(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】収容物回収システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/30 20230101AFI20240531BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240531BHJP
【FI】
G06Q10/30
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020010574
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】508125302
【氏名又は名称】株式会社増田喜
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】増田 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】土谷 秀靖
(72)【発明者】
【氏名】土谷 高歳
(72)【発明者】
【氏名】永村 猛
(72)【発明者】
【氏名】谷川 茂
(72)【発明者】
【氏名】山脇 文彦
(72)【発明者】
【氏名】横塚 順一
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128902(JP,A)
【文献】特開2005-242892(JP,A)
【文献】特開2005-198184(JP,A)
【文献】特表2016-505927(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300297(US,A1)
【文献】特開2004-083148(JP,A)
【文献】特開2017-027214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容体B内の収容物の量を測定する1又は複数のセンサと接続されて該センサと共に収容体Bに設置され、自身に付与されたシリアルナンバーに紐づけられた収容体Bの収容体ID情報
(該収容体Bの設置場所の位置情報を含む)を登録すると共に、該センサが測定した測定情報及び該測定情報から生成する各種信号を送信可能なマイコンBと、
マイコンBに付与された前記シリアルナンバー及び前記収容体Bの収容体ID情報をそのデータベースに登録すると共に、双方向に通信可能な専用アプリAppを配布するサーバーAと、
サーバーAのデータベースにそのユーザー名や携帯電話番号などの
ユーザーID情報及び固体識別番号及びパスワードを含むユーザー識別情報を登録して、専用アプリAppをダウンロードした画像化情報読取機能付きデバイスC(以下、単に「デバイスC」ともいう)とが、
通信ネットワークを介して情報の送受信が可能であり、
サーバーAは、登録した収容体BのマイコンBから受信した前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む収容体Bの情報(以下、「収容物情報」ともいう)をサーバーAのサイト(以下、「収容物情報掲載サイト」ともいう)に掲載し、
デバイスCが、専用アプリAppを介して、該収容物情報掲載サイトにアクセスし、該収容物情報を受信又は閲覧可能な収容物管理システムにおいて、
収容体Bは、その収容体ID情報を画像化した画像化情報が貼付され、
この収容体Bに設置されたマイコンBが、その収容物情報(前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)をサーバーAに送信し、
サーバーAは、
該画像化情報を前記収容体ID情報に紐づけてデータベースに記憶すると共に、マイコンBから受信する収容物情報を基に回収信号及び/又は回収依頼(以下、まとめて「回収情報」ともいう)を作成可能であり、
デバイスCは、
専用アプリAppを介して収容体Bの画像化情報を読取り可能であると共に、サーバーAから収容物情報および回収情報を受信または閲覧可能
であり、
デバイスCが、専用アプリAppを介して、サーバーAから特定の収容体Bの収容体ID情報と回収情報を受信し、
受信した収容体ID情報が含む位置情報から回収物を回収するべき収容体B(以下、「特定の収容体B」という。)の設置場所を特定し、
デバイスCを保持する回収者が設置場所に到着後、
その収容物を回収可能な収容物回収システムであって、
専用アプリAppを介して、サーバーAから特定の収容体Bの収容体ID情報と回収情報を受信した回収者のデバイスCが、
その設置場所と共に前記特定の収容体Bを特定し、
該特定の収容体B
に貼付された画像化情報を読み取って該デバイスCに保存し、及び/又は、該画像化情報をサーバーAに送信し、
サーバーAが、
該デバイスCから受信した該画像化情報
または、
サーバーAに接続された画像化情報読取手段により読取りした、該デバイスCに保存された該画像化情報を、
データベースに参照し、
該画像化情報を読取りしたデバイスCを、登録した固体識別番号から特定することができると共に、
該画像化情報に紐づけられた収容体Bを特定することができる、
収容物回収システム。
【請求項2】
前記ユーザー識別情報は、
デバイスCを所有又は正規に所持するユーザーの氏名(又は法人名)及び/又は電話番号及び/又はメールアドレス及び/又は振込口座アカウントを含むユーザーID情報と、所定のパスワードと、デバイスCの固体識別番号とを含む、請求項1に記載の収容物回収システム。
【請求項3】
前記マイコンBから収容物情報(
前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)を受信したサーバーAは、
該測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に前記収容物が前記収容体Bに満載されたと判断し、回収信号を生成する、請求項1に記載の収容物回収システム。
【請求項4】
前記収容物情報(
前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)は前記各種信号として回収信号を含み、
前記センサから測定情報を受信したマイコンBは、
測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に前記収容物が前記収容体Bに満載されたと判断し、該回収信号をサーバーAに送信する、請求項1に記載の収容物回収システム。
【請求項5】
サーバーAは、
マイコンBから受信した収容物情報から収容体Bの収容体ID情報を特定し、
少なくともその収容体Bの収容体ID情報と
回収信号を、
専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とする、
請求項3または請求項4に記載の収容物回収システム。
【請求項6】
サーバーAは、送信した前記回収信号を専用アプリAppを介して受信または閲覧してサーバーAに応答したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、回収依頼を送信する、
請求項5に記載の収容物回収システム。
【請求項7】
専用アプリAppを介して前記回収依頼を受信したデバイスCは、前記特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして自身に保存し、及び/又はサーバーAに送信する、
請求項6に記載の収容物回収システム。
【請求項8】
回収物計量手段及び画像化情報読取手段と接続されたサーバーAは、
前記収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして保存したデバイスCと共に運搬された回収物を該回収物計量手段により測定するとともに、保存された該デバイスCに表示された画像化情報を該画像化情報読取手段により読取りすることができ、
サーバーAが、読取りした画像化情報をデータベースに参照してこれに紐づけられた収容体Bを特定すると共に、該画像化情報を保存したデバイスCを、登録した
固体識別番号から特定することができる、
請求項7に記載の収容物回収システム。
【請求項9】
デバイスCは、サーバーAが送信する収容体Bの収容物の回収依頼を、専用アプリAppを介して受信可能であると共に、該収容体Bに貼付された画像化情報を読取りしてサーバーAに送信可能であり、
回収物計量手段と接続されたサーバーAは、
前記収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして送信したデバイスCと共に運搬・回収された収容物を該回収物計量手段により計量すると共に、該デバイスCから送信された画像化情報をデータベースに参照してこれに紐づけられた収容体Bを特定すると共に、該画像化情報を送信したデバイスCを、登録した
固体識別番号から特定することができる、
請求項7に記載の収容物回収システム。
【請求項10】
収容体Bは、パスワード入力手段を有し、前記マイコンBと電気的に接続された錠により施錠可能であり、該錠は、サーバーAが該マイコンBに送信する文字列のワンタイムパスワードと、該パスワード入力手段に打ち込まれた文字列とが一致すると開錠され、
デバイスCから送信された画像化情報から該デバイスCと収容体Bを特定したサーバーAが、該デバイスCと該収容体BのマイコンBに同一のワンタイムパスワードを送信し、
該デバイスCに送信されたワンタイムパスワードが該パスワード入力手段に打ち込まれて開錠された収容体Bから収容物が回収される、
請求項9に記載の収容物回収システム。
【請求項11】
運搬・回収された収容物を前記回収物計量手段が計量すると共に、デバイスCがサーバーAに前記ユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信し、
サーバーAは、
該所定のパスワードとその受信により得たデバイスCの固体識別番号とをデータベースに参照してデバイスCに紐づけられた前記ユーザー識別情報を特定し、
特定された該ユーザー識別情報のユーザーID情報が含む振込口座アカウントに、前記回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬・回収費用の決済を行う、
請求項8または請求項9に記載の収容物回収システム。
【請求項12】
サーバーAは、
前記運搬・回収費用の決済と共に、該決済の行われる前記振込口座アカウントに課金を行う、
請求項11に記載の収容物回収システム。
【請求項13】
請求項1に記載の収容物回収システムにおいて、
収容体Bは、
内部と外部とを画する壁面に囲繞され、該壁面に収容物を出し入れ可能な開口部を有しており、
電源と、
該電源と接続され、該内部又は該外部に設置されて、収容物の量の測定を含む各種測定を行って測定情報を収集する1又は複数のセンサと、
該電源と接続され、該センサが測定した時間を含む測定情報を受信可能であると共に、該測定情報を基に各種信号を生成可能なマイコンBと、
該電源と接続され、通信ネットワークと前記マイコンB間で情報の送受信が可能な送受信機と、
を備え、これらが有線又は無線で電磁気的に接続されており、
前記収容体ID情報を記憶した前記マイコンBが、通信ネットワークを介してサーバーAに、前記収容物情報(収容体ID情報、測定情報及び各種信号を含む)を送信可能である、収容物回収システム。
【請求項14】
前記収容体Bは、
左側面と右側面、天井面と底面、および正面と裏面により内部と外部が画され、これらの何れか1以上の面に収容物を出し入れ可能な開口部が設けられ、
少なくとも前記マイコンB及び前記送受信機が制御ボックスに収納されている、
請求項13に記載の収容物回収システム。
【請求項15】
請求項1に記載の収容物回収システムにおいて、
収容体Bは、
下端と上端を有する4本の鉛直フレームが、矩形の
底面の4隅に該下端を固定されて夫々鉛直に立設された直方体状
のフレーム体であり、
少なくとも
左側面と
右側面および
裏面には、該鉛直フレームの上端を水平に接続する上端水平フレームが配置されて
天井面を形成しており、
正面が解放されて、収容物を出し入れ可能な
開口部を構成する
