(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、商品販売データ処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240531BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
G07G1/12 301E
G07G1/01 301E
G07G1/12 321N
G07G1/12 361E
(21)【出願番号】P 2020109467
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悠里
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-137872(JP,A)
【文献】特開2019-191867(JP,A)
【文献】特開2002-150433(JP,A)
【文献】特開2015-121940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が購入する商品を登録する商品登録手段と、
通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定手段と、
前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定手段と、
前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知手段と、
同一の登録商品を、登録数量にかかわらず一の登録商品リストに表示する表示手段と、
備え
、
前記表示手段は、前
記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とを、それぞれ別々の前記登録商品リストに表示することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記条件は、既に登録されている前記登録商品があるときに、会員情報またはクーポン情報を取得することである、
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記条件は、既に登録されている前記登録商品があるときに、購入金額が一定金額以上になることである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記通常価格の前記数量制限商品が前記優待価格では販売されないことを示す表示を行う、
ことを特徴とする請求項
1~3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記数量制限商品の数量の変更を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記受付手段によって前記数量の変更が受け付けられたことにより、前記数量制限を超えていた前記数量制限商品が前記数量制限を超えなくなった場合、その旨を報知する、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記受付手段によって前記数量制限商品の数量を減じる変更が受け付けられた場合、前記数量制限を超えている前記数量制限商品の数量を減じる減算手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項
5に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータが、
客が購入する商品を登録する商品登録ステップと、
通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定ステップと、
前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定ステップと、
前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知ステップと、
同一の登録商品を、登録数量にかかわらず一の登録商品リストに表示する表示ステップと、
を実行
し、
前記表示ステップでは、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とを、それぞれ別々の前記登録商品リストに表示することを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項8】
商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、
客が購入する商品を登録する商品登録手段、
通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定手段、
前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定手段、
前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知手段、
同一の登録商品を、登録数量にかかわらず一の登録商品リストに表示する表示手段、
として機能させ
、
前記表示手段は、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、
前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とを、それぞれ別々の前記登録商品リストに表示することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗などでは、例えば、通常価格よりも安価な優待価格で商品が販売されることがある。優待価格で販売される品には、優待価格での販売数量に制限が設けられた数量制限商品がある。数量制限商品は、例えば、店舗の会員や、クーポン券を所持する顧客など、一定の特売条件を満たした顧客に対して販売されることがある。一例を挙げると、数量制限商品は、会員であることを特売条件として、一取引において1点限りで、優待価格(例えば10円引き)で販売される商品である。言い換えれば、このような数量制限商品は、会員が2点同時に購入する場合でも、1点については優待価格で販売され、もう1点については通常価格で販売されることになる。
【0003】
関連する技術として、取引において特売制限商品の数量が制限を超えたときに、特売制限商品の通常価格と特売価格とをオペレータに報知するようにした商品販売データ処理装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
ここで、商品販売データ処理装置(例えば、POS(Point Of Sales)レジスタ)は、数量制限商品を登録した後に、会員情報を読み取るといった条件(以下「特売条件」という。)が成立する場合がある。商品販売データ処理装置は、特売条件が成立する前では、数量制限商品が数量制限内であるか否かにかかわらず、数量制限商品を通常価格で登録している。そして、商品販売データ処理装置は、数量制限商品を登録した後に、特売条件が成立すると、数量制限内の商品を優待価格とし、数量制限を超える商品をそのまま通常価格として、それぞれ1点の商品として登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、数量制限商品を登録した後に特売条件が成立した場合、数量制限商品のうち数量制限内の商品と数量制限を超える商品とを分割して登録したとしても、数量制限を超える商品が登録されたことに店員が気付かないことがある。例えば、数量制限商品を登録した後に登録された商品がある場合には、当該後に登録された商品が登録商品リストに表示されているため、数量制限商品のうち数量制限を超える商品が登録されていることに店員が気付かないことがある。
【0007】
これにより、店員が顧客に対して、数量制限を超える商品について顧客の購入の意思などを確認させることができず、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことがある。このように、従来技術では、商品の登録を好適に行うことができないことがある、という問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品の登録を好適に行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、客が購入する商品を登録する商品登録手段と、通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定手段と、前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定手段と、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知手段と、同一の登録商品を、登録数量にかかわらず一の登録商品リストに表示する表示手段と、備え、前記表示手段は、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とを、それぞれ別々の前記登録商品リストに表示することを特徴とする商品販売データ処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。
【
図3】POS端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】特売制限商品テーブルの一例を示す説明図である。
【
図5】POS端末20が行う特売除外報知に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】POS端末20が行う特売制限商品の数量変更処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図8】POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図9】POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図10】POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図11】POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図12】POS端末20が発行するレシートの一例を示す説明図である。
【
図13】変形例1に係る特売制限商品テーブルの一例を示す説明図である。
【
図14】変形例1に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図15】変形例2に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。POSシステム1は、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入可能である。
図1に示すPOSシステム1は、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10と、監視端末11と、3台のPOS端末20-1、POS端末20-2、POS端末20-3とを備える。以下、POS端末20-1、20-2、20-3について特に区別しない場合には、POS端末20と称する。
【0012】
