(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】センサシステム、子タグ及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020147728
(22)【出願日】2020-09-02
【審査請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】512319232
【氏名又は名称】株式会社KMC
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】簾内 長仁
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 声喜
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061628(JP,A)
【文献】特表2020-504350(JP,A)
【文献】特開平08-185204(JP,A)
【文献】特開2002-268719(JP,A)
【文献】特開2017-033364(JP,A)
【文献】特開平10-161736(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0101886(US,A1)
【文献】国際公開第2019/3340(WO,A1)
【文献】特開2011-70606(JP,A)
【文献】国際公開第2009/41260(WO,A1)
【文献】特許第6953690(JP,B2)
【文献】特開2017-91348(JP,A)
【文献】特許第7100966(JP,B2)
【文献】特許第7409361(JP,B2)
【文献】特許第6950856(JP,B2)
【文献】特開2020-104237(JP,A)
【文献】特開2018-103286(JP,A)
【文献】特許第6948025(JP,B2)
【文献】特許第6227603(JP,B2)
【文献】実公昭61-13242(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、
前記特徴点は前記対象機が運転中に特定の動きをした時点の振動又は加速度に相当し、
3個の連続する特徴点を検出すると、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、
前記隣り合う特徴点同士のインターバル時間は、連続する2個の特徴点同士の時間間隔の長さであり、
隣り合う
2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、
ここで、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、閾値以上であるとき、非自動運転モードであると判断し、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、前記閾値未満であるとき、自動運転モードであると判断し、前記差分が前記閾値未満となる隣り合う2個の前記インターバル時間のうち1個目のインターバル時間を基準インターバル時間とし、
直前に検出した特徴点から前記基準インターバル時間が経過した時点に、特徴点を検出せず、前記非自動運転モードのインターバル時間より長い時間である所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない場合は、停止モードに変化したと判断し、
直前に検出した3個目の特徴点を新たな1個目の特徴点として3個の連続する特徴点を検出し続け、3個の連続する特徴点を検出する度に、隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し続け、
前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、
ここで、
最初に検出した特徴点が、前記停止モードから前記非自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記基準インターバル時間の始点である特徴点が、前記非自動運転モードから前記自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記直前に検出した特徴点に前記基準インターバル時間を加算した時点が、前記自動運転モードから前記停止モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記変化点を判断したタイミングで、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を有する子タグと、
前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記対象機の稼働率を算出する算出部を有する情報処理装置と、
を具備するセンサシステム。
【請求項2】
請求項
1に記載のセンサシステムであって、
前記非自動運転モードは、段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む
センサシステム。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載のセンサシステムであって、
前記算出部は、前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記動作モードの継続時間を算出し、前記継続時間に基づき前記対象機の稼働率を算出する