フレーム体であって、
電源と、
該電源と接続され、該フレーム体の内部又は外部に設置されて、収容物の量の測定を含む各種測定を行って測定情報を収集する1又は複数のセンサと、
該電源と接続され、該センサが測定した時間を含む測定情報を受信可能であると共に、該測定情報を基に各種信号を生成可能なマイコンBと、
該電源と接続され、通信ネットワークと前記マイコンB間で情報の送受信が可能な送受信機と、
を備え、これらが有線又は無線で電磁気的に接続されており、
前記収容体ID情報を記憶した前記マイコンBが、通信ネットワークを介してサーバーAに、前記収容物情報(収容体ID情報、測定情報及び各種信号を含む)を送信可能である、収容物回収システム。
【請求項16】
少なくとも前記マイコンB及び前記送受信機が収納されている制御ボックスの収容容器が、前記左側面と前記右側面および/又は前記裏面に配置された前記上端水平フレームに固定され、前記天井面の上方に設置された、請求項15に記載の収容物回収システム。
【請求項17】
前記センサは超音波センサであり、超音波を該超音波センサの前方に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信する、請求項1又は
請求項13に記載の収容物回収システム。
【請求項18】
前記センサは、
超音波を該センサの前方に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信する超音波センサであり、
前記超音波センサは、両端に固定部を有する細板状の支持体に取り付けられた超音波センサ収納ボックスに埋め込まれており、
該支持体は、両端の固定部を前記左側面と前記右側面の上端水平フレームに着脱可能に固定して、該超音波センサが前記底面方向を向くように前記天井面に設置され、
該超音波センサが、前記底面方向に発射して反射した超音波を捕捉することにより、被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信する、
請求項15に記載の収容物回収システム。
【請求項19】
前記超音波センサは、両端に固定部を有する棒状又は板状の支持体に設置された超音波センサ収納ボックスに、該支持体と略直角方向に超音波を発射するように埋め込まれており、
該支持体は、両端の固定部を前記収容体Bの内部に着脱自在に装着可能であり、
該超音波センサが、その前方に発射して反射した超音波を捕捉することにより、被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信する、
請求項18に記載の収容物回収システム。
【請求項20】
前記センサは、上面と下面を有する天板の該下面に着脱自在に固定した1又は複数の重量センサであり、前記底面に載置された該天板と該底面間の圧力又は歪みを測定して、その測定値から換算された重量の測定情報を前記マイコンBに送信する、
請求項14又は請求項15に記載の収容物回収システム。
【請求項21】
左側面、右側面、天井面、底面、正面、裏面の何れか一面に同種類のセンサがN個(Nは自然数)配置された
請求項14又は請求項15に記載の収容体Bにおいて、
該収容体B内の空間をN個に分割したセルを夫々担当するようにN個のセンサが前記一面に配置された収容体Bであって、
前記N個のセンサが夫々の担当するセル内で測定を同時に行い、得られた測定情報を夫々の該センサが独立して前記マイコンBに送信する収容物回収システム。
【請求項22】
請求項1に記載の収容物回収システムにおいて、収容物を回収する方法であって、
(1)収容体Bに備えたマイコンBが、これに接続された1又は複数のセンサが測定した測定情報を、収容体ID情報及び/又は該マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号と共にサーバーAに送信するステップと、
(2)サーバーAが、前記マイコンBから受信した収容体Bの収容体ID情報及び/又は回収信号を、前記専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とするステップと、
(3)専用アプリAppを介して、前記回収信号を受信または閲覧したデバイスCが、サーバーAに応答信号を送信するステップと、
(4)応答信号を送信したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、サーバーAが回収依頼を送信するステップと、
(5)専用アプリAppを介して前記回収依頼を受信したデバイスCが、前記特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読取りしてデバイスC自身に保存及び/又はサーバーAに送信するステップと、
(6)サーバーAが、デバイスCから受信した画像化情報をデータベースに参照し、登録したユーザー識別情報
が含む固体識別番号から該デバイスCを特定するステップと、
(7)請求項9に記載の回収物計量手段と接続されたサーバーAが、前記回収依頼を受信したデバイスCと共に運搬・回収された収容物を該回収物計量手段により計量するステップと、
(8)デバイスCがサーバーAに前記ユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信するステップと、
(9)前記所定のパスワードの受信により得たデバイスCの固体識別番号と該所定のパスワードをデータベースに参照し、該デバイスCに紐づけられた前記ユーザー識別情報を特定したサーバーAが、該ユーザー識別情報のユーザーID情報が含む振込口座アカウントに、前記回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬費用の決済を行うステップと、
を含む、収容物回収方法。
【請求項23】
前記(1)サーバーAに送信するステップにおいて、
マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に生成する回収信号を含む、
請求項22に記載の収容物回収方法。
【請求項24】
前記(2)デバイスCに受信または閲覧可能とするステップにおいて、
前記回収信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、マイコンBが前記各種信号として生成した回収信号である、
請求項22に記載の収容物回収方法。
【請求項25】
前記(2)デバイスCに受信または閲覧可能とするステップにおいて、
前記回収信号は、マイコンBから受信した前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、サーバーAが生成した回収信号である、
請求項22に記載の収容物回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容物回収システムとその回収方法に関し、特にカートやコンテナなどの容器に収集する古紙、段ボールなどのリサイクル品回収システムとその回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CO2による温暖化や海洋におけるマイクロプラスチック等の環境問題が深刻化し、古紙やプラスチックなどのリサイクルによる対策はいよいよ遅滞を許さない状況である。環境資源のリサイクルに関しては様々なシステムが考案され、開示されている。一方で、近年のITC革命及びIоT革命に伴って、インターネットなどの通信網を活用したリサイクルシステムが多数考案され、あるいは開発されている。
【0003】
例えば特許文献1は、ボランティア古紙収集者の端末2と、古紙回収業者の端末3と、古紙回収管理者のコンピュータ1とをネットワークでつなぎ、このコンピュータに、ボランティア古紙収集者及び古紙回収業者に関する登録データを管理する登録者管理機能と、ボランティア古紙収集者の端末から送信された収集量や回収指定日時等のオーダーを受けて古紙回収業者を選択し、その端末に対して配車による回収に利便な情報の送信を行う回収管理機能をもたせる古紙回収管理システムを開示している。
【0004】
また、特許文献2は、限定された地域範囲に住所又は居所を有する個人宅・会社からの注文に応じて商品を配達する店舗の商品情報と、リサイクル品目毎の価値情報と、を管理する店舗毎のサーバー端末と、店舗毎のサーバー端末とインターネットのウェブサイトを介して情報の送受信が可能なクライアント端末と、を備えた限定された地域範囲における商品配達及びリサイクル品回収システムを開示している。この発明によれば、クライアント端末は、注文商品リスト情報、リサイクル品回収リスト情報、配達・回収希望時間帯情報、決済情報を入力する。サーバー端末は、注文商品のトータル購入金額およびリサイクル品のトータル交換ポイントを算出し、実際に回収できたリサイクル品目、数量あるいは重量を入力し、トータル購入金額からトータル交換ポイント分を減額した請求書を発行する。
【0005】
しかし、これらの回収システムは、通信網を活用したシステム構成について開示しているが、効率的で適切な回収物の管理容器やその管理方法については殆ど言及されていない。例えば、回収物を収容する管理容器にセンサやこれを管理するマイコン、送受信機等の機器を設置すると、回収物を収容する際にこれらの機器が邪魔になるため、これらの機器を保護しつつ回収物の妨げにならないように管理容器に設置する必要があるが、このような管理容器の構成や機器の設置態様については従来、具体的に考察されていなかった。したがって、現実に回収システムを構築するには、具体的な収容物の管理容器の構成やこれに設置するセンサの種類、センシングの方法や回収の判断等について考察する必要がある。
【0006】
一方で、近年の日本は人口の老齢化が進み、人手不足が大きな課題になっている。運送業者においても人手不足は深刻で、料金の値上げやドライバーの待遇改善が問題になっている。
【0007】
【文献】特許第5728734号公報
【文献】特開2003-288405号公報
【文献】特許第5632985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、各種センサやマイコンを簡易に低コストで効率的に設置可能な収容体に設置し、このマイコンをサーバー及び運送業以外の一般ユーザーのデバイスにもインターネットなどの通信網で接続可能とし、不特定のユーザーも収容体内の収容物を回収に参加できる収容物回収システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る収容物回収システム
本発明に係る収容物回収システムは、収容体B内の収容物の量を測定する1又は複数のセンサと接続されて該センサと共に収容体Bに設置され、自身に付与されたシリアルナンバーに紐づけられた収容体Bの収容体ID情報(該収容体Bの設置場所の位置情報を含む)を登録すると共に、該センサが測定した測定情報及び該測定情報から生成する各種信号を送信可能なマイコンBと、マイコンBに付与された前記シリアルナンバー及び前記収容体Bの収容体ID情報をそのデータベースに登録すると共に、双方向に通信可能な専用アプリAppを配布するサーバーAと、サーバーAのデータベースにそのユーザー名や携帯電話番号などのユーザーID情報及び固体識別番号及びパスワードを含むユーザー識別情報を登録して、専用アプリAppをダウンロードした画像化情報読取機能付きデバイスC(以下、単に「デバイスC」ともいう)とが、通信ネットワークを介して情報の送受信が可能であり、サーバーAは、登録した収容体BのマイコンBから受信した前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む収容体Bの情報(以下、「収容物情報」ともいう)をサーバーAのサイト(以下、「収容物情報掲載サイト」ともいう)に掲載し、デバイスCが、専用アプリAppを介して、該収容物情報掲載サイトにアクセスし、該収容物情報を受信又は閲覧可能な収容物管理システムにおいて、
