IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社バラエティーエム・ワンの特許一覧

特許7496586個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法
<>
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図1
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図2
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図3
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図4
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図5
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図6
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図7
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図8
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図9
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図10
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図11
  • 特許-個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20240531BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20240531BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240531BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G06F21/62 345
G06K7/12
G06K7/14 017
G06K7/14 039
G06K19/06 037
G06K19/06 140
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023196632
(22)【出願日】2023-11-20
【審査請求日】2023-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520128576
【氏名又は名称】有限会社バラエティーエム・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】三嶽 敏朗
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0391877(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0075722(KR,A)
【文献】特開2000-113119(JP,A)
【文献】特開2011-192195(JP,A)
【文献】特開2020-106927(JP,A)
【文献】特開2013-125465(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2427655(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06K 7/12
G06K 7/14
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムであって、
前記第1情報端末は、
2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可する複数の個人情報を設定する設定手段と、
前記提供が許可された複数の個人情報をみ、提供が許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示する提示手段と、を有し、
前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有し、
前記第2情報端末は、
前記第1情報端末により提示された前記第1情報コードを撮像して読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記第1情報コードに含まれる前記提供が許可された複数の個人情報を表示する表示制御手段を有する、個人情報提供システム。
【請求項2】
第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムにおいて、前記第1情報端末で実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記第1情報端末に、
2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可する複数の個人情報を設定する設定機能と、
前記提供が許可された複数の個人情報を含み、許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示する提示機能と、を実行し、
前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有する、プログラム。
【請求項3】
請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項4】
第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムにおける、個人情報提供方法であって、
前記第1情報端末により、ユーザが、提供を許可する複数の個人情報を設定した場合に、前記提供が許可された複数の個人情報を含み、許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示し、
前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有し、
前記第2情報端末により、前記第1情報端末により提示された前記第1情報コードを撮像して読み取り、読み取った前記第1情報コードに含まれる、前記提供が許可された複数の個人情報を表示する、個人情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報コードに個人情報を含めることで、個人認証を行うことができるシステムが知られている。たとえば、出願人は、特許文献1,2において、行政機関の情報端末により、ユーザの顔画像を撮像させるとともに、ユーザが携帯する携帯端末においてユーザの顔情報を含む情報コードを表示し、行政機関の情報端末に読み取らせることで、当該情報端末において、ユーザの個人認証を行うシステムを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-168047号公報
