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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-29
(45)【発行日】2024-06-06
(54)【発明の名称】飛灰循環装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/38 20060101AFI20240530BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20240530BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20240530BHJP
   B01D 53/81 20060101ALI20240530BHJP
   F23J 15/00 20060101ALN20240530BHJP
【FI】
B01D53/38 ZAB
B01D53/56
B01D53/78
B01D53/81
F23J15/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023131167
(22)【出願日】2023-08-10
【審査請求日】2023-08-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501370370
【氏名又は名称】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 泰治
(72)【発明者】
【氏名】山田 明弘
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-006330(JP,A)
【文献】特開2015-037764(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106352363(CN,A)
【文献】特開2017-042745(JP,A)
【文献】特開平09-173742(JP,A)
【文献】特開2020-058997(JP,A)
【文献】特開昭47-040273(JP,A)
【文献】特開2001-058117(JP,A)
【文献】特開2002-361040(JP,A)
【文献】特開2006-226656(JP,A)
【文献】特開2005-074333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34-53/96
F23J 15/00
B01D 46/02
F23G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉プラントで発生した含塵排ガスが流れる第一排ガス経路に前記含塵排ガスを浄化するための薬剤を供給する薬剤供給装置と、
前記第一排ガス経路が上流側に接続され、第二排ガス経路が下流側に接続された集塵装置であって、下方にホッパを備え、前記第一排ガス経路の前記含塵排ガスを除塵した除塵後排ガスを前記第二排ガス経路へ排出する集塵装置と、
入口が前記集塵装置の下方に接続され、前記除塵により前記集塵装置の内部下方の前記ホッパに落下した前記薬剤と飛灰とが混在した薬剤混在飛灰を、前記第一排ガス経路に直接的または管路で間接的につながり且つ前記入口より下方に位置する出口から前記第一排ガス経路に供給する薬剤混在飛灰供給装置とを有し、
前記薬剤混在飛灰供給装置は、前記出口の直下または前記直下から水平方向に1m乃至5m移動した位置における鉛直方向下方を通る前記第一排ガス経路であって前記薬剤供給装置が前記薬剤を供給する箇所より下流側の前記第一排ガス経路に、重力によって、または、重力と負圧の前記第一排ガス経路による吸引力によって、前記出口から前記薬剤混在飛灰を供給し、前記第一排ガス経路に供給された前記薬剤混在飛灰は前記ホッパまで循環する飛灰循環装置。
【請求項2】
前記薬剤混在飛灰供給装置は、前記薬剤混在飛灰を、前記第一排ガス経路へ供給するための第一経路と、前記薬剤混在飛灰に集塵灰処理を実施するために排出する第二経路とのいずれか一方に択一的に分配、または、前記第一経路及び前記第二経路のいずれにも同時に分配する集塵灰分配装置を備える請求項1に記載の飛灰循環装置。
【請求項3】
前記薬剤混在飛灰供給装置は、前記第一経路に接続され、前記第一排ガス経路への前記薬剤混在飛灰の供給を阻害することなく前記第一経路と前記第一排ガス経路とを分離するシール装置をさらに備える請求項2に記載の飛灰循環装置。
【請求項4】
前記第一経路と前記シール装置との間に配置され、前記薬剤混在飛灰を分級する分級装置をさらに備える請求項3に記載の飛灰循環装置。