ストアコントローラ10と、監視端末11と、POS端末20とは、LAN(Local Area Network)55を介して通信可能に接続されている。
ストアコントローラ10は、店舗内の商品の品目や価格、在庫状況、販売履歴、入出金記録、会員情報、割引情報などの各種の情報を記録する。
【0013】
監視端末11は、POS端末20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末20を制御したりする。
POS端末20は、商品の登録および精算を行うレジスタである。POS端末20は、商品販売データ処理装置の一例である。なお、POSシステム1において、POS端末20の台数は、3台であるが、1台でもよいし、4台以上でもよい。
【0014】
(POS端末20の構成)
次に、
図2および
図3を用いて、POS端末20の構成について説明する。
図2は、POS端末20の設置例を示す図である。
図3は、POS端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2および
図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0015】
図2(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタ230が置かれている。カウンタ230は、買い物かごを載置することが可能である。なお、カウンタ230は、図示では省略しているが、
図2(A)の客側から見てPOS端末20の左側にも置かれる場合がある。すなわち、カウンタ230は、POS端末20の両側に置かれる場合がある。
【0016】
また、POS端末20は、サインポール220を備える。サインポール220は、発光部を備える。サインポール220の発光部は、例えば、ランプやLED(light emitting diode)であり、所定の色や、所定の点灯態様で点灯することが可能である。サインポール220の点灯態様により、POS端末20が使用中であることを示したり、店員を呼び出す報知を示したりする。サインポール220は、POS端末20の最も高い位置に設けられており、POS端末20の周囲にいない店員に対して点灯態様を認識させることが可能である。
【0017】
以下、
図2を参照しつつ、
図3に示すPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random access Memory)203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0018】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る商品販売データ処理プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0019】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報(登録データ)や、登録した商品(買上商品)を精算(決済)する精算処理において生成した精算情報などを含む。
【0020】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0021】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
【0022】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、客側スキャナ部206は、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。なお、商品の登録は、客側スキャナ部206によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが顧客によって操作(押下)されることによって、商品の登録を行うことも可能である。
【0023】
カード決済部208は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、クレジットカード、電子マネーであるプリペイドカード、ポイントカードなどである。プリペイドカードには、金額(残額)が記憶(チャージ)されている。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的又は電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の精算に用いられる。なお、カード認識部は、例えば、ポイントカードの保有ポイントを使用する場合など、今回の買上商品の精算において使用する情報を認識することも可能である。また、カード認識部は、例えば、ポイントカードにポイントを付与する場合など、今回の買上商品の精算に使用しない情報を認識することも可能である。
【0024】
なお、本実施形態のカード決済部208は、カード認識部、表示部、および操作部を備えるが、これに限らず、少なくともカード認識部を備えるものであればよい。また、カード認識部は、非接触型のカード(ICカード)や、接触型のカード(ICカード、磁気カード)に対応するものである。
【0025】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。
【0026】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
【0027】
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)から構成される。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部211は、数字を入力するための数字キー、登録する商品に対応するキー、モードを切替えるためのキーなどを含む。
【0028】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。店員側スキャナ部212は、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取ってもよい。
【0029】
なお、商品の登録は、店員側スキャナ部212によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)を配置し、当該キーが店員に操作(押下)されることによって、商品の登録が行われてもよい。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーを表示し、当該プリセットキーが店員に操作されることによって、商品の登録を行うことも可能である。
【0030】
印刷部213は、各種媒体(レシート、領収書、お会計券等)を印刷して出力する。印刷部213は、媒体発行口の方向を変更可能である。具体的には、印刷部213は、回転自在な機構を有し、媒体発行口が店員側から客側に向くように、また、客側から店員側に向くように構成されている。なお、媒体発行口の向きは、手動で変更可能であってもよいし、動作モードが切り替わることに応じて自動で変更可能であってもよい。なお、印刷部213は、印刷発行口の向きの正誤を検出するセンサを備えていてもよい。
【0031】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録や精算に係るものである。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、監視端末11および他のPOS端末20)と情報を送受信するインタフェースである。
【0032】
(各動作モードの概要)
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードのうちいずれかの動作モードで動作する。複数の動作モードは、通常の業務中における動作モード(登録処理および精算処理に係る動作モード)である。具体的には、複数の動作モードは、通常モードと、会計専用モードと、フルセルフモードとである。以下、通常モード、会計専用モード、およびフルセルフモードの各モードについて簡単に説明する。
【0033】
(通常モード)
通常モードは、店員側の商品の登録(以下「商品登録」という場合がある。)および客側の精算を有効とし、客側の商品登録を無効とした動作モードである。すなわち、通常モードは、客側の登録処理を実行せずに、店員側の登録処理を実行する動作モードである。店員側の商品登録では、店員側スキャナ部212、店員側表示部210、およびキー操作部211を用いて、買上商品の登録が行われる。また、通常モードでは、貨幣(紙幣および硬貨)の投入や各種カードの読み取りなど、精算が可能である。なお、通常モードでは、商品の登録処理が行われている際も、精算を開始させること(例えば、貨幣の投入)が可能である。ただし、本明細書において、通常モードにおける精算は、原則として、商品の登録が完了した後に開始されるものとして説明する。なお、以下において、通常モードにおける精算を「対面精算」という場合がある。
【0034】
また、通常モードでは、他のPOS端末20への登録情報の送信が可能である。他のPOS端末20への登録情報の送信とは、登録処理において生成された登録情報を、精算処理を実行可能な他のPOS端末20(会計専用モードのPOS端末20)に送信することである。また、通常モードでは、お会計券の発行が可能である。お会計券の発行とは、登録処理において生成した登録情報等をコード化し、印刷媒体(お会計券)に印刷して出力することである。他のPOS端末20は、お会計券のコードを読み取ることにより、精算処理を行うことが可能である。
【0035】
(会計専用モード)
会計専用モードは、店員側および客側の商品登録を無効とし、客側の精算を有効とした動作モードである。具体的には、会計専用モードは、他のPOS端末20(通常モードのPOS端末20)からの登録情報の受信、お会計券の読み取り、貨幣の投入を有効とし、店員側および客側の商品登録を無効とした動作モードである。他のPOS端末20からの登録情報の受信は、他のPOS端末20の登録処理において生成された登録情報を受信する機能である。お会計券の読み取りは、お会計券に印刷されているコードを読み取ることや、コード化されている情報を読み取ることである。会計専用モードは、自端末においては登録処理を実行せず、専ら、他のPOS端末20において生成された登録情報に基づいて精算処理を実行する動作モードである。なお、会計専用モードでは、他のPOS端末20への登録情報の送信や、お会計券の発行は無効とされる。
【0036】
(フルセルフモード)
フルセルフモードは、店員側の商品登録を無効とし、客側の商品登録および精算を有効とした動作モードである。具体的には、フルセルフモードは、客側における登録処理を前提とした動作モードである。客側の商品登録では、客側スキャナ部206、客側表示部205を用いて、買上商品の登録が行われる。また、フルセルフモードは、自端末における精算処理を行うことが可能な動作モードである。具体的には、フルセルフモードは、客側の商品登録および貨幣の投入を有効とした動作モードである。なお、フルセルフモードでは、他のPOS端末20への登録情報の送信や、お会計券の発行は無効とされる。
【0037】
(特売制限商品テーブルの一例)
次に、
図4を用いて、特売制限商品テーブルについて説明する。