【文献】特開2022-160808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、情報リテラシーの意識が高まっており、個人情報の取り扱いについて高い関心が寄せられるようになった。しかしながら、従来のシステムでは、情報コードに複数種類の個人情報を含めた場合に、サービスに必要のない個人情報まで提供してしまうおそれがあった。たとえば、レンタカーサービスを利用する場合に、健康保険証番号は必要とされないが、レンタカーサービスの提供者に、このような番号まで提供してしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、ユーザが利用するサービスに必要のない個人情報をサービス提供者に提供してしまうことを有効に防止することができる、個人情報提供システム、プログラム、記録媒体、および個人情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る個人情報提供システムは、第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムであって、前記第1情報端末は、2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可する複数の個人情報を設定する設定手段と、前記提供が許可された複数の個人情報をみ、許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示する提示手段と、を有し、前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有し、前記第2情報端末は、前記第1情報端末により提示された前記第1情報コードを撮像して読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記第1情報コードに含まれる前記提供が許可された複数の個人情報を表示する表示制御手段を有する。
本発明に係るプログラムは、第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムにおいて、前記第1情報端末で実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記第1情報端末に、2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可する複数の個人情報を設定する設定機能と、前記提供が許可された複数の個人情報をみ、許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示する機能と、を実行し、前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有する。
本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
発明に係る個人情報提供方法は、第1情報端末と、前記第1情報端末とは異なる第2情報端末と、を有し、前記第1情報端末のユーザの個人情報を、前記第2情報端末に提供する個人情報提供システムにおける、個人情報提供方法であって、前記第1情報端末により、ユーザが、提供を許可する複数の個人情報を設定した場合に、前記提供が許可された複数の個人情報を含み、許可されていない個人情報を含まない、単一の第1情報コードのみを提示し、前記第1情報コードは3色以上の情報セルを有し、前記第2情報端末により、前記第1情報端末により提示された前記第1情報コードを撮像して読み取り、読み取った前記第1情報コードに含まれる、前記提供が許可された複数の個人情報を表示する
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サービス提供者が保有する第2情報端末に、ユーザが提供を許可した個人情報のみ、または、サービスで必要とする個人情報のみが表示されるため、ユーザが利用するサービスに必要のない個人情報をサービス提供者に提供してしまうことを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る個人情報提供システムの構成図である。
図2】第1実施形態に係る第1情報端末および第2情報端末を示すブロック図である。
図3】本実施形態における情報コードの一例を示す図である。
図4】第2情報端末に提供を許可する個人情報の設定画面の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。
図7】第3実施形態におけるサービスの選択画面の一例を示す図である。
図8】第3実施形態に係る個人情報登録処理を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態に係る個人情報提供システムの構成図である。
図11】第4実施形態に係る第1情報端末および第2情報端末を示すブロック図である。
図12】第4実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る個人情報提供システムの実施形態を、図面に基づいて説明する。本発明は、サービスを利用する者(以下、ユーザと称す。)が、サービスを利用するために必要な個人情報を、サービス提供者に提供するためのシステムであり、ユーザが提供を許可した個人情報のみ、または、サービスで必要とする個人情報のみがサービス提供者に提供され、ユーザが利用するサービスに必要のない個人情報をサービス提供者に提供してしまうことを有効に防止することを特徴とする。また、本実施形態では、オフラインで、ユーザからサービス提供者に必要な個人情報を提供することができるため、インターネット環境や個人認証制度が整っていない国においても、ユーザの認証や、個人情報を使用したサービスの提供を行うことが可能となる。
【0010】
《第1実施形態》
図1は、第1実施形態に係る個人情報提供システム1の構成を示す図である。第1実施形態に係る個人情報提供システム1は、図1に示すように、ユーザが携帯する第1情報端末10と、サービス提供者が保有する第2情報端末20と、を有している。本実施形態において、第1情報端末10および第2情報端末20は、無線通信を行わない構成となっているが、無線通信が可能な構成とすることもできる。また、第1実施形態に係る個人情報提供システム1において、第1情報端末10および第2情報端末20は、図示しないサーバーと通信可能な構成とすることもできる。
【0011】
図2は、第1情報端末10および第2情報端末20の構成を示すブロック図である。第1情報端末10は、ユーザが携帯するスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの情報端末であり、本実施形態では、スマートフォンを例示して説明する。第1情報端末10は、図2に示すように、カメラ11と、ディスプレイ12と、入力部13と、記憶部14と、演算部15とを有する。
【0012】