【請求項5】
前記第一排ガス経路に供給された前記薬剤混在飛灰に向け、前記薬剤供給装置は、加圧空気に前記薬剤を分散して供給する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飛灰循環装置。
【請求項6】
前記第一排ガス経路に供給された前記薬剤混在飛灰に向け、加圧空気を供給する加圧空気供給装置をさらに有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飛灰循環装置。
【請求項7】
前記第一排ガス経路に供給される前記薬剤混在飛灰を、前記第二排ガス経路の前記除塵後排ガスで分散する循環排ガス供給経路をさらに有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飛灰循環装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵灰に含まれる薬剤を排ガスの浄化に再利用する飛灰循環装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物焼却炉など燃焼炉のプラント(以下、「燃焼炉プラント」という)において、廃棄物などの燃料の燃焼により発生した排気ガス(以下、「排ガス」という)は、消石灰などの薬剤が噴霧されて浄化されるとともに、集塵装置(バグフィルタ装置、電気集塵装置、など)で除塵され、その後、煙突などの排気装置から大気中へ、すなわちプラントの外部へ放出される。
当該薬剤は、一般的に、燃焼炉から煙突までの排ガス経路のうち、燃焼炉よりも下流で、且つ、集塵装置よりも上流の排ガス経路内において供給される。
集塵装置で集塵された集塵灰には、飛灰や、薬剤の反応による反応生成物のほか、排ガスの浄化に十分に寄与しなかった薬剤(未反応または十分に反応しなかった薬剤であり、以下、これらをまとめて便宜上、「未反応の薬剤」という)が含まれている。この未反応の薬剤を有効利用するため、いわゆる「飛灰循環」の技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
飛灰循環の技術は、排ガス経路に一旦供給された薬剤のうち、未反応の薬剤を廃棄することなく改めて利用する技術であり、一般的に、集塵装置で集塵された未反応の薬剤が混在する飛灰(以下、「薬剤混在飛灰」という)を、集塵装置の上流の排ガス経路に再び供給する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-58997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃焼炉プラント、特に、発電用ボイラを備えた燃焼炉プラントでは、一般的に当該ボイラは大型であり、例えば、オフィスビルの3階や4階に相当する高さ、すなわち上層階に相当する高さとなる。そして、飛灰などの煤塵を含む排ガス(以下、「含塵排ガス」という)を流す排ガス経路は、高層の構造物であるボイラから下方の集塵装置に向かって接続されることになる。
しかし、集塵装置に貯留された薬剤混在飛灰は、集塵装置の底部から排出されるので、上記排ガス経路に薬剤混在飛灰を供給するため、当該底部から取り出した薬剤混在飛灰をコンベア式や空送式の搬送装置で上記排ガス経路まで持ち上げていた。
このため、当該搬送装置のメンテナンス頻度やメンテナンス期間によっては、燃焼炉プラントの稼働率が低下する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、薬剤混在飛灰を持ち上げるためのコンベヤ式または空送式の搬送装置を別途設けることなく、集塵装置から排出された薬剤混在飛灰を、集塵装置の上流の排ガス経路に循環させ、未反応の薬剤を有効利用することができる飛灰循環装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飛灰循環装置は、燃焼炉プラントで発生した含塵排ガスが流れる第一排ガス経路に前記含塵排ガスを浄化するための薬剤を供給する薬剤供給装置と、前記第一排ガス経路が上流側に接続され、第二排ガス経路が下流側に接続された集塵装置であって、下方にホッパを備え、前記第一排ガス経路の前記含塵排ガスを除塵した除塵後排ガスを前記第二排ガス経路へ排出する集塵装置と、入口が前記集塵装置の下方に接続され、前記除塵により前記集塵装置の内部下方の前記ホッパに落下した前記薬剤と飛灰とが混在した薬剤混在飛灰を、前記第一排ガス経路に直接的または管路で間接的につながり且つ前記入口より下方に位置する出口から前記第一排ガス経路に供給する薬剤混在飛灰供給装置とを有し、前記薬剤混在飛灰供給装置は、前記出口の直下または前記直下から水平方向に1m乃至5m移動した位置における鉛直方向下方を通る前記第一排ガス経路であって前記薬剤供給装置が前記薬剤を供給する箇所より下流側の前記第一排ガス経路に、重力によって、または、重力と負圧の前記第一排ガス経路による吸引力によって、前記出口から前記薬剤混在飛灰を供給し、前記第一排ガス経路に供給された前記薬剤混在飛灰は前記ホッパまで循環する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の飛灰循環装置によれば、集塵装置の下方に配置された薬剤混在飛灰供給装置の直下またはその直下近傍の下方を、集塵装置よりも上流側の第一排ガス経路が通ることになる。