、保険会社システム12から会社ID401、保険区分402、証券番号403、申込年月日404、API情報406、及び保険商品情報407を取得して、カード会員の会員ID301及びカード番号306に関連付けて契約済保険情報107に記憶する。
【0056】
本発明に係る情報処理装置10によれば、カード会員に繰り返し付帯保険を選択させることができるので、カード会員は自らのニーズやライフステージに応じた付帯保険をその都度選択できるようになる。例えば、通常は、自転車事故対応の保険やスマホ故障対応の保険を契約しておき、旅行に行く前に海外旅行保険を付帯させるように変更することができるようになる。
【0057】
付帯保険は、所定の期間ごとの契約とすることができ(例えば、1年ごと)、カード会員は、更新年月日405の日付の所定の日数前(例えば、3ヶ月前)から更新処理を行うことができる。情報処理装置10は、付帯保険の新規契約の予約を受け付けることもでき、その場合、カード会員は付帯保険の新規契約の予約登録をしておくことで、所望の日から保険契約を開始することができるようになる。
【0058】
(処理フロー:任意保険の申込を処理する処理フロー)
図9は、カード会員に対してレコメンド情報を送信し、任意保険の申込情報(または解約申込)を受信して申込処理(または解約処理)を実行する処理を説明する処理フロー図である。
【0059】
S901にて、情報処理装置10は、会員ID301及びカード番号306に基づいて決済履歴109に問い合わせを行い、所定の期間の決済履歴情報から加盟店ID602を取得し、取得した加盟店ID602に関連付けられる業種コードを加盟店マスタ110から取得する。情報処理装置10は、取得した業種コードに基づいて保険商品108に問い合わせを行い、当該業種コードに関連付けられる会社ID401、商品ID501、及び商品内容503を取得した場合には、その業種コードに関連付けられる保険商品の内容を含むレコメンド情報を生成する。例えば、業種コードが自転車販売店を示す場合には、情報処理装置10は、自転車保険を含むレコメンド情報を生成し、あるいは、業種コードが旅行代理店を示す場合には、情報処理装置10は、海外旅行保険及び/または国内旅行保険を含むレコメンド情報を生成するように構成され得る。情報処理装置10は、生成したレコメンド情報をユーザ端末11の保険申込画面800に表示する。
【0060】
情報処理装置10は、会員ID301に基づいて会員マスタ106に問い合わせを行って属性情報303を取得し、契約済保険情報107の情報と属性情報303の特性データに含まれる情報とに基づいてカード会員に必要な保険を推定することができる。情報処理装置10は、例えば、年齢が50台のカード会員に対しては医療保険や旅行保険を、居住地がハザードマップ上の浸水可能性が比較的高い地域に該当する場合には住宅保険を、就学年齢に近い子供がいる場合には学資保険を、カード会員に必要な保険であると推定し、推定した保険商品をレコメンド情報に含めることができる。
【0061】
S902にて、情報処理装置10は、任意保険のタブが選択された状態の保険申込画面800をユーザ端末11に表示する。この保険申込画面800は、レコメンド情報と1つ以上の任意保険の商品を表示している。図10は、例示的な保険申込画面800において、任意保険を申し込む例を説明する図である。保険申込画面800は、表示切替801、レコメンド情報表示欄1001、及び任意保険選択欄1002を含んでいるが、これ以外の構成要素が含まれていてもよい。保険申込画面800の画面構成は、任意に変更可能であり、図10の実施形態に限定されることはなく、他の画面構成であってもよい。
【0062】
表示切替801は、保険申込画面800に付帯保険の申込画面を表示するのか、任意保険を表示するのかを切り替えるタブを示す。選択されているタブは強調表示されていてよい。レコメンド情報表示欄1001は、情報処理装置10によって生成されたレコメンド情報を表示する。表示されるレコメンド情報は、決済履歴情報に基づいて生成されたレコメンド情報、及び/または属性情報303などに基づいて生成されたレコメンド情報を含むことができる。図10の例では、カード会員にお勧めの保険商品が表示されており、それぞれの保険商品のアイコンには申込をすることにより取得可能な特典ポイントが表示されている。特典ポイントは、カード決済の所定の金額ごとに付与されるポイントである。レコメンド情報として示されている保険商品のアイコンを押下すると、任意保険選択欄1002の対応する保険商品が強調表示され得る。なお、レコメンド情報にしたがって申込を行った場合の特典は、ポイント以外にも任意に決定され得る。
【0063】