センサシステム。
【請求項4】
請求項
3に記載のセンサシステムであって、
前記算出部は、
前記非自動運転モード及び前記非自動運転モードに変化した変化点の時刻と、前記自動運転モード及び前記自動運転モードに変化した変化点の時刻とに基づき、非自動運転モードの継続時間を算出し、
前記自動運転モード及び前記自動運転モードに変化した変化点の時刻と、前記停止モード及び前記停止モードに変化した変化点の時刻とに基づき、前記自動運転モードの継続時間を算出し、
前記非自動運転モードの継続時間を分子とし、単位時間を分母として、前記非自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記自動運転モードの継続時間を分子とし、前記単位時間を分母として、前記自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記停止モードの継続時間を分子とし、前記単位時間を分母として、前記停止モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記自動運転モードの継続時間の
前記単位時間に対する割合
、又は、前記自動運転モードの継続時間及び前記非自動運転モードの継続時間の前記単位時間に対する割合を、前記稼働率として算出する
センサシステム。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れか一項に記載のセンサシステムであって、
前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点を受信し、前記情報処理装置に転送する親タグ
をさらに具備するセンサシステム。
【請求項6】
請求項
5に記載のセンサシステムであって、
前記親タグに、複数の前記子タグが接続可能であり、
前記算出部は、前記複数の子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき、複数の前記対象機の前記稼働率をそれぞれ算出する
センサシステム。
【請求項7】
請求項1乃至
6の何れか一項に記載のセンサシステムであって、
前記対象機は成形機、プレス機又はダイカスト機である
センサシステム。
【請求項8】
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、
前記特徴点は前記対象機が運転中に特定の動きをした時点の振動又は加速度に相当し、
3個の連続する特徴点を検出すると、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、
前記隣り合う特徴点同士のインターバル時間は、連続する2個の特徴点同士の時間間隔の長さであり、
隣り合う
2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、
ここで、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、閾値以上であるとき、非自動運転モードであると判断し、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、前記閾値未満であるとき、自動運転モードであると判断し、前記差分が前記閾値未満となる隣り合う2個の前記インターバル時間のうち1個目のインターバル時間を基準インターバル時間とし、
直前に検出した特徴点から前記基準インターバル時間が経過した時点に、特徴点を検出せず、前記非自動運転モードのインターバル時間より長い時間である所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない場合は、停止モードに変化したと判断し、
直前に検出した3個目の特徴点を新たな1個目の特徴点として3個の連続する特徴点を検出し続け、3個の連続する特徴点を検出する度に、隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し続け、
前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、
ここで、
最初に検出した特徴点が、前記停止モードから前記非自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記基準インターバル時間の始点である特徴点が、前記非自動運転モードから前記自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記直前に検出した特徴点に前記基準インターバル時間を加算した時点が、前記自動運転モードから前記停止モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記変化点を判断したタイミングで、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を具備する子タグ。
【請求項9】
情報処理装置の制御回路を、
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、
前記特徴点は前記対象機が運転中に特定の動きをした時点の振動又は加速度に相当し、
3個の連続する特徴点を検出すると、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、
前記隣り合う特徴点同士のインターバル時間は、連続する2個の特徴点同士の時間間隔の長さであり、