そのため、集塵装置の内部下方に落下した薬剤混在飛灰を、薬剤混在飛灰供給装置によって、その下方を通る第一排ガス経路へ容易に供給でき、薬剤混在飛灰が分散された排ガスは、当該排ガスの流れに乗って自動的に上方に持ち上げられて集塵装置に導入される。このため、従来技術のように、排ガス経路へ薬剤混在飛灰を持ち上げる搬送装置を別途設ける必要がない。
従って、本発明の飛灰循環装置によれば、薬剤混在飛灰を持ち上げるためのコンベヤ式または空送式の搬送装置を別途設けることなく、集塵装置から排出された薬剤混在飛灰を、集塵装置の上流の第一排ガス経路に循環させ、未反応の薬剤を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る飛灰循環装置の概略構成図である。
図2図1に示す飛灰循環装置の第一変形例を示す概略構成図である。
図3図1に示す飛灰循環装置の第二変形例を示す概略構成図である。
図4図1に示す飛灰循環装置の第三変形例を示す概略構成図である。
図5図1に示す飛灰循環装置の第四変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面(図1乃至図5)を参照して、本発明の実施形態およびその変形例(第一変形例乃至第四変形例)の飛灰循環装置について説明する。実施形態および各変形例はあくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。実施形態および各変形例の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、当該各構成は、発明に必須の構成を除き、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは実施形態と各変形例との間で適宜組み合わせることができる。
なお、図1乃至図5では、X軸、Y軸からなる直交座標系を適宜用いて説明する。X軸は水平方向であり、Y軸は鉛直方向である。Y軸の矢印方向は、鉛直方向且つ上方に向かう方向である。
【0011】
[実施形態の飛灰循環装置]
では、図1を用いて、実施形態の飛灰循環装置1を説明する。まず、飛灰循環装置1の全体構成の概要を簡単に説明し、その後、飛灰循環装置1の各構成について詳述する。
飛灰循環装置1は、廃棄物焼却炉プラントやバイオマス焚発電プラントなどの燃焼炉プラントにおける燃焼炉(焼却炉を含む)で燃料(廃棄物、バイオマス、など)燃焼させた際に発生する飛灰などの煤塵を含む排ガス(以下、「含塵排ガス」という)を、燃焼炉から流す第一排ガス経路2に接続される。第一排ガス経路2は、具体的には、燃焼炉と飛灰循環装置1との間に接続されたダクトや配管などの管路である。なお、以下、単に「管路」という場合、ダクトや配管などの管路を意味する。
そして、飛灰循環装置1は、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガスを浄化するために、消石灰や活性炭などの薬剤を第一排ガス経路2に供給する薬剤供給装置3と、含塵排ガスを除塵するために第一排ガス経路2の一端に接続された集塵装置4と、集塵装置4の下方に接続された薬剤混在飛灰供給装置5を、少なくとも有する。
薬剤混在飛灰供給装置5は、含塵排ガスの除塵によって集塵装置4の内部下方に落下した薬剤と飛灰とが混在した集塵灰(以下、「薬剤混在飛灰」という)を、自身(薬剤混在飛灰供給装置5)の直下または直下近傍の下方(-Y軸方向)に配置された第一排ガス経路2に供給し、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を第一排ガス経路2内の含塵排ガスに分散且つ反応させる。
飛灰循環装置1は、以上のような構成であるため、第一排ガス経路2は、薬剤混在飛灰供給装置5の下方(-Y軸方向)を通ってから上方(+Y軸方向)に向かって曲がり、その後、第一排ガス経路2の上記一端が集塵装置4に接続されることになる。
【0012】