図4は、特売制限商品テーブルの一例を示す説明図である。ここで、本明細書において、「特売」とは、通常の価格よりも低価格で品物を売ることを示す。「特売」は、期間や数量を限定して低価格で品物を売ることに限らない。「特売」は、期間や数量を限定せずに、低価格で品物を売ることも含むものとする。また、「特売価格」は、通常の価格よりも低価格であることを示しており、優待価格の一例である。「特売制限商品」とは、通常価格よりも安価な特売価格での販売数量に制限が設けられた商品であり、数量制限商品の一例である。
図4に示す特売制限商品テーブル400は、例えば、ストアコントローラ10に記憶される。ただし、特売制限商品テーブル400は、POS端末20に記憶されていてもよいし、外部のサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0038】
図4に示すように、特売制限商品テーブル400は、商品コードと、特売制限商品と、特売条件と、通常価格と、特売情報と、数量制限との項目を含む。各項目の情報を対応付けた情報が特売制限商品情報である。商品コードは、商品ごとに付されるコードであり、商品を一意に特定するための識別情報である。特売制限商品は、特売制限商品の商品名を示す。特売条件は、特売の対象となる条件である。具体的には、特売条件は、会員であること、クーポンが適用されること、購入金額が一定金額以上であることなどの条件である。
【0039】
通常価格は、特売制限商品が特売とはならないときの通常の価格であり、換言すれば、特売条件を満たさないときの特売制限商品の価格である。特売情報は、通常価格に対する値引きに関する情報である。具体的には、特売情報は、例えば、通常価格に対して、10%OFF、50円引き、20%OFFなどを示す情報である。数量制限は、特売条件を満たした場合に特売価格で販売される上限の数量である。
【0040】
一例を挙げて説明すると、特売制限商品情報400aは、会員であることを条件に、「○○ジュース」が3個まで、通常価格から10%OFFとなることを示している。具体的には、特売制限商品情報400aは、商品コードが「○○○○」、特売制限商品名が「○○ジュース」、特売条件が「会員」、通常価格が「100円」、特売情報が「10%OFF」、数量制限が「3個」であることを示している。
【0041】
(特売制限商品が登録されている場合のPOS端末20が行う機能的構成について)
次に、特売制限商品が登録されている場合のPOS端末20が行う機能的構成について説明する。なお、以下では、通常モードにおいて対面精算が行われる場合を前提にして説明する。また、本実施形態では、商品販売データ処理装置の一例として、POS端末20を例に挙げて説明する。ただし、商品販売データ処理装置は、POS端末20に限らず、券売機(例えば、タッチパネル式の券売機)とすることも可能である。
【0042】
POS端末20は、商品登録部と、商品判定部と、数量判定部と、報知部と、減算部とを備える。これらの機能部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が所定のプログラムを(例えば、商品販売データ処理プログラム)を実行することにより、これらの機能を実現する。
【0043】
商品登録部は、顧客が購入する商品を登録する。商品登録部は、例えば、店員側表示部210やキー操作部211が店員の操作を受け付けた内容や、店員側スキャナ部212が商品に付されたバーコードを読み取った内容などに基づいて、商品を登録する。
【0044】
商品判定部は、特売制限商品の販売が可能な特売条件が成立した場合、既に商品登録部によって登録されている登録商品に特売制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う。特売条件は、例えば、商品登録部による商品の登録途中(商品登録が開始されてから精算が開始されるまでの間)において、成立し得る条件である。具体的には、特売条件は、既に登録されている登録商品があるときに、会員情報またはクーポン情報を取得する、という条件を含む。また、特売条件は、既に登録されている登録商品があるときに、購入金額が一定金額以上となる、という条件を含む。
【0045】
商品判定は、例えば、登録商品の商品コードと同じ商品コードを含む特売制限商品情報が特売制限商品テーブル400(
図4参照)に記憶されているか否かの判定である。なお、商品判定は、特売条件が成立しない場合には、行われない。また、本実施形態において、商品判定は、特売制限商品が登録されたタイミングで行われるのではなく、特売条件が成立したタイミングで行われる。なお、商品判定は、特売条件が先に成立(後述する「事前特売条件」が成立)した場合は、特売制限商品が登録されたタイミングで行われる。
【0046】
数量判定部は、商品判定において特売制限商品が含まれると判定された場合、登録されている特売制限商品の数量が数量制限を超えているか否かの数量判定を行う。数量判定は、具体的には、特売制限商品テーブル400(
図4参照)を参照し、登録されている特売制限商品の数量が、特売制限商品情報に含まれる数量制限を超えているか否かの判定である。
【0047】
報知部は、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合、特売価格によって販売されない特売制限商品(以下「特売除外商品」という)がある旨の報知(以下「特売除外報知」という)を行う。特売除外報知は、表示または音声によって、特売除外商品がある旨を示す報知である。例えば、報知部は、店員側表示部210にポップアップを表示させて、特売条件報知を行う。
【0048】
なお、報知部は、数量判定において数量制限を超えていないと判定された場合、特売価格によって販売される特売制限商品がある旨の報知を行ってもよい。また、報知部は、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合でも、特売価格によって販売される特売制限商品があることから、特売価格によって販売される特売制限商品がある旨の報知を行ってもよい。この場合、例えば、報知部は、特売除外報知とともに、特売価格によって販売される特売制限商品がある旨の報知を行ってもよい。
【0049】
なお、商品登録部による商品の登録前に特売条件(以下「事前特売条件」という。)が成立することもある。事前特売条件は、例えば、商品の登録前に、POS端末20が会員情報を読み取ったり、クーポン情報を読み取ったりすることによって成立する。事前特売条件が成立した場合も、商品判定および数量判定は行われる。事前特売条件が成立した場合には、商品の登録を行うタイミングで、商品判定および数量判定が行われる。このため、事前特売条件が成立した場合において、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合、特売除外商品を登録する旨が表示画面に表示される。これにより、店員は商品の登録と同時に特売除外商品があることを把握できる。このため、事前特売条件が成立した場合において、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合には、報知部は、特売除外報知を行わないようにしてもよい。ただし、これに限らず、事前特売条件が成立した場合において、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合でも、報知部は、特売除外報知を行うようにしてもよい。
【0050】
(登録商品リストの表示について)
本実施形態において、POS端末20は、表示部を備える。表示部は、例えば、店員側表示部210である。ただし、表示部は、客側表示部205でもよい。表示部は、商品登録部によって登録された登録商品を示す登録商品リストを表示する。登録商品リストは、登録商品を示す表示であり、例えば、商品名、単価(通常価格)、当該商品の買上金額、値引額、特売情報(10%OFF等)などを示す表示である。
【0051】
登録商品リストは、一定数の登録商品を画面上に表示可能なリストであ。登録商品リストは、例えば、直近に登録された商品と、当該商品を基準にして先に登録した商品とが時系列で表示される。具体的には、登録商品の数が一定数を超えている場合に、新たに商品が登録されると、既に登録した商品のうち、先に登録した商品から順に画面からは表示されなくなる。なお、登録商品リストは、設定等に応じて、表示される商品の数を変更可能であってもよい。例えば、登録商品リストは、登録商品が全て表示されるものとしてもよい。
【0052】
報知部は、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合、登録商品リストに、数量制限の範囲内である特売価格の特売制限商品(以下「特売対象商品」という。)と、数量制限を超えている通常価格の特売制限商品(特売除外商品)とをそれぞれ表示させる。例えば、報知部は、登録商品リストに、特売対象商品と、特売除外商品とを分割して表示させる。
【0053】
ここで、例えば、登録商品の数が一定数を超えているときには、現在の表示画面に特売制限商品が表示されていない場合がある。この場合、報知部は、現在表示している登録商品リストの商品に代えて、特売対象商品と特売除外商品とを登録商品リストに表示させるようにする。
【0054】
また、報知部は、通常価格の特売制限商品(特売除外商品)が特売価格では販売されないことを示す表示を行う。具体的には、報知部は、例えば、特売除外商品が表示される表示領域を、通常の商品が表示される表示領域とは異なる態様(例えば、目立つ態様)で表示させる。なお、特売除外商品が特売価格では販売されないことを示す表示は、例えば、文字や記号などを用いてその旨を通知する表示としてもよい。
【0055】
(特売制限商品の数量の変更について)
本実施形態において、POS端末20は、受付部を備える。受付部は、例えば、店員側表示部210やキー操作部211である。受付部は、登録商品の数量の変更を受け付ける。また、受付部は、特売制限商品の数量の変更を受け付ける。報知部は、受付部によって特売制限商品の数量の変更が受け付けられたことにより、数量制限を超えていた特売制限商品が数量制限を超えなくなった場合、その旨を報知する。具体的には、例えば、特売制限商品の数量制限が「3」であり、登録されている特売制限商品の数量が「5」である場合に、登録されている特売制限商品の数量を「3」とする数量の変更が受け付けられた場合、特売除外商品がなくなった旨を報知する。当該報知の態様は、表示または音声である。報知の態様を表示とする場合、当該報知の態様は、例えば、文字や記号の態様としてもよい。
【0056】
また、減算部は、受付部によって特売制限商品の数量を減じる変更が受け付けられた場合、数量制限を超えている特売制限商品の数量を減じる。例えば、減算部は、特売除外商品がある場合には、受付部によって特売対象商品の数量を減じる変更が受け付けられた場合でも、特売除外商品の数量を優先して減じる。
【0057】
(POS端末20が行う特売除外報知に関する処理の一例)
図5は、POS端末20が行う特売除外報知に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図5において、POS端末20は、特売条件を満たしたか否かを判断する(ステップS501)。なお、特売条件を満たすとは、会員情報やクーポン情報を取得することや、購入金額が一定金額以上になることである。POS端末20は、特売条件を満たすまで待機する(ステップS501:NO)。特売条件を満たすと(ステップS501:YES)、POS端末20は、既に登録されている商品(登録商品)があるか否かを判断する(ステップS502)。