任意保険選択欄1002は、カード会員が申込可能な任意保険の一覧を表示する。情報処理装置10は、保険商品108に問い合わせを行い、保険区分402が任意保険を示すデータの会社ID401、商品ID501、商品内容503、API情報504、及びURL505を取得して、取得したそれぞれの保険についての情報を任意保険選択欄1002に表示する。情報処理装置10は、それぞれの保険商品の「詳細説明」が押下されるとURL505に基づいて対応するHPを表示することができ、カード会員は、申込をしたい保険商品について詳細説明を確認した上で、「申込」ボタンを押下することができる。
【0064】
S903にて、情報処理装置10は、申込ボタンを押下された保険商品についての申込情報入力画面(不図示)をユーザ端末11に表示し、カード会員に任意保険の申込に必要な情報を入力させ、その入力情報をユーザ端末11から受信する。入力情報を受信すると、情報処理装置10は、申込された任意保険に関連付けられるAPI情報504を使用して対応する保険会社システム12と通信を行う。情報処理装置10は、このAPIを使用してカード会員に関連付けられる任意保険の申込処理を実行し、申込処理が完了すると、保険会社システム12から会社ID401、保険区分402、証券番号403、申込年月日404、API情報406、及び保険商品情報407を取得して、カード会員の会員ID301及びカード番号306に関連付けて契約済保険情報107に記憶する。
【0065】
上記では、任意保険の新規申込に対する実施形態を説明したが、情報処理装置10は解約処理を行うこともできる。かかる場合、情報処理装置10は、保険申込画面800に既契約の任意保険を表示し、カード会員は解約したい任意保険を選択して解約ボタンを押下する。情報処理装置10は、解約ボタンが押下されたことに応答して、APIを使用して対応する保険会社システム12と通信を行い、当該任意保険の解釈処理を実行する。
【0066】
(処理フロー:保険金を請求する処理フロー)
図11は、カード会員が契約済保険の中から選択した保険について保険金を請求する処理を説明する処理フロー図である。
【0067】
S1101にて、情報処理装置10は、会員ID301に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行って、カード番号306、会社ID401、保険区分402、証券番号403、API情報406、及び保険商品情報407を取得して、図12に例示するような保険金請求画面1200に既契約保険商品を表示する。保険金請求画面1200は、カード会員が契約済保険(付帯保険及び任意保険の両方を含む)の中から選択した保険について保険金請求手続を行うための、ユーザ端末11に表示されるユーザインターフェースである。
【0068】
保険金請求画面1200は、第1の請求申請欄1201及び第2の請求申請欄1202を含んでいるが、これ以外の構成要素が含まれていてもよい。保険金請求画面1200の画面構成は、任意に変更可能であり、図12の実施形態に限定されることはなく、他の画面構成であってもよい。第1の請求申請欄1201は、カード会員の第1のカード(例えば、クレジットカードのゴールドカード)に関連付けられる既契約保険の一覧を表示する。第2の請求申請欄1202は、カード会員の第2のカード(例えば、クレジットカードの一般カード)に関連付けられる既契約保険の一覧を表示する。これらの請求申請欄は、カード会員が保有するカードの数に応じて決定される。
【0069】
S1102にて、カード会員は、保険金を請求したい保険について「詳細説明」を押下する。情報処理装置10は、「詳細説明」を押下された保険商品の保険商品情報407の情報のうち、保険金請求条件に関する情報をユーザ端末11に表示する。カード会員は、保険金請求条件に関する情報を確認後、「請求申請」ボタンを押下する。「請求申請」ボタンが押下されたことに応答して、情報処理装置10は、カード会員によって選択された保険金請求を行う保険の会社ID401及び証券番号403を受信する。
【0070】
S1103にて、情報処理装置10は、S1101にて取得したAPI情報406を使用して対応する保険会社システム12と通信を行う。情報処理装置10は、このAPIを使用して保険金請求を行うための情報入力画面(不図示)をユーザ端末11に表示する。カード会員は、表示された情報入力画面に、必要な情報(例えば、事故発生日、事故発生時の状況、振込口座など)を入力し、申請ボタンを押下する。
【0071】
S1104にて、申請ボタンが押下されると、情報処理装置10は、APIを使用して保険会社システム12にアクセスし、入力された情報を登録する。その後、保険会社は、登録された情報に基づいて調査を行い、保険金支払を行うかどうかを判定する。