隣り合う
2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、
ここで、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、閾値以上であるとき、非自動運転モードであると判断し、
隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分が、前記閾値未満であるとき、自動運転モードであると判断し、前記差分が前記閾値未満となる隣り合う2個の前記インターバル時間のうち1個目のインターバル時間を基準インターバル時間とし、
直前に検出した特徴点から前記基準インターバル時間が経過した時点に、特徴点を検出せず、前記非自動運転モードのインターバル時間より長い時間である所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない場合は、停止モードに変化したと判断し、
直前に検出した3個目の特徴点を新たな1個目の特徴点として3個の連続する特徴点を検出し続け、3個の連続する特徴点を検出する度に、隣り合う2個の前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し続け、
前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、
ここで、
最初に検出した特徴点が、前記停止モードから前記非自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記基準インターバル時間の始点である特徴点が、前記非自動運転モードから前記自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記直前に検出した特徴点に前記基準インターバル時間を加算した時点が、前記自動運転モードから前記停止モードに変化した時点を示す変化点であると判断し、
前記変化点を判断したタイミングで、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を有する子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記対象機の稼働率を算出
し、ここで、
前記非自動運転モード及び前記非自動運転モードに変化した変化点の時刻と、前記自動運転モード及び前記自動運転モードに変化した変化点の時刻とに基づき、非自動運転モードの継続時間を算出し、
前記自動運転モード及び前記自動運転モードに変化した変化点の時刻と、前記停止モード及び前記停止モードに変化した変化点の時刻とに基づき、前記自動運転モードの継続時間を算出し、
前記非自動運転モードの継続時間を分子とし、単位時間を分母として、前記非自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記自動運転モードの継続時間を分子とし、前記単位時間を分母として、前記自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記停止モードの継続時間を分子とし、前記単位時間を分母として、前記停止モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出し、
前記自動運転モードの継続時間の
前記単位時間に対する割合
、又は、前記自動運転モードの継続時間及び前記非自動運転モードの継続時間の前記単位時間に対する割合を、前記稼働率として算出する
算出部
として動作させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機、プレス機又はダイカスト機等の対象機の稼働状況を算出することが可能なセンサシステムと、センサシステムに含まれる子タグ及び情報処理プログラムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場の生産性向上のため、工場内の機械の稼働時間を把握することは重要である。工場内の機械の稼働率は、生産性向上の指標となり、また、注文を受注する際の判断基準になる。このため、多くの企業は、工場内の機械の稼働率を管理している。
【0003】
稼働率の算出方法は、作業日報等に書かれた製造時間から表計算ソフト等で集計し、稼働率を算出するのが一般的である。この方法は、多大な工数を必要とし、紙資料からの転記ミスや集計ミス等が生じる可能性があり、自動集計の要望が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】東海ソフト株式会社、"稼働監視WebシステムFlex Signal 5"、[online]、[例話2年8月27日検索]、インターネット〈URL: https://www.tokai-soft.co.jp/business/bu_13/fs/index.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動集計を実現するため、動作カウンターの設置、機械の制御盤からのデータ取得、信号灯からの稼働/非稼働データの取得等、様々な機械の稼働状況を自動的に把握する取り組みがなされている(非特許文献1)。一方、製造工場には様々な機械がある。このため、全ての機械の稼働率を把握するには、稼働率を把握する装置も多種多様になり、設置工事等も含めると非常に高価である。また、古い機械の稼働率を取得するには、古い機械自体を改造する等の費用も掛かる。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、簡単な設備で、費用を抑えて、工場内の様々な機械の稼働率を算出するためのセンサシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係るセンサシステムは、