【0058】
登録商品がない場合(ステップS502:NO)、すなわち、商品が登録される前に特売条件を満たした場合、POS端末20は、そのまま処理を終了する。登録商品がある場合(ステップS502:YES)、POS端末20は、登録商品の中に特売制限商品が含まれているか否かを判断する(ステップS503)。登録商品の中に特売制限商品が含まれていない場合(ステップS503:NO)、POS端末20は、そのまま処理を終了する。登録商品の中に特売制限商品が含まれている場合(ステップS503:YES)、POS端末20は、特売制限商品の数量が数量制限を超えているか否かを判断する(ステップS504)。
【0059】
特売制限商品の数量が数量制限を超えていない場合(ステップS504:NO)、POS端末20は、ステップS508に進む。特売制限商品の数量が数量制限を超えている場合(ステップS504:YES)、特売除外報知(特売除外商品がある旨の報知)を行う(ステップS505)。そして、POS端末20は、特売除外商品(特売制限商品が通常価格で販売されること)を表示する(ステップS506)。さらに、POS端末20は、特売除外商品が特売価格で販売されない旨を表示する(ステップS507)。そして、POS端末20は、特売対象商品(特売制限商品が特売価格で販売されること)を表示し(ステップS508)、一連の処理を終了する。
【0060】
(POS端末20が行う特売制限商品の数量変更処理の一例)
図6は、POS端末20が行う特売制限商品の数量変更処理の一例を示すフローチャートである。
図6において、POS端末20は、登録商品の減算を受け付けたか否かを判断する(ステップS601)。POS端末20は、登録商品の減算を受け付けるまで待機する(ステップS601:NO)。登録商品の減算を受け付けると(ステップS601:YES)、POS端末20は、減算を受け付けた商品は特売制限商品であるか否かを判断する(ステップS602)。
【0061】
減算を受け付けた商品が特売制限商品である場合(ステップS602:YES)、POS端末20は、特売制限商品が数量制限を超えているか否かを判断する(ステップS603)。特売制限商品が数量制限を超えている場合(ステップS603:YES)、POS端末20は、特売除外商品の数量を減算する(ステップS604)。
【0062】
そして、POS端末20は、減算後の数量を表示し(ステップS605)、一連の処理を終了する。ステップS602において、減算を受け付けた商品が特売制限商品ではない場合(ステップS602:NO)、POS端末20は、受け付けた商品の数量を減算し(ステップS606)、ステップS605に進む。また、ステップS603において、特売制限商品が数量制限を超えていない場合(ステップS603:NO)、POS端末20は、ステップS606に進む。
【0063】
(POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例)
次に、
図7~
図11を用いて、POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例について説明する。
図7~
図11は、POS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
図7(A)は、特売制限商品である「○○ジュース」が5本登録された際の画面を示す。具体的に説明すると、
図7(A)に示す画面は、登録商品欄701と、登録商品リスト702と、合計金額欄703と、合計点数欄704と、プリセットキー705とを含む。
【0064】
登録商品欄701は、店員が直近に登録した商品(例えば、「○○ジュース」)が表示される表示領域である。登録商品リスト702は、店員が登録した商品に関する情報が表示される領域である。
図7(A)では、登録商品リスト702は、「○○ジュース」が登録されていることや、「○○ジュース」が特売制限商品であることや、「○○ジュース」の数量および単価(¥100)などを示している。
【0065】
合計金額欄703は、登録商品の合計金額(例えば、¥500)が表示される表示領域である。合計点数欄704は、登録商品の合計点数(例えば、5点)が表示される表示領域である。プリセットキー705は、表示内容が示す設定変更を受け付けたり、表示内容が示す商品の登録を受け付けたりするボタンである。
図7において、プリセットキー705は、設定変更を受け付けるボタンを示している。ただし、プリセットキー705は、店員の操作に応じて、商品の登録を受け付けるボタンに切り替えることが可能である。
【0066】
プリセットキー705は、会員カードの読み取りを行うための会員カード読取ボタン705aを含む。
図7(A)において、店員が会員カード読取ボタン705aを押下し、店員側スキャナ部212を用いて会員カード(会員情報)を読み取ると、
図7(B)に示す画面に遷移する。
【0067】
図7(B)に示すように、店員側表示部210には、特売除外報知710が表示されている。ここで、登録商品である「○○ジュース」は、会員に対して数量制限を「3」とした特売制限商品である(
図4参照)。現時点で登録されている「○○ジュース」の数量は「5」であり、すなわち、数量制限「3」を超えており、数量制限を超えた分(「2」)については、特売が無効となる。このため、
図7(B)に示すように、POS端末20は、会員情報を取得することに応じて、店員側表示部210に、特売除外報知710を表示する。特売除外報知710は、特売制限商品の数量制限を超えたため、特売が無効となった商品がある旨を示している。
図7(B)において、確認ボタン711が押下されると、
図8(A)に示す画面に遷移する。なお、
図7(B)において、POS端末20は、数量制限「3」が示す3本の「○○ジュース」については特売価格となることから、会員情報を取得することに応じて、店員側表示部210に、特売価格によって販売される特売制限商品がある旨の報知を表示してもよい。
【0068】
図8(A)に示す画面は、会員表示801と、登録商品リスト702a、702bと、合計金額欄703と、選択催促通知810とを含む。会員表示801は、会員カードを読み取ったことによって得られた会員情報を示している。具体的には、会員表示801は、会員番号や会員名を示している。
【0069】
登録商品リスト702aは、特売制限商品である「○○ジュース」のうち、特売対象商品となる3本分の「○○ジュース」を示している。登録商品リスト702bは、特売制限商品である「○○ジュース」のうち、特売除外商品となる2本分の「○○ジュース」を示している。このように、店員側表示部210には、特売対象商品を示す登録商品リスト702aと、特売除外商品を示す登録商品リスト702bとが分割して表示されるようになっている。また、登録商品リスト702bの表示領域は、通常の商品や特売対象商品が表示される表示領域とは異なる態様で表示されている。
【0070】
また、登録商品リスト702aには、10%OFFであることを示す特売情報や、3本の「○○ジュース」が特売対象商品であることや、値引額などが表示されている。また、登録商品リスト702bには、2本の「○○ジュース」が特売除外商品であることや、2本分の合計金額が表示されている。合計金額欄703は、
図7(A)において表示されていた金額(¥500)から、特売対象商品についての割引額(¥30)を減額した金額(¥470)を示している。
【0071】
選択催促通知810は、特売除外商品に対する処理の選択を促す通知を示す。選択催促通知810には、通常価格ボタン811と、特売価格ボタン812と、減算ボタン813とが含まれる。通常価格ボタン811は、そのまま通常価格での登録を受け付けるボタンである。特売価格ボタン812は、特売除外商品を特売対象商品として商品の登録を受け付けるボタンである。なお、特売価格ボタン812は、例えば、店長等の権限のある店員が操作する場合にのみ、表示されるようにしてもよい。減算ボタン813は、特売除外商品の減算を受け付けるボタンである。
図8(A)において、店員は、顧客に、特売除外商品に対する処理を尋ね、顧客の回答に応じて、いずれかのボタンを押下する。例えば、顧客が特売除外商品を購入しない旨(減算する旨)を店員に伝えたとする。そして、店員が減算ボタン813を押下すると、
図8(B)に示す画面に遷移する。
【0072】
なお、
図7に示す例では、特売制限商品である5本の「○○ジュース」が登録商品リスト702に表示されている場合について説明したが、5本の「○○ジュース」が登録された後に、他の商品が複数登録されたとすると、5本の「○○ジュース」が登録商品リスト702に表示されないことがある。この場合でも、会員情報が読み取られて、特売除外商品がある場合には、
図7(B)に示した特売除外報知710を行うとともに、
図8(A)に示したように、登録商品リスト702a、702bのように、特売対象商品と特売除外商品とを分割して表示するようにすればよい。
【0073】
図8(B)に示すように、店員側表示部210には、減算受付画面820が表示されている。減算受付画面820は、数量表示821と、数量変更ボタン822とを含む。店員が数量変更ボタン822を操作すると、操作に応じた数量が数量表示821に表示される。なお、このとき、特売制限商品は、特売対象商品となる3本の「○○ジュース」と、特売除外商品となる2本の「○○ジュース」とがあるが、このうち、特売除外商品(2本)の数量が優先して減算されることになる。
【0074】
店員は、顧客からの、特売制限商品の購入数の回答に応じた回数、数量変更ボタン822を押下する。例えば、特売制限商品の購入数を「3」とする場合には(特売除外商品の数を「0」とする場合には)、店員は、数量表示821が「3」になるように、数量変更ボタン822を押下する。そして、確定ボタン823が押下されると、
図9(A)に示す画面に遷移する。
【0075】
図9(A)に示すように、店員側表示部210には、無効解除通知900が表示されている。無効解除通知900は、特売制限商品のうち特売除外商品がなくなった旨を示している。また、合計金額欄703は、特売除外商品分(¥200)を減額した金額(¥270)を示している。合計点数欄704は、特売除外商品分(2点)を減算した商品の合計点数(例えば、3点)を示している。
図9(A)において、確認ボタン901が押下されると、商品の登録が可能な画面に戻る。そして、さらに商品が登録されると、
図9(B)に示す画面に遷移する。
【0076】
図9(B)は、特売制限商品である「○○みかん」が10個登録された際の画面を示す。登録商品欄701には、「○○みかん」および金額(¥500)が表示されている。また、登録商品リスト702aには、既に登録された「○○ジュース」に関する表示がされており、具体的には、10%OFFであることを示す特売情報や、3本の「○○ジュース」が特売対象商品であることや、値引額などが表示されている。
【0077】
また、登録商品リスト702bには、直近に登録した「○○みかん」に関する表示がされており、具体的には、「○○みかん」が特売制限商品であることや、「○○みかん」が10個登録されていることが表示されている。合計金額欄703は、3本の「○○ジュース」の合計金額(¥270)に、10個の「○○みかん」の金額(¥500)が加算された合計金額(¥770)を示している。合計点数欄704は、3本の「ジュース」の点数(3)に、10個の「○○みかん」の点数(10)が加算された点数(13点)を示している。
図9(B)において、さらに商品が登録されると、
図10(A)に示す画面に遷移する。