カメラ11は、必要に応じて、ユーザの顔画像を撮像することでユーザの顔情報を取得したり、ユーザの個人情報が記載されたカードなどを撮像することでユーザの個人情報を取得したりすることができる。ディスプレイ12は、ユーザの個人情報を含む第1情報コード41を画面に表示する。入力部13は、ユーザが個人情報を登録するために操作する。記憶部14は、ユーザの個人情報を記憶するとともに、本実施形態に係る個人情報提供処理を行うためのプログラムを記憶する。演算部15は、記憶部14に記憶されているプログラムを実行することで、ユーザの2以上の個人情報を含む第1情報コード41を登録する情報コード登録機能と、登録した第1情報コードを提示するための情報コード提示機能とを実現する。なお、上記プログラムは、第1情報端末10において、アプリケーションまたはアプリ形式で実行することができる。以下に、第1情報端末10の各機能について説明する。
【0013】
第1情報端末10の情報コード登録機能は、ユーザの2以上の個人情報を含む第1情報コード41を生成し、生成した第1情報コード41を記憶部14に記憶する。ここで、第1情報コード41に含まれる個人情報は、特に限定されないが、ユーザの識別番号(マイナンバー)、ユーザの氏名、住所、パスポート番号、口座番号、運転免許証番号、社会保険番号、誕生日、誕生地、旧姓などの文字情報や、顔画像、指紋情報、虹彩情報、掌形、網膜、血管、音声、耳形などの生体情報などが例示される。なお、第1実施形態において、第1情報コード41は、ユーザが利用するサービスで必要とする個人情報よりも多い個人情報を含むものとする。
【0014】
第1情報端末10の情報コード提示機能は、情報コード登録機能により登録された、ユーザの2以上の個人情報を含む第1情報コード41を提示する。具体的に、情報コード提示機能は、予め作成した第1情報コード41を記憶部14から取得し、取得した第1情報コード41をディスプレイ12の画面に表示することで、ユーザの2以上の個人情報を含む第1情報コード41を提示する。
【0015】
ここで、本実施形態に係る第1情報コード41について説明する。図3は、第1情報コード41の一例を示す図である。本実施形態では、3色以上の色の情報セルから構成されるカラーQRコードを用いる構成を例示するが、この構成に限定されず、格子状に配列された、白および黒の情報セルから構成されるQRコード(登録商標)や、バーコードなどであってもよい。
【0016】
図3に示すように、第1情報コード41は、情報を表示する単位となる2色以上の色付きの情報セル402から構成される情報コード領域401と、情報セル402の色を識別するため、情報セル402と同色であり、かつ、情報セル402と同じ色数の教師セル404を有する教師コード領域403と、切り出しシンボル405と、を有した方形状の二次元コードである。
【0017】
特に、第1情報コード41は、情報セル402の色の識別精度を高めるために、教師コード領域403に複数の教師セル404を有している。教師セル404の色の種類と、情報セル402の色の種類とは一致しており、教師セル404の色と情報セル402の色とを比較することで、情報セル402の色を高い精度で識別することが可能となっている。特に、カラーQRコードでは、色の種類が増えるほど、各色の色相が近くなるため、照明などの光環境、第1情報コード41の印刷環境、第1情報コード41のディスプレイなどへの表示環境、印刷した第1情報コード41の経年による退色などによっては情報セル402の色を適切に識別することが困難となる場合がある。このような場合でも、教師セル404を参照して、情報セル402の色を識別することで、情報セル402の情報を適切に把握することができる。たとえば、情報セル402の色情報が、紫がかっており、赤色に類似しているか、青色に類似しているかを識別することが困難な場合に、紫色の教師セル404の色情報よりも赤色に近い色情報である場合には、当該情報セル402の色は赤色であると判断することができる。なお、色情報は、RGB値やCMY値として数値化することができる。
【0018】
情報コード領域401は、情報単位である情報セル402の表示パターンを変えることで、一定容量の文字情報および/またはバイナリ情報からなる特定情報を記録することができる。情報コード領域401が記録する特定情報の内容は、特に限定されないが、本実施形態では、生体認証用の生体認証情報を含む個人情報を記憶することができる。個人情報としては、生体認証情報に加えて、携帯電話番号、マイナンバー、パスポート番号、口座番号、運転免許証番号、名前、社会保険番号、誕生日、誕生地、旧姓などの情報を含めることができる。また、生体認証情報としては、顔画像、指紋情報、虹彩情報、掌形、網膜、血管、音声、耳形などを含めることができる。
【0019】
なお、第1情報コード41では、特定情報が記録される情報コード領域401は、3色以上の情報セル402から構成され、白色および黒色の2色から構成される情報コードと比べて、記録できる情報量が大きくなっている。しかしながら、第1情報コード41に記憶できるデータ容量は、他の記録媒体と比べて少ないため、顔認証が可能な程度の解像度で顔全体の画像を記録する場合、4色の情報セル402から構成される情報コード領域401でも記憶容量が足りなくなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態に係る情報コード40では、利用者の顔全体ではなく、利用者の目や口など、顔認証において特徴点となる顔の一部位だけを顔認証用の顔画像として記憶しておくことで、第1情報コード41に顔認証用の顔画像を記録することが可能となる。
【0020】
次に、本実施形態に係る第2情報端末20について説明する。第2情報端末20は、サービスを提供するサービス提供者が保有するスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパスコン、POS端末、専用端末などの情報端末であり、本実施形態では、専用端末を例示して説明する。第2情報端末20は、図2に示すように、カメラ21と、ディスプレイ22と、入力部23と、記憶部24と、演算部25とを有する。カメラ21は、第1情報端末10に表示される個人情報を含む第1情報コード41を読み取る。ディスプレイ22は、ユーザの個人情報を画面に表示する。入力部23は、ユーザが第2情報端末20に提供を許可する個人情報を設定するための操作を行う。記憶部24は、本実施形態に係る個人情報提供のためのプログラムを記憶する。演算部25は、記憶部24に記憶されているプログラムを実行することで、ユーザが提供を許可する個人情報を設定する設定機能と、第1情報端末10により提示された第1情報コード41から個人情報を取得する個人情報取得機能と、個人情報の表示を制御する表示制御機能とを実現する。なお、上記プログラムは、第2情報端末20において、アプリケーションまたはアプリ形式で実行することができる。以下に、第2情報端末20の各機能について説明する。
【0021】
