(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-30
(45)【発行日】2024-06-07
(54)【発明の名称】ピストンの支持構造及びダンパー
(51)【国際特許分類】
F16F 9/32 20060101AFI20240531BHJP
【FI】
F16F9/32 N
F16F9/32 Q
(21)【出願番号】P 2021017732
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236665
【氏名又は名称】不二ラテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 有範
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏之
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-151301(JP,A)
【文献】特開2002-106624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0251099(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンロッドに支持されダンパーのシリンダー内を圧力室と非圧力室とに区画するピストンの支持構造であって、
前記ピストンロッドに設けられ前記ピストンを支持するための支持部と、
前記ピストンに貫通して設けられ前記支持部を挿通して前記ピストンを前記支持部に対して前記
ダンパーの軸方向に変位自在に支持すると共に前記ピストンと前記支持部との間に還流路を区画する挿通孔と、
前記ピストンロッドに設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記非圧力室側への変位により前記ピストンの前記挿通孔の周囲を突き当てられて前記還流路を閉止する突当部と、
前記ピストンロッド又は前記ピストンの一方に設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記非圧力室側への変位時に前記ピストンを径方向にガイドして前記ピストンロッドに対して調心する第1ガイド面と、
を備えたピストンの支持構造。
【請求項2】
請求項1記載のピストンの支持構造であって、
前記第1ガイド面は、前記挿通孔の周囲が突き当てられる前記突当部の突当面と前記ピストンロッドの前記支持部の外周面との間に設けられ、前記ピストンの前記挿通孔の周囲を受けてガイドする、
ピストンの支持構造。
【請求項3】
請求項1記載のピストンの支持構造であって、
前記突当部
又は前記ピストンの一方に設けられた凹部と、
前記突当部
又は前記ピストンの他方に設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記非圧力室側への変位により前記凹部に進入する凸部とを備え、
前記第1ガイド面は、前記凸部に設けられ前記凹部を径方向にガイドすることで前記ピストンの調心を行う、
ピストンの支持構造。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のピストンの支持構造であって、
前記突当部に隣接して前記ピストンロッドに設けられ前記調心されたピストンの前記挿通孔に嵌合し該調心されたピストンを前記ピストンロッドに保持する保持部を備えた、
ピストンの支持構造。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のピストンの支持構造であって、
前記ピストン又は前記ピストンロッドの一方に設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記圧力室側への変位時に前記ピストンを径方向にガイドして前記ピストンロッドに対して調心する第2ガイド面を備えた、
ピストンの支持構造。
【請求項6】
請求項5記載のピストンの支持構造であって、
前記ピストンロッドに設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記圧力室側への変位により前記ピストンを突き当てられて抜け止めする抜止部を備え、
前記第2ガイド面は、前記ピストンが突き当てられる前記抜止部の突当面と前記ピストンロッドの前記支持部の外周面との間に設けられ、前記ピストンの前記挿通孔の周囲を受けてガイドする、
ピストンの支持構造。
【請求項7】
請求項5記載のピストンの支持構造であって、
前記ピストンロッドに設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記圧力室側への変位により前記ピストンを突き当てられて抜け止めする抜止部と、
前記抜止部
又は前記ピストンの一方に設けられた凹部と、
前記抜止部
又は前記ピストンの他方に設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記圧力室側への変位により前記凹部に進入する凸部とを備え、