【0078】
図10(A)は、「○○メロン」が1個登録された際の画面を示す。登録商品欄701には、「○○メロン」および金額(¥1000)が表示されている。登録商品リスト702cには、直近に登録した「○○メロン」の登録に関する表示がされており、具体的には、「○○メロン」が1個登録されていることが表示されている。合計金額欄703は、さらに、1個の「○○メロン」の金額(¥1000)が加算された合計金額(¥1770)を示している。合計点数欄704は、さらに、1個の「○○メロン」の点数(1)が加算された点数(14点)を示している。
【0079】
ここで、登録されている商品「○○みかん」は、購入金額が¥1000を超えた顧客に対して数量制限を「6」とした特売制限商品である(
図4参照)。「○○メロン」が登録されたことにより、合計金額(購入金額)は¥1000を超えている。また、登録されている「○○みかん」の数量は「6」であり、すなわち、数量制限「10」を超えており、数量制限を超えた分(「4」)については、特売が無効となる。
【0080】
このため、
図10(B)に示すように、店員側表示部210には、特売除外報知710が表示されている。特売除外報知710は、特売制限商品(○○みかん)の数量制限を超えたため、特売が無効となった商品がある旨を示している。
図10(B)において、確認ボタン711が押下されると、
図11(A)に示す画面に遷移する。
【0081】
図11(A)に示す画面は、登録商品リスト702a~702dと、合計金額欄703と、選択催促通知810とを含む。登録商品リスト702bは、特売制限商品である「○○みかん」のうち、特売対象商品となる6個分の「○○みかん」を示している。登録商品リスト702cは、特売制限商品である「○○みかん」のうち、特売除外商品となる4個分の「○○みかん」を示している。
【0082】
このように、特売対象商品を示す登録商品リスト702bと、特売除外商品を示す登録商品リスト702cとは、分割して表示されている。また、登録商品リスト702cの表示領域は、通常の商品や特売対象商品が表示される表示領域とは異なる態様で表示されている。
【0083】
また、登録商品リスト702bには、20%OFFであることを示す特売情報や、6個の「○○みかん」が特売対象商品であることや、値引額などが表示されている。また、登録商品リスト702cには、4個の「○○みかん」が特売除外商品であることや、4個分の合計金額が表示されている。
【0084】
合計金額欄703は、
図10(A)において表示されていた金額(¥1770)から、特売対象商品についての割引額(¥60)を減額した金額(¥1710)を示している。店員は、顧客に、特売除外商品に対する処理を尋ね、顧客の回答に応じて、通常価格ボタン811を押下したとする。この場合、
図11(B)に示す画面に遷移する。
【0085】
なお、
図10に示す例では、特売制限商品である10個の「○○みかん」が登録商品リスト702bに表示されている場合について説明したが、10個の「○○みかん」が登録された後に、他の商品が複数登録されたとすると、10個の「○○みかん」が登録商品リスト702bに表示されないことがある。この場合でも、購入金額が¥1000を超えた際に、特売除外商品がある場合には、
図10(B)に示した特売除外報知710を行うとともに、
図11(A)に示したように、登録商品リスト702b、702cのように、特売対象商品と特売除外商品とを分割して表示するようにすればよい。
【0086】
図11(B)は、4個の「○○みかん」が特売除外商品(通常価格)として登録された際の画面を示している。登録商品リスト702cの表示領域は、通常の商品や特売対象商品が表示される表示領域と同様の態様で表示されている。
【0087】
図7~
図11に示した画面を表示することにより、特売制限商品のうち、特売除外商品が登録されていることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、特売除外商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、特売除外商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0088】
(POS端末20が発行するレシートの一例)
図12は、POS端末20が発行するレシートの一例を示す説明図である。
図12に示すように、レシート1200には、購入日時、レシート番号、店員の情報、購入した商品に関する商品情報1201~1204、預かり金額、お釣りなどが印刷されている。商品情報1201は、「○○ジュース」に関する購入内容を示す。具体的には、商品情報1201は、「○○ジュース」の3本の価格、会員であることの特売条件によって10%OFFになった値引額などを含む。
【0089】
商品情報1202は、「○○みかん」に関する購入内容を示す。具体的には、商品情報1202は、「○○みかん」の6個の価格、購入金額が¥1000を超えたことの特売条件によって20%OFFになった値引額などを含む。商品情報1203は、「○○みかん」に関する購入内容を示す。具体的には、商品情報1203は、「○○みかん」の4個の価格、数量制限によって特売の対象とはならなかった旨などを含む。商品情報1204は、「○○メロン」に関する購入内容を示す。具体的には、商品情報1204は、「○○メロン」の1個の価格などを含む。
【0090】
このようなレシート1200を発行することにより、顧客は、特売制限商品について、特売の対象となった商品があるや、特売から除外された商品があることを、容易に把握することができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態において、POS端末20は、特売制限商品の数量が数量制限を超えている場合、特売価格によって販売されない特売除外商品がある旨を報知する特売除外報知を行うようにした。これにより、特売除外商品が登録されていることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、特売除外商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、特売除外商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。このため、本実施形態によれば、商品の登録を好適に行うことができる。
【0092】
また、本実施形態において、特売条件は、商品の登録途中に、会員情報またはクーポン情報を取得することであることとした。これにより、POS端末20は、商品の登録途中に、顧客が会員カードやクーポンを提示したことによって会員情報やクーポン情報を取得した場合でも、特売除外商品があるときには、特売除外報知を行うことができる。
【0093】
また、本実施形態において、特売条件は、商品の登録途中に、購入金額が一定金額以上となることとした。これにより、商品の登録途中に、購入金額が一定金額以上となった場合に、特売除外商品があるときには、特売除外報知を行うことができる。
【0094】
また、本実施形態において、POS端末20は、特売除外商品がある場合、登録商品リストに、特売対象商品と、特売除外商品とをそれぞれ表示させるようにした。具体的には、登録商品リストに、特売対象商品と、特売除外商品とを分割して表示させるようにした。これにより、店員に、特売対象商品と、特売除外商品とを認識させやすくすることができる。また、POS端末20は、特売対象商品と、特売除外商品とのそれぞれの内容を表示することができる。したがって、店員は、それぞれの内容を簡単かつ詳細に把握することができる。
【0095】
また、本実施形態において、POS端末20は、特売除外商品が特売価格では販売されないことを示す表示を行うようにした。これにより、特売除外商品があることを、より店員に認識させやすくすることができる。
【0096】
また、本実施形態において、POS端末20は、特売制限商品の数量の変更を受け付けたことによって、特売除外商品の登録がなくなった場合、その旨を報知するようにした。これにより、特売除外商品の登録がなくなったことを店員に認識させることができる。これにより、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを、より確実に抑えることができる。
【0097】
また、本実施形態において、POS端末20は、特売制限商品の数量を減じる変更が受け付けられた場合、特売除外商品の数量を減じるようにした。これにより、特売除外商品の登録が残り、特売対象商品の登録がなくなってしまうといった事態を抑えることができ、よって、顧客にとって不利益となることを抑えることができる。
【0098】
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、同様の符号を付すとともに、適宜説明を省略する。
【0099】
(変形例1)
上述した実施形態では、特売制限商品には、特売用の数量制限が設けられる構成について説明した。このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、変形例1では、特売制限商品には、特売制限商品の購入によって付与するポイント用の数量制限が設けられる構成について説明する。変形例1において、ポイントとは、特売制限商品を1点購入するごとに、顧客に1ポイント付与される特典とする。
【0100】
(変形例1に係る特売制限商品テーブルの一例)
図13は、変形例1に係る特売制限商品テーブルの一例を示す説明図である。
図13に示す特売制限商品テーブル1300は、
図4に示した特売制限商品テーブル400と比較して、「ポイント用数量制限」の項目が含まれる点が異なる。なお、特売制限商品テーブル1300の「特売用数量制限」の項目は、特売制限商品テーブル400の「数量制限」の項目と同じ内容であり、「ポイント用数量制限」との混同を避けるために項目名の記載を変更したものである。
【0101】
ポイント用数量制限は、ポイント付与の対象になる特売制限商品の販売数量の制限を示す。具体的には、例えば、ポイント用数量制限が「5」の場合、特売制限商品の販売数量が5個までは、一の特売制限商品の販売につき1ポイント付与され、すなわち、5ポイントを上限として付与される。言い換えれば、ポイント用数量制限が「5」の場合、特売制限商品の販売数量が6個以上になると、ポイントが付与されないこととなる。
【0102】
一例を挙げて説明すると、特売制限商品情報1300aは、会員であることを条件に、「○○ジュース」が3個まで、通常価格から10%OFFとなることを示している。また、特売制限商品情報1300aは、会員であることを条件に、「○○ジュース」が5個まで、1ポイントずつポイントが付与されることを示している。
【0103】
変形例1では、特売制限商品である「○○ジュース」は、3個以内の購入であれば、特売価格で販売され、且つ、3ポイントが付与されることになる。すなわち、3個以内の購入であれば、特売とポイントとの2つの特典が得られることになる。
【0104】
また、「○○ジュース」は、4個または5個の購入であれば、特売価格で販売されないもの、4ポイントまたは5ポイントが付与されることになる。すなわち、4個または5個の購入であれば、ポイントのみの1つの特典が得られることになる。
【0105】
また、「○○ジュース」は、6個以上の購入であれば、特売価格で販売されず、ポイントも付与されないことになる。すなわち、6個以上の購入であれば、いずれの特典も得られないことになる。