集塵装置4で除塵された排ガス(以下、「除塵後排ガス」という)は、集塵装置4と煙突などの排気装置との間に接続された第二排ガス経路6に設置された送風機(第一送風機)7により誘引される。送風機7は、設計に応じて、例えば、ファン、ブロア、またはコンプレッサなどから適宜選定される。なお、第二排ガス経路6は、第一排ガス経路2と同様、ダクトや配管などの管路である。
排ガスの流れで見て、集塵装置4の上流側に第一排ガス経路2が接続され、集塵装置4の下流側に第二排ガス経路6が接続されることになる。そして、送風機7が上記誘引をすることで、第一排ガス経路2内の含塵排ガスは燃焼炉から集塵装置4に向かって流れる。また、送風機7が当該誘引をすることで、第二排ガス経路6内の除塵後排ガスは集塵装置4から煙突などの排気装置に向かって流れ、大気中へ排出される。
【0013】
では、飛灰循環装置1の各構成について、詳述する。
まず、薬剤供給装置3は、先述のとおり、第一排ガス経路2に薬剤を供給する装置である。図示しない送風機、例えば圧力の高いブロアなどで、薬剤を第一排ガス経路2に噴霧する構成とすることができる。
薬剤混在飛灰供給装置5が薬剤混在飛灰を供給する第一排ガス経路2の特定の箇所(以下、「箇所A」という)と、薬剤供給装置3が薬剤を供給する第一排ガス経路2の特定の箇所(以下、「箇所B」という)との位置関係は、箇所Aよりも箇所Bが上流側であってもよいし、箇所Aよりも箇所Bが下流側であってもよい。しかし、ここでは、新品の薬剤の反応時間を薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤の反応時間よりも多く得ることができるように、箇所Aよりも箇所Bが上流側にある例を示す。
なお、薬剤供給装置3は、上述の送風機ではなく、図示しない圧縮空気供給装置による圧縮空気で薬剤を第一排ガス経路2に噴霧してもよいし、図示しないロータリーバルブやテーブルフィーダで薬剤を切り出して、重力による自由落下により第一排ガス経路2に散布してもよい。自由落下の場合であっても、送風機7により第一排ガス経路2の内部は負圧になっているため、重力に加え、負圧による第一排ガス経路2への吸引力が加わり、薬剤供給装置3から供給された薬剤は、第一排ガス経路2内部へ導入されて含塵排ガスに分散される。
【0014】
次に、集塵装置4は、バグフィルタ装置でも電気集塵装置でもよいが、ここでは、一例として、円筒形かつ袋状の濾布によるバグフィルタ4aを複数本備えたバグフィルタ装置であるとして説明する。
集塵装置4では、第一排ガス経路2を流れた含塵排ガスや、箇所Aで供給された薬剤混在飛灰および箇所Bで供給された薬剤が、バグフィルタ4aの当該袋状の濾布の外側で除塵され、濾布の内側を除塵後排ガスが上方(+Y軸方向)に流れることになる。このため、第二排ガス経路6は、Y軸方向で見て、バグフィルタ4aの入口(袋状の濾布の入口)よりも上方で集塵装置4に接続される。
集塵装置4の底部は、逆ピラミッド型、船底型、逆円錐型など、上方が大きく且つ下方が小さい傾斜壁面を備えたホッパ4bである。当該底部は、傾斜壁面を備えない平底型であってもよい。
【0015】
集塵装置4には、ホッパ4bの内部またはホッパ4bの下方(-Y軸方向)に、ホッパ4bに貯留された薬剤混在飛灰を切り出して薬剤混在飛灰供給装置5に供給する切出装置4cが配置されてもよい。また、ホッパ4bの底部には、貯留された薬剤混在飛灰を切出装置4cに向けて搬送するスクリューコンベヤなどの搬送装置が配置されてもよい。
切出装置4cは、例えば、ロータリーバルブやテーブルフィーダなどである。
図1では、切出装置4cがホッパ4bの底部に直結した例を示しているが、切出装置4cは、配管を介して間接的に、当該底部に接続されてもよい。
なお、切出装置4cが薬剤混在飛灰を切り出す量やタイミングの制御は、設計に応じて、図示しない制御装置により実施される。
【0016】
ここでは、集塵装置4はバグフィルタ装置であるので、定期的にいわゆる「逆洗」をすることで、バグフィルタ4aの外面に付着した薬剤混在飛灰をホッパ4bへふるい落とすことができる。
第一排ガス経路2の集塵装置4への接続の際、第一排ガス経路2の上記一端はホッパ4bよりも上方で集塵装置4に接続されてもよいが、当該一端をホッパ4bに接続してもよい。当該一端をホッパ4bに接続した場合、当該一端から集塵装置4内に噴出される含塵排ガスの流れによる圧力で、ホッパ4bに落下して貯留された薬剤混在飛灰を集塵装置4内で舞い上がらせることができ、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を含塵排ガスの浄化にさらに効果的に利用することができる。
【0017】
では、続いて、薬剤混在飛灰供給装置5について説明する。