【0072】
支払承認の場合、S1105にて、情報処理装置10は、保険会社システム12から保険金支払の通知を受信し、その通知をユーザ端末11に表示する。保険金の支払は、カード会員が入力した振込口座宛てに行われる。一方、支払不承認の場合、S1105にて、情報処理装置10は、保険会社システム12から保険金支払不可の通知を受信し、その通知をユーザ端末11に表示する。これらの通知は、保険金請求画面1200上に表示されてもよいし、ユーザ端末11の他のアプリケーション(例えば、メールアプリケーションなど)に表示されてもよい。
【0073】
(処理フロー:付保証明書の発行処理フロー)
図13は、選択された保険の付保証明書を発行する処理を説明するフロー図である。付保証明書は、保険証券とは異なる書類であり、保険が確かに契約されていること、及び保険契約の概要を説明した証明書である。付保証明書は、保険会社によって発行され、公的機関に提出し得る書類である。
【0074】
S1301にて、情報処理装置10は、会員ID301に基づいて契約済保険情報107に問い合わせを行って、カード番号306、会社ID401、保険区分402、証券番号403、API情報406、及び保険商品情報407を取得して、図14に例示するような付保証明書発行画面1400に既契約保険商品を表示する。付保証明書発行画面1400は、ユーザ端末11に表示される、選択された保険の付保証明書を発行するためのユーザインターフェースである。付保証明書は、付帯保険及び任意保険のいずれであっても発行可能である。
【0075】
図14は、付保証明書発行画面1400の一例を説明する図であり、付保証明書発行画面1400は、保障内容詳細表示ボタン1401、証明書発行ボタン1402、及び保障内容表示欄1403を含んでいるが、これ以外の構成要素が含まれていてもよい。付保証明書発行画面1400の画面構成は、任意に変更可能であり、図14の実施形態に限定されることはなく、他の画面構成であってもよい。
【0076】
S1302にて、情報処理装置10は、保障内容詳細表示ボタン1401が押下されると、取得したAPI情報406を使用して対応する保険会社システム12と通信を行う。情報処理装置10は、このAPIを使用して保険契約内容を保障内容表示欄1403に表示する。カード会員は、保障内容を確認した上で証明書発行ボタン1402を押下する。本発明の他の実施形態では、S1301にて取得した保険商品情報407の情報を保障内容表示欄1403に表示してもよい。
【0077】
S1303にて、情報処理装置10は、証明書発行ボタン1402が押下されると、保障内容表示欄1403に表示されている情報に基づいて所定のフォーマットで付保証明書を生成し、ユーザ端末11に提供する。カード会員は、ユーザ端末11に付保証明書をダウンロードして記憶させてもいいし、印刷手段を介して印刷してもよい。
【0078】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成及び細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 情報処理装置
11 ユーザ端末
12 保険会社システム
13、14 ネットワーク
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 インターフェース(IF)部
105 出力部
106 会員マスタ
107 契約済保険情報
108 保険商品
109 決済履歴
110 加盟店マスタ
800 保険申込画面
1200 保険金請求画面
1400 付保証明書発行画面
【要約】
【課題】カード会員にペイメントカードの付帯保険を繰り返し選択可能にさせる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、付帯保険についてのリクエストをユーザ端末に送信し、保険申込画面に、ペイメントカードの券種ごとに、既契約の付帯保険及び/または新規申込可能な付帯保険を表示する。情報処理装置は、申込情報を受信すると、カード会員によって選択された少なくとも1つの付帯保険の申込必要ポイントの合計値とそれぞれのペイメントカードの付与ポイントの値を比較して、申込必要ポイントの合計値が付与ポイントの値以下である場合、既契約の付帯保険に関連付けられている第1のAPIを使用して第1の保険会社システムと通信を行って既契約の付帯保険の更新手続を実行し、及び/または新規申込可能な付帯保険に関連付けられている第2のAPIを使用して第2の保険会社システムと通信を行って新規申込可能な付帯保険の申込手続を実行する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14