収容体Bは、その収容体ID情報を画像化した画像化情報が貼付され、この収容体Bに設置されたマイコンBが、その収容物情報(前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)をサーバーAに送信し、サーバーAは、該画像化情報を前記収容体ID情報に紐づけてデータベースに記憶すると共に、マイコンBから受信する収容物情報を基に回収信号及び/又は回収依頼(以下、まとめて「回収情報」ともいう)を作成可能であり、
デバイスCは、専用アプリAppを介して収容体Bの画像化情報を読取り可能であると共に、サーバーAから収容物情報および回収情報を受信または閲覧可能であり、
デバイスCが、専用アプリAppを介して、サーバーAから特定の収容体Bの収容体ID情報と回収情報を受信し、受信した収容体ID情報が含む位置情報から回収物を回収するべき収容体B(以下、「特定の収容体B」という。)の設置場所を特定し、デバイスCを保持する回収者が設置場所に到着後、その収容物を回収可能な収容物回収システムであって、
専用アプリAppを介して、サーバーAから特定の収容体Bの収容体ID情報と回収情報を受信した回収者のデバイスCが、その設置場所と共に前記特定の収容体Bを特定し、該特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読み取って該デバイスCに保存し、及び/又は、該画像化情報をサーバーAに送信し、サーバーAが、該デバイスCから受信した該画像化情報または、サーバーAに接続された画像化情報読取手段により読取りした、該デバイスCに保存された該画像化情報を、データベースに参照し、該画像化情報を読取りしたデバイスCを、登録した固体識別番号から特定することができると共に、該画像化情報に紐づけられた収容体Bを特定することができる。
【0010】
[収容体ID情報]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記収容体ID情報は、マイコンBに予め付与されたシリアルナンバーと紐づけられており、収容体Bの設置場所の位置情報を含み得る。
[ユーザー識別情報]
【0011】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記ユーザー識別情報は、デバイスCを所有又は正規に所持するユーザーの氏名(又は法人名)及び/又は電話番号及び/又はメールアドレス及び/又は振込口座アカウントを含むユーザーID情報と、所定のパスワードと、デバイスCの固体識別番号とを含んでもよい。
【0012】
[回収信号]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記マイコンBから前記収容物情報(前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)を受信したサーバーAは、該測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に前記収容物が前記収容体Bに満載されたと判断し、回収信号を生成することができる。
【0013】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記収容物情報(前記収容体ID情報、前記測定情報、前記各種信号を含む)は前記各種信号として回収信号を含み、前記センサから測定情報を受信したマイコンBは、測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に前記収容物が前記収容体Bに満載されたと判断し、該回収信号をサーバーAに送信してもよい。
【0014】
[回収システム]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、サーバーAは、マイコンBから受信した収容物情報から収容体Bの収容体ID情報を特定し、少なくともその収容体Bの収容体ID情報と回収信号を、専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とするとすることができる。
【0015】
(回収信号→回収依頼)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、サーバーAは、送信した前記回収信号を専用アプリAppを介して受信または閲覧してサーバーAに応答したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、回収依頼を送信することができる。
【0016】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、専用アプリAppを介して前記回収依頼を受信したデバイスCは、前記特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして自身に保存し、及び/又はサーバーAに送信することができる。
【0017】
(回収物計量手段、画像化情報読取手段)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、回収物計量手段及び画像化情報読取手段と接続されたサーバーAは、前記収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして保存したデバイスCと共に運搬された回収物を該回収物計量手段により測定するとともに、保存された該デバイスCに表示された画像化情報を該画像化情報読取手段により読取りすることができ、サーバーAが、読取りした画像化情報をデータベースに参照してこれに紐づけられた収容体Bを特定すると共に、該画像化情報を保存したデバイスCを、登録した固体識別番号から特定することができる。
【0018】
(回収物計量手段)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、デバイスCは、サーバーAが送信する収容体Bの収容物の回収依頼を、専用アプリAppを介して受信可能であると共に、該収容体Bに貼付された画像化情報を読取りしてサーバーAに送信可能であり、回収物計量手段と接続されたサーバーAは、前記収容体Bに貼付された画像化情報を読取りして送信したデバイスCと共に運搬・回収された収容物を前記回収物計量手段により計量すると共に、該デバイスCから送信された画像化情報をデータベースに参照してこれに紐づけられた収容体Bを特定すると共に、該画像化情報を送信したデバイスCを、登録した固体識別番号から特定することができる。
【0019】
[開錠システム]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、収容体Bは、パスワード入力手段を有し、前記マイコンBと電気的に接続された錠により施錠可能であり、該錠は、サーバーAが該マイコンBに送信する文字列のワンタイムパスワードと、該パスワード入力手段に打ち込まれた文字列とが一致すると開錠され、デバイスCから送信された画像化情報から該デバイスCと収容体Bを特定したサーバーAが、該デバイスCと該収容体BのマイコンBに同一のワンタイムパスワードを送信し、該デバイスCに送信されたワンタイムパスワードが該パスワード入力手段に打ち込まれて開錠された収容体Bから収容物が回収される。
【0020】
[決済システム]
本発明に係る収容物回収システムは、運搬・回収された収容物を前記回収物計量手段が計量すると共に、デバイスCがサーバーAに前記ユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信し、サーバーAは、該所定のパスワードとその受信により得たデバイスCの固体識別番号とをデータベースに参照してデバイスCに紐づけられた前記ユーザー識別情報を特定し、特定された該ユーザー識別情報のユーザーID情報が含む振込口座アカウントに、前記回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬・回収費用の決済を行うことができる。
【0021】
[課金システム]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、サーバーAは、前記運搬・回収費用の決済と共に、該決済の行われる前記振込口座アカウントに課金を行うことができる。
【0022】
(2)収容物回収方法
本発明に係る収容物回収方法は、上記収容物回収システムにおいて収容物を回収する方法であって、
(1)収容体Bに備えたマイコンBが、これに接続された1又は複数のセンサが測定した測定情報を、収容体ID情報及び/又は該マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号と共にサーバーAに送信するステップと、
(2)サーバーAが、前記マイコンBから受信した収容体Bの収容体ID情報及び/又は回収信号を、前記専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とするステップと、
(3)専用アプリAppを介して、前記回収信号を受信または閲覧したデバイスCが、サーバーAに応答信号を送信するステップと、
(4)応答信号を送信したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、サーバーAが回収依頼を送信するステップと、
(5)専用アプリAppを介して前記回収依頼を受信したデバイスCが、前記特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読取りしてデバイスC自身に保存またはサーバーAに送信するステップと、
(6)サーバーAが、デバイスCから受信した画像化情報をデータベースに参照し、登録したユーザー識別情報が含む固体識別番号から該デバイスCを特定するステップと、
(7)上記回収物計量手段と接続されたサーバーAが、前記回収依頼を受信したデバイスCと共に運搬・回収された収容物を該回収物計量手段により計量するステップと、
(8)デバイスCがサーバーAに前記ユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信するステップと、
(9)前記所定のパスワードの受信により得たデバイスCの固体識別番号と該所定のパスワードをデータベースに参照し、該デバイスCに紐づけられた前記ユーザー識別情報を特定したサーバーAが、該ユーザー識別情報のユーザーID情報が含む振込口座アカウントに、前記回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬費用の決済を行うステップと、
を含む。
【0023】
本発明に係る収容物回収方法は、前記(1)サーバーAに送信するステップにおいて、マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に生成する回収信号を含み得る。
【0024】
本発明に係る収容物回収方法は、前記(2)デバイスCに受信または閲覧可能とするステップにおいて、前記回収信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、マイコンBが前記各種信号として生成した回収信号であってよい。
【0025】
本発明に係る収容物回収方法は、前記(2)デバイスCに受信または閲覧可能とするステップにおいて、前記回収信号は、マイコンBから受信した前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、サーバーAが生成した回収信号であってもよい。
【0026】
(3)実施例
(3-1)収容体Bの実施例
[収容体B]
本発明に係る収容物回収システムにおいて、収容体Bは、内部と外部とを画する壁面に囲繞され、該壁面に収容物を出し入れ可能な開口部を有しており、電源と、該電源と接続され、該内部又は該外部に設置されて、収容物の量の測定を含む各種測定を行って測定情報を収集する1又は複数のセンサと、
該電源と接続され、該センサが測定した時間を含む測定情報を受信可能であると共に、該測定情報を基に各種信号を生成可能なマイコンBと、該電源と接続され、通信ネットワークと前記マイコンB間で情報の送受信が可能な送受信機と、を備え、これらが有線又は無線で電磁気的に接続されており、