第2情報端末20の設定機能は、ユーザが第2情報端末20(サービス提供者)に提供を許可する個人情報を設定する。本実施形態において、設定機能は、図4に示すように、提供を許可する個人情報を設定するための画面をディスプレイ22に表示することで、ユーザに、第2情報端末20(サービス提供者)に提供を許可する個人情報を設定させることができる。たとえば、図4に示す例では、ディスプレイ22は、入力部23であるタッチパネルを兼用しており、ユーザがタッチパネルをタッチすることで、提供を許可する個人情報をオン/オフで設定することができる。たとえば、図4に示す例では、氏名、生年月日、性別、マイナンバーの個人情報が提供を許可する個人情報として設定されており、銀行口座番号、クレジットカード番号、運転免許証番号の個人情報が提供を許可する個人情報から除外されている。
【0022】
第2情報端末20の個人情報取得機能は、第1情報端末10により提示された第1情報コード41を読み取り、第1情報コード41に含まれる個人情報を取得する。特に、第1実施形態において、個人情報取得機能は、第1情報コード41に含まれる2以上の個人情報の中から、設定機能により、ユーザが提供を許可した個人情報のみを取得する。
【0023】
第2情報端末20の表示制御機能は、個人情報取得機能により取得された個人情報の表示を制御する。具体的に、第1実施形態では、個人情報取得機能により、ユーザが提供を許可した個人情報のみが取得されるため、表示制御機能は、個人情報取得機能が取得した個人情報(たとえば、図4に示す例では、氏名、生年月日、性別、マイナンバーの個人情報)をそのまま全て、ディスプレイ22に表示させる。
【0024】
次に、第1実施形態に係る個人情報提供処理について説明する。図5は、第1実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。なお、図5に示す個人情報提供処理は、行政サービス、医療サービス、レンタカーサービスなどの各種サービスを利用するために、ユーザが個人情報をサービス提供者に提供する処理である(後述する第2~4実施形態でも同様。)。以下においては、個人情報提供処理を行う前に、第1情報端末10の情報コード登録機能により、ユーザの2以上の個人情報(ユーザが利用するサービスで必要な個人情報および不要な個人情報を含む)を含む第1情報コード41が記憶部14に予め記憶されているものとする。
【0025】
ステップS101では、第1情報端末10において本人認証が行われる。たとえば、第1情報端末10は、アプリケーションまたはアプリを立ち上げると、まず、カメラ11によりユーザの顔の撮像が行われ、撮像した顔画像に基づいて顔認証が行われる。なお、顔認証の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。また、顔認証に必要な顔情報は、予めカメラ11により撮像しておき、記憶部14に記憶しておくことができる。
【0026】
そして、ステップS102では、第1情報端末10において、顔認証ができたか否かの判定が行われる。顔認証が成功した場合には、ステップS103に進む。一方、顔認証ができなかった場合には、ステップS108に進み、第1情報端末10のディスプレイ12にエラーメッセージが表示された後、図5に示す個人情報提供処理は終了する。
【0027】
ステップS103では、第2情報端末20の設定機能により、ユーザが提供を許可する個人情報が設定される。たとえば、ユーザは、図4に示すように、入力部23を兼ねるタッチパネルを操作し、第1情報コード41に含まれる2以上の個人情報のうち、ユーザが第2情報端末20に提供を許可する個人情報をタッチすることで、ユーザが提供を許可する個人情報を設定することができる。
【0028】
ステップS104では、第1情報端末10の情報コード提示機能により、個人情報を含む第1情報コード41の提示が行われる。本実施形態では、第1情報端末10は、2以上の個人情報を含む第1情報コード41を予め記憶部14に記憶しており、情報コード提示機能は、記憶部14に記憶している第1情報コード41を取得し、ディスプレイ12に表示することができる。なお、第1情報コード41に含まれる個人情報には、ステップS103で提供が許可された個人情報だけではなく、提供が許可されていない個人情報も含まれる。
【0029】
ステップS105では、第2情報端末20の個人情報取得機能により、ステップS104において第1情報端末10が提示する第1情報コード41が読み取られる。たとえば、個人情報取得機能は、カメラ21を起動し、ユーザが第1情報端末10のディスプレイ12に表示した第1情報コード41をカメラ21に撮像させることで、第2情報端末20に第1情報コード41を読み取らせることができる。
【0030】
ステップS106では、第2情報端末20の個人情報取得機能により、ステップS105で読み取った第1情報コード41から、ユーザの個人情報が取得される。特に、本実施形態において、個人情報取得機能は、ステップS103で設定された個人情報の設定情報に基づいて、第2情報端末20に提供が許可された個人情報のみを、第1情報コード41から取得する。すなわち、第1情報コード41には、ユーザが提供を許可していない個人情報も含まれる場合があるが、個人情報取得機能は、ステップS103で設定された個人情報の設定情報に基づいて、これら2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可した個人情報のみを取得する。
【0031】
ステップS107では、第2情報端末20の表示制御機能により、ステップS106で取得された個人情報がディスプレイ22に表示される。ここで、ステップS106では、ユーザにより表示が許可された個人情報のみが取得されるため、このステップS107では、ユーザにより表示が許可された個人情報のみが表示され、サービス利用者に提供されることとなる。そして、図5に示す個人情報提供処理は終了する。
【0032】
以上のように、第1実施形態に係る個人情報提供システム1は、第1情報端末10と、第2情報端末20と、を有し、第1情報端末10のユーザの個人情報を、第2情報端末20に提供する個人情報提供システム1であって、第1情報端末10は、2以上の個人情報を含む第1情報コード41を提示し、第2情報端末20は、第1情報コード41に含まれる2以上の個人情報の中から、ユーザが提供を許可する個人情報を設定する設定機能と、第1情報端末10により提示された第1情報コード41に含まれる2以上の個人情報のうち、ユーザが提供を許可した個人情報のみを表示する。これにより、第1実施形態に係る個人情報提供システム1では、たとえば、ユーザが、行政サービスを受ける場合には、住所、顔画像、氏名など、行政サービスで利用する個人情報のみを提供するように第2情報端末20で設定することで、第2情報端末20において、第1情報端末10が提示する第1情報コード41に含まれるユーザの個人情報のうち、ユーザが提供を許可した、行政サービスで利用する個人情報のみが取得され、行政サービスで利用しない個人情報を行政サービスの提供者に提供してしまうことを有効に防止することができる。また、本実施形態では、オフラインの場合でも、必要な個人情報を提示して、ユーザの認証や、個人情報を使用したサービスの提供を行うことができる。そのため、たとえば、インターネット環境や個人認証制度が整っていない国においても、第1実施形態に係る個人情報提供システム1を用いて、第1情報端末10から第2情報端末20に必要な個人情報を提供することで、ユーザの認証や、個人情報を使用したサービスの提供を行うことができる。