【0106】
変形例1では、得られる特典の数に応じて、異なる登録商品リストに特売制限商品を表示するようにしている。以下、
図14を用いて、変形例1に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例について説明する。
【0107】
(変形例1に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例)
図14は、変形例1に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
図14(A)は、特売制限商品である「○○ジュース」が6本登録された際の画面を示す。
【0108】
図14(A)において、会員カード読取ボタン705aが押下され、店員側スキャナ部212を用いて会員カード(会員情報)が読み取られたとする。そして、特売除外報知710(
図7(B)参照)が表示されて、さらに、確認ボタン711(
図7(B)参照)が押下されると、
図14(B)に示す画面に遷移する。
【0109】
登録商品リスト702aは、特売制限商品である「○○ジュース」のうち、特売対象商品であり、且つ、ポイント付与の対象となる3本分の「○○ジュース」を示している。具体的には、登録商品リスト702aには、10%OFFであることを示す特売情報や、3本の「○○ジュース」が特売対象商品であることや、値引額や、3ポイントが付与されることなどが表示されている。
【0110】
登録商品リスト702bは、特売制限商品である「○○ジュース」のうち、特売除外商品であり、且つ、ポイント付与の対象となる2本分の「○○ジュース」を示している。具体的には、登録商品リスト702bには、2本の「○○ジュース」が特売除外商品であることや、2本分の合計金額や、2ポイントが付与されることなどが表示されている。
【0111】
登録商品リスト702cは、特売制限商品である「○○ジュース」のうち、特売除外商品であり、且つ、ポイント付与の対象とならない1本分の「○○ジュース」を示している。具体的には、登録商品リスト702cには、1本の「○○ジュース」が特売除外商品であることや、1本分の金額などが表示されている。
【0112】
このように、変形例1では、2つの特典が付与されることを示す登録商品リスト702aと、1つの特典が付与されることを示す登録商品リスト702bと、いずれの特典も付与されない登録商品リスト702cとが分割して表示されるようになっている。なお、登録商品リスト702bの表示領域は、通常の商品や特売対象商品が表示される表示領域とは異なる態様で表示されている。また、登録商品リスト702cの表示領域についても、通常の商品や特売対象商品や特売除外商品が表示される表示領域とは異なる態様で表示されるようにしてもよい。
【0113】
なお、変形例1において、店員側スキャナ部212を用いて会員カード(会員情報)が読み取られたときに、ポイントが付与されない特売制限商品(以下、「ポイント除外商品」という。)が登録されている場合には、その旨の報知(以下「ポイント除外報知」という。)を行ってもよい。
【0114】
また、ポイント除外報知を行った際に、選択催促通知810を表示するようにして、ポイント除外商品に対する処理の選択を促す通知を行ってもよい。さらに、この場合、通常価格ボタン811と、特売価格ボタン812と、減算ボタン813とを表示するようにして、ポイント除外商品に対する処理の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0115】
(変形例1に係るPOS端末20の機能的構成について)
次に、変形例1に係るPOS端末20の機能的構成について説明する。変形例1において、特売制限商品には、ポイント付与の対象になる数量制限(以下、「ポイント用数量制限」という。)が設けられている。数量判定部は、商品判定において特売制限商品が含まれると判定された場合、特売制限商品の数量がポイント用数量制限を超えているか否かのポイント用数量判定を行う。
【0116】
報知部は、ポイント用数量判定においてポイント用数量制限を超えていると判定された場合、登録商品リストに、ポイント用数量制限の範囲内である特売制限商品(ポイント対象商品)と、ポイント用数量制限を超えている特売制限商品(ポイント除外商品)とを表示させる。例えば、報知部は、ポイント対象商品と、ポイント除外商品とを分割して表示させる。
【0117】
変形例1によれば、特売制限商品の数量がポイント用数量制限を超えている場合、登録商品リストに、ポイント対象商品と、ポイント除外商品とを表示させるようにした。これにより、店員に、特売制限商品のうち、ポイント対象商品と、ポイント除外商品とを認識させやすくすることができる。このため、店員は、顧客に、ポイント除外商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、ポイント除外商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0118】
(変形例2)
上述した実施形態では、合計点数にかかわらず、特売制限商品を、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示する構成について説明した。このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、変形例2では、合計点数が上限数に達した場合には、特売制限商品を、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示しないことがある構成について説明する。
【0119】
変形例2において、POS端末20は、登録可能な商品の合計点数に上限数が予め定められている。すなわち、POS端末20は、表示可能な登録商品リストの段数に、上限数が予め定められている。この上限数は、例えば250であり、換言すれば、表示可能な登録商品リストの段数が最大で250段となっている。このため、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示したとすると250段を超える場合には、特売対象商品と特売除外商品とがある場合でも、特売対象商品と特売除外商品とを分割して表示することができない。このため、変形例2では、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示したとすると250段を超える場合には、エラーを表示するようにしている。また、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示したとすると250段を超える場合、特売制限商品を、特売対象商品と特売除外商品とに分けて登録することもできないようになっている。
【0120】
(変形例2において店員側表示部210に表示される画面の一例)
図15は、変形例2に係るPOS端末20の店員側表示部210に表示される画面の一例を示す説明図である。
図15(A)は、登録商品リスト702の250段目に、特売制限商品である「○○ジュース」が5本登録された際の画面を示す。具体的には、登録商品リスト702eには、特売制限商品である「○○ジュース」5本登録されたことや、金額(¥500)や単価(¥100)などが表示されている。また、合計点数欄704は、登録商品の合計点数が250点であることを示している。
【0121】
図15(A)において、店員が会員カード読取ボタン705aを押下し、店員側スキャナ部212を用いて会員カード(会員情報)を読み取ると、
図15(B)に示す画面に遷移する。
【0122】
図15(B)に示すように、店員側表示部210には、特売が無効になったことを示すエラー通知1500が表示されている。エラー通知1500は、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示したとすると250段を超えてしまい、特売対象商品と特売除外商品とを分割して表示することができないために表示される通知である。エラー通知1500が表示されると、例えば、店員が顧客に特売が無効になったことを伝え、顧客の回答に応じて、特売制限商品を減算したり、登録済みの他の商品をキャンセルしたりすることが可能である。
【0123】
なお、上述した説明では、特売制限商品が現在の登録商品リストに表示されている場合について説明した。ただし、特売制限商品が現在の登録商品リストに表示されていない段数(例えば、100段目)に登録されている場合もある。この場合も、エラー通知1500が表示される。例えば、100段目に特売制限商品が登録されており、特売対象商品と特売除外商品とに分割して表示したとすると250段を超える場合も、特売対象商品と特売除外商品とを分割して表示することができない。このため、このような場合も、エラー通知1500が表示されるようになっている。
【0124】
(変形例2に係るPOS端末20の機能的構成について)
次に、変形例2に係るPOS端末20の機能的構成について説明する。登録商品リストは、登録商品を表示可能な上限数(例えば250)が予め設定されている。報知部は、特売制限商品の数量判定において数量制限を超えていると判定された場合でも、特売対象商品と特売除外商品とをそれぞれ登録商品リストに表示させたとすると、当該上限数を超える場合には、エラーを表示させる。
【0125】
変形例2によれば、合計点数が上限数に達したことにより特売が無効になった特売制限商品があることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、特売制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、特売制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0126】
(変形例3)
上述した実施形態では、店員側表示部210を用いて、特売除外報知710を行う構成について説明した。このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、変形例3では、客側表示部205を用いて、特売除外報知710を行う構成について説明する。
【0127】
変形例3において、POS端末20は、会員情報の取得など、特売条件を満たした際に、特売制限商品の数量制限を超えている場合に、客側表示部205に特売除外報知710を表示させる。また、特売除外報知710を客側表示部205に表示させるようにした場合、POS端末20は、顧客から、特売除外商品に対する処理の選択を受け付けたり、特売制限商品の減算を受け付けるようにしたりしてもよい。具体的には、POS端末20は、選択催促通知810(
図8(A)参照)、減算受付画面820(
図8(B)参照)、無効解除通知900(
図9(A)参照)などについても客側表示部205に表示させるようにしてもよい。なお、選択催促通知810に含まれる特売価格ボタン812は、店長等の権限のある店員が操作する場合に表示されることが望ましい。このため、客側表示部205に選択催促通知810を表示させる場合には、特売価格ボタン812は、表示されないようにすればよい。
【0128】
また、客側表示部205を用いて、特売除外報知710を行うようにするのは、POS端末20がフルセルフモードに制御されているときとしてもよい。なお、フルセルフモードでは、顧客がクーポン情報を読み取らせることになる。このため、クーポンが紙媒体である場合には、当該クーポンを回収する必要が生じる場合がある。この場合、POS端末20は、クーポン情報を読み取ったときに、店員を呼び出すようにしてもよい。また、例えばクーポンがワンタイムバーコードであれば、当該クーポンを回収する必要がないため、店員の呼び出しを行わないようにしてもよい。