前記第2ガイド面は、前記凸部に設けられ前記凹部を径方向にガイドすることで前記ピストンの調心を行う、
ピストンの支持構造。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載のピストンの支持構造を有するダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダー内を圧力室と非圧力室とに区画するピストンの支持構造及びこれを備えたダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のダンパーとしては、例えば特許文献1のように、ピストンに還流路を設けると共に還流路を開閉する弁部を設けたものがある。
【0003】
このダンパーでは、ピストンが圧力室側に移動する際に弁体が還流路を閉止して抗力を生じさせ、ピストンが非圧力室側に移動する際に弁体が還流路を開放し、ピストンの移動を容易に行わせるようになっている。
【0004】
しかし、かかるダンパーでは、弁体を設ける関係上、構造が煩雑化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、ダンパーの構造が煩雑化する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ピストンロッドに支持されシリンダー内を圧力室と非圧力室とに区画するピストンの支持構造であって、前記ピストンロッドに設けられ前記ピストンを支持するための支持部と、前記ピストンに貫通して設けられ前記支持部を挿通して前記ピストンを前記支持部に対して前記ダンパーの軸方向に変位自在に支持すると共に前記ピストンと前記支持部との間に還流路を区画する挿通孔と、前記ピストンロッドに設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記非圧力室側への変位により前記ピストンの前記挿通孔の周囲を突き当てられて前記還流路を閉止する突当部と、前記ピストンロッド又は前記ピストンの一方に設けられ前記支持部に対する前記ピストンの前記非圧力室側への変位時に前記ピストンを径方向にガイドして前記ピストンロッドに対して調心する第1ガイド面と、を備えたピストンの支持構造を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、支持部に対するピストン自体の変位によって還流路を開閉するため、別途の弁を設ける必要がなく、ダンパーの構造を簡素化することができる。このように構成しても、還流路の閉止時にピストンをピストンロッドに対して調心するため、ピストンの偏りによって生じるピストン自身やシリンダーの内面の摩耗を抑制し、耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ピストンの支持構造を採用したダンパーを示す概略断面図である(実施例1)。
【
図2】
図1のピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例1)。
【
図3】ピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例2)。
【
図4】ピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例3)。
【
図5】ピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例4)。
【
図6】ピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例5)。
【
図7】ピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、(A)は、還流路の閉止時、(B)は、還流路の開放時である(実施例6)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ダンパーの構造を簡素化するという目的を、ピストンの支持構造によって耐久性の向上を図りつつ実現した。
【0011】
すなわち、ピストン(5)の支持構造(11)は、ピストンロッド(7)に支持され、ダンパー(1)のシリンダー(3)内を圧力室(13a)と非圧力室(13b)とに区画するピストン(5)を支持するための構造であって、支持部(41)と、挿通孔(43)と、突当部(45)と、第1ガイド面(49)とを備えている。
【0012】
支持部(41)は、ピストンロッド(7)に設けられ、ピストン(5)を支持するためのものである。挿通孔(43)は、ピストン(5)に貫通して設けられ、支持部(41)を挿通してピストン(5)を支持部(41)に対して軸方向に変位自在に支持すると共にピストン(5)と支持部(41)との間に還流路(51)を区画する。突当部(45)は、ピストンロッド(7)に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の非圧力室(13b)側への変位によりピストン(5)の挿通孔(43)の周囲を突き当てられて還流路(51)を閉止する。第1ガイド面(49)は、ピストンロッド(7)又はピストン(5)の一方に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の非圧力室(13b)側への変位時にピストン(5)を径方向にガイドしてピストンロッド(7)に対して調心する。