【0033】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る個人情報提供システム1について説明する。第2実施形態に係る個人情報提供システム1は、第1実施形態と同様の構成を有しており、以下に説明すること以外は、第1実施形態に係る個人情報提供システム1と同様に動作する。
【0034】
第2実施形態において、第1情報端末10の演算部15は、第1実施形態の機能に加えて、第1情報端末10において、ユーザが提供を許可する個人情報を設定するための設定機能を有する。具体的に、設定機能は、第1情報端末10のディスプレイ12に、図4に示すように、ユーザが第2情報端末20に提供を許可する個人情報を設定するための画面を表示する。これにより、ユーザは、ディスプレイ12とともに入力部13を兼ねるタッチパネルを操作して、ユーザが提供を許可する個人情報を設定することができる。なお、設定機能を実行するためのプログラムは、第1情報端末10において、アプリケーションまたはアプリ形式で実行することができる。一方、第2実施形態において、第2情報端末20の演算部25は、第1実施形態の機能のうち、ユーザが提供を許可する個人情報を設定するための設定機能を有しない構成とすることができる。
【0035】
次に、第2実施形態に係る個人情報提供処理について説明する。図6は、第2実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。なお、ステップS201,S202,およびS208は、第1実施形態のステップS101,S102,およびS108と同様であるため、その説明は割愛する。
【0036】
ステップS203では、ユーザが第1情報端末10を操作することで、第1情報端末10の設定機能により、第2情報端末20に提供を許可する個人情報の設定が行われる。具体的には、設定機能は、まず、図4に示すように、第1情報端末10のディスプレイ12に、第2情報端末20に提供を許可する個人情報を設定するための設定画面を表示する。ユーザは、入力部13を兼ねるタッチパネルを操作して、ディスプレイ12に表示された2以上の個人情報のうち、ユーザが提供を許可する個人情報を設定することができ、ユーザにより提供を許可する個人情報が選択されると、設定機能は、選択された個人情報を、第2情報端末20に提供を許可する個人情報として取得する。
【0037】
ステップS204では、第1情報端末10の情報コード提示機能により、第1情報コード41の作成および提示が行われる。具体的には、情報コード提示機能は、ステップS203で設定された、提供が許可された個人情報のみを含む第1情報コード41を作成し、作成した第1情報コード41を、ディスプレイ12に表示させる。
【0038】
ステップS205では、第2情報端末20の個人情報取得機能により、ステップS204で提示された第1情報コード41が読み取られ、続くステップS206では、個人情報取得機能により、ステップS205で読み取った第1情報コード41からユーザの個人情報が取得される。ここで、第2実施形態において、第1情報コード41は、ユーザの個人情報として、ユーザが提供を許可する個人情報のみを含むため、個人情報取得機能は、第1情報コード41に含まれる全ての個人情報を、ユーザが提供を許可する個人情報として取得することができる。そして、ステップS207では、第2情報端末20の表示制御機能により、ステップS206で取得した、ユーザが提供を許可する個人情報が、ディスプレイ22に表示される。上述したように、第2実施形態では、第1情報コード41に、ユーザが提供を許可した個人情報のみが含まれるため、ステップS207では、ユーザが提供を許可する個人情報のみが、サービス提供者に提供されることとなる。
【0039】
以上のように、第2実施形態に係る個人情報提供システム1では、第1情報端末10により、ユーザが提供を許可する個人情報を設定し、提供が許可された個人情報のみを含む第1情報コード41を提示するため、第2情報端末20は、第1情報端末10により提示された第1情報コードに含まれる個人情報をそのまま全て表示することで、ユーザが提供を許可する個人情報のみを、第2情報端末20(あるいはサービス提供者)に提供することができる。特に、第2実施形態において、ユーザは、第1情報端末10のみを操作すればよいため、ユーザの利便性の向上を図ることもできる。
【0040】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る個人情報提供システム1について説明する。第3実施形態に係る個人情報提供システム1も、第1実施形態に係る個人情報提供システム1と同様の構成を有しており、以下に説明すること以外は、第1実施形態に係る個人情報提供システム1と同様に動作する。
【0041】
第3実施形態に係る第1情報端末10において、記憶部14は、第2情報端末20が提供するサービスで必要となる1または2以上の個人情報を含む第1情報コード41を、上記サービスを示すサービス情報と関連付けて、サービスごとに記憶している。たとえば、記憶部14は、行政サービス情報に関連付けて、行政サービスで必要となる住所、顔画像、氏名などの個人情報を含む第1情報コード41を記憶するとともに、医療サービス情報に関連付けて、医療サービスで必要となる健康保険証番号などの個人情報を含む第1情報コード41を記憶し、また、レンタカーサービス情報に関連付けて、レンタカーサービスで必要となる運転免許証番号などの個人情報を含む第1情報コード41を記憶する構成とすることができる。
【0042】
また、第3実施形態に係る第1情報端末10において、演算部15の情報コード登録機能は、サービスごとに、当該サービスで利用する1または2以上の個人情報を含む第1情報コード41を作成し、上記サービスを示すサービス情報と関連付けて、記憶部14に記憶する。たとえば、上記の例において、情報コード登録機能は、行政サービスで必要となる住所、顔画像、氏名などの個人情報を含む第1情報コード41を作成し、行政サービス情報に関連付けて記憶部14に記憶し、また、医療サービスで必要となる健康保険証番号などの個人情報を含む第1情報コード41を作成し、医療サービス情報に関連付けて記憶部14に記憶し、さらに、レンタカーサービスで必要となる運転免許証番号などの個人情報を含む第1情報コード41を作成し、レンタカーサービス情報に関連付けて記憶部14に記憶することができる。
【0043】
また、第3実施形態において、演算部15の情報コード提示機能は、ユーザが利用するサービスに対応する第1情報コード41を提示することができる。たとえば、情報コード提示機能は、図7に示すように、ユーザが利用したいサービスを選択する画面を、ディスプレイ12に表示する。ユーザは、入力部13を兼ねるタッチパネルを操作して、ディスプレイ12に表示された複数のサービスのうち、ユーザが利用したいサービスを選択することができ、ユーザによりサービスが選択されると、情報コード提示機能は、記憶部14に記憶された複数の第1情報コード41の中から、選択されたサービスに対応する第1情報コード41をディスプレイ12に表示させる。なお、図7は、第3実施形態におけるサービスの選択画面の一例を示す図である。