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、隣り合う前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を有する子タグと、
前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記対象機の稼働率を算出する算出部を有する情報処理装置と、
を具備する。
【0009】
本実施形態によれば、子タグは、センサが検出した対象機の振動又は加速度により動作モードを判断する。このため、簡単な設備(センサ)で、費用を抑えて、対象機の動作モードを判断し、対象機の稼働率を算出することができる。このため、子タグを、対象機に取り付け可能な小型サイズ及び軽さとすることができる。
【0010】
前記判断部は、前記動作モードとして、
隣り合うインターバル時間同士の差分が、閾値以上であるとき、非自動運転モードであると判断し、
隣り合うインターバル時間同士の差分が、前記閾値未満であるとき、自動運転モードであると判断し、
インターバル時間の長さが、所定長さ以上であるとき、停止モードであると判断する。
【0011】
このように、振動又は加速度の特徴点のインターバル時間に基づき動作モードを判断することで、周期的に自動運転することが想定される対象機の動作モードを正確に判断することを図れる。
【0012】
前記非自動運転モードは、段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む。
【0013】
このように、段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む非自動運転モードを、自動運転モードとは区別して判断することにより、対象機の稼働率を正確に算出することを図れる。
【0014】
前記判断部は、前記変化点を判断したタイミングで、前記動作モード及び前記変化点を出力する。
【0015】
このように、子タグは、常に動作モードを出力するのではなく、変化点を判断したタイミングのみ、動作モード及び変化点を出力する。これにより、子タグが動作モード及び変化点を出力する回数が最小で済む。
【0016】
前記算出部は、前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記動作モードの継続時間を算出し、前記継続時間に基づき前記対象機の稼働率を算出する。
【0017】
このように、変化点から変化点までの時間を算出することで、動作モードの継続時間を算出する。これにより、対象機の動作を常にモニタする必要が無いため、低負荷かつ正確に、対象機の動作モードの継続時間を算出することができる。
【0018】
前記算出部は、前記自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を、前記稼働率として算出する。
【0019】
これにより、自動運転モードの継続時間の割合を稼働率として算出することで、対象機の稼働率を正確に算出することを図れる。
【0020】
前記子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点を受信し、前記情報処理装置に転送する親タグ。
【0021】
親タグが子タグと情報処理装置との間にあることで、親タグは、子タグから受信した動作モード及び変化点を、必要に応じて記憶し、情報処理装置に転送することができる。
【0022】
前記親タグに、複数の前記子タグが接続可能であり、
前記算出部は、前記複数の子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき、複数の前記対象機の前記稼働率をそれぞれ算出する。
【0023】
複数の対象機に子タグを取り付ければ、1個の親タグが複数の子タグからの通信を情報処理装置へ送るため、多数の対象機のそれぞれに高価な装置を導入する等が不要となり、簡便かつ安価にセンサシステムを導入できる。
【0024】
前記対象機は成形機、プレス機又はダイカスト機である。
【0025】
このため、周期的に自動運転することが想定される対象機(成形機、プレス機又はダイカスト機)の動作モードを正確に判断することを図れる。
【0026】
本発明の一形態に係る子タグは、
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、隣り合う前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を具備する。
【0027】
本発明の一形態に係る情報処理プログラムは、
情報処理装置の制御回路を、
対象機の振動又は加速度を検出可能なセンサと、
無線通信インターフェースと、
前記振動又は加速度の特徴点を検出し、隣り合う前記特徴点同士のインターバル時間を算出し、隣り合う前記インターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、前記動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、前記動作モード及び前記変化点を前記無線通信インターフェースを介して出力する判断部と、