【0013】
第1ガイド面(49)は、挿通孔(43)の周囲が突き当てられる突当部(45)の突当面(45a)とピストンロッド(7)の支持部(41)の外周面(41a)との間に設けられ、ピストン(5)の挿通孔(43)の周囲を受けてガイドする構成としてもよい。
【0014】
これに代えて、ピストン(5)の支持構造(11)は、突当部(45)及びピストン(5)の一方に設けられた凹部(57)と、突当部(45)及びピストン(5)の他方に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の非圧力室(13b)側への変位により凹部(57)に進入する凸部(59)とを備え、第1ガイド面(49)が、凸部(59)に設けられ、凹部(57)を径方向にガイドすることでピストン(5)の調心を行う構成としてもよい。
【0015】
また、ピストン(5)の支持構造(11)は、突当部(45)に隣接してピストンロッド(7)に設けられ、調心されたピストン(5)の挿通孔(43)に嵌合し、この調心されたピストン(5)をピストンロッド(7)に保持する保持部(61)を備えてもよい。
【0016】
また、ピストン(5)の支持構造(11)は、ピストン(5)又はピストンロッド(7)の一方に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の圧力室(13a)側への変位時にピストン(5)を径方向にガイドしてピストンロッド(7)に対して調心する第2ガイド面(63)を備えてもよい。
【0017】
この場合、ピストン(5)の支持構造(11)は、ピストンロッド(7)に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の圧力室(13a)側への変位によりピストン(5)を突き当てられて抜け止めする抜止部(47)を備え、第2ガイド面(63)は、ピストン(5)が突き当てられる抜止部(47)の突当面(47a)とピストンロッド(7)の支持部(41)の外周面(41a)との間に設けられ、ピストン(5)の挿通孔(43)の周囲を受けてガイドする構成としてもよい。
【0018】
これに代えて、ピストン(5)の支持構造(11)は、ピストンロッド(7)に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の圧力室(13a)側への変位によりピストン(5)を突き当てられて抜け止めする抜止部(47)と、抜止部(47)及びピストン(5)の一方に設けられた凹部(67)と、抜止部(47)及びピストン(5)の他方に設けられ、支持部(41)に対するピストン(5)の圧力室(13a)側への変位により凹部(67)に進入する凸部(69)とを備え、第2ガイド面(63)は、凸部(69)に設けられ、凹部(67)を径方向にガイドすることでピストン(5)の調心を行う構成としてもよい。
【実施例1】
【0019】
[ダンパーの構成]
図1は、本発明の実施例1に係るピストンの支持構造を採用したダンパーの断面図である。
【0020】
本実施例のダンパー1は、軸方向の収縮動作時に減衰力を発生させる直動ダンパーであり、シリンダー3と、ピストン5と、ピストンロッド7と、ロッドガイド9とを備える。なお、ダンパー1は、ピストン5の支持構造11が採用される一例であり、例えば軸方向の伸長動作時に減衰力を発生させる構成とすることも可能である。なお、以下において、軸方向とは、ダンパー1の軸方向、径方向とは、ダンパー1の径方向をいう。
【0021】
シリンダー3は、軸方向の一端が閉止されると共に他端が開放された円筒形状に形成されている。シリンダー3の材質は、ステンレス鋼等の金属であるが、これに限定されるものではなく、例えば樹脂等としてもよい。
【0022】
シリンダー3内は、一端側に作動流体としてのオイルLを収容した作動室13が区画されている。なお、作動流体としては、液体に限られず、気体を用いることも可能である。シリンダー3内の他端側には、作動室13より大径のガイド収容室15が形成されている。作動室13及びガイド収容室15間には、テーパー状の段部17が備えられている。
【0023】
ピストン5は、シリンダー3の作動室13内に軸方向に沿って移動可能に配置されている。本実施例のピストン5は、銅合金等の金属からなる柱状体である。なお、ピストン5の材質は、樹脂等の他の材質であってもよい。このピストン5は、作動室13内での軸方向の移動に伴ってシリンダー3の作動室13内を圧力室13aと非圧力室13bとに区画する。
【0024】
かかるピストン5は、支持構造11によってピストンロッド7に支持されている。支持構造11については後述する。
【0025】