集塵装置4から供給される薬剤混在飛灰が導入される薬剤混在飛灰供給装置5の入口は、集塵装置4の下方(-Y軸方向)に接続される。従って、薬剤混在飛灰は、重力による自由落下により、集塵装置4から薬剤混在飛灰供給装置5の当該入口へ容易に供給することができる。
薬剤混在飛灰供給装置5は、第一排ガス経路2の箇所Aに直接的または管路で間接的につながる第一出口と、一部の薬剤混在飛灰に対して重金属溶出防止処理などの集塵灰処理を実施するために飛灰循環装置1の外部へ排出する第二出口の2つの出口を備えている。
なお、第一出口の直下またはその近傍の下方に第一排ガス経路2が配置されている。ここで、当該「近傍」とは、第一出口から排出される薬剤混在飛灰が、重力により、または重力と負圧による第一排ガス経路2への吸引力により、第一排ガス経路2の箇所Aへ適切に導入される程度に第一出口の「直下」から水平方向に所定距離だけ離れた位置を意味する。従って、当該「近傍の下方」とは、第一出口から水平方向に所定距離だけ移動した位置における鉛直方向下方に相当する。当該所定距離は、設計により異なりうるが、約1~5m程度の距離と考えることができる。
そして、薬剤混在飛灰供給装置5は、分配装置5aを少なくとも備え、設計に応じてシール装置5bも適宜追加されうる。以下、これらを順に詳述する。
【0018】
分配装置5aは、薬剤混在飛灰供給装置5の入口から導入された薬剤混在飛灰を、第一出口に管路でつながる第一経路5aAと、第二出口に管路でつながる第二経路5aBとに分配する。なお、第一経路5aAと第二経路5aBは、例えば、ダクトや配管などの管路である。第一経路5aAの一端を第一出口としてもよい。また、第二経路5aBの一端を第二出口としてもよい。
分配装置5aは、例えば、X軸方向に回転軸が配置されたスクリューコンベヤを使用することができる。分配装置5aがスクリューコンベヤの場合には、例えば、当該回転軸の回転方向を正転させた場合に、薬剤混在飛灰が第一経路5aAを経由して第一出口に向けて搬送され、逆転させた場合に、薬剤混在飛灰が第二経路5aBを経由して第二出口に向けて搬送されるように構成することができる。すなわち、分配装置5aは、第一経路5aAと第二経路5aBのいずれか一方の経路を択一的に選択し、薬剤混在飛灰を分配する。
【0019】
分配装置5aは、上述のスクリューコンベヤの例のほか、例えば、斜め下方に傾いた第一経路5aAと斜め下方に傾いた第二経路5aBの2つの経路に分岐する二股のシュートと、当該シュートの分岐点に配置されたダンパ(例えば、ダブルフラップダンパなど)とを備える構成としてもよい。ダンパが二股のシュートのいずれか一方の経路を閉じることで、第一経路5aAまたは第二経路5aBのいずれか一方の経路を択一的に選択し、薬剤混在飛灰を第一出口または第二出口に向けて分配することができる。さらに、この場合には、ダンパの開度を調整することで、第一経路5aAと第二経路5aBのいずれにも同時に所定の割合で薬剤混在飛灰を分配することもできる。
ここで、分配装置5aは、上述の二股のシュートの各出口に、後述のシール装置5bに相当する装置、例えば、ロータリーバルブ、テーブルフィーダ、ダブルフラップダンパなどを設置してもよい。
【0020】
また、分配装置5aは、上述の例のほか、例えば、第一経路5aA専用の入口と第二経路5aB専用の入口が別個に集塵装置4の底部に接続し、当該底部の開口から薬剤混在飛灰がそれぞれの入口に独立して別個に導入される構成としてもよい。
なお、分配装置5aの制御、例えばスクリューコンベヤの回転方向の制御、ダンパの動作の制御、ロータリーバルブ等の動作(ロータリーバルブやテーブルフィーダの場合は回転数)の制御は、設計に応じて、または、作業者の操作に応じて、上記制御装置により実施される。
【0021】
最後に、シール装置5bは、第一経路5aAにつながる第一出口と第一排ガス経路2の箇所Aとを接続する経路に設置される。当該経路は、例えば、ダクトや配管などの管路である。後述のように、シール装置5bを設置しない場合には、当該経路は配置せず、第一出口を当該箇所Aに直接的に接続してもよい。
シール装置5bは、送風機7の上記誘引により、第一経路5aAの内部気圧と第一排ガス経路2の内部気圧が異なるため、第一排ガス経路2と第一経路5aAとを分離する装置である。さらに言えば、シール装置5bは、分配装置5aによる第一経路5aAから第一排ガス経路2への薬剤混在飛灰の供給を阻害することなく、前記第一経路5aAと第一排ガス経路2とを分離することができる装置である。当該分離の必要がない場合には、シール装置5bを設置しなくてもよい。