を有する子タグが出力した前記動作モード及び前記変化点に基づき前記対象機の稼働率を算出する算出部
として動作させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、簡単な設備で、費用を抑えて、工場内の様々な機械の稼働率を算出することを図れる。
【0029】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサシステムの概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0032】
1.センサシステムの概要
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサシステムの概要を示す。
【0034】
センサシステム1は、複数の子タグ10と、1個の親タグ20と、情報処理装置30とを有する。
【0035】
複数(例えば、数十個)の子タグ10は、典型的には、同じサイト(製造工場等)に設置された複数(例えば、数十個)の対象機40にそれぞれ設置される。対象機40は、運転時に振動する機械であり、例えば、成形機、プレス機又はダイカスト機である。子タグ10は、センサ11(
図2)を内蔵し、対象機40の運転時の振動又は加速度を検出可能である。センサ11は、対象機40の可動側金型に取り付けられる。センサ11は、振動センサ及び/又は加速度センサである。子タグ10は、対象機40の可動側金型に取り付け(例えば、対象機40に接着した取り付け治具に嵌める)可能な小型サイズ及び軽さでよい。子タグ10は、バッテリ(図示せず)を内蔵する。複数の子タグ10は、それぞれ、親タグ20と無線通信可能に接続される。無線通信は、例えば、無線LANを介したネットワーク通信でよい。
【0036】
親タグ20は、複数の子タグ10と例えばネットワークNを介して無線通信可能に接続され、さらに、情報処理装置30と例えばUSBを介して通信可能に接続される。親タグ20は、複数の子タグ10から受信したデータを情報処理装置30に転送する。親タグ20は、USBフラッシュドライブの形状及びサイズでよい。
【0037】
情報処理装置30は、複数の子タグ10が出力したデータを、親タグ20から受信する。情報処理装置30は、複数の子タグ10が出力したデータに基づき、複数の子タグ10がそれぞれ設置された複数の対象機40の稼働率を算出する。情報処理装置30は、汎用のパーソナルコンピュータ又は専用のコンピュータである。情報処理装置30が汎用のパーソナルコンピュータである場合、本実施形態のセンサシステムを実現する情報処理プログラムを、可搬型の非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した上で、又は、インターネット等を介してダウンロードした上で、汎用のパーソナルコンピュータにインストールすればよい。情報処理装置30が専用のコンピュータである場合、本実施形態のセンサシステムを実現する情報処理プログラムをインストールした専用のコンピュータ(据え置き型、モバイル型等)を出荷すればよい。
【0038】
2.センサシステムの機能的構成
【0039】
【0040】
以下、特記しない限り、単数の子タグ10を説明する。子タグ10は、センサ11と、制御回路12と、無線通信インターフェース13とを有する。制御回路12において、CPUは、ROMに記録された情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、判断部100として動作する。
【0041】
親タグ20は、子タグ10から無線通信により受信したデータを、必要に応じて(情報処理装置30の電源がオフの場合等)不揮発的に記憶し、USB通信により情報処理装置30に転送するためのハードウェア及びソフトウェア(不図示)を有する。
【0042】
情報処理装置30は、USBインターフェース31と、制御回路32と、出力装置33(ディスプレイ、スピーカ等)と、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置34とを有する。制御回路32において、CPUは、ROMに記録された情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、算出部300として動作する。記憶装置34は、子タグテーブル310を記憶する。
【0043】
子タグテーブル310は、子タグID311と、対象機ID312とを互いに関連付けて記憶する。子タグID311は、情報処理装置30に接続された親タグ20と通信可能に接続された複数の子タグ10のそれぞれを識別する。対象機ID312は、この子タグ10が取り付けられた対象機40を識別する。
【0044】
3.子タグの動作フロー
【0045】
【0046】
前提として、子タグ10が常時実行している処理を説明する。センサ11は、子タグ10が取り付けられた対象機40の振動又は加速度を常時検出し、検出信号を出力する。センサ11からの検出信号は、増幅器及びA/D変換器(図示せず)等を介して制御回路12に入力される。前提として、対象機40は停止モード(無振動又は加速度)である(ステップS101)。
【0047】
【0048】