前記収容体ID情報を記憶した前記マイコンBが、通信ネットワークを介してサーバーAに、前記収容物情報(収容体ID情報、測定情報及び各種信号を含む)を送信可能である。
【0027】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記収容体Bは、左側面と右側面、天井面と底面、および正面と裏面により内部と外部が画され、これらの何れか1以上の面に収容物を出し入れ可能な開口部が設けられ、少なくとも前記マイコンB及び前記送受信機が制御ボックスに収納されてもよい。
【0028】
本発明に係る収容物回収システムは、上記収容物回収システムにおいて、
収容体Bは、下端と上端を有する4本の鉛直フレームが、矩形の底面の4隅に該下端を固定されて夫々鉛直に立設された直方体状のフレーム体であり、少なくとも左側面と右側面および裏面には、該鉛直フレームの上端を水平に接続する上端水平フレームが配置されて天井面を形成しており、正面が解放されて、収容物を出し入れ可能な開口部を構成するフレーム体であって、
電源と、該電源と接続され、該フレーム体の内部又は外部に設置されて、収容物の量の測定を含む各種測定を行って測定情報を収集する1又は複数のセンサと、該電源と接続され、該センサが測定した時間を含む測定情報を受信可能であると共に、該測定情報を基に各種信号を生成可能なマイコンBと、該電源と接続され、通信ネットワークと前記マイコンB間で情報の送受信が可能な送受信機と、を備え、これらが有線又は無線で電磁気的に接続されており、前記収容体ID情報を記憶した前記マイコンBが、通信ネットワークを介してサーバーAに、前記収容物情報(収容体ID情報、測定情報及び各種信号を含む)を送信可能である。
【0029】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、少なくとも前記マイコンB及び前記送受信機が収納されている制御ボックスの収容容器が、前記左側面と前記右側面および/又は前記裏面に配置された前記上端水平フレームに固定され、前記天井面の上方に設置されてもよい。
【0030】
[センサ]
(超音波センサ)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記センサは超音波センサであり、超音波を該超音波センサの前方に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信してもよい。
【0031】
(超音波センサ)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記センサは、超音波を該センサの前方に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信する超音波センサであり、前記超音波センサは、両端に固定部を有する細板状の支持体に取り付けられた超音波センサ収納ボックスに埋め込まれており、該支持体は、両端の固定部を前記左側面と前記右側面の上端水平フレームに着脱可能に固定して、該超音波センサが前記底面方向を向くように前記天井面に設置され、該超音波センサが、前記底面方向に発射して反射した超音波を捕捉することにより、被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信してもよい。
【0032】
(超音波センサ)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記超音波センサは、両端に固定部を有する棒状又は板状の支持体に設置された超音波センサ収納ボックスに、該支持体と略直角方向に超音波を発射するように埋め込まれており、該支持体は、両端の固定部を前記収容体Bの内部に着脱自在に装着可能であり、
該超音波センサが、その前方に発射して反射した超音波を捕捉することにより、被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報を前記マイコンBに送信してもよい。
【0033】
(重量センサ)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記センサは、上面と下面を有する天板の該下面に着脱自在に固定した1又は複数の重量センサであり、前記底面に載置された該天板と該底面間の圧力又は歪みを測定して、その測定値から換算された重量の測定情報を前記マイコンBに送信してもよい。
【0034】
(温度センサ)
本発明に係る収容物回収システムにおいて、前記センサは、前記容器の内部又は外部に設置された温度センサであり、設置位置の温度を測定して、温度の測定情報を前記マイコンBに送信してもよい。
【0035】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、上記収容体Bは、左側面、右側面、天井面、底面、正面、裏面の何れか一面に同種類のセンサがN個(Nは自然数)配置された上記収容体Bにおいて、該収容体B内の空間をN個に分割したセルを夫々担当するようにN個のセンサが前記一面に配置された収容体Bであって、前記N個のセンサが夫々の担当するセル内で測定を同時に行い、得られた測定情報を夫々の該センサが独立して前記マイコンBに送信してもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る収容物回収システムは、以下のように、各種センサやマイコンを簡易に低コストで効率的に設置可能な収容体に設置し、このマイコンをサーバー及び運送業以外の一般ユーザーのデバイスにもインターネットなどの通信網で接続可能とし、不特定のユーザーも収容体内の収容物を回収に参加することができる。
【0037】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、収容体Bは、収容物を出し入れ可能な開口部が設けられ、その内部又は外部に設置された1又は複数のセンサとその測定情報を受信可能なマイコンBとを備え、この容器の収容体ID情報を記憶したマイコンBが、インターネットなどの通信ネットワークを介して、少なくとも収容体ID情報及び測定情報の送信が可能である。
【0038】
また、本発明に係る収容体Bは、超音波センサや重量センサ、温度センサなど、各種センサを備えることができ、各種センサはそれぞれの測定情報をマイコンBに送信することができる。超音波センサは、両端に固定部を有する棒状や板状の支持体に設置し、この支持体の両端の固定部を収容体Bの内部に着脱自在に装着可能とすることにより、異なる大きさの収容体Bにも対応して装着することができる。さらに、1又は複数の重量センサを天板の下面に着脱自在に固定し、重量センサを収容体Bの底面と挟むように天板を底面に載置して、重量の測定情報をマイコンBに送信することができ、異なる底面面積の収容体Bにも対応して重量センサを装着することができる。
【0039】
そして、本発明に係る収容物回収システムは、このような複数台の収容体Bを各所に配置して、複数台の収容体Bに夫々設置したマイコンBと、それぞれの収容体ID情報を登録したサーバーAと、当該サーバーAにそのユーザーID情報を登録したデバイスCとが、通信ネットワークを介して情報の送受信を行うことができる。従って、このような本発明に係る収容物回収システムにおいて、サーバーAにユーザーID情報を登録したデバイスCは、複数の収容体BのマイコンBがサーバーAに送信した収容体ID情報、測定情報、各種信号等をサーバーAにアクセスして閲覧可能することができる。
【0040】
あるいは、サーバーAにそのユーザーID情報を登録して専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCが、専用アプリAppを用いてサーバーAにアクセスし、上記複数の収容体Bの収容体ID情報、測定情報、各種信号等を閲覧するようにしてもよい。このように本発明に係る収容物回収システムを設計すれば、サーバーAにアクセスする際に必要なURLの指定やパスワードの設定、指定が省略でき、ユーザーID情報をサーバーAに登録して専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCが簡単にサーバーAにアクセスすることができる。
【0041】
上述のように、本発明に係る収容体Bの各種センサはそれぞれの測定情報をマイコンBに送信し、これを受信したマイコンBは各種の測定情報を分析して、各種測定情報と共に各種信号などの分析結果をサーバーAに送信することができる。
【0042】
例えばセルごとに配置したN個のセンサが測定したセル内の測定情報を基に、これを受信してマイコンBが解析した情報をサーバーAに送信することもできる。すなわち、超音波センサがN個、前記天井面に配置された上記収容体Bにおいて、N個の超音波センサから夫々距離の測定情報を受信したマイコンBは、Nth個(1≦Nth≦N;Nthは自然数)の測定情報が所定の距離以下となった場合に収容物が収容体Bに満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信することができる。あるいは、複数の重量センサがN個、前記底面に配置された上記収容体Bにおいて、N個の該重量センサら夫々重量の測定情報を受信したマイコンBは、Nth個(1≦Nth≦N;Nthは自然数)の測定情報が所定の重量以上となった場合に収容物が収容体Bに満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信することができる。
【0043】
あるいは、上記N個のセンサから夫々の測定情報を受信したマイコンBは、そのまま当該測定情報をサーバーAに送信し、サーバーAが収容体Bの満載を判断するようにしてもよい。このように本発明に係る収容物回収システムを構成すれば、容量が小さいマイコンBの記憶及び計算の負担を軽減することができる。
【0044】
本発明に係る収容物回収システムにおいて、このような回収信号を受信したサーバーAは、デバイスCに回収信号を送信することができる。超音波センサや重量センサなどからの複数の回収信号を複数受信したサーバーAは、何れか一方又は双方の回収信号を受信することにより収容物が収容体Bに満載されたと判断し、デバイスCに回収信号を送信してもよい。また、本発明に係る収容物回収システムは、上記回収信号を受信してサーバーAに応答したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、回収依頼を送信してもよい。
【0045】
以上のように、本発明に係る収容物回収システムは、マイコンBを収容体Bに設置して、このマイコンBをサーバー及び運送業以外の一般ユーザーのデバイスにもインターネットなどの通信網で接続可能とし、不特定のユーザーも収容体B内の収容物を回収に参加することができるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図3】(a)他の実施形態に係る収容体Bの斜視図(b)さらに他の実施形態に係る収容体Bの斜視図。
【
図4】本発明に係るフレーム体の斜視図(中段)と、フレーム体の天井面付近に設置する超音波センサの断面模式図(上段)と、フレーム体の底面に載置する重量センサの断面模式図(下段)。
【
図6】(a)超音波センサを設置した収容体Bの断面模式図、(b)重量センサを載置した収容体Bの断面模式図、(c)温度センサを設置した収容体Bの断面模式図。
【
図7】本発明に係る収容物回収システムの情報フローの概略図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る収容物回収システム1について、実施形態及び実施例を用いて説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
(1)本発明に係る収容物回収システム
【0048】
図1に示す本発明に係る収容物回収システム1は、マイコンBと、サーバーAと、画像化情報読取機能付きデバイスC(以下、単に「デバイスC」ともいう)とが、通信ネットワークを介して情報の送受信が可能な収容物管理システム2(
図8参照)において成立する。
【0049】
[収容体ID情報]