ピストンロッド7は、ステンレス鋼等の金属からなる棒である。このピストンロッド7は、軸方向に伸びて設けられ、シリンダー3内の一端がピストン5を軸方向で挿通して支持している。ピストン5から突出したピストンロッド7の一端には、スプリング受け19が取り付けられている。ピストンロッド7の他端は、シリンダー3外に引き出されており、樹脂等からなるロッドキャップ21が取り付けられている。
【0026】
スプリング受け19は、シリンダー3の一端との間に配置されたリターンスプリング23を受ける部材である。本実施例のスプリング受け19は、ピストンロッド7の先端にカシメによって固定され、周回状のフランジ部25によりリターンスプリング23を受けるようになっている。このスプリング受け19を介してピストンロッド7及びピストン5をシリンダー3の他端(非圧力室13b)へ向けて付勢する。
【0027】
ピストンロッド7は、シリンダー3に対して伸縮移動して(軸方向への移動により)ピストン5を連動させる。ピストンロッド7の伸縮移動は、ロッドガイド9によりガイドされる。
【0028】
ロッドガイド9は、筒状に形成され、ガイド収容室15内に収容されている。ロッドガイド9の外周は、シリンダー3のガイド収容室15の内周に嵌合し、ロッドガイド9の内周には、ピストンロッド7が挿通している。このロッドガイド9は、内面9aにより、ピストンロッド7を摺動させてガイドする。
【0029】
なお、ロッドガイド9は、樹脂により形成されているが、他の材質とすることも可能である。
【0030】
ロッドガイド9の外周には、周回状の凹部9bが設けられている。凹部9bは、アキュムレーター27を収容すると共に軸方向の両端に径方向の膨出部29a,29bを区画する。
【0031】
一端の膨出部29aは、外縁がガイド収容室15内で作動室13との間の段部17に突き当てられる。この膨出部29aには、軸方向に貫通する貫通孔31が設けられている。貫通孔31は、アキュムレーター27と作動室13とを連通し、アキュムレーター27及び作動室13間でのオイルLの流通を可能とする。なお、貫通孔31の数や大きさは、ダンパー1の特性等に応じて任意に設定すればよい。
【0032】
ロッドガイド9の他端の膨出部29bは、壁部33を介して、金属等のシリンダーキャップ35に当接して抜け止めがなされている。なお、シリンダーキャップ35は、シリンダー3の他端にカシメ等によって固定されている。
【0033】
この膨出部29bは、外周にOリング等のシール部材37aを保持している。シール部材37aは、ロッドガイド9とシリンダー3との間を封止している。また、膨出部29bに隣接して、Uパッキン等のシール部材37bが設けられている。シール部材37bは、作動室13に対する反対側で壁部33に支持され、ピストンロッド7とロッドガイド9との間を封止する。
【0034】
アキュムレーター27は、ピストンロッド7の伸縮によるシリンダー3の作動室13内の容積変化を吸収可能とする。すなわち、アキュムレーター27は、ピストンロッド7のシリンダー3内への押込みに応じて、余剰となったオイルLを収容する。
【0035】
本実施例のアキュムレーター27は、ロッドガイド9の凹部9b内に収容された筒状の独立発泡材等の伸縮部材からなり、伸縮によって作動室13内の容積変化を吸収する。なお、アキュムレーター27は、凹部9bの外周を覆うメンブレンによって構成してもよい。
【0036】
[ピストンの支持構造]
図2(A)及び(B)は、
図1のピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図2(A)は、還流路の閉止時、
図2(B)は、還流路の開放時である。
【0037】
本実施例のピストン5の支持構造11は、支持部41と、挿通孔43と、突当部45と、抜止部47と、ガイド面(第1ガイド面)49と、を備えている。
【0038】
支持部41は、ピストンロッド7に設けられ、ピストン5を支持する。本実施例において、支持部41は、ピストンロッド7の先端を構成する棒状又は柱状である。この支持部41は、ピストンロッド7の他の部分であるロッド本体7aに対して同心状に一体且つ小径に形成されている。
【0039】
なお、支持部41は、ピストンロッド7のロッド本体7aに対して、別体に形成すると共に螺合等の適宜の固定手段によって固定してもよい。また、支持部41は、ロッド本体7aに対して同径又は大径にしてもよい。
【0040】
この支持部41には、ピストン5が挿通孔43を介して支持されている。
【0041】
挿通孔43は、ピストン5を軸方向で貫通して設けられている。この挿通孔43は、支持部41を挿通して、ピストン5を支持部41に対して軸方向に変位自在に支持する。ピストン5の変位とは、ピストン5の支持部41での支持位置が軸方向に変動することをいう。この挿通孔43は、ピストン5と支持部41との間に還流路51を区画する。
【0042】
本実施例の挿通孔43は、支持部41よりも大径の孔部であり、この径の差によってピストン5(挿通孔43の内面43a)と支持部41の外周面41aとの間に環状の隙間からなる還流路51を区画する。このように、ピストン5と支持部41との間に還流路51を区画することにより、ピストン5が支持部41に沿って軸方向に変位自在にもなる。
【0043】