制御回路12の判断部100は、振動又は加速度(波形)の特徴点を検出する(ステップS101)。特徴点は、典型的には、振動又は加速度の値が所定値より大きい立ち上がり点である。具体的には、特徴点は、対象機40が運転中に特定の動きをした時点の振動又は加速度に相当する。例えば、特徴点は、対象機40が成型機の場合には型開限の時点又は型開の開始時点に相当し、対象機40がプレス機の場合には下死点到達時点又は上死点到達時点に相当する。判断部100が所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない場合は、対象機40の動作モードが停止モードであることを意味する。
【0049】
一方、判断部100が振動又は加速度の特徴点t0を検出した場合は、停止モードであった対象機40が運転を開始したことを意味する。この場合、判断部100は、対象機40の動作モードが、自動運転モードであるか、非自動運転モード(段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む)であるか、を判断する。
【0050】
対象機40が運転している場合、判断部100は、運転中は何度も振動又は加速度の特徴点を検出する。本例では、判断部100は、特徴点t0、t1、t2…を順に検出する。判断部100は、3個の連続する特徴点t01、t11、t21を検出すると(ステップS102)、隣り合う特徴点同士のインターバル時間を算出する。「隣り合う特徴点同士のインターバル時間」は、連続する2個の特徴点同士の時間間隔の長さを意味する。本例では、判断部100は、隣り合う特徴点t01、t11同士のインターバル時間(t11-t01)、隣り合う特徴点t11、t21同士のインターバル時間(t21-t11)を算出する。
【0051】
判断部100は、隣り合うインターバル時間同士が略等しいか否かを判断する(ステップS103)。言い換えれば、判断部100は、隣り合うインターバル時間同士が略等しいか(即ち、差分が閾値未満)、異なるか(即ち、差分が閾値以上)を判断する。この閾値は、対象機40が正常に運転する上で許容されるバラツキ程度の小さな値である。隣り合うインターバル時間同士が略等しい(即ち、差分が閾値未満)とは(ステップS103、YES)、対象機40の動作モードが自動運転モードである(対象機40の運転が周期的である)ことを意味する。一方、隣り合うインターバル時間同士が異なる(即ち、差分が閾値以上)とは(ステップS103、NO)、対象機40の動作モードが非自動運転モードである(対象機40の運転が周期的でなく不規則)ことを意味する。本例では、(1)に示すように、隣り合うインターバル時間(t11-t01)、(t21-t11)同士の差分が閾値以上である(ステップS103、NO)。
【0052】
判断部100は、最初に検出した特徴点t01が、停止モードから非自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断する。判断部100は、変化点を判断したタイミングで、判断した動作モード及び変化点と、子タグ10を識別する子タグIDとを、無線通信インターフェース13を介して親タグ20に送信する。具体的には、判断部100は、動作モードを識別する識別子と、変化点の時点を示す時刻とを送信する。本例では、判断部100は、「非自動運転モード」を示す識別子及び変化点t01と、子タグ10を識別する子タグIDとを、無線通信インターフェース13を介して親タグ20に送信する(ステップS104)。親タグ20は、「非自動運転モード」を示す識別子及び変化点t01と、子タグ10を識別する子タグIDとを、子タグ10から受信し、情報処理装置30に転送する。
【0053】
その後も、判断部100は、直前に検出した特徴点t21を新たな特徴点t02として、3個の連続する特徴点t0、t1、t2を検出し続ける(ステップS102)。判断部100は、隣り合うインターバル時間同士が略等しいか否かを判断し続ける(ステップS103)。隣り合うインターバル時間同士が異なる(即ち、差分が閾値以上)状態(ステップS103、NO)が継続すれば、対象機40が非自動運転モードを継続していることを意味する(ステップS104)。
【0054】
一方、隣り合うインターバル時間同士が略等しい(即ち、差分が閾値未満)とは(ステップS103、YES)、対象機40の動作モードが自動運転モードに変化したことを意味する。本例では、(2)に示すように、隣り合うインターバル時間(t12-t02)、(t22-t12)同士の差分が閾値未満である(ステップS103、YES)。
【0055】
隣り合うインターバル時間同士が略等しい(即ち、差分が閾値未満)場合(自動運転モード)(ステップS103、YES)、判断部100は、このインターバル時間(t12-t02)を、基準インターバル時間Δtとする(ステップS105)。
【0056】
判断部100は、特徴点t02(インターバル時間(t12-t02)の始点)が、非自動モードから自動運転モードに変化した時点を示す変化点であると判断する(ステップS106)。判断部100は、変化点を判断したタイミングで、「自動運転モード」を示す識別子及び変化点t02と、子タグ10を識別する子タグIDとを、無線通信インターフェース13を介して親タグ20に送信する。親タグ20は、「自動運転モード」を示す識別子及び変化点t02と、子タグ10を識別する子タグIDとを、子タグ10から受信し、情報処理装置30に転送する。
【0057】