【0044】
次に、図8を参照して、第3実施形態に係る情報コード登録処理について説明する。図8は、第3実施形態に係る情報コード登録処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る情報コード登録処理は、ユーザにより、第1情報端末10を用いて行われる。
【0045】
ステップS301では、第1情報端末10の情報コード登録機能により、2以上の個人情報の登録が行われる。たとえば、情報コード登録機能は、ユーザが個人情報を登録するための画面をディスプレイ12に表示し、入力部13を介して、ユーザに個人情報を入力させる構成とすることができる。登録された個人情報は、第1情報端末10の記憶部14に記憶される。
【0046】
ステップS302では、情報コード登録機能により、ユーザが利用するサービスの登録が行われる。たとえば、情報コード登録機能は、ユーザが利用するサービスを登録するための画面をディスプレイ12に表示し、ユーザに利用するサービスを入力させる構成とすることができる。登録された利用サービスの情報は、第1情報端末10の記憶部14に記憶される。
【0047】
ステップS303では、情報コード登録機能により、ステップS302で登録したサービスごとに、ステップS301で登録した2以上の個人情報のうち、当該サービスで使用する個人情報のみを含む第1情報コード41が作成され、記憶部14に記憶される。たとえば、情報コード登録機能は、まず、ステップS302で登録したサービスのうち、第1情報コード41を作成するサービスを選択するための画面をディスプレイ12に表示し、ユーザに、第1情報コード41を作成するサービスを選択させる。次いで、情報コード登録機能は、ステップS301で登録した個人情報のうち、ユーザが選択したサービスで使用する個人情報を選択させるための画面をディスプレイ12に表示し、ユーザに、ユーザが選択したサービスで使用する個人情報を選択させる。これにより、情報コード登録機能は、サービスごとに、当該サービスで使用する個人情報を把握することでき、当該サービスで使用する個人情報のみを含む第1情報コードを作成し、記憶部14に記憶することができる。
【0048】
次に、第3実施形態に係る個人情報提供処理について説明する。図9は、第3実施形態に係る個人情報登録処理を示すフローチャートである。なお、ステップS401,S402,およびS408は、第1実施形態のステップS101,S102,およびS108と同様であるため、その説明は割愛する。
【0049】
ステップS403では、第1情報端末10の情報コード提示機能により、ユーザが利用するサービスのサービス情報が取得される。具体的には、情報コード提示機能は、図7に示すように、ディスプレイ12に、ユーザが利用するサービスを選択するための画面を表示することができる。ユーザは、入力部13を兼用したタッチパネルを操作して、ディスプレイ12に表示された複数のサービスのうち、ユーザが利用するサービスを選択することができ、ユーザによりサービスが選択されると、情報コード提示機能は、選択されたサービスを示すサービス情報を取得する。
【0050】
ステップS404では、情報コード提示機能により、ステップS403で取得されたサービス情報に対応する第1情報コード41が提示される。第4実施形態では、記憶部14に、サービス情報に関連付けて、当該サービスで使用する個人情報のみを含む第1情報コード41が予め記憶されているため、情報コード提示機能は、記憶部14から、ステップS404で取得したサービス情報に対応する第1情報コード41を取得し、ディスプレイ12に表示する。
【0051】
そして、ステップS405では、第2情報端末20の個人情報取得機能により、第1情報端末10により提示された第1情報コード41が読み取られ、ステップS406では、個人情報取得機能により、読み取った第1情報コード41を含む個人情報が取得されることとなる。そして、ステップS407では、第2情報端末20の表示制御機能により、ステップS406で取得した個人情報が、ディスプレイ22に表示されることとなる。このように、第3実施形態において、第2情報端末20が読み取る第1情報コード41は、ユーザが利用するサービスで必要とする個人情報を含む情報コードであるため、ユーザが利用するサービスに必要な個人情報のみが、第2情報端末20(サービス提供者)に提供されることとなる。
【0052】
以上のように、第3実施形態において、第1情報端末10は、サービスごとに必要な個人情報のみを含む第1情報コード41を、サービスを示すサービス情報と関連付けてサービスごとに複数記憶しており、ユーザが利用するサービスのサービス情報を取得し、当該サービス情報に基づいて、当該サービス情報に対応する第1情報コード41を提示する。そして、第2情報端末20は、第1情報端末10により提示された第1情報コード41に含まれる個人情報を表示する。これにより、第3実施形態に係る個人情報提供システム1は、ユーザが利用するサービスで必要する個人情報のみを、第2情報端末20(あるいはサービス提供者)に提供することが可能となる。
【0053】
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図10は、第4実施形態に係る個人情報提供システム1aを示す構成図である。図10に示すように、第4実施形態では、第1情報端末10aおよび第2情報端末20aに加えて、第1情報端末10aおよび第2情報端末20aと通信可能なサーバー30とを有している。なお、第1情報端末10aおよび第2情報端末20aは、図10に示すように、インターネット回線2などを利用したネットワーク通信が利用可能な環境においては、第1情報端末10aと、第2情報端末20aと、サーバー30とが無線通信または有線通信により、互いに情報の授受を行うことができる。
【0054】
図11は、第4実施形態に係る第1情報端末10aおよび第2情報端末20aを示す構成図である。第4実施形態に係る第1情報端末10aは、第1実施形態と同様に、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの情報端末であり、本実施形態においても、スマートフォンを例示して説明する。第1情報端末10aは、図11に示すように、通信部16を有しており、インターネット回線2を介して、ネットワーク通信が可能となっている。また、第4実施形態に係る第1情報端末10aにおいて、演算部15の情報コード提示機能は、通信部16を介してネットワーク通信が可能であるか否かに応じて、異なる情報コードを提示する。具体的に、情報コード提示機能は、ネットワーク通信が可能なオンラインの場合には、ユーザを識別するための識別情報およびユーザが利用するサービスを示すサービス情報を含む第2情報コード42を提示し、一方、ネットワーク通信が不可能なオフラインの場合には、ユーザの個人情報を含む第1情報コード41を提示する。