シール装置5bは、例えば、ロータリーバルブ、テーブルフィーダ、ダブルフラップダンパなどを使用することができる。シール装置5bにより、薬剤混在飛灰を第一経路5aAから第一排ガス経路2へ供給する際、第一経路5aAと内部気圧が第一経路5aAよりも負圧の第一排ガス経路2とは、実質的に分離される。なお、シール装置5bであるロータリーバルブ、テーブルフィーダ、ダブルフラップダンパなどの動作の制御は、設計に応じて、上記制御装置により実施される。
なお、第一経路5aAと第一排ガス経路2の箇所Aとを接続する経路には、薬剤混在飛灰の固着による閉塞を防止するため、例えば、ノッカーや、バイブレーターなどの振動装置を設置してよい。
【0022】
以上のとおり、本発明の実施形態の飛灰循環装置1においては、集塵装置4よりも上流の第一排ガス経路2が、集塵装置4の下方に配置された薬剤混在飛灰供給装置5の直下またはその直下近傍の下方を通ってから上方に向かい、集塵装置4に接続される。
そのため、集塵装置4の内部下方に落下した薬剤混在飛灰を、薬剤混在飛灰供給装置5は、重力によって、または、重力と負圧の第一排ガス経路2による吸引力とによって、薬剤混在飛灰供給装置5の下方を通る第一排ガス経路2へ容易に供給できる。また、当該薬剤混在飛灰は、第一排ガス経路2に導入され且つ分散され、含塵排ガスの流れに乗って自動的に上方に持ち上げられて集塵装置に再び導入される。
すなわち、集塵装置4に貯留された薬剤混在飛灰を、集塵装置4の上流の第一排ガス経路2に再び供給して循環させ、薬剤混在飛灰内の未反応の薬剤を有効利用することができる。
このように、薬剤混在飛灰内の未反応の薬剤を有効利用することができるので、薬剤供給装置3から供給される新品の薬剤の量を低減させることができる。従って、飛灰循環装置1が設置される燃焼炉プラントの運転コストを低減することができる。
また、従来技術のように、上方の排ガス配管に向けて薬剤混在飛灰を持ち上げるためのコンベヤ式または空送式の搬送装置は不要であり、安価に飛灰循環装置1を製造することができる。
さらに、当該搬送装置が不要であるので、従来技術に比べ、飛灰循環装置1のメンテナンス頻度やメンテナンス期間を減少させることができ、結果として、飛灰循環装置1が設置される燃焼炉プラントの稼働率を向上させることができる。
【0023】
では、これより、実施形態の変形例である飛灰循環装置1A、1B、1C、1Dについて、順次、説明する。実施形態の飛灰循環装置1と同一構成については、同一番号を付番して、説明を省略する。
【0024】
[第一変形例の飛灰循環装置]
図2を用いて、第一変形例の飛灰循環装置1Aを説明する。飛灰循環装置1Aが実施形態の飛灰循環装置1と大きく異なる点は、薬剤供給装置3Aと、薬剤供給装置3Aが薬剤を供給する第一排ガス経路2の特定の箇所(以下、「箇所B´」という)である。飛灰循環装置1Aの他の構成は、飛灰循環装置1と同様であるので、説明を省略する。
薬剤混在飛灰供給装置5から第一排ガス経路2の箇所Aに供給される薬剤混在飛灰は、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガス中に均一に分散されない場合がありうる。
そこで、飛灰循環装置1Aでは、薬剤供給装置3Aは、圧力の高いブロアなどの送風機または圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置などを備え、加圧した空気(以下、「加圧空気」という)で、第一排ガス経路2の箇所Aより上流、且つ、X軸方向に箇所Aとほぼ同位置の第一排ガス経路2の箇所B´より、薬剤混在飛灰供給装置5によって箇所Aから供給される薬剤混在飛灰に向かって薬剤を噴霧し且つ分散させる。
薬剤供給装置3Aは、箇所Aから供給される薬剤混在飛灰を狙って薬剤を噴霧しやすいように、薬剤噴霧用のノズルを備えてもよい。
以上の構成により、飛灰循環装置1Aは、箇所Aに供給される薬剤混在飛灰に、薬剤供給装置3Aから新品の薬剤を噴射する圧力を加え、薬剤混在飛灰中の比較的大きな粒や塊を砕くことができるので、当該新品の薬剤のみならず、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガスに効果的に分散させることができる。
従って、第一変形例の飛灰循環装置1Aは、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、より効果的に含塵排ガスに反応させることができる点で、実施形態の飛灰循環装置1より優れる。
【0025】
[第二変形例の飛灰循環装置]
図3を用いて、第二変形例の飛灰循環装置1Bを説明する。飛灰循環装置1Bが実施形態の飛灰循環装置1と大きく異なる点は、圧力の高いブロアなどの送風機や圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置などを備えて、第一排ガス経路2の特定の箇所(以下、「箇所C」という)に加圧空気を噴射して供給する加圧空気供給装置8を備えることにある。飛灰循環装置1Bの他の構成は、飛灰循環装置1と同様であるので、説明を省略する。