自動運転モード中、判断部100は、(3)に示すように、直前に検出した特徴点t3から基準インターバル時間Δtが経過した時点に、特徴点を検出し続ける(ステップS107、YES)。言い換えれば、自動運転モード中、判断部100は特徴点t3を検出し続け、隣り合うインターバル時間同士が略等しい(基準インターバル時間Δtと略等しい)状態が継続する(ステップS107、NO)。本例では、判断部100は、(3)に示すように、特徴点t31、t32、t33…を、基準インターバル時間Δt毎に検出する(ステップS107、YES)。言い換えれば、判断部100は、隣り合うインターバル時間Δt31、Δt32同士の差分(Δt32-Δt31)が閾値未満、Δt32、Δt33同士の差分(Δt33-Δt32)が閾値未満であると判断する(ステップS107、YES)。このため、判断部100は、特徴点t31、t32、t33の時点では対象機40が自動運転モードを継続していると判断する。
【0058】
一方、判断部100が、直前に検出した特徴点t3から基準インターバル時間Δtが経過した時点に、特徴点を検出せず(ステップS107、NO)、所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない場合は、対象機40の動作モードが停止モードに変化したことを意味する(ステップS101)。「所定の時間長さ」は、非自動運転モードのインターバル時間より十分長い時間である。本例では、判断部100は、「特徴点t3
3+基準インターバル時間Δt」の時点t3
4で、特徴点を検出しない上(
図4の破線)、所定の時間長さ以上に亘って振動又は加速度の特徴点を検出しない。この場合は、対象機40の動作モードが停止モードに変化したことを意味する(ステップS101)。判断部は、「特徴点t3
3+基準インターバル時間Δt」の時点t3
4が、自動運転モードから停止モードに変化した時点を示す変化点であると判断する。判断部100は、変化点を判断したタイミングで、「停止モード」を示す識別子及び変化点t3
4と、子タグ10を識別する子タグIDとを、無線通信インターフェース13を介して親タグ20に送信する。親タグ20は、「停止モード」を示す識別子及び変化点t3
4と、子タグ10を識別する子タグIDとを、子タグ10から受信し、情報処理装置30に転送する。
【0059】
4.情報処理装置の動作フロー
【0060】
【0061】
情報処理装置30の算出部300は、子タグ10が出力した、動作モード(停止モード、非自動運転モード、自動運転モード)、変化点及び子タグIDを、USBインターフェース31を介して親タグ20から受信する(ステップS301)。本例では、算出部300は、非自動運転モード及び変化点t0の時刻(非自動運転モードに変化した時刻)と、自動運転モード及び変化点t2の時刻(自動運転モードに変化した時刻)と、停止モード及び変化点t7の時刻(停止モードに変化した時刻)とを受信する。
【0062】
算出部300は、受信した子タグID311に関連付けて子タグテーブル310に登録された対象機ID312により識別される対象機40の稼働率を算出する。具体的には、算出部300は、受信した動作モード及び変化点に基づき動作モードの継続時間を算出する(ステップS302)。本例では、算出部300は、非自動運転モード及び変化点t01の時刻と、自動運転モード及び変化点t02の時刻とに基づき、非自動運転モードの継続時間(t02-t01)を算出する。算出部300は、自動運転モード及び変化点t02の時刻と、停止モード及び変化点t7の時刻とに基づき、自動運転モードの継続時間(t34-t02)を算出する。
【0063】
算出部300は、動作モード毎に算出した継続時間に基づき、動作モード毎の継続時間の単位時間に対する割合を算出する(ステップS303)。「単位時間」は、24時間又は8時間等であり、対象機40毎又はサイト(製造工場等)毎に予め設定されている。本例では、算出部300は、非自動運転モードの継続時間(t02-t01)を分子とし、単位時間を分母として、非自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出することができる。また、算出部300は、自動運転モードの継続時間(t34-t02)を分子とし、単位時間を分母として、自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出する。さらに、算出部300は、停止モードの継続時間(tx-t34)(txは次に非自動運転モード又は自動運転モードになった時の変化点。不図示)を分子とし、単位時間を分母として、停止モードの継続時間の単位時間に対する割合を算出する。「自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合」が、対象機40の稼働率である。これに代えて、算出部300は、「自動運転モードの継続時間及び非自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合」が、対象機40の稼働率として算出してもよい(ニーズに応じて設定を可変でよい)。
【0064】
算出部は、自動運転モードの単位時間に対する割合(稼働率)と、非自動運転モードの単位時間に対する割合と、停止モードの単位時間に対する割合とを、記憶装置34にログ320として記憶し、出力装置33に出力(ディスプレイに表示)する(ステップS304)。
【0065】
5.結語
【0066】