ここで、マイコンBは、1又は複数のセンサ30と接続されて、センサ30と共に収容体B(10)に設置される。センサ30は収容体B(10)内の収容物の量を測定し、マイコンBは、センサ30が測定した測定情報及びこの測定情報から生成する各種信号を送信可能である。
【0050】
また、サーバーAは、マイコンBに付与されたシリアルナンバーと、これに紐づけられた収容体B(10)の収容体ID情報をそのデータベースに登録すると共に、双方向に通信可能な専用アプリAppを配布する。この収容体ID情報は、上記のようにマイコンBに予め付与されたシリアルナンバーと紐づけられており、収容体B(10)の設置場所の位置情報を含み、マイコンBに記憶されるものとする。例えば、マイコンBに予め付与されたシリアルナンバーは、マイコンBに製造段階で付与される固有識別番号などのシリアルナンバーであり、収容体ID情報は、マイコンBのシリアルナンバーと同一のシリアルナンバー、及び、設置場所の経度緯度の位置情報としてよい。
【0051】
[ユーザー識別情報]
また、デバイスCは、サーバーAのデータベースにそのユーザー名や携帯電話番号などのユーザーID情報及び/又はパスワード及び/又はデバイスCの固体識別番号を含むユーザー識別情報を登録して前記専用アプリAppをダウンロードした、スマートフォンなどの画像化情報読取機能付きデバイスである。このユーザー識別情報は、デバイスCを所有又は正規に所持するユーザーの氏名(又は法人名)及び/又は電話番号及び/又はメールアドレス及び/又は振込口座アカウントを含むユーザーID情報と、所定のパスワードと、デバイスCの固体識別番号とを含んでよい。
【0052】
このような収容物管理システム2は、これらの収容体B(10)、サーバーA、デバイスCが、通信ネットワークを介して情報の送受信が可能であり、デバイスCが、上記専用アプリAppを介して、収容体B(10)から受信した収容体ID情報、測定情報、各種信号を含む収容体B(10)の情報(以下、「収容物情報」ともいう)を掲載するサーバーAのサイト(以下、「収容物情報掲載サイト」ともいう)にアクセスし、この収容物情報を受信又は閲覧可能なシステムである。
【0053】
本発明に係る収容物回収システム1は(
図1参照)、このような収容物管理システム2を基礎として構築される。まず、収容体B(10)には、その収容体ID情報を画像化した画像化情報が貼付される。また、サーバーAは、この画像化情報を収容体ID情報に紐づけてデータベースに記憶すると共に、マイコンBから受信する収容物情報を基に回収信号及び/又は回収依頼(以下、まとめて「回収情報」ともいう)を作成可能である。そして、デバイスCは、専用アプリAppを介して収容体B(10)の画像化情報を読取り可能であると共に、サーバーAから収容物情報および回収情報を受信または閲覧可能である。
【0054】
このような本発明に係る収容物回収システム1は、専用アプリAppを介して、サーバーAから特定の収容体B(10)の収容体ID情報(又は収容物情報)と回収依頼を受信した回収者のデバイスCが、この特定の収容体B(10)の画像化情報を読み取って該デバイスCに保存し、及び/又は、該画像化情報をサーバーAに送信し、この回収者が該特定の収容体B(10)の収容物を回収することを特徴とする。
【0055】
(画像化情報)
本発明に係る収容物回収システム1において、画像化情報は、狭義には、文字通り画像化された情報であり、バーコードやQRコード(登録商標)などの2次元コードのような、種々の情報が画像化された媒体をいうが、これら2次元コードのような媒体に埋め込まれた(画像化又は入力された)種々の情報のそれぞれを指す場合もある。例えば、収容体B(10)の位置情報や収容体ID情報などの情報を画像化して2次元コードを作成した場合、「画像化情報」とは媒体としての2次元コードを指す場合と、当該2次元コードに埋め込まれた、上記収容体B(10)の位置情報や収容体ID情報の個々の情報をいう場合とが両方あり得る。
【0056】
しかし、広義には様々な画像化情報の定義が可能であり、本明細書及び特許請求の範囲(以下、「明細書等」ともいう。)においては、サーバAのデータベースに登録された収容体B(10)の位置情報や収容体ID情報やシリアルナンバーなどの情報と紐づけられたARマーカなどの図形、記号、マークも画像化情報に含まれる。ARマーカなどの記号等も、画像化された情報という点で「画像化情報」であり、共にサーバAのデータベースに登録されたその他の収容体B(10)の位置情報や収容体ID情報やシリアルナンバーの情報と紐づけられることにより、当該ARマーカの画像を読み取ることで、上記その他の情報を取り出すことができる画像化情報である。また、ARマーカと共に登録されたその他の収容体B(10)の位置情報や収容体ID情報などの情報も、上述のように、上記データベースで画像化情報たるARマーカと紐づけられて当該ARマーカにより取り出されるという意味で、本明細書等において「画像化情報」という。
【0057】
物理的な媒体としての「画像化情報」は、紙や物品上、画像などに表示されるバーコードやQRコード(登録商標)などの文字通りの画像化情報(2次元コード)や、透かしホログラムなどで表現される文字、図形、数字を含む記号、色、光の位相情報等の組み合わせ及び構造等から表現される。さらに、画像化情報には、その画像情報に埋め込まれた電子透かしなどのPC、PDA、NetTVなど情報端末機の表示画面上に表現される画像化情報など、デバイスCが認識可能で画像としてサーバAに送信可能な全ての情報が含まれる。したがって、上記特許文献3と同様に、媒体に印刷したRFID(Radio Frequency IDentification)タグや商品に画像と共に表示したRFIDタグのように、視覚媒体に定着させたRFIDタグもまた、画像としてサーバAに送信可能であり、本明細書等においても画像化情報の一種として含まれる。この媒体表示を伴うRFIDタグのような画像化情報は、デバイスCはその表示画像をカメラ機能で読み取ることができ、そのICが含む情報内容をRFIDリーダ機能により読み取ることができる。ICが含む情報内容は、RFIDタグの表示画像に紐づけられていてもよいし、サーバーAのデータベースに登録されたその他の画像化情報に紐づけられていてもよい。
【0058】
以下、本発明に係る収容物回収システム1の詳細を、実施例を交えて詳細に説明する。
(1-1)構成要素(マイコンBとセンサ)
(1-2)収容物管理システム
(1-3)収容物回収システムの情報フロー
(1-4)開錠システム
(1-5)決済システム
そして、(2)において本発明に係る収容物回収方法を説明し、(3)において本発明に係る収容物回収システム1の実施例を説明する。
(1-1)マイコンB等の構成要素
【0059】
[収容体ID情報]
上述のように、マイコンBは、1又は複数のセンサ30と接続されて、センサ30と共に収容体B(10)に設置される。収容体B(10)の内部又は外部に設置されたセンサ30は、電源41と接続され、各種測定を行って測定情報を収集し、同じく電源41と接続されたマイコンBは、センサ30が測定した測定情報をセンサ30から受信可能である。マイコンBは、センサ30から受信した測定情報を基にして、下記する回収信号などの各種信号を生成してもよい。送受信機46は収容体B(10)の内部又は外部に設置され、電源41と接続されて、インターネットなどの外部の通信ネットワーク700とマイコンB間で情報の送受信が可能である。
【0060】
図2において、電源41は太陽光パネルから電磁気エネルギを得て蓄電する太陽光電池41であり、マイコンBは制御ボックス40に収納されており、共に収容体B(10)の外部に隔離されてケーブル18で接続されている。収容体B(10)の内部に設置されたセンサ30は、容器10の外部に設置された送受信機46及び太陽光電池41とケーブル18で接続されている。この送受信機46は、センサ30から測定情報を受信し、無線を介して制御ボックス40に取り付けられた送受信機46に送信する(
図5参照)。制御ボックス40の送受信機46を介して受け取った測定情報を、マイコンBが、通信ネットワーク700を介して外部サーバー等に送信することができる。
(1-1-1)収容体B(10)
【0061】
(収容体B)
図2に示すように、本発明に係るマイコンBとこれに接続されたセンサ30などの構成要素は、収容体B(10)に設置される。収容体B(10)は、例えば
図2のように、内部と外部とを画する壁面に囲繞され、この壁面に収容物を出し入れ可能な開口部11(
図3(a)参照)が設けられた容器10である。収容体B(10)は、1又は複数のセンサ30がその内部又は外部に設置され、電源41、マイコンB、送受信機46を備えて、これらが有線18又は無線で電磁気的に接続される。電源41、マイコンB、送受信機46は収容体B(10)の内部に設置してもよいが、収容体B(10)の外部において有線18又は無線で接続してもよい。
【0062】
収容体B(10)の内部又は外部に設置され、又は外部に隔離されたこれらの電源41、マイコンB、送受信機46、センサ30は、有線18又は無線により電磁気的に接続されて収容体B(10)に一体化される。そして、この収容体B(10)の収容体ID情報を記憶したマイコンBは、通信ネットワーク700を介して、少なくとも収容体ID情報及び測定情報を外部サーバーやPC、スマートフォンなどのデバイスに送信可能である。
【実施例1】
【0063】
図3(a)に示すように、本実施形態に係る収容体B(10)は、左側面10Lと右側面10R、天井面10Uと底面10D、正面10Fと裏面10Bにより内部と外部が画され、これらの何れか1以上の面に収容物500(図示せず)を出し入れ可能な開口部11が設けられた容器である。
図3(a)において開口部11は、正面10Fに設けられており、開閉自在に設けられた蓋を開くことにより開口部11から収容物500を出し入れすることができるが、蓋は必ずしも必要でなく、開口部11は他の面に設けられてもよい。
【0064】
収容体B(10)は、図示しないが、上記のように、電源41と、電源41と接続され、各種測定を行って測定情報を収集する1又は複数のセンサ30と、電源41と接続され、センサ30が測定した時間を含む測定情報を受信可能なマイコンBと、電源41と接続され、通信ネットワークとマイコンB間で情報の送受信が可能な送受信機46と、を備えている。本実施形態に係る収容体B(10)において、1又は複数のセンサ30は容器10の内部(又は外部)に設置されており(
図3参照)、また、
図5のように、電源41、マイコンB及び送受信機46は制御ボックス40に収納されて、収容体B(10)とケーブル18により接続されている。そして、この収容体B(10)に付与された収容体ID情報を記憶したマイコンBが、通信ネットワークを介して、少なくともこの収容体ID情報及びセンサ30が測定した測定情報を送受信することができる。
【0065】
本発明に係る収容体B(10)の形状は、収容物500を出来るだけ多く収容するため、本実施形態のように直方体の函体が望ましいが、各面10L、10R、10U、10D、10F、10Bの何れかが斜面や球状であってもよく、その形状は特に限定されない。また、
図2のように開口部11が蓋により開閉される必要はなく、上記各面の一面全体が解放された開口部11であってもよい。また、開口部11は複数の面に設けられてもよい。
【0066】
本発明において、収容体B(10)は、その内部に収容物を収容できれば特に限定されず、カート、コンテナなどを含む容器、ロッカーなどの函体の他、建造物や内部に収容空間のある構造体であってもよい。例えば、収容体B(10)は、
図3(b)のように、これを構成する小単位の収容体B(101~110、111~120、121~130)の集合体であってよく、個々の収容体Bが複数配列されて、電源41、マイコンB、送受信機46を備える制御ボックス40が、これら個々の収容体B(101~110、111~120、121~130)のセンサ30に接続されてもよい。あるいは、
図4に示すように、収容体B(10)は複数のフレームにより構成されるフレーム体10であってもよい。
(1-1-2)センサ
【0067】
本発明に係る収容体B(10)に設置されるセンサ30は、例えば