加圧空気供給装置8は、薬剤混在飛灰供給装置5によって箇所Aに供給される薬剤混在飛灰に向かって、箇所Cから加圧空気を噴射する。
加圧空気供給装置8は、箇所Aから供給される薬剤混在飛灰を狙って加圧空気を噴射しやすいように、加圧空気用のノズルを備えてもよい。
箇所Cは、第一排ガス経路2の箇所Aより上流、且つ、X軸方向に箇所Aとほぼ同位置または箇所Aに近接した位置であることが望ましい。
以上の構成により、飛灰循環装置1Bは、箇所Aに供給される薬剤混在飛灰に、加圧空気の噴射による圧力を加え、薬剤混在飛灰中の比較的大きな粒や塊を砕くことができるので、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガスに効果的に分散させることができる。
従って、第二変形例の飛灰循環装置1Bは、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、より効果的に含塵排ガスに反応させることができる点で、実施形態の飛灰循環装置1より優れる。
なお、第二変形例の飛灰循環装置1Bの加圧空気供給装置8を、第一変形例の飛灰循環装置1Aに追加することで、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、さらに効果的に含塵排ガスに反応させることができる。
【0026】
[第三変形例の飛灰循環装置]
図4を用いて、第三変形例の飛灰循環装置1Cを説明する。飛灰循環装置1Cが実施形態の飛灰循環装置1と大きく異なる点は、第一排ガス経路2の箇所Aと第二排ガス経路6との間に循環排ガス供給経路9が接続され、薬剤混在飛灰供給装置5の箇所Aにつながる第一出口は循環排ガス供給経路9に直接的に接続され、結果として、薬剤混在飛灰供給装置5は、第一排ガス経路2の箇所Aに薬剤混在飛灰を間接的に供給することである。
循環排ガス供給経路9は、薬剤混在飛灰供給装置5の直下または直下近傍の下方(-Y軸方向)を通るよう配置される。従って、薬剤混在飛灰供給装置5は、重力によって、または、重力と負圧の循環排ガス供給経路9による吸引力とによって、薬剤混在飛灰を循環排ガス供給経路9に容易に供給することができる。このため、結果として、薬剤混在飛灰供給装置5は、第二排ガス経路6から分岐して循環排ガス供給経路9を流れる除塵後排ガスの流れに乗せて、第一排ガス経路2の箇所Aに、薬剤混在飛灰を供給することができる。
第一排ガス経路2や第二排ガス経路6と同様、例えば、ダクトや配管などの管路である。
【0027】
ここでは、循環排ガス供給経路9のうち、薬剤混在飛灰供給装置5の第一出口が接続される箇所と第二排ガス経路6との間に、送風機(第二送風機)10が設置される構成を、一例として示す。送風機10は、集塵装置4で除塵され且つ第二排ガス経路6を流れる除塵後排ガスの一部を、第一排ガス経路2の箇所Aへ、加圧して送り込む装置である。送風機10が配置されることで、循環排ガス供給経路9を流れる除塵後排ガスを加圧して流すことができるので、薬剤混在飛灰を除塵後排ガスに均一または効果的に分散することができる。
送風機10は、設計に応じて、例えば、ファン、ブロア、またはコンプレッサなどから適宜選定される。なお、循環排ガス供給経路9を、第一送風機7より後流の第二排ガス経路6と第一排ガス経路2の箇所Aとの間に接続した場合は、第二送風機10を設置する必要がない場合がありうる。
飛灰循環装置1Cの他の構成は、飛灰循環装置1と同様であるので、説明を省略する。
【0028】
飛灰循環装置1Cの構成によれば、第一変形例の飛灰循環装置1Aや第二変形例の飛灰循環装置1Bと異なり、加圧空気を第一排ガス経路2に噴射せず、除塵後排ガスの一部を利用して、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガスに効果的に分散させることができる。従って、燃焼炉プラントから排出される排ガス総量を増加させることがない点で、第三変形例の灰循環装置1Cは、第一変形例の飛灰循環装置1Aや第二変形例の飛灰循環装置1Bよりも優れる。
【0029】
なお、既存の燃焼炉プラント、例えば、廃棄物焼却炉プラントでは、含塵排ガス中の酸化物(NOxなど)を低減するため、除塵後排ガスを焼却炉内へ戻して廃棄物の燃焼に利用する場合がある。除塵後排ガスを焼却炉などの燃焼炉の炉内へ戻す技術を、排ガス再循環技術(Exhaust Gas Recirculation(EGR))という。そこで、循環排ガス供給経路9を流れる除塵後排ガスの一部を分岐して、燃焼炉内へ吹き込んでもよい。