【0055】
また、第4実施形態において、第2情報端末20aも、第1情報端末10aと同様に、通信部26を有する。なお、第4実施形態において、第2情報端末20aは、第1実施形態と同様に、サービス提供者が保有するスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパスコン、POS端末、専用端末などの情報端末であり、本実施形態では、スマートフォンを例示して説明する。通信部26は、ネットワーク通信が利用可能な環境において、サーバー30と通信することで、インターネット回線2を介して、サーバー30から、サーバー30に記憶されているユーザの個人情報を受信することができる。また、第4実施形態に係る第2情報端末20aにおいて、演算部25の個人情報取得機能は、オフラインの場合には、第1情報端末10aが提示する第1情報コード41から個人情報を取得し、一方、オンラインの場合には、第1情報端末10aが提示する第2情報コード42からユーザの識別情報およびサービス情報を取得し、取得したユーザの識別情報およびサービス情報をサーバー30に送信することで、サーバー30から、送信したユーザの識別情報およびサービス情報に対応する個人情報を取得する。
【0056】
サーバー30は、インターネット回線2上に設置されており、少なくとも第2情報端末20aと通信が可能となっている。サーバー30は、図示しないデータベースを有しており、このデータベースに、各サービスで必要な各ユーザの個人情報を、サービスごと、ユーザごとに記憶している。すなわち、ユーザの個人情報は、ユーザの識別情報およびサービス情報をキーとして記憶されており、サーバー30は、第2情報端末20aからユーザの識別情報およびサービス情報を取得することで、取得したユーザの識別情報およびサービス情報に基づいて、当該ユーザが利用するサービスで必要な個人情報のみを、第2情報端末20aに提供することができる。
【0057】
次に、第4実施形態に係る個人情報提供処理について説明する。図12は、第4実施形態に係る個人情報提供処理を示すフローチャートである。なお、ステップS501,S502,およびS508は、第1実施形態のステップS101,S102,およびS108と同様であるため、その説明は割愛する。また、以下においては、個人情報提供処理を行う前に、第1情報端末10の情報コード登録機能により、ユーザの2以上の個人情報(ユーザが利用するサービスで必要な個人情報および不要な個人情報を含む)を含む第1情報コード41およびユーザを識別するための識別情報が記憶部14に予め記憶されているものとする。
【0058】
ステップS503では、第1情報端末10aの情報コード提示機能により、オフラインであるか否かの判断が行われる。なお、オフラインであるか否かの判断は、公知の方法を用いることができる。オフラインである場合は、ステップS504に進み、オンラインである場合には、ステップS509に進む。
【0059】
ステップS504~S508では、オフラインであるため、第1実施形態と同様の方法で、第2情報端末20aに個人情報が提供される。すなわち、ユーザは、第2情報端末20aを用いて、ユーザが提供を許可する個人情報を設定し(ステップS504)、第1情報端末10aを用いて、ユーザの2以上の個人情報を含む第1情報コード41を提示する(ステップS505)。これにより、第2情報端末20aにおいて、第1情報コード41が読み取られ(ステップS506)、第1情報コード41に含まれる個人情報のうち、提供が許可された個人情報のみが取得され(ステップS507)、第2情報端末20aのディスプレイ22に提供が許可された個人情報のみが表示される(ステップS508)。
【0060】
一方、ステップS509~S515では、オンラインであるため、第2情報端末20aは、サーバー30から個人情報を取得し表示する。具体的には、まず、ステップS509では、第1情報端末10の情報コード提示機能により、図9のステップS403と同様に、ユーザが利用するサービスを示すサービス情報が取得される。そして、ステップS510では、情報コード提示機能により、ユーザの識別情報およびサービス情報を含む第2情報コード42が提示される。すなわち、情報コード提示機能は、記憶部14に記憶したユーザの識別情報と、ステップS509で取得したサービス情報に基づいて、ユーザの識別情報およびサービス情報を含む第2情報コード42を作成し、ディスプレイ22に表示させる。
【0061】
次いで、ステップS511では、第2情報端末20aの個人情報取得機能により、ステップS510で提示された第2情報コード42の読み取りが行われ、ステップS512では、個人情報取得機能により、ステップS511で読み取った第2情報コード42からユーザの識別情報およびサービス情報が取得される。そして、ステップS513では、個人情報取得機能により、ステップS512で取得したユーザの識別情報およびサービス情報がサーバー30に送信される。
【0062】
ステップS514では、サーバー30により、ステップS513で第2情報端末20から受信したユーザの識別情報およびサービス情報に基づいて、当該サービスに必要とする、当該ユーザの個人情報がデータベースから抽出され、第2情報端末20aへと送信される。これにより、第2情報端末20aの個人情報取得機能は、サーバー30から、ユーザが利用するサービスで必要とする、当該ユーザの個人情報を取得することができる。そして、ステップS515では、第2情報端末20aの情報表示機能により、ステップS514でサーバー30から取得した個人情報が、ディスプレイ22に表示される。なお、サーバー30から第2情報端末20aに送信される個人情報としては、第1情報コード41に含まれる個人情報と同一の個人情報を含めるとともに、顔全体の画像など、第1情報コード41の記憶容量では記憶できないようなデータ容量の大きい個人情報を含めることができる。
【0063】
以上のように、第4実施形態に係る個人情報提供システム1aでは、第1情報端末10aと、第2情報端末20aと、サーバー30と、を有し、オフラインの場合には、ユーザが、第2情報端末20に提供を許可する個人情報を設定するとともに、第1情報端末10aにおいて個人情報を含む第1情報コード41を提示することで、サービス提供者は、第2情報端末20において、ユーザが提供を許可する個人情報を取得することができる。また、オンラインの場合には、ユーザが、第1情報端末10を用いて、ユーザが利用するサービスを選択し、ユーザの識別情報とサービス情報とを含む第2情報コード42を提示することで、サービス提供者は、第2情報端末20において、ユーザの識別情報とサービス情報とを取得し、取得したユーザの識別情報とサービス情報に基づいて、サーバー30から、ユーザが利用するサービスに必要とする、当該ユーザの個人情報のみを取得することができる。このように、第4実施形態でも、ユーザが提供を許可したユーザの個人情報、または、サービスに必要とされるユーザの個人情報のみが、サービス提供者に提供されるため、サービスとは関係の個人情報まで提供されてしまうことを有効に防止することができる。また、第4実施形態に係る個人情報提供システム1aでは、オンラインの場合には、サーバー30から、ユーザの個人情報を取得することができるため、第1情報コード41で記憶できない記憶容量の大きい個人情報を、サービス提供者に提供することもできる。たとえば、ユーザの顔画像が、データ容量の関係で、第1情報コード41に記憶させることができない場合でも、オンラインの場合には、サーバーからユーザの顔情報を提供することで、サービス提供者は、ユーザの顔画像から、目の前にいるユーザが、個人情報のユーザと同一人であるかを確認することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