なお、還流路51は、環状の隙間とする必要はなく、例えば挿通孔43を支持部41に対する径方向の両側に渡る長孔とし、支持部41の径方向の両側に区画してもよい。
【0044】
還流路51は、ピストン5を軸方向に貫通することで圧力室13aと非圧力室13bとを連通可能とする。
【0045】
突当部45は、ピストンロッド7に設けられ、支持部41に対するピストン5の非圧力室13b側への変位により、ピストン5の挿通孔43の周囲を突き当てられる。この突当により、突当部45は、還流路51を閉止する。挿通孔43の周囲とは、本実施例においてピストン5の挿通孔43を平面視において囲む領域を意味し、その限りにおいて挿通孔43に対する遠近や形状は問わない。このため、挿通孔43の周囲は、挿通孔43の開口縁のみであってもよい。
【0046】
本実施例の突当部45は、ピストンロッド7のロッド本体7aの端部によって構成されている。具体的には、突当部45がピストンロッド7のロッド本体7aと支持部41との径の差により形成された段部からなり、径方向に沿って平坦な面からなる突当面45aを有する。
【0047】
なお、突当部45は、ピストンロッド7に一体のフランジ部により、又は別体のリング状のフランジ部を取り付けることにより構成してもよい。この場合、支持部41は、ロッド本体7aに対して同径又は大径とすることが可能である。別体のフランジを取り付ける場合は、圧入等の適宜の手段によって行えばよい。
【0048】
突当面45aには、支持部41に対するピストン5の非圧力室13b側への変位によりピストン5の挿通孔43の周囲が突き当たるようになっている。この突当てによって還流路51が閉止されるため、ピストン5の挿通孔43の周囲は、突当面45aに応じて径方向に沿って平坦な面となっている。なお、ピストン5の挿通孔43の周囲及び突当面45aを径方向に対して傾斜した傾斜面等としてもよい。
【0049】
抜止部47は、ピストンロッド7に設けられ、ピストン5の抜け止めをするものである。具体的には、抜止部47は、支持部41に対するピストン5の圧力室13a側への変位により、ピストン5を突き当てられる。この突当により、抜止部47はピストン5の抜け止めをする。
【0050】
本実施例の抜止部47は、スプリング受け19のリターンスプリング23に対する反対側部分で構成され、軸方向でピストン5を挟んで突当部45に対向している。
【0051】
抜止部47は、径方向に沿って平坦な面からなる突当面47aを有し、この突当面47aにピストン5が突き当てられるようになっている。なお、突当面47aは、ピストン5を突き当てることができれば、径方向に沿って平坦である必要はない。
【0052】
かかる突当状態では、還流路51が開放されて圧力室13aと非圧力室13bとを連通する。非圧力室13bに対しては、ピストン5の突当部45からの離間により還流路51が開放される。一方、圧力室13aに対しては、抜止部47の突当面47aとピストン5との間に溝5aが設けられ、この溝5aを介して還流路51が開放される。なお、溝5aは、ピストン5に設けられているが、突当面53及びピストン5の何れか一方又は双方に設ければよい。
【0053】
ガイド面49は、ピストンロッド7又はピストン5の一方に設けられ、ピストン5の非圧力室13b側への変位時にピストン5を径方向にガイドしてピストンロッド7に対して調心する。
【0054】
本実施例のガイド面49は、ピストンロッド7の突当部45の突当面45aと支持部41の外周面41aとの間に設けられたテーパー状であり、ピストン5の挿通孔43の周囲を受けてガイドする。具体的には、支持部41の基端部が突当部45に向けて漸次大径になっており、この基端部の表面によってガイド面49が形成されている。なお、支持部41の基端部とは、ロッド本体7aに結合された端部をいう。
【0055】
本実施例のガイド面49は、周方向に連続して設けられているが、周方向で断続的に設けてもよい。例えば、複数のガイド面を、周方向に隙間を空けて配置してもよい。また、ガイド面49は、テーパー状の面の他、湾曲面等としてもよい。また、ガイド面49は、支持部41に一体に形成されているが、別体のリング等を支持部41の外周に嵌合することで構成してもよい。
【0056】
ガイド面49の径は、突当部45に向けて漸次大きくなるが、突当部45の突当面45a上においてピストン5の挿通孔43の径と一致する。これにより、ガイド面49は、ピストン5を突当面45aに突き当てられた状態でピストンロッド7に対する調心状態を保持する。
【0057】
ただし、ガイド面49の径は、突当面45a上においてピストン5の挿通孔43の径よりも大きく又は小さく形成してもよい。ガイド面49の径を突当面45a上においてピストン5の挿通孔43の径よりも大きくする場合は、ガイド面49が突当部及び突当面を兼用し、挿通孔43の開口縁を突き当てられて還流路51を閉止すればよい。
【0058】
また、本実施例においてピストン5のピストンロッド7に対する調心は、ピストン5及びピストンロッド7の双方の中心軸が一致することを意味する。ただし、ピストン5は、ピストンロッド7に対する調心によって、シリンダー3に対して摺動しないようにできればよい。この限りにおいて、ピストン5の中心軸がピストンロッド7の中心軸に対して偏心した状態やピストン5がピストンロッド7に対して径方向にがたつく状態も調心状態に含まれる。