また、第二変形例の飛灰循環装置1Bの構成において、加圧空気供給装置8の代わりに、第三変形例の飛灰循環装置1Cのように、第一排ガス経路2の箇所Cと第二排ガス経路6との間に循環排ガス供給経路9を配置し、薬剤混在飛灰供給装置5から直接的に第一排ガス経路2の箇所Aに供給される薬剤混在飛灰を狙って、除塵後排ガスを噴射してもよい。この場合、第二変形例で述べたように、薬剤混在飛灰中の比較的大きな粒や塊を砕くことができるので、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、第一排ガス経路2を流れる含塵排ガスに効果的に分散させることができる。
さらに、飛灰循環装置1Cは、第一排ガス経路2の箇所Aと第二排ガス経路6との間に循環排ガス供給経路9が直接的に接続されているが、第一変形例の飛灰循環装置1Aや第二変形例の飛灰循環装置1Bの構成において、シール装置5bと箇所Aとをつなぐ経路の途中と第二排ガス経路6との間に循環排ガス供給経路9を配置してもよい。この構成でも、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を除塵後排ガスの流れの圧力によって、効果的に分散することができる。
【0030】
[第四変形例の飛灰循環装置]
図5を用いて、第四変形例の飛灰循環装置1Dを説明する。飛灰循環装置1Dが第一変形例の飛灰循環装置1Aと大きく異なる点は、第一経路5aAと第一排ガス経路2の箇所Aとを接続する経路において、シール装置5bよりも上方(+Y軸方向)に、分級装置5cが配置されることである。なお、図5では、薬剤混在飛灰供給装置5が分級装置5cを備える例を示している。
飛灰循環装置1Dの他の構成は、飛灰循環装置1Aと同様であるので、説明を省略する。
分級装置5cは、比較的大きな粒や塊となっている薬剤混在飛灰が存在する場合に、この薬剤混在飛灰を砕いて、全体的に粒や塊の大きさを均一化するとともに、薬剤混在飛灰中の薬剤の表面に形成された反応生成物の層を削り取って除去し、未反応の薬剤を露出させる装置である。分級装置5cは、例えば、振動する篩や、円筒に所定の多数の貫通孔が形成されたトロンメルなどを使用することができる。
分級装置5cにより、適切な粒径の薬剤混在飛灰を第一排ガス経路2へ供給でき、また当該薬剤混在飛灰中の薬剤の未反応な面を露出させて第一排ガス経路2へ供給できる。従って、第四変形例の飛灰循環装置1Dは、薬剤混在飛灰中の未反応の薬剤を、さらに効果的に含塵排ガスに分散し且つ反応させることができる点で、第一変形例の飛灰循環装置1Aよりも優れる。
なお、第四変形例の飛灰循環装置1Dの分級装置5cを、実施形態の飛灰循環装置1、第二変形例の飛灰循環装置1B、及び第三変形例の飛灰循環装置1Cにおいて、飛灰循環装置1Dと同様の位置に設置してもよい。すなわち、飛灰循環装置1、飛灰循環装置1B、及び飛灰循環装置1Cの第一経路5aAと第一排ガス経路2の箇所Aとを接続する経路において、シール装置5bよりも上方(+Y軸方向)に、飛灰循環装置1Dの分級装置5cを設置してもよい。このように構成すると、これら実施形態や変形例において、第四変形例の飛灰循環装置1Dと同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0031】
1、1A、1B、1C、1D 飛灰循環装置
2 第一排ガス経路
3、3A 薬剤供給装置
4 集塵装置(4a バグフィルタ、4b ホッパ、4c 切出装置)
5 薬剤混在飛灰供給装置
(5a 分配装置(5aA 第一経路、5aB 第二経路)、
5b シール装置
5c 分級装置)
6 第二排ガス経路
7 送風機(第一送風機)
8 加圧空気供給装置
9 循環排ガス供給経路
10 送風機(第二送風機)
【要約】
【課題】薬剤混在飛灰を持ち上げるためのコンベヤ式または空送式の別途の搬送装置を用いることなく、集塵装置から排出された薬剤混在飛灰を、集塵装置の上流の排ガス経路に循環させる。
【解決手段】飛灰循環装置1は、燃焼炉プラントで発生した含塵排ガスが流れる第一排ガス経路2に含塵排ガスを浄化するための薬剤を供給する薬剤供給装置3と、第一排ガス経路が上流側に接続され、第二排ガス経路が下流側に接続された集塵装置であって、第一排ガス経路の含塵排ガスを除塵した除塵後排ガスを第二排ガス経路6へ排出する集塵装置4と、集塵装置4の下部に接続され、除塵により集塵装置4の内部下方に落下した薬剤と飛灰とが混在した薬剤混在飛灰を、自身の直下または直下近傍の下方を通る第一排ガス経路2に供給する薬剤混在飛灰供給装置5を少なくとも備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5