たとえば、上述した第1実施形態では、第2情報端末20において、第2情報端末20に提供する個人情報を設定する構成を例示したが、この構成に限定されず、第2情報端末20が、サービスに必要な個人情報に関する情報を有しており、第1情報端末10が提示する第1情報コード41から、サービスに必要な個人情報のみを自動で取捨選択する構成とすることができる。たとえば、第2情報端末20の演算部15の表示制御機能は、サービスを提供するために必要な個人情報の種別を記憶部24から取得することで、第1情報端末10から読み取った第1情報コード41から、サービスの提供に必要な個人情報のみを取得する構成とすることができる。
【0066】
また、上述した第1実施形態においては、第2情報端末20でユーザの個人情報を取得する際に、ユーザが提供を許可する個人情報のみを取得することで(ステップS106)、ユーザが提供を許可した個人情報のみを表示する(ステップS107)構成を例示したが、この構成に限定されず、第2情報端末20でユーザの個人情報を取得する際に、第1情報コード41に含まれる全ての個人情報を取得し、ユーザの個人情報を表示する際に、ユーザが提供を許可した個人情報のみを表示する構成とすることもできる。
【0067】
さらに、上述した第4実施形態では、オフラインの場合に、第2情報端末20が、第1情報端末10から第2情報コード42を読み取り(ステップS511)、第2情報コード42に含まれるユーザ識別情報および利用シーン情報をサーバー30に送信する(ステップS513)構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、第1情報端末10がユーザ識別情報および利用シーン情報をサーバー30に送信することで、サーバー30が顔画像などの個人情報を、第2情報端末20に提供する構成とすることもできる。
【0068】
加えて、上述した第1実施形態では、第1情報端末10は、第1情報コード41を予め記憶部14に記憶しておき、記憶部14に記憶する第1情報コード41をディスプレイ12に表示する構成を例示したが、これに限定されず、第1情報コード41を提示する度に、第1情報コード41を作成する構成とすることもできる。
【0069】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態では、ユーザが提供を許可する個人情報を設定する構成を例示したが、この構成に加えて、ユーザが、サービスを利用するために必要な個人情報の全てを、提供を許可する個人情報として設定していない場合には、エラーメッセージを出力しサービスの利用を停止する、または、ユーザにサービスに必要な個人情報を提供するように要望するメッセージを出力する構成とすることもできる。また、ユーザが、提供を許可する個人情報を設定する際に、サービスを提供するために必要な個人情報を把握できるように、サービスに必要な個人情報の欄の色を変える、必須入力項目とするなどの構成とすることができる。
【0070】
さらに、上述した第4実施形態では、オフラインである場合には、第1実施形態と同様に個人情報を提供する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、オフラインである場合に、第2実施形態または第3実施形態と同様に個人情報を提供する構成とすることができる。また、上述した第4実施形態では、第1情報端末10が通信部16を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、第1情報端末10が通信部16を有しない構成とすることができる。
【0071】
また、上述した第4実施形態では、オンラインの場合、第2情報端末20は、第2情報コード42を読み取り、第2情報コード42に含まれるユーザの識別情報およびサービス情報に基づいて、ユーザが利用するサービスで必要な全ての個人情報をサーバー30から取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、オンラインの場合でも、第2情報端末20は、第1情報コード41を読み取り、第1情報コード41に含まれるユーザの個人情報を取得するとともに、サーバー30から第1情報コード41に含めることができない大容量の個人情報を取得する構成とすることができる。この場合、第2情報端末20は、第1情報コード41に含まれるユーザの識別番号などに基づいて、サーバー30から当該ユーザの個人情報を取得することができる。
【0072】
さらに、上述した実施形態に加えて、第1情報端末10からユーザの個人情報を第2情報端末20に提供し、第2情報端末20において、ユーザの認証(ユーザの特定)を行う構成とすることもできる。なお、認証方法については、公知の方法を用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
1,1a…個人情報提供システム
10,10a…第1情報端末
11…カメラ
12…ディスプレイ
13…入力部
14…記憶部
15…演算部
16…通信部
20,20a…第2情報端末
21…カメラ
22…ディスプレイ
23…入力部
24…記憶部
25…演算部
26…通信部
30…サーバー
40~42…情報コード
401…情報コード領域
402…情報セル
403…教師コード領域
404…教師セル
405…切り出しシンボル
2…インターネット回線
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが利用するサービスに必要のない個人情報を、サービス提供者に提供してしまうことを有効に防止する個人情報提供システム、プログラム、および記録媒体を提供する。
【解決手段】第1情報端末10と、第1情報端末10とは異なる第2情報端末20と、を有し、第1情報端末10のユーザの個人情報を、第2情報端末20に提供する個人情報提供システムであって、第1情報端末10は、2以上の個人情報を含む第1情報コードを提示する提示手段15を有し、第1情報端末10または第2情報端末20はそれぞれ、第1情報コードに含まれる2以上の個人情報の中から、ユーザに提供を許可する個人情報を設定する設定手段(演算部15、演算部25)を有し、第2情報端末20は、第1情報端末10により提示された第1情報コードに含まれる2以上の個人情報のうち、提供が許可された個人情報のみを表示する表示制御手段(演算部25)と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12