【0059】
調心状態に含まれるピストン5の中心軸のピストンロッド7の中心軸に対する偏心は、通常製造誤差等によるものであるが、意図的なものであってもよい。同様に、調心状態に含まれるピストン5がピストンロッド7に対して径方向にがたつく状態も、製造誤差等の他、意図的なものであってもよい。
【0060】
意図的に径方向にがたつく場合としては、例えば、突当面45aへのピストン5の確実な突当を可能とするために、ガイド面49の径を突当部45の突当面45a上においてピストン5の挿通孔43の径よりも小さくする場合等がある。
【0061】
[動作]
本実施例のダンパー1では、ピストンロッド7が外力を受けてシリンダー3内に押し込まれると減衰力を生じさせる。すなわち、ピストンロッド7の押込みに応じてピストン5がシリンダー3の一端側である圧力室13a側へ移動する。このとき、ピストン5は、オイルLの圧力を受けて、
図2(A)のように、支持部41に対してシリンダー3の他端側、つまり非圧力室13b側へ変位する。
【0062】
この変位により、ピストン5の挿通孔43の周囲がピストンロッド7の突当部45に突き当たり、還流路51が閉止される。このとき、本実施例では、ピストン5がガイド面49により径方向にガイドされてピストンロッド7に調心される。例えば、ピストン5は、移動前においてピストンロッド7に対して径方向に偏心していたとしても、移動に伴い挿通孔43の開口縁がガイド面49に沿ってガイドされて調心される。
【0063】
なお、ピストンロッド7は、ロッドガイド9によってシリンダー3に調心されているため、ピストン5は、ピストンロッド7を介してシリンダー3に調心されることとなる。これにより、ピストン5とシリンダー3との間に隙間が確保される。
【0064】
こうしてピストン5が調心されて還流路51が閉塞された状態では、ピストン5が圧力室13a側へさらに移動すると、圧力室13a内のオイルLがピストン5とシリンダー3との間の隙間を通って非圧力室13b側へと流動し、減衰力を生じさせる。
【0065】
このとき、ピストン5は、ガイド面49によって調心状態が保持され、径方向への偏りが防止される。従って、ピストン5は、径方向への偏りによるシリンダー3の内面3aへの摺動が防止される。結果として、ピストン5は、自身の摩耗やシリンダー3を摩耗させることが抑制される。
【0066】
また、ピストン5のシリンダー3の内面3aへの摺動が防止されるので、余計な摩擦力等が作用せずにダンパー1の特性が安定する。さらに、ピストン5がピストンロッド7に対して調心されていることにより、ピストン5とシリンダー3との間の隙間が全周に渡って均一化される。この結果、ピストン5の動作やオイルLの流動が安定し、ダンパー1が減衰力を安定して生じさせる。
【0067】
その後、ダンパー1は、ピストンロッド7がシリンダー3外へ引き出されると、ピストン5が減衰力を生じさせる前の状態へと復帰する。このとき、ピストンロッド7の引出しに応じて、ピストン5がシリンダー3の他端側へ向かって移動する。
【0068】
この移動により、ピストン5は、オイルLの圧力を受けて、
図2(B)のように、支持部41に対してシリンダー3の一端側である圧力室13a側へ変位する。この変位により、ピストン5が抜止部47の突当面47aに突き当たる。これにより、還流路51は、非圧力室13b及び圧力室13aに開放される。従って、還流路51が圧力室13aと非圧力室13bとの間を連通する。
【0069】
この状態では、ピストン5が他端側である非圧力室13b側へさらに移動すると、非圧力室13b内のオイルLがピストン5とシリンダー3との間の隙間だけでなく還流路51を通って圧力室13a側へと流動する。このため、ピストン5をシリンダー3の他端側である非圧力室13b側へ向かって円滑に移動可能とする。
【0070】
このとき、本実施例では、ピストン5が調心されないが、減衰力を生じさせる場合と比較して、ピストン5をシリンダー3の内面3aに押しつける力が弱く、摩耗等も少ない。
【0071】
なお、減衰力の発生は、上記とは逆にピストン5が他端側へ移動する際に行ってもよい。
【0072】
[実施例1の効果]
以上説明したように、本実施例のピストン5の支持構造11は、ピストンロッド7に設けられ、ピストン5を支持するための支持部41と、ピストン5に貫通して設けられ、支持部41を挿通してピストン5を支持部41に対して軸方向に変位自在に支持すると共にピストン5と支持部41との間に還流路51を区画する挿通孔43と、ピストンロッド7に設けられ、支持部41に対するピストン5の非圧力室13b側への変位によりピストン5の挿通孔43の周囲を突き当てられて還流路51を閉止する突当部45と、ピストンロッド7に設けられ、支持部41に対するピストン5の非圧力室13b側への変位時にピストン5を径方向にガイドしてピストンロッド7に対して調心するガイド面(第1ガイド面)49と、を備えている。
【0073】