図6(a)~(c)に示すような超音波センサ31、重量センサ32、温度センサ33や、レーザーセンサなどである。
【0068】
(超音波センサ31、温度センサ33)
例えば
図6(a)のように容器10の内部に設置した超音波センサ31は、超音波を超音波センサ31の前方に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面(収容物500)までの距離を測定し、距離の測定情報をマイコンBに送信する。また、センサ30として、
図6(c)のように容器10の内部又は外部に温度センサ33を設置すると、温度センサ33は設置位置の温度を測定して、温度の測定情報をマイコンBに送信する。
【0069】
(重量センサ32)
また、
図6(b)のように上面と下面を有する天板321の下面に重量センサ32を固定し、重量センサ32が底面10Dに当接するように天板321を載置すると、重量センサ32は天板321と底面10D間の圧力又は歪みを測定して、その測定値から換算された重量の測定情報をマイコンBに送信する。
【0070】
本発明に係る収容体B(10)は、このように上記超音波センサ31などのセンサ30が測定した測定情報をマイコンBが収集し、この収容体B(10)に予め付与された収容体ID情報などと共に、通信ネットワーク及び送受信機46を介して測定情報を外部のサーバーやデバイスなどと送受信を行うことができる。
【0071】
(収容体ID情報)
収容体ID情報は、上記のように、マイコンBに付与されたシリアルナンバーと紐づけられた収容体B(10)のシリアルナンバーを含み、あるいは更に設置場所の情報を含むのが望ましい。収容体B(10)が複数ある場合、この収容体ID情報を記憶したマイコンBが、収容体ID情報を含めて測定情報等の情報を外部のサーバーやデバイスなどと送受信することにより、何処に設置したどの収容体B(10)の測定情報等であるかを外部のデバイス等に認識させることができる。以下実施形態、実施例を用いて、さらに詳細に本発明に係る収容体B(10)について説明する。
(1-2)収容物管理システム
【0072】
上述した収容物管理システム2は、例えば
図7に示す本発明の収容物回収システム1にその基礎として含まれ、上述の収容体B(10)と、その収容体ID情報を登録したサーバーAと、サーバーAにそのユーザーID情報及び/又はパスワードを登録したデバイスCとが、通信ネットワーク700を介して情報の送受信可能である。上記のように、ユーザーID情報は、デバイスCのユーザーの氏名(又は法人名)及び/又は電話番号及び/又はメールアドレス及び/又は振込口座アカウントを含んでよい。デバイスCのユーザーは、サーバーAから上記専用アプリAppをダウンロードして、サーバーAが収容体B(10)の収容物情報(収容体ID情報、測定情報、各種信号等)を掲載する収容物情報掲載サイトにアクセスし、この収容物情報を受信又は閲覧可能である。
【実施例2】
【0073】
図8に、本実施例2に係る収容物管理システム2の模式図を示す。
図8において、収容体B(10)はフレーム体10であり、通信ネットワーク700はインターネット700であり、サーバーAはインターネットクラウドサーバーAである。各フレーム体10は、5G通信網やLTE回線経由でインターネット700に接続される。デバイスCはPC(パーソナル・コンピュータ)やスマートフォン、携帯電話等であり、専用アプリAppを介してインターネットクラウドサーバーAの収容物情報掲載サイトにアクセスすることができる。サーバーAをインターネットクラウドサーバーAとせずに、収容物管理システム2の管理者等の専用のサーバーとしてもよい。
【0074】
収容物管理システム2において、サーバーAは、上記管理者等が占有する専用サーバー(
図7参照)であっても、クラウドサーバー(
図8参照)であってもよい。このサーバーAの管理者等は、収容体B(10)及び/又はその収容物を管理してもよい。センサ30及びマイコンBを搭載する収容体B(10)には収容物500が収容され、例えば収容物500の収容の程度をセンサ30が測定し、その測定情報をマイコンBが収集する。マイコンBは、例えば定期的に、あるいは収容物500の測定値が所定の閾値に達したときに測定情報あるいは信号を発信し、通信ネットワーク700を介してサーバーAがこれを受信する。サーバーAは、専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCのみが専用アプリAppを介して収容物情報掲載サイトにアクセス可能としてよいが、専用アプリAppを介さずに収容物情報掲載サイトにアクセス可能としてもよい。すなわち、デバイスCのユーザーないし所持者は、収容物情報掲載サイトのURLを指定して、ユーザーID情報及び/又はパスワードを送信して収容物情報掲載サイトにアクセスし、測定情報等を閲覧可能としてよいが、この場合、専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCが、専用アプリAppを介してのみ、収容物情報掲載サイト上の非公開の測定情報等を閲覧できるようにし、あるいは、専用アプリAppを介してのみサーバーAと当該デバイスCが信号・命令の送信や応答ができるようにする。
【0075】
(専用アプリApp)
上記専用アプリAppは、本発明に係る収容物回収システム1(及び収容物管理システム2)又はサーバーAの管理者又はその関係者(以下、「管理者等」ともいう)が製作して配布する、収容物回収システム1(及び収容物管理システム2)を使用するための専用アプリであり、管理者等はサーバーAや専用アプリAppの設計を調整して、デバイスCが閲覧可能な情報を選択したり制限したりすることができる。この専用アプリAppは、デバイスCの所持者が、例えばユーザー自身の氏名(ユーザー名)、携帯電話番号、メールアドレス等の必要なユーザーID情報をサーバーAに登録することによりダウンロードすることができる。従って、例えば、ユーザー名や携帯電話番号などの登録したユーザーID情報及び/又はパスワードを送信した一般のデバイスCは、上記収容物情報掲載サイトにアクセスすることができるが、専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCは、専用アプリAppを介して上記収容物情報掲載サイトにアクセスして、一般のデバイスCより更に広範な情報を閲覧できるように設計することができる。デバイスCの所持者は、例えば管理者等の企業の従業者や、収容体B(10)に収容物を収容したり、収容物を回収したりする利害関係者であるが、一般の市民であってもよいし、申込者の中から管理者等が選択する者に限定してもよく、特に限定されない。
【0076】
(情報のフロー)
サーバーAは、上記管理者等が占有する専用サーバー(
図7参照)であっても、クラウドサーバー(
図8参照)であってもよい。このサーバーAの管理者等は、収容体B(10)及び/又はその収容物を管理してもよい。センサ30及びマイコンBを搭載する収容体B(10)には収容物500が収容され、例えば収容物500の収容の程度をセンサ30が測定し、その測定情報をマイコンBが収集する。マイコンBは、例えば定期的に、あるいは収容物500の測定値が所定の閾値に達したときに測定情報あるいは信号を発信し、通信ネットワーク700を介してサーバーAがこれを受信する。
【0077】
(収容物の例)
収容物500は特に限定されないが、収容体B(10)の使用方法によって異なる。収容体B(10)をホテル等でクローク(クロークルーム;手荷物一時預かり)として用いれば、収容物500は客が預けるコートや手荷物などであり、この場合、デバイスCの所持者が客となり、収容体B(10)をサーバーAの管理者等が管理することになる。また、収容物500は段ボールやプラスチックなどのリサイクル品であってもよい。この場合、一般人が収容物500を収容体B(10)に廃棄し、設置場所の管理者や収容物500の回収業者がサーバーAの管理者等となって収容体B(10)を管理し、収容物500の回収業者又はその従業者などの関係者がデバイスCの所持者となる。
【0078】
上述のように、収容体B(10)(フレーム体10を含む)は各種センサ30を備えており、センサ30の測定情報を収集したマイコンBは、送受信機46から通信ネットワーク(インターネット、公衆通信回線等)700を介してサーバーAに収集した測定情報や各種信号を送信することができ、サーバーAはデバイスCにこれらの測定情報や信号を送信し、デバイスCは例えば専用アプリAppを通してこれらの情報を得ることができる。以下、本発明に係る収容物回収システム1における情報や信号の種類及びその流れについて説明する。
(1-3)収容物回収システムの情報フロー
[回収信号]
【0079】
本発明に係る収容物回収システム1において、収容体B(10)内の収容物の量を測定したセンサ30から測定情報を得たマイコンBは、上述のように各種信号を生成しサーバーAに送信可能であるが、例えばこの各種信号としてマイコンBは回収信号を生成する。すなわち、センサ30から測定情報を受信したマイコンBは、測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に収容物が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信する。
[回収システム]
【0080】
マイコンBから回収信号を受信したサーバーAは、その回収信号を送信したマイコンBの収容体B(10)を特定し、その特定の収容体B(10)の収容体ID情報と回収信号を、専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とする。
【0081】
あるいは、マイコンBから測定情報を受信したサーバーAが、測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に回収信号を生成し、その測定情報を送信したマイコンBの収容体B(10)を特定して、その収容体ID情報と回収信号を、専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とてもよい。
【0082】
(回収信号→回収依頼)
本発明に係る収容物回収システム1において、サーバーAは、上記回収信号を専用アプリAppを介して受信または閲覧して、サーバーAに応答したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、回収依頼を送信することができる。そして、この回収依頼を受信したデバイスCは、特定の収容体B(10)に貼付された画像化情報を読取りして自身に保存またはサーバーAに送信することができる。すなわち、回収依頼を受信したデバイスCの所持者(ユーザー)は、その収容体ID情報から収容物を回収するべき収容体B(10)の設置場所を特定し、設置場所に到着後、専用アプリAppを介してデバイスCにより、この特定の収容体B(10)に貼付された画像化情報を読取りしてデバイスCに保存し、及び/又は、読取りした画像化情報をサーバーAに送信することができる。
【0083】
デバイスCの所持者が、収容体B(10)の収容物を所定の回収場所、例えばサーバーAの設置企業、に回収物として運搬するような場合、サーバーAは、回収物計量手段及び画像化情報読取手段と接続されているのが好ましい。この所定の回収場所において、回収物計量手段は、回収依頼を受信したデバイスCと共に運搬された回収物を測定することができる。また、画像化情報読取手段は、デバイスCに保存された画像化情報を表示させて、この表示された画像化情報を読取りすることができる。このような収容物回収システム1においては、サーバーAが、読取りした画像化情報をデータベースに参照し、該画像化情報を読取りしたデバイスCを、登録した固体識別番号から特定することができると共に、該画像化情報に紐づけられた収容体B(10)を特定することができる。
【0084】