【0129】
変形例3によれば、特売制限商品のうち、特売除外商品が登録されていることを、顧客に直接通知することができる。このため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0130】
(変形例4)
上述した実施形態では、POS端末20が商品の登録操作を受け付けるPOSシステム1について説明した。変形例4では、顧客によって操作される携帯端末が商品の登録操作を受け付けるショッピングシステムについて説明する。変形例4において、ショッピングシステムは、携帯端末と、精算装置と、クラウドサーバとを含む。携帯端末は、顧客が所有する端末装置であってもよいし、店舗が貸し出す端末装置であってもよい。また、携帯端末は、ショッピングカートに据え付けられるものでもよいし、顧客が把持するものでもよい。
【0131】
ショッピングシステムでは、携帯端末で読み取られた商品がクラウドサーバに登録される。そして、精算時に精算装置がクラウドサーバから、精算に用いられる登録情報を受信することによって、精算が行われる。以下に、ショッピングシステムにおける、商品の登録から精算までの流れを簡単に説明する。
(1)顧客は、携帯端末のカメラ機能を用いて、商品に付された商品コード(例えば、バーコード)を読み取る。携帯端末は、商品コードを読み取ると、読み取った商品コードが示す商品コード情報をクラウドサーバへ送信する。
(2)クラウドサーバは、顧客(携帯端末)を識別するカート識別情報を含むカート情報を記憶している。クラウドサーバは、携帯端末から商品コード情報を受信すると、商品コード情報が示す商品をカート情報に記憶する。なお、携帯端末は、商品コードを読み取ったタイミングで、その都度クラウドサーバへ商品コード情報を送信する。ただし、携帯端末は、読み取った商品コード情報を逐次記憶しておき、精算開始を受け付けたタイミングで一括して商品コード情報をクラウドサーバへ送信してもよい。
(3)顧客は、購入する商品の登録が完了すると、携帯端末に表示されている精算開始ボタンを押下する。携帯端末は、精算開始ボタンの押下を受け付けると、カート識別情報をコード化して(例えば、2次元コード)、携帯端末の表示部(タッチパネル)に表示する。
(4)そして、顧客は、精算装置の読取部に、2次元コードを読み取らせる。精算装置は、2次元コードを読み取ると、読み取った2次元コードが示すカート識別情報をクラウドサーバへ送信するとともに、クラウドサーバに対して、精算に必要な登録情報の送信要求を行う。
(5)クラウドサーバは、精算装置から登録情報の送信要求を受信すると、送信要求とともに受信したカート識別情報を用いてカート情報を特定し、登録情報を生成する。そして、クラウドサーバは、生成した登録情報を精算装置へ送信する。
(6)精算装置は、クラウドサーバから登録情報を受信すると、受信した登録情報を用いて、精算を開始する。
【0132】
次に、変形例4において、携帯端末の表示部に、特売除外報知(
図7(B)の特売除外報知710を参照)を表示させる場合について説明する。変形例4において、クラウドサーバは、商品登録部と、商品判定部と、数量判定部と、報知部と、減算部とを備える。商品登録部は、商品登録部は、携帯端末によって読み取られた内容(商品コード)に基づいて、商品をカート情報に登録する。商品判定部は、クーポン情報を取得した場合や、購入金額が一定金額以上となった場合(特売条件が成立した場合)に、既にカート情報に登録されている登録商品に特売制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う。
【0133】
数量判定部は、商品判定において特売制限商品が含まれると判定された場合、カート情報に登録されている特売制限商品の数量が数量制限を超えているか否かの数量判定を行う。報知部は、数量判定において数量制限を超えていると判定された場合、特売除外報知(特売除外商品がある旨の報知)を行う旨の情報を、携帯端末へ送信する制御を行う。
【0134】
携帯端末は、特売除外報知を行う旨の情報を受信すると、携帯端末の表示部に特売除外報知を表示する。また、携帯端末は、クラウドサーバの(報知部の)制御に基づいて、登録商品リストを表示する。また、携帯端末は、受付部(タッチパネル)を備え、受付部の機能により、登録商品の数量の変更を受け付け、数量の変更を示す情報をクラウドサーバへ送信する。クラウドサーバの減算部は、携帯端末から数量の変更を示す情報を受信すると、数量制限を超えている特売制限商品の数量を減じる。携帯端末は、減算部の指示に基づいて、特売制限商品の数量を減じた画面を表示部に表示する。
【0135】
このように、ショッピングシステムにおいて、携帯端末の表示部に特売除外報知を表示させることが可能である。これにより、買物の途中に、特売除外商品が登録されていることを顧客に気付かせることができる。そして、顧客は、数量変更等を行うことができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0136】
また、変形例4において、特売除外報知(
図7(B)の特売除外報知710を参照)は携帯端末に表示されることに限らない。例えば、特売除外報知(
図7(B)の特売除外報知710を参照)は、携帯端末に加えて又は代えて、精算装置に表示されてもよい。具体的に説明すると、精算装置は、精算を開始した後(クラウドサーバから登録情報を受信した後)に、顧客が提示した会員カードやクーポンを読み取ることにより、会員情報やクーポン情報を取得する場合がある。この場合、精算装置は、取得した会員情報やクーポン情報をクラウドサーバへ送信する。クラウドサーバは、会員情報やクーポン情報を受信すると、商品判定および数量判定を行う。そして、クラウドサーバの報知部は、数量判定において数量制限を超えていると判定した場合、特売除外報知(特売除外商品がある旨の報知)を行う旨の情報を、精算装置へ送信する制御を行う。
【0137】
精算装置は、クラウドサーバから、特売除外報知を行う旨の情報を受信すると、精算装置の表示部(タッチパネル)に特売除外報知を表示する。また、精算装置は、クラウドサーバの報知部の制御に基づいて、登録商品リストを表示する。また、精算装置は、受付部(タッチパネル)を備え、受付部の機能により登録商品の数量の変更を受け付け、数量の変更を示す情報をクラウドサーバへ送信する。クラウドサーバの減算部は、精算装置から数量の変更を示す情報を受信すると、数量制限を超えている特売制限商品の数量を減じる。精算装置は、減算部の指示に基づいて、特売制限商品の数量を減じた画面を表示部に表示する。
【0138】
このように、ショッピングシステムにおいて、精算装置の表示部に特売除外報知を表示させることが可能である。これにより、精算時に、特売除外商品が登録されていることを顧客に気付かせることができる。そして、顧客は、数量変更等を行うことができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0139】
なお、ショッピングシステムでは、顧客が商品を手に取って登録し、精算を行う構成について説明したが、これに限らない。例えば、顧客が事前に商品を登録して、注文しておき、店舗の端末(精算装置)で精算を行う構成であってもよい。このような構成の場合、精算装置は、精算時に顧客によって提示された会員カードやクーポンを読み取ると、会員情報やクーポン情報をクラウドサーバへ送信し、クラウドサーバの指示に基づいて、特売除外報知を表示するようにすればよい。このような構成においても、携帯端末が特売除外報知を表示することも可能である。具体的には、携帯端末は、クーポン情報を取得した場合に、当該クーポン情報をクラウドサーバへ送信し、クラウドサーバの指示に基づいて、特売除外報知を表示するようにすればよい。
【0140】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野] 商品販売データ処理装置、商品販売データ処理方法、およびプログラム
本発明は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理方法、およびプログラムに関する。
[背景技術]
従来、店舗などでは、例えば、通常価格よりも安価な優待価格で商品が販売されることがある。優待価格で販売される品には、優待価格での販売数量に制限が設けられた数量制限商品がある。数量制限商品は、例えば、店舗の会員や、クーポン券を所持する顧客など、一定の特売条件を満たした顧客に対して販売されることがある。一例を挙げると、数量制限商品は、会員であることを特売条件として、一取引において1点限りで、優待価格(例えば10円引き)で販売される商品である。言い換えれば、このような数量制限商品は、会員が2点同時に購入する場合でも、1点については優待価格で販売され、もう1点については通常価格で販売されることになる。
関連する技術として、取引において特売制限商品の数量が制限を超えたときに、特売制限商品の通常価格と特売価格とをオペレータに報知するようにした商品販売データ処理装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
ここで、商品販売データ処理装置(例えば、POS(Point Of Sales)レジスタ)は、数量制限商品を登録した後に、会員情報を読み取るといった条件(以下「特売条件」という。)が成立する場合がある。商品販売データ処理装置は、特売条件が成立する前では、数量制限商品が数量制限内であるか否かにかかわらず、数量制限商品を通常価格で登録している。そして、商品販売データ処理装置は、数量制限商品を登録した後に、特売条件が成立すると、数量制限内の商品を優待価格とし、数量制限を超える商品をそのまま通常価格として、それぞれ1点の商品として登録する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-076016号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、数量制限商品を登録した後に特売条件が成立した場合、数量制限商品のうち数量制限内の商品と数量制限を超える商品とを分割して登録したとしても、数量制限を超える商品が登録されたことに店員が気付かないことがある。例えば、数量制限商品を登録した後に登録された商品がある場合には、当該後に登録された商品が登録商品リストに表示されているため、数量制限商品のうち数量制限を超える商品が登録されていることに店員が気付かないことがある。
これにより、店員が顧客に対して、数量制限を超える商品について顧客の購入の意思などを確認させることができず、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことがある。このように、従来技術では、商品の登録を好適に行うことができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品の登録を好適に行うことができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、