従って、支持構造11は、支持部41に対するピストン5自体の変位によって還流路51を開閉するため、別途の弁を設ける必要がなく、ダンパー1の構造を簡素化することができる。
【0074】
このようにしても、還流路51の閉止時には、ピストン5をピストンロッド7に対して調心するため、ピストン5の径方向への偏りによって生じるピストン5自身やシリンダー3の内面3aの摩耗を抑制することができる。結果として、本実施例の支持構造11は、ダンパー1の耐久性を向上できる。
【0075】
また、ピストン5のシリンダー3の内面3aへの摺動が防止されるので、余計な摩擦力等が作用せずにダンパー1の特性を安定させることができる。さらに、ピストン5の調心により、ピストン5とシリンダー3との間の隙間を均一化でき、ダンパー1の減衰力を安定して生じさせることができる。
【0076】
また、ガイド面49は、挿通孔43の周囲が突き当てられる突当部45の突当面45aとピストンロッド7の支持部41の外周面41aとの間に設けられ、ピストン5の挿通孔43の周囲を受けてガイドする。
【0077】
従って、ピストンロッド7を製造する際の加工等だけで、ガイド面49を容易且つ確実に形成することができる。また、ガイド面49を設けることで、支持部41の強度を向上することもできる。
【実施例2】
【0078】
図3(A)及び(B)は、本発明の実施例2に係るピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図3(A)は、還流路の閉止時、
図3(B)は、還流路の開放時である。なお、実施例2では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0079】
本実施例は、ガイド面(第1ガイド面)49をピストン5に形成したものである。
【0080】
すなわち、ピストン5は、挿通孔43が非圧力室13b側に向けて漸次拡径されたテーパー状のガイド面49を有する。ピストンロッド7は、支持部41の基端部が角部55aを有する矩形の断面形状を有している。その他の構成は、実施例1と同一である。
【0081】
かかる実施例2では、ガイド面49が支持部41の基端部が角部55aに当接することでピストン5を径方向にガイドするため、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0082】
図4(A)及び(B)は、本発明の実施例3に係るピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図4(A)は、還流路の閉止時、
図4(B)は、還流路の開放時である。なお、実施例3では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0083】
本実施例は、ピストン5及びピストンロッド7にそれぞれ凹部57及び凸部59を設け、凸部59にガイド面(第1ガイド面)49を設けたものである。支持部41の基端部は、ストレート形状となっている。その他は、実施例1と同一である。
【0084】
凹部57は、ピストンロッド7の突当部45に突き当てられるピストン5の挿通孔43の周囲に設けられている。凹部57は、周方向に連続して形成されているが、不連続に形成することも可能である。凹部57の形状は、断面矩形状であるが、凸部59を受け入れる形状であれば、凹部59と同一形状としてもよい。
【0085】
凸部59は、ピストンロッド7の突当部45の突当面45aからピストン5に向けて突出して設けられている。凸部59は、凹部57に対応して周方向に連続して形成されているが、不連続に形成することも可能である。
【0086】
凸部59の軸方向の寸法は、凹部57と同一か僅かに小さく形成され、ピストン5の非圧力室13b側への変位により凹部57に進入する。ただし、凸部59の軸方向の寸法を凹部57よりも大きくしてもよい。この場合、ガイド面49が突当面を兼用するようにすればよい。
【0087】
かかる凸部59は、断面形状がピストン5側に向けて先細りとなる山型に形成されている。この山型により、凸部59の内周及び外周には、ガイド面49が形成されている。ガイド面49は、凹部57の開口縁部を受けて凹部57を径方向にガイドし、ピストン5を調心する。
【0088】
なお、凸部59をピストン5に設け、凹部57をピストンロッド7に設けることも可能である。
【0089】
かかる構成の実施例3でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例4】
【0090】
図5(A)及び(B)は、本発明の実施例4に係るピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図5(A)は、還流路の閉止時、
図5(B)は、還流路の開放時である。なお、実施例4では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0091】
本実施例は、突当部45に隣接してピストンロッド7に保持部61を設けたものである。その他は、実施例1と同一である。
【0092】