あるいは、サーバーAが送信する収容体B(10)の収容物の回収依頼を、専用アプリAppを介して受信したデバイスCは、その設置場所で収容体B(10)に貼付された画像化情報を読取りし、これをサーバーAに送信してもよい。サーバーAは、このデバイスCから送信された画像化情報をデータベースに参照し、この画像化情報を送信したデバイスCを登録した固体識別番号から特定することができると共に、この画像化情報に紐づけられた収容体B(10)を特定することができる。そして、サーバーAが回収物計量手段と接続されていれば、回収依頼を受信したデバイスCと共に所定の回収場所に運搬・回収された収容物を回収物計量手段により計量することができる。
(1-4)開錠システム
[開錠システム]
【0085】
収容体B(10)は、キーボードやテンキーのようなパスワード入力手段52を有し、マイコンBと電気的に接続された錠50により施錠・開錠可能としてもよい(
図1、
図2参照)。この錠50は、サーバーAがマイコンBに送信する文字列のワンタイムパスワードと、このパスワード入力手段に打ち込まれた文字列とが一致すると開錠される。すなわち、このような収容物回収システム1においては、上記のように回収者のデバイスCから送信された画像化情報から、そのデバイスCと収容体B(10)を特定したサーバーAが、このデバイスCと収容体B(10)のマイコンBに同一のワンタイムパスワードを送信する。そして、当該デバイスCに送信されたワンタイムパスワードを、このデバイスCの所持者(回収者)がパスワード入力手段52に打ち込んで、マイコンBが自身に送信されたワンタイムパスワードと比較し、一致すればマイコンBが収容体B(10)を開錠する。収容体B(10)を開錠したデバイスCの所持者(回収者)は、その収容体B(10)の収容物を回収することができる。
(1-5)決済システム
[決済システム]
【0086】
本発明に係る収容物回収システム1において、上記(1-3)に記載したように、デバイスCの所持者が、収容体B(10)の収容物を所定の回収場所に回収物として運搬する場合について説明する。
【0087】
この所定の回収場所に、サーバーAと接続された回収物計量手段が設置されていれば、回収依頼を受信したデバイスCと共に所定の回収場所に運搬・回収された収容物を、この回収物計量手段により計量することができる。この回収物計量手段の計量と共に、デバイスCがサーバーAにユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信すると、サーバーAは当該所定のパスワードの受信により得たデバイスCの固体識別番号と該所定のパスワードをデータベースに参照し、デバイスCに紐づけられたユーザー識別情報を特定することができる。
【0088】
以上のように、本発明に係る収容物回収システム1において、サーバーAは、所定の回収場所に収容物を運搬・回収したデバイスCのユーザーに対価を支払うことができ、本システムの使用に対して課金を行うこともできる。すなわち、上記のように特定したデバイスCのユーザー識別情報から、そのユーザーID情報が含む振込口座アカウントを特定し、この振込口座アカウントに、回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬・回収費用の決済を行うことができる。あるいは、所定の回収場所に収容物を運搬・回収する回数や、運搬・回収された収容物の計量値に応じて、本システムの使用に対する課金を行うこともできる。
(2)収容物回収方法
【0089】
本発明に係る収容物回収する方法は、上記(1)で説明した収容物回収システム1において、収容物を回収する方法であって、以下の(1)~(9)のステップを含む(
図9参照)。すなわち、
(1)収容体Bに備えたマイコンBが、これに接続された1又は複数のセンサが測定した測定情報を、収容体ID情報及び/又は該マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号と共にサーバーAに送信するステップ
(2)サーバーAが、前記マイコンBから受信した収容体Bの収容体ID情報及び/又は回収信号を、前記専用アプリAppを介して、デバイスCに受信または閲覧可能とするステップ
(3)専用アプリAppを介して、前記回収信号を受信または閲覧したデバイスCが、サーバーAに応答信号を送信するステップと、
(4)応答信号を送信したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、サーバーAが回収依頼を送信するステップ
(5)専用アプリAppを介して前記回収依頼を受信したデバイスCが、前記特定の収容体Bに貼付された画像化情報を読取りしてデバイスC自身に保存またはサーバーAに送信するステップ
(6)サーバーAが、デバイスCから受信した画像化情報をデータベースに参照し、登録したユーザー識別情報から該デバイスCを特定するステップ
(7)前記回収物計量手段と接続されたサーバーAが、前記回収依頼を受信したデバイスCと共に運搬・回収された収容物を前記回収物計量手段により計量するステップ
(8)デバイスCがサーバーAに前記ユーザー識別情報が含む所定のパスワードを送信するステップ
(9)前記所定のパスワードの受信により得たデバイスCの固体識別番号と該所定のパスワードをデータベースに参照し、該デバイスCに紐づけられた前記ユーザー識別情報を特定したサーバーAが、該ユーザー識別情報のユーザーID情報が含む振込口座アカウントに、前記回収物計量手段が計量した運搬・回収された収容物の計量値に応じて運搬費用の決済を行うステップ
【0090】
本発明に係る収容物回収する方法は、上記(1)サーバーAに送信するステップにおいて、マイコンBが該測定情報を基に生成する各種信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に生成する回収信号を含んでもよい。
【0091】
また、本発明に係る収容物回収する方法は、前記(2)デバイスCに受信または閲覧可能とするステップにおいて、前記回収信号は、前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、マイコンBが前記各種信号として生成した回収信号であってよい。あるいは、前記回収信号は、マイコンBから受信した前記測定情報の測定値が所定の閾値以上となった場合に、サーバーAが生成した回収信号であってもよい。
(3)実施例
【0092】
以下、便宜のため、この節(3)を(3-1)~(3-3)に分節し、実施例3~実施例6を用いて本発明に係る収容物回収システム1について詳細に説明する。
(3-1)収容体Bの実施例(フレーム体) ・・・実施例3
(3-2)フレーム体の情報フロー ・・・実施例4
(3-2-1)センサ30→サーバーA ・・・実施例4
(3-2-2)サーバーA→デバイスC ・・・実施例5
(3-3)収容物回収システム1 ・・・実施例6
(3-1)収容体Bの実施例(フレーム体)
【0093】
本節(3)((3-1)~(3-3))では、本発明に係る収容物回収システム1を説明するため、同システムに用いる収容体Bとして次の実施例3で説明するフレーム体を用いることとする。
【実施例3】
【0094】
(フレーム体の収容体B)
図4に示すように、本実例に係る収容体B(10)は、複数のフレームにより構成されるフレーム体10である。フレームは両端を持つ中空の円柱や多角柱の棒状が好ましく、ステンレスやプラスチック、FRPなどを用いて形成することができるが、その形状、材質は特に限定されない。以下、本明細書において、フレームにより構成される収容体B(10)をフレーム体10とも記載する。
【0095】
フレーム体10は、下端と上端を有する4本の鉛直フレーム12(12FL、12FR、12BL、12BR)が、矩形の底面10Dの4隅にその下端を固定されて夫々鉛直に立設された直方体状である。そして、左側面10Lと右側面10Rおよび裏面10B(
図3参照)には、鉛直フレーム12(12FL、12FR、12BL、12BR)の上端を水平に接続する上端水平フレーム14U(14UL、14UR、14UB)が配置され、正面10F(
図2参照)が解放されて、収容物500を出し入れ可能な開口部11を構成している。
【0096】
(重量センサ32)
フレーム体10において、重量センサ32は、
図4下段に示すように、上面と下面を有する天板321の下面に複数固定されており、重量センサ32が底面10Dに当接するように天板321がフレーム体10内に載置される。ただし、
図4中段の収容体B(10)においては、底面10D上に重量センサ32とこれらを制御ボックス40に接続するケーブル18とを便宜的に図示している。天板321は底面10Dと同形で略同一の大きさが好ましいが、その材料は木でもプラスチックでもよく、特に限定されない。重量センサ32は天板321と底面10D間の圧力や歪み等を測定して、その測定値から換算された重量の測定情報をケーブル18を介してマイコンBに送信する(
図6(b)参照)。
【0097】
(超音波センサ31;天井)
超音波センサ31は、
図4上段に示すように、両端に固定部313を有する細板状の支持体312に取り付けられた超音波センサ収納ボックス311に埋め込まれている。この支持体312は、両端の固定部313を左側面10Lと右側面10Rの上端水平フレーム14Uに着脱可能に固定して、超音波センサ31が底面10D方向を向くように天井面10U付近に設置される。そして、超音波センサ31が、底面10D方向に発射して反射した超音波を捕捉することにより、被反射面までの距離を測定し、ケーブル18を介して距離の測定情報をマイコンBに送信する(
図6(a)参照)。
【0098】
(超音波センサ31;着脱自在装着)
超音波センサ31は超音波センサ収納ボックス311内に固定され、収納ボックス311を支持する支持体312と略直角方向に超音波を発射するのが好ましい。支持体312は棒状でも板状でもよく、その両端の固定部313を、例えば、超音波センサ31が底面10D方向を向くように上端水平フレーム14Uに装着するが、鉛直フレーム12やその他のフレーム等に固定してもよい。固定部313はフレームに固定できるものであれば特に限定されず、フレームに係止する係止具、フレームを把持する把持具などを用いることができる。また、支持体312や固定部313、超音波センサ収納ボックス311の材質、形状は特に限定されない。なお、超音波センサ31を固定する支持体312は、これを装着する収容体B(10)の形状や大きさが変わっても着脱できるように、その長さを伸縮自在とし、被着物に応じて固定部313を取替えられるように着脱自在としてもよい。
【0099】
(超音波センサ31;側面、裏面)
また、超音波センサ31は、所望の収容物500に対応させて、左側面10L及び/又は右側面10R及び/又は天井面10U及び/又は裏面10Bなどに直接設置してもよい。あるいは超音波センサ31を超音波センサ収納ボックス311内に固定して、この超音波センサ収納ボックス311を左側面10L及び/又は右側面10R及び/又は天井面10U及び/又は裏面10Bなどに設置してもよい。この場合、超音波センサ31は、超音波を対向する右側面10R及び/又は左側面10L及び/又は底面10D及び/又は正面10Fの方向に発射し、反射した超音波を捕捉することにより被反射面までの距離を測定し、距離の測定情報をマイコンBに送信することができる。
【0100】
(温度センサ33)
さらにフレーム体10は、その内部又は外部に温度センサ33を設置してもよい。温度センサ33は、設置位置の温度を測定して、温度の測定情報をマイコンBに送信することができる(
図6(c)参照)。
(3-2)フレーム体の情報フロー
【0101】
以下、本発明に係る収容物回収システム1における情報フローを説明するに当たり、上記実施例3の収容体Bを次の実施例4で説明するようにセルに分割して説明する。
【実施例4】
【0102】
(セルに分割された収容体B)
本実施例に係る収容物管理システム2に用いる収容体B(10)は、左側面10L、右側面10R、天井面10U、底面10D、正面10F、裏面10Bの何れか一面に同種類のセンサ30がN個(Nは自然数)配置された収容体B(10)を用いる(
図4参照)。この収容体B(10)では、収容体B(10)内の空間をN個に分割したセルを夫々担当するようにN個のセンサ30が上記一面に配置され、N個のセンサ30が夫々の担当するセル内で測定を同時に行い、得られた測定情報を夫々の該センサ30が独立してサーバーAに送信する。N個に分割されたセルは、同一体積になるようにN個のセンサ30を配置するのが望ましい。