客が購入する商品を登録する商品登録手段と、通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定手段と、前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定手段と、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知手段と、備えることを特徴とする商品販売データ処理装置である。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品が登録されていることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、数量制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、数量制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。このため、商品の登録を好適に行うことができる。
上記構成において、前記条件は、既に登録されている前記登録商品があるときに、会員情報またはクーポン情報を取得することとしてもよい。
上記構成によれば、商品販売データ処理装置は、商品の登録途中に、顧客が会員カードやクーポンを提示したことによって会員情報やクーポン情報を取得した場合でも、優待価格によって販売されない数量制限商品があるときには、その旨を報知することができる。
上記構成において、前記条件は、既に登録されている前記登録商品があるときに、購入金額が一定金額以上になることとしてもよい。
上記構成によれば、商品の登録途中に、購入金額が一定金額以上となった場合、優待価格によって販売されない数量制限商品があるときには、その旨を報知することができる。
上記構成において、前記登録商品を示す登録商品リストを表示する表示手段をさらに備え、前記報知手段は、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記登録商品リストに、前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とをそれぞれ表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、店員に、優待価格によって販売される数量制限商品と、優待価格によって販売されない数量制限商品とを認識させやすくすることができる。また、商品販売データ処理装置は、優待価格によって販売される数量制限商品と、優待価格によって販売されない数量制限商品とのそれぞれの内容を表示することができる。したがって、店員は、それぞれの内容を簡単かつ詳細に把握することができる。
上記構成において、前記報知手段は、前記通常価格の前記数量制限商品が前記優待価格では販売されないことを示す表示を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品があることを、より店員に認識させやすくすることができる。
上記構成において、前記数量制限商品の数量の変更を受け付ける受付手段をさらに備え、前記報知手段は、前記受付手段によって前記数量の変更が受け付けられたことにより、前記数量制限を超えていた前記数量制限商品が前記数量制限を超えなくなった場合、その旨を報知するようにしてもよい。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品の登録がなくなったことを店員に認識させることができる。これにより、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを、より確実に抑えることができる。
上記構成において、前記受付手段によって前記数量制限商品の数量を減じる変更が受け付けられた場合、前記数量制限を超えている前記数量制限商品の数量を減じる減算手段をさらに備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品の登録が残り、優待価格によって販売されない数量制限商品の登録がなくなってしまうといった事態を抑えることができる。このため、顧客にとって不利益となることを抑えることができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理方法は、商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータが、客が購入する商品を登録する商品登録ステップと、通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定ステップと、前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定ステップと、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知ステップと、を実行することを特徴とする商品販売データ処理方法である。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品が登録されていることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、数量制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、数量制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。このため、商品の登録を好適に行うことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品販売データ処理装置に用いられるコンピュータを、客が購入する商品を登録する商品登録手段、通常の価格よりも安価な優待価格での販売に数量制限が設けられた数量制限商品の販売が可能な条件が成立した場合、既に登録されている登録商品に前記数量制限商品が含まれるか否かの商品判定を行う商品判定手段、前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記数量制限を超えているか否かの数量判定を行う数量判定手段、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合、前記優待価格によって販売されない前記数量制限商品がある旨を報知する報知手段、して機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、優待価格によって販売されない数量制限商品が登録されていることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、数量制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、数量制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。このため、商品の登録を好適に行うことができる。
【0141】
また、上記の商品販売データ処理装置において、
前記数量制限商品には、ポイント付与の対象になる数量制限(以下、「ポイント用数量制限」という。)が設けられ、
前記数量判定手段は、前記商品判定において前記数量制限商品が含まれると判定された場合、前記数量制限商品の数量が前記ポイント用数量制限を超えているか否かのポイント用数量判定を行い、
前記報知手段は、前記ポイント用数量判定において前記ポイント用数量制限を超えていると判定された場合、前記登録商品リストに、前記ポイント用数量制限の範囲内である前記数量制限商品と、前記ポイント用数量制限を超えている前記数量制限商品とを表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、店員に、ポイント付与の対象となる数量制限商品と、ポイント付与の対象とはならない数量制限商品とを認識させやすくすることができる。このため、店員は、顧客に、ポイント付与の対象とはならない数量制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、数量制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0142】
また、上記の商品販売データ処理装置において、
前記登録商品リストは、登録商品を表示可能な上限数が予め設定されており、
前記報知手段は、前記数量判定において前記数量制限を超えていると判定された場合でも、前記数量制限の範囲内である前記優待価格の前記数量制限商品と、前記数量制限を超えている通常価格の前記数量制限商品とをそれぞれ前記登録商品リストに表示させたとすると、前記上限数を超える場合には、エラーを表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、優待価格での販売が無効になった数量制限商品があることを店員に気付かせることができる。そして、店員は、顧客に、数量制限商品に対する処理を尋ねることができる。したがって、数量制限商品について、顧客の購入の意思を確認することができるため、顧客が購入を望まない商品が登録されてしまうことを抑えることができる。
【0143】
なお、上述した説明では、商品登録部と、商品判定部と、数量判定部と、報知部と、減算部と、表示部と、受付部とは、POS端末20に具備される構成について説明した。これらの機能部は、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部は、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、監視端末11に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置(例えば、外部サーバ)に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、1台であることに限らず、複数台であってもよい。例えば、これらの機能部の一部の機能部を一のコンピュータ装置が具備し、他の機能部を他のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0144】
具体的には、変形例4に示したショッピングシステムでは、商品登録部と、商品判定部と、数量判定部と、報知部と、減算部とは、クラウドサーバに具備される。また、表示部と、受付部とは、携帯端末や精算装置に具備される。このように、各部を異なる装置に具備させることが可能である。
【0145】
また、上述した説明では、商品販売データ処理装置の一例として、顧客から決済種別に関する操作や、現金の投入を受け付けるPOS端末20を用いて説明した。ただし、商品販売データ処理装置は、これに限らない。例えば、商品販売データ処理装置は、ドロワーを備えたレジスタ装置であってもよく、具体的には、店員が現金の投入やお釣りの取り出しを行うレジスタ装置であってもよい。
【0146】
なお、以上に説明したPOS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0147】
1…POSシステム
10…ストアコントローラ
11…監視端末
20…POS端末
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…ハードディスク
205…客側表示部
206…客側スキャナ部
208…カード決済部
209…釣銭機
210…店員側表示部
211…キー操作部
212…店員側スキャナ部
213…印刷部
214…音声出力部
215…通信部