保持部61は、調心されたピストン5の挿通孔43に嵌合し、この調心されたピストン5をピストンロッド7に保持するものである。保持部61の挿通孔43への嵌合は、挿通孔43の一部又は全体にわたって行われる。
【0093】
本実施例において、保持部61は、挿通孔43の一部に嵌合するものである。本実施例の保持部61は、ガイド面49から遷移して設けられた径が一定の柱状体である。保持部61は、軸方向の寸法が挿通孔43の一部と同一であると共に挿通孔43と径が同一である。
【0094】
なお、保持部61の径は、ピストン5の挿通孔43の径より僅かに小さく設定してもよい。この場合、保持部61及び挿通孔43の径の差が調心状態を維持できる範囲とする。また、保持部61は、リブ状に形成してピストン5の挿通孔43に嵌合する構成とすることも可能である。
【0095】
かかる実施例4では、実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、保持部61によってピストン5の調心状態を保持することができるため、より安定した動作をダンパー1に行わせることができる。
【実施例5】
【0096】
図6(A)及び(B)は、本発明の実施例5に係るピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図6(A)は、還流路の閉止時、
図6(B)は、還流路の開放時である。なお、実施例5では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0097】
本実施例は、ピストンロッド7に対して、第1ガイド面49に加えて第2ガイド面63を設けたものである。その他は、実施例1と同一である。
【0098】
第2ガイド面63は、ガイド部65の表面からなる。ガイド部65は、スプリング受け19の軸心部に一体に設けられ、ピストンロッド7に沿って抜止部47から軸方向に突出している。このガイド部65は、抜止部47に向けて漸次大径になっており、このガイド部65の表面によってテーパー状の第2ガイド面63が形成されている。
【0099】
これにより、第2ガイド面63は、ピストン5が突き当てられる抜止部47の突当面47aとピストンロッド7の支持部51の外周面41aとの間に設けられている。
【0100】
この第2ガイド面63は、支持部41に対してピストン5が圧力室13a側に変位するときに、ピストン5の挿通孔43の周囲を受けてピストン5を径方向にガイドし、ピストンロッド7に対して調心する。
【0101】
従って、実施例5では、実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、ピストン5が圧力室13a側に変位するときにも、ピストン5を調心し、摩耗の抑制による耐久性の向上、ダンパー1の特性の安定化、ダンパー1の減衰力の安定化等を図ることができる。なお、第2ガイド面63は、実施例2のようにピストン5に設けることも可能である。
【実施例6】
【0102】
図7(A)及び(B)は、本発明の実施例6に係るピストンの支持構造を示す拡大断面図であり、
図7(A)は、還流路の閉止時、
図7(B)は、還流路の開放時である。なお、実施例6では、実施例5と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0103】
本実施例は、ピストン5及びピストンロッド7にそれぞれ凹部67及び凸部69を設け、凸部69に第2ガイド面63を設けたものである。その他は、実施例5と同一である。凹部67及び凸部69は、実施例3の凹部57及び凸部59と同様に構成されている。
【0104】
すなわち、凹部67は、ピストンロッド7の抜止部47に突き当てられるピストン5の挿通孔43の周囲に、周方向に連続して形成されているが、不連続に形成することも可能である。
【0105】
凸部69、ピストンロッド7の抜止部47の突当面47aからピストン5に向けて突出して設けられ、凹部67に対応して周方向に連続して形成されているが、不連続に形成することも可能である。
【0106】
凸部69の軸方向の寸法は、凹部67と同一か僅かに小さく形成されており、ピストン5の圧力室13a側への変位により凹部67に進入する。
【0107】
この凸部69は、断面形状がピストン5側に向けて先細りとなる山型に形成され、凸部69の内周及び外周には、第2ガイド面63が形成されている。第2ガイド面63は、凹部67の開口縁部を受けて凹部67を径方向にガイドし、ピストン5を調心するようになっている。
【0108】
なお、凸部69をピストン5に設け、凹部67をピストンロッド7の抜止部47に設けることも可能である。
【0109】
かかる構成の実施例6でも、実施例5と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 ダンパー
3 シリンダー
5 ピストン
7 ピストンロッド
11 支持構造
41 支持部
41a 外周面
43 挿通孔
45 突当部
45a 突当面
47 抜止部
49 ガイド面,第1ガイド面
51 還流路
57 凹部
59 凸部
61 保持部
63 第2ガイド面
67 凹部
69 凸部