本実施形態によれば、子タグ10は、対象機40の振動又は加速度を検出可能なセンサ11と、無線通信インターフェース13と、振動又は加速度の特徴点を検出し、隣り合う特徴点同士のインターバル時間を算出し、隣り合うインターバル時間同士の差分に基づき動作モードを判断し、動作モードが変化した時点を示す変化点を判断し、動作モード及び変化点を無線通信インターフェース13を介して出力する判断部100と、を有する。情報処理装置30は、子タグ10が出力した動作モード及び変化点に基づき対象機40の稼働率を算出する算出部300を有する。
【0067】
本実施形態によれば、子タグ10は、センサ11が検出した対象機40の振動又は加速度により動作モードを判断する。このため、典型的な技術(動作カウンターの設置、機械の制御盤からのデータ取得、信号灯からの稼働/非稼働データの取得等)よりもはるかに簡単な設備(センサ11)で、費用を抑えて、対象機40の動作モードを判断し、対象機40の稼働率を算出することができる。また、対象機40に設置する子タグ10は、センサ11、無線通信インターフェース13及び判断部100を有すれば足りる。このため、子タグ10を、対象機40に取り付け可能な小型サイズ及び軽さとすることができる。例えば、古い対象機40の稼働率を取得したい場合には、古い対象機40に子タグ10を取り付ければよいため、古い機械自体を改造する等が不要となり、簡便かつ安価にセンサシステム1を導入できる。
【0068】
判断部100は、動作モードとして、隣り合うインターバル時間同士の差分が、閾値以上であるとき、非自動運転モードであると判断し、隣り合うインターバル時間同士の差分が、閾値未満であるとき、自動運転モードであると判断し、インターバル時間の長さが、所定長さ以上であるとき、停止モードであると判断する。
【0069】
このように、振動又は加速度の特徴点のインターバル時間に基づき動作モードを判断することで、周期的に自動運転することが想定される対象機40の動作モードを正確に判断することを図れる。
【0070】
非自動運転モードは、段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む。
【0071】
このように、段取りモード、試作モード及びアイドリングモードを含む非自動運転モードを、自動運転モードとは区別して判断することにより、対象機40の稼働率を正確に算出することを図れる。
【0072】
判断部100は、変化点を判断したタイミングで、動作モード及び変化点を出力する。
【0073】
このように、子タグ10は、常に動作モードを出力するのではなく、変化点を判断したタイミングのみ、動作モード及び変化点を出力する。これにより、無線通信されるデータ量が減るため、多数の対象機40及び子タグ10が設置された工場内で、データ通信のためのパケットが大量に飛び交って混信が多発し、通信の信頼性が損なわれる可能性を減らすことができる。また、子タグ10が動作モード及び変化点を出力する回数が最小で済むため、子タグ10の内蔵バッテリの消耗を抑えられる。
【0074】
算出部300は、子タグ10が出力した動作モード及び変化点に基づき動作モードの継続時間を算出し、継続時間に基づき対象機40の稼働率を算出する。
【0075】
このように、変化点から変化点までの時間を算出することで、動作モードの継続時間を算出する。これにより、対象機40の動作を常にモニタする必要が無いため、低負荷かつ正確に、対象機40の動作モードの継続時間を算出することができる。
【0076】
算出部300は、自動運転モードの継続時間の単位時間に対する割合を、稼働率として算出する。
【0077】
これにより、自動運転モードの継続時間の割合を稼働率として算出することで、対象機40の稼働率を正確に算出することを図れる。
【0078】
親タグ20は、子タグ10が出力した動作モード及び変化点を受信し、情報処理装置30に転送する。
【0079】
親タグ20が子タグ10と情報処理装置30との間にあることで、親タグ20は、子タグ10から受信した動作モード及び変化点を、必要に応じて(情報処理装置30の電源がオフの場合等)記憶し、情報処理装置30に転送することができる。
【0080】
親タグ20に、複数の子タグ10が接続可能であり、
算出部300は、複数の子タグ10が出力した動作モード及び変化点に基づき、複数の対象機40の稼働率をそれぞれ算出する。
【0081】
複数の子タグ10は、典型的には、同じサイト(製造工場等)に設置された複数の対象機40にそれぞれ設置される。1個の親タグ20が複数の子タグ10から情報処理装置30への通信を転送する。このため、多数の対象機40の稼働率を取得したい場合には、多数の対象機40に子タグ10を取り付ければ、1個の親タグ20が複数の子タグ10からの通信を情報処理装置30へ送るため、多数の対象機40のそれぞれに高価な装置を導入する等が不要となり、簡便かつ安価にセンサシステム1を導入できる。
【0082】
対象機40は成形機、プレス機又はダイカスト機である。
【0083】
成形機、プレス機又はダイカスト機は、周期的に自動運転することが想定される。このため、周期的に自動運転することが想定される対象機40(成形機、プレス機又はダイカスト機)の動作モードを正確に判断することを図れる。
【0084】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0085】
1 センサシステム
10 子タグ
11 センサ
12 制御回路
13 無線通信インターフェース
20 親タグ
30 情報処理装置
31 USBインターフェース
32 制御回路
33 出力装置
34 記憶装置
40 対象機
100 判断部
300 算出部
310 子タグテーブル
320 ログ