(3-2-1)センサ30→サーバーA
【0103】
(火災信号:温度センサ33)
例えば、収容体B(10)の内部又は外部に設置された温度センサ33(図示せず)から温度の測定情報を受信したマイコンBは、温度の測定情報が所定の温度以上となった場合に火災が発生したと判断し、火災信号をサーバーAに送信する。
【0104】
(回収信号:天井超音波センサ31)
また、上述のように、天井面10U等に配置されたN個の超音波センサ31は、夫々収容物500までの距離を測定し、それぞれが測定した測定情報をマイコンBに送信する。N個の各超音波センサ31からN個の測定情報を受信したマイコンBは、Nth個(1≦Nth≦N;Nthは自然数)の測定情報が所定の距離以下となった場合に収容物が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信する。例えば、N=4のときNth=2と設定した場合、2つ以上の距離の測定情報が所定の距離以下となった場合に収容物500が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信するようにする。N個の測定情報を受信したマイコンBは、N個の測定情報をそのままサーバーAに送信し、サーバーAが上記のような収容体B(10)の満載を判断して自ら回収信号を生成してもよい。
【0105】
(回収信号:重量センサ32)
底面10Dに配置されたN個の重量センサ32は、夫々が担当するセルにおいて収容物500の重量を測定し、それぞれが測定した測定情報をマイコンBに送信する。天板321の下面に複数固定されたN個の重量センサ32(
図4参照)から夫々重量の測定情報を受信したマイコンBは、これらN個の測定情報を平均した重量が所定の重量以上となった場合に収容物500が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信する。N個の測定情報を受信したマイコンBは、N個の測定情報をそのままサーバーAに送信し、サーバーAがN個の測定情報を平均して収容体B(10)が満載か否かを判断してもよい。
【0106】
あるいは、図示しないが、天板321を上記セルに対応したN個の独立した区分の天板から構成し、それぞれの区分の天板の下面にそれぞれ重量センサ32を固定し、それぞれの重量センサ32が測定した測定情報をマイコンBに送信してもよい。Nth個(1≦Nth≦N;Nthは自然数)の測定情報が所定の重量以上となった場合に収容物が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信する。例えば、N=4のときNth=3と設定した場合、3つ以上の重量の測定情報が所定の重量以上となった場合に収容物500が収容体B(10)に満載されたと判断し、回収信号をサーバーAに送信するようにする。なお、N個の測定情報を受信したマイコンBは、N個の測定情報をそのままサーバーAに送信し、サーバーAが上記のような収容体B(10)の満載を判断して自ら回収信号を生成してもよい。
【0107】
(サーバーAの判定)
超音波センサ31と重量センサ32など、2種類以上のセンサ30を収容体B(10)に設置して、複数の種類のセンサ30から夫々回収信号を受信した場合、サーバーAは、何れか1つ又は2以上の回収信号を受信することにより収容物500が収容体B(10)に満載されたと判断するようにしてもよい。
(3-2-2)サーバーA→デバイスC
【実施例5】
【0108】
上述のように、回収信号をマイコンBから受信し、あるいは自ら回収信号を生成したサーバーAは、収容体B(10)の情報を掲載するサイト(収容物情報掲載サイト)に、この回収信号に対応する収容体B(10)の収容体ID情報を掲載して、収容物情報掲載サイトにアクセスしたデバイスCのユーザー等に、内容物が満載となった収容体B(10)の設置場所の情報等を公開してもよい。本発明に係る収容物回収システム1においては、専用アプリAppをダウンロードしたデバイスCが、専用アプリAppを介して上記情報を閲覧するものとする。上述の回収信号をマイコンBから受信したサーバーAは、この回収信号をデバイスCに送信して、デバイスCの所持者に収容物500を回収するよう促し、あるいは以下のように回収依頼することができる。
【0109】
(回収信号、回収依頼)
例えば、収容物500がリサイクル品の場合、収容体B(10)からリサイクル品の回収信号を受信したサーバーAは、デバイスCにリサイクル品の回収信号を送信し、続けて、あるいは同時にデバイスCの所持者であるリサイクル業者に回収依頼することができる。あるいは、回収信号を受信してサーバーAに応答したデバイスCの中から選定した1つのデバイスCに、回収依頼を送信してもよい。
(3-3)収容物回収システム
【実施例6】
【0110】
(スキャン可能なデバイスC)
本発明に係る収容物回収システム1は、
図1に示すように、上述した収容体B(10)の収容体ID情報を画像化した画像化情報を収容体B(10)に貼付して、これをスキャンなどで読取り可能なデバイスCの所持者が収容物500を回収するシステムである。ここで、収容体B(10)の収容体ID情報は、マイコンBに予め付与されたシリアルナンバーに関連付けられたシリアルナンバー等であり、あるいは更にその設置場所の情報等を含めてもよい。また、画像化情報としてQRコード(登録商標)を使用することができるが、上述のようにバーコードやARマーカなどを用いることもでき、特に限定されない。
【0111】
収容物回収システム1において、サーバーAは、サーバーAに接続されたスキャナ(画像化情報読取手段)によりこの画像化情報をスキャン可能であると共に、この画像化情報を収容体B(10)の収容体ID情報に紐づけて、サーバーAに接続されたデータベースに記憶することができる。また、デバイスCはスキャンなどで画像化情報を読取り可能とし、デバイスCがダウンロードした専用アプリAppを介して収容体B(10)に貼付した画像化情報をスキャンして、読み取った画像化情報を強制的にサーバーAに送信することができる。
【0112】
上述の収容物管理システム2において、サーバーAから回収依頼を受信したデバイスCの所持者は、収容物500を回収するため収容体B(10)の設置場所に到着する。デバイスCの所持者は、この設置場所で、収容体B(10)に貼付された画像化情報を、専用アプリAppを介してスキャンして、当該デバイスCに保存する。そして、収容物500を回収したデバイスCの所持者は、サーバーAの管理者等の指定する回収センタ等に収容物500を運搬し、当該回収センタ等に用意されたサーバーAに接続されたスキャナにより、デバイスCに保存した画像化情報をサーバーAにスキャンさせる。
【0113】
このように、本発明に係る収容物回収システム1においては、デバイスCが保存した画像化情報をサーバーAがスキャンすることにより、サーバーAは当該画像化情報をデータベースに参照し、この画像化情報をスキャンしたデバイスCと当該画像化情報に紐づけられた収容体B(10)のシリアルナンバー(収容体ID情報)を特定することができる。すなわち、サーバーAは、デバイスCが保存した画像化情報をスキャンすることにより、サーバーAが回収依頼を送信したデバイスCの所持者が収容物500を回収したことを確認すると共に、当該デバイスCの所持者が収容物500を回収した収容体B(10)を特定することができる。デバイスCが画像化情報を保存する際には、保存する日時が表示されるように専用アプリAppを構成するのが好ましい。
【0114】
あるいは、収容体B(10)に貼付された画像化情報をスキャンしたデバイスCの所持者は、収容体B(10)に貼付された画像化情報を、専用アプリAppを介してスキャンしてサーバーAに送信してもよい。
【0115】
この画像化情報を受信したサーバーAは、当該画像化情報を送信したデバイスCを特定し、画像化情報(収容体ID情報)とこのデバイスCがスキャンした日時などと共にデータベースに記憶する。そして、収容物500を回収したデバイスCの所持者は、サーバーAの管理者等の指定する回収センタ等に収容物500を運搬し、サーバーAと接続した計量器(回収物計量手段)により収容物500を計量する。
【0116】
サーバーAは、デバイスCに専用アプリAppを表示させてスキャンし、この専用アプリAppに表示されたユーザーIDなどの情報から、収容物500の運搬者の所持するデバイスCを確認することができる。あるいは、収容物500の運搬後、収容物500の計量前後に運搬者の所持するデバイスCから専用アプリAppを介してメール等を送信させて、デバイスCの固有識別番号などで運搬者の所持するデバイスCを確認してもよい。
【0117】
このように、サーバーAは、サーバーAが回収依頼を送信したデバイスCの所持者が収容物500を回収したことを確認すると共に、当該デバイスCの所持者が収容物500を回収した収容体B(10)を特定することができる。
【0118】
以上のように収容物500を回収した収容体B(10)と、及び収容物500を回収したデバイスCの所持者を確認、特定したサーバーAは、この特定した収容体B(10)の超音波センサ31及び/又は重量センサ32から、その収容物500に関する距離及び/又は重量の情報を得て、特定した収容体B(10)の収容物500が回収されていることをチェックすることができる。また、サーバーAと接続した計量器で当該デバイスCの所持者が運搬した収容物500を計量し、当該デバイスCの所持者が収容物500を回収する直近の収容物500に関する距離及び/又は重量の情報と比較することにより、特定した収容体B(10)の収容物500が回収されていることを更にチェックすることができる。
【0119】
当該デバイスCの所持者が運搬した収容物500の重量は、サーバーAがスキャンしたデバイスCのユーザーID(登録済)や当該デバイスCが保存した画像化情報(収容体ID情報)、サーバーAがスキャンした日時などと共にデータベースに記憶して、当該デバイスCの所持者に対する回収費用の支払いや本収容物回収システム1の使用料の徴収に使用することができる。
【0120】
以上、本発明に係る収容体B(10)、センサを含めた収容物回収システム、収容物回収方法について説明したが、本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではない。本発明に係る収容体Bを構成する材料、材質、種類等は特に限定されず、その寸法、厚さも適宜変更可能である。また、本発明に係る収容物回収システムを構成する通信機器、通信網も時代に応じて変遷するものであり、特に限定されることなく時代に応じて適宜変更することができる。
【0121】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明に係る収容物回収システムは、容器や容器に収集した古紙その他の収容物を、回収意欲のある業者または一般人を募って効率的かつ迅速に回収するシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0123】
1:本発明に係る収容物回収システム
2:本発明に係る収容物管理システム
10:収容体B(フレーム体、集合体)
10L:左側面
10R:右側面
10U:天井面
10D:底面
10F:正面
10B:裏面
11:開口部
12:鉛直フレーム
12FL:鉛直フレーム(正面左)
12FR:鉛直フレーム(正面右)
12BL:鉛直フレーム(裏面左)
12BR:鉛直フレーム(裏面右)
14:水平フレーム
14U:上端水平フレーム
14UL:上端水平フレーム(左側面)
14UR:上端水平フレー(右側面)
14UB:上端水平フレーム(裏面)
16:補助フレーム
18:ケーブル
20:制御ボックスの収容容器
30:センサ
31:超音波センサ
311:超音波センサ収納ボックス
312:支持体
313:固定部
32:重量センサ
321:天板
322:固定部
33:温度センサ
40:制御ボックス
41:電源
46:送受信機
50:錠
52:パスワード入力手段
500:収容物
700:通信ネットワーク(インターネット、公衆通信回線)